君も石像になろう!石化温泉フェスティバル
●
「みんな集まった?今回の依頼はね」
氷雪系や石化系の依頼しか持ちだしてこないグリモア妖精ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)がグリモアベースに君達猟兵を集めた。
「温泉。キマイラフューチャーの温泉にやってくるオブリビオンを倒して欲しいの。」
ポーラリアは映像を展開する。
なんでもありなキマイラフューチャーの世界に、広大なスパな世界が広がった。
様々な温泉のある場所で、スーパーな銭湯の倍くらいの屋内浴場、辺り一面が温泉地とも言える澄んだ空気の屋外露天風呂が沢山存在する場所だった。
「温泉フェスティバルっていって、色んなキマイラさんが独自の温泉を掘って、自慢の温泉を展示、みんな自由に入ってくつろいでいい所なの。」
コーヒー牛乳やマッサージマシン、ロウリュなど、温泉以外のサービスも充実しているらしい。
「それで」
ポーラリアは小さな体でグリモアベースの機械をぺちぺち叩き、映像を切り替える。
『ちゅっちゅっちゅ、石にしてやるっチュー!』
『うわーっ!怪人が出たー!』
『石にされるー!』
怪人というかネズミ系キマイラのオブリビオンの少年たちが温泉フェスに集団で現れ、石で出来た様な爆弾をポイポイ投げていく。
逃げ惑うキマイラたちが何人か爆弾の爆発に巻き込まれ、身体が石化して石像になっていく。
「石化爆弾を生み出して投げてくるネズミキマイラのオブリビオンが、定期的に暴れて悪さしているんだって。」
更に映像を切り替えた。ネズミキマイラが満足して立ち去った、襲撃後の温泉フェスである。
様々な温泉に、様々なポーズで石化したキマイラ達が飾ってあった。
「彼らのおかげで、石化がこの温泉フェスの名物イベントになったの。」
よく見ると、石化したキマイラは驚いたり逃げ惑う姿の他、頑張ってポーズを決めた様な姿で目立つ所に佇んでいたり、ダブルピース笑顔で湯船に沈んでいる者もいた。
それを嬉しそうに耐水性のスマホで撮っている石化したキマイラの友達らしきキマイラもいる。
「雑に石化させてるみたいで、オブリビオンの投げる石化爆弾には不発弾もあったみたい。衝撃を与えても爆発するようになってるから、スタッフが回収して……」
温泉の入り口で、石化爆弾が貸し出しされていた。
更に温泉各地に点在している自販機にも石化爆弾が売られていた。
うん。
「温泉にもつかれるし、温泉の石像飾りにもなれるよ。」
面白い石像になったらSNSでバズるかもしれないね、と言いつつ。
「こんな感じで人気だけど、依頼は定期的にやってくるネズミキマイラなオブリビオンの退治だよ。……石化したキマイラさん、オブリビオンを倒さないと元に戻らないの。」
沢山石像が転がり過ぎて、温泉スペースが圧迫されてきているから、放っておくと湯船が石像で詰まっちゃうので退治して欲しい、というものらしい。
「猟兵さんなら気合とかユーベルコードで何とかなる気がするから、石化に負けず頑張って。」
そう言ってポーラリアはグリモアを展開し、猟兵達を転送していった。
古塔
湯煙の中でヴィーナス像になったり、マーライオンの真似したりしてみませんか。
古塔と申します。
キマイラフューチャーの温泉な世界で、石化してくるネズミ退治をお願いします。
●1章
ネズミが襲撃してくるまでまだ時間があります。温泉フェスで過ごしてください。
石像だらけの温泉ですが、効能は様々で文句なし。
ゆっくり湯船に浸かって疲れを癒せます。
温泉は猟兵が望むなら屋外屋内、炭酸に電気にジェット、なんでもござれです。
サウナやマッサージ、ロウリュとかのサービスも充実しています。
2章の敵が残していった石化爆弾で、あなたも温泉によくある石像になれます。
石化爆弾も様々で、即爆性で一瞬で石化してしまうものから粘着性でセメントみたいに固まったり、爆発せず石化ガスが噴出するタイプなど色々。
面白いポーズを取ったらお客のキマイラ達が話題にして、人気のストーン猟兵になれるかもしれません。
石化したら動けません。重いです。温泉の効能と熱はじわりと全身に伝わってきます。
お好きに。
温泉が無限に流れる不思議な壺やホースなども貸し出しされているので、お湯をかけ流してくれる女神みたいな石像とかマーライオンごっことか、そういうのもできます。
●2章
噂のオブリビオン、ペトリファイマウスが集団で攻めてきます。
倒して。
石化している場合は石の身体で頑張るなり、頑張って石化を解くなりしてください。
第1章 日常
『温泉へゆこう』
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POW : 全力であびる
SPD : いい具合に浴びる
WIZ : 賢くあびる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
【もふもふ☆ケモショタチェンジ!】でケモモードに!
そして、ケモ専用水着に着替えて…オブリビオンの襲撃が原因とは言え、こんな素敵なフェスがあるなんて…♪
人が集まる前にお借りしてきた遅爆性の爆弾にちょっと衝撃与えて…すぐさまポーズを決めて待機するのですっ!
可愛らしいポーズをした水着姿のキマイラが温泉の片隅に…♥
いざ爆破…と思いきや身体中セメントのようなものに包まれて…もしかして爆弾間違えた!?
ドロドロまみれの身体を慌てて動かすも…段々固まって中途半端なポーズで助けを求めるかのように腕を伸ばしたまま…
結局、石像どころかドロドロの無様なオブジェへと変わり果て、皆に見られちゃいます…
●
「もふもふ☆ケモショタチェ~ンジ!」
それは本日一日の温泉フェス開幕直後の話である。
人がまだ押し寄せない早朝の時間帯にテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)が突入した。
「そして、ケモ専用水着に着替えて…」
ユーベルコードでふさふさの、可愛いふさふさの白毛兎が2足歩行になって薄紫乳白色の長髪をひっさげた兎獣人となったテフラは、赤いロリロリなファッションにリボンの似合うへそ出しドレスの様な水着に着替えた。
当温泉は一応裸でも謎の光でセーフを起こすが、無論水着でも混浴でも大丈夫なフェスである。水着キマイラは何の問題もない。
「あとは入り口でお借りしてきたこの遅爆性の石化爆弾で…ああ…オブリビオンの襲撃が原因とは言え、こんな素敵なフェスがあるなんて…♪」
やや恍惚としてうっとりした笑みで、手に持った石化爆弾を強く握る。
整備され、既に綺麗に整った石像がかざられる温泉フェスの1角で、テフラは石化爆弾を床にたたきつける。
男の娘な兎キマイラだが胸を強調するように突き出し、左手で胸を持ち上げるように、右手は掌を前に向け、キマイラ達がハイタッチ出来る様な形にし、ウインクをして片足を可愛く少し上げた。
方々で話題になるテフラ・カルデラの石像であれば、たちまちキマイラ達の人気石像となるだろう。
あとは爆弾が爆発して、石像になれば、温泉フェスの看板オブジェのできあがり。
「…………(ドキドキ)…………」
そして爆弾が爆発した。
「(えっ!?)」
だがその爆弾は着爆性の一瞬で石化するタイプではなかった。
爆風と共に凄い量のセメントの様な石化粘液がテフラを中心に飛び散る。
「ぁ……か……!」
たちまち濃灰色の石化粘液に絡め取られ、全身が石の様な泥に覆われたテフラ。
「ゃ……ば……助け……ぁ……」
頑張って体を動かしていくが、遅い。ドロドロの粘液はたちまちテフラの身体を固めていく。
「…………」
慌ててポーズを崩し、助けを求めるように中途半端に右手を突き出した、兎獣人のオブジェが温泉にまた一つ出来上がった。
「…………」
キマイラ達が集まって、温泉に浸かり始める。
石化爆弾で自爆して、変なポーズで固まって遊んだり、普通に一服したりするキマイラ。
それを、助けを求める様な無様な姿で、ただただ見届け続けるテフラのドロドロ石化像がぽつり。
「あっ、うわ、こんな石像もあるんだ~」
キマイラがテフラに気づき、防水スマホで写真を撮る。
「(み、見ないでください~!?)」
テフラは見た目こそドロドロの泥まみれで、メデューサなどのモンスターから逃げ出そうとするような姿で固まった石像。
だが、表面は見事に固まっており、温泉の蒸気でつるっつるになっていた。そういう形のオブジェとして見るのがいい。
兎耳もドロドロだった泥の石で、髪と一緒につながって固まっている。
キマイラがテフラの突き出した手をにぎにぎして触る。
「すごいねえ。」
「ここの怪人は可愛いから、よっぽど恐ろしい爆弾にやられたのかな」
「こんなポーズしてみたいー!」
テフラの隣で同じポーズと、恐怖にひきつった表情の真似をして遊ぶキマイラまで現れた。
「あ、あぅぅぅぅ……♥」
テフラ・カルデラはドM系ウサギキマイラ。
なすすべ無き石化状態のまま一般キマイラに弄ばれる状態を、温泉でたっぷり堪能する事となった。
大成功
🔵🔵🔵
レパル・リオン
チルちゃん(f27327)を誘う!
チルちゃん!石像になって温泉で温まろう!
あと怪人を倒そう!
怪人の目の前ならともかく、キュートな芸術になって注目を浴びるのは楽しいわよ!
しかも温泉つき!新しいわ!
そんなワケで、あたしはチルちゃんの腕にしがみついちゃう!ぎゅーっ!
わー、チルちゃんひんやりー!気持ちいいー!コタツの中でアイスみたーい!
ここで石化爆弾をぽーい。
あっという間にカッチカチ!
んんー、カチカチな体に温泉の熱が染み渡る〜!
もっと見られたい!触られたい!でもおねだりもできないー!もどかしいけど、それも逆に気持ちいいっていうか〜!
なんか忘れてる気がするけどー、まあいっかー。はぁー、気持ちいい〜!
チル・スケイル
レパルさん(f15574)に誘われて
石化というのは最も危険な状態異常ではありませんでしたか?
それを恐れないばかりか、むしろ進んで物言わぬ石になりたがるとは…
レパルさんが危なくないというなら…折角なので石化…してみます
じっとしていると何もないですが、動こうとするとずっしりと重く岩壁のように硬い感触が帰ってきて…ああ…本当に動けません…
あ、でも石化してると体の奥の奥まで暖まって…気持ちいいです
のぼせたり熱すぎて体調を崩す心配はなさそうですね
動けないというのは思ったほど不快でなく、むしろ体が安定して快適です
腕にしがみつくレパルさんの重み…いつまでも離れない「もふっ」とした感触…
とても…心地良い…
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「チルちゃん!石像になって温泉で温まろう!あと怪人を倒そう!」
そう言ってピンクの多獣キマイラ、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)が、青き氷のドラゴニアン、チル・スケイル(氷鱗・f27327)を温泉へ誘った。
「…え?」
転送前、グリモアベースの一場面である。
チルは目をぱちくりさせて不安そうな顔でレパルを見た。
「石化…というのは、身体が石と化して、無防備のまま一切動けなくなるという、最も危険な状態異常ではありませんでしたか?…それを恐れないばかりか、むしろ進んで物言わぬ石になりたがるとは…」
レパルはぴょんぴょんとチルの前でおねだりする。
「石化するのは怪人の残した爆弾だけど、怪人の目の前ならともかく、みんなの前でキュートな芸術になって注目を浴びるのは楽しいわよ!しかも温泉つき!新しいわ!」
「…そうですか。レパルさんが危なくないというなら…」
チルとレパルはお互いを信頼している。
レパルの提案なら、と言った次第に、チルはレパルに押し負けて、手を繋いでグリモアの光に飛び込んだ。
「うわーっ!すごいすごい!あっちもこっちも可愛い石像だらけだよ!」
むわっとした、しかし心地よい温泉の熱気の中、水滴がしたたり落ちながらもツルツルでゴツゴツな石像が、至る所にある温泉。
二人はそんな石像温泉フェスのど真ん中を歩いていた。
「あ、うん、可愛い、ですか…?おびえている石像も逃げている石像もちらほらとありますが。」
「でもみんな楽しそうな表情だよ!ちょっと触ってみてよ!」
温泉に濡れた、1体のキマイラの石像の頭にぺたりとレパルが手を当てる。
「暖かいわ!かった~い岩みたいな石なのに、じわりと手から暖かいのが伝わってくる!冷たくて無機質なそこらの石像とはわけが違うわ!」
「…これに、なるのですか?」
「石像の中もきっととっても暖かそうにしているの!大丈夫大丈夫!」
「う~ん……おや?これは…」
石化したキマイラの石像をペタペタと触るリオン、その近くにあった石像をチルは見た。
「ん?なになに?…きゃーっ♡」
抱きしめ合って石化した、バーチャルアイドルの石像であった。
可愛らしいリボンで装飾された電子の妖精の様な少女の二人組が、百合の様に仲良く抱きしめ合い、記念撮影の様に頬をくっつけ合って正面を見ながら石化爆弾を起動したらしく、とても仲良き可愛らしい姿が彫像として温泉地の一角に飾られていた。
「ね、ね、チルちゃん、こんな感じで行こう!すっごい最高の石像になって、皆を虜にしちゃう!」
「…こんな姿で石化するとなる、と……」
まるでカップルの様だという言葉は、とりあえず飲み込んでおいた。
「…わかりました。折角なので石化…してみます」
二人は点在する温泉の内、ドーナツ状になっている温泉の中央に立っていた。
ここに石像が飾られれば、温泉に浸かりながら中央に置かれた石像に誰もかれもが目を運ぶ、絶景の石化スポットである。
「さて、ここでどのように」
「こうよ!ぎゅーっ♪」
チルの問いに早速レパルがチルの腕にしがみついた。
「レパル、さん――」
重く体重をかけて乗り掛かるレパルの体。
そして温泉に来てもなお良き毛並みを保つ虎の腕。
「わー、チルちゃんひんやりー!気持ちいいー!コタツの中でアイスみたーい!」
レパルはレパルで、チルの真っ白な氷の龍肌の気持ちよさに、うっとりと頬ずりをし始める。
オオカミのふさふさマズルがこそばゆく冷たきチルの龍肌を撫でる。
その感覚にふっとチルの頬が崩れ、微笑みを見せた時。
「ここで石化。そーぃ!」
しれっと手に持っていた爆発寸前の石化爆弾を、レパルは真上にぽいと投げると、二人の目の前で爆発。
石化の爆風がたちまち二人を包み込み、あっという間に体を石化していく。
煙が晴れると、満面の笑みでウインクしてチルの腕に抱き着いたレパルと、抱きつかれて姉の様に微笑むチルが、温泉の中心で石化したまま佇んでいた。
「…………」
「…………」
動けない。
全身が石と化している。
言葉を出す事も出来ない。
ただ、五感は、温泉の熱気を吸収して、ぽかぽかと心の底から暖かい。
ひたすら、石像のままじっとしている。
「(んんー、カチカチな体に温泉の熱が染み渡る〜!)」
「(…ああ…本当に動けません…)」
レパルは嬉しそうに、チルは冷静に今の状態を受け止める。
「(じっとしていると何もないですが、動こうとするとずっしりと重く岩壁のように硬い感触が帰ってきて…)」
抵抗する、という意志だけは起こせる。
しかし、肉体は全てチルのものでなく、硬く重い石のもの。
微動に揺れる事すらかなわない、生きて動く事を止めた、ただの石が生み出した芸術作品。
それが今の二人の姿であった。
その内がやがやと、キマイラ達が二人が石化した温泉に集まってきた。
石化した二人を見上げて一息つき、湯につかり寛ぐ者。
子供のキマイラが物珍しそうに見て、足や背中をぺちんぺちんと触ってくると、ぞくりとした感覚が伝わるが、石化した体は反応を返す事が出来ない。
「(ああ~!頭も触って!撫でてもいいのよ!どんな顔してるかこっち見て見て!)」
心の底からじわりと温まる気持ちと、もどかしい想いが、ひたすらレパルの中で積み重なっていく。
「(もっと見られたい!触られたい!でもおねだりもできないー!もどかしいけど、それも逆に気持ちいいっていうか〜!)」
「(石化してると体の奥の奥まで暖まって…気持ちいいです)」
冷静に石像と化していたチルも、徐々に胸の奥から伝わっていく心地よさに、頭が緩くなっていく。
「(のぼせたり熱すぎて体調を崩す心配はなさそうですね。動けないというのは思ったほど不快でなく、むしろ体が安定して快適です)」
そしてチルは、石化する直前の事を思い出していた。
嬉しそうに腕にしがみつくレパルの重み、そしていつまでも離れない、「もふっ」とした感触。
あのもふ感が、石化した瞬間、時が止まったかのようにチルの身体と肌に残り続けていた。
「(とても…心地良い…)」
二人は心の底から幸せを感じながら、仲良き獣人と龍人の石像として、温泉の一角に飾られたのであった。
「(なんか忘れてる気がするけどー、まあいっかー。はぁー、気持ちいい〜!)」
この先に起こる一抹の不安でさえ、今の幸せにかき消されて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ノア・コーウェン
ルクさん(f14346)と
なんというか、襲われたのを利用して石像に自由になれる温泉って…商魂たくましいですね…。
せっかくですし楽しみましょうかね!ルクさん!
…はい?僕たちのファン…なるほど。
ポーズをとって石像になって飾られて欲しいと…なるほど、良いですよ!どんなポーズですか?
なるほど小便小僧のポーズ…面白そうですね…。あ、このホースを使ってちゃんと温泉が出るようにするんですね?中々本格的ですね…。
じゃあ二人で並んで小便小僧しましょうか!ルクさん!
なんとなくちょっと楽しいですね…。
それに…ホースで温泉が出てるせいか…じわじわあったまって…変な感じですね…。
写真もいっぱい撮られて…人気者ですね!
ルク・フッシー
ノアさん(f02485)と
な、なんだかすごく個性的な温泉ですね〜…
見渡す限りの石像…みんな一般の方とはちょっと信じられないです〜
ぼ、ボクたちのファンですか!?指定したポーズで石化してほしい?
しょ、小便小僧!?う、うーん…そんなに頼まれたら断われないですぅ…
そういうわけで、二人で小便小僧のポーズの石像になります。ものすごく恥ずかしいですう!!!
ううう、でもファンの人はメチャクチャいい笑顔です…喜んでもらえたなら、よかったと思いましょう…
方法はわかりませんが、ボクの石化した股関から温泉が出て…暖かいですぅ〜
あれ?何か忘れてるような…
あっ、オブリビオン!動けないと戦えませんよ!ど、どうしましょう!?
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「な、なんだかすごく個性的な温泉ですね〜…」
二人連れでやってきた者がいた。
今温泉に声を投げたのは緑のドラゴニアン、ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)。
「見渡す限りの石像…みんな一般の方とはちょっと信じられないです〜」
歩きながら、温泉に点在する様々な石像を見やる。
ブクブクと音を立てて流し湯の先で温泉の流水を全力で口を広げて受けている横たわるキマイラの石像もあれば、一つの温泉の中央に立ち尽くしたテレビウムの石像は掲げたリモコンから噴水の様な温泉を噴き出している。
「なんというか、襲われたのを利用して石像に自由になれる温泉って…商魂たくましいですね…。」
連れのフェレットの獣人、ノア・コーウェン(がんばるもふもふ尻尾・f02485)が言った。
例えばRPGで魔王に襲われた村があったとして、襲われた残骸を土産物店で売りに出すような、そんな。
「せっかくですし楽しみましょうかね!ルクさん!」
ノアはやや狼狽えるルクよりも楽天的であった。
するとキマイラの子供達が二人に近づいてきた。
「あっ、あなたって!」
「ルクさんですか!?」
「ノアさんもいます!」
「?…誰ですか?」
ルクが訝しむ。少しばかりの不安を胸に秘めながら。
「私達、ルクさんとノアさんの」
「ファンなんです!」
「…はい?僕たちの」
「ファ、ファンですか!?」
キマイラの子供達は目をキラキラと輝かせて二人に迫る。
「はい!」
「いつも私達の世界を救ってくれてありがとうございます!」
「こんなヒーローにここで会えるなんて……!」
ふと見るとキマイラの子供達はその手に石化爆弾を持っている。
「あなた達も石化しにこの温泉へ?」ノアが訪ねる。
「そのつもりだったのですが……」
「折角有名人がいるので、その、良ければのお願いなのですが。」
キマイラの子供達はぐっと石化爆弾を握りしめ。
「記念に、ルクさんとノアさんの小便小僧が見たいのですが…!」
「しょ、小便小僧!?」
ルクは嫌な予感を的中させ、身じろぐ。
小便小僧とは、小便をする石像のアレである。
主に公園の噴水なんかの代わりになっている。
「だ、ダメでしょうか。」
「小便…小僧…う、うーん…それはちょっと」
「平和の象徴ですよ!?小便小僧って!」
「世界を救って頂いたヒーローとして、すっごい映えると思うんです!」
「是非!」
「ぜひ!」
ルクとノアは何度もキマイラフューチャーを救って来た猟兵である。
彼らの押しにはやや弱い。
「…そ、そんなに頼まれたら…」
ルクが突き詰めていくキマイラに慌てていると、横からノアが呟いた。
「面白そうですね…。」
「ノアさん!?」
「二人で仲良く小便小僧として、キマイラフューチャーのシンボルになるの、とっても気持ちいいと思います!一緒にやりましょう!ルクさん!」
えっえっと涙目で、しかし恥ずかしさが最大に達しそうなその彫像になるのに抵抗を覚えているルクだが。
ふと横を見ると、期待に満ち溢れた目でキマイラ達がルク達を見ていた。
「…断われないですぅ…」
ルクはとうとう観念して、ノアと共に小便小僧になる事を受け入れた。
「じゃあ二人で並んで小便小僧しましょうか!ルクさん!」
「えっ、えぇと……わ、わかりました。」
そう言って二人はきゅっと、股間を抑えるポーズをとった。
するとキマイラは後ろからきゅっと、何かを股間に差し込んできた。
「(……?)」
ルクはよく分からずに差し込んできたものを手に取り、ノアはすぐにわかったので角度を調整している。
それは温泉の出るホースであった。
「それじゃあ、石化しますね!えーいっ!」
「(う、うう、くる……!)」
石化爆弾を投げつけられ、ルクとノアの二人の間で爆発する。
煙の出る音と、乾く様なパキン……という音と共に、一瞬で二人は立小便をしている石像と化してしまった。
冷たく、重く、そして動けない。
「…………」
「…………」
彼らの矛先はすぐ近くにあった温泉へと向けられている。
一応、下にはブリーフタイプの海パンを付けているので、露出に関しては心配ないと思っていた。
カチコチに固まり、目は開いたまま。意識はあり、何故か視界もはっきりとしているが、指一本動かせない。
完全に無機質なものに肉体が変質したのだろうと、二人は自覚する。
すると、じわじわと、股が熱くなってきた。
先程のホースから、どばどばと温泉があふれ出てきたのだ。
横眼から見ると、あたかも小を足している男の子キマイラ(一人はドラゴニアンの少年だが――)に見えるが。
ちゃんと正面辺りの見る角度から見れば、ホースをきゅっと股の辺りでつまんで放水している少年達に見えた。
倫理的にはグレーな方だと思う。
そんな立派な小便小僧像が、2体並んで、ノアは爽やかな、ルクは慌てた様な表情で温泉に向けて用を足していた。
「(なんとなくちょっと楽しいですね…。)」
「(それに…ホースで温泉が出てるせいか…じわじわあったまって…変な感じですね…。)」
「(方法はわかりませんが、ボクの石化した股関から温泉が出て…暖かいですぅ〜)」
股を中心に、ぽかぽかと、温泉の陽気に当てられる二人。
意識が飛びそうになるほど、しかしゆっくりと、小便小僧像となったまま心が癒されていく。
「(あ、写真もいっぱい撮られてる…人気者ですね!)」
「(も、ものすごく恥ずかしいですう!!!)」
視界には映らないが、防水スマホのシャッター音が聞こえる。
多分撮られているのであろう。
「すごーい…!猟兵ってこんなに立派な…!」
「ドバドバ出てるー!なんだかカッコいい!」
かっこいいのだろうか。
どうもそうらしい。彼らはこれ見よがしにルクとノアの視界に映る、正面からも撮ってきたので。
「(ううう、ファンの人はメチャクチャいい笑顔です…)」
「(喜んでもらえたなら、よかったと思いましょう…)」
二人は、これがキマイラの石化した像であればとても恥ずかしい姿の石像として、温泉フェスの給湯システムの一部となり果てたのだった。
そんな英雄キマイラ(ドラゴニアン)の像は、沢山のキマイラに見られ、SNSで拡散されて、彼らの姿は一躍有名となった。
「ぁぁ~、ルクさんとノアさんのお湯……気持ちいい……」
彼ら石像の噴水している下で温泉に浸かり、寛いでいるキマイラまでいる。
彼らはひたすらしょうしょうと温泉を噴き出し、石像のまま湯の音を立て続けていた。
「(あれ?何か忘れてるような…)」
ふと、良い心地になったルクが気づく。
「(あっ、オブリビオン!動けないと戦えませんよ!ど、どうしましょう!?)」
心の中で慌てても、小便小僧のまま石化した姿では、誰一人慌てる様子には気がつかないのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
ついにかつてからの願望を…アンナを石像に出来る時が来た!その為なら土下座したり、以前あたしが石像になった際、アンナが拒否した事実で困らせる事も辞さない!
許可が出たらアンナに少し大胆で可愛いポーズと表情を取らせ、爆弾を投げ起爆。その身体を覆うセメントをムラの出ないよう手で広げる。
最後の仕上げにアンナの口内へ自前のセメントスプレーを噴射、身体の中にホースを入れ、石化爆弾をぶつけたら…口から温泉を出すドロドロで無様な天使像の完成よ!
あとは恥ずかしくない様に【催眠術】で自我まで石像にしたら、物としてイジメたり愛でたりするわよ!キマイラ達含めやりすぎないよう注意するわね。
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と
温泉に連れられてきたけど、そこで言われたのは石像になって欲しいの一言。恥ずかしいしオリガは変態だから心配だけど、大好きな人でもあるから断れない。…騒がれても困るし。
オリガの手でポーズと表情を取らされた私は、体を覆うセメントを伸ばされ、綺麗な表面の石像に…と思っていたらけど最後の仕上げを受ける事に。
私はされるがまま、無理矢理開けられた口を固められ「け、けほっ…!」、体内にホースを入れられ「ひうっ!?」、さらに身体をセメントに包まれ、最終的に催眠術で自分は石像だと認識させられ…。
こうして「ドロドロの天使の噴水像」は、オリガや皆に弄られたり愛でられたりされる事に…。
●
グリモアベースにて。
転送の光を目の前に、緑の髪をし、白と黒の翼をもつオラトリオの女性、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)は…。
今、目の前で土下座するお嬢様を見ていた。
青いウェーブヘアをした美しき(ドS)お嬢様、オリガ・ホーリエル(黒き天使を支える者・f12132)の土下座姿である。
「…何してんの?」
冷たく一瞥するアンナに対し。
「お願い!石像に!なって欲しい!」
オリガはそう叫んだ。
「」
言葉を失い『何言ってんのこいつ?』な目でアンナはオリガを見る。
「お願い…!いつの日かアンナを石にしたくてしたくてしょうがなかったの!今この依頼(おんせん)でその欲望を果たす時が来たの!一生で一度…だと勿体ないな。兎に角今回が大一番なの!お願い!温泉で、あたしの為の!石像に!なって!」
「そんな事言われても…普通に温泉堪能するんじゃだめなの?」
そう言われたオリガはものすごい身をよじる様な動きでアンナに這い寄り、泣きつくように叫んだ。
「だめなのぉぉ!だってあの時あたし石化したじゃなぁぁい!その時アンナ、あんな態度を取って…あたし悲しかったんだからぁぁ!」
「あ、あの時って、確か――」
シナリオからほんの一つ辿ってみよう。
オリガは以前、石化アトラクションのバイトで自らを石化し、石像として飾られるバイトをしていた。
(説明しておくとその手のバイトが二の次のキマイラフューチャーの戦闘依頼であった)
その際途中でアンナに見つかり、最後はオリガの石化した(バイトしてる)姿をアンナに見られている。
「私石像になる趣味ないから」
とアンナは言ってアトラクションの石像の鑑賞に回り、オリガのあられもない石化姿を余す所無く見られたのである。
「…悲しかったの?」
「そうよ!石化アトラクション『メデューサハンターズ』でメデューサの呪いをかけられ石化しているあたしを見て、悲しんだり、困惑したり、『こういう時元に戻すには…』とか詮索してのキスを試みたり『オリガ様がこの様な姿になってしまったならいっそ私も…』って隣で同じ様に石化とかしなくて(本当は穏やかな表情を見れて好感度上がり調子だったけど)悲しかったんだからぁぁ!その気持ちをアンナにも分かってほしくってぇぇ!今日!この日!アンナも石になって欲しいのぉぉぉぉ!!」
「う…でも、恥ずかしいし」
アンナは知っている。オリガは変態である。
多分今のセリフは大分盛っていて、実際の目論見や本心は別、それも危ない所にあるだろうと確信する。
しかし……オリガはアンナにとって、大好きな人でもあった。
「(断れ、ないよね。…転送先で騒がれても困るし)」
「わかったわ。分かったからそうやってすがるのは止めてね?」
「なって、く゛れ゛る゛の゛?」
「な、なるから…とりあえずわめくのは止めて」
「いやったわあああああぁぁぁぁああああ!!今すぐ行きましょう!今すぐ行きましょう!」
「わ、あ、なるからあまり興奮しないで!変な目で見られちゃうでしょ!」
解放的なポーズで飛び跳ねた後、オリガは早速アンナの手を取って、グリモア転送光へと飛び込んだ。
「うふふ、うふふふふ、ついにかつてからの願望を…アンナを石像に出来る時が!来た!」
キマイラフューチャーの温泉場に二人は転送された。
湯気の沸き立つ暖かな石と湯の世界、視界を移す度、どこかしこにも誰かが石化した姿が見える。
「うわっ…本当に石像だらけ…これ全部キマイラが石化したもの?」
「あらアンナ、説明受けてない?元はただの温泉フェスだったけど、石化系オブリビオンが定期的に襲撃してきて襲われたキマイラの石像だらけになったの。で、折角だからみんなそれで遊んで、バズる石像ごっこを楽しんでるってワケ」
「趣味が悪いんだかタフなんだか…」
オリガは温泉に足をつけ、湯船の底に適当に沈んでいた石化爆弾を拾う。
「そしてこれがオブリビオンの残していった石化爆弾よ。殆どスタッフが軒並み拾って貸し出し道具にしてるけどね。」
「それで、私も…この石像の、1つに?」
「ならないの?」
説明を受けて改めて引いて曇ったアンナの顔にすかさず反応したオリガは、うるっとした顔でアンナを見る。
「…………困る。そんな顔されたら。」
顔を赤らめ、困惑した表情で、アンナは押し負けた。
「まあ…あんまり心配されても困るから、あたしも恥ずかしくならないよう措置をしますわね」
オリガは石化爆弾の他に、歩きがてらに色々と何やら物を集めている様だった。
「措置って、何をするつもり?」
「ひ・み・つ♪」
オリガの笑みは小悪魔めいていた。
二人は温泉フェスの目立つ位置に来た
「さあ、石像にするわよ。」
オリガはアンナの身体に触り、手で四肢を動かして理想のポーズを取らせていく。
「っ…」
可愛らしくも少し大胆なポーズで翼を広げるアンナ。
「表情なんだけど、目と口は頑張って開いてて。その上で出来れば可愛らしい顔をしてて欲しいわ。」
「ちょっ、そんな無茶ぶり…っ!?」
ポーズを取った所で、石化爆弾を投げられる。
アンナの身体に当たった軽い衝撃の瞬間にべちゃりというアレな爆発音が発せられた。
「…石化って、言って、た…けど…」
アンナは無機質な色をした粘液のようなもの、セメントで体が覆われていた。
「石化爆弾には種類があってね。これはセメント爆弾。当たった相手はドロドロのカッチカチになってしまうの」
「セ…メェント…って……皮膚……」
硬くなっているように感じる肺と舌を動かし、アンナは反論しようとする。
「大丈夫よ。このセメントは体に影響のない特別性。アルカリ性でも炎症を起こす事もない、しかも固まった部位は硬い石なのに五感が残り意識も残って生き続ける不思議な代物!…さあ、乾く前に」
オリガはいそいそとセメント漬けで動けなくなったアンナを、手で触り、薄く広げていく。
「っひゃ!冷た…」
反応するも、それはまだセメントで覆われていない顔だけで。
翼も体も、既にセメントまみれになって、動かす事ができなくなっていた。
オリガはセメント像のセメントを手で必死に伸ばし伸ばしして、ツルッツルでムラの無い表面に仕上げていく。
「こ、こんな姿…皆に…見せ…」
「ああ、口と目が動くだけもつらいでしょう。いくわよ…!」
オリガはシャカシャカと何らかのスプレーを振って、アンナの口に突っ込ませる。
「えあぐ…ぅぁ…ご…!?」
プシュウ…と、スプレーがアンナの口中へ吹き付けられ、アンナの身体が石化していく。固まっていく。
以前のバイト、『メデューサハンターズ』で石化する際に使用された石化スプレーの改造品…であるかは筆者には分からないが。
今吹きかけたのは【速乾性セメントスプレー・石像用】。自前の特性石化スプレーである。勿論皮膚に影響はないし、石化した体は死ぬことなく生き続け、意識も残る。
「け、け…こ…は…ぁー……っ…ぁー…」
咄嗟に抵抗して閉じようとした口は指先で無理矢理こじ開けられ、開いた口、そして体の中の全てが速乾性の特注石化スプレーで石化してしまったアンナ。
「……り……ぁ……」
口の石化後、残った表情もぬりぬりとセメントを塗りたくられ、いよいよもって完全なセメント製の石像となったアンナ。
目から涙を流そうにも、固まったセメント漬けの瞳はもう何も流さない。
それでも何故か声は発せられる。碌に喋れない口でアンナは、オリガの名前を必死で呼ぼうとする。
石化した瞳に映るおぼろげな視界に、オリガは居ない。
「…ひ…ぅ…っ…!?」
体のどこかから、何かが入った。
後ろからアンナの身体に、何かを仕込むオリガ。
「…うふふふ。」
ドSで邪悪な女魔王の声が聞こえた気がする。
口の中、喉の奥に、何かが入っている感覚がある。
苦しくはない。硬い石の首と喉は、もう無機質な感覚として、普通の人間体としての機能を硬い石に委ねてしまっている。
「入れたのは、ホースよ。今からあなたには口から温泉を出す、無様な天使像になって頂くの。」
「さあ、最後の仕上げよ!」
更にもう一度、ドロドロのセメント像に石化爆弾を投げつける。
そのセメント石化爆弾は更にアンナの身体を覆い、それを手で伸ばしていく。
「…………」
意識はあるが、もう口も喋れない。
更にムラなくセメントを手で伸ばし、更なるセメントの層で塗り尽くされた、ドロドロでガチガチの天使像。
「(…………オリ…………)」
名前を呼ぼうとしたアンナの目前にオリガの両目が映り、怪しく輝いた。
「『あなたは石像……口から温泉を出し続けるだけの、無様な天使の石像…!』」
「…………」
「(私は石像……私は石像……私は石像…………)」
オリガは魔王の力を発揮して、アンナを催眠術にかけた。
アンナはった自我の全てを、自身の存在定義に充てた。
ただただ自身の事は石像であると思い込む事により、そして手作業でセメントを幾度も伸ばし続けたことにより。
まるで石像職人が一から作って贈呈したような、とても完成度の高い天使の噴水石像がこの温泉に誕生した。
「(…………私は石像…………私は石像…………)」
アンナは最早自力で石化を解く事も出来そうにない。
自身が石像と思うなら、もうただの石像である。この場にあるのは石化したオラトリオですらない。
ゴツゴツの多層に塗り固められたセメントをローブの様に纏い、ひたすら口から温泉を流し続ける、神々しい石の翼を広げた、美しくも可愛らしい、女性の天使像。
「うふふ。うふふふふ……気分は如何かしら、ただの、石像、さん?」
すごく邪悪な笑みで、こつん、こつん、天使像の頬を叩くオリガ。
「うわっ、凄い……」
「何をどうしたらこんな石像が……!」
キマイラのギャラリーも集まってきて、パシャパシャと写真を盗られていく。
「凄い石像のフェスがあると聞いて来たの!ここに寄付したのは私の最高傑作。どうぞ好きなだけ触っていって!」
オリガは沢山のキマイラ達に、アンナの石像を公開した。
「(私は石像……私は石像……私は石像…………)」
沢山のキマイラと視界が合う。
しかしもうおびえる事も恥ずかしがることもない。
ただの石。ただの置物。
アンナに与えられた役割は、石像としてひたすら温泉を口から吐き出し続ける事だけ。
キマイラが去った後も、オリガはゆっくりとアンナを愛でるように撫でる。
「うふふ……可愛いわ……世界で一番可愛らしい、私の天使像……」
恍惚とした笑みで、吐き出し続ける温泉を胸で受ける。
つうっと、綺麗な表面に仕立て上げたセメントの腕や足を、その艶やかな指先で撫でる。
ちょっと悪戯に、爪を立てて、天使像の下腹部辺りをなぞってみたりもする。
カリッという、人肌では想像できないような硬い感触と音が、オリガに伝わっていく。
「暖かい…冷たい石の筈なのに、温泉のせいで火照り続ける、無様な天使像……」
「(私は石像……私は石像……私は石像…………)」
吐息が天使像の顔にかかる。
ゆっくりと、唇を、天使像の肌に、顔に、舐めるようにつけていく。
愛しき天使の無様な姿が、この上なく美しき彫刻と成って。
温泉の蒸気で水滴が滴り落ち続ける、翼にも手を伝わらせる。
雫がオリガの手に伝わり、アンナの身体から落ちる水がオリガの身体に入っていく。
白黒だったはずの翼は、もう見分けがつく事の無い、1色だけのセメント色。
少し力を加えれば、毛先が壊れてしまいそうな、儚げな髪も撫でていく。
硬い。そしてつるりとした感触が、温泉に濡れたオリガを余す事無く高揚させていく。
「ああ、ああ、私だけの天使像…!きっと、オブリビオンを倒しても、この像だけは石化したと思われないわ…永遠にこのまま。…私の浴槽に運んで、永遠の湯浴み像として奉仕しても、良いですのよ…」
うっとりとした顔で、湯船に浸かり、天使像から吐き出される温泉を一心に受けるオリガ。
「(……私は石像……私は石像……私は石像……)」
オリガは他のキマイラの眼にくれる事も無く、ただただ、愛しい天使像の傍に居続けた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティフティータ・トラーマ
アド&連携OK
「…自分から石像になりに行くのはよく判らないわね。」
そんな感想を持ちつつ行くと
「本当に色々石像になってるのね。…あら、この像…ふふふ。」
ある石像を見て、悪戯を思いついたように嗤うと、コリコリと石像の服を削剥がすと
「うんうん、自分から見られに来てるんだし、全部見える様にシテあげるわ。」
額に肉を書くノリで、ポーズを取って石化した人の服を削って脱がせます。芸術作品だから裸でもセーフ
「ふぅ、一仕事した後のお風呂は最高ね。…ふぇ?」
満足げに湯船に浸かり、だらぁと身体を拡げた時
偶々誰かの起動した石化爆弾に巻き込まれ、油断しきった丸見えポーズで石化すると
そのまま皆に見られてしまいます。
●
「…自分から石像になりに行くのはよく判らないわね。」
色白肌に黒き髪をたなびかせる、黒い翼の西洋堕天使、ティフティータ・トラーマ(堕天使の剣舞暗殺者・f29283)は、温泉に訪れるなりそうごちた。
彼女は冷たい瞳にセクシーなスタイルをしている。ただ胸は残念な事に。
そんなティフティータが沸き立つ湯気の中、温泉をゆっくり優雅に歩いて見回ると、そこらかしこらに石化して固まったキマイラ達の彫像が見える。
「本当に色々石像になってるのね。」
するとティフティータの目が、一つの石像に留まる。
異世界からやってきたのか、珍しい人間の像だ。
だが顔にはカッコいいヒーローみたいな仮面をかぶっている。ヒーローマスクなのだろう。
その仮面ごと石化している。
ワンピース状の水着姿で、何かに殴りかかろうとした姿の石像であった。
「…あら、この像…ふふふ。」
ティフティータは悪戯を思いついた子供の様に嗤うと、石像の服に指をかける。
コリ コリ
少し力を加えただけで石像が身に着けていた服が削れ剥がれていく。
女性だったようだ。ふくよかなアレやそれが、光沢を得てつるつると石の肌を露わにする。
「うんうん、自分から見られに来てるんだし、全部見える様にシテあげるわ。」
ヒーローマスクの少女の石像は、ティフティータの手によって身に着けているものが全て砕かれ、勇敢に何かに挑んだ様な姿と、格好いいヒーローの仮面をかぶった姿のまま、あられもない姿になって立ち尽くした。
「イイわよね。石化しているという事は、全てを受け入れているのと同然。だからこんな事しても」
つうっと、文章に書けない様な所を指でなぞり上げる。
「こんな事をしても」
とんっと、人差し指で頭を押し突き、湯船の中へざぶんと落とす。
「文句ひとつ言えないまま…。」
表情一つ変わらない石化裸婦像の様子を見て、小悪魔の様に嗤うティフティータ。
「調子に乗ってきたわ」
ティフティータは更に周囲の石像にもちょっかいをかけだした。
タオルで体を隠している、歩いている姿のまま石化したキマイラの、持っているタオルをぐっと掴んで、砕く。
隠しているようなポーズをしているのに何も隠していない裸のキマイラの石像が出来上がった。
片足立ちして鷹の様なポーズで恰好良く固まっているテレビウムがいた。
そっと後ろから抱きしめると、力を込めて、テレビウムの纏うパーカーの様な水着を砕き、一面ツルツルの身体を露わにさせる。
逃げ惑う石像、慌てて滑りこけようとしている石像、悪戯されたのか呆気にとられたまま固まって放置されている石像。
そんなキマイラ住人の、身に着けている、恥ずかしい部分を隠すタオルや水着を、ティフティータは次から次へと砕き、全裸姿にしていった。
「今のあなた達は、温泉に佇むただの芸術作品…だから、裸でもセーフよね」
湯気や光で肝心な部分は見えないが、はた目から見ればとても解放的な姿となった石像が、ティフティータの手によってあちらこちらで作られていった。
「ふぅ、一仕事した後のお風呂は最高ね。」
ティフティータは温泉の一つに体を沈め、肩まで浸かって一息つく。
彼女の周りにはみぐるみをはがされて、一糸纏わぬ裸の像と化した者達の石像が立ち並ばされていた。
湯船にさえ石像が幾つか沈められ、ティフティータの広げた腕は無様な裸のキマイラ像の身体に回され、温泉のひじ掛けの様な役割を果たしている。
されるがままに全裸になったみだらな石像に囲まれて、日々の疲れを癒し、寛ぐ堕天使の女性。
みだらな石像を従え飾るその姿は、石化を司る邪悪な魔女の様であった。
「ポーズできたよ!お願い!」
「はい、石化!あっ!?」
「…ふぇ?」
隣の温泉場で、ポーズを決めたキマイラを石化爆弾で石化させようとしているキマイラがいた。
彼はうっかり投げつけようとした石化爆弾を明後日の方へと投げてしまい。
それが偶然、ティフティータにぶつかった。
湯気めいた煙が一瞬で立ち込め、収まるとそこには。
油断して一糸まとわぬ姿で湯船に浸かっていたティフティータが、癒しに頬が緩んだ姿のまま石像になっていた。
「ごめんごめん!大丈夫!?…あっ大丈夫じゃないなこれ。うわぁ…」
「き、綺麗……」
キマイラ達はまじまじと、石像を侍らせている美しい堕天使の女性の石像を観賞する。
否、釘付けになってしまう。
舌先は石の様にざらざらとし、痺れる様な感覚のまま動かせない。
他の石像に回した手も、指先から足の先まで、冷たい石のまま、湯船の熱気を受け入れるしかできない体になっている。
大理石の様にツルツルで、薄く光るその石像は、何もつけていなかった。
足を延ばし、開いて御開帳なその下腹部のそれや、開放的に見せつけている首から下のそれまで。
ティフティータは、意図せぬまま石化して、そのすべてを訪れたキマイラ達に見られ続けていたのだった。
「…………(う、動けない……やめて、やめろ、撮るな。動け。動け……)」
美しい堕天使の裸婦像は、恥辱に濡れた心の内など少しも見せる事無く、温泉に浸かったまま静かに佇んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『悪戯鼠『ペトリファイマウス』』
|
POW : 石化爆弾『グランナイト』
【ポケット】から【大きな石化爆弾】を放ち、【爆心地から溢れる石化ガスによる石化】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 石化爆弾『ペリドタイト』
【ポケット】から【小さな石化爆弾】を放ち、【爆弾から飛び出した針に刺さると石化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 石化爆弾『ポーフィリー』
【ポケット】から【着発式の石化爆弾】を放ち、【爆破した爆風を浴びると石化】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:ちぐ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「チュッチュッチュ、石にしてやるッチュー!」
猟兵達が石化して数時間経った頃、本命は現れた。
様々な石化爆弾をどこからともなく取り出し抱える、悪戯鼠『ペトリファイマウス』が集団で、温泉フェスを襲撃しに来たのだ。
「足を滑らせない様にするっチュ!」
衣服は見ての通りの半そで半ズボンなネズミキマイラだが、温泉故か裸足でやってきている。微妙に律儀である。
ペトリファイマウスは石化爆弾を次々と、まだ石化していないキマイラ達に投げつけ、爆破させる。
「わーっ!現れた!」
逃げ惑うキマイラの何人かは石化爆弾の爆発に巻き込まれ、石化してしまう。
「カッコいいポーズ!かっこいいポーズで!」
逃げるのをあきらめたキマイラがせめてといい感じにポーズを決めて石化爆弾に巻き込まれ、公園に飾られてもおかしくないクオリティの石像になってしまう。
「ウェーイ!」
スマホを持って立ち向かったキマイラの集団が投げつけられた石化爆弾のタイミングに合わせ、自撮りポーズで爆発に巻き込まれ、石化する。
さあ収集つかない事態になってきた。
ごろり、ごろりと温泉の地に転がる石像をこれ以上増やしてはいけない。
このペトリファイマウスを撃退し、石化したキマイラ達を元に戻し、世界を平和にしなければならないのだ。
だが、それを行う筈の猟兵達は……皆、既に石化していた。
「……………………」
ただの物言わぬ石像となってその場に佇み、ペトリファイマウス達は良い様に暴れ続け、目前でキマイラ達が石化するのを見届るままとなっている猟兵。
一人石化せずにいるが、彼女は渾身の作品に作り上げた天使のセメント噴水像にご執心で、絶賛魅了状態である。
もう全滅でいいのではないか。
そんな状況であるが、大丈夫だろうか……!
(※サポート含む誰かが攻撃していれば、このまま石化状態で居続けるプレイングをしても成功判定を行使します。)
チル・スケイル
レパルさん(f15574)と一緒に
う…動けない。動かなければ…しかし、動けません…
お…重い…全身が…翼も…指も…
…これは?虹色の炎が体を包んで…熱い!!しかし石化が、解け…うっ(のぼせてダウン)
れ、レパルさん…ありがとうございます…
このまま終わるわけにはいきません。私の全身を氷で包む事で石化を防ぎつつクールダウンします
…………
…………(氷が爆ぜる)
おはようございます、レパルさん、怪人の皆さん。チル・スケイルです(おじぎ)
翼で空に上がり、狙撃杖カシュパフィロで狙い撃ち
温泉や人々に迷惑をかけず、きちっと怪人だけを凍らせます
どういたしまして、レパルさん。
またどこかに誘ってくださいね。
レパル・リオン
チルちゃん(f27327)と一緒!
出たわね怪人!とおっ…あ、あれ?動けないわ!
うーーーん、体が、重いーっ!
気合を魔法に変えて、あたし達二人を虹色の炎で燃やし、石から解き放つわよ!
イェーガー参上!…チルちゃーん!?
のぼせたチルちゃんはお風呂の外で休ませるわ!
大丈夫、あたしに任せて!
回復の炎を体にまとったまま戦うわ!
さあ怪人!かかっ(石化)…(石化解除)ぷはっ!まだセリフの途中!
何かするたびに石にされて、ちゃんと戦えないわ!どうしよう?
と困ってた所にチルちゃん復活!魔法で凍った怪人を、全力のキックで空の彼方にふっとばすわ!
えへへ、結局助けられちゃった!ありがとう、チルちゃん!
またどっか行こ!
●
抱き合った二人の石像が何事か考えている。
(出たわね怪人!とおっ…あ、あれ?動けないわ!)
可愛く竜人の石像を抱きしめた石像があった。
(う…動けない。動かなければ…しかし、動けません…)
獣人の石像に抱きしめられ可愛いリアクションを取った石像があった。
(うーーーん、体が、重いーっ!)
(お…重い…全身が…翼も…指も…)
石像の周りでは、ペトリファイマウスが投げる爆弾の爆風がキマイラを石化させている。
パラパラとした石の風が石像を撫でる。
(こうなったら、気合を魔法に変えて、あたし達二人を虹色の炎で燃やし、石から解き放つわよ!)
すると獣人の石像が虹色の炎に包まれた。
(『あたしの心は、みんなのために!』)
(…これは?虹色の炎が体を包んで…熱い!!石化が、解け…)
じわじわと、獣人と龍人の石像は炎に浄化されて、元の肉体に戻っていったのだった。
「うっ」
青い氷の竜人チルは、元に戻って早々、倒れる。
「イェーガー参上!…チルちゃーん!?」
格好良くポーズを決めた獣人のレパルが心配をかける。
どうやらチルは温泉の蒸気に、石像になってからも長らく当たってのサウナ状態に耐えきれず、のぼせてしまったようだった。
「いったん退避するわ!」
レパルは頑張って、石化爆弾の爆心地を駆けて離脱した。
「(お姫様だっこ、ですか…)」
体格や年齢的に逆になればな。等と思いながら、チルはレパルに運ばれていく。
温泉の隅、まだあまりペトリファイマウスの襲撃が無い所で、キマイラパワーで抱きかかえていたチルを降ろす。
「れ、レパルさん…ありがとうございます…」
別に用意していた氷を沢山持ってきて、倒れたチルの頭に乗せたレパルは、手を振ってこの場から離脱する。
「大丈夫、あたしに任せて!」
レパルはペトリファイマウスの集団戦に立ち向かっていった。
「改めてイェーガー参上!アンタ達の好きにはさせないわよ!」
「チュッチュッチュ、元気のいい石像になるっチュ!」
ペトリファイマウスが石化爆弾を投げまくる中、虹色の炎を纏ってレパルは突撃する。素手で殴ってぶっ飛ばすつもりだ。
「さあ怪人!かかっ」
その瞬間、石化してごとんと倒れるレパル。
「…」
虹色の炎がじわじわと浄化し、ごとごとと震えて体の石を落とし、復帰する。
「ぷはっ!まだセリフの途ちゅ」
猛抗議しようと叫んでいる姿のまま、レパルはまた無機質な色に石化した。
「…」
叫んでいる立ち姿の石像が、ごとごとと揺れ、虹色の炎で浄化されていく。
が、彼女は気づいていない。周りにガスが充満していることを。
ペトリファイマウスの石化ガス爆弾が、レパルを囲むように投げられ、辺りにガスを出し続けているのだ。
「(チュッチュッチュ、いくら元に戻っても石化ガスのある中ではすぐ石化してしまうっチュ。気力がなくなれば意識も失って永遠に石像のまま。それまで何度も好きなポーズで石になってるがいいっチュ!)」
もうペトリファイマウスはレパルに構わず、他のキマイラに石化爆弾を投げて襲い掛かっていた。
「ぷはっ!このままじゃ、ちゃんと戦えないわ!どうしよ」
何か思案するようなポーズで石化。
アンバランスな片足立ちをしてしまったため、石化したレパルの石像はまたごとりと声も立てずに転び倒れてしまう。
硬く、重い。
この感覚が何度も続いてしまえば、その内それに意識が引っ張られて行って……。
(このまま終わるわけにはいきません。)
温泉の片隅で、チルは自らの身体に冷気の力を込める。
『(包む)』
チルの身体は、温泉の暖かい世界から切り離される様に、たちまち冷たく厚い氷の身体に包まれていった。
「…………」
冷たく、冷えて、動けない。
石化とは別の無機物、氷の塊と化したチルは、じっとして回復を待つ。
のぼせた体が急激に冷えて、氷の竜に相応しき冷たき体温と環境を手に入れていく。
「…………」
翼も、指先も、何一つ動かせる事が出来ない。
その中で、先程レパルに抱きしめられて石化した事を思い出す。
あの永遠たる感触を、もう一度、味わいたい――。
チルの氷が、爆ぜる。
目を覚まし覚醒した氷竜が一目散に戦場に飛び、何度目かの石化を解いたレパルと、ペトリファイマウスに目をくべる。
「おはようございます、レパルさん、怪人の皆さん。チル・スケイルです」
「チルちゃ」
待ってましたと希望の目をしたままの姿で、また石化ガスを吸い石化を。
「まずはその霧、払いましょう。」
する前に、チルは狙撃銃を構えて放つ。
風の力を重視したその炸裂弾は、吹雪の様な爆風を起こしてレパルの目の前に着撃。
ちょっと湯冷めしたかの様になったレパルだが、石化ガスとそれを展開していた石化爆弾が吹き飛んだ。
「な、なにをするっチュー!」
再び向かってくるペトリファイマウス。好都合である。
チルの狙撃杖『カシュパフィロ』に、氷結弾が装填され、空中から次々とペトリファイマウスに向けて狙撃された。
「チュ」
「チュウゥゥゥ」
叫んで感嘆符を発することもできないまま、撃ち込まれたペトリファイマウスが次々と氷結。氷漬けになってその場でカキーンと佇んでしまう。
その姿は爆弾をレパル達に投げようとしている所で止まっていた。
「みんなを石化する悪い子は、空の彼方にとんでけーっ!」
レパルの渾身のキックが、叫び声をあげる事も出来ないペトリファイマウスを全力で蹴り出して、次々と空の彼方へ吹っ飛ばしていった。
「えへへ、結局助けられちゃった!ありがとう、チルちゃん!またどっか行こ!」
状況が終了してから、レパルはぎゅっとチルの腕に抱き着いた。
チルはあのもふっとした感触を、もう一度その腕に抱きしめて、安堵の息を吐いた。
「どういたしまして、レパルさん。またどこかに誘ってくださいね。」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ノア・コーウェン
ルクさん(f14346)と
敵が来ましたが…そういえば…動けないですね?うーん…どうしましょうかね…?
ルクさん、自力で石化解けるんですね…流石ですね…。僕は…まあ自力じゃ無理そうなので倒してくれるのをのんびり待ちましょうかね…。
…ん?ルクさん、おっきい絵筆をこっちに向けて…?
ふふふっくすぐったいですよ!動けませんが!逃げられませんねこれは!
あれ…?色ついたところが戻っていきますね…他の人の解除もできるんですか!凄いです!
水着の部分は…お湯も出てますしやりづらいかもしれませんが…優しくしてくださいね?
じゃあ…やりましょうか!僕はそうですね…光の矢を敵の周りを走りながら適宜撃っていきますね!
ルク・フッシー
ノアさん(f02485)と
か、怪人!倒さないと!…うっ、重いっ
うーっ、全身が硬いです、動かないです〜!
魔力を、一点に集めて…指先から、少しずつ…
よ、よし…石化の力を…追い出して…あっ(温泉に落ちる)
も、戻れました…
ノアさんも助けないと!触れたものの材質を変える魔法の塗料でノアさんの石像を塗り、『本物のノアさん』に変化させます
くすぐったくても動かないでくださいね…
えっと…水着も塗らないと…
………できました!
さあ、二人で怪人を倒しましょう!ボクは後ろから魔法の塗料を飛ばして、ノアさんをサポートしますね!
●
仲良く小便をしているような姿の2体の石像があった。
(か、怪人!倒さないと!)
(あっ、敵が来ました…そういえば…動けないですね?うーん…どうしましょうかね…?)
石像は仲良く2体で股から温泉を垂れ流し続けている。
(…うっ、重いっ…うーっ、全身が硬いです、動かないです〜!)
その内の竜人の少年像の指先が、突然絵具で塗られたかのような色になっていく。
(ここは…これで…魔力を、一点に集めて…指先から、少しずつ…)
小便小僧の指先からしみ出した絵具はたちまち竜人の少年像を覆って、カラフルな絵具濡れの小便小僧像となった。
徐々に、徐々に、冷たく重い石の材質から、石よりは柔らかい緑の鱗の色に馴染んでいく。
(よ、よし…石化の力を…追い出して…あっ)
肉体を取り戻したルクは、身体を動かす神経がまだ追い付かずにいた為に、小便小僧のポーズのまま前のめりに倒れ、温泉に顔からダイブしてしまう。
「も、戻れました…」
ざぱりと温泉から顔を出したルクは立ち上がるまで動けるようになった。
(ルクさん、自力で石化解けるんですね…流石ですね…。)
もう一体の小便小僧はそれを見届けながら。
(僕は…まあ自力じゃ無理そうなので倒してくれるのをのんびり待ちましょうかね…。)
延々と温泉を股から出し続けていた。
「ノアさんも助けないと!…小便を出し続けていたと思っていたのですが、こうなっていたのですね。」
ルクは手に握っていた温泉を出すホースを手放した後、どこからか絵具と筆を取り出し、小便小僧の身体にぺたぺたと絵具を塗っていく。
触れたものの材質を変える魔法の塗料でノアさんの小便小僧像を塗りたくり、材質を『元の肉体』にして、小便小僧を『本物のノア』に変化させる試みであった。
(…ん?)
そうとも知れずに体に絵具を、絵筆で塗りたくられるノア。
(ふふふ、ふふふふっくすぐったいですよ!動けませんが!逃げられませんねこれは!)
この石化は、石化していても五感と意識が残る特殊なものであったので、石の身体になったまま動く事も叶わず塗られ続けている。
「くすぐったくても動かないでくださいね…」
とても、とてもくすぐったい。
重くて動けない肉体の全身に、細やかな絵筆がこちょこちょとノアの繊細な石肌を撫でていく。
笑う事も出来ない。震えて抵抗することもできない。愉快な拷問に似ているが、ルクは助ける気満々である。
そのうち白や灰のグラデで色塗られた、小便小僧の色付き石像が出来上がっていく。
これはこれでちょっと恥ずかしい。
(あれ…?色ついたところが戻っていきますね…)
じわじわと、小便小僧が元のフェレットの獣人の肉体を取り戻していく。
「ふはひゃっあぷわぁ!?」
たまらず笑いをこらえきれずに噴き出したノアは、ルク同様温泉に向かって前のめりになり、小便小僧のポーズで温泉に倒れて沈んだ。
「ぷはっ。他の人の解除もできるんですか!凄いです!」
だがノアの手と股はまだ石のままであった。温泉で濡れて上手い事絵具が濡れなかったのだ。
「大丈夫ですかノアさん。えっと…水着も塗らないと…」
ルクはノアの手に握られているホースを、きゅっと引っこ抜くと、改めて手と水着に色を塗りたくる。
「濡れてますしやりづらいかもしれませんが…優しくしてくださいね?」
ノアは小便小僧の手の形をした部分に、ルクの絵具を更に塗られていった。
ぺたぺたと、いけない部分が。
「は、ひゃっ!ふふふふ、だ、駄目ですルクさん…!」
五感のある股をペイントされていき、身もだえて涙も流すノア。
「もうちょっとの辛抱ですので………できました!」
それでも何とか、ルクのペイントと、治療はうまくいったのであった。
「じゃあ……」
「二人で怪人を倒しましょう!」
「やりましょうか!」
ルクとノアはペトリファイマウスに向かって突撃していった。
「チュー!」
『肆の型!『彎月』!』
ノアは投げつけられる石化爆弾の雨を掻い潜りながら、ペトリファイマウスの集団に回り込むように走り、月の光を凝縮した矢を幾度も撃ち放った。
光の矢は次々とペトリファイマウスと石化爆弾を貫き、倒していく。
爆発した石化爆弾から、石化のトゲが飛んでくる。
『材質塗装(マテリアル・ペイント)!』
ルクは飛んできたトゲに魔法の塗料を飛ばし、ゴム製に変えて無害にしていく。
飛んできたトゲが柔らかく肉体に当たったノアは、ちょっと先程のくすぐったさを思い出しながら。
「ふひゃっ…ありがとうございますルクさん!まだまだいきますよ!」
二人はペトリファイマウスを次々と倒していったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
こっちは楽しんでいるのに無粋な輩ねぇ。この子、いや「天使のセメント像」をあたしの手で守る為にも真面目に…下郎共を蹂躙してあげるわ!
「来なさい、少しだけ…魔王の力を見せてあげるわ。」
大鎌を振るい【範囲攻撃】、【なぎ払い】でマウスを蹴散らしていくわ。爆弾は【衝撃波】で逆にマウス共へ吹き飛ばし、逆に石像にさせてあげる。
戦闘後は天使像に感謝を伝え、頭を撫でてから…あたし以外解けない【催眠術】でさらに心を石像に、身体を追加のセメントでもっと無様な天使像に仕上げ、周囲の人払いを済ませたら…あたしの手で悦ばせてあげるわ。
「くすくす…ここでも家でも、もっと愉しみましょうね?」
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と
(私は石像…石像…せき、ぞ…?)
催眠術が偶然解けた私の目に入ったのは、マウスに囲まれながらも戦う人の姿。そうだ、目の前の人は石像の私を愛でてくれる。なら目の前の人を助けなきゃ。
体内に入ったホースから流れる水には【呪詛】を混ぜ、そして周囲に【拒絶式・呪詛黒百合】を展開し【範囲攻撃】。水に浸かっている敵も、そうじゃない敵も一網打尽にするよ。
全てが終わり、頭を撫でられ嬉しい…思ったらまた催眠術で思考と認識を石像にされ、原型を留めないほどセメントを厚塗りされ、際どい所を含む色々な場所を撫でられ悦ばされて…。
(わ、私は石像……わ、私、せ、せきぞう……わた、せき、ぞ♪えへへ♪)
●
「こっちは楽しんでいるのに無粋な輩ねぇ。この子、いや『天使のセメント像』をあたしの手で守る為にも真面目に…下郎共を蹂躙してあげるわ!」
オリガはご執心だった天使のセメント像から体を話すと、その身が光り輝く。
力を解放した彼女は、天使の羽を模した純白のドレスを見に纏っていた。
その手には真空を纏う魔王の大鎌が。
「来なさい、少しだけ…魔王の力を見せてあげるわ。」
「チュー!」
ペトリファイマウスが石化爆弾を投げつけてくる。
それをオリガはぶんぶんと大鎌を振るい、真空の衝撃波を作り出して弾き飛ばしていく。
「チュ!?」
「か、身体が……助けて……チュ……」
石化爆弾から溢れ出る石化ガスが、裸足のペトリファイマウスを包み込むと、ペトリファイマウス達はたちまち物言わぬ石像と化してしまった。
どんどんと振るわれる大鎌が石化爆弾を弾き飛ばしていく。
しかし足元に忍び寄る様な、転がすような爆弾投擲をしてくるマウスがいた。
「あら?」
大鎌の振るう範囲から見事に逸れた爆弾だが、爆弾から石化ガスが噴出。
衝撃波は外側に出しているせいで、大鎌の内側に今は衝撃波を生成できない。
その場にいるオリガを、徐々に徐々にと石化させようとしていく。
「しまっ……」
(私は石像…石像…せき、ぞ…?)
催眠術が偶然解けた私の目に入ったのは、マウスに囲まれながらも戦う人の姿。
(そうだ、目の前の人は石像の私を愛でてくれる。なら目の前の人を助けなきゃ。)
アンナはアンナとして、というよりも、天使の像としての役目を全うしようとした。
口から吐き出し続けている水に、呪詛の力が混ざる。
呪詛を纏う黒百合が勢いよく湧き出ると、温泉から溢れ、オリガの間合いの内に転がってきた石化ガスや石化爆弾が外側に運び出されていった。
「チュ!?せ、折角石化しかかってたのに、なんでチュかあの花……あっ!?ボク達の足元にも……チュウゥゥゥ~!!」
その黒百合に、否、触れなくても、黒百合が浸かった温泉が黒ずんでいき、それに触れたペトリファイマウス達は、呪いに侵されて次々と真っ黒な体になって倒れていくのだった。
状況が終了し、二人の周りは静かな温泉世界に戻っていった。
「ありがとう。私の『天使のセメント像』ちゃん」
改めてアンナだった天使像と向き合ったオリガは、愛おしくそのセメントオブジェの頭を撫でる。
「まさか口から呪詛を吐き出すなんて……おかげで助かったわ。」
(……嬉しい……好きな人の役に立てて……)
撫でられた天使のセメント像は何の反応も示さない。
しかし心の中は、催眠された状態とはいえとても幸せそうであった。
オリガはそんな心情を読み取ってか、天使のセメント像と目を合わせ……己の目を更に怪しく光らせた。
先程セメント像の仕上げに放った催眠術より、更に強力な魔王の催眠光線。
それが強く強く、天使のセメント像に浸透していく。
もう魔王オリガ以外、この催眠を解く事は出来ない。
この世の誰もがこの像を、ただのセメントで出来た天使像と思うだろう。
(………わた……し……は……せき……ぞ…………)
思い込むのではなく、心の底から石化していく。
身も心も、本物と相違無く、魂さえも石そのものと化していく。
「さあ、助けてくれたご褒美よ。たぁっぷりその身体で受け取って!」
オリガはどこからか胸いっぱいに抱えた石化爆弾を用意した。
それは全てセメント発着性の石化爆弾であり、それを次々と天使像に投げていく。
べちゃり、べとり、かち、こち。
原型をとどめない程に、しかし辛うじて天使が可愛らしいポーズをしている姿である事がギリギリ分かるくらい、厚く厚く、セメントで塗り固められていった。
「あなたは石像…あなたは石像…この世の誰もが羨む様な、可愛い天使の、セメントで出来た石像さん♪」
言い聞かせるように、愛おしく、愛おしく、天使のセメント像を撫でていくオリガ。
幸い周りのキマイラ達は石化していて、オブリビオンもいない。
二人だけの空間で、愛撫が続けられていた。
その素肌を引き延ばし更に美しい石肌に変えるように、指先が天使のセメント像の至る所に伸ばされて、撫でられていく。
セメントで固められた隙間に、綺麗な指先がフィットして、きめ細やかな石の粒子の表面を、心地よく堪能するようになぞっていく。
太腿がつぅぅと。
太腿から上の股に関する隙間にも、つぅぅと。
顔が、顎から頬にかけて、愛おしく撫でられていき、
へそに当たる部分にも、魔王の美しい指先がくりっと嵌っては、優しく滑らされていく。
その度に、天使像は快感を感じていた。
ただのセメント像である私を、こんなにも、こんなにも、愛してくれている。
好き、と。大好き、と。
催眠にって膨らむ好意がじわじわと、しかし急激に、天使像の心の中で溜まっていった。
(わ、私は石像……わ、私、せ、せきぞう……わた、せき、ぞ♪えへへ♪)
「んっ……」
オリガは優しく、無様な天使のセメント像に口づけを交わした。
口から出る温泉は、厚くセメントで固められたため出口が小さくなり、先程よりは少なめに温泉が出ている状態。
それが天使像から出される愛の祝福の様であり、たまらず少し飲んでしまう。
口を離し、うっとりと、天使のセメント像に見惚れ続けたオリガは、愛しく愛しく天使像を抱きしめた。
「このまま……魔王の力で、家に持って帰ってしまいますわね。」
どこに飾ろうか。どのように毎日愛でようか。
そんな思慮が延々と駆け巡る。
このひと時の為の石化であったが、石に、作品に、身も心もなってしまった。魔王の物になってしまう事を許してしまったオラトリオの少女が、元に戻るのはいつの日か。
それは全て魔王オリガの気まぐれと裁量にかかっている事だろう。
「くすくす…ここでも家でも、もっと愉しみましょうね?」
魔王が天使に、優しく囁いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ティフティータ・トラーマ
アド&連携OK
「(コレはコレでイイけど…ちょっとマズい状況かしら。)」
不意打ちの石化で緩んだ表情に、表情は作りたかったけど見られるのは悪くないな、と思いつつ
鼠の襲来にも動きがない様子に、あまり遊んでられないかなと石化解除して動き出すと
「服を着てお風呂に入っちゃダメよ。あと…遊んでいいのは、玩(あそ)ばれる覚悟のある子だけよ?」
鼠の服を剥いたり、石化爆弾を投げ返して裸鼠像にさせたりと、真面目…真面目?に鼠退治をします。
「つい勢いでその気じゃ無い娘も剥いちゃったし…まぁ、ヤりすぎたのは判ってるわ。」
鼠が片付いたら、前半の悪戯がバレて暫く全裸石像刑にでもなっていましょう、見られるのも悪くないし
●
「(どうせならいい感じの表情で石化したかったけれど、見られるのは悪くないわね…。)」
湯船に浸かり、寛いでいる姿の堕天使の石像が佇んでいた。その表情は緩み綻んでいる。
「(コレはコレでイイけど…ちょっとマズい状況かしら。)」
石化爆弾で次々と石像になっていくキマイラを見届け続ける堕天使の石像は、鼠の襲来にも他の猟兵達に全く動きが無く、あまり遊んでいられない状況だと悟る。
「(んっ…。)」
唐突に堕天使の石像は、じわじわと黒炎の闇に包まれた。
その石の肢体は溶けるように崩れ落ちていき、石像のモデルになった堕天使の女性の肉体が露わになっていく。
「さて、と……。」
石化を自力で治し元に戻った、堕天使の石像だった女性、ティフティータ。
辺りを見回すと、先程悪戯した石像に囲まれていた。
逃げ惑う石像やこけようとしている石像。
「……勢いで剥いでみたけれど、その気でポーズをとっている石像が一番映えるわね。」
格好良さに無様さがプラスされる的な意味で、キマイラの石像を少し吟味し、そしてオブリビオンの方へと向かった。
ティフティータがペトリファイマウスの群れに立ち塞がる。
「チュー!」
「お姉さんも石像にしてあげるチュー!」
石化爆弾を投げつけて来るペトリファイマウス。
「服を着てお風呂に入っちゃダメよ。あと…遊んでいいのは、玩(あそ)ばれる覚悟のある子だけよ?」
ティフティータは持ち前の素早さを活かし、通り抜け様にペトリファイマウスの服を剥ぐ。
「チュ、チュー!?」
ティフティータの手にはいつの間にか投げていた筈の石化爆弾があった。
「それ」
声をあげる事も無く、剥がされたペトリファイマウスは石化。
謎の光や湯気で大事な部分は見えないが、それ以外はつるんつるんに露わになった、全裸ネズミキマイラの石像の完成である。
「チュー!」
ペトリファイマウスの石化爆弾がティフティータの足元で炸裂する。
破裂して飛んできた石化のトゲが、ティフティータの(もしも所持していれば)見えてはいけない所を隠していたタオルなどの衣類を石化させ、ボロボロに崩れさせていく。
「ああ、そういう事するんだ。そんなにわたしの裸が見たいのね。」
見えてはいけない所が光と湯気、あと飛び散る温泉で上手い事隠れながら、ティフティータは更にスピードを上げる。
彼女は身に着けている服が無ければ無い程素早さが上がる、しーふのジョブを獲得していた。
「いくわよ」
ティフティータは通り抜けにペトリファイマウスの目前に、爆発寸前の石化爆弾を投げつけていく。
「チュ――」
あるペトリファイマウスは爆弾を投げようとした勇ましい姿で石化し、あるペトリファイマウスは素でぽかんと口を開けたまま石化し、あるペトリファイマウスは石化爆弾を投げ終わって勇ましく片手を突き出したポーズで石化した。
無機質なネズミキマイラの石像が、戦場に沢山出来上がる。
「その勇敢な姿に免じて、より無様な恰好にさせて頂きましょうね。」
ティフティータは全員石化して静かになった戦場で、ペトリファイマウスの石像の、服を着ているものを、一体、一体、ぐっと指に力を込めて、壊していく。
服が壊され、戦っている姿のまま全裸石像となったペトリファイマウス達が、無様に温泉地にて立ち尽くしていた。
膝を地に着かせ、石像の1体に顎を乗せ、優雅に見回すティフティータ。
その表情は満足気である。
「……あら?」
先程『いじめた』、くつろぎに使った石像群が、ふと見ると煙を立てて元に戻ろうとしていた。
他はまだ石化したままなのに、誰の力だろう。
「お前だな!こんな恥ずかしい恰好をさせて……!」
石化から元に戻ったキマイラ達が、顔を赤らめて狼狽えた後、ティフティータに詰め寄ってきた。
「待って。つい勢いでその気じゃ無い娘も剥いちゃったし…まぁ、ヤりすぎたのは判ってるけど…あっ。」
キマイラの手には爆弾。
それは既に投げられて、ティフティータが反応し、飛び退こうとした所で目の前で爆発した。
「……………………」
ティフティータは他の全裸石化ペトリファイマウス達に囲まれた状態で、温泉の中央に飾られた。
それはネズミキマイラの部下達に信仰されている、咎を背負って無様に石化した堕天使像に他ならなかった。
「(まあ、見られるのも悪くないし……。))」
何故かにやにやとしたキマイラ達の視線が刺さる。
ティフティータは裸のまま、あられもない所を、主犯のペトリファイマウス達と共に、ただただ防水スマホで撮られ続けたのだった。
成功
🔵🔵🔴
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
・ケモモード継続&真の姿
……っぷはぁー♥
全身ドロドロカチカチの状態から真の姿となって気持ちよく難なく脱出ですぅ!
それに気付いたのか、ペトリファイマウスくん達が集まってきましたねぇ?
今のボクはドMではなくドSですからねぇ~♥
投げつける爆弾なんてドロドロの身体で取り込んで不発状態にして完封♪
それじゃあボクの反撃ですぅ【どろどろ沼地】でボク自身の粘液を塊にして投げつけるのですぅ
当たればドロドロが侵食して…ドロドロのオブジェと化しますぅ♪
当たらなくてもそのドロドロは地面に侵食してドロドロの泥沼のようになりますぅ~
足を踏み入れたら底なし沼の如くもがきながら沈んで…そのままドロドロオブジェとして浮かび上がったり、必死に這い上がってもドロドロが侵食して動けなくなっちゃいますぅ
しばらくはこの一帯はボクの領域になっちゃいますぅね~♪
今度はペトリファイマウスくん達が温泉を飾るドロドロオブジェとして新しい名物に♥
もしキマイラや猟兵が巻き込まれても後で元に戻るので安心(?)してくださいですぅ♪
●
大分とペトリファイマウス達の掃除が終わった頃、残るペトリファイマウス達が1カ所に集まりつつあった。
彼らの集まる場所、その付近の温泉に1体のドロドロのセメント石像があった。
「……………………」
それはどろりどろりと、少しずつうごめいて、カチカチな硬い身体から緩やかな粘液に変わっていく。
石像の身体でなくセメントそのものの様な、ドロドロの身体になっていった兎キマイラ、テフラ。
「……っぷはぁー♥」
彼はあまりのセメント像化の気持ちよさに、真の姿を解放した。
全身がドロドロの液体で出来た、兎耳を生やした可愛らしき怪物。
「全身ドロドロカチカチの状態から真の姿となって気持ちよく難なく脱出ですぅ!…おやおやぁ?ボクに気付いたのか、ペトリファイマウスくん達が集まってきましたねぇ?」
口にも垂れるドロドロの唾液を舌なめずりして迎え撃つテフラ。
「ああっ、あれはテフラじゃないでチュか!?」
ペトリファイマウスはテフラ・カルデラの宿敵である。
「ここで会ったが百年目でチュー!」
ペトリファイマウス達はテフラに群がり、一斉に着爆式の石化爆弾を投げつけた。
……しかし、爆弾は、テフラが振るった腕から発せられた、ドロドロの津波に飲み込まれ、沈んで、うんともすんとも言わなくなった。
「チュ……チュ!?」
衝撃を与えれば爆発する。
だが衝撃はドロドロの力で吸収された。
導火線の火が根元に来れば爆発する。
だが導火線はドロドロの液体が消してしまった。
「あれあれぇ?どうしたのですかぁ?今のボクはドMではなくドSですからねぇ~♥」
にたりと危ない笑みを見せながら、ゆっくりと侵食するようにペトリファイマウスに近づいていくテフラ。
「それじゃあボクの反撃ですぅ。『どろどろ沼地(マッドスワーンプ)!』」
テフラのドロドロの身体から、ドロドロの粘液の塊がボンボンと放たれていく。
「チュ、チュウゥ!かたま……って……」
ドロドロの塊に包まれて団子の様に転がったペトリファイマウスは、みるみるうちに固まって、ドロドロの団子像と化した。
「や、ヤバいでチュ!いつものテフラじゃないでチュ!」
ドロドロの塊を必死で避けるペトリファイマウス。
だが、当たった地形がドロドロになって、さらにそこから侵食していく。
「チュウゥゥゥ!」
足を滑らせてドロドロの地形に踏み入れてしまったペトリファイマウスは、そのまま底なし沼の様に沈んでいき、浮かび上がった頃には、冷たくぺちゃぺちゃとしたドロドロのセメント像と化していた。
「じ、地面はもうだめっチュ!こうなったら…!」
ペトリファイマウスは苦肉の策で、温泉へと飛び込んだ。
温泉ならドロドロが中和されて大丈夫だと思ったのだ。
「無駄ですよぉ~♥」
ゆっくりと近づいてきたテフラが、温泉をドロドロに換えていく。
「や、やめるっチュ!うごばっ……や……やめ……」
「どうしてやめるのですか~?とぉっても、気持ちいいですよぉ~?ドロドロで、ネバネバで、ぬっちょぬちょを心行くまで楽しんだら、永遠に愉しみを続かせる様に、カッチカチに固まっていくのですぅ~。これ以上ないくらいの、至福の時間を、この温泉に作っていきますからねぇ~♥」
テフラはいつもより猟奇的になっていた。
がぼごぼともがき苦しみながら、沈んでいくペトリファイマウス達。
それは温泉フェスの全てを飲み込んで……。
ペトリファイマウス達が温泉に消えてから、数日が経った。
石化温泉フェスでにぎわっていたキマイラフューチャーは、石化が溶けて笑顔で帰っていくキマイラ達を見届けた後、新たな温泉フェスをリニューアルオープンしてきたのだ。
【君もドロドロセメント像になろう!セメント化温泉フェスですぅ~♥】
それはテフラが残した世界の楔。
当時、温泉だったものは全て、ドロドロで生暖か冷たいセメント泥の温泉に様変わりしていた。
床も全て足跡が残る様なドロドロの泥で一面覆われ、泥だらけの世界となり果てていた。
以外にも人気である。
どろんこフェスとなって飛び込んで来るキマイラ達は多くやってきて、泥を弾く特殊なスマホを片手に。
泥温泉にダイブして泥の型を作るキマイラ、泥で全身固まって泥のオブジェになって、バズリ写真を撮ってもらうキマイラ。
様々な楽しみ方を、彼らは新しく見つけたのだ。
このフェスを邪魔するオブリビオンはもういない。なぜなら彼らは……。
「「「「……………………」」」」
ドロドロセメント温泉フェスの、決して解けない裸のドロドロオブジェ像として、フェスのあちこちに飾られる様になったからだ。
みんな一様にもがいたままの姿で、綺麗な泥の表面を輝かせて佇んでいる。
キマイラ達は彼らを見て、写真を撮ったり、同じようなセメント泥像になる為の参考にした理しているのだった。
「あぁ~……ブームが過ぎ去るまで、しばらくはこの一帯はボクの領域……幸せですぅ~♥」
ブームの火つけ役であるテフラも、ゆっくりと泥の温泉に全身を浸からせて、勝利の余韻に浸り続けていたのだった。
成功
🔵🔵🔴