【サポート優先】ブレイクポイント・チュンチュンサマ!
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●予知:エリア・トリマルにて。
ラグランジュポイント。
ヒーローズアースの地上以外の、知られざる文明の一つ。
大気圏外に存在する衝突した宇宙船群の上に築かれた文明であり、アースクライシス2019にて再び交流が始まった環境である。
今は善良な人々が超テクノロジーを活用して住んでおり、驚くべき超兵器の数々を装着し戦うアームドヒーローたちも多く滞在しているという。
そんなラグランジュポイントの一角に存在する、エリア・トリマル。
コロニー内部に広い空間と自然環境を用意し、鳥類の保護と育成そして繁殖を行っている保護施設である。
それほど重要な研究をしている訳でもないため、警備は最低限。
スタッフものびのびと日々を過ごしている。
警備スタッフとして月極契約をしているアームドヒーローのチーム、『ダックマン』たちも、昼寝をしたり囲碁を打ったりとのんびり時間を潰していた。
「……む? リーダー。レーダーに不審な反応があるぞ」
「何? ……ほんとだ。マガモ、カルガモ、スズガモ。全員で行くぞ」
「「「イエッサー」」」
そんな彼らもヒーローであることには変わりはない。
異変が発生したことを直ちに察知すると、瞬時に意識を切り替えて戦闘態勢を整える。
施設の鳥を誤射しないようにバイオレンスチェインやクローガントレットといった白兵武器を装備して、ダックマンたちが該当地区へと見回りに向かう。
身に包んだ防具はオーバーテクノロジーで作られているため、生半可な攻撃では傷つきはしない。
鳥を盗もうとする泥棒くらいなら容易く取り押さえられる。
そんな彼らが急ぎ足で向かった先では、大量の鳥が飛び交っている様子を目撃した。
「ただの鳥の群れ……あ、違う! こいつら、タグがついてない! 外来種か?」
「それによく見ると、……こいつら鳥じゃねぇ! もふっとしてまるっこい!?」
「メカっぽい反応もある……もしかして、改造ヴィランか!? マジかよ!?」
上空を飛び回る大量の鳥……否!
それは機械化されたスズメ型オブリビオン、『ちゅんちゅんさま』!
もふっとまるっこい姿に小さな機械の塊が備わっている、恐るべき猟書家の尖兵である。
「チュンチュン、チュチュチュン!」
「「「「うわーっ!」」」」
狼狽えるヒーローたちの手の届かない高みから、機械化改造によって威力が増した《羽根ガトリング》を発射して、ダックマンたちの防具装甲を容易く貫いていく。
コロニーを守るヒーローチームを無力化し、『ちゅんちゅんさま』たちは悠々とアームドヒーローたちの超兵器を呑み込んでいき、徐々に大きくなっていく。
このまま守る者のいなくなったコロニーの機械パーツを取り込んでいき、いずれはコロニーそのものと同化することになるだろう……。
●緊急要請:鳥か? 飛行機か? オブリビオンだっ!
「ハロー、エブリワン! 緊急ミッション発令デース!」
バルタン・ノーヴェが看板を取り出して猟兵を募っている。
「ヒーローズアースでちょっと急ぎの予知が発生しマシター!
場所はラグランジュポイントのエリア・トリマルの一コロニー!
猟書家、『デストロイ・プライム』の魔の手が迫っておりマース!」
『デストロイ・プライム』。
かつてヴィランの科学者によって作り出された悪のロボットであり、高い知性と他の機械と融合して巨大化する能力を持ち、縦横無尽に破壊をもたらす危険なオブリビオンだ。
「現地には『ちゅんちゅんさま』というスズメ型オブリビオンとして潜入しており、コロニーを取り込んで巨大化しようとしていマース!
ワタシの予知では、現地の警備スタッフであるアームドヒーロー『ダックマン』チームが対応しようとして、敗北してしまいマス……!
そして、会敵まで間がないのデース!」
『ちゅんちゅんさま』がアームドヒーローの超テクノロジーと融合してしまっては、もはや手の施しようがないだろう。
少なくとも、コロニー一つ分の犠牲は避けられない。
「十分なミーティングができマセンガ、皆様のご協力が必要デース!
戦闘準備が整った方は、よろしくプリーズデース!」
急募、と書かれた看板を床に置いて、バルタンは猟兵たちをテレポートさせるためにゲートを展開した。
リバーソン
こんにちは。リバーソンです。
マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。
今回はサポート参加者を優先的に採用するシナリオです。
通常参加者を採用する場合もあります。
今回の舞台はヒーローズアース。
大気圏外に存在するラグランジュポイントのエリア・トリマルのコロニーが舞台となります。
現地のオブリビオンを撃破することが目的となります。
第一章:機械化した『ちゅんちゅんさま』の群れとの戦闘となります。
これらは第二章に出現する幹部の『パーツ』であります。
戦いながらも飛び回って可能な限り逃走して、『幹部との合体』を目指そうとします。
敵を逃がさないための工夫を行う必要があるでしょう。
第二章:猟書家『デストロイ・プライム』との戦闘となります。
第一章で取り逃がした『ちゅんちゅんさま』の数だけパワーアップします。
また、『ちゅんちゅんさま』に由来する『強化された超兵器』を有しています。
『ダックマン』から『強化された超兵器の停止方法』を聞き、実行しなければ撃破することは非常に困難となります。
第一章、第二章の中で交流して話を聞くとよいでしょう。
プレイングボーナスは、両章通じて『ダックマンと共闘する』および『猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る』です。
登場人物:科学実験部隊、ダックマン。全員成人している男性四人のアームドヒーローのヒーローチームです。
リーダーのバリケンが極東の一都市、キョートーでスカウトしてきたメンバーで構成されているビジネスでヒーローをしている方々です。
全員がレーダー装備と重装甲の防具に身を包んでいますが、誤射防止のために射撃武器は用意していません。
アメリカ出身のバリケンは、金属製の鈎爪を取り付けたクローガントレットを装備しています。
チェスの相手をしてたマガモは、バイオレンスチェインの扱いに長けている技巧派です。
寺産まれのカルガモは、実家のゴッドハンマーを持ち出しておりパワーだけならはチーム随一です。
一番若い二十歳のスズガモは、ふだんは射撃が得意なので今回はシールドオブガーディアンで防御役を担っています。
今回はオープニング公開後の断章はありません。
純粋な戦闘シナリオとなる予定です。
プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
皆様、よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『ちゅんちゅんさま』
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POW : 頑丈なくちばし
単純で重い【くちばし】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 鋭い翼
【翼】が命中した対象を切断する。
WIZ : 羽根ガトリング
レベル分の1秒で【翼から羽根】を発射できる。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マティアス・エルンスト(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK
「……俺が前に出る。お前は俺を盾にしろ。」
一人称:俺
口調:寡黙で無機質。表情も一見無愛想で感情が読み取りづらいが仲間想い。
性格:知らない物事へ対する好奇心と知識欲が旺盛。自身を精密な電子機器と思っている様子。
戦法:高いPOWを活かし、エネルギー充填したアームドフォートによる威圧感たっぷりの威嚇射撃や一斉発射等、「攻撃は最大の防御」を体現した戦法を好む。
仮に間合いに踏み込まれても剣や槍で受け流し、鎧砕きも狙いながらのカウンター攻撃。
指定したUCを何でも使用。
戦況等に照らし「適切・最善」と判断すれば他の存在からの指示や命令にも即応する。
他はお任せ。
●信頼の騎士、立つ。
「チュンチュン、チュチュチュン!」
「う、うわーっ!」
ちゅんちゅんさまたちの《羽根ガトリング》がダックマンたちに降り注ぐ間際、一人の猟兵が滑り込んだ。
無骨で巨大な『鉄塊剣』を盾にして、《羽根ガトリング》を受け流す。
「間に合ったな」
その男こそ、マティアス・エルンスト(人間見習い・f04055)。
三年近くの『休眠期間』を空けて活動を開始した、電子の海から生まれたバーチャルキャラクターであり、「人」を知ろうとする気高き猟兵である。
「あ、アンタは猟兵!?」「救援に来てくれたのか……!」
「……俺が前に出る。お前たちは俺を盾にしろ」
「……わかった、頼む!」「すまない、頼らせてもらう!」
ダックマンたちの応答に寡黙に頷くと、マティアスはエネルギーを充填した『アームドフォート』を一斉発射する。
コロニー内部に被害をもたらさないようすぐに拡散するよう威力を調整しているが、ちゅんちゅんさまたちへの威嚇射撃としては十分である。
回避行動をとるちゅんちゅんさまたちは、一時的に攻撃を止めなければならない。
その隙にマティアスがダックマンに振り向き、協力を要請する。
「……ダックマン。お前たちの力を借りたい」
「俺たちの手が要るんなら、是非もない。何でも言ってくれ」
「感謝する。……対象の選定、完了。コマンドを実行する」
快諾するカルガモがマティアスの横に立つ。
マティアスはカルガモに手を触れると、《Code : Build robot(コード・ビルドロボット)》を起動する。
無機物と合体して3.5m以上のロボットに変形するユーベルコードにより、カルガモの持つ超兵器防具や超重超鋼の戦闘用ハンマーと合体を果たしたのだ。
マティアスは重厚でメタリックな鎧を身に纏い、巨大なハンマーを手に頭上のちゅんちゅんさまたちを見上げる。
「おおおお! カッコイイな!」
「そうか。……行くぞ」
小さく笑みをこぼしたマティアスが、自身の『バーチャルランス』を構えてランスチャージを行う。
空を飛ぶちゅんちゅんさまの群れに跳び込み、その怪力を以てちゅんちゅんさまの機械化されたパーツを的確に貫いていく。
攻撃を終えて降下するマティアスに向けて、体勢を立て直したちゅんちゅんさまが単純で重い《頑丈なくちばし》を叩きつけてくるが、マティアスは落ち着いてカルガモの『ゴッドハンマー』によるカウンターで打ち砕く。
着地し、再び攻撃に出ようとするマティアスだったが、ちゅんちゅんさまの大部分が四方八方へと散り散りに逃げ始めた。
「……む」
素早くマティアスは背を向けるちゅんちゅんさまを『アームドフォート』による追撃で撃墜していくが、流石に数が多くすべてを撃ち落とすことはかなわない。
それに、この場に留まりマティアスに向かって来るちゅんちゅんさまもいるため、追撃にばかり気を向ける訳にはいかなくなった。
だが、この戦場に駆け付けたのはマティアスだけではない。
急行してダックマンの面々を護り抜いただけでも大きな戦果と言えるだろう。
「ダックマン。奴等を追えるか?」
「ああ! 任せてくれ! 手は届かないが、レーダーは届くからな!」
「任せる。仲間達も到着しているだろう、合流して対処を頼む」
「わかった!」「ここは任せたぜ、ヒーロー!」
区画内から逃げ出したちゅんちゅんさまを追って、ダックマンたちが駆け出していく。
その先には他の猟兵たちが待っていることだろう。
マティアスはこの場に残るちゅんちゅんさまを掃討し、スタッフが避難できる安全圏を構築するのであった。
成功
🔵🔵🔴
高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●読書好きの司書。
「チュンチュン!」
「待てっ、このスズメっぽいのっ!」
コロニー内部を飛んで逃げるちゅんちゅんさまたち。
その後を追いかけるダックマンたちは、続々と到着した猟兵たちの元へと、ちゅんちゅんさまたちを誘導するために手分けして走り回っていた。
ダックマンの一人、マガモはバイオレンスチェインを振り回してちゅんちゅんさまたち追いかけていた。
幸いにしてちゅんちゅんさまたちは《羽根ガトリング》を放つことはせず、脅威となる猟兵から逃走することを優先していた。
そのため、マガモの狙い通り、レーダーで探知した猟兵の待つ場所へと追い立てられた。
「もう少し、この先に……!」
「はい、お待ちしておりました」
通路の角を曲がったちゅんちゅんさまたちの前に穏やかに立ちふさがったのは、世界の何処かに存在する「秘密図書館」の司書。
高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)である。
のんびりした雰囲気を醸し出しているが、数多くの叡智を体得している選りすぐりの猟兵だ。
眼前に現れた猟兵にちゅんちゅんさまたちは一瞬驚愕するも、強行突破を試みようと加速する。
茉莉は慌てることなく、遥か昔に何処かの星で栄えたロストテクノロジーの魔術が記された魔導書『宇宙魔術古代書』を手に、ユーベルコードを起動する。
「コロニーは落とさせませんよ。我が呼び起こすは炎の記憶。さぁ、燃え尽きなさい!」
「チュチューン!?」
茉莉の本に記された炎に関する文章が浮き上がり、光そのもののような炎となって空を飛ぶちゅんちゅんさまたちに放たれる。
飛んで火にいる夏の鳥。
ちゅんちゅんさまは《頑丈なくちばし》を届かせることなく、一羽残らず眩い炎に焼かれて落ちて行く。
「す、すごい、あの数を一瞬で……! これが、猟兵……!」
その様子をマガモは驚嘆の表情で見届ける。
呆然としているマガモを見て、茉莉は優しく微笑みかける。
「この一件が終わったら貴方も読書、いかがですか?」
「は、はいっ、是非に……!」
茉莉とささやかな約束を交わし、マガモは騒動の後の楽しみを糧により一層奮起するのだった。
成功
🔵🔵🔴
リーリア・ブラッドスノー(サポート)
強化人間のアリスナイト×バロックメイカーの少女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、後輩の前では「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードはイマワシキキオクを使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。
依頼成功の為には己の身体も道具にします。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
負傷描写は重め、多めな傾向が好み、NGは無いので瀕死や内臓がはみ出すくらいグロテスクな描写を好みます。
ほかはお任せいたします。
よろしくお願いいたします。
●悲劇と苦しみに生きた少女。
「猟兵さん! 引き連れて来ましたー!」
「ありがとう。あとは、あたしに任せるのよ」
スズガモがちゅんちゅんさまたちに追われて、広いエリア―――コロニー内部の水鳥飼育エリアへと駆け込んでくる。
事前に水鳥たちを避難させて、その猟兵は敵の到来を待っていた。
リーリア・ブラッドスノー(うつろなる幻想・f27329)。
物心がつく頃から実験体として残虐の限りを尽くされてきた少女であり、底無しの絶望と苦痛を想像力の源として構成するアリスナイトだ。
《羽根ガトリング》が飛び交う中、リーリアの横をスズカモが通り過ぎていく。
空中を飛行するちゅんちゅんさまたちの標的がスズカモからリーリアへと変わり、その幼い身体に翼から発射した羽根を突き立てていく。
「……ふふ」
「……えっ!? な、猟兵さん!? 大丈夫ですか!?」
「平気なのよ。大丈夫だから、終わるまでこちらを見ないでの欲しいのね」
―――あなたも、狂ってしまうから―――
声には出さずとも、振り返ったリーリアの瞳を見ればスズカモに意図は伝わった。
生唾を呑み込み、リーリアに背を向けて物陰に駆け込むスズカモを見送って、リーリアは頭上を見上げる。
なおも《羽根ガトリング》を撃ち下ろしてくるちゅんちゅんさまたちたちに笑みを向け、リーリアはゆっくりと『解剖用メス』をかざす。
それを見せる行為が、彼女の奮うユーベルコードの発動条件なのだ。
「ヂュ!?」「チュッ、ウッ!?」「チュンッ……!」
一方的に攻撃していたちゅんちゅんさまたちは、次々に痙攣し、悲鳴を上げて硬直する。
「……狂わないでくださいね? と、伝えるのが遅れてしまったわね」
《生体解剖疑似体験(イマワシキキオク)》。
リーリアがかつて生体解剖をされた記憶を対象に向けて放ち、麻酔も無く解剖される幻痛を感じさせるユーベルコード。
幻視する幻覚は、かつてリーリアが暴かれた中身の虚ろそのもの。
そのあまりにも凄惨な記憶を体験することとなる対象は、あまりの激痛に悶え苦しみ、一時的に動きを封じられることとなる。
「……!」「……っ、……!」
「まあ、いいわ。すぐに終わることだもの」
床へと、水面へと落ちて行くちゅんちゅんさまたち。
もはや震えることしかできず、鳴き声を上げることもできない有様だ。
身体中に突き刺さった羽根を抜こうとせず、血を垂れ流しながらリーリアは静かにちゅんちゅんさまたちへと近づいていく。
「あたしは大丈夫だから。大丈夫。大丈夫よ。……ちゃんと、敵は、わかるもの」
その後、スズカモが顔をのぞかせた時には、動くものはリーリア一人だけとなっていた。
成功
🔵🔵🔴
月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!
「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」
一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象
基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。
敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。
指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。
後はお任せします。よろしくお願いします。
●ドジっ子クレリックのマジックアロー。
追い立てていたはずが、いつの間にか追い立てられている。
そんな状況に陥った二人が、コロニー内部のとある長い廊下を疾走する。
そしてそれを追うちゅんちゅんさまたちの姿があった。
「うおおおお! 猟兵の姐さん! 何とかしてくれー!」
「はわわっ! 《ジャッジメント・クルセイド》、もダメね、天井突き抜けちゃう!」
武器を置いてきたカルガモと月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)は懸命に走っていた。
サムライエンパイアの歴史ある街を故郷に持つ上流階級のお姫様である左京は、エルフに憧れを抱き髪を金色に染めてエルフ耳を常時着用している聖者である。
アームドヒーローとして重装甲の防具を身に纏っているカルガモが左京を庇いながら、打開策を閃くまでランナウェイの真っ最中であった。
というのも。
現地に到着して左京が提案したちゅんちゅんさまの撃退手段は《天からの裁き(ツッコミハンマー)》というユーベルコードで一網打尽にするというものだった。
しかしカルガモに頼んでちゅんちゅんさまたちを広いスペースに誘導してもらい、いざ! というところで問題に気づいたのだ。
《天からの裁き》は【天から召喚した大量の巨大ハンマーを放つ】というものであり、閉鎖されたコロニー内部で使うと天井に穴が開いて大変なことになるという事実に。
直前になって、あっ! と気づいた左京たちを取り囲むちゅんちゅんさまたち。
もしかしたら天井すれすれから召喚されるかもしれないが、万が一の事故を考えると迂闊なことはできなかった。
左京はカルガモと共に戦略的撤退を行いながら、次善策を考えていた。
そして追いかけっこが始まってから三分経過。
長い廊下いっぱいにちゅんちゅんさまたちが広がり、左京とカルガモを狙って攻撃を行っていた。
「あいたっ! 羽根がそろそろ貫通してきた! まだ辛抱できるけど、いたっ!」
「はわっ! えーと、えーと! あ、そうだ、これなら!
《ウィザード・ミサイル》! 《ウィザード・ミサイル》!」
カルガモが左京を庇う肉の盾となり、その隙間から左京は射撃魔法系のユーベルコード《ウィザード・ミサイル》を連射していく。
高速詠唱で紡がれた二回攻撃の魔法の矢。
都合1090本もの炎属性の矢がカウンターの形となって、攻勢に出ていたちゅんちゅんさまたちの不意を突く。
ちゅんちゅんさまの動きを見切った的確な攻撃が機械化したボディを貫いていく。
「チュチューン!?」
《ウィザード・ミサイル》の連射が次々にちゅんちゅんさまたちを打ち倒し、一網打尽に撃破する。
ドザドザ、パタパタ、ボトボトと、まるっこいスズメ型オブリビオンが床に転がり落ちていく。
「……や、やったか……?」
「……やったのかしら……?」
左京が残敵がいないか様子をうかがうひと時の静寂。
敵を殲滅することに成功したことを確認して、カルガモと合わせて安堵の息を吐いた。
「……ふぅ。おびき寄せてのカウンター、作戦通りね」
「おお……! 助かったぜ、ありがとう、猟兵の姐さん!」
「カルガモさんも頑張ったわね。おかげで倒せたわ!」
半数近くのちゅんちゅんさまを撃破し、形勢は猟兵たちに有利な状況へと傾いている。
ちゅんちゅんさまの駆除を済ませた左京は、傷だらけになったカルガモの手当を施しすのだった。
成功
🔵🔵🔴
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
●アグレッシヴ・ヒーロー!
「そう、フリーダム! 事件を解決に導くよ!」
広い駐機場にマラカスを鳴らす音が激しく響く。
その出所はコロニーに参上したバーチャルキャラクターの猟兵。
赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)が振り回すマラカスのリズムだった。
緋色はシャカシャカと鳴らすマラカスで、頭上を飛び交うちゅんちゅんさまの群れを挑発していた。
そのそばにはダックマンのリーダー、バリケンが控えている。
オーバーテクノロジーで作られた重装甲の防具を餌にして、緋色の元にちゅんちゅんさまを集めて来たのだ。
「自由なボーイだ。要望通りオーディエンスは集めたぜ。あとは任せていいんだな?」
「もちのもちろんさ。私のガジェットを披露するよ」
二人の上空を旋回するちゅんちゅんさまたちは、《鋭い翼》を伸ばして急降下攻撃の体勢に入る。
その翼が命中すれば、たとえアームドヒーローの防具であっても切断されることだろう。
緋色はマラカスを放り投げ、魔導蒸気で駆動して大量の属性弾をばら撒く銃器『ミニさん』を取り出す。
圧倒的な射撃能力を誇るガトリングが、飛来するちゅんちゅんさまたちに銃口を向ける。
「バリケンさん! ミュージックスタート!」
「HAHAHA! OK、JAEGER!」
バリケンは自棄になった訳ではない。
緋色の投げたマラカスを受け取り、代わりに鳴らす。ファイトソング(応援)だ。
そのリズムに合わせて、ノリノリにノッた緋色がユーベルコードを起動する。
「ひっさーつ! 《フルオートバースト》!」
その瞬間、ちゅんちゅんさまたちの視界から緋色が消えた。
否。緋色は時速10500kmの速度で飛翔し、ちゅんちゅんさまたちの頭上へと一瞬で移動したのだ。
超高速で飛翔しながら、緋色のガトリングから連射を重視した属性弾を放つ攻撃。
シンプルにして強烈。それが《フルオートバースト》である。
「ふはははははー! ひゃっはー!」
「ちゅちゅーん!?」
空を飛ぶスズメ型オブリビオンであるちゅんちゅんさまといえど、音速を軽々と超えるマッハ8以上で飛び回る緋色を捉えることはできない。
風圧に翻弄され、次々に銃火の餌食となっていく。
「へいへいへーい! あっという間に圧倒だね!」
緋色が再びバリケンの隣へと降り立った時には、駐機場に集まっていたちゅんちゅんさまはすべて撃破されていた。
ほんの数秒のショータイムである。
「これで、この辺りのオブリビオンは殲滅完了かな? お疲れ様!」
「ああ、見事なアタックだったぜ、ブラボーだ!」
ハイタッチを交わす緋色とバリケン。
このコロニーに残るちゅんちゅんさまは、残り僅かとなっていた。
その残りも、狩りだされる時は近い。
成功
🔵🔵🔴
火土金水・明
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員、『魔法少女ブラックマルス』。」「猟書家に従うオブリビオン達を滅ぼす者です。」「相手が空中でしたらこちらも。」
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『ちゅんちゅんさま』達を纏めて攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げることです。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
●魔法少女ブラックマルス、見参!
ちゅんちゅんさまの目的は、猟兵との戦闘ではない。アームドヒーローたちを襲ったのも、目的ではなくその過程に過ぎない。
多くの機械パーツとを取り込み、幹部と合体することがちゅんちゅんさまの目的なのだ。
そうしてパワーアップした力を幹部に結集させ、駆け付けた猟兵を蹴散らし、次のコロニーを取り込んでいくことこそが目標なのだ。
よって、残ったちゅんちゅんさまたちはアームドヒーローの超技術を諦め、初志であるコロニーの取り込みを行うべく、コロニーの機関部へと向かっていた。
そして、その意図を予測していた猟兵もまた、そこにいた。
機関部へと通じる通路の前、扉の前に立ち、『黒色のウィザードハット』に手をかける猟兵が一人、名乗りを上げる。
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員、『魔法少女ブラックマルス』。
猟書家に従うオブリビオン達を滅ぼす者です」
火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。
数多の世界を駆け抜けて、オブリビオンを討ち果たしてきた熟練の猟兵である。
「チュンチュン!」
「……交戦を避けるつもりですか。
ですが、相手が空中でしたらこちらも空中戦と行きましょう」
ちゅんちゅんさまたちは明の頭上を素通りして機関部に向かおうとするも、明が『魔法の箒』に跨って空中戦に持ち込んだ。
立ち塞がる猟兵に行く手を阻まれた以上、戦うしかない。
「チュンチュン、チューン!」
ちゅんちゅんさまの《羽根ガトリング》。一秒に満たない速度で翼から羽根を発射する弾幕が明に降り注ぐ。
もし躱すなら、背後にある機関部の扉を破壊することができる。ゆえに必中だとちゅんちゅんさまたちは考えていた。
しかし、明は回避した。
平行飛行による残像により滑らかに攻撃を避け、明は肌に傷一つ負うことなく脇に移動していた。
そして羽根は機関部に突き刺さる……ことはなかった。
明が扉に施していたオーラによる防御に阻まれ、無為に床へと落ちて行った。
「残念、それは残像です。そして、バリアで扉は守らせていただいています。
もとより、突破することはできなかったわけですね」
「チュ、チュン……!」
「次は私の番です。我、求めるは、冷たき力」
明が『七色の杖』をちゅんちゅんさまたちに向け、反撃する。
高速詠唱で構築されたユーベルコードの魔法が、ちゅんちゅんさまたちを残さず捉える。
範囲攻撃の《コキュートス・ブリザード》。
585本もの氷属性の魔法の矢が、機械化されたちゅんちゅんさまの装甲を無視して貫き、内側から凍てつかせ継続ダメージを与えていく。
広範囲に降り注ぐ魔法攻撃はちゅんちゅんさまを逃すことなく、回避行動を取った先にも矢が降り注いでいく。
ウィザードの粋ともいうべき魔法の矢の弾幕が、制圧射撃が、ちゅんちゅんさまを駆逐した。
「チュ……ン……」
最期の一羽が地に伏せる様を、明は箒の上から見下ろす。
猟書家の送り込んだオブリビオン、ちゅんちゅんさまはこれで殲滅できた。
あとは……本体である、猟書家『デストロイ・プライム』の撃破を残すのみである。
「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に繋げることです。
……頼みますよ、皆さん」
コロニーが振動に震える中、明は信頼を込めた眼差しで遠くを見つめていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『デストロイ・プライム』
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POW : グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ : トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
イラスト:aQご飯
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミネルバ・アレキサンドリア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●降臨する破壊の欠片。
機械化したちゅんちゅんさまを送り込み、コロニーと同化するという計画を打ち砕かれた猟書家、『デストロイ・プライム』。
すべてのちゅんちゅんさまを失ったものの、このまま引き下がるわけにはいかぬと、その目を開きコロニーへと強襲を仕掛けた。
「致し方なし。我が身、我が機体。ちゅんちゅんさまがなくとも、その力を振るわん」
デストロイ・プライムは三つ首をもたげ、その背に生える翼から無数の機械の羽根を射出し、コロニーの外壁を破壊して侵入する。
それこそ、ちゅんちゅんさまの《鋭い翼》と《羽根ガトリング》を兼ね備えた『強化された超兵器』……。
《ちゅんちゅんウィング》の脅威であった。
「集うがよい、猟兵共よ! その血肉、我が糧と成り果てるがよい!」
エリア・トリマルの鳥類保護コロニーを守るために、猟兵たちの決戦が幕を開けた。
ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)
ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。
でも負傷やフレンドファイヤ、代償は避けたいお年頃。
驚堂院・クリル(サポート)
神の国民的スタア×レトロウィザード、11歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、真剣な時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●現る神とヤドリガミ。
コロニーへと侵入を果たし、巨体を揺らすデストロイ・プライムの元へと一番に駆け付けたのは、二人の猟兵。
ティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)と、
驚堂院・クリル(アイドルグループ【九姉妹神】メンバー・f33676)であった。
外部の宇宙空間との気圧差をものともせず平然と立っているのは、埒外の生命体であるが由縁であろうか。
「何だろう。ドラゴンなのかスズメなのか、わからない。……まあ、メカでいいや」
道中デストロイ・プライムのことを占っていたのか、ティモシーは手にした水晶玉をじっと見つめていたが……特に真新しい情報は得られなかったようだ。
こうして見ていると水晶玉のヤドリガミのように思われるが、その正体は異なる器物だという。実に不思議な猟兵である。
「よし、ここでわらわの大活躍を見せて、知名度と好感度をアップじゃの」
かつては蛇天使と呼ばれ、情報通として知られたクリルであるが、今は絶賛売り出し中の地下アイドルグループの一員。
GPS付きの監視体制の上、上位存在よりヤキンとボアズという黒服の二人がマネージャー兼監視として見張りについているため、やんちゃができないようだ。
何者なのだ、ヤキンとボアズ。
「来たか、忌々しい猟兵共よ。
我が計画を阻害した代償として、その命を戴くとしよう」
デストロイ・プライムと二人の猟兵がにらみ合い、一触即発とした雰囲気の中、
応援に駆け付けたダックマンたちが物陰にしがみつきながら声を張り上げる。
「猟兵さん! あいつの背中の翼、さっきまでいた怪物と同じだ! でかいけど!」
「鳥類の翼には、風切羽がある! 外側は堅そうだけど、後方に整列してる内側次列なら揚力を得る場所だから柔いと思う!」
「そこを削れば飛べなくなるだろうし、羽根も飛ばせなくなるだろう。でかいから狙いやすいと思うぜ」
ダックマンの助言に、デストロイ・プライムが忌々しそうに首の一つを向けて睨みつける。
「騒々しい餌共め、先に喰らってもよいのだぞ」
背中の翼を広げ、『ちゅんちゅんウィング』から《羽根ガトリング》を放とうとするデストロイ・プライムだったが、眼前の猟兵たちから意識を逸らすというその隙を、ティモシーとクリルは見逃さない。
「そうはさせぬのぅ! 彼らにはわらわのファンになってもらわんとな」
「アドバイスありがとう、あとは僕たちに任せてください」
打つ手を見定めた猟兵たちが動き出す。
クリルが笑顔を見せながら、人差し指をデストロイ・プライムへと向ける。
「みせてくれよう、わらわの魔法剣! 《ミゼリコルディア・スパーダ》!」
虚空に950本の魔法剣が現れ、幾何学模様を描き複雑に飛翔する。
レトロウィザード自慢の包囲攻撃魔法、《ミゼリコルディア・スパーダ》がデストロイ・プライムの身体を取り囲み、さっそくその背の風切羽を斬り刻む。
攻撃が途切れれば修復することはできるだろうが、少なくともすぐに『ちゅんちゅんウィング』から《羽根ガトリング》が放たれることはなくなった。
「ぐっ、小癪な真似を……! ならば、我が破壊光線を食らわせてやろう!」
全身を魔法剣に斬り刻まれながらも、デストロイ・プライムが三つの頭の口を開き、クリルを狙う。
その口から覗くものは、蓄積した時間に応じて威力が無限に上昇する【悪】の属性を持つ破壊光線。
《トリニティ・バースト》である。
十分にチャージすることで、回避も防御も許さない三連撃で打ち砕かんとするデストロイ・プライムであったが、その目論見はティモシーによって封じられる。
「なるほど、……ただひたすらに破壊を目的としてる。
これは、属性は悪……なら。……よし。この波長、見きったよ」
そう呟きつつ、ティモシーがクリルを庇うように前に出て、拳を構える。
「愚かなり。諸共消し飛ばしてくれる! 滅びよ、《トリニティ・バースト》!」
「そうはいかないな! UDC神拳! 逆位相による相殺!」
放たれた破壊光線は、ティモシーの拳に触れることなく霧散していく。
その理由は、《UDC神拳:逆位相キャンセリング》。
対象のユーベルコードを解析し、逆位相の衝撃波や魔力を放つことで相殺する、ティモシーのユーベルコードによる防御である。
事前に相殺するユーベルコードを見ていれば、この技の成功率が上がる
威力を高めるために時間をかけたことが仇となったのだ。
ティモシーの拳から放たれた【善】の属性の魔力によって、【悪】の属性の破壊光線が打ち消されていく。
デストロイ・プライムが口を開いたまま驚愕し、硬直する。
「うまく行ったね、よかったよかった。
防御は僕に任せて、ドンドンやっちゃってくださいクリルさん」
「よかろう、役割分担という訳じゃな。
行くぞ、デストロイ・プライム。たっぷり刻んでくれようぞ」
クリルは《ミゼリコルディア・スパーダ》を繰り、デストロイ・プライムの口の中や装甲の隙間、関節部・接合部へと魔法剣を差し込ませ、次々に手傷を負わせていく。
「ぐ、ぐおおおおお!!」
反撃のための《羽根ガトリング》も《トリニティ・バースト》も封じられ、辛抱できなくなったデストロイ・プライムは二足歩行で駆け出す。
コロニーの内壁を体当たりで無理矢理に破り、戦線を離脱する。
「おっと。逃げたか。それじゃあ、他の猟兵たちに情報を共有しておくね」
「助かるのぅ。ならばわらわたちは、ダックマンの護衛についておくとしよう。
……コロニーの壁も塞いでおかねばならぬからな」
ティモシーは謎の魔法のカードをパラパラと動かし、コロニー内部へとばらばらに飛ばしていく。
このコロニーにいる猟兵へカードを向かわせ、ダックマンから聞いた『ちゅんちゅんウィング』を封じる方法を情報共有していく。
そのカードこそ、ティモシーの本体である占いカードの複製体というのが、なんとも不思議な話である。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
黒木・摩那(サポート)
「お手伝いに参りました」
人間のサイキッカー×マジックナイト
口調:「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
一人称:私
特徴 眼鏡 冷静沈着 絶望的な辛党 鳥が好き 実は大食い
魔法剣『緋月絢爛』で戦います。
【ダッシュ】や相手攻撃を【受け流し】ながら、相手の懐に飛び込みます。
そこから【衝撃波】で【なぎ払い】したり、相手によっては【気絶攻撃】します。
ユーベルコードはどれでも使用。
防御は【第六感】とスマートグラスの警報で対応。
銃火器に対しては【念動力】で弾道を逸らして、回避します。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
注意:マヤじゃなくて、マナです
シキア・ジェンダート(サポート)
口調 (俺、キミ、だ、だね、だろう、だよね?)
敵には(俺、お前、だね、だよ、~かい?)
踊りと歌が大好きな快楽主義者。平和がどう、とかいうよりも自分が楽しいかそうでないか。異世界交流は楽しい。そしてそんな楽しさを邪魔するオブリビオンは気に入らない。
「俺が楽しければそれでいいんだよ、だから邪魔」
「あーあー美しくないなぁ。せめてキレイに死んでくれない?」
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●踊る剣士と翠銀の魔。
逃げ出したデストロイ・プライムが飛び込んだのは、避難済みの広い飼育エリアであった。
そこに待ち構えていたのは、チャイナドレス風の衣服に短パンとブーツを合わせた衣装の魔法剣士。
とある国の実験施設で生まれた超能力者である、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)だ。
「お手伝いに参りました。猟書家、討伐させていただきます」
魔法剣『緋月絢爛』を構え、眼鏡を光らせてデストロイ・プライムを睨み、切り込もうと足を踏み出す。
「小癪な。ただ一人が相手ならば、相手ではないわ!」
床を蹴りダッシュする摩那から、超高速で飛翔して距離を取るデストロイ・プライム。
ユーベルコード《ジェノサイド・ブラスト》により摩那の頭上へ飛び上がり、高みから見下ろしながら全身のビーム砲を開く。
破壊光線の雨を降り注がせ、一人の剣士を遠くから貫こうとする。
「我が光をその身に浴び、滅びよ、猟兵!」
「あーあー美しくないなぁ」
砲口を摩那に向けるデストロイ・プライムの背後で呟く者がいた。
美しく華麗な、踊りと歌が大好きな快楽主義者。
スカイダンサー、シキア・ジェンダート(翠銀の魔踊・f31492)だ。
ユーベルコード《スカイステッパー》にて空中を跳躍し、デストロイ・プライムのさらに上へと行っていた。
不意を突いたシキアは、銀の靴型の脚武器『オズマ・レガリア』にてその背を蹴り砕く。
「俺が楽しければそれでいいんだよ。
そしてそんな楽しさを邪魔するオブリビオンは気に入らない。
だから、せめてキレイに死んでくれない?」
「この、猟兵めがっ!」
背面を蹂躙され、『ちゅんちゅんウィング』を損ない体勢を崩したデストロイ・プライムがわずかに高度を落とす。
頭上の敵に向けて、摩那がユーベルコードを起動する。
「セーフティ解除。励起。帯電を確認……加速開始」
摩那は爆発的に増大したスピードで踏み込み、跳躍する。
墜落するデストロイ・プライムに飛び掛かり、高圧電流を帯びた七色の花びらを放ちながら『緋月絢爛』を連続で振るう。
《飛天流星(メテオール)》。
圧倒的な爆発力による攻撃が、すべて命中すれば如何なる敵であろうとも葬り去る、強力な技である。
デストロイ・プライムの機械の身体へと、連続剣技を一発、二発と叩き込んでいく。
「オ、オオオオッ!?」
首を一つ叩き斬られ、それでもなおデストロイ・プライムは飛翔する。
水平への推力移動により、摩那とシキアの包囲を抜け出し、錐揉みしながらコロニーの中を遁走する。
床に落ち立った摩那とシキアは肩を並べて、千切れた首を再生させながら飛び去るデストロイ・プライムを見送った。
「あーあ。ここで殺せたらよかったんだけどね」
「とはいえ、結構な深手を負わせられましたから、これでよしとしましょう。
デストロイ・プライムの再生力にも限度があります」
摩那は納刀し、静かにシキアと言葉を交わす。
情報収集を行って状況を確認した摩那は、デストロイ・プライムの行く末を推察しているため、泰然とその場に留まった。
次の猟兵たちが、すでに準備を整えている。ならばこれ以上、摩那たちが深追いする必要はない。
「さて、せっかく鳥類の保護施設に来たのですから、帰る前に見学していきましょう」
「なら付き合おう。レディのエスコートは男の本懐さ」
まだ騒動収まらぬコロニーの中へ、摩那とシキアは入っていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)
※
キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。
ロザリア・ムーンドロップ(サポート)
猟書家の脅威から各世界を守ることを主軸としてグリモア猟兵の活動をしているため、自らも機会があれば依頼に出向きたいと考えています。
「この事件を解決すれば、また一歩世界の平和に近づきますね!」
「せっかく取り戻した平和を脅かすなんて許せません!」
UCは全て設定しています。
技能・装備はご自由に。
基本的に頑張り屋。戦闘スタイルは魔法をメインに使いますが「困った時は殴ればOK」とも思ってます。
なので接近戦も案外こなすオールラウンダー。
ぷるぷるしたもの(スライムとか)はとても興味を示します。
葛藤しながらも事件解決のために我慢して攻撃するでしょう。
ただしエロ・グロ系はNGで。
●(元)ラスボスと魔法少女のデュエット。
「全ての準備は整ったのよ。ここが彼奴の墓場となるのよ」
「この事件を解決すれば、また一歩世界の平和に近づきますね!」
陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)とロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はコロニーの機関部へと通じる長い通路上にて、猟書家の到来を待ち構えていた。
正面には《ちゅんちゅんウィング》で飛びながら向かって来るデストロイ・プライムの姿が見える。
その足や尻尾と、ちゅんちゅんさまゆずりの頑丈なくちばしを振り回して辺りを破壊しながら猛進を続けている。
巨大な体躯を活かした純粋な暴力の化身を前にして、二人の猟兵は臆することなく力を発揮する。
ユーベルコードを披露する。
「披露しましょう。炎の揺らめきにて、堕ちなさい」
燐は手に高性能スマホを構え、配信しながら炎を纏ったクロアゲハを展開させる。
それは《炎術:催眠蝶》。
バーチャルキャラクターである燐がゲーム本編では使用することのなかった、設定上の術である。マニアにとっては興奮する展開であろう。
召喚された107体のクロアゲハは敵を催眠させる能力を持ち、十分な時間を用いれば都市や城塞を築くことも可能となる。
ここにデストロイ・プライムが現れるまで……十分な時間はあったのだ。
「なっ!?」
デストロイ・プライムの眼前には巨大な建造物が構築され、行く手を阻んでいた。
宇宙のコロニーにはあり得べかざる、燐のゲーム時代の雰囲気を模したラスボスの拠点である。ここもファン必見である。
「猟兵が、小癪な真似を……!」
デストロイ・プライムは身体を振るい、催眠で作られた建物を粉砕しようと暴れ回る。
コロニーへの被害を防ぐと同時に、敵の足を止めるという役目を果たしたクロアゲハの群れは素早く散開し、ロザリアの射線上から飛び退る。
「あとはおまかせ。よきに計らいなさい」
「はい! おまかせください!」
スマホを構えたまま、燐が後ろに下がりロザリアをいい角度から撮影している。
猟書家の脅威から世界を守るピーアール映像として配信許可は得ているでしょう。
メイビー(たぶん)。
ロザリアの持つ、三日月形に加工された魔法石が取り付けられたウィザードロッド、『クレセントブレイカー』が輝く。
デストロイ・プライムがその強大な魔力反応に気づいた時には、すでに充填は完了していた。
そう。全ての準備は整っていたのだ。
「魔力全開! これが私の月『魔砲』です! 《フルムーンブラスト》」
杖に籠められた月の魔力が放たれ、デストロイ・プライムへと飛来する。
通路いっぱいギリギリに膨れ上がった魔力の奔流は、半径100m近くを覆い尽くす。
回避も防御も叶わず、デストロイ・プライムは全身で《フルムーンブラスト》を浴びることとなる。
「ぐおおおお!? こんな、このような、ことがああああ!!」
「せっかく取り戻した平和を脅かすなんて許せません!」
一片のプライム(塊)も残すことなく、デストロイ・プライムは消し飛ばされた。
攻撃を終えて、一息ついたロザリアは燐に向き直って勝利のポーズを構える。
「この世界の平和は、私たち猟兵が守ります!」
愛らしくカッコイイ少女の姿に配信数もうなぎのぼりでしょう。
戦いが終わり、ダックマンたちからコロニーのスタッフ全員の安全確認も終わったことを告げられて、猟兵たちは帰還していく。
遠く空の果て、ラグランジュポイントであろうとも、猟兵たちは駆け付けるのだと証明したのだった。
ミッション、クリア!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴