3
ほかひよ大行進

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0




●温かさを求めて
 ここはアルダワ魔法学園世界。その迷宮のワンフロア……。
「ぬくもりが欲しいのだわさ……!」
 1人のツインテール少女が震えていた。ブランケットにその身をくるんで。
 オブリビオンにして魔操術師である少女は、気候の変化しない迷宮に研究施設を構え、日々研究していた。
 目指すは、温かさをもたらす魔術アイテムの創造。
 なぜなら少女は冷え性だったから。
 そして今。研究成果の1つが、花開こうとしていた。
 ぐつぐつ。煮えたぎるツボの中に、魔操術師が最後の素材を加える。
「後は、この液を加えれば……完成だわさ!」
 ぼふん!
 爆発した。
 ツインテールがアフロになった。
 何かがはじけ飛び、室内が煙で包まれたのだ。
「ひよーん」
 果たして、煙の中から現れたのは……ひよこ。
 しかし、何か香ばしい。ぶっちゃけ美味しそう。
「うーん」
 ちょっと思ってたのと違った。魔操術師は、腕組みして悩んだ。
 3分くらい経った後、ぽむん、と手を打ち、
「ひよとハサミは使いようだわ! もっとあったかい場所を研究施設にするため、いっそ魔法学園を乗っ取ってしまえばいいんだわさ! ちょうど人手も増えた事だし!」
「ひよひよ」
 人手……鳥手?
 ともあれ、爆誕した謎生物ひよこーんを従え。
 オブリビオンの征服物語が、今、幕を開けた。

●アルダワなのだわ(ご挨拶)
「皆様、お集まりいただき感謝いたします。此度の冒険の舞台は、アルダワ魔法学園」
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)の言葉が、背景を書き換える。現れたのは、魔法学園の景色。
「今回は、オブリビオンによる侵攻を食い止めていただきます。敵は術師と……ひよこーん」
 ひよこーん、とは。
 種に封印されていたオブリビオンで、熱によって覚醒する特性を持つ。
 術師の用意した実験材料に、ひよこーんの種が紛れ込んでいたらしい。異物混入。
「ともあれ、ひよこーんとは、端的に言って『ひよこのポップコーン』でございますねコレ」
 可愛くても美味しそうでもオブリビオン。
 群れを成して、地上へと侵攻を開始したのでさあ大変。
「鋼の体と心持つ私にも、わかります。このようなものが溢れれば、世界は混沌の渦に巻き込まれる……と」
 可愛いしな。
「この、もこもこーんと迫りくるひよこーんの侵攻を食い止め、元凶である魔操術師の少女を討伐しなければなりません。また何かしでかされても困りますので」
 なお、術師の研究室の奥には、秘密の扉がある。術師を倒すことで、その鍵が手に入るだろう。
 その先に何があるか。
「温泉、でございます」
 ぶぉん、とヴェルタールの目が輝いた。メカニカルに。


七尾マサムネ
 あたたか依頼をお届けします。寒いので!

●ひよこーん
 可愛い。美味しい。最高では?
 熱がないとしぼんでしまうので、魔法的なフライパンの上に載っています。
 もこもこ羽毛部分は食用で、色々な味があります。倒せば食材が手に入ります。

●魔操術師
 寒いのが苦手。
 なので、迷宮内で温か魔術アイテムを研究していましたが、今回は思わぬ結果を招いた模様。
 せっかくなのでひよこーんを下僕に使い、学園を征服して温かい研究スペースを手に入れることにしたようです。

●温泉
 魔操術師がひそかに作り上げた、迷宮内の蒸気温泉。
 割と広めで、効能は色々。とにかく健康に効きます。

 それでは、皆様の探索、お待ちしております!
122




第1章 集団戦 『ひよこーん』

POW   :    ひよひよあたっく
【弾けたひよこーん】が命中した対象を燃やす。放たれた【不可視】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ひよー、ひよひよー!
【鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    ぱちぱちぽんぽん
【体内の熱】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ歓迎
葎(f01013)さんと一緒に

エレクトロレギオンでハムスターとチンチラ型の機会兵器を召喚してしかけマス
これは…まるで餌を食べてるような気持ち!
一体どんな味なのでしょう…
こっそり教えて欲しい気持ち

でも…ちょっとだけ可愛いと可哀想な気もしますネ…
葎さんはどう思いマ…
ふぁー!!遂に生の眼からビームです!
葎さん素敵です!(拍手/そして感動のあまり可哀想と言う考えは飛んで行った)
私も負けてられないデス
援護射撃、発射ー!

そう言えば前千切りパンでもこのようなのを見たコトがありますが…
やはり可愛いは正義…なのでしょうか…

偶に楽しくなってひよこーんの鳴きまねをしてみたり
ひよー!ひよひよー!な気持ち♪


硲・葎
リヴェちゃん(f00299)と。
何これめちゃくちゃ可愛い!!
でも油断しちゃだめだよね。
燃えるのは困るから、残像とカウンター、見切りで回避。ひよこーんには悪いけど、目潰しして動きを止めようか。
「ちょっと大人しくしてね!目からビームっ!!」
熱くて火傷も困るしね。近くにこられたら吹き飛ばして逃げよう。
スキを見て、UCを叩きこんでやる。だまし討ちも可能なら使おう。
衝撃波で弾き飛ばして、出来るだけリヴェちゃんのところに近づかないように。
「咲き誇れ!彼岸花!!弾けちゃえ!」
私もリヴェちゃんと鳴き声真似ちゃお!
ひよひよー!かわいい……!!



「何これめちゃくちゃ可愛い!!」
 リヴェンティア・モーヴェマーレ(血も骨も、灰すら残さず・f00299)と一緒にひよこーんと対面した硲・葎(流星の旋律・f01013)の第一声は、それであった。
 ……わかる。
 けれど、何かこう熱意というか、熱を感じる。ひしひしと。
 少し熱い、というか暑い……と2人が思っていると、ひよこーん達が攻撃性を露わにした。
「ひよー!!」
 フライパンから弾け、葎目がけ、アタックを仕掛けてくる!
 燃やされては大変。何とか見切って、ひよこ被害をやり過ごす葎。
 が、その時、一羽のひよこーんが葎にぶつかった。
「葎さん!」
「大丈夫だよ、リヴェちゃん!」
 別方向からの声が、リヴェンティアを呼ぶ。
 命中した、と思われた葎は、しかし残像に過ぎなかったのだ。
 ほっ、と胸をなでおろしたリヴェンティアは、ひよこーんに対抗するため、小型機械兵器を召喚。
 ハムスターとチンチラ型をしたそれらの一団が、ひよこーんとぶつかりあう。
 かじりつく機械兵器達。なんというか、戦闘風景というより、まるで餌を食べているような……そんな心持になってくる。
「一体どんな味なのでしょう……」
 出来ればこっそり教えて欲しい、とリヴェンティアは思った。
 その間も、リヴェンティア達の足元で繰り広げられる小動物ウォーズ。
 おでことおでこがぶつかって、ハムスターがぽこん、と消滅し、ひよこーんもこてん、と尻餅。
 可愛い。けれど、
「でも……ちょっとだけ可哀想な気もしますネ……葎さんはどう思いマ……」
 葎に意見を求めようと、リヴェンティアが振り返った先。
 かっ! 葎の双眸が凶器になった。
「悪いけど、ちょっと大人しくしてね! 目からビームっ!!」
「ひよっ!?」
 ビームという名の目潰しを受けたひよこーん達、あたふた。
「ふぁー!! 遂に生の眼からビームです! 葎さん素敵です!」
「いやあ、それほどでも!!」
 感激のあまり、リヴェンティアが、ぱちぱちと拍手。
 その興奮と感動により、ひよこーん可哀想という考えは迷宮の彼方へと飛び去った。もう見えない。
 ひよこーん達はというと。
 目がー目がー、と右往左往。うっかり、フライパンからずり落ちるものもいる。
 今なら……! 葎はここぞとばかり、迷宮の床を強く踏み込むと、
「咲き誇れ! 彼岸花!! 弾けちゃえ!」
 紅き刃を繰り出し、叩きつける。
 巻き起こる衝撃。その威力のすさまじさたるや、周囲の床や壁を砕き、天井さえも振動させるほど。
 そして、衝撃の余波は、リヴェンティアの方に向かおうとしていたひよこーんまでも届いた。フライパンごと舞い上げ、ひっくり返してしまう。
「これは私も負けてられないデス。援護射撃、発射ー!」
 テンションの高まりを、リヴェンティアは自らの攻撃に注いだ。ひよこーん達が、ぺちぺちと倒されていく。
 ……そう言えば。
「前、千切りパンでもこのようなものを見たコトがありますが……やはり可愛いは正義……なのでしょうか……」
 ハムスターとチンチラ、ひよこーん、そして目からビーム。
 戦場らしからぬ光景に、徐々に楽しくなってきたリヴェンティアの口から、思わず鳴き声がこぼれた。
「ひよー! ひよひよー!」
「ひよ? ひよーん!」
 本家も負けじと鳴き返して来たので、リヴェンティアもさらに、ひよひよ。
 鳴き声合戦が始まったのを見た葎も、加わらずにはいられない。
「私も混ぜてもらっちゃうよ! ひよひよー!」
「ひよひよ!」
 葎に応えるように、鳴き声を返してくるひよこーん。
 何を言っているかはわからないけれど、なんだか会話が成立している感じ。
 必死に何かを訴えるひよこーんの姿が、葎達の胸をうつ。
「かわいい……!!」
 心から溢れ出た感情が、葎の体を震わせる。
 そうしてしばし、鳴き真似大会が開催された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ゴアゴア・トゥエニワン
ゴアゴアァ《温泉と聞いて我輩参上である》

※ここから先は翻訳(《》内が音声翻訳)

ポップコーン…、いや、ひよこである?う~む、生き物なのか食べ物なのか判断が微妙である。
何であれ、我輩もこもことかモフモフとかには寛大なのである。頭領(ドン)であるからな。
おとなしく退くのであれば、手荒にはしないであr…。メッチャ香ばしい臭いであるな?

〈戦闘〉
退かねぇならしかたねぇである。被害は最小限に、ライオンで蹴散らしていくである。
吹っ飛ばした後にできたポップコーンは責任をもって我輩が食べるのである。
…倒したひよこ達に対する労いである。断じて食べるだけが目的ではないのである。あ、キャラメル味。

(アドリブ歓迎)



 新たに現れたもふもふの塊が、ひよこーん達の注意を引きつけた。
 塊の正体は、ケットシーのゴアゴア・トゥエニワン(元モフモフ団頭領-ドン・ゴアゴア・f13912)である。
「ゴアゴアァ」
 ゴアゴアが喋ると同時、翻訳装置『ゴアリンガル』から「《温泉と聞いて我輩参上である》」と音声がこぼれる。今日も装置は正常に作動している。
「ゴアゴア……ゴア? ゴ~ア、ゴアゴア《ポップコーン……いや、ひよこである? う~む、生き物なのか食べ物なのか判断が微妙である》」
 跳ねたり熱を放ったり。
 奔放に動き回るひよこーんを、凝視するゴアゴア。
「ゴア、ゴアゴア。ゴアゴアア。ゴア……ゴア?《何であれ、我輩もこもことかモフモフとかには寛大なのである。何せ頭領(ドン)であるからな。おとなしく退くのであれば、手荒にはしないであr……いや、メッチャ香ばしい臭いであるな?》」
 ゴアゴアが、嗅覚を働かせた。
 確かに迷宮内は、食欲をそそられる匂いで満たされている。
 すると、ゴアゴアの元にも、フライパンが迫って来た。ひよこーんご一行様だ。
「ひよーん!」
「ゴア。ゴアゴア《来るのであるな。退かねぇならしかたねぇである》」
 ゴアゴアが、動じる事はなかった。
 黄金のライオンを呼び出すと、その背に颯爽と……というか、ぽむん、と……飛び乗った。
「ひよーん」
 ちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
 暴れ回るライオンによって、次々蹴散らされるひよこーん。
 そして、倒したひよこーんの数だけ、ポップコーンが出来ていく。それを片っ端から食べていくゴアゴア。
「ゴア、ゴアゴアゴア。ゴアア……ゴア《これは責任であり、倒したひよこ達に対する労いである。断じて食べるだけが目的ではないのである……あ、キャラメル味》」
 美味。

成功 🔵​🔵​🔴​

ポク・ョゥョゥ
ひよこーん
おいしそーう

わーいっぱいいるー
ポクだよーあがめよー
いただきまーす

大きいお口で、弾けたひよこーんたんあーん…?
おぷるっ
あ、あちゅいおー。ぱ、ぱくーおいでー
ぽく燃えてると思うのー翼でぱたぱたしてくだしゃい〜
…はふー。熱かったよー
倒さないとだめなのかなー

ひよー?
鳴き声かわぃー
よーし、負けないぞー
気合い入れ直してー、バウンドボディで跳ねるはねーる
ぱちぱちぽんぽんされてもーぽくあたっくだー
熱くなったぽくの体当たりどーん
ついでにぱくもどーん
どうだーまいったかー

倒せた?倒せた?
じゃあ改めて〜いただきもぎゅー
ん〜いろんな味おいしー(味お任せ)
ごちそうさまでしたー

まだあったかぽくだよー
このまま次いこー



 そしてまたしても、ひよこーんにも負けないぽむんぽむんが現れた。
 ぽてぽて~っとやってきたポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)は、さっそく、ひよこーんに魅了されていた。
「わーいっぱいいるー。ポクだよーあがめよー」
「ひよーん」
 何処か親しみを覚えたのか、跳ねるひよこーん。
 ポク流挨拶もほどほどに、おもむろに一羽のひよこーんを抱き上げると、
「いただきまーす」
「ひよっ!?」
 あまりに自然な流れだったのでひよこーんも攻撃のタイミングを失っていた。
 そしてポクは、大きいお口で、弾けたひよこーんを、あーん、と……。
「おぷるっ」
 ぽーん。
 ポクの口からひよこーんが飛び出した。
 口が痛い。焼けるように、燃えるように。
「あ、あちゅいおー。ぱ、ぱくーおいでー」
 わたわた。ポクのピンチに、白竜が駆け付けて来た。
「ぽく燃えてると思うのー翼でぱたぱたしてくだしゃい~」
 トモダチのピンチは放っておけない。懸命に、翼をはためかせる白竜。
 お陰で、何とかひと段落。
「……はふー。熱かったよー」
「ひよー!」
 鳴き声に、振り返るポク。
 すると、食べられ未遂のひよこーんが、他の仲間と一緒に逆襲にやってきたではないか。
「よーし、負けないぞー」
 気合いを入れ直したポクは、跳ねる体で、ひよこーんにアタック。
 パクと一緒に、体当たり!
 2人の合体技が、見事、ひよこーん達を蹴散らした。
「どうだーまいったかー」
 ぺふん、と倒れるひよこーんを見て、ポクはえへん、と胸を張った。
 それから、しゃがんで、つんつん。
「倒せた? 倒せた? じゃあ改めて〜いただきもぎゅー」
 ぱくん。
 ポクのほっぺたが、ほんのり赤く染まった。
 不思議不思議、ひよこーんごとに味が違う。塩味、バターに、キャラメル味まで。
 パクと分け合いっこして、ぺろりとたいらげたポクは、満足げにお腹を撫でた。
「ごちそうさまでしたー。まだあったかぽくだよー。このまま次いこー」
 ポクは、ノリノリだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

綿津見神・禮
ひよこーんの【ひよー、ひよひよー!】、その【鳴き声】を聞き共感。
「なんですって…!?」
【動物と話す】でその内容を聞き取り仲間たちに伝えます。
「”目覚めた以上、戦うしかない、我らは相容れぬ、すべては定め。我らを喰らって、先へ進むが良い。”そう彼らは仰っています…。」

可愛くても美味しそうでもオブリビオン。
「そうです、すべては、すべては定め。」
ごめんなさい、いただきます。
みればこのひよこーん、菩薩のような慈悲深い顔をしておられます。

【波濤の幻想】で左手を水の龍に変じてがぶっと。
その欠片を右手で口に運び
「ああ、美味しい、美味しいです…。」
涙ながらに味わいます
「戦いとは、なんと無情なのでしょう...。」



 ひよこーん達が、鳴く。
 しかしその声は、これまでと少し違っていた。
「ひよー、ひよひよー!」
 鳴き声が、綿津見神・禮(黒鱗の人魚・f07619)のハートをつかんだ。心が共鳴するような感覚。
 何だか戦う力が湧いてくるのを感じた禮は、そのまま、ひよこーんの訴えに耳を傾けた。
「ひよひよ」
「ひよひよ……なんですって……!?」
 動物と話す技能で内容を聞き取った禮は、他の猟兵達を振り返ると、こう伝えた。
「”目覚めた以上、戦うしかない、我らは相容れぬ、すべては定め。我らを喰らって、先へ進むが良い。”そう彼らは仰っています……」
「ひよ」
 ひよこーんが声を上げた。肯定とも否定ともとれるシンプルな一鳴き。
 どんなに見た目が可愛いらしくても、美味しそうでも、ひよこーんの本質はオブリビオン。
 そして、禮達は猟兵。互いは共存できぬのだ……。
「そうです、すべては、すべては定め。見ればこのひよこーん、菩薩のような慈悲深い顔をしておられます」
 確かに禮にそう言われると、そう見えてくる気もする。……何を考えているかわからない、ともいえる。
 食べられる側がこのような顔をしているというのに、自分がためらうべきであろうか。いや、ない。
「ごめんなさい、いただきます」
 ご挨拶と共に、禮の左手が水の龍に変じた。海の恐怖を顕現したそれが、ひよこーんへと喰らいつく。
 そのもふもふの欠片を、右手で口に運び、味わう禮。
「ああ、美味しい、美味しいです……」
 あふれる涙。
「戦いとは、なんと無情なのでしょう……」
 運命には抗えぬ。同様に、ひよこーんにも抗えぬ。
 禮は、自分とひよこーんに与えられたはかなき定めと、美味しさを噛みしめた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーリ・アスタリスク
ぽっぷこーん・・?いや、ひよこーん?これ食べられるのか。食べられるならお土産に欲しいところだ。

範囲攻撃でコードを使用し
氷の嵐をだし
周囲の温度を下げて敵の動きを鈍くさせる
可能なら猟兵への被害が少ない範囲で

敵が攻撃した場合
見切りで避けるか
攻撃できなくなったひよこーんを盾にして
攻撃を緩和
カウンターでコードを使用する

ひよこーん食べられたら一口食べてみる。
可能なら羽毛の部分だけ取ってお土産にする



「ぽっぷこーん……? いや、ひよこーん?」
 フィーリ・アスタリスク(雪の月・f00557)は、ひよひよ、と鳴く不思議なオブリビオンを、じっ、と観察した。
 確かに、普通のひよことは違うようだ。離れていても、体温とは別種の熱が伝わって来るし、何より、
「これ食べられるのか」
 他の猟兵達が羽毛を口に運んでいたのを見て、フィーリは納得した。しかもどうやら、美味しいらしい。
 なら1つ……といわず、2つでも3つでも、お土産に欲しいところだ。
 そんな風に思いながら、フィーリは、魔力を行使する。
 相手の得手が熱なら、それを奪う。
 フィーリに導かれ、その手に宿る、氷のエレメント。ひよこーんの発する熱とぶつかり、煌めきを放つそれを、嵐に変える。
 迷宮内を吹き荒れた冷気が、くすんだ壁や床を、白く染め上げる。他の猟兵まで凍らせてしまわないよう、制御は完璧だ。
 果たして、フィーリの読みは的中した。
「ひよひよ……」
 ひよこーんが反撃してくる。だが、その動きは、鈍い。フィーリの氷嵐によって、ほとんどの熱を奪われたからだ。
 頼みの綱であるフライパンはというと、こちらも冷気に浸され、熱源としての役割を果たせなくなっている。
 それでも、何とか力を振り絞るようにして弾けるひよこーん。
 だが、フィーリはそれを見切っていく。弾けひよこーんをかわしながら、特に動きの鈍った個体を拾い上げた。
 新たに飛来するひよこーんを、ひよこーんで受け止めるフィーリ。ふかふかだ。盾にするにはちょうどいい。
 そして、反撃の氷嵐。範囲を絞ったそれが、ひよこーんを凍らせた。
 ぽてっ、と転がったひよこーんから、氷の欠片を丁寧に取り払う。羽毛を手にとり、一口、味見。
「美味しい……」
 ぽつり。つぶやいたフィーリは、調達したお土産をそっと隠した。

成功 🔵​🔵​🔴​

氷魚・晴天
 ひよこーん……ひよ、ひよこーん……。
 倒、せばいいの、かな?
 なんだろう、この、やりにくいなあ……もお

 ともかくやることはやってしまおう。
水滴を帯びた刀、滝晒しの【属性攻撃】で燐葉竜胆を発動。【早業】で先手を取って【二回攻撃】からの【傷口をえぐる】ように氷の刃を舞わせるよ。
 熱を奪うように、氷の刃は出来るだけ補充させながらフライパンを狙う。

 あ、あつっ。いや、冷え性っていうか火傷するよ普通にっ!
【火炎耐性】で耐えながら、【第六感】で熱波、体当たりを出来るだけかわして攻撃を続けるかな。

 そういえば、何か落とすんだっけ。羽毛部分か。
【盗み攻撃】も合わせて、拾っていこう。



 この状況に順応している猟兵達の中、氷魚・晴天(空の青き透・f12827)は、未だちょっと困惑していた。
 全ては、ひよこーんのつぶらな瞳の魔力である。
「ひよひよ」
「倒、せばいいの、かな? なんだろう、この、やりにくいなあ……もお」
 オブリビオンと頭ではわかっていても、この外見は、ずるい。
 そんな晴天の躊躇など構わず、ひよこーんは襲い来る。
「ひよーん!」
 一羽、また一羽と連鎖的に放熱し、晴天の肌を焼こうとしてくる。
「あ、あつっ。いや、冷え性っていうか、こんなの喰らったら誰だって火傷するよ普通にっ!」
 手や足をひらひらさせた晴天は、自らの火炎耐性に感謝した。
 熱に抗うように、愛刀・滝晒しを抜くと、その表面は水滴に満ちていた。
 晴天は早業により、次にひよこーん達が弾けるよりも先に、仕掛けた。
 刀を振るうと、滑り、散った水滴の全てが、変じた。氷刃の花びらへと。
 花びらは、熱された空気を瞬時に冷やすと、ひよこーん達に降り注ぐ。
「ひよーん!?」
 二度に渡る波状攻撃が、初撃で生じた傷口を、続けざまにえぐる。
 消費した氷刃を補充しつつ、敵の移動基地とも呼べるフライパンを狙う晴天。
 フライパンによる熱の供給が断たれれば、ひよこーんは危機に陥る。
 しかし、フライパンの重要性を一番理解しているのは、ひよこーん自身だ。死活問題だ。
「ひよーん!」
 力を発動させるひよこーん。だが、晴天は、第六感に身を任せた。
 攻撃から逃れつつ、返す刀、氷の刃でひよこーんの放つ熱波を押し返す。
「ひよっ!?」
 ひよこーんが、驚きの声とともに、自分の身を抱いた。
 いつの間にか、羽毛がごっそり奪われている。晴天が攻撃に紛れて、盗み取ったのだ。シーフの技は伊達ではない。
 ドロップ分の羽毛もこっそり隠し持つと、晴天のひよこーん退治は続いた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『魔操術師レニオール』

POW   :    コール・ザ・バウンデン・ソウル
【ダンジョンで息絶えた冒険者】の霊を召喚する。これは【噛みつき】や【羽交い絞め】で攻撃する能力を持つ。
SPD   :    アンロック・ザ・ダンジョン・モンスター
【開いた魔導書のページ】を向けた対象に、【ページから飛び出るモンスターの体の一部】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ブラッド・アンド・アシッド
戦闘用の、自身と同じ強さの【吸血コウモリ】と【強酸スライム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はロザリア・ムーンドロップです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 あれだけ迷宮内を満たしていた香ばしい匂いが、薄れていく。
 猟兵達の奮戦により、ひよこーんは駆逐され、温度もだいぶ落ち着いたように感じられる。
 無事、ひよこーん討伐を完了させた猟兵達……しかし、真なる脅威が、時を置かずして、そのヴェールを脱ぎ捨てた。
「ひよこーん……やっぱり失敗作だったわさ!」
 揺れるツインテール。
 書物を手に現れた少女は……魔操術師その人である。
「ちょっと面倒くさいけど、私が直接手を下さなきゃダメみたいだわさ!」
 手の隠れた長い袖が、華麗な動きで振るわれる。みるみるうちに、魔力が収束していく。闇に属する力だ。
「ふふふ、私の下僕は、ひよこだけじゃないだわさ! お前達を倒して体をあっためるだわさ!」
 魔操術師の、術が、来る!
ポク・ョゥョゥ
ひよこーん美味しかったー
喉が渇いたのー

女の子だー
ぽくはぱんだなのだわー
あがめよだわさー

ほへーおばけがきたーよー…?!
噛み付かれたよーでもどろーんとなって逃げるのー
羽交い締めされたよーでもでろーんとなって以下略ー
ぽくはねーぱんだだよー
ちょっとゆるいだけなのー

なんの本読んでるのー?
ひよこーんのレシピ教えてくらしゃーい
おぷるっ
痛いおー何か飛び出してきてぶつかったよー

コウモリたんとスライムたんだー
黒くってーゆるくってー何だか親近感ー
ぽくのふえ吹いてみよーぷっぷこぺーぺこー
獣じゃないと一緒に遊んでくれないかなー
駄目だったらぱくがお相手だー
その隙に〜女の子にじゃんぴーんぐぽくきーっく
どうだーまいったかー



「わー女の子だー。ぽくはぱんだなのだわー。あがめよだわさー」
 ポク・ョゥョゥは、魔操術師とご対面した。
 ポク的には、ひよこーん大行進の人だ。
「ねーねーなんの本読んでるのー? ひよこーんのレシピ教えてくらしゃーい」
 緊張感ゼロ風のポクに、術師、困惑。
 魔導書を後ろ手に隠すようにすると、
「な、馴れ馴れしいパンダだわさ!」
「おぷるっ」
 コウモリとスライムの群れが、ポクにぶつけられた。術師が呼び出したのだ。
「痛いおー」
「遊びに来たつもりだわ? 命知らずもいいとこだわさ」
 術師の威圧もどこ吹く風。
 黒いコウモリと、ゆるい(?)スライム。自分との共通点を見つけ、ポクのハートに親近感。
「ぽくのふえ吹いてみよー」
 ぷっぷこぺーぺこー♪
 迷宮に響く楽し気なリズムに、コウモリ&スライムが反応した。
 ……が、術師に睨まれると、本分を思い出したように、ポクに飛びかかった。
 吸血と強酸。ダブルの危機を阻んだのは、竜だ。
 白竜のパクが、尻尾で下僕たちを薙ぎ払ったのを見て、あっけにとられる術師。
「竜を従えているとは……侮れぬだわさ!」
「じゃんぴーんぐぽくきーっく!」
「!?!?」
 隙あり。ポクが、術師を吹き飛ばす。
「えへん。どうだーまいったかー」
「ゆるパンダと油断した……ここからは、本気だわさ!」
 ツインテールを翻して着地した術師は、虚空に魔法陣を描く。
「ほへーおばけがきたーよー……?!」
 現れたのは、剣を持った冒険者。だがその体は、足に向かうにしたがって希薄化し、つま先は消えている。冒険者の霊体だ。
 それは、滑るようにポクの背後に回り込むと、羽交い絞めにしてしまう。
 けれどポクは、液状に変化したかと思うと、ぬるりと抜け出したのである。
「な、何ものだわさ!」
「ぽくはねーぱんだだよー」
 ちょっと人よりゆるいだけ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゴアゴア・トゥエニワン
ゴアン…ゴアゴア⦅むう…我輩、女と子供に手を出す気にはならんである…⦆

という訳で説得をば。

まあ落ち着くである、寒いのは分かったであるがもうちょい手段と手順を…む、何故こちらをじっと見る……毛皮が暖かそう?欲しい?

あ、これ我輩が一番狙われる奴であるな理解。

⦅戦闘⦆
ジェットパックで空中に逃げつつ戦うである。全身毛刈りはマジ勘弁‼︎
召喚された敵はガンブレードで倒しまくるである。
いくら我輩の毛並みが魅力的でも悪質なモフラー(モフ好き)は許容範囲外である‼︎
だー‼︎邪魔くせえであるなガトリングモード‼︎

おイタが過ぎる子供は取り敢えず拳骨である‼︎

※アドリブ歓迎
【空中戦、スナイパー、クイックドロウ、誘惑】


向坂・要
ひよひよもふもふしたのが溢れたって聞いてきてみりゃぁ…
(ひよこっぽい、ってのはあってるかもしれませんがね。なんで怒られそうなことをこっそり思いつつ)
お前さん、寒いのが苦手なんですかぃ?

だったらあっためてやりましょうかぃ?

小太刀から蛇腹剣へと自在に姿を変えるLückeと炎(ケン)や風(フェオ)の武器に宿したルーンによる【属性攻撃】や【見切り】【第六感】などを用いてコウモリなどの相手をしつつ

ずらした眼帯の下。
黄水晶色の視線の先で、炎が生み出され
時に分裂し
時に集まり
手足の様に視線により自在に操る炎

少しはあったかくなりやしたでしょ?
とどこかからかう様に楽しげに



「ゴアン……ゴアゴア……⦅むう……我輩、女と子供に手を出す気にはならんである……⦆」
 オブリビオンを外見で区別しても仕方無いと、ゴアゴア・トゥエニワンも承知している。
 だが、筋を通すのがゴアゴアの生きざまだ。
「ゴアゴア、ゴアア……⦅まあ落ち着くである、寒いのは分かったであるがもうちょい手段と手順を……⦆」
 とりあえず相手をなだめようと声を発したゴアゴアを、術師が凝視した。
「毛皮……」
「ゴ、ゴアゴア⦅む、何故こちらをじっと見る⦆」
 術師の手指が、わきわきと動いている。むしろ蠢いている。
「暖かそうな毛皮があるだわさ。いい防寒具になりそうなのだわさ……!」
「ゴ、ゴアア⦅え、いやちょっと⦆」
 じり。
 あとずさり。
 じり。
 あとずさり。
「そいつを捕まえてしまうだわさー!」
 召喚された冒険者の霊達が、ゴアゴアに襲い掛かった。
「ゴアアアア!!⦅全身毛刈りはマジ勘弁!!⦆」
 まさか、自慢のツヤサラフサフサモフッモフの毛皮が仇となるとは!
「ひよひよもふもふしたのが溢れたって聞いてきてみりゃぁ……」
 向坂・要(黄昏刻・f08973)は、ジェットパックで逃れるゴアゴアに下僕をけしかける術師の姿に、肩をすくめた。
「えーい、大人しく私の毛皮になるだわさ!」
「……追いかけっこですかぃ?」
 『ひよこ』っぽい、ってのはあってるかもしれませんがね。
 術師に面と向かって言えば怒られそうなことを、要は心の奥に収めた。
 迫りくる冒険者達を、ガンブレードで撃ち、斬りながら、ゴアゴアは吠える。
「ゴアゴアアアア!!⦅いくら我輩の毛並みが魅力的でも悪質なモフラーは許容範囲外である!!⦆」
「私はモフモフ好きじゃなく、ただの冷え性だわさ!」
 そもそもオブリビオンが冷え性になるのか?
 ともあれ、これは助太刀しなければ。要は、小太刀『Lücke』を抜いた。
「お前さん、寒いのが苦手なんですかぃ? だったらあっためてやりましょうかぃ?」
 挑発めいた言葉を投げる要の得物を、術師は一笑した。
「それでどう私をあっためるつもりだわさ?」
 新たに呼ばれたコウモリとスライムの群れが、要に差し向けられる。
「近寄れなければそんな短刀、恐ろしくもなんともないだわさ!」
「そいつはどうでしょうねぇ?」
 要の口の端が持ち上がる。
 『Lücke』が伸びた。蛇腹剣へと姿を変えると、敵陣に飛びこんだ。
 炎がスライムを焼いたかと思えば、風がコウモリを壁や天井に叩きつける。
 武器に宿るルーンの力だ。エレメントの扱いは、要の得意とするところ。
「ゴゴゴゴアゴア!!⦅邪魔くせえであるなガトリングモード!!⦆」
 こちらも執拗な追撃。
 堪忍袋の緒が切れたゴアゴアは、ガンブレードの銃身に備わった鍵盤を奏でた。
 モードチェンジ、弾雨が敵を薙ぎ払う。
 要も、自分の相手に応戦する。
 目の届く場所ならば、牙を見切り。死角からの強酸は、第六感が教えてくれる。
 下僕を蹴散らした要が、右の眼帯をずらした。黄水晶色の瞳がのぞく。
「!?」
 視線の先、術師に向け生み出された炎は、時に分裂し、時に集まり。
 要の視線に導かれ、術師を翻弄していく。
「どうです? 少しはあったかくなりやしたでしょ?」
「ぐぬぬぬ……!」
 どこか楽し気な要のからかいに、歯を食いしばる術師。
 そこに、こちらも敵を突破したゴアゴアが迫る!
「ゴアゴアゴアン!!⦅おイタが過ぎる子供は取り敢えず拳骨である!!⦆」
 一発!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

初めまして、お嬢さん。研究熱心なのはいい事なんだけど、その内容が物騒過ぎるねえ。止めさせて貰うよ。

【忍び足】と【目立たない】で霊とモンスターの攻撃範囲から逃れつつ、【ダッシュ】と【残像】で敵に接近。コウモリとスライムの召喚で無防備になっている所を狙って【先制攻撃】【二回攻撃】で竜牙を使用。敵は召喚する攻撃ばかりだから、敵自身を直接狙って攻撃を潰すよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

暖かい所で研究したいのは分からないでもないですが、他人に害を及ぼすのはダメです!!危ない研究が完成する前に止めなきゃですね。

トリニティエンハンスで防御力を強化して、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】で仲間を庇いながら、【属性攻撃】【二回攻撃】で飛んでくる召喚物を斬り捨てていきます。遠距離攻撃が必要なら【衝撃波】を使います。【毒耐性】【呪詛耐性】が敵の攻撃に有効なら使用しますね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

まあ、研究熱心なのはいいことですが、他人に迷惑を掛けるのは頂けませんね。好奇心、猫を殺す、という言葉を知っていますか?

僕は遠距離援護を担当。響母さんが敵本体を狙うので、敵が飛ばしてくる召喚物への対処をやりましょう。【高速詠唱】【全力魔法】で氷晶の矢を【二回攻撃】【範囲攻撃】で召喚物の相殺及び撃ち落しに専念しましょう。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】も乗せましょうか。



「初めまして、お嬢さん。研究熱心なのはいい事なんだけど、その内容が物騒過ぎるねえ。止めさせて貰うよ」
 不意に聞こえた真宮・響(赫灼の炎・f00434)の声に、術師が振り返る。
 術師を囲むように布陣したのは、【真宮家】の3人だ。
「研究熱心なのはいいことですが、他人に迷惑を掛けるのは頂けませんね。好奇心、猫を殺す、という言葉を知っていますか?」
「暖かい所で研究したい気持ちは分からないでもないですが、他人に害を及ぼすのはダメです!!」
 神城・瞬(清光の月・f06558)に続いて、真宮・奏(絢爛の星・f03210)が口を開いた。
 万が一にも、危ない研究が完成してしまう前に、止めなければ。召喚術を発動させ始めた敵に対し、奏は元素の力を行使した。
 炎、風、水……奏の胸元で円環を描く三元素を組み合わせ、魔法の鎧を編み上げた。
「そんな術が……!」
 術師が感心する。確かに奏の術を応用すれば、温かな衣服も作れるだろう。
 2人に頷きを送り、響は床を蹴った。
「私を倒せると思ってるとは、片腹痛いだわさ!」
 術師の足元に、魔法陣が描かれたかと思うと、コウモリとスライムが湧いて出た。
 だが、召喚直後、分散していないタイミングを、瞬は狙った。
 高速で、詠唱を完了。魔力を惜しみなく注いだ全力の氷晶の矢を、即時射出した。
 空中で、コウモリと翔ける矢が。
 床では、スライムと地を走る矢が。
 一本一体。討ち漏らしのないよう、確実に貫通、あるいは氷結させていく。
 すると、スライムが強酸を噴き出してくる。
 すかさず、飛び出したのは、奏だ。オーラをまとったエレメンタル・シールドをかざし、防御する。
 攻撃の手が止んだかと一息つく間もなく、今度はコウモリたちが殺到した。
 容赦なく牙を剥くが、奏は愛用のブレイズセイバーで受け止める。そのまま払いのけると、瞬の方へと弾き飛ばした。
 そこに降り注ぐ氷の矢が、とどめとなる。奏のパスを、瞬がうまく受けた形だ。
 そして奏も炎の力を解き放つと、コウモリを焼き尽くした。マジックナイトの本領発揮だ。
 流れるような連携を見せる瞬達。家族の絆に、実戦で培われた経験が加われば、百人力だ。
「第二波が来ますか」
 瞬が、眉をひそめた。
 撃破され消滅していく一団の背後から、新たな敵群が迫りくる。
 今度は、冒険者の霊だ。
 乱戦状態の中、隠密行動に徹する響。その意識は、術師だけに向いている。
 だが、それを捉える敵がいた。
 背後から響を狙う、冒険者の剣。
「数がいれば、1体くらいは勘のいい奴がいるもんだ」
 響は、察知した殺気を、しかしそのまま放置する。振り返りもしない。
 敵の剣が響を傷つける直前……霊体が吹き飛ばされた。
 奏の衝撃波だ。母の道を妨げさせはしない。
 先ほどの魔物と違い、冒険者は鎧や武器で武装している。その分、攻防共に向上していると見ていいだろう。
 が、瞬とて備えはある。連続発動により、間髪入れず氷の矢を叩き込む。
 しかも今度は、対鎧用の貫通力を高めた矢だ。
 あえなく討ち取られる冒険者たち。しかも、しのいだ敵も、無事で済んだわけではなかった。
 矢に秘められた麻痺の力が、霊体からさえも自由を奪い、その場に硬直させたのだ。
 相次ぐ召喚術の行使。そして、呼び出した戦力を奏や瞬に割り振っているため、術師自身はほぼ丸裸の状態だ。
 そんな無防備になっている所を、響が見逃すはずもなく。
「!」
 気づいた術師もとっさに魔導書を開くが、遅い。いや、響の方が早い、と言うべきか。
 相手の準備を上書きする勢いで仕掛けると、ブレイズソードを繰り出した。響の闘志を受けたその刃は、赤熱化している。
 その剣筋は、竜が噛みつくが如く、相手を切り裂いた。
 とはいえさすがはオブリビオン、寸前でかわされ、手応えが浅い。
 しかし、竜は二度咆哮する。
 響のもう一方の手に握られたブレイズランスが、突き出される。
 再度の響の竜牙が、術師を今度こそ食いちぎった。
 そして、奏は見た。自分の炎が、虚空を薙いだのを。
 執拗に自分や瞬を襲っていた敵が、消えていくのだ。
「やりましたね!」
 歓喜の声を上げた奏は、振り返った瞬の顔が思いのほか近くにあった事に気づき、少々赤面した。
 娘の反応を見て肩をすくめた響だったが、
「少しは温まったろう?」
「ぬくいのと熱いのは別ものだわさ!」
 ランスを構え直す響に、術師は怒りで応じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

綿津見神・禮
ひよこーんが失敗作ですって…!?
「ひよー、ひよひよ(お前のようなものに目覚めさせられるだなんて)」
「…ひよひよ(ひよこーんがかわいそうですね)」
ひよ語(?)で挑発してみます

みたところ敵は術師です。果たして近接戦闘の備えはあるでしょうか?

攻撃を【空中戦】で空を泳ぎ【残像】で回避、星の指揮刀を抜いて【属性攻撃】で水属性の刃を飛ばし牽制しながら近づきブラッド・アンド・アシッドを誘発
【無声劇】で吸血コウモリ等を消失させ、一気に肉薄します。
肉薄したら【フェイント】で隙を作り、
【鎧無視攻撃】、【串刺し】でその魔導書の破壊を狙います。


…というか仮にも魔術師なら火の魔法とか使えないんですか?



 あの、ひよこーんが失敗作。
 術師の言葉は、綿津見神・禮に怒りの感情をもたらした。
 ヒレ耳も、凛々しく立っている。
「ひよー、ひよひよ(お前のようなものに目覚めさせられるだなんて)」
 禮は、ふよふよと術師に近寄ると、
「……ひよひよ(ひよこーんがかわいそうですね)」
「何を言ってるだわさ?」
 禮のひよ語(たぶん独学)挑発に、術師は首を傾げた。
「ひよこーんの言葉も気持ちも理解できないお前に、ぬくぬくを欲する権利はありません」
「ぐぬぬ……」
 禮にしかりつけられた術師は、魔導書を開いた。
 そのページには、巨大な牛頭の魔人が描かれている。
 何事か詠唱すると、太い腕が実体化、禮を握りつぶそうと迫った。
 虚空を泳ぎ、逃れる禮。しかし腕がその体をとらえた。
「いい気味だわさ!」
 しかし、禮の手が、星の指揮刀に触れた。
 瞬間、水属性の刃が発動し、巨腕を切り裂く。
 自由を取り戻した禮は、そのまま術師へと接近する。
 魔人の腕では足りぬと思ったか、術師はコウモリとスライムを増援として呼び出す。
 しかし、それは禮の思うつぼ。
『Aaa―――』
 耳鳴りに近い高音域の歌声が、下僕達を消滅させた。ユーベルコードそのものを相殺したのだ。
 完全に想定外。しばし、攻撃の術を失った術師は、禮の接近を許してしまう。
 とっさに両腕で己の身を庇う。
 が、鎧の守りすら無視する刺突が、串刺しにしたのは……魔導書だった。
「なっ……私のバイブルが!」
「……仮にも魔術師なら、自力で火の魔法とか使えないんですか?」
 禮は、素朴な疑問を口にした。
 術師は、目を逸らした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ歓迎
葎(f01013)さんと一緒に行動

そうでスね…ザイアクカンでス…
ひよこーん…ひよひよ…楽しかった…(葎さんの言葉にこくこく頷きながら

ボスのお姉さん、なんてことを!
ひよこーんは失敗作なんかじゃないですよ!あの可愛さは寧ろ大成功だったのでは?と思う私デす!
思わず倒すのを躊躇ってしまう程に!

目には目を…コウモリとスライムにはハムスターとチンチラを!
(UC発動
ゆけー!ひびちゃんとあいちゃん!出番ですヨ!
[ハッキング]や[情報収集]等を駆使して弱点を探りつつ攻撃でス
弱点が解れば葎さんにも教えて二人で一緒にドーン!な気持ち♪

オ シ オ キ 完 了 ですっ★(格ゲーの勝利時のようにポーズを決める


硲・葎
リヴェちゃん(f00299)と。
こっちはかわいいひよこーん倒して罪悪感なんだけどなあ。君が操ってたの?悪いことした子にはおしおきだからね!
忍び足、見切り、残像を使って近づいて、背中をまず鎧無視攻撃と騙し討ちを使い、彼岸花ノ葬で一撃。
格物致知を使って目潰しを使っていくよ。
リヴェちゃんに弱点教えて貰ったら、第六感で息合わせて!そこを潰す!
「喰らえ!目からビーム!」
相手が怯んだら血華磔刑を使って吹き飛ばしと衝撃波。
「咲き誇れ!彼岸花!!」
あんなに可愛すぎる子達に失敗作なんて私が許さないんだから!
「お仕置きついでに腕、1本もらっとくね」にこっと笑ってリヴェちゃんとハイタッチ!



「私の邪魔をしてくれて……ホント厄介な奴等だわさ!」
「そんなこと言うけど、こっちはかわいいひよこーん倒して罪悪感なんだけどなあ」
 怒りをぶちまける術師に、不満げな表情を向ける硲・葎。
「そうでスね……ザイアクカンでス……」
 こくこく頷きながら、リヴェンティア・モーヴェマーレが、少し暗めのトーンで応えた。
「ひよこーん……ひよひよ……楽しかった……」
 リヴェンティアの脳裏、蘇る光景は、ひよこーんと一緒に鳴き声合戦を繰り広げた記憶。
 しかしその時間は、もう戻らない。
「お姉さん、ひよこーんは失敗作なんかじゃないですよ! あの可愛さは寧ろ大成功だったのでは? と思う私デす!」
 そう、思わず倒すのを躊躇ってしまう程に!
 力説のリヴェンティアに、術師も、うう、とたじろぐ。
「あのひよこーん達、君が操ってたんだよね?」
「だったらなんだわさ? アレは私の下僕、使い捨ての道具だわさ!」
「そうなんだ……じゃあ、悪いことした子にはおしおきしないとね!」
 葎が、術師に突撃する。
 魔導書から飛び出してきたモンスターの腕も、その体を捕まえることはできなかった。回避技能をフルに発揮した葎相手では。
「まずは、その本を奪わせてもらうから!」
 葎の宣言に、術師は反射的に、ボロボロになった魔導書を抱きかかえた。
 が、それは葎の誘導だ。
「ホントはこっち!」
 床を鳴らして回り込むと、術師の背中を取った。
 術師の動揺に乗じて、葎は、彼岸花ノ葬の串刺しを浴びせた。重い一撃である事を除けばごくシンプルな刺突ではあるが、それゆえに攻撃力は高い。
「騙し討ちとは……卑怯だわさ!」
 よろめき、葎から離れた術師が、非難の声と共に、下僕たちを増員した。
「またそうやって動物を操って、利用するんだね……」
 葎が、術師を睨む。
 だが、目には目を。コウモリとスライムには、ハムスターとチンチラを!
「ゆけー! ひびちゃんとあいちゃん! 出番ですヨ!」
 呼ばれて飛び出た響と藍。
 小動物とあなどるなかれ、それぞれがリヴェンティアと同等の実力を持つ猛者達だ!
「そっちだって下僕を使ってるだわさ!」
「ひびちゃんとあいちゃんは、下僕なんかじゃないでス!」
 強い語気で、反論するリヴェンティア。
 ハム達が術師を苦戦させる間にも、リヴェンティアは、技能を駆使して敵の弱点を、探っていた。
「わかりました……葎ちゃん、このお姉さんの弱点は……そこですヨ!」
 リヴェンティアが確信をもって指し示したのは……術師のツインテールだった。
「わかったよリヴェちゃん! 喰らえ! 目からビーム!」
「うわ、まぶしっ!?」
 術師の目がくらんだところを、2人は息を合わせて、必殺の一撃を繰り出す。
「あんなに可愛すぎる子達を失敗作呼ばわりなんて、私が許さないんだから!」
「私もでス!」
 葎、二度目の血華磔刑! より強い衝撃を加えた一撃が、左のツインテールを。
 そして、ハムスター&チンチラのアタック! リヴェンティアの怒りを乗せた突撃が、右のツインテールを。
 同時に弱点を突かれた術師は、
「きゃああああ!!!」
 悲鳴と共に、吹き飛ばされた。
「オ シ オ キ 完 了 ですっ★」
 びしっ、とリヴェンティアが、勝利ポーズを決めた。
 さながら、格闘ゲームの決着シーンのように。
「ゆ、許さんわさ……あ、でも、肉体を失えば冷え性から解放されるだわさ……!?」
 猟兵への怒りと恨みと、そしてほんの少しのポジティブを遺して。
 術師の体は、虚空へと消え去ったのだった。
 直後。
 からん、と、金属音が響いた。
 リヴェンティアが拾い上げたのは、一本の鍵。
「これはもしかして……」
「隠し温泉の鍵?」
 顔を見合わせる2人。
 そして、にこっと笑った葎は、リヴェンティアとハイタッチを交わしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『アルダワ式・魔法蒸気温泉』

POW   :    熱い湯やサウナに長く漬かり疲労回復

SPD   :    たっぷりの泡で全身を洗ってピッカピカ

WIZ   :    魔力も込めたミストで身体の芯から疲れを追い出そう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 遂に猟兵達はたどりついた。
 術師の遺した鍵が導いた先……湯気の世界に。
 蒸気を利用した温泉だ。冷え性の術師にとっては、正に楽園だったであろう。
 一から術師が作り上げたのか、元々あったあれこれを、たまたま上手く温泉に仕立てられたのかは、定かではない。
 まあ、その辺の事情はさておいて。
 猟兵達は、その温もりを堪能させていただくことにした。せっかくなので。
ポク・ョゥョゥ
うわーぃ温泉だー
はいろー。ぱくも入るー?

およーふくぬいでー
準備体操するのー
いっちにーしゃんしー
あー。先に体洗わないとー

あわあわー。ぽくね、泡好きー
いっぱい泡立てちゃえー泡ぱんだだよーあがめよー
ぱく、洗ってあげるよーぽくがスポンジだー
ぱくのお背中滑ったりしてーおもしろーい
最後はお湯かけて二人でぷるぷるー
綺麗になったねーぴかぴかやったー

温泉入るよーそーっとねー
あったかーいきもちー
元からゆるいけどーもっとゆるゆるぱんだになりそー
ぱくも気持ちいいー?よかったのー
後でサウナも行こうねー
蒸気でほかほかになったらふっくら黒おまんじゅうになりそー
でもぱんだだよー

お風呂上がりはフルーツ牛乳がいいなー


ゴアゴア・トゥエニワン
ゴァァ…⦅ひっでぇ目にあったのである……というか、温泉あるなら熱源はあったはずなんだから、それ利用すれば寒くなかったのではなかろうかである…⦆

なにはともあれ風呂である。
戦闘で汚れた体をアワアワのモコモコにして徹底的に洗うのである。
毛並みの管理は怠らないのである。

毛艶とかに効きそうな効能の湯はあるのであろうか?
ないなら適当な湯にでも浸かるが……
…待て、ここの湯は動物の入浴は可なのであろうか…我輩全身フッサフサなのであるが…
ムリなら…桶に温泉入れてでも使ってるである。我輩は妥協も出来る毛玉であるからな。

(アドリブ、絡み等歓迎)



 術師との戦いを終え、開錠された温泉。
 そこを訪れたゴアゴア・トゥエニワンは、お疲れモードであった。
「ゴァァ……⦅ひっでぇ目にあったのである……⦆」
 追いかけっこは当分、ゴメンだ。
 というか、温泉があるなら当然熱源はあったはず。それを利用すれば、寒くなかったのではなかろうか?
 ……まあ、なにはともあれ、お風呂タイム。
 すると、とてとてとやってきたポク・ョゥョゥも、湯気立ち昇る温泉を前に、はしゃいでいる。
「うわーぃ温泉だー。ぱくも入るー?」
 嬉しそうに首を振るまっしろドラゴン。ここまで活躍してくれたから、元気回復。
 まずは服を脱ぐところから。そして、準備体操。
「……ゴア?⦅……準備体操?⦆」
「いっちにーしゃんしー、ほら、ぱくもー。……あー。先に体洗わないとー」
 ひとしきり準備を終えて。
 洗い場にとてとて移動したポクとパクは、さっそく泡まみれになった。
「わーい泡ぱんだだよーあがめよー」
 すっかりご機嫌。
「ぱく、洗ってあげるよーぽくがスポンジだー」
 ごしごし。そして時には、するーん、とパクの背中を滑ったり。
 楽し気であるな……と眺めるゴアゴアも、ここまでの戦闘のなんやかんやで汚れた体を、綺麗にしている。
 もふもふの体をアワアワのモコモコにして、徹底的に洗う。毛並みの管理は怠らないゴアゴアである。
 すると、なんだか優しいタッチのスポンジが来た。ポクだ。
「毛玉さんも洗ってあげるねーあわあわー」
「ゴアア⦅ありがたいのである⦆」
 ひとしきり洗いっこしたら、ざばーんと泡をお湯で流す。
 ポクとパク、そろって体をぷるぷる。ゴアゴアもぷるぷる。
「わーい温泉入るよー」
「ゴアア?⦅さて、毛艶とかに効きそうな効能の湯はあるのであろうか?⦆」
 きょろきょろと辺りを見回したゴアゴアの目に、『つっやつやだわさ』と書かれたプレートが飛び込んできた。
 流石に、こんな場所に罠は仕掛けまい。
 どれ、一つ浸かってみるとするのである……と、そこまで来て、ゴアゴアはぴたりと動きを止めた。
「……ゴアァ……⦅……待て、ここの湯は動物の入浴は可なのであろうか……よく考えたら我輩、全身フッサフサなのであるが……⦆」
「だいじょうぶだよー一緒にはいろー」
 迷っていたゴアゴアだったが、ポクに促され、湯に体を沈めた。
「ゴァァァ~……」
 ゴアゴアから、ものすごくリラックスした声がもれた。
「きもちよさそー。じゃあー今度はぽくたちの番だー」
 ポクとパクも、温泉に入る。足の先から、そーっと。
 ゆっくりゆっくり、やがて全身が浸かったら、ほわー、と一息。
「あったかーいきもちー」
 元からゆるめの顔だけど、ますますゆるゆるぱんだになっている。しかもつやつや。
「ぱくも気持ちいいー? よかったのー」
 温泉を堪能した後は、サウナにも行きたいポクである。
 けれど、蒸気でほかほかになったら、ふっくら黒おまんじゅうみたいになっちゃうかも? でもぱんだだよー。
「お風呂あがったらーフルーツ牛乳のみたいなー」
「ゴァァ?⦅フルーツ牛乳? 温泉とは色々な楽しみがあるものであるな⦆」
「そーなのーたのしーがいっぱいだよー」
 楽し気に万歳するポクの笑顔を見て、ゴアゴアは、良い感じに疲れが抜けたのを感じたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真宮・響
【真宮家】で参加。

レオニールのお嬢さんが作った蒸気温泉ねえ・・・これだけの設備あれば充分に暖まったろうになぜ地上侵攻なんか考えたんだろうね。

ツッコミたい所は多々あれど、奏と一緒に温泉楽しもうか。奏の話だと泡も気持ちいいらしいので、これで身体を綺麗にしようか。この歳になっても女は身だしなみを綺麗にしたいからね。折角の機会、親子水いらずの時間を過ごすよ。


真宮・奏
【真宮家】で参加。

これだけ立派な蒸気温泉の設備を作れる技術があるなら、自分の設備に暖房を作ることぐらい、簡単だったはずですが・・・まあ、折角の温泉です。楽しみましょう。

響母さんを泡の部屋に引っ張って行って、2人で綺麗になります!!戦に身を置く身なれど、綺麗にして置きたいですしね!!響母さんとゆっくりお湯につかれば、きっと疲れもどこかに吹き飛ぶに違いないです。こういう時間こそ、大事にしたいですね。


神城・瞬
【真宮家】で参加。

これだけの温泉をつくる技術がありながら、研究室を温める設備を作る技術はなかった、という事ですかね。高度な召喚術を操る才を持った彼女も完璧ではなかったようで。

氷の精霊術を操る僕に取って、熱い湯は物理的に無理なので、ミストを利用しましょうか。敵の召喚術に対抗するのに随分全力で術を行使したのでこういうミストは本当に有難いです。存分に疲れを癒しましょう。



 【真宮家】の面々も、温泉を訪れる。戦いの疲れを癒すために。
「レオニールのお嬢さんが作った蒸気温泉ねえ……って、これはなかなかじゃないか」
 真宮・響は、施設を見渡しながら、感心の声をもらした。
「これだけの設備があれば充分に暖まったろうに、なぜ地上侵攻なんか考えたんだろうね」
 温泉、というかスパ、のような趣さえある。
「確かに、ここまで技術があるなら、自分の設備に暖房を作ることぐらい、簡単だったはずですが……」
 首を傾げる真宮・奏。術師がぬくぬくにかける情熱は、留まるところを知らなかった、とそういう事なのだろうか?
 奏のツッコミ……もとい疑問に、神城・瞬は私見を口にした。
「あるいは、これだけの温泉を用意する技術がありながら、研究室を温める設備を作る技術はなかった、という事ですかね」
 高度な召喚術を操る才を持った術師も、完璧ではなかったと考えるべきだろうか。
「まあ、折角来られた温泉です。楽しみましょう」
 気を取り直した奏は、響の手を取り、引っ張って行く。お目当ては、泡の部屋だ。
「戦に身を置く身なれど、綺麗にして置きたいですしね!!」
「確かに、ツッコミたい所は多々あるけど……せっかく戦いも終えた事だし。一緒に温泉、楽しもうか」
「はい!」
 仲良く連れだって、目的の部屋へと向かう響と奏母娘。
「では僕は、あちらで楽しませてもらう事にしましょうか」
 瞬が足を向けたのは、ミスト施設。
 瞬にとって、熱い湯は難しいところがある。氷の精霊術を操る、という事情があるからだ。氷の精霊に嫌われては困るし。
「それでは、お2人とも、また後で」
「はい! ゆっくり楽しんできてくださいね!」
「瞬、アンタもゆっくりしておいで」
 泡の湯に向かう2人を見送り、瞬はミストの部屋へ。
 後で感想を聞かせてもらう事にしましょう、と心に決め、瞬はミストを浴びる。
 魔力が含まれたというそれが、瞬の疲労はもちろん、消耗した魔力を癒し、回復してくれる。
 変わった口調、愛らしい容姿、冷え性、どこか子どもっぽい性格……脅威、というにはどこか憎めない部分もあった術師であるが、
「あれだけ連続で召喚術を繰り出せるのは、さすが、オブリビオン、ですね」
 それに対抗するために、瞬も、ずいぶん全力を振り絞った。
 術を行使した分、こういったミストは、何ともありがたい。ご褒美と呼ぶにふさわしい恩恵である。
 その頃、泡に包まれ、体を綺麗にする響と奏。
 ふわふわ、かつ、きめ細やかな泡が、汚れや疲れを取り去ってくれる。
「この歳になっても女は身だしなみを綺麗にしたいからね」
 呟く響の体へと、奏は羨望の眼差しを送った。
 娘の奏の目から見ても、響は若々しい。何より、スタイルの良さは羨ましくもある。
 それから2人は、普通の湯に場所を移した。ゆっくりとお湯に体を浸す。
 2人そろって、目が細くなる。もはや線のよう。
 全身から疲れがすうっと抜けていく……というか、吹き飛ばされるようだ。
 奏達は、日々、さまざまな場所で戦いに明け暮れる猟兵。
 このようにゆっくりとした日常の時間の貴重さは、よくわかっている。大事にしたいと、奏は思うのだ。
 そして響もまた、親子水いらずの時間を過ごす。
 オブリビオンの事などは、今だけ頭の外に追いやって。たわいもない会話に花を咲かせる。
「おや」
 身を清め、同じように温泉を堪能した2人と合流した瞬は、少し目を見開いた。
 2人とも肌艶が増している。そして何より、表情が柔らかくなっていたからだ。
「温泉の効能は本物のようですね」
 そう告げる瞬もまた、普段より柔和な笑顔を浮かべていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

向坂・要
秋稲さん(f00119)と。
のんびり湯船に浸からせてもらきますぜ。

いやはや、極楽極楽
ヒトの身になってよかったって思うことの一つですねぇ
っと確かに。
びしょ濡れ尻尾はごめんですぜ

ま、これで酒でもありゃ、ゆうことねぇんですが
お前さんが飲めるようになったら酌み交わしたいもんで
なんてからりと笑い

普段は服で隠れているが身体には木目にも似た紋様が描かれて

ん?
気になりますかぃ?
本体にもあるのと同じでさ


秋稲・霖
要さん(f08973)と温泉!

うお、寒さなんて忘れそーなくらいあったかいっすね!!めっちゃ気持ちいー!
…あ、尻尾とか乾かすの忘れないようにしねえと

酒かあ…俺ギリ飲めないんすよね、年的に
風呂上がりの牛乳的な感じっすかね?

…ん?何か変わってる感じっすね!
へー、同じ模様…!やっぱそういうの見るとヤドリガミ、って感じしますよね、すげー!

※アドリブ歓迎です



さて、こちらでのんびり湯船に浸かっている2人は、秋稲・霖(ペトリコール・f00119)と向坂・要だ。
「いやはや、極楽極楽。ヒトの身になってよかったって思うことの一つですねぇ」
 疲れが溶けだしていくような感覚は、像のままでは味わえなかっただろう。
 絶妙な脱力感覚を堪能する要の隣で、霖はテンション高めの様子だ。
「うお、寒さなんて忘れそーなくらいあったかいっすね!! めっちゃ気持ちいー!」
 これはいい。術師や他の猟兵が足を運ぶのも、分かる気がする。
 が、霖は、ふと我に返ると、
「……あ、尻尾とか乾かすの忘れないようにしねえと」
「っと確かに。びしょ濡れ尻尾はごめんですぜ」
 要から軽口が返って来る。この辺り、妖狐ならでは心配だろう。
 それにしても、何とも贅沢な時間の過ごし方だ。
「これで酒でもありゃ、ゆうことねぇんですが」
 思わず、本音をこぼす要。
 術師も、さすがにそこまでは準備がよくないか。もっとも、適度なお酒なら、いい塩梅に体を温めてくれたろうに、と思わないでもない。
 要の出した酒の話題に、霖は、少々不思議そうな顔で、問う。
「風呂上がりの牛乳的な感じっすかね?」
 よくわかんないっす……と霖は、残念と羨望が入り混じった表情で、
「酒かあ……俺ギリ飲めないんすよね、年的に」
「お前さんが飲めるようになったら酌み交わしたいもんで」
 ま、その時を楽しみにしましょうや、と言って、からりと笑う要。
「絶対っすよ!? 約束っすからね?」
 楽しみっすねー、と霖は、その時の様子を想像しながら、湯に身をゆだねる。
 ……ふと。霖が、あるものを見つけた。
「……ん? 何か変わってる感じっすね!」
 要の体に、紋様があるのがわかったのだ。
 普段は衣服に隠れて見えないそれは、木目にも似て。
 霖の視線から、好奇にも似た色を感じた要は、
「ん? 気になりますかぃ?」
「あ、いや、もしアレだったら見てないってことにするっすよ! 何にも!」
 わたわた、と手を振る霖。
 おっと、気遣いはいらねぇところですぜ、と要は口元を少しほころばせると、
「なぁに、これは『本体』にもあるのと同じでさ」
「へー、同じ模様……! やっぱそういうの見るとヤドリガミ、って感じしますよね、すげー!」
 無邪気に感動する霖。素直に相手を褒められる、というのは美徳だろう。
 少なくとも、要も悪い気はしない。
 そんな風に、たわいなく、ゆるりとした会話を交えながら。
 温泉を満喫する2人だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

颯夏、温泉だって!
この前約束したでしょ
やっと入れるとこ見つけたんだよ

温泉って大きなお風呂かと思ってたけどちょっと違うみたい
颯夏の真似して身体を洗って、お湯をかけて
肩に乗らせてもらって温泉に入る
ふぁああ、あったか……って、熱い!
でもこれって気持ちいいね
颯夏が来たかったのがわかる気がする

牛乳?
選べるの?
あ、じゃあわたしはフルーツのやつ!


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

言い出したのはあたしだったけど、見つけてくれたのね
あの時はすごく寒かったし、少し熱めのお湯で疲れを取りましょ

身体を洗って、つま先から順にお湯に慣らしてから温泉へ
そういえばルーナ、温泉に入ったことってあるかしら
(自分の肩を指さしながら)
深いからここに乗っててね
熱かったら無理しないで上がるのよ

温泉から出たらお楽しみの牛乳
ルーナはどれにする?
訊きながら自分はコーヒー牛乳を選ぶ



「颯夏、温泉だって!」
 青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)に朗報をもたらしたのは、フェアリーのルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)だった。
「温泉?」
「そう! この前約束したでしょ。やっと入れるとこ見つけたんだよ」
 ルーナのラズベリー色の瞳が、きらきらと輝いている。
「言い出したのはあたしだったけど、見つけてくれたのね」
 そうしてルーナに導かれ、颯夏はアルダワの蒸気温泉を訪れていたのである。
 温泉を、お風呂の大きいバージョンくらいに思っていたルーナだっだが、少し違うようだ。
「あの時はすごく寒かったし、少し熱めのお湯で疲れを取りましょ」
 そう言って、まずは、身体を洗う颯夏。温泉を堪能するには、準備が必要だ。
 そんな颯夏のやり方にならって、ルーナも隅々まで綺麗にしたら、お湯を、しゃばー、とかけて泡を流す。翅を傷めないよう、丁寧に。
「そういえばルーナ、温泉に入ったことってあるかしら」
 颯夏は、自分の肩を指さし、
「深いからここに乗っててね」
 お言葉に甘えて。
 ルーナは、颯夏の肩にちょこん、と乗らせてもらい、温泉に身を浸す。
「ふぁああ、あったか……って、熱い!」
 お風呂も熱いが、これはちょっと質が違うような気がする。なるほど、これが温泉なんだね、とルーナは身をもって理解した。
「熱かったら無理しないで上がるのよ」
 頑張って熱さに慣れようとするルーナを見て、颯夏が小さく微笑んだ。
「でもこれって気持ちいいね。颯夏が来たかったのがわかる気がする」
 小さな体に熱さが染みわたる一方で、疲れが抜けていくような、不思議な感覚がある。
 そうして、しばし2人は、待望の温泉タイムを過ごす。
 さてさて、お疲れを温泉に癒してもらったら、颯夏もお楽しみの時間。
「きっとこういう場所には……あ、あった」
 どういう原理かはわからないが、瓶に入った牛乳が、ケースの中で冷やされている。
 牛乳、それもちゃんと冷やしたものを用意してあるとは、術師もわかっているようだ。……もしや温泉通?
 聞けば、術師は冷え性で、温かさを求めて研究していたらしい。もしかして、熱するより冷やす方が得意だったのかもしれない。
「ルーナはどれにする?」
「牛乳? 選べるの?」
 体を乾かして、ふわーと飛んで来たルーナも、興味津々。
 颯夏が手にしたコーヒー牛乳と、他のフレーバーを見比べて迷った後、
「あ、じゃあわたしはフルーツのやつ!」
 まずはお手本。颯夏は、ルーナと並んで、牛乳を、ごくり。
 ルーナも、両手で容器を抱えると、フルーツ牛乳を、こくり。
「わ、美味しい! 普通に飲むより美味しいかも!」
 喜ぶルーナを見て、颯夏も嬉しそう。

 かくして。
 ひよひよから始まった魔操術師の侵攻は、無事、食い止められ。
 ほかほかの温泉で、幕を降ろしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月26日


挿絵イラスト