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絶たれるえにし

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●絶たれるえにし
 春うららかで今日も賑やかなキマイラフューチャー。
 出会いと別れの季節がやってきたこの頃だが、そこかしこで聞こえるのは、どちらかというと後者であった。
「今の彼氏とは別れなさい。あとで後悔しても遅いのよ。私のタロットが信じられない?」
「お気の毒ですが、その想いは決して実らせてはいけません。諦めるべきです、あなたと彼女の相性は最悪なんです」
「ワタシの紅茶占いは百発百中、ご存知でしょう。キミが不幸になるのを見過ごす訳にはいきません」
 やけに真摯に訴えかけてくる人気占い師達に言われるがまま、人々は叶うかもしれない恋を諦めていく。
 煎餅をバリバリかじりながら、少女はタブレット越しにその光景を嘲笑う。
「その調子その調子、どんどんぶった切っていくんだよ。どいつもこいつも、孤独死しちゃえばいいんだ」

●結べやえにし
 グリモアベースに集った猟兵達を待っていたのは、幼い子供だった。否、肉体は子供だが、発せられた声はまごうことなき成人男性のそれである。
「やぁや、諸君。はじめましての挨拶が必要だろう、我輩はパーヴォ・シニネン。ごく普通のヒーローマスクだ。この子は我輩の相棒だよ、よろしく頼む」
 そう喋った子供の頭は、確かにイルカやクジラ等の海洋生物を模したマスクに包まれており、パーヴォ・シニネン(波偲沫・f14183)は自身の胸元を指差してから、小さくお辞儀した。
「早速だが、君達にはキマイラフューチャーに行って事件に対処して貰いたい」
 パーヴォが事件を語り始めると同時に、彼の背後にカラフルな例の世界が広がる。
「最近とある街で、占いを理由に別れてしまうカップルが続出している。そもそもカップルどころか、告白することすらやめてしまう人々も増えているのだ。まぁ我輩は色恋沙汰とかそこらへんよくわかんないんだけどネ」
 いきなり適当なことを言い出すマスク。
「その占いは全てバラバラなのだがね、皆よく当たると評判の占い師であり、とても親身になって話を聞いてくれるらしく、彼らの言うことなら信じてしまうそうだ」
 しかしそれはただの流行などではない。ただの流行なら、猟兵達の出番はないのだから。
「この占いを行っているのが怪人達なのだよ。つまり、キマイラ達を絶滅させる為の嘘っぱちなのさ。と、いうことで、君達には占い師の正体を暴いて、怪人達を斃してもらいたい」
 占い師本人に会って当たらないことを証明したり、人気の出そうな占いや配信をすることで誘き出す、または情報を元に特定したりと、正体の暴き方はなんでもいい。
「相手は怪人だからね、面倒ならもう殴るなり蹴るなり遠慮なくやっちゃっていいヨ」
 パーヴォの説明を聞くのに飽きてきたのか、宿主の子供は串カツを頬張りはじめた。
「怪人達を主導しているのは、縁切りの神様を名乗る『キリ』という名の少女怪人だ。彼女は……まぁ、とにかくキレやすい。縁結びという言葉が大嫌いで、ちょっとムカついただけで八つ当たりするのもしょっちゅうだそうだ」
 だいぶめんどくさそうな匂いがしてきたぞ。
「そんなげんなりな顔をしないでくれ!彼女を斃すことで、キマイラ達の絶滅は阻止される。君達ならば全ての事件を見事に解決してくれると信じているよ」
 全ての説明をパーヴォが終えたことに気付いた宿主が、船型のグリモアを掌に浮かべる。
「それでは諸君、よい旅を」


遅咲
 こんにちは、遅咲です。
 オープニングをご覧頂きありがとうございます。

●成功条件
 人気占い師の正体を暴き、全ての怪人達を倒す。

 ゆるふわな展開の予定です。
 どの章からのご参加もお気軽にどうぞ。
 皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『そいつが人気の占い師?!』

POW   :    力づくで探し出す、占いが当たらないと証明する

SPD   :    さらに人気の出そうな占いや配信をすることで、敵をおびき出す

WIZ   :    情報をもとに、敵の正体を特定する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

出水宮・カガリ
※アドリブOK
ステラ(f04503)と

無暗矢鱈と別れさせる、怪人の占い師か
キマイラの絶滅に繋がるとあっては、放ってもおけまい
よく当たるという占い師を聞いて、ステラとの相性でも見てもらおう

「実は最近、嫌われているような気がしてなぁ
よそよそしいというか、顔を合わせてくれん
話しかけても、早々に切り上げられてしまう時もある
嫌われているのだろうか」

縁を切るべき、嫌われているといった結果が出れば、その腕を怪力で掴む
その程度も見通せないとは
カガリは知っているとも
ステラはそんなことを思っていないとな

ステラが時々挙動不審なのが気になるが…
まあ、とにかくこの占い師が偽物だと、他のものに教えてやらねば


ステラ・アルゲン
アドリブOK

カガリ(f04556)と参加

カップルを別れさす怪人の占い師ですか
人の恋路を邪魔立てする者は騎士たる者として見過ごすわけにはいきません
……というかそんな奴を野放しにしたらこっちにも影響が……いやなんでもないぞ、カガリ!

占い理由は……えっ私とカガリの相性ですか?
うっ。なんだかカガリの言うことには身に覚えがあるような気がする
だって顔を合わせると上手く喋れない気がして……。いや何も言ってないから

縁を切るべき、嫌われているという結果だったら占い師を睨みつけておく
……ええ、そんなわけありません。むしろその逆の可能性が……あっ
だから、その……とにかくそいつは偽の占い師だ!



 ポップなサイバーパンクワールドであるこの世界において、少しだけ浮いて見える中世の騎士風の二人が街を征く。
 出水宮・カガリはさらりと金髪を流し、ふむ、と頷きステラ・アルゲンに声をかける。
「キマイラの絶滅に繋がるとあっては、放ってもおけまいな」
「人の恋路を邪魔立てする者など、騎士たる者として見過ごすわけにはいきません」
 端正な顔をしかめて、ステラは今回の事件への怒りを露わにした。
「……というか、そんな奴を野放しにしたらこっちにも影響が」
「ん?」
「いやなんでもないぞ!」
 騎士としての心意気以外にも彼女の中では色々あるらしい、頑張ってほしい。そんなこんなで二人が赴いたのは、良く当たると評判の占い師の店。2時間ほど行列で待たされたが、これもまた猟兵の仕事である。
「ようこそ、いらっしゃいました」
 顔をベールで隠した占い師が雰囲気たっぷりに話し始めた。
「どのようなことを知りたいのでしょう」
「彼女との相性を知りたい」
「はい!?」
 ぴ、とステラを指さし、さらりと相談内容を口にするカガリ。完全に寝耳に水という顔のステラ。
「実は最近、嫌われているような気がしてなぁ……よそよそしいというか、顔を合わせてくれん」
 ちらりと隣に立つ麗人の顔を見て、青年は首を傾げながら話を続ける。
「話しかけても、早々に切り上げられてしまう時もある。嫌われているのだろうか」
「だっだって、顔を合わせると上手く喋れない気がして」
「ん?」
「いや何も言ってないから」
 小声でごにょごにょと呟いた内容は、占い師もよく聴こえなかったらしい。うんうんと頷きながら、口を開く。
「わかりました、相性占いですね。では早速」
 そう言って席を立つと、その手には美味しそうなベリーパイ。
「ん?」
「せぇい!!」
 占い師はベリーパイを床に叩きつけた。飛び散る赤色、きっと美味しかったのに。
「……出ました」
「何が!?」
 きょとんとしたカガリと混乱するステラに、いたって真面目そうに語りはじめる占い師。
「お二人の相性です……ずばり、最悪です。そちらの方、貴方の事でひどくイライラしていますね……考え方もすれ違い、不満が募るばかり。このパイの飛び散り方が、二人の今後の亀裂を表しています」
 真剣な声色を絶やさずに、占い師はベリーパイをぶちまけた床を指さす。
「悪いことは言いません、すぐに縁を切るべきです。貴方達二人の未来の為ですよ」
 あんまりな物言いに、ステラがキッと占い師を睨みつけようとした矢先、
「イタタタタ!!」
 尋常ならざる怪力で腕を掴まれ、占い師が悲鳴をあげる。
「その程度も見通せないとは、人気の占い師とやらが、聞いて呆れる。ステラがカガリを憎く思っている?」
 占い師の腕を捻り上げたまま、カガリは迷うことなくきっぱり言い切った。
「カガリは知っているとも。ステラはそんなことを思っていないとな」
 ほんの一瞬呆気にとられた麗人は、ライバルの言葉に強く頷く。
「……ええ、そんなわけありません。むしろその逆の可能性が……あっだから、その……とっとにかく、こいつは偽の占い師だ!猟兵の私達を騙そうとしても、そうはいきませんよ!」
 大声を張り上げたステラの言葉は、行列に並んでいたキマイラ達にも聴こえていたらしい。
「猟兵?今猟兵って言ったわよね」
「あの占い師、猟兵を騙そうとしたの?」
 ざわめきだす行列と、猟兵だと名乗る目の前の二人。占い師は窓を開け放つと勢いよく飛び出していく。
「追うぞ、ステラ」
「あ、ああ!」
 短いやりとりの中にも、二人の確かな信頼は見てとれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

襲祢・八咫
ふむ、人の子の縁は人の子自らの力で縒るものだ。
其処に他者の介入、ましてや縁切りとは、随分無粋をするものだなあ。

おれは別に占術が得意な訳でもないが、これでも所謂、神器と称される器物ゆえ。
人の子を護るもの。
幸いを喚ぶもの。
禍を啄み喰らうもの。
身代わりになるもの。
それが、おれという存在なのでな。

なあに。
如何に優れた役者と言えど、神の器物には適うまいよ。
己の居た神社を思い出しながら、ひとつ占いに興じてみるとしよう。【破魔、祈り、第六感、祈り、言いくるめ】
迷える人の子の心を救うのであれば、これもまた【救助活動】という奴だろうさ。

真っ直ぐお歩き、人の子よ。
大丈夫、きみの世界はこんなにも明るいのだから。



 艶めく紫を靡かせ、襲祢・八咫はキマイラフューチャーの人ごみをゆるりと進む。
「ふむ、人の子の縁は人の子自らの力で縒るものだ」
 そこに他者の介入……ましてや縁切りとは、随分無粋だとヤドリガミは思う。人の子のわざわいを啄み、さいわいを喚ぶものとして、自分が出来ることは。
 そう考えた彼は、女性達の間で人気という占い師の店の前を張る。暫くして、入口からとぼとぼ出てくるキマイラの少女を見つけた。
「どうした、そんなに悲しそうな顔をして」
「……あたしのこと?」
「そうとも。おれは猟兵をやっていてな、きみが悲しむ理由を聞かせておくれ」
 ふわりと穏やかな笑みを浮かべ、猟兵を名乗った八咫に気を許したのか、少女はぽつぽつと話し始める。
「あたし、ずっとすきな人が居るの。それで、此処の占いがすごくよく当たるって聞いたから、彼があたしのこと、どう思ってる、とか、聞いてみたの」
 ふむ、と頷きながら、八咫はやんわりと少女に続きを促す。
「そしたら、あたしと彼の相性って最低最悪らしくて。それに、普段の彼の態度を話したら、彼はあたしのこと、すごく、じゃ、邪魔で、うっうっとおしく思っ……てるって……」
 ショックが限界を超えていたのか、遂に少女は涙を溢し始める。八咫はもう一度、ふむ、と頷き。手にした鈴をちりぃんと鳴らす。
「なぁ、きみ。おれの占いの結果を聞かないか?」
「え?」
「我流だが、これでも他所では評判が良くてな。話を聞いている間、少しきみを占ってみた。猟兵として、嘘は言わん」
 如何に優れた役者でも、神の器物には適うまい。もう一度鳴らした鈴の音と、彼の真摯な眼差しに、少女は小さく頷く。
「まず、普段の態度だが。彼は本当に、うっとおしいと思っているだろうか。もしそうなら、きみを遠ざけるなり、避ける素振りを少しでも見せるだろうよ」
 八咫の言葉に、少女はうぅん、と唸る。噂の彼の態度を思い出しているのかもしれない。
「……嫌なことは、どんな相手でも、ちゃんと嫌って、言う人だわ」
「そうだろう、そうだろう。つまり彼は、きみを憎からず思っているということだ」
 それに、と、さいわいを運ぶヤドリガミは続ける。
「この鈴の音はな、きみと彼の相性を最良最高のものだと告げている」
 ちりぃんと澄みきった音色と、溢れだすあたたかな光に包まれ、少女は浮かべた涙をそのままに目を見張る。
「関係を、どう進めるかはきみ次第だ。けれど、決して悪い方には向くまい」
 やわらかな笑みを崩すことなく、八咫は最後にもうひと押しする。
「真っ直ぐお歩き、人の子よ。大丈夫、きみの世界はこんなにも明るいのだから」
「……ありがと、猟兵さん」
 涙を拭って、少女はやっと笑顔を見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三原・凛花
まあ不幸な身の上からすれば、幸せそうな人達に嫉妬するのは分からなくもないけど…
でもそれを邪魔したところで余計自分が惨めになるだけだよ。

ここは【『聖霊』召喚】を使おうかな。
『聖霊』を【衝撃波】に乗せて放ち、占い師に当てて取り憑かせるよ。

『聖霊』に憑かれた者はあらゆる不幸に襲われる。
例えば「偶然」足元にあったベリーパイを踏んづけて転んだり、「偶然」自分の目の前をカップルが通り掛かってそのいちゃつき振りを散々見せつけられたりね。

ともかく心身共に痛い思いをすることになるだろうけど、人の恋路を邪魔した報いってことで。
『聖霊』と五感を共有する私もその痛みを共有してあげるから、それでチャラにして頂戴。



 不幸な身の上からすれば、幸せそうな人達に嫉妬するのは分からなくもないけれど。
「でも、それを邪魔したところで、余計自分が惨めになるだけだよ」
 ひっそりと呟く三原・凛花は、道端で繁盛している占い師の動向を物陰で見守る。頃合いを見計らってそっと呼び出したのは、自分を永遠に蝕むUDC……通称『聖霊』。
「たまには役に立ってちょうだい」
 主が指さす先へ静かにするりと向かった『聖霊』は、占い師の背に静かに憑りつく。途端、悲劇は起こった。

 ゴスッガシャーーン。

「イッテェエエ!?」
 占い師の頭に命中したのはずっしりと重い植木鉢。割れた破片は奇跡的にも突き刺さらず打撲で済んだようだが、これが怪人でなければ死んでいた。突然の事故を目撃した占い客達は驚きで度肝を抜かれる。
「だ、大丈夫ですか!なにこれ植木鉢!?」
「こわっなんでいきなり植木鉢……この上のビルって誰か住んでたか?」
「す、すみません皆さん、おっ驚かせてしまい……」
 心配する客に店仕舞いを告げると、荷物を片付けふらふらとした足取りでその場を去る占い師。その後ろを凛花は静かに尾行する。
「くっそ、なんだったん」

 バッシャーン。

 ぶつくさ呟く占い師が突然道端から姿を消した。同時に聴こえる水音にざわめくキマイラ達。
「うわー誰かがプールに落ちたぞ!」
「待って待って、こんなとこにプールなんてあった!?」
「知らねえけどつい最近出来たんじゃねえのか!?」
 あっぷあっぷと息継ぎしながらジタバタ足掻く占い師。なんとか自力でプールから這い上がって、濡れた身体を震わせる。よく見るとプールの底で身体を強かに打ちつけたらしい、これが怪人でなければ死んでいた。
 大丈夫かと声を掛けるキマイラ達に弱々しい会釈すると、ずぶ濡れのままその場を後にする。必要以上に接触することで、自分の正体を知られたくないのだろう。
 そんな占い師の前を通り過ぎていくのは、
「やだぁ、褒めたってなにも出ないわよ」
「馬鹿だなぁ、本当のことを言ってるだけだぜ?俺にはお前が最高に可愛くてイイ女に見えるんだよ」
「ふふ、調子いいこと言ってぇ、でもそんなとこがすき!」
 ウフフアハハとお花畑が見えそうなカップル達。しかもその数は次第に増えていく。
「……くそ、なんなんだよこれ。どう考えてもツイてねえよ、くそ、俺が何したって」

 ゴン。

 占い師の腹部に何の脈絡もなく鉄球が飛んできた、モロに占い師が吹っ飛んだ。流石の怪人も死んだかもしれない。
「……ま、人の恋路を邪魔した報いってことで」
 怪人に降りかかった出来事は、全て凛花の『聖霊』が齎した不幸。ちなみに『聖霊』と五感を共有している凛花も決して弱くない痛みを共有しているが、彼女は訓練された超強い猟兵なので安心してほしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥珀川・れに
変な占い師が居るとカガリに誘われて僕も独自に調査してみた。

女の子って占いが好きだよね。だから僕もかじっているけど、コミュニケーションに利用させてもらっているよ。
(いたずらに女性を口説くのは嗜みだよ)

ねえ、占い師の君。僕と君との相性はどうかな?

僕も君を占って見せよう。
僕の顔を見つめて。
君にとって僕が運命の人だ
(キレた所を見て)情熱的な心の持ち主だ
綺麗な声、ヴェールをといてその隠された顔を見せておくれよ
【コミュ力・言いくるめ】

万が一占い師が男であってもあくまでこんな感じを続ける

※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。



 変な占い師が居ると猟兵仲間に誘われた琥珀川・れにも、別の場で居を構える占い師の元に来ていた。
 女の子といえば占い、彼女達とのコミュニケーションに欠かせないものであり、れに、ことレニーも少々かじっている。ちなみにいたずらに女性を口説くのは嗜みだそうです。
 最初は仲間達と同じように行列に並ぼうとしたレニーだったが、既に並んでいたキマイラの女性達はレニーの端正な容姿にメロメロな状況。察したレニーが彼女達にそっと声をかける。
「すまない……少々急いでいてね。折角並んでいるのに申し訳ないが、君達さえよければ、順番を譲ってもらえないかな」
「え、ええどうぞ!」
「あたし達、いくらでも待てますから!」
 颯爽とした佇まいを崩さず、それでいて麗しい微笑を湛えたレニーに次々と順番を譲る女性達。列を待つことなく件の占い師と対面することに成功した。
「こんにちは、今回はどのような」
「ねえ、君。僕と君との相性はどうかな?」
「……は?」
 ヴェールによって顔を隠し、厳かな雰囲気を漂わせながら口火を切った占い師の言葉を遮ったレニー。その様子を見守っていた女性達も突然の展開に黄色い声を上げた。
「あのう、それはどういう」
「そのままの意味さ、僕は君との相性が知りたいんだ。きちんと料金は払うよ、構わないだろう?」
 はぁ、と促されるままに了解する占い師。客が並んでいる以上、下手に断るのも難しいのかもしれない。
「で、では……この紅茶の淹れ終わった茶葉を、しっかり皿の中心に落として下さい」
 言われた通り、出涸らしの茶葉をぼとりと皿の中心に落とすレニー。占い師は落ちた茶葉をまじまじと見つめ、結果を語りだす。
「……いけませんね。私と貴方の相性は稀に見る悪いものです。どれだけ共に過ごそうと、過酷な障害が必ず二人を阻むことでしょう」
 そんな……とざわつく女性達。しかしレニーは笑みを絶やさない。
「そうか、君の占いの結果はそう言っているんだね。なら僕も君を占って見せよう」
「は?」
「さ、僕の顔を見つめて」
「ちょっちょっと」
 レニーがほんの少し、ぐい、と強引に占い師へ顔を近づけた瞬間、女性達も沸き立つ。だってこれ絶対見ないと後悔する奴だ。
「……ああ、やっぱり。君にとって、僕が運命の人だ」
「お、お客様、そろそろいい加減に」
「ふふ、とても情熱的な心の持ち主だね」
 これ以上は営業妨害とばかりに怒りを露わにする占い師に、ばちこーんとウィンクを送るレニー。女性が何人か倒れた。
「そうじゃなくて!言いましたよね、私と貴方との相性は稀に見る悪いって」
「つまり、稀に見る奇跡的な出会いということだよね」
「なっ」
 軽口を叩きながら、レニーは占い師の頬にそっと手を添える。女性がまた倒れた。
「綺麗な声だ……ヴェールをといて、その隠された顔を見せておくれよ」
「そんな……困ります……」
「過酷な障害がある程、恋は燃えるものだろう?さぁ……」
「あ、ああっ」
 はらりと捲られたヴェールの向こうにあった顔は、蜂の顔であった。まごうことなき怪人の本来の姿である。
「思った通り、なんて美しい顔なんだ……君こそ、僕がずっと出会いたかった人だよ」
「わ、私……」
 女性の声をしていた占い師は、すっかり野太い男の声になっているのに、レニーは続きをやめない。また何人かまとめて倒れたのでそろそろやめた方がいい。
「運命の人、今こそ僕の正体を明かす時だね……猟兵だ」
「まぁ、猟兵……えっ猟兵?」
 数分後、店からダッシュして逃走する怪人と、全速力で追いかけるレニーの姿が目撃される。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くそっやられた!まさか猟兵だなんて」
「ツイてなかった理由はコレかよ!」
「女心を弄ぶなんて……許せねえ……!」
 針を模した槍を構えながら、正体を現した『働き蜂戦闘員』達はそれぞれ猟兵達から逃げ回る。
 基本的に全て彼らの自業自得なのだが、怪人が自分を顧みることはあまりないかもしれない。

「とにかく俺達がやられたら、派遣元の女王蜂様の評判に関わる!」
「いくら猟兵だろうと数はこっちが上だ!やっちまえ!」

 などとのたまっているが――さて、どう駆除してやろうか。
襲祢・八咫
やれ、虫の駆除なら烏共には訳なかろうよ。
無数に飛び回る羽虫なら、餌の数には足りようて。

おいで、烏共。
鈴の音と共に、赤い鳥居の魔法陣から溢れるひとつ目烏の群れ。
烏共に【属性攻撃】で日輪の火を灯し、【衝撃波、空中戦、2回攻撃、なぎ払い】
喰ろうて灼いて、啄み抉れ。
数が足りなくなればまた喚べば良いさ、此奴らはそういうものだ。

さて、おれも混ざるか。
烏共に同じく日輪の火を纏わせた刀を手に、【目立たない】で気付かれぬよう敵の直中へ。
【第六感、オーラ防御】で身は守りつつ、烏の嘴から逃れたものから斬り伏せて行こう。

飛べ烏共、空を覆い尽くして害虫共を喰らい尽くせ。
人の子の道を歪めるなら、容赦も要らぬさ。



 この数ならば勝てるとふんだ戦闘員達に、襲祢・八咫はため息をつく。
「やれ、虫の駆除なら烏共には訳なかろうよ。無数に飛び回る羽虫なら、餌の数には足りようて」
 そうしてちりぃんと鳴らすは鈴の音、宙に浮かび上がったのは赤い鳥居の魔法陣。
「おいで」
 鈴と主の呼びかけに応じたひとつ目烏の群れが、ぶわりと鳥居から溢れだす。
「ひっ」
「怯むんじゃねえ、たかがカラスだろーが!」
「ん……ああ、そうだな。たかが、お前達の天敵だ」
 そう呟いた八咫が再び鈴を鳴らせば、烏達は日輪の焔をその身に宿す。輝きを増した烏の群れは次々と戦闘員達へと襲いかかる。
 戦闘員達の倍の数はある烏が、餌と見なした虫に群がり、鋭い嘴で手足や顔を啄み貪る。同時に、宿した焔は容赦なく戦闘員の身を焼き焦がしていく。
「あっあつ、熱い熱い、痛い、痛いぃいい」
「くそ、消えろ!」
 一度でも攻撃を受ければ、烏は消滅する。槍を振るうことですぐに光の粒子となるのを確かめた戦闘員達が烏の数減らしにかかる。
「おや」
 ふと見れば、瀕死に陥った数名が何かを取り出している。ピピピ……というけたたましい音を立てたモノは、子供が持つ防犯ブザーに似ていた。
「助けに来たぞ!」
「たっ、たすかった……!」
 最初よりも多い数の戦闘員が駆けつける。どうやら増援を呼び出す緊急ボタンらしい、それはもはや完全に防犯ブザーではないだろうか。
「ハハ、この数に圧倒されてしまえ!」
 しかし八咫は、慌てることなく鈴をちりん。すぐさま宙に浮かぶ鳥居の紋から現れたのは、再び無数のひとつ目烏。
「なぁに、数が足りなくなればまた喚べば良いさ、此奴らはそういうものだ」
 喰ろうて灼いて、啄み抉れ。やわらかな声による指令を、烏達は忠実にこなしていく。
「ば、化物……!」
「物の怪呼ばわりとは、ものを知らないのだなぁ」
 そう言いつつも特に怒りを見せるでもなく、八咫はやれやれと太刀を抜く。
「さて、おれも混ざるか」
 無数の烏の群れにまぎれた彼の姿は戦闘員達の目に映らず、とろんとした眼差しが真剣なものへ変わると、八咫は戦場の真っただ中を突っ切っていく。
 嘴を逃れた戦闘員の身体を、烏と同じく日輪の加護を得た刃がずばんと斬り落とす。
「ギャアアア!」
「どっどこだ、どこに居やがる!?」
「お前達には、捉えられまいよ」
 続けて、ヤドリガミは笑みを絶やさずそっと囁く。
「人の子の道を歪めるなら、容赦も要らぬさ」
 ひかりたる烏の群れは空を覆いつくし、害虫達を喰らい尽くす。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウトティア・ナトゥア
チーム【依頼掲示板広場】で参加。

ダメージを蓄積させ、仲間との同時攻撃で増援を呼ぶ機会を与えず倒す。

なんじゃ、もう漫才は終わりかの?
面白い事をしないのならもう用済みじゃ、はよ去ぬるがよいぞ。

「属性攻撃」「騎乗」「誘導弾」使用
まずはリミティア殿とマニトゥに相乗りし、狼の爪や噛み付きで怪人を追い回して、騎射で風の刃を纏わせた矢を射掛けて攻撃するかの。

(『働き蜂戦闘員』の集団にダメージを蓄積させ)
頃合じゃな。リミティア殿、タイミングを合わせて同時攻撃じゃ。風の精霊を召喚して多方向から精霊の放つ風の矢のオールレンジ攻撃で一箇所に追い込むとするかの。リミティア殿!後は任せたのじゃ!


琥珀川・れに
【依頼掲示板前広場】連携
エウトティアf04161リムf08099
未定だがもしかしたら凛花f10247
カガリとも知人だが別でOK

「会いたかったよ。
さあ、僕が君の運命の人になろう」
(キザなポーズで剣を構える)

弓矢の援護を受けて、ひるむ敵の背後に回り込むイメージで
剣に敵をどんどん【串刺し】していこう。
串刺しが出来上がった【敵を盾にする】姿はまるで抱き留めるように
エウトティアとリムの一斉攻撃を受けることになるけれど
【火炎耐性】と連なった盾があるから大丈夫。

UCであたり一帯を消火しながら出てくるよ。


女王と聞こえた気がした。
姫なら可憐な響きなんだが。

※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。


リミティア・スカイクラッド
【依頼掲示板前広場】で連携
数の利を得た程度でどうにかなると思われるのは心外ですね
リムは目標を殲滅します

エウトティアさんの狼に「騎乗」させてもらい
UCの炎による「属性攻撃」で攻撃
敵の攻撃は宝石剣で「武器受け」し、同乗者を「かばう」ようにしましょう

「野生の勘」「情報収集」技能を活かして敵の負傷度を見極め
【数で圧す】が発動しないよう集団全体に満遍なくダメージを蓄積させ
頃合を見てタイミングを合わせて仲間との一斉攻撃
「はい、一気に押し切りましょう」
【魔女の火葬】の炎を一つに纏めて大きな火球を生み出し「全力魔法」で増援を呼ぶ間もなく焼き尽くしましょう
レニーさんは大丈夫のようですね。流石です。

アドリブ等歓迎


三原・凛花
【依頼掲示板前広場】連携。

たくさん集まればどうにかなると思ったのかもしれないけど、寧ろ逆効果だよ。

リミティアさん(f08099)の【魔女の火葬】にわたしの【呪詛の篝火】を合わせ、それをエウトティアさん(f04161)の風の聖霊に拡散してもらうことで攻撃するよ。
【誘惑】【おびき寄せ】を使って、敵がばらけることなく一斉に襲い掛かってくるように仕向けておくね。
巻き込まれる形になるれにさん(f00693)がちょっと心配だけど、火炎耐性を信じて全力でいくよ。

女王蜂…ねぇ。
名前からして男に不自由してるようには見えないけど、何でこんな真似をしているのか。
ちょっと気になるね。



 4人の猟兵をずらりと囲む戦闘員の群れに、物憂げな表情をした三原・凛花は鋭い視線を投げた。
「たくさん集まればどうにかなると思ったのなら、寧ろ逆効果だよ」
「ええ、数の利を得た程度で勝てると思われるのは、心外ですね」
 凛花の言葉に、リミティア・スカイクラッドも眉を顰める。しかし戦闘員達は態度を改めるどころか、馬鹿にした様子で猟兵達を煽る。
「はは、かわいいでちゅね~!」
「よく見りゃガキが女の子侍らせてハーレム気取ってるだけじゃねえか!」
「おやおや、随分な言いがかりだな」
 琥珀川・れに、ことレニーは、大袈裟に肩を竦めて仲間に視線を遣る。この戦場に集った猟兵は、男装の彼女を含め、見た目は10代前半の可憐な少女ばかり。戦闘員達が慢心を見せはじめたのも仕方がないのかもしれない。
 しかしレニーは甘い笑みを絶やさず、つ、と剣を敵へ向けて愛を囁いた。
「ふふ、会いたかったよ。さあ、僕が君の運命の人になろう」
「こっこんなガキに俺の女心が……も、もう騙されてたまるか!」
 そう訴えているのは先ほどレニーに心を奪われた戦闘員だろうか、この働き蜂、全員顔が一緒なので正直区別はつかない。もう一度言うがレニーくんはレニーちゃんだ。
「なんじゃ、もう漫才は終わりかの?面白い事をしないのならもう用済みじゃ、はよ去ぬるがよいぞ」
 ふぁ、と欠伸し、猫の耳をぴょこんと動かしているのはエウトティア・ナトゥア。小さな巫女姫は戦闘員達とのお喋りがお気に召さなかった様子だ。
「ナメやがって!」
「ぴーぴー泣いても遅いぜ!」
 戦闘員達が口々に喚いた直後、一斉に少女達へと襲いかかる。それが戦闘開始の合図となり、凛花が静かに後ろへ下がり、レニーが彼女の前へと立つ。
「それは此方の台詞です」
 リミティアが冷静にそう返したと同時、エウトティアが使役する巨狼に軽い身のこなしでその背に相乗りした。
「マニトゥ、あやつらを玩具にして良いぞ!」
 巫女姫に忠実な聖獣は、唸り声をあげて戦闘員達へと突っ込む。その背に乗ったエウトティアが引き絞る弓矢には風の魔力が宿り、鋭い爪や牙の餌食となった戦闘員に容赦ない追撃を与える。たとえエウトティアに槍を伸ばしたとしても、すぐさまリミティアの宝石剣が槍を叩き落してしまう。
「なんだあの狼、反則だろ!?」
「泣き言を言うにはまだ早いですよ」
 あおい瞳に映るのは敵か獲物か、狼の背からリミティアが放ったのは勿忘草の彩をした炎。更に、魔女の火葬に重なるのは呪詛の篝火。昏い瞳を伏せた凛花から生み出された鬼火は黒く揺らめき、二色の焔が戦闘員達の皮膚を舐めるように灼いていく。
「どす黒く、燃えてしまえばいいわ……」
「あつ、痛い、ち、ちくしょおお!」
「これくらいなんだってんだ、相手はガキだぞ!」
「いい加減、その呼び方はやめてくれないか?僕はともかく、レディ達に失礼だろう?」
「なっ」
 巫女姫がばら撒く弓の一撃をカモフラージュに、麗人は戦闘員の背後からそっと囁き、迷うことなく敵の身体を貫く。巨狼と共に戦場を足で駆けるレニーをどれだけ追おうとも、戦闘員達がその姿を捉えることはできない。
「こんの……クソガキがぁ!」
「おっと、言葉遣いは改めるべきだよ?」
 勇敢な戦闘員が猛攻し、あと少しという瞬間、くるりとレニーが振り返ってその身を翻すと同時、盾代わりにされた戦闘員に攻撃が直撃する。
 一見姫君を抱き留めるような姿になっているが、やっていることは串刺しにした敵の群れを攻撃の盾にするという所業である。
 増援を呼ばせないよう注意していた猟兵達は、戦闘員達を集中的に狙わず満遍なく攻撃することで、全体の疲労をしっかりと蓄積させていた。ぱっと見は幼気な少女達に振り回され、散々な目に遭わされている戦闘員達はそのことに気付いていない。
「頃合じゃな。リミティア殿、凛花殿!」
 エウトティアは二人に声を掛けると、無数の風纏う精霊を召喚。多方向に散らばる精霊達は巫女姫の薙ぐ掌の方へ一斉に風吹く魔の弓を放ち、戦闘員達を一ヶ所に追い込んでいく。
「何を考えてるか知らねえが……ってまたお前か!」
「君達の相手は僕さ!」
 リミティアと凛花が魔力を集中させているのを気付かれぬよう、レニーが素早く敵の間をすり抜け、敵の意識をレニー自身へと向けさせる。魔女と聖霊に憑かれし少女が全魔力を注ぎ込み、轟々と音を立てる巨大な火球を生み出した。
「骸には火を、墓には花を」
「黒く、より深く、燃え尽きろ」
 二人が同時に言の葉を紡いだ時、ふたつの彩が混ざりあう火球は追い込まれた戦闘員達を圧し潰すように灼き尽くす。
 悲鳴をあげることなく一瞬で火の海に包まれた蜂の群れは、みるみるうちに消し炭になっていった。
「……思いっきり、全力でやったけど」
「さて、レニー殿は無事かの?」
 凛花が重い口を開き、エウトティアがどれどれと消し炭の様子を眺めていると、赤い雨がさらさらと降り注ぎ、辺り一帯を消化していく。
 瓦礫から颯爽と出てきたのは、レニーその人であった。
「いやぁ、なかなかの威力だったね」
「無事でなによりです」
 赤い雨の飛沫を拭いながら笑みを浮かべるレニーに、リミティアが変わらぬ表情で帰還を祝う。
「ところで彼ら、女王と言っていたよね。姫なら可憐な響きなんだが」
「なんじゃレニー殿、女王も口説く気なのかの」
「女王蜂、じゃなかった?名前からして、男に不自由してるようには見えないけど」
「派遣元と言っていましたし、今回は姿を現しそうにはありませんね」
 見事にフリーダムだった少女達は、普段と変わらぬお喋りをしながら、まだ見ぬ女王蜂に思いを馳せてみたりしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

出水宮・カガリ
ステラ(f04503)と

おー、正体を表したな働き蜂
派遣の働き蜂も苦労が多そうだが、まあ、そこまで察してやるのは猟兵の仕事ではないのでな
文句があれば、女王蜂へ退職でも願い出るといい
躯の海で、な

既にこの場にいる蜂への攻撃は、ステラに任せよう
盾も一人でこなせそうだが、必要か?
(【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】で強化した【鉄門扉の盾】を構え、ステラの死角や背面からの槍は弾く・しつこければ正面へ弾き飛ばす)
蜂の針程度、カガリの後ろへ通ると思うなよ!

流星の後、増援が来るようであれば、カガリがしっかり仕留めておく
【追想城壁】を展開して、幻影の彼方に消し飛ばしてしまおう
いや、いや
いつもながら、綺麗な流星だと思うよ


ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と参加

あんなに美味しそうなベリーパイを粗末に使うなんて全くもって許せません!
すごく食べたかったのに! ……いえなんでもありません
とにかく食べ物を粗末に扱うは人の縁を切ろうとする迷惑な蜂は全部駆除だ!

攻撃は任せろカガリ。私の背中は任せた
槍というのはリーチが長いがこちらが懐に入ってしまえば対処は難しいだろ?
【ダッシュ】で近づき【フェイント】を駆使して攻撃を誘い出来た隙を狙って【2回攻撃】
それを次々と蜂達に行う
蝶のように舞い蜂のようにさす、蜂相手にな
走る私の【存在感】をもって敵を動かし一箇所にまとめ【流星撃】で一網打尽にしてくれよう

そう言うお前はいつもながら頼りになる城門だよ



「おー、正体を表したな、働き蜂」
 出水宮・カガリはどこかのんびりした口調で戦闘員達の素顔を眺める。
「派遣の働き蜂も苦労が多そうだが、まあ、そこまで察してやるのは猟兵の仕事ではないのでな。文句があれば、女王蜂へ退職でも願い出るといい」
 骸の海でな、と口元に笑みを乗せる一方、ステラ・アルゲンはどうやらぷんすこ怒っている様子。
「あんなに美味しそうなベリーパイを粗末に使うなんて、全くもって許せません!すごく食べたかったのに!」
「食べたかったのか?」
「いやなんでもない。とにかく!食べ物を粗末に扱うわ、人の縁を切ろうとするわ、迷惑な蜂は全部駆除だ!」
 ステラが流星から生まれし魔剣を構え戦闘員達へ駆け出すと同時、カガリが強固な城門の盾を構え、彼女の背を守る。自身の本体を手にした彼らに、恐れるモノはない。
「ステラは盾も一人でこなせそうだが、必要か?」
「ああ、私の背中はお前に任せた」
 攻撃手たるライバルからの返答に、ふむと頷き、青年はステラの死角に滑り込もうとする槍を叩き落とす。
「なんだその馬鹿でかい盾は!?」
「くそっどけ!邪魔だ!」
「お前達の言う通りにはならない。今のカガリはステラの盾だからな」
 頼もしい守りを背に、麗人は素早く敵陣へと突っ込み、その身を翻しながら攻撃を誘う。繰り出された槍を躱した瞬間、僅かに出来た隙を突いて剣を振るい戦闘員の身体を斬り裂いていく。
「すばしっこい奴め!」
「蝶のように舞い蜂のように刺す、蜂相手にな」
「ふざけやがって!」
 戦場で誰よりも華麗に、誰よりも軽やかに。次々と敵を屠るステラに自然を目を奪われる戦闘員達は、翻弄されていることにも気づかず、彼女を追ってはその羽ばたきを捉えようと奮闘する。
「なんだ、一度くらいは私を捕まえてみたらどうだ?」
「言われなくともそうしてやるよ!追え!」
「後ろの馬鹿でかい盾の男は無視しろ!」
 麗人に誘われ、愚かな虫達は一斉にひとかたまりとなったのをステラは振り向きざまに確認し、急ブレーキを掛けたように止まったのち、振り上げた剣の輝きは流星の煌めき。
「――墜ちろ!」
 ド、という激しい音を立てる単純かつ重い一撃の力は、隕石衝突にも等しい。一ヶ所に集められていた戦闘員達はなすすべもなく衝突に巻き込まれた。直撃した壁は地面諸共粉々に破壊され、凄まじい力の痕跡を残している。
「ひっ」
「まだだ、今こそ増援を呼ぶ時だ!」
 仲間諸共破壊された地面に震える味方を鼓舞しながら、戦闘員が例の防犯ブザーを取り出す。けたたましい音を鳴らした瞬間、どこからともなく現れた新手を見て、カガリが目を細める。
「残念だったな。カガリが居る限り、もうお前達に攻撃はさせない」
 青年を中心に覆うように浮かび上がるのは、失われし亡都の城壁。槍を手にした増援が城壁に触れた瞬間、その幻影は虫の群れを遥か彼方へと一斉に葬り去る。
「そんな……一瞬で……」
「くそっ!こんな奴等相手にしてられるか!」
「逃げるのか?悪いが、逃がしてはやらないぞ」
「ああ、私達が相手であったことを後悔するといい!」
 散り散りになって逃げだそうとする戦闘員達を、二人の騎士は素早く仕留めていく。
「いや、いや。いつもながら、綺麗な流星だと思うよ」
「そう言うお前は、いつもながら、頼りになる城門だよ」
 互いに背を預ける二人は、麗しい貌に笑みを交わす。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『キリ』

POW   :    縁切断(物理)
【手刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    縁消去(物理)
【何らかプラス】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【狛犬のような自動砲台】から、高命中力の【その感情を抱いた時の記憶を消す光線】を飛ばす。
WIZ   :    ただの八つ当たり
【なんかムカついた】から【強烈なビンタ】を放ち、【あまりの理不尽さからくる動揺】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠カスミ・アナスタシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が働き蜂戦闘員を全滅させた時、その少女は現れた。

「なんなんだよこれ、なんで皆やられちゃってるワケ!?」

 狛犬のような尻尾を逆立て、『縁切り少女キリ』は苛立ちを隠さない。
 今までの様子を見ていなかったのか、半ば驚いたまま少女らしい高い声を上げている。

「はぁ~使えない、所詮派遣だったってことか。ほんと役に立たないんだから、ムカつくムカつくムカつく!」

 キリちゃんはとっても怒っている模様、その場にあった石を蹴り飛ばしては文句を撒き散らしている。
 戦闘員達も結構頑張ったのだ、猟兵達が強すぎただけであって。

「っていうか恋愛体質の女達が雁首揃えて、世の中浮かれすぎなんだよ馬鹿じゃないの?」

 それは八つ当たりでは?という疑問が浮かぶが、八つ当たりでキマイラ達の絶滅作戦を遂行されては、たまったものではない。

「ムカつくんだよどいつもこいつも、ボクがこの世の良縁を全部ぶった切ってやる!まずは猟兵、あんた達からだ!」

 猟兵達は八つ当たりの標的にされた。
琥珀川・れに
【依頼掲示板前広場】
なんて可愛らしいお嬢さんだ。
コミュニティの姫という感じかな。(若干失礼)
でもまだ見ぬ蜂達の女王様より惹かれる。

そんなに怖い顔をしないで。
【コミュ力】【言いくるめ】で口説く。
…なんてね、これは僕に気を逸らす作戦だよ。

リミティア、ナイス拘束。まるで茨のお姫様だ。

僕の攻撃は剣、エウトティアと連携
凛花、応援ありがとう(ウインク)

最後にUCで回復と同時に虹を作ってカップル達へ祝福。
「人の恋路を邪魔してはいけないよ
可愛らしい君の価値をも落としてしまう」

※どこかでWIZ技をこの身で受けたい。僕の反応はお任せするよ
※アドリブ大好き&楽しみ。追加省略アレンジもご自由に。


リミティア・スカイクラッド
【依頼掲示板前広場】で参加
とんだ八つ当たりですね。少し大人しくしてもらいましょう

敵の八つ当たり攻撃から「かばう」ようフェンリルに命じながら
【魔女の禁呪】によって強化した【魔女の薔薇】を発動、無数の茨で敵の拘束を試みます
「今のうちです、皆さん」
その後は可能な限り茨の拘束を維持したまま、薔薇の花弁によって攻撃
味方が仕掛ける隙を作りましょう

他人の恋路を邪魔する者は、馬に蹴られて何とやら、という言葉があります
ここに馬はいませんが、あなたにも相応の報いがあるべきでしょう
容赦はしません。あなたにはこの薔薇の茨すら断ち切れはしない


三原・凛花
【依頼掲示板前広場】で参加。

本当に只の八つ当たりとは…
手下への労いもないし、これはちょっとお仕置きしないと。

【呪詛の篝火】15個でエウトティアさんの風と合わせて攻撃し、リミティアさんの【魔女の薔薇】が決まるよう補助。
残り10個はれにさんの≪エペ ド ルーン≫に纏わせエンチャント。
拘束後はリミティアさんを【愛し子召喚】で呼んだ『息子』が【かばう】。

それと敵がれにさんにWIZ技を使ってきたら、その隙に『娘』を敵に憑依させる。
で、娘に敵の記憶を乗っ取らせ、その忌まわしい記憶の【封印を解く】!
トラウマを蘇らせ、【傷口をえぐる】。

キツイお仕置きかもだけど、最後にれにさんが慰めてくれるんだし我慢しなよ。


エウトティア・ナトゥア
チーム【依頼掲示板前広場】で参加。

八つ当たりで他人の恋路を邪魔していたのかのう?暇なことじゃな。
きっとお腹が減っているから怒りっぽいのじゃ。
(そっと干し肉を差し出し)これお主、これでも食べぬか?

(拒絶されたら)お肉を粗末にするとは許しがたい暴挙じゃ。
…お仕置きじゃな。

(拘束された『キリ』に対してレニー殿と連携攻撃)
おお、リミティア殿ようやった!レニー殿も動き出したようじゃし、わしは矢に風の錐を纏わせて【狛犬のような自動砲台】を射て【援護射撃】するのじゃ。
(ついでにマニトゥをけしかけ)マニトゥ、彼奴が動けぬうちにレニー殿と一緒にお仕置きしてやるのじゃ!



 さて、この八つ当たりに全力な怪人に、猟兵達はまずどんな言葉をかけるのか。
「なんて可愛らしいお嬢さんだ、コミュニティの姫という感じかな」
「ハァ?」
 琥珀川・れには予想を裏切らずキリちゃんを口説いた。流石みんなの王子様レニー、ここまで全くブレない。
「きっとお腹が減っているから怒りっぽいのじゃ。これお主、これでも食べぬか?」
「いらないよ!」
 エウトティア・ナトゥアが優しさいっぱいにそっと干し肉を差し出せば、キリは苛立ったまま尻尾でパシーンとはたく。危うく地面に落ちる干し肉だったが、リミティア・スカイクラッドがナイスキャッチして事なきを得た。
「とんだ八つ当たりですね」
「お肉を粗末にするとは許しがたい暴挙じゃ……!」
 リミティアが干し肉をエウトティアに返す。ふるふると怒りを露わにする巫女姫の隣で、三原・凛花がそっと頷いた。あの少女の原動力は本当にただの八つ当たりなのだ。
「手下への労いもないし、これはちょっとお仕置きしないと」
「ボクにお仕置き?なにそれ、猟兵ってそんなに偉いワケ?ムカつくムカつくムカつく!」
 キリが3人に攻撃を仕掛けようとしたところで、サッと間に割り込むレニー。
「そんなに怖い顔をしないで、可愛い顔が台無しだよ」
「あんたさっきから邪魔なんだけど!ボクが怒ってる理由わかってる!?」
「わかっているとも、寂しいんだろ?」
「違う!」
「違わないさ、その瞳の奥に潜んだせつない光が、僕には見えるんだから」
「ああもうほんとにうっざーい!!」
 ウフフアハハとのらりくらり話を続けるレニーに、キリの意識が完全に逸らされている間。リミティアの赤い宝石剣が瞬いて、棘纏う茨と薔薇の花弁へと変化。同時に、凛花が黒く濁った焔の群れを静かに召喚し、キリの足元目掛けて茨の蔓が焔と共に飛びかかる。
「痛ったーい!なにするのさ!?」
 両手足に絡みついた蔓は力強く、キリが少女らしからぬ怪力でじたばたするも、一向にその拘束が緩む気配はない。
「今のうちです、皆さん」
「まるで茨のお姫様だね。……さ、少し痛いかもしれないけど、我慢しておくれ」
 あいい瞳で冷静沈着に茨を操るリミティアの掛け声を合図に、レニーがウィンクを送りながら魔法剣で斬りつける。剣には凛花の篝火が宿っており、肌を焦がす嫌な匂いがほんのりと漂った。
「わしらも行くぞ、マニトゥ!彼奴が動けぬうちに、レニー殿と一緒にお仕置きしてやるのじゃ!」
 聖獣の巨狼は大きくひと吠えしたあと、主の命令通りレニーの背後からキリへと迫る。素早く駆けたのち、少女の腕をガブリ。
「キャアアア!?いた、痛いじゃん離せよバカイヌ!」
 殆ど半泣きになりながらようやく茨の拘束から抜け出るキリだったが、更に襲いかかるのはエウトティアの風を纏う弓の援護射撃。狛犬のような形をした砲台を喚びだし、なんとか相打ちを狙うも、レニーと巨狼の猛攻に耐えるのが精いっぱい。
「あなたはもう少し、お淑やかにしてもいいんじゃないでしょうか」
「人の不幸を喜ぶなんて、つまらない人生ね」
 冷ややかにそう呟く美少女二人、リミティアの薔薇の花弁と凛花の篝火が襲いかかれば、殆どの花弁と篝火の群れをまともに喰らってしまう。
 ぜぇぜぇと肩で息をするキリに、レニーが甘く囁く。
「どうか、優しい心を思い出してくれないか?」
「んの、いい加減にしろッ!!」

 バッチーン。

 レニーの頬に、キリちゃん怒りのビンタが炸裂した。響き渡る破裂音、これは痛い。どうするレニー、いくらなんでも14歳の女の子だ、泣いちゃわないかな。
「……ふふ、お転婆なところも素敵だね。君の魅力は無限なのかな」
「なんなんだよお前ー!!」
 レニーは微笑みを絶やさなかった、叩かれた頬はひりひりと赤く染まっているが、キリの腕を掴んで離さない。同時に、その微笑はいつの間にか見物していたキマイラ達のハートを奪っていた。
 一方ビンタした側のキリがもう片方の手で再度ビンタを喰らわせようとした瞬間、彼女に変化が起きる。
「な、なに……や、いや、やめて、いやぁあああ!?!?」
 顔色を真っ青に、わなわなと震えだす狛犬少女は絶望の表情を浮かべる。その姿に、凛花がぽつりと呟いた。
「あなたには、『何があった』のかしらね?」
 凛花が喚んだ幼い我が子の霊がビンタの最中にキリに憑依し、彼女の忌々しい記憶の扉をこじ開けたのが原因である。
 ふらふらと蹲るキリに再び迫る茨の蔓。他人の恋路を邪魔する者は、馬に蹴られて何とやら。
「ここに馬はいませんが、あなたにも相応の報いがあるべきでしょう」
「そうじゃよ、お主も自分の幸せをしっかりと見つめ直せば良いというのに」
 トラウマを刺激され過ぎたのか、容赦ない茨と巨狼の攻撃と、リミティアとエウトティアの言葉を受け流す余裕もないらしい。
「人の恋路を邪魔してはいけないよ。可愛らしい君の価値をも落としてしまう」
 少しだけ表情を曇らせたレニーが優しく語りかけ、天に捧げられた赤い涙を空から降らす。その時、あちこちからレニーによる祝福の鮮やかな虹を見たキマイラ達が、SNSや動画サイトにアップしたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ステラ・アルゲン
カガリ(f04556)と参加
アドリブOK

八つ当たりで人の恋路を邪魔するのは良くないと思いますよ、お嬢さん
というか八つ当たりする必要があるのですか?
あなたはとても可愛らしいですよ【誘惑】
この私が恋人に立候補したいくらいで……

あっいやこれは違うぞカガリ
ちょっと敵を油断させるためにやっただけで深い意味はない!
とにかく縁を切られるのは嫌だな
特にカガリとの縁は!

攻撃が当たりそうならカガリに任せる
【ダッシュ】と【見切り】で攻撃をかわし
大技を【フェイント】で誘い空振りした所を【流星一閃】

我が剣は願いを斬る
縁を切るという願いごと斬り捨てる!

ところでカガリこの後なんだが、い、一緒に甘い物でも食べに行かないか?


出水宮・カガリ
※アドリブOK
ステラ(f04503)と

まあ、まあ
そう無闇に切るだの何だの、よくない、よくないぞ
八つ当たりでステラとの縁まで切られても堪らないので、そこはまあ…
この盾で以て、その願いを拒絶させてもらうが

ふふふ。わかっている、わかっているとも
しかし、小回りがきいてすばしっこそうだなぁ…
【不落の傷跡】【拒絶の隔壁】で強化した【鉄門扉の盾】を構えてはおく
念動力も使って可能な限りステラへの攻撃を防ぐが、潜り抜けられた時はステラを囲う形で真の姿を発動、金屋根の城門の姿で手刀を受け止め【駕砲城壁】を
攻撃はステラに任せるな

少女を口説いた口で、カガリを誘うとは
しっと、しておくべきか?(楽しそうに・誘いは受ける)



 4人の少女に踏んだり蹴ったりな目に遭った縁切り少女に立ちはだかるのは二人の騎士。そのうちの一人、ステラ・アルゲンは迷わずキリ近付き、青い瞳で金の瞳をそっと覗き込む。
「八つ当たりで人の恋路を邪魔するのは良くないと思いますよ、お嬢さん。というか八つ当たりする必要があるのですか?」
 中性的な麗人の甘い囁きは、先程の騒ぎを聞きつけ更に増えた見物人のキマイラ達を一斉にときめかせる。
「あなたはとても可愛らしいですよ、この私が恋人に立候補したいくらいで……」
「またその手!?ボクが引っかかるとでも思ってんの!?」
 きゃんきゃん吠えるキリと誘惑し続けるステラを、どこかのほほんとした表情で見守るのは出水宮・カガリ。
「まあ、まあ。そう無闇に切るだの何だの、よくない、よくないぞ。八つ当たりでステラとの縁まで切られても堪らないので、そこはまあ……」
「あっいやこれは違うぞカガリ!ちょっと敵を油断させるためにやっただけで深い意味はない!」
 慌てふためくステラに、くすくすと小さく笑みを溢すカガリ。
「ふふふ。わかっている、わかっているとも」
「あんた達さてはバカップルだな!?」
「違う!!」
「ひっ」
 二人の空気にブチギレたキリが吠えたものの、秒速で全力否定するステラ。小さく悲鳴をあげるキリちゃん、ちょっと可哀想。
「と、とにかく縁を切られるのは嫌だな!特にカガリとの縁は!」
「その通り。この盾で以て、縁切りの願いを拒絶させてもらう」
「ほんっとムカつく!あんた達の縁だけは、絶対ぶった切ってやる」
 流星瞬く剣と縁切りの娘が駆けだすと同時、亡都を護った扉は素早く盾として動き始める。軽やかに身を翻すステラに、それでもキリの猛攻が届く瞬間があれば、カガリの盾が隙を作らせない。
「どいてよ、ボクはそっちの白いのからぶった切るんだから!」
「そういう訳にはいかないな」
 ならば、と身を低くした狛犬少女は四つ足でカガリの盾の真下を駆け抜け、一気にステラの背後へとまわる。
「死んじゃえ!」
「させないと、言っただろう」
 少女がステラの背へと手刀を振り下ろした瞬間、カガリが盾を放った。
 守るべきものを背にした時、このヤドリガミは襲いくる脅威を駆逐する。それは彼の生き様だろうか。
 それは金屋根の古めかしくも雄々しい城門の姿で、白い騎士への攻撃は光弾と成り少女の元へと跳ね返る。
「くっ」
 光弾をまともに受けたキリが胸元を自分の腕で守った時、ステラはそのチャンスを逃さなかった。
 戦うべきものを前にした時、このヤドリガミは迫りくる強者に立ち向かう。それは彼女の目標だろうか。
「我が剣は願いを斬る、縁を切るという願いごと斬り捨てる!」
 それは天駆ける一筋の流星の如き斬撃。音もなく断ち切ったのは、少女の頭上に生えた角。からんからんと音を立てて転がり落ちた角を見て、キリは目を見開く。
「あ、え、嘘……あ、あああああッ!?」
 自分の一部を断たれたことを目の当たりにした時、斬られたことを自覚したキリは酷い痛みに苛まれ、その場に崩れ落ちる。
「少しは、女性達の傷ついた心の痛みがわかったでしょう」
 ステラは流星剣を下ろすしてから、きり、とした端正な表情を別の意味で強張らせる。
「ところでカガリこの後なんだが……い、一緒に甘い物でも食べに行かないか?」
「少女を口説いた口で、カガリを誘うとは……しっと、しておくべきか?」
「なっだからあああれは違うと!」
「ふふふ。わかっているとも、ああ、食べに行こう」
 ひっくり返したようにうわずる声で慌てるステラに、カガリはもう一度微笑む。キマイラ達はそんな二人に優しい眼差しを向けている。
「消えろよバカップル!!」
 角を失ったキリちゃんがもう一度吠えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

襲祢・八咫
やれ、癇癪のようだなあ
それも、随分と身勝手な言い分と来た
幸いを運ぶものとして、きみの縁切りとどちらが強いかぶつかってみるとするか

来い
喚ぶは三本脚の大烏
日輪の火を宿すそれを【属性攻撃】で強化
より強き火を、妬み嫉みも全ては白日の元へ
日輪を纏う羽ばたきの【衝撃波、破魔、2回攻撃、なぎ払い】で攻撃がてら、敵の意識をおれから逸らそう
烏に任せても構わんのだが
……人の子の縁を理不尽に切るような所業は、おれの存在的に少しばかり見逃せんのでな

天國烏へ日輪の火を纏わせ、【目立たない】で烏の攻撃で出来た死角から狙わせて貰おう
おれは烏なのでな、正々堂々だけが手などとは言わんよ
烏は狡賢いものと、相場は決まっているのさ



「やれ、癇癪のようだなあ。それも、随分と身勝手な言い分と来た」
「ぐ……あんたも、ボクを怒らせたいの?」
 吉兆を呼ぶ根付に宿る襲祢・八咫が見つめる先には、負傷しながらもまだ瞳には光を宿したままの縁切り少女キリ。とはいえ、身体も心も既に折れている気配はする。
「そんなつもりはないが。まぁ、君がそう思うなら、そうなんだろうな」
 幸いを運ぶものと、縁切りを迫るもの――さてどちらが強いか、一勝負。
 来い、と一言、八咫が喚んだ。宙に浮かぶ日輪が刻まれた魔法陣は煌々とひかりを湛え、静かにその中から現れたのは三本脚の大烏。
 魔法陣よりも神々しく陽の光を纏う大烏は、光をより強化され眩しく輝く。
 ――より強き火を、妬み嫉みも全ては白日の元へ。
 その姿を見た見物人のキマイラ達から零れるのは感嘆の声。
 目がくらむような太陽の輝きを睨みつけながらも、狛犬少女は体勢を立て直し八咫へと飛びかかる。
「はん、さしずめヤタガラスってとこ?そんなの、ボクからしたら文鳥みたいなものだよ!」
「ほぉ、言ってくれるな」
 主を守るようにキリの前に立ち塞がった大烏は、烏とは思えぬ澄んだひと鳴きのあと、日輪纏う羽ばたきはぶわりと音を立て、膨大な竜巻を生み出す。
 呪詛を追い払う加護の力は、キリの負のまじないを須らく薙ぎ払う。
「邪魔しないでって言ってるだろ!?」
 キリは大烏相手に果敢にもビンタを喰らわせようと飛び跳ねるも、その掌は羽ばたきによって届かない。舌打ちする少女の目に映るのは、既に陽光の具現化のみ。
 普段ならこのまま大烏に任せても構わないけれど、八咫はとろける眼差しを、するどく細める。
「……人の子の縁を理不尽に切るような所業は、おれの存在的に少しばかり見逃せんのでな」
 美しい刃紋を描く刀に、日輪の焔を纏わせる。大烏に気を取られている少女に、その姿は見えなかった。
 ズバン、と浴びせられた一太刀に、少女は一瞬呆気に取られてから悲鳴をあげる。
「やっ……な、ああああ!?」
 ずる、と血に塗れた片腕は、見ていたキマイラ達に千切れてしまったのではと錯覚させる。
「おれは烏なのでな、正々堂々だけが手などとは言わんよ」
 八咫はゆるりと笑み、もう一度太刀を振るう。
「これで最後だ、縁切りの狛犬」
「くそ……ボクは、ボクは……ッ」
 ――烏は狡賢いものと、相場は決まっているのさ。

 ついに少女が斃れ、静かに光の粒子となって消えた時。
 周囲のキマイラ達はその光景をぼうっと眺めてから、はっと再び猟兵達の雄姿を映像に収める。そうして安全が確保された途端、猟兵達へと群がっていくのだった。

 偽物占い師による失恋騒動はこうして仕舞いとなり、キマイラ絶滅作戦は不発に終わった。
 しかしそれから暫くの間、キマイラフューチャーでは、猟兵占いという新ジャンルの占いが微妙に流行ったとか、流行らなかったとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月31日


挿絵イラスト