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焦土

作者：にゃあら

●茫々たる焼け野にて
　メェー。メェー。メェー。
　間の抜けた言霊（なきごえ）はたくさんと重なり、蔓延ったのは試練で在った。それは人間、特に『つよい人間』を惑わせ、嘲笑い、敬う渦巻きの再誕（はじまり）と謂えた。垂れ流すかの如くに放電（ノイズ）がおどり、ただ眼球の有無を問うてくる。
　嗚呼、人類、蛮勇たる連中よ。来るべき『大いなる戦い』に心せよ。蠢動したスーサイド・ごっこがよくある銀河へと投げ込まれて往く。そろそろ幕開けと成そうではないか、何物か、おそろしい創り方が誘っていた。

●グリモアベース
「貴様等――死ぬ準備は出来たか？」
　グリモア猟兵、ロバート・ブレイズの声色には『神意』『真意』が宿っていた。しかし此処で猟兵（きみたち）は引くわけにはいかない。何故ならば予知（み）えたのは『完全なる邪神』、これを放っておく事は赦されないのだ。
「星辰正しき時に完全なる邪神は現れ、大いなる戦いが始まると謂う。ならば逆転の発想として、此方が先に『完全なる邪神』を発見し、一体でも多く殺すべきだと思わないか？　此処に棲家たる『超次元の渦』に至る鍵、つまりは書物がある。開いてしまえば残るは地獄だ。あとはわかるな……よろしい」
　にんまりと嗤ったグリモア猟兵は息を整え、もう一度猟兵（きみたち）を見た。嗚呼、歴戦の面ではないか。話を続けよう。
「完全なる邪神は『形態変化』する。第一形態では無数、一個一個が『通常の邪神と同程度の強さ』だ。各個撃破を狙わなければ苦戦は必死、気を付け給え。続けては第二形態、これは融合とでも表現すべきか。第一形態の際に倒せば倒すほどに弱体化する。しかし油断はするな、強大である事に変わりなど無い。そして第三形態、脱皮後なのだが……【先制攻撃】に気を付けろ。対策しなければ致命的と知れ――素晴らしい。それでは鍵を使うぞ、貴様等の存在に物語（シナリオ）在れ」
　グリモアが輝いて。

第1章 ボス戦 『『シープ』』

POW   :    自傷性帯電幻象 【凝縮体を構成する塵からの放電による幻覚】を披露した指定の全対象に【自身を恨み、憎み、傷付け殺したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。 SPD   :    塵雷凝縮顕現体 【凝縮体】に変形し、自身の【無敵性】を代償に、自身の【幻覚能力】を強化する。 WIZ   :    完了型消失憧憬 【静電気を纏う塵】を降らせる事で、戦場全体が【かつて自殺した者の心象風景】と同じ環境に変化する。［かつて自殺した者の心象風景］に適応した者の行動成功率が上昇する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

　超次元の渦――飛び込んだ先に茫々（あ）ったのは焼け滅んだ世界（もの）だった。色とも思えぬ色が蔓延る中、数多のシープが猟兵（オマエ）等を見つめている。死んだ方がいい。はやく手首足首を傷つけてくれ。この身投げこそが生命の悦びだ――自殺（スーサイド）と称された神の化身が、ただ囲むように鳴いていた。
　メェー。メェー。メェー。
　メェー。メェー。メェー。
　メェーメェーメェーメェー……。

　無限量の如くに顕現する第一形態、その無敵性を如何にして剥ぐべきか。君達は覚悟を決めて『絶望』と貌遭わせする。嗚呼、消失を乗り越えて魅せよ。


　焼け野原には不相応な、ただ襤褸い棺（ひつじ）が鳴いていた。メェメェの隙間を縫うかの如く漏れていたのは「御臨終です」――悉くが抗えない、自分自身へのナンセンス――嗚呼、今直ぐにでも身投げして終いたい。彼方（あ）の聳え立つ、緑色の炎（トゥールスチャ）の裏側で腐れ死にたくなるのだ――それが如何した。絶望に対して突き付けるべきは『望むところ』だ。結末は羊狩り、もこもことした綿毛（もの）を剃り尽くすと好い。
　莫迦々々しいほどに世界は絞殺領域だった、器（からだ）から解き放たれたアストラルが植物の代替品（かわり）と見做されている。そんな渦巻きの中心にぽたりと催眠術（しょうき）、焦土と称えられた過去に突き付けろ――この紛い風情が、這い蹲れと。
　鍵盤（しろくろ）ハッキリと分別（わ）ける事が出来たならば残るはジンギスカン、群れの撹乱には大神（おおかみ）が望ましい。閃け紅、塑の姿形を捉えてくれ散り々りの花弁。要するに、後悔先に立たず、後の祭りに現れたミート・スープだ。たとえ実態がなくとも無敵性（ラーン＝テゴス）に驕った阿呆の末路だ、一体、いったい、召されていく。
　堅実に減らしていくのも芸が無い――空をおどる猟兵（オマエ）はまるでカミカゼ、囮としての紅雷（きら）めきが刻印（しるし）を描いていく。さぁ、銀河の中心には何が『降臨』する――希望のお通りだ、陳套（ころも）を重ねるのは骸の海の中でも問題はない。顕現したのは終末（おわり）そのもの。純粋な嵐（ぼうりょく）が沸き立った。
　遍く刈り取ってやるとしよう――まさしく神罰、羊飼いの※※※に落とされたのは不幸だったのだ。可視（み）定めた時点でもう遅い、六番目の喇叭は吹かれたのだ。火と煙と硫黄がのぼる内、シープはうらめしく嘔吐（ノイズ）と共に。

成功 🔵​🔵​🔴​

　狡猾な蛇（じゃ）が啜ったのは果たして本当の血液（ジュース）だったのか、咽喉の渇きを覚えた猟兵（オマエ）はたくさんの質疑（ひつじ）を見つめていた。いくら羊でも、こう蹄が喧しいと夢見が悪そうだ。そっくりそのまま台詞（ことば）を返してやろうと焦土（やけの）、自棄に陥（な）ったかの如く緑（トゥールスチャ）を腐らせたのか。おや、此方へ羊が一匹――ばっくりと裂けた目の玉だ、この彼方（さき）根っこに注意――ノイズか静電気か小気味良いが、乾燥の季節というやつか？　それにしては詐欺師（カオス）が不足している、皸には軟膏が効果的だ。しみるしみる、隙間（われめ）にとおす。
　鎖（アフォーゴモン）ごっこよりも本物（グレイプニル）を巻いてくれ、撒き散らかされた無敵性も『手放し』に称えられたら届く術もない。嗚呼、放電（じさつ）なら勝手にしてくれ。ただの接地（タッチ）だ――絡みついた憤怒（ニーズヘッグ）にヘッジホッグのジレンマひとつ。オマエは何を幻覚（み）て異たと謂うのか――執るべき棒状が何処かに失せて終っている。知覚端子（アイ）に紛れてもっと背後（うし）ろへ。
　鉄格子（さく）を軽々と跳び越えたスーサイド群贅、特製の鍋に横たわれば永眠（かいみん）だろうか。ああこれもNo-hair theoremの概念だが、程よい縁（つな）がりを感じないかね？　これじゃあひどく一般的（ヘルヘイム）だ――楽園（ヴァルハラ）は何処だい？　刈られた一匹（シープ）は地平線（ポケット）へ。
　一匹でも二匹でも、貌を認識（げ）せねばツルりと同意。
　黒山羊（ダークヤング）でも白山羊（サルガッソー）でも手紙をもしゃるなら同じ事、どっちも墜落死（ばいばい）ゲームの犠牲者なのだ。どうせ焦土（あっち）でも仲良くやってるさ。次の羊泥棒へ――人間でもそうそう見ない？　邪神でも葬々見て見ぬフリか。羊欲しさの夢に出現（で）た、誰かさんの名前はハイタ――排他の所以は、嗚々、マトン、非物質的な業なのか。
　悪魔が人類に与えた方程式、脳味噌が気絶（の）びて久しい。

成功 🔵​🔵​🔴​

　過去と呼ばれる心傷（キリキズ）が綿菓子の真似事を為すのは何故だろうか。シンプルなまでの白がバチバチとはじけ、偏見的な深淵（ふか）みを創造（つく）り換えていく。変質し続けた結果はどこぞの傍観者（うろ）にも覗（げ）せなかった領域だ、こんなトコまで来て羊狩りとはね――莫迦にしてくるハイタが如何しようもなく救われていない――無敵の毛皮とやら剥ぎ取ってやるとしようか。あの美しい登場人物（ひと）の名を教えてくれ、紳士（オマエ）はそんな台詞（こと）など嘔吐（は）かないだろう。儚い瞳（め）に映り混んだ焦土（せかい）が飛び降り自殺ごっこを認めていた。
　何度も、何度も、マイナス感情と呼ばれる、地獄篇（ページ）を手繰っていたのだ。辺獄（リンボ）の成り損ないがつらつらと果てを描き、孕み難いほどの誤認（あやま）りをこぼしていく。情けなく、ひどく弱い自分の生きる価値、その、ナンセンスなまでの自虐性が足跡（あと）についてきた――だから、あれらは過去（むかし）と告げている。黒銀（ほのお）が昇る、留まるオマエはいない。
　見出すべきは胸中、どくどくと未だ笑っている臓物（ふ）に違いない。顕現したのは終末論（アンゴルモア）――つまり悉くは杞憂である――串刺しだオマエの腐れた精神（シナプス）、今の俺（あんた）の考えを隅から隅まで伝授（つた）えてくれ。死に逃げた所で後悔を拭えはしない。あの世で跪くよりこの世で泥水啜った方が愉快（マシ）だろう――全ては格好がつくか否か、こたえは必然的に決定（さだ）まって異る。
　吼えろオルトロス――紫雷（エネルギー）の弾丸がシープの血肉（うそ）を焦がしていく。幻覚（ゆめ）を喰らった獣（うつつ）がBlack Jackに微笑んで魅せた。
　牧羊犬にしとくには俺の愛犬はちょっとばかり優秀過ぎるぜ――見せつけるかの如くにガン・スピン、銃身（ほほ）に触れてくれよオマエの果実（くちびる）。

　皮と肉まで棄てる部位なし、人も羊も同列なのか。

成功 🔵​🔵​🔴​

　泥雲（くも）の真下に出現した、異常なまでに膨張した胎（つき）が回転している。それを見上げる紫は如何にも平行線（シンプル）で、異次元を観察する摩天楼（いえ）の如くか。第一形態の邪神はとってもシープに違いなく、このまま凝視しているだけではチープと称されても仕方がないか――彼等が生贄と思えてきてたまらない、これではまるで悪魔召喚の為の新鮮（おにく）ごっこだ。これホントに倒して大丈夫？　なんとも言えない不安（マイナス）が脳味噌縛してきて腹立たしい。逆に第二形態が強化されたりしないだろうか――抹消、のたうつ重（もの）を振り払って「なるほどなー」の一言、結局は信じて撲り続ける他にないのだ。化け物で在れば在るほどに神の意識が宿って往く。
　ただ慈悲深かった666を殺すのに『無』をつける事は容易だろう、赤子を抱いた悪魔（ばけもの）に容赦なく名称（いま）を叩き付けろ。羊だからきっと獣！　邪神でも何でも獣なのです！　とりあえず狙えよ頭部破壊、このような弱点に衝撃（げき）を鳴らせ！
　戦槌（ハンマー）、鐘を壊すかの如く殺意（おも）いを籠めて、ガンガンと響き渡る漿液（まぼろし）の行き先は無限量なのだろうか。頭蓋の内で跳ねてはじけた、たくさんの🌈（キラキラ）、嗚呼、もう悦ばしいほどの祈祷文（ギオン）だ。邪神が視る世界は僕らの世界と同じなのか――沈黙のシープなんてお鍋の淵っこがお似合いだ。
　喋らないならこれはただの羊で獣なのでは？　ふわりと浮かんだ結論（かじつ）が嬉々とした悪鬼（オマエ）を奮わせていく。だったらいくらでもイケルイケル！　自傷行為で発散するよりも暴飲暴食、牛と馬と鯨と羊、解体してしまえば遠目。
　ぜぇんぶ混沌（カオス）に乱（そろ）えて刺身だ、油差しの傾き加減は上々。夢の中での可塑性が大惨事を引き起こしていた――マトンは再生しない。だから言の葉を持ち合わせていないのか、何度目かの確認（なるほどなー）。

成功 🔵​🔵​🔴​

　黒山羊（ダーク・ヤング）と表現（えが）くには冒涜性が不足している、イカレた具合に磔刑（はりつけ）た、曰く言い難い頭（おつむ）が働いて往く。ああ、面白い。愉快いねェ――スーサイドが大好きな兎さんの真似事したシープだ、それともゴートの大笑いに悪魔を焚きつける――電気羊か黒山羊（バフォメット）か？　奇天烈（ハギス）ごっこの残骸（シケモク）で獣を退けるなどと勿体ない。ドッチだろうが構いやしないケドね。バアム・クーヘンの造り方に等しい焼き加減だ、ケバブにするにゃ大差無いだろ――燃えた、燃えた、何が触れた。そんな現（ゆめ）を邪神（かみ）に祈ったって変わる筈もない。
　棄《し》ぬ準備――譜面（がくふ）を捲る事に疑問を持てない指揮者（じんぶつ）なのだ、如何して冷酷（つめ）たさに杞憂（おも）いを抱けよう。あァ――ひどく盲目白痴（アザトート）の戯言にふたつ返事「悪ィが忘れッぽいンでね」――何処かに落っことした覚悟とその他、恐怖なんて玩具（もん）は箱庭（はこ）の底でやってくれ。なァに。その分は彼奴らから猟《か》りるンでノー・プログレムさ。捌く為にやってきた猟師、素晴らしくも世界は赤頭巾（ぬのきれ）諸共に顕現（あら）われた。
　羊が一匹、羊が二匹、羊が※匹とねぼけた脳味噌（シナプス）で理解している所以（いみ）はない。殲滅戦理論（おことば）は疾うに古典かもしれないがね、そろそろ鍋奉行（ほんもの）を呼び込むと好い――悦ばしきかな眼鏡に適ったただの一文字、この手の類（けもの）は鏖に限ってくるのだ――相場が決まッてンだろ。貌（つら）を遭わせた神性（トゥルー）な終末、つまらねぇ地獄にはちゃぶ台返しがお応えだ。
　こう見えてアタシも存外ハッピー・エンドが好みなンでね。嘔吐（は）き散らかした弾丸（なまり）の雨、もらいそうな血腥（くさ）さが覚醒（おくすり）の模倣（なら）い事か。明日への贄は手前ェらで大団円（デウス・エクス・マキナ）、ウィッカー・マンも真っ蒼なB級映画（チープ）共には上質だろう。とっとと打ち切ってラヴ・ロマンスでも流してな――さァ、狼《かみごろし》の御通りだ。大神（パン）喰い競争に魔笛（ホイッスル）。
　貴様等（おまえ）の大好きなボーリング大会が開幕（はじ）まった、人から外れた怪力（ちから）の儘に羊毛（フェルト）の奥皮（おく）を穿っていく。どこぞの焼き鳥感覚でくだらない御呪いを退けていけ――それじゃあ勿体ないと思わないか――一寸の狂（おあそび）もワンエイスの渦、戸口を叩いた化け物（フリークス）の正式名称を答えよ。
　自傷行為（ナイフ）が垂らした激痛耐性（カタルシス）の濃厚な味わい、泥濘（ぬかる）んだ感覚がわずかな遅れを認識させてくる――魔女の夜《サバト》にゃ、ちと疾いが――文句を反芻（リ・バース）するクソガキはいない、故に――保証（しる）された結末（エンディング）が踊り馳せる、地脈（みゃく）打った爆炎（ほむら）が舌鼓（どん）と嗤った。あァ、焼き加減の好みは応えられないがね――最後にくたばった幻象（ひつじ）は鳴き方を忘れていた。こうヤッて亡くンだよ。
　――メェ、メェ、メェ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　猟兵（オマエ）の眼窩に埋め込まれたのは、半永久的（おぞまし）いほどの数、自殺者の味わってきた苦痛が浮かんでいた。刹那に拉げた頭蓋やぼきりと砕けた頸椎苦しみ歪んだ内臓その他、嗚々、これらを自ら啜れると為すならば『ずぶずぶ』と這入っているのも悪くはない――しかし死んでしまうなんて勿体ないとは思わないか。彼女も彼等も息絶えて終っては『この歓び』を享受出来ない。そう、悉くの垂れ流しは生かされる為に存在（あ）るのだ――おそろしいまでの善意がお裾分けを望んでいる、シープは啼いていた。
　可愛らしい女の子の腸には刺々しい地獄（ぜつぼう）が相応しい。内側からもれるような感覚（いた）みが数多（ひつじ）に伝染（うつ）っていく。それを表現するならば『お互いが俎板の上』だ。はじけてとんだペロペロキャンディ、色を失うのも当たり前だ。
　のたうち回った柔肉（からだ）のなんとも腥（いと）しい姿（こと）か。首飾りの真似事をした腸々がネクタイごっこを愉しんでいる――真実なのか夢の中なのかを確かめてくれ、勿論、全ては前者で在るべきだ――小さな悲鳴が吐息に変わっていた。
　悪食なオマエに最適な環境下でジンギスカンが振る舞われて異る。見てはいけないものを見たくなるのは知性的な生物の本能とも言えよう。酔っ払った演技（フリ）が上手いのだな、ノン・アルコール中毒。パンとワインの混濁（にご）りに乾杯！
　気付けやしない癖の強さに神様が苦笑（わら）うのか、潜在的な怪物（モンスター）、中身を鞭に入れ換えておけ――子犬は抉られるのが好きらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

第2章 ボス戦 『『暗黒面客将』ナイ・アルアー・ト・テフ』

POW   :    『無貌の神(フェイスレス・ゴッド)』 自身の身体部位ひとつを【顔のない黒いスフィンクス】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。 SPD   :    『輝く多面体(シャイニング・トラペゾヘドロン)』 【負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【無数の死した宇宙の遺骸で出来た多次元牢獄】から、高命中力の【牢獄へ引きずりこもうとする邪神の触手】を飛ばす。 WIZ   :    『闇に囁くもの(ウィスパ－・イン・ダークネス)』 戦闘中に食べた【他者の負の感情】の量と質に応じて【『白痴の魔王』の力を借り受け】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　自殺者（シープ）の森を抜け出した猟兵（オマエ）は当たり前のように『そこ』に存在（あ）る、面白くもないお約束に衝突（ぶちあたって）いた。融解（と）けて混沌（ま）ざった焦土には、ただ、暗黒面（ダークネス）が浮遊（あそ）んでいるのか。いかれた獣に舐られた手の甲から――燃える三の眼は再来する。
　人の心とはこんなにも『パズル』に適しているのか。人の脳とはこんなにも『ケーキ』に適しているのか。呵々、と嗤うスフィンクスは謎解きよりもごっこ遊びが好みと視えた――輝く多面体が不機嫌そうに玩具（オマエ）を覗き込む。
　――人で在る限り彼等を完全に斃す事は難しい。


　一期一会（あまずっぱい）雰囲気（もの）を味わう事は神に赦されていなかった。伽藍洞と称される納骨堂（ひつぎ）から破（は）み出ているのは合成獣（わにあたま）に違いない。たくさんの心臓（ぞうふ）に餓えている貌（さま）は哀れにも偶像（アイドル）の真似事で、佛の面を真っ黒に濡らしているに過ぎない――やぁ三ツ眼、ご無沙汰だね！　猟兵（オマエ）の貌（つら）など知らないと暗黒面（クローバー）がふざけている、性懲りもなく顕現（あらわ）れた紛いに相応しい滑稽（おか）しさだ。そんな有無など如何でも好いと一蹴してやれ――一周（ぐる）りと焦土（いま）に見渡して、さぁ、殺すべき鬼面像（いしあたま）を定めてやれ。それらはオマエにとっての不倶戴天で、嗚呼、マイナスへの渦巻（あなぐら）が創られて往く。そろそろ証明して魅せよ、死骸（むくろ）が宣（しゃべ）るな――病的かつ冒涜的な、忌々しい混沌とした惰性（あくび）を糺せ。
　触れ、障れ、嘲笑（わら）う事など、死した宇宙（コスモ）風情が烏滸がましい。輝く多面体（シャイニング・トラペゾヘドロン）から涌き出た牢獄（にお）いは時代旧れの支配者（うそつき）でしかないのだ。こんな贋作（ゆめ）程度に奥の手を扱（つか）うなど未だ尚早――明解なほどに瞬いた第六感（かんかく）が凄まじい警鐘（おと）を粘（のこ）していた。
　宙星（てんち）を舞踏（おど）れと双閃（やいば）が走狗（か）け、深淵こそが平等性（うぞうむぞう）だと叩き断っていく。秒間114、放てば零の埒外（ダガー）だ、簡単には避けられない針の筵（りろん）――あのいけ好かないクソ野郎を骸の海に墜とせ！
　纏めて微塵に斬り刻む――祝福されていた百万もの怪物（モンスター）が真実（ほんもの）に喰われて逝く。たとえ千（むげん）を掲げたとしても無限（鏖）とすれば脆い。
　――誰に懺悔しろと謂うのか、トリックスターはやられ方も知っている。

成功 🔵​🔵​🔴​

　滓（のこ）された羊（シープ）は超次元（ハイタ）に導かれ混沌（カオス）の化身（いちぶ）と見做されたのか、たくさんの人の自殺（マイナス）が集ったと言えば頷けも成（す）るだろう。無意識（おそれ）を抱擁（だ）きブクブクと沸騰（こ）えていく暗黒面（さま）は正しく『人では斃し難い』存在の例題（ひとつ）と解せた――これでホントに弱体化してるです？　疑問に思うのも仕方のない事だ、そもそも邪神（あれ）は終幕（ラスト・シーン）に顕現（で）るべき代物（りんかく）――まぁ、それならそれで他の手段で殺（や）ってやるです。悪鬼羅刹が鬼面像（かみさま）相手に退いてはならない、猟兵（オマエ）は異名（べつめい）ドレッドノートだと威勢（ほ）えてやれ――その瞳（め）も『人でなし』の類で在った。脳天を鋭利（や）で弄ばれる未来（ものがたり）は無い。
　契約（むす）ばれた大百足（ちから）と羅刹（ちから）、天地（ことごと）くを震撼（ゆ）らしたのは融合体（きょだいさ）で在った。のたうつ多脚（あし）の暴力性が儘に全身全霊（エネルギー）が爆発（は）ぜて往く――オマエの存在（うつわ）こそが神意（かみ）を殺す殴打（こぶし）だ――喰らいつけ、そこにはご馳走が溜まっていた。牢獄とコース・メニューは＝か。
　イケルイケル――眠気を圧し退けて最後の欠片も胃袋（ぞうふ）へ送れ、龍（ち）で満たされれば邪（てん）はスイーツ、こんなにも嬉しい別腹はないだろう？　降りてきた荒魂（かれ）を鎮める方法など『外来種』には判らなかった。
　何よりも、ただの過去（オブリビオン）は分泌（よだれ）を持たなかったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　宇宙的恐怖（コズミックホラー）の生みの親が何者だったのか、真逆、ナイ・アルアー・ト・テフが知らないとは思えない。Nからpまで悉くが夢の在り様で、それを拒絶する事はたとえ真実でも不可能と謂えよう――それが第二形態（かんぜん）か？　挑発的な微笑（わら）いを見せつけてまじまじと睨（み）た。もうちょっとマシな面を期待してたがな――何もかもがお約束通りで面白さの欠片も無い、這い寄る混沌とは『そういう』ものか？　しかし生憎と猟兵（オマエ）は只の人類でしかない。僅か混じり體（もの）だとしても正気を削ぐ予定（つもり）は無いのだ――化け物を本当に殺す方法を証明（つた）えてやれ。不条理を越えるのは何時だって理不尽だ。他ならない人間の物語（シナリオ）にようこそ。
　無貌（スフィンクス）は問答よりも冒涜（くち）を好んでいた。憤慨（くる）い牙（た）った超次元（うず）のなんとも人間的な様子（さま）、顔らしいものぐらいは作れると主張（い）いたいのだろう――此れでは台無しではないか、理解出来ない存在が理解出来る舞台（じめん）に降りてしまっている。ご丁寧にお辞儀で返してやれ。
　漆黒（くろ）と銀（しろ）を融合（と）かすように猟兵（オマエ）は右腕（ちから）を顕現（あら）わした。大喰らいの宇宙（コスモ）を紙一重で躱し肉厚な『虚無』を神潰す――撲りつけろ殴りつけろ鈍（なぐ）り続けろ――圧倒的な力こそが最終的にものを言うのだ。握り締めた獣（つら）を焦土（やけの）に叩き付ける。
　こんなモンで終わりじゃねぇだろう？　折角祝福（な）した無貌（かお）も歪に々んでは形無しだ、丁寧（かみ）らしかった妖艶さも現（いま）ではマイナスに震えている。ようやく場が温まってきた所だ――ムーン・レンズの戯言がゼリー状の中身を晒している。
　さぁ、第三ラウンドだ。
　――燃える三の眼が鎮まる時、そのヴェールは毀れるのだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

　南緯47度9分西経126度43分の戯言（メェメェ）に焦土（焼け野原）が茫々（ひろ）がるとは妙な現象（こと）で、それ等からの神視点（ねぶみ）は莫迦げているほどに平等（へいこうせん）だ。ジンギスカンの鍋底に敷かれた暗黒面（たまご）が殆ど生まれる前の状態できゅいきゅいと嘲笑（わら）ってくる――これはまた随分と眩しい黒のようだ――完全、完成に近づく無貌（いくせん）が嫉ましくてたまらない。煙草（シケモク）へと這うように添えた唇、可哀想に若干の土留色（つちいろ）か。
　大罪（マイナス）の坩堝へと墜落（お）ちたオマエは何を思考（おも）うのだろうか。弓なりの刃（えもの）を別けて合わせて、伸ばされた腕（カイナ）を振り払うと好い。これで神様との絆（えん）は切れた、ただ鋭利な狗（ばけもの）が褒め讃えてくれて異る――弾丸（なまり）遭ってからで構わないだろう、おや、これでは満足（ホテップ）出来ないのか――死して尚、死ねぬ貪欲さには呆れるばかりだ。手招きされた人間ごっこは愉しさの欠片もない。頭から衝突（ごっつんこ）した此処は牢獄なのか箱庭なのか。
　夢世界（ドリーム・ランド）には異常なまでに尖塔が並んでいた、壁面からしたたる胃液（さんみ）は容赦なくオマエを融かすのだろう。感心するほど堅牢だが、生憎――旧支配者は過去、現在、未来、何処にも存在（のこ）されていた、臭いに気付いた誰かさんは何故に逃れられたと謂う――此方にも鍵はあるのでね。
　邪神（ひとでなし）を斃すには埒外（ひとでなし）で在るべきだ、超越性（エネルギー）を得た先に漸く『舞台上』が証明される。座標（いみ）を燃える三の眼（オブリビオン）に改竄（あらた）め、嗚呼、びゅおん、と刃（あお）が駆ける――。

　一寸の虫にも五分の魂、つまりお椀の中身は空であった。

　捕食の際には胃袋にも用心すべきだ、いつ食材が肚を破るか分からんからな――だから踊り食いはやめておけと忠告したのだ、最も、オマエにそのような記憶・記録はない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　暗黒の奔流（ダーク・ワン）を描写する事は人類では適わない、されど敢えて記すと揮（い）うならば、半液体が模倣（かたど）った蛆虫（ワーム）で在ろう。深淵（ふか）みへとナダレ混む貌（さま）は何処か、造物主（オールド・ワン）への反旗（いか）りとも視えた。等質等価（かがみ）写しの冒涜（おか）し具合のなんとも心地の良い事か。邪神（オマエ）の悪態は常に『つめの甘さ』からくる代物（セリフ）か――さて、ここで唐突ですが与太話です――信じるも信じないも貴方の自由、そんな言辞（ワード）に耳を傾けたのは無貌（カオス）の気紛れで在った。
　テルテル坊主が首吊り自殺した原因をご存知ではないのだ、そんな取るに足らない、ちっぽけな人類（もの）に与えたのは破滅だけと語れよう――宇宙の遺骸の「匣」を揮うのが燃える三眼だった場合には宇宙と因果を飛び越える類感呪術――喧しい、そのような金枝篇（もの）は完全でなくても知っている。そんな事実（いま）は焦土に置いておいて本題は『これ』だ――彼方側が此方側を認識する可能性が非常に高いのです。
　目が遭った。否、目としか描写出来ない虚（あな）と無貌（あな）が合わさったのだ。借り受けた破界性（もの）は返却しなければならない。ただの端っこが降臨（お）りる最悪（さま）は沸騰で、玉座は今頃『もぬけの殻』なのだろう――話が逸れましたね。
　黒の書（かえりみち）を囲っていた不定形（ショゴス）が啼き出した、まるで彼方（あちら）から白が溢れているかのように。嗚呼、障らぬカミに祟りナシ。最大速度（ぜんりょく）でこの場からの逐電（おさらば）を――アザトースその他の恐怖、一頁目。
　大理不尽（盲目白痴）の極一部が完全（それ）の皮膚をつついた。強制的な最終形態（メタモルフォーゼ）が幕を開ける――テケリ・リ。

成功 🔵​🔵​🔴​

第3章 ボス戦 『アフスズルト』

POW   :    強撃 【邪神の速度と剛力から繰り出される猛連撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。 SPD   :    殲滅 レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【蒼焔によって鍛え上げられた邪神武器】で包囲攻撃する。 WIZ   :    創傷 攻撃が命中した対象に【この戦いに勝利しても消えない邪神の疵跡】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【魂をも灼き尽くす必滅の蒼焔】による追加攻撃を与え続ける。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

　暗黒（くら）い殻（にく）を抉るように、蹂躙するかの如く顕現したのは『焦土』そのものと思えるほどに『強大』な『力』で在った。人と獣を合成（あわ）せ、神格（あそ）ばせたように視える、ただ異常な過去（それ）は冷酷さを以て『口』を開いた――此方は灰の野を歩むもの、アフスズルト。挑まんとする者よ、名乗るがよい――それは絶対的な強者（つわもの）からの『敬意』にも思えた。
　猟兵よ、彼の存在を打ち斃すべく全身全霊で掛かると好い。
　――オマエが死ぬと謂うならば、今、此処で揮うべきだろう。

　蒼焔、必滅を抱いて神意（プロヴィデンス）と成す。


　※※※
　マスターより。
　第三形態は『ユーベルコードでの先制攻撃』を必ず行ってきます。
　対策しなければ失敗は確実でしょう。

　貴様等――死ぬ覚悟は出来たな。


　魔王（アザトート）じみて顕現（い）でた存在は圧倒的な暴力（ちから）で以て猟兵（オマエ）の前に起立（ふさ）がって異た。焦土（からだ）から沸騰（わ）くおぞましいほどの神威（オーラ）は一種の絶対的捕食者の輪郭（かたち）と言えよう――これはヤバイですね――息と唾を同時に嚥下（の）ませる、名状し難い得物（えいり）さが虚空（うろ）を抱擁（だ）いて魅せた。何よりも第二形態、あの面倒臭い化身での消耗が響いている。
　残る手札（カード）を再確認したオマエ、あの巨躯（にく）を穿つ為の術は唯一、機械仕掛け（キャバリア）他にないだろう。さあ、往くべきだと召喚（よ）んだのはアポイタカラ、異形には異形を吶喊（ぶつ）けるべきだと人類（ひと）が説いていたのだ――搭乗していれば最悪、心身（おのれ）が壊れる事はないだろう。邪神（灰の野を歩むもの）が蒼々と閃いて――創造せよ、創造せよ、此方、消えない疵痕に屈すると良い。
　追加装甲（パーツ）はひどく役に立っていた。純粋な殴打（エネルギー）の無尽蔵（いちげき）、変態機動だとしても躱すのには限界が在ったのだ。情け容赦のない、ジャガーノートの到来になんとか脱皮（パージ）が追いついている。当たらなければどうということはない、そんな悪魔（証明）が赦されるとは到底想像出来なかったのだ――此処まで引き付ければ十分、骸の海（くら）い場所から衛星（あれら）を招く好機（いま）。
　爆炎――刹那に停滞（とど）まった完全へ天津甕星を発射（タタキコメ）――超次元（くうかん）を跳躍（こ）えて奴の※肢（にく）を砕くのだ――これでイケルイケル！　紫が最後に定めたのは満足げな怪物（オブリビオン）で在った。
　――神（にく）がブラック・ホールを再現していく。

成功 🔵​🔵​🔴​

　勧善懲悪（シナリオ）を執筆（えが）くのが何者・何物で在ろうとも、絶対不変な法則（ルール）が有った。盲目白痴（しらない）演技（ふり）を為すほどの愚か者は超次元（ここ）には在り得ない、少なくとも猟兵（オマエ）は紳士（かれ）を理解出来ている――その舞台（うえ）で――全く以て頭が高い、こんなにも度し難い紛いは久しぶりだ。お互い様とは言わないよ。同族嫌悪とも言わせない――つまり勝者が正義なのだ、この地獄では獣性（おに）など不証明（いらない）のか。さて、冥土の土産は『騙り名』だけで十分だろう。
　冷酷（め）には冷酷（め）を、敬意（は）には敬意（は）を。猟兵（オマエ）はその名（いみ）を口にして何方が抗う存在（もの）なのかを再確認（あらた）めて魅せた。嗚呼、虚空（うろ）駆ける幾何学（するど）さのなんと判り易い事か。面攻撃（ことごとく）に対しての開拓（かつろ）を見出すべく――この翼（はね）の明白（あか）るさと奇たら！
　焦土（せかい）を好い方向へと導くかのように色彩（カラフル）が浄化（ひかり）墜落（お）としていく。流された蒼（ほむら）は地に触れて二度と輪っかを掴めない――そろそろ反旗（はた）を掲げる刻（こく）だ、抉じ開けられたブラック・ホールは無限（おお）きい。
　即ち我在る所こそ我が神域、有象無象が跪くべき我が祭壇――神紛いの頭（こうべ）をわしりと掌握（にぎ）ったのは魔神（オマエ）。お優しい胃袋（テリトリー）は嘘吐きの贄肉（にえ）も分け隔てなく召し上がるそうだ。其方、ひどく難儀だな――いただきますは不相応、感謝するのは邪神（そなた）だろう？
　千・万・憶・兆――抱擁（だ）くほどの得物（あお）の中心で、超克（オーバーロード）した埒外（オマエ）は神（つら）を晒した。逸脱的な魔法陣（ユーベルコード）の儘に略奪と捕食を反芻していく。最早、この焦土は邪神の玩具ではない、魔神（オマエ）の箱庭だ。封印（ワード）の意図を咀嚼するには想像力（ページ）も不足していた。

　たかが羊（シープ）の寄せ集めだ、仮面舞踏会（マスカレード）に屠殺を齎せ。

　驕れ驕れ、限度無く肥大化した傲慢（つみ）を揮え。限界すらも鏖、邪神（それ）よりも巨きな大剣（えもの）を構えるのだ――不相応の末路にはヤケに映えているが、そんな次元の断面（井の中の蛙）は隅に置いておけ――叩き斬られた人部分（うで）が痙攣している。歓喜せよ、莫迦らしい泥水も供物として捧げれば立派な葡萄酒（ジュース）だ――なんてね？　素晴らしいシャワーに濡れつつも微笑（わら）って終焉（し）めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

　終末論（ノストラダムス）の咆哮に人類が憑き従ったとでも表現すべきか、焦土（カオス）のど真ん中で邪神様（ばけもの）が敬意（こころ）を模倣している。適当に幕間（はんぱ）を合わせて視るもので、遭遇（あ）い言葉は天使しか理解出来ていない――つまりは皆大好きな喇叭の形状なのだ。如何思考しても音が漏れるとは思えない――あァ、終演には間に合ッたかい？　狼さんと血吸い蛭の混合物（キメラ）が這って機会を窺うのは当然の運命（こと）。真打（メシア）は最期（ドゥームズ・デイ）に降りてくる。もしや磔にされた死體（にく）を焼かなかったと謂うのか――主役不在で幕引きなンざ締まらないサ。マイナス感情の群れに叩き付けろ猟兵（オマエ）の埒外性（りんかく）――ヴァシリッサ・フロレスク、推して参る、ッてね。
　HA――眼鏡（ガラス）越しでも夜（よ）く解せる、凄まじいほどの圧倒（あつ）で在った。握り締められた触腕（カイナ）が逆側面（ジャガンナート）を顕現（あら）わして往く――殴り合いがご所望ッてか、上等だ。これほどまでの自由と暴力（エクストラヴァガンザ）、塑の最終（〆）にはお誂え向きだろう。
　ようこそ、超次元（ワールプール）に嵌め込まれた無差別級のバーリトゥード、何でもかんでも無茶苦茶（メツレツ）に悪夢と呼ばれるアンフェアを晒せ。OK、ヒールだろうがヴィランだろうが勝てば官軍。そもそも神判（レフェリー）は何方に粘着（つ）いて異る――迫り躯るベヒモスとレヴィアタンの食卓、こんなに豪華な晩餐は見た事もない。

　ファイト・マネーの内容を再確認し給え、希望の夜明けが翼をもいでいる。
　ガラじゃないが掛け値なしだ――懐に潜り込め！

　何度も何度も過去（オブリビオン）に告げてやれ、ボーリングごっこは地面相手が悦ばしい。重ねて謂うならば鼓動を宿した地球ごっこだ、たくさんの皮膚（かわ）を抱擁（だ）いて終え――嗚呼、この阿呆みたいな怪力（フリークス）どもの挽歌！　炯眼（はいいろ）の揺らぎは神で在ろうとも証明（あか）せやしない――全くオマエはサーカスごっこまでも上手なのか、致命的（ファンブル）を引く偶然（いま）諸共に殺して進め。
　呉れてやる――数も重さも『掌の上』だ、真っ黒い佛様（トリックスター）の嘲りも最早『ない』のだと口角（かど）らせた。崩（こわ）れた擬足（うそ）の隙をついて詩（イエロー・キング）の準備万端――とっておきの銀の弾丸だ、躱してくれるなよ。見つけたのだ、見つけたのだ、見つけたのだ、アンタの核神。

　素晴らしき哉、贅沢なパロディ。
　――撃発！
　百何回目かの鐘（カウント）が啼いていた。
　……一昨日終わッてンだよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　大皿に嘔吐（は）かれた世界説（シェアード・ワード）が如何にして自分を取り戻すのか、ぼんやりと傍観（なが）めていた残骸（コスモ）が仮面外（マスカレード）遊びに勤しんでいる――おや、邪神は簡単にこういう事をする――無名都市（ネームレス）を蹂躙するかの如くに幾何学模様（のたうつ）莫迦げているほどの質量（えもの）、回避に専念（こうべ）を垂らさねば万事休す（ひりつく）か。煙（はい）を吸う余暇（とき）も赦されない。
　データを並列（なら）べたとしても飛躍（かなた）に贈るのは難しいだろうか、四肢（にく）を回転（めぐ）らせるように義体（かわ）の展開、目眩（くら）むほどの密度（すきま）を縫って一点（ウィーク・ポイント）を探していく。崩せるのは何処か砕けるのは何処か脆いのは何処か……しかし人間（ひと）では中てるのも恐ろしい、やはり『囲まれた』のは猟兵（オマエ）で在った。
　ぎりぎり、きりきり、嫌な音をこぼしたのは歯車ではなく骨と謂えた。片腕（かいな）を殺す為に巻き付けた荒縄（グレイプニル）、最早手首（くび）吊りごっこからは逃れられないだろう――竜の子は地に置いて往くと好い――何処ぞの死體（くも）が頭を抱えている、嗚呼、悪足掻きだと嗤うかね。くるり・くるり、合言葉を忘れてしまった滑稽な虚空（ダンス・マカブル）――次は何処を刎ねるかね？　背水の陣にしては際が過ぎた。
　右足左足と蒼焔が舐っている。残された腕（カイナ）すらも舐られている。挙句の果てには胴体（はらわた）までも『焦土』そのものへ晒されて往く。これらは刹那、未来への妄想（おも）いだ。最後（のこ）りは愉し気な一択――そうね。

　青色（きみ）には何が映り混んで異る。
　深い深い感情じみた、無限量の液体。
　――折角踊り食いをやめて刻む事にしたんだ。
　面を合わせたウィリアム・ウィルスン、海底で見出したのは巨躯なのか。
　ヨルムンガンドをもたげる。

　鉄屑（スクラップ）に意識を向けなかった邪神（おまえ）の僅かな『ミス』で在った。埒外（おまえ）の頭上で再構築（つく）られた、即席の真実（アーカーシャ）。それを認識（み）る事はたとえ臭気（オブリビオン）で在っても不可能だった――宙（うろ）に紛れた目玉に色なんて憑いてやしない――些か鉄分の多い筋骨（うで）が啼いている。
　神様は解体（バラバラ）にされる必然（サイコロ）に捕縛されたのだ、異音（チェーン・ソー）の悲鳴が墜落（お）ちて駆（く）る。今日はきっと夢見が悪いな――拉げたのは知覚端子（めのたま）かそれとも貌無（バケモノ）か。
　揮（ふ）り下ろされた幻想（ドラゴン）がキュイと頷いて。
　血塗れの嗜好品。

成功 🔵​🔵​🔴​

　頭蓋（ふた）に乗せられた一枚の札（カード）、此れをブタと視るか否かは神に委ねられた。回転し始めた球体（たましい）に悉くを積み込めば最終局面（クライマックス）、数多の埒外（エネルギー）が黒と赤に踊らされている――死ぬ覚悟は出来たか――塑れを問われるのは邪神（オブリビオン）で在るべきだ、あの阿呆面（かおなし）にオマエの意図を伝授（つた）えてやれ――普遍的（ただ）の怪物如きが騎士様の真似事かい？
　花を持たせてやろうと地獄（アフォーゴモン）が撃鉄（な）き叫んだ。ま、良いさ――便利屋Black Jackのカイム・クローバー。覚えておきな――あまねく葬られた過去どもに自慢してやると好い、此方（おれ）はイカレ野郎の『名前』を知っている、と。
　終焉（フィナーレ）に相応しくも蒼焔、刀身（み）に纏った悪夢が幾何学（およ）ぐ。無限量（とわ）に等しい暴力性が野蛮（ちから）を以て猟兵（オマエ）に降り注いだ――ひゅう――風を切る音か命を斬る音か、否、挑発的な笑みで起立する、男の余裕だ。
　邪悪そのもの、旧き支配者の腕（かいな）、重ねに々ねた狂気の代物（アーティファクト）。嗚呼、なんとも可笑しな鋭利（にぶ）さだろうか。一本一本を電卓に入れ混めば厭ら不可思議、凄まじいほどの『値』が付けられる――ヤバい状況？　いや、違うね。煌めいた星辰（シナプス）に筆舌出来ない昂揚感。「盛り上がって来たって言うのさ！」

　オカタイ連中には『この歓び』は理解出来ないだろう。
　悪魔にぶん投げたサイコロが返って躯る。
　――目立ち過ぎた人類は百の矢を浴びたのだ。

　貫かれ、抉られ、啜られる感覚が脳髄（ずい）をつついている、されど超越性（にく）に虚（あな）が空く事はなく、五体満足（いっさい）が残されていた――素晴らしい。此方の得物（わざ）を受け、傷を負わないとは――如何様な不条理を宿している？
　タネも仕掛けも存在するが答え合わせは骸の海（あっち）で充分、蜿蜒と思惟する神の貌（すがた）は実に人間的だろう。瞬間（せつな）――飛び込んだ魔剣（神殺し）が肩（にく）を縫い、双頭（いぬ）の餌（ほね）とした――Jackpot！
　紫（らい）穿てば深淵に衝撃（サラバ）。

　羊飼いの真似事も出来なかった、愚かなほどに不器用な焦土（かみ）が崩れて逝く。暗黒を被っていた局外者（アウトサイダー）は二度と鏡面を覗けなかった。
　はじけ屠んだ心の臓が満たされている。

成功 🔵​🔵​🔴​

最終結果：成功 完成日:2021年12月14日