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【猟書家】その『正義』は正しいのか

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ラグネ・ザ・ダーカー #ヴィジランテ

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 ある町で、ヴィランとヒーローが戦った。それはまぁ、このヒーローズアースでは良くある光景だ。だがその日は、一つだけ普段と違うことがあった。
 ヴィランに向けて放った攻撃が、たまたま橋に当たったのだ。それも、当たり所が悪かったのだろう。その橋は崩壊しはじめたのだ。
「お父さん、お母さん……!」
 泣き叫ぶ子供が一人、崩れた橋から救出される。手を伸ばすが、その先に生きている者は誰もいない。救出作業にあたった者はその姿がいたたまれなかったのか、子供をぎゅっと抱きしめた。

 後日、この事故は悲惨なニュースとして、お茶の間に流れることとなった。だが、それは偶然の事故。そう片付けられ、次のニュースへと移る。
「…………」
 病院でテレビを見た子供は、グッと唇を噛み締める。そう。真実を知っているのは自分だけなのだ。あの時、あのヒーローはわざと攻撃を外したのを。その時、楽しげに笑っていたのを。


「何とも痛ましい事件です。皆さん、早急に対応してください」
 グリモアベースに到着するや否や、ヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)は猟兵たちに言い放った。痛ましい事件とはなんだろうか。猟兵たちは彼の言葉を聞こうと、真剣に耳を傾けた。
「以前から、似たような案件は確かにありましたが……端的に言います。目標は猟書家幹部の一人、ラグネ・ザ・ダーカーです。そう、ヒーローズアースで一般ヒーローに紛れ、偶然を装って一般人を傷つけるあの猟書家です」
 集まった猟兵の中には、その名を聞いた者もいたのだろう。苦々しい面持ちを見せる者もいた。
「今回の被害ですが、それなりの規模になります。ラグネ・ザ・ダーカーがヒーローに擬態して橋を壊し、多くの方が亡くなりました。ただ一人の子供を除いて。
 テレビでは事故と報道されているようですが、どうもその子は事故ではないと気づいているようです。生憎、私の予知では、どのヒーローに擬態しているのかまでは見えませんでした。ですので、その子供の心を開かせてください。そうすれば、自然とどのヒーローが今回の事故を引き起こしたのか教えてくれるでしょう」
 ヒースは珍しく真剣な眼差しで猟兵たちを見やると、改めて口を開いた。
「その子供は、きっと周りの大人たちを信用しきれないかもしれません。ですが、これ以上被害を出すわけにもいきません。……皆さん、お願いできますか?」
 その願いに、猟兵たちは力強く頷く。当然だ。それが猟兵である自分たちにできることだ。各々、同じような想いを抱く。
「ありがとうございます。それでは、その子が入院している病院付近へ送ります。面会の約束などは取り付けてありますので、その辺りはご安心を。それでは、健闘を祈ります」
 ヒースはグリモアを使い、猟兵たちを現地へと見送った。できるだけ早く、猟兵たちが解決できるように祈りながら。


萩野 千鳥
 はじめまして、こんにちは、こんばんは。萩野千鳥です。
 早速ですが簡単に説明致します。

『第一章:日常』
 入院している子供(男の子)の信用を得てください。能力値はどれでも構いません。

『第二章:ボス戦』
 猟書家幹部、ラグネ・ザ・ダーカーとの戦闘です。遠慮は要りません。

『断章について』
 今回は、第二章の前に入れる予定です。
 その際のプレイング受付時間等は、タグ上でお知らせ致します。

『他』
 アドリブ、共闘不可の場合は、その旨をお伝えください。
(例:ア×、共×、等)
 こちらは猟書家シナリオです。こちらもできるだけスピード完結を目指しているので、プレイング〆切は早めです。サポートも多めに採用します。

 どうぞ最後まで、よろしくお願い致します!
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第1章 日常 『子供とふれあおう』

POW   :    子供たちを抱っこしたりして力自慢!

SPD   :    お手玉や手品で楽しませるよ!

WIZ   :    優しく手を握って励ましの言葉を贈る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐々木・遊亮
ヒーローはその行動で己を魅せて、子供の憧れとなる存在だ。
その姿で人々の命や子供の家族を奪い、心に傷を残すなんて、オレには許せない。

現地に着いたら少年の病室へ。
そこでヒーローズアライバルを使い、ヒーロートークンを召喚して彼らを交えて少年と交流。
超能力や魔法で少年を楽しませて貰おう。数は手狭にならないように2体くらいにしようか。
ひとしきり交流したらオレのヒーローに対する熱い想いを語る。
「オレはヒーローにはなれなかった。でも、今でも憧れ続けているんだ。そうして、カードの精霊であるヒーローも力を貸してくれた。教えてくれないか?……必ず倒す。これ以上ヒーローを侮辱する存在を、オレはそのままには出来ない」



 ヒーロー。それは本来、子供の憧れとなる存在。佐々木・遊亮(ヒーローズスピリッツ・f16626)も、その姿に魅せられた一人だ。だからこそ、彼は許せなかった。ヒーローの姿に扮して人々の命を奪い、心に傷を残すような所業を。
 遊亮は病院付近へ送り出されると、すぐに件の子供と面会しようと病室へ向かった。一度ノックをしてから、がらりと個室の引き戸を開ける。そこには、じっと窓の外を見つめている少年がいた。
「やぁ、ちょっと良いか?」
「……お兄さん誰?」
「オレは佐々木遊亮。しがないおもちゃ屋の息子だ」
「おもちゃ屋さん?」
「ああ。今日はある人に頼まれてな、面白いものを見せに来たんだ」
 そう言うと、遊亮はカードを取りだし、自身の思うかっこいいポーズをしながらユーベルコードを発動した。
「マジックカード発動! 『ヒーローズアライバル』! さぁ、ヒーローたちの到着だぜ!!」
 言い終えるや否や、ピカッと辺りが光る。少年は眩しくてぎゅっと目を瞑る。光が収まってから少年が恐る恐る目を開くと、そこには二体のヒーロートークンが召喚されていた。
「……っ!?」
「驚くのはまだ早いぜ」
 パチンッと指を鳴らすと、ヒーローたちは様々な色の光球を少年の周りに浮かべる。勿論、害はない。他にも、水を空中に浮かべて色々な形に変化させたり、持ってきていた小さめのおもちゃを動かしたりする。少年は驚きながらも、それらを興味深く見ていた。その内に、少年は呟くように遊亮に問いかける。
「お兄さんもヒーローなの?」
「いや、違う。オレはヒーローにはなれなかった」
 少年の隣に座り、「でも、」と言葉を続ける。
「今でも憧れ続けているんだ。そしたらな、カードの精霊であるヒーローも力を貸してくれたんだ」
「……そうなんだ」
 少年の表情が曇る。きっと、例の事件を思い出しているのだろう。話題に出すなら今だ。
「橋の事故、オレは事故じゃないと思っている。教えてくれないか? ……勿論、必ず倒す。これ以上、ヒーローを侮辱する存在を、オレはそのままにはできない」
 遊亮は少年に、真剣な眼差しと共にそう話した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死絡・送
WIZ
アドリブOK 絡みOK
心を開いてもらうにはきちんと誠実に向き合う。
まずは素顔で現れて少年の目線に合わせて会話をする。
「俺の名は死絡送、またの名はノーブルバット」
少年の目の前で変身するが、元に戻る。
「ヒーローとしてじゃなくて、一人の人間として話をさせて欲しい」
と切り出す。
「君が考えている事は当たっている、君の人生を壊した奴はヒーローに化けた悪党だ俺は君や他の人達の人生を壊したそいつを許せない」
 と少年の考えを肯定して語る。
 「君にとってヒーローって何かな?」
 と少年のヒーロー感を聞いてみる。
 その答えに同意してから君の君の力を貸して欲しいと頼む。
 



 相手が子供であろうがなかろうが、心を開いてもらうには誠実に向き合うことが大事だ。そう考える死絡・送(ノーブルバット・f00528)も、少年がいる病室へと足を運んだ。病室の扉をノックをして、カラカラと引き戸を開ける。すると、既に話をしていた猟兵が「お疲れ様です」と声をかける。「ああ、そちらも」と返すと、入れ替わるように病室を後にした。少年は彼を見送ると、すぐに送の方を向いて首を傾げる。
「……お兄さん、誰?」
「俺の名は死絡送、またの名はノーブルバット」
 そう名乗ると、少年の前で蝙蝠を模したヒーローへと変身する。
「! お兄さんはヒーローなの?」
「ああ」
 少年の表情は一瞬明るくなるが、すぐに苦々しい表情を見せる。その表情の移り変わりが、見ている送に痛々しく映った。送は変身を解き、ベッド脇にあった椅子に座る。
「ヒーローとしてじゃなくて、一人の人間として話をさせて欲しい」
「……? 何のお話?」
「君にとって、ヒーローって何かな?」
「僕にとって?」
「そうだ」
 送が変身した際に、その姿を見た少年からはまず先に憧れのような感情が見えた。例の事件がなければ、彼にとってヒーローは単純に憧れの存在だったに違いない……そう考えた送は、先程のような質問を少年にした。少年は少し考え込むと、ぽつり、ぽつり、と話し始めた。
「……ヒーローは、強くてかっこよくて、悪い人をやっつける人だと思う。正義の人なんだってお父さんも言ってた。悪いことをしたら、怒ったり、叱ったりして、懲らしめるんだって。だから……っ」
 少年の目から涙がぽろぽろと落ちる。
「お母さんも、お父さんも、悪い人だったから死んじゃったの? だって、そうじゃなきゃ、あのヒーロー、笑って、わざと橋を壊して……っ! でも、違うもん。お母さんもお父さんも、悪い人じゃない……!」
 送は泣いている少年を抱きしめる。
「君が考えていることは当たっている。お母さんもお父さんも悪い人じゃない。
 君の人生を壊した奴は、ヒーローに化けた悪党だ。俺は、君や他の人たちの人生を壊したそいつを許せない」
 少年の涙を拭ってやると、送は彼に言う。
「悪党を倒すために、君の力が必要だ」
 その言葉に、少年は強く頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ラグネ・ザ・ダーカー』

POW   :    ダーカー・インジャスティス
全身を【鮮血の如きオーラ】で覆い、自身の【悪意】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    侵略蔵書「キル・ジ・アース」
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【侵略蔵書「キル・ジ・アース」】から【具現化された「死のイメージ」】を放つ。
WIZ   :    マッド・デッド・ブラザーズ
【死せるヴィラン】の霊を召喚する。これは【強化された身体能力】や【悪辣な罠】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 少年曰く、そのヒーローの名前は「ファイアベル」と言うらしい。名前の通り炎のように赤い服を纏い、火を操るヒーローだった言う。猟兵たちはその名を聞くと、少年に礼を言って病院を出ようとした。
「緊急ニュースです! ××地区にて火災が発生しました。幸い、住民は全員避難しましたが、火災の原因となったヒーローはヴィランを追って現場近くの工場へ向かい……」
 緊迫した声でニュースを読み上げる声。そちらに目をやると、丁度テレビ画面はヒーローの姿を映し出す。火を操る、炎のような赤い服装のヒーロー。少年が言っていた特徴と合致する。
 ××地区は、まさにこの病院があるところだ。とはいえ、どの工場かまでは分からない。今からすぐに向かわなくては、被害が出るかもしれない。そう思っていた猟兵たちの耳に、ある会話が耳に入る。
「あら、あの工場ってあそこにある工場よね」
「ああ、ここからそう遠くないな……この前の橋のこともあるし、早く帰らなくちゃなぁ」
 老夫婦が、ニュースを見ながらそう言った。運が良い。どうやら、現場となった工場を知っているらしい。猟兵たちは老夫婦に工場の場所を教えてもらうと、すぐに現場へと向かった。
佐々木・遊亮
この地区だって?
もしかして、少年の口封じに……いや、それだけじゃない。これ以上の被害は出さないようにしないと。

現場に着き、対象を見つけたら
「これ以上は犠牲は出させない。ファイアベル……いや、ラグネ・ザ・ダーカー。さぁ、決闘を始めようぜ」
と決闘デバイスを構えると、デバイスから声が聞こえます。
『ユウスケ、あれは猟書家だな。そのままでは荷が勝とう』
声が止むと決闘デバイス上に一枚のカードが現れてUCが発動、変身後は過去を断つ剣で敵の召喚したヴィランの霊と戦います。

(言ってしまうとスーパーロボが強敵を感じ取ってのヒーローへ覚醒的な感じがやりたいです。
今回そういうのは、という事なら遠慮なく流して下さい。)


グリュック・ケー(サポート)
「よう、プリン食べる?」
ノリのいい兄ちゃん。旅が好きでふらふら出歩いている割には呼べば現れる。ひとりも好きだが大勢も好き。楽しそうなことには顔を突っ込みたがる。汚れ役も引き受けられる基本的にいい人。
プリンと睡眠が大好きで常にプリンを持ち歩き、少しでも時間が空けば夢の中へ。寝起きはいいほうだが寝つきがかなり良い。
普段から顔を隠しているが、「見せて」と言われれば普通に見せる。
好戦的というわけではないが、必要であれば躊躇わない。
ユーベルコードも普通に使う。正面から戦うよりかは罠をかけるほうが好き。



 老夫婦から話を聞き、慌てて病院から出た遊亮は外で待つグリュック・ケー(なんか黒い・f32968)と合流した。
「おうおう、そんなに慌ててどうした? プリンでも食うか?」
「プリン食べてる暇ないですよ! この近くで、例の猟書家が出たんですから」
「あー……そりゃあ、急がないとな」
 二人は急いで現場へと向かう。その道中で、遊亮は少年の話や先程のテレビの情報をグリュックに伝えた。グリュックは「なるほどね」と相槌を打つと、少し考えた素振りを見せる。
「火を操る、か……それなら、おれは裏で色々とやっとくから、遊亮は真っ向から敵とやり合ってくれるか?」
「元よりそのつもりだ」
「オッケー。じゃあ、おれは裏から侵入する。そっちは任せたぜ」
 そう言うと、グリュックは猟書家がいるであろう工場付近で一度遊亮と別れた。


 遊亮が工場に着いたとき、一人を除き人影はなかった。ヴィラン……は分からないが、工場で働いている人などは既に避難を済ませていたようだ。今では、空っぽになった工場の真ん中に、赤い服を纏うヒーローは立つのみ。
「これ以上は犠牲は出させない。ファイアベル……いや、ラグネ・ザ・ダーカー。さぁ、決闘を始めようぜ」
「なんだ、私の正体を知っているのか」
 ファイアベルがそう言うと、さらさらと表面が砂のように零れ落ちはじめ、ヒーロー風の服に白衣を肩にかけた女性――ラグネ・ザ・ダーカーの姿に変貌した。遊亮は腕に着けている決闘デバイスを構える。すると、デバイスから声が聞こえた。
『ユウスケ、あれは猟書家だな? そのままでは荷が勝とう』
 遊亮の決闘デバイスの上に、一枚のカードが現れる。
「これは……!」
「そちらが来ないなら、こちらからいかせてもらおう!」
 ラグネ・ザ・ダーカーは、既に死んでいるヴィランの霊を一体召喚する。その霊は闇のオーラを纏いながら、遊亮へと向かっていく。だが、遊亮はその一枚のカードを掲げ、マキシマムカイザーの装甲を象った姿に変身する。
 ヴィランの霊の攻撃が当たる直前、人と同じくらいのサイズへと変化した『過去を断つ剣』を構える。
「これがっ! オレたち二人のっ! 過去を断つ剣だぁぁっっ!!」
「グギャガァアアアア!!」
 その剣はヴィランの霊を真っ二つに割き、塵も残さずに消し去った。だが、ラグネ・ザ・ダーカーは、まだ余裕の表情を見せる。
「はっ! まだ終わらんよ」
 彼女はまた別の霊を召喚しようと、侵略蔵書を開こうとする。――だが、それは別の者の手によって中断させられた。
「がら空きだぜ」
 グリュックはユーベルコード【シーブズ・ギャンビット】を発動させ、手持ちのダガーで奇襲を仕掛ける。流石に致命傷を与えることはできないが、事前に攻撃を阻止することはできた。それだけではない。
「遊亮! 今だ!!」
 脚部に搭載された飛行用ブースターとスラスターで飛翔した遊亮は、グリュックが作った一瞬の隙に、ラグネ・ザ・ダーカーへ剣の一撃を食らわせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

死絡・送
アドリブ絡みOK
スーパーロボット、ジガンソーレに乗って出撃。
敵を倒すのも大事だが、災害と救助も大事だ。
新兵器ブリザードインパルスの冷凍ガスを一斉発射と救助活動を組み合わせて消火活動をする。
敵の攻撃はオーラ防御でバリヤーを張り、火災現場ごと守る。
「外道が、貴様の好きにはさせん」
敵の死のイメージ攻撃には
「やわなメンタルでダークヒーローやってられるか!」
 と精神耐性と気合いで耐える
ルーチェ・デル・ソーレによる除霊のビーム攻撃で応戦。
ユーベルコードの光子魚雷は味方と協力して敵にぶっ放す。
敵を倒したらロボを操り瓦礫除去と搬送で救助活動を再開。
少年にもブームの仕掛け人で動画を配信し応援メッセージを送る


フィロメーラ・アステール
「なんだあ? その哀れな霊を操る術は!」
火を操るヒーローのフリをしてたんだって?
しかし……火とは、こうして使うのさ!

【日輪の帷帳】を使うぜー!
これは【破魔】の聖なる炎の守護結界を放つ技!
まあ炎に見える【オーラ防御】と言ってもいいね!
コイツで敵の攻撃を防いだり、味方を守ったりするぞ!

【武器改造】や【防具改造】の要領で、仲間の装備に付与・補強するような使い方をしても面白そうだな!
あ、もちろん仲間や余計なものを燃やしたりはしないよ?
もともとが保護用の結界だからね!

しかし悪い霊なら話は別!
【浄化】の力で【焼却】だー!
と攻撃に応用する事もできるぜ!
この攻防一体の技で、有利な状況を作れるよう頑張るぞー!


ニケ・ブレジニィ(サポート)
技能を、フル活用します。

仲間を守りつつサポートし、敵を倒すという戦闘スタイルです。

また、このシナリオ内で戦闘不能になったオブリビオンの肉体と魂を、ユーベルコードの『桜の癒やし』で鎮め、転生できるように祈ります。

「…もう鎮まりたまえ、あなたの名を忘れないように私は憶えておいてあげるから…」

リプレイのために、このキャラクターを自由に扱っていただいて、全く問題ありません。


西院鬼・織久(サポート)
※過度なギャグ、性的な要素のあるシナリオはNG

【行動】
オブリビオン狩が最優先
口調等ステータス参照

五感と第六感+野生の勘で状況を把握し敵行動を予測
罠や逃走する敵の追跡などは戦闘知識の応用で対処する

「闇器」を場面に応じて使い分ける
武器は怨念の炎(呪詛+生命力吸収)を纏い継続ダメージ付与

先制攻撃を仕掛け狭い場所でも縦横無尽に動き回り死角から攻撃
殺気を抑え暗殺を行う事もできるが、大抵は特攻紛いの攻撃特化

集団にはUCやなぎ払いを範囲攻撃に広げるか、単体を夜砥やUCで拘束して振り回して周囲をなぎ払うなどで攻撃

敵の攻撃は残像などのフェイントや武器受けで受け流しカウンターを行う等全ての行動を攻撃に繋げる



 病院でニュースを見た送は、すぐに外で待つ猟兵仲間の元へと戻った。皆に事情を話すと、ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)は焦った様子で口を開く。
「それでは、火災現場の近くに猟書家が逃げ込んだのね? 住人の避難は……」
「住人は全員避難したと言っていた。だが、このままでは延焼しかねない」
「でしたら、火災現場へ向かう班と猟書家が逃げ込んだ工場へ向かう班に分かれましょう」
「オッケー! じゃあ、あたしと織久ちゃんは現場に行くよ!」
「分かった。俺とニケさんで火災現場に向かうぜ」
 互いに頷き合うと、その場で解散した。

●工場side
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)と西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が猟書家が向かったと言われる工場へ着くと、既に戦いの火蓋は切られていた。白衣を肩にかけたヒーロー風の女性が二人に気づくと、ニィッと歪んだ笑みを見せる。
「先程は油断したが、一人増えようが二人増えようが同じだよ」
 そう言うと、ラグネ・ザ・ダーカーはヴィランの霊を何体も召喚する。各々闇のオーラを纏い、本来の姿よりも禍々しくなっていた。
「なんだあ? その哀れな霊を操る術は!」
 フィロメーラが呆れながらも憤慨して言った。
「そうくるなら……我等が纏めて消し去ってくれる」
 織久は襲い来るヴィランの霊に対して、柄と刃が一体化した黒い大鎌『闇焔』を構える。フィロメーラが「援護するよ!」と言うと、彼女は【日輪の帷帳】を発動する。
「燃え盛る星の護りよー!」
「! これは」
 織久が構えた大鎌に、纏う黒衣に、燃え上がる炎のような守護結界が張られる。それだけではない。既に戦っていた猟兵たちの武器や防具にも、同じ結界が張られている。
「この炎の浄化の力で焼却だー!」
 これなら、ヴィランの霊の攻撃を気にせずとも戦える。
「我等が本性、ここに解放する」
 そう呟くと、織久は荒ぶる怨鬼に変身する。そのまま、遠慮なく霊の前に出ると数多の霊を薙ぎ払うように攻撃する。
「ヴァアアアァアアッ!」
「ギィイイイイッ!!」
 各々断末魔を上げながら一気に消えていく。だが、ラグネ・ザ・ダーカーも考えなしではない。また別のヴィランの霊を呼び出すと、「ここでは狭いな」と言って工場を去っていく。
「あっ! こら、待て!」
「あれを追う」
「勿論!」
 他の猟兵たちにヴィランの霊を任せ、織久とフィロメーラはラグネ・ザ・ダーカーの後を追った。

●火災現場side
 病院で別れた後、送はニケと共にスーパーロボット『ジガンソーレ』に乗り込み、火災現場へと到着した。民間の消防士が消火活動をしているが、規模が大きいせいか、時間がかかっているようだ。
「俺はこいつで消火する。ニケさんは万が一被害者が居たときの救助を」
「分かったわ」
 ニケが了承すると、送はジガンソーレの新兵器であるブリザードインパルスを放つ。ジガンソーレの口から放たれたその冷凍ガスは、燃え上がる炎を一気に沈静化させる。
「被害者は?」
「今のところはいないわ」
「よし。なら、一度工場の方に合流して――」
 送のその言葉を遮るように「キャー!」と悲鳴のような声があがる。
「送さん、あれを!」
 ニケの指差す方を向けば、この火災を起こした張本人である炎を纏ったような赤い服を着た女性が空に浮いていた。
「ファイアベル――いや、ラグネ・ザ・ダーカー! 外道が、貴様の好きにはさせん!」
「なんだ、お前も私の正体を知っているのか」
 つまらなさそうに言うと、ラグネ・ザ・ダーカーはあっさりと元の姿に戻る。
(このままここで戦えば、被害が出るかもしれないな……)
 住人は避難したが、火を消しにやってきた消防隊やマスコミの人たちがまだ残っている。だが、ラグネ・ザ・ダーカーはそんなことなど気にせず、【ダーカー・インジャスティス】を発動した。
「はは、止められるものなら止めればいいよ」
 鮮血のようなオーラを纏った彼女は、超スピードでこちらへと向かってくる。勿論、そんな彼女に今攻撃する隙はない。送は咄嗟に、自身と火災現場にバリヤーを張る。だが、それも、耐えられるのは一回だけだ。
「もう終わりかな?」
 笑いながらそう言うと、侵略蔵書『キル・ジ・アース』を高く掲げる。そこから放たれる死のイメージに送とニケは耐える。
「やわなメンタルで、ダークヒーローやってられるか!」
 送は唸るように叫ぶ。なんとか応戦しようと、ルーチェ・デル・ソーレを放つ。だが、彼女はそれらをひらりと交わしてしまう。
 これで終わりか……? 二人は、一瞬そんなことを頭に思い浮かべてしまう。だがそんなピンチを前に、送たちの周りに炎のような守護結界が張られる。
「見つけた」
「送ちゃん、ニケちゃん! 防御は任せろ!」
 工場から追いかけてきた織久とフィロメーラは、互いに連携しつつ、その場にいた人を守護結界で保護し始める。イメージ攻撃に耐えきったニケと送は、呼吸を整えてもう一度前に出る。
「送さん、私がラグネ・ザ・ダーカーを眠らせて隙を作るわ。その間に」
「ああ。分かったぜ」
 送が了承すると、ニケは【桜の癒やし】を発動する。この方法で眠らせると、相手の体力を回復させてしまう。だが、ラグネ・ザ・ダーカーの隙を作るにはこの方法が一番手っ取り早い。
「な、んだ、この花は……」
 桜の花吹雪が舞う中、ラグネ・ザ・ダーカーは睡魔に襲われる。とはいえ、抵抗されてしまう。だが、それは想定済みだ。彼女が寝落ちてしまいそうな一瞬を、送は見逃さなかった。
「全てを光に変えて消す!! 光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
「あぁぁああ――!!!」
 彼女の叫び声が、光子魚雷によって打ち消される。数多の光が消え去ると、もうその場にラグネ・ザ・ダーカーの姿は無かった。


「いやー、なかなか大変だったぜー!」
「手強い相手だったわ……」
 フィロメーラとニケが現場でしみじみと語る。そんな中、他の猟兵たちと一緒にジガンソーレを使って火災現場の瓦礫撤去をしている送は、織久に通信端末を持たせてこちらを映すように頼んでいた。
「あの、送さん。これで良いんですか?」
「ああ。代わりに持たせて済まない」
 端末の通信先はあの病院にいた少年だ。彼には本来のヒーローの姿をどうしても見せておきたかったのだ。勿論、理由はそれだけではない。送は一度、端末の前に立つと、少年にビデオメッセージを送った。
「これから先も、大変なことが待ち受けていると思う。だけどな、自分が『正しい』と思ったことを信じるんだ。芯のヒーローはそれに応えてくれる。それだけは忘れないでくれ」
 笑顔でそう言う送の映像を病院で見ながら、少年はこくんと一つ頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年11月29日


挿絵イラスト