●秘宝は未だ
終の王笏島と言えば、かつての戦いを懐かしむ者もいることだろうし、初めて聞く名に胸を躍らせる者もいるだろう。羅針盤戦争においてカルロス・グリードが拠点の一つとしたその島には、調査の結果、多数のメガリスが隠されていることが判明した。
多くの猟兵達が挑戦し、メガリスはいくつも持ち帰られたが――終の王笏島は広い。島の一部を成す未踏破の廃墟神殿に今、秘宝を掴む者が現れようとしていた。
●グリードオーシャン・5thラウンド
「終の王笏島のメガリスを回収しに行きましょう!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は元気よく腕を振り上げ叫んでいた。かの大戦からは結構な時間が経つが、それでも猟兵達は島の全貌を暴き切ったわけではない。
「ここ最近は各世界の情勢も少し落ち着いているような気がしますので、冒険の箸休めのような感じで行ってみませんか? というのが今回のご相談です。終の王笏島には未探索領域がまだまだ存在していまして……その一部に『廃墟神殿』があることがわかりました。実際に神殿だったかはよくわからないのですが、雰囲気が神殿っぽくて廃墟なので便宜上ここではそう呼ぶことにします。カルロス・グリードという主が消失した後、廃墟神殿はよくわからない怪物が住み着いたり、よくわからないゾンビみたいなものが湧き出したり、よくわからない亡霊が出現したり……よくわからないことだらけの奇妙な状態になっています。でも、そんな場所はゲームだったら、宝物の隠し場所になっていることがほとんどですよね! そして実際、『連呪刀』という名のメガリスがある、という悪夢を私は見てしまったんです」
それは名の示すように、刀の形をしたメガリス。しかしロザリアが「視た」物を悪夢と称する場合、裏にはオブリビオンの存在がある。
「連呪刀――『呪』いが『連』なる『刀』で『れんじゅとう』です。そのメガリス、存在はわかっていますが、皆さんをどんなに早く送り届けようとしても『先客』が掴んでしまいます。名前は『魔獣』、それ以上でもそれ以下でもないような、それ以外に称することのできない存在です。連呪刀は魔獣が用いれば、ユーベルコード『連鎖する呪い』を発動します。メガリスの力と、魔獣本来の力、二つの力を同時に相手することになりますので、戦いの際は注意してください」
一連の警告はグリモア猟兵の務め。果たしはするが、ロザリアは回収成功の一報をもうすでに心待ちにしている。
「冒険の勘を取り戻すのにも、力試しをするのにも最適かと思いますので、皆さんどうぞ奮ってご参加ください! よろしくお願いします!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
メガリス、見つかりましたよ。
●フラグメント詳細
第1章:冒険『廃墟神殿に隠されたお宝を探せ!』
廃墟神殿って呼んでいるだけの神殿的な廃墟です。
ともかく、怪物やら亡者やら亡霊やらがうじゃうじゃ襲ってきそうなので、どうにかして突破しましょう。
廃墟らしいことは、場合によっては起きると思います。天井が崩れるとか足場が抜け落ちるとか。
第2章:ボス戦『魔獣』
諸々を振り切って辿り着いた先に居ます。
連呪刀(れんじゅとう)と呼ばれるメガリスを猟兵達より早く入手しています。
つまり「ころうば」ですね。やっちまいましょう。
ただし、魔獣は本来のユーベルコードとメガリスの力で放つユーベルコードを「同時発動」しますので、二つへの対処が必要です。
んーでもまあ、当たらなければどうということはない気がしますよ。
メガリスの力で放たれるユーベルコード「連鎖する呪い」の効果は以下になります。
「攻撃が命中した対象に【癒えない傷跡】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する「不慮の事故」】による追加攻撃を与え続ける。」
第1章 冒険
『廃墟神殿に隠されたお宝を探せ!』
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POW : 深海人めいた怪物を力づくで追い払って、お宝の下へ進め!
SPD : 欲に取り付かれた亡者を駆け足で振り切って、お宝の待つ先へ!
WIZ : セイレーンの様な亡霊を知略で潜り抜けて、お宝に辿り着け!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
六代目・松座衛門
(SPD)選択
「『連呪刀』…。厄介そうなメガリスだな!」
絶対にこの強力そうなメガリスをオブリビオンには渡してはいけないと、決意しつつ、戦闘用人形「暁闇」と共に廃墟神殿に侵入する。
立ちはだかる怪物、亡霊に対してはUC「手繰り討ち」で、【破魔】の力を纏った人形による高速攻撃を喰らわせてやる!
足場の崩落等のアクシデントも、同UCで人形と共に回避していこう。
アドリブ、連携歓迎
●廃墟神殿の住人達
メガリスは多種多様な力を持ち、一介のオブリビオンでさえその恩恵を受けてしまう。
(「連呪刀」……厄介そうなメガリスだな! 絶対にメガリスをオブリビオンに渡してはいけない……!)
六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)は決意を胸に廃墟神殿に乗り込んでいた。崩れる柱や壁があちこちに見受けられ、見上げれば天井もいくらか抜けてしまっている。そして廃墟を我が物顔で占拠するのは、怪物、亡者、亡霊の群れ。
「……大丈夫、自分だって一人じゃない」
傍らには戦闘用人形「暁闇」がいる。心強い味方だ。どこか腐臭のようなものも漂ってくる陰鬱な雰囲気の中を抜けて松座衛門は奥へ進んでいく。
「ウゴァァァ!!」
「先手必勝っ!」
体表が鱗で覆われた深海人のような怪物が徘徊中に松座衛門を見つけ、襲い掛かってこようとしていた。しかし動きは速くない。松座衛門は暁闇から糸を伸ばして怪物と繋ぐと、糸を拘束で巻き上げて暁闇を怪物へと接近させる。
糸が繋がった怪物へは、たとえどこに逃げられても暁闇が必ず辿り着く。怪物は右腕を振り上げる――が、松座衛門の糸巻きの速さが勝り、
「二ノ型 手繰り討ち!」
最後に糸を力強く引くことで暁闇の魔を打ち破る体当たりが怪物の体に炸裂。
「ガアアァァ……」
破魔の力に押し負けて、巨体がゆっくりと仰け反り倒れた。ズン、と重量級の地響きが起こり、松座衛門はホッとしたのも束の間。
怪物の周囲の床に亀裂が走り、それは松座衛門の足元まで到達して一瞬の浮遊感が襲う。
「うわっ!?」
松座衛門は咄嗟に目に付いた柱の根元へ糸を飛ばした。中ほどから折れており心許ないが、落下する松座衛門の体を支えられそうなものは折れた柱くらいしかない。糸がピンと張って、松座衛門は人形と共に宙吊りにされて止まる。
「危なかった……」
床が崩れた先は島の地下にでも繋がっているのだろうか。暗くてよく見えない。件の怪物が倒れていた床は完全に崩れ、そのまま闇に呑み込まれてしまったようだ。
松座衛門は慎重に糸を手繰って地上に復活する。まだ始まったばかりだと言うのに困難の連続で先が思いやられそうになるが、何が待っていようと進むしかない。駆け出し探索を再開すると、今度は床に転がった謎の群れにぶち当たる。
「ウウウゥゥゥ……ァァァ……」
足音か何かで松座衛門の存在を察知して、起き上がってきた群れは亡者達だった。この場所が廃墟となる前からの住人か、それともメガリスを求めた冒険者のなれの果てか。いずれにせよ欲に塗れた亡者達は松座衛門を仲間に引きずり込まんと押し寄せてくる。
「数が多すぎる……一体一体倒していくんじゃキリがないぞ……」
糸を飛ばす、巻き上げる。この場では速さより物量が上回りそうで、松座衛門は逃げの必要性に迫られた。すり抜け躱して振り切る――それより他にない。
見回し亡者達の隙を伺う。亡者は烏合の衆であるが故に、ギリギリ突破できそうな進路がいくつか見えた。その進路が消えてしまわぬうちに松座衛門は人形を操りながら突っ込んでいく。
亡者達が一斉に松座衛門へ腕を伸ばす。だが危険なのは進路の壁を成している一部の亡者達のみ。
「――うわっ!」
亡者の一体が一歩ぐおっと迫ってきて、松座衛門は右腕を掴まれそうになった。反射的に右腕を振り上げて亡者から引き離すことで事無きを得て、亡者達の間を抜けていく。
今度は左から。暁闇で亡者の腕を打ち据えて、松座衛門は脱兎の如く駆ける。捕まれば一巻の終わり。足は止められない。手は暁闇を操りながら動かし続けなければならない。
亡者の荒波はいつ終わるのか。天にも祈るような気持ちで走り続けて――何十体振り切ったかもわからず疲れ切ったところでようやく開ける視界。細い通路に接続しており、廃墟はまだ奥に続く。
振り返った先では、松座衛門を逃してしまった亡者達がまた廃墟に倒れ、亡者然としていた。ひとまずの危機は乗り越えたようだ。
松座衛門は上がる息を整えつつ、ゆっくりと通路を進んでいくのだった。
成功
🔵🔵🔴
外邨・蛍嘉
さて、私の方がいこうか。グリードオーシャンは陽凪の故郷でもあるしね。
しかしここ、元は神聖な場所だけあって…なんだか懐かしいよ(もともとは歩き巫女を率いていた)
んー、まあ悪霊的にも、いるのはわかるね。亡霊と亡者は強化した結界と浄化を組み合わせた浄化結界で対処しようか。
あとは怪物か…廃墟だというから、身を隠しつつ。ばったり会っちゃったら藤色蛇の目傘でつついたりしようか。
※
陽凪はゆったり泳いでいる。久しぶりの故郷に喜んでいる。
●神祀るそこは怪異の棲家
かつて何者かを祀っていた神殿は、主を失い、聖域を失って廃墟と化した。それでも壁や床に施された彫刻に微かな神殿の面影を感じ取っていた外邨・蛍嘉(雪待天泉・f29452)は懐かしさを覚えながら内部を進む。傍らを泳ぐ巨大熱帯魚の陽凪は故郷であるグリードオーシャンを訪れて、とてもリラックスしているようだ。
ここが歴史の遺産、観光名所なら蛍嘉はきっと猟兵であることを忘れて、見て回り、触れて歩いたことだろう。悪霊の性質は蛍嘉に役目を思い出させるように、気配を鋭敏に感じ取っている。
「……いるね。亡者に……亡霊もだ。余程人が恋しいと見える」
廃墟に巣食う亡者達は生者の血肉を求めて彷徨い、亡霊は潮風のような歌声で生者を冥界に誘おうとする。策無く進み続けるのは鴨が葱を背負って歩いていくようなもの。
「陽凪、少しお待ちよ。今から浄化結界を張る――これで、よし」
両手の指を絡ませるように印を結び、蛍嘉は周囲に円形の結界領域を作り上げる。目には見えぬが歌声は立ちどころにしゅんと萎み、徘徊する亡者達は化物でも見たかのように身を竦ませ、それからよたよたと――彼らなりの全力で逃げ去っていく。
浄化作用は覿面で、亡者達を追いかけ回せばそれこそ存在自体を消し去ってしまえそうだったが、無益に感けている時間も無い。成り行きであれば致し方なし、去る者は追わずの精神で蛍嘉は少し足を速めた。
崩れた瓦礫や柱の陰を隠れ蓑にして、残りの脅威、怪物の目を欺く。歌声の代わりに聞こえてきた呻きは野太く、陰から覗けば見えるのは屈強な体躯。出会い頭に蛇の目の傘で突けば驚き逃げるも有り得るが、出会わないに越したことはない。ずし、と踏んだ丸太のような足をゆっくり回して背を向けるのを見計らって陰より飛び出し、蛍嘉は神殿奥部へと抜けていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
イスラ・ピノス
そうだよね。お宝まだまだある筈だよね。
探検行ってみよう!
色々と危険も多そうだから対応しやすいように…そーちゃんカモン!
そーちゃんと共に進んで、崩落から守って貰ったりクッションになって貰ったり。
落ちた所から上がる時もそーちゃんを足場に登れたりしないかな?
怪物や亡霊も僕の武器とそーちゃんの巨大版武器も使いつつ追い払おう!
相手の攻撃が危ない時にはそーちゃんの中に入って泳いでかわしたりもするよ。
他のお宝もないかとか気にならないことはないけど、
今回は目的がはっきりしているし、無理に相手せずさっさと進んじゃうのが一番!
お宝の下へGO!
●ソーダ水に包まれて
羅針盤戦争の首魁とも言うべきカルロス・グリードがちまちまとへそくりのようにメガリスを隠し持っているわけもなく、終の王笏島は今なお夢と希望に満ちた宝島として存在している。
「そうだよ、お宝はまだまだあるはず! 探検行ってみよう! ……でもその前に、そーちゃんカモン!」
どんよりとした、生気の足りない雰囲気漂う廃墟神殿にはお宝と同じくらい危険にも満ちていそうだ。イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)は何かが起こる前にと瑞々しいソーダ水の巨人「そーちゃん」を召喚した。三メートル強の巨体はイスラに並びながらぷるぷるゆらゆら。体の中にはぽこぽこと小さなソーダの泡が生まれている。
「そーちゃんが居れば、怪物も亡霊もぜーんぜんへっちゃら! よーし、れっつごー!」
イスラが元気いっぱい腕を振り上げれば、そーちゃんも真似て腕を振り上げる。イスラが愉快に歩いていけば、そーちゃんも横をのしのし歩く。
ひび割れた床や瓦礫の山を避けて進んでいくと、崩落の跡か、真っ黒い闇の穴が現れた。
「わぁ、ふかーい。気を付けないとね、そーちゃん」
イスラはそっと覗き込んでみたが、底の様子はよくわからない。耳を澄ませば微かに地底からの呼び声が聞こえてくる気がして、イスラは静かにその場を離れてまた奥へ。
通路に接合した階段をとたとた登り廃墟神殿の上層へ向かっていたイスラだったが、肌には深海に沈んでいくような寒気がじわじわと染み込んでいく。やがて辺りには白靄がかかるようになり、どこからともなく歌声が――。
「……っ!? そーちゃん! これ、亡霊の仕業!」
心を掻き乱し、誘うような歌声だ。イスラは邪念を払うように首を何度も振って、そーちゃんの体の中へダイブした。ぱちぱちと弾ける音とソーダ水の壁が歌声を遮断して、もやもやした頭の中がすっきり冴える。白靄はよく見れば人の目と口のような欠けがいくつも見られた。まさに亡霊である彼らはすでにイスラのすぐ傍まで迫っていたのだ。
イスラはソーダ水の中で腕をぶんぶん振るう。動きに合わせてそーちゃんが巨大な短剣を振り回し亡霊達を斬り払って道が出来ると、今度は足踏みするように両足を動かしてそーちゃんを駆けさせた。不安定な光の屈折で落ち着かない視界だが、イスラは真っ直ぐ前だけを見る。
亡霊達が追い縋って白靄が伸びてきた。前方の通路は半分底抜けの細道。回り込む時間も惜しくてイスラは大股に足を伸ばす。動きを合わせたそーちゃんは穴をびよんと飛び越えて、そのまま広間へ駆け込んだ。
「ウオォォォ!!」
びりびりとソーダ水を突き抜けて響いてきたのは怪物達の雄叫びだ。そーちゃんに負けず劣らずの体躯を持った怪物達が一斉に迫ってくる。引き返せない。突っ込むしかない。今はそーちゃんが持つ武器だけが命綱。
怪物達よりはそーちゃんが機敏さに勝り、怪物達が振り上げる大腕の先手を取って短剣を薙いだ。怪物達の喉元の鱗はガツンと固く刃が跳ね返ってきたが、怯んだ一瞬の隙にイスラはタイヤの如く両足を回してそーちゃんの体を押し通らせる。怪物達の突き出た鱗がずぶんとソーダ水の中に飛び込んでくるのを立ち泳ぎのような格好ですり抜けて、一心不乱に先を目指した。
怪物達もまた追っては来たが、いくらか距離を離すと興味を失ったかのように散って遠のいていく。彼らは好奇心に任せて襲い掛かっていただけで、廃墟神殿を守る使命は帯びていないのだ。危機を脱したイスラはソーダ水から飛び出ると、濡れて乱れた髪を整える。
「危なかったねー。あんな怪物が、もしメガリスを持ったりしたら……。他のお宝もないか、気にはなるけど……今回はちゃんと『ある』ってわかってるお宝を取りに行くのが先決だよね! よーし、お宝のもとへもう一頑張り!」
体感ではもう間近。そーちゃんと元気を共有したイスラは高鳴る鼓動を感じながら、自らの足で踏み出していった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『魔獣』
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POW : ブレイクダウン
単純で重い【物理】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : カラミティ
自身からレベルm半径内の無機物を【有機物を切り裂く竜巻】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : ミーティア
【無数の隕石を召喚し、それら】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
イラスト:もりさわともひろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「メイク・ベル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●形容し難きが魔獣の所以
祭壇の間――猟兵達が辿り着いた広い空間は、かつてそんな呼ばれ方をしていたかもしれない。不可思議な紋章のレリーフに象られた道は真っ直ぐ、崩された台座まで伸びている。
その上に仁王立ちするのは二腕四足の魔の獣。いくつもの生命体をごちゃ混ぜにして作り出されたような歪んだ存在は、猟兵達が探し求めるメガリス「連呪刀」を所持し――。
「ガハァァァ……」
試し斬りに丁度良い相手が現れたとばかりに、連呪刀を振り上げ猛然と突っ込んでいた。
外邨・蛍嘉
んー、つまりは避けて攻撃を当てるってことだね。悪霊だから、そのメガリス『連呪刀』の効果はよーく知ってるよ。
陽凪に騎乗しながら行こうか。
ああ、試し切りの相手にはなってやれないよ。
藤色蛇の目傘を刀にして、と。あとは藤流しの投擲も準備できてる。
UC使用して…そう、こちらも何れかが当たればいいんだよ!
陽凪も避けながら体当たりの機会を伺ってるしね…。
単純な力押しだけだと、それが通じないときにはどうしようもなくなるものさ。
こちとら忍びでもあるんだ、そこは考えるよ。
※
陽凪、頑張って見切って避ける。
武器なので、UC効果対象。体当たり出来たらビックリする。
●連なる呪いも当たらねば
「連呪刀が齎すユーベルコード……よーく知ってるよ。なんたって『悪霊』だからね」
攻撃を与えた者へ、追い討つように更なる厄災を振りまく呪い。名が体を表す刀のメガリスは魔獣の手元で禍々しく輝いている。
蛍嘉は陽凪に騎乗し宙を征く。藤色蛇の目傘を刀へ変えて、反対の手には棒手裏剣、藤流しを取る。一刀一擲を携えた蛍嘉は迫り来る魔獣の眼前へ飛び出していたが、魔獣の思い通りに斬られはしない。
唸る風切り音と共に振り切られた魔獣の剛腕――しかし陽凪は巨体を柔軟に翻して際どく躱す。鱗があとほんの一枚厚ければ皮膚の切っ先が掠めていたかもしれない。一筋でさえ傷が付けば呪いは染み入る。鱗一重の頑張りに、今度は蛍嘉が応える番だ。
藤流しを並べ投擲。それを迎え撃つメガリスの刃が怪しく光る。人の手で定められたような形だが魔獣は扱いを熟知しているようで、薙いだ刃は飛翔した藤流しを軒並み弾いた。
どちらが先に一撃見舞うか。魔獣の周囲を巡る陽凪は果敢な特攻を幾度となく見せた。その度に蛍嘉の身に走る緊張感。接近は諸刃の剣。細心の注意を払わねばならなかった。
蛍嘉が放つ抜け様の一閃は常に魔獣の背や喉元を狙っていたが、魔獣もまた四足を駆使して小刻みに立ち回る。動の陽凪に静の魔獣という構図が出来上がり、刀との衝突で散るメガリスの火花が青黒く咲き誇っていた。
そして機は訪れる。根競べの様相を呈した戦場で、先に音を上げたのは魔獣のほうだ。一向に斬れぬ苛立ちも募っていた。荒く入ったメガリスの刃を瞬時に見抜いて蛍嘉がガチンと跳ね上げる。上体の上ずった魔獣へ陽凪の反転が速い。心意気、確と受け取り蛍嘉は岩壁のような背の鱗へ斬撃を叩き込んだ。
「アガアァァッ!?」
鱗を支える腱ごと断ち削がれて、魔獣は初めてまともに喉を震わせた。赤橙の肉襞が鳴動するのは破壊された器官が魔獣の巨躯を支える重要な部分であったことの証。損傷以上に魔獣の背は丸く傾く。
「グゥゥァァ……」
魔獣は飛び去っていく陽凪を睨みつけながらゆっくりと再起するが、失われた覇気の全てを取り戻せてはいなかった。
大成功
🔵🔵🔵
カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」
神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!
ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。
服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」
《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。
《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!
《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。
◆ボス
ぼす。ビビに倒せるかな。心配。
一緒に行ける人がいたら、ビビ連携とるよ。囮もやる。
難しい事苦手なの。作戦、教えてくださいな。
空中を飛び急降下落下。怪力載せた鹿の足で着地、地面を割る、など。
土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他歓迎
「あらあら……。大変な事態です。お手伝い致します」
一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。
先ずは白揚羽で【結界術】と【オーラ防御】を展開。
敵の攻撃は【第六感】【聞き耳】で察知し【早業】【軽業】【地形の利用】で回避。
通用しなければ薙刀で【武器受け】し【呪詛】を纏わせ【カウンター】。
UCは戦況と効果に合わせて発動。
可能な限り【早業】で敵のUC発動前に。
UCは状況に合わせてどれでも使用。
後はお任せ。
レイン・ファリエル(サポート)
『さぁ、貴方の本気を見せて下さい』
人間のサイキッカー×ダークヒーローの女の子です。
普段の口調は「クールで丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、機嫌が悪いと「無口(私、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は落ち着いてクールな感じのミステリアスな少女です。
人と話すのも好きなので、様々なアドリブ会話描写も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●まじない歪んだ呪いが解ける
終の王笏島のメガリス争奪戦。先に到達したのは魔獣――非個性的な呼び名の獣であったが、世界を禍から守るべく奪取の命を任された者達がいた。
亡霊、亡者が多数存在する廃墟神殿を駆け抜けて現れたるは四人の猟兵。その先陣を切ったのはヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)だった。太くゆったりとした長袖を翼のように扱って鹿足でタッと飛び立つと、ぐんぐん魔獣の頭上まで飛翔し急降下。全体重を足先の一点に集中させた踏みつけの一撃だ。ヴィヴィは天真爛漫を絵に描いたような少女だが、怪力を武器とする力持ち。足技には可愛さとは裏腹の重圧が籠っていた。
そこへ魔獣は筋肉を盛り上げ盾とした腕で対抗した。力に力をぶつけ合う。ヴィヴィが踏みつけた腕は岩石のように硬く、腕の陰より白磁の如き瞳が覗く。背水を覚悟した魔獣の底力が僅かだがヴィヴィを上回り、腕力で叩き落とされる寸前でヴィヴィは宙に翻っていた。
「メガリス――連呪刀の力を封じるには『攻撃を受けないこと』が一番ですが……さすがに真正面からの力押しでどうにかなる相手ではありませんか」
「あら……ヴィヴィさんでダメなら仕方ありませんね。次の作戦に参りましょうか。カツミさん、よろしくお願いしますね」
「任せてよ。ヴィヴィさん、『時計の針』でいくよ!」
「……! わかった……!」
ヴィヴィに続いて戦場に飛び込んできたレイン・ファリエル(クールビューティー・f17014)、土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)、カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)の三人は示し合わせて動き出していた。ヴィヴィがひゅうんと左方向へ回り込むように旋回する下では、一歩先に飛び出したカツミが右へ真逆の円を描き始める。
人の視野ではすでに捉えきれない二人の動き。魔獣はじっと待ち構えていた。感じるのではなく、未だ「見えて」いる。獣であるが故の視野の広さ。しかし強大な敵に臆するほどヴィヴィとカツミは脆くない。
囮になることを厭わぬ者。怪我を負うことを厭わぬ者。泰花は万が一の時のために術を籠めた霊符をその手に並べており、レインは一瞬の隙も見逃すまいと魔獣の一挙手一投足を凝視する。
ヴィヴィが再び落下して迫り、カツミが偽装皮膚を流水の刃に変えて突っ込んだ。魔獣は尾を鞭のようにしならせて接近するカツミを薙ぎ払いつつ、ヴィヴィに連呪刀の刃を向ける。正反対から飛んでくる渾身の一撃すらその身一つで抗わんとする魔獣。強大な個であるからこそ成し得る業だが、四人の連携は相加ではなく相乗だ。泰花が放つ白揚羽の式神は魔獣の巨躯に比べれば蟻のように小さいが、光成す結界は二方向に張り巡らされて尾と刃を同時に防いだ。
結界の裏には反逆がある。一度は防がれたヴィヴィの足技は旋風の蹴りとなって魔獣の右肩に叩き込まれてめりと凹ませ、カツミが球体関節を剥き出しにしながら振り払った一刃が魔獣の左後足を斬り裂いた。
「ガァッ……グゥゥゥ……!」
万全な状態を整えさせなければ彼女達の攻撃は通るとの証左。そして魔獣が側部を晒したことでレインは気付く。
「背中を……いくらか破壊されていますね。光明が見えました。あそこに電流を撃ち込みます」
「では、お供にはこちらを」
泰花が手に取るもう一つは巴形薙刀【菫】。軽やかに振るわれるそれは単体での威力も十分ながら、泰花には更なる目論見がある。
魔獣に向かう攻撃は都合三方より――さすがに捌けぬと判断したか、魔獣はずんと前足を強く振り上げ踏み鳴らした。それを合図に降り注ぐは無数の隕石。崩壊を運命付けられた魔獣の周辺一帯には四人の姿がある。
「僕はよくても――僕以外は、潰させないよ」
神様の加護に全幅の信頼を置くカツミは単身特攻なら構わず攻撃を続けていただろう。だが守るべき仲間がいるこの場では刃を収めて魔獣が放つユーベルコードに対処することを選んだ。一つ時をずらして召喚された隕石群は猛烈に魔獣の隕石を追いかけ、衝突、相殺していく。
隕石の破片が雨霰の如く落下する中を、泰花はレインと共にオーラを傘にして駆け続けていた。細かな切り傷一つ付いてはいけない極限下においての精神集中は見事なもので、広げたオーラはぶれることなく泰花とレインを守護する。
ヴィヴィがつけた右肩の損傷は重しとなり、カツミが刻んだ左後足の裂傷は足枷となっていた。転回しての防御姿勢を取れない魔獣の怨嗟の視線を受けながら泰花とレインは跳び上がる。一段高さを落とした泰花の落下、着地が早く、鱗の剥がれた魔獣の柔らかな背の肉目掛けて泰花はずむんと薙刀の刃を突き刺した。
「ガァッ――」
垂直に立てられた薙刀に泰花の意図が在る。泰花が飛び退いたところへ降る落雷は、何の因果か異国の言葉で「雨」の意を持っていた。
レインは宙で一回転した後に逆立ち、両掌を薙刀の石突目掛けて叩き込む。ずぶっと魔獣の内部に一層押し込まれた薙刀を避雷針として高圧電流が体内に流れ込むと、魔獣の肉体を以ってしても心臓を焼き切られることは防ぎ切れず。
「……ァァ…………」
か細く一声鳴いたかと思えば、魔獣の手からカランと連呪刀が落ち、次いで肉が朽ち骨が溶けていく。電流を叩き込んだ反動のままレインが泰花の薙刀を握ると刃は抵抗なく魔獣の体より抜け、着地に合わせて魔獣は自重に負けて潰れた。
魔獣の残滓はみるみるうちに世界が吐き捨てた過去の中へと還り、呪いの連鎖はようやく断ち切られる。最後に残った宝は最も近くにいたカツミがひょいと拾い上げて、
「終わったね。じゃあ、帰ろうか」
帰途を促し、無事に廃墟神殿攻略完了の一報をグリモアベースに届けたのだった。
成功
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