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【サポート優先】嘘つき悪魔の雑な復讐

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #偽りの炎精マナール #精霊術士 #災魔の卵

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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)


「あーもう、なんで私が焼かれてやられなきゃならないの!」
 中原地方に広がる砂海。文字通り砂の海であるそこを行き来する手段は、蒸気機械で動く航砂船。その中の一艘である小さな船の上、やたらと怒り散らす女が一人。
 赤い肌の豊満な体に高露出の衣装をまとった、愛らしさと妖艶さを併せ持つ少女。だが、湾曲した角や被膜の翼などそれ以上に禍々しさを表すシンボルが目に付く不気味とも言える様相でもあった。
 彼女の名はマナール。アルダワに侵略した猟書家の一人であり、中原地方で炎の精霊を騙りその信仰を失墜させることを目的としている。
 だが、その目論見は中々成功していない。骸の海から這い出るたびに猟兵に見つかり、時には居合わせた精霊術士にすら阻まれ計画は失敗してきた。
 具体的な記憶があるわけではないが、とにかく計画が上手くいっていないことは現在も精霊信仰が揺らいでいないことから分かる。
「だいたいさ、他の猟書家どもがちゃんと働かないから私に面倒が回ってくるのよ! あーむかつく!」
 元の性格が悪いのか、自分の失敗を他者のせいにして喚き散らすマナール。
「結局こんなしょぼい船しか見つからなかったし、何で私が自分で運転しなきゃなんないのよ……」
 ぶつぶつ言いながらマナールは舵輪を固定し針路を一直線に取る。その先にあるのは、ごく小さな荷揚げ港。
「おら燃えろ燃えろー! 炎の精霊さんじょー! あははははは!」
 やけ気味に笑いながら機関部に卵のような者を放り込むと、船は一気に燃え上がり紫の火の玉となって街へと猛進しはじめた。
 一方その頃その港では。
「あ、なんか見たことあるのが……」
 突然の火の玉の襲来に騒ぎ出す中、妙に冷静な一人の精霊術士がいた。


「こんにちは、本日はアルダワ世界での依頼を出したいと思います」
 谷保・まどか(バルバロス委員長・f34934)が資料を手に集まった猟兵たちに告げる。
「敵となるのは猟書家の一人、『偽りの炎精マナール』。中原地方で炎の精霊の名を騙ってテロを起こし、災魔の拡散と信仰の失墜を企んでいるそうです」
 人々の信仰対象を貶める、極めて卑劣な策を好む猟書家。
「既に何度か事件を起こしてはいますが、幸いにして全て猟兵の皆さんのおかげで防がれているみたいですね。それでもまた懲りずに骸の海から出てきて、テロを企んでいるようです。ただ今回は復活した場所が悪かったのか、人の多い船を乗っ取ることができず、自分で小さな舟を盗み出してきて一人で運転してきているようです。本来は嘘をついて人を騙すのが得意らしいですが、今回は騙されていたり人質になっている人はいないようです」
 それでも災魔の卵から生まれた炎が町で爆発すれば大惨事が起こることは変わらない。看過できる話ではないだろう。
「幸い船が向かっている町には、一度マナールの事件にあったことのある精霊術士の方がいます。炎の魔法にも造詣が深いので、潜入や戦闘の助けになるでしょう」
 話が早いのは助かることだ。迅速に船に乗り込んで暴走を止め、マナールを撃破するといいだろう。
「嘘つきなので一応皆さんが前に来れば演技を始めますが、予知で素の口調と性格は全部バレちゃってます。気にしないでどかーんとやっつけちゃって来てください」
 そう言ってまどかはグリモアを起動し、猟兵を小さな港へ送り出した。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。サポート優先初挑戦。

 『注意!』
 今回はサポート優先シナリオとして、基本的にプレイングを各章少数しか募集していません。
 なるべく早い完結を目標に、サポートフル活用、文字数最低限で執筆の予定です。
 プレイングを頂いてもリプレイは非常に短くなります。送る場合はご了承の上でお願いします。

 猟書家『偽りの炎精マナール』が燃える船を待ちに突っ込ませてテロを起こそうとしているので、精霊術士の力を借りそれを止めてください。
 精霊術士は一度マナール出現の事件(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31056、見る必要はなし)に立ち会ったことがあり、同じ状況と説明すれば大体何をすればいいか察してくれます。
 以下詳細。

 ダアド・クルスーム ドラゴニアンの精霊術士×戦巫女(34・女性)。
 中原地方のある神殿で副長の一人を務めている。基本穏やかで有能だが、それが災いして曲者の多い神殿内の潤滑油役になってしまっている。以前マナールの起こした事件に立ち会ったことがあり、偽の精霊事件について多少の知識がある。普段は竜派だが、必要に応じては人になることも厭わない。竜形態だと砂色の鱗と同色の角。人形態だと地味顔低露出巨乳。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『燃え盛る航砂船』

POW   :    何らかの手段で炎に耐えて突入する/精霊術士を強い意志で励まし、力を高めさせる

SPD   :    炎の手の弱い場所から素早く突入する/精霊術士の現場への移動を助ける

WIZ   :    航砂船の速度を落とす手段を講じる/精霊術士に何をすべきか指示する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーヴァルディ・カーライル(サポート)
※【限定解放・血の化身】による分身体

怪力任せな振る舞いは品が無いと感じる
吸血鬼流の礼儀作法に則り行動する高慢な人格

…ふふふ。次はどんな世界かしら?
あの娘の分まで楽しまないとね

はぁ…思いの外、煩わしいものね
太陽の光というのは…

陽光は"影精霊装"の闇に紛れるオーラで防御し、
移動は主に"血の翼"による空中機動を行い、
状況に応じてUCや吸血鬼の能力を使用する

・第六感に訴え魅了、暗示を行う魔眼
・無数の蝙蝠や狼を操り集団戦術で情報を集める眷属召喚
・残像のように存在感を消し罠や障害物を透過する霧化…等々

何か面白いものは無いかしら?
私、とっても退屈しているの

貴方の知っていることを全て教えなさい?


ロラン・ヒュッテンブレナー(サポート)
※絡みアドリブOK
※感情が尻尾や耳によく表れる
※人見知りだが【優しい】性格で育ちのいいお坊ちゃま
※「ぼく」「~なの」「~さん」

狼の嗅覚と聴覚(【追跡】【聞き耳】)や敏捷性(【ダッシュ】【地形の利用】)を駆使した肉体的な探索方法と
電脳空間を通してのデータ引き出し(【世界知識】【ハッキング】)による【情報収集】
たまに姉に似たAI(UC)に協力してもらうこともある

さらに魔術師としての【学習力】、狼変身しての【動物と話す】
貴族スキルの【礼儀作法】と探索スキルを活かす



 突然の紫の火の玉襲来に騒ぎの起こる荷揚げ港。その騒ぎの中でただ一人冷静なのは、出張でこの港へ来ていた精霊術士ダアド・クルスームだ。
 救援要請に応えたリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)とロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は、事前に聞いていた名前と特徴を手掛かりに彼女を探す。すると程なく、慌てる人の詰めかける接岸部分で一人だけ騒がず遠くを見ているドラゴニアンが見つかった。
 確認のため人見知りのロランをおいてまずはリーヴァルディが声をかける。
「もしかして、精霊術士のダアド・クルスーム?」
「え、はい、そうですが……どなたで?」
「猟兵……って言ってわかる? まあ、面白い事件に首を突っ込む物好きよ……ふふふ。次はどんな世界かしら? あの娘の分まで楽しまないとね」
 ダークセイヴァー以外の世界で行動する全権を委任された分体、その吸血鬼流の礼儀作法……傍から見れば高慢にも映る姿勢を露に説明するリーヴァルディ。
「心当たりはあります。やはりあれば精霊様を騙る件の痴れ者の仲間で?」
「仲間というか本人ね。その辺りは学園でも行って災魔の勉強をしてちょうだい」
 その高慢な態度にも、ダアドは気を悪くする様子はない。癖のある者の相手離れているという話だし、そういうことなのだろう。
「つまり、あの船へ乗り付ける手伝いをしろということですね。承知しました。移動手段はお持ちで?」
 聞いていた通り飲み込みは早いらしい。その問いに、少し下がっていたロランが突如として声を発した。
「頭部・腕部格納。各種抵抗相殺術式、および、魔術回路励起。オペレーション・スタート」
 機械音声のようにそう言うと、その小さな体が機械の骨格に包まれる。【アルターギア・フルブースト】で飛びあがったロランはリーヴァルディとダアドにその機首をむける。
「僕は、これでいけるよ……!」
 内気で上品ながらも勇気を振り絞ることは厭わない。機内で彼の耳と尻尾はぴんと立ち、その強い意思を表していた。
 それに合わせるようにリーヴァルディも背中に血色の魔力の翼を大きく広げた。
「はぁ……思いの外、煩わしいものね。太陽の光というのは……」
 そうして飛び立とうとするが、ここは日中は太陽厳しい砂漠地帯。リーヴァルディにとってはあまり好ましくない場所である。
「しからばこれを」
 その様子に、ダアドは自らの杖を振るい精霊の加護を二人に与えた。それは炎を遮り、焼かれず炙られずとするための遮断の加護。照らし、燃やすだけが加護ではない。このように力を抑えるのもまた心通じた者に与えられる加護なのだ。
「ぼくの陰にいるといいんだよ。大丈夫だよ、ゆっくりいくよ……!」
 ロランは大きく機体の翼を広げ、その周囲に闇の魔術を散らせた。
 それは光を厭うリーヴァルディを守り、さらにマナールの上げた闇の炎に弾かれず滑り込む膜となる。
 そのまま翼を広げ、言葉通りゆっくりと、だが危険なく潜り込める場所を察知しながら炎の中に飛び込んでいくロラン。そしてリーヴァルディは何が来てもいいようにその陰で刃を研ぎ澄ます。
「何か面白いものは無いかしら? 私、とっても退屈しているの」
「船は小さいよ。降りれば、すぐ見つかりそうだよ」
 炎の中を悠々進み、その小船に陣取る敵を見つけ出すロラン。敵はすぐそこにありと、闇の中で二対の翼がはためくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、あの時にいらした方ですかぁ。
それでしたら、確かに話は早そうですぅ。

まずはダアドさんを探し事情を説明、『FAS』で飛行して現場へ向かいますねぇ。
今回は『小舟』とのことですから、【崇卓】による『流砂』や『超重力』等に、元々『対艦爆撃』を想定した破壊力を持つ『FDS』を加えれば、破壊して止める方法も採れそうでしょうかぁ?

破壊が可能そうであれば、周辺の地形や『交易路』等を知るであろうダアドさんに『悪影響の少ない流砂による誘導先』を教わり、其方で破壊しましょう。
難しい場合は『耐火結界』を要請、[結界術]も重ねて二重の防護を固め『超重力』で動きを抑えている間に突入しますねぇ。



「成程、あの時にいらした方ですかぁ。それでしたら、確かに話は早そうですぅ」
 この場に居合わせた精霊術士ダアド、彼女が初めてマナールと邂逅した事件に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も参加していた。
 まずは彼女を探そうとするが、燃え盛る航砂船に向かい飛び立った者、それを手助けした者は注目の的になる。探すまでもなく、目当ての相手は見つかった。
 早速接触し、簡単な説明と聞き取りを行うるこる。
「なるほど、あの時にもいらっしゃったのですね。それなら私よりよほどお詳しいでしょう」
「そうでもないですよぉ。教えて欲しいことがありましてぇ」
 そうして聞くのは、このあたりの交易路や破壊行為があっても問題ない場所。
「そうですね、押し返してしまうのが早いとは思いますが、無理そうならあちらの方へ」
 ダアドが指さしたのは港から西の方角。そちらは目ぼしい交易路がなく、船はほとんど通らないらしい。
 それを聞いたるこるは自ら飛行、燃える船へと向かって行った。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その祭壇の理をここに」
 そして【豊乳女神の加護・崇卓】を発動、流砂を起こし燃える船を指定した方向へ押し流した。
 そして十分に離れたと思われたところで、重力操作で抑え込みつつ『FDS』で爆撃をかける。
 このまま船を破壊してしまえば港は守れるし、あわよくば戦わずして撃破も……
 そう思われた瞬間、船が自ら爆発するかの如く巨大な紫炎が巻き起こり、爆風や重力を押し返した。
「アホかー! こんなちっこい船相手に何本気出してんだー!」
 船から上がる怒りの声。流石に猟書家の炎なだけあり船の完全破壊はならなかったようだが、最早町に突っ込んでくることはあるまい。
 ならばあとは直接叩くだけ。そう考え、るこるは一度戻ってダアドに耐火の守護を駆けさせたうえで彼女を伴い船へと向かう。自身の結界と合わせた二重防壁は猟書家の炎さえも遮り、二人は燃える小舟へ無傷で乗り込んだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『偽りの炎精マナール』

POW   :    偽精の裁き
【偽りの『炎の精霊による裁きの言葉』】が命中した対象を燃やす。放たれた【紫の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    炎精の偽典
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【炎属性に見せかけつつ、実際は闇】属性の【紫の炎でできた大波】を、レベル×5mの直線上に放つ。
WIZ   :    死出の導き
戦場全体に、【出口部分にのみ殺傷能力のある紫炎】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。

イラスト:塒ひぷの

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メル・メドレイサです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


風薙・澪(サポート)
戦闘は剣、ポンプアクション散弾銃、魔法を主に使って戦う。
近距離は剣、中距離は銃、遠距離は魔法が主な攻撃手段だが、
状況に応じて距離に拘らず扱う時もある。
敵が少ないときは、逆に剣、銃で隙を作り魔法で止めを刺す。

剣も銃も基本は両手で扱う為、右手に剣、左手銃のような二刀流的なことはほぼしない。
剣は両手持ちではあるものの軽快に扱い、フットワークを軽くして戦う。

銃はほぼ9粒装弾の散弾を使っているが、対象を打ち抜けないときなどはスラッグ(一粒弾)も使う。
いずれにせよ射程はあまり長くない。
弾倉はチューブマガジンで後入先出。(最後に込めた弾薬が最初に撃ち出される)
弾薬入手はUDCではなく別世界から入手している



「やれ、せせこましい港に余る加護をくれてやろうとしたが、随分と粗末な歓迎をしてくれる」
 敵襲を受け、偽りの炎精としての仮面をかぶるマナール。だがその薄っぺらい嘘は、この場にいる者にはとうに見抜かれていた。
「ああ、やはり覚えていないのですね……構いません、慣れてますので……」
 彼女の仮面が剥がれたところを見たことのある精霊術士ダアドは、自らがマナールに覚えられていないことに半ば諦め気味にそう言った。最もどれほど印象深い相手だろうと倒され復活してしまえば忘れてしまうのがオブリビオンの常なのだが、彼女の嘆きと諦めはそんな単純な話ではないのかもしれない。
 ともあれ相手が本物の精霊でないことなどとうに分かっている。自らも精霊力を使う風薙・澪(ウィザードウォーリア・f17869)は、精霊の評判を貶めるこの敵に対して毅然とした態度で……
「うーん、めんどくさいわ」
 もとい、だいぶ気の抜けた態度で向かい合った。その手にあるのは、両手で抱える大型のポンプアクション式ショットガン。
「私を前にその無礼なる態度。万死に値するわ!」
 恐らくはこれも偽りだろう怒りの様相を見せ、澪に裁きの言葉を下すマナール。その言葉は紫の炎となって澪の体を取り巻いた。
「構わない」
 その炎に焼かれながらも、強引にショットガンを撃つ澪。九発の玉が散らばってマナールを襲い、その赤い肌に炸裂する。
「あだっ!」
 ショットガンに撃たれて痛いで済んでいるのはさすが猟書家と言ったところ。だがその時燃える船の周りを、また別の何かが飛び回った。
「宇宙に比べりゃこのくらい軽いさ!」
 それは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の操縦する宇宙カブ。宇宙空間すら飛び回れるそのバイクなら、砂の海の上だろうが飛び回ることは容易。燃える船の周囲を旋回しつつ、多喜はマナールを煽っていく。
「炎精様にしちゃずいぶんシケた船乗ってるじゃないか!」
「うっさい! 私だって好きで乗ってるわけじゃないわ!」
 思わず素の言葉で言い返すマナール。その様子を見て多喜は思う。彼女は不本意な状況に置かれるほどに冷静さを失い、泥沼にはまっていってしまうタイプなのだろうと。
 ならば、一気に畳みかけ調子を取り戻させないのが上策。カブをうならせ針路を燃える船の方向へと取った。
「人のこと馬鹿にして……燃えろ!」
 短い裁きの言葉。だがそれさえも多喜の体に火をつける。澪と多喜、両方が言葉によって燃え上がらせられたが、その技もダアドは見たことがある。
「あなたが覚えていなくとも私は知っています。抑えるくらいなら」
 加護の力で二人の炎を鎮火させるダアド。いつまでも抑え続けることは出来まいが、一気呵成を駆ける一瞬さえあるならば。
「ルートが見えた……! 食らいなっ、サイキック・ブレイカー!」
 その一瞬をものにするため、【サイキック・ブレイカー】の突撃を駆ける多喜。強烈な突進にマナールの体が大きく揺らぐと、そこを押し倒すが如く澪の銃口が押しあてられる。
「これでも食らいなさい」
 本来は中距離で用いる銃を、あえて至近で打ちまくる【散弾連射】。本来広範にばらまかれる弾が一か所に纏めてぶち当たり、強烈な攻撃力となって猟書家の体を破壊する。
「ぐ、げっ!?」
 仰向けに倒れても、なおも構わず床に縫い付けるように浴びせられる散弾。
 バイクの突撃と散弾という分かりやすすぎる圧倒的暴力の前には、悪魔の二枚舌など何の力にもならないのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。

その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。

服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」

《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。

《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!

《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。

◆ボス
ぼす。ビビに倒せるかな。心配。
一緒に行ける人がいたら、ビビ連携とるよ。囮もやる。
難しい事苦手なの。作戦、教えてくださいな。

空中を飛び急降下落下。怪力載せた鹿の足で着地、地面を割る、など。



 圧倒的な物理攻撃に倒れるマナール。だが、やはり猟書家とあってその地力は圧倒的に高い。
「あーもう、なんでこうなるかな!」
 悪態をつきながら体を起こすが、その前に一人の猟兵が舞い降りた。
「困った時は精霊さんに聞く! 精霊さんはあなたは偽物って言ったよ」
 ヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)もまた精霊術士の力を持つ猟兵。マナールを偽物と断じるその声に従い、彼女を断罪しに現れたのだ。
「ぼす。ビビに倒せるかな。心配」
 だが相手の強さはヴィヴィも理解できる。彼女の実力も相当なものなのだが、元々作戦を立てるのが苦手と自覚していることもあり、嘘つきで頭が回ると聞く敵を相手取るのには不安があった。
「一緒に頑張りましょうね」
 そんな彼女に、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)が優しく声をかける。対人恐怖症の気のある彼女だが、生来の温厚な性格からややたどたどしい喋りをするヴィヴィを放っておけず声をかけたのだ。
「難しい事苦手なの。作戦、教えてくださいな」
「え? えっと……その……じゃ、じゃあ……」
 ヴィヴィが指示に従う意思を見せれば、メイリンは懸命に作戦を考える。その互いを思いやる共闘を、ダアドは『うちもこんな人たちばかりなら……』と悲しそうに見ているがまあそれはそれだ。
 無論マナールも相手の協力体制を看過するつもりはない。
「この私を前に私語に耽るとは、その非礼死を持って償うがいい!」
 今更な作り口調で下された裁きの言葉はやはり炎となって二人の身を焦がす。その炎は、だが前に飛び出たヴィヴィがより多く言葉を浴びたことで彼女を大きく燃やした。
「ビビ連携とるよ。囮もやる」
 考えることは苦手だが体力には自信がある。ならば自分が盾になると前に出たヴィヴィ。その意に応えようと、メイリンはぐっと拳を握った。
「分かりました、これで行きます! 私の中に眠る竜の力よ、槍に宿りて敵を貫きなさい!」
 【飛竜の聖槍】で作り上げた聖なる槍、ヴィヴィの横を飛び出し、それを構えて一気にチャージをかけるメイリン。勢いよくぶち当たった穂先はその体を抉り、大きく揺らがせる。
「一撃ドーン、が得意よ」
 そこに掴みかかり【びったんびったん】の体勢に持ち込むヴィヴィ。マナールは体を燃やしその高速を振りほどこうとするが、炎はダアドに抑え込まれ全力は出せない。
 ヴィヴィの力によって振り回されるマナール。その叩き付けられる先は。
「ここに……!」
 メイリンの構えた聖なる槍。
 切れ切れな言葉で、しかし確かにつながった連携が、一人薄っぺらな言葉ばかりを並べる偽精霊の体を貫くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
どうやら、発見出来たみたいですぅ。
始めましょう。

相手の能力は『言葉』を媒体としますから、声の届く範囲であれば影響を受ける可能性が有りますぅ。
ダアドさんには『周囲の被害を防ぐ』形の対応をお願いしますねぇ。

そして『FAS』により飛行、相手の上方に回り残る『F●S』各種を展開、【餮囹】を発動し『乳白色の波動』を放射しましょう。
此方は『敵対者の行動の阻害』と『敵対者自身とその攻撃の吸収』が可能ですから、『言葉』や『炎』であっても、吸収し防ぐことが出来ますぅ。
後は『F●S各種による攻撃』と『直接吸収』を重ね、確実に叩いて参りますねぇ。
『吸収からの増量』→[重量攻撃]という方法も?



 盗んだ小舟で走りだし、あっという間に追い詰められた猟書家マナール。
「どうやら、発見出来たみたいですぅ。始めましょう」
 彼女に引導を渡すべく、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は船へと舞い降りた。
 そしてまずダアドに頼むのは敵の能力の妨害。心得たとばかりにダアドは精霊の力を解き放った。
「確か、この様なやり方を用いていた人がいたはずで」
 【エレメンタル・ファンタジア】で炎の暴風雨を呼び、周囲の音をその轟音で掻き消す。るこるが以前マナールと戦った時彼女と共闘した術士が用いたやり方だが、それをダアドは真似てみたのだ。
「あ……こら……」
 風の中切れ切れにしか聞こえないマナールの声が起こす炎は小さい。その隙にるこるは上方へ浮遊し、マナールの真上に陣取った。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、咎人を留め置く扉の鍵を此処に」
 【豊乳女神の加護・餮囹】により行動阻害とエネルギー吸収の波動を頭からかぶせる。その波動を押し切るかのようにマナールは声を張り上げ、周囲に炎を滾らせた。
「あーもう、細かいことはどうでもいい! 燃えろ!」
 ついに素の口調のまま、相手への怒りを裁きに変え叩き付けるマナール。短い言葉故か阻害と吸収を掻い潜りやっとるこるの体に火をつけたが、それ以前に妨害、吸収された力はかなりのもの。
 そしてその力の行く先は。
「えい」
 全てはるこるの『胸』となり、そのまま浮遊をやめて重力に任せマナールに向けて落下した。
「こ、こんなアホなやられ方なんてー!」
 雑に復讐を試みて雑に突っ込んできた嘘つき猟書家は、自慢の弁舌を活かす間もなく雑につぶれて消えていった。
 一緒に破壊された小舟の代わりにダアドを自分の胸に乗せ、砂漠をミルク溢れる地に……という何かの言い伝えを彷彿とさせるかの如く砂海の上にるこるは聳えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月18日


挿絵イラスト