#シルバーレイン
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紅葉も真っ赤に色づいた、季節はまさに行楽の秋。
長いお鼻のゾウさんも、首の長いキリンさんも、ゆるかわ人気者のパンダさんも。
沢山の動物を眺めながら楽しむ動物園は、秋の遠足にもぴったりの場所。
動物園にいる様々な動物さんたちを見てまわるのは勿論のこと。
真っ赤に染まった紅葉広場で、作って来た弁当を広げてピクニックも良いし。
動物さん幕の内弁当や、人気の動物さんドーナツやプリンなどのスイーツを売店で買って食べてもいいだろう。
歩き回るのが面倒であれば、ぐるりと園内をのんびり1周してくれるパークトレインに乗るというのも手のひとつ。
ふれあい広場では、もふもふな動物さんたちと戯れて餌をあげることだってできる。
一人でふらり散策や、のんびり絵を描いたり、動物に癒されたりしている人もいれば。
カップルで楽しむ人達や、賑やかな家族連れやグループまで、様々な人達の姿が。
けれど――ぴょんぴょん、と。
ふわふわ可愛いウサギたちの小屋には、確かに色々なウサギさんがいるようだけれど。
『ただただ、苺が食べたいだけなの……!』
『どうしよう、好きになっちゃいました! 恋人になってくれなきゃ離れない!』
そこには、再び降り注いだ銀の雨の影響で――暴力衝動に支配されている、妖獣化したウサギたちの存在が。
●秋色遠足と困った兎さん
「この、チベットスナギツネさんとやらのクリームパンが、個人的にとても気になるな」
筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)は、動物園のパンフレットのスイーツ紹介をじいっと真剣に眺めつつ言った後。集まってくれた皆に礼を告げ、そして視えた予知を語り始める。
「一度は守られたのだという、シルバーレインの世界。だが再びこの世界に、脅威を呼ぶ銀の雨が降り注ぎ始めたのだという。そしてその影響か、紅葉が色づいた秋の動物園に、「妖獣化オブリビオン」が出現することが予知された」
妖獣化オブリビオンとは、本能や衝動や苦痛に支配され、人間を暴力的に殺戮するオブリビオン」で、その外見は妖獣のものとは限らないというが。「暴力衝動に支配されている」という点は共通しているのだという。そして「妖獣化オブリビオン」はまるで野生動物のように行動しているというが、人間を発見すると瞬く間に襲いかかり、殺戮してしまう性質を持つという。多くの場合は人間を無差別に襲うが、中には「特定の種類の人間だけを襲う」オブリビオンもいるようだ。
「いずれにせよ、一般人と遭遇すると大変な事になるが。大量殺戮の前に凶行を予知できたので、その討伐へと皆に赴いて貰いたい」
「今回出現するのは、ウサギ小屋に入ろうとする客を殺戮しようとする兎のオブリビオン達だ」
だが、秋の動物園には沢山の人たちが訪れている。
そんな人たちをまずは、ウサギ小屋へと近づけないようにしなければならない。
「事件が起こるウサギ小屋は幸い動物園の最奥にあり、この日は大掛かりな清掃中で、昼過ぎにならないと展示が開始されないのだという。オブリビオンは、ウサギや飼育員ではなく、ウサギを観に来た客のみを小屋の外で襲うというので。他のエリアで楽しそうな様子や会話をして一般人の足をその場に留めたり、ウサギ小屋の近くでさり気なく追い払ったりなどしてから。清掃が終わり展示が開始されれば、現場へと向かい、出現するオブリビオンを退治して欲しい」
そして現れる兎の妖獣オブリビオンというのは。
「まず最初に現れるのは、苺が大好きな兎のゴーストだ。ただただ苺が食べたいオブリビオンで、苺持ってる人には容赦がないのだという。食べられない苺で飾られた杖から、腹ペコを誘発させるような魔法の如き攻撃などをしてくることもあるという」
そんな、大の苺好きで寂しがり屋なオブリビオン達を倒せば。
次に現れるというのは――恋に恋する、兎のオブリビオン。
「このオブリビオンは、ただ目が合ったり声を聞くだけで男女問わず恋に落ち、攻撃も拒絶もぴょこりと跳ねるように躱しながら、恋人になれと執拗に迫ってくるという」
普通の恋する乙女ならばまだしも、相手はオブリビオン。しかも、妖獣化している。
放っておけば確実に被害が出てしまうので、その前に倒して欲しいという依頼である。
「俺も、動物さんはとても好きだ。今の季節は行楽日和、オブリビオン退治は勿論のこと、真っ赤な秋の色に染まった動物園も楽しんできてくれ」
帰るまでが遠足、どうぞ気を付けて……と。
清史郎はそう微笑み、動物園のパンフレットを手渡した後。
満開桜を掌に咲かせ、運命の糸が繋がった銀の雨が降る世界へと、皆を送り届ける。
志稲愛海
志稲愛海です。
よろしくお願いします!
※ご連絡※ 第1章受付は、11/17(水)朝8:31より開始します。
第1章の追加冒頭はありません。
今回の内容は以下です。
第1章:たまにはぶらりと(日常)
第2章:寂しがり屋の苺雪兎(集団戦)
第3章:宇佐美・藍沙(ボス戦)
第1章は、秋の動物園をご自由にお過ごし下さい! 時間は午前中~昼過ぎです。
できることは概ねOPにある通りですが。
動物園にいそうな定番の動物から、ちょっと変わった動物まで。
様々な動物達を、歩いてだったりパークトレインで観て回ったりは勿論。
紅葉色づいた広場で、ピクニックしたりもできます。
動物さん幕の内弁当や、動物さんスイーツやドリンク等も売店で買えます。
ドーナツにプリンにアイスにパンに中華まん等々の食べ物や。
ラテアートされた珈琲やココア、動物さんのアイスが浮かんだソーダ等々。
好きな動物さんモチーフの、お好きなものが選べます。
ふれあい広場では、もふもふな小動物さん達と戯れることができます。
他、動物園でできることはできますので。
人払いも楽しく過ごしていればできますので、動物園を楽しんで下さい!
第2章と第3章は、戦闘です。
苺が大好きな兎さんとの集団戦と、恋に恋する兎さんのボス戦です。
詳細は各章、断章を掲載しますが。
コミカルでもシリアスでもほのぼのでも、お好みで!
公序良俗に反する事、他人への迷惑行為、未成年の飲酒喫煙は厳禁です。
締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。
●お願い
同行者がいる場合は【相手の名前(呼称推奨)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入をお忘れなくお願いします。
グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
ですが、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。
可能な限り皆様書かせて頂きたく思っています。
お気軽にご参加ください!
第1章 日常
『たまにはぶらりと』
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POW : 考えるより歩く
SPD : 人より前を進む
WIZ : ふいに足を止め、景色を眺めてみる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミリアリア・アーデルハイム
朝一番にシロフクロウさんとワシミミズクさんを堪能します。わあ、大きすぎて気づきませんでしたけどあの白くて真ん丸のふあっふあしたのがフクロウさんですね!こっちがミミズクさんですか、やっぱり大きい!
紅葉広場で早目のお昼ごはん。ベーグルサンドです。
食べ終われば動物園の清掃員に扮し、うさぎ小屋のそばで清掃活動をしつつ一般客を遠ざけます。
只今清掃中です、午後から開きますので暫くお待ちください。
今の時間は中央通りの「ペンギンさんのお散歩行列」がおすすめですよ!
さはれさりとてさりながら
見えぬ障りを確と識る
然れば去りませ今暫し
UCで人払い属性の結界を
そうだ、帰りにシロフクロウさんのぬいぐるみを買いましょう!
動物園のゲートが開くのを、今か今かと待ち構えてから。
園内にうきうきと足を踏み入れたミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)が朝一番に会いにいくのは、この子たち。
「わあ、大きすぎて気づきませんでしたけど、あの白くて真ん丸のふあっふあしたのがフクロウさんですね!」
そう……まんまるもふもふとした、フクロウさんたち!
「こっちがミミズクさんですか、やっぱり大きい!」
近くで見てみれば、シロフクロウさんもワシミミズクさんも、思ったよりもずっともふもふで大きくて。
じいっと見つめてくる円らなおめめも、とても可愛い。
そして暫くフクロウさんたちと見つめ合いつつ、存分に堪能すれば。
紅に染まる動物園をぐるりと巡って。
少しだけお昼には早いけれど、通りかかった紅葉広場でお昼ごはんを。
ひらり舞い降る秋の彩と、遠目に見える動物達を眺めながら。
はむりと口に運ぶベーグルサンドの包み紙にも、さり気なくフクロウさんの印が。
そして腹拵えが終われば、再びミリアリアは園内を歩き出す。
でも、さっきみたいにお客さんとしてではなくて……今度は、動物園の清掃員の姿で。
向かう先は勿論、事件が起こると聞いたウサギ小屋。
その傍で、清掃活動をしつつも。
「只今清掃中です、午後から開きますので暫くお待ちください」
ウサギを観に来たらしき家族連れへと、すかさず声を掛けて。
「今の時間は中央通りの「ペンギンさんのお散歩行列」がおすすめですよ!」
「そうなんですね、じゃあペンギン観に行こうか」
さり気なく自然に、ウサギ小屋から遠ざける。
そしてそっと紡ぐのは、予言の言葉。
――さはれさりとてさりながら 見えぬ障りを確と識る 然れば去りませ今暫し……。
人払い属性の結界を張って、より万全にしてから。
ミリアリアは、ペンギンを観に去っていく子供が抱えているもふもふを見て、思うのだった。
……そうだ、帰りにシロフクロウさんのぬいぐるみを買いましょう! って。
大成功
🔵🔵🔵
篝・倫太郎
【華禱】
やっぱさ、ここはこれ一択だろ?
だって、夜彦……ふわもこ好きだろ?
動物園に持ち込みは本来だめだから
しょこらはバスケットに入っててな?
出てきちゃだめだぞ?
やっぱりうさぎいるな……
つか、でかいのは子供に人気だなぁ……なんつったっけ?
あ、フレミッシュジャイアントだ!
子供達の人気者は眺めるに留めて
普段触れ慣れてるしょこら達と同じくらいのサイズを撫でて突いて
あ、牧草やれるってさ!よし!喰うか?
なんて、牧草差し出して餌付けしつつ
にこにこご機嫌な夜彦をうさぎごと愛でる
は!視線を!感じる!
バスケットから視線を感じる……!
しょこらは食いしん坊だからなぁ
お仕事終わったら美味しいのやるから大人しくしててネ?
月舘・夜彦
【華禱】
勿論、ふれあい広場です
動物さん達と触れ合いましょう
ましゅまろはバスケットに収納
出番までは、此処で待っていてくださいね?
兎でも種類によって耳や模様、体の大きさも異なりますね
掌に収まる程の小さい子も可愛らしいです
その逆も……子供の両腕でも溢れてしまう程の大きさのもいるのですね
なるほど、ふれみっしゅじゃいあんとという種類ですか
大きい子は遠くで見る程度に私達は寄ってきた子達に牧草をあげます
……小さな口で食べる様子がなんとも愛らしいです
倫太郎にも兎を見せてあげながら微笑ましく兎と戯れる
……お腹を空かせたのか、嫉妬しているのか
妙に視線を感じていますが戦いを終えたら、しっかり埋め合わせをしましょうね
見上げる青空に舞う、真っ赤に色づいた紅葉たち。
吹き抜ける秋風は心地良く、快晴の今日はまさに、秋の行楽日和である。
そして、やって来た動物園のゲートをくぐれば。
沢山の人がまず足を止めて眺めるのは、眼前の大きな園内の案内看板であろう。
けれど、園内を染める紅をさくりと踏みしめるふたりの足は止まる事はなく、向ける爪先に迷いはない。
それもそのはず。
「やっぱさ、ここはこれ一択だろ?」
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)の心は、動物園を訪れる前からとうに決まっていた。
いや、倫太郎は勿論なのであるが。
向けた琥珀に映るのは、すぐ隣を歩く月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)。
実直で真面目な様子はいつもと変わらないが、藍色の長い髪を秋空に躍らせるその足取りは軽く。
見つめる方も思わずにこにこしてしまうほど、わくわくしている。
そんな彼の心をわくわくそわりとさせているのは、脇目も振らず向かう先。
「だって、夜彦……ふわもこ好きだろ?」
そう、ふわもこ!
夜彦は倫太郎へと翡翠の瞳を向けてから、こくりと大きく頷いて。
迷いなき声で、彼の言葉に続ける。
動物園といえば、初めから目的地は一択。
「勿論、ふれあい広場です。動物さん達と触れ合いましょう」
もふもふ動物さんたちと戯れられる、ふれあい広場です!
そんなふたりが提げているのは、お揃いのバスケット。
刹那、倫太郎のバスケットの蓋がちょっぴりだけ持ち上がって。
「動物園に持ち込みは本来だめだから、しょこらはバスケットに入っててな?」
……出てきちゃだめだぞ?
そう念を押す声に、ぱたりとまた閉じる蓋。
いい子にはしているけれど、たまにアピールするようにひょこり動きをみせるショコラへと言葉を向ける倫太郎の隣で。
「ましゅまろも出番までは、此処で待っていてくださいね?」
夜彦は、自分のバスケットの中で、じいとしている様子のましゅまろにも、そう声を。
そして事前にチェックしていた道筋を辿れば、お目当てのふれあい広場は何なく見つかって。
ヤギやヒツジ、モルモットにヒヨコ……沢山のふわもこがいるけれど。
ぴょこりと無邪気に遊んだり、子供達になでなでされているのは。
「やっぱりうさぎいるな……」
「兎でも種類によって耳や模様、体の大きさも異なりますね」
もふもふころんとした、沢山のウサギさんたち。
ふたりは、そんないっぱいいるウサギさんをぐるりと見回して。
「掌に収まる程の小さい子も可愛らしいです。その逆も……子供の両腕でも溢れてしまう程の大きさのもいるのですね」
「つか、でかいのは子供に人気だなぁ……なんつったっけ?」
もふりと頑張って抱っこしている子の顔が見えないくらいの大きなウサギを見遣る倫太郎の横で。
この広場にいるウサギの種類が書かれた看板を見つける夜彦。
「なるほど、ふれみっしゅじゃいあんとという種類ですか」
「あ、フレミッシュジャイアントだ!」
ぽんっと手を打ちながらも、倫太郎は改めてもっふもふなフレミッシュジャイアントを見れば。
やはり貫禄ある大きなもふもふは、子供達に大人気。
そんな大きな人気の子は遠くで見る程度にして。
倫太郎がひょいと優しく抱っこするのは、普段触れ慣れてるしょこら達と同じくらいのサイズの子。
もふもふ撫でて、つんつん突いてみれば、嬉しそうにお鼻をひくひく。
「あ、牧草やれるってさ! よし! 喰うか?」
そう牧草を手にすれば、お耳をひょこり。
差し出したごはんをもそもそ食べるふわもこ。
そして夜彦も、餌の牧草を手にしてみれば。
足元にぴょこりと寄ってきて、ちょうだい? と。
そう言わんばかりに、てしてしっとおねだりするウサギさん。
そんな子を屈んで抱っこしてあげてから、牧草を差し出せば。
「……小さな口で食べる様子がなんとも愛らしいです」
……見てください、倫太郎、って。
微笑ましくウサギさんと戯れながら、倫太郎にもその子を見せてあげる夜彦。
そんな可愛い姿を、倫太郎は存分に愛でる。
にこにこほわほわご機嫌な夜彦を、ウサギごと。
そして、そんなウサギさんたちと、暫しもふもふ楽しく戯れていたふたりだけれど。
……じぃ~~~っ。
「は! 視線を! 感じる! バスケットから視線を感じる……!」
向けられている視線に気が付く。
並んで置いているバスケットの蓋から仲良く覗く2匹のおめめに。
「……お腹を空かせたのか、嫉妬しているのか」
「しょこらは食いしん坊だからなぁ」
……お仕事終わったら美味しいのやるから大人しくしててネ?
そう宥める様に言った倫太郎に続いて、妙に視線を感じながらも、夜彦も約束を。
……戦いを終えたら、しっかり埋め合わせをしましょうね、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雲烟・叶
【星想】
名前は知っていても見たことがねぇ動物も多いですね
さ、行きましょお嬢さん
リボンを手に絡め、何時ものように手を繋ぐ代わりに
おや、梟ですねぇ
お嬢さん見られてますよ、同じ夜の匂いがするんでしょうか
この白い熊は泳ぎも達者だそうですよ、その内泳ぐ所も見てみてぇですね
動物より、目を輝かせているお嬢さんを見るのが楽しいんですよねぇ
……内緒ですよ
広場で弁当を広げてゆっくりしましょ
ネムリアのお嬢さんが一所懸命に学んでくださったからですよ
……、……嗚呼もう、お前ね……いえ、何でもねぇですよ気にする自分が悪ぃんで
ん、美味しい
少しだけ耳が熱いのは、多分気の所為
最近、心が儘ならない
ええ、きっとまた行きましょうね
ネムリア・ティーズ
【星想】
案内を見ても、しらない動物ばかりだったの
色んな子に会えるのが楽しみだね
何より、キミと初めての場所を歩けるのがうれしい
手繋ぎ代わりのリボンに指を絡めて
キリンってすごく大きいんだね
…わあ、叶、まっしろなクマがいるよ
きれいな雪色、かっこよくてかわいいな
ぐるり巡った後は広場でひとやすみ
お弁当作りも楽しかったの
叶は教えるのが上手だから、美味しそうにできたね
艶々なタコさんウインナーをキミの口元に運んで
この子が一番きれいにできたんだ、叶にあげる
どうかな?と小首傾げ
ふふ、そう言って貰えるとうれしいね
…きっと、相手がキミだから
全部がこんなに嬉しくて
お弁当作りも練習するから
また、秋のお出かけをしようね
秋色に彩られた紅葉たちが、はらりひらりと舞う青空の下。
動物園内に足を踏み入れたふたりがまず足を止めたのは、園内案内の大きな看板であった。
まだ動物と出会う前から、じいっとふたり並んで、それを暫し見つめてから。
ようやく、ネムリア・ティーズ(余光・f01004)と雲烟・叶(呪物・f07442)は、降り積もる紅の絨毯をさくりと鳴らし始める。
「案内を見ても、しらない動物ばかりだったの」
「名前は知っていても見たことがねぇ動物も多いですね」
知識としては知っているけれど、でも看板に描かれていたのは、実際に見たことがない動物たち。
「色んな子に会えるのが楽しみだね」
ネムリアはそう、宵紫を湛える瞳を細めてから。
そっと見上げるのは、隣を歩く彼の横顔。
見たことのない子たちとの出会いも勿論、とても楽しみなのだけれど。
「さ、行きましょお嬢さん」
降る声とともに伸ばされた彼の指先の行き先は、ひらり秋風に揺れるリボン。
何時ものように、手繋ぎ代わりのリボンに互いの指を絡めて。
紅の彩りに包まれた青空の下、ネムリアは月の耀き纏う銀糸を躍らせる。
……何より、キミと初めての場所を歩けるのがうれしい、って。
そして、きょろりと視線巡らせれば――見つけたのは、キリン。
その近くへと歩み寄ってみれば。
「キリンってすごく大きいんだね」
ぐんとキリンさんと同じ様に首を伸ばして、瞳をぱちくり。
「首が長いことは知っていましたけど、こんなに大きいんですねぇ」
そう返して、隣の彼女の様子に笑みながらも。
「おや、梟ですねぇ」
叶がふと感じた視線に振り返れば、もっふりまんまる梟さんの姿が。
でも、円らなおめめが見つめているのは、自分ではなくて。
「お嬢さん見られてますよ、同じ夜の匂いがするんでしょうか」
隣にいる彼女に、みたい。
ネムリアもその声に、くるりと振り返って。
こんにちは、って、もふもふな夜の子と見つめ合ってご挨拶を。
それから、互いに握るリボンを揺らして再び歩き出せば。
「……わあ、叶、まっしろなクマがいるよ」
次は、クマはクマでも、真っ白なクマさんが。
名もまさに、見た目通りのシロクマさん。
「きれいな雪色、かっこよくてかわいいな」
そう紅の景色に映える真白ないろをしたクマを、ネムリアは暫し眺めて。
「この白い熊は泳ぎも達者だそうですよ、その内泳ぐ所も見てみてぇですね」
「この雪色のクマ、泳ぎが上手なんだ」
叶の言葉に瞳をぱちくり、改めてじいっとシロクマへと視線を向けるネムリア。
そして叶も、微笑まし気に見つめる。
(「動物より、目を輝かせているお嬢さんを見るのが楽しいんですよねぇ」)
動物をキラキラした目で見ている、隣の彼女の姿を。
……内緒ですよ、なんてそっと笑み零しながら。
それから沢山、色々な動物さんと出会って。
気が付けば、結構ぐるりと歩き回っていい時間になったから。
「広場で弁当を広げてゆっくりしましょ」
叶は、ちょうど通りかかった広場へと、ネムリアと共に足を向けて。
「お弁当作りも楽しかったの。叶は教えるのが上手だから、美味しそうにできたね」
「ネムリアのお嬢さんが一所懸命に学んでくださったからですよ」
ぱかりとネムリアが開いたのは、叶に教えて貰って作ったお弁当。
そして、彼の口元へと運ぶ。
「この子が一番きれいにできたんだ、叶にあげる」
一等賞の出来の、艶々なタコさんウインナーを。
そんな不意に差し出されたタコさんと、思わず見開いた目でお見合いした後。
「……、……嗚呼もう、お前ね……」
叶は思わずそう声を漏らすけれど。
自分をじいっと見つめる彼女に、ひとつ息をついてから。
……いえ、何でもねぇですよ気にする自分が悪ぃんで、と。
差し出されたタコさんを、ぱくり。
どうかな? と小首傾げる姿に瞳細め、こくりと頷く。
――ん、美味しい、って。
「ふふ、そう言って貰えるとうれしいね」
そしてふわり向けられたその笑みを見れば。
(「……最近、心が儘ならない」)
ひらり舞い降る紅葉とまるでお揃いかのように。
少しだけ耳が熱いのは……多分、気の所為。
「お弁当作りも練習するから。また、秋のお出かけをしようね」
「ええ、きっとまた行きましょうね」
そして、もぐもぐとタコさんを美味しそうに食べてくれる叶を見つめながら。
ネムリアは、全部嬉しくなる。
動物達との出会いも、美味しいお弁当も、秋色の風景を並んで歩くのも。
……きっと、相手がキミだから、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
せっかく動物園に来たのだから、動物を見ましょう。
飲み食いはノーサンキューよ(うつろな目)
さて、ネコ科の動物はどこかしらー?
ライオン、トラとかも良いけどサーバルとか良いわよね。
こうすらっとした感じで凛々しいわ。
(30分ほど檻の前で固まるヤドリガミ)
やはり猫(っぽい親戚含む)は良いわね…。
変な牙持って首を狙ってきそうな兎とは大違いよ。
本当は猫さんともふもふ触れ合ったりできれば最高なのだけれど。
それは動物園ではNGでしょうから、自重するわ。
やって来たのは、秋のお出かけにぴったりな動物園。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は訪れた園内をくるりと見回してから。
「せっかく動物園に来たのだから、動物を見ましょう」
たくさんいる動物たちを見て回る事に。
ええ、季節は行楽の秋です、行楽の秋。
「飲み食いはノーサンキューよ」
食欲の秋は……ちょっと色々と体重計がまた怖くなるので、ノーサンキューです!
美味しそうな動物園スイーツや動物園メニューを極力見ないように、うつろな目で呟きを落としながらも。
気を取り直して、いざ探すのは。
「さて、ネコ科の動物はどこかしらー?」
そう……ネコさん!
ということで、ネコさんの仲間達をひとつ残らずチェックするヴィオレッタ。
「ライオン、トラとかも良いけどサーバルとか良いわよね」
……こうすらっとした感じで凛々しいわ、と。
気が付けば、30分ほど檻の前で固まるヤドリガミの姿が。
そしてこれでもかというほど、堪能した後。
「やはり猫は良いわね……」
しみじみと落とすのは、感嘆の声。
猫も、猫っぽい親戚も、ネコ科はとても良いです!
それから引き続きネコ科を眺めつつも、ふとこう続ける。
「変な牙持って首を狙ってきそうな兎とは大違いよ」
もふもふウサギさんも、可愛いだけならば歓迎なのだけれど。
この動物園には、そうじゃないウサギがいるみたいだから。
それからヴィオレッタは、改めて次のネコ科を求めて歩き出しながら。
「本当は猫さんともふもふ触れ合ったりできれば最高なのだけれど」
もふもふするのははお預けだけど……まだまだ猫さん三昧するつもり。
大成功
🔵🔵🔵
夜鳥・藍
學府のユーベルコヲド使いとも猟兵とも違う「能力者」。そしてそれらを育てる機関「銀誓館」
どこの世界でも戦うためとはいえ、教育機関は学び舎の形をとるのですね。
この世界に来るのも、実は動物園も初めてなのでパークトレインにのってゆったりと見学を。
……もふもふ広場は気になりますがそれはお仕事が終わってから。ご褒美は成し遂げてから、そして好奇心を満たす事から。
虎や狼の檻の前で思わず意識が向いてしまうけど、私は大型肉食獣が好きなのかしら?
ライオンも何となく気になるのよね……。大きい犬猫だからと言ってしまえばそれまでなんだけど。
過去世で、もしかしたらもっと昔ネコ科大型肉食獣と縁があったのかもしれないわね。
今回訪れたのは、再び銀の雨が降り注いだという新世界。
この世界は嘗て、人の手によって脅威から守られたのだと聞いたけれど。
(「學府のユーベルコヲド使いとも猟兵とも違う「能力者」。そしてそれらを育てる機関「銀誓館」」)
……どこの世界でも戦うためとはいえ、教育機関は学び舎の形をとるのですね、と。
夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は、そう興味深く思いながらも。
宙色の瞳をぐるりと巡らせてみる。
だって、初めてなのだから。
このシルバーレインの世界に来るのも、動物園を観て回るのも。
園内案内を見ても、とても広くて、どこからどう巡っていいかもわからないから。
乗り込んだのは、動物園内を一周するパークトレイン。
のんびりと進む車内から、ゆったりと見学を。
いや、見ているだけだと、思わずそわそわしてしまうものもあるけれど。
「……もふもふ広場は気になりますがそれはお仕事が終わってから」
――ご褒美は成し遂げてから、そして好奇心を満たす事から。
そう自分に言い聞かせつつも、再び巡らせた藍の目が釘付けになるのは。
「私は大型肉食獣が好きなのかしら?」
思わず意識が向いてしまう、虎や狼の檻。
いや、トラやオオカミだけでなくて。
「ライオンも何となく気になるのよね……」
大きい犬猫だからと言ってしまえばそれまでなんだけど、なんて。こてりと首を傾ける。
でも、つい見てしまうのは、やっぱりそんな大型肉食系の動物が多いから。
藍はそんな動物たちに、運命を感じるのだった。
……過去世で、もしかしたらもっと昔ネコ科大型肉食獣と縁があったのかもしれないわね、って。
大成功
🔵🔵🔵
キアラ・ドルチェ
食欲の秋!
お仕事とか関係ないですっ、全力でこの動物園を堪能しなければいけないんですっ、これは義務! 私に課せられた高貴なるノブレス・オブリージュ!(意味不明
という訳で、歩きながら食べられそうな物があれば、売店で全部(!?)購入してもぐもぐ…(お行儀悪いとか言わない
だいえっと? なんですかそれ? 今日の私は(色々な意味で)リミッター解除しているので、そんな悪しき言葉しりません(真顔
そしてやってきました、憧れのキリンさん!
首ながーい! きいろーい! ぶちが素敵♪ そしてお目目が実はきゅーと♪
はー…好きなキリンさん見つつ好きなだけ食べるしあわせ(もぎゅもぎゅ
ようし、今度は父さんと母さんと一緒に来よ♪
見上げる空は、気持ち良いほどの秋晴れ。
紅葉もすっかり色づいて、今日は絶好の行楽日和。
まさに季節は、行楽の秋――。
「食欲の秋ですっ!」
そうきっぱりと気持ち良いほどに言い切ったのは、紅に染まった動物園へと足を運んだキアラ・ドルチェ(ネミの白魔女・f11090)。
いや、この園内で事件が起こるのだと、そう聞いたのだけれど。
「お仕事とか関係ないですっ、全力でこの動物園を堪能しなければいけないんですっ、これは義務!」
――私に課せられた高貴なるノブレス・オブリージュ!
それよりも、成さなければならないことがキアラにはあるのである……!
というわけで、意味不明ながらも固い決意を胸に。
……もぐもぐもぐ。
という訳で、片っ端から堪能するのは勿論、美味しいもの!
歩きながら食べられそうな物があれば、売店で購入します。ええ、全部!
お行儀悪いとか言わない、だって食欲の秋ですから仕方ないのです。
だってそう、ノブレス・オブリージュ!
そんな謎な使命感の元、はむはむと片っ端から食欲の秋を堪能しているキアラだけれど。
「だいえっと? なんですかそれ?」
……だいえっと?? なにそれおいしいの??
「今日の私はリミッター解除しているので、そんな悪しき言葉しりません」
色々な意味で振り切れている今のキアラの辞書にはない言葉です!
いや、美味しいものも勿論だけれど。
戦利品を抱えつつも足を向けたのは、憧れのキリンさんの元!
「首ながーい! きいろーい! ぶちが素敵♪ そしてお目目が実はきゅーと♪」
キリンさんのように首をうんと伸ばしながら漏らすのは、感嘆の溜息。
「はー……好きなキリンさん見つつ好きなだけ食べるしあわせ」
もぎゅもぎゅと、食べる手は当然止めないままで。
そして、キリンさん印のドーナツをはむりと幸せそうに口にしながらも。
……ようし、今度は父さんと母さんと一緒に来よ♪
そう、次は家族と一緒に遊びに来る、楽しみな計画を。
大成功
🔵🔵🔵
レザリア・アドニス
動物園!面白そうです!
色んな世界で様々の動物を見たことがあるけど
動物園というのは初かもしれない
なぜかレッサーパンダをずっと見ては止まらない
なんという…愛らしい生物…ああ…
あの絶妙な色合い、ふぁさふぁさもふもふな体、
そしてなによりあの超もふもふかわいい縞々尻尾…
ああ…もう…
なんで今まで出会えなかったの!
売店で動物さんお弁当とレッサーパンダのアイスのソーダを頼み
紅葉の広場で満喫
ふれあい広場にも行くけど
レッサーパンダがいなくて少ししょぼーん
でもほかのもふもふも十分にかわいいので、とりあえず全力でもふもふ
帰る前にはレッサーパンダグッズを忘れないように!と心の中で決める
これまで、色々な世界で様々な動物を見たことはあるのだけれど。
「動物園! 面白そうです!」
降り積もる紅葉の絨毯をわくわく踏みしめながら、レザリア・アドニス(死者の花・f00096)がやって来たのは、動物園。
何気に動物は沢山見てきたけれど、動物園というのは初めてかもしれないから。
のんびりと園内にいる動物達を見て回るべく、きょろりと視線を巡らせて。
とりあえず順路に従って歩いてみれば。
レザリアは、出逢ってしまったのである。
「なんという……愛らしい生物……ああ……」
レッサーパンダという存在に。
なぜかレッサーパンダをずっと見ては止まらない、この想い。
今まで、パンダとかもふもふした動物達のことは沢山見てきたのだけれど。
「あの絶妙な色合い、ふぁさふぁさもふもふな体、そしてなによりあの超もふもふかわいい縞々尻尾……」
ああ……もう……、と。
ふるり、レザリアは首を横に振りながらもこう思わずにはいられない。
――なんで今まで出会えなかったの! と。
けれど今日、レザニアはついにレッサーパンダとの運命の出会いを果たしたのだ。
ということで!
売店で動物さんお弁当と一緒に頼むのは勿論、レッサーパンダのアイスのソーダ。
そして紅葉の広場ではむはむとおなかいっぱい満喫すれば。
うきうきと向かうのは、動物さんたちと戯れると聞いた、ふれあい広場。
でも、きょろきょろと視線を巡らせてみれば、ちょっぴりだけしょぼーん。
だって、レッサーパンダはふれあい広場にはいなかったから。
でも、てしてしとしてくる他のもふもふたちも十分にかわいい。
なのでレッサーパンダへの思慕を抱きながらも、とりあえず全力でもふもふもふ!
そしてもふもふしながらも、レザリアはその心に強く決めるのだった。
……帰る前にはレッサーパンダグッズを忘れないように! と。
大成功
🔵🔵🔵
三岐・未夜
【たかみゃ】
動物園かぁ……あれ、僕もしかして初めてかも?
たからは動物好きだもんねぇ、見たいものいっぱいだ
僕?んー、ぺんぎんは見たいかも
僕が人混みが苦手だから、たからが人混みから遠ざけてくれるの、優しいなぁ、なんてちょっと嬉しい
何時もそう、何にも言わないのにそうしてくれる
おー、これがアイアイ?
すごいね、何か、ほんとにしっぽめちゃくちゃ長い……おめめの丸いって言うかぎょろっとしてて顔怖いけど……
(何となく対抗心でたからに自分のしっぽを絡める)(もっふぁ)(自分のしっぽに妙な自信がある)
モルモットって、あのもふっとした鼠みたいな奴?
良いよ、行こっか
僕はちっちゃい兎とか触ってみたいなぁ……
鎹・たから
【たかみゃ】
久しぶりの動物園
未夜は初めてなのですね
ゾウもキリンも、サルも気になります
ペンギンもかわいいですし、タヌキも見たいです(そわ
手を繋いでルート通りに
人混みは少し避けながら進みましょう
きゃっきゃと賑やかなサルのコーナー
アイアイ、アイアイというと童謡の
…思っていたより鋭い顔をしています
指先も細くて木のようですし
ですが尻尾がふさふさです
未夜、ほら尻尾が!(きらきら
どの子も元気そうですし、それだけでえらいです
ふぁ(絡まる尻尾
未夜、どうしました?
ふあふあで気持ち良いですが
人混みで疲れましたか?
ふれあいコーナー…
たから、モルモットに会いたいのです
だってふあふあでちいさくて、ぷいぷい鳴くのでしょう?
ゲートを潜れば、ひらりはらりと。
ふたりを迎えてくれるかのように秋空から降る、紅の彩りたち。
そして目の前には、ゆるかわ動物さんたちが描かれた大きな案内板が。
快晴の下、足を運んだのは……そう、動物園。
鎹・たから(雪氣硝・f01148)にとっては、久しぶりの動物園。
何度訪れても、その季節によって、違う色や顔をみせる風景や動物達を観るのは面白いし。
「動物園かぁ……あれ、僕もしかして初めてかも?」
「未夜は初めてなのですね」
一緒に巡る人によっても、また楽しみ方も違ってくるから。
物珍し気にそうっと周囲を見回している三岐・未夜(迷い仔・f00134)にとっては、これが初めての動物園らしい。
そんな彼の隣で、大きな案内版をちょこんと背伸びしつつ見上げながら、たからはそわり。
「ゾウもキリンも、サルも気になります。ペンギンもかわいいですし、タヌキも見たいです」
「たからは動物好きだもんねぇ、見たいものいっぱいだ」
「未夜は、気になる動物はいますか?」
「僕? んー、ぺんぎんは見たいかも」
ペンギンはここにいますね、とわくわく見つけて案内板を指す彼女の指先を追って、うんうんと頷いてから。
いざ、ぎゅっと手を繋げば、園内を巡るべく並んで歩きだす。
色々な動物をいっぱい観たいから、辿るのはルート通りに。
敷地が広大なので、幸い混雑というほどの密度ではないものの、行楽日和の今日は人の姿も多くて。
たからはさり気なく彼の手を引いて、あまり踏まれていない降り積もった紅葉の山をさくりと鳴らして歩く。
そんな姿を見て、未夜はちょっと嬉しくなる。
(「僕が人混みが苦手だから、たからが人混みから遠ざけてくれるの、優しいなぁ」)
頬を撫でる秋風は少しだけひやりとするけれど、たからの気遣いに、心はほこほこ。
いや、今日だけでなく、何時だってそうなのだ。
(「何にも言わないのにそうしてくれる」)
未夜はそんな優しい心を持つ彼女の小さな手を、優しくぎゅうと握り締める。
嬉しさと、いつもありがとうっていう気持ちをそうっと込めて。
それからたからは、耳に聞こえた賑やかな声のする方へと視線を向ける。
賑やかとは言っても、それは人のはしゃぐ声ではなくて。
きゃっきゃとサル山を駆けたり登ったりしている、サルたちのもの。
そんな眼前のサル山へと目を向けて。
「おー、これがアイアイ?」
「アイアイ、アイアイというと童謡の……」
未夜の言葉を聞いたたからの脳内に流れるのは、件の童謡。
「すごいね、何か、ほんとにしっぽめちゃくちゃ長い……」
未夜もその歌を思い返しながら、改めてじいっとサル山を見つめてみる。
確かに、眼前できゃっきゃ言っているのは、しっぽのながいおさるさん。
でも、知っているその童謡は、ほのぼのな曲調であるのだけれど。
「……思っていたより鋭い顔をしています」
「……おめめの丸いって言うかぎょろっとしてて顔怖いけど……」
「指先も細くて木のようですし」
何だか、思ったよりもずっと鋭くて、ちょっぴり怖い……?
現に、キーッ! とイキっては喧嘩している姿もちらほら。
サルの世界も、思ったよりずっと厳しいのかもしれないから。
「どの子も元気そうですし、それだけでえらいです」
たからは、喧嘩している子も、のんびり寝ている子も、ヤンチャな子も、みんな褒めてあげつつ。
「未夜、ほら尻尾が!」
ふさふさなおさるさんの尻尾に、瞳をキラキラ。
上下左右に、ふわふわゆらゆら。長くてふさぁとした尻尾と視線で追いかけっこ。
そんなサルの尻尾に夢中な彼女の横顔を、ちらりと見てから。
……もふっ、もっふぁ。
不意に、たからに絡める未夜。自分のもふもふ尻尾をくるりと。
そして突然のもふ感触に、ふぁ、と声を上げてから。
「未夜、どうしました? ふあふあで気持ち良いですが、人混みで疲れましたか?」
たからはきょとりと首を傾けながらも、もふふわな彼の尻尾をもふもふ。
そんな彼女の円らな銀の彩と意識が自分の尻尾に向いたことに、未夜はえっへん、密かに満足気。
だって、自分のもふもふしっぽには自信があるし。
彼女が瞳をキラキラさせながら見ていた、サルへの何となくの対抗心。
そして存分にもふもふ、サル山を堪能した後。
「ふれあいコーナー……たから、モルモットに会いたいのです」
「モルモットって、あのもふっとした鼠みたいな奴?」
通りかかったのは、動物たちと触れ合えるという広場。
未夜の声に、たからはこくりと頷いて。
「だってふあふあでちいさくて、ぷいぷい鳴くのでしょう?」
ぷいぷい、と鳴いてみせながら、わくそわ。
そんな様子に、未夜も前髪から覗かせる橙の瞳を細めて。
「良いよ、行こっか」
僕はちっちゃい兎とか触ってみたいなぁ……なんて
仲良く並んで会話を交わしながら、ふれあい広場へ。
楽しいもふもふぷいぷいタイムを過ごす為に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
杜束・沙耶
※アドリブ・絡みOK、お好みで弄ってやって下さい。
この世界は不思議ですね。
初めて来たはずなのに、酷く懐かしくて、空気が馴染んで…
のんびりと一人園内を歩く。
この平和を築いた一員であるような不思議な感覚…
運命の糸、とはこういうものを言うのかしら。
私ではない『私』がここにいた。そんな縁を感じるのです。
まあ、私は『私』ではないから一人なのだけれど。
ふれあい広場で遊ぶ子供達を見ながらぼんやりと。
ぽかぽかお日様にあったかココア、中華まんを楽しむのでした。
グリモアに導かれたその行き先は、銀の雨が降る世界。
自分達猟兵にとっては、見つけたばかりの新しい世界のはずなのだけれど。
(「この世界は不思議ですね」)
気持ち良いほど晴れている秋空を見上げつつも、ふと。
杜束・沙耶(かつての軛、現の鍵・f06001)は、全身で感じる妙な心地に気付く。
(「初めて来たはずなのに、酷く懐かしくて、空気が馴染んで……」)
嘗てこの世界は、強大な脅威から守られたのだという。
けれど沙耶には何故か、こう思えて仕方ないのだ。
――この平和を築いた一員であるような不思議な感覚……。
単に聞いただけの昔話とは思えないような、そんな不思議さをどこか抱きながらも。
ストンと腑に落ちる気もするのだ。
(「運命の糸、とはこういうものを言うのかしら」)
守られたはずの世界に、再び銀の雨が降り出した今。
この世界風に言えばまさに、自分と運命の糸が繋がったのだろうと、そう思うから。
それから、そんな感覚を覚えたまま。
今はまだ晴れ渡っている空の下を、沙耶はのんびりと歩き出す。
まさに季節は、行楽日和の秋。
園内には老若男女、沢山の人が思い思いに過ごしていて。
脅威をもたらす雨が降っているなんて、誰も気付くことはないし、気付いたとしてもすぐに忘れるのだ。
再び形成された、世界結界の効力で……脅威と戦う力を持つ以外、それを知覚することすらできない。
そして沙耶は、ふと足を止めて見つめる。
(「まあ、私は『私』ではないから一人なのだけれど」)
ぼんやりと、通りかかったふれあい広場で遊ぶ子供達の姿を。
けれど、ぽかぽか降るお日様の下を歩くのは、とても気持ち良くて。
買ってみたあたたかいココアの甘さに瞳を細めてから、アヒルさんの顔をした中華まんをはむり。
今はのんびりマイペースに、紅に染まったこの世界の動物園を楽しむことに。
大成功
🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
【銀妖花】
動物を保護、飼育している場所ですわよね?
楽しみにしている動物がいます。風花さんならお解りですよね?
わッ!にッ!です!
この世界のわにがどんなものか、楽しみで楽しみで!
多分それほど変わりはないと思うのですが、それはそれとして!
わにです、わに、行きましょう!
ああー、かわいいー。かーわーいーいー!!
わにですよ、わに、ほら、わにです!
どうして触れ合えないのかしら、触れ合いたいですのに。
もっと近くに行きたいですのに、ですが、ルールはルールですしね。
いいです、存分に見ます。
はあ・・・歯のお掃除をしてあげたい。
前足の付け根をぐりぐりして、背中を丁寧に洗ってあげたい。
本当にかわいいですね。大好きです。
七霞・風花
【銀妖花】
(ティーシャさん、はしゃいでますね……)
ええ、ええ、もちろんわかっていますよ?
一般的な動物園に果たしてわにがどれほどいるのかはさておきまして。
たしかに見た事のない動物、ひいてはわにを見れるのは楽しみです。
―――って、あ、あ、ちょ、ちょっと私を置いていかないでください!
可愛い……のですが私としては若干怖いですね、やはり。
だって見てくださいよ、あのお口。
私サイズならそれはもう……一飲みでごっくん、じゃないですか?
ティーシャさんのわにさんで見慣れてはいますが実物はまた違う迫力がありますね
んー
何かお土産をティーシャさんへあげるか悩みますね
やっぱりここは……わにわにぬいぐるみ、とか?
ぽかぽかお出掛け日和な晴れ空の下、入口のゲートを潜れば。
そこは、舞い落ちて積もった紅葉が赤の色に染めている、動物園。
動物園……というものは、馴染みのないものではあるけれど。
「動物を保護、飼育している場所ですわよね?」
普段は、ほんわか淑やかな印象のティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)のその様子は、目に見えてわくわくそわそわ。
故郷の森にも動物はいたし、これまでも色々な世界の動物をみてきたとはいえ。
「楽しみにしている動物がいます。風花さんならお解りですよね?」
沢山動物がいる中、ティーシャのお目当ては、もう最初から決まっているのだ。
そして、そう訊ねられた七霞・風花(小さきモノ・f13801)は。
「ええ、ええ、もちろんわかっていますよ?」
こくりと頷きつつも、うきうき弾むように足元の紅葉を躍らせ、逸る心のまま歩むその姿を見遣りながらも思う。
(「ティーシャさん、はしゃいでますね……」)
けれど、ティーシャのお目当ての動物はよーく知っているから。
素直に風花は、行先は彼女にお任せする。
そんなティーシャが一番大好きな動物は、言わずもがな。
――わッ! にッ! です!
そう、わにです!!
「この世界のわにがどんなものか、楽しみで楽しみで!」
わくそわと一直線に、ワニがいるという爬虫類館へと向かう彼女を、風花はそっと見てから。
(「一般的な動物園に果たしてわにがどれほどいるのかはさておきまして」)
そんなことを何気に思ったりするも……でもこの動物園には幸い、ワニはいるようだから。
「たしかに見た事のない動物、ひいてはわにを見れるのは楽しみです」
「多分それほど変わりはないと思うのですが、それはそれとして! わにです、わに、行きましょう!」
風花自身も、沢山の動物やワニを観ることができると聞けば、楽しみであるし。
今までにないほどはしゃいでいるティーシャの姿は、微笑ましく――。
「――って、あ、あ、ちょ、ちょっと私を置いていかないでください!」
気付けば、置いて行かれかけています!?
そして爬虫類館へと足を踏み入れれば、これでもかと輝くティーシャの瞳。
だって、すぐにその姿を見つけたのだから。
「ああー、かわいいー。かーわーいーいー!! わにですよ、わに、ほら、わにです!」
池をすいっと泳ぐワニに、興奮したように声を上げるティーシャ。
意外にもワニはワニでも何種類かいて、向ける視線も大忙し。
そして1種類ずつじっくりと眺めながらも、ふと大きく落ちる溜息。
「どうして触れ合えないのかしら、触れ合いたいですのに」
ふれあい広場、という名の施設がこの動物園にあることは知っているけれど。
でも、そこでワニとは触れ合えないのだという。
眼前のワニをガン見しながら、ティーシャはもう一度嘆息するも。
「もっと近くに行きたいですのに、ですが、ルールはルールですしね」
……いいです、存分に見ます。
じ~~~っ、と今まで以上にワニさんへと熱い視線を。
しかも丁度、餌やりの時間らしく。
餌の肉や魚が投じられれば……瞬間、水飛沫を立てながらガブッ。
そんな姿にも、きゅんとしてはしゃぐティーシャの隣で。
「可愛い……のですが私としては若干怖いですね、やはり」
はむはむ、あっという間に餌を食べてしまったワニを見つめ、風花はこう続けるのだった。
「だって見てくださいよ、あのお口。私サイズならそれはもう……一飲みでごっくん、じゃないですか?」
ワニにとって、小さな自分はもしかして、食べたうちにすら入らないかもしれない。
そして、豪快なワニの食事を見遣りながらも。
「ティーシャさんのわにさんで見慣れてはいますが実物はまた違う迫力がありますね」
ふれあい広場にワニがいないのは、ティーシャには申し訳ないけれど妥当に思う風花であった。
そんなことを風花がそっと考えているとも知る由もなく。
「はあ……歯のお掃除をしてあげたい。前足の付け根をぐりぐりして、背中を丁寧に洗ってあげたい」
お食事が終わって満足気なワニをひたすら眺めつつ、お世話してあげたくてつい、そわそわするも。
ティーシャは改めて、口にするのだった。
「本当にかわいいですね。大好きです」
溢れんばかりのワニへの愛を。
そして、ほわんとワニの事で頭いっぱいな彼女の幸せそうな笑顔を見つめながら。
(「んー、何かお土産をティーシャさんへあげるか悩みますね」)
風花は小さく首を傾けるけれど。
でももう、選択肢はこれしかない気もする。
――やっぱりここは……わにわにぬいぐるみ、とか? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふわぁ、動物園ですね。
あれ?アヒルさんがいません。
どうしたのでしょうか?
まさか、まい・・・。
いえ、この場合は私が迷子にされてしまいます。
急いで探さないと。
あ、あんなところに人だかりが、行ってみましょう。
ふええ、アヒルさん何をしているんですか。
ってここで声を上げたら関係者だとバレてしまいます。
そういえば、ちょうどこの時間でしたよね。
ペンギンさんの園内のお散歩は、だからってアヒルさんが先頭に飛び入り参加しなくてもいいのに。
他のお客さんが喜んでいるからいいのでしょうか?
すっかり紅に染まった景色をきょろり、ちょっぴりおどおどと見回してから。
ゲートを潜り、大きな帽子が吹き抜ける秋風に飛ばされないよう押さえながらも。
「ふわぁ、動物園ですね」
目の前の大きな園内案内図を見上げるのは、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)。
秋晴れのこの日、フリルがやってきたのは――動物園。
案内板には、各動物の位置がわかりやすいように絵で示されていて。
そんな園内の地図に目を向けた……一瞬の出来事であった。
「あれ? アヒルさんがいません。どうしたのでしょうか?」
先程まで自分のすぐ傍にいたはずのアヒルさんが、いなくなっています!?
刹那、ハッとフリルは瞳を見開く。
これって、もしかして――。
「まさか、まい……」
そう言いかけて、すぐにふるふると首を振るフリル。
動物園に入って数秒でまさか迷子だなんて。
というか、この後の展開がフリルには想像ができたのである。
「いえ、この場合は私が迷子にされてしまいます」
……急いで探さないと。
園内放送で迷子のお知らせをされる前に、アヒルさんの捜索開始です!
ゾウのところにも、キリンのところにも、その姿はなくて。
同じ鳥類の動物のところかもと、クジャクやフクロウのところを見てみても、やはりいない。
いや……そんな飛べる鳥さんたちのところにはいなかったのだけれど。
「あ、あんなところに人だかりが、行ってみましょう」
沢山の人達が集まっている場所があることに気付いて、足を運んでみたフリル。
そして、ひょこりと皆が注目している視線を追ってみれば。
「……!?」
――ふええ、アヒルさん何をしているんですか。
思わず、そう声を上げそうになるけれど。
(「ってここで声を上げたら関係者だとバレてしまいます」)
わたわた、慌ててお口をむぐりと噤んで。
そうっと改めて、目を向けてみる。
(「そういえば、ちょうどこの時間でしたよね」)
眼前をよちよちと歩くのは、行列を成したペンギンたち。
始まったのは、ペンギンさんの園内のお散歩……なのだけれど。
(「だからってアヒルさんが先頭に飛び入り参加しなくてもいいのに」)
ちゃっかりペンギンさんのお散歩を率いて戦闘を得意顔で歩いているアヒルさん。
そんな、お散歩に飛び入り参加しているアヒルさんだけれど。
……他のお客さんが喜んでいるからいいのでしょうか?
わぁって喜んでいる人たちの声を聞きながら――その様子を、暫くそっと見守ることにするフリルであった。
大成功
🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
動物園か…
では、いざ!
って、こんこんとメメすばやっ…
……もこ、共に参ろうか(抱き上げて)
こんこんとメメとはそのうち会えるじゃろ、たぶん
もこはどの動物さんに興味あるんかの?
なに?
きつね?ではそこにいってみるかの
しかし狐ならばわしがおるというのに!
……なんかあくの強い顔した狐じゃな
チベットスナギツネ…
なんかクリームパンもあるとか聞いたの
なるほど…パンになれそうな顔じゃな
じいと見つめ合ってしまう
じい……
うおっ!こんこんとメメか
園内まわってきたん?後ろからの突撃は何か要望があるとみた
何?おやつ?
仕方ないの〜、では皆でいくかの
この、チベットスナギツネのクリームパンをかいに
気になるいうとったから写真とろ
秋晴れの空にくるりと踊る、数多の紅のいろ。
季節はまさに、行楽の秋。
ということで、終夜・嵐吾(灰青・f05366)がやって来たのは。
「動物園か……」
そう、動物園!
そして、ゲートを潜れば――では、いざ! と。
「って、こんこんとメメすばやっ……」
足を踏み出す前に、ぴゅっと。
キャッキャ行ってしまった、こんこんとメメ。
けれど敢えて追うことはせずに。
てしっ、もふっと感じた足元に視線向ければ。
紅葉をのんびりと掴んで自分を見上げている、もこの姿が。
「……もこ、共に参ろうか」
こんこんとメメとはそのうち会えるじゃろ、たぶん、と。
もこを抱っこし連れ立って、ゆるりと歩み始める嵐吾。
「もこはどの動物さんに興味あるんかの?」
そして、ふと訊いてみれば。
「……なに? きつね? ではそこにいってみるかの」
もこが会いたいというのは、キツネさん。
そんな、キツネさんの元へと向かいながらも。
――しかし狐ならばわしがおるというのに!
ふるふると、嵐吾は灰青の毛並みの尻尾と首を揺らす。
余所のキツネさんにわくそわしているもこに、ちょっぴり複雑な心境を抱きながらも。
けれど、程なくして見つけたキツネさんは……ちょっと、嵐吾とは違う感じ。
「……なんかあくの強い顔した狐じゃな」
チベットスナギツネ……。
そう眼前のキツネの名が記された看板を詠唱してみて、そういえばと思い返す。
「なんかクリームパンもあるとか聞いたの」
今は此処にはいない友が、興味を示していたことを。
そして改めて、虚無的な顔をしているキツネさんを眺めてみれば。
「なるほど……パンになれそうな顔じゃな」
何故かそう納得してしまうような顔をしている。
嵐吾に同じ狐の気配を感じたのか、特に何も考えていないのか。
そんなチベットスナギツネさんも、やたら見つめてくる、気がするから。
暫く、じい……と。お互いに見つめ合っていれば。
「うおっ!」
どしんっと急に背中に感じた衝撃に、思わず声を上げる嵐吾。
そんな声にも動じず虚無顔なチベスナさんを後目に。
「こんこんとメメか。園内まわってきたん?」
合流したふたりに目を移しながらも、嵐吾は察する。
……後ろからの突撃は何か要望があるとみた、と。
「何? おやつ? 仕方ないの〜、では皆でいくかの」
今度は皆で一緒に、秋空の下でおやつタイム!
そんな今日のおやつは、勿論。
「この、チベットスナギツネのクリームパンをかいにいこ」
まだ自分達をじいと見つめている、虚無顔なキツネさんのパン。
そして……気になるいうとったから写真とろ、と。
ぱしゃりと、やはりパンになっても見つめてくる気がするその顔に、シャッターを切ってから。
こういうのが何故かいかにも好きそうな友へと、しゅしゅっと送信するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】
水族館には行ったことあるけど、動物園は初めてかも
本やテレビの中でしか見たことない動物に会えるんだねぇ、楽しみ
見てみて、ライオンが居るよ
柵越しとはいえ、間近で見る百獣の王は迫力満点
…なのだけど、今はのんびりまったり伏せっていて
時々あくびなんかしちゃってて
巨大な猫みたいな可愛らしさも感じられる
あらら、唸られちゃったね
焔と零はちっちゃくて可愛いからねー
パクッと食べちゃいたいとか思われたんじゃない?
梓、次はあそこ行ってみようよ
指差した先はふれあい広場
中にはうさぎやモルモットなどもふもふ可愛い動物がいっぱい
人馴れしているのか大人しく抱っこさせてくれた
あ~可愛いなぁ~
ねぇ梓、うさぎ飼いたいなぁ~
乱獅子・梓
【不死蝶】
楽しむのは良いが、はしゃぎすぎて転ぶなよー
おー、結構でかいな
眺めていたらふいにライオンと目が合って
俺…というか、俺の両肩の焔と零を見てグルルルと唸ってきた
それにビビって隠れる焔と零
いや、成竜になったらお前たちの方がよっぽどでかいんだがな?
だがそんなところも可愛いなぁと撫で撫で
こら綾、余計に恐がらせるようなことを言うんじゃない
ここの動物ならお前たちも恐くないだろう?
仔竜たちをふれあい広場の動物と遊ばせる
その可愛い光景を写真に収めることも忘れない
お前、可愛い動物見る度にそれ言ってないか??
そんな軽い気持ちで動物を飼っちゃいけません
…代わりに土産屋でうさぎのぬいぐるみでも買ってやろうか…
ひらりはらりと積もった紅のいろを、かさりと鳴らし再び舞い上がらせて。
「水族館には行ったことあるけど、動物園は初めてかも」
ゲートを潜って入園した灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)が眺めるのは、沢山の動物さんたちが描かれた園内案内図。
くるりと見回してみれば、知っている動物は多いのだけれど。
「本やテレビの中でしか見たことない動物に会えるんだねぇ、楽しみ」
実際に自分の目で見るのは、初めての動物も沢山。
そして、園内案内図をそれなりにざっと見てから。
行楽日和な空気を感じてか、わくそわしている焔と零と一緒に。
とりあえず、思いついた方向へと歩き出す綾。
そんなキャッキャしている皆の姿を見遣りつつも。
「楽しむのは良いが、はしゃぎすぎて転ぶなよー」
後をついていきながら声を掛けるのは、1人と2匹の保護者……もとい、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)。
きょろりと視線を巡らせながら園内を回っていた綾は、ふと何かを見つけて足を止めてから。
タタッとある檻のひとつに駆け寄れば、梓をちょいちょいっと手招く。
「見てみて、ライオンが居るよ」
そして、改めてじいっと眼前のライオンを見つめてみれば……さすがは、百獣の王。
「おー、結構でかいな」
柵越しとはいえ、間近で見るその姿は迫力満点。
綾と並んで檻の中へと目を向けた梓も、その大きさや貫禄にそう口にして。
焔と零も興味津々、秋空をくるりと回ってから、梓の両肩にストン。
……なのだけど。
くありと大きくあくびをして、床にぺたん。
「あのふさふさのたてがみとか、王って感じはするけど。でもこう見ると、大きな猫みたいで可愛くもあるね」
見られることにも慣れた様子で、のんびりまったり伏せっているライオン。
そう言う綾に、梓も改めて、確かに猫っぽさを感じるその姿を眺めてみれば。
ふいに……ぱちり。
顔を上げたライオンと目が合ったと、そう思った瞬間。
先程の猫のような愛らしさは鳴りを潜め、グルルル……と威嚇するような唸り声。
いや、正確にいえば、ライオンの視線は梓にではなく。
梓の両肩にちょこんと乗っている、焔と零へと向けられている。
そんな圧を感じる声に、ちょっぴりお友達気分だった様子の焔は尻尾をぴょこん、サッと梓の背中の後ろへと。
さり気なく同じ様に隠れつつも、零もそうっと覗くように様子を窺っている。
そんな、ライオンの威嚇にビビっている2匹を見てから。
「あらら、唸られちゃったね」
「いや、成竜になったらお前たちの方がよっぽどでかいんだがな?」
……だがそんなところも可愛いなぁ。
なんて、尻尾がたらんと下がっている2匹を撫で撫でする梓の横で。
「焔と零はちっちゃくて可愛いからねー」
にこにこ微笑まし気に笑みつつも、梓は続ける。
「パクッと食べちゃいたいとか思われたんじゃない?」
そんな声に、2匹は余計にぴたりと梓にくっついて。
隠れつつもライオンをチラ見しつつ、そわそわ。
「こら綾、余計に恐がらせるようなことを言うんじゃない」
「梓、次はあそこ行ってみようよ」
くるりと視線を再び巡らせた綾の興味を次に引いたのは、人が集まっている広場。
その指先を目で追った梓も、こくりと頷いて。
足を向ければそこには、ウサギやモルモットやひよこ、ヤギやヒツジなど。
もふもふ可愛い動物がいっぱいいる、ふれあい広場。
「ここの動物ならお前たちも恐くないだろう?」
そう声を掛ければ、最初こそちょっぴりおそるおそるだった仔竜たちも。
今度は嬉しそうに、もふもふ動物達ときゃっきゃ。
そんな無邪気にもふもふと戯れる2匹の姿に、梓はうんうんと満足気に頷いてから。
ぱしゃぱしゃぱしゃっと、シャッターチャンスを逃さぬよう連写しつつ。
その可愛い光景を写真に収めることも忘れない、安定の親ばかです。いえ、可愛いから仕方ない。
そして綾も、まんまるなふわもふウサギをひょいっと優しく抱っこしてみれば。
「見て、すごく人馴れしているね。大人しく抱っこさせてくれたよ~」
わ、くすぐったい、と瞳を細めつつ、ウサギさんのもふもふ感触とあたたかさにほわほわ。
そして、自分に抱っこされたまま、お鼻をひくひく。
じいっといい子にしてしている姿に、あ~可愛いなぁ~って、感嘆の溜息と共に漏らしながら。
ちらりとお母さん……いえ、梓を見つめる綾。
「ねぇ梓、うさぎ飼いたいなぁ~」
「お前、可愛い動物見る度にそれ言ってないか??」
確かに、ウサギさんは可愛いし、ふわもこと戯れる仔竜たちは激可愛い。
仔竜たちもきゃっきゃ遊びながらも、綾と一緒におねだりの視線で見上げてくるけれど。
「そんな軽い気持ちで動物を飼っちゃいけません」
ふるりと首を振り、梓はきっちりと1人と2匹に教育を。
でも、ダメなことはダメとは釘をさしておくけれど。
残念~と言いつつも再び存分にもふもふし始めた綾や仔竜たちを見て、梓は思うのだった。
――代わりに土産屋でうさぎのぬいぐるみでも買ってやろうか……。
そう、ぱしゃぱしゃとシャッターを切りながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千家・菊里
【白】
(チベスナの前で、チベスナパンをとても幸せそうに頬張りつつ)
どうしたんです、伊織?またそんな――このチベットスナギツネの様な顔をして
あ、面白いので記念に写真撮ってあげますね
(チベスナ&パン&伊織を並べてぱしゃり)
良かったですねぇ
伊織の顔芸、子供達にも大受ですよ
折角なのでこのパンと写真をお土産にしましょう
(清史郎さんにも是非お裾分けせねば、とか暢気に山盛り買い足し)
おや、もう分かりきっていたでしょう?
俺は今日“も”その姐さんと、ぴよこさんと亀さんに遣わされたのですよ
伊織のお目付役(ナンパ玉砕観察&他動物への浮気監視)兼お土産調達役として
ふふ
さぁ次は幕の内弁当の中の動物さんを堪能に行きますよ
呉羽・伊織
【白】
――オカシイ
何でまたオレの目の前には珍獣大食狐がいるの??
しかも何早速共食いおやつタイム(パンの話)始めてんの??
(チベスナの前で何故か違う狐を見る羽目になり、まがお)
いや誰がそんな顔したよ!?
寧ろ狐と狐の珍妙おやつタイム写真でも撮ってろ!
(丁度後ろでも始まったチベスナ達のおやつタイムに遠い目)
嗚呼…ウン…コレで子供達は暫くココに釘付けだネ…足止めできそーだネ…
待てやめろ、パンだけにしろ!
オマケ付けるならコッチにしろ~!(慌ててチベスナますこっとを手に)
てかオレは姐サン誘ったのにホント何でこの見飽きた狐が…せめてマトモに可愛い狐見たかった…
くっ、余計なお世話だ!
おい実物も楽しめっての~!
さわりと吹き抜ける風は心地良く、麗らかに柔らかく降る陽光。
眼前の世界を一面染める色は……そう、紅。真っ赤である。
いや、景色はこれでもかというほどに紅いのに。
――オカシイ。
呉羽・伊織(翳・f03578)は眼前の状況に、大きく首を傾ける。
だって、こんな真っ赤な景色を一緒に歩いているはずの色も、麗しい紅の華であるはずだったのに。
だったのに。
「ふふ、紅に染まった景色の中で食べるおやつも美味しいですねぇ」
「何でまたオレの目の前には珍獣大食狐がいるの??」
何故か隣でほくほくと早速、クリームパンを口にしているのは、千家・菊里(隠逸花・f02716)。
そう……景色は真っ赤でも、今日もやはり安定の白です。
いや、周囲が白なのは慣れている。哀しいほど慣れているのだけれど。
「しかも何早速共食いおやつタイム始めてんの??」
動物園で嬉々とパンの話をしている連れに、余計に首を傾けつつも真顔になる伊織。
それもひよこパンとか可愛いものならば、ちょっと食べるのは躊躇するものの、分かるのだけれど。
「どうしたんです、伊織? またそんな――このチベットスナギツネの様な顔をして」
きょとりと首を傾ける菊里の手にあるクリームパンは、やたらシュールな顔をした狐さん。
しかも何かすごく、パンと目が合う気がするのは気のせいか。
そう感じつつ、そっとチベットスナギツネのクリームパンから視線を逸らせば、やはりじーっと。
自分を見つめている気がするのは、本物のチベスナ。
そんなチベットスナギツネの前で何故か違う狐を見る羽目になり、遠い目をする伊織を。
やっぱり狐さんである菊里も、ふとじっと見つめてから。
「あ、面白いので記念に写真撮ってあげますね」
――ぱしゃり。
チベスナと手に持っているチベスナパンと伊織を並べて、シャッターを切れば。
すごくいいアングルの記念写真が撮れました!
確かに虚無顔はしていたかもしれない。何か自分を四方から見てくる狐に囲まれて。
けれど、伊織はぶんぶんと大きく首を振って。
「いや誰がそんな顔したよ!? 寧ろ狐と狐の珍妙おやつタイム写真でも撮ってろ!」
丁度後ろでも始まったチベスナ達のおやつタイムに、再び遠い目を。
そして、俺もチベスナ顔する~! なんて、はしゃぎつつも。
虚無顔チベスナごっこを始めた子供達を、パンを頬張りつつほこほこ微笑ましく見つめて。
「良かったですねぇ。伊織の顔芸、子供達にも大受ですよ」
「嗚呼……ウン……コレで子供達は暫くココに釘付けだネ……足止めできそーだネ……」
言った菊里に、もう適当に返すことにする伊織。
きっとこれで多分、子供達の安全も確保されたことであるし。
菊里は抱えていたチベスナパンを綺麗に完食してから。
「折角なのでこのパンと写真をお土産にしましょう」
……是非お裾分けせねば、と。
転送の任で此処にはいない友の為に、暢気にチベスナパンを買い足しておく。
勿論もりもりの山盛りで、伊織とチベスナとチベスナパンの3ショットも添えて。
いや、やたら良く撮れてはいるのだけれど。
「待てやめろ、パンだけにしろ!」
……オマケ付けるならコッチにしろ~!
慌てて伊織が手にしたのは、チベスナますこっと。いかにも好きそう。
そしてまた大量の虚無顔が、ポップな動物園紙袋に詰められていくのを見遣りながらも。
「てかオレは姐サン誘ったのにホント何でこの見飽きた狐が……せめてマトモに可愛い狐見たかった……」
どうせ狐を見るのならば、クールビューティーな女狐がよかった、などと。
整った見目に秋らしい哀愁を漂わせながら呟きを落とした伊織に。
菊里は、何を今更感満載で大きく首を傾ける。
「おや、もう分かりきっていたでしょう? 俺は今日“も”その姐さんと、ぴよこさんと亀さんに遣わされたのですよ」
いつも通り、伊織のお目付役という名の、ナンパ玉砕観察と他動物への浮気監視と。
美味しかったり美味しかったりするお土産調達役として。
「くっ、余計なお世話だ!」
そんな狐に囲まれ見つめられる中、伊織はもう一度大きく首を振ってから。
「ふふ、さぁ次は幕の内弁当の中の動物さんを堪能に行きますよ」
ある意味、誰よりも動物園を満喫しまくっている連れの言葉に、こう言わずにはいられないのだった。
――おい実物も楽しめっての~! って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
雨絡・環
アルフィードさん(f00525)と
これが動物園
生前に珍しい動物の見世物小屋に入った事は御座いましたが
ここまで数多の動物を集めた所は初めて
流石に蜘蛛は居らぬよう
あら。然様ですねえ
何処にでも居るのが蜘蛛ですもの
手を添え
さ、巡りましょう
キリンさん、とおっしゃるの
斯様に背高な生き物が在るとは驚き
高い所の食料を
成程、生きる為の姿ですね
人参を差し上げる事が出来るそう
やってみませんこと?
……ま。舌が青い
ええ、本当に美味しそうに召し上がって
嬉しくなってしまいますね
アルフィードさん、ご覧下さいまし
雪の様に真白な梟ですよ
何処か貴方に似てますね
真っ白な所ですとか
ふわふわしている所ですとか
かわいらしいわ
黒くて、ごつい
はて、黒いですかしら?
(お姿を改めて見、)白くて、ふわふわです
ほほ、どういたしまして
ぱんだ。
あすこで笹を食している白黒の?まあ嬉しや
愛らしゅうお姿には到底敵いませぬが
有難う存じます
突如唇にふっかりした感触
これがくりぃむぱん
何とも味のあるお顔ねえ
ええ、とても美味し
では彼方の椅子でご一緒に頂きましょうか
アルフィード・クローフィ
環ちゃん(f28317)と
ん?環ちゃんって動物園初めて?
見世物小屋は動物園とは違うものねー
蜘蛛ちゃんはきっとコッソリいると思うよ?
彼女の手を取って、
じゃ、れっつごーー!!
おぉ!キリンちゃんだね!!
首長いのは高いご飯を食べる為みたいだよぉ
餌あげれるの?わぁい!あげよう、あげよう
ふふっ、美味しそうに食べてるねぇ
わぁ!本当に真っ白な梟ちゃんだね!可愛いーー
ん?俺に似てるの??
俺って白くてふわふわ?
んー、初めて言われたなぁ
どちらかと言うと黒くてゴツいって言われるけど
彼女の視線に首を傾げて
見た目と髪がふわふわなのかな??
でも環ちゃんにそう言われる嬉しいな
ありがとう!!
じゃ、あのパンダちゃんは環ちゃんだね!
見た目可愛らしいのに強いし
ふらふらって男女問わず虜にする人気者!
そんな事ないよ!環ちゃん負けないくらい可愛い!!
環ちゃん!!えい!!
と楽しんでる彼女のお口にチベットスナギツネちゃんのクリームパンを
ふふっ、可愛らしいから買っちゃた
美味しい?飲み物もあるからゆっくり食べてね?
うん、一緒に食べよう!
さくりと小気味良い音を鳴らし、足元の感覚を楽しみつつ歩みながら。
ゲートを潜れば、真っ赤に染まった秋の景色にきょろりと巡らせる視線は物珍し気。
雨絡・環(からからからり・f28317)は、行楽に訪れている人の声で賑やかな中。
周囲を一通り見回してみてから、ふと呟きを落とす。
……これが動物園、と。
その声に、彼女の隣を歩くアルフィード・クローフィ(仮面神父・f00525)は紅の世界に映える片方の緑眸を向け、微か首を傾けて訊ねる。
「ん? 環ちゃんって動物園初めて?」
「生前に珍しい動物の見世物小屋に入った事は御座いましたが、ここまで数多の動物を集めた所は初めて」
日頃見る事のない動物を観る機会といって環が思い浮かんだのは、珍奇な獣などを見せる小屋掛けの興行であったけれど。
ショーという側面が強い見世物とは違い、何だか動物たちものびのびと過ごしている様子であるし。
何より、入口の傍に設置されている大きな案内板を見てみれば、数え切れない種類の動物がいるらしい。
「見世物小屋は動物園とは違うものねー」
そして、そう言ったアルフィードにこくりと頷きながらも。
改めて園内の案内板へと視線を向け、探してみるけれど。
「流石に蜘蛛は居らぬよう」
沢山の生き物はいるみたいだけれど、蜘蛛はいないみたい……?
いや、案内板にこそ書いてはないけれど。
アルフィードは瞳を細め、こてり小首を傾けている彼女へとこう笑んで。
「蜘蛛ちゃんはきっとコッソリいると思うよ?」
「あら。然様ですねえ」
そんな彼の言葉に、環も艶やかな笑みと共に返す。
……何処にでも居るのが蜘蛛ですもの、って。
そしてアルフィードは、うんうんと頷いてから。
伸ばした掌で彼女の手を優しく掴まえて、添えられた手と手を繋げば。
「じゃ、れっつごーー!!」
「さ、巡りましょう」
秋の彩に染まった動物園をふたり、並んで廻り始める。
動物達を観てははしゃぐ子供たちは勿論、大人ものんびり動物達を眺めながら楽しんでいる和やかな園内。
そんな園内を見て回っていたふたりが、ふと足を止めたのは。
「おぉ! キリンちゃんだね!!」
にょきっと首の長いキリンさんの前。
そう声を上げたアルフィードの隣で、環も彼と一緒にぐんと見上げて。
「キリンさん、とおっしゃるの」
瞳をぱちりと瞬かせる。斯様に背高な生き物が在るとは驚き、と。
そんな、キリンの様に首を伸ばし、じいと天を仰ぐように見上げる彼女に、アルフィードは教えてあげる。
「首長いのは高いご飯を食べる為みたいだよぉ」
「高い所の食料を。成程、生きる為の姿ですね」
よく見れば、確かに高い木の葉や芽をはむはむと食べているキリンさん。
環はそう納得した後、傍にできている列を見つけて。
何に並んでいるのかと先頭へと目を遣れば。
「人参を差し上げる事が出来るそう。やってみませんこと?」
餌の人参を差し出してキリンにあげている親子の姿が。
どうやら、キリンの餌やりができるらしいので。
「餌あげれるの? わぁい! あげよう、あげよう」
早速ふたりも、キリンに人参をあげてみることに。
そして順番が回ってくれば、受け取った人参をそっと差し出してみる環。
それを食むべくぱかり、キリンが口を開ければ。またまた思わず、瞳をぱちくり。
「……ま。舌が青い」
べろんと出てきた長い舌は見慣れた赤ではなく、黒っぽい青であったから。
「エサを食べる時とかに舌が日焼けをしないよう、紫外線を吸収しにくい色になっているんですよ」
「へー、そうなんだ! キリンちゃんの舌って日焼けするんだねぇ」
「やはり、生きる為の所以なのですね」
教えてくれた飼育員の言葉に、ふたりでこくこくと頷きながらも。
「ふふっ、美味しそうに食べてるねぇ」
「ええ、本当に美味しそうに召し上がって。嬉しくなってしまいますね」
むしゃり、人参を嬉々と食べているキリンを微笑まし気に見つめる。
首を伸ばさないと見えなかったキリンの顔が、にょきりと今はすぐ近くまで迫っていて。
顔や動作は緩いのだけれど、迫力もゆる可愛さも満点。
そんなキリンと戯れ、じっくり眺めて楽しんだ後。
再び手を取り合ってぐるり、園内を歩いてみれば。
「アルフィードさん、ご覧下さいまし」
次に、環の目を惹いた生き物は。
「雪の様に真白な梟ですよ」
「わぁ! 本当に真っ白な梟ちゃんだね! 可愛いーー」
まんまるもふっとした、円らな瞳の真白なフクロウ。
そして、そうはしゃいだように檻の中を見つめるアルフィードとフクロウを交互に見ながら。
「何処か貴方に似てますね」
環がふとそう、口にすれば。
耳に届いた声に、アルフィードは彼女とフクロウさんをやはり見遣り、きょとり。
「ん? 俺に似てるの??」
「真っ白な所ですとか、ふわふわしている所ですとか」
意外そうにしている彼にこくりとひとつ頷く環。
……かわいらしいわ、なんて笑みながら。
そんな言葉に、改めてじいっと目を向け、お見合いするかのようにフクロウと見つめ合いながらも。
「俺って白くてふわふわ? んー、初めて言われたなぁ。どちらかと言うと黒くてゴツいって言われるけど」
「黒くて、ごつい。はて、黒いですかしら?」
言ったアルフィードに、今度は環の方が首を傾けて。彼の姿をじっと見つめてみるけれど。
「白くて、ふわふわです」
やはり、白くてふわふわ。
そう、きぱっと断言する。
それでもやはり、彼にとっては意外なようで。
確かに目の前のフクロウさんは、白くてもっふりふわふわなのだけれど。
「見た目と髪がふわふわなのかな??」
ぱっと見た外見だけの色でみれば白っぽいし、秋風に揺れる金の髪はさらふわ……かも、しれない。
アルフィードはそう自分で思い直しつつも、自分をじいと見つめる彼女へと視線を返してから。
「でも環ちゃんにそう言われる嬉しいな。ありがとう!!」
「ほほ、どういたしまして」
ほわり笑む環へと続ける。
「じゃ、あのパンダちゃんは環ちゃんだね!」
動物園でも屈指の人気を誇る檻の方を、ぴしっと指差して。
環も彼の声を聞き、その指先を追ってみれば。
「ぱんだ。あすこで笹を食している白黒の?」
そこには愛らしい動物の姿が。
いや、はむはむ笹を食べているパンダは、ただゆるかわなだけではないのだ。
まあ嬉しや、とパンダを見つめ瞳を細める彼女に、すかさず続けるアルフィード。
「見た目可愛らしいのに強いし、ふらふらって男女問わず虜にする人気者!」
可愛くてふわふわな上に、のんびりのほんとしているように見えるけれど。
実は強くて、さらに動物園でも断トツに人を集める人気者。
大熊猫と書いて字の如く、にゃんこの如き人を惹きつける愛らしさと、クマの如き猛々しさを合わせ持つ存在、それがパンダなのである。
けれどそんな強い側面を持つとはいえ、目の前のころりとした姿は、やはりゆるかわいい。
「愛らしゅうお姿には到底敵いませぬが、有難う存じます」
環はそんな姿を見つめつつ、そう瞳を細めるけれど。
彼女の言葉に、ぶんぶんと首を横に大きく振るアルフィード。
そしてパンダから環へと緑色の視線を移し、力説するように言い切る。
「そんな事ないよ! 環ちゃん負けないくらい可愛い!!」
それから、動物園を楽しんでいる隣の可愛らしい連れの艶やかな唇へと。
「環ちゃん!! えい!!」
――ふっかり。
「ふふっ、チベットスナギツネちゃん、可愛らしいから買っちゃた」
優しく当てたのは……シュールかわいいキツネさん??
アルフィードが彼女の口に当てたのは、チベットスナギツネのクリームパン。
そんな突然与えられた感触に、ちょっぴり瞳を瞬かせてから。
「これがくりぃむぱん。何とも味のあるお顔ねえ」
ふっかりしたクリームパンと見つめ合ってみれば、虚無感を漂わせる何とも言えない燻し銀のような顔。
そして試しにまずはひとくち、はむりと食べてみれば。
「美味しい? 飲み物もあるからゆっくり食べてね?」
「ええ、甘くてとても美味し」
その顔のシュールさとは見合わぬ、ほわり口に広がる程よい甘さ。
それから、フクロウもパンダも見えるベンチをみつけて。
「では彼方の椅子でご一緒に頂きましょうか」
「うん、一緒に食べよう!」
秋色に染まる園内をぐるりと見て歩いて、時間もちょうど、おなかもすいてきたお昼時だから。
すとんと並んで座ったふたりもほわほわ、美味しいひとときを。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『寂しがり屋の苺雪兎』
|
POW : ヘヴンリィ・ストロベリー・ストーム
戦場全体に【苺果汁の雪(ストロベリースノウ)】を発生させる。レベル分後まで、敵は【苺色のベタつく雨】の攻撃を、味方は【優しい雪】の回復を受け続ける。
SPD : 小苺奏甲
【小さな苺】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【苺の香りによる腹ペコ状態】を誘発する効果」を付与する。
WIZ : 苺影杖
自身と武装を【苺のオーラ】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[苺のオーラ]に触れた敵からは【生命力と満腹感】を奪う。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
秋の心地良い陽光と紅葉たちがぽかぽかひらりと降る、昼下がり。
動物園の最奥――ウサギ小屋の大掛かりな清掃も終わって、飼育員も一旦小屋を離れた頃。
小屋の外の周囲に現れたのは、ウサギはウサギでも。
『お弁当のデザートは当然イチゴ!!』
『むしろイチゴしかいりませんっ、イチゴ以外は排除するの!』
『そんなイチゴももちろん、全部ぱくりとわたしたちが食べちゃうんだからっ』
『でも……なんで杖にいっぱいイチゴついているのに、食べられないの!?』
――イチゴ! 苺!! いちご!!!
ひたすら苺が大好きで、ただただ苺が食べたいウサギの集団であった。
いや、それが苺が大好きすぎる普通のウサギさんというだけならば、まだしも。
『杖のイチゴが食べられないなら……持ってる人から奪っちゃえばいいじゃない!』
人に危害がおよぶほどイチゴに対して強火な、危険なゴーストの群れなのである。
苺のオーラを滾らせ、甘い香りを燻らせながら、べたつく苺の雨を降らせながら。
えいっとぶん回す杖から魔法っぽい攻撃をビビーッと仕掛けてきて。
物理で、大好きな苺を得ようとしているのだ。
苺を持っている人には容赦がないのは言わずもがな、持っていない人にも苺を出せと殴ってくる。
けれど、ウサギ小屋の周囲からはすでに、抜かりなく一般人は遠ざけ済。
熱烈なイチゴコールが巻き起こる中、危険で寂しがり屋な苺雪兎たちを倒す。
銀の雨が降る中――いざ、得物を手に。
それが平和な動物園を取り戻すべく、猟兵達がまずは成すべきこと。
フリル・インレアン
ふええ、アヒルさんはまだペンギンさんとのお散歩が終わらないのでしょうか?
あ、まさかまた迷子、いえ迷子にさせられ・・・。
アヒルさんが来たみたいです、よかった。
もう、アヒルさん遅いですよ。
さあ、行きましょうというより、もう着いているのですがここが例のウサギ小屋ですね。
さあ、危険なゴーストさんは倒してしまいましょう。
えっと、小さなイチゴを纏って強化ということは纏えなくすればいいんですね。
美白の魔法です、これでイチゴを纏うことはできなくなりましたって、アヒルさんもウサギさんも地面に落ちたイチゴを食べようとしちゃダメですよ。
向かう目的地は、広い動物園の最奥にあるウサギ小屋。
もうそろそろ小屋の清掃が終わって、小屋の展示が再開してしまう時間なのだけれど。
フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)はきょろりと不安気に視線を巡らせる。
「ふええ、アヒルさんはまだペンギンさんとのお散歩が終わらないのでしょうか?」
ペンギンさんを先導してお散歩していたアヒルさんの姿が、まだ見えないから。
ウサギ小屋の周辺に現れるというのは、物理的に大好きなイチゴを奪わんと人々に襲い掛かるというオブリビオン。
一般人がウサギ小屋へと足を運ぶ前に、そんな敵を退治しなければいけないのだけれど。
フリルは、首をふるりと振りながら呟きを落とす。
「あ、まさかまた迷子、いえ迷子にさせられ……」
もしかして、アヒルさんが迷子に……いや、自分が迷子にさせられている!?
けれど、それは幸いにも杞憂で。
(「アヒルさんが来たみたいです、よかった」)
ようやくやって来たアヒルさんの姿を見つけ、ホッとしながらも。
「もう、アヒルさん遅いですよ」
さあ、行きましょう、と声を掛けるけれど、気が付けばウサギ小屋はもう目の前。
「ここが例のウサギ小屋ですね」
そうくるりと視線を巡らせ、おどおどと大きな帽子をそっと押さえるフリルだけれど。
『イチゴ! イチゴ持ってるなら、わたしに頂戴!』
『くれなくても、奪っちゃうから!』
「さあ、危険なゴーストさんは倒してしまいましょう」
現れた、イチゴがとにかく大好きなオブリビオン達へと視線を向けて。
イチゴイチゴと熱烈に連呼する彼女達を見遣りつつ、ふと首を傾ける。
「えっと、小さなイチゴを纏って強化ということは纏えなくすればいいんですね」
予知で確かそう聞いたから……そんな兎達へとフリルが展開するのは、『しっとり艶々なお肌を守る美白の魔法』。
蒸気が甘い香りする戦場にもわもわっと吹き出せば、お肌はしっとり艶々、つるっつるに!
『えっ、お肌がつるつるになって、イチゴが……!?』
「美白の魔法です、これでイチゴを纏うことはできなくなりました」
そしてフリルは、イチゴがつるんと落ちた地へとふと視線を落とし、瞳をぱちくりさせてから。
「って、アヒルさんもウサギさんも地面に落ちたイチゴを食べようとしちゃダメですよ」
ささっと落ちたイチゴを競うように拾わんとするアヒルさんと兔達に、そう注意するのだった。
拾い食いはいけません、ええ!
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「確かに杖に一杯イチゴがあるのになぜ食べられないのかしら?」
とても疑問だけど、体重計対策には良いわね、ええ。
数が多い敵のようだし、腹ペコにしてくるみたいだから、まずは建物の陰に隠れてオーラが届かないぐらい離れたところに位置取り。
そしてタイミングを見計らって一気に駆け込んでユーベルコード【蒼き刃の円舞】。
「乙女に体重の危機を味あわせた罪は重いわよっ」
スライスイチゴにしてあげるわ。
これでもかというほど、猫の仲間達を存分に堪能しまくってから。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)も、ネコ科の動物さんたちに後ろ髪を引かれつつも向かうのは、動物園の最奥にあるウサギ小屋。
ちょうど小屋の大掛かりな清掃が終わった直後のようで、小屋の周囲には清掃員の姿も、客の姿もない。
けれど、かわりに小屋の周りにわらわらと現れたのは。
『イチゴがただ、食べたいの!』
『こんなに杖にはイチゴがついているのに……イチゴを持ってるなら、全部ちょうだい!』
イチゴのことしか頭にないという、苺雪兎たち……オブリビオンの群れである。
そんな狂気染みているほどの、イチゴコールを聞きながらも。
「確かに杖に一杯イチゴがあるのになぜ食べられないのかしら?」
ヴィオレッタはそう、ふと首を傾げつつ口にするけれど。
でも、すぐに思い直す。
あんなに杖につけているイチゴを食べられないのは、確かにとても疑問であるのだけれど。
「体重計対策には良いわね、ええ」
甘くて美味しいイチゴは、ついつい食べ過ぎてしまうし。
練乳とかアイスとかと一緒に食べたくなるから。
そんな誘惑に負けてしまえば、体重計に乗るのがまた恐ろしくなること間違いなしだ。
ヤドリガミが太るのかどうかはさておき、肥えてしまったら困る。体重計怖い。
『イチゴ! 食べたいの!』
しかも兎達は、小さな苺を纏わせ腹ペコにしてくるのだという。
なのでヴィオレッタは、食べ過ぎと攻撃を避けるべく、まずは建物の陰へと隠れて。
オーラが届かないほど離れたところに位置取ってから、兎達の動きを注視する。
そして。
『もう! 誰かイチゴ持ってないの!? ……っ!』
イチゴが食べられなくて文句を言っている、隙をみせた兔へと、タイミングを見計らって一気に駆け込んで。
「乙女に体重の危機を味あわせた罪は重いわよっ」
――貴方たち皆に不幸をあげるわ。
ヴィオレッタがイチゴのかわりに見舞うのは、青金剛石のチャクラムを巨大化させて繰り出した、蒼き刃の円舞。
『……!』
そしてまた腹ペコにされないよう、苺雪兔たちへと言い放つ。
――スライスイチゴにしてあげるわ、って。
大成功
🔵🔵🔵
アルフィード・クローフィ
環ちゃん(f28317)と一緒に
本当だ、可愛いうさぎちゃん達だねぇ
苺持ってるぅ
環ちゃん、苺好きなんだね!
ふふっいい事聞いちゃった
アレ?うさぎって苺食べれるっけ??
気持ちはわかるけど、他の人の取っちゃダメだよ?
ん?苺大福?
わぁーい!食べたい!!
頂きまーす!美味しい!
じゃお返しに今日家からとった取り立て苺だよ!
何故持ってるかって?俺も偶然なのだー!
苺だよー、出ておいでー!
わぁ!環ちゃんの攻撃カッコ良いね!
はーい!俺頑張るねー
【死神の導き】
嫉妬するうさぎちゃん達は地獄にご招待!!
残った子達は最凶クッキングナイフでさばこうか!
苺うさぎ鍋って美味しいかな?
じゃ後で美味しく食べよう!!
雨絡・環
アルフィードさん(f00525)と
あらま、愛らしい兎さんですこと
苺はこと好みますゆえ
奪いたくなる気持ちもようく分かりますよ
奪われる訳には参りませんが
実はわたくし
いちご大福なぞ持って参りましたの
何故?偶然です、ええ
アルフィードさんもお一つ如何?
取り立ての苺
まあ嬉しいこと、頂きます
嗚呼、兎さんたら
そんな物欲しそうなお顔をなさって
欲しければ此方までお出でなさい
【六条】
我らの周りを囲い配しましょう
何か触れるものあらば様子で判るでしょう
彼らは既に死した身
もう飢える事は御座いません
彼方ですね
隠れ鬼はもう終い
アルフィードさん
お任せしても宜しくて?
お見事
うさぎ鍋は美味と聞きますが
苺味は…はて
頂いてみます?
首の長いキリンや甘いクリームパンにもなっていたチベットスナギツネ、他にも色々な動物を楽しく見た後。
やって来たのは、園の最奥にあるウサギ小屋。
けれど、ぴょこんと小屋の外にいるのは、ウサギはウサギでも。
『とにかくイチゴを食べたいの!』
『イチゴ! イチゴ!!』
ひたすらイチゴを欲する、寂しがり屋の苺雪兎たち。
そんなイチゴへの愛を滾らせている兎たちを見遣って。
「あらま、愛らしい兎さんですこと」
言った雨絡・環(からからからり・f28317)の声に、アルフィード・クローフィ(仮面神父・f00525)も兎達を見て。
「本当だ、可愛いうさぎちゃん達だねぇ。苺持ってるぅ」
「苺はこと好みますゆえ。奪いたくなる気持ちもようく分かりますよ。奪われる訳には参りませんが」
耳に届いたその言葉に、ぱっと笑みを宿す。
「環ちゃん、苺好きなんだね!」
……ふふっいい事聞いちゃった、って。
彼女の好きなものをまたひとつ、知れたから。
けれどそれからふと、こてりと首を傾けて。
「アレ? うさぎって苺食べれるっけ??」
アルフィードはそんな疑問を口にするけれど。
『細かいことはいいの! イチゴがとにかく食べたいの!』
『持ってるなら、全部わたしたちが貰っちゃうんだから!』
「気持ちはわかるけど、他の人の取っちゃダメだよ?」
ウサギがイチゴを食べられるかどうかはともかく、人のものは取ってはいけません!
ということで。
「実はわたくし、いちご大福なぞ持って参りましたの」
すちゃっと環が取り出したのは、美味しそうないちご大福……!
「何故? 偶然です、ええ」
細かいことはいいのです、偶然です、ええ!
『イチゴ!! イチゴ大福ー!!!』
「ん? 苺大福?」
イチゴと聞いて目の色を変え、テンションが一気に上がる兎達を後目に。
「アルフィードさんもお一つ如何?」
環はきょとりとしている彼にも、ひとつお裾分け。
そんな差し出された美味しそうな苺大福を、きゃっきゃはしゃぐように受け取ってから。
「わぁーい! 食べたい!! 頂きまーす!」
『あっ……!!』
……ぱくり。
「美味しい!」
もぐもぐ口にした苺大福を味わいながら、今度はアルフィードが取り出す。
「じゃお返しに今日家からとった取り立て苺だよ!」
取り立てつやつやの、いかにも美味しそうなイチゴを。
「何故持ってるかって? 俺も偶然なのだー!」
細かいことはいいのです、やはりこれも偶然なのです!
そして。
『イ、イチゴー!!』
「取り立ての苺。まあ嬉しいこと、頂きます」
『ああっ!』
環は彼から貰ったイチゴを、はむり。
そして兎達に見せつける様に美味しく頂いた後。
「嗚呼、兎さんたら、そんな物欲しそうなお顔をなさって。欲しければ此方までお出でなさい」
「うんうん! 苺だよー、出ておいでー!」
アルフィードと共に、そう誘いの声を掛ければ。
『イチゴー!!』
『イチゴは全部貰うの!!』
ぴょこり、まんまと駆け寄ってくる苺雪兎たち。
そんな姿に、瞳を細めてから。
――いらっしゃい、かわいいひと。
環が喚んで周りを囲い配すのは、魔を払う太刀や槍や破魔矢を携えた霊たち。
……何か触れるものあらば様子で判るでしょう、そう笑んでから環は続ける。
「彼らは既に死した身。もう飢える事は御座いません」
『……!』
苺がついた魔法の杖を兎達が揮ったとしても……霊たちには、奪われる生命力と満腹感はないのだから。
甘い香り漂うオーラなど気にする必要なく、太刀や槍、破魔矢を存分に見舞えるのだ。
苺のオーラに、いくら兎が隠れたとしても。
「彼方ですね。隠れ鬼はもう終い」
「わぁ! 環ちゃんの攻撃カッコ良いね!」
そんな展開した『六条』に、そう声を上げる彼へと環は視線を移し、微笑んで。
「アルフィードさん、お任せしても宜しくて?」
「はーい! 俺頑張るねー」
『く、イチゴも苺大福も、全部貰うんだから……!』
イチゴや苺大福を食べたふたりへと、ぎりぃと視線を向けて再び苺のオーラを漲らせる苺雪兎たちだけれど。
「嫉妬するうさぎちゃん達は地獄にご招待!!」
――さぁ、この世の地獄へご案内。
『さぁイチゴを全部渡して……えっ!?』
苺雪兎がイチゴを好むように、地獄からの使者は剥き出しになったその嫉妬心が好物。
刹那、嫉妬を抱きつつも物理でイチゴを奪わんとする兎達へと飛んで蝕むのは、死神の死の宣告。
そして骸の海へと送られる兎達を見遣り、お見事、と笑む環に。
アルフィードは笑み返して、こんな提案を。
「残った子達は最凶クッキングナイフでさばこうか!」
……苺うさぎ鍋って美味しいかな? なんて、ナイフを手に首を傾けながら。
そんな彼と一緒に、環もこてりと首を傾げてから。
「うさぎ鍋は美味と聞きますが。苺味は……はて」
……頂いてみます?
そうじいっと苺雪兎たちへと視線を向ければ。
『!? イチゴは美味しいけど、わたしたちは美味しくないから!』
『でも苺味の鍋は食べてみたいかも……って、食べられたら食べられないじゃない!』
わーわー騒ぎ出した兎達を後目に、アルフィードは環の声にこくりと頷く。
……じゃ後で美味しく食べよう!! って。
どんなモノでも、兎だって斬れる、最凶クッキングナイフをしゃきんと構えながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
三岐・未夜
【たかみゃ】
うっわ、苺強火担のオブリビオンって何それ……
めちゃくちゃ匂いが甘い……
いや、って言うかそもそも苺とか季節じゃないじゃん!季節感!
好きだって言うならちゃんと旬を大事にして!
オブリビオンに言っても仕方ないけど!
【誘惑、催眠術】で敵を鈍らせながら、【先制攻撃】でUC使用
炎の矢で【誘導弾、弾幕、属性攻撃、全力魔法、範囲攻撃、多重詠唱】、出来る限りを一掃するよ
大丈夫、僕だけで倒せなくてもたからが居るから
自分への攻撃は【見切り、第六感】で出来る限り避けて、たからが僕を心配しなくても良いようにしないとね
金平糖!(ぱぁっと明るくなる表情)
食べるー
あ、見て見て
きらきらして白くって、たからの雪みたい
鎹・たから
【たかみゃ】
(甘い匂いをくんと
たからも苺は嫌いではありませんが
人の物を奪ってはいけませんよ
それに、未夜の言う通りです
確か二月頃から食べたほうがよいのでは
未夜の催眠術に合わせて
スイーツガンから苺味のお菓子を撃ちだします【陽動、誘惑、誘導弾
本物の苺じゃないといけませんか?
ですが、皆さんのだいすきな苺の味がしますよ
炎の矢の弾幕で姿が見えたら
掌を翳し、兎達を雪と霰の奔流で凍らせてしまいましょう
【念動力、衝撃波、弾幕
敵の攻撃は雪のオーラ防御で防ぎます
危ないですから、未夜にも掛けておきますね
しっかりと敵の動きを観察して躱します【見切り、残像
…少し甘いものが食べたいですね
未夜、金平糖がありますよ
食べますか?
動物園の最奥にあるウサギ小屋。
そこにいるのは、長いお耳の可愛いウサギさんではなくて。
『イチゴ! イチゴ!!』
『デザートはイチゴしか許せないから! むしろ主食がイチゴよ!』
「うっわ、苺強火担のオブリビオンって何それ……」
三岐・未夜(迷い仔・f00134)の言うように、苺強火担の苺雪兎の群れである。
そんなイチゴイチゴと滾る兎達から漂うのは、勿論。
「めちゃくちゃ匂いが甘い……」
あまーいイチゴの香り。
そんな匂いをくんと嗅いでから。
『イチゴは全部わたしが貰うんだから!』
「たからも苺は嫌いではありませんが、人の物を奪ってはいけませんよ」
鎹・たから(雪氣硝・f01148)は、苺雪兎たちへとそう教えてあげるけれど。
それにしても、今の季節は秋。
「いや、って言うかそもそも苺とか季節じゃないじゃん! 季節感!」
秋ならばイチゴではなく、柿とか梨とか栗とかが美味しい季節。
そしてそんなに好きならばと、未夜は節操のない兎達へとこう訴える。
……好きだって言うならちゃんと旬を大事にして! って。
でも。
『わたしはいつだって、イチゴが食べたいの!』
「オブリビオンに言っても仕方ないけど!」
旬を大事にした、一番美味しい時期のイチゴを味わう心は、オブリビオンにはやはりないようだ。
そんな兎達に、またまたたからはきちんと教えてあげる。
「未夜の言う通りです。確か二月頃から食べたほうがよいのでは」
『二月!? それまで待てるわけないじゃない!』
『今すぐ食べたいの!』
それでもやはり、全く聞く耳を持たないようだから。
未夜が兎達へと仕掛けるのは、相手を鈍らせる誘惑と催眠術。
それに合わせ、しゃきんとたからが構えるのは――キラキラ、ぱちぱち、スイーツガン。
そして、ぽふぽふんっと打ち出すのは、キャンディー、わたあめ、チョコレート……沢山のスイーツ。
でもそんな甘いお菓子たちは、全部兎達の好きな苺味。
『……! こ、この香りは……イチゴ!?』
「本物の苺じゃないといけませんか? ですが、皆さんのだいすきな苺の味がしますよ」
『本物がいいけど、でもイチゴなら……!』
そんなたからの撃ち出した苺味のお菓子たちに、苺雪兎が気を取られている隙に。
多重詠唱し全力で魔法を編み出して、未夜が展開するのは『玄狐ノ性』――弾幕を張るかのように刹那、広範囲へと撃ち出される誘導弾は、炎纏う数多の矢。
『! 焼きイチゴもいいけど、焼き兎は御免だわっ』
放たれた炎が、敵を焼き兎にして一掃するべく戦場を飛び交う。
それに、苺の杖を振りかざし甘いオーラを纏って、いくら兎達がその身を隠しても。
(「大丈夫、僕だけで倒せなくてもたからが居るから」)
炎の弾幕がその姿を炙り出せば、たからはすかさず掌を兎達へと翳す。
――凍えなさい、ほろびなさい。
真っ直ぐに相手に向けた円らなその瞳の彩のように、キラキラと。
天から降り注ぐ雪と霰の奔流で敵を凍らせるべく。
そして焼き兎の次は、兎の氷像を作り上げつつも。
『イチゴを持ってないなら邪魔よ!』
苺のついた杖をぶんぶん振り回してくる兎達の攻撃に対抗するように。
たからは、雪のオーラで自分と未夜の身を包んで。
(「たからが僕を心配しなくても良いようにしないとね」)
えいっと振り下ろされた杖の軌道を第六感で見切り、未夜がひょいっと躱して距離を取れば。
「……少し甘いものが食べたいですね」
ふたりで兎達を燃やし凍らせながらも、ふとそう呟きを落とすたから。
そして、ごそごそと取り出したのは。
「未夜、金平糖がありますよ。食べますか?」
「金平糖! 食べるー」
ころんと掌の上を転がる、金平糖。
そして、ぱぁっと表情を明るくさせて。
「あ、見て見て」
未夜は甘い一粒をそっと摘まんで見つめながら、自慢の尻尾をゆうらり。
嬉しそうに、こう続けるのだった。
――きらきらして白くって、たからの雪みたい、って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レザリア・アドニス
イチゴを好きなのは勝手にしていいけど
人を殴るまで奪おうとするのはだめなのよ
躾のならないうさぎはどうなるか…わかるよね?
毒花の嵐を起こし、敵の体力を削り取る
【全力魔法】【範囲攻撃】でユーベルコードを強化して、さらに【生命力吸収】もつける
オーラ対策にこちらもオーラで防御する上、逆に生命力を吸収すればいい
見えない聞こえないのなら、そうしなくてもいいんじゃない
風が、舞う花びらが、お前らの位置を指示してくれるから
そしてオーラも何も、吹き飛ばしてやるね
…あら、満腹感を奪うって?
ならば喜んで、ウサギ肉を食べましょう
足を向けたのは動物園の最奥、ウサギ小屋の周囲に響くのは。
『イチゴ!! イチゴを食べたいの!』
『みんなが持っているイチゴは全部わたしのもの!』
熱烈すぎる、苺雪兎たちのイチゴコール。
けれど、そんな熱狂的な声にもあくまで冷静に。
「イチゴを好きなのは勝手にしていいけど、人を殴るまで奪おうとするのはだめなのよ」
レザリア・アドニス(死者の花・f00096)はそう教えてあげるけれど。
『でもイチゴは全部欲しいの!』
案の定、聞く耳を全く持たない兎達。
そんな悪い兎に、レザリアは改めて緑色の瞳を向けて言い放つ。
「躾のならないうさぎはどうなるか……わかるよね?」
刹那、戦場に巻き起こるのは、お仕置の如き毒花の嵐。
全力魔法で花弁を強化し、沢山の兎を巻き込むよう広範囲に舞わせながらも。
『……! ぐっ』
さらに、兎達の生命力を吸収するべく逆巻いて咲き乱れる嵐。
苺雪兎たちも甘い香りを漂わせながら苺のオーラを纏い、その身を隠さんとするけれど。
……オーラ対策にこちらもオーラで防御する上、逆に生命力を吸収すればいい。
「見えない聞こえないのなら、そうしなくてもいいんじゃない」
レザリアは無数の花弁を戦場へと躍らせ続ける。
だっていくら上手に隠れたって、無駄だから。
――風が、舞う花びらが、お前らの位置を指示してくれるから。
そう紡いだ言の葉の通り、花弁たちが兎の姿を炙り出すようにひらりと象って。
「そしてオーラも何も、吹き飛ばしてやるね」
『う、ぐ……!』
巻き起こる嵐が、甘い香りごと、纏うその気を吹き飛ばさんと荒ぶる。
けれど顔を顰めつつも、握る苺の杖を振り翳す苺雪兎。
『なによ、腹ペコになればいいんだわ!』
懲りずに苺のオーラを再び纏いながら、生命力と満腹感を奪わんとしてくるけれど。
こてりと首を傾けてみせつつ、レザリアは瞳を細めてから。
「……あら、満腹感を奪うって?」
くるりと兎達を見遣った後、こう続けるのだった。
――ならば喜んで、ウサギ肉を食べましょう、って。
秋の空に、兎達を料理するべく、激しい花弁の嵐を吹雪かせながら。
大成功
🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
【銀妖花】
思っていたウサギとは違いますね?
ウサギと言うより、むしろ人に近いような・・・?
苺は美味しいものですが、そこまで好きなのも凄いですね。
ともあれ、あまりわがままを言うものではありません。
・・・先程の私からすれば説得力がありませんが。
誰も傷付けていませんし。風花さんを連れ回しはしましたけれども。
さて、可愛いわに達を堪能した後ですし。
ここは大鰐霊様に頑張っていただきましょう。
わにとウサギ、弱肉強食の世界では結果は言うまでもありませんが。
それに、満腹感を奪うそうで・・・
大鰐霊様に食欲があるのかは解りませんが、逆効果だと思います。
私が見えなくとも、大鰐霊様の感覚で攻撃すれば問題ない、と思います。
七霞・風花
【銀妖花】
私が期待していたウサギさんは、こう……手乗りサイズの。
いえ私にとってのではなくティーシャさんサイズ換算ですけどね?
私だと、ええ、背中に乗って駆けまわれそうな感じでした。
オブリビオンもそのくらいだとよかったんですが。
ん-、まあ、ティーシャさんのはわがままでもありませんし。
私も楽しく付き合っているのでノーカンですよ、ノーカン。
でも……このウサギさんのやっている事はそれよりちょっとひどいですので。
お仕置きが必要でしょう。
ふふ、そうですね……ここは大鰐霊さんにお任せして。
こちらはフォローに回るとしましょう、弱肉強食因果応報。
弓で逃げ道を塞ぎつつ………………あ、いちご食べたくなってきました。
動物園の最奥にあるというウサギ小屋。
その小屋の中には、もふもふ可愛い色々なウサギがいるのだけれど。
ウサギはウサギでも、小屋の周辺にわらわらと現れた兔は。
『イチゴ! イチゴが食べたくて仕方がないの!!』
『イチゴは全部わたしたちのものよ!』
異様にイチゴが好きすぎる、苺雪兔というオブリビオンの群れ。
そんなイチゴに滾る様子を見つつも、こてりと。
「思っていたウサギとは違いますね?」
首を傾けるのは、ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)。
「ウサギと言うより、むしろ人に近いような……?」
七霞・風花(小さきモノ・f13801)も、それに同意するようにこくりと頷いて。
「私が期待していたウサギさんは、こう……手乗りサイズの。いえ私にとってのではなくティーシャさんサイズ換算ですけどね?」
ティーシャであれば掌にもふっと乗る様なくらいの……そして小さな自分であれば。
「私だと、ええ、背中に乗って駆けまわれそうな感じでした」
ウサギといって思うサイズ感は、そんなイメージであったし。
それは普通のウサギであれば、定番の大きさであるだろうけれど。
ふたりは改めて、眼前の兔の群れを見遣って続ける。
「オブリビオンもそのくらいだとよかったんですが」
「苺は美味しいものですが、そこまで好きなのも凄いですね」
イチゴが好きすぎて傍迷惑な、オブリビオンに。
『他のことはどうでもいいの、とにかくイチゴ!』
『イチゴが食べたいんだってば!』
「ともあれ、あまりわがままを言うものではありません」
半ば駄々をこねる子供かのようにイチゴに滾り、イチゴを欲するその言動にそう言ったものの。
「……先程の私からすれば説得力がありませんが」
ティーシャはふと、わにを前にした時の自分を思い出しつつも呟く。
淑やかないつもの印象はどこへやら、興奮してちょっぴりお転婆な姿を晒してしまったと思い返して。
だが、わにに滾りはしたけれど。
「誰も傷付けていませんし。風花さんを連れ回しはしましたけれども」
そんなティーシャの言葉に、風花はふるりと首を振る。
「ん-、まあ、ティーシャさんのはわがままでもありませんし。私も楽しく付き合っているのでノーカンですよ、ノーカン」
むしろ彼女に付き合ってワニを見たことも、いつもと違う彼女の様子を見られたのも、微笑ましくて楽しいから。
何が何でもイチゴを奪ってでも食べたいと思う兔達の言動とは、全く違うし。
『わたしは、イチゴを食べてる時が一番楽しいわ!』
『だからイチゴをちょうだい、全部わたしのよ!』
「でも……このウサギさんのやっている事はそれよりちょっとひどいですので」
風花は青い瞳を苺雪兎達へと向け、続ける。
――お仕置きが必要でしょう、って。
ということで!
「さて、可愛いわに達を堪能した後ですし。ここは大鰐霊様に頑張っていただきましょう」
……わにとウサギ、弱肉強食の世界では結果は言うまでもありませんが。
ティーシャが喚ぶのは、獰猛にして気高き大鰐霊。
「ふふ、そうですね……ここは大鰐霊さんにお任せして。こちらはフォローに回るとしましょう」
……弱肉強食因果応報、と。
苺雪兔たちの逃げ道を塞ぐべく、風花は桜を模した弓を番えて。
大鰐霊の支援をするべく立ち回れば。
『イチゴくれないなら、腹ペコになっちゃえばいいのよ!』
「それに、満腹感を奪うそうで……大鰐霊様に食欲があるのかは解りませんが、逆効果だと思います」
『え? ……っ!』
くぱっと口を開け大牙を向ける大鰐霊には、ティーシャが言うように完全に裏目に出ている。
そんな自分達をむしゃっと食べることができそうなくらい大きな口に慌てながら、苺雪兔たちは苺のオーラを纏って隠れんとするけれど。
まさに兔狩りをするかの如く、風花の射た弓に追い立てられ誘導されて。
「私が見えなくとも、大鰐霊様の感覚で攻撃すれば問題ない、と思います」
大牙でがぶり、強靭な尻尾でばしばしっと、悪い兔たちへとお仕置きする大鰐霊。
そして、ぶんぶんと沢山イチゴが付いた杖を振りつつもあわあわと滅される、そんな敵が漂わせる甘い香りに。
風花はこう呟きを落とすのだった。
…………あ、いちご食べたくなってきました、なんて。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ミリアリア・アーデルハイム
WIZ アドリブ・連携◎
スケルトンマントで姿を隠し、屏氷万里鏡とオーロラアイズで兎さんが見えるようにしましょう。可愛いけれど、お客さんが襲われてはいけませんから、倒さないと。自分は苺オーラをさけてオーラ防御しておきます。
UCでたくさんのいちごをクリエイションしましょう(効果:繁殖、全力魔法)
このいちごは浄化の祈りを込めた呪殺弾です。食べると浄化されるという寸法ですが、腹ペコさんで満足出来ないのはかわいそうなので、属性攻撃で満足属性を足しておきましょう。
さてさて、いちごに気付いて食べてくれると良いのですが。
仕掛けが終われば、苺オーラに当てられないですむように箒で上空に避難して様子を見ますね。
イチゴへの異常なまでの愛を喚く兎の群れが現れた、動物園の最奥。
戦場と化したウサギ小屋の周辺で、そっと行動を開始するのは、予め動物園の清掃員に扮し現場に足を運んでいたミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)。
その姿は、ばさりと纏うスケルトンマントで隠されていて。
『イチゴを奪っていっぱい食べるんだから!』
同時に、ミリアリアは暴き出す。
見えざるものの存在を映し出す無数の氷の欠片の煌めきと、隠された真実を映すオーロラの瞳をもって。
(「可愛いけれど、お客さんが襲われてはいけませんから、倒さないと」)
苺のオーラで身を包み、視聴嗅覚での感知を不可能にして人々に危害を加えんとする、苺雪兎たちの姿を。
そして甘い香り漂う相手のオーラを、纏わせた守りの気で防ぐべく試みながらも。
ミリアリアが全力魔法を駆使し、繁殖させるように創り出しては増やしたのは。
『!! イチゴッ』
『イチゴは誰にも渡さないっ』
そう、たくさんのイチゴ!
……さてさて、いちごに気付いて食べてくれると良いのですが。
なんて思った瞬間、即食いついてきた、強火のイチゴ担すぎる兔達。
そして飛びつくように、ミリアリアがクリエイションしたイチゴに群がる兎たちなのだけれど。
『いただきまーす……、っ!?』
『えっ? きゃっ!』
イチゴはイチゴでも……実はこれは、浄化の祈りを込めた呪殺弾!
(「食べると浄化されるという寸法ですが、腹ペコさんで満足出来ないのはかわいそうなので」)
そうさらに足しておいたのは、満足属性。
そんな自分が創り上げて仕掛けておいた特製イチゴを食べては浄化される様子を。
苺オーラに当てられないよう、箒で紅が舞う秋空へとすいっと避難しつつも。
まさに、高みの見物をするミリアリアであった。
大成功
🔵🔵🔵
杜束・沙耶
※アドリブ絡みOK、お任せです。
「なんというか、ちょっと気の抜ける相手ですよね…」
危険度は分かるんですけど。
数も多く囲まれても散られても困りますね。
可哀想ですがその性質利用させてもらいます。
迷宮を展開。隙間より苺を見せて幻惑。位置は鋳薔薇の触覚で分かります。一所に誘導し…
到着点に、大皿山盛りの苺を置いておきましょう。
「ごめんなさいね。
その無垢無邪気、血で汚れるのを見逃すわけにはいかないの。」
夢中で食べてるところに最大の一撃を。
(イメージはもう一つのユーベルコードです)
何をされたのかも分からないほど一瞬で彼岸に送りましょう。
「せめて最後は幸せな記憶と共に、過去へ還りなさい…」
ウサギ小屋に現れると予知されたのは、他者に危害を加えんとするオブリオン……には、違いないのだけれど。
『もうイチゴが食べた過ぎてたまらないの!』
『イチゴ! イチゴ!!』
イチゴに滾るその姿を見れば、イチゴを得る為には手段を選ばないというその危険度は分かる。
分かるのだけれど、やっぱり。
「なんというか、ちょっと気の抜ける相手ですよね……」
そう思ってしまう、杜束・沙耶(かつての軛、現の鍵・f06001)。
けれど、イチゴイチゴと口にする苺雪兔の群れを改めて見遣ってから。
「数も多く囲まれても散られても困りますね」
沙耶は訊いた予知を思い返しつつ、続ける……可哀想ですがその性質利用させてもらいます、と。
そして、すかさず展開するのは『鋳薔薇の迷宮』。
――我が身、我が写し身たる薔薇の鎖。咎人を封ずる檻とならん。 汝まつろわざるモノよ、神も悪魔も降り立たぬ地にて永劫を彷徨え!
刹那、隙間の風景がさらに奥へ迷い込ませる鋳薔薇の迷路を作り出して。
『あ! イチゴ!』
隙間より見せて幻惑するのは勿論、イチゴ。
イチゴに嬉々とした声を上げながらも、敵も苺のオーラを纏い、その姿を隠さんとするけれど。
(「位置は鋳薔薇の触覚で分かります」)
一所に誘導するために、沙耶はダメ押しにと。
到着点に置いておくのは、大皿山盛りの苺!
『イチゴがたくさん……!』
『全部わたしのものよ!』
そんな、わーきゃーと騒ぎつつも、まんまと誘導されて。
はむりと、念願のイチゴを頬張り始めた苺雪兎たちへと。
「ごめんなさいね。その無垢無邪気、血で汚れるのを見逃すわけにはいかないの」
……何をされたのかも分からないほど一瞬で彼岸に送りましょう。
そう沙耶が放つのは、暴れ狂う薔薇の得物。
『……!』
「せめて最後は幸せな記憶と共に、過去へ還りなさい……」
大好きなイチゴを餞に――躯の海へと送り返すべく、最大の一撃をもって。
大成功
🔵🔵🔵
月舘・夜彦
【華禱】
苺は美味しいですから、気持ちは分からなくはありませんが
他の果物もとても美味しいのですよ
あれは敵の兎の集団ですね
それでは参りま……ましゅまろ、どうしましたか?
バスケットから飛び出してきたましゅまろを見て足を止める
なるほど、「此処は任せてくれ」ということでしょうか?
目には目を歯には歯を……兎には兎ということですね
びっぐましゅまろの効果によってましゅまろは騎乗できる大きさから
更にずんずんと大きくなっていく
ましゅまろ、真の姿を見せる時です
一緒に暴れましょう!
しょこらの幻影で敵を錯乱させながら、ましゅまろは突進したり
飛びついたり、私達は討ち漏らした敵を追撃します
2回攻撃やなぎ払いで広範囲に攻撃
篝・倫太郎
【華禱】
苺食べたいってのは判らなくもないけど
美味いもんな……
しょこー?しょこらさーん
出番だぞー(バスケットの蓋をぱかり)
しょこが飛び出すのと同時に幻影召喚を使用
とつげきー!
言いながら華焔刀に鎧砕きと衝撃波を乗せた先制攻撃
狙いは苺のオーラを砕くコト
で、間髪入れずにウサギ雪崩
雪崩で敵がへろへろになってたら残ってる奴は齧り付け!
満腹感奪われたこいつらの食欲舐めんなよ!
お前らならその『食べられない苺』だって美味しく頂ける!
だって!幻獣だから!
よっし、夜彦!
後はでっかいましゅまろに任せてもいい?いい?
敵の攻撃は見切りと残像で回避
ましゅまろを興奮状態で見上げてるしょこらの様子に
夜彦と顔を見合わせて笑う
甘い香りと鮮やかで真っ赤な果実、甘酸っぱい爽やかな味わい。
ちょっぴり季節外れだからこそ、ますます食べたくなるのかもしれない。
みんな大好き、オブリビオンさえも虜にする果物。
「苺食べたいってのは判らなくもないけど」
そう――それは、イチゴ!
美味いもんな……と続けた篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)に、こくりと頷いてから。
「苺は美味しいですから、気持ちは分からなくはありませんが。他の果物もとても美味しいのですよ」
これからは蜜柑が美味しくなる季節でしょうか、などと。
真面目に言った月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は、辿り着いた最奥のウサギ小屋へと目を遣って。
『もー! 全然イチゴ食べられてないんだけど!』
『イチゴ食べたーい!』
「あれは敵の兎の集団ですね」
イチゴイチゴと騒がしい兎達の姿を確認すれば。
――がたがた、ぴょこんっ。
「それでは参りま……ましゅまろ、どうしましたか?」
今までじっと大人しくしていたましゅまろが、バスケットから飛び出してきて。
思わず足を止め、藍の髪を揺らしこてりと微か首を傾ける夜彦。
いや、ましゅまろだけではない。
「しょこー? しょこらさーん。出番だぞー」
そう倫太郎がバスケットの蓋をぱかりと開けば。
待ってましたといわんばかりに、しょこらもぴょこりっ。
そして勢い良くしょこらが飛び出すのと同時に。
――月影に踊れ。
「とつげきー!」
ラビットグリフォンの幻影たちを数多喚びながら、そんな掛け声と共に倫太郎は握る華焔刀を揮って。
黒の柄に燃ゆる朱き焔と美しい刃紋が閃き踊って。
守りを砕かんと衝撃波を生めば……その狙いは、甘い香を漂わせる敵群のオーラ。
イチゴ食べたさに他者に危害を加えかねない苺雪兔たちの纏う苺のオーラを砕かんと立ち回りながら。
『!? きゃっ!』
『ちょっとぉ! 欲しいのはウサギじゃなくてイチゴよ!?』
間髪入れずにお見舞いするのは、ぴょこぴょこもふもふ、ウサギ雪崩!
そしてひくひくとお鼻を動かすましゅまろを見て、夜彦は頷く。
「なるほど、「此処は任せてくれ」ということでしょうか?」
目には目を歯には歯を……兎には兎ということですね、と。
そう言った刹那、ずもももっと。
騎乗できる大きさから、更にずんずんと大きくなっていくましゅまろ。
そして、ウサギ雪崩にへろへろになっている敵へと容赦なく。
「残ってる奴は齧り付け!」
『……って! わたしはイチゴじゃないわよ!?』
がじがじっと、苺雪兔たちの苺オーラで腹ペコになったしょこらの幻影たちが敵へと齧り付いて。
「満腹感奪われたこいつらの食欲舐めんなよ!」
倫太郎はきりりと言い切る――お前らならその『食べられない苺』だって美味しく頂ける!
「だって! 幻獣だから!」
ええ、幻獣ですもの!
『ずるい! わたしもイチゴ食べたいのに……きゃっ』
『わたしたちはイチゴじゃないわよ!』
そして倫太郎は、わーわー堪らず騒ぐ兎達から、琥珀の視線を夜彦へと向けて。
「よっし、夜彦! 後はでっかいましゅまろに任せてもいい?いい?」
「ましゅまろ、真の姿を見せる時です。一緒に暴れましょう!」
びっぐましゅまろの効果で、色々3倍になったましゅまろが。
――ぴょこーん、どしーんっ。
『!? きゃあっ』
夜彦の声を皮切りに、満を持して動き出す。
まさに眼前の戦場の絵面は、ウサギさんまみれ!
いっぱいのしょこらの幻影で苺雪兔たちを錯乱させながら、敵の只中へ突進するびっぐましゅまろ。
そしてラビットグリフォンたちが討ち漏らした兔の残党を、共に刃を閃かせ抜かりなく仕留めつつも。
――ぴょんっ、ずずーん。
堂々たる風格で敵へと飛びつく大きな大きなましゅまろと、それを興奮状態できゃっきゃ見上げているしょこらの様子に。
顔を見合わせて笑う、倫太郎と夜彦であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『宇佐美・藍沙』
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POW : どうしよう、好きになっちゃいました!
自身の【恋心に素直】になり、【恋の告白をし続ける】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD : きっとあなたも私の運命の人!
【自身や恋人たちの手での引っ掻き】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【声や容姿といった魅力的なところ】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 恋人になってくれなきゃ離れない!
【恋心】を向けた対象に、【全身全霊全腕でのハグ】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「夏目・晴夜」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
動物園の一番奥にある、ウサギ小屋の前で。
強火な苺担な兔の群れを全て退治した猟兵たちであったが。
『運命の人、見つけちゃった……!!』
再び現れたのは、またまた兎。
だがウサギはウサギでも、可愛い普通のもふもふなウサギさんでは、やはりない。
キャッキャひとりはしゃいでいる恋する兔――宇佐美・藍沙は、猟兵達をぐるりと見回して。
『どうしよう、好きになっちゃいました!』
出逢って秒で、皆に告白する。
老若男女関係なく、目と目が合えば胸がきゅん。
見つけた運命の人――恋人になってくれなきゃ、離れない!
あなたもあなたもあなたも、みーんな運命の人……!!
そして、そんな告白をたとえ拒否したとしても。
『素直じゃない所も好き!』
ますます好きになってしまうという藍沙。
男女問わずすぐ恋に落ち、攻撃も拒絶もぴょこんと跳ねるように躱しながら、恋人になれと執拗に迫る。
ある意味、とても手強い兎であるが。
真面目にお断りするも良し、恋する兔に振り回されるも良し、物理で解決するも良し。
猟兵の皆であれば、きっと何とかなるだろう。
ということで、再び過激な兎を退治するべく立ち向かう猟兵達。
楽しい動物園の平和を取り戻す為に。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「ち、ちょっと、今回のウサギはずいぶんホラーっぽくないかしら」
ほら、手とかちょっと多すぎるし。
と、とにかく運命の人は他で探してちょうだい。
とユーベルコード【ダミードール】で私の偽物を出現させつつ、私自身は[逃げ足]で逃げて[目立たない]ようにしておくわ。
敵の攻撃はダミーに引き受けてもらうわね。
あとは相手に気づかれないように物陰から弓矢でちくちくと。
近づかれないようにして射撃、これを繰り返しましょう。
「無理やり迫られると人はかえって離れるものなのよ?」
全て躯の海に還したイチゴ好きのウサギは、まだ見目的にはいくらか普通であったが。
『見つけた、私の運命の人……!』
きゃっきゃと楽しそうにはしゃいではいるけれど。
でも、そんなきゃぴきゃぴとした言動とは裏腹に。
「ち、ちょっと、今回のウサギはずいぶんホラーっぽくないかしら」
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は、現れた早々そう口にした兎――宇佐美・藍沙の姿を思わずじぃと見遣った後。
……ほら、手とかちょっと多すぎるし、と。
恋に滾る乙女には似つかわしくないおぞましく動くそれらから、そっと目を逸らしつつ。
『運命の人だもん、恋人になってください!』
「と、とにかく運命の人は他で探してちょうだい」
そう告白をお断りする。
いや、運命の人だと兎が熱い視線を向けるヴィオレッタは、実はヴィオレッタではなく。
――これで騙せるかしら?
ダミードールで出現させた、彼女の偽物。
本物のヴィオレッタは、逃げ足を駆使しつつ逃げて目立たないようそっと距離を取って。
『きっとあなたも私の運命の人!』
告白しつつも引っ掻いてくる敵の告白や攻撃を引き受けてもらう。
そして、偽物でも本物でも構わずに節操なく軽率に恋に落ちる兎に気付かれないように。
物陰からちくちくと弓矢を射放つヴィオレッタだけれど。
『はうっ、これは運命の恋の矢!』
どこまでも自分のいいようにしか考えない、迷惑な恋愛脳な宇佐美・藍沙。
そんな、ある意味恋は盲目になっている兎へと、近づかれないように繰り返し射撃しながらも。
「無理やり迫られると人はかえって離れるものなのよ?」
恋愛には、押したり引いたりする駆け引きが大事。
ぐいぐいと押す一方の相手に、そう教えてあげるヴィオレッタであった。
大成功
🔵🔵🔵
レザリア・アドニス
まったく…うさぎって、こんなクレージーなものですか…
とりあえず目が合わないように気を付ける
面倒事はできれば避けたいんですね
炎の矢を編み出して、【全力魔法】と【鎧無視攻撃】と【呪詛】を込めて、兎を攻撃
万が一告白されたら
…どうしましょうかね…本当に私が恋人でいい?と首をかしげる
どうしてもってなら、うん、いいよ
ほら、じっとしていなさいね?
あまり駆け回ると、あなたの顔もよく見えないんじゃないか
と、ハグされたらされたまま、背中に手を回して至近距離で炎の矢を撃ちこむ
痛い?それは恋の焦りの間違いんじゃない?
死の花嫁の恋人になるには…これぐらい対価が必要なのよ
あなたの命、ね…
と、その耳に優しく呟く
全部追い返したかと思えば……次に現れたのも、また兎。
先程のウサギは苺に対して強火であったけれど、今度は何かといえば。
『みーんな、私の運命の人!』
「まったく……うさぎって、こんなクレージーなものですか……」
目が合うだけで、声を聞くだけで。男女問わず軽率に恋に落ちるという、恋に恋する兎の化け物。
レザリア・アドニス(死者の花・f00096)はおぞましいくらいの熱い視線を感じながらも、とりあえず目が合わないように気を付けて。
……面倒事はできれば避けたいんですね。
そうふうっとひとつ嘆息しつつも刹那編み出すのは、数多の炎の矢。
全力魔法を駆使して生み出し、相手の守りを無視する効力と呪詛を燃ゆるそのいろに乗せて。
『運命の人にいっぱい出逢っちゃった……きゃっ!』
恋に恋する怪物へとお見舞いしてやれば。
くるりと、その視線が自分へと向いたかと思った瞬間。
『なんて熱い恋の矢なの……はっ、もしかしてこれって運命! 恋人になってください!』
そう告白されてしまうレザリア。
そんな相手の言葉を聞いて、首を傾げつつも。
「……どうしましょうかね……本当に私が恋人でいい?」
『恋人になってくれなきゃ離れない!』
「どうしてもってなら、うん、いいよ」
レザリアはこくりと了承してから。
ぎゅうっとハグしてくる彼女の背中に手を回して受け止め、耳元でこう囁く。
「……ほら、じっとしていなさいね? あまり駆け回ると、あなたの顔もよく見えないんじゃないか」
『分かったわ、運命の人……っ、痛っ!?』
瞬間、至近距離で兎へと容赦なく再び撃ち込まれる炎の矢。
そして、思わず堪らずに声を上げた恋する兔に再び大きく首を傾けてみせて。
「痛い? それは恋の焦りの間違いんじゃない?」
『い、痛いけど……そんな焦りもまた恋の醍醐味ね!』
それから、きゃっきゃと相変わらずはしゃぐ藍沙のその耳に、レザリアは優しく呟いて教えてあげる。
「死の花嫁の恋人になるには……これぐらい対価が必要なのよ」
――あなたの命、ね……、って。
大成功
🔵🔵🔵
篝・倫太郎
【華禱】
お前は!俺の!運命じゃなーい!
夜彦も!お前の!運命じゃなーい!
思わず、クソデカボイスで訴えちまった
夜彦、夜彦……あいつ、変なこと言う!
あんたの運命は俺だよな?
そう問い掛け、夜彦の応えにほっと一安心したら
ましゅまろにも告白してる敵に
しょこらが足をダンダンして怒ってる……
それを横目に華焔刀で吹き飛ばしを乗せたなぎ払いで先制攻撃
あれは還さなきゃ駄目なやつだ!
びっぐしょこら使用
しょこ!行ってこい!(びしぃ!と敵を示し)
でっかくなったしょこらに指示を出したら
俺も夜彦とタイミングを合わせて攻撃
夜彦は全部魅力的だから、攻撃喰らわないでネ?
敵の攻撃は見切りと残像で回避
吹き飛ばしと咄嗟の一撃で攻撃を相殺
月舘・夜彦
【華禱】
運命ですか……困りましたね……
私には倫太郎が居りますので、申し訳ありません
なんと言いますか、こうしたお断りはしたことがないもので
上手く断るの言葉に悩みます
まさかましゅまろにも運命の人呼びをするとは
ましゅまろは何とも思っていないようですが、しょこらがご立腹ですね
ましゅまろ、こうした時は無関心ではなく断るべきです
……動じない様子なので此処は一つ、新技です
この時の為にしっかり人参を用意しておきました
幻影召喚、コールラビットグリフォンズ
呼び出した幻影で攪乱させながら、私も倫太郎と攻撃に向かいます
2回攻撃の手数重視
敵からの攻撃は残像による回避、困難であれば武器受けで防御
えぇと、気を付けます……?
恋は盲目、恋する乙女は美しい、兎は寂しいと死んでしまう……など言うけれど。
『きっとあなたも私の運命の人!』
恋する兎なオブリビオンの恋は、手当たり次第であった。
ぱちりと目が合えば、声を聞けば、ほら運命の人!
いや、まともに相手をしたところで、厄介で粘着質な言動をやめることがないのは分かっているけれど。
『好きです、付き合ってください! だってあなたは運命の人!』
「お前は! 俺の! 運命じゃなーい! 夜彦も! お前の! 運命じゃなーい!」
思わずマジレスのクソデカボイスでそう訴えるのは、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)。
ぶんぶんと首を振って、宇佐美・藍沙の告白を速攻で拒否。
それから、すぐ隣にいる月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)へと琥珀を向けて。
「夜彦、夜彦……あいつ、変なこと言う!」
再びそう、ふるふると首を振りながらも。
夜彦の顔を見つめ、倫太郎はこう続ける。
――あんたの運命は俺だよな? って。
そんなぷんすかしながらも、ちょっぴり涙目で訴える倫太郎にも構わずに。
『この出会いは運命だから! 恋人になってください!』
きゃっと頬を染めながらも再び告白する藍沙。
「だから! 俺達は! お前の運命じゃなーい! 夜彦の運命は俺!」
倫太郎は、言っても無駄だけど言わずにはいられない様子で言ってから。
……そうだよな? と改めて夜彦をちらりと見遣れば。
「運命ですか……困りましたね……私には倫太郎が居りますので、申し訳ありません」
真面目に誠実に、告白をお断りする夜彦。
元よりオブリビオンの言葉に頷くわけはないし。
何より、もう自分の運命の人はすぐ傍にいるのだけれど。
夜彦は困ったように、自分を見つめている倫太郎に視線を返しつつ小さくこてりと首を傾ける。
「なんと言いますか、こうしたお断りはしたことがないもので。上手く断るの言葉に悩みます」
オブリビオンに対してもそんな生真面目なところが夜彦らしいと。
そう思いながらも彼の応えに、ほっと一安心した矢先。
『そんな誠実なところもきゅん! やっぱり運命!』
「ダメ!! 夜彦は! お前の! 運命じゃ絶対なーい!!」
全く話を聞いていない兎の言葉をやはりスルーすることなんてできない倫太郎。
けれど、きゃっきゃしながらも藍沙がふと視線を移せば、またまた出逢ってしまった運命の人……?
『真っ白もふもふで素敵! 運命の人、見つけた!』
いや、兎同士では一応、あるかもしれないけれど。
次に運命の人認定されたのは、騒がしい外野など気にせずに、お鼻をひくひく。マイペースにどっしりと構える、ましゅまろであったのだ。
告白された当のましゅまろは特に何も反応を起こす気配などないけれど。
代わりに刹那、ぴょこぴょこ跳ねては足を鳴らすしょこら。
「しょこらが足をダンダンして怒ってる……」
ましゅまろへの告白に、完全におこな様子だ。
そんなしょこらの姿を横目に倫太郎はぐっと踏み込んで、振るうは握る華焔刀。
吹き飛ばしを乗せたなぎ払う衝撃を繰り出しながらも、倫太郎はびしぃ! と藍沙を示して。
「あれは還さなきゃ駄目なやつだ!」
――しょこ! 行ってこい! 思い切り暴れていいぞ!
ぷんぷんおこなしょこらを巨大化させ、不届きな恋多き兎へと差し向ける。
そしてそんなふたりの姿を見つつも、全くいつもと変わらぬ様子のましゅまろへと、こう律儀に教えてあげる夜彦。
「ましゅまろ、こうした時は無関心ではなく断るべきです」
けれどそう言って聞かせても、相変わらずお鼻を可愛くひくひくさせるだけのましゅまろ。
そんな姿を、じいと見てから。
「……動じない様子なので此処は一つ、新技です」
この時の為にしっかり用意しておきました、と。
夜彦が満を持して取り出したのは、農園で育てた甘くて美味しいニンジン。
――皆さん、力を貸してください!
そんな夜彦の声と美味しいニンジンに誘われるように、戦場を飛び交うのはラビットグリフォンの幻影たち。
『運命の人がいっぱい! みーんな恋人になってください!』
そして、節操なく幻影にさえも告白する、恋する兔の怪物へと。
意識せずともその呼吸は絶妙にぴったり。
手数重視に閃く夜彦の刃と倫太郎の揮う薙ぐ刃が、言っても聞かない敵に容赦なく見舞われて。
でっかくなったしょこらも、どーんっと怒りの突進!
けれどそれでも、全く懲りない様子で。
『きっとあなたも私の運命の人!』
伸びる数多の手で、告白の言葉と共に引っ掻いてくる宇佐美・藍沙。
だがすかさず決してそうはさせないと、敵と夜彦の間に割って入って。
吹き飛ばしと咄嗟の一撃で攻撃を相殺しながらも、倫太郎は夜彦へとこうお願いするのだった。
「夜彦は全部魅力的だから、攻撃喰らわないでネ?」
だってそんな全部が魅力的な彼の運命は自分、そして自分の運命は彼なのだから!
そうガチな表情で言う倫太郎を見つめ、きょとりと首を傾けるけれど。
夜彦は彼と共に刃を振るいつつも、こくりと頷くのだった。
――えぇと、気を付けます……? って。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フリル・インレアン
ふえ!?私のことが好きって私達は女の子同士じゃないですか。
いえ、同じ恋のユーベルコードを使う恋のライバルとして、あなたの恋の勝負を受けてたちましょう。
では、まず私からいきますね。
恋は出会いが肝心です。
恋?物語で出会いを・・・
って、なんで避けるんですか。
あなたは好きだ好きだと言っていても、相手から返事からも逃げ続けるんですね。
あなたにとって恋ってその程度なんですね。
それに好きだ好きだって簡単に告白のし過ぎです。
恋はもっと自分の気持ちとそれを打ち明けられないもどかしさがいいんですよ。
ふえ?アヒルさん、今大事な話をしているんですよ。後にしてください。
だから、どっちもずっと恋のままなんだなって・・・。
イチゴが好きな兎たちを還して、一旦は静かになったウサギ小屋であったけれど。
現れるやいなや、新たな兎から発せられたのは、こんな驚きの言葉。
『好きです! 恋人になってください!』
なんと、恋の告白……!
そんな恋に恋する兔――宇佐美・藍沙の声に、大きく見開いた瞳をぱちくりとさせて。
「ふえ!? 私のことが好きって私達は女の子同士じゃないですか」
堂々と同性なのに、会って秒で告白してきた彼女へとそう返すけれど。
でもすぐに気を取り直し、フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)はこくりとひとつ頷く。
「いえ、同じ恋のユーベルコードを使う恋のライバルとして、あなたの恋の勝負を受けてたちましょう」
そう――此処は戦場。
これから始まるのは、恋の勝負!
「では、まず私からいきますね。恋は出会いが肝心です」
ということで、まずはフリルから。
――ふええええ、止まれませーん。そこの人、どいてくださーい。
恋?物語で出会いを……なんて、運命を演出しようとするのだけれど。
『なんという、王道な恋のはじまり!』
「って、なんで避けるんですか」
恋にうっとりしながらも、何気にぴょんっと避けた兎にフリルは大きく首を傾けて。
「あなたは好きだ好きだと言っていても、相手から返事からも逃げ続けるんですね。あなたにとって恋ってその程度なんですね。それに好きだ好きだって簡単に告白のし過ぎです」
ずばり、藍沙の恋にダメ出しを!
……恋はもっと自分の気持ちとそれを打ち明けられないもどかしさがいいんですよ、って。
けれど。
『そんなダメだしするのも素敵!』
聞く耳など全くない藍沙に加えて。
つんつんと突いてくるのは、アヒルさん。
「ふえ? アヒルさん、今大事な話をしているんですよ。後にしてください」
――だから、どっちもずっと恋のままなんだなって……、って。
それに。
『ツンツンしているあなたも好き! みんな運命の人!』
今度はアヒルさんにも恋に落ちた様子の、節操のない兎。
でもきっと恋とは、楽しいけれど。
押したり引いたり、そんな駆け引きが大事な、難しいものだから。
大成功
🔵🔵🔵
ティーシャ・アノーヴン
【銀妖花】
ええッ!?
恋人ですか・・・!?
そ、それはちょっと、ええっと・・・愛とか恋とかまだ良く解らなくて・・・。
えッ、違うのですか?
ああ、なるほどなーですわね、風花さんにも同じようなアプローチを・・・。
いえ、その、真正面からそういうことを言われたのは初めてでしたのでつい・・・。
どうしましょう、好意を向けられてしまうと攻撃しにくい・・・!
あの、お友達からで・・・そういうことでもないんでしょうか?
あら、大鰐霊様、どうしました?
いつになく攻撃的なような・・・?
まるでご自分の縄張りを守るような仕草を・・・どうなさいました?
ご、ごめんなさいね。なんだか大鰐霊様が言うことを聞いてくれなくて・・・!
七霞・風花
【銀妖花】
…………恋人になるには、ええと
こういう言い方は申し訳ないのですがちょっと見た目が怖くて見つめあえないといいますか
あと出来れば背丈がつりあう方が――――なんて真面目に受け止めたら無差別にこの子
ティーシャさんも似たような状態ですし……あまり人の気持ちを弄ぶのは褒められた事ではないですね?
ほらほら、ティーシャさんも妙な情けを……
……大鰐霊様、それはもしやしますと(嫉妬?と心の中でだけそっとつぶやき)
がんばってください大鰐霊様、いつもですが今回はいつも以上に応援しますよ
程ほどに思いのたけをそのうさぎさんにぶつけてしまうといいのです
弓での援護も不要かもしれませんが……念のため構えましょうか
迷惑なほどイチゴが大好きな兎たちを全て、還すべき躯の海に送った後。
次に現れた兎が言い放った言葉に、ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)は思わず瞳をぱちくりと瞬かせてしまう。
だがそれも、無理はない。
『これはきっと運命! 好きになっちゃいました、私の恋人になってください!』
出現するやいなや、兎のオブリビオン――宇佐美・藍沙に、秒で告白されたからである。
「ええッ!? 恋人ですか……!?」
ティーシャはそう声を上げた後、こう返す。
「そ、それはちょっと、ええっと……愛とか恋とかまだ良く解らなくて……」
恋人という関係を結ぶということは、愛とか恋とか、そういう特別な感情を相手に抱くということだが。
まだそういうものにピンとこないティーシャにとっては、藍沙の突然の告白にどうしたらいいのか、戸惑ってしまうのだ。
けれど、そんな真剣に考えているティーシャを後目に。
『あっ、あなたもきっと私の運命の人! あなたも恋人になって!』
今度は、七霞・風花(小さきモノ・f13801)にも告白する兔。
「…………恋人になるには、ええと」
風花はそう口にしつつ、抱く恋心にうっとりしている彼女へとちらり目を向けてから。
少し言いにくそうに続けるのだった。
「こういう言い方は申し訳ないのですがちょっと見た目が怖くて見つめあえないといいますか」
『大丈夫! だって私達、運命の人だもん!』
「あと出来れば背丈がつりあう方が――」
けれど刹那、藍沙は視線を別の場所に向けて。
『あっ、あっちにも運命の人を発見!』
「真面目に受け止めたら無差別にこの子……」
また別の人へと、速攻で告白する始末。
そんな恋多すぎな兎の様子に、風花はひとつ溜息をついて。
「ティーシャさんも似たような状態ですし……あまり人の気持ちを弄ぶのは褒められた事ではないですね?」
「えッ、違うのですか?」
同じ様に真剣に考えていたティーシャはきょとり。
そして、節操なく誰彼構わず恋に落ちまくっては告白している藍沙の言動を見て、状況を把握する。
「ああ、なるほどなーですわね、風花さんにも同じようなアプローチを……」
いや、相手はオブリビオンであるとは分かってはいるし、恋人になって欲しいと言われても困るのだけれど。
でも、好きです、と言われれば。
「いえ、その、真正面からそういうことを言われたのは初めてでしたのでつい……」
憎悪や殺気なんかを向けられるよりは、悪い気持ちはしないのも事実で。
『好き好き! 運命の人!』
「どうしましょう、好意を向けられてしまうと攻撃しにくい……!」
思わずそう、少しだけ躊躇してしまうティーシャ。
そして、やはり恋人にはなれないけれど……こんな妥協案を口にしてみる。
「あの、お友達からで……そういうことでもないんでしょうか?」
お友達から始めましょう、というやつです。
けれど相手がただの兎であれば、それでもいいかもしれないが。
宇佐美・藍沙は、放っておいたら人々の脅威になるオブリビオンである。
「ほらほら、ティーシャさんも妙な情けを……」
そして風花がそう、もう一度首を傾けるティーシャへと言った……その時であった。
ティーシャはふと、あることに気付く。
「あら、大鰐霊様、どうしました? いつになく攻撃的なような……?」
……まるでご自分の縄張りを守るような仕草を……どうなさいました? と。
何だか目の前の兎に対して、いつも以上に敵対心を燃やしている大鰐霊の様子に、不思議そうに声を掛ける。
そんな姿を見て、察する風花。
「……大鰐霊様、それはもしやしますと」
それ以上は、敢えて口にしないけれど……心の中でだけ、そっと呟きを。
――嫉妬? と。
でも当のティーシャは、どうして大鰐霊が敵に対してそんなにぷんすか攻撃的なのか、分からなくて。
「ご、ごめんなさいね。なんだか大鰐霊様が言うことを聞いてくれなくて……!」
そう、おたおたしてしまうのだけれど。
『みーんな、私の運命の人!』
「がんばってください大鰐霊様、いつもですが今回はいつも以上に応援しますよ」
……程ほどに思いのたけをそのうさぎさんにぶつけてしまうといいのです、と。
風花は人の気持ちを弄ぶ兎にお灸を据えるべく、大鰐霊へと言ってから。
(「弓での援護も不要かもしれませんが……念のため構えましょうか」)
ティーシャにハグせんとする兔へと威嚇する様に大牙を剥いて、強靭な尻尾をぶんぶんする大鰐霊を支援するべく。
弓をぐっと番え、恋多き兎を狩るべく狙いを定めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
三岐・未夜
【たかみゃ】
無理!
無理無理絶対無理……っ!
告白を秒でお断りする黒狐
そもそも高校時代の引き籠もりの原因が、学年で人気者だった女子のボス格からの告白を袖にしたことにある黒狐としては、女の子からの告白なんてめちゃくちゃトラウマ案件である
耳がぺたんと寝た
何ならしっぽが丸まった
たからぁ……ありがと……
めちゃくちゃ安心した、ほんと安心した
いやでも待ってターゲットがたからに、って……あー……(保留待機中って名目の人狼を思い出して、だよねぇ、って顔
……えっと、とりあえずこのまんまだと某人狼が乗り込んで来そうだし、うん、やっちゃお……
【属性攻撃、誘導弾、弾幕、全力魔法、多重詠唱】で火矢を叩き込もうねそうしよう
鎹・たから
【たかみゃ】
兎のあなた、未夜が困っているでしょう
彼のことがすきなら、彼の言葉もきちんときいて…だから困っているでしょう!(平手打ちパーン
【グラップル、衝撃波
避けましたか…えったったからですか?
いえあの、たからは今保留中のお返事があって…その…ご、ごめんなさい
まだそのお返事も出来ていないのに、あなたの告白をお受けするのも…
それに、たからとあなたはたった今知り合ったばかりですし…
まだよく知らない相手とは…だからあの、話を聞いてくだ…う、うう…(頬染めしどろもどろ
【青春、陽動、誘惑
いつの間にか気を惹くことができたようです
動きが止まった隙を狙ってもう一度殴ります【二回攻撃、暗殺
ごめんなさいぱんち!
イチゴ強火担な兎たちを骸の海へと無事追い返したまでは、よかったのだけれど。
『好きです、恋人になってください!』
「無理! 無理無理絶対無理……っ!」
現れていきなり秒で告白した宇佐美・藍沙へと、同じく秒でお断りする黒狐。
そんな黒狐さんこと三岐・未夜(迷い仔・f00134)にとっては、女の子からの告白は実は、めちゃくちゃトラウマ案件なのであった。
学年で人気者だった女子のボス格からの告白を袖にしたことが、そもそも高校時代の引き籠もりの原因であったのだから。
けれど、相手は恋に恋する兔。
『そんな、全力で拒否する照れ屋さんなところも素敵!』
聞く耳など持たずに、尚もぐいぐいと迫ってくる。
そしてある意味肉食すぎる兎の言動に恐怖を覚え、思わずお耳がぺたん。
「絶対無理、無理無理無理!」
自慢のもふもふ尻尾も、くるんと丸まってしまう始末。
そんな全力で拒否っている未夜にも構わず、恋人になってと強引に彼にハグしようとする藍沙へと。
「兎のあなた、未夜が困っているでしょう」
ぴしゃりと言い放つのは、鎹・たから(雪氣硝・f01148)。
人の嫌がることはしてはいけません、ええ。
けれど、言葉で言っても分からないのならば。
「彼のことがすきなら、彼の言葉もきちんときいて……」
『ぷるぷるしている姿も素敵! やっぱり運命の人!』
「……だから困っているでしょう!」
たからのグラップルを駆使した衝撃波伴う平手打ちが、わからずやの兎へとパーン!
けれど、ぴょんっと跳んだ恋に狂う兎に、その一撃は躱されたものの。
「避けましたか……」
「たからぁ……ありがと……」
告白だけでもトラウマなのに、ハグなんてされたらたまらないから。
……めちゃくちゃ安心した、ほんと安心した、と。
とりあえず離れた藍沙に、心から安堵する未夜。
けれど、宇佐美・藍沙の視線がふと、未夜からたからへと移れば。
『また見つけた! 私の運命の人!』
「……えったったからですか?」
『そう! あなたも私の恋人になって!』
たからにも、速攻で告白する兔。
そして、一旦は自分から兎が離れてほっとした未夜だけれど。
「いやでも待ってターゲットがたからに」
自分から彼女へと狙いが移ったことに気付いて、前髪で隠れている瞳を思わず見開くも。
「いえあの、たからは今保留中のお返事があって……その……ご、ごめんなさい」
――まだそのお返事も出来ていないのに、あなたの告白をお受けするのも……。
そう真面目に真摯にぺこりと頭を下げ、兎へと告げたたからの返事を聞いて。
「って……あー……」
だよねぇ、って顔をする未夜。保留待機中という名目の人狼のことを思い出しながら。
でもそれでも、相手は恋に狂った兎のオブリビオン。
『そんな誠実なところも素敵! 恋人にして!』
「……えっと、とりあえずこのまんまだと某人狼が乗り込んで来そうだし」
いくら言っても、引く気配もないし。
たからにこの調子で兎がぐいぐい迫れば、本当に某人狼がやって来かねないから。
――うん、やっちゃお……。
「火矢を叩き込もうねそうしよう」
さっさとトラウマは燃やして、なかったことにするに限ります。
ということで、多重詠唱した全力魔法をもって炎属性の誘導弾で弾幕を張るべく、兎へと未夜が狙いを定めれば。
『円らな瞳の美少女……どうしよう、好きになっちゃいました!』
「いつの間にか気を惹くことができたようです」
自分を見つめ動きが止まった敵の隙を狙って……もう一度、パーン!
『好きです、好き好き好……っ、!?』
未夜の炎が射放たれる中、今度は氷を纏い冷凍化されたグーの連打で。
たからは兎へと――ごめんなさいぱんち!
先程の告白のお返事を改めて、彼と一緒に、物理で返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
千家・菊里
【白】
いやぁ、伊織にも漸く春到来とは良かったですねぇ
おや、絶好の機会に何を後込みしているんです?
ははは、浮気性同士お似合いじゃないですか
それに兎は草食ですよ?寂しいと死んじゃうなんていじらしい生物なんですよ?
ほら、今こそ男を見せる時ですよ
そうですねぇ、顔だけは良いから狙われるんじゃないですかね?
(見切りや盾こと伊織を駆使し、さらりするりとハグ避けつつ)
やれやれ、それだからヘタレと言われるのですよ
仕方ないですねぇ――生憎恋の炎に身を焦がすという感覚は存じませんが、ふふ、狐の炎で燃え上がって頂く事にかけては十八番ですよ(UC)
誰彼構わぬ火遊びは程々に――ほら、悪い狐に狩られてしまいますよ、兎さん?
呉羽・伊織
【白】
いや敵にモテても困るってか俺にも選ぶ権利はあっても良いよネ??
浮気性な上に何だかヤンデレみのある雰囲気しか感じないんだケド!
あと俺、容赦ない肉食系は天敵(色々トラウマ)なの!
寂死ぬ気持ちはちょっぴり分からなくもない(?)ケド――じゃなくて、こんな運命は結構デス~!
てか何でやたら俺狙われんの…?ってお前の仕業(盾扱い)じゃんか!
ゴメンネ、俺追われると逃げちゃうタイプなんだ(まがお&必死で残像目眩まし)
誰がヘタレだ!さっきからヒトを弄びまくってる(敵を翻弄序でに俺まで盾代わりにしてる)ヤツもどうかと思うんだケドー!?
(UCで切り返しやんわり拒否しつつ)
嗚呼…大火傷に注意しなヨ、兎チャン
この言葉を聞くまでに、一体どれだけ長い冬の時代を今まで耐えてきただろうか。
『好きです、恋人になってください!』
「いやぁ、伊織にも漸く春到来とは良かったですねぇ」
そう、雪解けの瞬間を祝う千家・菊里(隠逸花・f02716)であったが。
当の呉羽・伊織(翳・f03578)は、ビンビン感じる熱い視線からそっと目を逸らしつつも紡ぐ。
「いや敵にモテても困るってか俺にも選ぶ権利はあっても良いよネ??」
そんな伊織の様子に、こてりと大きく首を傾けてみせる菊里。
「おや、絶好の機会に何を後込みしているんです?」
『好き好き好き、好きになりました! あなたも運命の人!』
「浮気性な上に何だかヤンデレみのある雰囲気しか感じないんだケド! あと俺、容赦ない肉食系は天敵なの!」
色々とトラウマを彷彿させる宇佐美・藍沙の肉食さ加減に、ぶんぶんと首を振って拒否る伊織だけれど。
菊里は、どんな乙女であろうとまぁ、とにかくようやくやって来た彼の春に笑んで。
「ははは、浮気性同士お似合いじゃないですか。それに兎は草食ですよ? 寂しいと死んじゃうなんていじらしい生物なんですよ?」
……ほら、今こそ男を見せる時ですよ。
そう背中を押してあげる。
そんな菊里の声に、藍沙もうんうんと大きく頷いて。
『そうよ、兎は寂しくて死んじゃうの! だから、恋人になって!』
「寂死ぬ気持ちはちょっぴり分からなくもないケド――じゃなくて、こんな運命は結構デス~!」
『好き好き好き! 寂しがりやなあなたも好き!』
「てか何でやたら俺狙われんの……?」
何だか自分ばかりロックオンしている兎の言動に、再び伊織は遠い目をするけれど。
「そうですねぇ、顔だけは良いから狙われるんじゃないですかね?」
「ってお前の仕業じゃんか!」
しれっと見切りや盾こと自分を駆使して、さらりするりと。
兎のハグを避けている狐へと、ツッコまずにいられないし。
『顔がこんなにいいのに残念なんて、素敵!』
「……ゴメンネ、俺追われると逃げちゃうタイプなんだ」
おぞましく蠢く手で引っ掻かれたり、いくら恋する乙女に告白されたとはいえ、肉食すぎるヤンデレ気味な運命の人になるのも御免だから。
まがおで必死に残像を駆使し、目眩ましで熱い恋の視線から逃れんとする伊織。
そんな様子に、大きく嘆息して。
「やれやれ、それだからヘタレと言われるのですよ」
さっと引き続き伊織という名の盾に身を隠しながら、菊里が言えば。
「誰がヘタレだ! さっきからヒトを弄びまくってるヤツもどうかと思うんだケドー!?」
敵を翻弄ついでに自分まで盾代わりにしている狐にそう訴えながらも。
展開した陣風で色々と10倍にして、伸びる兎の手を切り返しつつ、やんわり先程の告白を拒否する伊織。
そんな彼に、再びこてりと首を傾けてみせてから。
「仕方ないですねぇ――生憎恋の炎に身を焦がすという感覚は存じませんが、ふふ、狐の炎で燃え上がって頂く事にかけては十八番ですよ」
……誰彼構わぬ火遊びは程々に――ほら、悪い狐に狩られてしまいますよ、兎さん? って。
その掌に滾らせた狐炎を、火遊び大好きな兎さんへとプレゼントする菊里。勿論、伊織の背に隠れながら。
そして見舞われた激しい炎に、宇佐美・藍沙は堪らず大きく瞳を見開いて。
『熱……っ! これってもしかして、燃え上がる恋心……!?』
狐火と恋に焦がされながらも、伊織をちらり。
そんな色々な意味で熱い眼差しから、そっと目を逸らしつつも。
――嗚呼……大火傷に注意しなヨ、兎チャン。
見目はやたら整っているその顔に引き攣った笑みを宿し、ある意味殺し文句を口にする伊織であった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
堂山・春美
あらまあ情熱的なアプローチ。ですが、想うのは貴方の勝手でもそれを受け取るかどうかは相手次第。それを強要するのは褒められたことではありませんね。貴方の恋はただの暴力。そんなものひとかけらも推せませんわ。まっっったく好みではありません。
それに……わたくしには夫がいますもの。ねえ、聖司さん?(フランケンに寄り添っていちゃいちゃ)
そういうわけで、わたくしたちの愛に潰れてしまいなさい。
大柄な男性の姿をしたフランケンは鉄塊剣を力任せに振り回します。わたくしは幼い頃よりずっと忘れられなかった想いを胸に彼を支援します。
恋というものに関してはむしろ、様々な形の愛に萌える花嫁にとっては好ましい感情で。
『素敵! だからきっとあなたも私の運命の人!』
「あらまあ情熱的なアプローチ」
堂山・春美(セピア色の花嫁・f35355)は、出逢って即告げられた宇佐美・藍沙の告白にも動じることなく赤の瞳を細めるけれど。
『私の恋人になって! だってこんなに好きになっちゃったんだもん!』
「ですが、想うのは貴方の勝手でもそれを受け取るかどうかは相手次第。それを強要するのは褒められたことではありませんね」
そう小さく首を傾けてから、はっきりと言い放つ。
「貴方の恋はただの暴力。そんなものひとかけらも推せませんわ」
――まっっったく好みではありません、と。
何せ同人作家である春美が嗜むのは純愛少女漫画な作風で。何より、男女カプ萌なのである。
いや、友愛、家族愛、動物愛も萌の対象で、一番はやはり純愛であるけれど。
そのどれにも全く当てはまらず、むしろヤンデレ染みている兎の恋心なんて、これっぽっちも刺さらないし。
「それに……わたくしには夫がいますもの。ねえ、聖司さん?」
春美はそう、すぐ傍に在る大柄な男性の姿をしたフランケンに寄り添って、いちゃいちゃ。
けれどそんな様子にもめげず、ぴょこんっと戦場を跳びながら。
『私もラブラブしたい! だって運命の人だもの!』
相変わらず聞く耳も持たず、強引に運命の恋を押し付けてくる宇佐美・藍沙。
けれど、春美の運命の相手は全く揺るぎがないから。
……そういうわけで、わたくしたちの愛に潰れてしまいなさい。
夫を想う愛の強さを、改めて兎に見せつける。
現世より愛を込めて――幼い頃よりずっと忘れられなかった想いを胸に。
鉄塊剣を力任せにぶん回す彼を、想うその愛の強さで確りと支援しながら。
大成功
🔵🔵🔵
ミリアリア・アーデルハイム
アドリブ・連携◎
ぃえええ!?困りましたね。
いちごが好きの次は・・・「好き」ですか。
万里鏡で結界、拒絶のオーラ防御
先制で箒に乗り高高度へ逃亡
(遠くから)
兎に角落ち着きましょうっ、そんなにぴょんぴょんしていては纏まるものも纏まりませんし、私が言うのも何ですが、一目惚れにしても度が過ぎています!
あ、私は束縛強そうな方はご遠慮させていただいてます。悪しからず。
もう既に悪寒が・・・(微振動)
ホント無理なので、絶対それ以上近づかないで・・・ぎゃっ!?
(ジャンプの構え!?)
「生命に仇なす者よ 汝りゃここ・・・!?」(噛んだっ!?)
UC(全力魔法、2回攻撃、祈り)
神様仏様永劫炉様、どうかあの兎を止めてくだっ
ウサギ小屋の周囲に次に現れたのも、やはり兎ではあるのだけれど。
『好きです! 恋人になってください!』
出現すると同時に向けられた、そんないきなりの告白に。
「ぃえええ!? 困りましたね。いちごが好きの次は・…・・「好き」ですか」
ミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)は思わず声を上げてしまう。
先程は、人々の脅威になるほどイチゴが好きな兎。
そして今度は……目と目が合っただけで、声を聴いただけで、誰彼構わず恋に落ちてしまうという兎――宇佐美・藍沙という名のオブリビオンである。
いや、ただの恋する兔であればまだしも。
ミリアリアは無数の氷の欠片煌めく屏氷万里鏡ですかさず結界を張り、拒絶するように守りの気を纏って。
告白してきた兎よりも先に動きをみせ、箒に乗ってぴゅーっと高高度へと逃亡をはかる。
けれど相手は普通の兎では勿論なく、恋に狂っているオブリビオンだ。
『あっ、そんな逃げる姿も素敵! 好き!』
そう興奮した様子で飛び跳ねる敵の姿に、ミリアリアはこう声を投げる。
「兎に角落ち着きましょうっ、そんなにぴょんぴょんしていては纏まるものも纏まりませんし、私が言うのも何ですが、一目惚れにしても度が過ぎています!」
高い高い、遠くから。
いや、ミリアリアにとっては、嫌悪の対象以外のなにものでもないから。
「あ、私は束縛強そうな方はご遠慮させていただいてます。悪しからず」
――もう既に悪寒が……。
そうぷるぷる微振動してしまうほど、その生い立ちや過去から、束縛されることが無理なのである。
とはいえ、逃げられると追いかけたくなって燃え上がるのが、恋……??
『素直じゃないところも好き! 恋人になってくれるまで離れない!』
「ホント無理なので、絶対それ以上近づかないで……ぎゃっ!?」
刹那、ジャンプの構え!?
めげるどころか、全く話を聞いていない兎なのにある意味肉食すぎる藍沙の怖いくらいの衝動に、思わず声を上げるミリアリア。
そしてぴょこぴょこ跳ねるその動きをまずは止めんと。
発動させるのは、永劫炉の戒……なのだけれど。
「生命に仇なす者よ 汝りゃここ……!?」
……噛んじゃいました!?
けれど必死に祈り、全力の魔法の連撃を繰り出して兎の束縛から逃れんと。
『噛むなんて素敵! 好き好き!』
「神様仏様永劫炉様、どうかあの兎を止めてくだっ」
涙目で、ケージから炎の鎖を解き放ちつつ。
ふるふると震えながら首を振って、迫る恋狂いな兎をとにかく一切拒絶するミリアリアであった。
大成功
🔵🔵🔵
杜束・沙耶
「そうね、こういう出会いはなんて言うのかしら。
これも運命かしらね…?」
貴女にとって、私のようなモノとの出会いが幸運とは言えないのでしょうけど…
ええそう。離れず絡みつくのは私の方が得意なんだもの。
ハグにはハグで返してあげましょう。
ただ、私のは鎖と枷でデコレートされてるけど。
「私も抱きついて身体を絡めるのは得意なの。
…それが私という存在だったから。」
罪無き咎人の軛として。
貴女が本当の罪に染まる前に。
「ごめんね、それじゃちょっとぎゅーーっとさせてね?」
鋳薔薇の鎖獄。抱き絞め連れゆくは絶望の檻。
せめて抱擁の幸福の中、私の腕の中で還りなさい。
運命の出会い……確かにそうかもしれない、なんて。
『好きになっちゃいました! あなたも私の運命の人!』
ウサギ小屋の周りに現れるやいなや、すぐに言い放ったオブリビオン――宇佐美・藍沙と名乗る兎を見遣って。
杜束・沙耶(かつての軛、現の鍵・f06001)はこくりと頷きつつも紡ぐ。
「そうね、こういう出会いはなんて言うのかしら。これも運命かしらね……?」
『そう! 運命なの!』
けれど、運命は運命でも……それは決して、ロマンチックなものばかりとは限らないから。
沙耶はぴょこりと跳び回る兎に、こうも続ける。
「貴女にとって、私のようなモノとの出会いが幸運とは言えないのでしょうけど……」
だがそんな言葉にも、全く構わずに。
『恋人になってくれなきゃ離れない!』
ぎゅうっと恋心を抱いた沙耶へと、全身全霊全腕でハグをせんと迫るけれど。
そのハグを沙耶は避ける気はない。だって、分かっているから。
「ええそう。離れず絡みつくのは私の方が得意なんだもの」
……ハグにはハグで返してあげましょう、って。
『ハグしてくれるんだ! さすが運命の人……、っ!?』
「ただ、私のは鎖と枷でデコレートされてるけど」
刹那、戦場へと解き放たれるのは、敵を捕らえんと暴れ狂う薔薇の鎖。
「私も抱きついて身体を絡めるのは得意なの。……それが私という存在だったから」
奴隷の軛たる一式こそが己であると、いつだったか、気付いたから。
罪無き咎人の軛として。貴女が本当の罪に染まる前に――。
「ごめんね、それじゃちょっとぎゅーーっとさせてね?」
『やったぁ! やっぱり私たちは運命……う、ぐっ!』
熱烈なほどに、沙耶はぎゅっとしてあげる。成した鋳薔薇の鎖獄をもって。
そして導くその先、抱き絞め連れゆくは絶望の檻。
沙耶は恋に狂う兎を容赦なく絞め上げながらも、その耳元でそっと紡ぐ。
……せめて抱擁の幸福の中、私の腕の中で還りなさい、と。
大成功
🔵🔵🔵
アルフィード・クローフィ
環ちゃん(f28317)と
わぁ!またうさぎちゃんだよ!
可愛らしいうさぎちゃんだー
運命の人?
環ちゃん俺運命の人だって!!
俺モテるかな?
白くてふわふわ!俺うさぎちゃん?
あれ?環ちゃんも運命の人なの?
流石、環ちゃんの魅力でメロメロだね!
好きは嬉しいなありがとう!!俺も好きーー!
環ちゃんも大好きー!!!
好ましい?やったー!
でもごめんね?
多分俺は運命の人じゃない
運命の人ってそうそう見つからないよ
んー、見つかるかなぁ?
でも居なくても平気今が楽しいから!
それに環ちゃんや他の人に迷惑かけちゃメッだよ?
環ちゃんの手裏剣かっこ良い!
俺もその懐に入りたい!!
死神の導き
地獄にご案内!!そこでラブラブしちゃいなさい!
あっ、死神さんは好きになっちゃダメだよー!!
ふふっ、でもこうやって環ちゃんと一緒に遊べてるって
ある意味運命だねー!!!
うんうん、運命の縁は誰にも負けないぞ
雨絡・環
アルフィードさん(f00525)と
ま。運命の人だそうですよ?
情熱的でかわいらしいこと
流石アルフィードさんはおモテになりますわねえ
おモテになると思いますわ?
だって白くてフワフワなんですもの(断言)
あらあら、わたくしも?
有難う存じます
わたくしもアルフィードさんま好ましゅう思います
はい、だぁいすきです
うさぎさんや
生憎とわたくしには他に運命のお方は居りますので
誓ってあなた様ではありませぬ
ええ、そうね
そう見つかっては運命も軽くなるというもの
アルフィードさんの運命の方は何方におられるでしょうねえ
……あら、あら、まあ
わたくしの想いよりも
あなた様の方が真であると?
ほ、ほ、これは可笑しや
本当にわたくしの事を好いて下さるならば
印をつけて差し上げましょう
懐より出した手裏剣を、たぁくさん
赤い印がついたなら【連鎖する呪い】
恐れ入ります
アルフィードさんもをんなの懐にはご注意あそばせ?なぁんて
まあ大胆な方
死神さん方がこんなに
これなら堕ちても寂しくございませんねえ
まあ。そうねえ
確かに……このご縁も運命的といえますかも?
告白しては攻撃され、玉砕しても気にしない。
随分と足元をフラつかせながらも、それでも宇佐美・藍沙の恋はやはりノンストップ。
『はうっ、みんな攻撃してくるなんて、そんなカゲキなところも好き……!』
「わぁ! またうさぎちゃんだよ!」
可愛らしいうさぎちゃんだー、とキャッキャはしゃぐのは、アルフィード・クローフィ(仮面神父・f00525)。
過激なほどイチゴ好きな兎さんたちをイチゴ兎鍋にしたのかはともかく、全員料理し終わった後。
次に現れたのは、またまた兎。
けれど普通の兎でもなく、先程のようなイチゴが好きな兎でもなく……今度は、恋に恋する兔さん。
ぱちりと目と目が合えば、声をひとことでも聞けば。
『見つけた! あなたも私の運命の人!』
老若男女関係なく、秒で恋に落ちるのだという。
そんな藍沙の言葉に、一瞬きょとんとするアルフィードであるが。
「運命の人?」
「ま。運命の人だそうですよ?」
微笑まし気に笑んで言った雨絡・環(からからからり・f28317)へと視線を向けて。
「環ちゃん俺運命の人だって!!」
「情熱的でかわいらしいこと。流石アルフィードさんはおモテになりますわねえ」
「俺モテるかな?」
こてりとアルフィードが首を傾ければ、こくこくと彼へと頷いて返して。
「おモテになると思いますわ? だって白くてフワフワなんですもの」
そうきぱっと断言する環。
本人は、黒くてごついと言われると、先程言っていたけれど。
やはり改めてまじまじと見つめてみても。
すぐ傍に在る彼の見目は、どこからどう見ても白くてふわふわ。
「白くてふわふわ! 俺うさぎちゃん?」
そして断言した環の言葉に首を傾けたまま、アルフィードが言えば。
『うさぎでお揃い! 運命ね!』
またまた強引に運命の人認定をする藍沙であるけれど。
今度はふと、環へと視線を遣れば。
『あなたも素敵! もしかしてこの出会い……運命の人!』
環にも一目惚れして、すぐに恋に落ちる兎。
「あらあら、わたくしも? 有難う存じます」
「あれ? 環ちゃんも運命の人なの? 流石、環ちゃんの魅力でメロメロだね!」
恋が多すぎる兎の言動に、環もアルフィードも一瞬瞳を瞬かせるけれど。
『みんな好き! みーんな私の運命の人よ!』
そうきゃぴきゃぴはしゃぐ藍沙と一緒に、にこにこ。
ちょっぴり過激であっても、好意を向けられること自体は、純粋に嬉しいことだから。
「好きは嬉しいなありがとう!! 俺も好きーー! 環ちゃんも大好きー!!!」
「わたくしもアルフィードさんを好ましゅう思います」
「好ましい? やったー!」
「はい、だぁいすきです」
ほのぼのきゃっきゃ、楽し気に笑み合うけれど。
でも……好きと運命は、決して同じではないから。
『みんな、運命の人!』
そう言い放つ藍沙へと目を向け、環はこう告げる。
「うさぎさんや。生憎とわたくしには他に運命のお方は居りますので、誓ってあなた様ではありませぬ」
そしてアルフィードも、彼女に続いて恋する兔へと教えてあげる。
「でもごめんね? 多分俺は運命の人じゃない」
……運命の人ってそうそう見つからないよ、って。
そんな言の葉に、こくりと頷いてから。
「ええ、そうね。そう見つかっては運命も軽くなるというもの」
やはり白くてふわふわにしか環には見えない彼へと移した瞳を、そっと細める。
……アルフィードさんの運命の方は何方におられるでしょうねえ、なんて。
「んー、見つかるかなぁ? でも居なくても平気今が楽しいから!」
今は運命の人に心当たりはなく、これからも出会えるかは分からないけれど。
アルフィードにとっては、いなくても平気なくらい今は楽しいし。
『運命の人がいる? 私じゃなくて?? そんなわけないわ! あなたは私の運命の人!』
「それに環ちゃんや他の人に迷惑かけちゃメッだよ?」
ぶんぶんと首を振って駄々をこねる様な兎に、そう言って聞かせれば。
「……あら、あら、まあ。わたくしの想いよりも、あなた様の方が真であると?」
楚々と掌を口元に当て、環は思わず笑み漏らす。
……ほ、ほ、これは可笑しや、と。
そして、変わらず微笑まし気な笑みこそ絶やさぬけれど。
『恋人になってくれなきゃ離れない!』
「本当にわたくしの事を好いて下さるならば、印をつけて差し上げましょう」
全身全霊全腕でハグしてこようとする兎へと刻んであげる。
懐より出した手裏剣を、たぁくさん――情熱的な彼女にお似合いの、赤い印を。
さらに癒えぬ傷跡と共に与えてあげるのは、『連鎖する呪い』。
その呪いが発動し、石に躓いてこけたり、強風でゆるキャラ兎のオブジェが倒れてきたりと、次々に不慮の事故に見舞われる藍沙であるが。
『うぐ、恋にハプニングはつきもの……! 痛いほど刺激的な恋も素敵……!』
よろりと上体を揺らしながらも尚、きゅんとしている。
そして恋する兔は勿論のこと、アルフィードも環の姿に惚れ惚れと。
「環ちゃんの手裏剣かっこ良い!」
「恐れ入ります。アルフィードさんもをんなの懐にはご注意あそばせ? なぁんて」
「俺もその懐に入りたい!!」
そうすかさず声を上げれば、返ってくるのは環の愉快気な微笑み。
……まあ大胆な方、って。
そんな彼女に笑み返してから、今度はアルフィードが恋する兔を導いてあげる。
「地獄にご案内!! そこでラブラブしちゃいなさい!」
『なんで運命の人ってみんなわかってくれないの……っ』
めげないながらもなかなか数撃っても実らぬ恋に哀しむ彼女へと、喚んだ地獄からの使者たちを差し向けて。
そして、そんな様子を見遣りながら。
「死神さん方がこんなに。これなら堕ちても寂しくございませんねえ」
そう瞳を細め言った環の言葉に、ハッと瞳を見開く藍沙。
『死神さんたち、もしかして私のために……?』
地獄にだけでなく、きゅんとまた恋にも落ちかける……けれど。
「あっ、死神さんは好きになっちゃダメだよー!!」
『え、ダメなの!? でも好きになっちゃいましたっ、恋人になって……、っ!!』
死神さんの告白の返事は、死の宣告。
恋に恋しまくる兎を、容赦なく在るべき場所へと還したのだった。
そんな彼女が頻繁に口にしていた『運命の人』。
運命というものは、そう簡単に感じるものではないのかもしれないけれど。
アルフィードはオブリビオンの脅威が去った秋空の下、環へと無邪気な笑顔を向けて。
「ふふっ、でもこうやって環ちゃんと一緒に遊べてるって、ある意味運命だねー!!!」
「まあ。そうねえ、確かに……このご縁も運命的といえますかも?」
小さく首を傾けつつも返す彼女の言葉に、こくこくと大きく頷く。
……うんうん、運命の縁は誰にも負けないぞ、って。
だって、秋色に染まった動物園を一緒に巡った時間は、とても楽しかったから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵