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お前もメイドにならないか?

#グリードオーシャン #猟書家の侵攻 #猟書家 #メリー・バーミリオン #冒険商人 #宝島 #トンチキシナリオ

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●予知:キミのメイドがズバンズバン!
 羅針盤戦争にも参加していた猟書家、数多の海を駆け抜けた女海賊、メリー・バーミリオン。
 レディ・オーシャンの目論む『グリモアベース侵略』を実現すべく、彼女は各地の伝説の宝島を巡り、財宝を根こそぎ持ち去ろうとしていた。
 此度、メリーが現れた島にも、財宝があると言われている。

「ここに、究極の冥途の遺宝があるって聞いてきたんだけど……」

 配下と共に上陸を果たしたメリーの目の前に飛び込んできたのは、老若男女、種族どころか有機物無機物も問わない、『メイド』の数々だった。

「「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」」
「なんだいこりゃあ!?」
「ようこそ、ここはメイドアイランドです」
「メイドアイランド!? どういう島だい?」
「ようこそ、ここはメイドアイランドです」
「だからメイドアイランドって何なんだよ!?」
「ようこそ、ここはメイドアイランドです」
「があああああ!!」

 かつて存在してきた世界から落ちてきた娯楽施設を中心としたメイドアイランドは、本来々の意図に応じた特殊な生態系を構築していた。
 すなわち、メイドである。
 案内用の機械人形やアトラクションも当然メイド、住みついた住人たちも、動植物も、みんなメイドである。

「アルティメットメイド服が欲しければ、このスタンプラリーをクリアするのじゃ」
「財宝があるんなら寄越しな! さもないとぶっ殺すよジジイ!」
「アルティメットメイド服が欲しければ、このスタンプラリーをクリアするのじゃ」
「むきゃあああああ!!」
「アルティメットメイド服が欲しけ」

 パニックに陥り説明用の人形を蹴り倒すメリーの目をすり抜けて、一人の冒険商人がいそいそとスタンプを押して先へ進んでいく。
 彼女こそ、『究極のメイドの衣服』を求めてやってきた命知らずのメイド好き。
 『メイ・ドゥーティ』である。

「緋色のメリー、あなたにアルティメットメイド服は独占させないわ……!
 アルティメットメイド服を手に入れるのは、あなたではない!
 このメイ・ドゥーティよ……!」

 今ここに。究極のメイド服を手に入れるための戦いが始まろうとしていた。

●招集:メイド服、ゲットだぜ!
「『アルティメットメイド服』が欲しいか? 欲しければくれてやる!」

 海賊風のコスプレに身を包んだバルタン・ノーヴェが、妙な叫び声をあげて猟兵たちを呼び集めていた。
 用意されたプロジェクターによって、今回の任務地の映像が映し出されている。

 筋骨隆々の海の男。家を守る主婦。遊び回る子どもたち。
 その全てがメイド服を着用している島だ。

「今回の舞台は、グリードオーシャンのメイドアイランド。
 かつてどこぞの世界から落ちて来たテーマパークかアミューズメント施設か、それが根幹となって存在する不思議な島であります」

 不思議である。

「この島の特徴は、何といってもメイドでありますな。
 衣料品はすべてメイド服。名物料理はメイド喫茶のメニューばかり。
 自生する植物もメイド服を模しており、闊歩する野生動物もメイド服を着ておりマース!」

 不思議である。

「そんなメイドアイランドには、『アルティメットメイド服』というおたからがありマース!
 着心地よし、機能性よし! 防刃防弾性能は当然の上、各種属性魔法に対する抵抗力向上、汚れを自動で落とすクリーニング効果付きであります!
 それを、猟書家となったメリー・バーミリオンが狙っていマース!」

 ……バルタンの姿は、メリー・バーミリオンのコスプレだったはずである。
 すなわちこのままではメリー・バーミリオンがバルタンのコスプレをすることになるのだ。
 そう、メイドが海賊になるのではなく、海賊がメイドになるのだ。

 不思議である。

「現地住民の方々は手早く避難されているようで、残っているのは『アルティメットメイド服』の生産施設に通じるルートを教えてくれるロボットのみであります。
 なので人的被害は気にしなくて大丈夫デース!」

 『アルティメットメイド服』を得るためには、施設の用意したアトラクション、もといメイドとしてのご奉仕をクリアしてスタンプを集める必要があるとのことだ。
 手分けして集めれば、メリー・バーミリオンより先に最深部に辿り着くことができるだろう。

「そして、時同じくして『アルティメットメイド服』……長いデスネ! 略しマース!
 『究極服』を探し求めている冒険商人のメイ・ドゥーティ殿が現地入りしていマース!
 メイドに詳しくない方も、彼女の助力を借りてメイドとして頑張ってくだサーイ!」

 そう。すなわち、メイドアイランドにて、メイドになり、ご奉仕をしてスタンプを集め、『究極服』を手にして、やってくるメリー・バーミリオンを撃退することが今回のミッションである。
 そろそろツッコミ入れてもよろしいですよ?

「ちなみに、アルティメットメイド服は大量生産されているので、希望する方はお持ち帰りできマスヨー」

 島の財宝はまさかの特産品、お土産感覚であった。
 元気よくファルシオンをかざしつつ、バルタンがグリモアを起動してテレポートのためのゲートを開く。
 猟兵たちは、メイドとして挑むのであった。


リバーソン
 こんにちは。リバーソンです。
 マスターとして皆様に喜んでいただけるよう、つとめさせていただきます。

 今回の舞台はグリードオーシャン、メイドアイランドです。ご注意ください、トンチキシナリオです。
 メリー・バーミリオンに宝物である『アルティメットメイド服』を奪われないよう撃退することが目的です。
 希望される方は『アルティメットメイド服』をお持ち帰りいただいて構いません。
 また、現地でメイドの住民にオーダーメイドをお願いすることでカスタマイズすることも可能です。

 第一章:メイドとしてご奉仕することでスタンプを得ることで先に進むことができます。
  服装や技能、能力値はあまり深く考えず、メイドらしさをアピールしてください。もちろん年齢種族性別にて差異はありません。

 第二章:島の最深部に現れるメリー・バーミリオンとの戦闘です。
  メリーは『アルティメットメイド服』を独占しようとしているため、交渉は不可能です。
  倒してください。

 プレイングボーナスは、両章通じて『冒険商人と協力する』です。

 登場人物:メイ・ドゥーティ。16歳のセイレーンの女性です。
  先祖代々トレジャーハンターしてきた冒険商人です。
  戦闘能力はありませんが、メイド知識や教養に精通しています。
  一着入手できれば良いので独占しようとするメリーとは反目していますが、猟兵たちには喜んで協力してくれます。

 オープニング公開後、断章を公開します。
 プレイングの受付期間はタグにてお知らせいたします。
 皆様、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『対決メイド島』

POW   :    肉体労働で住民にご奉仕

SPD   :    技を生かしご奉仕

WIZ   :    頭を使ってご奉仕

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章:ウェルカム、ようこそメイドパーク!

 軽快なバックミュージックと共に、猟兵たちはメイドアイランドに到着する。
 まだメリー・バーミリオンは上陸していないようで、ちらほらと島民たちが避難行動をとっているのが目に映る。

 グリモア猟兵から伝達されていた冒険商人のメイ・ドゥーティの姿も見える。
 話しかけ、事情を説明すればきっと協力してくれるだろう。

「「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」」

 メイドロボットが猟兵たちを出迎えて、挨拶をしてくる。
 あまり性能はよくないのか、決まった言動を繰り返すばかりだが、どこに行けばいいのか、何をすればいいのかは十分伝わる。

 それでは皆様。ご奉仕の時間でございます。
尾守・夜野
お洋服の独占はよろしくないのだわ
メイさんがゲット出来るように…という感じで来てるわね

人目に写るメイドとしての振る舞い等はわからないのよね…
情報収集の一貫なら十把一絡的なハウスメイドとかに扮しての裏方だったし
この島のと多分違うのではないかしら…
とりあえず知ってるのでやってみましょうか
クラシカルなのに着替えて、一部はメイさんに確認しつつ
掃除であるなら主人を模したと思われるロボットに気付かれぬ内に済ませハウスキーパーっぽいロボに報告を
仮に誰かが通りかかるなら隅により頭を下げ目立たぬように
客人を模していると思われるロボがいるなら絶対にかち合わないように…と
…ここやっぱり職業訓練所かなにかなのでは?



●夜野のハウスメイド・アトラクション。

「お洋服の独占はよろしくないのだわ」
「ええ! メイド服とは万人の夢そのもの! アルティメットメイド服も言わずもがな!
 夜野さん、共に頑張りましょう!」

 尾守・夜野(墓守・f05352)はクラシカルなメイド服に身を包み、静かにメイドアイランドに降り立った。
 メイ・ドゥーティが無事『究極服』を得られるようにと馳せ参じた夜野ではあるが、彼はメイドに精通している訳ではなかった。
 しかし情報収集の一環としてハウスメイドに扮した経歴があるため、知っていることを、できることを行おうと考え、メイを伴ってハウスメイド・アトラクションに立ち入った。

「ここはハウスメイド・アトラクションです。ここではハウスメイドの振る舞いを行ってください」
「ハウスメイド……このリストに書かれていることをすればいいのですね」

 指定された箇所の掃除。洗濯の作業。主人にお茶を入れる行為。
 三種類の業務を遂行しながら、移動中に通りがかった家人に対しては立ち止まって頭を下げ、訪問している客人とは出くわさないよう移動を行う必要がある。
 各業務の時間配分と確実性、そして移動経路を考える管理能力が試されるアトラクションである。

「なるほど、ハウスメイドですか。
 いわゆる掃除洗濯料理来客対応諸々全般をこなすというメイドのイメージにある職種ですがここでのミッションは清掃活動を重視しているようですね主人への奉仕活動はメイドの必要十分条件を確認するためのものと推測できますが決して加点が少ないわけではないでしょう料理はコックの領分に当たりますしハウスキーパーの管理下にはありませんそれに調理時間を加えるとハウスメイドの職務が煩雑化して遂行する猶予を確保できないことが想定できます給仕に絞るというこれは良い判断と言えるでしょうそもそもコックやキッチンメイドとは」

「ええ、と。それじゃあ始めましょう?」
「あっと、そうですね。始めましょう!」

 夜野とメイが肩を並べて、メイドをスタートする。
 最初の掃除場所である部屋に入り、二人は手分けして掃除を行っていく。
 高いところの埃を落とし、棚や窓を拭き掃除し、部屋の床を掃き掃除する。
 適切に掃除用具を使い分け、綺麗に清掃を済ませていく。
 作業の完了を告げると、待機していたハウスキーパー・ロボットが歩き回り、つつーっと指で埃の有無をチェックする。

「きちんと掃除ができていますね。よろしい、OK!」
「ありがとうございます、メイド長!」
「ふふ。褒められると嬉しいものね」

 続いて汚れた(という設定になっている)シーツを適切に洗濯する。
 手洗い、自動洗濯機、使用する洗剤の判別など、メイのメイド知識を活用して夜野は綺麗に洗いあげる。
 シーツを物干し竿にかけ、乾燥状態に持ち込んだところで採点を受け、二人はハウスキーパー・ロボットから「OK!」の言葉をもらい受けた。

 そうして次々にミッションとクリアしていき、夜野とメイは最後の部屋へと進んでいく。
 お茶を用意し、くつろいでいる主人・ロボットに奉仕するミッションだ。
 主人の好む茶葉、お湯の温度に蒸す時間、茶器の選別に合わせる茶菓子の用意。
 リストの情報を参考にして、逐次最適な選択をメイに確認しつつ、夜野はその手で美味しいお茶をセッティングする。
 提供されたお茶を主人・ロボットが飲む。

「うん。素晴らしい。ありがとう、美味しいよ。OK!」
「光栄です。……こういう風にお茶を淹れるのね。勉強になるわ」
「夜野さんがしっかり基礎ができているからすぐに熟せているのですよ!
 さあ、後は片付けをするだけですよ!」

 ミッションをクリアし、主人・ロボットに礼をしてから機嫌よく部屋を後にするメイ。
 しかし、主人の部屋を出たところでハプニングが発生する。
 突然の客人・ロボットが廊下の角を曲がり、エンカウントしそうになったのだ。
 メイは、食器を乗せたトレーワゴンを押しており、急には止まれない。
 出くわすだけでも失点であるのに、お客様とぶつかるなどもってのほかである。
 ここで一気に大量失点か?

「っ!? ……あれ?」
「大丈夫?」

 と思いきや、しかし事故は防がれた。
 夜野が放った魔方陣、《千里奔馳陣》によってメイはトレーワゴンごとテレポートし、衝突を回避したのだ。
 見事なカバーである。

「あ、危ないところでした……! ありがとうございます、夜野さん!
 すみません、私、気を抜いてしまって……」
「いいのよ。私もサポートしてもらっているもの。
 さ……もう少しでクリアできるのだし、いっしょに終わらせましょう」
「はいっ!」

 そして無事に片づけを済ませ、出口へと向かう夜野とメイ。
 出口ではハウスキーパー・ロボットが待っており、採点を下す。

「判定の結果……合格です! おめでとう、あなたたちは立派なハウスメイドよ!」

 ファンファーレと共に、メイドロボたちが拍手を送る。
 紙吹雪を浴びながら、夜野とメイは祝福と称賛を浴びている。
 ハウスキーパー・ロボットが賞状を取り出し、何らかの資格を得られたことをつらつらと述べる。 

「やりましたね、夜野さん!」
「……ここやっぱり職業訓練所かなにかなのでは?」

 こうして、夜野とメイはスタンプをゲットしたのである。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「はっ。掃除ぃ? そんなもん余裕さ!
 いつも子分たちに船を掃除させてるけど、アタシだって簡単にできるさ!
 フーンフーフフーン♪」

 まずはビチャッと絨毯の床にモップがけ。
 窓ガラスを濡れた雑巾で拭くだけで乾拭きは行わず、棚や化粧台には触れることなく意気揚々と完了報告。
 メリーはご主人様に会うこともなく、その場で不合格通知を受けるのであった。

「なんでだいっ!」

 そして怒ったメリーはハウスキーパー・ロボットを斬り倒してスタンプを奪い取ったのであった。
 海賊としては立派である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イスラ・ピノス
とりあえずメイド服着用!
本来の目的も当然だけど、『アルティメットメイド服』も本物見てみたいし頑張るよ!

メイ・ドゥーティね。同い年の冒険商人は親近感。
ここは協力をお願いしちゃおう。

メイドロボットの案内とメイの助言に従いながら、ご奉仕してスタンプ集めて行こう!
お料理はUDCアースのメイド喫茶のお手伝いしてたりもするからちょっと自信あり。
接客についてはちょっと違うよーな気もするけど、気持ちの込め方は分かってるよ!多分!

なにか問題起きたり困ったらPretty please!で誤魔化して再トライor軌道修正orそのまま押し切っちゃう方向で。



●イスラの接客メイド喫茶。

「本来の目的も当然だけど、『アルティメットメイド服』も本物見てみたいし頑張るよ!」

 イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)が意気揚々とメイドアイランドに参上する。
 メリー・バーミリオンから宝物を守るだけでなく、その財宝である『アルティメットメイド服』を一目見ようと意気込んで、元気よく近くをうろついていたメイ・ドゥーティに接触して協力を要請して、快く受諾された。

「あなたがメイ・ドゥーティさんね。僕はイスラ・ピノス! よろしくね!」
「はいっ! 猟兵さんですね。よろしくお願いします、イスラさん!」

 同い年の冒険商人ということで親近感を抱いた二人のセイレーンは、お揃いのメイド服を着用してご奉仕へと向かった。
 メイはあらゆるメイド知識に精通しているため、業務の選択はイスラに任せた。
 任されたイスラは、自身が手伝ったことのある関連メイドのアトラクションを選んだ。
 すわなち。

「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」

 UDCアース系列の日本でお馴染みのメイド喫茶である。
 安心安全、全年齢向き、合法である健全なお店です。
 そしてここはアトラクションです。16歳(未成年)を働かせても大丈夫!

「ここでは料理を作ったり、来店されるご主人様に接客することでスタンプがもらえるわよ! 頑張ってね!」
 というメイド店長・ロボットの説明を受け、イスラとメイはご奉仕をしていく。
 まずはイスラが料理を作り、メイが給仕を担当していく。

「パフェできましたー!」「はいっ! お待たせしました、ご主人様!」
「オムライスできましたー!」「どうぞ、ご主人様! ケチャップをおかけしますね!」

 材料はたっぷりある。そして、来店するご主人様・ロボットたちも有機物を燃料とする機能が備わっているため、美味しく摂取していく。
 食べ物は無駄にならないので、イスラも心置きなく調理することができるのだ。
 おいしい料理を食べて、ご主人様・ロボットたちも笑顔で店を後にしていく。

 順調にご奉仕ポイントを貯めていく二人は、無事にそれぞれ料理点と接客点を合格水準まで蓄積することに成功する。

「イスラさん、交代ね! 大衆のご主人様に対する接客は独特だけど、頑張って!」
「はーい、任せて! だいじょーぶ、気持ちの込め方は分かってるよ! ……多分!」

 そのまま規定時間まで回すのも良いが、せっかくなので両方の点数で合格しておこうと判断して、イスラとメイはキッチンとフロアを入れ替わる。
 イスラが接客を、メイが料理を開始する。

「メロンソーダ、お願いしまーす!」「はいっ! ただちに!」
「ペペロンチーノ、入ります!」「承りましたー!」

 出だしと同じく順調にご奉仕を行うイスラとメイであったが、数体目のご主人様への給仕を終えたところで、アクシデントが発生する。
 無作為な確率で出現する、困ったご主人様・ロボットがお帰りなされたのだ。

「ハァ、ハァ……き、きみ、可愛いねぇ……。
 ね、ねぇ? ちょ、ちょっとだけ、てっ手を、握ってもいいかなぁ?」

 ふくよかな肉襦袢と汗を模した塩水で相応に装っているご主人様・ロボットが、ゆっくりとイスラに手を伸ばす。
 健全なるこのメイド喫茶において、おさわりは厳禁、Noタッチである。
 しかし、だからといってご主人様を無碍にしては更なるトラブルを引き起こすリスクもある。具体的には逆ギレするとか。
 イスラがどのようにして対処するかを見極めようと、店長・ロボットがカメラアイを光らせて、イスラを見つめている。

「んー、困っちゃうな……ね、おねがい♪ これでがまんしてください、ね?」

 イスラはご主人様・ロボットにウインクを披露する。
 至近距離でイスラの心を込めた《Pretty please!》の直撃を受け、ご主人様・ロボットは打ち震える。
 篭絡し(堕ち)たのだ。

「ううう、うん! うんうん! する、する、我慢すりゅぅ!」
「ありがとー! それじゃあ、僕がめいっぱいご奉仕させてもらうね!」

 勿論健全なご奉仕です。

「はは、はいっ、はぃ! あっ、ちゅ、注文んん、えと、ええとぉ!」
「だいじょーぶ、焦らなくていいから……ね♪」
「んおおふぉぉぉ……!」

 ダメ押しのウインクが着弾し、ご主人様・ロボットは冷静にオムライスを注文をする。
 イスラはご主人様・ロボットの注文を受け、メイが用意したオムライスを配膳する。

「魔法の言葉をかけますねー? おいしくなぁれ♪ もえもえきゅーん!」
「きゅぅぅぅん!」

 イスラの適切な対応にご主人様・ロボットは大満足で昇天。店長・ロボットも笑顔でフルスコアをつけた。
 メイドにもご主人様にも被害を与えずアクシデントを潜り抜け、イスラは見事スタンプをゲットしたのである。

「見事なメイドです。お二人とも、合格です!」
「やったー! やったね、メイさん!」
「はいっ! これでまた一歩、『アルティメットメイド服』に近づきましたね!」

 手を取り合って喜ぶセイレーンのメイドたちは、先へと歩みを進めていくのであった。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「ははーん? 接客ねぇ。
 ……それってメイドじゃなくてウェイトレスの仕事じゃないのかい?」

 そのようなツッコミは黙殺させていただきまして。
 メリー・バーミリオンはお帰りになられたご主人様・ロボットへと給仕しに行く。

「はいはいお帰りなさい。それで、注文は何だい?」
「もえもえオムライス、ハートの魔法を添えて」
「はいよー」

 意外にもオーダーをきちんと受け取り、キッチンへと注文を通す女海賊。
 言葉遣いの粗さは評価をし辛いが、そういう要素も良しとするご主人様もいるので現状は問題なくポイントが入っていた。

「はい、オムライス一丁」
「わーい。…………」
「……。……? 何? まだ何かあるのかい?」
「あ、うん、魔法を、かけて……」

 すかさず店長・ロボットがカバーに入り、魔法の言葉のカンペをメリーに見せる。
 不慣れな新人メイドは魔法のかけ方を忘れることもあるのだ。

「この言葉を唱えて、このポーズをするのよ」
「……で、できるかぁ!!」

 恥じらいを捨てられない海賊、メリー・バーミリオンはサーベルから津波を放ち、店ごとロボットたちを薙ぎ払ってスタンプを略奪していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリアリア・アーデルハイム
アルティメットメイド服!なんだか強そうですよ。
ご奉仕は神族としてはデフォのお仕事と言えなくもないです。
あ、私達だとお掃除メイドが良いんじゃないですか?箒にも私とお揃いの金のリボンを結んであげますね。さあ、ご奉仕開始〜!

掃除機のローラちゃんは食べられるゴミをお願いします。私と箒は食べられないゴミの係です。

あら、海亀さんですね。
お帰りなさいませ、ご主人様。(深々お辞儀)本日はご出産のご予定ですか?承知致しました、私達が全力でお守りいたします。

野生動物の接近に気をつけてください。
お見守りの皆様も近付き過ぎないようご理解ご協力をお願い致しますね。
感動の出産シーンを護りぬきましょう。掃守の名にかけて!



●ミリアリアのお掃除メイド、ご主人様の出産シーンを添えて。

「アルティメットメイド服! なんだか強そうですよ!」

 ミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)は、銀月対応のオブリビオンも吸い込む『クロウラー式掃除機(零式)』のローラちゃんと、掃除にプライドを持つ魔法の『職人謹製棕櫚箒』を伴って、メイドアイランドに現れた。
 あえて島の内陸のアトラクションに向かわず、足を運んだのは海を臨む浜辺であった。

「私達だとお掃除メイドが良いんじゃないですか?
 ご奉仕は神族としてはデフォのお仕事と言えなくもないですし」

 そう判断して、ミリアリアは浜辺の清掃作業へと繰り出したのだ。
 実はこういうボランティア活動はアトラクションではないものの、メイド・ポイントが加算されスタンプ獲得につながる。
 日常的な細やかなご奉仕もメイドのチャームポイントである。
 そしてミリアリアの言う通り、ご奉仕が神族のデフォルト設定ということは、神はメイドだったのか? ゴッド・オブ・ザ・メイド?

「お揃いの金のリボンを結んであげますね。よし! さあ、ご奉仕開始~!」

 箒に金のリボンを結び、準備完了。ご奉仕を開始するミリアリア一行。
 ローラちゃんが食べられるゴミを吸い込んでいき、ミリアリアと箒はローラちゃんが食べられないゴミを片付けていく。
 浜辺を汚していた空き缶や空き瓶、壊れたレジャーグッズや食べ残しの生ゴミも、見落とすことなく取り除いていく。

「お掃除しましょ。綺麗、綺麗、いい気持ち♪」

 順調に掃除が進む最中、ミリアリアの歌うような詠唱により、浄化・祓魔のプロ、掃守(かにもり)さんが具現化する。
 ベストお掃除ニストの掃守さんも、ミリアリアたちと一緒に掃除を行っていく。
 ミリアリアたちと掃守さんの、阿吽の呼吸で的確なフォーメーションにより、浜辺は綺麗になっていった。
 瑕疵のない見事な清掃作業に、後方メイド面で見守っていたメイ・ドゥーティと師匠メイド・ロボットも無言で頷いている。

 無事に作業が完了し、これにてミッションコンプリート……と思いきや。
 海から姿を見せるものがいた。

「……」
「あら、海亀さんですね」

 意外! それは海亀!
 綺麗になった浜辺に上がって来た海亀が、じっとミリアリアを見上げて何かを訴えかける。

「お帰りなさいませ、ご主人様」
「……」

 そう。例えこの島のご主人様・ロボットでなくとも、こうしてメイドの前に現れたならばご主人様である。
 何より神であるミリアリアにとって、動物と話すことは日常所作である。
 ミリアリアは深々とお辞儀をして、ご主人様の海亀のご要望に耳を傾ける。

「……」
「なるほど。本日はご出産のご予定ですか?
 承知致しました、私達が全力でお守りいたします」

 要件は出産であった。
 清掃され、綺麗になった浜辺であるがゆえに、ここは産卵に適した環境となっていたのだ。
 突然産気づいたご主人様のために、ミリアリアは全力で緊急ご奉仕を開始する。
 箒、ローラちゃん、掃守さんに、見守っていたメイや採点していた師匠メイド・ロボットも動員して、防御陣形を構築する。

「皆さん、野生動物の接近に気を付けてください。
 また、ご主人様に近付き過ぎないようお願い致します」

 大きな声を出さないよう潜めて指示を出し、卵を狙おうとする野鳥などの捕食者から護り抜くべく集中して事に当たる。
 ミリアリアの庇護のもと、ご主人様の海亀は砂を掘り、涙を流して産卵を開始する。
 感動的なシーンではあるが、あまり見つめ続けるとストレスになるだろう。
 メイドたちはほどほどに見守りつつ、ご主人様が職務を全うする様子を護り続けていた。

 そうして数時間が経過し、産卵を終えたご主人様の海亀は海へと戻っていく。
 その途中で立ち止まると、ミリアリアたちに振り返って礼を告げる。
 海亀に発声器官はないけれど思いは伝わるのだ。

「……」
「お役に立てて光栄です。いってらっしゃいませ、ご主人様」

 ミリアリアは遠ざかっていく海亀のご主人様にお辞儀をして送り出す。
 ……何れ、ご主人様の卵たちも孵化して海へと向かっていくだろう。
 ご主人様の海亀の役目を護り抜いたミリアリアは、当然満点のスタンプを与えられ、周りを囲むメイド・ロボットたちの拍手喝さいを浴びるのであった。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「なんでアタシがゴミ拾いなんかしなきゃいけないのさ。
 そんなこと、手下にやらせればいいさ!

 ボランティア活動に関心もなければ自発的に取り組もうと思わないメリーはゴミ拾いは拒否する様子である。
 ユーベルコードで使役している大海賊の霊を出現させてゴミ拾いに従事させ、本人はヤシの木陰でサボタージュしている。
 手下の手柄は自分の手柄というつもりなのだろうが、メイドとしては褒められた様子ではない。寝っ転がって仕事をサボるのはあまりよろしくないことだ。
 そもそもボランティア活動は、本人が自分の意志で行わなければ意味がない。
 当然、ポイントは加算されない。どころか減点されている。

「……くかー……」

 しばらくして、そのまま居眠りを始めるメリー・バーミリオン。
 大海賊の霊が清掃作業を済ませるのを見届けたメイド・ロボットは、静かに大海賊の霊にスタンプを押すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ絡み大歓迎、トンチキ可

イオナ(f34022)と目指せナースメイド♡
意味(子守用メイド)は承知の上
医療系メイドの捏造へ繋げる足がかりさね

でもメイド的ご奉仕は縁ないからねえ…
(小児科治療や性癖等で子供の相手自体は経験豊富)
【マトリクス・メモリ】で『メイドの発生源』構築っ

…全員を正統派メイド姿に変化させるのみならず
メンタルや振る舞いもメイド用に最適化致します♪

更にオペ15番【ヴォイド・ヴァニティ】開始
アトラクションの指示をお申し付けと認識する事で
多彩な技能を駆使して【奉仕】を成し遂げますよ♪

イオナさん、メリーさん
坊ちゃま&お嬢様のお世話、頑張りましょう♪
(世話の内容や性格は一任)


イオナ・アルフェラッツ
【SPD】
※アドリブ絡み大歓迎、トンチキ可

リーゼ様(f30386)とメイド島に来ましたが、
『ナースメイド』って子守担当じゃないですか!
しかもその流れで「医療系メイドの捏造」って、
まさか『看護師なメイド服』を作るんですか…?

とはいえ主人・リーゼ様の帯同命令には逆らえません
【月陽姫の切札】で副人格・ミュウのサポートも用いて
求められる【奉仕】等へ100Lv技能で対応

リーゼ様ほど性格は変化しませんが
服は正統派メイド服に変えられています
エプロンドレスは胸が目立ちますね…

あっ、担当の子が駆け出しました!?お待ち下さいませ!
【ステラ・メモリ】による『鷲座』の力で飛んで追い付きます
危ないですよ…?(ぎゅむっ)



●リリー先生とイオナの♡ナースメイド♡ ※マスタリングご了承ください!

 メイドアイランドの一角に降り立った二人の少女。
 リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)とイオナ・アルフェラッツ(【ご主人さま】が2人!?・f34022)は保育エリアに向かっていた。
 リリー先生とイオナは主従関係にある。ここ重要です。

「さーて。始めようか! 目指せ『♡ナースメイド♡』」
「リーゼ様、『ナースメイド』って子守担当じゃないですか!」

 ナースメイドとは、乳母や子守りを担当する専門職である。
 のちに看護師の概念が発生するまでナースとはメイドの一種であり、子どものしつけや遊び相手、散歩の付き添いといったハードワークを担っていた。
 また授乳は子どもの生育に直接影響を及ぼす重要な役割であるため、信頼のおけるメイドにしか任せられない大切な役職なのであった。

 このアトラクションではそこまで厳しくはなく、子ども・ロボットと接して育児の予行練習を行うことができるというものであったが……。
 リリー先生は眼鏡を光らせて不敵に笑っている。

「もちろん意味(子守用メイド)は承知の上さ。
 ただまあ、……医療系メイドの捏造へ繋げる足がかりさね」
「しかもその流れで『医療系メイドの捏造』って、まさか……」

 何かを予期したのか、慄くイオナ。しかしイオナは命令承諾担当の召喚獣。
 アンドロメダの乙女という出自ゆえに、奉仕・契約に縛られるので主人の命令には逆らえないっ!

「子どもの相手自体はいろいろと経験あるけれど、でもメイド的ご奉仕は縁ないからねえ。
 だ・か・ら……マトリクス・メモリ起動、『メイドの発生源』構築っ♪」
「まさか、『看護師なメイド服』を作るんですかぁ……!?」

 イオナの悲鳴をBGMに、リリー先生は動き出す。
 『GMM/PR:DrLiLY-14019u マトリクス・メモリ』により、『現象の物理的再現』が行われる。
 具体的にどういうことか起こるのかというと、メイドの発生源の記録を可変させてリリー先生の想定する状況を、現実に現象として物理的に再現・再構築する。
 要するに、付近一帯にいる総員を正統派メイド姿に変化させ、メンタルや振る舞いもメイド用に最適化致します♪ のだ! よくわからない? 大丈夫、感じるのです。

 リリー先生自身やイオナだけでなく、ナース・ロボットも子ども・ロボットも、近くに来ていたメリー・バーミリオンや保護者・ロボットたちも、正統派メイドにチェンジ!
 みんなまとめてエプロンドレスに身を包み、ご主人様にご奉仕します♪

「猟兵に追いついたと思ったら何か巻き込まれるんだが!?」
「まだまだ行くよ♪ 更にオペ15番【ヴォイド・ヴァニティ】開始!」
「うぅ……とはいえ、リーゼ様の帯同命令には逆らえません。
 命令を承諾、《月陽姫の切札》を起動、ミュウのサポートを用います」

 《Op.XV:VOID VANITY(ヴォイド・ヴァニティ)》と《月陽姫の切札》。
 共に、他者からの命令を承諾することで効果を発揮するタイプのユーベルコードである。
 リリー先生はアトラクションの指示をお申し付けと認識する事で、生体電脳内仮想空間に出現した書架型ライブラリを利用して多彩な技能を獲得し、ご奉仕を成し遂げる。
 そしてイオナも副人格である「ミュウ」の補佐を受けて、求められるご奉仕への技能を獲得する。
 リリー先生ほど劇的に性格は変化しないものの、理知的なイオナと無邪気なミュウは手分けして適切な対応を取ることで、アトラクションの指示をこなしていく。
 そもそものアトラクションが『マトリクス・メモリ』によって『♡ナースメイド♡』になっているため、何も問題はない。

「ほーら♪ よーしよーし、いい子ですね~♪」
「あわわ、大丈夫かい!? ほら、泣かないでおくれっ!」
「あぁっ!? お待ち下さいませ!」

 甘えてくる子ども・ロボットの頭をリリー先生が優しく撫でて、泣きじゃくる子ども・ロボットをメリーが不慣れな様子であやす。
 駆け出した子ども・ロボットを、イオナは記録媒体型メガリス『GMS/ML:aLpAnD-73765s ステラ・メモリ』により『鷲座』に纏わる力を行使して、素早く飛んで追いかける。

「ほら、走ったら危ないですよ……?」

 そして、豊満な存在によって子ども・ロボットを抱きしめた。
 エプロンドレスのサイズがキツキツなのか、豊満なサムシングが目立つ。
 ぎゅむっという擬音のソレを押し付けられ、子ども・ロボットは顔を真っ赤にしている。

「あれ、顔が赤くなってますね? お熱ですか?
 ……えへ、わたしの出番かなっ♡ だいじょーぶ? お熱計るねー?」

 イオナはミュウのサポートを受けて、子ども・ロボットの額におでこを当てる。
 魅惑の♡ナースメイド♡との密着度合いさらに高まり、発熱を促進しております。

「イオナさんもしっかりお世話してますね~♪
 メリーさんも、坊ちゃまとお嬢様のお世話を、頑張りましょう♪」
「えっ? ……あ、うん、そうだね! 大事にお世話しなきゃ……。
 ああっ、この子、おむつが膨らんでるよっ! えっと、ど、どうしたらいいんだい!?」
「あらあら♪ 大丈夫、慌てない慌てない♪」

 ナース・ロボットたちと共に、三人は♡ナースメイド♡としての職務を全うする。
 たっぷりとご奉仕を行い、最後に子ども・ロボットたちを寝かしつけ、フリフリのメイド服に身を包んだ保護者・ロボットたちから無事にスタンプを獲得する。
 ♡ナースメイド♡は無事、ご主人様たちにご奉仕できたのである!

「ふー。いっぱいご奉仕できたかな? ねぇ、イオナ?」
「はうぅ……!」
「ふふ♪ それじゃあ奥に進もっか!」

 二人の距離が近い? 触れ合っている?
 安心してください、メイドアイランドは合法です。
 本当に何も、コンプライアンスに問題はありません。いいね?
 リリー先生とイオナは何事もなく! 島の最奥への切符を手にしたのである!

「……あれ? なんでアタシこんなことを……?」

 そして、最適化が解けて正気に戻ったメリーが置き去りにされていた。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

 今回のメリーは巻き添えになったため休載させていただきます。ご了承ください。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

メイド……メイドですか。
やったことも、着たこともないですから割と不安ですね。
クリアできるようにいろいろ教えて貰いましょう。

ここは……メイド、喫茶?
普段はアトラクション兼業だったりするんですかね?

(可愛い感じのメイド服を渡されて、メイさんに教えて貰いながら接客や簡単な料理、メイド喫茶特有のサービスを教えて貰いクリアしていき)

スタンプ……貰えましたけどどうしたんですか?

(スタンプを貰えた後に、メイさんが自分の思うメイド喫茶のメイドと違うと言ってロボットとバトルが始まる。尚、七十は両者が納得するメイド服と、所作を行う完璧なメイドさんになるまで即席番外育成プログラムを受ける羽目に)



●七十の体験メイド喫茶。

「メイド……メイドですか。やったことも、着たこともないですから割と不安ですね」

 神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)はぼんやりとメイドアイランドを見渡しながらつぶやいていた。
 色々と過去の記憶を忘れているらしく、明確なメイドイメージを持たないまま到着したようだ。
 そうと聞いて、メイ・ドゥーティは見過ごせずに七十への協力を申し出た。

「お任せくださいっ! 七十さんにも満足いただけるよう、メイドを紹介いたしましょう!」
「……そうですね。クリアできるようにいろいろ教えて貰いましょう」

 意気軒昂と七十を連れてメイが向かったアトラクションは、メイド喫茶であった。
 アットホームな雰囲気の優しそうに見えるメイド喫茶であった。
 ぱっと見にはごく普通の変哲もないメイド喫茶であった。

「ここは……メイド、喫茶?」
「はいっ! ここは初めての方でも気軽にメイドを体験できる初心者向けのお店でして!
 比較的ゆるやかなシステムなのでポイントは稼ぎにくいところなのですが多少の不備はお咎めなくサポートも充実しております何よりメイド服の種類が豊富でレンタル可能なのですが途中で衣装チェンジも簡単できるためご自分に相応しいメイド服を模索するには適したメイド喫茶なのですよ七十さんはとても見目が麗しく初々しいためこちらでまずは」

「ええと。普段はアトラクション兼業だったりするんですかね?」
「あ、はいっ! 島外の観光客の方もご主人様として利用することができますね。
 ……コホン。それではさっそく、メイドを始めましょう!」

 あれよあれよという間に、入店した七十は可愛い感じのメイド服を渡されて着替え、メイドを始めることとなった。
 メイや、店の先輩メイド・ロボットに教えてもらいながら、メイドを学んでいく。
 簡単なサンドイッチの作り方やドリンクの注ぎ方、ご主人様をテーブルへ案内する手順や配膳のやり方など、メイド喫茶における必要最小限のサービスを身につける。

「ありがとう、美味しかったよ。行ってきます」
「いってらっしゃいませ、ご主人様。またのお帰りをお待ちしております」

 お帰りになられるご主人様・ロボットにも満足いただけるように成長を遂げ、ミッションをクリアした七十は無事にスタンプをもらうことができた。
 真のメイドを名乗るには少々不足ではあるが、『アルティメットメイド服』のある島の最奥へと進むことはできる。

「ふぅ。終わりましたか……。……?」

 しかし。
 仕事を終えた七十がバックヤードに戻ってくると、メイとメイド型の店長・ロボットが揉めていた。何やら言い争いをしている様子である。

「騒がしい……? あの、どうしたんですか?」
「あぁ! 七十さん! 聞いてください、この店長がわからず屋なんです!」
「私は新人メイドを相応しくコーディネートしようというだけよ、一般メイド」

 七十の手にはフリフリのレースが付いたタイプ:キュートのメイド服があり、
 店長・ロボットの手にはスタイリッシュでボディラインを美しく見せるタイプ:クールのメイド服があった。
 どちらも、現在七十が来ているノーマルタイプのクラシカルメイド服よりインパクトを強くした個性的なメイド服である。

「七十さんはご覧のようにカワイイカワイイ女の子なんです!
 メイド服でプリティに微笑みながらご奉仕する可憐な姿を見てなかったのですか店長!
 綺麗な瞳に射抜かれてフゥッと微笑まれて喜ばぬご主人様はいませんよ!
 この愛らしさを前面に押し出すべくもっとチャーミングなメイド服を試してみるべきです!」

「彼女の可愛らしさに異論はありません。
 しかし彼女の特徴にはクールタイプの雰囲気であることも事実なのです。
 何よりワタシにはわかります、彼女の体型にはご主人様をときめかせる色気がある。
 活かせるポイントを押し出すことも大事なのよ。メイド自身の秘めたる魅力を引き出すのも当店の役割です!」

 議題はメイドのスタンプポイントではなく、七十に相応しいメイド服論争であった。

「あの……もうスタンプは貰えましたし、お暇しても」
「いいえ、いいえっ! 七十さんは磨けば光ります!
 七十さんはまだまだメイド道に入ったばかり、第一印象もとい初めての思い出はとても重要です!
 七十さんに、ぜひぜひメイドの素晴らしさを体験して、理解してもらわなければ!」

「貴女は必要な技能水準は達しておりますが、メイドとして活動するためにはもう少し教導しておきたいところです。
 見させていただいたところ基本的な礼儀作法も備わっておりますし、魅力的なカリスマ性も感知できます。
 すなわち貴女は金の卵。ここで磨けば更なるメイド道へと進むことができます」

 荒く息をして、眼を見開いたメイと店長・ロボットが七十ににじり寄る。

「え、ええ……と……」
「さあ!」「さあ」「「まずはこちらから!」」

 その後。
 しばらくの時間を用いて、メイと店長・ロボットのコーディネートを受けた七十は、装いに相応しい完璧なメイドさんになるために即席番外育成プログラムを受けることとなった。
 その成果があったかどうかは、今後の七十の活躍に、乞うご期待。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

 メイド喫茶に踏み込んだメリー・バーミリオンは、複数体のメイド・ロボットに囲まれて泡を食っていた。

「やめ、やめろぉ! 一人で着替えられっから! やめろっ!」
「いいえ、ダメです。そのような雑な着替えではなりません。皺が出来てしまってはメイド服の魅力が削減されます」
「せっかくの長髪も潮風で痛んでいますね。ここは、着替えの前にトリートメントを行いましょう」
「わかりました。お風呂の用意はできております。衣類はこちらで洗濯させていただきます」
「その後で身体の傷跡をファンデーションで隠しましょう。目に見えないところこそ手入れは大事です」

 手軽にスタンプを得られると聞いて訪れた初心者向けのメイド喫茶で、徹底的に磨かれていく。
 抵抗するも、ワチャワチャと着せ替えさせられ、身体を洗われ、綺麗なメイドとして整われていく。

「い、いい加減にしやが、ひゃん!?」
「やはり垢がたまって」「バストケアも必要ですね」「コルセットを用意しました」「ガーターベルトの色は」「こちらの香水で素朴な雰囲気を」「下着は」
「い、いやああああ!! やめてぇぇぇ!!」

 立派なメイドに仕上げられたメリーは、スタンプも受け取らずにすぐに喫茶店を後にするのだった。
 その目には光る雫があったとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

碧宝珠・愛羅々
一つ、メイドたるもの客人を飢えさせてはならない。
一つ、もてなしの心とはメイド心である。
一つ、食材が、全部メイドだったわ。

島の恵みづくしを作ってみたのだけど。メイドづくしになったわ。

群生する生態系が環境の影響を受け続けたことが、こんな事になってるとは。侮れないものね。

手に入った調味料もメイド印。ご主人さまへのラブパワー混入❤

この島で暮らすと体内にメイドが蓄積するみたいね。

究極のメイド服は必要だったから制作が行われたといった所かしら?

弱肉強食の野生において、メイドは頂点にして最強…。

この御奉仕スタンプラリー駆け上がるしか無いわね!

さあ、メイドづくしを召し上がれ❤

体を巡るメイドに導かれて頑張るわ!



●愛羅々のクッキング! コックメイド。

「一つ、メイドたるもの客人を飢えさせてはならない」

 メイドアイランドの野外調理場にて、創作料理のアトラクションが開催されている。
 調理器具も食材も用意されている中、とあるメイドはすべてを自前で用意していた。
 そのメイドこそ、碧宝珠・愛羅々(流離いの薬味ハンター・f34916)。
 超級料理人である愛羅々は、《ウォー・アイ・満漢全席!》と称賛される早業で素早く料理を作っていた。

「一つ、もてなしの心とはメイド心である」

 愛羅々は可愛いコックさん。包丁も鍋も持参してのエントリーだ。
 そして商業船の操舵もできる飛空艇パイロットであり、狩人だ。
 食を預かるのは命を預かるのと同じと豪語する愛羅々は、おもてなしの心を欠かさない立派なメイドソウルの持ち主である。
 厨房に立った時、すでに準備は完了しているのだ。

「一つ、食材が、全部メイドだったわ」

 愛羅々は野外調理場に現れる前に、メイドアイランド中の独特な自然環境に飛び込んで食材を集めてた。
 活きのいいメイドフィッシュを釣り上げ、森の中に自生するメイド根やメイド菜を採集し、襲い来る野生のメイドイノシシを打ち倒した。
 愛羅々は初めて見る食材であっても怯むことはない。なぜなら愛羅々は超級料理人であるからだ!
 新鮮天然のメイド素材を用いて、次々にメイド料理を作り上げていく。

「島の恵みづくしを作ってみたのだけど。メイドづくしになったわ」

 仕上がったのは、メイドフィッシュのグリル、メイド出汁を活かしたメイド野菜のスープ、メイドイノシシのステーキにハンバーグ。
 素材の特性を判断して、愛羅々は見た目も香りも素晴らしいメイド料理をテーブルへと並べる。
 居並ぶ審査員・ロボットたちは皆、垂涎している。

「群生する生態系が環境の影響を受け続けたことが、こんな事になってるとは。
 野生のメイドも侮れないものね。さて……美味しくなーれ❤」

 最後の調味料は当然、メイド印のラブパワー。
 優れたる料理人は優れたるメイド道へ通じるのだ。
 それはすなわちコックメイド。クッキングメイドである!

「弱肉強食の野生において、メイドは頂点にして最強……!
 さあ、メイドづくしを召し上がれ❤」

 いただきますの号令と共に審査員・ロボットたちが愛羅々のメイド料理を口につけ、次々に目を見開く。

「うっ、うまいっ! うまいっ!」「これは旨いぞーっ!」
「数で勝負かと思いきや、一品一品に心が込められている! 食材となった命への感謝が! 食べる者への思いが! 魂に伝わってくる!」
「愛情だけではにぃだ。メイドイノシシっちゅう灰汁の強ぇモンを上手く捌いちょる! 臭みでダメになることも多いのに、……下処理が完璧にされとる! 技術がえろぅしっかりしとぅだぁ!」
「メイドさん可愛いヤッター」
「うむ。焼き魚の火加減、スープの旨味、肉料理も素晴らしい完成度。デザートこそないものの、実質フルコースと呼んで差支えがない」

「それではご要望にお応えして。〆のデザートよ、ご主人様方❤」

 その言葉を待っていたように、愛羅々は仕上げのメイドアイスを提供する。
 メイドホルスタイン(鯨偶蹄目ウシ科)から搾り取っておいたミルクを用いたアイスクリームを、審査員・ロボットたちが食事をしている合間に完成させていたのだ。
 恐るべし、《ウォー・アイ・満漢全席!》
 冷たいボウルでの攪拌作業も、わずか10秒で完了だ!

 料理を堪能した審査員・ロボットの誰もが10点満点の高評価。
 スタンディングオベーション。
 喝采の中、コックメイド碧宝珠・愛羅々を称えてメイドスタンプが授与される。

「ありがとう、ご主人様。
 それにしても……。この島で暮らすと体内にメイドが蓄積するみたいね。
 究極のメイド服は必要だったから制作が行われたといった所かしら?」

 ここで愛羅々の口から衝撃の事実が発覚する!
 島民の方々がみんなメイド服を着ているのは、そういう訳であったのだ!
 猟兵の皆様、ご安心ください。長期間滞在しない限りは大丈夫です。たぶん。

「こうなったら、この御奉仕スタンプラリー駆け上がるしか無いわね!
 体を巡るメイドに導かれて頑張るわ!」

 訂正します。短時間でもメイ度は進行されているようです。
 愛羅々は登り始めたばかりだ。この長いメイドウェイの坂道を……!
 走れ、愛羅々! 島の最奥はすぐそこだ!

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「メイド料理だか何だか知らないけどね。適当に焼いて出したらいいんだろ?
 野郎共、飯を準備しな!」

 メリーは海賊船団員のしたっぱを動員して、人海戦術による海賊風料理を作り出した。
 略奪家業の海賊とはいえ、自炊ができなければまともに航海はできない。
 すなわち海賊もメイドなのだ。
 したっぱたちは魚を釣り、捌いて焼いて、塩を振りかけて皿に盛りつける。
 美味しそうな焼き魚の出来上がりである。

「という訳で、食らいな! 焼き魚だよ!」
「あ、はい……うん。うまい。普通にうまい」「……うん、食べられるな」
「だがメイド要素はどこにある?」「メイドさんが給仕してくれているではないか」

 しかし残念ながら、給仕するメリーがメイド服を着ていようとも、調理したのがしたっぱたちではメイ度が減少してしまう。ここは創作料理のアトラクション会場なのだから。
 もし焼き魚がメリーの手作りであったならばポイントは大幅に加算されていただろうが、彼女はそうはしなかったのだ。
 そうはならなかったんだよ、メリー……。

「美味しかったので7点」「まあ、うん。6点」「メイドさん可愛いヤッター」
「料理した方々もメイドにすべきでしたね、3点」
「集計結果、合格点には届かず。またの挑戦をお待ちしております」

「……。野郎共、こいつらを叩きのめすよ!」

 数の暴力で審査員・ロボットを叩きのめし、メリーはスタンプを略奪していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎

…何かこんな島見た事あるー(遠い目)
まぁ、今回は割とましな方かな?うん


シックな感じのメイド服着用
本当は執事服がよかったけどメイさんに何か鼻息荒くお勧めされたし、仕方ないと思いつつ目を閉じ精神統一しUCを起動

料理・接客・サービスなど様々な方面でてきぱき作業。笑顔と元気を忘れずに
不健全な行動はやんわり回避しつつ、相手に「めっ!ですよ?」とトラブル自体も解決させようとします

シーフの頃の身のこなしと昔からずっと料理をしていて荒くれ者とやんわり交渉してた経験が生きてたっすけど…女性客の目が割と怖い
なんか「うちのメイドに…」とか「いくら積めば…」とかひそひそ話が聞こえるけど聞こえない振り



●翔の無自覚ハイメイド。

 メイドアイランドの高台に、景色の良いレストランが建っていた。
 遠い目をしながら、久遠・翔(性別迷子・f00042)はテラスに佇み景色を眺めて現実と帳尻を合わせていた。

「……何かこんな島見た事あるー」

 その身を包むのはシック(上品)な感じのメイド服。
 翔自身は執事服を希望していたのだが、あいにくとここはメイドアイランド。
 バトラーアイランドではないので、執事服は取り扱っていなかった。
 ……実は男装タイプのメイド服もあるにあるのだが、同行したメイ・ドゥーティほか現地のメイド・ロボット一同が情報規制をして隠していた。
 仕方ない。

「まぁ、今回は割とましな方かな? うん、よし。切り替えるっす」
「ええ、ええっ! お似合いです、とっても魅力的ですよっ!
 本当にすごく綺麗です、翔さん! いやあここを選んだのは正解ですね、展望の景色と翔さんの組み合わせが奇跡の一枚絵のように美しく……! ああ、良い……! もう、語彙が死ぬっ!」
「ここはセレブ系のご主人様にご奉仕するレストランでございます。
 ご主人様としての来店はともかく、相応のメイ度の持ち主の方でなければメイドとしての活動はお断りさせていただいているのですが……。
 貴女様ならば、ええ。問題はありません。
 間違いなくメイドをパーフェクトにコンプリートできますでしょう」
「貴女表記は勘弁して欲しいっす……」

 鼻息荒く興奮する、メイとここのアトラクションの案内をするメイド・ロボットを前にして、翔は仕方ないと思いつつ目を閉じて精神統一を始める。
 メイドを遂行するべく集中して……。
 そして広がる《無自覚の交渉術(テンプテーション・ネゴシエイト)》。

 割と常時発動している、翔の誘惑や魅惑、蠱惑的な雰囲気といった項目をさらに増強させる、制御できてるのか怪しいユーベルコードである。
 具体的には普段の魅力ポイントが206点とか209点とかだとすれば、この状態では1130点に増幅されるのである!
 その威力、五倍以上! さらにますます増大していくだと……!
 おっと、メイが鼻血を……。

 閑話休題。

「お帰りなさい、ご主人様! 席へご案内しますね!」
「ほぁ……。……あ。え、ええ、よろしくってよ……!」

 メイドを開始した翔は見事な礼儀作法で接客を行っていく。
 ご主人様・ロボットに笑顔で語り掛けるコミュニケーション能力を発揮させ、トークにも適切な知識を引き出し相づちを打って機嫌を保つ。
 テキパキとした身のこなし、無駄のないスムーズな動きが、翔の抜群なスタイルを際立たせて目の保養となっている。
 そして熟練の料理人レベルの腕前で用意される翔のスコーンやアフタヌーンティーが、ご主人様・ロボットたちの心と胃袋を掴む。
 良好なメイド活動である。

「もう! ご主人様、めっ! ですよ?」

 翔の豊満なサムシングに手を伸ばすふしだらなご主人様・ロボットの魔の手も容易く回避し、やんわりとした対処で穏やかにトラブルを解決する。
 めっをされたふしらだ・ロボットは、デレデレとにやけた顔のまま大人しくしている。堕ちたな。

「(シーフの頃の身のこなしと、昔からずっと料理をしていて荒くれ者とやんわり交渉してた経験が生きてたっすけど)」

 そうして順調にメイドを行っていく翔に、居座るご主人様・ロボットたちの熱い視線が突き刺さる。
 それは、ふしだら・ロボットによる色欲のものだけではなく……セレブなご主人様・ロボットたちのヘッドハンティング欲によるものだ。
 優秀なメイドは囲いたい。それはセレブ系ご主人様・ロボットの持つ欲求である。
 特に、マダムタイプや令嬢タイプのご主人様・ロボットの目つきがガチであった。

「あれほどの礼節……」「ぜひうちのメイドに……」
「いくら積めば……」「この後打診して……」「仕事終わりを……」

 ぶるりと震える翔は、このままこの場にいては身の危険だと感じ取り、目立たないようフェードアウトを試みる。
 共にメイドしているメイに忍び寄り、戦略的離脱を打診する。

「メイさん、そろそろポイントも貯まった頃だと思うんすけど……」
「……ゴクリ」
「……あの、メイさん?」
「おっと、ええ、そうですね、イエスメイドノータッチ……。
 それではスタンプをいただいて、先を急ぎましょう。
 大丈夫です、私は確信してます。
 翔さんにも必ずやアルティメットメイド服は似合うでしょう!」

 目を輝かせるメイを伴って、笑顔と元気を忘れずにメイドを完了させた翔は、苦笑いを胸の内に秘めてレストランを後にした。
 その後、レストランのメイド・ロボットはご主人様・ロボットたちに翔の素性を追及されたのだが、メイド・ロボットは守秘義務を護り抜いたのであった。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

 メリー・バーミリオンがレストランを訪れた時、来店されたご主人様ではなくメイドポイントを得るために来たとメイドだと聞いて、メイド・ロボットは困った。
 メリーのこの傍若無人な様子を初対面で見抜き、メイドとして雇う訳にはいかないと判断したためだ。

「オイ、なんでアタシが入れないんだい! さっさと入れな!」
「申し訳ございません。こちらのアトラクションはセレブ系のご主人様にご奉仕するレストラン。
 一定以上のメイ度の持ち主でなければお楽しみできない規則でして……お引き取りください」

「メイ度? 訳の分からないこと言ってるんじゃないよ!
 なら、スタンプだけでも寄越しな! そしたら冥土送りは勘弁してやるよ!」
「申し訳ございません。こちらのアトラクションはセレブ系のご主人様にご奉仕するレストラン。
 一定以上のメイ度の持ち主でなければお楽しみできない規則でして……お引き取りください」

「チッ。こいつ、繰り返すタイプの木偶人形かい! もういい、なら略奪だぁ!」
「な!? 強盗です! 警備員ー! 警備員ー!」

 警備員・ロボットが駆け付けるも、オブリビオンであるメリーに抗うことはできず。
 哀れ、レストランのメイド・ロボットは蹴倒され、スタンプを略奪されてしまった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティフティータ・トラーマ
アドリブ&連携OK、SPD
「メイド服はいいけど…なかなかピンとこないわね。『おまかせ』だとどうなるかしら?」
入島時の貸衣装でおまかせを選ぶと
「こういうのもアリなのね。いつもは襲う側だけど…確かに居ると面倒よね。」
ガーターに模造ナイフが吊られ、袖にワイヤーが入ったりしたメイド服に、そういう侍女も居たなと思い
「ではお嬢様、参りましょうか。」
行儀見習お嬢様(メイド)チャレンジ中のメイへ、落ちてくる植木鉢をキャッチしたり、代わりにお茶を掛けられたり、
絡んでくる坊ちゃんを熨したり、偶に来る暗殺者の射線に割り込んでおいたりします。
(虐めに負けず頑張るお嬢様メイドと、そのお嬢様に付いてきたメイドという枠で)



●ティフティータの護衛メイド。

 ところ変わって、ここはメイドアイランド・キャッスル。
 この地が王政という訳ではなく、王城に仕えるメイドを行うために用意されたアトラクションである。
 王様・ロボットや女王・ロボットなど、その時のシチュエーションに合わせて登場するロボットを選択できるのだ。

「メイド服はいいけど……なかなかピンとこないわね」

 その城の廊下を、ティフティータ・トラーマ(堕天使の剣舞暗殺者・f29283)が歩いていた。
 常の服装と異なり、比較的露出が抑えられたメイド服を着こんでいる。
 メイドに精通していないティフティータは、入島時に衣装を『おまかせ』で頼んで、メイド・ロボットに見繕ってもらっていた。

「こういうのもアリなのね」

 くるりと一回転することで、長いスカートが翻る。
 ロングスカートには大きくスリットが入れられているため動きは阻害されず、背中から生える《堕天使の翼》が窮屈にならぬように背面を広めに開いている。
 袖口にはワイヤーが仕込まれており、ガーターには模造ナイフが吊るされている。すなわち暗器の装備だ。
 どこに出しても恥ずかしくはない、暗殺者スタイルのメイドである。

 メイド・ロボットはいい仕事をしましたか?

「いつもは襲う側だけど……確かにこういう侍女が居ると面倒よね」

 以前そういう侍女が居たなと思い返しつつ、ティフティータは目的の部屋の前に着く。
 ティフティータは軽くドアをノックをして、室内にいる女性から許可を得て部屋へと入る。
 中には、行儀見習いスタイルのメイド服に着替えたメイ・ドゥーティが待っていた。
 それは結婚前の貴族女性に礼儀作法や家事を学ばせるためのメイドであり、メイドでありながらご主人様という一粒で二度おいしいメイドのチャレンジであった。
 此度のアトラクションは、メイとティフティータが主従を演じるものである。

「お待たせしましたお嬢様。それでは参りましょうか」
「はいっ! よろしくお願いしますね、ティフティータさん!」
「ふふっ。お嬢様、メイドにさんを付ける必要はありませんよ」
「あっ、はいっ、じゃなくて……。ええっ、ティフティータ!」

 差し出したティフティータの手を取って、歩き出すメイお嬢様。
 今回プログラムが用意した設定は、『急逝した前王の御落胤であるお嬢様は忠臣に養われていたが後継問題が発生したため呼び戻され敵も味方もわからないまま唯一信頼できるメイドと共に悪意蔓延る宮廷を突き進んでいく王子様不在のシンデレラストーリー』である。

 要するに、これから艱難辛苦が降り注ぐので乗り越えようというアトラクションである。
 メイはお嬢様メイドとして恥じない立ち居振る舞いを維持し、ティフティータはお嬢様に悟られないよう心身を警護するのが評価ポイントである。
 部屋を出て間もなく、次から次へとお嬢様メイドに脅威が降り注ぐが、

「お嬢様、こちらの道を通りましょう」「わかったわ」

 上層階から落とされる植木鉢(編み物)をキャッチして守り、

「ご覧くださいお嬢様、綺麗な庭園ですよ」「まあ、綺麗ね!」「~~~~!!」

 お嬢様に手を伸ばす不逞な坊ちゃん・ロボットをワイヤーで縛り上げたり、

「ふっ!」「どうしたの、ティフティータ」「少々羽虫が。もう大丈夫ですよ」

 忍び寄る暗殺者・ロボットの攻撃の射線に割込み、模造ナイフで攻撃を叩き落とした。
 ティフティータは護衛の暗殺者メイドとして満足のいく活躍を披露していく。

 度重なる難関を護り抜き、二人はいよいよ戴冠式の行われる玉座の間へとたどり着く。
 扉の前にいたラスボス系メイド・ロボットを秘密裡に討ち果たし、ティフティータが扉を開ける。
 広間には、レッドカーペットの左右に居並ぶ騎士・ロボットが、そして玉座の横に佇む大臣・ロボットが、メイお嬢様とティフティータを待っていた。

「ようこそここまで辿り着かれましたな、お嬢様。
 あとはこの王冠を授与され、玉座に腰を掛けるのみでございます」
「わかったわ。行きましょうティフティータ」
「……マンネリね……」
「ティフティータ?」

 クライマックスを目前に、何かを呟き不意に足を止めたティフティータをメイお嬢様が見上げる。
 ティフティータは黒い瞳でじっとメイお嬢様を見つめて……少しして、口を開く。

「ちょっとね、思ったのよ。このまま、お嬢様をその椅子に座らせていいのかしらって」
「えっ? あの、ティフティータさん?」
「……うん。決めたわ。大切なお嬢様なら、このまま連れ去るのが一番面白そう」
「はいっ!?」「そ、それはどういう……」

 動揺するメイとロボットたちを一顧だにせず、ティフティータはメイをお姫様抱っこすると勢いよく空中へと飛び立つ。
 ただ唯々諾々と命令に従うだけではない、お嬢様の真の幸せを考えて動くメイドの鑑である!

「ちゃんと宮廷は突き進んで通り抜けたわ。文句はないでしょう?
 だから……お宝はいただいていくわね」
「な、な……! なんですと!?」
「こ、これはまさかの、怪盗メイドお姉さまっ!?」

 ティフティータは大変なものを盗んでいきました。それはお嬢様です。
 開け放たれたテラスから城の外へと飛び立ち、二人のメイドは優雅に空へと消えていくのであった……。

 その後スタンプをもらいに戻りました。
 プログラムの想定を超えた素晴らしい振る舞いであったので、大変好評でした。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「しゃらくさいねぇ! やられるまで待つなんて柄じゃないさ!
 こういうのは先手を打つのが一番さ!」

 真の護衛とは先制攻撃と見たり。
 お嬢様メイドである大海賊の霊を伴って、メリー・バーミリオンは城攻めを開始した。
 仕掛けられた罠を踏み越え、現れる不逞な坊ちゃん・ロボットを薙ぎ倒し、暗殺者の技を見抜き大海賊の霊に封じさせて斬り伏せた。
 メリーは玉座の間の扉を蹴り開け、中にいる騎士・ロボットたちを追い散らかす。
 驚いて腰を抜かした大臣・ロボットから王冠をひったくり、満足そうに玉座に腰を下ろす。

「ハッハッハー! アタシの勝ちだね! どんなもんだい!」

 略奪者としては見事ではあるがメイドとしては落第であったので、スタンプはもらえませんでした。
 メリーは腹いせにメイドアイランド・キャッスルの宝物庫を襲ったものの、アトラクションなので財宝などは入っていなかったため無駄骨に終わったのであった。
 王冠は記念に持ち帰られました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベルナデット・デメジエール
アルティメット!!
高貴な吸血鬼たるわたくしに相応しい響きですわね!
その一着、いただきますわー!
えっ、わたくしがメイドの真似事をしなくてはいけませんの?

まあ、幸い礼儀作法については幼い頃から躾けられましたので心配ありませんわね。
後は主人に敬意を払い、与えられた仕事は完璧にこなし、常に周りへの気配りを欠かさず――
そんな「わたくしの考えた理想的な使用人」として立ち回れば
…えっ、これ大分ハードル高くありませんこと…?
えーい、技術面で不安はありますが、試験官を終生の主と思ってご奉仕致しますわ!!
何でもお申し付けくださいませ、旦那様!!
礼儀のれの字も知らないような三流海賊とは出来が違う所をご覧あそばせー!



●高貴にして礼節たるメイド、ベルナデット。

「アルティメット!! 高貴な吸血鬼たるわたくしに相応しい響きですわね!
 その一着、いただきますわー!」

 『アルティメットメイド服』のネーミングに誘われて、一人の猟兵がメイドアイランドに現れた。
 彼女こそベルナデット・デメジエール(孤高なる夜の女王(自称)・f28172)。
 メジエール家の高貴なる吸血鬼にして孤高なる夜の女王である。

 ただし、『アルティメットメイド服』を得るためにはメイドをしてスタンプを集める必要があります。

「えっ、わたくしがメイドの真似事をしなくてはいけませんの?」

 はい。
 たとえ、高貴なる孤高のベルナデットであろうとも、メイドアイランドにおいてはメイドをしなくてはならない。

「まあ、幸い礼儀作法については幼い頃から躾けられましたので心配ありませんわね。
 ご覧あそばせ! わたくしの立ち居振る舞いを!」

 そう。ベルナデットは高貴なる血筋の由緒正しい吸血鬼。夢魔ではない。
 メイドを従えた……ことがあるのかはさておき、しっかりとした礼儀作法を躾けられた、高貴なるお嬢様である。
 お嬢様はメイドを知るのだ。すなわちお嬢様メイドである。

「主人に敬意を払い、与えられた仕事は完璧にこなし、常に周りへの気配りを欠かさない。
 そんな『わたくしの考えた理想的な使用人』として立ち回れば……」

 まさにパーフェクト。ベルナデットならば、完全無欠完璧なメイドを為せるに違いない。
 ということで難易度の高めのアトラクション。
 貴族の屋敷にて公爵令嬢の父親タイプのご主人様にご奉仕していただきます。
 ただの公爵ではありません。私情を律して娘を厳しく育て上げた有能系のご主人様です。

「……えっ、これ大分ハードル高くありませんこと……?」

 御謙遜を。期待しております。

「こちらがお嬢様のメイド服となります。
 『アルティメットメイド服』ほどではありませんが、良い生地を用いた一級品でございます」
「ありがとうございますわ。見事に着こなしてみせますわ!」

 メイド・ロボットも期待しております。
 ベルナデットのために伝統的なクラシカルメイド服を用意する。
 スタイルの良いベルナデットの魅力を損なわぬよう腰回りをリボンで締め、胸部を強調するように整える。
 色黒の肌にメイド服の白地が良く映えていますね。美しい。

「えーい! 技術面での不安はありますが!
 試験官を終生の主と思ってご奉仕致しますわ!!
 何でもお申し付けくださいませ、旦那様!!」

 その意気やよし、メイドスタート!
 アトラクションの担当たる旦那様・ロボットが出陣する。
 旦那様・ロボットは水蒸気の出るパイプを吹かせて、堂々たるご主人様ムーブでテーブルに備え付けられたソファに腰を下ろす。

「……」

 無言でベルナデットを見つめる旦那様・ロボット。
 口で語らずとも察しろという難易度の高いメッセージである。

「フッ……」

 対するベルナデットはその意図を読み、落ち着いた様子で新聞を差し出す。
 旦那様・ロボットは新聞を受け取り、読み始める。
 そうして生み出した空き時間に、ベルナデットはお茶を用意するのだ。
 メイドたるもの、ご主人様を手持ち無沙汰で待たせるようなことがあってはならない。

「フッ……!」

 そうしてレシピ通りに淹れたお茶を、静かにテーブルに置くベルナデット。
 集中して新聞を読んでいるご主人様の邪魔をしないようにするサイレントムーブ。
 場合によっては「誰だこんなところにお茶を置いたのは!」という事故の要因になりかねないが、ベルナデットはご主人様が手を伸ばして届く位置にカップを置くことで、うっかり手がぶつかってしまうことを避けている。
 このような細かな気遣いは、高貴なるベルナデットが旦那様・ロボットの立場から考えて導き出した振る舞いであった。

 もっとも普通に声をかけて置いても問題はないのだが。
 ベルナデットは順調にご奉仕をクリアしていき、メジエール家の名に恥じない立派なご奉仕を果たして見せた。
 出仕する旦那様・ロボットを非の打ち所がない礼儀作法で送り出す。

 アトラクションの評価は……パーフェクト!
 試験官のメイド・ロボットが舞台裏から現れて、拍手する。

「コングラチュレーション……! 素晴らしい、見事なメイドでございました。
 旦那様もご満悦です。もちろん、スタンプは満開です」
「フッ……オーッホッホッホ! 当然ですわねー!
 礼儀のれの字も知らないような三流海賊とは出来が違うのですわー!」
「なんだと! 喧嘩を売るなら買うよ!」

 扉を勢いよく開いて、メイド服に身を包んだメリー・バーミリオンが殴り込んで来た。

「ちょっとあなた、出番が早いですわよ!?」

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

 アトラクションの室内で対峙する、ベルナデットとメリー。
 先手を取ったのは、ベルナデットだった。

「そこまで言うのでしたら、あなたもメイドをしてご覧なさい!
 まあ? もっとも? このわたくしを満足させられるとは思いませんが?」
「何ぃ? できらぁ! かかってこい、お嬢様!」

 挑発に乗り、メイドスタンバイを完了させるメリー。染まってきているようだ。
 旦那様・ロボットの代わりにソファに腰掛けるベルナデットお嬢様。
 試験官のメイド・ロボットは舞台裏に戻り、メリーのメイドを採点する準備が整った。

「さあ! なんでも言ってみなお嬢様!」
「…………」

 腕を組み、無言でメリーを見つめるベルナデット。
 その様子を見て、メリーは眉をひそめる。

「何だよ」
「はぁぁぁぁ。ダメですわ、ダメダメですわ!
 主人が何を望んでいるのか、心情をくみとることもできませんの?」

 やれやれ、と肩をすくめるベルナデット。
 あからさまな態度を見てメリーのこめかみあたりに怒りマークが浮かぶ。

「ぐっ、じゃあ、えーと……お茶を淹れますぜ!」
「宣言する暇があったらさっさと淹れてきたらどうですの?」

 ピキピキッ、という擬音がベルナデットの耳に聞こえてくる。

「わ、わかっ」
「あー、暇ですわー、お茶を待ってる間の時間がもったいないですわー」

 メリーの返事に対して、ベルナデットは食い気味に不満を主張する。
 メリーはテーブルを両手で叩き、ベルナデットに詰め寄った。

「じゃあどうしろってんだい! 言えよ!」
「ハッ」

 ソファに座ったまま足を組んで見下すという権力者っぽいポーズを見せて、ベルナデットは貫禄を見せつける。
 メリー、キレた。

「コイツ! 鼻で笑いやがったな!!」
「ご主人様をこいつ呼ばわりとは……。このメイド、クビですわね」

 ベルナデットの指パッチンに応じて、守衛系・ロボットが室内に入ってくる。
 同時に試験官のメイド・ロボットも出てきて、進行不可のプラカードを掲げる。
 メイドストップだ。

「これ以上はお嬢様にご迷惑がかかります。お引き取りを……」
「むきゃああああ!!」
「騒々しいですわ。
 メイドを名乗ろうというのなら、最低限の礼節は身に着けてもらいたいですわね」

 メリーが叫び暴れようとするものの、守衛系・ロボットが取り押さえて数秒動きを止める。
 その間に、表面上余裕を保っているベルナデットは優雅に立ち上がり、部屋を後にする。

「それではわたくしは先に進ませていただきますわ。ごめんあそばせー!」
「お嬢様、テメェェェェ!!」

 ベルナデットはスタスタと、『アルティメットメイド服』のある生産施設へと足早に歩を進めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

風斬・迅太
防具としてなんか魅力的なので個人的に欲しいですこのメイド服

ということでいざ挑戦
(メイド服着用なら死んだ目で着用)

とはいえ自分が知ってるメイドといえばハウスキーパーが雑用やってる程度なのでドゥーティさんに助力をお願いして仕事をこなします

洗濯、料理、掃除、裁縫、客人に会わない
自分が普段やってるのとは別の動作ばかりなので一人だとクリアできる気がしませんよこれ

でもこれけっこう楽しいと感じたのも事実です
人に仕えるとか奉仕するのっていいですね
でも衣装は男性用がいいです



●迅太の新人メイド。

 風斬・迅太(まな板・f06135)はグリモア猟兵から『アルティメットメイド服』のカタログスペックを聞いて、素直な感想を呟いた。

「何というか、防具として魅力的なので個人的に欲しいですこのメイド服」

 18歳の男児も魅了する素敵な防具、『アルティメットメイド服』。
 メイドアイランドにて好評配布中です。
 無事にポイントを貯めてスタンプを得られれば手に入れることができるでしょう。

 ということで。いざ、挑戦を、と。
 迅太は意気込んでメイドアイランドへとやってきた。

「……」

 当然、ここはメイドアイランド。
 迅太もメイド服を着用して、メイドをしなければならない。
 渡されたメイド服を男子更衣室で着替えた迅太は、死んだ目でメイ・ドゥーティの前に立つ。

「うんうん。よく似合ってますよ、迅太さん!」
「褒められても反応に困ります」

 迅太のメイド服を見繕ったメイも流石に自重したのか。
 クラシックなタイプの比較的スカートの丈が長く、フリルを抑えめにした大人しい雰囲気のメイド服を提供していた。
 色黒の肌にメイド服の白地が良く映えていますね。美しい。

「さて。とはいえ、自分が知ってるメイドといえばハウスキーパーが雑用やってる程度なので。
 ドゥーティさんに助力をお願いできれば……」
「おまかせください! 新人メイドを教導する先輩メイド、務め上げてみせましょう!」

 迅太がメイドに不慣れということもあり、メイは難易度の易しいノーマルタイプのメイド屋敷をチョイス。
 ここでは接客の必要はなく、メイド・ロボットたちと協力して一般的メイド業を行っていくアトラクションだ。
 すなわち、洗濯、料理、掃除、裁縫といった家事の範囲である。
 そうした奉仕活動を蓄積していくことで、少しずつポイントを貯めていくことができるのだ。

「ふぅ。自分が普段やってる運動とは別の動作ばかりなので、結構大変ですね。
 体力には自信があったんですが、一人だとクリアできる気がしませんよこれ」
「そうでしょうとも。メイドは華やかですが、その下では地道な努力とこまめな修練が培われているのです」

 休憩を取り、ストレッチをする迅太。
 戦いで使うものとは違う筋肉を酷使したことで、ほどほどの疲労感を抱いていた。
 綺麗で可愛いメイドさんたちは、鍛え抜かれた技術を身に宿しているのだ。
 腰を痛めないような体幹、荷物を効率よく運ぶバランス感覚、スケジュールを考え業務を遂行しつつも、イレギュラーに対応できるような処理能力。
 とても、すごいお仕事なのである。

「でもこれ、けっこう楽しいと感じたのも事実です。
 人に仕えるとか奉仕するのって、いいですね」
「お気づきになられましたか」

 迅太とメイは顔を見合わせて笑い合う。
 誰かの為になることをする。
 褒められたいだとか、承認欲求だとか、そういう意図もないとは言い切れないだろう。
 お給金をいただくメイド業、無償奉仕のボランティア活動。
 趣味でメイドをする人も、ご主人様を定めずにフリーランスで働くメイドも。

 メイドの根底にあるのは、人を支えたいという想いなのだ。
 そのことに気づいた迅太は、メイド道の第一歩を踏み出したのである。

「でも衣装は男性用がいいです」
「『アルティメットメイド服』のカスタマイズは結構融通が効くと聞いてますので、パンツタイプ(ズボンみたいなやつ)を頼めば良いかもしれませんね。
 よろしければ採寸いたしますよ」

 ……男装メイド。それはありかもだ。

●余談:メリー・バーミリオンの場合。

「さて、野郎共。準備はいいかい!」
「ヘイ、親分! 全員着替え終わってます!」「しっかり覚えてきましたぜ、姉御!」「お頭……、おれ、癖になっちまうよ……」

 メリー・バーミリオンとそのしたっぱの海賊船団員たちが、メイド・アトラクションの前に集結していた。
 度重なるメイドアイランドの洗礼を受けて、立派にメイドと化したメリー。
 そしてその部下である海賊船団員たちもまた、今やメイド服に身を包むメイド海賊団となっていた。

 アイパッチの男も、顔に傷のある男も、無精ひげを生やした男も、みんな可愛いメイドさんである。

「よーし! アンタたち、よく聞きな!
 ここのアトラクションでポイントを集めたら、アタシたちはお宝のある場所に通じる通路を通ることができる!
 究極の冥途の遺宝ってのが、究極のメイドの衣服だったのは想定外だけど、その性能はバカにできないもんだ!」

 このメリー、メイドアイランドに流されてメイドをしていた訳ではなかった。
 ちゃんとスタンプを集めて『アルティメットメイド服』の生産施設へと向かおうとしていたのだ。
 よく思い返せば、最初からスタンプ集めていた。

 流石は名だたる猟書家の海賊、侮れないということだ。

「『アルティメットメイド服』を独占して、最強のメイド海賊団を結成するよ!
 ついてきな、野郎共!」
「「「オオオオオ!!」」」

 部下たちに一切の疑問も不満もなく。
 したっぱたちは野太い声をあげ、メリーに続いてアトラクションへと突入していく。
 日ごろのチームワークを披露して、洗濯、料理、掃除、裁縫をクリアしていき、瞬く間にポイントを蓄積。
 メイド・ロボットたちから称賛を浴びつつ、無事に全員分のスタンプを獲得する。

「ま、アタイらが本気を出せばこんなところさ」

 ちなみにメリーは指図するだけで何もしていない。
 この女、自分の分のスタンプは略奪して集めていたのだ。

「いよいよお宝とのご対面だ!
 さっきからちょくちょく会ってる猟兵共もいるだろう。
 さあ! 気合入れていくよ!」

 メリーはメイド服のスカートを翻し、前進する。
 恐るべしメイド海賊団、もといメリー海賊団が、島の最奥へと向けて舵を取るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『メリー・バーミリオン』

POW   :    野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ   :    大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。

イラスト:和狸56

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は十六夜・巴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断章:メイドバトル! スタート!

 スタンプを集め、メイド・ロボットたちに案内されて島の最深部に到達した猟兵たちと、冒険商人メイ・ドゥーティ。
 そこは、まるでスペースシップワールドのコロニーのようなメカニカルな施設だった。
 一同の目の前ではファクトリー・オートメーション……ロボットたちによって生産されている『アルティメットメイド服』が飾られている。
 居並ぶメイド・ロボットたちが一つ一つ丁寧に、繊維から作り上げている様子だ。
 一機のメイド・ロボットが猟兵たちに近づき、丁寧にお辞儀をする。

「ようこそいらっしゃいました。
 メイドアイランドをご利用いただきありがとうございます。
 お土産の『アルティメットメイド服』をお渡しいたしますので、ご要望を伝達してください」
「なるほど。自分好みの『アルティメットメイド服』を作ってもらえる訳ですね」

 興味深そうに生産工程を眺めるメイ。長いので『究極服』でも構いません。

 猟兵たちが自分の『究極服』を発注したり、工場を見学したりしていると、入り口から猟書家が騒々しく駆け込んでくる。
 メイド服を着た、女海賊メリー・バーミリオンだ。

「追いついたよ! ここにあるお宝は全部……オイ、思った以上に多くないかい?」

 現在進行形で生産されていく『アルティメットメイド服』を見て一瞬呆然とするメリーであったが、気を取り直す。

「なら、この施設丸ごといただこうかね。
 そして、他のコンキスタドール連中にメイド服を売りさばくのさ!」

 なんということでしょう。
 メリーの目論見が上手くいけば、グリードオーシャンにメイド海賊団が量産されてしまいます。
 これはいけませんね。

「そんなことはさせないわよ、緋色のメリー!
 メイドは人それぞれ個性があるもの! みんな違って、」

 それ以上はいけません。

「とにかく! 独占は禁止! 猟兵の皆さんがあなたを成敗してくれるわ!
 『アルティメットメイド服』の用意はいいですか? 《オール・ワークス!》」

 メイが自身のユーベルコードにより、猟兵たちに助勢する。
 これにより猟兵たちは0.05秒で『アルティメットメイド服』に着替え、指定した技能一つを「100レベル」で使用できるようになるのだ!

 サーベルを抜いたメリーも、ユーベルコードを使用する構えだ。
 互いに、臨戦態勢は整った。
 それでは皆様。メイドの土産をみせてくださいませ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ※状況確認です。
  メリー・バーミリオンとの戦闘です。

  プレイングボーナスは『冒険商人と協力する』です。
  内容としては、メイ・ドゥーティは他対象の《オール・ワークス!》のようなユーベルコードを使用して、猟兵をサポートすることができます。
  それにより『アルティメットメイド服』に着替え、着用中の『アルティメットメイド服』の初期技能一つを「100レベル」で使用することができます。
  どの技能を選ぶかは、各自任意となります。
  もちろん、他に協力してもらう行動を指示することも可能です。

  皆様、よろしくお願いいたします。
イスラ・ピノス
おじゃましまーす。
スタンプ集めも楽しくてすっかり夢中になっちゃったけどメリーを撃退しなきゃだね。
おー、こういう感じなんだねー。メカニカルかっこいい。
ロボットにお辞儀返して要望も伝えよう。
んー…柔よく剛を制す感じ?

メイド海賊団も楽しそう。
でもコンキスタドールにやらせる訳にはいかないね。
メイド冒険商人団でいつか出来たら余裕があったら上手くいきそうだったら受け継いであげるから、ここでお帰り願うよ。
とか挑発しながらメイ・ドゥーティにお願いして早着替え!
選択技能は「カウンター」!
アルティメットメイド服ならきっとソーダパワージェネレーションの加減もばっちり!
がすっといっちゃうよ!


イオナ・アルフェラッツ
※アドリブ絡みトンチキ大歓迎
※リーゼ様(f30386)にイオナの人格で帯同

ええ、独占はいけませんっ
ってメイ様、何故私の服は扇情的なのです!?
え、リーゼ様の発案?ひ、酷いです…

【ロイヤル・サクリファイス】でメリー様を捕縛(100Lv)
後は因果律耐性簒奪で支援する為【其は悲哀の詩】発動
下っ端の皆様とメリー様を不幸にすれば完璧でs…

…し、下っ端の皆様が裸!?いやぁぁあっ!
私は惨状に動転しましたが、色々『幸運』も…?

・暴走した【シラー】が下っ端の皆様を薙ぐ
・仮想流星雨がメリー様へ直撃…等

◆♡ナースメイド♡究極服
文字通りナース服との折衷
爆乳完全対応等セクシーさ重視
副人格(ミュウ)のスライムボディにも対応


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【POW】
※アドリブ絡みトンチキ大歓迎
※イオナ(f34022)を使役

グリードオーシャンをメイドオーシャンに?
うん、面白そーだけどブチのめそっか♪

海賊へ駆けつつミニスカ等で華麗に誘惑して
下っ端達をアタシへ【おびき寄せ(100Lv)】
もちろん罠♡

【マトリクス・メモリ】で
オペ58番【フィーンドハミング・ユニバース】展開
『平和な世界の発生源』による因果改変で
下っ端の武装&メイド服を亜空間没収して無力化♪

後は【アギト】や【ウインド・ミル】で撃破っ
きゃー、メイドに手を出す不埒者ー♡

◆♡ナースメイド♡究極服
白基調&黒装飾、白衣の様なコート付き、可愛げ重視
疑似双子(シャル)用に『黒基調&白装飾』の同型品も希望


ベルナデット・デメジエール
あらあら、このメイド服は究極の名に相応しい者だけが着る事が出来るからこそ価値がありますのよ?
それを中身が伴わない輩まで普通に着れるとなったら究極服の名折れ、ボロ布と変わりないですわ!
そんな事も分からないとは、不作法なだけでなくおつむも残念ですのね!

わたくしの究極服の技能は[多重詠唱]
つまりこのメイド服を纏ってアルカナ・ブラスターの詠唱を行う事によって、
普段と同じ詠唱時間でその何十倍の時間を掛けたのと同様の威力を引き出せるのですわ!
さあ、行きますわよ!津波だろうが何だろうが、吹き飛ばして差し上げますわー!


風斬・迅太
【初期技能:見切り】
カラーリングでメイド服が元になっているとだけ分かる男性用メイドスーツ着用
下はスカートではなくスラックス
軽いし動きやすいし気持ちも背筋もピシっとなりますねこれ

前線は自分がやりますのでドゥーティさんは援護に専念してください

バーミリオンさんは初対面ですが顔立ちもスタイルも良いのでメイド服が凄く似合ってるというのが率直な感想(むさい手下どもは意図的に無視)
敵なので全力で討ち取りに行きますけど

真っ先にバーミリオンを倒しに行き、敵集団の四散を狙います

独占などという暴挙は阻止させてもらいます
あとバーミリオンさん? 言動が粗野すぎるので礼儀作法身につけることを薦めますよ!

アドリブ連携歓迎


ティフティータ・トラーマ
アドリブ&連携OK、SPDシーブズ
「仰せのままに、お嬢様。」
なんとなくアトラクションの続きノリで究極暗殺冥途化し
「加速する為に脱いだらメイドじゃなくなる?そうやって見た目に囚われるからダメなのよ。」
とはいえ加速できないのは事実なので「シーブズ」が解除されたところを船団淫に囲まれるも
「コレぐらいでヤられてたら、仕事にならないのよね。今はコレの御陰で調子がいいし。」
『究極服カウンター』で返討にしながら、投擲の威嚇射撃でメイへ向うのを妨害すると
「さ、時間切れよ。ソレに…脱がなくても身軽にはなれるのよ?」
UCを再起動してメリーさんに突っ込みながら、
余計な暗器を撒いて足止め&身軽になり加速します。


ミリアリア・アーデルハイム
ご奉仕に慣れているとはいえ、実際にやってみると「メイド道」とは厳しい物ですね。メイドにとって勝利とは「どんなご主人様であろうとその方の為になることをし、ご満足いただくこと」と心得ました。
真・メイドになるにはまだまだ修行が必要ですね!
(何しに来たか忘れた)

メイさんのUCで光を纏いながらアルティメットメイド服を装着

今こそメイドアイランドの全てのメイド様方の安寧の為にご奉仕を!
UC(全力魔法、Lv100祈り)で、メイさんの願いを叶え「究極服の独占を企む者に真のメイド魂が宿るまで根性叩き直す」地形に

海賊団さんが獲得したのは、屈辱ではなくメイドの真心です☆
メリーさんは、修行最初からやり直しましょうね!


尾守・夜野
「いきなり人前で着替えだなんて…ちょっとビックリしたのだわ」
とりあえずUCっぽい何かによる着替えだから人の記憶には残ってないと信じたいわね…え?何?敵に見られてた?
「…殺しましょう!(人格的に)淑女の裸を見てただですむとは思わないでね?」
クラシカルなメイド服で表面上にこやかに
ただ溢れる殺意からきっと【威圧感(LV100)】は感じてらっしゃるのではないかしら?

威圧により動きを鈍らせUCを当てようとするわ
「…デメリット?言ってごらんなさいな
当たらなければ?当たるようにすればいいのよ
…まぁ例え避けようとUCが効かないだけでフィジカルで攻めるだけよ!
私達にとっては日常だもの!」


久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


何かこのアルティメットメイド服神聖帯びている気が…?

浄化が100レベルとなり発動しっぱなしのUCの影響で後光が付くレベルになってしまう
って、あの…幽霊さん達が俺見て成仏していくんっすけど…?

我に返ったメリーに胸倉掴まれるとフェロモンが至近距離で溢れ、ぼーっとしたメリーさんの手を掴みおでこをちょんと叩き「めっ!ですよ?」と諭します
毒気抜いたらUC無自覚の介抱術を使用して胸元に顔を優しく引き寄せ頭を撫でましょう
頑張ったね、えらいえらい…けどね?ちゃんと皆で分け合わない子はダメですよ?と慈愛を込めて諭し心を癒します

大人しくなったら家に来ます?と誘いUC無自覚の使役術で使役獣化させます


神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

店長さんとメイさんが最終的にコーディネートした見た目のアルティメットメイド服になりましたね。
……では、お嬢様に満足してお帰り頂けるように頑張りますか。

(店長さんとメイさんが争いの末に決めた、クールでありながらキュートな所も残す、悪く言うと中途半端、良く言えば多くの需要に応える究極服に身を包んで、UC『万花変生』を使用。)

お帰りなさいませ、お嬢様。
お食事のご用意が出来ております……いらない?
いえ、食べて頂きます。手間を取らせないでください。

(クールに可愛らしくと言う事で、クーデレな感じで育成プログラムを終え、さらにメイさんに『悪のカリスマ』を強化して貰って、クール多めで対応していく。尚、今回はオブリビオン対応なのでUCの大量の蔓によってメリーへの対応は大分強制的)

今日は『とても美味しい致死毒料理コース、隷属もあるよ』です。
美味しくできましたので……食べて貰えると嬉しいです。

(最後は恥ずかしそうに微笑みながらデレる。尚、毒料理を食べるのは、UC使用による強制である)


碧宝珠・愛羅々
数世代に渡ったであろう、これほどの復旧を成し得た島の先人たちに敬意を。

いつでもいいわ!早着替えよろしくね。

ついに袖を通す時が来たわね!究極コックメイドここに登場!

誰かのために作る心がある限り、メイド心が止まらないわ!

できる事なら、海賊さん達も、お客様としておもてなしたかったけど、転売用の究極服は、用意できそうにないわ。

コックメイドにできることはただ一つ!料理を作って振る舞うことよ!

究極服なら匂い移りは気にしなくて良さそうね。UCと残りの食材全てで作るわ!

料理の邪魔をする輩はLv100ロープワークで縛って吊るすわ。

行儀よく待ってた方は、倒れるまで召し上がれ!

これで、骸の海に還ってもメイ度アップ。



●選定の究極服! 第一班!

 メリー・バーミリオンが到着する前のこと。
 メイ・ドゥーティと十一名の猟兵たちは自分たちの『アルティメットメイド服』の製造に取り掛かっていた。
 ロボットと応答を繰り返したり、メイや他の猟兵と相談したり、淡々と内容を伝えたり……順調に自分たちだけの『アルティメットメイド服』をデザインしていった。

「おじゃましまーす!」

 イスラ・ピノスは元気よくロボットたちに挨拶をした。
 スタンプを持参した客人にへ向けてお辞儀をして迎え入れるロボットたちをみて、イスラもまたお辞儀を返す。

「おー、こういう感じなんだねー。メカニカルかっこいい」
「ええ、なかなか不思議な施設ですね。綺麗な金属で……。
 ところで、イスラさんはどのようなメイド服を希望しますか?」
「ん-……そうだね」

 イスラはメイの問いを聞いて、顎に手を当てて少し考え、要望を出す。

「柔よく剛を制す感じ?」
「ほほう。……なるほど?」
「かしこまりました」

 その意図をくみ取り、ロボットたちがイスラ専用の『アルティメットメイド服』の製造に取り掛かる。
 綺麗な青い髪とのコントラストを考え、黒地に白いコブシの花模様の刺繍を施す。
 白いエプロンドレスには躍動感のある波をイメージした桃色の線を入れることで、流れるような躍動感をアピール。
 そしてスカートの丈を短めに、袖を五分に抑えることでイスラの活発さを表現する。

「おー! きれいだね!」
「お気に召されたのであれば幸いです」

 納品したメイド・ロボットが恭しくイスラに礼をする。

 一方、隣の製造ラインでは、イオナ・アルフェラッツとリーゼロッテ・ローデンヴァルトが独自の『アルティメットメイド服』の発注を行っていた。
 正確には、リリー先生が行っていた。

「んっふっふ♪ いいねいいねぇ♪」
「あ、あの、リーゼ様、私の服は……」

 リリー先生は巧みにタッチパネルを操作してデザインをまとめ、手早くロボットに要項を伝えて製造の開始を指示する。
 工場はすぐさま稼働し、リリー先生の意向通りの『アルティメットメイド服』を作り上げる。
 イスラのメイド服を作り終えたメイが、完成した三着の衣装を運んでくる。
 それは、ナースメイドをイメージしたメイド服である。一着は私情によるお土産である。

「リーゼさん、素晴らしいですね!
 白衣のようなコートに、白を基調とした黒色の装飾を施したメイド服! ナース服にも見えてメイド服であり具合によってはドクター服にも見える柔軟性! リーゼさんの体格に合わせた可愛らしさと医療従事者を彷彿とされる知性が合わさって映える! それにモノクロを反転させた同型品も素晴らしい、使い分けなのでしょうかいやそれならばパターンがもっと生み出せるはずこれは並び立つどなたかとペアルックとするのでしょうか判断ができませんがリーゼさんと同サイズであることをイメージすればお二人が並び立てば間違いなく一級品の美しさ」

「ってメイ様!? 何故私の服は扇情的なのです!?」

 メイがリリー先生に差し出した二着の可愛げ重視のナースメイド服と比べてみると、イオナのナースメイド服はセクシー重視。
 ボインキュッボインにも完全に対応した全年齢対象可能な美しいメイド服である。
 もちろん、イオナの副人格であるミュウのスライムボディにも対応できる、柔軟な素材で作られている。

「なぜ、と申されましても。
 指示通りに製造されたメイド服を持ってきただけですから……リーゼさんの発案なのでは?」
「うふっ♪」
「えっ、リーゼ様の発案? ひ、酷いです……はうぅ……」

 フルフルと震えるイオナであったが、もうそろそろメリーがやってくる時間である。
 作り直す余裕はない。

「それじゃあ順番にお着替えさせていただきます! 《オール・ワークス!》」

 まず先に用意が済んだイスラ、イオナ、リリー先生を着せ替えするメイ。
 お着替えを終えて、イスラは意気揚々と拳を握りしめる。

「スタンプ集めも楽しくてすっかり夢中になっちゃったけどメリーを撃退しなきゃだね」
「ええっ! それでは、私は皆さんの所を回っていきますので!」

 メイ、次の方々へ回ります。

●選定の究極服! 第二班!

 続きましてはベルナデット・デメジエール、ミリアリア・アーデルハイム、神咲・七十の番である。
 ちょうど製造が完了した三人はメイの《オール・ワークス!》を受け、光を纏いながら華麗に『アルティメットメイド服』にお着替えを果たした。

「ふぅ……素晴らしい。お三方とも、三者三葉のベストマッチ……! 美しいです!」

 ベルナデットの白色をメインテーマにしたメイド服は、吸血鬼イメージの黒い蝙蝠の刺繍と華々しい赤色の薔薇の花の刺繍を魔法陣のような煌めくラインで結び付けており、愛らしさと妖艶な雰囲気を醸している。

 ミリアリアの桜色を基調としたメイド服は、彼女の琥珀色の瞳と金色のリボンにマッチしており、明るい笑顔と華やかさを前面に押し出している。
 キュッと絞られた袖や襟がメイドとしての凛々しさを、ふわふわとしたスカートが空気で膨らみ可愛らしさをこれでもかと表現している。

 七十のクールでありながらキュートな所も残すという下手をすれば中途半端になってしまうファッションセンスも、スリムな腰回りと綺麗な肩を見せつけるスタイリッシュさと胸部や背部を赤いリボンで装飾するという可憐さで上手に調和を保っていた。
 腹部の傷跡は露出しないように配慮させていただいております。

「ベルナデットさんの大人っぽい色気を重視したメイド服! 白を多く取り入れることで清純さを残しつつも吸血鬼としてのイメージをちりばめることで妖艶さを見事に表現しております! ミリアリアさんの可憐なメイドさん風味も実に見事! まるで不思議の国のアリスを彷彿とさせますがそこはメイド! 稚さだけではないご奉仕するメイドとしての様もきっちりと見せているっ! そして七十さんありがとうございますグッドデザインを私たち頑張りましたよ店長ここにハレルヤ! やっべぇですキュートビューティーでありクールビューティーグッジョブ! グッジョブですっ! 肩と太もものチラリズムが、そう! これはセクシービューティー!」

 興奮しているメイはさておき。

「ご奉仕に慣れているとはいえ、実際にやってみると『メイド道』とは厳しい物ですね。
 メイドにとって勝利とは、
 『どんなご主人様であろうとその方の為になることをし、ご満足いただくこと』と心得ました。
 真・メイドになるにはまだまだ修行が必要ですね!」

「その意気ですわミリアリアさん!
 津波だろうが海賊団だろうが、メイさんが満足いくまで吹き飛ばして差し上げますわー!」

 ふんすと意気込んでいるミリアリアと、高笑いを上げて意気込んでいるベルナデット。
 二人と並んでいる七十は、身にまとった『アルティメットメイド服』を見下ろして、ふと微笑む。

「店長さんとメイさんが最終的にコーディネートした見た目のアルティメットメイド服になりましたね。……ふふ。
 ……では、お嬢様に満足してお帰り頂けるように頑張りますか」

 静かに、それでいて二人のレトロウィザードと同様に意気込んでいる魔王は、入口の方から騒々しく近づいて来るお嬢様へと視線を向けていた。

●選定の究極服! 第三班!

「数世代に渡ったであろう、これほどの復旧を成し得た島の先人たちに敬意を」
「あの……何かこのアルティメットメイド服神聖帯びている気が……?」

 完成した『アルティメットメイド服』を前に礼をする碧宝珠・愛羅々と、お任せ設定をした結果神々しく輝く『アルティメットメイド服』を産み出してしまった久遠・翔は、隣り合わせのレーンにいた。
 メイが近づいて来ると愛羅々は元気いっぱいに振り返る。

「さあ! いつでもいいわ! 早着替えよろしくね!」
「あ、あの、ちょっと待っ」
「はい、お任せあれっ! 《オール・ワークス!》」

 愛羅々の元気のいい返事に応えて、メイがユーベルコードを起動した。
 愛羅々の身を覆うのは、当然コックメイド服!
 白一色であるものの、愛らしさは損なわない。
 ボタンも布で作られているため熱にも衝撃にも強く、料理に混入する事故を未然に回避。
 強固なロープが装飾代わりに全身を張り巡らせており、料理はもちろん給仕にも活用できる優れたロープワーク100レベル。無体なお客様の拘束にも最適だ。
 そしてコック帽をホワイトブリム代わりにピシッと決めた、厨房の支配者としての威厳が感じられる御姿である。

「ついに袖を通す時が来たわね! 究極コックメイドここに登場!
 誰かのために作る心がある限り、メイド心が止まらないわ!」
「いよっ! 待ってました、愛羅々さん! お綺麗ですよっ!」

 そして翔の身を包むのは、アトラクションで着込んでいたようなクラシックスタイルののメイド服。
 あえて個性を繕わず、素材の持ち味を活かすべきという判断でしょう。
 《無自覚の交渉術(テンプテーション・ネゴシエイト)》が1140レベルの誘惑・コミュ力・交渉・世界知識・礼儀作法を生み出している。さりげなくレベルアップされておりますね?
 これほどの力量差、さすがのアルティメットメイド服といえど効果は薄く……。

「薄く? ……否! そう、否ですっ! 豊満なる双丘が、メイド服を押し上げています! 頑強な『アルティメットメイド服』は容易くは破れません、破けませんっ! しかしそれでいて柔軟に、双丘の形状を崩さぬよう支えているのです! 輝かしい後光が放たれ、翔さんはあたかも聖なる天使の如く! 私の瞳に映っているっ!」

「ううっ……で、でも、もうすぐ時間になるし……。よし、俺、頑張るっす!」
「……」「……(ぐっ)」

 気合を入れて腕を上げる翔。揺れる豊満。視線を向ける愛羅々さん。
 口を開くことが出来なくなったメイは滴る流血をぬぐいつつ、無言で親指を立てて残る猟兵たちの元へと向かって行った。
 これ以上ここにいると気絶してしまいそうなので。

●選定の究極服! 第四班!

「間に合いましたね! それではお着替えの時間です! 《オール・ワークス!》」

 迫り来るメリーが近づく前に、血を洗い終えたメイは風斬・迅太、ティフティータ・トラーマ、尾守・夜野の三人の猟兵に《オール・ワークス!》を放つ。
 発注を済ませて、現物を手にしていた三人は、瞬時に想定通りの『アルティメットメイド服』へと着替えを済ませる。

「ああ……美しい……! 頑張ってくださいね、ティフティータお姉さま!」
「仰せのままに、お嬢様」

 ティフティータはアトラクションで演じたノリのまま、究極暗殺冥途と化していた。
 恭しくメイにカーテシーを披露して、戦闘態勢に映る。
 傍目にはここまでと変わらない、暗殺者スタイルの『アルティメットメイド服』のように見えるが……。
 後に明らかにされる秘策を忍ばせていた。

「いきなり人前で着替えだなんて……ちょっとビックリしたのだわ」
「ご安心を、0.05秒で終わりましたよ」

 夜野はクラシカルなアルティメットメイド服を着て、照れくさそうに微笑みながらその場で軽く一回転。
 ふわりと浮かぶロングスカートが大人びた夜野の魅力を十分にアピールしている。

「そうね。メイさんのユーベルコードによる着替えだし、他の人の記憶には残ってないと信じたいわね」
「あー、その……」
「迅太さんもよくお似合いですよ。……ふむ。執事系メイドもイけますかね?」

 迅太は他のメイドたちとは異なり、一人スーツタイプの『アルティメットメイド服』を着込んでいた。
 カラーリングは一般的なモノクロの、メイド服をベースにしていることが分かる色合いで、スカートではなくスラックスでピシッと決めている。
 軽く、動きやすく、自然と背筋が伸びる凛としたスタイルだ。カッコイイ……。

 そんな迅太が顔を俯かせて、夜野に告げる。

「光って、ましたけど、一瞬、その……じ、自分は見てないです!」

 メイは「Oh」と自らの失態に驚く。
 まあ、11人にユーベルコードを使用していったのだ。疲弊もするだろう。

 そして、ピシリと、夜野が一瞬硬直する。
 ギギギッとメリーの方へ顔を向けると、メリーはすでに召喚した海賊船団員を従えていた。
 当然、彼らが敵である猟兵たちから視線を逸らすはずもないのだが……メリーの後ろにいる男性メイド数名は、照れ隠しなのか視線を背けていた。
 つまり迅太とティフティータと夜野の早着替えを一瞬目撃したことを態度で示していた。優れた動体視力である。

「あら、私たち。見られたのね。……そう」
「……殺しましょう!」
「み、皆さん! 自分は前線に入りますので! よろしくお願いします!」
「そ、それじゃあ私は後ろに下がりますね! ご武運をー!

 メイがメイド・ロボットたちと共に後方へと下がり。
 斯くして戦端が開かれる。

●そしてオープン・コンバット! メイドの始まり。

「行くよ野郎共、仕事の時間だ!!」
「「「おおーっ!」」」

 メリーはメイド服を装備した海賊船団員を率いて、突撃を開始する。
 したっぱと言えど、メイド・アトラクションを潜り抜けてきた益荒男たちである。
 『アルティメットメイド服』の生産施設を奪おうと向かってくる海のメイドたちを前にしても、メイド猟兵たちは怯むことなく立ち塞がる。

 戦列の前に出た迅太とイスラが、メイド海賊団の突撃を抑え込む。
 『アルティメットメイドスーツ』を着用したことで、見切り100レベルとなった迅太には海賊船団員の動きは止まって見える。
 『ドラゴンランス』を手に迫り来る海賊船団員を串刺し、槍を叩きつけた衝撃波で弾き飛ばしていく。

「独占などという暴挙は阻止させてもらいます!」

 負けじとイスラもその手を振るい、海賊船団員を張り倒していく。
 イスラはむやみに突っ込んでくる海賊船団員を、『アルティメットメイド服』のカウンター100レベルにより的確ピンポイントで迎撃していく。

「メイド海賊団も楽しそう。でもコンキスタドールにやらせる訳にはいかないね。
 だから、メイド冒険商人団でいつか出来たら余裕があったらさ!
 上手くいきそうだったら受け継いであげるから、ここでお帰り願うよ!」

 拳だけではない。
 イスラはカウンターに合わせて、《ソーダパワージェネレーション》を用いている。
 全身を雷を発電吸収する泡のオーラで覆い、自身のオーラのしゅわしゅわ感と雷のばちばち感に比例した戦闘力増強を得る自己強化型ユーベルコードだ。
 触れた端から、海賊船団員は感電して倒れていく。
 ついでに時速一万キロを超える飛翔能力も得る。

「さあ! このままがすっといっちゃうよ!」

 動きやすい『アルティメットメイド服』の機能もあって、迅太とイスラのディフェンスラインは後衛の猟兵たちを守る双璧として稼働している。
 そうして二人が護る後ろから、愛羅々とミリアリアが支援行動に出る。
 リリー先生は面白い()ことを準備しているようです。

「この究極服なら匂い移りは気にしなくて良さそうね!
 手持ちの食材全てで作るわ! 《ウォー・アイ・満漢全席!》」

 愛羅々がロープを展開し、十人の猟兵たちのもとへメイド料理をお届けに上がる。
 メリーたちとの戦いで負傷しても、立ちどころに治療することができるのだ。

「コックメイドにできることはただ一つ!料理を作って振る舞うことよ!」
「ありがとうございます!」「わっ! ありがとう♪」

 いざという時にすぐに回復できるという安心感を得て、迅太とイスラの動きはよりキレを増していく。
 そしてミリアリアが、手を組んで、祈りを捧げる。
 清浄なる祈りが、『アルティメットメイド服』によって全力で発揮される。

「……ここに、約定は成された! 汝の望む楽園を顕現せん!
 今こそメイドアイランドの全てのメイド様方の安寧の為にご奉仕を!」

 ユーベルコード《約束の地》。
 紡がれた願いを約定と成す光を降らせる事で、戦場全体へのバフ(有利な状態効果)を発揮させる。
 それは、ミリアリア以外の任意の者の望みと同じ環境に変化するというものだ。
 ミリアリアの選んだ者とは、猟兵たちを導き、支え、後ろで応援している冒険商人。
 メイ・ドゥーティ、その人である。
 メイの『アルティメットメイド服の独占を企む者に真のメイド魂が宿るまで根性叩き直す』という願いを、祈りを通じて約定と成して、ミリアリアはこの戦場に存在する望みに適応した者の行動成功率が上昇させていく。

 すなわち、この場にいる猟兵たち全員を強化させるのだ。
 当然、アルティメットメイド服を独占しようとするメリーたちはその恩恵は与えられない。

「海賊団さんが獲得したのは、屈辱ではなくメイドの真心です☆
 メリーさんは、……修行、最初からやり直しましょうね!」
「うるさいねっ! 手下の手柄はアタシの手柄なんだよ!」
「あらあら、まあまあ! 品がないですわね!」

 ミリアリアのお言葉に噛みついたメリーに向けて、ベルナデットが大きく声を張り上げる。

●ワタシが知る限り一番規模の大きい大津波デース。

「あらあら、このメイド服は究極の名に相応しい者だけが着る事が出来るからこそ価値がありますのよ?
 それを中身が伴わない輩まで普通に着れるとなったら究極服の名折れ、ボロ布と変わりないですわ!
 そんな事も分からないとは、不作法なだけでなくおつむも残念ですのね!」

「この声っ……お前っ! あの時の! おちょくりやがって! ぶっ飛ばしてやる!
 食らいな! 大逆転! 元の木阿弥大津波ー!」

 それは、羅針盤戦争において猛威を振るった緋色のメリーの代名詞。
 メリーのサーベルから、メリーが受けた屈辱の数に比例した威力と攻撃範囲の津波を放つユーベルコードだ。
 実のところ、前章の因縁と今の口論で思いっきり屈辱を受けているため、結構な威力となっている。

「フッ。わたくしの究極服の技能は多重詠唱100レベルを代行しますわ。
 つまりこのメイド服を纏ってアルカナ・ブラスターの詠唱を行う事によって、普段と同じ詠唱時間でその何十倍の時間を掛けたのと同様の威力を引き出せるのですわ!
 さあ、行きますわよ! 津波だろうが何だろうが、吹き飛ばして差し上げますわー!」

 ミリアリアの支援を受け、悠々と語りながらベルナデットが《アルカナ・ブラスター》を放つ。
 詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する白炎属性の破壊光線という、シンプルにして強力な攻撃が大津波を貫通して、その奥にいるメリーに深手を与えることに成功する。
 そう。大津波を貫通した。

「あいたぁ!?」
「あっ。貫通してしまいましたわ!?」
「大丈夫よ」

 形を崩しながらも迫り来る大津波へ向けて、慌てるベルナデットの横から夜野が姿を見せてユーベルコードを起動する。
 開かれた大津波の穴を通って、その先にいるメリーへと視線を繋げる。

「逃がさない……逃さない……捕らえた」
「あぐっ!?」

 『夜野の他の人格からくる大量の情報からの意識の混濁』や『身に宿す呪詛による手足の壊死・炭化に伴う痛み』などの、夜野が普段感じている諸症状の共有化を行う呪詛を放つユーベルコード《幸災羅苦禍(コウサイラクカ)》。
 命中すれば命中するだけ、対象の攻撃力を減らしていくその呪詛は、全て命中するとユーベルコードを封じる。
 一つ、二つと呪詛が連なり、その全てがメリーに降り注ぎ、大津波はかき消された。

「ナイスフォローですわ! 夜野さん!」
「ふふっ……ベルナデットさんが、開けてくれたからよ……さて」

 津波を避けていた海賊船団員たちを、夜野がにらみつける。
 先ほど夜野に見られ、顔をそむけたギルティメンバーだ。
 夜野は(表面上は)にこやかに微笑みかける。

「淑女の裸を見てただですむとは思わないでね? ……許さないわ」
「ひっ」

 頭目であるメリーを苦しめた呪詛の担い手に睨みつけられる。
 その事実だけで海賊船団員たちは威圧され、身動きが鈍る。
 ただ溢れる殺意は、『アルティメットメイド服』の効能により100レベルに達していた。ただのしたっぱでは耐えられない。

 その隙を逃さず、迅太は《ドラゴニック・エンド》を使用する。
 槍による攻撃が命中した対象に、高威力高命中の召喚ドラゴンを放つ竜騎士の模範的ユーベルコードだ。
 断末魔や悲鳴を上げる海賊船団員を多く吹き飛ばし、余裕のできた迅太は一息つく。

「バーミリオンさんは初対面ですが、顔立ちもスタイルも良いのでメイド服が凄く似合ってると思うんですけど」

 むさい海賊船団員や大海賊の霊のメイド姿は意図的に無視して、ぼそっと率直な感想を呟く迅太。
 夜野の呪詛に苦しんでいたメリーは、耳を大きくしてそばだてた。

「でも、言動が粗野すぎるので礼儀作法身につけることを薦めますよ!」
「あげて落とすのかー! チクショウ!」

 戦いは、猟兵たちに優勢なまま続いていく。

●メイドトリック・ショウダウン。

 元の木阿弥大津波を封じられ、海賊船団員たちも足止めを食らっている今。
 メリーは最後のユーベルコードを披露した。

「ちょこざいな……! なら、お宝発見アイ!
 アンタたちの技のデメリット、見抜かせてもらうよ!」

 メリーが目を光らせる。
 猟兵たちが次にユーベルコードを起動するその瞬間を見て弱点を指摘し、実際に実証してみせようというのだ。
 上手く行けば、同伴している大海賊の霊がそのユーベルコードを三分間封じ込める。
 警戒する猟兵たちの中、動いたのはティフティータであった。

「別に……脱がなくても身軽にはなれるのよ?」

 ユーベルコードを使用せず、ミリアリアの支援を十分に受けてティフティータは飛翔する。
 『堕天使の翼』を羽ばたかせ、メイド服を靡かせて、海賊船団員を越えてメリーへと肉薄する。

「舐められたもんだ! ユーベルコードを使わずにアタシに勝てるとでも!」

 メリーは猟書家であり、羅針盤戦争を戦い抜いた猛者である。
 ユーベルコードを使わずに太刀打ちできる相手ではない。
 しかし。
 反撃でまず一人、猟兵を下せるというメリーの甘い考えは、容易く脱ぎ捨てられた。
 ティフティータの暗殺メイド服と共に。

「なっ!?」

 『アルティメットメイド服』のカウンター100レベル。
 そして、『アルティメットメイド服』を脱いだことで条件を満たした《シーブズ・ギャンビット》の加速した素早い一撃。
 メリーは瞬間的に、至近距離で速度を上げたティフティータを捉えることができず、ティフティータのダガーがメリーの身体に深々と突き刺さる。

「コレぐらいでヤられてたら、仕事にならないのよね。今はコレの御陰で調子がいいし」
「ちょ、待ちなっ! メイド服を脱いだら力が、……はっ!?」

 そう。『アルティメットメイド服』は『二着』あった……!
 上に着込んでいた暗殺メイド風の『アルティメットメイド服』と!
 下着として身に纏っていた『アルティメットメイド下着』だ!
 メイド風とはいえ下着、露出が過多になってしまいますが、普段のティフティータの服装よりは布地が多いのでヨシ!

「加速する為に脱いだらメイドじゃなくなる?
 そうやって見た目に囚われるからダメなのよ。さ……時間切れよ」

 ティフティータが届けたのは、ダガーによる攻撃だけでない。
 彼女を伴って最前線まで姿を見せたのは、七十である。

「お帰りなさいませ、お嬢様。お食事のご用意が出来ております」
「は……? いや、戦闘中でしょ、敵の出すもんなんか食えるかっ!」

 礼儀正しい七十に一瞬虚をつかれるも、メリーはダメージを押してサーベルで斬りかかろうとする。

「……いらない? いえ、食べて頂きます。手間を取らせないでください」
「もごっ!?」

 メイ・ドゥーティと店長メイド・ロボットの育成プログラムにより。
 クールに可愛らしい、クーデレ風味でご奉仕する七十は悪のカリスマ100レベルの貫禄でお食事を強要させる。
 ヤン……? 知らない単語ですね。

「今日は『とても美味しい致死毒料理コース、隷属もあるよ』です」
「んごぉ!?」「毒料理……!?」

 遠くで超級料理人の愛羅々が何か叫んでおりますが、今はメリーさんの容態を確認しましょう。
 七十のユーベルコード《万花変生》により育成された植物からなる本日のレシピ。

 その多種多様な未知の植物は、敗北の感情や屈服・服従の感情を与える事に成功した対象を隷属させ取り込み、召喚対象にする植物を飛ばすというそれはそれは恐ろしい効果を……、なんてものを食べさせているのでしょう。

「美味しくできましたので……食べて貰えると嬉しいです。
 ……えっと……お口に合いましたか?」
「うごあげっ!」

 恥ずかしそうに微笑みながらデレる素振りを見せる七十と、強制的に摂食させられているメリー。
 その攻防が繰り広げられている間に海賊船団員の数は減っていき……お色気三人衆がアップを完了させた。

●ここから先はメイド指定だ。

 お色気三人衆、もといリリー先生、イオナ、翔の三人は最後方で準備を完了させていた。
 二人の♡ナースメイド♡と一人の傾国メイドの存在感は世の男性たちを虜にすることでしょう。

「グリードオーシャンをメイドオーシャンに? うん、面白そーだけどブチのめそっか♪」
「ええ、独占はいけませんっ」
「あの、さっきからこっちに近づいてきた幽霊さんが俺見て成仏していくんっすけど……?」

 リリー先生は下っ端の海賊船団員たちの視界に入ると、華麗に誘惑を開始する。
 見惚れた海賊船団員はイスラや迅太に吹っ飛ばされていくが、それは目的ではない。

「行くよ、イオナ! 『マトリクス・メモリ』起動!
 オペ58番、《フィーンドハミング・ユニバース》展開!
 『平和な世界の発生源』による因果改変♪」
「はい、リーゼ様! ステラ! ロゴスイグニッション!!」

 《Op.LVIII:F.HUMMING [U](フィーンドハミング・ユニバース)》
 それは、無力化と武装解除専用の『発生源』制御領域を放ち、自身から117m半径内の指定した全ての対象を攻撃するリリー先生のユーベルコードである。
 何が起こったのかというと、海賊船団員たちに限定して、武装解除とメイド服を亜空間へと没収して無力化を行ったのだ。

 武装とメイド服を失ったメイド海賊団に何が残るか?

「……し、下っ端の皆様が裸!? いやぁぁあっ!」
「いやあはこっちのセリフだあああ!?」

 悲鳴を上げるイオナ。破廉恥な姿を晒す海賊の男たち。これはいけませんね。
 イオナは《其は悲哀の詩(ロゴスイグニッション・ミスフォーチュン)》を用いてリリー先生の補佐を行っていた。
 星座・星辰に纏わる力を操り星天の記憶を司る記録媒体型メガリス『ステラ・メモリ』による仮想凶星の流星雨を解放し、戦場の敵全員の守護星の加護を乱す事で因果律攻撃耐性を奪って不幸を与えるというものだ。
 因果改変しやすいよう耐性を奪うという主従のコンビネーションである。
 なお、自身には奪った総量に応じた幸運を付与する。

 すなわち……。

「きゃー、メイドに手を出す不埒者ー♡」

 リリー先生が放つプラズマガン・光刃発振器・汎用ワイヤー・折畳機構を搭載した多機能型両刃剣『OCG/GD:DrLiLY-14019u アギト』や、機関砲内蔵の丸鋸型ドローン群『RXS-F-074SG-LEX ウインド・ミル』による攻撃が、イオナにとって運よく海賊船団員たち命中していく。
 そも、ZEMRAである彼らには碌な防御手段はなく、回避行動は夜野の威圧で阻害されている。
 詰みである。

 海賊船団員を全滅させた猟兵たちは、残るメリーへと近づいていく。
 七十に致死量の料理を食べさせられて痙攣しつつも、メリーの闘志はまだ消えていなかった。
 メリーの後ろに残っていた大海賊の霊は、近づいてきた翔の清らかさに昇天していった。

「なんで、っすかねぇ……」

 イオナは神話『アンドロメダの乙女』に基づいた聖銀の鎖『ロイヤル・サクリファイス』を取り出して、メリーを縛り上げる。
 完全に抵抗することができなくなったメリーを前に、どうするかと猟兵たちは顔を見合わせる。
 放置しても倒れるメリーを、これ以上傷めつけるのかと……。
 まあオブリビオンですし、トドメを刺せばいいとは思うですが、こう、絵面的な問題がね……。

「ぐっ……この、お前らぁ……!」

 このままでは倒錯的になってしまう。
 そうなる前に、翔が前に出て、メリーに歩み寄る。
 そして睨みつけるメリーのおでこを、ちょんと叩く。

「……めっ! ですよ?」

 誘惑1140レベルの寵姫の微笑みがメリーの眼球を通して脳髄を貫いた。
 さらには、翔のフェロモンが至近距離で溢れ、鼻孔の奥から脳髄を刺激していた。
 そして翔の優しい言葉が、メリーの鼓膜を奮わせて脳髄を焼いていた。
 ぼーっとしたメリーを優しく引き寄せ、抱きしめる。
 ありったけの想いを籠めた優しい抱擁が、メリーの心や体に染みつく絶望を癒していく。

「頑張ったね、えらいえらい……けどね? ちゃんと皆で分け合わない子はダメですよ?」
「……あ、あ……」

 優しく頭を撫で、慈愛を込めて諭す翔。
 その姿は、『アルティメットメイド服』の後光も相まって、宗教画の聖女系のようだった。

「……家に来ます?」
「……ままぁ」

 《無自覚の使役術(リンカーネーション)》。
 翔の無自覚ボディに誘惑されたメリーは、光り輝くと小さくなっていく。
 翔と『アルティメットメイド服』の浄化によって清められたメリーは、チビキャラに変身させられ、無力化されてしまった。

 こいつ、お持ち帰りするつもりか!? けしからんいいぞもっとやれ!
 閑話休題。

●まだ登り始めたばかりのメイド坂。

 メイド海賊団を目論んだメリー・バーミリオンは浄化され、翔ママのベイビーとなった。
 祝福しよう。

「できる事なら、海賊さん達もお客様としておもてなしたかったけど、転売用の究極服は用意できそうにないわ」

 代わりにと、愛羅々は残ったメイド料理を消えて行った海賊たちのいた場所へお供えする。
 ミリアリアをはじめとする幾人かも、彼らの冥福を祈る。
 これで彼らも、骸の海に還ってもメイ度アップであろう。

「皆さん、お疲れ様でしたっ!」

 そして、後方待機していたメイはメイド・ロボットたちを連れて合流する。
 満面の笑みを浮かべ、キラキラと目を輝かさせている。

「まさか、メリー・バーミリオンをヨウジョにするとは……流石です!」
「お疲れ様でした。皆様、大変すばらしいメイドでございます」

 そのまま、着用した『アルティメットメイド服』は持って帰っていいとのことだ。
 ただ、メイの《オール・ワークス!》の効果時間が消えると、せいぜい着心地が良くて機能性があり防刃防弾性能完備の上各種属性魔法への抵抗力上昇と付着した汚れを自動的に落とすクリーニング効果くらいしか付随していないのだが、グッドデザインであるため普段着として着用することもできるだろう。

「こんな素晴らしいメイドもとい猟兵の皆さんと出会えて、楽しく嬉しく喜ばしいです!
 また縁がありましたら、メイドしましょう!」

 メイ・ドゥーティはメイドのスペシャリストだが、トレージャーハンターである。
 グリードオーシャンで何かしらの予兆があれば、居合わせることもあるかもしれない。
 何はともあれ。

 十一人の素晴らしいメイドたちは、一つの島を護り抜いたのです。

「ありがとうございましたっ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月02日


挿絵イラスト