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甘ったるいのも悪くはないが

#デビルキングワールド #掃除屋からの“掃除”依頼

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#デビルキングワールド
#掃除屋からの“掃除”依頼


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 グリモアベースで優雅に紅茶を嗜むヒース・アーベル(胡散臭い掃除屋・f35538)は、集まってきた猟兵たちに目もくれず、お茶菓子であろうチョコレートを一つ摘み口に入れた。
 その様子を見た猟兵たちは、非常に戸惑った。自分たちはこの男に呼ばれて来たのだ。それなのに、当の本人はお茶を楽しんでいる。何なんだ。何がしたいんだ。一部の猟兵はそう思っただろう。
 そんな猟兵たちの胸中も知らず、ヒースはもう一度紅茶に口をつける。カップをソーサーに置くと、ようやく口を開いた。
「皆さん、楽しい“掃除”の時間です」
 いや、本当に何なんだ? わけが分からない。そう言いた気な表情を浮かべ、困惑する者も現れ始めた。その内の一人が、「一体どういう意味なのか」とヒースに直接尋ねる。
「デビルキングワールド、皆さんご存知ですよね? あの、とっても愉快なことができる……失礼。悪魔がオブリビオンに協力する世界です。そこに、なんとも甘ったるい香りをさせたオブリビオンが出現しました。
 その甘ったるい香りは、オブリビオンがいる屋敷から出てもするそうで、大変近所迷惑になっているんだとか。ま、ご近所悪魔は喜んでいましたけどね。ですから、“掃除”をしましょう」
 つまり、オブリビオンが出たので倒せ、ということか。普通に言えば良いのに、と思ったが誰も口には出さなかった。
 そんな猟兵たちのことを一切気にせずに、ヒースは話を続けた。
「実は、それよりも気になることがありまして。理由はよく分からないのですが、悪魔たちは積極的にD(デビル)を献上しているようなんですよ。そういうユニコード持ちかもしれません。
 Dが集まればカタストロフ級の儀式魔術が使えるようになる……それ以前に、金銭の一極集中は良くないと思いませんか? ええ、思いますよね。パーッと使ってこそ景気が良くなる。そういう物でしょう?
 とにかく、オブリビオンを倒して、献上されたDを強奪して遊びまくってください。そして、その姿を悪魔たちに見せつけてやりましょう!
 都合が良いことに、屋敷からそう遠くない場所でお祭りがあるようですよ。なんのお祭りかは知りませんが」
 そこまで言い切ると、ヒースはもう一度紅茶を口にした。それから、何かを思い出したかのように「あ、」と声を漏らす。
「オブリビオンに会う前に、一般悪魔の方々と対峙すると思います。数が多いので、まともに相手にはしないでください。強行突破はおすすめしません」
 ヒースがパチンッと指を鳴らすと、グリモアが現れる。
「それでは、楽しんできてください。“掃除”も忘れずに」
 にっこりと微笑むと、そのまま猟兵たちを見送った。


萩野 千鳥
 はじめまして、こんにちは、こんばんは。萩野千鳥です。
 早速ですが簡単に説明致します。

『第一章:集団戦』
 屋敷の中を一般悪魔たちが警備しています。警備網を掻い潜り、オブリビオンのいる部屋まで辿り着いてください。
 彼女たちは、謎用語を使って会話しています。具体的には、なんか厨二病っぽい感じで話しています。
 皆好きな服を着ているようなので、プレイングで指定があればできるだけ反映します。

『第二章:ボス戦』
 オブリビオンは溶けたチョコを操ります。チョコを投げてきます。とにかく、甘い香りがします。ですが、年齢制限的な展開にはならないので悪しからず。
 頑張って“掃除”をしてください。

『第三章:日常』
 冬祭りの時間だ〜〜!!!!!
 派手に遊んでください! 以上!!

『断章について』
 今回は、第二章と第三章の前に入れる予定です。
 その際のプレイング受付時間等は、タグ上でお知らせ致します。

『他』
 アドリブ、共闘不可の場合は、その旨をお伝えください。
(例:ア×、共×、等)
 その他細かいことは、お手数ですが、執筆者ページを見ていただけると幸いです。
 また、こちらは“掃除”というテーマで単発シナリオをやっていくシリーズ(予定)です。このシリーズはシナリオのスピード完結を目指しているので、プレイング〆切は早めです。サポートも多めに採用します。
 シリーズと称していますが、シナリオ自体は続き物ではありません。お気軽にご参加ください!
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第1章 集団戦 『黒光輪秘密話術教団』

POW   :    私のダークネスクロニクルに触れさせてやろう
自身が【当人にしか意味の通じない日常話をして】いる間、レベルm半径内の対象全てに【理解しようとすること】によるダメージか【雑な相槌で受け流して休憩すること】による治癒を与え続ける。
SPD   :    良くお聞きなさい、わたくしこそは~
【自身の考えたできるだけ難解な名乗り口上の】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
WIZ   :    我々の崇高なる言葉はわからぬだろう……多分
【ごく普通の辞書や辞典】から、対象の【聞いた者を困惑させたい】という願いを叶える【謎用語】を創造する。[謎用語]をうまく使わないと願いは叶わない。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ

変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】【範囲攻撃】を叩き込む戦術になる


阿紫花・スミコ(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒。暗い過去を持ちつつも性格は明るい。自信家で挑発的な一面がある。力があれば何をしてもいいというようなダークセイバーの領主達を心底嫌っている。機械系に強く様々な世界の機械知識を広く持ち自作ガジェットの研究・開発を行っている。

からくり人形「ダグザ」:巨大な棍棒で敵を粉砕する。
精霊銃「アヴェンジングフレイム」:黄金に輝くリボルバー。弾丸には炎が宿る。
ワイヤーギア:射出したワイヤーを引っかけ、巻き取りと、蒸気噴出で推進力を得る。

「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう?…お前が奪われる立場でも同じことが言えるかな!」

(エロやグロに巻き込まれなければどんな展開でも大丈夫です)



 屋敷前に送り出されると、ほのかに甘い香りが漂っていた。これ、虫とか寄ってこないのだろうか。そう思いながら久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)は屋敷を眺めていた。
「どーすっかな……」
 オブリビアンは倒すべきだが、中を警護している悪魔たちは厄介だ。悪魔たちは他の世界の住民と比べ、かなり力を持っている。一人ひとりが、猟兵に匹敵する程の力を持っているのだ。いくら経験を積んだ猟兵であっても、多くの悪魔たちを相手にするのは大変だ。だからといって、裏から掻い潜ってというのも違う気がする。
「やっぱり、こっそり入るよりド派手にやっちゃった方が悪魔たちの目も引けるし良いよね?」
 遥翔の隣で同じように屋敷を眺めていた阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)は、からくり人形のダグザを用意しながら続けた。
「だから、もう正面玄関は壊して乗り込むなんてどうかな?」
「確かにな。けど、あまり派手な騒ぎを起こすと逃げきれなくなるぞ」
「それは、ボクの【アクアカーモ】があるから大丈夫だよ。いざとなったら、それを使って紛れよう」
「そうか。だとしたら身軽な方が良いな……」
 そう言って、遥翔はフレアライザーに変身した。スミコもダグザを動かす準備ができたようだった。
「俺は上から、阿紫花は地上から壊すぞ」
「オッケー! こっちは準備できてるよ」
「よし、いくぞ!」
 遥翔の声かけと同時に、正面玄関がドガァァンッ!! と、大きな音を立て破壊される。予想通り、その音を聞いた悪魔たちは玄関の方へ集まってきた。
「なっ!! 一体、何事だ!?」
「くっ、我ら教団の噂を嗅ぎつけ、奴らがやって来たのか?」
「ああ、あの『雷光を秘めし双槍軍』が……!」
「何を言っている? 『聖月救世教』だろう?」
「いや、『紅に染まりし幻刀』だ!」
「違う違う! 『荒龍の民・グラフドラゴニアン』だ!」
 遥翔とスミコは特に名乗りを上げていないにも関わらず、悪魔たちは各々好き放題に言っている。ここで、明確な団体名(?)を出してしまえば、集団で襲ってくる可能性がグンッと上がる。ならば、混乱させたままの方が都合が良い。
 遥翔はスミコの方に「屋敷へ向かうぞ」と合図を送る。それを正確に読み取ったスミコは、遥翔と共に混乱に乗じて屋敷へと侵入を果たしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤城・碧
「いわゆる中二病かこいつら」

多少逡巡したのち、ユーベルコードを発動し、分身体を悪魔の前に出させ名乗りを上げることで『存在感』を出し『時間稼ぎ』をする。

「時には白き悪魔、時には黒き呪い、時には紅の魔眼所持者Aと人は呼ぶ……我こそは、未知なる世界の探求者、紅蓮星(カラミティスカーレットノヴァ)…!貴様たちも名乗りでよ!」

『忍び足』かつ『闇にまぎれる』ことで『目立たない』ようにして進もう。『迷彩』も展開しておこうかな。バレそうになったら『残像』で誤魔化す



「いわゆる厨二病か、こいつら」
 破壊された正面玄関に集まる悪魔たちを眺めながら、赤城・碧(黒き百合は咲き乱れ白き少女は希う・f02420)は一人納得していた。
 さて、この後はどうしようか。折角、正面玄関が破壊されているのだから、自分もそこから入れば良い。だが、のこのこと悪魔たちの前に出ていけば恰好の餌食だ。碧は少しの間、どうしようかと逡巡する。そうしている内に、ふとある案を思いつく。そうだ、自分の分身を囮にしよう、と。分身体で時間稼ぎをしている間に、侵入してしまえば良いんじゃないか、と。
 碧は【オルタナティブ・ダブル】でもう一人の自分を呼ぶ。彼に指示を出すと、彼はすぐに悪魔たちの前へ躍り出た。突然現れた異分子に、悪魔たちが気づかないわけがない。皆、一斉に碧の分身体の方を見る。
 悪魔たちを前にした碧の分身体は、妖刀・黒百合の呪いの影響で左眼に蒼い焔がぼぅっと灯る。それを見た悪魔たちの間に緊張が走る。
「時には白き悪魔、時には黒き呪い、時には紅の魔眼所持者Aと人は呼ぶ……」
碧の分身体はスッ、と刀を掲げると、悪魔たちに刃先を向けるよう振り下ろした。
「我こそは、未知なる世界の探求者・紅蓮星(カラミティスカーレットノヴァ)! 貴様たちも名乗りでよ!!」
 その名乗り口上を聞いた途端、悪魔たちはわぁっと盛り上がりを見せる。
「ふっ、やはり『紅蓮星』、貴様だったか」
「ええ、私は分かっていましたよ。こんな芸当、貴方でなければできない……」
 各々なんだか楽しそうに色々と喋る。その中から、リーダー格の悪魔が一歩前に出て声をあげた。
「そう言われたなら仕方がありません。良くお聞きなさい。わたくしこそは、黒光輪秘密話術教団(ダークネスヘイローカナートナラティビティ)の幹部にして、紅輪の幻想曲、幻瀧術の使い手! わたくしたちの野望は、あなた如きでは打ち砕くことなどできませんよ!」
「それはどうかな?」
 碧の分身体はニヤリと不敵に笑う。
「本当打ち砕けないのか、力比べをしようじゃないか。一人ずつ相手にしてやる」
「ふっ、大した自信ね。良いわ、どこまで耐えられるかしら?」
 悪魔たちは碧の分身体が言った通り、律儀に一人ずつ戦うらしい。二人の戦いを見ようと、悪魔たちの視線は、完全に碧の分身体へと集まっていた。今がチャンスだ。
 流石に同じ人物がいるとすぐにバレてしまうだと考えた碧は、迷彩を展開し、音を立てずに屋敷内部の闇へと紛れ込む。途中、悪魔が碧の方を振り返った。だが、気のせいかと見逃したので、碧も問題なく屋敷に侵入できたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
お掃除は得意分野です。そしてチョコレートは正義!
箒と掃除機のローラちゃんを連れて意気揚々屋敷に乗り込みます

ハウスクリーニングサービスです!ご依頼ありがとうございます!

オブリビオンの居場所を探しつつ、秘密話術に聞き耳を立てます。面白いお話をしていらっしゃるので混ざりたい!
UC
難しいお話を互いに理解していらっしゃってすごいですね!でも、一口にりんごと言っても思い浮かべた品種は違うかもしれませんし、1個といっても本来全く同じ物など存在しませんよね?
つまり、貴女達の理解は実は「幸いにも相互理解と認識された相互誤解」という事にならないでしょうか。
議論の種を撒いて紛糾している間に擦り抜けましょう。



 正面玄関の方が騒がしかったので裏口から入ることにしたミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)は、自前の棕櫚箒とクロウラー式掃除機のローラちゃんを持って屋敷へと足を踏み入れた。
 初めの内は隠れながら屋敷の中を進んでいた。隠れている最中に出会った悪魔をよくよく観察してみると、警備にあたる悪魔たちは各自好きな格好で歩いている。しかも、何やら独特な、面白い言い回しで会話をしている。ちょっと会話に混ざりたい……そんな気持ちが半分、こそこそ隠れている方が怪しいのでは? という気持ちが半分。結果、ミリアリアは隠れるのを止めて、オブリビオンがいそうな部屋を堂々と探し回った。
 正面玄関での出来事のせいか、屋敷内の警備にあたっている悪魔の数は少ない。時々すれ違う悪魔たちからも会釈される程度なので、オブリビオンの居場所はあっさりと見つかるかもしれない。ミリアリアはそう思っていたのだが。
「……君は」
「えっと、何でしょうか?」
「見ない顔だな。この黒光輪秘密話術教団の幹部である私の目は誤魔化せんぞ?」
「もしかして、今表にいる『紅蓮星』とやらの仲間なのでは?」
 流石に、悪魔たちに気づかれてしまう。さて、この状況をどうしようか。ふむ、とミリアリアはその場で考え込む。
「なんだ? 返事をしないということは、もしや……悠久の甘味たる主を灼熱の聖焔で討ち滅ぼしにきたのか?」
「ええ、ええ。そうに違いありませんよ、千羽の勇。きっと彼女は魅了せしメイラードに、鋼鉄の一手と共に破壊を……!」
 相変わらず、各々好きなように言い合っている。面白いことに、全く別のことを言っているのにも関わらず、会話が成り立っている。互いに大まかな共通の認識があるからこそ、できる芸当なのではないか。だから、相手の言っている事を否定せずに、会話が続いているのだろう。そう分析したミリアリアは、こっそり【神威暴走】を発動させる。
「皆さん、難しいお話を互いに理解していらっしゃってすごいですね!」
 ミリアリアはにっこりと笑う。悪魔たちはその言葉を聞くと、「それほどでも……」とちょっと照れている。そんな姿に、ミリアリアはほんの少し申し訳なさを感じながらも「でも、」と続けた。
「一口にりんごと言っても思い浮かべた品種は違うかもしれませんし、一個といっても本来全く同じ物など存在しませんよね? つまり、貴女たちが理解していると思っているものも、実は『幸いにも相互理解と認識された相互誤解』という事にならないでしょうか」
 そう言うと、悪魔たちの間に冷たい空気が流れる。そんな中、ミリアリア「それでは、先を急ぐので」と悪魔たちの間を通り抜けた。背後から「わ、私は〜」と互いに言い合っているのが彼女の耳に届いたが、気にせずオブリビオンのいる部屋探しに戻った。


 紆余曲折あったが、ミリアリアはようやく屋敷の一番奥の部屋の前に辿り着いた。既に他の猟兵たちも集まっており、もうすぐ突入しようか、というところだった。
 猟兵たちは互いに「いくぞ」と頷き合いながら扉を開く。扉を開けた瞬間、むせ返るような甘い香りが広がった。そんな中、ミリアリアは対峙すべきオブリビオンに言い放った。
「ハウスクリーニングサービスです! ご依頼ありがとうございます!」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『甘き令嬢『チョコレートレディ』』

POW   :    甘いチョコを味わいなさい
【溶けたチョコ塊を投げること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    無駄な抵抗ですわ
対象のユーベルコードに対し【自信が操る溶けたチョコ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    わたくしに従いなさい
【甘い視線】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

和田町・いずみ
電脳魔術士×バトルゲーマーです。
大人しい18歳の女性で、何かに熱中すると猪突猛進します。
天然クールで少々ポンコツです。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。

アドリブ・連携は大歓迎。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。

SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎



 屋敷の中も確かに甘い香りはしていた。だが、この部屋はそれ以上だ。甘い物が苦手な人ならば、すぐに辟易してしまうだろう。そんな部屋の中心部には、ダークエルフのオブリビオンが椅子に腰をかけていた。
「あら、貴女たちもD(デビル)を献上しにきたのかしら」
「生憎、手持ちはありませんので」
「ごめんなさい。その代わりに、あなたを”掃除“しに来たよ」
 和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)と政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)はそう言うと、各々自身の武器を取り出した。
 先に朱鞠が【降魔化身法】を発動する。一時的に朱鞠は毒に蝕まれるが、動けない程ではない。チョコレートレディの前に駆け出した。
「無駄な抵抗ですわ」
 チョコレートレディは周囲に溶けたチョコを集めると、朱鞠を捕獲しようとチョコを飛ばしてくる。だが、妖怪などを宿した朱鞠にとって、簡単に避けられるものだった。全てを避けきると、拷問具『荊野鎖』を放ち彼女を捕縛する。鎖に付いたスパイクで、簡単には抜け出せない。
「いずみさん!」
「任せてください」
 いずみは白いライフル銃を構え、パァンッと一発撃った。初撃は見事、チョコレートレディに命中する。「ぐっ……」と苦々しい表情を見せた彼女に、二撃目を喰らわせようと構えるが。
「──っ!」
「甘く見ないで欲しいわ」
 未だ捕縛されたままだが、チョコを操りこちらへと弾丸のように飛ばしてくる。流石にこの状態では、安定して撃つこともできない。
 ──こうなったら仕方がない、アレを使うか。いずみは電脳ゴーグルを着け、次の攻撃を予測する。朱鞠も、攻撃の隙を作るべく、忍者手裏剣『鳳仙花』で翻弄する。チョコレートレディは、攻撃と同時に全ての武器を弾き返そうとするが、流石に手が追いつかなくなってきたらしい。徐々に疲労の色を見せる。
 いずみは、その隙を見逃さなかった。ユーベルコード【parablepsia】を発動する。その影響で、普段よりもより正確に、より的確に、目標を捉えた。
 パァンッと二撃目が、チョコレートレディを撃ち抜く。急所には当たらなかったが、動きを鈍くするには問題ない攻撃だ。しかし、攻撃の影響で、チョコレートレディを捕らえていた荊野鎖が外れる。
 二人は一度後ろに引き、次の攻撃機会を待った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤城・碧
俺との相性があまりにも悪いな……さて、どう戦うか…

デュオリボルバーのイフリートの炎属性とウンディーネの水属性の【属性攻撃】を【一斉発射】しながら気を窺うか

基本戦術が銃撃だと錯覚させられたところで距離を詰め【零距離射撃】をするような【フェイント】を仕掛け、妖刀≪黒百合≫に持ちかえ【2回攻撃】を発動しながらユーベルコードを発動。攻撃するのは目が司る視覚、そして脳がもつ認識能力。視覚を潰せば目視での確認は不能だし、認識能力をつぶせば気配や敵との距離感も分からず相手のユーベルコードも封じれる算段だ。
あとは妖刀で斬ったり双銃やV.M.Sで撃ったり

「悪いな。卑劣だが、こうでもしないと戦うのが難しくてな。」



 さて、どうやって戦おうか。碧は二人の攻撃を支援しつつ、思考を巡らせていた。というのも、自分はあのオブリビオンとあまり相性が良くないように見えるからだ。
 相手の身体を拘束しても、チョコを操れるのであまり意味はない。隙を突かない限り、単純な攻撃は防がれてしまう。何か致命的なダメージを与えられたなら、戦況は変わってくるだろうが……いや、方法はある。あまり取りたくない手段ではあるが。
 ライフル銃での狙撃と交代する形で、碧はデュオリボルバーをチョコレートレディに向けて構えた。片やイフリート、片やウンディーネの加護を受けたものだ。その双銃から、それぞれの属性を付与された弾丸が一斉にチョコレートレディに向かって飛ぶ。だが、碧の予想通り、それらは溶けたチョコによって阻まれる。
(やっぱり、こうなったか。それなら、俺が銃撃しかしないと錯覚させて……)
 方針は決まった。とにかく、数を撃つ。薬莢が幾つも床に落ちていく。
「ふふ、この程度かしら! さっきは油断したけど、弾なんて大したことはないわ」
 そう言うと、再び弾丸はチョコで防がれ、チョコレートコーティングされてポロポロと落ちる。だが、そんな煽りも気にせずに碧は撃ち続ける。勿論、チョコレートレディは全て防ぎきる。しかし、先程から防戦一方で、積極的に攻撃してこない。先に戦った二人の攻撃も警戒しているのだろうか。
(攻撃してこないならこないで問題ない)
 碧はデュオリボルバーの攻撃を止めずに、懐へと距離を詰める。そして、零距離射撃をしようと銃を構える。咄嗟に、チョコレートレディは零距離射撃を防ごうと双銃の銃口付近にチョコを集め始める。
「悪いな」
 碧は双銃を手放し、すぐに黒百合に持ち替える。
「真・我流奥義外式――業鵠滅閃――」
「なっ……!」
 急に攻撃方法の変更に、チョコレートレディは対応しきれなかった。避けきれず、もろにその刃を受ける。周りにも、碧が目を斬ったように見えただろう。だが、肉体に傷は無い。しかし――
「なに、これ……っ!!」
 ユーベルコード【業鵠滅閃】で、一刀目は視覚、二刀目は認知能力を直接斬ったのだ。
 彼女は溶けたチョコで碧を狙おうとした。だが、能力自体を斬られたせいか、その攻撃は避けずとも当たることはなかった。
「卑劣だが、こうでもしないと戦うのが難しくてな」
 碧はそう言うと再び距離を取り、可変機構銃器・V.M.Sをショットガンに変化させ攻撃を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリアリア・アーデルハイム
何て美味しそうな・・・おっと、いけませんね、あれはオブリビオンです。
屏氷万里鏡を展開して防御 
黄金の騎士よ!と騎士を呼び出し
やや離れた位置から敵の意識が多方面に向かうよう、掃除機のローラちゃんと共にレディに向かわせ(フェイント)自分はスケルトンマントで不可視化、箒で上空へ。
2体が敵UCの射程に入る前に真の姿を解放して先制攻撃を試みます。

とっても勿体ないですけど「灼熱の聖焔」でしたっけ?で焼きチョコになっていただくと致しましょう

UC(全力魔法、浄化、誘導弾)
焼けた所からローラちゃんが食べていいですよ。先刻は一般悪魔さんを食べるの我慢しましたからね!
討滅できれば私も一口いただいてみたいですね。


ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。



 チョコレートレディは視力と認知能力を奪われたからか、乱雑に溶けたチョコを飛ばしまくっていた。特に狙いを定めているわけではないので、避けることは容易だ。この状態ならば突っ込んでも問題なさそうだ。そう判断したミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)は、【プログラムド・ジェノサイド】を発動する。
「これでどうにゃ!」
 チョコレートレディに近づくと、超高速で攻撃を繰り出す。だが、流石に近距離で攻撃を受けると、位置が分かるらしい。チョコを広範囲に広げて、盾のように扱う。これでは攻撃が通らない。だが、ユーベルコードの影響で、しばらく動きは止まらない。どうしようか……ミルディアがそう考えていると、「大丈夫ですよ!」と遠くからミリアリアの声が聞こえた。
「落ち着いたら、避けてくださいね」
「了解にゃ!」
 ミルディアから返事を聞くと、ミリアリアは屏氷万里鏡を展開する。展開時に現れた無数の氷の欠片は、乱雑なチョコの攻撃を防ぐ。それと同時に、「黄金の騎士よ!」と呼びかけるように召喚する。クロウラー式掃除機のローラちゃんと一緒に、騎士をチョコレートレディの元へと向かわせる。騎士にわざと派手な音を立たせて、位置を確認させることも忘れない。これで、チョコレートレディの意識は、ミリアリアの方に向かなくなった。
 念のために、ミリアリアはスケルトンマントを使い姿を隠し、箒で上空へと飛ぶ。誰にも見られていない間に、真の姿を解放する。普段の姿とは異なるが、既に姿を隠しているので誰にも気づかれない。
 丁度良いタイミングで、ミルディアの攻撃の手が止み一時的に後ろへ引く。これで、遠慮なく攻撃ができる。
「『灼熱の聖焔』でしたっけ? とっても勿体ないですけど、焼きチョコになっていただくと致しましょう」
 ミリアリアはにっこり微笑むと、周りに氷花が現れる。
「氷獄に現の花が咲くならば、柵木に花を告うものか……咲け!」
「いやっ、いやぁああ!」
 氷花がチョコに当たるとぼぅっと蒼炯の炎が燃え上がり、液状のそれが焼き上がり固まっていく。甘い香りに芳ばしい香りが混ざる。チョコレートレディも、その蒼炯の炎に包まれながら燃え尽きていった。
「やったかにゃ?」
「ええ、もう大丈夫そうです」
 ミリアリアは元の姿に戻り、ミルディアの元へと降り立った。ローラちゃんに「食べていいですよ!」と言うと、物凄い勢いで周りの焼きチョコを吸い込んでいく。
「私も一口……」
「オブリビオンを食べるのかにゃ!?」
「駄目ですか?」
「駄目じゃにゃいけど……お腹壊しそう、にゃ」
「うーん、いけると思うんですけどねぇ……」
 そう言って、ミリアリアは固まったチョコを一口サイズにパキッと折り食べる。
「! 甘くて美味しいです!」
「私は遠慮しておくにゃ。それより、こっちを回収しにゃいと」
 ミルディアは部屋の隅の方に大量に置かれた箱を一つ開ける。その中には大量のDが入っていた。これを全部使い切るのには骨が折れそうだが……
(確か、近くでお祭りをやっているんだっけにゃ……どんなお祭りにゃのかにゃあ?)
 猟兵の皆でDの入った箱を外に運び出しながら、ミルディアはそう思った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『祭りだワッショイ、大騒ぎ!』

POW   :    めいいっぱい暴れる、それが祭りのルール!

SPD   :    より多くの店を回り、イベントに参加してみせる!

WIZ   :    知略だ、ゲームだ、ギャンブルだ!

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 冬祭り、といっても千差万別。氷像を飾る祭りもあれば、収穫祭の延長上にある祭りも存在する。それは、デビルキングワールドでも同じである。
「そっちはどうだ?」
「完璧っす!」
「どれどれ……うん、上出来だな」
 屋台のすぐ隣に煌びやかな灯籠が飾られているのを見ると、親方風の悪魔が満足気に頷いた。
 この地域に伝わる冬祭りの一つ、灯籠祭りは、会場の至る所に灯籠が飾り付けられている祭りである。灯籠の種類も様々で、古風な物から最新技術を駆使したデジタル灯籠、これは本当に灯籠か? と思うような物など……とにかく、種類が多い。
 それと同時に、出店している屋台の数も多い。スタンダードなお祭り飯を楽しめる屋台もあれば、冬だからか、暖かい飲み物を提供している屋台もある。勿論、射的やくじ引きもあるし、何故か悪魔レース(どの悪魔が一番早くゴールするかを賭ける、競馬や競艇のようなもの)もある。つまり、何でもありである。

「今年も盛り上がると良いっすね!」
「おぅ、そうだなぁ」
 彼らはまだ知らない。大量のDを持った猟兵たちが、その祭りに向かっていることを。


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【マスターより】
 灯籠、屋台の描写は好きに書いてもらって構いません。生やします。
 灯籠の購入はできませんが、制作者にチップを渡すことはできます。
 悪魔レースに出場する悪魔は様々です。もし、具体的な種族・見目があれば反映します。また、最低限何番人気の悪魔に賭けるかを書いて頂ければ、参加出来ますのでお気軽に。
 楽しくDを消費してくださいね!
根津・玲生(サポート)
 ダンピールの魔女×人形遣い、25歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、敵には「威圧的」(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 根津・玲生(ダンピールの魔女・f34925)は屋敷から運び出されたDの入った箱を抱えながら、この大量のDをどう使おうか悩んだ。猟兵たち皆で分けたが、それでも一人で使うには十分すぎる量が入っているように見える。
(お祭りとはいっても、とても高価な品があるわけでもないし……困ったわ)
 恩人に助けられるまではずっと牢獄で過ごしていたとはいえ、恩人に拾われて以降はずっとデビルキングワールドで育ってきたのだ。屋台などで買える物は、玲生にとって珍しい物ではない。あえて言うなら、いたるところに飾り付けられた灯篭は、この世界では珍しい物だ。だが、それらはあくまで飾りであって商品ではない。
 ぶらぶらとお祭り会場を眺めていると、ある屋台から威勢の良い声が玲生の耳に届いた。
「おっ、そこのお姉さん! デビルキング焼、お一つどうだ?」
「デビルキング焼?」
 屋台に様々なデビルが模られた人形焼のような物が、ずらりと並んでいる。一つ、二つくらいなら玲生だけでも食べきることはできる。だが、今回は普通にお金を使うだけでは駄目なのだ。派手に、目立つように、Dを使わなくては。
「でしたら、とりあえず全部ください」
「へい! ……ん? 全部!?」
「そう、全部」
 食べきれない分は、戻ってから他の猟兵たちに配れば良い。そう考えた玲生は、とりあえず手持ちのDが入った箱を店主に渡す。
「これで足りるかしら」
「た、足りるもなにも、こっちが貰いすぎてしまう!」
「そう? それなら、もう少し作ってもらえる? それでも余るなら、迷惑料として受け取って欲しいわ」
「そ、そんな……!」
 玲生と店主の会話を聞いた周りのデビルたちが、ひそひそと話し始める。
「買占めですって」
「全く、他のデビルのことを考えていない……全く本当に」
「本当に、最高にかっこいい……!」
 もし、これが他の世界だったなら、非難の声に聞こえただろう。だが、ここはデビルキングワールド。悪魔たちの声には感嘆の色が混ざる。
(うーん、この感覚は慣れないわ……)
 玲生は苦笑する。店主に「焼き上がったら、教えてね」と言うと、近くのベンチに座り既に出来上がっているデビルキング焼を頬張った。

成功 🔵​🔵​🔴​

赤城・碧
「悪魔レースか。面白そうだ」

悪魔レースを観戦。参戦する悪魔たちの戦績や戦法など色々【情報収集】しよう。観戦者に【コミュ力】を活かして聞き込むのもありだな。
小柄な6番人気のやつに【第六感】が働きそいつを応援することに。

観戦中は、賭けた悪魔の名前を呼びながら【鼓舞】。勝敗はお任せ



『灯籠祭り 悪魔レースの会場はこちら』
 碧の目に入ったのは、全く祭りらしくないことが書かれた看板だ。周りの悪魔たちが「今日は誰が勝つだろうか」「俺はスカーレットに賭ける」等と、互いに言い合っている。どうやら悪魔レースというのは、賭け事ごとの一種らしい。
「悪魔レースか。面白そうだ」
 賭けごとならば、簡単にDを消費できる。勿論、当ててしまったら配当金分増えるかもしれないが……その時はその時だ。碧はそう思いながら、レース会場へと足を伸ばした。

 碧が会場へやって来ると、既に悪魔レースは盛り上がりを見せていた。どうやら、丁度第一レースが始まったばかりらしい。悪魔レースとはどういったものなのか。それを知るためにも、碧はまず観戦した。
 どうやら、そこそこ長いトラックを走るレースのようだ。とはいえ、ただの競争ではない。走っている最中に、自身に能力強化の術をかけることや、進行不可にならない程度の妨害をしても良いようだ。皆、根が真面目なのか、妨害については本当にささやかではあるが。
 碧は、会場で売られていた新聞を買う。第二レースの部分を開くと、出場する悪魔の名前や得意とする戦術、今までの戦績がきっちりと書かれていた。文面で読む限り、一番人気は戦績も華々しく、妨害方法もだいぶ派手なようだ。
「お、兄ちゃんも賭けるのかい?」
 たまたま隣に座っていた悪魔が、碧に話しかける。
「ああ。ちょっと臨時収入があったからな。とはいえ、悪魔レースは初めてなんだ。誰に賭けようか、少し迷っていて」
「へぇ! 今どきの若者にしちゃあ、随分ワルな使い方だなぁ。いいぜ、おじさんがちょーっとだけ教えてやろう」
 悪魔のおじさんは自分が持っていた新聞を広げ、一人ずつ説明をし始めた。戦績についてもどういった賞で一位を取ったのか、実際に行った能力強化や妨害の内容等、「ちょっと」と言いつつ、だいぶ細かいところまで碧に説明してくれた。
「なるほど、ありがとうございます」
「おう、参考になったんなら何よりだ」
 そう言って、「グッドラック!」と送り出される。碧は彼に一礼すると、Dの入った箱と共に窓口へ勝者投票券を買いに向かった。
(今までの話を合わせると……この六番人気の『トリプルスリー』かな)
 この悪魔は妨害よりも、自身のスピード能力を極限まで上げ、妨害なども掻い潜るタイプだ。それは小柄な体型だからこそ取れる戦術でもある。他の悪魔もなかなかの実力者らしいが、なんとなく、この悪魔が勝ちそうな予感がしたのだ。まぁ、負けてもオブリビオンから回収したDなので、懐は痛くも痒くもないが。
「第二レース、六番人気の『トリプルスリー』の単勝を……この箱の分全部賭けで」
「か、かしこまりました!」
 碧が窓口の悪魔に渡すと、周りはざわっとざわめきだす。それと同時に、尊敬の眼差しが碧に向けられる。だが、それを意にも介さずレース会場へと戻った。
 丁度席に戻ったタイミングで、整地や出走する悪魔たちの紹介が終わったようだ。既にスタートラインに並び始めている。正装を着た悪魔が旗を持ってラインの横に立つと、シンとした静寂が訪れる。
「三・二・一……スタート!」
 旗が振りおろされたと同時に、悪魔たちは各々駆ける。勿論、碧が賭けたトリプルスリーも自身に術をかけてから走り出す。
「行けっ! トリプルスリー!」
 本人に聞こえるかどうかは分からない。鼓舞するように、碧はその名を呼ぶ。トリプルスリーは他の悪魔の妨害をすり抜け、中盤で一着に躍り出る。このまま順位をキープすれば――そう思った瞬間、ドカンッと爆音が鳴り響く。一番人気のスカーレット・クライだ。スカーレットは小爆発で他の悪魔を蹴散らし、徐々にトリプルスリーへと距離を詰めてくる。
「トリプルスリーッ!!」
 碧がそう叫んだ瞬間、二人がほぼ同時にゴールテープを切る。どっちだ? どっちが勝ったんだ? 周りの悪魔たちもそわそわとしだす。
 しばらく待っていると、電光掲示板に順位が出る。先程のレースの順位は――
「負け、か……」
 本当に僅差だった。だが、最後の最後で妨害を避けようと減速したらしい。そのタイミングで追い抜かれたようだ。
「いやー、惜しかったな兄ちゃん」
「ええ、本当に」
 本当に惜しかった。だが、負けは負けだ。賭けたDは戻ってこない。
(Dを派手に使うのが目的だからな。勝てなくても、目的は達成、だな)
 碧は晴れやかな表情で、レース会場を去って行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月25日


挿絵イラスト