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響く笛の音、消える少女

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 真夜中の街に響く、笛の音色。
 その音に誘われ、少女たちは領主の館を目指す。
「お姉ちゃん……こんな時間に出歩いたら、危ないよ?」
「……だって、呼んでるから。」
 私の事を……という姉の手を引いて、行かせまいとする小さな妹。
 年の離れた体の大きい姉を止めることはできず、妹も半ば引きずられるように領主の館の門をくぐる。
「ねぇ、ここ……。」
「領主様が、呼んでるの。」
 笛の音はさらにはっきり聞こえてくる。
 そのまま開いた入り口から、甘ったるいような香りが漂ってくる。
 二人は中に入り……二度と姿を見せることはなかった。

「え、えっとですね。ダークセイヴァーの世界で、あの、事件です。」
 グリモアをおっかなびっくり操りながら、影山・弘美は事件の説明を始める。
「時間は夜で、あの、笛の音が鳴り響くんですよ。
 そ、そうすると、街にいる子供たちが、その、どこかにいなくなっちゃうんです。
 女の子ばかり、えっと、いなくなってるって……。」
 へ、変態さんの仕業です!と急に大声で言う影山。
 猟兵たちがきょとんとしているのを見て真っ赤になりながら、説明を続ける。
「す、すみません。
 えっとそれで、皆さんには笛の音の事を、あの、調べて、原因を倒してほしいんです。
 もう、結構前からそういうことが、あったみたいで……もう、女の子は、その。
 ……ほとんど居ない、みたいです。」
 よ、よろしくお願いします!と頭を下げ、何とかゲートを開く。
 猟兵たちの前に、真夜中の街の光景が広がった。


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーでの初シナリオとなります。
 夜中に子供を攫う、謎の存在の撃破、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『誘う音色』

POW   :    街を歩き回る、笛の音がする方角を調べる

SPD   :    住民から話を聞く、子どもを尾行する

WIZ   :    これまでの事件を調べる、アイテムなどを活用する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

サフィリア・ラズワルド
POWを選択

子供が誘われる笛の音、対象は女の子……私は対象に入るのかな?調査はちゃんとするけど…

念のため近くに仲間がいることを確認しながら街を歩き回って【聞き耳、第六感】で笛の音がする方角を探します。聞こえたらそっちに行ってみます。

『(危ないと思ったら一旦引き返そう……引き返せるよね?ちょっとフラフラする気がするけど自分の意思で歩いてるよね?)』

仲間が見ていたならそのまま笛の音を追います。一人だったらなんとか抗ってみて歩みを止めてみます。

アドリブ歓迎です。


峰谷・恵
「女の子って何歳までだろう?16歳セーフならボクも引っかかりはするけど」

【POW】で挑戦。
夜の街を歩き回り、笛の音が聞こえたらその方角に向かう。
笛の音の源にたどり着いたら他の猟兵に連絡を入れて乗り込む。笛の音に引き寄せられた女の子がいたらなんとか正気に戻して帰らせられないか試す。

「ろくな理由じゃないだろうけど、なんで女の子だけ集めるのか乗り込んで突き止めないとね」



 暗い街中を歩く二人の人影。
「子供が誘われる笛の音、対象は女の子……。」
 先に口を開いたのは、サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)、15歳。
 自分の胸に手を当てながら言葉を続ける。
「私は対象に入るのかな?」
「うーん、どうだろうね?」
 対して、言葉を返したのは峰谷・恵(神葬騎・f03180)。
 こちらは大きな胸に手を乗せるようにしながら、
「16歳でセーフなら、ボクも引っかかりはするけど。」
 二人とも、年齢的には同じくらい。
 確かに、女の子と女性の狭間というべきお年頃である。
「どっちにしろ、まずは笛の音が聞こえてこないと解らないですね。」
「そうだね、もうちょっと待ってみようか。」

 そんな話をしていると、二人の耳に笛の音が聞こえてきた。
「これ、ですよね?」
「うん、多分……。」
 流れるような、澄んだ音色。
「なんとも……ない?」
「そうだね、ボクも大丈夫……だと思う。」
 サフィリアも峰谷も、お互いを見ながら耳を澄ますが、操られているという感じはない。
 笛の音の聞こえてくる方向へ歩きながら、
「もっと小さい子が対象なのか、単純に私たち猟兵に効かないのか、ちょっとわかりかねますね。」
「うん……うん?あれ、は?」
 峰谷が見つけたのは、ふらふらと前を歩く少女の姿だった。
 急いで駆け寄ると、見たところ10歳程度の少女は、一点を見つめながら歩いている。
「ねぇあなた、大丈夫?」
「……呼んでるの。」
 サフィリアが言葉をかけても、うつろな目をしたまま歩き続ける。
「ちょっと、行ったらどうなるか解ってる!?」
「解らない……けど、行かなきゃ。」
 叱るように言っても変わらない。
「……ごめんね。」
 ペチ!と峰谷は少女の頬を軽く平手で打った。
「?……あ、あれ?」
「良かった!大丈夫?」
 少女が頬を抑えながら、びっくりした顔で二人を見つめている。
「え、おねえちゃんたち、誰?」
「ごめんね、あなたが一人で歩いてて、なんだか様子がおかしかったから。」
「あ、そう……なんだ。」
 私の番、だったんだ……と、あきらめたような顔でつぶやく少女。
「大丈夫、あなたは家に帰れるから、ね?」
「そうだよ、君たちを連れ去って悪いことをしようとする奴は、ボクたちが退治してあげるから!」
「……本当?おねえちゃん。」
 半信半疑な雰囲気はあるものの、少女は二人の様子に少しだけ希望を持ったようだった。
「そう、だからおうちに帰って、ね?」
「うん、わかった……おねえちゃんたち、領主様に負けないでね?」
 言葉とともに、家へ向かう少女。
「領主様、か。」
「ろくな理由じゃないと思うけどさ、なんで女の子だけ集めるのか、乗り込んで突き止めないとね。」
「そうね、急ぎましょう。」
 二人は、笛の音を頼りに領主の館へ向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

花巻・里香
私は夜目がきく動物や虫達に話を聞いてみましょ。
【魅惑の外装人形】によるフェロモンで動物や虫達を誘き寄せて、誘惑し誑かすわ。
動物達には被害がなさそうだけれど街の人達に助けられた等何かの恩を感じていれば恩を返すと思ってね。
穏やかな夜の妨害者を突き止めるでも良いけれど、もしかしたらあなた達が気になる子も連れていかれたかもしれないわ。
目撃情報、音、香り何でも良いわ。ここで変わってしまったことを教えてくれない?。
情報は絞り込むべきでしょうけど何がヒントになるかわからないもの。
例えば植物等が減っていっているなら、それも薬か何かに使われているかもしれないわね。
それに他の猟兵達が得た情報の裏付けにもなるでしょ


エル・クーゴー
『ダークセイヴァー、指定座標に到着しました』


●WIZ
ステルスモード――【迷彩&目立たない】ON
当機のボディに被視覚情報の欺瞞及び存在感の希釈を実施します

【空中戦】用バーニア展開
一帯を広く見渡せる高所まで飛行・着地、のち作戦を開始します

友軍を展開します
コール、ウイングキャット『マネギ』
(羽生やしたデブ猫をマックス105体召喚。その辺を散り散りにウロ付かせる)

マネギ達にリボンを搭載する、お花のアップリケを装着する等、女の子っぽく見えるようチューンを施します(武器改造)
マネギ達には、笛の音を感知次第、逆らわずにその音の元へ向かうようプログラムを入力済です

挙動に異変が見られたマネギを隠密裏に追跡します


リーヴァルディ・カーライル
…ん。変態かどうかはさておき…。
予知だと領主の館に向かっていたみたいだし、
街の住人に聞き込みをして館の場所を探ってみる

防具を改造して警戒されないよう誘惑の呪詛を施し、旅人に変装
“別の街から親戚のいる村へ逃げている途中の旅人”を演じ、
酒場や雑貨屋等の旅人が寄っても不思議では無い場所に行き、
礼儀作法に則り雑談や買い物をした後、領主や館の事を聞き出してみる

…私の住んでいた街の領主様は、それはそれは恐ろしい御方だったので…。
何か粗相があってはいけないと思い、街に寄った時はこうして訊ねているんです。

後は聞きだした情報を元に領主の館まで赴き、
第六感頼りに笛の発生源を見切り【吸血鬼伝承】で蝙蝠化して追跡する



「おや、嬢ちゃん……一人かい?」
「……ええ、旅の途中で。」
 夜の酒場、珍しい来訪者にも気さくに話しかける店主に、一晩の宿と食事を頼むリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
 素朴ながら暖かい豆のスープとパンに口をつけつつ、自分の街を追われて親戚を頼りに旅をしている事を話す。
 話が一段落し、ちょうど食べ終わったところで、
「ところで……領主様は、どちらにお住まいで?」
「うん?なんだ、領主様に用があるのか?」
「あぁいえ……私の住んでいた街の領主様は、それはそれは恐ろしい御方だったので、一度ご挨拶に伺った方がよろしいかなと。」
「あぁなるほどな。領主様なら、この先の大通りを行ったところに住んでおられるが……。」
 店主はリーヴァルディの顔をまじまじと見て言った。
「……もし会いに行くなら、気をつけな。あの方は、嬢ちゃんみたいな子が好きなようだからよ。」

 こちらは街外れの小路、花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)は人形を纏い、そのフェロモンを振り撒いていた。
 その魅惑的な匂いに誘われて、街のネズミ達が集まってきた。
「ふふ、集まってくれてありがとう。」
『かまわないよ!何のよう?』
 花巻は、彼らにわかる言葉で話しかける。
「最近、この街で変わったこと、ない?」
『変わったことね!』
 えーとね、うーんとね……と話しはじめるネズミ達。
『最近ね!近くの森にある木の実がね!みんななくなっちゃった!』
「木の実?」
『そう!かじると酔っ払ったみたいになるんだ!面白いんだ!』
「そう……。」
 薬の材料……?と心に留めつつ、
「他に何かない?ほら、夜に音がするとか。」
『そうだね!するね!』
『あの音がするとね!人間が行っちゃうんだ!』
『ご飯をくれる人間も、行っちゃったんだ……。』
『一番大きい家に行くんだ!』
「一番大きい家、ね。」
 ありがとう、と彼らに言葉をかけ、花巻は領主の館へ向かう。

「ダークセイヴァー、指定座標に到着しました。」
 こちらは街の上空、暗い空を飛行ユニットで飛ぶエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)。
 街を見下ろせる高台へ降り立ち、
「友軍を展開します。コール、ウイングキャット『マネギ』。」
 その声に応じ、羽の生えたデブ猫のマネギが大量に現れた。
 彼女?らは、リボンをつけたりハートをつけたりと、女の子らしい感じの外見をしている。
「散開。」
 指示に合わせ、彼女?らは街へ広がっていった。

 そして、笛の音が流れる。
「……異変あり、追跡します。」
 マネギの一部が、笛の音に向かって歩きだしたのを察知。
 エルはそちらへ飛び、様子を伺う。
「マネギの移動先を把握。」
 彼女?らの行く先は、一際大きな館だった。
 マネギ達を待機させ、館の前に降り立つと、リーヴァルディと花巻もちょうどたどり着いたところだった。
「先客を確認。突撃しますか?」
「突撃!?……ええまぁ、そのつもりだったけど。」
「何にせよ、ここに何かがあるのは間違いない。」
 行くよ、とリーヴァルディは扉に手をかけ、そのまま開いて中に入った。
 ……中は、甘ったるいような匂いが立ち込めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『隷属から逃れる術を知らない少女達』

POW   :    命より重い忠誠を誓おう
【忠誠を誓った者から授かった力】に覚醒して【命を省みず戦う戦士】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    主のためなら限界すら越えて戦い続けよう
【主の命令書を読み限界を超えた捨て身の攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    主人に永遠の忠誠を誓おう
【忠誠を誓う言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ……1階の広いホールには、少女達が座っていた。
 彼女らは、猟兵達を敵と判断したのか、手にしたフォーク等を構えて襲い掛かってきた。
 その目は一様に、焦点が定まらない程、濁っていた。
峰谷・恵
「助けるにも手遅れだね。なら、せめてあまり苦痛を感じないうちに終わらせよう」

少女たちはもう手遅れと判断。少女たちを助けようとする猟兵がいればそっちの邪魔はしない。
集まってきた少女たちを全射撃武器によるフルバースト・マキシマム(一斉射撃、鎧砕き、鎧無視攻撃、誘導弾、2回攻撃)で一気に終わらせる。
敵の攻撃はダークミストシールド(盾受け)で捌き、盾で追い付かない分は空間活動用改造ナノマシン、コード【神を穿つもの】、喰精紋、マントの4重防具(オーラ防御)で防ぎ、MCフォートゼロ距離射撃や遅すぎた収穫期で反撃し終わらせる。

「これだから吸血ゾンビは…」


エル・クーゴー
『敵影を確認しました』
『……』
『>脅威判定を再度実施します』

『脅威判定を更新』
『“要救助対象”を確認しました』


●POW
【空中戦】用飛行ユニット、展開
少女達の攻勢に対し回避マニューバに専心、以下リアルタイム改造を達成するまでの【時間稼ぎ】とします

【武器改造】プログラム、ラン
L95式アームドフォート、追随武装含め非致死性弾を生成・装填
また過度の殺傷を避ける為、弾速の調整が必要な際は、目的に合致したスペックを有する副砲を適宜増設します

完了次第、射撃モード(命中重視・スナイパー+誘導弾)に移行
側頭部への擦過ないし直撃弾、また顎先への命中させての脳震盪誘発等、“要救助対象”の鎮圧・生存を目的に交戦します



「敵影を確認しました。」
「うぅ……あう……」
 ふらふらとおぼつかない足取りで駆け寄ってくる少女たちを見て、エルは身をかわしながら、
「……脅威判定を再度実施します。」
 そのまま飛行ユニットを起動、ホールの天井付近まで飛びあがり、
「脅威判定を更新。“要救助対象”を確認しました。」
 再度、地上付近まで降り立ち、少女たちの突き出してくるフォークを避けながら囮になる。
 自身の銃火器へゴム弾を装填するまで、それを続けていた。

 一方、峰谷も自身へ襲い来る少女たちを、黒い霧状のエネルギーシールドで凌ぎながら様子をうかがっていた。
「助けるにも手遅れだね。」
「あう……」
 明らかに自我を失っている様子。
 焦点が定まらず、目の前の動く異物を排除することしか考えられていない姿……。
「……なら、せめてあまり苦痛を感じないうちに終わらせよう。」
 アームドフォートを展開、さらに熱線銃を手に持ち。
 引き金に力がかかる……。

「装填完了、反撃を開始します。」
 アームドフォートを展開したエルは、周囲の少女たちへゴム弾を撃ち放つ。
「あ……。」
「うあ……。」
 正確に放たれる弾丸は、少女たちのこめかみや顎に着弾し、脳を揺らして気絶させていく。
 まさしく鎮圧、という様相である。
「周囲、残り4、3……。」
 ……と、そこへフルバーストの射撃音が響き渡る。
「1、0……鎮圧完了。」
 エルが音の方向へ目を向けると、熱線銃を仕舞う峰谷の周りに額を撃ち抜かれた少女の死体が転がっていた。

「……どうかした?」
「いえ、別に。」
 峰谷がエルの視線を感じて問いかけると、エルもそれ以上問いただすつもりはないようだった。
「あなたの判断を尊重します。」
「それならよかった。何故殺した!とか、ボクに言うのかと思ったから。」
 返り血を拭う峰谷に、言葉をかけるエル。
「……現状、この少女たちが治る見込みは、良くて五分。実際は2割を切るでしょう。」
「ええ、同じ見立てね。」
 どちらが正しい、という判断はできない。
 それは二人にも解っていることだ。

 そんな少女たちを作った元凶の、笛の音が続くホールの奥へ向けて峰谷は吐き捨てる。
「これだから吸血鬼……いえ、吸血ゾンビは……。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花巻・里香
フォーク?食事中だったのかしら、それにあの目。ネズミ達の話に出てきた木の実が思い浮かぶけれどコレはもう手遅れのパターンで良いのよね…?
チョット【魅惑の外装人形】の対象を自由に操るフェロモンで魅了し食べ物を吐き出させてみましょ。

それにしても纏まられると厄介ね、悪いけれど分断させて貰うわよ
私は攻撃を見切り躱しつつ十指の糸を辺りに散らしたら
捨て身のフェイント(相手にとっての好機)で誘惑し、生まれた小さな油断を逃さず、だまし討ちの如く抵抗する間も与えずに散らした糸に触れた少女達を一瞬にしてそれぞれの糸の中の【蟲惑の小部屋】へ送るわね
喰らい尽くす蟲達から逃れ、外に出てきたのなら、からくり人形で追撃するわ


リーヴァルディ・カーライル
…ん。どうやら、歓迎されている訳では無さそう。
誘拐された少女達みたいだけど…洗脳されている?

防具を改造して第六感を強化する呪詛を付与
敵の攻撃は怪力任せに大鎌をなぎ払い武器で受け、
行動から洗脳の原因と思われる物の存在感を見切り、
取り除くことで少女達を助ける事が出来ないか判断する

…偽りの忠誠を植えつけている?
あまり時間をかけると体が保たないみたいね…。

攻撃を防ぎきれなくなるか判断が付いたら【限定解放・血の教義】を発動
吸血鬼化した自身の生命力を吸収して魔力を溜め、
精神に作用する“毒”属性の“電波”による2回攻撃を行う
助けられるなら洗脳を解除するだけに留め…。
助けるのが不可能ならそのまま精神を破壊する


サフィリア・ラズワルド
SPDを選択

『待って!私達は君達を助けに来たの!目を覚まして!』

【オーラ防御、激痛耐性】で攻撃を受けつつ説得を試みます。女の子達に声が届かない、助けられないと理解したらペンダントを竜騎士の槍に変え【竜の牙】で尻尾の先をドラゴンの頭部に変えて戦います。

『せめて、苦しみは最小限に……』

【竜の牙】で背後からの攻撃に対応しつつ【串刺し、鎧砕き】で一撃で終わらせられるよう攻撃します。躊躇はしません。

『どんどん来てよ、全員ちゃんと終わらせてあげるから』

アドリブ歓迎です。



「ん……どうやら、歓迎されている訳では無さそう。」
 少女たちの、明らかに友好的な感じではない様子を見たリーヴァルディ。
「誘拐された少女達みたいだけど……洗脳されている?」
「どうやら、そのようね。」
 食事中?とフォークを見て考える花巻。
「ねずみの話に出てきた木の実でも、食べさせられたかしら……。」
「ふむ、なら洗脳を解けるかもしれないな。」
 大鎌をもって駆け出すリーヴァルディ。
「……でももう、手遅れにも見えるのよね。」
 花巻も十指に糸をつけ、襲ってくる少女たちへ向かった。

「待って!私達は君達を助けに来たの!目を覚まして!」
「しら……ない……!」
 サフィリアの言葉に対する答えは、腰だめに構えたフォークだった。
「く!ねぇ、この子達は治せないの!?」
「やってみよう。」
 少女たちの腹を、リーヴァルディは大鎌の柄で薙ぐ。
「ぐぇ!げ……うぅ……。」
 堪らず胃の中の物を吐き出す少女たち。
「ちょっと悪いものを食べてるようなのよね。」
 花巻も、誘惑フェロモンで少女たちの自由を奪い、食べたものを吐き出させていた。

「……これで、治ります?」
 サフィリアの問いかけに、
「さぁ?どうかしらね。」
「これだけでは難しいだろうな。」
 まだ武器を下ろさない二人。
 そして、起き上がった少女たちも、まだ手に握ったフォークを放す気はないようだ。
「言葉で解けるとは思えないわ……残念だけど。」
 花巻は少女たちの中へ飛び込み、十の指から伸びる糸で絡めて少女たちを分断していった。
「そう、ですか……。」
 サフィリアも、ペンダントを竜騎士の槍に変え、少女たちへ向かう。
 向かってくる少女の一人の左胸を貫き、
「せめて、苦しみは最小限に……。」
 迷いなく、終わらせていった。
 背後から襲い来る少女にも、自身の竜の尾にドラゴンの頭を浮かべ、その腕を弾いて頭を食いちぎる。
「どんどん来てよ、全員ちゃんと終わらせてあげるから!」
「たお……す……!」
 少女たちはそれにも構わず向かってくる。
 サフィリアは一人一人を、一撃で逝かせていった。

「できれば救いたい……って気持ちは、私もあるの。」
 襲い来る少女たちの中で、花巻は糸を張り巡らす。
「でも、手段が思い浮かばないのよ。」
 その糸を引き絞り、糸に触れた少女を繭のように包む。
「ならせめて……、」
 繭の中は、一瞬で人を喰らいつくす蟲の巣。
 繭を解くと、骨だけが転がり出た。
「安らかに。」

「私は、あきらめが悪くてな。」
 襲い来る少女たちをいなしながら、リーヴァルディは自身に流れる吸血鬼のオドを、限定的に呼び覚ます。
「偽りの忠誠を植えつけられているなら、解くことは不可能ではない。」
 さらにこの地の精霊のマナと混ぜ、自身の望む属性に練り上げる。
「……これでどうだ!」
 毒を持って毒を制す。
 練り上げた毒を電波に乗せ、周囲の少女たちへ放射する。
「あ、う……。」
 周囲の少女たちは皆、ぱたりと倒れ込んでいった。
「……うまくいっているといいが。」
 近くで倒れている少女を揺すり、様子をうかがう。
「う……ん……?」
 開かれた少女の目は、もう濁っていなかった。
「おねえ、ちゃん?」
「よし……あなたは周りの子を起こして、ここから出ていって。」
 有無を言わさず、しかし優しい口調でリーヴァルディは指示を出した。

「本当に……悪趣味な領主、ですね。」
 一通り、少女たちを片付けた猟兵達。
「ええ、そうね。」
 笛の音は、今も鳴り響いている。
「決着を、つけよう。」
 笛の音がする方へ、歩みを進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『少女愛好家『リリアーナ・ヒル』』

POW   :    トドメを刺した子には私からの寵愛を授けるわ
【大勢の短剣を持つ主人に心酔する娘達の突撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【殺到する娘たちの追撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    私を守護する忠実で有能なペット達よ
全身を【大盾を持った少女達に指示し護る為の陣形 】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    ギャラリーは多い方が良いでしょう?
戦闘力のない【身動きのできない、拘束されている少女達】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【少女達の悲観や絶望の感情】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はキア・レイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが歩みを進めると、一つの部屋から笛の音が響いているのがわかる。
 扉を蹴り破ると、そこにいるのは少女たちを侍らせた女領主だった。
 笛から口を離し、
「ふふふ、招かれざるお客さんね。」
 自分の体にしなだれかかっていた少女の頭をなでながら、領主は話しかけてくる。
「私の可愛い子達じゃ、あなた達には敵わなかったようね。」
 周りにいる少女たちは、先ほど倒した子達同様、一様に焦点の定まらない目をしている。
「まぁいいわ、ちょうど退屈していたところよ。あなた達!」
 少女たちはその声に、びく!と体を震わせる。
「盛大にもてなしてあげなさい!」
 そして、短剣を持った少女たちが、猟兵達へ襲い掛かってきた。
花巻・里香
コレは堪えるわね…私は猟兵達のサポートといきましょうか。
【蘭花の饗宴】無数の蜂達と蘭の花びらで目晦まし、少女達の視界と戦闘力を奪っていきましょ。
続けて【蘭花の外装人形】私も小さな花に擬態したからくり人形の中へ。
無数の花びらや蜂に紛れて、だまし討ちの如く金縛りの呪詛で出来た呪蜂を放ち鎌を振るい少女達の無力化に暗躍していくわね。
まだ拘束された人や無事な人がいれば蘭花の外装人形に取り込んでいきましょう。悪いけれど今は拘束を解けそうにないわ戦闘力がなくても墜ちてない証拠はないもの。

領主を倒した後の機会があれば、亡くなった少女達へのせめてもの手向けに蘭花の饗宴を空に舞い上げるわね


エル・クーゴー
『――最終撃破目標を目視で捕捉しました』


●WIZ
L95式アームドフォート、展開
【ファイアワークス・ドライブ(命中率重視)】を【スナイパー+誘導弾】にて運用
少女達の間隙を縫える射線を狙い澄まし、女領主へ射撃攻撃を畳み掛けます

敵コード発動時は、緩急を併せ――コール【ウイングキャット『マネギ』】
拘束された少女達の耳目を覆う形でマネギ達をしがみ付かせます

女領主の様子を見せもせず・聞かせもしないことで、強化の獲得自体を阻害します

マネギは愛嬌が無くも無くも無くも無いデザインを有します
この友軍を運用する作戦は、無闇なモフモフさ加減を以って少女達に接することで、マイナス感情の緩和を一時でも見込む企図も含みます



「――最終撃破目標を目視で捕捉しました。」
 エルは武装を展開し、女領主へ照準を合わせる。
「対処の撃破へ移行します。」
「コレは堪えるわね……。」
 女領主の周りにいる少女たちを見て、花巻はやるせない気持ちが浮かぶ。
 だが、気を取り直して蘭花の外装人形を展開し、
「私はみんなのサポートといきましょうか。」
「了解しました。」
 襲い来る少女たちの前へ立つ花巻。
 その小さな花に擬態した外装人形から、蜂や蘭の花びらがあふれる。
「眠りなさい……今の悪夢を忘れるために。」
 それは霧のように広がり、少女たちを包みこみ、視界を奪って無力化していった。

 エルは自身のアームドフォートの射線を計算、女領主だけを狙う軌道で銃弾を放つ。
 狙いたがわず、女領主の心臓を貫いた……、
「ふふ……無粋な道具ね。」
 はずだった。
「弾痕の急速な回復を確認、武装を切り替えます。」
 精気に満ち溢れた女領主は、自身の体の傷すらすぐに回復しきれるようだった。
「そうだ、あなた達の戦い、この子達にも見せるとしましょうか。」
 パチンと指を鳴らすと、女領主の周りに声を出せないように拘束された少女たちが召喚される。
 まだ彼女たちは洗脳が浅いのか、恐怖の表情でもがいている。
「ふふ、この子達には刺激が強いかしら?」
「……それには同意します。」
 そんな彼女たちに、戦いは見せられない。

「友軍を展開します。」
 エルの声とともに、部屋に突然入ってくる羽の生えたデブ猫の形をしたデバイスたち。
 それらは素早く少女たちに群がり、顔に張り付き、目と耳を塞ぐ。
 ……お腹のモフモフ具合も、リラックス効果を発揮していた。
「なかなか、考えるわね。」
「ええ、本当に。」
 気が付けば、女領主のすぐ横に立つ花巻。
「無事な子は保護させてもらうわ!」
 女領主へ両手に持った鎌を振るい、周囲に蜂と蘭の花を撒く。
「ぐ!……ふっふふふ、今のは堪えたわ。」
「ええ、十分よ。」
 気が付けば、周囲にいた少女たちは姿を消していた。
「な!貴様……あの子達をどこへ!?」
「さぁ?あなたの目の届かないところへ送った……とだけ言っておきましょうか。」
 蘭の花の舞い散る空間へ少女たちを隠した花巻は、そのまま蘭の花を目隠しに女領主から距離をとる。
 さらにエルからの狙いすました弾丸に、足を止めた女領主。
「ふ、ふふふ。許さない、許さないわ!」
 パチンと指を鳴らし、さらに少女たちを呼びだす。
 ナイフを持つもの、大盾を持つもの……皆一様に目が濁っている。
「さぁ、あなた達!戦いなさい!私のためにね!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

峰谷・恵
血統覚醒を使用した状態で女領主が背中を向けている壁越しに全射撃武器一斉射撃(騙し討ち、地形の利用、先制攻撃、一斉発射、鎧無視攻撃、鎧砕き、誘導弾、マヒ攻撃、呪詛、2回攻撃)を女領主へと叩き込む。

「最初の一番大変なところを丸投げしたのは本当に悪かったけど、ロリコン吸血ゾンビなんて見たら自制できる自信がなかったからね」


短剣を持った少女たちの攻撃は飛び越えて回避しながら女領主に熱線銃で反撃を叩き込み、大盾で防御陣形を取ったらアームドフォートに対吸血鬼特殊砲弾装填(力溜め、属性攻撃)、大盾防御陣形を解いて隙が出来た瞬間砲撃を叩き込む

「道連れをつけるには性根が醜悪過ぎる。お前一人で消えろ吸血ゾンビ」



 女領主の指示で猟兵達へ少女たちが襲い掛かる中、女領主の後ろの壁から大量の銃弾が放たれた。
 熱線と弾丸に穿たれた壁から、輝く真紅の瞳をした峰谷の姿が見える。
「く!?何事!」
「……最初の一番大変なところを丸投げしたのは、本当に悪かったわ。」
 熱線銃のエネルギーを交換しながら、自身の怒りを落ち着けるように呟く峰谷。
「でもね……ロリコン吸血ゾンビなんて見たら、自制できる自信がなかったからね。」
「ちっ!さぁ行きなさいあなた達!」
 ナイフを持った少女たちをけしかける女領主へ向け、峰谷はさらに距離を詰める。
 腰だめにナイフを構えた少女の前で跳躍して飛び越し、女領主の前に立つ。
「お前には死すら生ぬるい!」
「ぐ、ああ!」
 熱線銃を叩きこむと、女領主の前に大盾を持った少女たちが立ちはだかる。
「ふ、ふふふ。あなたに撃てるかしら?」
「……この程度で、」
 自身のアームドフォートの弾倉を吸血鬼用の特殊砲弾へ変え、大盾の上へ直接放つ。
 戦闘訓練も受けていない少女たちの大盾を、その弾丸で弾き飛ばすのはさほど難しいことではなかった。
「身を守れると思うな。」
「ひ!ぐああああ!」
 少女たちの盾が破れた隙をつき、女領主へ特殊砲弾を撃ち込む峰谷。
 後ろからナイフの少女たちが襲い来るのを見て一旦距離を離し、吐き捨てる。
「道連れをつけるには、性根が醜悪過ぎる。お前一人で消えろ!吸血ゾンビ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

源・ヨーコ
いたいけな少女たちの意志を奪い盾にする。愛好家が聞いて呆れるっすね、悪行が過ぎるとは思わないっすか?
今が報いを受ける時。殴って壊して、骸の海へ送り返すっすよ!


女領主を挑発して攻撃を待つっす。少女たちをけしかけて来たら、追い込まれたふりをして壁際へ誘導。壁を蹴って三角飛びで、少女たちをかわしながら一気に女領主へ詰め寄るっす。
距離を開けてまた少女たちを呼ばれても面倒なので、そのまま組み付いて締め上げながらブレイズフレイムで直接燃やすっす!

無手と思って油断したっすね?
人質を剣や盾に使うなら、服にも使えば良かったすね。この距離なら邪魔は入らないっすよ!

アドリブ歓迎っす! 失敗した時はよろしくオナシャス


サフィリア・ラズワルド
POWを選択

貴女を倒しても洗脳された子達が元に戻るのかそれとも狂ってしまうのか私にはわからない、でも一つだけはっきりしていることがある

【白銀竜の解放】でドラゴンになり少女達からの攻撃を【オーラ防御、激痛耐性】で受けます。

これである程度は耐えられるはず、攻撃はまだしない、確実に敵の息の根を止めるには……

隙を見て少女達を【なぎ払い】敵に【捨て身の一撃】を仕掛けます。【鎧砕き、串刺し】で敵に噛みつきます。

『この子達に貴女の笛の音も声も姿もいらない、どうなろうと未来に向かって進ませる』

アドリブ歓迎です。



「貴女を倒しても、洗脳された子達が元に戻るのか……それとも狂ってしまうのか、私にはわからない。」
 でも……と、自身に流れる竜の力を開放するサフィリア。
「一つだけはっきりしたことがある。」
「いたいけな少女たちの意志を奪い盾にする。愛好家が聞いて呆れるっすね!」
 びしっ!と女領主を指さして言うのは源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)。
「悪行が過ぎるとは思わないっすか?」
「うるさい!貴様らに何がわかる!」
 さぁ行け!とナイフを構えた少女たちをけしかける女領主。
「……貴女は、間違っている。」
 ドラゴンの姿になったサフィリアは、少女たちへ立ちはだかった。

「領主さま、私たち……。」
「やりまし、た。」
 サフィリアにナイフを突き立てる少女たち。
「ふっふふふ、ドラゴンの姿になったときはどうなるかと思ったけれど。
 すぐに反撃をしない様子に、女領主も少し余裕を取り戻したようだった。
「図体が大きいだけでは芸がないでしょう?」
『……そう思うなら、そうなのでしょう。』
「はっはぁ!隙あり!」
 サフィリアの後ろの壁を蹴り、少女たちの上の天井を蹴り、一気に女領主へ組討ちをかける源。
「な、ぐ……き、貴様!」
「姿が見えないと思って油断したっすね?」
 さて、と腕で締め上げつつ、地獄の炎を呼びだす。
「この距離なら邪魔は入らないっすよ!」
「ぐああああああ!」
 源の腕の中で、女領主は炎に捲かれてもがく。
『……この子達に、貴女の笛の音も、声も、姿も、いらない。』
 ぶわ!と翼を広げ、サフィリアにまとわりついた少女たちは弾き飛ばされる。
「さぁ、やっちゃうっすよ!」
 源は火に包まれた女領主を、近づくサフィリアに向けて差し出す。
『どうなろうと……未来に向かって、進ませる!』
 サフィリアはグワッと大口を開けて近づき、
「ひ!や、やめ……!」
 バクン!と女領主の首をかじり落とした。

「いえーい、おつかれっすよ!」
「ええ、お疲れ様です。」
 源が親指を立ててウインクするのを、少女の姿に戻ったサフィリアは手を振ってこたえる。
 女領主が倒れ、少女たちも糸が切れたように倒れている。
「この子達、どうなるかな……。」
「元に戻るといいんすけどね。」
 少女たちの様子を見ているサフィリアへ、んー!と伸びをした源は言葉っをかける。
「なんにせよ、街の人達へ伝えるっすよ!」
「そうね……もう、この子達を連れ去る領主は居ないんだから。」

 洗脳の軽い少女たちはすぐに元に戻ったが、特に女領主に可愛がられていた少女たちはなかなか夢から覚めなかった。
 だがそれでも、戻ってきたことを街の人達は喜ぶ。
 少女たちが女領主の事を忘れるのに、時間はかかるかもしれない。
 それでも、一つだけ言えることはある。
 この街の危機は去ったのだ、と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月22日


挿絵イラスト