#シルバーレイン
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神奈川県某所にあるショッピングセンター。
そこは、休日ともなれば、多数の人々で賑わう。
「ねえ、次どこへ行く?」
「ぱぱー、ままー、これ食べたーい」
「ちょっとここ入ろう。見たいものあるんだ」
皆、日ごろの生活で溜まった鬱憤、ストレスを発散しようと、食べ歩き、ショッピング、ゲームセンター、映画館と思い思いの一時を過ごす。
だが、そこに忍び寄る多数の人影。
「「うう、ああぁぁ……」」
まず、群れの大半を占めていたのは、詰襟の学生服を身につけた大量殺人鬼のゴースト「キラーゾンビ」。
それらを率いていたのは、地縛霊の鎖を断ち切り、その怨念の力を集めるというオブリビオン「『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスター」である。
「さあぁ、思う存分……衝動をぉ、解き放ちなさいぃぃ……」
「「ああああぁぁぁぁ!!」」
「「きゃあああああああああっ!!」」
暴力衝動を高めたキラーゾンビ達が大声で叫び、ショッピングセンターへと向かっていくと、施設の利用客が驚き、恐れ、逃げ惑う。
そして、サイリスもまた感情を高ぶらせて。
「行くわよぉ、地縛霊の力をぉ、見せつけてあげるわぁ……!」
瞳を赤く輝かせるサイリスもまた破壊衝動を高め、自身もまた人が多く集まるショッピングセンターへと突入していくのだった。
●
かつて、シルバーレインと呼ばれるこの世界にはゴーストと呼ばれる脅威があった。
数年前、銀誓館学園なる組織に属する能力者達の活躍により、その戦いは完全に終結した。
世界結界と呼ばれる魔術防護もあり、人々の記憶にはかつての戦いの記憶はない。しかしながら、この世界にまたオブリビオンが現れ、かつての戦いを再現させようとしている。
「数多くの能力者の方々が活躍されたと聞いているわ」
セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)にとっても、それは伝え聞く話でしかなく、いかなる戦いがあったか興味津々といったようだが……。
それ以前にグリモア猟兵として、事件を予見してしまった以上は解決に動かねばならない。
神奈川県のショッピングセンターに現れた多数のゴースト。そして、それを率いるオブリビオン。いずれも妖獣化して破壊衝動を強めているのだそうだ。
「放っておくと、彼らは破壊の限りを尽くすものと思われるわ」
妖獣化オブリビオンとなったその一団は野生動物にも近しい行動をとるが、人間を発見すれば瞬く間に襲い掛かり、殺戮してしまう。
ただ、幸いにも事件が起こる前に予知でき、事前に備えることができる為、人々の避難を行い、戦闘準備を整えたい。
「少し時間もあるようだから、もし、この世界の戦いについて知っていることがあれば教えていただけると嬉しいわ」
そんなセレインの望みはさておき、まず、群れの多くを占めるキラーゾンビは大量殺人鬼のゴーストであり、妖獣化してもそれほど行動は変わらない。手にする刀剣や猟銃を使って殺戮を繰り返すのみだ。
ある程度、キラーゾンビを倒せば、群れを率いる『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスターが猟兵を排除すべく向かってくる。
サイリスは地縛霊の鎖を断ち切り、怨念の力を集めて攻撃を行う。妖獣化によってその力は高まっているが、殺戮衝動は思考を鈍らせるデメリットもある。
「二手、三手先を見据えた行動を心がければ、相手は対処できなくなって攻撃の隙が生まれるはずよ」
ともあれ、改めてオブリビオンとして動き出したゴースト達を放置はできない。中には猟兵として目覚めた能力者達もいることだろう。彼らと力を合わせてオブリビオンの群れを撃破したい。
「それでは、よろしくお願いするわ」
セレインは丁寧に頭を下げ、参加を決めた猟兵達を現地へと呼び寄せるのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
新世界「シルバーレイン」、「妖獣化オブリビオン」のシナリオをお届け致します。
第1章:日常シナリオ、襲撃予想のあった現場で人々の避難を願います。その間に、何かシルバーレインの思い出があれば語っていただけると嬉しいです。また、これからこの世界でやりたいことなどありましたら、よろしくお願い致します。
第2章:妖獣化オブリビオンに汚染され凶暴化した、オブリビオン「キラーゾンビ」との集団戦です。
第3章:妖獣化オブリビオン「『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスター」とのボス戦です。妖獣化によって強化されてはいますが、衝動によって思考が単純化されています。そこをつくことで有利に戦うことができるでしょう。
今回のシナリオはこちらの予定に合わせて執筆させていただきます。
できる限り採用できるよう頑張りますが、場合によっては採用を見送る可能性もあることをご理解くださいませ。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章に断章執筆の予定はありません。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 日常
『時には昔の話を』
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POW : 昔話を語ろう、あの頃の自分は世間知らずの馬鹿だったなぁ…
SPD : 思い出の場所に赴いてしんみり、相変わらずここは変わってないなぁ…
WIZ : 変わりゆく街並みを散策、あの頃から自分も変わったのかなぁ…
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
ショッピングセンターのどちらから敵が来るかがわからないから、外への誘導はかなり危険ね。
なら敵を入り口で迎撃する前提で、中の人には屋上へ逃げてもらうのが良いかしら。
まずまるで逃げてきたかのように外から駆け込んで警備の人とかを捕まえる。
「刃物を持った変な連中がこっちに来るわ!」
となけなしの[コミュ力]で訴えて避難をしてもらいましょう。
銀の雨降る世界…ね。
私は直接は知らないのだけど。
毎日竜と戦ったあげくに日曜日に最終決戦とか冗談としか思えないことがあったようななかったような?
館・美咲
【POWで判定】(アドリブ、他の人との絡みOK)
私自身の昔話というわけではないですが……。
まさか、シルバーレインの世界に来て「能力者だった私」と出会うとは思いもしませんでしたね!
体格も性格も違いましたが、間違いなくお互いが別の自分自身だと出会った瞬間理解出来ました。
いやー、この世界に来て何か変な違和感があるかと思ったらこういう事だったんですねー!
猟兵として、能力者として、自分自身として、色々話させて頂きました。
あっちは猟兵としては目覚めなかったようですが、この世界で役に立つものを預かったりしましたよ。そう、このカードをね!
あ、避難誘導もやりますよ!ガジェットでなんかいい感じに!
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神奈川県某所のショッピングセンター。
休日で多数の人々が賑わう状況の中、猟兵達が姿を現す。
金髪ヤドリガミ女性、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は周囲を見回し、立地などの状況を確認する。
「どちらから敵が来るかがわからないから、外への誘導はかなり危険ね」
ヴィオレッタはそこで、敵を入り口で迎撃する前提で中の人達を屋上へと逃げてもらうべきだと判断する。
その為には、自分1人では手が足りないと判断し、ヴィオレッタは一度外へと出てから内部へと駆け込む。
そして、彼女は入り口そばで巡回していた警備員を捕まえて。
「刃物を持った変な連中がこっちに来るわ!」
なけなしの【コミュ力】を使ってそう訴えかける彼女の言葉に、警備員もわかったと真顔で頷いて全館アナウンスや直接の呼びかけで利用客へと避難を促す。
こうしたときに猟兵とは便利なものだとヴィオレッタはしみじみ感じていた。
また、避難に動く人々を、眼鏡着用のクールなお姉さん、館・美咲(ジェット居合流伝承者・f01503)が誘導に当たる。
「よく目を付けましたね、これはガジェットという魔導蒸気機械で……」
ただ、ガジェットに興味を持つ子供に対しては、外へと同行しつつ早口で説明してテンションが高くなっていたようだった。
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避難には時間がかかるようで、その間に猟兵達は戦闘準備を整えながら、この世界について語り合う。
「銀の雨降る世界……ね」
ヴィオレッタ自身は直接知らないそうだが、話に聞いたところでは毎日竜と交戦した挙句、日曜日に最終決戦などという冗談めいた戦争があったとかなんとか……。
それを考えれば、何とも恐ろしい話。シルバーレインの能力者はどれだけの強行軍で世界を救ったのだろうか……。
「私自身の昔話というわけではないですが……」
美咲もまたこの世界のことについて語りだすが、なんとシルバーレインの世界で能力者だった自身と出会ったのだとトーンを高める。
体格も性格も違う相手ではあったが、間違いなく互いが別の自分自身だと出会った瞬間に理解できたのだと、美咲は笑顔を見せる。
「いやー、この世界に来て何か変な違和感があるかと思ったらこういう事だったんですねー!」
美咲以外にも、この世界の自身と出会えた猟兵はいるのだろうか。
ただ、外から聞こえてくる無数の足音を察知した猟兵達は腰を上げ、それらの迎撃へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『キラーゾンビ』
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POW : サーティスリーデス
【殺戮への欲望を解放した姿】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 猟銃乱射事件
レベル分の1秒で【なぜか弾の尽きない猟銃】を発射できる。
WIZ : 殺戮衝動
【殺戮への欲望】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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ザッザッザッザッ……。
神奈川県某所のショッピングセンターへと近づいてくる無数の足音。
「「ああああぁぁぁぁ!!」」
それらは詰襟の学生服を着用した大量殺人鬼、キラーゾンビの群れ。
元々、キラーゾンビは理性を失っているそれらは殺戮への衝動を高め、完全に精神を支配された状態だった。
それに加え、全員が妖獣化によって汚染化し、一層凶暴性を増している。もはや、数で押し寄せるだけの暴徒といった印象であり、なんとも始末が悪い。
すでに、先程到着していた猟兵がショッピングセンター屋上へと利用客を避難させている。
後は施設入口で、キラーゾンビの群れを駆逐するのみ。
ただ、施設の入り口はいくつかある為、正面からやってくるキラーゾンビを施設側面へと回り込ませないようにする必要はあるだろう。
また、敵は刀剣と猟銃を武器として携帯している。
近距離で戦う分には問題ないが、猟銃は屋上にいる人々へと命中する可能性も否めない為、キラーゾンビが屋上に避難した人々へと注意を払わぬよう気を付けたい。
「「ああぁ、うおおおあああああぁぁ!!」」
猟兵の姿を認めたキラーゾンビ達は早速、衝動に任せて殺戮しようと襲い掛かってくる。
これらを倒すことで、群れを先導する妖獣化したオブリビオンも現れるはず。
猟兵らはそれを引きずりだすべく、キラーゾンビの殲滅へと当たり始めるのである。
(※第2章は合間を見て、随時執筆予定です。
2章からのご参加も歓迎です。メイン参加者の状況によっては受付延長、またはサポートの方のお力を借りして執筆予定です)
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「あら、真正面から来たわね」
ゾンビ映画のごとく最初から囲んでくるかと思ったけど、そうはならなかったみたい。
こちらも右手に拳銃【平和を作るモノ】、左手にはコンパクト化した小銃【騎兵の友たる銃】。
小銃で[制圧射撃]しつつ近い敵から[貫通射撃]で片付けていくわ。
銃の音が敵を引き付けてくれるんじゃないかしら。
それでも側面に回りそうなのがでてきたらユーベルコード【クォンタム・ハンド】
その辺に止めてあるトラックとかを引っ張ってきて、列を乱すゾンビを潰しながら壁にしちゃいましょう。
「トラックの運転手さんごめんなさい。これは仕方ない犠牲なのよ?」
ちろりと舌を出して誠意のない謝罪ぐらいはしておくわね。
館・美咲
※他の方との連携、絡みOKです
さて、相手は数ばかり多いようですね。
避難した方々に注意を向けさせないためにも、派手に動きたいところですね!
というわけで、【ガジェットショータイム】行きましょうか!
今日のガジェットくんは何が出てきますかねー!楽しみですねー!
出来るだけ相手の注意を引くものが出てくれると助かるんですが。
近距離用だったら目の前の敵に、遠距離用だったら今いる入口以外に向かおうとしているのを中心に狙いたいところですね。
範囲攻撃だったら?それはもうどっかんどっかんやっちゃいましょう!
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神奈川県某所のショッピングセンターへと押し寄せてくるゴーストの群れ。
「「うう、ああぁぁ……」」
呻くそれらは詰襟の学生服を着用する大量殺人鬼のゾンビ達だ。
キラーゾンビと呼ばれるゴーストは、内なる殺戮衝動のままに行動しており、人が多数集まる場所を求めていたに違いない。
もっとも、今回の場合はそれらの群れを率いる妖獣化オブリビオンがいるはずなのだが……。
それらを、施設入口にて迎え撃つ猟兵達。
「あら、真正面から来たわね」
ある程度避難誘導を終えた金髪オッドアイの少女、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は接近してくるキラーゾンビ達をきょとんとした表情で眺めていた。
ゴーストの集団は、一気に押し寄せてゾンビ映画のごとく最初から施設を囲んでくるかもしれないと、ヴィオレッタは想定していたらしい。
現状は施設前方から近づいてくるのみだが、今後施設を囲まれる可能性は十分ある。
「さて、相手は数ばかり多いようですね」
眼鏡を着用したガジェッティアのお姉さん、館・美咲(ジェット居合流伝承者・f01503)もキラーゾンビの群れを注視する。
敵はほぼ全てが刀剣と猟銃を持っている。
それを使って屋上へと避難した人々を狙われてはたまらない。
「避難した方々に注意を向けさせないためにも、派手に動きたいところですね!」
「「ううぅ、うあああぁぁ……!」」
そこで、入口傍にいたディアボロスを見つけたキラーゾンビが武器を構え、一斉に襲い掛かってきたのだった。
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「「あああぁ、あああああああ!!」」
人を見つければ、内なる衝動のまま、キラーゾンビ達は両手の凶器……刀剣と猟銃を使って殺戮の限りを尽くす。
相手を傷つけるのはもちろんのこと、命が尽きてもなお凶器を刻み、叩き込み続けようとするこのゴーストらはまさに血も涙もない殺人集団である。
それらに対するヴィオレッタは右手に拳銃『平和を作るモノ』、左手にはコンパクト化した小銃『騎兵の友たる銃』を握り、攻め入る。
まずは、小銃で向かい来る敵目掛けて【制圧射撃】。
「上手く、銃声が引きつけてくれそうね」
近距離攻撃を好むキラーゾンビの動きを止め、貫通射撃によって後方の敵まで纏めて撃ち抜き、倒していく。
美咲としても、ヴィオレッタがキラーゾンビを引きつけてくれるなら願ったり叶ったりといったところ。
早速、美咲もユーベルコード【ガジェットショータイム】を使って。
「今日のガジェットくんは何が出てきますかねー! 楽しみですねー!」
有効ではありながらも、変な形のガジェットが登場するというそのユーベルコード。
登場したのはロケットランチャー……に見えるが、どう見てもロケットがついていない。
「何ですかね、これ」
少しばかり考えた美咲だが、よくよく見れば、ロケットランチャーを模した鈍器武器らしい。
とりあえず、近距離用と判断した美咲は眼前の相手に殴り掛かる。
射撃を行うキラーゾンビが些か面倒だが、目の前の相手を殴り倒してそちらへと吹っ飛ばし、敵を牽制することもできそうだ。
「ん……?」
数体敵を倒している間に、どうやらロケット弾が充填されたらしいことに気付いた美咲はにやりと笑い、敵が密集する場所を見定める。
「そーれ、どっかん!」
彼女が引き金を引くと、次の瞬間放たれたロケット弾は敵陣へと一直線。大きな爆発と共にキラーゾンビ数十体が爆破四散した。
ただ、それによって吹っ飛ばされた数体が施設側面へ向かったのをヴィオレッタは見逃さない。
「不可視にして不可触の手よ来たれ」
即座に【クォンタム・ハンド】で見えない量子結合の手を放ったヴィオレッタは、停車しているトラックを引っ張り、ゾンビどもを轢き潰して後続の行く手を遮る。
「トラックの運転手さんごめんなさい。これは仕方ない犠牲なのよ?」
おそらく、屋上へと避難していると思われる運転手に向け、彼女はちろりと舌を出して誠意のない謝罪をしてみせたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天日・叶恵(サポート)
私なりの、お狐さまの矜持としてささやかなお願いがあればついでで積極的に叶えたいです
例えば、探しものを見つけたり、忘れ物をこっそり届けたり、道をこっそり綺麗にしたり、といったものです
それ以外では、オブリビオン退治に必要であればできるだけ違法ではない範囲でお手伝いしたいと思いまーす
戦闘については、昔は銀誓館学園で能力者として戦っていたので心得はあります
補助や妨害といった動きが得意ですー
あとは、白燐蟲へ力を与えて体当たりしてもらったり…術扇で妖力を込めたマヒ効果の衝撃波を出したり、でしょうか?
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行為はしません。
コットン・プーカ(サポート)
モーラットのストームブリンガー×聖者、15歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、友達には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブ
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】。ちょっぴり猟奇的かもしれないが、そこはご愛嬌
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
あと、虫が苦手
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「「おおおおぉぉぉ、ああああああ!!」」
続々、ショッピングセンターへと近づいてくるキラーゾンビ。
すでに駆け付けているディアボロス達が入口傍でそれらを引きつけている中、新たに戦線へと加わったサポーター達は戦況を確認する。
「あれがゴーストですね」
ふわりふわりと浮かぶ白い毛並みのモーラット、コットン・プーカ(雨降り渡り鳥・f35319)は社会の身の置き所を模索する中、グリモアベースにてゴースト討伐依頼を引き受けていた。
「同じ群れでも、白鳥の皆とは全然違いますね」
猟奇集団であるキラーゾンビの群れはかなりの圧を感じる相手、まして、初の実戦であるコットンにとっては他の猟兵以上にそう感じたかもしれない。
「この地の人々が助けを求めているのでしたら、それを叶えなければなりませんね」
白髪の妖狐、天日・叶恵(小さな神社のお狐様・f35376)はお狐様の矜持として、施設屋上で祈る人々の為にゴーストの群れの討伐に加わる。
「殺人集団……ね」
長い黒髪の少女、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は着用していたぐるぐる眼鏡を外すと、彼女のもう一つの人格シルヴァーナが姿を現す。
「ゾンビでも、盛大に血を撒き散らしてくれると期待していますわ」
白銀へと変色した髪を揺らし、裕美は口元をつり上げてステップを踏み始めたのだった。
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駆け付けたサポーター達はショッピングセンターへと接近しようとするキラーゾンビ達へと近づく。
「「あああぁぁ、ああああああああ!!」」
殺戮衝動に任せて刀剣を振り回し、猟銃を乱射してくるゾンビ達。
中には理性を失って滅茶苦茶に武器を扱っていたそれらは非常に危なく、一般人を近づけさせるわけにはいかないだろう。
「戦闘については、心得があります」
叶恵は過去、銀誓館学園で能力者として戦っていた。
その経験を活かして立ち回る彼女は、猟銃を乱射する敵に目をつける。
マガジンが空になっているにもかかわらず、弾丸を放ち続けるキラーゾンビ達はユーベルコードを使っているのは明らか。
それらの攻撃を止めねば、近づくことすらままならぬこともあり、叶恵もまたユーベルコードを使う。
「すみません、目眩ましをさせてもらいますー」
彼女が放ったのは、白燐蟲の群れ。それらの蟲が取りついたゾンビ達から視覚、聴覚を奪い去ってしまう。
「「あああぁぁ……!?」」
戸惑うゾンビどもの攻撃が弱まったところで、叶恵が魔力を秘めた扇……【術扇】を仰いで衝撃波を浴びせかけていく。
「「が、ああ……」」
【マヒ】効果もあって、キラーゾンビらが硬直すれば、他サポーターらも一気に攻め入る。
「行きます。【モラスパーク】!」
まずは、コットンは、全身の毛を逆立てながら、パチパチと音を立てる静電気を放つ。
かなり相手に近づく必要はあるが、相手の動きが止まっているなら、コットンもキラーゾンビ達に攻め入るチャンスは十分ある。
彼女の発する静電気はキラーゾンビをクロコゲにしてしまう。
それで倒せた敵もいたが、そうでなくとも敵は全身を麻痺させて動けなくなってしまう。
「うおおおっ、おおおおおおお!!」
しかし、中にはユーベルコードによって殺戮への欲望を高める敵もおり、能力を高めて強引に体を動かして攻撃を仕掛けてくるキラーゾンビもいた。
そういう敵へと裕美……いや、シルヴァーナが残像を残しつつ優雅なステップで近づく。
そして、『惨殺ナイフ』で敵の首や肩、足などを【切断】して動けなくなってしまう。
「思いっきり血をぶち撒けるといいですわ」
多少猟奇的とも思いえるシルヴァーナだが、相手はゾンビ。やらなければこちらがやられるだけなのだ。
場合によっては、シルヴァーナは武器を『ドラゴンランス』に持ち替え、凶暴性を高めるゾンビを真正面から【串刺し】にしてしまう。
破竹の勢いでゾンビを倒すシルヴァーナだが、ユーベルコードによる強化は2分弱程度しか持たない。
「限界ですわね、後は頼みましたわよ」
昏睡状態へと陥るシルヴァーナの代わりに、主人格の裕美が再び現れると、その髪が黒く染まる。
「……後詰めくらいなら、……問題ないわ」
槍を操り、裕美は動きを止めたゾンビらへととどめを刺していくのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シリン・カービン
「アポカリプス・ヘル、と言うわけではないのですよね。この世界は」
屋上よりもさらに上、給水塔から眼下に迫るゾンビの群れ見下ろし、ため息一つ。
この数では一体ずつ撃っていたら間に合いませんね…
なので、一網打尽にします。
『逃れられるとお思いですか?』
【Bullet Net】を発動。
ショッピングモールに近づいてくる群れから、
半径約100mの範囲に入るよう効率的に精霊弾の雨を降らせます。
与える状態異常は『麻痺』。
相手の能力が何倍になろうと動けなければ問題ありません。
動きを止めているうちに、目にも留まらぬ速射で次々止めを刺していきます。
ゴーストだろうとオブリビオンだろうと変わらない。
「あなた達は、私の獲物」
●
少しずつキラーゾンビの群れは減っていたが、まだ増援がいたようである。
「「うああああぁぁ、がああああああぁぁっ!!」」
殺戮衝動は止まることがないキラーゾンビは、放置すれば全ての人類を手にかけ続けることだろう。
「アポカリプス・ヘル、と言うわけではないのですよね。この世界は」
森に住み精霊と共に生きるエルフ、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)はショッピングセンターの屋上よりもさらに上、給水塔からキラーゾンビの群れを眺め、溜息を一つつく。
確かに、アポカリプスヘルでキラーゾンビの群れに出会ったとしても、まるで違和感がない。オブリビオン・ストームによって生まれたと説明されても、信じる人も多いかもしれない。
それはそれとして、数で押し寄せるキラーゾンビに猟兵達が応戦をしているものの、一部のゾンビの群れがまたショッピングセンターを目指しているのを、シリンは見逃さない。
これを殲滅すれば、さすがにキラーゾンビも増えることはなくなるだろうとシリンも確信するが、個別に撃っていても迎撃が間に合わなくなる恐れがあると感じて。
「なので、一網打尽にします」
『精霊銃』を構えるシリンはユーベルコード【Bullet Net】を発動させる。
他の猟兵達がまだ気づいていない、あるいは対処が遅れているその群れに対し、シリンは半径100m以内に捉えてから精霊弾の雨を降らせていく。
「逃れられるとお思いですか?」
「「がああぁ、ああぁぁ……」」
他の猟兵達も使う麻痺にシリンもまた着目しており、精霊弾に撃ち貫かれたゾンビらの動きを止める。
一部、能力を高めようとしている敵が強引に動こうとはしていたものの、シリンは目にも留まらぬ速射でゾンビどもを仕留めていく。
「あなた達は、私の獲物」
相手がゴーストだろうが、オブリビオンだろうが変わらない。
シリンは確実に、向かい来る敵にとどめを刺していくだけ。
先に戦っていた猟兵達の活躍も手伝い、キラーゾンビの群れは瞬く間にその数を減らす。メンバー達が殲滅するも時間の問題だろう。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスター』
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POW : ふふ、これが地縛霊の力
【地縛霊の未練】【怨念】【執着】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
SPD : この地が新たな主を望んでいるってよ
自身が装備する【大鎌を突き刺した地面】から【大量の地縛霊の鎖】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【呪縛】の状態異常を与える。
WIZ : 運命とか縁とかなんてものは簡単に斬れるものよ
【あらゆる繋がりを切断する大鎌】が命中した対象を切断する。
イラスト:はしろ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠幻武・極」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
訂正:第1章、第2章のそれぞれでディアボロスと記述がありますが、
猟兵の誤りです。お詫びして訂正いたします。申し訳ございません。
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神奈川県某所のショッピングセンターへと押し寄せていたゴースト……キラーゾンビの群れ。
殺戮衝動を高めて襲ってきていたそれらと対していた猟兵達であったが、あらかた始末して皆一息ついていたようだった。
しかしながら、異様な殺気を感じ、猟兵達はそちらの方を見据えて身構える。
「あれだけの数のキラーゾンビをぉ、あっさりと倒すなんてねぇ……」
現れたのは、大きな黒い鎌を手にした白銀の髪の少女、『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスターだ。
オブリビオンである彼女がキラーゾンビ達を率いていたのは間違いない。ただ、どこか彼女には怪しげな雰囲気が感じられる。
それもそのはず、サイリスは見た目こそ変わってはいないが、妖獣化と呼ばれる状態となっていたのだ。
本能や衝動や苦痛に支配され、人間を暴力的に殺戮する妖獣。
妖獣化したオブリビオンも野生動物の思考へと近づいた状態となり、人間を始め、獲物と見定めた相手に襲い掛かるのだという。
この状態のサイリスは通常の状態よりも強化されているが、思考が単純化されているデメリットも持ち合わせている。その部分を突くことで有利に戦うことができるはずだ。
「さあぁ、出なさいよぉ、地縛霊たちぃ……」
口調すら怪しくなっているサイリスは内なる衝動に突き動かされるままに、大鎌を振り上げて地面へと突き刺す。
すると、この地に縛られた霊達が姿を現し、サイリスはそれらを自身に宿していく。
「あんた達はぁ……私の手で絶対に始末するわぁ……」
獲物を前にしたサイリスの目の色が変わる。
興奮したサイリスはこれ以上殺戮衝動を抑えられないようで、ショッピングセンターを守る猟兵達へと襲い掛かってきたのだった。
(※第3章は、随時執筆予定です。
3章からのご参加も歓迎です。メイン参加者の状況によっては受付延長、またはサポートの方のお力を借りして執筆予定です)
紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから
音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます
ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり
食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
龍見・潤(サポート)
人間のストームブリンガー×雀鬼です。
女性ですが、日常・依頼・戦闘時共に少年~青年の口調・行動です。
本人は性別バレを厭いませんが、
その可能性のある描写は出来る限り控えて頂ければと思います。
平常時は元気活発、礼儀正しく。
戦闘時は戦闘経験の浅さ故に敵の出方を確認し慎重に動きます
但しどんな状況でも「命大事に」
特に危機的状況では口八丁や雀鬼のブラフを使ったり
戦闘時では積極的に身を挺して庇います
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
姫神・咲夜(サポート)
桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。
あとはおまかせです。よろしくおねがいします!
●
大鎌を携え、ショッピングセンターへと現れたオブリビオン。
「あれだけの数のキラーゾンビをぉ、あっさりと倒すなんてねぇ……」
和洋折衷を感じさせる暗色の衣装を纏う白銀の髪の少女、『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスターはゴースト……キラーゾンビの群れをけしかけ、ショッピングセンターの人々を襲わせようとした。
しかしながら、駆け付けた猟兵達によってそれらはほとんどが倒された為、サイリス自身が直接猟兵、そしてショッピングセンターの利用客を手にかけるようだ。
「オブリビオンの思い通りになんて……させないよ……」
こちらも黒衣着用、長い黒髪の紫野崎・結名(歪な純白・f19420)は『ショルダーキーボード』を軽く弾き、傍に顔のない天使の姿をしたバロックレギオンを呼び寄せる。
「オブリビオン……あなただね、ゴーストを操っていたのはっ!」
金髪の少年、龍見・潤(少年は夜空を辿る・f35439)が呼びかけるとサイリスは小さく笑って。
「そうよぉ、あのゾンビ達だってそう望んでいたんだものぉ……」
笑みを浮かべ、サイリスは操る大鎌の刃を地面へと突き刺す。
「さあぁ、出なさいよぉ、地縛霊たちぃ……」
ゆらりと地面から現れる多数の霊。サイリスはそれらの未練、怨念、執着といったものを自身の体に宿していき、力を高めていく。
全身に呪縛を伴う副作用もあったようだが、サイリスは持ち前の呪い耐性で負担を軽減していたようだ。
「地縛霊を操るのですね……まるで物のように」
その存在していた証すらも奪おうとするサイリスに、桜の精の死霊術士である姫神・咲夜(静桜・f24808)は思うことがあったようだ。
「野放しにするわけにはまいりません」
その横、ロングコートを纏う仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)もまた倒すべき敵を見据えて。
「さすがに芸術溢れるこの世界をぶち壊すなんて許されないわね」
その見た目は男性であるが、多重人格者である衣吹の表面に出ていたのは、美術好きなお姉さんネイル。
「どんな世界でも、カワイイものやキレイなものはアタシが全力で守るわ」
ショッピングセンターには素敵な衣装や芸術品も販売されているだろうし、屋上にだって可愛らしい子供や素敵な男女が多数避難している。衣吹……ネイルはこの場でサイリスを倒すべく身構える。
4人のサポーター達を前に、妖獣化したことで己の殺戮衝動が抑えられなくなっていたサイリスは瞳を赤く染めて。
「なら、全員を血祭りにあげようじゃないのぉ……!」
真正面から、そいつは猟兵達へと大鎌を振りかざしてきたのだった。
●
妖獣とは、かつてこの世界シルバーレインにて、能力者達が対したゴーストにおける分類の1つ。「多数の動物の残留思念が寄り集まり、シルバーレインの力を得てゴーストとなったもの」とされる。
基本的には動物の姿をしたそれらは常に激痛に苛まれている。その痛みによって凶暴性が高まっており、獲物の喰らって痛みを和らげようとするのだという。
妖獣化したオブリビオンも、そうした苦痛、あるいは衝動などに強く突き動かされ、人間を暴力的に殺戮しようと動く。
「さあぁ、盛大に泣き叫んで死になさいぃ、地縛霊になったら使ってあげるからぁ……!」
地縛霊の力で超強化したサイリスは直接手にする大鎌で切りかかってくる。
刃の鋭さもさることながら、加速したサイリスを止めるのは難しい。
「ふふっ、これが地縛霊の力よぉ……」
正面から切りかかってくる妖獣化オブリビオンは話し合いなど通じる相手ではない。
まして、強大な力を振るわんとするサイリスだ。咲夜はやむを得ずユーベルコードを使って。
「黒き桜よ……」
咲夜は手にする『白桜の魔杖』へと呼び掛けると、その杖が黒い杖へと変貌していく。
そして、まずは相手を止めねばと判断した彼女は移動力を代償に装甲を高め、相手の刃を受け止める。
「敵の力を弱めるのです」
その場で耐えていれば、周囲の仲間達が対応してくれると、咲夜は相手を抑え、時に桜のオーラを発して相手を……いや、地縛霊を浄化しようとする。
「うぅ、う……」
それを受け、サイリス自身もダメージを負い、呻き声を上げる。
とはいえ、霊は少しずつ霧散しているものの、なかなか弱体化には至らない。おそらくはサイリス自身が抵抗して霊を押し留めているからだろう。
「この程度でぇ……、無力化なんてできないわよぉ……」
さらに、サイリスは再度地面へと大鎌の刃を突き刺すと、大量の地縛霊の鎖を出現させる。
「この地が新たな主を望んでいるってよぉ……!」
それらの鎖を、サイリスは一気に解き放ち、この場の猟兵達へと攻撃する。縛り付けられて直接捕らわれることがあるのはもちろんのこと、掠っただけでも呪縛の影響を受けてしまうのが恐ろしいところ。
そこで、潤がユーベルコード【ヘヴンリィ・シルバー・ストーム】を使い、呼び寄せたのは銀色の雨……シルバーレイン。
「これで態勢を立て直せるはずだよ」
潤の降らせた雨は鎖に苛まれる仲間達へと優しい雨を降らせて癒しをもたらし、サイリスには万色の稲妻を浴びせかけ、攻め立て続ける。
潤の実力から、雨が降るのは1分半弱といったところ。
その間に、結名はショッピングセンター入口にキーボードの演奏を響かせて。
「どんなものも、いつかは失われる……」
結名が響かせるのは、【恐怖のカンタータ】。
焦燥感を掻き立てる曲調は耳にしていたサイリスに焦りと不安を掻き立てて。
「ううぅ、あああぁっ……」
ただでさえ、妖獣化によって思考が単純化していたサイリスだ。
その思考に結名がノイズを走らせたことで、サイリスも混乱してしまう。
すでに潤の降らせた銀色の雨は止んでいたが、結名のユーベルコードもまた一時的な効果しかない。
すぐにサイリスは滅茶苦茶に大鎌を振り回し、対する猟兵達に切りかかろうとする。
「殺戮ぅ、殺戮をぉ……!」
一時的に結名のバロックレギオンが抑えるサイリスへ、衣吹……の人格の1人、ネイルが攻撃を仕掛ける。
下手に飛び込めば危険な状況だが、元々ネイルは接近戦よりも距離をとって戦う方が好みだ。
「妖獣化……美しくないわね」
素の状態で戦ったのであれば、可愛らしい見た目をしていたであろうサイリスだが、妖獣化して衝動のままに人を手にかけようとするその姿にネイルが好感など抱くはずもなく。
「バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!」
外套を投げつけて相手の目をくらましたネイルは、ユーベルコードによって取り出した影色の招待状をサイリスへと投げつける。
命中したならしめたもの。寿命を削りはするが、一時的に相手のユーベルコードを封じることで好機が生まれる。
ネイルは炎を宿す【ルーンソード】で切りかかると見せかけ、『ダガー』を投げつけてサイリスを牽制する。
その間に、ネイルは地面へと『ルーンカルテ』を投げつけ、自身のユーベルコードを解くと同時にそのカードから光を放つ。
「あああぁ……!」
目がくらんだサイリスはまたも滅茶苦茶に大鎌を振り回すが、ネイルが背後に回って炎の斬撃をその体へと叩き込む。
背中に燃える様な熱さを感じたサイリスは一度猟兵達から距離をとって。
「うぅ、大人しくやられてしまいなさいよぉ……」
やはり、妖獣化の影響か、或いは猟兵達の傷の影響か、サイリスは内なる衝動と苦痛に表情を歪ませていたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
館・美咲
※他の方との連携、絡みOKです
さて、後はメインのオブリビオンだけですね。
さあこの世界でもジェット居合流を広めるためにも、格好いいとこ見せるため頑張りますよー!
妖獣化で思考が単純化しているということであれば、挑発をして引き付けた上での一撃とかが効果的ですかね。
具体的には、「あれだけのゾンビたちを使ったのに効果が出なくてどんな気持ちですか?」等の挑発を行って、こっちに攻撃をし向けさせたところを【残像】で回避しつつ、居合でずんばらりん!といった感じで行きたいですね!
効果が小さくても有効に使える手段っていうのは色々ありますからね!
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「ようやくお出ましね」
とは言っても接近戦は避けたいわね。
[目立たない][迷彩]で建物設備に隠れる。[忍び足][逃げ足]で距離を取りつつ音の出にくい弓で着実に攻撃。
タイミングを見計らってユーベルコード【ジャッジメント・クルセイド】で雷を降らせるわ。
とにかく近づかない。
接近されたら[念動力]で物を投げつけたりしつつ距離を取って射撃。
これを残酷までに徹底するわね。
強力な大鎌を持っているようだけど
「当たらなければ、いえ、当たる距離まで近づかなければどうということもないのよ」
シリン・カービン
広範囲な攻撃は厄介ですが、思考が単純化されてるのなら対処法はあります。
上手く利用させてもらいましょう。
「羽根妖精よ、私に続け」
複製した精霊猟銃を宙に展開、銃を足場に空を駆けます。
大量の鎖は、跳んで避け、複製銃で撃ち、銃を盾に躱します。
向かってくる鎖の方向を絞り、私に向かって一つの流れに纏められる頃には
サイリスの頭に相当血が上っていることでしょう。
勢いよく迫る鎖の束から逃げ続けている様に見せかけて、
サイリスの方に誘導。
よろけるフリで鎖が殺到する瞬間全力跳躍。
残像を貫いた鎖はそのままサイリスへと向かい、
その隙を逃さず眉間を狙い撃ちます。
「あなたは私の獲物」
銀の雨が降る世界……不思議なものですね。
●
キラーゾンビを殲滅し、こちら戦線に加わってくる猟兵達。
その群れを率いていた妖獣化オブリビオン『鎖断ちの死神』サイリス・ハーヴェスターはサポーター達との交戦で荒く息をついている。
「ようやくお出ましね」
しばらく前から交戦は始まっていたものの、最初からこのショッピングセンターに詰めていたヤドリガミ女性、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)としては待ちに待った登場といった印象だ。
「さて、後はメインのオブリビオンだけですね」
ガジェッティアの眼鏡女性、館・美咲(ジェット居合流伝承者・f01503)はこのシルバーレイン世界にも、自らが編み出したガジェットと剣術を合わせた「ジェット居合流」を広めたいと考えている。
「頑張りますよー!」
屋上からは避難した施設利用客がこちらを見ており、格好いいとこ見せる為にと美咲は気合を入れる。
サイリスの攻撃パターンを注視していたエルフ女性、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)も相手と対する構え。
「広範囲な攻撃は厄介ですが、思考が単純化されてるのなら対処法はあります」
妖獣化した相手の状態を上手く利用させてもらおうと、シリンもまた動き始める。
「また獲物が来たのねぇ……」
全身の傷が深まっていたサイリスだが、まだ殺気は衰えておらず、殺戮の為に猟兵達へと大鎌を振り上げてきたのだった。
●
サイリス・ハーヴェスターは妖獣化抜きでもかなりの力を持つ。
その源は、戦地となる場所に捕らわれた地縛霊の力を引き出すことにある。
引き出して強化した力で大鎌を薙いでくるサイリスだが、行動パターンはかなりの力攻めであり、裏をかいて叩くことはできそうだ。
(「相手をするにも、接近戦は避けたいわね」)
その大鎌を警戒するヴィオレッタは持ち前の技能で【迷彩】を纏い、【目立たぬよう】建物設備に身を隠す。
その上で【忍び足】と【逃げ足】を活かしてサイリスから距離をとり、頃合いを見計らってから音の出にくい弓を攻撃手段として選び、『射貫き打ち抜く鋒矢』で矢を射て着実にサイリスを攻め立てる。
「うああぁ、ああああっ……!」
サイリスはそんなヴィオレッタを探すこともなく、姿をさらす美咲やシリンへと大鎌で切りかからんと刃を唸らせ、風を切る。
(「妖獣化で思考が単純化しているということであれば、挑発をして引き付けた上での一撃とかが効果的ですかね」)
そう考えた美咲は、攻撃を引きつけるべくサイリスに向けて不敵に笑って。
「あれだけのゾンビたちを使ったのに効果が出なくて、どんな気持ちですか?」
「言わせておけばぁ……!」
再度、地縛霊の力を纏ったサイリスは傷口から血を流して襲い来る。
俊敏な動作で飛びかかってくるそのオブリビオンは野生動物を思わせた。
ただ、すでにいくつもの世界を救っている猟兵達に、単なる力攻めなど効果があるはずもない。
美咲は【残像】を残し、サイリスの刃を避けて見せる。
「うぅ……!」
虚を突かれて目を見開くサイリスに、シリンも仕掛けていく。
「羽根妖精よ、私に続け」
ユーベルコード【ピクシー・シューター】によって複製した精霊猟銃を空中へと展開したシリンはそれらの銃を足場として宙を駆ける。
「これでどうぅ……?」
捉えるのが難しいならばと、サイリスは地面に大鎌の刃を突き刺し、多数の鎖を一気に地面から伸ばす。
広範囲に攻撃を仕掛ければ、捕らえることができるだろうというサイリスは考えたのだろうが、単純な思考であることは否めない。
シリンは身軽な動きで跳躍して鎖を避け、複製銃を発砲して鎖を破壊し、さらに銃を盾にして自身へと伸びてきた別の鎖を防いでみせる。
「ちょこまかとぉ……」
ならば、鎖を一度にシリンへと向けてくるサイリス。
鎖が一つの流れとなって纏められていたことで、シリンは相手の頭に相当血が上っているのだろうと確信する。
シリンへと注意が向いているサイリスへ、ヴィオレッタが物陰でユーベルコードを使って指先を向ける。
【ジャッジメント・クルセイド】。天からの光がサイリスを狙い、その体を撃ち抜いていく。
「あそこねぇ……!」
サイリスは大鎌を振り上げて近づいてくるが、ヴィオレッタは【念動力】で周囲にある看板やら物販用の棚やらを投げつける。
そして、すぐさまサイリスから離れたヴィオレッタは相手の大鎌を見つめて。
「当たらなければ、いえ、当たる距離まで近づかなければどうということもないのよ」
いかに全てを断ち切る威力を持つ大鎌であっても、距離をとっていれば当たらないとヴィオレッタはさらに矢を射かけていく。
「ううっ、うううぅ……」
痛みに獣のごとき唸り声を上げるサイリスは、なおも目につく猟兵へと大鎌を振り回す。
それをさらりと【残像】で躱した美咲は蒸気を噴射させた『侍ブレイド』による居合で、サイリスへと切りかかる。
「戦う為の手段は、ただ力を高めるだけではないですよ!」
確かな手応えを感じた美咲は、効果が小さくても戦いに有効な手段は色々あると主張した。
「くうぅ」
再び、地面から伸びる鎖を操るサイリス。
それらは美咲からシリンへとターゲットを移していたが、シリンは先程と同じ要領で鎖を纏めつつ逃げ回る。
……と見せかけて、シリンは鎖をサイリスの方へと誘導して。
「ああっ!」
「もらうわぁ」
よろけるシリンに、サイリスは好機と一気に鎖を束ねて襲い掛からせようとする。
しかし、それはシリンの演技。彼女は鎖が殺到したのを見計らい、全力で跳躍した。
「えぇ……!?」
何が起きたか、把握に時間を要していたサイリスは自分の方へと向かってくる鎖を停止させた。
ただ、意識が別のところへと向いたオブリビオンは高く舞ったシリンにとって格好の的。
「あなたは私の獲物」
その眉間を『精霊猟銃』で撃ち抜くと、サイリスは目を見開いて後方へと倒れていく。
「そん、なぁ……」
事切れたオブリビオンは黒く爆ぜ飛び、骸の海へと還っていく。
討伐すべき敵を倒したのも束の間のこと。戦場となったショッピングセンターにぽつぽつと銀色の雨が降り始める。
「銀の雨が降る世界……不思議なものですね」
頭上を見上げるシリンは、他世界ではなかなか見られぬ光景に感嘆しながらも、世界のどこかに新たな敵が現れたであろうことを予感せずにいられないのだった。
大成功
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