軽率タイアップ! 猟兵バーガー
●ここにしかないけどどこにでもある
ローカルチェーンのハンバーガーショップ『マイティバーガー』。展開地域は非常に狭いものの、地元民には愛されていた。
どれくらい愛されているのか地元の声を聞いてみよう。
『あそこのカレーうまいよね』
『マイティのヌードルばっか食べてたら箸使うの上手くなったよ』
『バーガー以外はほぼ全メニュー制覇したよ! てかあそこでバーガー食ってるやつ見たことないんだけど』
そう、この店バーガー屋でありながらバーガー以外のメニューが人気すぎるのだ。
もちろん店側もこれをよしとしているわけではない。メインメニューであるはずのバーガーを宣伝すべく今日も本社で作戦会議中だ。
「君はわが社唯一のヒーロー社員である。そこのところをどうにか押しだしていけないかと思うのだが」
「私の名前を付けたバーガーは一応あるんですけど……」
社長の隣にはぴちぴちスーツを纏った若い女性。豊満な体にタイツ生地のタンクトップとビキニパンツ。大きな胸を縁取るようにMの文字が書かれ、背中には店のロゴ入り。足はレスリングシューズに顔には目の部分だけ露出したアイマスクという典型的ヒーロースタイル……ぶっちゃけステレオタイプすぎて個性がない。
彼女の名はマイティガール。イーストアベニュー店店員にしてチェーン傘下唯一のヒーロー社員である。
ちなみに彼女の名を冠した『マイティガールバーガー』は二枚のパティにスライストマト、レタスにオニオン、さらに特製ソースを使った大ぶりなもの……要するにどこにでもあるちょっと値段の高い大型バーガーだ。もちろん売り上げは他のバーガーと大差ない。
行き詰る会議。そこに一人の社員が手を上げた。
「あの……ここは猟兵の皆様を頼ってはどうでしょう?」
アースクライシスを乗り越えたこの世界で、猟兵は誰もが知るスーパーヒーローだ。49ersに留まらず、今や猟兵と言うだけで注目の的である。
「ストーリーとしては、ヒーローとして彼女はまだまだ未熟。それ故に多くのベテランヒーローの助けが必要。そこでベテランヒーローである猟兵の皆様のサポートを得て彼女を育てようという名目で多くのバーガーを考案していただこうかと」
思いっきり他力本願な計画だが、自力でできることは大体やり切ってしまったのだ、もう外に頼るほかない。
「ふむ、確かにそれは無条件に注目は集められそうだ。だが猟兵はもちろんマイティガールもヒーロー、有事の際にはそちらの対処を優先せねばならない。そのところはどうなのだね?」
「はい。ですので会場を特にヴィランの少ない地域にあるパークサイド店にしようかと。ここなら問題が起きる可能性は低く、仮に何かあったとしてもマイティガール一人で対処可能でしょう。もちろん社でも万全のサポート体制は用意します。弱めのオブリビオンでも現れれば退治して宣伝効果すら期待できるかも……まあ、そもそも襲撃自体ありえないでしょうけど!」
そう言ってHAHAHAと笑う社員一同であった。
●一歩出れば名前すら知られてない
「で、まあ、あたしの方に話が来たわけで」
そう言うのはミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)のボディアカリ・ゴールドだ。アカリ自身はアメリカ出身でありミルケンもアースクライシスには参加していたため、その辺りから話が回ってきたようだ。
「よーするに猟兵オリジナルバーガーを作ってほしいって話っす。ここの店とにかく色んなメニューがあるんで、材料の種類だけは豊富にあるっす。あたしはミートラザニアとか好きっすね」
アカリも行ったことはあるらしい。そしてやっぱりバーガーは食べていないようだ。
「それだけで済めばよかったんすけど、話と一緒に予知が入ってきちゃって。ここは元々事件の少ない地域なんすけど、たまたまこの日に限ってオブリビオンが出てきちゃうみたいで。まあ対処しようとお店のヒーローも出撃するんすけど、ここで出てくる相手ってのが……『量産型クライング・ジェネシス』で」
よりによって集団型でも最強クラス。流石に一般ヒーロー、しかも基本平和な地域を担当する兼業ヒーローが戦える相手ではない。
「なんで、マイティバーガーのイベントに協力しつつ、量産型クライング・ジェネシスをぶっ倒して欲しいんす。クライング・ジェネシス自体は2年前本物が丁寧に全世界に顔見せして宣伝してくれたんで、知名度は抜群っす。うまくやればこの襲撃自体も宣伝に使えるんじゃないっすかね」
もちろん大きな被害なく事を収められれば、の話ではあるが。
「まーとにかく、自分イメージのバーガーを作りつつオブリビオンをぶっ倒すいつもの依頼っす。猟兵のスーパーヒーローぶりを見せつけてやればいいっすよ!」
そう言ってミルケンはグリモアを起動し、猟兵をヒーローズアースへと送り出すのであった。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。全国区だと思ってたチェーンが地元ローカルだったというのはよくある話。
今回はヒーローズアースにて、猟兵タイアップバーガーを作りつつオブリビオンをぶっ倒していただきます。
第一章では『マイティバーガー』というローカルバーガーチェーンに協力し、猟兵タイアップバーガーを考案、販売していただきます。
顔や得意技、イメージカラーや名前など何かしら自分をイメージしたバーガーを考えてください。ヒーローズアースでの活動実績がある方はもちろん、ない方も新星ヒーローとして大人気です。
材料は普通のバーガーのみならず、中華や和食、スイーツ類など様々なものがあります。
王道のみならず激辛激甘、超ボリューム等あらゆる方面でのアプローチが可能。
考案者の顔写真付きで販売する予定です。
第二章では『量産型クライング・ジェネシス』が襲撃してきますので、バーガーのCMも兼ねてやっつけてしまってください。もちろん第一章に参加してない方でもお気軽にどうぞ。わざとらしくバーガーを食べながら戦ってしまうのもCMにはいいかも。
バーガーチェーンとお抱えヒーロー詳細。
ローカルチェーン『マイティバーガー』。ごく狭い地域で展開するローカルチェーンのバーガー屋。元々売り上げを少しでも伸ばすため色々なメニューを増やしていったらそちらの方が人気が出てしまい、バーガーがあまり売れなくなってしまう。バーガーも味自体は悪くないのだが、なんかどこにでもある感じで珍しさはない。なんだかんだ地元からは愛されている。
マイティガール 人間のスーパーヒーロー×パーラーメイド(19歳、女性)
マイティバーガーイーストアベニュー店店員。普段は店員として主にレジや接客をこなしつつ、ヒーロー能力を使い地域ボランティアや広告塔としても活躍。地域自体が元々平和なこともあり、命懸けの実戦はほぼ経験がない。
ヒーローとしての力は凡庸だが、接客スキルとマルチタスクをこなすのは得意。
性格もこれと言ってクセのないごく普通の一般女性。むしろ猟兵が来ると聞いて見学者側っぽい気分にすらなっている。
全体的にライトなノリ重視の感じで行きたいと思いますので、お気軽に参加していただければ。
それでは、猟兵ならではのプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『オリジナルバーガーを作ろうぜ!』
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POW : お肉いっぱい、とってもボリューミーなバーガー作りに挑戦
SPD : 栄養バランスを考えた健康に良さそうなバーガー作りに挑戦
WIZ : 独創的でフォトジェニックなバーガー作りに挑戦
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
地元で人気のバーガーチェーン『マイティバーガー』。その一店舗はにわかに活気づいていた。
「うわぁ、猟兵だ! 本物だ!」
「さ、サイン貰っていいですかね……」
ちなみに騒いでいるのは客ではなくスタッフ。しかもそのうちの一人はヒーローコスチュームを纏ってすらいる。
一しきり騒いだ後、責任者らしき人物から今回の趣旨を説明される。
「というわけで、猟兵の皆様にはご自身をイメージしたバーガーを創作していただき、こちらで販売したいと思っております。このマイティガールに皆様の凄さを見せて勉強させるというストーリーになっております」
「メリンダ・マーズ……じゃなくてマイティガールです、よろしくお願いします!」
そう言って挨拶するぴちぴちタイツの女性。平然と本名を名乗るあたり正体を隠していないのだろう。あるいはその必要もないくらいこのあたりが平和ということか。
「まあその辺りはこちらの広報がそれらしく話を書きますので、皆様はまず自由にバーガーを作っていただければと。材料は店にあるものを自由にお使いください。こちらはメニューなので参考にしていただければ」
やたらと大きなメニューだが、バーガーはその片隅にしか載っていない。一応一番最初に見る左上にかかれてはいるのだが、メニュー全体に占める割合が小さすぎる。その代わりにピザだのパスタだの、さらにはチャーハンやカレー、パフェにケーキとバーガー以外が充実しまくっており、もはや何屋なのかわからない。
ともあれ、これだけあれば大体の内容のバーガーは作れるだろう。猟兵よ、悩めるローカルチェーンのため自分だけのバーガーを作り上げろ!
死絡・送
SPD
アドリブOK 絡み共闘OK
ノーブルバットに変身して参加、現場の人にはきちんと名乗って挨拶する。
「さて、名前はノーブルバットなのでノーブルバーガーで行くとして」
と言い店の食材を吟味して自分のスーツの色から茄子、血をイメージした
サルサソース、肉は鶏つくねのハンバーグに付け合わせでレタスと言う組み合わせを選び自分で料理して試作品を作る。
「ノーブルバーガーの完成だ、試しに食べて見て欲しい」
とマイティガールさんに試食をしてもらう。
悩めるローカルチェーンのタイアップバーガー計画。その先陣は黒衣の男が切った。
「ノーブルバット、参上! というわけでノーブルバットだ。よろしく頼む」
いかにもヒーロー然とした全身スーツで登場したノーブルバットこと死絡・送(ノーブルバット・f00528)。ヒーローネームでスタッフたちに挨拶し、早速バーガー考案に取り掛かる。
「さて、名前はノーブルバットなのでノーブルバーガーで行くとして」
このあたりは分かりやすさが大事。名前で惑わせては食指も動かないというものだ。
そして名前が決まれば次は中身。
「なるほど、本当に色々あるな」
バーガー以外がやたらと人気という話通り、普通はバーガーに挟まないような食材がふんだんに揃っていた。それを一つ一つ吟味していく送。
「よし、まずは色だ」
そう言って取ったのは茄子。これだけでも中々バーガーとしては珍しいチョイスだ。さらにそこに加えるのはサルサソース。こちらはまあバーガーにもしばしば使われることはあるが、どちらかと言えばタコスなどに入る方が多いだろう。
これらがイメージするのは闇夜の如きスーツの色と、吸血鬼の象徴たる血だ。安易にケチャップなどとしないあたりがセンスが光るところだろう。
そして次に考えるのはメインともなるパティ部分だ。単純に考えればビーフパティだが、吸血鬼とビーフはいささか接点がない。かといってさすがのマイティバーガーも蝙蝠肉なんでものはおいてないし、仮にあったとしてそれが売り込み用バーガーに相応しいかと言われれば首を傾げざるを得ないところだ。
そこで思いついたのが。
「これならどうだろう」
鳥のひき肉をこねて成形し、焼いたもの。いわゆる鶏つくねだ。それにレタスを添え、バンズで挟んで完成。
「ノーブルバーガーの完成だ、試しに食べて見て欲しい」
そう言ってマイティガールに差し出す送。それを受け取ったマイティガールは、まずはバンズを開けて中の鶏つくねを珍しそうに見ている。
「チキンのパティですか。普通はグリルや揚げ物を使うのですが、これはちょっと変わってますね」
アメリカではつくねは一般的な調理法ではないこともあり、珍しいのだろう。とにかく試しと一口食べてみれば。
「……おいしい!」
焼いた鶏つくねに茄子とサルサで全体的な味わいはメキシカンな感じだ。だが鶏ひき肉のパティという珍しい食感がただのメキシカンバーガーではないと主張し、凡庸な一バーガーに留めない。
「ではまず、一品目はこれでいきましょう。ノベルティとして付けるブロマイドと広告用写真を撮りますので、こちらへ」
そう言って撮影場所へ案内され、バストアップやポーズをつけたソロ写真をいくつか。そしてマイティガールとの合わせ写真も撮影する。役どころとしては一人目というところで突如現れた謎のヒーローと言ったところか。
わざとらしいくらいのなポーズをつけつつの撮影をこなし、最後にくっついて一枚。
「猟兵の人と写真撮れちゃいました……ありがとうございます!」
そう言って一礼するとともに揺れるぴっちりコスチュームに浮いた豊満な胸。こちらこそという言葉を押し殺しつつ、バーガー試作の第一幕は終わるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
イメージバーガー、ですかぁ。
面白そうですぅ。
私らしいとなりますと、色々な意味で『特盛』でしょうかぁ?
これに若干和風の要素も合わせ『通常のバーガーX個分のサイズの特大焼肉ライスバーガー』は如何でしょう?
ライスバンズも『焼きおにぎり風』にしてしっかりと、お肉は牛バラ肉を、お醤油味を中心の濃い目の味付け且つ山盛りに、マヨネーズはお好みで。
複数名でホールケーキのようにカットしたり、要望次第で通常のバーガーサイズをご用意しても良いかもしれません。
カロリーも相当でしょうが、それも含めて私らしいということで?
【豊饒佳饌】で[グルメ知識]と[料理]を強化、試作品も作ってみましょうかぁ。
「イメージバーガー、ですかぁ。面白そうですぅ」
そう言いながら次に現れたのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。早速バーガーの構想に入るが、さして考える必要もなく最初のコンセプトは決まった。
「私らしいとなりますと、色々な意味で『特盛』でしょうかぁ?」
その提案に周囲のスタッフ、そしてマイティガールは深く頷いた。
だが単なる特盛バーガーなら既にメニューにあるし、何ならマイティガールイメージのバーガーもどちらかと言えばそれ寄りである。というわけでここはさらにるこるらしいエッセンスを追加。
「これに若干和風の要素も合わせ『通常のバーガーX個分のサイズの特大焼肉ライスバーガー』は如何でしょう?」
彼女の体型に合わせかなりのアレンジがされているとはいえ、るこるの服は和風メイド服である。ある種アメリカでも受けのよさそうなそれをイメージしての提案はマイティガールも受け入れるが、それでも疑問が一つ。
「あの、X個っていうのは?」
特盛は分かるが不確定なのはなぜか。それに関しては作りながら説明していくこととなる。
「大いなる豊饒の女神、豊かなる恵みを齎す叡智をお貸しくださいませ」
【豊乳女神の加護・豊饒佳饌】を用い、[グルメ知識]と[料理]を強化、試作品の製作に着手する。
まずはライスをバンズに。ただ米を集め、固めるだけでなく醤油で味付けしつつ鉄板で焼き、焼きおにぎり風に。醤油の焦げた臭いが辺りに漂いそれだけで食欲をそそる。
そして中の具は焼肉。牛バラ肉を醤油で濃く味付けしたものをたっぷり山盛りだ。アメリカで焼肉というととにかく大きさだけを追求した脂の塊のような肉というイメージを持たれてしまうが、少なくともこのバーガーチェーンでは薄く小さくとも質の良いバラ肉と、過剰な混ぜ物などのない醤油が食べられるらしい。
だがそれをバーガーにしようという発想はなかったのか、その調理法には一同感心している。
「なるほど、具材は小さいものを集めた感じだからいくらでも増やせるのですね」
バンズは普通は事前にサイズを決めて焼く必要があるが、ライス製ならコメの量を増やせば理論上いくらでも大きくできる。焼肉も一つ一つは薄いバラ肉の集まりなので、それを足していけばやはりこちらも無制限に増量可能だ。客の要望に合わせたサイズを自由に用意できるのは、ライス焼肉バーガーならではといったところだろう。
マヨネーズは好みで着けるために別添え……というよりはボトルごと傍らに用意して、テーブルに乗せれば準備完了だ。
「複数名でホールケーキのようにカットしたり、要望次第で通常のバーガーサイズをご用意しても良いかもしれません」
そうは言うものの、今ここで用意されているのは四人掛けテーブルを占領する巨大なライスバーガー。ナイフを入れて切りだせば、それはもうケーキというよりキッシュの様なサイズと見た目だ。
それを少し手間取りながら持ち上げかぶりついてみれば。
「すごい、ライスとお肉だけなのに!」
肉と醤油と米、これを合わせて合わないはずがない味わいにマイティガールもご満悦。
「カロリーも相当でしょうが、それも含めて私らしいということで?」
そのカロリーの行く先がどこかは言うまでもないわけで。その後のブロマイド撮影もそのカロリーの集約点をメインに取られ、るこるがマイティガールのどこを鍛えるストーリーになるかも何となく予想できる展開になりながら二品目も完成を見たのであった。
大成功
🔵🔵🔵
美波・蜜香
【AS】
確かにヒーローはイメージアピールが重要だよね!よね!
せっかくだからあたし達もやってみようよ!
あたしが考案したのは
バンズの代わりに小ぶりなパンケーキを使って
そこへ薄いホワイトチョコとホイップクリームを挟んで
ハンバーガーの代わりにメレンゲクッキー挟むの!
バーガーかどうかは微妙だけどおいしければいいよね?よね?
(もぐもぐ)
在原・チェルノ
【AS】
コスチュームのデザイン的に親近感感じちゃうなー
ここは一つあたし達も協力しますか!
忍者らしさをアピールするため和風バーガー!
薄く焼いたお餅で照り焼きハンバーグを挟み、持ちやすい様に両面に焼き海苔を醤油で貼りつけて完成!
ライスバーガーだってあるんだからお餅バーガーってのもアリでしょ?
次に現れたのは女性ヒーロー、それもマイティガールもかくやという程に豊満な体のヒーローがペアで現れた。
「確かにヒーローはイメージアピールが重要だよね! よね! せっかくだからあたし達もやってみようよ!」
「コスチュームのデザイン的に親近感感じちゃうなー。ここは一つあたし達も協力しますか!」
そう言ってノリノリでやってきたのはヒーローチームエンジェルスクワッド所属、美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)と在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)。どちらもヒーローネームを持って活動をしている現役ヒーローだ。もちろんどちらもヒーローコスチュームでの登場である。
「うわぁ、すごいヒーローが来ました!」
メガサイズの体をぴったりコスチュームに包んだ二人が並ぶだけでその迫力は圧巻。バーガーなしでもこの絵面だけで売れるんじゃないかというくらいだが、そうなるとまたバーガー以外が人気のチェーンの名が不動のものになってしまうのでそういうわけにもいかない。
「じゃあまずあたしから。あたしのは忍者らしさをアピールするため和風バーガー!」
流星忍姫の名を持つチェルノは、その名にふさわしく和風で行くつもりだ。アメリカでも大人気なニンジャの登場に場も沸き立つ。最も全く別の種類の忍者である可能性は少なからずあるのだが、流石にそこまで日本の特殊文化には明るくないようだ。
「まずバンズだけど……あ、あったあった!」
食材をかき分け探し回りチェルノが見つけたもの、それは餅であった。日本特有の素材でありあるかどうかかなり怪しい所だったが、幸いにして数は多くないがそれなりに発見できた。
「それを入れたピザが地味に人気だったりするんですよ」
やはり普通に食べるわけではないようだが、バーガーに使うのならそれでもかまわない。餅を軽く焼いている間に、パティの方も探しておく。
「えっと、こういうのは……あ、やっぱりあった!」
「それも人気です! バーガーじゃなくてプレートでだけど!」
照り焼きハンバーグ、これは意外と簡単に見つかった。これもアメリカではなじみがなさそうだが、実はアメリカの照り焼きハンバーグからの派生がテリヤキバーガーだったりするのだ。
焼き上がった餅に持ち手として海苔を醤油で張り、照り焼きハンバーグを挟めばそれで完成。
「ライスバーガーだってあるんだからお餅バーガーってのもアリでしょ?」
「サムライバーガーならぬニンジャバーガーですね!」
やはり和風は珍しく目を引くが、醤油味と照り焼きは当然のように美味しく、そこに餅の食感も加わってまさに東洋の神秘を感じさせるバーガーだ。
そして次は蜜香の番だ。
「あたしが考案したのは、バンズの代わりに小ぶりなパンケーキを使うの」
「おお、あの超大手でもやってる奴ですね!」
もちろんパンケーキも完備されている。これに関してはファストフード店なら割とありがちなメニューなのであっても不思議はない。
「で、そこへ薄いホワイトチョコとホイップクリームを挟んで……」
デザートの豊富さもこの店の売りなのか、やはりほいほい出てくるスイーツ類。それはそれで単品でいただきたくなるが、今回はそこは我慢して。
「パティの代わりにメレンゲクッキー挟むの! ……ある?」
「もちろん!」
得意げに出てくるメレンゲクッキー。品ぞろえの豊富さを褒めるべきか自ら脱線を助長させているのを然るべきか。
ともあれ、これで蜜香のバーガーも完成。
「バーガーかどうかは微妙だけどおいしければいいよね? よね?」
早速自分で食べている蜜香だが、マイティガール、そしてチェルノも続いて食べ始める。
「うん、これもおいしい!」
「しょっぱいバーガーのあとにデザートで甘いバーガーいいですね! これはセットで販売できそう!」
こうして二人のバーガーが完成したところで撮影タイム。
やはりまずはソロの写真と、二つ纏めての購入者用に二人ペアの写真。ストーリーとしては塩気のきいた戦いの後、文字通りの甘い誘惑に堕とされていくヒロインたちと言った感じか。三人並んでの写真は、大きく張り出した巨峰に引き伸ばされたコスチュームの光沢が眩しい一枚だ。
文字通りではない甘い誘惑に堕ちる展開が非公式にあるかは……購入者次第と言ったところであろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャーロット・キャロル
なんとまさか同じヒーローネームで活動してる人がいるだなんてびっくりです!?
これも同じ名前の縁、ちょっと力になりたいですね。
まずはあちらのマイティガールにご挨拶。典型的ヒーロースタイルいいじゃないですか王道は大切ですよ!私ヒーロー大好きですからねここぞとばかりに色々お話しちゃいましょう。
っと本題はバーガー作りでしたね。
マイティの名前にちなんでこうパワー溢れる感じにしたいですね。
パティの代わりにガッツリステーキを挟んでみてはどうでしょうか?
そこまで奇をてらわずに王道路線で攻めてみましょう!
次に現れたシャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)。その参加理由は奇遇この上ないものであった。
「なんとまさか同じヒーローネームで活動してる人がいるだなんてびっくりです!? これも同じ名前の縁、ちょっと力になりたいですね」
そう、シャーロットも『マイティガール』の名で活動する現役のヒーローであった。
そのヒーローネームを名乗り同じマイティガールであるメリンダに挨拶するシャーロット。だがそれを受けたメリンダ及びマイティバーガースタッフは大慌てである。
「え、えぇぇぇぇ!? 猟兵の方に同じ名前のヒーローいるとか聞いてませんよ!?」
「すみません偶然なんです! デビュー時にチェーン名から付けただけなんです! 訴えないでください!」
めっちゃ謝ってくるが、もちろんシャーロットは文句を着けに来たわけではない。
「典型的ヒーロースタイルいいじゃないですか王道は大切ですよ!」
そう言って自身のコスチュームを見せるシャーロット。その姿もまた、青いビキニスタイルなぴちぴちスーツと胸に自身の名前を示すロゴ入りという王道スタイル。彼女の猟兵としての実績を合わせれば、それは凡庸ではなく誰もが一目で理解できる王道のシンボルとなる。
「そ、そうですよね! 有名な人と被っててもいいですよね! このままで大丈夫ですよね!」
ここぞとばかりにヒーロー愛を語り合う二人のマイティガール。これはこれで絵になる構図だが、今の優先事項はまた別にあるのを忘れてはいけない。
「っと本題はバーガー作りでしたね。マイティの名前にちなんでこうパワー溢れる感じにしたいですね」
力強いという意味のその言葉。シャーロットのヒーローとしての在り方をシンプルに表したヒーローネームであり、チェーンの理念と理想をこめた名前を前面に押し出していきたい。
現状のマイティガールバーガーもパティ二枚入りのパワー寄り構成だが、猟兵のマイティガールともなればさらに上の力強さが欲しい所。とはいえただパティを追加していくだけではやはり何かが物足りない。
「パティの代わりにガッツリステーキを挟んでみてはどうでしょうか?」
思い切ったその提案。肉そのものをさらにパワーあふれる力強いものに変えたバーガーはまさにマイティのなに相応しいもの。だが一方でステーキというアメリカ人ならだれもが大好きな直球ストレート肉料理を挟むことで、肉を食ってエネルギーにというシンプルなコンセプトはぶれさせない。
「そこまで奇をてらわずに王道路線で攻めてみましょう!」
挟むステーキも厚く、大きく、肉肉しく。ナイフで切って食べるのが無難だが、パワーに自信があるならそのままかぶりついて食べてしまっても構わない。
まさにマイティなバーガーの出来上がりだが、ここで問題が一つ。
「名前はどうしましょう?」
マイティバーガーもマイティガールバーガーも既にメニューにあるのだ。かといって考案者である猟兵のマイティガールの名は外しがたい。
ここはあえてシンプル、そしてちょっと強引に。
「マイティ・マイティ・バーガーとかでどうでしょう。ちょっと力押しなくらいがちょうどいいんじゃないでしょうか!」
同じ言葉を二度重ねることでその要素をこれでもかと強調するネーミング。二人のマイティガールにもかけたその名前に着けられるのは、やはり二人のマイティガールのブロマイド。
背中合わせで同じポーズを力強く取るそれに着けられるのは、マイティガールの危機にマイティガールが現れたというこれまた王道のバディストーリー。
愛されてるから王道になる。地元を愛し愛されるローカルチェーンにマイティガール、シャーロットはそれを力強く伝えたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リン・ベルナット
ハンバーガー、私も好きだよ!放課後についつい食べちゃうんだよね。スポーツヒーロー的にはよくないかもだけど……
……ごほん。この話は置いといてオリジナルのハンバーガーを作っちゃおう!
どうしようかなぁイメージカラーの赤をいっぱい使った激辛バーガー!は私食べられないし、スポーツヒーローらしくヘルシーバーガー!もなんか色々と間違ってる気がするし……
あ、そうだ!私の得意技「陸上四種技能」をモチーフにすればいいんだ!4つの競技を合わせた技にちなんでビーフ、チキン、ポーク、フィッシュの4つのパテを載せた大ボリュームバーガー!これで行こう!
撮影時はヒーロースーツで笑顔&Vサインでポーズ!ヒーロー的に当然だね!
次に店の扉を開けて入ってきたのはジャージ姿の部活帰りの学生……などではもちろんなく。
「ハンバーガー、私も好きだよ! 放課後についつい食べちゃうんだよね。スポーツヒーロー的にはよくないかもだけど……」
スポーツ少女にしてヒーロー、そして猟兵であるリン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)。彼女もまた悩めるローカルチェーンの力となるべくここへとやってきたのだ。
「いえいえ、当店は地元学生さんも大歓迎です。学割セットとかもありますよ!」
それを見事な営業スマイルで迎えるマイティガール。やはり普段は接客担当なだけあってその笑顔と声はプロ級だ。このあたりが彼女のサブジョブが超級料理人やフードファイターではなくパーラーメイドである理由だろう。
「え、それじゃあこの……ごほん。この話は置いといてオリジナルのハンバーガーを作っちゃおう!」
その接客に思わず学割メニューを注文してしまいそうになるのをあわてて誤魔化し、本題へと戻るリン。
これ以上誘惑に駆られないうちにと自分をイメージしたバーガーを考えて見るが、なかなかうまくは思いつかない。
「どうしようかなぁイメージカラーの赤をいっぱい使った激辛バーガー! は私食べられないし、スポーツヒーローらしくヘルシーバーガー! もなんか色々と間違ってる気がするし……」
せっかくだから自分だっておいしく食べたいし、色だけ合わせて好みに合わないものは作りたくない。またヘルシーフードと言うのは概してローカロリーなイメージがある。どちらかと言えば多めのカロリーを摂取し、それを燃やしてエネルギーと筋肉に変える方が自分らしいとも思えるので、ヘルシー志向もここは却下だ。
「確かに、低カロリーメニューもありますけど強い猟兵さんのイメージではちょっとないですよね」
マイティガールもその辺りには賛同するらしく、リンの体つきを見る。
豊満ではあるが無駄な肉ではなく、肉付きの良い脚はスプリングの塊のような筋肉。豊かな胸に隠れ気味だが、そこにあるのはばっちりしまって筋も入った腹筋。まさに運動するために鍛えられたその体。
その体を自分でも自覚して思いついたものは。
「あ、そうだ! 私の得意技「陸上四種技能」をモチーフにすればいいんだ!」
スポーツの動きをユーベルコードの領域まで昇華させた【陸上四種技能】。鍛錬の果て異能の域まで肉体を高めたヴィジランテはこのヒーローズアース由来のジョブでもある。実に彼女らしく、そしてこの世界らしい提案にマイティガールも頷いている。
「4つの競技を合わせた技にちなんでビーフ、チキン、ポーク、フィッシュの4つのパテを載せた大ボリュームバーガー! これで行こう!」
四つの動きを四つの肉になぞらえて、高カロリー高タンパクなボリュームバーガーの作成が始まる。
色々言われているが本分はバーガーショップであるマイティバーガー。探すまでもなく四種類のパティは用意された。それをバンズに挟めばあっという間にテトラスロンバーガーの完成だ。
本気を出した豚のように猛然と走り、飛べない代わりに跳躍力を鍛えた鶏のようにジャンプし、遠投沖釣りもかくやという程にキャストし、牛の角の如く鋭い槍を操る。少々こじつけ感は否めないが四種技能をそれぞれの肉にあてはめ、スポーツに大切な動きを生み出すパワーを得る特大バーガー。
分かりやすく豪華なそのバーガーをリンとマイティガールが手に持ち、そこにすかさずカメラが回る。
「笑顔&Vサインでポーズ! ヒーロー的に当然だね!」
ジャージを脱ぎ捨て体の良く見えるヒーロースーツ姿になり、片手にバーガー、片手でVサインを取るリン。並んで同じポーズをマイティガールも取り、二人の健康的な姿態がばっちり収められ、肉体派ヒーローのツーショットが決まるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ホーク・スターゲイザー
【トゥットファーレ】
アドリブOK
「育てると言う目的は協力できるが……」
ネハンとこの後起きることを相談。
経験も能力も圧倒的に足りない上に相手の能力を考えれば出さないほうがいいと言える。
「そうは言われてもこれでは」
メニュー見てバーガー屋と言われても疑問しか湧かないほどである。
「ファミレスに変えたほうがいいと言われるな」
迷走している感じは分かる。
「やるだけやるか」
ジェイク・リー
【トゥットファーレ】
アドリブOK
「話を聞く限りそっちは他に任せるしか」
ホークと共に対処策を講じる。
今回の相手は早すぎると判断して出させないほうがいいと決める。
手伝う様に言われてメニューを見る。
「……正直、バーガー店とは思えん」
何をどうすればこうなるのかと考える。
「色々あるがかえって仇となるパターンか」
売り上げがあるなら頼む者がいるという事になる。
「俺とホークは荒事の為に来ただけだ」
アリス・スラクシナ
【トゥットファーレ】
アドリブOK
「そう言われてもな」
バーガー作りと言われてもやった事はない。
メニューを見ても完全に追いやられてる感じがしてなおさらダメな感じが。
「売上伸ばそうとした結果がこれでは本末転倒なのでは」
とにかく何かを作らねばならないのは事実。
「まあダメもとで聞いてみるか」
ホークとネハン、二人からも聞いてみる事にする。
あの二人はこの後の対処が主だからあまり期待はしてなかった。
「なにか使えそうなものを探すか」
エルーゼ・フーシェン
【トゥットファーレ】
アドリブOK
「どうするかよねえ、これ」
メニュー見て思うのはなんで追い詰められてるのか。
「今あるの見る限り普通……こうどこにでもあるというか」
どこにでもある普通のバーガー。他にないものがあれば少しは。
「新しいのと言ってもねえ」
色々と見て考えてみることに。
「こう、ラザニアを揚げて挟んでみるとか?」
正直合うかは分からないけど、やってみる価値はあるかな?
マイティバーガー目下の悩みはメインメニューであるバーガーが売れないことである。味に問題はないはずなのにそうなっている原因は、メニューを見れば何となく察しがついた。
「……正直、バーガー店とは思えん」
ジェイク・リー(終極の竜器使い・f24231)……今はネハンと名乗り別人として行動している男はメニューを見てそう漏らした。メインであるはずなのにバーガーが占める割合は総数の一割にも満たず、とにかくそれ以外の料理が充実しすぎているのだ。
「はい、まあ、よく言われます」
地元の観光ガイドにも『バーガー店とは思えない品ぞろえ』などと書かれており、その豊富さから地元民はもちろん他所からの観光客も珍しがってバーガー以外を食べていくことがほとんどだ。
「そう言われてもな」
もちろん褒めているコピーなのだろうが、アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)もその評価が妥当となっているこの状況が良くないとは思う。
「売上伸ばそうとした結果がこれでは本末転倒なのでは」
規模の小さいローカルチェーンならではのフットワークの軽さが招いてしまった状況なのだろう。客たちもそれを面白がっているし、売り上げ自体はそれで伸びているから簡単には変えられない状況なのだ。
だからこそ、猟兵と言う大きな力に頼り一気に軌道修正を行いたいというのが今回の狙いなのかもしれない。
「そうは言われてもこれでは」
ホーク・スターゲイザー(六天道子・f32751)もメニュー見てバーガー屋と言われても疑問しか湧かないほど。これを変えるのはなかなか容易ではない。
「ファミレスに変えたほうがいいと言われるな」
「それもよく言われます」
迷走している感じは見ていてわかったが、その迷走自体が楽しまれてしまっている状態なのだ。
「どうするかよねえ、これ」
エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)もメニューを見て考える。
「今あるの見る限り普通……こうどこにでもあるというか」
どこにでもある普通のバーガー。他にないものがあれば少しは……と思うが、現状その他にないものの部分がこのありえない品ぞろえなのだ。そこを塗り替えるため、ここは猟兵が案を出さなければならない。
「とにかく何かを作らなければならない」
「新しいのと言ってもねえ」
アリスとエルーゼが色々と案を出し合っている横で、ネハンとホークは別の事を考えていた。
「話を聞く限りそっちは他に任せるしか」
今回のメインであるはずのバーガー作りを差し置いてまで二人が考えていること。それはこの後起きるという敵襲の話だ。
「育てると言う目的は協力できるが……」
猟兵に限らず、強いヒーローは何人いてもいい。マイティガールにもこの地域の平和を担う者としてより強くなってほしい、その思いはホークにもある。
だが、今回は相手が悪い。オブリビオン・フォーミュラであるクライング・ジェネシスの量産型。本物には遠く及ばないとはいえ集団型のくくりに収まらないレベルの強敵であり、数によっては下手なボス級一体より手強い相手になりかねない。経験も能力も圧倒的に足りない上に相手の能力を考えれば出さないほうがいいと、ホークはそう考えた。
ネハンも同様に、稽古相手には余りに荷が重すぎるとして積極的にマイティガールを戦線には出したくないと考えている。戦いを見せ、参加させることで強くなっていく非猟兵の者もいはするが、段階を踏まず強敵とぶつけてはただ無用な被害を生むだけ、猟兵の役目としては失敗と言える方向に向かってしまうと彼は考えた。
「まあダメもとで聞いてみるか。何かいい案はないか」
この後の作戦を練ろうとする二人だが、それはあくまで後の話。今はバーガー考案が任務だと、アリスが二人にも意見を求める。
「色々あるがかえって仇となるパターンか」
売り上げがあるなら頼む者がいるという事になる。そこのニーズに合わせてはどうかとだけネハンはいい、それ以上具体的な案は出さなかった。
「俺とホークは荒事の為に来ただけだ」
「そう言うな。やるだけやるか」
一方でホークは真面目に考えている。だが、彼も荒事が絡まない話は苦手なのか、その姿勢とは裏腹に妙案と呼べる考えは残念ながら浮かんでは来なかった。
「……まあ、期待してはいなかった。なにか使えそうなものを探すか」
早々に男二人に見切りをつけ、アリスとエルーゼが何かしら食材がないか探す。
種類そのものはやはり色々あるが、それ故にどうしても何を選べばいいかがぼやけてしまう。何か指針でもあれば……そう考えていると、出発前に聞いた話がエルーゼの頭に浮かんだ。
「こう、ラザニアを揚げて挟んでみるとか?」
この依頼を予知したグリモア猟兵がここでのお気に入りだと言っていたメニュー。揚げパスタと言えばおつまみとして有名だし、形状こそ違うがラザニアもパスタの一種だ。やってみる価値はあるだろう。
早速調理に取り掛かる。まずはラザニアを一度茹で、それから油でカリカリに揚げる。これだけではもちろん大した味もないので、塩と胡椒で強めに味付けする。せっかくなのでバンズも小さく薄いのを用いて食感を殺さないように。
こうして完成したのが、シンプルながら強い味のラザニアバーガーだ。子供のおやつやお酒のつまみに、メインよりもサイドメニューよりのバーガーとしてうまく仕上がったと言えるだろう。
「おお、カリカリして美味しいですね! チリパウダーをかけたりすれば味も帰られてバリエーションも出せそうです!」
ポテトの代わりにこれをつけて、バーガーwithバーガーなセットを考案してもいいかもしれない。まあカロリーや油分は結構なことになりそうだが、ファストフード店なのでその辺りはある程度客側も承知の話だろう。
それではこれに合わせて命名と撮影、ストーリー考案をと持ちかけようとするが、その前にネハンとホークはさっさと店外へ出て行ってしまう。
首をかしげそれを見るマイティガールだが、エルーゼとアリスは撮影会は後回しになりそうだとその姿を見て思うのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『量産型クライング・ジェネシス』
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POW : GAOOOOOH!
全身を【原初の炎に包まれた姿】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : BAOOOOOM!
【簡易型骸の海発射装置】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【相手と同じ姿と能力の幻影】で攻撃する。
WIZ : THEEEEEEND!
【簡易型骸の海発射装置から放つ『過去』】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『神々の時代』の火で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:yuga
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「皆さんのおかげで素敵なバーガーがたくさんできました! 後は作り方をスタッフに研修して、広報にストーリーを纏めて貰ってノベルティを生産して……」
たくさんの猟兵バーガーを前に今後の展開をスタッフと共に考えるマイティガール。その時、大きな破壊音が店の外から聞こえてきた。
「な、なんですか!? 珍しく事件ですか!? ならここは私が……」
ヒーローの役目を果たし、あわよくば宣伝にも使ってくれようと外に出るマイティガール。だが一歩店を出た瞬間、その表情は凍り付いた。
「あ、あ、あ……あれ、あ……」
その前にいたのは紫の体に発射口を持った分かりやすいほどに禍々しい姿の巨人。僅か二年前に世界の全てに姿を見せ宣戦布告したヒーローズアース最強のオブリビオン、クライング・ジェネシスであった。
しかもそれは一体ではない。車を蹴散らし、建物をなぎ倒しながら群れとなってそれが進撃してきたのだ。
「な、なんで……」
平和な町に現れた、倒されたはずの巨悪の群れ。平和な町を守ってきたヒーローにとってはあまりに次元が違い過ぎる相手。
「メリンダちゃん、逃げて!」
地元民が避難しながら震えるマイティガールに叫ぶ。ヒーローとして戦えではなく住民として逃げろという声は、彼女とこのバーガーチェーンがこの地域の身近な一員として愛されている証なのかもしれない。
その声に従い最後には逃げなければとは思うが、その前に住民とスタッフが逃げるだけの時間稼ぎだけでも。そう考え自分のできるだけをしようと無理矢理体を動かすマイティガール。
だが猟兵は知っている。奴らは本物ではなくそのデータから量産されただけの存在。集団型としては最強クラスであっても本物には遠く及ばない、ただの大量生産品でしかないことを。
ヒーローズアースに置いて知名度ナンバーワンの悪者が弱くなって出張ってきてくれたのだ。最強のヒーローである猟兵にとっては最高の引き立て役と言ってもいいはず。
猟兵よ、地元を愛し愛されるローカルチェーンとそのマスコットヒーローを守り、安売りされた巨悪を新製品のダシにしてしまえ!
死絡・送
アドリブOK 共闘絡みOK
「街も市民も守りに参上!」
と叫びジガンソーレに乗って再び参上、ヒーローたるもの敵を攻めるだけでなく街や人への被害を抑えるのも大事。
死絡忍軍土遁衆招来を使用し、マイティバーガーの前や近隣の通りに沿うように土の壁を築かせてバリケードを構築する。
自分もオーラ防御と火炎耐性でバリヤーを張り、味方や市民を庇いに行く。
「その汚い炎を消火してやる!」
と叫び属性攻撃と範囲攻撃を組み合わせルーチェ・デル・ソーレを冷凍光線に変えて味方に当たらないように発射、接近戦でも属性攻撃と重量攻撃を組み合わせて冷気を纏ったロボのパンチを叩き込む。
味方の動きも見て連携を取って戦う。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
派手なご登場ですねぇ。
『FAS』により飛行、『FMS』によるバリアで周囲を覆いましょう。
そして【崇卓】を発動、量産型の方々の接近距離に『マイクロブラックホール』を形成、重力圏に捉えますねぇ。
相手の『炎』は此方で吸収、他者を巻込まない様、通常の『操作』に『FGS』の補助も重ね、丁寧に制御しますぅ。
この状態で【UC】により動けなくなれば、ダメージは無くともブラックホールに吸込まれることになりますし、抵抗の為解除したなら『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]で押込めば良いでしょう。
この戦い方は両手が空きますし、宣伝とエネルギー補給を兼ねて『バーガー』を頂いても?
街を破壊しながら現れた巨悪の集団。それは二年前ヒーローズアースをカタストロフに陥れんと目論み世界の全てに宣戦布告したオブリビオン・フォーミュラ、クライング・ジェネシスの集団であった。
その戦いは猟兵の名を世界に知らしめるものともなったが、その激戦もまた世界中に知られていた。
たった一体で全ての猟兵と激戦を繰り広げたその存在が、たった二年で忘れられるはずもない。一見すればそれは抗しえぬ絶望の軍団ですらあった。
「街も市民も守りに参上!」
その巨体の前に、別の巨大な存在が舞い降りた。死絡・送(ノーブルバット・f00528)の駆るスーパーロボット『ジガンソーレ』が、迫りくるクライング・ジェネシスの前に立ちふさがったのだ。
堂々と、その体を盾にするかの如くマイティバーガー店舗前に立ちはだかるジガンソーレ。
「土遁衆、工事を開始せよ!」
その足元では、【死絡忍軍土遁衆招来】で呼ばれた土遁衆たちが店舗前や周囲の街を追うように土の壁を築き上げていた。
これからこの店はクライング・ジェネシスと戦うための拠点、そしてヒーローたちの出撃基地となるのだ。
そして守りを固めるジガンソーレの前で、巨大な敵を見上げてのんびりいうものが一人。
「派手なご登場ですねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はオブリビオン・フォーミュラの軍団にも臆することなくそう言い、土壁に重ねるように『FMS』でバリアを張りながら『FAS』を装備しふわりと浮き上がった。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その祭壇の理をここに」
そのまま【豊乳女神の加護・崇卓】を発動、クライング・ジェネシスたちの前に小さな黒いものを作り出した。
『GAOOOOOH!』
その前で、クライング・ジェネシスたちは咆哮を上げ己を炎に包む。そこに纏われた原初の炎はあらゆる攻撃を阻む絶対の防壁だ。
だが、その炎自体が黒い何かに吸い込まれていく。黒いものの正体はマイクロブラックホール。さらにそこに重力操作を合わせることで味方への飛び火を抑え、重力の中にクライング・ジェネシスたちを捕らえた。
だが炎はいくらでもクライング・ジェネシスの中から湧き上がってくるし、当人は例えどれほどの重力に捕らわれようとも無敵。動けないという大きな代償を払う代わりの無敵はそう簡単にはがれることはない。
「その汚い炎を消火してやる!」
一人で足りぬならと、ジガンソーレも前に出て冷凍光線を振りまき炎を鎮火させんとする。
無敵の源になっているのは原初の炎、それを奪ってしまえば敵はただ動けないだけの木偶と化す。そう読んだ二人は徹底してその炎を剥がしにかかった。クライング・ジェネシスたちはそれを受けても一体として動かない……動けない。
負けない代わりに勝てない硬直。だがついにしびれを切らしたか、一体のジェネシスが炎を止めて動き出した。遮られていた重力、そして冷凍光線が一気にその身に降りかかり並の集団型なら消し飛ばせるダメージを与えるが、やはりオブリビオン・フォーミュラを元にした存在、それを強引に乗り越えて迫ってくる。
一体が動いたことで後続も次々と炎を消して動き出す。元々クライング・ジェネシスは実力に見合わぬ小悪党じみた性格をしていた。量産化されてもその辺りは変わっておらず、一度流れができればそれに安直にのって行くのかもしれない。
『GAOOOOOOOOOO!!』
絶叫と共にジガンソーレへ掴みかかる戦闘のジェネシス。だがその手が届く前に、巨大な拳がその顔面に叩きつけられた。
「俺の武器がビームだけだといつ言った?」
ビーム用の属性エネルギーをこちらに切り替え、キンキンに冷えたロケットパンチ『ラッゾプーニョ』が安易に迫ったクライング・ジェネシスを殴り飛ばした。
よろけるクライング・ジェネシスをそのまま大量の爆炎が地面に強引に叩き伏せる。るこるの持つ射撃と爆撃の兵装、それがクライング・ジェネシスに一気に攻撃を放ったのだ。
やたら強いとはいえ無敵を失ってしまえば所詮は集団型。一気に叩き込まれた攻撃に、倒れたクライング・ジェネシスはそのまま消滅していった。
後続たちは慌てて再度炎を出そうとするがもう遅い。ブラックホールの重力と冷凍光線の凍結が無敵のないその体の動きを鈍らせ、その為の時間を与えない。
「再生怪人は弱い……お約束だ!」
過去の強敵は新しい力にあっさりやられる。アースクライシス時には無かったクロムキャバリアの力であるスーパーロボットで量産型クライング・ジェネシスを叩きのめし、送はそれを堂々と証明する。
そしてるこるは目立つようその肩あたりに乗り、巨大ライスバーガー……先に自分が提案し作ったものをこれ見よがしに食べている。
「使わせてもらいますねぇ」
有事の際に対処の当たった者が食べていた商品が爆発的に売れた……どこかで聞いた話を再現するかの如く、かつて世界を震え上がらせた巨悪は地方の一チェーンの広告塔に使われるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
在原・チェルノ
【AS】
みんなのために身体を張る、まさに正義のヒロインね
だったらあたしたちも助太刀してあげなくちゃね!
デチューンされてるとはいえ確かに強敵よね
けど、ゾロゾロ群れで出てきている時点で負けフラグなのよ!
【フェイント】+【残像】で敵の群れの中を駆け回りながら【先制攻撃】+【雷刃無尽】+【範囲攻撃】で敵の数を減らし、同時に敵UCでの同士討ちを誘う
外れた場合の地形効果は仲間にも有効だけど、直撃した場合のダメージも有効みたいね!
蜜香ちゃんとのコンビネーションで敵をどんどんやっつける
一通り片付けたら、マイティガールをセンターに蜜香ちゃんと三人でコラボバーガーを手にギャラリーにアピール!
美波・蜜香
【AS】
あたしも駆け出しのヒロインの時は強敵を前に恐怖に身体が動かなくなる時はあった
でも、マイティガールはみんなのためにがんばっている
だからあたしも
「あなたの勇気、味方しちゃうよ!」
チェルノさんと協力して【ブルーメンブリッツ】でまとめて敵をやっつける
とにかく派手に、映えるように
もちろん敵も黙っていないだろうけど、【ジャンプ】+【空中浮遊】で攻撃をかわしながら空中からの【怪力】+【ランスチャージ】をお見舞いする
恐ろしい敵が相手でも、【勇気】を胸に立ち向かう
「ほら、メリンダさんも♪」
彼女をセンターにチェルノさんと三人であたしたちのイメージバーガーをパクリ
彼女はこの街のヒーローだからね
期せずして町の防衛線と化したマイティバーガーパークサイド店。そこを抜かせないために、ローカルヒーローマイティガールは店の前に立つ。だがそこに迫りくる敵は余りにも凶悪で、有名すぎた。
それでも勝てぬまでも時間を稼ごうと出撃する彼女。恐怖を押し殺し戦いに挑むその姿は、美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)にとっては他人事ではなかった。
「あたしも駆け出しのヒロインの時は強敵を前に恐怖に身体が動かなくなる時はあった。でも、マイティガールはみんなのためにがんばっている。だからあたしも」
アースクライシス終結と前後して猟兵としての活動を始めた蜜香。最初のころは敵の前に出るたびに体が震え、恐怖に支配された。ましてや今眼前にいるのは世界全てを平然と敵に回した悪の首領の群れ。その恐怖は痛いほどに分かる。そして、それでも逃げずに立ち向かうその心も。
「みんなのために身体を張る、まさに正義のヒロインね。だったらあたしたちも助太刀してあげなくちゃね!」
在原・チェルノ(流星忍姫チェルノ・f06863)もその心に理解を示し、そこに力を貸すことをためらわない。正義のヒロインは助け合ってこそその力は何倍にもなるのだ。
「あなたの勇気、味方しちゃうよ!」
今こそ、その勇気に自分の力を添える時。二人のヒロインが、震えるマイティガールの隣へ飛び出した。
「流星忍姫チェルノ!」
「ブルーメンリッター! そして……」
「え、あ……マイティガール!」
「「「参上!!!」」」
声を上げ名を名乗ることで己の存在をアピールし、奮い立たせる。ここからヒロインの戦いは始まるのだ。
それを分かりやすく迎え撃つように、巨体を揺らし迫りくるクライング・ジェネシスの群れ。
「デチューンされてるとはいえ確かに強敵よね。けど、ゾロゾロ群れで出てきている時点で負けフラグなのよ!」
その巨体を恐れることなく、チェルノが群れの中へと飛び込んだ。
素早く、残像を残しながらクライング・ジェネシスの間を飛び回るチェルノ。一瞬で胸元まで迫ったかと思えば攻撃せずにそのまま離脱、さらに別個体に攻めかかるように見せてはやはり討たずに別へ行く。
「闇を斬り裂け、雷の刃よ!」
攪乱のような動きを何度も繰り返してから、チェルノがおもむろに【雷刃無尽】を放って全方位のクライング・ジェネシスへ攻撃をかけた。誰かを狙っているのではなく全員が狙い。その雷手裏剣で輝く巨体の群れの中から、続いてピンクの閃光が舞い上がる。
「正義の花吹雪、吹き荒れるよ!」
蜜香が敵の足元から、【ブルーメンブリッツ】を使いながら飛びあがった。光の色を塗り替えながら、クライング・ジェネシスの軍団が一気にバランスを崩しのけ反っていく。
『THEEEEEEND!』
そうして倒されながらも、その胸に開いた大穴……簡易型骸の海発射装置から『過去』を放ち反撃を試みるクライング・ジェネシス。簡易型故に猟兵のトラウマを抉りだしそれだけで再起不能になりかねないほどの精神、肉体攻撃にはならないが、それでも過去の強敵や苦痛、屈辱などが実体となって三人に襲い掛かる。
「み、見ちゃダメ!」
何が見えているのか、顔を赤くし思い切りジャンプする蜜香。共有する過去がない故マイティガールには何が見えているのか分からないが、チェルノは同じものが見えているのか同じように顔を赤らめている。
「もう、許さないから!」
ジャンプの勢いのまま『シュテンペランツェ』を構え、クライング・ジェネシスに突っ込む蜜香。その一撃でクライング・ジェネシスの一体がどうと倒れ、そのまま消滅した。
『WAOOOOOO!!』
仲間の消滅にも構わず、辺りに『過去』を撒き散らすクライング・ジェネシスたち。それはチェルノを襲い降りかかるが、待っていたとばかりにチェルノは素早く動いてそれを躱す。行き場を失った『過去』は後ろにいたクライング・ジェネシスに当たり、まるで歴戦の猟兵の攻撃を受けたかの如くその身を破壊しつくした。
「外れた場合の地形効果は仲間にも有効だけど、直撃した場合のダメージも有効みたいね!」
倒れたクライング・ジェネシスの骸の後には敵を強化する炎が残ったが、そこに立つ敵が倒れてしまえば問題はない。そのまま回避と突進を繰り返してクライング・ジェネシスを翻弄していく二人。
「恐ろしい敵が相手でも、【勇気】を胸に立ち向かう!」
その言葉に、及ばないながらも回避と攻撃にマイティガールも参加する。やがてド派手なヒロインの活躍と同士討ちの果て、ヒロインを囲んでいたクライング・ジェネシスたちは全て倒れた。
「ほら、メリンダさんも♪」
敵の攻勢がなくなった所で、各々のイメージバーガーを手にして並ぶ三人。彼女はこの街のヒーローだからねと、猟兵二人が脇を固めてセンターにはマイティガールを据える。
「おっきいだけじゃないんだよ!」
バーガーを掲げ胸を張り宣言し、それぞれバーガーをぱくり。六つの巨峰が並ぶ時、そこに悪は栄えない。そんな売り文句が出そうなド迫力アピールで、ヒロインバーガーは堂々とその存在を示したのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リン・ベルナット
現れたね!よーし、テトラスロンで華麗&アクティブに戦い凄い所を見せつけてテトラスロンバーガーのアピールをしちゃうよ!
まずは暴れる豚みたいに速く!力強く!ダッシュ!
残像を残すような速さで走り回って敵がユーベルコードを使用する間を与えないよ!
敵が立ちふさがったらチキンのように力強いジャンプ!一気に相手を飛び越しちゃおう。
相手が疲弊してきたら魚を捕まえる投網のように相手を掴んでは投擲して敵を一纏めに!
最後は突撃する牛の角のような鋭い槍投げ!ライトネスオーラを纏わせて着弾と同時に正義のオーラでみんな纏めて範囲攻撃!
戦いが終わったらテトラスロンバーガーを食べてサムズアップ!美味しさをアピールしよう!
冴島・天河
颯爽と現れ、
「『マイティガールバーガー』一つ」
と注文、それを平らげて【気合い】を入れる
「結構うまいじゃないか、これ」
とギャラリーに聞こえるように言ってからメリンダに微笑みかける(無自覚で【誘惑】)
「さぁ、一緒に街の平和を守ろうぜ!」
彼女一人じゃ頼りなくても俺がいれば百人力
彼女の知名度を上げるために一緒にペアで戦う
ユーベルコードで奴らの視認が追い付かないスピードで飛翔しながら光の刃を降らせて敵を切り刻み、首の皮一枚まで弱らせたところをメリンダに止めを刺させる事で見せ場を作る
かつてヒーローズアースを恐怖のどん底に陥れた悪者を倒したとなればメリンダの知名度もうなぎのぼりだな!
一陣を退けてもまた新たなクライング・ジェネシスの群れが街をかき分け現れる。この数こそが彼らが量産型であるが故の事であり、唯一絶対であったオブリビオン・フォーミュラの落ちぶれ果てた姿でもあった。
その悪の軍団に、意気揚々とまた一人のヒーローが立ち向かう。
「現れたね! よーし、テトラスロンで華麗&アクティブに戦い凄い所を見せつけてテトラスロンバーガーのアピールをしちゃうよ!」
リン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)は自身の考案したタイアップバーガーの名を大きく宣言し、体操服を高露出にアレンジしたようなコスチュームに着替えて店から飛び出した。
「まずは暴れる豚みたいに速く! 力強く! ダッシュ!」
凄まじい速さで猛然と走っていくリン。豚というと怠惰と肥満の象徴のように思われるが、実はそんなことはない。体脂肪率は10%を切り、その走力は人間のトップアスリート以上。ついでに動物としては珍しいほどに綺麗好きと、むしろ非常にマッチョかつハイスペックな動物なのだ。その現実の豚を野生に返したかの如き早く力強い猛進に、クライング・ジェネシスたちは攻撃の機を逃し先制で切りこまれることを許してしまっていた。
その健康的な姿態が走っていく姿を見送るマイティガール。その後ろから、一人の男が現れた。
「『マイティガールバーガー』一つ」
颯爽と現れたその男は、まるで今が平時でもあるかのように彼女に対して注文をかけた。
「え……」
その状況にあっけにとられるマイティガール。だが、この状況で普通の人間がバーガーを買いに来るわけがない。となれば答えは一つ。
「は、はい! かしこまりました!」
慌てて店の奥へと入り、マイティガールバーガーを作る。接客担当がメインとはいえ、自分の名を冠した商品なのだ、作り方は体に染みついている。
「お待たせいたしました!」
手際よく作ったマイティガールバーガーを渡すと、その男はその大型のバーガーをワイルドに一気に食べきった。
「結構うまいじゃないか、これ」
涼やかに笑いかけるその笑顔は緊急事態でありながらヒーローであるマイティガールすら惑わしそうなほどに魅力的だが、その目には熱い気合いが滾っていた。
「さぁ、一緒に街の平和を守ろうぜ!」
その気合いを移すように、男がマイティガールの肩を叩く。そう、彼の名は冴島・天河(レジェンドオブギャラクシー・f28326)。迫る巨悪を倒しに来た猟兵であった。
天河に連れられマイティガールが前に出たところでは、リンがクライング・ジェネシスの巨大な体を軽々と飛び越えていた所だった。飛べる翼が無くても太くたくましい脚があれば大空を駆けられる、そんな鶏の意地を見せるかのごとき跳躍を見て、天河はそれに続くよう空を駆ける。
「俺の剣は、いかなる悪をも逃しはしない!」
輝く軌跡を伴う【絶技・天剣絶刀】の飛翔は光の刃を降らせ、クライング・ジェネシスたちを切り刻む。悪を許さぬその刃はまさに正義の刃として、巨悪たちの体を深く切り裂いた。
だが、量産されたとはいえ元はヒーローズアース最強のオブリビオン。その刃にも倒れることはなく、胸の簡易型骸の海発射装置をうならせた。
「BAOOOOOM!」
絶叫と共に打ち出される『過去』。それはほんの数秒前天河が放ったのと同じ刃となり、天河自身を襲った。
「おっと、やるじゃないか……元がいいからな!」
それを何とかかわす天河だが、自分で言う通りその攻撃の鋭さは天河が放ったものと変わらない。躱すので精いっぱいとなり、反撃はおぼつかないように見えた。
「そっちには行かせないよ!」
そこへの追撃を防ぐため、豚の如く猛然と突進してきた自身の幻影をリンは真正面から捕まえた。
「そぉぉ……れっ!」
その勢いを利用して後方へ投げとばすリン。さらにはクライング・ジェネシス冴えもを掴みその体を同じ場所へと次々と投げた。鶏のように跳躍する相手も逃さず捕まえ叩きつけ、まるで大漁網の中身のようにその場にクライング・ジェネシスたちが乱雑に積み上がっていく。
「動けなくなればこっちのものだ……俺がいれば百人力、だろ?」
あくまでペアとして、マイティガールを伴いその倒れるクライング・ジェネシスの群れに向かう天河。空中に飛び、そこから再び光の刃を敵に浴びせかける。
刃に刻まれのたうつクライング・ジェネシスたちだが、やはりその地力は高く重なっている仲間さえ押しのけて動き出そうとしている。
「動かないで!」
そのクライング・ジェネシスたちを、リンが『ライトネスオーラ』に覆われた『バトンロッド』を投げつけ串刺しにして縫い付けた。百獣の王さえ突き刺し、投げ飛ばす猛牛の角の如き槍が巨体を纏めて貫き、その内側から正義のオーラが大爆発、クライング・ジェネシスたちを瀕死へと追い込んだ。
あと一息、それを確信したところで天河がマイティガールに目配せする。オリジナルバーガーを作っていない彼はアピールするものがない。ここはそれを持つ者がやるべきだ……そんな意図。あるいは最初からそのつもりで、彼はマイティガールバーガーを注文したのかもしれない。
「分かりました……マイティガール、いきます!」
その意を受けて、マイティガールの体が金色のオーラに包まれた。【スーパー・ジャスティス】、正義の心を持つスーパーヒーローの基本にして象徴であるユーベルコード。それを纏ったマイティガールが、天河の光の刃の軌跡をなぞるかのように飛翔、クライング・ジェネシスたちへ突っ込んでいく。
「お店は……街は私が守る!」
光の突進が巨体を貫き、辺りが眩い光に包まれた。その光は、すでに死に体だったクライング・ジェネシスたちを飲み込み、爆散させていく。
「かつてヒーローズアースを恐怖のどん底に陥れた悪者を倒したんだ、メリンダの知名度もうなぎのぼりだな!」
もちろんそれが成せたのは天河がそこまで計算し敵を首の皮一枚まで追い込んだから。そしてリンが敵のユーベルコードを潰したから。それでも、小さな街のヒーローが世界の大敵を倒したという事実は変わらない。
その事実に戸惑うマイティガールにリンが駆け寄り、テトラスロンバーガーを一口齧ってサムズアップ。そこにすかさず天河がもう一つ用意していたマイティガールバーガーを渡す。
猟兵、そしてローカルバーガーの強さと美味しさは、ここに世界に向けてアピールされたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ホーク・スターゲイザー
【トゥットファーレ】
アドリブOK
猟兵にとって雑魚でも一般人達にとっては脅威というのは変わらない。
「ここからはオレ達の役割だ」
雰囲気が変わり修羅となりネハンと共に前に出る。
「今の自分にしかできない事をやれ」
明宵の明星を取り出し、片刃の短剣状の光刃を形成。
相手の能力を確認したらリミッター解除による身体・魔力の枷を外す。
対峙するはネハンの幻影。
「俄然として夢から覚むれば」
胡蝶刃は虚を突く変則カウンター故にネハンのコードの弱点である終わるまで攻撃するという特性を利用して本体を狙う。
「即ち遽遽然として周なり」
六天道子の祀器を繰り出し刀や槍で残りを追撃する。
「一人でも死人出したら負けなんだよ」
ジェイク・リー
【トゥットファーレ】
アドリブOK
黒銀の滅牙を抜き、相対する。
「汚れ役は俺達が引き受ける」
リミッター解除を行い相手の動きを見ながら攻める。
「戦う力よりは命を繋げる方が向いてると思うぞ」
生きる上で大事なこと、食で誰かを助けるのも大事と話す。
(胡蝶刃、あれは相手の隙を突いてくる)
虚を突くという特性を逆手に意図的に隙を作り出しては誘い込んで斬り捨てる。
「森羅万象一切を屠る!」
羅刹刃、縮地を繰り出し広範囲に猛撃を繰り出し最後に片膝を就いて納刀する。
倒せどなお湧いてくる量産型クライング・ジェネシスの群れ。もし本物がこの数迫ってきていれば例え猟兵とて抗しえなかったであろう。
だが、実際には現れたクライング・ジェネシスたちは次々と倒されている。彼らは集団型としては最強クラスと言えど、個々の実力は決して規格外と言えるほどのレベルではなかった。
だが、それはあくまで歴戦の猟兵から見ての話。猟兵にとって雑魚でも一般人達にとっては脅威というのは変わらない。ホーク・スターゲイザー(六天道子・f32751)はそのことをよく分かっていた。
「ここからはオレ達の役割だ」
そう言ってマイティガールを下がらせ前に出る。その雰囲気はバーガーの考案に苦慮していた真面目で不器用な男のものではなく、修羅とでも形容すべき者へと変貌していた。
「汚れ役は俺達が引き受ける」
共に前に出るのは、ネハンと名乗るジェイク・リー(終極の竜器使い・f24231)。
「戦う力よりは命を繋げる方が向いてると思うぞ」
生きる上で大事なこと、食で誰かを助けるのも大事と告げ、『黒銀の滅牙』を抜き敵と向かい合う。
「今の自分にしかできない事をやれ」
生きる基本である『食』。それは相手を食料にするつもりのない戦い、殺し合いとは対極にあるもの。そして相手もオブリビオンとしてすら死を迎えながら意思なき人形として量産化された存在。それを切るべきは自分たちだと、ホークも短剣状にした『明宵の明星』を取り出した。
じっと敵を向き合い、出方を窺う二人。先に仕掛けてこないのを見たか、クライング・ジェネシスたちは一斉に胸の装置を起動、そこから『過去』を吐き出した。
「BAOOOOOM!」
絶叫と共に襲い来るのは、ネハンとホーク二人の『過去』……それもほとんどタイムラグのない、数秒前の過去だ。
それぞれが今の己を屠ろうと迫り着た瞬間、本物二人は瞬時に交差し互いの位置を入れ替えた。
「俄然として夢から覚むれば」
それを言ったのは、敵味方どちらのホークか。だがどうであれ、ネハンと相対した幻影のホークは瞬間的にネハンに迫った後、まるで蝶のようにふらふらとその周りを舞うように動き始めた。
(胡蝶刃、あれは相手の隙を突いてくる)
その動きが単純な挑発ではないことをネハンはよく知っている。ホークの持つユーベルコード【胡蝶刃】、正にその動きを相手は取ってきているのだ。その虚を突いた動きで繰り出される攻撃は四回。その全てをわずかでも受けてしまえば、傷の深さに関わらず即命を奪われる危険極まりない技。
だが同様の技はネハンも持っている。そしてその技は、今まさにホークへと向けられていた。
(ネハンのコードの弱点……それは終わるまで攻撃すること)
恐らくそれを用いてくるであろうことを察し、自らの【胡蝶刃】を如何に打ち込むかを考えるホーク。
それぞれがそれぞれの力を警戒し、隙を窺う状況。そこで最初に動いたのは、幻影のホークであった。
それまでのゆらゆらとした動きが一転、命を奪う鋭い突きとなってネハンに繰り出される。その一撃は、僅かに開いたネハンの脇に吸い込まれていった。
「……来たか」
その一撃を体に受け、だがそれを意に介さぬかの如く自ら相手に迫りゆくネハン。
四発全てを受けなければ即死は成り立たない。言い換えれば死なぬ範囲なら、いくら受けても構わないのだ。相手が隙を伺うならわざと隙を見せればいい。そこが蜘蛛の巣だとも知らずに、胡蝶はまんまと誘い込まれ瞬時に切り捨てられた。
そしてその動きが合図だとでもいうかのように、ホークは幻影のネハンを突破する。それを阻むように連撃を繰り出すが、ホークはゆらりと動きそのまま大きく迂回するように離れていった。
そのホークを、幻影が武器を振り回しながら追いかける。四連撃は一つでも外せば即死はならぬが、打ち切るまで次手には移れない。その四発の間は丸ごと猶予時間となるのだ。
そして敵が出してきた二人はあくまで幻影。本当に倒すべき敵は、それを発射した量産型クライング・ジェネシスだ。
「森羅万象一切を屠る!」
そのクライング・ジェネシスも、骸の海発射装置を撃った反動か本人の守りは薄い。そこにホークの幻影を突っ切ったネハンが【羅刹刃】を仕掛け、瞬時に無数の斬撃と魔力の剣を撒き散らす。本命の四つが幻影の主だったクライング・ジェネシスを捕らえ、そしてそれ以外のものも他を圧倒。即死要件を満たしたクライング・ジェネシスはばらばらに砕けて消滅、それに伴って幻影のネハンも再度の四連撃に移ることなく消え失せた。
「即ち遽遽然として周なり」
ゆらりと、しかし動きに見合わぬ速さで詰め寄ったホークがこれが本物とばかりに【胡蝶刃】の四連撃を叩き込む。それはやはりホークの幻影を作ったクライング・ジェネシスを一瞬で屠り、そこから『六天道子の祀器』から刀と槍を繰り出し後ろに控えていた別の個体を串刺しにする。
「Gaaaaaaaaaa!!」
傷ついたクライング・ジェネシスは、道連れを狙ってか強引に前に進軍した。その狙いはホークでもネハンでもなく、後ろに下がったマイティガール……この場で最も弱い者。
もはやただのやけくそ、勝利も敵戦力の低下も考えていない捨て鉢だが、それを看過できる猟兵はいない。
「一人でも死人出したら負けなんだよ」
その言葉と共に、そのクライング・ジェネシスの体が揺らぎ、二つに分かれ崩れ落ちた。その巨体が退いた先には、片膝を就いて納刀するネハンの姿が。
死を招く力で精を繋ぐ者を守った二人。奇しくも互いの死の力を間接的にぶつけ合うこととなった彼らの胸中はいかばかりか……それは誰にも測ることは出来なかった。
成功
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シャーロット・キャロル
やっぱりヒーローとして活躍するのが一番の宣伝効果になると思うんですよね、なのでそのお手伝いしますよ!
それとあちらのマイティガールにもヒーローとしての自信を持ってもらいたい……なんて思いもあったりしますしね。
ここは一つ二人のマイティガール、いえマイティガールズで立ち向かいましょう!
まずは私が先駆けて●マイティスーパーブレスで先制攻撃です!
炎だろうが私の冷気のブレスで凍らせて動きを封じてやりますよ。
そして動きを止めたらもう一人のマイティガールで追撃です!頼みましたよ!
最後は二人で力合わせて……ダブルマイティパンチ!!
猟兵たち、そして手を貸されたマイティガールの活躍によって、クライング・ジェネシスたちの攻勢にも陰りが見え始めた。街の破壊はほぼ止まり、住民たちも避難完了。今は安全な場所からこの戦いを見守る状態になっていた。さらには現れたのがあのクライング・ジェネシスということもあり、地方ローカル局のみならずより大規模な報道局の記者までがいつの間にか取材に来ていた。
もともとこのタイアップ企画は宣伝のための企画なのだ。勝勢に乗った今はこれ以上ない好機。
「やっぱりヒーローとして活躍するのが一番の宣伝効果になると思うんですよね、なのでそのお手伝いしますよ!」
シャーロット・キャロル(マイティガール・f16392)はメリンダ・マーズに今がその時と告げる。
(それとあちらのマイティガールにもヒーローとしての自信を持ってもらいたい……なんて思いもあったりしますしね)
そしてもう一つ、同じヒーローとしてより高みに至って欲しいとの思い。そう、シャーロットとメリンダは共に同じ『マイティガール』のヒーローネームを名乗っていた。
片やいくつもの世界を渡り歩く猟兵、片や地元に密着したローカルヒーローと活躍の範囲は雲泥の差があるが、正義の心は同じはず。
「ここは一つ二人のマイティガール、いえマイティガールズで立ち向かいましょう!」
偶然巡り合った同じ名を持つヒーロー。即席バディとしてはこれ以上なく盛り上がる展開だ。
まるでそれを分かっているかのように、クライング・ジェネシスの集団は猛然とマイティバーガー店舗へと向かい始めた。
そしてマイティガールズを前にした時、それらは蹲り、全身に火炎を纏った。
「GAOOOOOH!」
原初の炎を纏った完全無敵の防御態勢。敵を目の前にして保身に走るという姑息な延命。巨悪と呼ばれる存在にあるまじき生き汚さだが、元の彼の性格を知っていればむしろ彼らしい行動とも思えるかもしれない。
だが、マイティバーガーの宣伝と、マイティガールのヒーローとしての成長を望むシャーロットとしてはこの展開はノーサンキューだ。
「これでカチカチになるがいいです!」
大きく開いた口から【マイティスーパーブレス】が放たれた。極冷のブレスがクライング・ジェネシスたちを包むが、炎の中無敵となった彼らには一切ダメージはない。
もちろんそんなことはシャーロットの方も承知の上。このブレスの目的はクライング・ジェネシス本体ではない。
「炎だろうが私の冷気のブレスで凍らせて動きを封じてやりますよ!」
無敵の由来となっているのは彼らを包む原初の炎。その炎はセンターオブジアースにある世界創生から燃え続ける消えない炎だが、量産型がそれそのものを搭載できるわけがない。本物の骸の海発射装置すらも盗品だったクライング・ジェネシスなのだ、ましてや量産型がそんな御大層なもの十全に用いることができるわけがない。
空気さえも凍てつかせるブレスが吹き荒れる中で、ついに炎が削れて行くことへの不安に耐えられなくなったかクライング・ジェネシスが無敵を捨てて動き出そうとする。
「頼みましたよ! マイティガール!」
シャーロットが自らの……否、バディのヒーローネームを叫ぶ。それに答えるように、マイティガールの青いスーツが宙を舞い、巨悪の胸へとその体を肉弾として叩きつけた。
豊かな体に張り付く青と赤の光沢あるコスチュームが、悪の体を揺らがせる。それはまさに誰もが知り、イメージするヒーロー像そのもの。凡庸なのではない、この街にとっては唯一の、象徴になるヒーローなのだ。
その心がバディに宿ったことを信じ、シャーロットはブレスを止めてメリンダに並ぶ。
ほとんどのクライング・ジェネシスが消えていく中、全身が凍り付いた最後の一体が表面の氷を剥がしながら強引に立ち上がった。
「Ahhhhhhh!!」
絶叫しながら両手を振り上げる。それはまさに悪の最後の悪あがき。そしてそれを砕くのは決まっている。
「最後は二人で力合わせて……ダブルマイティパンチ!!」
二つの正義の鉄拳が、悪の体を粉々に砕き割った。
無数の破片になって消えていくクライング・ジェネシス。その前でマイティ・マイティ……とんでもなく強いヒーローマイティガールズが高々と勝ち名乗りを上げるのであった。
クライング・ジェネシスという超弩級オブリビオン撃退という大事件の解決により、その場に残っていた猟兵、そしてローカルヒーローマイティガールには一斉に報道陣が詰めかけ文字通りのヒーローインタビューが始まる。
「マイティガールさん、何か一言」
カメラと共に向けられたマイクに、地元を愛するヒーローはにこやかな笑顔を作って答えた。
「マイティバーガー猟兵タイアップフェア、近日開催です! ご来店お待ちしております!」
大成功
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