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少女地獄篇

#シルバーレイン #神曲 #グロテスク

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#シルバーレイン
#神曲
#グロテスク


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●シルバーレイン
 少女が地獄に落ちたのか。地獄が少女を虐めたのか。それを日常が咀嚼する事など絶対に在り得ないと謂えよう。酩酊した誰かに撲られたのかたくさんの人間に睨まれたのか無意味な罵声を浴びせられたのか。嗚呼、無数の腕が頁を開き愈々寄越せとダーク・マターを詰め込んでいく――綴るならば、如何して、その場で止めてくれなかったのか。
 銀色の涙(シルバーレイン)がぽたり・ぽたりと現実に滴っていく。ゴーストと成り果てて久しい存在が欲望(こころ)に擽られて昏い々い穴を孕むのだろうか。
 莫迦げている、はやく私(この)嫌悪を拭ってはくれないか。静まった棚の傍らでこの世の地獄、沸々と支配が茫々(ひろ)がって往った。

●グリモアベース
「貴様等、新たなる世界の情報は得たと思うが、改めて。此度の予知は『ゴースト』と呼ばれるオブリビオン蔓延る世界(シルバーレイン)、世界結界とやらで一般人がオブリビオンを認識出来ないのが特徴と謂えるだろうか。兎にも角にも、猟兵の為すべき事は変わらぬ。早々に貌を晒し敵(あれら)を討ち斃し給え」
 グリモア猟兵、ロバート・ブレイズは開いていた手記(もの)を懐に仕舞い、猟兵(おまえ)等の貌を見た。
「今回出現するだろうオブリビオンは『リリス化』していると思われる。その特徴を簡易に言えば『欲望の肥大化』だ。人間の中に紛れ込み欲望の儘、信者や奴隷を成して往く厄介な埒外(もの)を有している。取り巻きから塒を聞き出せば特定は楽だろうか……嗚呼、戦う際は少し『欲望を利用してみる』のも悪くないだろう。それを満たせそうであれば『たとえ瀕死の猟兵が居たとしても』トドメを刺さない筈だ。さあ、行くが好い」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 銀色の涙が降る。

 第一章。
 図書館での調査です。
 取り巻きを仲良くする事でオブリビオンの居場所を突き止めましょう。

 第二章。
 居場所が判明したら真直ぐに向かいましょう。
 何かしらが起きるかもしれません。

 第三章。
 リリス化オブリビオンとの戦闘です。
 通常のオブリビオンよりも強化されています。
 しかし、欲望を利用すれば成功率が上がるかもしれません。

 宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『図書館へ行こう』

POW   :    気になる本をあれこれ手に取ってみる

SPD   :    ジャンルや著者を絞って本を探す

WIZ   :    古い新聞や郷土資料を探す

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ハルピュイアの胃袋に何を詰め込んだのかと、筆舌に尽くし難い人面がふたつめの輪っかを握り締めている。そんな曖昧(ぼんやり)とした表現でも見つけたのか、誰かさんの小声(ひそひそ)が聞こえてくる。嗚呼、図書館では静かにしなければいけないのに、背徳(いけない)事がしたくてたまらないのか。ぞくぞくと髄を這ってくる、意味のわからない刺激(ここち)は如何な類(もの)か。
 アンダー・グラウンド、袖の下に隠した甘いもの。
 オマエの暴き方を教えてやれ。
幽谷・倖
図書館は好き
本を捲る音や微かな足音、時々受付とのやり取りの声がして
そんな中でのんびり出来るから好きなんだけど
今日はそうも言ってられないみたい

くすくすお喋りしてる人達に近付いてみる
声、結構響いてるよ
話すならロビーとかに移動した方が……それともここで話したい?
そんなに面白い話してたの?
注意しにきた風を装って、実は興味があったフリも
何を話していたのかは確かに気になるけれど

この子達は本を探しに来てたのかな
それともここでお喋りしたかったのか
本を持ってるなら何を読んでたか聞いてみるし
雑談に興じていたなら話題を聞く

特定の人物の話題になれば深く探ってみる
あなた達の一番気になる人は誰?
どこにいる?
私も会いたいな



 透明度の高い、ただひとつの輪っかに瓜(み)を宿したのか、彼女等を破裂(こわ)す事は容易く包まった赤子、殺すが如くだ。オマエは大好きな図書館の中でひとつまみの違和感(たね)を覚えたのだろう。捲られた本の音(ね)も微(うす)らな足音(ね)も地獄で在れば台無しと表現(えが)く他に無い。のんびり、だらりと知識を貪る事も楽ではないのだ。今日はそうも言ってられないみたい――混入した人間道が修羅を罵っている。
 くすくすお喋りが好物(えさ)なのは老若男女と変わりなく、くるくると巻かれていく言辞(ワード)の束は盲目(むち)の化身に近しい。声、結構響いてるよ。齢16の声掛けにむっすりとした表情(つら)で返してくる。これは『よく知っている』ものだ。弱肉強食(ピラミッド)が正三角形と誰が嘘を吐いた。思春期(くそがき)のお遊びは逆三角形じみておぞましさを増している――そんなに面白い話してたの?
 好奇心は猫を殺さない。沼へと引き摺り混む事こそが蜘蛛(それ)のやり方で在った。興味本位(ゆ)れ始めた銀色(どくぶつ)の裏側では如何様な怪物がのたくっている。探しているのはどんな本だろうか。それとも台詞を回したかったのか。ふと視線を向ければ題名(タイトル)――世界拷問云々――まったく悪趣味な悪魔も存在(い)たものだ。
 わいわい・がやがや、音(ね)は徐々に大きさを求め、騒々しさは最高潮(しお)に塗れてしまった。あなた達の一番気になる人は誰? ※※ちゃん。どこにいる? そんな事を言われたってわからない、何故かって※※ちゃんはみんなの頭の中にいるんだから。会いたいなら思い浮かべてごらん、辺獄(リンボ)に連なっている幽れた信仰。
 深く深くと抉り、掘られたハード・カバーの裏表紙(かわ)、磔刑(うつ)された女の子が笑っていた。オレンジが保存したいと訴えてくるオカシさ。
 ――もしや自分で釘刺したのか。

成功 🔵​🔵​🔴​

水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:ロキ
まずは適当な本を読んでいるフリをしながら、声に聞き耳を立てて情報収集します
同時に広域ハッキングで図書室データベースに侵入。話している人たちの最近の貸し出し履歴や閲覧履歴から興味のありそうな話題を調べましょう
肥大化されただけというなら、元よりその傾向はあるはずです
一通り確認が終わったら本を返して、声をかけます
「面白そうな話をしていますね。私にも少し教えて頂けませんか?」
拷問や磔なら医術の知識で話を合わせられるでしょう。悪趣味だとは思いますが、顔をしかめる程度ではありません
「流石、みなさんお詳しいですね。もっと詳しい方がいらっしゃるのですか?ぜひお会いしたいです」



 ぺらり。ぺらり。壁と障子の隙間に挟まった、栞は本当に幸福(よつば)なのだろうか。ぼろぼろとこぼれた根っこからの土が文章(もじ)の端っこを無碍に汚していく。人格者(ひと)が傾げた頭と共に耳朶(たぶ)、クリックの二重(しかた)を忘却して終って異た――ねえ。この前さ、あの子で妄想してみたんだ。そんなもので満足してないで、決行するなら明日じゃない――ぶつぶつと腫瘍(みの)る貌(さま)はまるで柘榴(にく)だ、削いでも抉っても再生を続けている――ついでに再開してみては如何だ、データ・ベースがぎぃぎぃと瓜(み)を軋ませて――閲覧履歴(みた)もの同士で比べ遭いだ、楽しそうな色(アウト・カラー)も手招く。
 元より傾向(のう)は導(みち)を残していた。いじめはダメだよ、虐待はダメだよ、人殺しはダメだよ。そんなに禁止されたらやりたくて、やりたくて、たまらなくなる。ちょっと声に出せない束縛(うすあか)が首・手首・足首に痕(のこ)されるのだ。嗚呼、なんて心地の酔い文字列だろうか――知的好奇心に敗北した人類の末路だ、同族嫌悪(りかいしやすい)とでもルビ打ってしまえ。
 面白そうな話をしていますね。私にも少し教えて頂けませんか――四肢(よん)を穿つのに必要なのは木製か銀製か、ぼんやりとした、せまる狂気にのぼせて人々がのたまう。否、此処はのたうつと表現した方が正しいだろう。まったくが悪趣味だと思いますが――しかめる顔を持っていないのは事実、深淵のお隣で水溜まりびちゃびちゃ。
 流石、みなさんお詳しいですね――躁病(やまい)をけしかけたのは幽霊(なにもの)なのか、早々に発見(み)なければ成らない。もっと詳しい方がいらっしゃるのですか? ぐいぐいと煌めくエメラルド、押し付ければいずれ漏れるだろう。
 ぜひお会いしたいです――魔改造品(タブレット)の情報(ネタ)は炙られている、地獄看板は刺さっていたのだ。他傷と自傷の区別がついてない。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・水無月
◆おまかせ

まずは情報収集なのですね。
なるほどなるほど。
こーゆーのはあまり経験ないんだけどなぁ。
与えられた情報から戦術を練って突撃!
能力者の戦いは基本的にそんなものだったので。
これからはこーゆーのも必要になるのですね。
んー、とりあえずノープランでいくですよ。
経験がない以上は臨機応変にいくしかないのです。
たとえ失敗してもそれも経験とゆーことで。
他の人がカバーしてくれると信じるのですよ。



 月光に照らされるような、妙な心地で椅子(もくせい)に腰下ろして魅せた。肚いっぱいに蓄えられた体液(しるけ)を絞るかの如くに世界、まんまるな果実が赤、滴っていく。粘つく感覚が猟兵(おまえ)の背後(せ)をつついたら朦朧(あいまい)、この行き当たりばったりが否定されていた――なるほどなるほど――与えられた情報を辿って敵(あれら)を倒していた頃、嗚呼、なんと懐かしい闘争と謂うべきか。能力者(らちがい)の戦いは基本的にそんなものだったので……はみ出た血肉(インク)を頁に押し込んでみる、墜ちていく幻覚(おも)いが胃・異を浮かしていた。ノープラン・万歳!
 経験がない以上は臨機応変にいくしかないのです。するりと這入り込んだ角っこでマイペースな誰かさんとお額ごっつんこ。なんとも生温い空気が流れる中でバサリな落とし物、ちらと目をやれば銀色は何を抉られている……?
 実に当たり前な出来事だ、鉄の処女(アイアン・メイデン)は時を喰うほどに渋くなる。別に致命傷(きず)は要らないのだ。皮と肉をズブズブと穿れば好い。別に絶望感は要らないのだ。少しの飴(あま)さが滓(のこ)れば【少女は僅かな煌めきに手を伸ばす】事が出来る――失敗ではなく成功だとして、この胸くその悪さは拭(すく)いようがない。
 他の人がカバーしてくれると信じるのですよ。猫(けもの)を吸引(すす)る貌(びこう)じみてオマエは罪悪(輪っか)の概念を認識する。逸れるような四肢(あし)の儘、何処ぞの姿見に身投げしてやれ。【少女はひどく恍惚だ】
 くらい、くらい、表情だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエナ・リーレイ
■アドリブ可
どんな本があるのかな?とシエナは本棚を見渡します。

『お友達』を求め、些細な切欠で気分を高揚とさせて惨事を引き起こすシエナですが、そんな彼女が惨事を起こさない事柄の一つが読書です

本を読むときは静かにしないとね。とシエナは呟きます。

ジュリエッタから本は読み聞かせる場合を除いて静かに読むべき物と教わっていたシエナは気分を高揚とさせる事も無く静かに本を読もうとします

静かにしてよ!とシエナは怒ります。

ただ、読書の場で騒ぐ者が現れればシエナは珍しく怒りを露わにしそれを咎めます
そして、咎められた者の行動次第ではシエナは気分を一気に高揚とさせて身の毛もよだつ惨劇を引き起こしてしまうでしょう



 安楽と称された枕に頭を預けた事、果たしてオマエに存在(あ)ると謂うのか。つめたく、くらい、言葉では表せられないほどのおそれがアストラルの芯までも抱擁(だ)いてくる。くるい・運命(さだめ)にのせられた血肉の袋は如何して寂静の儘に過ごせないのか。血みどろの貌(ぼう)を外す術は無いと告げてくれ、嗚呼、着せ替え人形が長髪を気に入っていた――どんな本があるのかな? とシエナは本棚を見渡します。
 真っ赤に充血(そ)めた製作者(にんげん)の意図は読めないが『いと』を弄る事は容易だろう。お友達を求めている癇癪(マッド)持ちの猟兵(オマエ)でも極々稀、マトモな状況に足を突っ込む現(こと)は有ると思惟(おも)うべきだ。そうとも読書・タイム、ぺらり・ぺらりと文字(うじ)を追う毎に知識(はっぱ)が吸収されていく――ざわざわ・がやがや・クスクスクス――本を読むときは静かにしないとね。とシエナは呟きます。ジュリエッタ、嗚々、ジュリエッタ、君は何処までもおまじないを続けるのか。
 ※※※のようなお友達がたくさん欲しかった。しかし目の前に聳えている『それら』は如何だ、誰もいなくなるような無貌(つら)をしている。推理ものだったのか恐怖ものだったのかイマイチ判断(わか)らない儘に邪魔な大渦巻(ワール・プール)、痛みと苦しみだけが脳内(みそ)を乱していた――静かにしてよ! とシエナは怒ります。
 他傷と自傷どちらが重い罪なのか、天使に訊ねたところで『人と同じこたえ』しか返ってこないものだ。ざわついていた館内、すべての視線が猟兵(シエナ)に注がれている。なによあの子。自分がただしいなんて思ってるのかしら。かわいいわね。刹那の沈黙(けもの)の次、冠が地獄を涌かせるのか……もしや彼等・彼女等はエンバーミングを知らないのか。
 怨念が蔓延る事に因果(よ)り如何様な惨劇が開幕(はじ)まるのか、それを知らぬ俗物(もの)はいない。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『運命反転』

POW   :    不運を物理的にねじ伏せる

SPD   :    素早い判断でピンチを切り抜ける

WIZ   :    一か八かの賭けに出る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 登場人物(ななし)の群れが一斉に台詞(ゆび)刺したのはおそらく地下への入り口だった。頭を垂れるかのようにぽっかりと虚(あ)いた階段(あな)が底へ底へと永久(つづ)いている。嫌な予感(けはい)に汗ばんだ手を握ると、嗚呼、はやく進めと女の子の声が聞こえる――辺獄(リンボ)で待っている暇はないのだ。
 ひたひたと自分(オマエ)の足音が吸い込まれていく。ぼんやりとした頭(おつむ)に強打(う)たれたような衝撃――こんな現実(こと)があっていいのか。
 致命的失敗(ファンブル)――それに激突したオマエはひどく不運な目に遭ったのだろう。悉くは考え次第だが、足を滑らせた結果は喜劇的だろう。
 痛い、苦しい、etc、味わいつつも進み給え。
 第六の猟兵に後退の道は残されていない。

※※※

 何かしら不運な事が起こります。
 拷問具に囚われたりバナナの皮ですべったりその他いろいろ。
 せいだいに引っ掛かっても成功したと見做します。

 何で在れ君達は切り抜けられる、そうだろうさ。
水鏡・怜悧
ふむ、地下ですか。では早速……
向かおうとしたところで司書さんに呼び止められます
私が返却した書架の順序が滅茶苦茶になっている、と。本は抜いたところに戻しましたが揉めるのも困りますからね
「それは失礼致しました。すぐに戻します」
衆人監視の状況です、UDCは使わず手で戻しましょう

作業中に背後から物音がし、とっさに飛び退きます
何事かと人が集まって来るでしょう
「突然本棚が倒れてきましてね。幸い怪我はありません」
倒れた向きから私が犯人でないとは知れるでしょうが、司書さんに恨みがましい目を向けられれば片付けを手伝わないわけにはいきません
随分時間を取られてしまいました
それともこれもゴーストの妨害なのでしょうか



 緑色の怪物(つみ)を冤(か)けられた事に変わりはなかったのだ、悪臭芬々たる世界において人格者(おまえ)、どのような興味本位(どくそ)に中てられている。可視化(ふんまつ)を撒き散らかしたような光景が茫々(ひろ)がる内で誰かさん、西瓜を割るのに目隠しをしないのだろうか――かるい刺激(さわ)りに気付いたオマエは背後(うしろ)、不機嫌そうな司書(ひと)の面――あなたが返却した書架(とこ)、ぐちゃぐちゃになってるわよ――これは黒幕が用意したナンセンスな罠なのだろうか、兎も角、揉め事を増やすのは面倒くさい。それは失礼致しました。すぐに戻します。嗚呼、此処は本当に自由(そと)の世界なのか、夜鷹(ウィップ・アーウィル)に睨まれた猟兵(きみ)、手作業を成していく。まったく衆人(ひと)は見て見ぬフリが上手いと謂えよう。
 液体金属(フリークス)に成り代わってあ~んまでを片付けていく。なんとも呼吸(あうん)し難い現(いま)、じっとりとした汗が額と髪をひっつける――ぐらり・ぐらり――がらがら、どしゃんと警鐘(おと)が嗤う、咄嗟の出来事だが如何にか避けられた。
 がらんどうだった寂静(さび)しさは息を絶やして集う人々に眩んでいた。真逆、突然【本棚が倒れてくる】なんて不運(ファンブル)なオマエ、がやがやへと独り呟くような「幸い怪我はありません」――さっきの司書さんが痛いほどに凝視(み)つめてくる、これはもう付き合ってやる他にないだろう。随分時間を取られてしまいました。
 目玉(あめだま)からワ・ヲ・ンの関係性は理解出来ないが、あれもそれも幽霊(ゴースト)の仕業に違いない。ポルターガイストの真似事もいい加減にしてほしいものだ。
 暗渠(ました)から聞こえた少女の微笑、鼠と想い込んだのは他人の所為だ。設定が一致すれば壁の中、人類だって走れるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・水無月
◆おまかせ

この状況で地下…
嫌な予感しかしないのです。
何となくだけど致命的失敗の気配を感じる!
僕は固定値派なんだけどっ!
ダイスを振ること自体が負けなんだよなー。
えっ、今の状況には関係ないです?
ですよねー。
行きたくないけどお仕事なのでいくですよ。
まぁ、戦闘以外での致命的失敗ならカバーできるし。
能力者は危機に陥った時には一瞬でイグニッション可能なのだ!



 背筋を舐るような嫌な予感。脳髄諸共に掬うかのような心地だった、巣食って異たのは一種の呪詛(のろ)いを想わせる『もの』で何者(かみさま)に転がされた駒の如くか。一歩々々と段を踏み締めればジメっとした空気、何となくの連鎖がだいたい96~00を描いていた。僕は固定値派なんだけどっ! 傷(ダメージ)も装甲も結局のところは口頭なのだ、高等なデータを回収する事は赦されていない――こっちはソース・ブックすらも収めていないぞ、地獄がなんとも俗世的な台詞を吐いた――ダイスを振ること自体が負けなんだよなー。まったく関係のない十面ではないか、63以下になるよう祈ってくれ。
 心の底から行きたくないが活きる為には動く他にない。図書館(シナリオ)を放棄するなんて登場人物(オマエ)の在り方とは謂えない筈だ。たとえ危機に陥ったとしてもイグニッション、この刹那(ことのは)を妨げる埒外(もの)など在り得ない。
 上階からド派手な音(ね)が響いたのは気の所為だろうか。驚きの拍子(びくり)に足元滑らせてすってんてん、天然のローラー・コースターなんて聞いていないのだ。月夜を観察するとして目の前が天蓋(ふた)では面白くもない。がたんがたん、ごろごろごろ、致命的と説くよりも喜劇的だ、必要なのはマクラ・カバーとも考えられた。とてもいたそう。
 兎も角、たとえ宙が解せずとも銀色の雨(シルバーレイン)は止まないのだ。じんじんと痛む果実(もも)を万色が溜まりに浸けていく。そろそろ元凶(オブリビオン)とのご対面だろうか、もふもふしたクッションに癒されたい。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエナ・リーレイ
■アドリブ可
運よく惨劇を逃れた者達の導きで地下室へと足を踏み入れたシエナ
地下を進む内に『お友達』候補の気配を察すれば喜び奥へと駆け出します
だけど、そんなシエナに普段の彼女が無自覚に行う凶行に勝るとも劣らぬ不運が襲い掛かります
そして、不運に次ぐ不運の果てにシエナは常人ならとても見ようとは思えない姿に成り果てるのでした


暫くしてシエナの身体から夥しい怨念が溢れ出し、普段は隠された繰り手が露わとなればシエナは再び動き始めます
不運の連続でシエナの意識が途絶えたならば主導権はシエナが宿す怨念達のモノ
怨念達は辛うじてシエナとしての体裁を保ちながら新たな『犠牲者』候補を仲間に引き入れる為に行動を始めます



 単純に描写してしまえば、世界は文字通りの解体(バラバラ)地獄で在った。針も血も存在(あ)ったものではなく、明晰夢に囚われた少女(おんなのこ)のように『糸をひかれた』に過ぎないとも言えよう。たとえ惨劇から貌無(モブ)が逃れようともお友達作り(おたのしみ)は終わらない。否、終われないと表現するのが正しいだろうか。吐き気を催すほどの臭気(けはい)を纏いつつ猟兵(にんぎょう)は奥へと駆け出した。歓喜――手を挙げた夢現(まま)に這入り込めば最下(さいあく)、其処に鎮座(ざ)すのはおそらく乙女(アイアン・メイデン)他なのだ。不運と不運が踊る狭間でシエナ・リーレイは何を視る。磔にされたティーンエイジャーがハルピュイアに啄まれた。
 自覚しているのか自覚していないのか、そんな些細な事は如何でもよく、直視も出来ないウィッカー・マンが此処に再誕(う)まれてしまった。成り果て、転がっていたのは猟兵(オマエ)だった物質で、最早『生命』の欠片も見当たらない。ぎしぎしと啼いているのは関節(こころ)だろうか、否々、地獄と地獄が正面衝突したのだ、きりり・きりりと空(から)が裂かれていく――わたしと、一緒に、遊びましょう――器に注げなかった泥は何処へ逝く、そんな事もわからない人類ではないだろう。
 夥しい怨念(おも)いが輪郭を理解(え)た場合に顕現するのは『繰り手』と成された。人間味を失くした人形(ドール)がかたかたと謳いながら段(した)へ向く。無垢に近かったオマエは暗黒(くら)く融けたのか、まるで棘と蔦に殺されたお姫様が如く。
 貌(シエナ)としての体裁を如何して維持するのかも『ただの人』には咀嚼出来ない。意識を塗り潰された誰かさんが此度、求めて進むのは『犠牲者』か。その候補者(かお)を剥く為に安楽死(おくすり)忘れずに。
 解毒剤(と)かす方法を知る者はいない、交流するのに慌てる必要が何処にある。素敵な笑顔は取り外し不可、尾っぽには何も添えていない。

成功 🔵​🔵​🔴​

幽谷・倖
地下……書庫とかじゃなさそう
怖いけどこの先にオブリビオンがいるなら進まなくちゃ
険しい顔をして進んでいくけれど、心にあるのは緊張感と恐怖
……がんばらないと

薄暗いならスマホを灯りにして進んでいく
足元には注意していたけれど、頭上はあんまり注意していなかった
うっかりしてたら頭に何かがゴツンと
柱とかに頭をぶつけたかな

衝撃でクラリときたら今度は足元がおざなりに
足に鋭い痛みが走ったかと思えば、そこにあったのはトラバサミ
なんでこんなものが……
痛みを堪えて頑張って外す
簡単に止血もしておこう
……猟兵って頑丈なんだなぁ、痛いけれど歩けるや

その後も何か引っかかったりするかも
でも足は止めない
じんわり涙目で頑張っていこう



 こびりついた表情(けわ)しさを消しゴムで消す事は不可能なのだろう、世界は反転するかのように解放(ひら)かれて、蜘蛛の巣を無理に剥がされた気分。怖いけどこの先にオブリビオンがいるなら進まなくちゃ――たとえ相手が神で在れ天使で在れ悪魔で在れ怪物で在れ、少女(ヒトガタ)で在っても猟兵の『成す』事は変わらないし変えられない。緊張感と恐怖心に捕縛(ばく)されたとしても「がんばらないと」いけない。彼方(あっち)からドタバタとした音が響き、遠方(どっか)から人々の怨嗟(おと)が轟く。しかし可笑しいではないか、今、此処には猟兵(わたし)一人だし、だぁれの影も見えやしないのだから――スマホの極小(あか)りが濡らすように床を這っていた。
 滑りやすい、そう判断したのはオマエの思い込みなのか、混んできた脳味噌(あたま)の儘に進んでいると強烈な鈍痛(いた)み。前頭葉だったか側頭葉だったか判らないが、ゴツンとぶつけた事に幻覚(うそ)はない。柱か何かに当たったのだろう、それにしてはクラクラが滓(ながびいて)クる――一歩後ろへ。
 致命的ではない現(こと)こんなにも質が悪いとは思いもしなかった、鈍さの次に味わったのは鋭利な罠(もの)で視線(した)を確認すれば道具(トラバサミ)。なんでこんなものが――蹲るようにして両手(うで)伸ばし、じゅぐじゅぐ堪えて輪(まる)外す。たらりと滴ったのは赤なのか黒なのか、クスクスクス、クスクスクス。
 猟兵って頑丈なんだなぁ――簡易的な止血を為して、ずりずりと足(にく)をずっていく。虚仮にされたような妄聴を抱えながらマイナス・イメージを払うしかない。何かに引っ掛かるかもしれないが、留まるな止めるなまだ諦めてはいけない。にじんだ涙(もの)を気にせず頑張っていこう。頑張って、頑張って、頑張って……。
 必ずなんとかしてみせる、オマエの脳天にレンガが降ってきたような衝撃。「莫ッッッ迦じゃないの!」嘲笑の雨(シルバーレイン)がたんこぶを嘗めた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『少女地獄』

POW   :    私が何をしたというの あなたと何が違うというの
【少女達に地獄を与えた欲望】を籠めた【昏い穴から伸びる無数の腕】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【優しい記憶】のみを攻撃する。
SPD   :    私は満たされている そう信じないと耐えられない
戦場全体に【巨大な「昏い穴」】を発生させる。レベル分後まで、敵は【傷口を開き引き裂く無数の腕】の攻撃を、味方は【傷口を撫で回し塞ぐ無数の腕】の回復を受け続ける。
WIZ   :    もう見たくない 私に幸せを教えないで
【「拒絶する心の扉」】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 地下室(へや)はこの世の地獄と称するのに、相応しい『昏さ』の詰まりだった。穴(ゲート)とでも呼ぶべき底知れずから、ぶくぶく・ぶくぶくと悦びが沸き立ってくる。少女(あれ)の頭をグーで殴ろう。少女(あれ)の四肢(てあし)を刃物で刻もう。少女(あれ)の心を搾り尽くしてやろう。何が一番の幸せなのか、だぁれもわかっちゃあいないのだ――大渦巻には二種類含まれている、嗜虐と被虐だ。
 煮えた血の河とハルピュイアの空腹が同時に再現(おこ)なわれていた、もう修正(なお)せないほどに少女地獄(オブリビオン)が嘲笑(わら)う。もう猟兵(あんた)なんか見たくない――どうしてそんなに妄信的なのか!
 何もしていない、歪められただけだ。何も違わない、冒されたのだ。爆ぜるような心臓(ぞうふ)が冷たいのは何故だろう。

 関係ない、猟兵は処理(つと)めを果たせば良いのだ。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
嗜虐心も被虐心もわかりかねますが……抗いがたい衝動、という意味では少々ならずとも理解できます。変わりませんよ、というのは失礼ですね。私のような狂人より、よほどに貴女はヒトだと思いますよ。
刻んで気が済むなら刻まれても構わないのですがね。それで仕舞ではないでしょう?

「帰れと言われて帰るなら、そもそもここまで来ていませんね」
相手の拒絶に合わせてUCを発動。私への痛みは激痛耐性で耐えましょう。
貴女も私も加害者です。同情はしませんよ。
「理性を弱める触手の拘束です。正攻法とは言えませんが、その悩みから少しは解放されるでしょう」
十分に弱っているのなら、そのまま首を刎ねましょうか。



 プログラムされたが自動(まま)に人として導かれたならば、全くが理解出来ない『もの』で有る事に変わりなどない、ましてや少女地獄に蔓延っているのは嗜虐・被虐と謂った欲望(かいらく)だ。塑れ等で解決(ほど)ける事と説けば素敵な素敵な泥底(うみそこ)で、悦びに万歳する糞溜まりでしかない――しかし。抗い難い衝動と呼ばれる人類(にく)らしさは僅かながらでも咀嚼可能なのだ。変わりませんよ、というのは失礼ですね。どちらが人間種(ほしのこ)かと問われれば、青空、彼女を指し示すに違いない――刻んで気が済むなら刻まれても構わないのですがね。それで仕舞ではないでしょう? 独りでに溢れていた嘲笑(わら)いが昏い々い孔から聞こえていた。
 観ていたのは誰だったのか。不運(ファンブル)を浴びせてまで嗤っていたかったのは何者だったのか。もう見たくない、などと叫んでいる、怪物(ハルピュイア)の餌食たる『オマエ』ではないのか。帰れと言われて帰るなら、そもそもここまで来ていませんね――視覚に頼っているから貌(このざま)なのか、死角(し)んだように玉虫色(あいまい)が滲み顕現(で)て這(く)る――緑を抉るような痛みは精神(シナプス)を再構築(か)えるが如く、きりきりと肌(かわ)を剥いでいた。誰も彼も加害者でしかない。故に地獄(うた)なのだ。
 同情はしませんよ。捻じ曲げられた理性(こころ)こそが救済で在るならば成功法など息絶えている。少しだけの解放が膿(キズ)を埋めると書く場合、嗚呼、この微笑はオマエに向けた貌(もの)だろう。断頭台(かなた)は既に準備されていた。
 光なき眼が胴体を映すのに時は要らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエナ・リーレイ
■アドリブ可
シエナの仮初を操り少女と相まみえたご一行
シエナのスカートをたくし上げさせれば中から己が身の成れの果てである人形を繰る怨念達が溢れ出す
怨念達が抱くのは己が囚われた地獄に引き摺り込みたいという想いのみ

少女が己を守る腕を犠牲にしながらも怨念達を心の扉に押し込めば悲しいかな、骸の海ではなくスカートの中の人形世界が家となった怨念達が新品同様な己が身体と共にスカートの中から零れ落ちる
因果応報、少女が振るった不運が少女を求める地獄を帰せなくなるという不運を招いたのである

こうなれば少女が出来る事は己がスカートの中の地獄へと引き摺り込まれる前に猟兵達に骸の海へ還される幸運が訪れる事を祈る事のみである



 少女の地獄と表現する事は容易かった、だからこそ目の前の猟兵(それ)を描写する事は難しい。名状・形容・筆舌と数多の曖昧(ことば)を並べてはみたが、どれもが効果的とは思えなかったのだ。つまり形状(かたち)とは精神(かたち)で在り、人を過去(ひと)と認識出来る唯一の方法で在る――それを悉く安楽死(おか)せば如何か、結局のところシエナ・リーレイの瞳(め)を凝視(み)るのは不可能に等しかった。
 御機嫌よう――とでも台詞(か)いてしまえば楽し気だったのか、伽藍洞(から)に見せ掛けたスカートの中身、ころころと転がった成れ果てに進歩(うご)きなどない。ただ怨念達(かれら)が望んでいるのはお友達、否、ただ犠牲者だけで在ったのだ。引き摺り込まれたから引き摺り混みたい、それこそ怪異(ウィアード)の本質、重い・思い・想い――辺獄(リンボ)も糞も存在(あ)るものか、まるで信仰心のない阿鼻叫喚。ハルピュイアすらも腐肉を食めなかった。
 何を生贄(にえ)と見做せば好いのかと少女(オブリビオン)は絶望していた、あの底無しの『くうはく』には味気など一切が見当たらなかったのだ。帰って、お願いだからどっかにいって。叫びは虚しくも布切れ一枚に溶け、呪詛(まじない)はお家(スカート)に戻るのみ――何度も何度も、アイロンにかけられた怨念(もの)が、どぼどぼとこぼれる――因果応報、不運が不運を招き、全が一へと返却されていく。一週間が期限だった筈なのに。無期限(ておくれ)。
 残された道は暗い々い無限量、その窒息だけが救いになって終った。鎮痛(な)くしても麻痺(しび)れても決して拭えないおそろしさ、伸ばせども伸ばせども『手』に届かなかった。尻尾諸共に食われたらトカゲもおどるしかないだろう。
 幸運の佛(いと)よ如何か。

大成功 🔵​🔵​🔵​

幽谷・倖
地下の光景を見た瞬間身体の痛みも忘れてしまう
……なんて惨い
こんな光景、許されていい訳がない

私に出来ることはただひとつ
戦ってこの地獄を終わらせること
しっかり意識を保って前を見据える
大丈夫、私がなんとかする

意思を示して火の弓を構える
迫る腕はすべて燃やしてしまおう
私もその子くらいの年だ、餌にはちょうどいい
優しい記憶が傷つけられたとしても、同じだけ素敵な記憶は積み重ねていける
私は家族や友人にもまた会えるから
こんなことで折れるものか

火の弓を放ちどんどん敵を焼却していこう
腕も、昏い穴も、女の子も、全部
腕と穴には怒りを
女の子には慈悲を
この地獄を燃やし尽くすのが私の務め
すべてが灰になるまで決して目は反らさない



 赤く赫く回転し始めた流れがたくさんの枝(ひと)を手折っている、指も腕も一切が関係なく潰されてそんな想像(イメージ)に駆り立てられて異た。土蜘蛛(ひと)の脳裡を弄るかのような光景が刹那、頭蓋に滓(のこ)った鈍痛を忘却させていく。ああ、なんて惨い。これが地獄でなければ何が地獄なのかと神に問うて終いたくなるほどだ。こんな光景、許されていい訳がない――何処かで毀れていた人形のように、糸をちょんと切るしかない。私に出来ることはただひとつ――前を真直ぐに認識し『地獄』を終わらせること。たとえ届かなかったとしても猟兵(らちがい)には還すしか道がないのだ。
 大丈夫、私がなんとかする。頭(おつむ)に溜まっていた血液(あか)が引いていくとは思えなかったが、固定(こ)の意思を示す事に躊躇などない。構えた飛輪(えもの)は絶対に逸らさず、すべてすべて燃やして閉幕(しま)おうとの頑固さか。老若男女(よろこび)の腕(かいな)が餌を求めて伸びてきた――そりゃあ猟兵(おまえ)の柔らかそうな感情だ、餌として申し分ない――愉しいと嬉しいがじわじわと啜られて往く、それがどうした。人は同じだけ『素敵な記憶』を積み重ねていける。ばきり、ぼきりと殴られても家族や友人にまた会える……こんなとこで折れるものか。「気持ち悪いんだよアンタ!」何か、理解出来ない『もの』を見るような、悲鳴(こえ)が響いた。ハルピュイアどもが傷を抉る瞬間、ティーンエイジャーの眼窩(うら)は局外者(わ)にうつる。
 怒りと慈悲の混沌(カオス)が二度と消えない炎(ねつ)を放っていく。最早火葬パーティを中断(や)める事など出来ず、焼却(おも)いは棺に届くのだろう。弧を描いた矢(さき)っぽが心臓を貫いて――目を反らすな、殺しているのは私(オマエ)なのだから――全部全部煙と化して巻かれると謂い、撒き散らしたマイナスを火種(つとめ)として。
 この正義感(ヒーロー)め、嫌悪と称される汗(しお)が頬をかすめた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

露木・水無月
僕はこれでも歴戦の能力者なわけでして。
外見は惑わされないのですよ。
どのような姿であれ、敵は敵。
倒すしかないのです。
ゴーストもオブリビオンも終わってしまった存在。
迷うことはないのです。
少女の姿を取っていても気分がよくない程度なのだから。
さぁ、覚悟を決めて…イグニッション!
ガンナイフによる射撃からの突進斬撃。
近接攻撃の最中にリベレイションを発動。
一気に決めに行くのです!
代償が大きので効率的にやらないとね。
刺突で銃剣を突き刺してからの零距離射撃。
刺突で30%、零距離射撃を2連射して60%。
合わせて90%の生命力を支払うこのコンボ!



 煉獄までの階段(だんさ)は果たして善意で均されていたのか、異物混入の下っ端までもが少女(ティーンエイジャー)のオマケに成り下がっている。それに騙されてはいけない事を能力者(おまえ)は重々承知(りかい)していた。外見では惑わされないのですよ。どのような輪郭(すがた)で在れど敵は敵で、その通り殺意(おも)いが肌(かわ)に突き刺さって躯る。くるくると勧善懲悪(アヴェスター)、悉くは倒すしかないのです。見たくない見せないでなどと女の子が叫んでも、終わった事は終わった事。幽霊(ゴースト)も過去(オブリビオン)も同じ存在(こと)なのだ。誰が迷うと謂うのだろう、還せ・帰せ・返せ、もしや裏表紙を捲った事がないのか。覚悟を決めろ、延滞(じかん)を掛けている暇など無い――イグニッション! 轟(ごぉ)、吶喊する貌(さま)は勇ましさの化身か。
 たとえ気分のよくない戦闘(たたか)いでも信念を抱けば一気呵成、決めるべき刹那(ところ)では決着(き)めるべきか。英霊(お)ろせ憑依(お)ろせと己が猛り、代償の大きさを視野に入れている場合ではない。効率的に徹底的に、完膚なきまでに骸の海へと連行(つ)れて往け……押し上げろ地獄篇、もうすぐ先は煉獄篇だ。
 刺突(つ)けばじわりと染まるだろう朱々、零距離(めはな)の隙間を弾丸(たま)で埋めると良い。連続射撃(ダブル)の味わいを腸(ぞうふ)でお好みにこのサヨウナラ・セットを買わない腕(て)はないのだ。支払いは生命力(ワン・コイン)、少女のスマイルは得られないが十分か――昏いと暗い、あなたと何が違ったのか。
 クズ折れた腕の渦中(なか)で少女の全てが崩壊(こわ)れていく。今度生まれ変わったら普通の女の子になりたいな、泡沫(あわ)と化したおまじないが猟兵(おまえ)等をたたえて消える。乙女(アイアン・メイデン)は涙(シルバーレイン)に触れ、莫迦げているほどに錆びてしまった。お友達は最早ない。
 蟻の仔じみた人の欲が、箱舟に乗れず溺れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月14日


挿絵イラスト