1
【サポート優先】技術に飲まれた者達

#アポカリプスヘル #【Q】 #戦後

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル
🔒
#【Q】
🔒
#戦後


0




 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●蘇生とは名ばかりの。
 技術というものは、時には人を狂わせる。

 歩かなくてもいい技術ができたから、車同士のぶつかり合いが起きて。
 時を見ることが出来る技術が生まれたから、時間を止めて全てを消そうとする企みが出てきたりもして。
 更にはボタン1つ押すだけで敵が死んでいく技術が出来上がったりもして。
 そうして、世界が勝手に進んで、人が狂う。

 そんな中で戦争でたくさんの医療チームを失った1人のドクターがいた。
 彼は『死者蘇生の技術』をいつの間にか手に入れており、医療チームのメンバーに使おうかと悩んでいた。

 最初は危険だと思っていた技術だった。
 だがどうしても、もう一度あのチームで仕事がしたいと願ったドクターは、近畿の術に手を染めた。

 ほんの僅かな好奇心で使っただけで死者蘇生が簡単にうまくいって……。
 自分は何でも蘇らせる事が出来るのだ! と喜んで、使い続けていた。

 だがそれは、人体実験と何ら変わりはない。
 アポカリプスヘルに住まう人々の肉体を使っての、死者蘇生。
 精神を無理矢理入れ替え、肉体と精神の乖離を薬剤で無理矢理抑え込む。まさに非人道な実験そのものだった。

「ああ、まだ足りない……まだ、足りない……」
「もっと、もっとこの技術を広めなければ……」

 技術を広めようとするために、ドクターは死者蘇生させた医療チームのメンバー達に告げる。
 ――『もっと、実験体をつれてこい』と。

●技術とは名ばかりの。
「アポカリプスヘルでの戦争が終わった、のはいいが……これまた面倒なことが起きてるみたいでさ。ちょっと手伝ってほしいんだ」

 グリモアベースに集まってくれた猟兵達に向けて、霧水・砕牙(《黒の風》[プレート・ヴェント]・f28721)は今回の任務についての話を行う。
 今回は戦争が終わったばかりのアポカリプスヘルでの出来事。あれから何か起こってないかと不安になっていたが、砕牙の不安が的中したように予知が見えたという。

 死者蘇生という禁断の技術を手に入れたドクター……現在は既にオブリビオンとなった『ドクトル・ディスチャージ』という存在が、死者蘇生を繰り返し行っているという予知が見えたという。
 ドクトル・ディスチャージは戦争の最中に医療チームメンバーを失っており、それを蘇らせるために死者蘇生の技術を使っていた。

「だが死者蘇生ってのは、うまく行けば行くほど人の心を狂わせるもんだ。使ってる本人ももうぶっ壊れてしまってるし、蘇った人々ももうぶっ壊れている」
「このままいけばこいつのせいでアポカリプスヘルがまた面倒事に巻き込まれかねないんで、今回はこいつらの討伐をお願いしたいんだ」

 場所はアメリカのとある荒野。行軍している医療チームメンバーを先に倒してから、ドクトル・ディスチャージを倒してほしいとのこと。
 とにかく今は、この死者蘇生の技術が広がらないようにしなければならない。そのため、殴ってでも、切ってでも止めろと砕牙は言う。

「死んだ者達はこの世にいてはならない。……それをきっちりと教えてやろうぜ」

 そう言って彼は猟兵達を戦場へと送り届ける。
 ――医療チームが歩き続ける、荒野の中心へ。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 今回は諸事情によりサポート優先シナリオです。
 通常のプレイングも受け付けておりますので興味がありましたらぜひご参加ください。

 こちらのシナリオは2章構成となっております。
 以下は通常参加を考えられている方向けの情報です。

●場所
 アメリカのどこかの荒野。
 建築物・遮蔽物がないため、キャバリア参加が可能です。

●第一章:集団戦シナリオ
 緊急医療チーム『ヤミードクターズ』との戦いになります。
 人数がめちゃくちゃいます。人数数えたらきりが無い。
 猟兵達はこのチームのど真ん中に放り込まれ、周りから一斉に攻撃を受けるという形になります。

●第二章:ボス戦シナリオ
 ドクトル・ディスチャージとの戦いになります。
 医療チームが倒れた後の光景ですが、医療チームは既に塵となっているため実質1対1。
 なお自己手術で追加の腕が付けられているため、ユーベルコード+追加の腕での攻撃が入ります。
72




第1章 集団戦 『緊急医療チーム『ヤミードクターズ』』

POW   :    不屈のドクター・スピリット
装備中のアイテム「【注射クロスボウ】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD   :    ドクターの愛
【依存性が高く、幻覚作用のある薬品】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
WIZ   :    ドクターのオーバーワーク
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【治療し改造することで神経異常発達強化生物】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

阿紫花・スミコ(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒。暗い過去を持ちつつも性格は明るい。自信家で挑発的な一面がある。力があれば何をしてもいいというようなダークセイバーの領主達を心底嫌っている。機械系に強く様々な世界の機械知識を広く持ち自作ガジェットの研究・開発を行っている。

からくり人形「ダグザ」:巨大な棍棒で敵を粉砕する。
精霊銃「アヴェンジングフレイム」:黄金に輝くリボルバー。弾丸には炎が宿る。
ワイヤーギア:射出したワイヤーを引っかけ、巻き取りと、蒸気噴出で推進力を得る。

「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう?…お前が奪われる立場でも同じことが言えるかな!」

(エロやグロに巻き込まれなければどんな展開でも大丈夫です)



●神の名を冠した者
「死者蘇生……か」
 情報を聞きつけてアポカリプスヘルの空を舞う阿紫花・スミコ(ガジェットガール・f02237)は、からくり人形・ダグザと共に眼下の集団の輪へ着地した。
 これから起こるであろう事態を食い止めるために。

 死者蘇生の法を使い蘇った医療チーム・ヤミードクターズ。本来であれば安らかに眠っているはずの戦争で死んでしまった者達なのだが、次々にドクトル・ディスチャージの蘇りの術を受けてしまい、オブリビオンと成り果ててしまった。
 そのせいか治療とは言葉ばかりで、一般人を殺し回っては次の目的地に向かうという動きを繰り返している。おかげでヤミードクターズは集団となっており、膨大な数の医療チームへとなっていた。
 繰り返し行われる殺戮の医療行為を止めなくては、アポカリプスヘルの人々が全員オブリビオンになりかねない……ということで、スミコが集団の中へと落ちてきたのだ。
「いっぱいいるなぁ……! でも、やるしか無い!」
 ヤミードクターズが構えた注射クロスボウが一斉にスミコに向けられて発射されるが、それよりも前にダグザの棍棒が放たれた注射を振り落とす。その衝撃波で数人のヤミードクターズが吹っ飛んだが、その穴を埋めるようにわらわらと着地したスミコ達を取り囲んだ。
「どうやら一筋縄ではいかないみたいだ……だったら、これでもくらえ!!」
 そうしてヤミードクターズの人数が多い部分を狙い、ユーベルコード『ヘヴィストライク』を放つ。ダグザを操り、棍棒による単純で重い一撃をヤミードクターズの大多数へ向けて放つことで逃げ遅れた者を潰し、更には直撃した地点から周辺地形を破壊。その余波で後方に存在する残りのメンバーをも一気に吹き飛ばした。
 体勢の崩れたヤミードクターズはなんとか立て直そうとするものの、ダグザの二撃目の攻撃によって吹き飛ばされる。後方に控えていたメンバーもどうにかスミコに向けて注射クロスボウを発射して動きを牽制するが、巨大な神の名を冠した人形は止まることはなかった。

「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう? ……お前達が奪われる立場でも同じことが言えるかな!」
 ハンドガン型ガジェットのアヴェンジング・フレイムの銃撃も組み合わせながらヤミードクターズを蹴散らすスミコ。その動きに蹂躙されるヤミードクターズは、着実に数を減らしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御倉・ウカノ(サポート)
基本的にはUC『狐薊』を使用します。
大太刀を振り回して豪快に吹っ飛ばす戦い方を好みますが、共闘する時は連携を強く意識して戦います。

戦いを始める際は囮もかねて見得をきってから切り込むことがあります。

遠距離で戦うのは苦手なので、とにかく距離を詰めることを意識します。多少無茶をしてでも相手を自分の得意な距離で戦わせようします。



●距離を詰めれば問題なし
 アポカリプスヘルの荒野を歩くヤミードクターズの集団。その集まりの中、1人の女性が空から降って落ちてきた。
「うーわーあーあーあー!?」
 正体は御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)。大切な徳利を護りながら落ちてきて、ヤミードクターズをクッション代わりに地上へと降り立った。
 最初は人々をクッションにしたことに、赤ら顔で謝り倒していたが……彼女が猟兵であることを既にわかっているヤミードクターズはその手に持った注射クロスボウを構えてウカノを攻撃し始めた。
「ちょ、まさかあんたら敵!? なんか謝って損した気分だな!?」
 大太刀「伊吹」で飛んできた注射を弾き飛ばしながら距離を詰めるウカノ。損した気分とか、地上に落ちることになった原因だとか、諸々の感情が吹き出してしまって元から赤い顔が更に赤く染まる。
 注射クロスボウに封入されている薬剤は何かはわからないが、酒を飲んでいたウカノでもアレはまずいと感覚的に察している。下手をすると酒が飲めなくなったりするかもと想像すると、それだけは絶対に嫌だ! とヤミードクターズを蹴散らしていった。

「人数が多すぎる……!!」
 刃の長さが4尺ほどある伊吹では、集団のヤミードクターズを1人ずつ蹴散らすのが精一杯だ。酒瓶から酒を少しずつ摂取してやる気を維持してはいるが、これでは体力が削れてしまうほうが早くなる。
「だったら……臨兵闘者皆陣列在前!我が劒はこれより禍者を打ち祓うものとなる!」
 距離を詰め、ヤミードクターズの集団の中へと潜り込むウカノ。大太刀「伊吹」で敵を少しずつ切りながら、ユーベルコード『御倉流巫女神楽『狐薊』』で伊吹を無数の【狐薊】の花びらに変化させて半径103mに存在するヤミードクターズを切り裂く。
 ヤミードクターズ達も倒れた仲間達を治療し、更に改造を施して神経異常発達強化生物にして操ることで攻撃の手数を増やす。それでも、すぐさま倒れてしまうのは無数の狐薊の花びらがそれを許さないからだ。
「――これぞ御倉流巫女神楽『狐薊』なり!」
 狐薊の花びらで何度も倒れ、改造を受けて蘇りを繰り返すヤミードクターズ。その花びらの嵐の中でもウカノは歩みを止めずに、ただ突き進む。
 終わりが見えない集団戦、それが何処まで続くかはわからないが……ただただ、ひたすらにヤミードクターズの進行方向とは逆に走り、狐薊の花びらを多方向へと向けて射出し続けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャロライン・メイ(サポート)
ダークセイヴァーの貧民街の生まれ。生きるため、悪事に手を染めてきた。ある日商人から一振りの剣を盗み出す。剣は呪われており、その邪悪な魔力によって、呪われし黒騎士へとその身を堕とす。その冷酷な様を人々はアイスドールと呼ぶ。

自身の半生に強いコンプレックスを持ち、心の中では常に自己を否定し続けている。死に場所を探しているかのような言動をとることがある。

ダーインスレイヴ~漆黒の魔剣による強力な一撃。
ライフドレイン~魔剣の血塗られた鉄鎖が無数の棘に変形し敵に突き刺さる。

「私は人形・・・ただ冷ややかな心で剣を振るうだけ。」

エロやグロに巻き込まれなければ、どんな展開でも大丈夫です。



●どこか、他の場所で
 また別の場所で行進を続けるヤミードクターズの輪の中に、1人の黒騎士が舞い降りる。
「――……空から見た時は、だいぶ少なく見えたが……多いな」
 辺りを冷ややかな目で見回すのはキャロライン・メイ(アイスドール・f23360)。空から地上へ降りる間際にヤミードクターズの行進の規模を見ていたのだが、いざ地上で辺りを見渡すとその人数の多さには圧倒されてしまう。
 だが、目の前にいるものは既に死者だ。死者蘇生の法で蘇った、世界の理から逸脱した存在であり……既にオブリビオンへと堕ちてしまった者達。
「話を聞いた時は、まさかと思ったが。……まあ、何であれ早めの討伐を心がけるか」
 漆黒の魔剣・ダーインスレイヴを手にとって構えたキャロライン。呪われている剣に一瞬だけ意識を奪われそうになるが、ふと、この地に訪れたであろう少女の気配を感じ取る。
「……そうか。お前もここで戦っているのか」
 アポカリプスヘルの荒野、どこかに存在する同じ集団と戦っている気配。離れていても彼女のことを忘れることがないキャロラインの手から、次第に呪いの力が収まってゆく。
 自分の意識が魔剣に奪われなければあとはこちらのものだと、キャロラインは距離を詰めて剣を振るう。
 ヤミードクターズの撃った注射クロスボウをダーインスレイヴで薙ぎ払い、中に詰められた薬剤を浴びたとしても持ち前の激痛耐性と狂気耐性で耐え続けた。
「……これでもくらえ!!」
 振り払われたヤミードクターズの体勢が崩れた瞬間を狙い、キャロラインはユーベルコード『ダーインスレイヴ』を発動。漆黒の魔剣でヤミードクターズの身体を破壊し、更には人として致命的になる箇所――心臓や頭といった箇所を次々に破壊し、行動不能に落とし込んだ。
 それでも、無限にいるのかというほどのヤミードクターズはキャロラインを取り囲む。仲間が倒れてもドクトルのもとへつれていけば蘇るという思考なのか、彼らは留まるを知らぬようだ。
「ふん……ここで留まれば、多少は犠牲が減るかもしれないのにな」
 少し冷ややかに、しかししっかりと嘲笑うように笑ったキャロライン。猪突猛進こそが有利というわけではないのだとヤミードクターズに言い聞かせるように呟いたが、それを聞く連中ではなかったな、とため息を漏らした。

「ともあれ、ここで朽ちてもらうぞ」
 大きく振るった漆黒の魔剣は、乾いた荒野の風とそこに存在する群れを切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

藤・美雨(サポート)
私は藤・美雨
デッドマンの猟兵さ
キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ

戦う時は近接攻撃を中心に
強化した肉体で怪力で暴れまわったり
装備した刃物でザクザク切り込むのが好きかな

死んでいるから怪我にはあんまり執着しない
危なくなればヴォルテックエンジンで自分を叩き起こすからね
負傷は気にせず気力で突っ走るのが好きだよ
その方が楽しい!

でも死んでるからといって人生を楽しんでいない訳じゃない
飲食とかは出来るし好きだよ
綺麗なものや楽しいものに触れるのだって大好きさ

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動もしない
気持ちよく勝って帰りたいし!

あとはおまかせ
よろしくお願いするね!



●ぴょんぴょん、たーのしー!
「うーわー、私みたいな人がいっぱいいる!」
 地上に降りた藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)は、自分と同じく蘇った人々を見てきゃっきゃと楽しそうに飛び跳ねていた。まるで、仲間がいた! と言わんばかりの喜びようだ。
 だがヤミードクターズは既にオブリビオンとなっているため、美雨に対しては仲間意識など持つことはなく、むしろ敵対者として見ている。そのため彼らはその手に持った注射クロスボウを躊躇いなく構え、美雨に向けて射出した。
「あ、やっぱりそうなる? そうなるよねぇ~」
 ぴょん、と軽く地を蹴って、高く飛び上がって弾を回避した美雨。ヤミードクターズの頭を踏み台にしながら空を駆け巡り、1体ずつ確実にヤミードクターズを倒していく。
 最初は1体倒すのに時間がかかっていたが、徐々に美雨の踏みつけの威力が強くなっているからか1体踏む毎に倒れるヤミードクターズが増えていった。
「あはは! みんな、生き生きしてるかい? 私はしてる!」
 それもそのはず。ユーベルコード『踊る屍体』は美雨が敵より現在の状況を楽しむほど、敵に対する攻撃の威力が上がる。ただの踏みつけが1体を一瞬で大地に転がすほどになったのは、この力のおかげだ。
 それに気づいたヤミードクターズは倒れて動かなくなった仲間達を治療し、更に瞬間的な改造を施すことで神経異常発達強化生物へと変貌させてもう一度美雨に攻撃をしかける。
「なるほど、踏んだ敵が戻ってくるのはちょっと予想外だった! いやでも、これはこれでアリ! 楽しい!」
 わーいわーいとぴょんぴょん跳ね続ける美雨。バカにされているのかと怒りに震えるヤミードクターズは蘇らせた仲間達で美雨に向かってみるが、やっぱりそれもしっかり踏まれてしまうわけで。

 何度飛び跳ねて、何度踏みつけたのだろう。美雨が飛び跳ねた後のヤミードクターズの群れは、とてもじゃないが数え切れないほどの人数が大地に倒れている。
 楽しめば楽しむほど彼女の攻撃の威力が増えるのもそうだが、連続して踏まれるためにヤミードクターズの治療術が間に合っていないというのも1つの原因だ。
 このままでは行進がままならない……そう考えたヤミードクターズの一部の群れは、現在進んでいる行進軍から外れて進もうと、少し道を逸れた。

「ん? どーこーに行くのかなー!」
 それを見つけた美雨は強く蹴って大きく飛び上がり、次々に足蹴にする。
 その瞬間が一番楽しそうだった……倒れた者達はそう語っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください



●狂気には狂気を以て
 空からヤミードクターズの集団へ落ちてきたアト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)。いつもの落ち着きのまま、辺りの状況を把握して今回が如何に厄介か納得したようで。
「これはこれは……蘇ったとは聞いていますが、まさかこんなにたくさん蘇っているなんて誰が想像したでしょう?」
 アトの目線ではヤミードクターズの姿は数人、数十人ほどしか見えないが……音だけでもわかる。その背後には、有象無象の蘇ったオブリビオン達がいるのだと。
 そんな中でヤミードクターズはアトの落ちてきた衝撃で倒れた仲間達を必死で治療し、それらを改造して神経異常発達強化生物へと変貌させて無理矢理に動かしている。アトを倒すためには人数が必要だと、本能的に察している様子だ。
「ふふ、そうしないと私に勝てないと理解しているんですね。それなら、話は早い」
 そう小さく笑ったアトはその手に魔笛≪Guardian of the Gate≫を握り、笛を鳴らす。とても明るい音色の狂いに狂った音楽が荒野に広がると、またたく間にフルートの音色が浮かび上がる狂気の迷路が出来上がった。
「あなたの心に、必ずあるはずですよ。さぁ、彷徨いましょう……」
 ユーベルコード『狂気の迷宮』を発動させ、ヤミードクターズの群れを分断。ゴールであるアトの居場所まで誰が早くたどり着くか、そして幾人が脱落するか。彼女は笛をゆっくりと吹き続けながら、それらをゆっくりと眺めることにした。

 ヤミードクターズの集団は迷路の中を彷徨い続けていた。
 戦力が分断された迷路の中、何処が最後の出口なのかも知らない彼らは無限に広がる狂気の迷宮を歩き続ける。
 次第にヤミードクターズの精神は、元々擦り切れていたところから更に擦り切れてしまい、発狂するほどに壊れていった。

 ある者は魔笛の音色に狂い。
 ある者は脱出口を見つけることが出来ずに狂い。
 ある者はそもそもの蘇りに対して怒りさえ覚え。
 ある者は自害するほどに狂ってしまった。

 それがアトの作戦。ゴールに辿り着く頃にはもはや戦う意志さえも擦り切れてしまうほどの、長い長い狂気の中を歩かせるだけの簡単な作戦。
 唯一たどり着いたヤミードクターズを前に、アトは緩やかに笑って告げる。
「お疲れさまでした。この迷路の脱出者に進呈されるのは、もう1つの音楽です」

 そうして、また別の狂気の音楽が荒野に広がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、19歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●黒桜の舞う頃に
「凄い数、だけど……倒せない相手ではないわね」
 地上に降りてあたりを見渡す轟木・黒夢(モノクローム・f18038)。ナックルウェポンをしっかりと手に、ヤミードクターズを睨みつけて牽制しておいた。
 何処までも続く荒野を行進し続けるヤミードクターズ。空から眺めてもまるで木の枝のように無数に別れて行進していることがわかったぐらいで、人数の把握まではついていない。元凶であるドクトルが蘇らせた初期の人数を超えており、傍目から見れば軍隊と何ら変わりないほど。
 それでも黒夢には負ける未来が見えなかった。無限に増え続けているとは言え、自分の力ならそれを止められることを知っているから。

「さぁ、この黒桜の餌食となるが良いわ!」
 ユーベルコード『朽ち果ての黒桜』を発動させ、ナックルウェポンを付けた手を握りしめると……その手から黒い桜の花びらが広がり、またたく間にヤミードクターズを覆い尽くす。
 ヤミードクターズはそれを物ともせずに黒夢に向けて注射クロスボウを向けるのだが、僅かな瞬間、クロスボウ諸共ヤミードクターズが腐食して崩れ去る。
 黒桜の花びらは触れたものを腐食させる効果があり、これは予想外だとヤミードクターズの手段は黒桜から逃れようと必死で回避行動を取り続けた。
 しかし、それを阻むかのように黒い雷光のような光線が一部のヤミードクターズに突き刺さり動きを止める。何事なのかと見てみれば、光線の出どころは黒夢のようで。
「残念だけど、ただ黒桜を出しただけで私の役目が終わるとは限らないのよ」
 そう呟いた黒夢の手に握られているのは、小型の銃・シャドウサンダー。敵の神経ごと遮断する威力を持つこの銃で撃ち抜かれれば、あとは黒桜の花びらが腐食させて塵に還すだけ。

 ヤミードクターズは焦りに焦った。なにせ、彼らの力は『死んでいる・気絶している相手を治療して改造する』力だ。使おうとしている相手が腐食して塵に還ってしまえば、改造はおろか治療さえも難しい。
 だからこそ、黒夢に対しての攻撃は不可能だと焦っている。黒桜の花びらが舞う中では、近づくことさえも難しいと。

「でも、逃げられるとは思わないことね」
 淡々と告げた黒夢は地を蹴って一気に距離を詰め、逃げ続けるヤミードクターズを黒桜の海へと落とし込む。
 1人残らず腐食させて塵に帰ることを確認するまで、シャドウサンダーを撃っては黒桜の花びらで溺れさせ続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ドクトル・ディスチャージ』

POW   :    マインドマテリアライズ・メディシン
攻撃が命中した対象に【精神的要素が体内で物質化する状態】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【体内で物質化した物を排出したいという衝動】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    ポータル・インジェクション
【注入器の先に紫の靄を纏わせた状態で視線】を向けた対象に、【次元を超えての注入器挿入からの薬液注入】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    ディスユース・リサイクル
自身の【目的に不要な要素や要素を排出した生物】を代償に、【不要要素を搭載した機械や洗脳を施した生物】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【代償にした物に基づいた能力と薬液注入器】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はドライプラメ・マキナスアウトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

叢雲・雨幻(サポート)
真正面から、と言うよりは掠め手で相手を惑わせて
攪乱しながらのらりくらりと追い詰める戦い方を好むよ。
ただし共闘者がいて危ない時は飛び出して守りに行くかな。

使う武器は【黒雲】【黒霧【対】】の二刀流での戦闘が主。
使うUC次第では連結してダブルセイバーにしたり、
そもそも剣を【武器受け】用として使い、影を操る攻撃で戦ったりするよ。

基本的に相手の攻撃を【見切り】、【早業】で【武器受け】をしながら動きを観察し、隙を見つけて【切り込み】もしくは【カウンター】を決めて離れる飄々とした動きのヒット&アウェイスタイル。
戦闘中も仲間やボスにも冗談を交えて話しかけたりする。
ただしあまりにも非道な相手の場合は別だがね。



●ふらりと訪れた先で。
 辺りに散らばる医者のチームの死体。それに対して哀れみの目を向けるドクトル・ディスチャージ。蘇りの技術は完璧で、過去と同じチームでもう一度前に進むことが出来ると喜んでいたのに……それらはすべて猟兵によって打ち砕かれていた。

「おっと、もう残るは元凶だけか。蘇りがどんなものだったのかはちょっと見てみたかったんだけどねぇ」
 そんな状況下、軽い口調で荒野に訪れた叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)。辺りに散らばっている医者チームの死体を横目で見ながら、ドクトルの前までゆっくりと歩みを進めている。
 腰に下げた黒剣・黒雲と黒霧はまだ抜いておらず、通りすがりの者だというような風貌で雨幻は近づくが……ドクトルは彼が猟兵であることに気づいている故に、その手に握った巨大な注射器を構える。
「ああ、やっぱりそうなるわけね。少しでも近づいておきたかったんだが……」
 小さく、仕方ない、と呟いた雨幻は素早く地を蹴り距離を詰め、黒雲を抜いて斬りかかる。相手が動き出す前に少しでも傷を与えておこうと考えていたのだが、ドクトルはその考えを見抜いているのか注射器で黒雲を弾く。
 くるり、と注射器が一回転。針の部分が雨幻の頬を掠めたが、雨幻は引くことなく黒雲を振るいドクトルに傷を与え続けていた。
 しかし徐々に雨幻の動きに異変が訪れる。最初は視界がチラついた程度だったのだが、時間が経つにつれて身体――主に精神面が異質化していることに気づく。
「おーっと……なんか盛られたね? コレ」
 最初の攻撃で薬を打たれたか、と理解した雨幻。このままでは時間の配分で負けると判断した彼は、もう片割れの黒剣・黒霧を鞘から抜いて黒雲と連結させる。
「はーい、こっからはオジサンの本気でござーい……なんつってな?」
 ユーベルコード『連結:黒雲霧』。連結したダブルセイバーモードで連続攻撃を繰り出すことが出来るこの力ならば、素早く相手の動きを制して離脱を可能とする。少しでも後に来る猟兵達のためにも、雨幻はドクトルに攻撃を続けた。

「蘇生なんてもんはな、必要であってもやるべきじゃあない」
 連続で攻撃を行いながらも、雨幻はドクトルに向けて進言する。
 蘇ったとしても死んだ者達は死んだ者達で思うこともあるし、逆に蘇らせてもらったとしてもそれが必ず正しいということにはならないと。

「だから、まあ。お前さんも早く、行ってあげるべきだよ」
 周囲の医者のチームを横目に、彼はそう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

東海林・馨(サポート)
ボス戦の基本は「俺より強い奴に会いに行く」というスタンスで挑みます。
自分より相応しいと感じる猟兵がいたら積極的(というか集団で狩りをする狼の本能的)にサポートします。
武術においては搦め手も技の一つと考えているので、物陰を使用した奇襲や動きを封じるために脚などへの攻撃も正当と考えています。

「武術を極めるというのは相手の全てを出させる」「全てを出させたら後はなんとかなる」という信念から粘り強く攻撃と防御を繰り返します。
その他はお任せです。



●強い者のもとへ
「おいおい……なんだ、この感じはよ……」
 アポカリプスヘルの荒野にたどり着いた東海林・馨(探索する者・f33122)は、周囲に倒れている者達の真ん中で少しだけ怪我を負ったオブリビオン――ドクトル・ディスチャージの覇気に気圧されていた。
 ドクトルが医者チームを蘇らせた理由は唯一つ。『元のチームでまた前に進みたい』という、個人的な願望。それがようやく叶ったというのに、猟兵達がチームのみんなを倒したものだから怒りも凄まじいもので。
 しかし馨は逆にそれを『楽しい』とさえ感じていた。記憶にも無い、いつの間にか体に染み付いていた武術を試せるチャンスが訪れていたのだから。
「はは……いいね、震えてきた。やっぱり強者ってのはそうでなくっちゃなぁ……!」
 宿星剣を構えた馨は震えさえも物ともせずに笑って、一気にドクトルとの距離を詰めて連続して斬りかかる。幾度かは注射器に攻撃は阻まれたものの、斬撃を読みきれていないドクトルには傷が増えていった。

 戦いを楽しんでいる彼に対し、ドクトルは気味が悪いとさえ思ったのだろうか。大きな注射器をくるりと回転させると、その針先に紫色の靄を纏わせ……視線を馨へと向ける。
 瞬間、馨の身体に僅かに薬剤が流し込まれた感覚が襲いかかる。どうやらドクトルは注射器の針先を異次元移動させ、何処にいようとも馨の体内に薬剤を流し込むことが出来るようにしたようだ。
「なるほどな……だが、それは視界に入ってないと意味がなさそうだな!」
 そう言うと馨は足元の砂を蹴り上げ、ドクトルの視界を奪う。視界を奪われようとも気配で探れば大丈夫だろうとドクトルが考えていたが……その気配は、視界が断たれた時点で分離していた。
 馨のユーベルコード『八葉』。周囲の地形や置かれている物品等を利用して戦うと、気配が分離して認識される力。目を奪われて気配を頼りにするしか無い相手には絶大な威力を発揮するため、馨は虚を衝く攻撃を連続で繰り出した。
 だが、ドクトルは攻撃の一瞬に生まれる僅かな風を読んでいるのか、致命的な一撃とはならず掠る程度のダメージとなってしまう。オブリビオンとして蘇った影響なのだろう、五感が多彩なようだ。
「気配が分離してるってのに、攻撃の一瞬だけでそこまで読むとは……!」

 ――これはもっと楽しくなりそうだ。
 そう呟いた馨の攻撃が、ドクトルの動きが、より一層激しくなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
狭域では魔法攻撃や『シャッター棒』をブンブンして戦います



●お花を片手にお邪魔しまーす!
「あらあらあら……お花を売ろうと思ったんだけど、お客さんは1人だけ……?」
 ありとあらゆる花を乗せて、移動販売でもしようかとFloral Fallalを運転してやってきたニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。現在、売れる相手がドクトル・ディスチャージしかいないと知って少々ショックを受けていた。
 というのも、沢山の人がいるよ! と聞いていたので、これはまたとない売り込みのチャンスではないのか? と考えていたのだが……少々、タイミングが遅れてしまったようで。

「ちょっと遅れちゃったみたいねぇ。あ、あなたはお花は」
 どうかしら? と聞こうとしたその瞬間、ドクトルの注射器がニコリネに襲いかかる。彼女は車両内にいたため傷を負うことはなかったが、その代わりに攻撃が命中したものとしてドクトルはニコリネの精神を異質化させた。
 精神とは本来目に見えぬもの。それを物質化させ、排出したいと乞い願う衝動で相手にダメージを与えるのがドクトルのやり方のようで。
「む、む、む……! そんなことをするお医者さんには、お花は売ることは出来ませんね! ということで……」
 早い段階で決着を付けなければ、この衝動が収まることはない。そう考えたニコリネはユーベルコード『Limiter Removal』を発動させ、Floral Fallalのスピードリミッターを解除する。
「特攻(ぶっこみ)!! いきまーす!!」
 ぎゅるんぎゅるんとエンジン音が鳴り響き、車体が一気に距離を取る。一度激突するには最上級のスピードが欲しいということで、大きく距離をとってドクトルの下へともう一度戻ってくる。
 なお、ニコリネの趣味で速度警戒音は未解除だ。おかげで車内はキンコンキンコンとうるさいが、ニコリネにとってはそれが最高の瞬間だという。
「ああ、いいわねぇ……この、鳴らしてはいけない音が鳴りっ放しの……感覚!」
 ゾクゾクと背徳感が背中に伝わっているが、ハンドルには乱れがない。むしろ異常な速度の中で真っ直ぐ、無駄なくドクトルに向かって走るそのドライブテクニックは誰もが見惚れるほどだろう。

「蘇生なんてしちゃった悪い子には、お仕置きしないとねぇ」
 悪い子にはお仕置き。それは当然のことだ。
 しかしその一撃はお仕置きと言うにはとんでもなく、蘇生の代償は大きいと知らしめるほどの衝撃が襲いかかった。

 当然、ドクトルは一度空を舞ったのは言うまでもない。

成功 🔵​🔵​🔴​

バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



●誰かの為の特効薬
「死者蘇生、か。それが貴方の精神に対する特効薬だと信じていたのね」
 するり、するりと蛇の足がドクトル・ディスチャージへと近づいてゆく。音もなく、からからと石がぶつかるだけの音に不気味ささえ覚えたが、そんな様子を微塵も見せることはなくドクトルはやってきた猟兵――バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)に視線を向けた。

 医者の格好をしている蛇と人のキマイラ。そんなバジルに冷ややかな目線を送ったドクトルはくるりと大きな注射器を翻し、針先を紫の靄で覆って薬剤の注入動作を行う。次元を超えての薬剤注入に一瞬バジルは遅れてしまって少量注入されたが、持ち前の知識で速やかに解毒を行い己の身体を正常に戻した。
「なるほどね……視線を向けた相手に、毒を流し込む……」
 たった1度攻撃を受けただけだったが、バジルはドクトルの動きについてすぐに理解を深めた。視界を遮ることが一番の攻略方法ではあるが、ではどうやってドクトルの視界を遮るか。次の動作に入る前にバジルは脳内で攻略法を導き出しながら、ドクトルの身体を尾で払って体勢を崩す。
 広い荒野の中を死者蘇生の術で蘇らせた医者チームで歩いていたために、周りには視界を遮るための遮蔽物は見当たらない。木も岩も無く、身を隠せるような場所はなかった。
 故に、バジルは閃いた。目の前にいる医者が毒を使って来るのなら、こちらもまた毒を使って制すればよいのだ、と。
「何を悩んでいたのかしらね。最初から、毒を盛って毒で制すればよかったじゃない」
 ゆるりと弧を描いた唇が、小さく息を吹きかける。その一瞬のうちにドクトルの周囲には濁った色の猛毒のガスが立ち込め、視界を遮断された。
 バジルのユーベルコード『バジリスク・スモッグ』。風を読み、己の武器防具に染み込ませた猛毒の薬品を特殊な技法でガス化させ、高威力の毒ガスを作り敵に無差別攻撃を行う力。薬剤師という表の職業をフル活用させた、まさに今にぴったりな力だ。
「さあ、毒ガスの中で私を見つけられるかしら? 見つけたとしても……その手は、ちゃんと動くのかしらね?」
 小さく笑うバジルに対し、毒ガスをどうにか振り払おうと注射器を振るい続けるドクトル。その身に染み込む毒が己を蝕む前に決着をつけたかったようだが、どうにもバジルの姿は見つけられなかったようで。

 ドクトルの精神が、蘇った仲間達で癒やされたはずの精神が、また崩れ行く。
 骸の海へお帰りと囁かれるように。

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです



●死者蘇生、其れは理に非ず。
「お話を聞いて駆けつけてみれば……後は元凶を倒すだけなのですね」
 アポカリプスヘルの荒野に倒れる医療チームを横目に、ドクトル・ディスチャージと向き合う響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。チームを蘇らせ、もう一度現場に戻りたいというドクトルの強い意思を感じ取った彼女はまず、ドクトルに向けて優しく微笑んだ。
 失うというのは辛く、悲しいもの。今回の事件も蘇る術があるのならば手を出したくなるという、人の弱さが招いたものだと言えるだろう。だが、だからといって死者蘇生を行っていいという理由にはならない。其れは世の理から外れた、禁忌の術なのだから。

「お辛いでしょう。苦しいでしょう。どうか、もう安らかにお眠りください。貴方が求めたものは、もうここにはないのですから」
 そう告げたリズの言葉に、ドクトルは違うと大きく頭を振って答える。まだ生きている。まだ彼らはここにいる。だからこそまだ戻れるのだと。
 死者蘇生という目的のために不要な要素や要素を排出した生物――被験者達の身体の一部がドクトルの体から落ちて、やがて人の姿を成す。未だに生き残ると称する理由は、この生物が生きているからだとドクトルは言う。
 それぞれの命の一部を繋ぎ合わせた代償に、ドクトルは正気を失い狂気へ陥る。刺した相手を狂気へと陥れる薬剤が込められた注射器を持つ生物は容赦なくリズに向けて攻撃を開始し、彼女の逃げ場を失うように動き回っていた。
 言葉が届いてないと判断できたリズは軽くため息をついた。もはや、届く言葉はないのだと身にしみて理解したようで。
「……でしたら、もう……私に出来ることは唯一つ。――この薔薇のように、綺麗に滅して差し上げますわ」
 手に握りしめていたガラスのフルートをふわりと空に投げると、それは瞬く間に白薔薇の花びらへと変貌する。ユーベルコード『白薔薇の嵐』によって変貌した白薔薇の花びらは、無数の刃となってリズに近づいてきた生物を一瞬にして切り刻んだ。
 その光景に恐れを抱くものの、死んでしまった仲間の仇を取ろうとしたドクトル。同じ注射器を構えて単身でリズに襲いかかろうとするが、それもまた同じ白薔薇の花吹雪が押し留める。

「せめて、皆様が安らかに眠れますように」
 アポカリプスヘルの荒野の一部が、雪に覆われたかのように真っ白に染まる。
 サラサラと風に乗って舞う花びらは辺りを埋め尽くし、ひとつ、医療チームのための墓標を打ち立てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ(サポート)
アドリブ・連携〇

同伴者がいる場合は同伴者を支援するよう行動。
戦い方は遠近両用、接近戦では【破魔】を付与した破魔刀で、遠距離では精霊の護符の【乱れ撃ち】で対応。
同伴者が苦手な方を受け持つ動きを取ります。
単独で戦う場合は相手の苦手とする方での戦い方を主軸に。
護衛対象がいる場合は自分の身を挺して【かばう】事もします。
何より周りの誰かが傷付く事を嫌う為、仲間達に危害を加えるような行動はまず取りません。
誰かを傷付けるくらいならば自分が傷付く方を選ぶ性格です。
仲間を、任務に関わる人達の笑顔を取り戻す為に全力を尽くします。

敵の攻撃を掻い潜りながら護符を敵の周囲へ投擲、UCを発動させて一気に勝負に出ます



●終わらせよう、この戦いを。
 死者蘇生を使い、アポカリプスヘルを侵攻していたドクトル・ディスチャージ。
 その願いは唯一つ、『元の医療チームと共にまた仕事がしたい』。ただそれだけだ。

「けれど、その願いはもう叶うことはないんだ」
 ドクトルの願いに対して冷たく言い放ったのは鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。肥大化した欲望――元の医療チームと共に仕事がしたいという願いを叶えることは、ありもしないのだと。
 死者蘇生を行った場合、完全に復活できる場合とそうでない場合がある。完全に復活できたのならば、今こうしてドクトルとひりょが相まみえることはない。正常な人間として元に戻り、生を謳歌しているはずだからだ。
 だが彼らは、医療チームはドクトル含めて全てオブリビオンへと成っている。死者蘇生を『考えた』時点でもう人の理から外れ、未来を壊すためのモノとして存在しているのだ。
「技術が優れているのはよくわかった。でも、これはもう人の常識、理を外れている」
 手をゆっくりと虚空にかざしたひりょは、言葉でドクトルに牽制しながら疑似精霊達に語りかける。この場を掌握するには、ドクトルに気付かれないようにあるものを配置する必要があったからだ。
 対するドクトルは被験者達の要らなくなった肉と様々な機械を繋ぎ合わせ、狂気をねじ込むための注射器を手に備えた異質な生物を作り上げてひりょの動きを止めようと画策する。彼の言葉に耳を傾けてはならないと、脳が、壊れた脳が声を上げるかのように。
 ひりょはかろうじて注射器を躱しつつ、疑似精霊との交信を続ける。準備を擬似精霊に任せることでひりょ自身はドクトルを注視することが出来るため、これから行うことに気づかれずに動けるのだ。

 しかし、それも時間の問題。ドクトルはひりょの動きを読み取ると素早く生物に命令を下し、注射器を振り下ろさせる。
 それに対してひりょは……疑似精霊から全ての配置が終わった連絡を受け取り、素早く別の疑似精霊へと語りかけた。
「呼びかけに応じよ疑似精霊、かの者に大いなる鉄槌を――」
 注射器がひりょの身体に突き刺さろうとした瞬間、ユーベルコード『疑似精霊・最大火力』による一撃が生物とドクトルに襲いかかる。
 風を司る疑似精霊にあるもの――精霊の護符を広範囲に設置してもらい、火を司る疑似精霊の力を増幅。ドクトルを中心とした円形状の範囲内を大きく爆発させて、周囲一帯を焼き焦がす。

「もう、眠ってもいいんだ」
 小さく、優しく語りかけたひりょの言葉に返ってきたのは……1つの風だった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年11月19日


挿絵イラスト