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心頭滅却すれば、氷もまた熱し

#カクリヨファンタズム #戦後 #碎輝 #寒中我慢大会

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#戦後
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#碎輝
#寒中我慢大会


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●冬ならではのカッコいいトレーニング
 竜神親分碎輝は悩んでいた。冬のカッコいいトレーニング方法についてである。最弱の状態から無限に成長してしまうという自身の特性ゆえ、最悪カタストロフを起こしてしまうかもしれないから、あまり強くなるわけにもいかないのは分かっている。しかしやっぱり、昨日より今日、今日より明日、成長したい、強くなりたいという欲は止められない。それもできるだけカッコよく。
 まあ猟兵に倒してもらえれば、無限の成長能力も停滞する。それならトレーニングも兼ねて、猟兵と何かカッコいいことがしたい。しかし何があるだろうか。冬ならではの、カッコいい、トレーニングにもなるもの……。
 ウンウン唸りながら、カクリヨの町を歩いていた碎輝の目に、とある店が飛び込んでくる。碎輝は目を輝かせた。
「……あれだ!」

●心頭滅却すれば……?
「寒いっすね」
 グリモアベースで、雨月・雨莉(は何もしない・f03581)がダウンジャケットにニット帽にマフラー、手袋という完全防寒スタイルでコタツにくるまっていた。逆に暑くないのか。と突っ込みたいところだが、よく見れば手にはカップアイスが握られている。その蓋を開け、中身を掬いながら雨莉はぼやくように言った。
「こんな寒い時は、おこたでアイスが至高だと思うんすけど……我らが竜神親分碎輝は思っちゃったみたいなんすよね……『寒い時に涼しい顔して冷たいものを食べるのがカッコいいんじゃないか?』って……」
 バカなのかな? って割とみんな思った。
「というわけで、このクソ寒い中碎輝からアイスカフェへのご招待が来てます。『心頭滅却すれば火もまた涼し。その逆もしかり! ってことで、一緒に寒さに耐えるカッコいい修行しないか?』って」
 なんでだよ一人でやれよ。と言いたいところだが。
「いえ、猟兵の皆さんに碎輝と戦って倒してもらわないと。彼の無限成長能力のせいで最悪カタストロフ起きちゃうかもしれないんで」
 もっともなことを言われ、猟兵達は渋々了承した。要するに、今回は碎輝と一緒に、この寒い中アイスカフェに行かないといけないらしい。
「今回皆さんに行ってもらうカフェは、雪女が開いたアイスカフェで……従業員も雪女とか雪男とかの氷雪系妖怪ばっかりです。当然店内に暖房器具等はなく、常に冷気が漂ってます」
 寒そう。てか絶対寒い。話を聞いただけで猟兵達はぶるっと震えた。
「お品書きはもちろん、冬でもアイスとかかき氷とか、冷たいもので統一されてます。あったかいものは一切ありません」
 ますます猟兵達の顔が曇った。この時期に過酷な……いや、でも苦難に耐えてこそ修行になるのかもしれない……。
「あ、でも防寒着の貸し出しはやってるみたいっすよ」
 その言葉に、猟兵達の表情がパッと明るくなった。なんだあるんじゃん! もっと早く言ってくれよ!
「まあ、お店側も防寒着っぽくない装いを通としてるみたいっすけど」
 猟兵達は思いっきり地面に頭ぶつけた。酔狂なのは碎輝だけじゃなくて店もだった。
「……はあ、つまり今回はどう足掻こうと結局、寒さに耐えるしかないと……」
「あったかい格好は歓迎されないと……」
 盛大なため息を吐きながらよろよろと立ち上がる猟兵に、雨莉はいや、と言う。
「別に無理に碎輝に付き合って寒中我慢大会しなくてもいいんすよ。さっきも言ったように、防寒着っぽくない装いが通とされているとはいえ、防寒着の貸し出しもあるんだし。そもそも、『寒い時に涼しい顔して冷たいものを食べるのが本当にカッコいいのか?』っていう疑問もあるし」
 確かに、それで無理して風邪でも引いたらかえってカッコ悪い気もする。冷静にそれを指摘して諭すのもアリかもしれない。
「碎輝はカッコいい談義にはノリノリで乗ってきますからね。もう寒さも冷たいものもガン無視でカッコいいトーク振ってもいいような」
 要するに、寒中我慢大会に限らず、アイスカフェでできることなら割となんでもありってことだ。萌える氷雪系妖怪に癒されるもよし、冷たい視線等、マニアックなものを注文するもよし。
「もちろん、お誘いに応じて寒中我慢大会……もとい、寒さに耐える修行してもいいし。あ、でも、その場合、『薄着に見えて、実は服の下に何枚もカイロ貼ってる』みたいなズルは、碎輝の性格上好まれないかもしれませんね」
 何しろ、碎輝は卑怯な敵に怒りを覚えた時に最も無限成長が早くなるというスーパー主人公体質である。彼に挑むなら、あくまで正々堂々と小細工なしで挑むのがいいのかもしれない。……尤も、小細工してもバレなきゃ問題ないかもしれないが。
「逆に、堂々としてさえいれば、『俺は正々堂々とコタツ持ち込んで戦うぜ!』みたいなのも許されるような気もします」
 ……それはいいんだ。まあ、不利な状況に持ち込まれるとかえってアイツ燃えそうだしな……。
「んで、ともかくアイスカフェでの寒中我慢大会なり、カッコいいトークなりなんなりが終わったら……冷えきった体を温めるためにも、店の外に出て碎輝とバトルしてください」
 まあ、彼の無限の成長能力を停滞させるためには、戦ってKOすることが必須だし。冷えた体を温めるのにもちょうどいいかもしれない。
 と、いうわけで。説明を終えた雨莉は相変わらずの完全防寒スタイルでコタツにくるまったまま、いい笑顔で手を振った。
「つーわけで頑張ってきてくださいねー、ああ、碎輝推しなんで一緒に行けないの、残念だなあー♪」
 今回に関しては絶対残念とか思ってないだろお前。


ライ麦
 ここまで読んで下さってありがとうございます。俺の書く碎輝がアホの子過ぎて解釈違いが心配なライ麦です。
 今回は、碎輝と一緒にアイスカフェで寒中我慢大会しようぜってシナリオになります。が、OPにも記載あるように無理に寒中我慢大会する必要はありません。詳しくはOPをどうぞ。
 以下簡単な補足。

●アイスカフェ
 メニューですが、OPにあるアイスやかき氷以外にも、よほど突飛なメニューでない限りはあると考えていただいて大丈夫です(※ただし冷たいもの限定)。
 冷たい視線等、マニアックなものの注文も可能。

●第2章
 第2章は成長電流形態の碎輝との戦いになります。店の裏手が都合よく空き地なので、第2章に突入次第、店から出て戦ってください(でないと店内がめちゃくちゃになる)。
 倒された碎輝はダウンして、この戦闘分も含め、しばらく成長しない「小学生形態」に変形します。

 以上です。
 それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 日常 『アイスカフェーへようこそ!』

POW   :    冷たいモノを飲食する

SPD   :    萌える氷雪系妖怪に癒される

WIZ   :    マニアックコース:冷たい視線等を注文する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

唯嗣・たから
■たからは思った。肉の器は邪魔なだけでは、と。でも視界から寒さは感じる、ので…クロにはマフラー。たからは竜の尻尾付き、背中には羽、フードには角プリントのワンピース。お兄ちゃんとのお約束。
■お兄ちゃん、来たよ(手をぶんぶん)…注文…かきごおり、いちご練乳でください。

最近あったこと、話す。たから、かっこいいこと、したよ。敵に乗っ取られたお世話になってるお姉ちゃん、助けにいった。

お兄ちゃんはかっこいいこと、した?これ?そっか。確かに修行っぽい(頷き)

でも無理はダメ…震えてる。クロのマフラーどうぞ。温冷交換浴、みたいに…効果的にやろ?修行も知的にスマートにかっこよく。きらーん(サングラスを知的にあげる


亞東・霧亥
氷・・・氷ねぇ。(ニチャア)
あれだけ嫌がってたのに、結局冷たいだの寒いだのが忘れられないってのか?
だったら期待に応えて今回も登場してやらんとな、あの姿で。

【UC】
過去の因縁とか腐れ縁からブックドミネーターに変身。
記憶に新しいメイド服の夏仕様に着替えて碎輝の来店を待つ。

意気揚々と来店した碎輝に身も凍る様な冷たい視線を向けて一言。
「時間すら凍結する氷で作ったかき氷を食べて、迫り来る運命に抗う修行はどうだい?」



「氷……氷ねぇ。あれだけ嫌がってたのに、結局冷たいだの寒いだのが忘れられないってのか?」
 亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)は前回の依頼を思い出し、ニチャア、と笑ってみせた。
「だったら期待に応えて今回も登場してやらんとな、あの姿で」
 不敵に微笑んだ霧亥は、時を遡る力に覚醒し、過去の因縁とか腐れ縁から書架の王、ブックドミネーターの姿に変身する。その姿のまま、記憶に新しいあの肉球の刺繍入りのメイド服(猫耳と尻尾がセット)の夏仕様バージョンに着替える念の入れようで。割と似合ってるその服(作者が脳内でブックドミネーターに着せた結果)で店の壁に寄りかかり、腕を組んで碎輝の来店を待つ。やがて、何も知らない碎輝が意気揚々と「たのもー!」とやってきた。その彼に、身も凍る様な冷たい視線を向けて一言。
「時間すら凍結する氷で作ったかき氷を食べて、迫り来る運命に抗う修行はどうだい?」
 碎輝はまだ何もしてないのに青ざめた。
「……お邪魔しました」
 そのまま回れ右して帰ろうとする彼の肩を掴み、霧亥はメイド服のブックドミネーター姿のまま囁く。
「待て。修行はいいのか?」
「いや修行はしたいけど……!」
 その姿にはトラウマが、と碎輝は頭を抱える。
「トラウマを乗り越えてこそ、強くなれるんじゃないのか?」
「うん。たからも、来たから。一緒に、修行、しよ?」
 いつの間にか来ていた唯嗣・たから(忌来迎・f35900)が、後ろからぶんぶん手を振る。竜の尻尾付きの、背中には羽、フードには角プリントのワンピース姿で。以前約束した通りだ。その姿を見た碎輝は相好を崩す。
「たから! そうだな、一緒に遊ぶって、約束したもんな!」
 なら帰るわけにはいかないか、とおとなしく席につく。たからと霧亥も同じ席に座った。竜神親分とブックドミネーター(メイド服)と竜尻尾のワンピースの骸骨。なんだろう、このパーティ。というツッコミはさておき。冷気漂う店内で、たからはメニューを開いた。
「……注文……かきごおり、いちご練乳でください」
「では、私も時間すら凍結する氷で作ったかき氷を……ブルーハワイで」
 机に両肘を付き、口の前で両手を組んだメイド服のブックドミネーター(霧亥)も仰々しく注文してみせる。
「みんなかき氷か~……じゃあ、俺もかき氷で! レモンな!」
 碎輝も元気よく手を挙げて注文する。かしこまりました、と雪女の店員が丁寧に頭を下げて幾許か。人数分のかき氷が注文通りに運ばれてきた。真っ白な氷に色とりどりのシロップがかかった、目にも鮮やかで涼し気なかき氷。これが夏なら素直に「美味しそ~!」と言えるが、今は冬だ。しかも店員の雪女や雪男が放つ冷気で店は冷え切っている。既に若干後悔している目で、自らの体を抱いている碎輝を見て、たからは思った。
(「肉の器は邪魔なだけでは」)
 と。たからは既に死んだ身。骨だけの骸だから、肉体には寒さを感じない。スケルトンならではの若干怖い思考だがしかし、視界から寒さは感じる。生前の自分の記憶通りに。だから、隣に座る相棒の黒猫ぬいぐるみ、クロにはマフラーしてある。そうして、いちご練乳のかき氷をすくいながら、たからは口を開いた。
「かっこいい話……する? たから、かっこいいこと、したよ」
「お、カッコいい話か! いいな! 何したんだ?」
 店内の冷気と季節外れのかき氷(それとメイド服のブックドミネーターで思い出すトラウマ)に凍えつつも、碎輝は目を輝かせて身を乗り出した。
「敵に乗っ取られた、お世話になってるお姉ちゃん、助けにいった」
「敵に乗っ取られ……たからがお世話になってる奴に、そんなことがあったのか。大変だったな」
 人の体を乗っ取るとは卑怯な奴だ、と怒りに拳を震わせつつ、それを助けに行くのはカッコいいな、と素直に称賛する。はにかみつつ、たからは問うた。
「お兄ちゃんはかっこいいこと、した?」
「俺か? 俺は……なんだろうな」
 レモン味のかき氷を口に運びつつ、碎輝は首を捻る。ややあって答えた。
「……強いていうならこれかな。寒い時に冷たいものを涼しい顔して食べるのはカッコいい、うん」
 震えながらも、こんなのなんでもないぜって顔を作ってかき氷を食べる碎輝に、たからは頷いた。
「これ? そっか。確かに修行っぽい。でも無理はダメ……震えてる。クロのマフラーどうぞ」
 はい、とクロのマフラーを外して渡そうとするたからに、ありがとうと素直に手を伸ばしかけて……いや、と頭を振った。
「やっぱりいい、寒さに耐えてこその修行だからな!」
「そう? でも修行も温冷交換浴、みたいに……効果的にやろ? 修行も知的にスマートにかっこよく。きらーん」
 改めてサングラスとマフラーを知的にあげるたからに、碎輝は目を一瞬瞬かせて……力強く頷いた。
「……ああ、そうだな! 知的にスマートにかっこよく!」
 なら、とサングラスとマフラーを受け取り、装着して似合うか? とスチャっとサングラスに手をやる。けっこう似合ってた(作者が脳内で装着させた結果)。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

豊水・晶
ふっふふふっふっ
お、女の子はお洒落のためならばたとえ冬の寒さでも耐えることが出来るのです!
ふっふふふっ くちゅんっ

寒くない。寒くないでづよ。
店員さん!小豆洗いの小豆で作ったアイスバーを下さい!
あと、冷たい緑茶も!
さあ、碎輝さんどちらが多く食べられるか勝負です。

………

あ~何だか急にぽかぽか暖かく……。
まるで午後の日向ぼっこの様にまぶ…た……がお…も………

ウォン!!

は!?私は一体何を。あ、藍!起こしてくれたんですね。ありがとうございます。危うく海に還るところでした。
さあ、勝負の続きを……て、あれ?藍どうしたんですか?
ちょっ!?服を引っ張らないでください。まだ勝負が…ああ!?あーれー。

アドリブ絡み◎



「ふっふふふっふっ。お、女の子はお洒落のためならばたとえ冬の寒さでも耐えることが出来るのです!」
 極寒の店内で、豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)は自分の体をかき抱いて震えながらも、精一杯の笑顔で言った。確かに、冬でもミニスカートでその辺歩いてる女の子いるよね。晶もまた、この寒さの中ノースリーブである。ふっふふふっ、と笑いながら、晶は、
「……くちゅんっ」
 とひとつくしゃみをした。
「おい、大丈夫か? やっぱ寒いんじゃ……」
 自身もガタガタ震えながら、心配そうに声をかけてくる碎輝に、
「寒くない。寒くないでづよ」
 晶は鼻水をすすり上げながら強気に答える。そして、その勢いのまま。
「店員さん! 小豆洗いの小豆で作ったアイスバーを下さい! あと、冷たい緑茶も!」
 と通りがかった雪男の店員に注文する。かしこまりました、と一礼して去っていく店員の背を見送り、晶は碎輝に向き直った。
「さあ、碎輝さんどちらが多く食べられるか勝負です!」
「望むところだ!」
 碎輝もまた、腕まくりして(寒いのに)、意気揚々と答える。やがて、二人の前には山盛りの小豆アイスバーと緑茶が運ばれてきた。向き合って座り、いざ。極寒寒中大食いバトル、ファイッ! 二人とも無心で小豆アイスバーにかじりつく。おいしい! 小豆洗いの小豆で作ったアイスバーおいしい! でも! 寒い! 歯までカチカチ言わせながら、二人は頑張ってアイスバーを頬張った。積み上げられていくアイスバーの棒。しかしそのスピードは次第に落ちていく。半ば虚ろな目でのろのろとアイスバーをかじりながら、碎輝はポツリ呟いた。
「……なんか、キレーな花畑が見えるな~……」
 見えちゃいけないやつや。しかし一方の晶も、
「あ~何だか急にぽかぽか暖かく……。まるで午後の日向ぼっこの様にまぶ…た……がお…も………」
 と今まさに瞼が落ちようとしていた。寝たらダメだ、死ぬぞ。だがそこに、
「ウォン!!」
 と鋭い鳴き声が響き、晶も碎輝もはっと目を覚ました。
「は!? 私は一体何を。あ、藍! 起こしてくれたんですね。ありがとうございます。危うく海に還るところでした……」
 いつしか懐に潜り込んでいた式神の藍を抱きしめ、晶は礼を言う。急にぽかぽか暖かくなったのは、ふわふわの藍が懐に潜り込んでいたせいもあるのだろう。藍を撫でながら、晶は改めて碎輝に指を突き付けた。
「さあ、勝負の続きを……て、あれ? 藍どうしたんですか?」
 晶の膝から降り、ぐいぐいと口で晶のスカートを引っ張る藍に、晶は戸惑いながら問う。
「ちょっ!? 服を引っ張らないでください。まだ勝負が……ああ!? あーれー……」
 抵抗むなしく、店の外に連行されていく晶。このまま主人にここで寒中大食いバトルさせといちゃいけないという藍の判断だろうか。かくして、二人の勝負は一旦お預けとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『竜神親分『碎輝』成長電流形態』

POW   :    成長電流
【黄金竜】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【状態から次第に強くなっていく電流】を放ち続ける。
SPD   :    黄金竜神
【体に雷を纏う】事で【無限に成長を続ける黄金竜の姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    超電竜撃滅衝
自身が装備する【槍】から【無限に成長する巨竜型の雷電】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【麻痺】の状態異常を与える。

イラスト:108

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「待て! まだ勝負は終わってないぜ。改めて俺としょう……へぶしっ!」
 晶を追って店の外に出た碎輝は勢いよくくしゃみした。
「……やっぱ、寒い!」
 ガタガタ震えながら体を抱く碎輝。雪女や雪男の冷気が漂っていない分店内よりはマシだが、やはりそこは冬のカクリヨファンタズム。寒いもんは寒い。おまけに散々かき氷やらアイスバーやら食った後である。かじかむ手で、碎輝は槍を取った。
「……よし、寒中我慢修行は一旦お預けだ! ここからは修行の成果を見せる時! 寒さを乗り越えて、強くなった俺の力を見せてやる!」
 猟兵達も、俺を乗り越え、強くなってくれ! と槍を突き付ける碎輝。冷え切った体を温めるためにも、ここは戦わねばなるまい。猟兵達は頷き、各々武器を手に取った。
ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
狭域では魔法攻撃や『シャッター棒』をブンブンして戦います



「あらあら、盛り上がってるわねぇ。お忙しい所、お邪魔しまーす!」
 エンジン音を響かせ、やってきたのはサポートで来たニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)だった。移動販売車『Floral Fallal』から降りた彼女は、まずぺこりと礼儀正しく挨拶する。
「新しい販路を求めてやってきた花屋です。宜しくお願いしまーす」
「ああ、よろしくな!」
 碎輝もつられて頭を下げた。後、
「いきなりで悪いが、俺と戦ってくれ! 正直寒くて、体動かしてないと持たないんだ」
 と槍を構える。
「あら、営業に来たのに……んん、でもいいわ! 私が勝ったら、何か買ってってねぇ」
 ニコニコと笑って応じるニコリネ。商魂たくましく、がめつい彼女だった。
「ああ……カイロとかあるか?」
「うち、花屋よ」
 残念。ちょっとガックリした碎輝だが、気を取り直し、
「ないなら仕方ないな! 行くぜ超電竜撃滅衝!」
 と槍から巨竜型の雷電を放つ。一方のニコリネは、
「待って、ないとは言ってないわ。ご用命あらば、花屋は何にだってなれるもの……そう、そうね、今の季節なら購入してくれた人にサービスでカイロつけるとかもアリかしら……」
 などと新たなビジネスチャンスを模索していた。そこに大口を開けて迫る巨竜型の雷電。
「えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!」
 咄嗟に長い金髪を揺らして逃げ、『Floral Fallal』に乗り込むニコリネ。
「んンッ、あなたって手強いのねぇ。私も気合入れて働くわよー!」
 気合いとともにエンジンを入れ、限界まで速度を上げる! その速度で進入した瞬間のフロント荷重……前輪も後輪も、全てのバランスをステアリングでコントロールし、ドリフト! Focoso!!(ドラフィティスプラッシュ)。ドリフト走行した状態で命中した『Floral Fallal』が碎輝を弾き飛ばす。弾き飛ばされつつ、碎輝はよろよろと立ち上がった。
「くっ、やるな……! 約束だ、何か買ってやるよ」
「あら、いいの?」
 カイロじゃなくてごめんなさいねぇ、と謝りつつ、ニコリネは本日のおすすめの花束を包む。
「お買い上げ、ありがとうございましたー!」
 代金を貰い、ほくほく顔で颯爽と『Floral Fallal』に乗り込んだニコリネは、次の営業場所に向かって車を走らせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

唯嗣・たから
【仮宿】で参戦。

よーし、頑張る…ぞ?え、なぁに?
霧亥お兄ちゃんから耳打ちで内緒話をされた。
……ふむ、ふむ。ん、わかった。

凌遅実行。いっぱいお手手呼び出す、けど、10本以外は建築作業させる。周りの木とか石とか色々使って、暖かいお部屋を作る。
(室内は描写は萌えのままにお任せ)

霧亥お兄ちゃんが碎輝お兄ちゃんを凍らせてる間に、残る10本の手で碎輝お兄ちゃんのお洋服だけを腐らせる。たから、6歳だよ。これ、セウト、では?

霧亥お兄ちゃんに連行されて帰ってきた碎輝お兄ちゃんの格好見て、たからは全てを察した。犬耳+尻尾の予備服(男の子用)差し出して、すごく撫でる。おっけい、たから、次は、碎輝お兄ちゃんを守るね。


亞東・霧亥
【仮宿】で参戦。

【UC】
引き続き、初夏の・・・いや書架の王で戦闘に臨む。

たからのUCに合わせて自身も『闇に紛れる』。
『忍び足』で腕を警戒する碎輝の背後を取り『ロープワーク』で『捕縛』し、『功夫』と氷を纏う『属性攻撃』で『踏みつけ』て『部位破壊』。

倒した小学生形態碎輝を携帯して暖かい部屋に移動。
服が腐食した小学生碎輝は夏仕様のメイド服に着替え済、今や後ろ手で捕縛されて床に寝ている。
時は来た『騎乗』『蹂躪』そしてpart2の『撮影』。
悶えろ雨月、今回の題名は「美少年がマウント取ってみた」だ。


豊水・晶
藍に包まれながら

うう、身体が冷えてカチコチです。
へっくちゅ! 

ぷるぷるさすさす。

早く動かないと本当に凍ってしましそうなので、とっとと始めてしまいましょう。こんな変な修行に突き合わせたことを後悔させてあげなくてわ。
ふふっふふふっ へぷしっ!

さぁ!いざ勝負!です。
UC発動
戦場の電流は、オーラ防御と結界術で防ぎつつ地形の利用と野生の勘で接近。
神罰を拳に乗せてぇ…殴る!2回攻撃でもういっぱつ殴る!

よし、たくさん動いてようやく暖まってきました。ふふっ、まだまだいきますよ。



変形したら、ギューッと抱き締めて暖めてあげましょかねぇ。
ええ、戦いが終っても二人共薄着ですし。汗が冷えると風を引いちゃいますからねぇ。



「うう、身体が冷えてカチコチです……へっくちゅ!」
 ぷるぷるさすさす。ふわふわの藍に包まれながらも、豊水・晶(流れ揺蕩う水晶・f31057)は、体を震わせて腕を擦る。
「早く動かないと本当に凍ってしまいそうなので、とっとと始めてしまいましょう。こんな変な修行につき合わせたことを後悔させてあげなくては……ふふっふふふっ」
 晶は笑い、それから「……へぷしっ」とまたくしゃみした。鼻をかみ、
「さぁ! いざ勝負! です」
 と碎輝に指を突き付ける。
「ああ、さっきの勝負の続きといこうか!」
 碎輝もまたやる気満々で、黄金竜に変身し、飛翔する。今度はアイスバー大食い勝負じゃないけどな。戦場に放たれ続ける、次第に強さを増していく電流を晶はオーラによる防御と結界術で防ぎつつ、野生の勘を駆使して攻撃のチャンスを狙う。果たして、飛翔する碎輝が降下してこちらに攻撃を仕掛けてこようとしたその瞬間。晶は寒さで凍った地面を滑り、一気に肉薄する!
「水面に落ちる一滴の雫が如く!」
 神罰を拳に乗せてぇ……殴る! 2回攻撃でもういっぱつ殴る! 一滴ではなく二滴の雫。超高速かつ大威力の一撃……二撃だ、に碎輝はもんどり打って倒れた。その拍子に人型に戻る。
「……さ、さすがだな……これは……効いたぜ……」
 腫れあがった頬を押さえつつ、よろよろと立ち上がる碎輝に、晶は力こぶを作って笑う。
「よし、たくさん動いてようやく暖まってきました。ふふっ、まだまだいきますよ」
「ああ、俺もだいぶあったまってきたぜ! 勝負はまだまだこれからだ!」
 碎輝も肩を回して拳を握る。一閃。二人の壮絶な拳による殴り合いが始まった。しかし双方笑顔である。戦って体が温まったことで、ようやく極寒地獄から解放された喜びもあるのかもしれない。その殴り合いを眺める唯嗣・たから(忌来迎・f35900)もまた気合い十分で骨の拳を握った。
「よーし、たからも頑張る……ぞ? え、なぁに?」
 引き続きユーベルコード、屍山血河(シザンケツガ)の力で初夏(※夏仕様のメイド服だから)の……いや書架の王の姿のままの亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)がたからに何やら耳打ちする。ところでこれ毎秒寿命を削るユーベルコードなんですけど、この人ネタのためにどんだけ寿命削ってるんですか。本体は懐中時計だから、寿命なんてあってないようなものなのかもしれないけど。ともあれ、内緒話されたたからは、
「……ふむ、ふむ。ん、わかった」
 と頷き、凌遅実行。ユーベルコード、凌遅腐敗ノ刑(リョウチフハイノケイ)で、103本の地獄よりいずる怨霊の腕を召喚する。が、残すのはそのうちの10本だけ。残りの腕には周囲の木々を切り出させ、石を集めさせ、建築作業させる。……戦闘中に何をやってるんだろうね? しかし大量の腕と不審な動きは、晶との殴り合いで消耗した碎輝をビビらせるには十分だった。何をするんだ、と警戒する碎輝の背後に、たからのユーベルコードに合わせて闇に紛れた霧亥が忍び足で近づく。気付いた時にはもう遅い。ロープワークで捕縛、氷を纏う属性攻撃で踏みつけ、部位破壊でとどめをさす! 碎輝、ノックダウン。気を失い、小学生形態へと変形する彼の服を、たからの呼び出した怨霊の腕の残り10本が撫でまわす。腐敗属性を持つその腕は服だけを腐らせ……。
「たから、6歳だよ。これ、セウト、では?」
 たからの冷静なツッコミが冴えた。確かにこれは大分アウト。しかし大丈夫、既に霧亥の手によって夏仕様のメイド服に着替えさせられ済で……大丈夫じゃねぇなこれ。後ろ手で捕縛された状態で、霧亥に担がれて戻ってきた彼を見て、たからは全てを察した。だが、怨霊の腕による建築作業は既に完了済み。あったかいログハウスがそこに立っていた。そこに気絶したままの碎輝を連れ込み、床に転がした状態でメイド服の書架の王姿の霧亥は空(天井)を仰ぐ。
「時は来た。悶えろ雨月、今回の題名は『美少年がマウント取ってみた』だ」
 そして騎乗による蹂躪。を撮影。前回よりさらにマニア向けの映像が完成してしまった。
「うう……ん?」
 全てが終わった後で目を覚ました碎輝が、自らの格好に気付いてガバッと跳ね起きる。
「…………げっ!! またこの服!?」
 慌てて脱ごうと乱暴に引っ張る彼に、駆け寄ったたからが犬耳と犬尻尾付きの男の子用予備服をすっと差し出す。
「たから! またしても……ありがとな!」
 ぱぁっと表情を明るくし、いそいそと着替える碎輝。その頭を、たからは骨ばった(ていうか、骨そのもの)の手で、優しく何度も撫でた。
「おっけい、たから、次は、碎輝お兄ちゃんを守るね」
「私も……」
 突然始まった、あまりにカオスな情景に今まで呆けていた晶も、我にかえって碎輝をギューッと抱き締め、その心ごと暖めてあげる。
「なんというか……先ほどよりもさらに薄着(夏仕様のメイド服)にされてますし。あったかいログハウスに移動したとはいえ、汗が冷えると風邪を引いちゃいますからねぇ」
「二人とも……本当にありがとうな」
 晶の腕の中で碎輝はしみじみと呟き、
「俺も、何にも負けないくらいもっと強くなってみせる……!」
 と拳を握る。極寒のアイスカフェで始まった戦いは、最後は心温まるハートフルな展開で幕を閉じた。
 お願いそういうことにしといて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2022年02月17日


挿絵イラスト