4
銀河帝国攻略戦⑫ ~再編阻止任務

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




●宇宙空間
 暗い宇宙に、いくらかの艦が集結していた。帝国艦隊の戦艦や、ディクタトル級巡洋戦艦なども見える。間を縫うように、帝国のバイク部隊やミサイルファイター、デルタ・ファイターが航行する。

 燃えているのを必死に消化している艦があった。
 集結の最中、爆発轟沈した戦艦もあった。

 それでも、彼らはまだ止まらない。
 すべては、皇帝陛下の御ために。

●グリモアベース
「おウ、戦果を拡張する時がきたぞ」
 グリモア猟兵、ベモリゼ・テモワン(アイアン・アーミー・f00062)は、似合わない眼鏡を光らせて笑う。彼と、作戦に参加する猟兵の目の前には、立体的に表示された戦域図。そこには、点在する艦隊と敵部隊のアイコンが表示されている。

「貴様らは、壊乱状態から立て直しを図っている敵の部隊を撃滅する掃討部隊として運用される。やることは簡単だ。この第十二宙域にて再集結している敵集団を、撃って、斬って、墜とすだけだ。わかりやすいだろう?」
 にぃと笑う。屈託なく笑う。しかし、「ただし」と付け加える。第十二宙域の部隊アイコンから、『エンペラーズマインド』と『解放軍』へ矢印が伸びていく。
「ただし、敵は敗残兵とはいえ、放置することはできない。再編成が完了すると、帝国大要塞『エンペラーズマインド』との交戦中の、『解放軍』艦隊に対して横撃を行うだろう。『解放軍』の軍隊としての練度は、貴様らも知っている通りだ」
 放置すれば、被害が出る。彼はそう言った。

「君たちを相手するのは、おそらくは敵艦載の直掩機部隊になるだろう」
 『De108 デルタ・ファイター』のホログラムが、猟兵たちの目の前に示される。
「高速飛行と、貫通性の高い銃弾が持ち味の戦闘機部隊だ。編隊を組んで飛んでくるから、甘く見ると痛い目を見るかもしれない。対策については、いちいち語る必要はないな?」
 得意分野を活かせ、そう続けた。

「心配はいらない。君たちが為すべきことを為すだけだ。さあ、作戦開始といこう」
 ベモリゼの瞳がコンソールの光の反射を拾う。
 猟兵たちは迷いなく、各自の出撃位置へと向かっていった。


隰桑
 はじめまして、あるいはいつもお世話になっております。隰桑(しゅうそう)です。
 宇宙戦争、猟兵のみなさんが頑張っているので、好調ですね。
 SF大好きな隰桑による、戦争シナリオ第二弾です。

 OPでは真面目なことをいっていますが、無双シナリオです。
 やりたいことを、自由にどうぞ。頑張って描写します。
 へるにゃー絵師の手による、かっちょいいデルタ・ファイターを、皆さんの手で粉みじんにしてください。
 もしかしたら、帝国戦艦や、ディクタトル級巡洋戦艦も雰囲気づくりで出てくるかもしれません。その場合でも、猟兵のみなさんの不利になるような判定はいたしません。

 基本的に純戦です。
 夕方以降、可能な限り即返却、本日中に返却したいと思っています。
 (無理だったらごめんなさい)
 どうぞ奮ってご参加くださいませ。

 アドリブが多く、猟兵同士を連携させることがあります。
 NGあれば、御記載くださいませ。
=============================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
=============================
82




第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●第十二宙域
 ここは、キンナトゥス級巡洋戦艦『ルフィヌス』の艦橋。それはもう、お祭り騒ぎと形容するしかなかった。帝国軍人たちが、残存した護衛艦隊と部隊の再編制を行っているのだ。敗色濃厚な中でもなんとか指揮を保っているのは、さすがに帝国艦隊といったところか。それでも、この乱痴気騒ぎは、もはや収集のつけられるものとはいいがたい。暗い宇宙に浮かぶ、巡洋戦艦の艦橋の電気光に照らされて、軍人たちは騒いでいる。

「おい、はやく艦隊の配置を終わらせろ!」
「護衛艦の数が足りません! おい、シディキニはまだこっちに来れないのか」
「配置は大雑把でいい! すぐに奴らに追いつかれる、とにかく砲を並べろ」
「そうは言いましても提督、全く数が足らんのです。クローンじゃ役に立ちません」
「貴様、無理を前にして無理と言うだけなら子供でもできるんだぞ。敬礼はどうした」
「はい、閣下。直ちにかかります」
 踵を打ち合わせて、さる参謀が駆けて行く。

「第28護衛戦隊の編成が終わったぞ! これでR宙域はなんとかなる」
「おい、護衛バイク隊や艦載機をF宙域にまわす余裕のある艦を知らんか!」
「阿保か、おまえ。この敗戦で手を余らせてる幸福な艦があるわけなかろう」
「だよなぁ。でも比較的余裕のあるN宙域から――」
 眉間に深い皺を寄せて、参謀たちが頭を悩ませる。

 彼らの努力むなしく、猟兵たちはすでに迫っていた。
宮落・ライア
流石というべきなのかなー。戦力の再編成はやいなー。

にしてもあれ(デルタファイター)うるさいなぁ。

被弾【覚悟】で構えに入り【激痛耐性】【捨て身の一撃】【怪力】【森羅万象断】で一撃で落とす。
敵の行動を【野生の感】で【見切る】



●英雄少女は叩き切る
「敵猟兵の影あり。白い……女の子です」
「攻撃を開始する。貴様ら、ついてこい」
 護衛戦闘機の小隊が、戦闘短波通信で連絡を取り合い、戦闘態勢へと移る。隊長が手指でライアを示せば、デルタ・ファイターはくるくると回り、彼女から遠隔攻撃を受けないように(後述のように、実際はライアにそのような攻撃をするつもりなどなかったのだが)回避行動をとりながら、接近を図る。
「流石というべきなのかなー。戦力の再編成はやいなー」
 暗い宇宙のただ中で、青いリボンに結ばれた白いポニーテールがその言葉にあわせて揺れる。色とりどりの光に彩られた黒い空間の中で、極薄の宇宙服に身を包んだ少女がぼんやりとつぶやいた。宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)は大剣を悠々かついで、まるでテレビや映画を眺めるように戦場を見る。暗い中に、自分に近づきつつある影を見た。
(「交戦許可」)
 それと同時に、指が動く。それを見た随伴機の機銃から、銃弾が放たれる。赤い瞳が、ぴくりと動く。
「おっと! 危ないな、もう!」
 それを躱すのは野生の勘か。白い髪が翻り、青いスニーカーが足場がわりのデブリを蹴る。彼女なら、空すらもかけられるだろうと思わせる軽やかさで、ひらりと。しかし、すんでのところで銃弾を躱し、一層接近する敵機を見た。
「……うるさいなぁ」
 斬るか、と大剣を構える。躱されたのを見た敵編隊が、再度突入を敢行せんと反転、銃撃と共に飛び込んでくるのが見える。躱すのか。いや、躱さない。銃弾が、白い剣身を撃つ、少女の身体を撃つ。猟兵でなければその肉体は砕けてしまうだろうほどの痛みが走る。それでも、彼女は動じない。それでも、キマイラの少女は剣を構える。

「――『まだ』だ」
 それは誰への呟きか。駆け抜け、三機がかりで猟兵を撃ち落とそうとした哀れなクローン兵たちへの憐れみか。それとも、自らへの――。

 確かなことは一つ。三機のデルタ・ファイターが駆け抜けたと同時に、宮落・ライアの大剣が振るわれて、三つの黒い金属塊が六つにわけられたということ。三角翼の戦闘機は、その搭乗員の命ごと虚の海へと帰っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

パル・オールドシェル
再編中の敵艦隊を視認しました。
これより僕は、敵の戦力情報を収集。近隣に展開する猟兵戦友諸君、および解放軍戦友諸君に対して統合情報支援を開始します。

人型装甲殻(演出ユベコ)の上からD型装備(使用ユベコ)を装備して出撃。

邀撃に上がってくるであろうデルタ・ファイターの機動性は十分に承知の上。こちらの推力や機動力では、ドッグファイトは困難でしょう。
ですので、可能な限り距離をとった上で味方の支援に徹します。
敵の戦力配置、機体性能、個々のパイロットの機動の癖。
複合センサーやレドーム、あらゆる観測手段でそれら全てを情報収集し、必要な味方に配信しましょう。
僕は斥候の眼。こうすることで、皆を勝利に導きます。


レッグ・ワート
追撃とか本来そっちの得意分野だが悪いな。俺ら狙うならまだしも船の団結の方が厄介だと正しく思うなら、見逃がせねえさ。

俺は宇宙バイクを走らせる。先ずは複製でカーボン糸を増やして腕にでも巻いとくよ。デルタ・ファイターの攻撃は、追跡か逃げ足の操縦を活かして標準とっちらけて避けたいね。敵のコードや立ち回りのデータを集めていくついでに、敵機の翼の根あたりに糸を固定仕込んで回る。姿勢崩すのに束ねなくても間に合うかどうかは、早いうちに仕込めた一本を遠隔で少しだけ動かして手応え確認しとくわ。データが揃ったら頃合いを見て糸を繰る。狙うは同士討ちだ。

対応してきたらお見事。そうじゃなくても、お前らの腕が良いのが悪い。


ロクガツ・クロッカス
【アレンジ・連携歓迎】
【UC、技能、アイテムは<>で囲う】

古来より、戦果の大半は追撃戦から生まれるって言うよね
つまり――、かき入れ時だ

でもまあ、毎回ミサイルぶっ放してたら赤字なので……
今回は<深宇宙航行駆動機・汎型>に<対物重狙撃銃・徹甲型>を据え付けて、<操縦>しながらでも照準をやりやすくしてみましたー!いぇい

と、いうわけで、常に移動しながら<起動狙撃戦術>を発動
近接戦を挑む味方の死角をカバーする形で<援護射撃+スナイパー>ムーブで一射一体を目標に戦果を回収するよ

狙撃をかいくぐって接近してくる訓練された帝国軍がいたら、ドッグファイトからの<零距離射撃>狙いに切り替えるよ!



●戦闘機械は管掌する
「再編中の敵艦隊を視認しました」
 バイザーが、青く明滅する。
「ヒューマン・カウル展開。主機関イグニッション。FCSオンライン。アクチュエータ正常――これより僕は、敵の戦力情報を収集。近隣に展開する猟兵戦友諸君、および解放軍戦友諸君に対して統合情報支援を開始します」
 その少女はその殻を用いて、電脳世界を構築する。パル・オールドシェル(古き戦友・f10995)を中心にして、統合戦術情報網とでも呼ぶべき戦闘支援システムが広がっていく。
「各員、情報提供をよろしく頼みます。WR-T2783――聞こえていますか」
 パルの声が、戦闘用短波通信を介して一機の宇宙バイクに届く。
「聞こえているよ。だから、情報を飛ばしているだろう」
「今届きました。協力に感謝します」
「ああ。それと――俺は、俺はもうWR-T2783じゃねぇ。奪還支援型3LG……レグと呼べ」
 レッグ・ワート(其は脚・f02517)が無機質な声を飛ばすと同時に、その腕にまきつけたカーボン糸を手繰る。その感触を確認してから、宇宙バイクのトルクが音を立てる。一層の光がバイクの尾から放たれた。
「了解しました、3LG」
 その無機質な返答に、彼は肩をすくめた。

●戦場傭兵は狙い撃つ
「古来より、戦果の大半は追撃戦から生まれるって言うよね」
 そう呟くのは、黒い髪をした戦場傭兵。コンパネのスラスタ調整スイッチをカチリと弄る。深宇宙航行駆動機・汎型の船内で、モニタごしにキラキラと輝く敵機敵艦の灯りを見る。
「つまり――、かき入れ時だ」
 ロクガツ・クロッカス(スペースベトコン・f06933)はコックピットで不敵に笑う。笑いながらも、慎重に照準をあわせていく。この場合、慎重と臆病は決して同義ではない、多数の敵を相手取る戦場において、無暗に撃って弾を無駄撃ちすることは敵撃墜の機会喪失に他ならない。そうでなくとも決まっている。弾一発を撃つだけでも、お金がかかるのだ。それゆえに、彼女は自慢のミサイル砲を封印して、一撃必殺の狙撃戦を行っている。照準あわせ、ロックオン、発射、移動、照準合わせ、ロックオン、――。その繰り返し。敵の高速機動を物ともせずに、戦場傭兵の汎型駆動機に設えられた対物重狙撃銃を命中させる。
「一つ、二つ。……放っておいたらどんどん減っちゃうよ?」
 De108という名の量産戦闘機は、その高速性と量産性の両立のために、装甲は必ずしも厚くない。宇宙空間での戦闘に最低限要求される程度の装甲を有していると言える。それに対し、繰り出される徹甲の一撃は、その操縦を執り行うクローン兵ごと貫いて、宇宙の藻屑へとかえる。

「――こちら、パル。聞こえますか、クロッカス」
「――はいはい、こちらクロッカス。パル、どうぞ?」
「――現時点からP方向へと進んでもらえますか? 敵集団の誘導をお願いします」
「――わかった。追い込む方向は、G101宙域方向でいい?」
「――ご名答です。無理はせず、追い込むだけで構いません」
「――いいよ、了解」
 近寄ってきた敵機をドッグ・ファイトで仕留めた直後、機を逃さぬとばかりに味方猟兵からの通信が入る。戦術地図を確認し、要請を受諾。一挙に目当ての空域に向かう。三角翅の羽虫が6匹。目標はあれかな。銃撃を放ち、気を惹いて見せる。たちまち迎撃態勢を取る戦闘機たち。それを見て、一気に速度を上げて誘導を開始する。よしよし、うまく食いついている。二個小隊から繰り出される銃弾は、さながら雨の如し。駆動機のエンジンが唸る。一機ぐらい減らすくらいはサービスだ。ユーベルコード【起動狙撃戦術】で高速航行しながらも照準をあわせ、撃墜。奴らめ、慌てふためいている。
 鬼ごっこをすること、2分。目標の宙域に到達したことを確認した。
「――こちらクロッカス。パル、目標まで誘導を完了したよ」
「――こちらパル。確認しました。ありがとう」
「――お礼はいいから、良さげな敵がいる場所教えてよ」
「――H210宙域に手負いの巡洋戦艦がいます」
 あと五機。こちらの狙撃を受けないように戦闘機動をこなした奴ら。それを仕留める手立てがあるのかな。それに興味があるけれど――ロクガツ・クロッカスはぱちりと瞬きをする。
(「私は、私の仕事をしなくちゃね」)
 そう心に決めれば。
「――さんきゅ!」
 無線を切って、教えられた宙域に迷いなく向かう。せっかく獲物がたくさんいるのだから、稼げるうちに稼いでおかなくちゃね。イオン・エンジンが噴炎の白い尾を引いて、次の標的へと飛んで行った。

●糸の領域
「――あれは、確か」
 一度見たことがあったなと、ロクガツの宇宙船の描いた軌跡を眺めながら、3LG――レグは呟いた。だが今は、迫りくる五機の敵機である。猛獣の唸り声のように、跨る宇宙バイクが音を立てる。
「……さ、お前らに対応できるかな」
 カーボン糸が撓る。ロクガツが誘導してきたデルタ・ファイターたちが新たな獲物を捉え、銃口を向ける。――今だ。レグの操縦する宇宙バイクが走り出す。まるで中世の一騎打ち。五機の戦闘機と、レグの宇宙バイクがすれ違う。レグの加速が予想外であったのか、発射が間に合わない。銃弾は通り過ぎたと同時に発射される。その銃口はいつの間にか、味方――オブリビオン同士向けられていた。バリ、バリ、グシャリと音を立ててコックピットがつぶれていく。ユーベルコード【複製】で無数にバイクの周囲に設えられたワイヤーは、彼らの機翼をからめとって、その照準を狂わせる。味方に撃たれずに済んだ幸運な(それでも不幸な)黒色の航宙機も、ゆらゆらと舞ってデブリとキスをする。ぐしゃりと音が鳴る。
 たちまち五機の編隊が壊滅した。

「――こちらパル。お見事です」
「――誘導感謝する。おかげで、完璧に仕留められた」
 レグがいた宙域は、帝国軍の軍艦が再編の最中間に合わず自沈した場所。無数のデブリが浮かんでおり、機動が制約を受ける場所。視界が悪く、待ち伏せするのに、もってこいの場所だった。そこに誘導された時点で、彼らの死は決定づけられていたといえる。
「――次の場所に移動する。どこか適当な場所はないか」
「それでしたら―――――――」

 猟兵たちの戦いは続く。
 この宙域に動く、過去の遺物を一切虚ろの海に帰すまで。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
【スペースバスター】で共闘

今回は頼りになりそうな知り合いに手あたり次第に声をかけた。なーに、初顔だろうが問題ない。お前らの戦い方はもう知ってる。スマートに、クールにいこうぜ。俺の盤上では、2人がワイルドカードだ。頼りにしてるぜ、リリィ、みさき。

ユーベルコードによる戦術指揮をメインにする。追い込み漁のように詰めていきながら、攻撃と防御のメリハリをしっかりつける。同時に【ハッキング】【毒使い】【破壊工作】で奴らの装備や通信系統をウイルスで吹っ飛ばせないか試してみよう。相手の攻撃は【見切り】で察知、素早く仲間に指示を飛ばし、自分は【早業】で避ける

盤上の駒を進めるように一手ずつ、詰ましてやるよ


リリィ・オディビエント
チーム【スペースバスター】

追撃戦か!仲間を守る騎士の私だが、追撃のガチキマイラで被害はさらに加速する!!

ヴィクティムの作戦の元、チームを組んで追い込み漁のように集めるとしよう
私はこの大盾で反撃を防ぎながら、回り込んで、追いたてるよ。威嚇が必要なら一鳴きしてやってもいいぞ?必要なら【かばう】で味方も守ろう
「さぁ追い込んだよ、後は一気に殲滅するとしよう!」

ヴィクティムとは知り合いだ。頼れる参謀として尊敬している。力仕事は私が、頭脳担当は彼だね。

みさきとは初めましてだな。彼女とは一言二言挨拶はしておこうかな
「私はリリィ・オディビエント。騎士を名乗らせてもらっている、よろしく頼むよ。」

アレンジ歓迎


夷洞・みさき
チーム【スペースバスター】

こういう世界はヴィクティム君の方が得意そうだし、ここは一猟兵として頑張ろうかな。
君もヴィクティム君の友達かい?
僕は夷洞・みさき。よろしくね。リリィ君。

空の上でも追い詰められた城も船も末路は同じだね。

だから、君達も海に還ると良いよ。
僕も手伝ってあげるからね。

【WIZ】
ヴィクティム君が何か狙っているようだし、リリィ君と合わせて道を作ろう
生き物じゃないから呪詛は効果無さそうだし、力業だね。
【UC】で敵を破壊しつつ海水で不具合を起こそう
海の無い世界で対策はしてあるかな。

敵は車輪で【踏みつけ】道を作り
さらに車輪に【敵を盾に】しつつ二人の行動のフォローをする

アド歓



●スペースバスター
「――お前らはワイルドカードだ。頼りにしてるぜ、リリィ、みさき」
 若い男の声が、無線から響く。その声は、瑞々しい男らしさに満ちていた。

「――うむ、任せるといい! ふふん、力仕事は得意なのだよ」
 それに応じるのは、活発な声。騎士の声。リリィ・オディビエント(パラディンナイト・f03512)は、暗い宇宙に浮かぶデブリのひとつに乗って、あたりを見回しながら声に答えた。その明るい声にあわせてくりくりと動く赤い瞳は、少女の魅力を孕みながらも、油断なくあたりを警戒するかのごとく左右する。黒く、毛深く、強靭な腕の先に、禍々しくも美しい黒剣を握って、友の声に胸を張る。続けざまに、別の声が聞こえた。

「――ふむ。僕はこういった世界はまだ不慣れでね。ヴィクティム君を信じる」
 任せたよと落ち着いた声は、まるで深い海を思わせる深さを湛える。透き通るような青い髪が呼吸にあわせて小刻みに動き、その真ん中には凶悪な様相をした白い角。角だけ見れば、オウガと疑う者もいるかもしれない。だが、彼女の顔と腕を見れば、たちまち誤解は解けるだろう。彼女の腕は青い鱗で覆われていた。夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)という名の死霊術士は思い出したように、付け加える。

「――ああ、そうだ。君もヴィクティム君の友達かい? 僕は夷洞・みさきという」
「――おお、みさきというんだな。私はリリィ・オディビエント。騎士を名乗らせてもらっている、よろしく頼むよ」
「――そうか。では、リリィ君と呼ばせてもらう。よろしくね」

「――楽しい挨拶を邪魔して悪いが、そろそろ仕事の時間だぜ」
 二人の会話を聞きながら、絶えず光点が明滅していたゴーグルから目を離さぬままに、若い男は黒味がかった灰色の髪を揺らし、ニヒルに笑う。彼の網膜に青い光の点が焼き付くと、エレクトリック・シナプスを介して機械化された大脳の視覚野へと送られ、有意な視覚データに変換。サイバネティック・ニューロンを通じ、攻防を支配する左右の腕へと送られ、分散処理を受ける。送られたデータは再度大脳の電算機にて統合される。その複雑な行程が一瞬で終わればすなわち、作戦が定まったということ。これらを余裕でこなすのが、電脳魔術師ヴィクティム・ウィンターミュート(ストリートランナー・f01172)とその電脳『ウィンターミュート』の力であった。

「――まず、リリィ。お前の仕事は牧羊犬だ。哀れな羊を追い立てて、みさきのもとまで連れて行くこと。それが任務、いいな?」
「――騎士の私を犬呼ばわりするのか?」
「――ワックド、勘弁してくれよ。物の喩えだ」
「――ははは! 冗談だ。任せろ」
 むくれたような声を出したかと思えば、からりと笑う。素直な性格の彼女の声に、冗談を口にこそすれ、作戦への迷いというものはなかった。一瞬本気でむくれたのかと焦ったヴィクティムが、ほっと溜息をつく。
「――それで、ヴィクティム君。僕の仕事は?」
「――おっと、すまない。みさきには、リリィが連れてきた敵さんを、海水で一気に呑み込んで欲しい」
 なるほどと金の瞳がぱちりと瞬いて、しかし懸念の色を浮かべる。
「――そんな簡単にいくのかな。僕は詳しくないのだが、宇宙船というものは空気が逃げないようしっかり密閉してるのではないかね?」
「――いや、そんなことはない。確かに気密性は高い……けど、あくまで空気を逃さないようにするものだ。宇宙空間で運用する前提の機体は、防水なんて考えてもいない。特にスラスター、あれはダメだ。気密性と防水性は、全く別物だからな」
 作戦指揮官の説明は理が通っているように感じられて、みさきは素直にうなずいた。
「――おーけー。二人とも呑み込んでくれたところで、作戦開始だ」
 それを告げる声は期待感に満ちていて、念願のおもちゃを買ってもらって、いざ箱を空ける瞬間の、無垢な子供の声に似ていた。

●獅子頭の騎士は敵を喰らう
「その程度の銃撃、喰らってやる道理はないな!」
 獅子の頭が、近づくデルタ・ファイターのスラスターを食い散らかす。操縦能を喪った戦闘機が木の葉のように舞って、デブリにぶつかり爆炎をあげる。飛来する欠片を、白銀の大盾が弾く。リリィの黒い耳にだけ、身体を通じて、からんからんと音が響いた。彼女の腕は、獅子の頭に変貌していた。
 宇宙空間での高速戦闘という観点では、リリィ・オディビエントという騎士に向いた戦場とは言えない。宇宙服を着ているとはいえ、彼女の敏捷性は大きく損なわれ、選択した技も宇宙空間で戦闘機を相手取るには不利なものであった。しかし、彼女はほとんど傷を受けていなかった。理由は単純である。彼女の指揮官は、部下を傷つける作戦をよしとしなかったのである。
「よし、ルージュ7はそのままリリィの側面を援護しろ。ノワール3は4と6を連れて、一度補給のため後退。ルージュ4、ポイントQ10の敵機周辺を旋回して、電子戦を仕掛けてくれ。お前の機体を通じて、もう一度ハッキングを仕掛けてみる。お前の機体は高価だからな。つっこみすぎるなよ、ルージュ4」
 友のせわしない声が、リリィの耳にも届く。彼が命じているのは、解放軍のスターライダー部隊。グリモア猟兵ベモリゼの手配で、彼の指揮下に回されていた。はっきり言って脆弱な彼らが、未だに被害を受けていないのは、電脳魔術師の面目躍如といったところか。
(「オール・オブ・ゼム・アー・スクィッシー……とんでもない部隊回しやがって」)
 通信回線にのせないよう、悪態は心の中に秘める。それでも彼は、最悪の中で最善を希求していた。

「――ヴィクティム、そろそろ頃合いじゃないか?」
 リリィが尋ねる。戦闘機隊の数が、制御できる程度にまばらになっていた。頭脳担当のヴィクティムに作戦を任せているとはいえ、戦況を読めなくては騎士たりえない。自分の判断を信じる心と、それを伝えることを躊躇わない友情を、彼女は持っていた。
「――いいぜ、任せる。やってくれ。ルージュ、ノワール各隊、ユー・シュド・ゴー・トゥ・アーヴィ――」
 紫髪の魔術師は、迷うことなく騎士の具申を受諾する。現場で見ている友が言うんだ。信じるさ。続けざまに、味方部隊へと連絡を始める。彼にはやることが多数あった。

「さあ、私の相手をしたい奴はどいつだ!」
 兎の足がデブリを蹴って、狼の腕が剣を振るう。
 すでに何機もやられていた。帝国航宙部隊は、獅子頭に近づくことを恐れていた。
 ゆえに、距離を取る。それこそが狙い通りだと知らぬまま。

●全てを飲み込む呪いの海
「空の上でも追い詰められた城も船も末路は同じだね」
 追い立てられた哀れな羊、デルタ・ファイターたちを見て、金色の瞳が無感動に呟く。デルタ・ファイターの後ろには、何機もの「解放軍」部隊と、その中心に立つキマイラの騎士。不健康な目が、その位置を確かめる。
「だから、君達も海に還ると良いよ。僕も手伝ってあげるからね」
 空気のない宇宙空間に、潮の香が満ちる。帝国軍の兵士たちは、聞いたことのない音を聞いた。それが潮騒の音であることを、彼らがどうして知りえただろうか。車輪が回る。くるくると。世界を巡るように、くるくると。

「彼方より響け、此方へと至れ、光差さぬ水底に揺蕩う幽かな呪いよ。我は祭祀と成りて、その咎を禊落とそう」

 それは、呪言であった。彼らの人生を、終わらせる言葉。ユーベルコード【浸食領海・潮騒は鳴り響く】の海神の声。宇宙を飲み込む、淀んだ海原。黒い戦闘機たちが、暗々とした呪詛に呑まれていく。彼らはみさきたちと出会わなければ、もう少し長く生き延びられたのだろうか。いや、そんなことはないだろう。きっと、それが早まるか少し遅まるかの違いに過ぎない。ただその過程で、幾らかの解放軍の兵士の生命が損なわれていたはずで、それにはきっと意味があるはずだった。
 それはさながら嵐の海。三角翼は、暴風に煽られ舞い上がった浮き木のように、頭を出して、沈んで、頭を出して、沈んで、やがて海の底へと取り込まれていった。

「――ひゅぅ。さすがだね」
 電子戦域図上の、光の点が一挙に消えて、その豪気さにヴィクティムは口笛を吹く。だが、全てではないことに気づいていた。
「――みさき、後ろだ!」
 警告の声が響く。その声にあわせて、車輪が回る。銃弾が爆ぜて、火花が散る。
「っ!」
 海水を逃れたらしい、デルタ・ファイターが高速で接近していた。銃弾を防ぐので精一杯。貫通性の高い銃弾は、迂闊に受けると身を切り裂きうる。それゆえに、動けない。そして、このままではじり貧だ。だが、騎兵隊はやってきていた。
「心配いらない、一気に殲滅するとしよう!」
 キマイラの騎士が、塩水を浴びてスパークを散らすデルタ・ファイターを足蹴にして、跳躍する。赤い瞳が、きらりと輝く。騎士の剣が煌めいて、黒い翼が二つに割かれる。

 キマイラの猟兵たちは、視線を躱す。互いの意図を伝えるにはそれだけで十分。サイボーグの指揮官から声がかかった一瞬後、彼女たちは戦場へと戻っていった。

 猟兵たちは戦い続ける。信じるべき、友と共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レクシア・ノーレッド
へー、再編成してるのかぁ。
…何隻沈めても、何機落としてもいいんだよね?
じゃあ私頑張っちゃう!報酬は敵機の残骸の山でいいよ!

【SPD】

ふふ、私お手製の戦闘機の出番だよ!
「フィート」に乗って、さらに【選択UC】で19機複製!
自分を筆頭にして20機編隊を組み、「レクシア隊」として強襲するよ!
全部私の意思で操作するから、連携についても心配はいらないかな!

上がってくるデルタファイターも連携しながら墜とすけど、
私としてはあの戦艦とかの方が気になるかな!
全部全部沈めて、私の玩具にしてあげるね!

「―さぁ、宇宙だけど空中戦といこう!レクシア隊、交戦!」

「ほらほら、もっと遊ぼうよ!そんなんじゃ足りないよ!」



●ブラックタールは楽し気に
「……何隻沈めても、何機落としてもいいんだよね? じゃあ私頑張っちゃう! 報酬は敵機の残骸の山でいいよ!」
 なんて笑って出撃するのは、レクシア・ノーレッド(ひとりうちゅうせんそう・f01101)である。彼女が乗るのは、宇宙対応可変高速戦闘機「フィート」という名の戦闘機。その後ろには、なんと20機近くもの同型戦闘機が並ぶ。いや、よく見ると、その形はひとつひとつが違う。どういうことか。それは、作られた素材の違い。間近で見れば、一目瞭然。彼女の部隊はすべて、廃材からできていた。彼女こそはスクラップビルダー。廃材の使い手。ユーベルコード【「レクシアちゃん流」廃材構成術】で僚機をたちまちのうちに構築すれば、レクシア隊の完成だ。

「おお~、あれが敵部隊かな」
 なんて天真爛漫自由な声音で、キラキラ光る戦艦を見る。20機もの戦闘機隊が近づけば、彼らも黙って見てはいない。ただちに迎撃の直掩機が飛来する。それを見て、オレンジ色の瞳が楽し気に歪んだ。
「――さぁ、宇宙だけど空中戦といこう! レクシア隊、交戦!」
 にっこり笑うと、彼女の言葉に弾かれたように戦闘機たちが展開していく。息の合った連携は当然である。彼女の力で生まれた戦闘機は、彼女の思念に忠実なのだ。

 デルタ・ファイターがそれにあわせて散開する。レクシア隊は、数の優位を活かし、一機ごとに各個撃破を図る。銃弾が、スクラップの翼に穴を開ける。穴を開けられたスクラップが、お返しとばかりに銃弾を放つ。コクピットのガラスが割れて、中からクローン兵の血が噴き出す。スクラップの戦闘機は、それを無感動に撃ち続ける。弾切れの心配はない。魔力でいくらでも補充される。
「さあ、どんどんかかっておいで! 全部全部沈めて、私の玩具にしてあげるね!」
 ブラックタールの少女は、楽しそうに笑う。さながら、お気に入りの玩具を買ってもらった子供のように。だが、玩具はある程度遊ばれたら、撃ち捨てられるのが運命だ。まして、量産型の戦闘機にどれだけ寿命が残されているか、言うまでもない。たちまちのうちに、スクラップと化して。オレンジの瞳が、眼下の黒い巡洋戦艦へと向けられる。標的にされた彼女が、黒い戦闘機隊を追い払わんと主砲の熱線を放つ。
「おっと、危なーい!」
 軽々とそれを躱す。そして、笑う。
「ほらほら、もっと遊ぼうよ! そんなんじゃ足りないよ!」
 くるくると旋回し、回避行動をとりながら、レクシア・ノーレッドは戦場を駆ける。
 自由に、大胆に。
 ここには、たくさんの遊び相手がいるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゼルド・シュバイツァー
……退いて貰いましょう。摂理に抗うならば。

素顔を晒し、【戒解:暁光の型】にて、
『陽剣の守護者』としてのフォースセイバーの真なる刀身……太陽の如き刃を顕現させます。
「暁光の型」の軽減と合わせて【オーラ防御】で被弾は防御しつつ、光学迷彩マントによる【迷彩】で陽炎の如く位置を掴ませずに
焔放つ刃で隙を見せた機体から【暗殺】の要領で【2回攻撃】して斬り捨てます。
必要そうならば【カウンター】も辞さない構えです。

………堕ちぬと抗うならば、太陽の如き焔に焼かれて堕ちなさい!!



●宇宙を駆ける騎士
「……退いて貰いましょう。摂理に抗うならば」
 宇宙空間に、一人の男が立っていた。
 赤い髪、緑の瞳。白い鎧が、爆炎を反射してきらきらと光る。
「サンダー9より各機。敵兵発見、ただちに攻撃に移ります」
「サンダー5、了解。おい、あれ……騎士のお偉いさんじゃないか」
「おいおい、サンダー5。馬鹿を言うな。この状況でお偉いさんが、わざわざ宇宙空間に出てくるわけがないだろう。だいたい、赤い髪が見える。仮面を被ってもいない。違うにきまってる」
「ですよね、隊長。攻撃態勢に移ります」
 確かに、彼はそうではない。
 そして、目の前に飛来する編隊の、確かな敵であった。
「来るというのですか」
 かちゃりとフォースセイバーが抜かれる。
 敵機の雨のような銃弾が、白き騎士を目掛けて放たれる。
「その程度の銃弾で、私を墜とそうというのですか。ならば、見せましょう……『陽剣の守護者』の真なる刃を!!」
 剣の身が燃えるように輝く。さながらその熱による陽炎のごとく、ゼルドの身体が揺らぐ。近づいて見れば、光学迷彩のマントと気づけようが、高速戦闘を仕掛けていた機体たちに知りようはずがない。
 銃弾が逸れ、歪み、すれ違い様に一機が落ちる。いや、二機だ。
 まるで事故を起こすように、戦闘機たちがぶつかり、壊れる。それを騎士は冷徹に流し、僚機の仇をとらんとする敵兵たちを見る。クローン兵たちは、白い陽炎の騎士の顔に何を見たのか。彼らしか知りえない。ただひとつ言えることは、帝国に忠実なる兵士をして、その義務に従わしめる何かであったということだけ。

「………堕ちぬと抗うならば、太陽の如き焔に焼かれて堕ちなさい!」
 その刃は、太陽の現身。燃えるような一閃が、宇宙空間を切り捨てる。
 哀れであった。黒き翼は悉く、太陽に焼かれて潰えていく。

 復讐の刃は、止まらない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

矢上・裕一郎
「やれやれ、敗残兵が集結しつつあるか。…逃げれば命は助かるだろうにな。さあ死神が来たぞ、覚悟はいいか…?」

≪機械仕掛けの我が相棒≫を使用、全身を対空兵器で武装し宙戦仕様になり見た目が少し変化した彼の愛機「夜明号」を召喚し搭乗

≪操縦≫と≪空中戦≫の技能で敵機を翻弄しつつミサイルやガトリングといった兵装の≪一斉発射≫で撃墜を狙う

≪存在感≫を活かして敵機の注意を複数引き、味方の攻撃をより効果的にするように行動

敵側の戦艦や巡洋戦艦が戦闘に加わる場合、極力そちらへの攻撃は味方に任せ自分は敵艦載機の撃墜に努める
自分が攻撃する必要がある場合、ギリギリまで接近し≪零距離射撃≫の一撃を放つ



●夜明けの死神
 その動きは、戦場において何よりも苛烈な一機のものであった。宇宙を縦横無尽に駆ける人型兵器は、さながら彗星のごとく。黒い機体がまた一機墜ちる。
「ええい、なんだあれは。死神とでもいうのか!」
 一人のパイロットがそう吼えた。そのクローン兵は、数秒後に骸の海に還ることとなる。哀れな兵士を一瞥して、兵器『夜明号』の中で彼は呟いた。

「やれやれ、敗残兵が集結しつつあるか。……逃げれば命は助かるだろうにな」
 バイザーを上げて、僅かに下がった眼鏡を、神経質そうに指で直す。再びバイザーを上げて、戦場に目を戻した彼の名は、矢上・裕一郎(死神・f04178)。とある世界の火星、生命の源である海に囲まれたその星から来た男という。冷静に戦場を俯瞰して、激戦区を選んでスラスタを吹かす。ぴぴぴ、とマニューバの制御装置を弄る。良い。今日の『夜明号』は絶好調だ。

「さあ、死神が来たぞ、覚悟はいいか……?」
 なるほど確かに、この戦場の兵士たちにとって、彼は死神であった。目の前には、あまたの兵士たち。黒い翼、デルタ・ファイター。脚部のブースターを吹かせ、くるりと回転、射線を維持しつつ『夜明号』の姿勢を制御する。敵機が銃弾を放つのを、軽快な動きで回避して、手に持ったガトリング・ガンを放つ。一機墜とした。
「その程度の軌道で、俺と『夜明号』に挑もうとはな!」
 続けざまに、前後を挟むように迫りくる戦闘機たち。ただちにバーニアを吹かせ、左を向けば、敵機を左右に捉えた。右手にミサイル・バズーカ、左手にガトリング・ガン。放てば、必殺の一撃。その柔軟な対応力こそ、人型兵器の華といえよう。
「さあ、次の相手はどいつだ!」
 パイロットヘルメットの奥は、闘志で満ちている。
「なんだ。増援か? ……一人を相手に、御大層なことだ」
 見れば、敵機多数。20機はいるだろうか。
 だが、ベテラン・パイロットは慌てない。
 むしろ楽しそうに笑う。
 不敵に笑う。

「『死神』の所以を教えてやろう!」
 脚部のスラスタが白い気を吐く。『夜明号』がふわりと動く。機械仕掛けの『死神』の目が、怪しく光る。背部に格納していたビーム・ランチャーが、肩部に備えたミサイル・ポッドが、あまたの武装が展開される。そのあとのことは、語るまでもあるまい。
 『解放軍』には『死神』がいる。帝国軍の兵士たちは、その伝説を見た。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
アドリブ歓迎
【知己】で行動

全部叩き落とすからいいっちゃいいが…普通に面倒だな
こっちも数を増やすか!
マリアを見つけ声をかける
坊主もよろしくな!

さあて、敵さんのお出ましだ
マリアの音楽でわく力に機嫌よく【青星の盟約】を歌い
靴に風の魔力を集めて宙をかけ先制攻撃
速度を上げることで攻撃回数を強化
雷の魔力を剣に纏い連続で斬りつけたら
素早く離れ次の敵へ
最低限自分に飛んでくる攻撃は避けるが
まあ…後ろにいるから大丈夫だろう
特にきにせず攻撃に専念

敵がマルコに気をとられた隙を見逃さず
歌があとおしするままに力を溜め
一気に駆け寄り全力攻撃だ!

…っ!最後に増えるとか質悪りぃな
マルコ攻撃で敵が落ちたら口笛ひとつ
やるねぇ~


マリアドール・シュシュ
【知己】で行動
アドリブ歓迎

「敵が集団で押し寄せてこようと、希望の光は決して折れる事はないのよ。
マリアの歌声が全ての猟兵達の源となり響き渡りますよう…祈りを込めて」

セリオスに協力要請を持ちかけられ快諾
更に協力者を増やす為に偶然会ったマルコへ声掛け

主に支援
仲間と連携
【サウンド・オブ・パワー】使用
竪琴を鳴らして架空言語で【歌唱】
静かに燃える闘志と魂を震わせる応援歌(民謡

戦況がよく見える立ち位置にいるので仲間が危うい時は声掛ける
敵の攻撃は音色攻撃で【カウンター】

「二人がいれば何も怖いものなんてないのよ。
まぁ!マルコが褒めてくれるなんて(嬉々)
セリオスは本当に強いのだわ、頼もしいの」

華水晶は戦場で煌く


マルコ・トリガー
【知己】で行動
セリオスとは今日会った

フーン、戦闘機落としね
編隊を組んでるなら、こちらもチームで行動した方が良さそうだ
幸い、知り合いのマリアと…前衛が得意そうなセリオスってやつと組めそうだから、ボクは後衛からの攻撃とサポートに回ろうか

【竜飛鳳舞】で跳んで動き回ろう
基本的に仲間への【援護射撃】
後方から戦場全体を良く見て、適宜移動したり回避行動を取ろう
敵との距離が近い場合は【零距離射撃】も使う

【フェイント】からの【2回攻撃】をしながら挑発
敵の注意を引きつけてる間にでも仲間に攻撃してもらおうかな

マリアの歌声はいつ聴いても悪くないね
セリオスってやつもなかなかやるね
良い暇つぶしになったよ

アドリブ歓迎



●黒い鳥、白い歌姫、青い短銃
 戦場で、歌が聞こえた。
 ひとつではない、ふたつ。
 それが少し気になったから、マルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)は黒い宙を蹴って、その音のもとへと向かっていった。そこには、二人の猟兵がいた。
「……あら? あなた、マルコじゃない?」
 旋律がひとつ止まる。もう一つは続いている。
 水晶のようにきらきらとした声で、少女は目ざとく彼の接近に気づいた。
「……そっか、通りで聞き覚えがあると思った。マリアか」
 青い髪をしたヤドリガミの少年は、ツンとした声で答える。金の瞳は警戒するように吊り上がり、敵対的とまではいかないまでも、友好的とはとてもいえない。知り合いのはずの少年のそんな言動を前にしても、クリスタリアンの少女は楽し気なままだった。マリアドール・シュシュ(無邪気な華水晶・f03102)は、銀の髪に包まれた、その輝くような笑顔で、こういったのだ。
「実はもうすぐここに敵戦闘機がたくさん来るらしいの。編隊……っていうのを組んでるらしいのね。もしよかったら、手伝ってくださらない?」
 天真爛漫な笑顔以外に適切な表現があるだろうか。相手の態度に怖じることない、柔らかな表情で、彼女は友だちにお願いをする。知り合いに頼まれて、マルコは少しだけ悩んだあと、頷いた。
「フーン、戦闘機落としね。編隊を組んでるなら、確かに、こちらもチームで行動した方が良さそうか。それで、そっちの猟兵はマリアの知り合い?」
「おう、セリオスだ。坊主は……見たところ、銃撃が得意って感じか。なら、前衛は任せろ。俺が守ってやる」
 流れるような黒い髪は、まるで鳥の尾を思わせる。暗い宇宙の中にあっても、その艶やかな髪はきらきらと光っていた。セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)というシンフォニアは、よろしくな!と男性的な笑い、新たな仲間を迎える。
「そうだね、飛び回るのと、銃撃が得意。よろしく」
 素っ気なく、だが戦いに必要なことは確かに伝えて、短銃の少年は眼下に迫る敵機を見た。その動きにあわせて、腰に下がった根付が揺れる。
「今日はいい日だわ! 二人がいれば何も怖いものなんてないのよ」
 そんな二人の友を見て、花咲くようにマリアは笑うのだった。

●開戦の歌
「さあ、敵さんのお出ましだ。期待してるぜ、坊主!」
 黒い髪が揺れる。セリオス・アリスの足には、風の魔力が渦巻いていた。ユーベルコード【青星の盟約】で満ちた魔力を源として、彼は宇宙を蹴り進む。その視線の先には、青い髪した少年の姿。
「好きにするといいよ。でも、ピンチは自分で切り抜けてよね」
 つんとした態度は変わらない。ただし、視線は油断なく敵機に向けられている。短銃を握り、宇宙を跳ぶ。それは、まるで竜が空を飛ぶように、自由に、大胆に。思うが儘に。ユーベルコード【竜飛鳳舞】の活力で、彼は戦場を駆ける。
「敵が集団で押し寄せてこようと、希望の光は決して折れる事はないのよ。マリアの歌声が全ての猟兵達の源となり響き渡りますよう……祈りを込めて」
 彼女の歌は、優しい祈りに満ちていた。敵機を見るや、散開していく二人の猟兵たち。直接的な戦闘能力は、二人に劣るだろう彼女だが、それは不要と同義ではない。彼女の歌が響けば、猟兵たちに湧き上がる力があった。それは、彼らを守るための祈り、【サウンド・オブ・パワー】。竪琴が奏でる柔らかな旋律が加われば、闘志が静かに燃え上がり、魂を震わせる。
「ボズィ、ヘラニ、スボイヒェ、ヘラニチロフ……」
 その歌を、帝国兵は聞いた。だが、理解することはできなかった。
 彼女の語る言葉は空想の産物。誰にも解せぬ透白色の歌声。
 金の瞳が、その歌声の祈り先に向けられる。

「まずはあの、青い奴からだ!」
 真っ先に見つかったのは、大きく跳躍したマルコだった。宇宙では保護色となる黒いセリオスと、後衛にいたマリアより、大きく動いた青は目立った。たちまち三機の編隊が飛来する。
「あの敵、加速して―――速いな!」
 それを見たセリオスが、少しだけ目を丸める。一瞬だけ、心配そうな視線を向ける。制御を放り捨ててでも、敵の頭数を減らす算段なのだろう――デルタ・ファイターが加速して、マルコに迫る。しかし、帝国兵が相対したのは、猟兵の跳躍力、ユーベルコードという常識の埒外の力、そしてそれを助ける祈りの歌声。マルコ・トリガーという少年は高速で飛来した黒い敵を躱して見せる。いや、躱すだけではない。
「甘いよ」
 撃ち付けること二発。すれ違いざまに短銃で銃撃をくらわせれば、浴びた一機が爆ぜる。丁度急所に当たったのだろう、鮮やかな爆発が宇宙を照らした。
「マリアの歌声はいつ聴いても悪くないね」
 敵を一機倒したのだからと、少しだけ自慢げな顔で優しい戦場音楽に聞きほれる贅沢を、ヤドリガミの少年は自分に許した。

●黒鳥は飛ぶ
「ひゅう! やるねぇ~」
 宇宙に口笛が響いた。シンフォニアは、口笛も上手いらしい。
 感心した声で、マルコを見る。土壇場の結集、不安がなかったと言えばウソになる。
 だが、どうやらアイツはデキる奴らしい。そう、確信する。
「セリオス、敵よ!」
 マリアの声が、響く。セリオスが、笑う。
「おうよ!」
 彼は吠える。そして、歌う。
「星に願い、鳥は囀ずる。いと輝ける星よ、その煌めきを我が元に――さあ歌声に応えろ、力を貸せ!」
 彼はわざわざ振り向かない。そのまま、大きく跳躍する。彼の魔導靴『エールスーリエ』には、猟兵二人分の魔力が満ちていた。それはすなわち、敵一体の機動力など、軽々凌駕するということ。純白の剣が、雷を纏う。浮いているデブリの欠片を足場に翻り、軽々敵機に飛び乗った。
「――残念だったな」
 敵機は何もできなかった。先手を取っての一撃、二撃、三撃、切り裂かれて、黒い戦闘機はその力を喪う。
「――次っ!」
 機能不全を見取って、大きく跳躍する。――――目指す先は。

「別によかったのに」
「はっ、そう言うなよ」
「でも一応、感謝しとく」
「おうよ」
 雷霆の一撃が、ヤドリガミの少年の背後から近づいていた敵機を裂いた。セリオスが目指していた先は、マルコの背後。マルコはそれを知り、わざと他の敵へと銃撃を加え、隙を放置した。そして、敵は見事に騙された。
(「セリオスってやつもなかなかやるね」)
 とは内心で思いつつも、マルコは口にしなかった。
 だが、彼の態度は、その心を表すのに何より雄弁であった。

「セリオスは本当に強いのだわ、頼もしいの」
 そんな二人を、見守るように優しく笑う。
「――あら、気を付けて。まだ敵が来るみたいよ」
 たちまち三機を撃退した二人に、マリアの凛とした声が警戒を告げる。

「……ったく。最後に増えるとか質悪りぃな」
 それを見て、黒い髪を揺らして吐き捨てる。
「良い暇つぶしになりそうだ」
 短銃に銃弾が籠められる。
「二人がいれば何も怖いものなんてないのよ」
 宇宙服の中で、息を吸う。

 華水晶が煌く戦場で、彼らは戦い続ける。
 いくら敵がいようとも、恐るるには足りなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日


挿絵イラスト