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未来の子供たちへ贈る

#ブルーアルカディア #お祭り2021 #ハロウィン #一人称リレー形式

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●グリモアベースにて
「めっちゃうまスゥ~プ♪ オ~レンジで濃厚ぅ♪ ホットなお皿で待ってるぜぇ♪」
 伊達姿のケットシーが猟兵たちの前でカボチャのスープを啜っていた。
 グリモア猟兵のJJことジャスパー・ジャンブルジョルトである。
 一滴も残すことなくスープを胃の腑に送り込むと、空になった皿をスプーンで軽く叩きながら、JJは本題に入った。
「はい、注目! はい、謹聴! 今回の任務地はブルーアルカディアだ。とある浮遊大陸の学校でハロウィン・パーティーがおこなわれるから、その学校周辺の安全確保とパーティーの御馳走の食材確保を兼ねて、魔獣を狩ってくれーい」
 JJの予知によると、会場の近くに現れる魔獣はドラゴン型。非常に巨大かつ凶暴ではあるが、ブルーアルカディアの魔獣の多くがそうであるように非常に美味でもあるらしい。
「肉もモツもいけるんだってさー。デカい図体してるから、食いでもあるだろうなー……うーん、涎が出そう!」
 既に出ている。
「で、最初に言ったけども、パーティー会場は学校なんだ。高度で専門的な教育を受けるようなところじゃなくて、UDCアースの小学校に相当するやつな。当然、生徒たちはみーんな子供だ。だけど、普通の小学校じゃないぜ。大型の飛行艇をまるまる校舎として使ってんだから」
 その学校船は現地では『空飛ぶ教室』や『空中学校』と呼ばれており、子供たちはスクールバスならぬスクール飛行艇やスクール騎獣で通っているのだという。
 学校船は、猟兵たちと魔獣との戦闘には介入しない。また、魔獣も猟兵を倒すことを優先し、(猟兵が健在である限りは)学校船を襲うことはない。つまり、子供たちを守る必要はないし、足を引っ張られる恐れもないということだ。
「学校船の子供たちはおまえさんたちの戦い振りを見守り、エールを送ったりするだろうな。ギャラリーの目ってのを意識して、カッチョよく戦うことをお勧めするぜ。ハロウィンだし、仮装して戦うのもアリかもー」
 首尾よく魔獣を倒した後は学校船でのパーティーだ。子供たちと交流しつつ、『肉もモツもいける』という魔獣の料理を味わい、楽しい一時を過ごすことができるだろう。
「そいじゃあ、気張っていこうぜ!」
 JJは皿とスプーンを足下に置いて、転送の準備を始めた。
「子供たちが笑顔で『ハッピーハロウィン』と言えるように! そして、美味い御馳走を味わうためにぃーっ!」


土師三良
 土師三良(はじ・さぶろう)です。
 このシナリオは二章で完結するハロウィンお祭りシナリオです。

●第1章について
 魔獣『空を砕くもの『スターブレイカーオリジン』』との戦闘です。スターブレイカーオリジンは第2章で美味しくいただきますので、多くの可食部を上手く綺麗に残せるような戦い方をすると、プレイングボーナスがつきます。
 また、近くの学校船から子供たちが観戦しています。カッチョよく戦えば、盛り上がるでしょう。仮装を活かしたユニークな戦いでウケを狙うという方向性もアリですが。

●第2章について
 学校船でのパーティーです。御馳走(第1章で狩ったスターブレイカーオリジンの他、持ち込みも歓迎)に舌鼓を打てます。
 学校なので、子供たちに戦闘や操船や魔獣料理などの技能を教えることもできます。人生の先輩風をびゅうびゅう吹かせてください。
 JJもちゃっかりパーティーに参加していますが、絡む必要はありません。絡むにしても遠慮や気兼ねは無用です。煮るな焼くなとご自由に。

 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。

 ※章の冒頭にあるPOW/SPD/WIZのプレイングはあくまでも一例です。それ以外の行動が禁止というわけではありません、念のため。

 ※基本的に一度のプレイングにつき一種のユーベルコードしか描写しません。
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第1章 ボス戦 『空を砕くもの『スターブレイカーオリジン』』

POW   :    暴食の邪竜『デス・オブ・ホープス』
【体中いたるところから生えている爪】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【恐怖、苦痛、悲鳴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    厄災速射砲『コンティニュアス・カラミティ』
レベル分の1秒で【全身から放出される【星破壊】属性の光線】を発射できる。
WIZ   :    星砕きの厄災『スターブレイク・ディザスター』
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【星破壊】属性の【厄災レベルの光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシル・ウィンディアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●序幕
 ハロウィンの飾り付けが施された大型の飛行艇。
 その舷側に何十匹もの小さな魔獣が集まり、彼方の空に目を向けていた。
「ほら、見間違いじゃなっただろ! なんか飛んできてるって!」
「あれって、魔獣じゃない? ねえ、魔獣じゃない?」
「うん。魔獣っぽいね」
「しかも、すごくデカいし!」
 もちろん、口々に騒いでいる彼らや彼女らは本物の魔獣ではない。
 仮装した子供たちだ。
 しかし、飛行艇に近付いてくる巨影は間違いなく本物の魔獣だった。
 
テラ・ウィンディア
…あれ食材になるんだ…

とは言え星を砕く竜なら星の力で挑むぞ

キャバリア搭乗
元から格好いいぞ!


【戦闘知識】
敵の動きと爪の攻撃の癖
致命になる位置を把握
【見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け・オーラ防御】
当たると色々厄介そうだ
可能な限り回避を意識し残像を残して空中を飛び回る
【属性攻撃】
重力属性を機体に付与
更に機動力を増して

【二回攻撃・早業・串刺し】
剣による連続斬撃から槍に切り替え急所に突き刺し
【弾幕・重量攻撃・貫通攻撃】
ドリルビットとガンドライド展開
重力弾を乱射して動きを止め
更にドリル攻撃で貫き

上空から
お前が砕くという星の力!今こそ味わってもらおうか!
メテオブラストぉ!
刺した槍の石突に叩き落とす!


オーガスト・メルト
竜は武器素材であって食材じゃない!
…とまぁ、いつもなら言う所なんだが、この世界じゃ食べるのが普通か。

【POW】連携・アドリブ歓迎
さて、ナイツを飛行バイク形態にして空中で敵を迎え撃つかね。『うにゃー!』
デイズは【竜鱗飛甲】を召喚して【盾受け】で防御してくれ。『うきゅー!』
敵の攻撃を【見切り】つつ、UC【赤光一閃】で爪や鱗を削ぎ落してやろう。
グローム、斬り落とした素材は鋼糸で回収だ。『チチッ』
さすがにこういう部位は食べないだろうからな。
攻撃力と防御力を低下させれば味方の援護にもなるだろう。

さあ、積載量と機動力が許す限り(ナイツの馬力なら数十トンは余裕)どんどん削るぞ!



●テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)
 仮装した子供たちの乗る学校船に向かって、ドラゴン型の魔獣が突っ込んでいく。
 だけど、そいつは空中でいきなり急停止した。
 なぜなら、おれの駆るキャバリア――その名も『三界神機ヘカテイア』が立ち塞がった(飛び塞がった?)からだ。
『ヴォォォーッ!』
 集音センサーを介して、魔獣の怒号がコクピットに轟いた。威嚇のつもりかもしれないが、その程度のことでおれはビビったりしないぞ。
 学校船の子供たちもビビッてないらしく、一斉に歓声をあげた。『あの巨人、カッコいいー!』なんて言葉も聞こえてくる。もちろん、ヘカテイアのことだろう。
 ふふん! JJの奴は『カッチョよく戦うことをお勧めするぜ』とか言ってたけど、わざわざ意識してカッコつける必要はないんだよな。おれのヘカテイアは元から十分に、十二分に……いや、百二十分にカッコいいんだから。
 とはいえ、子供たちの歓声はおれだけに向けられているわけじゃない。
 他にも猟兵はいるからな。
 たとえば、黒い宇宙バイクをかっとばしてるオーガストとか。

●オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)
 学校船の子供たちがわいわいきゃっきゃと大騒ぎしている。
 宇宙バイク(正しくは『竜核二輪乗騎』だけどな)の『ナイツ』に乗って現れた俺の勇姿を見て、テンションが上がりまくっているんだ。
 ……と、言いたいところだが、俺が皆の期待を独り占めしているわけじゃない。学校船を背にかばうようにして魔獣と睨み合ってるキャバリアのほうにも熱い視線と声援は向けられている。キャバリアのコクピットにいるのが自分たちとさして歳の変わらぬ女の子だと知ったら、もっとテンションが上がるかもな。
 その女の子――テラの呟きが通信機越しに聞こえた。
『これ……本当に食材?』
『これ』とは、目の前にいるドラゴン型の魔獣のことだろう。
 受け入れ難いのはよく判る。俺にとっても、ドラゴンというのは武器の素材であり、食材じゃないからな。でも、この世界ではこんな代物も普通に食べるらしい。所かわれば品かわるってやつか。
 俺はキャバリアの横をすり抜け、充分に距離を取った上で巨大な『食材』の周囲を旋回した。
 それに合わせて、長い首をぐるりと巡らせる魔獣。こっちの動きを目で追っているんだろう。小うるさい蠅が飛んでいるとでも思っているのかもしれないが……甘く見るなよ。
 俺とナイツは蠅なんかじゃない。
 致命的な一刺しを見舞う毒蜂だ。
 いや、たった一刺しで終わらせるつもりはないが……。

●再び、テラ
 メインモニターの中央に映し出されたドラゴン。
 その姿に重なって、妙な言葉が表示された。
『STAR BREAKER:ORIGIN』
 どうやら、ドラゴンの名前らしい。魔獣についてまとめられたデータベース的なものをヘカテイアが検索して伝えてくれたのかもしれない。しかし、スターをブレイクするとは……随分と大仰な名前だなあ。
『ヴォォォォォォーッ!』
 大仰な名前の主が先程よりも激しく吠えた。そして、竜巻さながらに体を回転させて急上昇。バイクで飛び回ってるオーガストに刺激されたのかな?
 スターブレイカーとやらの巨体には爪だか牙だかのようなトゲトゲがいっぱい生えているんだけど、回転に合わせてそれららが撃ち出され、オーガストめがけて誘導ミサイルのように飛んでいった。
 でも、オーガストは怯まない。トゲトゲミサイルが到着するまで待ったりせず、自分からスターブレイカーに突っ込んだ。二十歳を過ぎた男らしからぬ可愛い鳴き声を響かせて。
『うにゃー!』
 ……いや、違った。ヘカテイアの集音センサーが拾ってきたその鳴き声の主はオーガストじゃなくて、バイクのほうらしい。なんでバイクが鳴くのかはよく判らないけど。
 まあ、とにかく、オーガストはバイクを巧みに操り、トゲトゲを次々と躱した。躱し切れない時もあったけど、問題なし。バイクの傍を飛んでる白い饅頭みたいな生き物(ドラゴンに見えないこともない)が陰陽マークめいた二枚組の楯で受け止めたから。
 そして、スターブレイカーの懐に飛び込み――
「本当にデカい体だな。削って軽くしてやるよ!」
 ――赤いサムライブレイドで斬りつけた。

●再び、オーガスト
 ドラゴンの鱗から作られた小太刀『焔迅刀』を振るい、俺は魔獣の突起を斬り落とし、あるいは鱗を削ぎ落とした。
「ヴォォォアァァァーッ!」
 怒りによる咆哮か痛みによる絶叫かは判らないが、魔獣は吠え猛り、荒れ狂った。さっきまではほぼ垂直に回転していたんだが、今はもうデタラメに動いてる。
 それでも俺は吹き飛ばれもしなければ、引き離されもしなかった。体表を這うようにしてナイツを走らせて、超至近距離(なにせ、このユーベルコードの間合いは三十セチしかないんだ)から斬撃を浴びせ続けた。
 なんなら、すべての鱗を剥がして丸裸にしてやってもいいんだが――
「おっと! これはヤバそうだ」
 ――俺はナイツのハンドルを切って急旋回し、魔獣から離れた。
 べつに敵の反撃を恐れたわけじゃない。
 物凄い勢いでテラのキャバリアが突っ込んできたからだ。
『『いっくぞぉーっ!』』
 テラが叫んだ。声が二重に響いたのは、キャバリアのスピーカーとナイツの通信機から同時に発せられたから。
「ヴォォォーッ!」
 負けじとばかりに魔獣も叫び、さっきと同じように体中の突起を発射させた。もちろん、標的はテラのキャバリアだ。
 しかし、キャバリアはいくつもの残像を空中に残してジグザクに動いて全弾を回避したばかりか、残像がまだ消えぬうちに魔獣に肉薄し、剣で斬りつけた。いや、斬り刻んだ。
「ヴァウゥゥゥゥーッン!」
 幾度目かの魔獣の叫び。さっきのは怒りによるものか痛みによるものか判らなかったが、今回は後者のような気がする。
 どこか哀れな鳴き声だったが、テラは攻撃の手を緩めたりしなかった。まあ、当然だな。俺がテラと同じ立場だったとしても緩めないだろう。
『おまえが砕くという星の力! 今こそ味わってもらおうか!』
 キャバリアが剣を槍に持ち替えて、魔獣の首の根本に深々と突き刺した。
 そして、その槍を離して急上昇し――
『メテオ・ブラストォーッ!』
 ――魔獣の体から突き出ている槍の石突きめがけて鋼の踵を叩き落とした。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
へーこの世界にもあるんだな、ハロウィン
捕ったばかりの魔獣を食べるってのも
確かに収穫祭っぽいかも
まずは魔獣を海へ還してやろう

戦闘
こんがり焼いちまえば簡単だけど
食材のためにも最小限にしとかないとな

火の矢と化し魔獣へ
折角だからかぼちゃの仮面を被っとく

一気に間合いを詰める
光線を爆炎の勢いで軌道を変えて避けたり
焔摩天&地獄の炎のバリアで受ける
詠唱時間が短いんならこんなモンだろ

たなびく炎の尾と
炎が生む気流とで
目眩まし&動きを鈍らせる

その機に大焔摩天として紅蓮の光刃で薙ぎ払い
天使核付近を切断&焼却し
魔獣の全身への血液供給を止めて仕留める

事後
鎮魂曲を奏でる
安らかに
これから美味しくいただかせてもらうぜ


備傘・剱
うふ、うふふふふ…
ハロウィンって、これだから、大好きなのよ
さぁ、今日も元気に逝ってみようか!

学生諸君、ご唱和ください
ドラゴン、肉置いてけ!
調理開始、発動!
そう、戦う技術も調理技術も、どちらも両立する事って、できるんだよ
本当に美味しい物が食べたいのなら、獲物に敬意を払い、ちゃんと自分で狩り、最後まで、そう、一切無駄にしない様、考えなくちゃね

考えよう、命のリサイクル、見つめよう、食の現実と大切さ
って事で、どこをどう仕留めていけば、安全かつ、無駄のない様にさばけるか、講義がてら、学生たちに教えていこう
ほら、冒険途中とかで狩った獲物を食べる時に便利だしね
オブリ飯、全開だぜ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



●木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)
「ヴゥオ゛ッ!? グヴェッ……ガッ……」
 でっかい体を折り曲げて、ドラゴン型の魔獣は咳き込むように血を吐いた。喉の下(どこまでが喉なのかよく判らない体型だけど)の辺りにテラのキャバリアの槍が突き刺さってる。柄の半分以上が見えなくなるほどに深く。俺がいる場所から確認できないが、穂先は背中を突き破ってるだろうな。
『俺がいる場所』ってのは学校船の甲板だ。仮装した子供たちが大騒ぎしてるよ。大騒ぎと言っても、ドラゴンに恐れをなして悲鳴や絶叫を響かせているわけじゃないぜ。そのドラゴンと対等に渡り合ってる猟兵たちにエールを送ってるんだ。それはもう楽しそうに。空飛ぶ船の上という点を除けば、UDCアースのハロウィンとたいして変わらない光景だな。
「うふ……うふふふ……」
 いや、船上というロケーション以外にも除くべきものがあった。
「うふふふふふふふ……」
 子供たちに混じって、不気味に笑ってる兄ちゃんだ。UDCアースのハロウィンにはこんなのはいないよな。もしいたら、通報されてる。
 その兄ちゃんの名は剱。俺と同じく、顔に傷が走ってる。そして、俺と同じく、猟兵だ。

●備傘・剱(絶路・f01759)
 JJが言ってた通り、食いでのある獲物だなあ。ハロウィンって、これだから大好きなんだよ。
 胃の腑からこみあげてくる食欲と歓喜を叫びに変えて、俺は口から吐き出した。
「さあ、今日も元気に逝ってみようか!」
「……絶対、『いってみようか』のところに変な字を使ってるだろ?」
 俺と同じく顔に傷のあるブレイズキャリバーの坊や――ウタがジト目で睨んできたけど、俺は気にせずに叫び続けた。
 今度は子供たちに向かって。
「生徒諸君、ご唱和ください!」
 そして、次はドラゴンに向かって。
「ドラゴン! 肉、置いてけー!」
 その声が聞こえたのか、ドラゴンはなにやら叫び返して……いや、吠え返してきたようだ。
 でも、俺には聞こえなかった。
 なぜなら――
「ドラゴン! にくおいてけぇーっ!」
 ――と、唱和する子供たちの声がそれをかき消してしまったから。うんうん。元気があってよろしい。
「なんか、ハロウィンとは違う感じの祭りになってないか?」
 ウタはあいかわらず呆れてるようだが、気にしなーい。
 俺は舷側に足をかけて、宣言した。
「調理開始!」
 そして、大空へと飛び立った。

●再び、ウタ
 剱がジャンプした。『飛翔』と呼べるレベルのジャンプだ。レッグガード付きの妙な靴を履いてるんだが、それによってジャンプ力を増強したのかもしれない。
「オブリ飯の神髄、見せてやるぜぇーっ!」
 おぶりめし? ……と、首を傾げている間に剱は着地した。いや、『着頭』と言うべきかな? 降りた場所は魔獣の頭の上だったんだから。
「ヴォォォォォーッ!」
 苛立たしげに首を振り回す魔獣。
 だが、剱は振り落とされる前に自分で飛び、翼から突き出てる牙のようなものを蹴りつけ、首の側面に飛び移り、更に肩に移動し、また頭の上に戻って……と、ノミのように巨体の上を跳ね回った。スローガンめいたことを叫びながら。
「考えよう、命のリサイクル! 見つめよう、食の現実と大切さ!」
 もしかしたら、この学校船の子供たちに向けてなにやら教え込んでいるつもりなのかもしれない。それが判ったのか、子供たちも先程までに比べると、ほんのちょっぴり真剣な顔をしてる。あくまでも『ほんのちょっぴり』だけどな。
「生徒諸君! 本当に美味しい物が食べたいのなら、獲物に敬意を払い、ちゃんと自分で狩り、最後まで……そう、一切無駄にしないように考えなくちゃね!」
 大声で(距離があるから、普通の声では届かないんだ)子供たちに語りかけながら、剱は動き続けた。さっきまでは跳ね回ってるだけだったが、今は違うぜ。鎚のところが鉤状になったハンマーを振るい、魔獣の体のそこかしこを攻撃してるんだ。
「肉、置いてけー!」
 本人にとっては攻撃ではなく、『おぶりめし』とかいう料理の前段階――獲物の解体のつもりなんだろうけど。

●再び、剱
 ドラゴンが体のあちこち(鱗の隙間だの突起の先端だの)から光線を次々と撃ち出した。体を揺するだけでは俺を倒せないってことが理解できたらしい。
 俺は足を止めることなく、光線群を躱したが、愛用のハンマー『ワイヤーワークス』を振るう手のほうは止まっちゃった。
 だけど、なんの問題もない。
 新たな攻撃手であるウタが学校船から飛び出してきたからね。大砲の弾か火の玉のごとく、ズドーンって!
 いや、大袈裟な表現と思うなかれ。『ごとく』と言ったけど、本当に火の玉になってるんだよ。地獄の炎で全身を包み込んで。
「こんがりと焼いちまえば、簡単だけど――」
 ウタの声は少しばかりくぐもっていた。炎のせいで見え難いが、カボチャの仮面を被っているらしい。内側だけじゃなくて外側までもが燃えてるジャックオーランタン。
「――食材のためにも最小限にしとかないとな」
 その通り。ベリー・ウェルダンはシェフ殺し。火加減には注意しないと。
 しかし、ドラゴンのほうは火加減などお構いなしとばかりに――
 「ヴォォォォォーッ!」
 ――最大火力って感じのぶっとい光線を口から吐き出した。こいつを食らったら、さすがのウタも地獄の炎ごと消し飛んでしまうだろう。
 もちろん、食らわなかったけど。
「ブルーアルカディアにもハロウィンがあるなんて意外だったけど……よくよく考えてみると、そうでもないな」
 ウタは地獄の炎を横に噴き出して、光線を回避した。最初に『火の玉』と言ったけど、火の粉を散らして自由に飛び回る様は『火の鳥』に例えるべきかもね。
「そうでもないと思った理由は?」
「だって、ハロウィンの起源は収穫祭みたいなもんなんだろう」
 俺の問いに答えつつ、ウタはドラゴンに肉迫した。
「作物の収穫ならぬ魔獣の収獲を生きる縁にしているブルーアルカディアにはぴったりの祭りじゃないか!」
 ドラゴンを『収獲』すべく、大きな鉄塊剣を一振り。炎を帯びた分厚い刃が水平に走り、ドラゴンの胸をざっくりと斬り裂いた。
「……ッ!?」
 ドラゴンが口を大きく開いたけど、そこから吐き出されたのはさっきの光線でもなければ、おなじみのヴァ行の咆哮でもなく、巨体に似合わぬか細い呻き。
「美味しくいただかせてもらうぜ」
 ウタがドラゴンにそう言った。
 たぶん、獲物への憐憫と敬意を込めて。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

敵を狩り…そして食う…か…この世界の人々は逞しいね…
ともかく子供達とハロウィンの為にも…
行くぞ…ワタシは処刑人だ…ッ!

【御伽の国の処刑人】で赤装束の鎧に変身し
子供達を[おどろかして]空へと舞い[空中戦]で敵と相手しよう

[オーラ防御]を身に纏い
敵の攻撃が飛行艇に当たらぬように飛び回り
攻撃を[見切り]つ避けよう

鉄塊剣を抜き振るい
硬い鱗で覆われた外皮を[鎧砕き]で打ち砕き
[部位破壊]で爪や翼を[切断]
さらに[鎧無視攻撃]で胸部目掛けて[串刺し傷口をえぐり]
心の臓を突き刺し止めを刺してやろう…!

仕留めたら鉄塊剣と妖刀を振るい[解体]してゆこう…

…食べれるんだ…これ…
…そして食うんだ…これ…


ユーフィ・バウム
強敵を食材に
ふふ、森での生活を思い出しますね
血が滾るというものです

キャバリアに搭乗して戦います
ハロウィンですしね!ぴかぴかナイトですよ!

培った【戦闘知識】、天性の【野生の勘】を生かし
敵の動き、打ち込めそうな場所などを把握
あとは【勇気】を胸に【ダッシュ】で突っ込みますっ

竜の攻撃に対し自慢の【オーラ防御】を
浴びせるようにぶつけ、体勢を泳がせますよ
機体も私同様【怪力】ですから!

体勢が泳いだところに至近距離に迫り、【功夫】を生かした
【鎧砕き】の打撃を打ち込み

動きが止まったら、上を取り、
敵の直上から私自身を射出
最後は己の肉体で――《トランスクラッシュ》。

全オーラを込めたヒップドロップで頭部を粉砕ですっ!



●仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)
「あれ、食べられるんだ……」
 胸を斬り裂かれて悶絶している『あれ』を学校船から眺めながら、私は思わず呟いた。
 ふと横を見ると、仮装した子供たちがやんややんやと大喝采している。中には気の早い子もいて、『いただきまぁーす!』などと叫んでいたりして。
「やっぱり、食べるんだ……」
「ヴォォォォォーッ!」
 二度目の呟きに『あれ』こと魔獣の怒号が重なった。呻き声しか出せないような状況から回復したみたい。とはいえ、まだまだ苦しそう。たぶん、ウタはただ斬り裂いたのではなく、天使核を攻撃して血の循環を停滞させたんだと思う。
『はっぴー・はろうぃーん!』
 怒号に続いて響いたのはスピーカー越しの大音声。
 そして、声の主であるユーフィが降下してきた。いえ、正確に言うと、ユーフィが操縦するキャバリアが降下してきた。きらきらと輝く白いキャバリア。
 子供たちは再び大喝采。どこの世界の子供もロボットが大好きだね。
 さて、私もそろそろ出撃しよう。ロボットの類は用意してないけど、子供たちに大声をあげさせる自信はある……かな?

●ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)
 剱さんたちの猛攻によって、ドラゴン型の魔獣は傷だらけになっています。きっと、飛んでるのもやっとという状態でしょう。
 にもかかわらず、目を爛々と光らせて、わたしが駆る『ブライト・ナイト』を睨みつけています。
 凶眼とも呼ぶべき眼差しを前にして、わたしは体の震えを抑えることができませんでした。もちろん、武者震いですよ? 食らうために強敵を倒すのは久しぶりです。血が滾りますね。
『死が来るぞ……さあ、踊れ……死から逃れることはできなぁーい!』
 ……あら? ブライト・ナイトの集音センサーが奇妙な声を伝えてきました。
 声の発生源である学校船を後部モニターで確認。
 そこでは奇妙な光景が繰り広げられていました。風変わりな赤い鎧を着込んだ怪人が拷問具とも大剣ともつかぬ得物を振り回し、子供たちがきゃっきゃと逃げ惑っているのです。『きゃっきゃ』という言い方からも判ると思いますが、子供たちは本気で恐れているわけではありません。怪人のほうも害意は持っていないでしょう。たんに驚かそうとしているだけ。
 しばらくして、わたしは気付きました。
 その怪人の正体がアンナさんであることを。

●再び、アンナ
 ハロウィンなので、子供たちにサービスしてみたのだが……まさか、ここまでウケるとはな。
 サービスしている側としてもなかなか楽しい。しかし、いつまでもじゃれあっているわけにはいかない。仕事を済まさないと。
 そう、処刑人の仕事を。
「……行くぞ!」
 騒ぎ続けてる子供たちを甲板に残して、ワタシは飛び立った。行使中のユーベルコード『御伽の国の処刑人(ドレスアップ・デスパレード)』が生み出す効果は赤い甲冑姿に変身することだけではない。空も飛べるようになるのだ。
「ヴゥ゛ヴォ゛ーッ!」
 魔獣が吼えた。ワタシの姿に気付き、戦いの雄叫びをあげたのかもしれない。
 しかし、ワタシに攻撃を仕掛けることはできなかった。
 ユーフィのキャバリアが間合いを詰め、行く手を阻んだからだ。
『目の前にいる私のことを無視しないでください!』
 キャバリアの全身からオーラが放射された。煌々と輝くその光は、まるでスピーカー越しの大音声が視覚化されたかのよう。
「ヴァオォォォーッ!」
 対抗するかのように魔獣が無数の飛び道具を放った。体から生えている牙状の突起だ。『無数』とは言ったが、数と迫力は往事のそれに及ばない。オーガストに何本も切り落とされているからな。
『そんなものは通用しませんよ!』
 ユーフィの言葉通り、牙の群れは通じなかった。標的たるキャバリアに届く前にオーラに弾き飛ばされたのだ。
 そして、オーラは牙を退けた後も広がり続けて魔獣にぶつかり、巨躯を泳がせた。
 その隙にユーフィのキャバリアは更に間合いを詰め、キャバリアらしくレーザーだのミサイルだのを――
『えい! やあ! とぉーっ!』
 ――撃ち出すかと思いきや、力任せに何度も殴りつけた。よく見ると、両の拳には殴打用の籠手が装着されている。ユーフィは肉弾戦が得意な娘なのだが、キャバリアに乗ってる時でも戦い方は変わらないらしい。
『殴るだけで終わると思ったら、大間違い!』
 キャバリアが攻撃を中断し、胸を突き出すようなポーズを取った。
『とっておきの一撃もプレゼントしますよ!』
 そして、コクピットのハッチが開放され、銀髪の少女が……そう、操縦者たるユーフィが飛び出してきた。

●再び、ユーフィ
 わたしはムササビながらに滑空し、ドラゴンの頭めがけて――
「トランスクラァーッシュ!」
 ――お尻からドーン!
 傍目には尻餅をついたかのように見えるかもしれませんが、歴としたヒップドロップですよ。
「わざわざ生身で攻撃する必要があったのか? キャバリアで普通に殴り続けたほうが効率的だと思うんだが……」
 そんなことを言いながら、アンナさんが横を通り過ぎていきました。
 キャバリアでの攻撃のほうが効率的かどうかはさておき、ヒップドロップはかなり効いたようです。
 それでも、ドラゴンはまだ息耐えてはおらず――
「ヴォォォーン!」
 ――忌々しげに吠えながら、頭をぶんぶんと振り回しました。
 でも、わたしにはなんの影響もありません。ブライト・ナイトが差し出してくれた掌に飛び移って、腕を伝って走り、コクピットに戻りましたから。
 操縦席にお尻を納めて、ドラゴンの様子を改めて確認。もう首を振るのはやめて、体を仰け反らせています。大きく息を吸い込んで、力を溜め込むかのように。
 そして、上体を前方に振り戻し、口から光線を発射!
 目標は私ではなく、アンナさんのようです。しかし、彼女さんはジグザグに飛び回り、それを回避しました。
「巨大なるオブリビオンよ。その肉で、血潮で、臓物で――」
 回避から攻撃に移行。一直線にドラゴンへと突っ込んでいく姿は赤い槍のようです。
「――皆の腹を満たしてくれ」
 槍と化したアンナさんはドラゴンの右脇を通過しました。例の拷問具とも大剣ともつかぬ奇怪な武器を横腹に叩きつけ、何枚もの鱗をまとめて砕きながら。
 すぐに反転し、今度は後ろから前に左脇をかすめて通過。もちろん、鱗を砕いています。
 突撃、離脱、また突撃……そのサイクルを何度か繰り返した後、アンナさんは正面からドラゴンに突っ込み、通り過ぎることなく、奇怪な武器を腹部に突き立てました。刀身(と言うにはあまりにも異形な代物ですが)全体が体にめり込むまで。
「……っ!?」
 声になってない声を発し、ドラゴンは体を痙攣させました。
 その痙攣が収まると同時に翼も動きを止めましたが、傷だらけの大きな体が雲海の底に消えたりはしませんでした。
 わたしのブライト・ナイトとテラさんのキャバリアが受け止めましたからね。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『青空教室』

POW   :    実践的に教える

SPD   :    感覚的に教える

WIZ   :    論理的に教える

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幕間
 学校船の甲板は厨房の様相を呈していた。
 大きな鍋が火にかけられ、鉄板が熱せられ、解体されたスターブレイカーの肉や臓器が山のように積み上げられている。
『山』という例えは決して大袈裟なものではない。スタブレイカーは巨大だったので(なおかつ、猟兵たちは可食部分が多く残るように気をつけていたので)食材にできる部位もまた多かった。しかも、甲板にあるのは一部だけだ。乗り切らない分は舷側からワイヤーで吊るされている。
「食べ尽くせないほどの材料がありますから、なにを作るのか迷ったのですが……とりあえず、心臓のシチューと腎臓のパイとドラゴン・ステーキにしますね」
 翼を持ったスケルトンの女教師が猟兵たちにパーティーのメニューを告げた。もちろん、本物のスケルトンではなく、髑髏の覆面を被ったエンジェルである。
「皆さんもぜひ召し上がっていってください」
 勧められるまでもない。
 猟兵たちの胃袋は既に戦闘態勢を整えていた。


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●JJからのお知らせ

 第2章はパーリータイム! 糧となったスターブレイカーに感謝を込めて、子供たちと一緒にがつがつもりもり召し上がっちゃってくださいなー。
 髑髏エンジェルの教師が挙げたメニューはほんの一例だ。他の料理もあるかもしれないし、オリジナルな料理を自分で作るのもいいかもな。
 子供たちに色々と教授して先生気分を味わうこともできるが、選択肢とかは気にせずに食うことだけに専念してくれてもOKだぜ。
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仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

うわぁ…なんだかすごい事になったな…
やっぱりみんなこれを食べる気満々だ…タフだなぁ…
ともかくお腹が空いたな…せっかくだし頂こう…

【ブレイズフレイム】で地獄の炎を利用して肉を焼こう
細剣に突き刺した肉を炎で炙ってこんがりと焼き上げよう

熱っ…美味……焼いただけでも美味しい……あちっ…

焼きあげた肉を子供達にも分けようね…
焼いた肉以外の料理も色々食べて見よう…

…余すことなく食材を食べ尽くす…か……
この蒼穹の世界で生きる為に必要な知識と技量だ…
子供達の生きる為に食う姿をしっかり見つめよう…
そして彼らの将来の無事を[祈る]としよう…

…あ…シチューのお代わりいいかな…?


テラ・ウィンディア
よし!料理の時間だな!
中々色々あるが…とりあえず…ドラゴンの胃腸はもつ鍋にするか!
東洋の味噌と香辛料を使って味付けするぞ
やっぱりコリコリしているが旨味が生きてるぞ
恐ろしいドラゴンだが…美味しいんだな…!
後はお肉はやっぱりステーキと…今回はフライにもするぞ
UCで魔術や属性攻撃を利用して火力は調整するぞ!

出来たの
もつ鍋(味噌ベース
フライ(チーズと梅干の切れ端をトッピング
唐揚げ(さめても美味しい
御飯(おかずの共

パン
黒パン
きなこパン

デザート
バニラアイス
きなこもち

と言う訳で色々ご飯を提供だ
おれも他の人が作ったのとか色々食べちゃうぞ
存分にその美味しさを語る(アドリブOK

後は子供達と遊び倒すぞー!


オーガスト・メルト
…当り前だが竜肉の料理ばかりだな。
『うきゅー』『うにゃー』『チチッ』
まぁ、さすがにお前たちに共食いさせるつもりはないから安心しろ。

【WIZ】連携・アドリブ歓迎
UC【竜帝の宝物庫】に他の食材を大量に収納して持ってきてるから、それを提供して調理してもらおうか。
グリードオーシャンの魚介類にサムライエンパイアの野菜、ヒーローズアースの加工食品に…
UDCアースの家畜肉類とスイーツもあるぞ。
酒?俺は酒の味も匂いも知覚できないから持ってきてないな。

提供する食材の代わりと言ってはなんだが、骨なんかの食べられない部位があったら回収させてもらいたいな。
武具の素材は多くても困らないし。



●オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)
「はらへったよー」
「ごはん、まだー?」
「ごちそう、ごちそう、ドラゴンのごっちそぉー♪」
「はやく食べさせてくれないと、イタズラしちゃうぞー」
 子供たちはあいかわらず元気いっぱいだ。いや、あいかわらずどころか、俺たちの戦いを応援してた時よりもテンションが上がってるような気がする。
 逆にテンションが低い奴もいた。
 アンナだ。
「なんだか、凄いことになったな……」
 口元を苦笑いで歪めて、彼女は横に目をやった。
 そこに積み上げれているのは、食材と化したドラゴンのなれの果て。
「よし! 料理の時間だ!」
 テラが叫んだ。子供たちと同じくテンション高めだ。
「いろいろあるが、どれにしようかなー?」
 大きさも形状も常識の範疇外にある臓物の山へと近付いていく。御馳走の用意をする料理人というよりも、戦いに臨む剣闘士のような(案外、どちらも似たような存在なのかもしれないが)力強い足取りで。
 そして――
「この胃と腸を使わせてもらおうか!」
 ――キャバリアを操っていた時と変わらぬ豪快さで以て料理を始めた。
 騒いでいた一部の子供たちがその周囲に集まっていく。見物や手伝い(それにつまみ食いも?)をするためだろう。
「あの代物を食べる気満々だ……皆、タフだなあ」
 アンナが言った。口元に浮かんでいるのは、もう苦笑いじゃない。穏やかな微笑だ。
「まあ、ともかく、私たちも頂こうか。お腹も空いたことだし……」
「そうだな」
 アンナの言葉に俺は頷いた。
 すると、周りにいる連中が大声で喚き出した。
 言っておくが、その『連中』ってのは子供たちのことじゃないぞ。

●仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)
「うきゅー!」
「うにゃー!」
 オーガストの周囲がなにやら騒がしくなったと思ったら……団子に羽と尻尾を付けたような二匹の生物が彼の傍を飛び回りながら、悲痛な声で鳴いていた。一匹は白で、もう一匹は黒。白いほうはドラゴンとの戦闘の時に盾で攻撃を防いでいた子ね。
「落ち着けよ。おまえたちに共食いをさせるつもりはないから」
 オーガストが二匹を宥めてる。『共食い』と言うからには、この団子モドキたちもドラゴンの一種なのな?
「ほら、ナイツ。おまえに預けてた物を出すんだ」
 オーガストの指示を受けて、黒いほう(戦闘時にオーガストが乗っていたバイクはこの子が変身した姿だったみたい)が空中で体をぶるぶると震わせた。
 すると、甲板に様々な食材が落ちてきた……というか、異空間から出現した感じね。
「これって、収納系のユーベルコード?」
「そんなところだ」
 私の問いに頷いて、オーガストは食材を見回してチェックした。
「グリードオーシャンの魚介類にサムライエンパイアの野菜にヒーローズアースの加工食品、それにUDCアースの家畜肉類やスイーツも持ってきた。ないのは酒くらいかな……おい、テラ」
「うん?」
「よかったら、この食材も使ってくれ」
「任せとけーい」
 オーガストが持参した各世界の食材をテラは手早く切り刻み、あるいはちぎり、あるいは捌いて、鍋に投入した。学校船の先生が大きな鍋でシチューを作ってくれているんだけど、テラの鍋はそれとは別物。黄土色の汁の中でドラゴンの胃腸が野菜と一緒にぐつぐつと煮られている。
「このスープ、なんでこんな色しているの?」
 子供の一人が尋ねると、テラは自慢げに答えた。
「味噌という発酵食品を使ってるからだ。他にも東洋の香辛料をいろいろと入れておいたぞ。おまえたちには馴染みのない味付けかもしれないが、きっと気に入ってくれると思う」
 子供たちはどうか知らないけど、私は気に入った……うん、いい香り。
 さて、私も料理してみようかな。
 料理といっても、焼くだけだけど。
 自前の炎でね。

●テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)
 アンナが剣を抜いて、肉の塊を串刺しにした。スターブレイカーをコテンパンにやっつけた拷問具(テツノショジョとかいうやつ)みたいな剣じゃなくて、普通のレイピアだ。
 それから肉を炎で炙り始めたんだけど、そっちは普通の炎じゃない。指先にちょこっと傷をつけて、地獄の炎を噴出させたんだ。
「ブレイズキャリバーならではの料理法だな」
 オーガストが感心してる。子供たちも『おー!?』と声をあげて、アンナの姿に見入ってるな。
 やがて、アンナは肉を焼き終えた。
 おれの料理も完成。味噌ベースのモツ鍋の他、カツと唐揚げもつくったぞ。カツには、チーズと梅干しの切れ端をトッピングしておいたし、オーガストの食材もいろいろと使わせてもらった。
 そして、ご飯! これがあれば、唐揚げの美味力は一万倍にアップ! 米食に慣れてない奴のためにパンも持ってきたぞ! 普通のパン、黒パン、きなこパン! もちろん、デザートも忘れてない!
 ふっふっふっ、我ながら完璧な布陣だ。食べる前から勝利が約束されているな。
「いっただっきまぁーす!」
 と、子供たちが唱和して、がつがつと料理を食べ始めた。
 もちろん、おれも食べ始めた。まずはいちばん力を入れたモツ鍋……うん、思っていた以上に美味い! コリコリとした食感のモツに旨味がしっかりと染み込んでるぅ!
「……あちっ!? でも、美味しい。ただ焼いただけなのに……」
 お? アンナも地獄焼きを堪能中か。人が食べてるのを見ると、自分の欲しくなるんだよな。
「その肉、おれにも分けてくれないか」
「どうぞ」
 アンナが切り分けてくれた肉におれはかぶりついた。うわっ!? 確かに熱い! さすが、地獄焼き! でも、美味い! 一噛みする度に肉汁がジュワッと染み出してくるのがなんとも……。
 周りからも『あちっ!』だの『うまっ!』だのという声が次々とあがった。アンナが子供たちにも肉を配ったんだ。俺のモツ鍋を食ってる子供も結構いる。味噌を気に入ってくれたらしく、全員がにこにこ顔だ。
「この唐揚げもイケるな」
 と、オーガストが誉めてくれた。
 その両隣では例の丸っこい二匹のドラゴンだか団子だかも楽しそうに料理を頬張ってる。もっとも、それらの中にスターブレイカー料理は含まれてない。
 やっぱり、共食いは嫌なのかな?

●幕間
「ああ……」
 地獄の炎で焼かれた魔獣の肉をゆっくりと味わって咀嚼し、至福の心持ちで嚥下した後、テラは感慨の吐息を漏らした。
「あんなにも恐ろしい姿をしていたドラゴンが……こんなにも美味しいとはなあ!」
「うん」
 小さく頷いて、アンナは子供たちを見た。
 巨大な魔獣を余すことなく食い尽くさんとしているにもかかわらず、彼らや彼女らの姿からは貪欲さや浅ましさは感じられない。そこにあるのは逞しさだ。この蒼穹の世界で生きるために必要な知恵と技量に裏打ちされた逞しさ。
(「どうか、この子たちの将来が無事であるように……」)
 アンナは心中で祈った。どの子供も今日は騒がしい観戦者に過ぎなかったが、いずれは自分の力で魔獣を狩らなくてはいけないのだ。命を賭けて。
「ところで――」
 オーガストがアンナに声をかけ、まだ調理されていない食材の山に向かって顎をしゃくってみせた。
「――骨だの牙だのといった食べられない部位があったら、貰ってもいいのかな?」
「いいんじゃない。でも、なんに使うの?」
「武具の素材にさせてもらう」
 彼もまた獲物を余すことなく活用するつもりらしい。
「さてと!」
 テラが立ち上がった。
「腹ごなしに子供たちと遊び倒すぞー! アンナもつきあうか?」
「後でね。今はシチューを食べたい」
 アンナは皿を手に取り、ぐつぐつと音を立てている鍋へと向かった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
ふむ、狩ったからには、次は料理方法も、という所だな
シンプルに焼くのは当然として、栄養バランスも考えなきゃ、旅は続けられないのは、自明の理という奴だ

と言うわけで、突然始まる遺跡酒場流野生クッキング教室~…と、まぁ、皆、食べられる植物や、何やらは知ってると思うから、野外で役立つ調理方法、あと、調理手順を教えていこうか

辛い冒険も、美味しい料理があれば、大抵の事は乗り越えられるってなもんだ
にしても、逆に俺も教えてもらえそうなこっち流儀の調理方法もありそうだから、こっそり教えてもらお

やっぱり、シンプルに焼いて塩振って、皆で食べるドラゴン肉は美味しいという結論になるだろうなぁ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


木霊・ウタ
心情
ついさっきまで猛々しかった命が食材に

命ってものを
子供達はきっと肌身で感じている
命に感謝するパーティタイムと行こうぜ

行動
ハッピーハロウィーン!
引き続き南瓜の仮面

パーティには音楽がつきもの
仮面から火を噴き出しながら
ギターで賑やかに演奏

ちょいと盛り上がったら
演奏をJJにバトンタッチ

JJに負けないように沢山喰うぜ

シチューにキドニーパイ
そしてステーキと一通り喰う
野性味あふれるカンジがいいぜ

一通り喰ったら演奏を交代
涎が止まらなくなってるだろうし

食材もたっぷりだけど
あんま喰いすぎんなよ、JJ

子供たちの楽しそうな笑顔や表情が
猟兵として一番のご馳走かもな
感謝と
この子らが創って行く未来へ祝福を込めて演奏


ユーフィ・バウム
打倒した強敵を食するのは森を思い出します
というわけで、これこそ森の蛮人の本当の姿!
とにかく、いただき!ますっ!

【大食い】の私です、食べきれないほどの食材望むところ
生!と言いかけますが文明人にもなってますので
焼いたものですが豪快にガブリつきましょう

うん、ジューシーでパワーがさらに漲るというものです
勢いづいて調理にも挑戦です
溢れる野生で以て《ディープトランス》!
論理的な調理方法ではないかもしれないですが
何故か美味しい料理ができたりするからびっくりなのですね

たっぷり食べつつ、皆さんと歓談していきましょうか
この世界のこと、これからの戦いのこと
まだこの世界の戦いは長そうですが、きっと私達は勝ちますとも!



●備傘・剱(絶路・f01759)
 何人かの子供たちは食事を終え、わーわーきゃーきゃーと大声をあげて、テラと一緒に走り回ってる。鬼ごっこの類で遊んでるんだろう。鬼役の子は『にくおいてけー!』なんて言ってる……ヘンなブームを定着させちゃったかな?
 耳に入ってくるのは子供たちの元気な声だけじゃない。
 さっきからギターの陽気な旋律が流れてるんだ。
 演奏者はカボチャ頭の怪人。両目と口に相当する三つの裂け目から炎が漏れて、ちろちろと揺らめいてる。言うまでもないだろうが、正体はウタだよ。
「倒した敵をこうやって食していると、森で生きていた頃を思い出します」
 ウタの演奏に合わせるようにして体を揺らしながら、ユーフィが魔獣の骨付き肉にがぶりと食らいつき、もぐもぐと貪り、あっという間にただの骨に変えた。
「いい食べっぷりだな」
 ギターを弾き続けながら、ウタが言った。カボチャの仮面のせいで表情は見えないが、笑顔になっているのは声の調子で判る。気のせいか、目のところの炎も波形に見えるし。
「はい。これこそ、森の蛮人の本当の姿です!」
 ユーフィは薄い胸を張ってみせた。
 そして、また新たな骨付き肉を手に取り、がぶり&もぐもぐ。この娘の胃袋って、オーガストの収納系ユーベルコードとタメを張れるくらいの容量があるんじゃないか?
「じゃあ、俺も食うとするか。でも、音楽がないと寂しいから……おい、JJ」
 ウタはカボチャの仮面を脱ぎ、グリモア猟兵のJJ(戦いが終わった後、ちゃっかり乗り込んできたらしい)に声をかけた。
「俺の代わりに演奏を頼む」
「おう! 任せろーい!」
 JJが演奏を始めた。ウタの楽器はギターだったが、JJのそれはツィターだ。
「でも、俺がBGM係をやってる間におまえさんたちが料理をたいらげちゃうとかいうオチはなしにしてくれよな」
「こんなに沢山の料理を食い尽くせるわけないだろ。杞憂もいいところだぜ」
 ウタは苦笑を浮かべて、かぶりを振ってみせた……が、その苦笑が少しばかり強張った。たぶん、かぶりを振った拍子にユーフィの姿がまた視界に入ったんだろう。
 ユーフィは新しい骨付き肉を食べていた。それが何個目か判らないけど、足下に転がってる骨の数から判断する限り、二桁に達していることは間違いないね。
「……やっぱり、杞憂じゃないかも」
 ウタは静かに訂正した。

●ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)
「まずはこのパイからいってみようか」
 ウタくんはなにやら呆然としていました(どうしたんでしょうね?)が、気を取り直したらしく、三角形に切られたパイに手を伸ばしました。学校船の先生によると、魔獣の腎臓と肉を細切れにして詰め込んだパイなのだとか。私はまだ食べていませんが、とても美味しそうに見えます。
「いただきます」
 パイに囓りつくウタくん。リスのようにほっぺたを膨らませて、もぐもぐもぐもぐ……その顔が笑み崩れていくのに時間はかかりませんでした。
 訊くまでもないとは思いますが、念のために確認しておきましょう。
「お味はどうですか?」
「うん! うまい!」
 口の中のものを飲み込み、ほっぺたを通常サイズに戻して、ウタさんは力強く頷きました。
「なんていうか、野性味あふれる感じだな。食材がめちゃくちゃ新鮮だから、さっきまで生きてた命をいただかせてもらってることが身にしみて……いや、胃にしみて実感できるぜ。改めて、魔獣に感謝だ」
 なるほど。この骨付き肉を口に含む度になんとなく懐かしい気分になっていたのですが、それは野性味があふれていたからなのですね。
 手を加えずに生のままで食べたら、もっと野性味が感じられそうですが……文明人の皆様が不快になられるかもしれませんから、自重しましょう。でも、生で食べるお肉というのも美味しいんですよ? 機会があったら、お試しください。
 そんな私の心の声が聞こえたわけでもないでしょうが――
「はい、ちゅーもく! 遺跡酒場流野生クッキング教室が始まるよぉーっ!」
 ――と、剱さんが子供たちに呼びかけました。『遺跡酒場』というのは旅団の名前でしょうか。
「野生クッキングといっても、食べられる植物やらなんやらは皆も知っているだろうから、野外で役立つ調理法を教えようかな」
 興味津々といった様子で集まってきた子供たちに対して、剱さんは語り出しました。
「美味い料理をつくる術を知っておいて損はないよ。将来、君たちも空に飛び立ち、いろんな島を巡ったりするだろう。辛いことも体験するだろうが、美味しい料理があれば、大抵の事は乗り越えられるってなもんだ」
 そうですよね。美味しい料理の力は偉大です。

●木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)
 腎臓のパイの次は心臓のシチュー。
 これがまた絶品! ドラゴンの心臓の食感は独特で癖になる。ほどよい弾力がありながら、さして力を入れなくてもサクッと噛み切れるんだ。一緒に煮込まれた野菜との相性も抜群。生きてる時は誰との相性も悪そうな輩だったのにな。
 そうやって俺が御馳走を食らっている間も剱のナントカ流野生クッキングとやらは続いていたけども――
「あのねー。これっくらいの大きさの鳥型の魔獣はねー、こういう風にすればねー、上手く血抜きできるんだよー。お爺ちゃんがそう言ってた」
「なるほど、なるほど。その種の魔獣を狩る機会があったら、試してみようかな」
 ――いつの間にか、剱のほうが子供たちにブルーアルカディア流の調理法を教わってる。
 教師と先生の区別が曖昧なその料理教室に触発されたのかどうかは判らないが、ユーフィもなにか作り始めた。もちろん、その『なにか』ってのは料理のはずなんだが……料理を作っているんじゃなくて、狩りか戦いの鍛練を積んでいるようにも見える。
「えい!」
 と、天を衝くような気合いを発して、ドラゴンの肉を手刀でブッた切ったりしてるんだから。そう、手刀でだ。
「……包丁、貸そうか?」
「いえ、いりません」
 ユーフィは剱(さすがにちょっと引き気味になってる)の申し出を断り、今度は肉に拳を叩きつけた。
「文明の利器を使うわけにはいかないんです。野生を縛りつけている理性を捨て去ることによって、このユーベルコードは力を発揮するのですから」
 よく判らないが、ユーベルコードを使っているらしい。
 で、なんやかやの末に具だくさんの汁物が完成した。なんというか……見た目のインパクトが強烈な代物だ。
 だけど、子供たちはこの手の料理も見慣れているのか――
「いただきまーす!」
 ――ダッシュして群がっていく。
「ウタくんもどうぞ」
 汁物を椀によそい、ユーフィが差し出してきた。
「う、うん」
 俺はそれを受け取り、おっかなびっくり口をつけてみたが……意外と美味い! いや、『意外と』なんて言うのは失礼だけど、とにかく美味い。さっきのパイ以上に野性味みたいなものが感じられる。理性なくしては使えないとかいうユーベルコードの効果なのかな?
 子供たちの約半分も『おいしー!』と声をあげている。残りの半分は不満を抱いてるわけじゃないだろう。食べるのに夢中になって、声が出せないだけ。
「お気に召していただけたようでなによりです」
 自称『森の蛮人』は嫌味のないドヤ顔を見せた。

●終幕
「お姉ちゃんたち、これからもいろんな島に行くんでしょ。そんでもって、屍人帝国や魔獣たちと戦ったりするんだよね」
 子供の一人がユーフィたちに語りかけた。その目はきらきらと輝いている。羨望と尊敬の光。
「僕も大きくなったら、一緒に戦う! だから、それまで負けないでね!」
「負けませんとも!」
 自分の胸を拳を叩くユーフィ。
 その様子を剱が微笑ましげに眺めていた。ユーフィの作ったワイルドな料理を味わいながら。
「これ、美味いなあ。我が遺跡酒場流野生クッキング教室の料理と良い勝負だ。それにアンナの地獄焼きやテラのモツ鍋も美味い。しかし、まあ――」
 ユーフィへと向けていた視線をぐるりと巡らせる。
 どこを見ても、そこには楽しげに語り合う者や飲み食いする者たちがいた。
「――なんだかんだ言っても、シンプルに焼いて塩振って、こうやって皆と一緒に食べるドラゴンの肉がいちばん美味いわな」
「でも、その『皆』の中に俺が含まれてないぞー!」
 と、叫んだのはJJ。料理を一口も食べることなく、律儀に演奏役を務めていたのだ。ツィターの調べに妙な音が混じっているが、それは腹の虫が鳴る音である。
「ねえ、もう食べていいよね? 食べていいよね?」
「ああ、いいよ。演奏は俺が引き継ぐから」
 苦笑しながら、ウタが再びギターを手にした。
「でも、食べ過ぎんなよ」
「んにゃー!」
 ウタの忠告に餓獣の咆哮を返し、料理に突撃していくJJ。
 おあずけを食らっていた犬(ケットシーだが)を思わせるその姿を見て、子供たちが一斉に笑った。
「シンプルに焼いただけのドラゴン肉も確かに美味かったけど……この楽しそうな笑顔こそ、猟兵にとって一番の御馳走かもな」
 そう言うウタ自身も楽しげに笑っていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月05日


挿絵イラスト