帝竜の消えた世界で~お化けカボチャと大樹の新芽
10月も後半に差し掛かり、各世界でハロウィンに纏わるイベントの準備が進む昨今。
剣と魔法と竜の世界、猟兵達から『アックス&ウィザーズ』と呼称される世界の各所でも、その準備が進んでいた。
アックス&ウィザーズに於いては、ハロウィンとは収穫祭の時期である。
今年一年で得られた恵みへの感謝と、また次の一年の豊穣を祈る。
この世界の人々にとっては、この時期はそんな季節であるのだ。
(今年も、もうそんな季節となりましたか)
そんな季節の訪れを肌で感じ、壮麗なその建物を見上げる鴉の濡れ羽の様な艷やかな黒髪の尼僧がほうっと息を吐く。
ここは、『遺跡都市ヴェルニス』にある『シャルムーン神殿』。尼僧はその神殿に仕える神官の一人である。
(思えば、昨年に続いて今年も色々とありましたね……)
久々に帰ってきた懐かしい地に記憶が刺激されたのか。また一つ、過去を思って息を吐く。
群竜大陸での絶体絶命の危機。辺境地域への派遣。そしてその地で邂逅した、大天使を名乗る存在との死闘。思い起こせば、様々な出来事があった。
そのどれもが得難い経験ではあったが……もう一度経験したいかと言われれば。
(……正直に言えば、遠慮したい所ですね──おや?)
小さく一つ、苦笑を零し。直後、自身を呼ぶ声に尼僧が振り返る。
振り返ったその先にいたのは、久々に逢う彼女の同期の尼僧である。
「お久しぶりですね。どうしたのですか、そんなに慌てて?」
尼僧が指摘する通り、同僚は随分と慌てていた。肩を上下させる程に息を大きく乱し、顔には珠のような汗を浮かべる程である。
一体何を慌てているのか。事情を尋ねれば……。
──『豊穣の魔法具』が、足りないのです。
返されたその答えに、事の重大さを理解するだろう。
『豊穣の魔法具』。収穫祭で使われる、神具の事である。
使われるのは、ヴェルニス近郊にある天を衝くような大樹に生える、最も若い新芽である。瑞々しい生命力に溢れたその新芽を触媒とした魔法具こそが、収穫祭に不可欠な神具であるのだ。
……だが、足りない事が判っているのなら補充をすれば良いだけの事。場所も判っているのだし、尚更の事である。
誰もがそう思うだろうが……事はそう、簡単にはいかないらしい。
──どうやら、大樹が何かに蝕まれているようでして。
同僚のその言葉に、尼僧も眉を潜ませる。
冒険者は、と続けて問えば。既に何度か派遣したが、その誰もが命からがら逃げ帰るので精一杯であったとか。
大樹に一体何があったのか、その原因は定かではない。だがヴェルニスでも手練の冒険者達が手も足も出ないとなると、最早万策尽きたと言っても過言ではない状況である。
そんな時、同期の仲で術も護身の腕も立つ尼僧の姿を見て……同僚は藁をも縋るといった思いで声を掛けてきたようである。
「そうは言われましても、うぅん……」
なんとかならぬだろうか? と縋られながら、尼僧も悩ましげに首を傾げる。
力にはなりたい。と言うより、神具が無ければ収穫祭が成り立たぬのだからこれは是が非でも何とかせねばならぬ案件だ。
だが、手練の冒険者ですらどうにもならぬ案件ともなると──。
「──そうだ。もしかしたら、あの方たちならば」
そうして頭を悩ませようとしたその瞬間、彼女の脳裏に閃きが過る。
かつて絶体絶命の危機に陥ったあの時も。大天使の悪意が地を穢そうとしたあの時も。彼らは降り立ち、寄り添い、救ってくれた。
かつての様な、危機とは言えぬかもしれない。だが人々の心の安寧を乱すかもしれぬ案件ともなれば、きっと……。
「少し、外します。大丈夫、きっと良い形となるはずですから」
首を傾げる同僚を落ち着かせ、尼僧がその場を離れていく。
目指すは、神殿内にある自室。そしてその場で、どうか力を貸して欲しいと祈るのだ。
その真摯な祈りは、世界を超えて。銀の髪の乙女へと、確かに伝わる事になる。
●
「お集まり頂きまして、ありがとうございます」
ヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)の柔らかな声が、猟兵達を迎え入れる。
銀の髪を揺らす彼女の表情は、朗らかだ。
どうやら今回の依頼、そう難しい案件では無いらしい。
「今回皆様に向かって頂くのは、アックス&ウィザーズ世界。『遺跡都市ヴェルニス』の近郊です」
世界各地でハロウィンの準備が進む今日此頃。剣と魔法の世界では、この季節は収穫祭の時期となるのだという。特にヴェルニスでは、シャルムーン神殿が中心となって大々的な行事が執り行われるそうなのだが……そこで一つ、問題が起きたのだとか。
「どうやら、行事で使う神具……『豊穣の魔法具』に、欠品が生じているようでして」
必要なのは、ヴェルニス近郊に立つ天を衝くような大木。その頂上に生える、最も若い新芽である。
その場所や環境なども相まって、収集には中々の労苦が必要なのだが、例年冒険者に依頼する形で必要量を確保することは出来ていたそうだ。
だが、今年になって異変が生じた。その異変とは……。
「大樹の頂上付近に、魔物……オブリビオンが居着いてしまったようなのです」
居着いたオブリビオンの正体は、ヴィクトリアの予知により判明している。
その正体は、『お化けカボチャ』。文字通り、南瓜型のオブリビオンである。
このお化けカボチャ、何でも土地の養分を奪い尽くし、動物をも捕食するほどに危険な存在であるのだとか。
そんな存在を敵に回せば、如何に手練の冒険者であろうと苦戦は必至。挑んだ者達は、皆命からがら逃げ延びるので精一杯であったそうな。
「ですが猟兵である皆さんであれば、そう苦戦する相手では無いでしょう」
とは言え、それはあくまで冒険者が基準の話。猟兵が相手となれば、話は別だ。
南瓜は随分と大きいそうだが、知性の程は無い様子。真正面からドンとぶつかれば、圧倒する事は簡単だろう。
見事南瓜を打ち砕いて、新芽を収穫すれば依頼完了。今回の依頼は、そんな依頼であるようだ。
「これから皆さんを現地、大樹の麓へと送り出します。とは言え、問題がありまして……南瓜の下へ至るまでの道です」
お化けカボチャが根を張るのは、まさに大樹の頂上。求める新芽の直ぐ側である。
当然『天を衝くような』と形容されるような樹の頂上へ向かうのだから、それなりの準備が必要だ。
……それなら、空を飛べば一発では? という当然の声が居並ぶ猟兵から上がったりするが。
「どうも、樹の周辺の気流が荒れているようでして。飛ぶのはあまり、お勧めは出来ません」
場所柄なのか、季節的なものなのか。理由は定かではないが、樹の周辺は風が随分と荒れているらしい。
つまり空を飛ぼうとしても、上手く飛ぶことは難しいという事である。今回は大人しく、木登りに勤しんでいただきたい。
「今回の依頼は、世界の危機に繋がる物ではありません。ですが、人々の心の安寧を守るのも私達の務めです」
どうか皆様の御力を、お貸し下さい。
いつものように丁寧な礼をして、ヴィクトリアは猟兵達を現地へと送り出すのだった。
月城祐一
もう今年も残り二ヶ月ちょっとってマジですか。
どうも、月城祐一です。ホント月日が経つのあっという間過ぎて困る……(震え声)
今回は久々、アックス&ウィザーズ。判定は緩め。
収穫祭に必要な『豊穣の魔法具』、その原料を確保する為に挑んで頂きます。
以下、補足となります。
一章は冒険章。
『遺跡都市ヴェルニス』近郊に聳え立つ天を衝くような大樹の頂上を目指し、木登りにチャレンジして頂きます。
『天を衝くように』と何度か触れている通り、樹の高さは相当な物。
ファンタジー特有の巨大樹木なので、下手な小山よりも高いとお考え下さい。
そんな大樹をあの手この手で頂上目指して登って頂く事になります。
成功条件はずばり、『木登りに成功する』こと。
フラグメントを参考にするも良し、独自の手段を編みだすも良し。
手段は色々とあるはずですので、色々試してみると面白いかもしれません。
(ただし空を飛んだりなどの行動は、樹周辺の気流が乱れている為に上手く行かず、苦労する事になるでしょう)
二章はボス戦。敵は『お化けカボチャ』。
実にこの時期にぴったりな敵が相手となります。
OPでも触れています通り、文字通りの南瓜型の敵です。
サイズは大きく、獰猛な性質をしていますが……猟兵を相手とするには力不足、くらいに設定しています。
真面目な場では使い難いアレやコレを試してみたりなど、遊んでみてはいかがでしょうか。
一年の豊穣を祝う季節に現れた闖入者。
猟兵は大樹に居座る厄介者を駆除して、人々の心の安寧を守れるか。
皆様の熱いプレイング、お待ちしております!
第1章 冒険
『超巨大樹攻略』
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POW : 気合で登る
SPD : 道具を巧みに使いこなして登る
WIZ : 登りやすい場所を探す
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
グリモア猟兵の導きを受け、猟兵達が現地に降り立つ。
そうして周囲をぐるりと見渡せば……直ぐにその存在に気づくだろう。視界に映る、聳え立つ樹の存在が。
幹は大の大人が数十人単位で掛かって初めて囲えるほどに太く、その高さも首が痛くなるほど見上げねばならぬほどに高い。まさに、『天を衝くような』という形容詞がピッタリと当てはまる大樹である。
今回の目的は、この樹の頂上に鎮座する『お化けカボチャ』の討伐だ。我が物顔で根を張る魔物を打倒し、神具に必要な新芽を得ることこそが目的である。
その為にも、まずはこの樹を登らなくてはならないが……強く吹き抜ける秋の風も考えると、この樹を登るのは中々の重労働になりそうだ。
さて、どうするべきか。
それぞれに考えを巡らせて、猟兵達が聳え立つ大樹に挑んでいく。
果たして猟兵達は大樹を踏破し、頂上に待つ敵に見えることが出来るだろうか?
蛇塚・レモン
えーっ!
空を飛んじゃダメなのっ!?
ちぇー、仕方がないや、今回は地道に木登りするね
ひとまず、魔法の辞典で大樹のことを調べるね
(情報収集+世界知識)
高さがどれくらいあるのか、木登りに適したルート検索、そして風の強さ
上に行くほど、木に登っていても風の影響は受けるはず
なるべく風下側の幹を登って、体力を温存しなきゃだよね
登る際には、幹に密着させるように結界術の足場を生成
風下側をジグザグ状の階段のように駆け上ってゆくよ
なんだか、アクションゲームのキャラクターになった気分だねっ!
(ぴょんぴょんっ!)
大きな枝があれば、そこへ向けて蛇腹剣を伸ばして先端を引っ掛ける
そして剣を戻す勢いで、あたいの体を引き上げるよ!
●
「よっ、ほっ」
聳え立つ大樹に響く声。
どこか楽しげなその声の主の名は、蛇塚・レモン(白き蛇神憑きの金色巫女・f05152)。その名と同名の柑橘の様な鮮やかな色の髪を持つ、活発な女である。
声を弾ませるレモンが木登りの手段として選んだのは、自身の得意とする結界術の応用であった。普段は敵の攻撃を軽減する障壁として構築するその結界を、今回は気に密着する足場として活用したのだ。
「やっ、とぉ! ……ふぅ」
そんな足場を軽やかな足取りで駆け上がり、レモンが一つ息をつく。額に薄っすらと浮かぶ汗を拭いつつ、荷物の中から取り出したのは……一冊の書だ。
「さて。ここから先のルートは、っと……」
そうして取り出した書を手繰り、レモンが一つ呟けば。手繰られた書は淡く輝き、求める答えを示すだろう。
この書は、『魔法の辞典』と呼ばれる書。疑問に対する求める答えを浮かばせる、文字通りの魔法の書なのだ。
「ふむふむ、なるほどー……?」
示されたその答えに、こくこく頷くレモン。
彼女が書に求めたのは、大樹に関する情報だ。高さはどれくらいあって、今はどの辺りなのか。風向きとその強さに関する情報も、忘れてはならない。
風の影響というのは、地表よりも高空の方が強い。天を衝くようなこの大樹の頂上ともなれば、当然その影響は無視できないものとなるだろう。
なるべく幹の風下側を往くことで、風による体力の消耗を抑えねばならない。
頂上に巣食う例の敵の強さはそう苦労するものでは無いとは言え、レモンの心構えに油断は無いようであった。
「それじゃ、次の足場を……よろしく、蛇神様っ!」
その身に宿す白き蛇神の力を喚び起こし、上へと続く足場を作れば。創られたその足場をリズム良く軽やかに蹴り渡って、レモンが往く。
……実は当初、空を飛ぶことが非推奨という今回の件に僅かながら不満を示していたレモンではあるが。
「なんだか、アクションゲームのキャラクターになった気分だねっ!」
今ではそんな不満はどこへやら。
ぴょんぴょんと足場を渡り、また幹から張り出す大きな枝に向けて愛用の蛇腹剣を巻きつけ身体を引っ張り上げてのショートカットを見せるなど。
大樹を登る道中を自然が生んだアクティビティへと変えてみせたレモンの表情には、楽しげな笑みが浮かんでいた。
大成功
🔵🔵🔵
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ歓迎
『フェアリ-ランド』の壺の中から風精霊,聖霊,月霊,天使を呼んで周囲を警戒しながら「何かあったら教えてね♪」と言って“七色こんぺいとう”を配って周りを見ながら上昇飛翔して行きます♪
危険物や障害に出会ったら『月世界の英霊』で空間飛翔して避けてUCには『月霊覚醒』で封印/弱体化をして対処します☆
能力が足りずに感じたら『精聖月天飛翔』でWIZ/SPDを強化します♪
風精霊,聖霊,月霊,天使を応援しながら一緒に励まし合いながら“七色こんぺいとう”を口にしながら笑顔で楽しく上昇飛翔して進みます☆
猟兵の怪我人を『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で癒します
●
天高く聳え立つ大樹。普通の人間の身から見ても、その威容は相当な物である。
そんな樹を、人間以外の種が見たらどうなるだろうか? 特に、ヒトの四分の一の体躯しか持たぬフェアリーが見たならば……その頂上を目指そうなどとは、思わないだろう。
だが……。
「むむむ……よしっ!」
祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)は、並のフェアリーなどではない。彼女もまた、世界に認められた猟兵である。
どうやって登るべきかと頭を悩ませたティファーナが取り出したのは、一つの壺。小さな異界(フェアリーランド)を内包する、魔法の壷だ。
そんな壺の封を解き放ち、ティファーナが喚び出したのは……異界に暮らす、風の精霊や聖なる力や月の力宿す霊に、人を導く天使達。ティファーナに力を貸してくれる、友人達である。
「みんな、何かあったら教えてね♪」
そんな友人達に虹色に輝く砂糖菓子を分け与えてお願いしつつ。
「それじゃ──いっくよー!」
元気一杯、天真爛漫。背中の翅を羽撃かせ、ティファーナが翔ぶ。
飛行コースは、木の幹スレスレ。身体が掠りそうな程の、低空飛行。
だが、自然の樹という物はまっすぐ伸びては居ない。時折膨らみ上がった幹の瘤や、張り出した枝などが、ティファーナの道を遮る用に道を阻むが……。
「世界を巡りし英霊よ……☆」
そんな障害は、彼女の道を阻む物とは成り得ない。空間を飛び渡り、躱してみせる。
……そうして樹を翔び登るティファーナの道行きは、順調そのもの。あっという間に樹の半分程の行程を消化する。
だが、しかしだ。
──ビュオォォォォッ!!
そこから先に、ティファーナにとっての苦難が待っていた。
樹の周囲に吹き荒れる秋の風……グリモア猟兵が語っていた道中最大の障害が、ティファーナの身に襲い掛かったのだ。
「わっ、わわっ!?」
高く昇れば昇る程、風の勢いと冷たさは増していく。そうなれば、小柄なティファーナの身体は容易く流されてしまうだろう。
当然、飛翔速度もがくりと落ちる。小さなその身体も冷え、引き上げようとしたその力も本領を発揮する事は叶わない。
だが、それでも……。
「もうちょっと……みんなで、頑張らないとっ!」
ティファーナの心は、折れなかった。
喚び出した友人達と支え合い、励まし励まされ。ゆっくりと、だが力強く翅を羽撃かせて──風に抗い、翔び続ける。
彼女を動かすのは、友人達との友情。そしてそれを繋げる、七色の砂糖菓子。
口の中で甘く溶けるその味を味わいながら。頂上を目指すティファーナは、只管に羽撃き続けた。
成功
🔵🔵🔴
アネット・レインフォール
▼静
…そう言えばもうそんな時期か。
季節の廻りというのは早いものだ
しかし…冒険者達の話は少し気になるな。
相性、疲労、環境…要因は様々だが
勝敗は付けず目的を達成する選択肢もあった筈だ
彼女曰く、脅威度は高く無いとの事だが――
やはり油断すべきではないのだろうな
▼動
予め尼僧から冒険者の力量や進行方角を聞く
腕の立つ者ならば序盤から撤退も視野に入れるだろう。
推測の域を出ないが…周囲に目印や
木々の折れた痕跡等が無いか確認し進む
…木登りと言うより登山に近いかもな
基本は念動力で浮かせた刀剣を足場利用し登頂。
落下対策は葬剣の形状変化を使うとして
多少、無茶な道でも幅があれば単車で距離を稼ぐ
――体力は温存したいからな
●
吹き抜ける秋の風は、強く冷たい。
だがそんな風に負けぬヒュンヒュンと鳴る風切り音が響けば、次いで鳴るのはカツカツと何かが鋼を打つ様な音。
足元から響く音……己が履く靴が剣の鋼を蹴るその音を確かめながら頷いたのは、アネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)だ。
アネットは、練達の剣士である。だがそれだけがアネットの全てではない。強い念動力による物体の操作も、彼の得手とする戦い方の一つであった。
今回アネットが樹を登る為に採った策も、その念動力を利用した物である。所持する数多の剣を念動力で浮かばせて、足場として利用し、ここまで登ってきたのだ。
「──ふむ」
一つ息を入れ、アネットが頷く。
ここまでの木登り(というより、断崖絶壁の登山のそれに近い感覚であったが)は、順調だった。大樹の中腹までは風もそう強くなく、浮かばせた剣を渡り歩くのもそう苦ではなかった。
だが、ここから先は話が違う。高所へ行けば行くほど吹く風は強まり、一瞬の油断が命取りという事態に繋がる危険性も高くなるのだ。
……尤もそういった事態に備える為に、命綱代わりとして形状変化する愛刀を準備はしているのだが。
(……そう言えば、もうそんな時期か)
耳で吹き抜ける風音を聞き、眼で眼下に広がる秋の風景を眺めながらアネットは思う。
つい先日まで暑い日々が続いていたと思えば、もう肌寒さすら感じるような季節となりつつある。
季節の巡りの疾さとは、何とも慌ただしい物である。
(しかし、件の冒険者達の話は少し気になるな)
そんな季節を思うアネットが今回引っ掛かりを覚えたのは、先にこの大樹に挑んだ街の冒険者達の事である。
冒険者と呼ばれる者達は、依頼を果たす事こそが本義。戦いでの勝敗は、あくまでも二の次である。
そんな彼らである以上、相性や疲労、環境と言った種々の要因を考えて、例の南瓜の化け物との勝負を避けて目的を達成する選択肢もあった筈である。街の尼僧(群竜大陸や開拓村で出会った、あのクレリックであった)からの情報を聞く限り、冒険者達はその辺りの判断を見誤る様な未熟な腕前では無い事は把握も出来ていた。
だと言うのに、冒険者達は尽く依頼に失敗しているのだという。その上、命からがら逃げ帰るので精一杯であったとは。
(彼女曰く、脅威度は高くは無いとの事だが──)
やはり、油断すべきでは無いだろう。
銀の髪のグリモア猟兵の穏やかなその様子を思い出しつつ、一つ息を吐き出して……アネットは、一段気を引き締める。
──そこからのアネットの動きは、早かった。
浮かばせる無数の剣は吹き抜ける風に揺るぐこと無く、与えられたその責務を全うすれば。アネットもまた設えられた足場を迷いなく踏み渡り、頂上への道を迷いなく駆け上がっていく。
最短距離で、だが風の影響を受けぬようにと。体力の温存に気を使うアネット。
その身体の内では、来る戦いの時に備え闘気を練り上げるのに余念が無かった。
大成功
🔵🔵🔵
ノエル・フィッシャー(サポート)
『例え全ては救えずとも、誰一人として見捨てはしない』
・雑な扱いでもいいのでどんどん採用してくれると嬉しいな。
・【コミュ力】を有効活用出来そうな状況ならばそれを使うよ。なくても目的達成のために最善を尽くすよ。
・ユーベルコードは所持してるものからいい感じのを使うよ。
・他の猟兵との絡みも歓迎だよ。共闘するのなら、ボクは補助に回っても構わないよ。
・もし男なのか女なのか問われたら「見ての通り」と答えるよ。モニターの前のキミにも、ね。
・他の猟兵に迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動はしないよ。
あとはお任せ。好きに使ってね。
シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「ふっ、ふぅっ……!」
荒れそうになる息をゆっくりと整えながら、木の幹に手を掛ける。
シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)が大樹を昇るのに選んだのは、最も原始的な手段……己の身一つでの、クライミングであった。
幹に手を掛ける指が、抱きつく様に伸ばす腕が、身体のいたる所が。登攀による疲労のせいか、熱を持った様に熱い。
だがそんな状況でも、シフォンの表情はどこか楽しげである。
自由奔放に生き、これまでコレと言った不自由な経験をしたことが無いシフォンである。
生来ののんびりとして無邪気かつ天真爛漫な気質も相まってか、この中々に苦しい登攀も得難い経験、自然が生んだアトラクションの様に感じているのかもしれない。
「次は──あっ!」
だが、精神と肉体とは別物で。シフォンの心が幾らこの状況を楽しめていると言っても、肉体もまたそうとは限らない。
視界に映った幹の瘤。そこに目掛けて伸ばした掌が、一瞬確かに瘤を掴むが……直後、滑って空を切る。
汗で掌が濡れていたのか。はたまた疲労が限界に達したのか。
事実の程は定かではないが……現実として、シフォンの身体はバランスを崩して。そのまま宙へと、投げ出されて──。
「──おっと、危ない!」
──しまう事は、無かった。
バランスを崩し宙へと投げ出されたシフォンが伸ばした腕が、掴まれる。次いで力強く引き上げられて、抱きとめられたのだ。
「お怪我はないかな、お姫様(プリンセス)?」
鼻をくすぐる芳しい花の香りに目を白黒させるシフォン。そんな彼女に柔らかく微笑み問うたのは、ノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)。通りすがりの王子様(通りすがりの王子様とは何ぞや、というツッコミは野暮であるから受け付けない物とする)である。
ノエルもまた、この大樹に挑んだ猟兵の一人だ。だが、その手段はシフォンとは別の物であった。
ノエルが選んだのは、いわゆる『空間転移』である。花を纏い空間を超えるその異能で、ノエルはこの大樹に挑み……その最中で、シフォンの危機を救ったのだ。
「は、はい。ありがとうございます……」
「ふふ。なら良かったよ」
危機を救われた為か、それとも単純に運動の直後のせいか。頬を染めつつ感謝の言葉を紡ぐシフォンに対し、ノエルの態度は柔らかでありながらどこか飄々としたものだ。
基本的には善良かつ気さくであるが、ナルシストの気があるノエル。だが、それがノエルの全てでは無い。
──例え全てを救えずとも、誰一人として見捨てはしない。
飄々とした態度の内に潜む、熱く燃え滾る正義の心。目の前の命を見捨てぬ『尊き使命(ノブリス・オブリージュ』こそが、ノエルの本質であるのだ。
「さ、頂上までは後少しだよ。もう少し、頑張ろうか?」
「え、えぇ!」
そんな心に滾る物を感じさせないノエルの柔らかな励ましに、シフォンが頷き手を伸ばす。
天を衝く大樹。その頂上は、直ぐそこに迫っていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『お化けカボチャ』
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POW : 蔓の鞭
【蔓の鞭】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を貫いて地面から養分を吸収し超回復しつつ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : 種マシンガン
【着弾すると破裂して飛び散る種子】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 不意打ち
【蔓で穴を掘り地面に潜行、不意打ち】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アーデルハイド・ルナアーラ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
天を衝く巨大な大樹。その樹を猟兵達はそれぞれの手段で登り上がり……遂に、その頂上へと辿り着いた。
そこは、ちょっとした広間程の空間であった。周囲は大樹の枝葉で覆われており、自然が創り上げたドーム状の空間である。
そんな空間の中央に、その存在は鎮座していた。
──シュルルル……。
触手の如き蔓を蠢かせる、大の大人数人分もの大きさを誇る巨大な南瓜だ。
恐らくこの南瓜が、話に聞く『お化けカボチャ』であるのだろう。
よく観察して見れば、南瓜は樹に幾本かの蔓を突き刺している事が判る。恐らく奴は、樹から栄養を吸い上げているのだろう。
……もしこの南瓜を放置していれば、新芽が得られないどころの騒ぎではなくなるはず。樹そのものが栄養を喪い、遠からず枯死してしまう事だろう。
そんな事を許してはならない。この場で、何としても駆除せねばならない。
それぞれの武器を構え、猟兵達が巨大カボチャへと立ち向かう。
豊穣の魔法具となる新芽。そして新芽を生み出す大樹。その未来を守る為の戦いが、始まろうとしていた。
====================
●第ニ章、補足
第ニ章はボス戦。
大樹の頂上に鎮座する、『お化けカボチャ』が相手となります。
断章でも触れた通り、そのサイズは非常に巨大。
樹から栄養を吸い上げ、今もグングンと育っているようです。
その結果、普通の冒険者では手がつけられない程に厄介な存在となったようですが……まぁ、猟兵を相手とするには不足。打倒するのは、難しく無いでしょう。
戦場は、樹の頂上。枝葉が作り出す天然のドームの中での戦闘です。
広さはちょっとした広間程度。障害も特に無いので、戦闘に支障を来す事は無いでしょう。
また余談ですが。この『お化けカボチャ』、一説によると中々に美味なのだとか。
大樹の栄養も吸い上げている事も考えれば……?
大樹の頂上に鎮座する、巨大な南瓜。
麓の街の魔法具の素材を得る為。そして大樹の命を守る為。猟兵達が、南瓜に挑む。
皆様の熱いプレイング、お待ちしております!
====================
蛇塚・レモン
矛先神楽鈴に持ち替え、あたいは念動力で空中浮遊
地中(樹上だから葉の中?)から不意打ちするっぽいけど
結界術+念動力で足元に不可視の床を作っちゃえば防御は万全っ!
これで足元以外の警戒をしなくていいのは有利だねっ!
空中でUC発現
蛇神様と妹ライムの魂魄を憑依させつつ空中で踊り狂う
1150本の霊光線がドームの床目掛けて乱れ撃ち+爆撃開始っ!
敵が隠れても光線の弾幕による貫通攻撃+範囲攻撃で逃さないよっ!
限られた空間の戦闘なら、あたいの幸運も味方してくれるはずっ!
命中した光線はUCの効果の他にもマヒ攻撃+呪詛が込められてるよ
自分の蔓で雁字搦めの不幸に遭った敵に
霊光線とオーラガンの呪殺弾の衝撃波で粉砕っ!
●
「ふぅーむ……?」
太く頑丈な蔓を、まるで触手のように靭やかに撓らせる『お化けカボチャ』。
巨大なその異形の姿を改めて確認し、レモンが小さく首を傾げる。
敵の攻撃手段は、あの蔓と本体から吐き出される種。だがあと一つあると、レモンの勘が告げていた。
それは、南瓜が樹に突き立てている蔓。栄養を吸い上げているそれで樹の中を掘り進める事で、地中(いや、樹上という環境を考えれば葉中や樹中と言うべきか?)からの不意打ちがあるだろうとレモンは見抜いていた。
目に見える蔓や種を躱すのは容易い。だが目に見えない所からの奇襲を捌くのは不可能では無いが、少々面倒だというのが正直な所である。
……だが逆説的に言えば。不意打ちにさえ対策をしてしまえば、有利な状況を築くことが出来るという事である。
「……よしっ!」
力強く一つ頷き、軽やかに地を蹴って宙に舞う。するとどうした事か、重力に従い落下するはずのレモンの身体は落ちる事無く、その場に漂う様にふわりと浮かぶ。念動力で己の身体をその場に浮かばせたのだ。
次いで小さく唸り念じれば、その足元に創り出されるのは不可視の床。先程の木登りの際に足場としたそれと同質のそれが形成される。
結界で創られた不可視の床は、ドーム状となった戦場の足元全てを覆う様に広がっている。強度についても保証済みであり、簡単に突き破る事は出来ないはず。
……南瓜の蔓による奇襲攻撃は、完全に封じられたのだ。
「これで、こっちの有利だねっ!」
恐らく樹中に蠢く蔓で不可視の床を突き破ろうとしているのだろうか、もぞもぞと南瓜が身動ぎするように蠢く。
そんな敵の様子に『狙い通り』と言った具合に満足げな笑みを浮かべつつ、レモンが取り出したのは一振りの短剣だ。
柄に幾つかの鈴が取り付けられたソレは、蛇神を奉じる巫女でもあるレモンが愛用する道具の一つ。神楽鈴と呼ばれる神具である。
目を閉じ、神楽鈴を構えるレモン。鈴の音が一つ、しゃんと響いて。
「──蛇神様! ライム! お願い、一緒に踊って!」
瞬間、レモンの身体から力が膨れ上がる。そうして膨れ上がる力は、白き蛇の呪詛を宿す輝く光へと姿を変える。
【憑装・蛇塚ミツオロチ神楽(ソウルユニゾン・ヘビヅカミツオロチカグラ)】と呼ばれるその舞いは、レモンが自身の身体に『蛇神』と『レモンの妹』の魂魄を憑依させる事で成立する異能である。
つまり、今この場に漂う力……輝くその光は、レモン一人の物では無く。二人と一柱の力が凝縮された、神人一体の物であるのだ。
更に一つ、鈴を鳴らしてレモンが嫋やかに舞えば。生み出されたその光は遂に臨界を越え……線を引き、蠢く南瓜へ向けて撃ち放たれる!
──カッ!!
ドームに閃く白光。
放たれた光条のその数は、実に1150本を数える膨大な量である。
弾幕を越え、最早壁と呼んでも差し支えが無い程の圧倒的なその数を前にしては、対処も何もあったものではない。
麻痺や呪詛を受け蔓を絡ませ、防御すらも叶わなくなった南瓜の化け物が、その身を光線に貫かれ、砕かれていく。
いっそ蹂躙とさえ言っても良い一方的な光景が続いていたが……。
「これで粉さ──ちょ、うぇっ!? 嘘でしょぉ!?」
為すすべもなく粉砕されるばかりであった南瓜が、砕かれた場所を瞬く間に再生して……あっさりと元の姿へと戻ったのだ。
どうやら樹から栄養を吸い上げ超回復を図ったようであるが、それはともかく。
目の前で起きたまさかの光景に、声を上げ動きを止めるレモン。呆気に取られた様なその様子を誂う様に、南瓜の蔓がふるふると揺れる。
……何とも厄介な能力を持つ、『お化けカボチャ』。だが、その能力は厄介の域を超える物では無い。種さえ割れてしまえば、猟兵の力の前ではさしたる脅威とはならぬはず。
レモンの行動は、次に動く猟兵達への大きな布石となったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。
源・ヨーコ(サポート)
『悪い子はお仕置きっすよー!』
人間のブレイズキャリバー × ビーストマスター
年齢 16歳 女
外見 158.4cm 金の瞳 ピンクの髪 色白の肌
特徴 胸が大きい 八重歯 ギャル ハイテンション! 運動が好き
口調 体育会系(自分、~先輩、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?)
悪いヤツは鉄拳制裁!
あまり難しいことは考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプ。全ては拳で解決できると信じていて、とりあえず接近して殴るが基本戦術。
硬そうな相手にはカウンターでの一撃必殺を狙い、素早そうな相手には連撃と使い分けぐらいはする。
単独行動を好み、調査などは苦手。
基本は戦闘オンリーな感じですが、よろしくお願いします。
数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
●
一度は砕かれながらも、即座にその身を再生した『お化けカボチャ』。
その厄介極まる能力を目の当たりとし、幾人かの猟兵の口から呆れたような息が漏れる。
「いやいや、なんつー面倒な……」
宇宙カブ(無数の姿と機能を持つ、宇宙バイクの一種である)に跨る数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)も、そんな感想を抱いた猟兵であった。
先程の様子を見る限り、あのデカい実の方を叩くだけでは意味が無い。また即座に回復されてしまう事だろう。
ならば、まずは回復を止めねばならないが……あの回復速度を見るに、奴さんはこの大樹に相当深く侵食して栄養を得ている様に多喜には思えた。テレパスで周囲を探ればその懸念は正鵠を得る物であると判るだろう。
幸い、今も青々とした葉を茂らせている大樹の様子を見れば直ぐに枯死する様な状態では無いとも思える。だが下手な手を打てば、南瓜は倒せたが大樹も……となる可能性は否定は出来ない。
そんな可能性に思い至り、どう動くべきかと多喜は思い悩んでいたのだ。
「悪いカボチャは、お仕置きっすよーっ!」
「ちょっ!?」
だがそんな多喜の迷いはどこ吹く風と、勇ましく南瓜に挑みかかる者がいる。
源・ヨーコ(鉄拳制裁・f13588)は、不調法者である。あまり難しい事は考えず、敵に向かって猪突猛進するタイプである。
ヨーコにとっては、難しい事は他の人が考える事である。何故なら彼女にとって、物事とはどんな物でも最終的には『全て拳で解決出来る』という物であるからだ。
故に、ヨーコは迷わない。先手必勝鉄拳制裁、悪い奴はとりあえず接近して殴る。ただソレだけである。
拳を守るナックルガードに取り付けられた蒸気機関を唸らせ、「うおおーっ!」とか叫んで突っ込んでいくヨーコ。そんな彼女の姿を呆気に取られたように見送る多喜であったが、肩を叩かれたその感触に我を取り戻す。
「まぁ、まずは動くべきだろう。事態が動けば打開策も見出だせる筈だ」
多喜の肩を叩き、落ち着いた声で諭したのは曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)だった。どこか病的な雰囲気を漂わせながら、だが瞳には確かな知性を浮かべた男である。
事実、律は高い知性を持つ男である。UDC研究を続けるエージェントであり、科学と呪術を融合させ己の身にUDCを宿すという狂気に触れた科学者でもあるのだ。
そんな彼が予見した様に、そう言うのだ。『先ずは隗より始めよ』とも言う通り、まずは手近な所から……即ち、あの化物南瓜を殴り倒す所から始めるべきであるかもしれない。
「……オーケー。なら一丁、やってやりますかねぇ!」
そうと決まれば話は早い。跨る宇宙カブのエンジンを唸らせて、多喜が疾走る。
巨大カボチャに挑みかかる二人の女性猟兵。その背を見守り、律が僅かに視線を動かす。
その視線の先には、先程砕かれ散った巨大カボチャの実の欠片が転がっていた。
──美味そうな匂いがするじゃねぇか。代われよ、律。
瞬間、律の心の内に響く声。そして律の頭に、鈍く激しい鈍痛が響く。
だがその痛みに表情を歪ませながら……律の口元は、禍々しい形に歪んでいた。
「うおおおおーっ!!」
そんな背後のやり取りは我知らず、雄叫びを上げつつ南瓜へ向かって突貫するヨーコである。
そんなヨーコに対して、南瓜も当然妨害行動に出るが……足元からの奇襲は先んじて動いた猟兵の行動により阻まれ、効果を発揮する事が出来ない。
故に、地中からの奇襲は諦めて。南瓜が採ったのは、実から吐き出される種による牽制であった。
「むっ!」
ズガガガッ! と音を立て吐き出されたその種を躱すヨーコ。直後、軽く乾いた爆発音が背から響く。
どうやらあの種は、何かに触れると爆発するらしいぞと察するヨーコ。
距離がある今なら躱すのは難しく無いが、距離を詰めればまぐれ当たりもあるかもしれない。怪我をするのは別に怖くはないが、もし怪我をしてしまえば十全に力を振るうのは難しくなる。そうなれば、鉄拳制裁出来なくなってしまうだろう。
さて、どうするべきか……考えたのは、ほんの刹那。
「──前に出るのみ、っすね!!」
選んだのは、愚直な前進。初志貫徹という選択だ。
何せヨーコは、難しい事は考えられない。出来るのは、前に出て敵を殴るという単純極まる事だけである。ならばそれを成す為に必要な行動をしなければならないはずだ。
キッと前を睨み、足を進めるヨーコ。そんな彼女を迎え撃つ様に、先程よりも疾く、多く。南瓜の実から炸裂する種が吐き出されてヨーコを襲う──。
「一回、虚空に飲み込まれとけ!」
──事は、無かった。
響いたのは、宇宙カブを疾走らせる多喜の裂帛の声。その声が響いた瞬間、ヨーコに迫る種が虚空に呑まれ、消えたのだ。
コレは全て、多喜の異能、ユーベルコードによる現象である。
【宙送りの穴(ディメンジョン・コラプス・セカンド)】と呼ばれるその異能は、本来敵を包み込む様に次元崩壊現象を生み出し敵を攻撃するという異能である。
今回はその異能を、ヨーコを守る為の防御へと転用してみせたのだ。
「露払いはあたしに任せな!」
「ありがたいっす!」
軽やかなウインクと共に告げられた多喜のその言葉に、ヨーコの顔に浮かぶのは満面の笑み。種による妨害を無視出来るとなれば、目標達成も随分と容易くなるはずだ。
しかし、南瓜の実を守るのはまだもう一つある。種こそ防がれたが、姿を晒して蠢く触手のような蔓はまだ健在なのだ。
南瓜とヨーコを繋ぐ直線上を切り裂く様に、蔓の鞭が振るわれる。
鋭い風切音と共に振るわれたその一撃も……。
「ハッ──!」
ヨーコのその身を打つ事は、無かった。
鞭の一打を受け止めたのは、律であった。
だが、律のその様子は明らかに変じていた。病的なその印象はそのままだが……理知的な表情は影を潜め、その顔に浮かぶのは狂気的な禍々しい貌であった。
「……随分と栄養を蓄えているじゃねぇか」
今の律は、律であって律では無い。
彼の身体を今動かしているのは、律に宿る別人格。UDCをその身に宿したその結果生まれた暴力的な人格である『絶』が、今の律の身体を動かしているのだ。
「その肉、もっと寄越せよ──!」
掴んだその蔓を、力任せに引き寄せ、引き千切る。
律のその口の端は、鮮やかな黄色に汚れていた。地に転がっていた南瓜の果肉を食らったのだ。
別人格『絶』のその能力は、戦闘中に貪ったオブリビオンの量と質に左右される。量が多く質が良ければ、その分戦闘力が増加していくのだ。
その点で言えば、南瓜の実はまさに最上級。大樹の栄養をたっぷりと含んだその実は、絶の戦闘力を十全に高めるに足る物であったのだ。
(障害が、消えた!)
多喜と律。二人の手により、ヨーコを阻む障害が消えた。
ヨーコの前には、護りの手を失った南瓜の化け物がその姿を晒している。殴りつけるなら、今がまさに絶好の好機!
「──でぇぇぇぇいっ!!」
裂帛の気合を発しつつ、距離を詰める。
そうして拳を大きく振り被り、腰を捻って。渾身の力を込めて、振り抜いた。
全身を捻りつつ放たれたその強烈な拳は、走り込んだ勢いも加わって南瓜の硬い表皮に突き刺さり……。
──ゴッ!!
見事に貫き、その実の半分を粉砕する!
「手応え有り、っす!」
掌に残る手応えに笑みを浮かべつつ離脱するヨーコ。
だが砕かれたその実は、みるみる内に再生し……また元の通りの巨大カボチャとなるばかりだ。
(……うん?)
だがその一瞬、多喜が小さな違和感を覚える。
再生速度が、先程と比べると若干遅いような……?
(再生には、限りがあるのか?)
ヒトの体力に限りがあるように、お化けカボチャもまたその再生に限りがあるのだろうか? ならばこのまま押し込めば、勝利を掴む事それ自体は難しくはないだろう。
だがそうなると気掛りなのは、栄養を吸い上げられている大樹の消耗だ。
長時間の戦闘は、樹の負担が心配だ。ならば短期決戦で敵の再生量以上のダメージを与えるか……回復の根を断つという方向で動くべきだろうか?
……幸い、控えている者の中にはこの状況を見て動き始めている者がいる。後の事はそちらに任せて、今は一端退くべきだろう。
そう感じた多喜はヨーコと律に声を掛け、一端後ろへと下がるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
アネット・レインフォール
▼静
…地面から養分を、か。
脅威度が時間に比例して増すのなら
手を打つのも今の内か。
…正直、討伐だけなら難易度は高く無い。
樹への被害を度外視すれば尚更な。
しかし今回は新芽の回収が控えている。
杞憂だとは思うが、影響を最小限に抑えるのならば
範囲技や威力の高い技は控えた方が無難だが…
▼動
先ずは葬剣を無数の鋼糸状に展開。
敵に絡ませ、式刀で居合を放ち装甲の確認を。
性質が植物ならば、外皮はそれなりに堅いのか…?
戦況は冷静に分析しつつ。
晶剣を突き立て【氷凛止水】で氷結地帯を作り
養分の吸収・破裂対策とし新芽の防御用に。
蔓は闘気を伝達させ一緒に凍らせてしまおう。
事後、南瓜や冒険者の落とし物があれば届ける事も視野に
ラピーヌ・シュドウエスト
●POW
カボチャ相手に遅れはとらないだろけど、流石にこの再生能力は骨が折れそうだね
草刈り…いや、この場合だと草狩りかな?
日々のお屋敷勤めでフットマンの仕事をサボ……こほん、気分転換がてらにやってる庭園の手入れのように片付けてしまおうか
ただし、手を汚さずにさ
執事手袋に仕込まれた特殊鋼線『ファントム・スレッド』
そちらが無数の蔓の鞭をしならせて来るのなら、ボクも同じく糸を振ろう
まぁ当然だけど、【早業】で切っても切ってもまーた生えてくるなんて…面倒くせぇな!
おっと、失敬失敬
だけど、本当の狙いは大樹の養分を吸い取ってる蔓さ
これさえ切除すれば戦いやすくなるだろうね
あとは、UCでバラバラになって貰おうか
●
猟兵達の猛攻の前に、一度二度と南瓜がその身を再生する。
(……大樹から養分を、か)
そんなお化けカボチャの様子をアネットはその目で具に見やり、冷静に分析を進めていく。
事前の話の通り、戦闘力に関しては猟兵を相手とするには不足と言った具合。それ程の脅威では無いだろう。
だが問題は、敵のその生態だ。
南瓜はその蔓を大樹に突き刺し、養分を吸い上げている。つまりそれは、時間を掛ければ更に南瓜が成長し、大樹は枯死に近づくという事である。
……脅威度が時間に比例して増していくというのであれば、そう手強くない今の内に手を打つというのは当然の方策と言えるだろう。
(だがしかし、どうするべきかな)
そうなると、どの様にして南瓜を駆除するかというその手段が問題となる。
正直、南瓜の討伐だけなら難易度は高くはない。大樹への被害を度外視して強烈な攻撃を叩き込めば、すぐに結果は得られるだろう。
だが、それではいけない。今回の目的は『南瓜の駆除』だけではなく、収穫祭で使用されるという『大樹の新芽』を回収するまでを含めて依頼の目的となるのだから。
その辺りの事を考えれば、大樹への影響は最小限に抑えねばならない。範囲技・大威力の大技などは控えた方が無難か……。
「いやいや、何をそんなに考える必要があるんだい?」
ふむ、と考えを巡らせるアネットに掛けられる涼やかな声。
その声の方にアネットが振り返れば、そこに立つのは呆れ顔を浮かべた兎獣人の女が一人。
仕立ての良い執事服に身を包んだその女の名は、ラピーヌ・シュドウエスト(叛逆未遂続きの闇執事ウサギ・f31917)。とある猟兵の家に仕える、ニュービー・フットマン(新人従僕)である。
「確かに、あの再生能力を正面から相手に回すのは骨が折れそうではあるけど……」
白絹の執事手袋を深く嵌め直しながら、ラピーヌが進み出る。
南瓜を見つめるラピーヌのその目には、巨大なその姿を下に見るように傲慢さが浮かんでいた。
だがしかし、それは油断をしているという事では無い。
南瓜の化物程度に猟兵が遅れをとるはずなど無い。そんな純然たる事実を理解した上での、余裕であった。
「草刈り……いや、この場合は草『狩り』かな?」
そうして進み出たラピーヌのその姿に、警戒を強める様に南瓜の蔓がしゅるしゅると蠢く。
硬く靭やかな蔓だ。それが無数に蠢き鞭の様に振るわれるとなれば、成程確かに冒険者程度には対処は難しいだろう。
だが、こちらは冒険者などではない。世界に認められた理外の存在、生命の埒外たる猟兵なのだから……この程度の障害を捌く事など、造作もない。
「日々のお屋敷務めをサボ……こほん。気分転換がてらにやってる庭園の手入れのように片付けてしまえば良いのさ」
──ただし、手を汚さずに、さっ!
瞬間、振るわれるラピーヌの両掌。その指先から、細く輝く糸が伸びる。
特殊鋼糸『ファントム・スレッド』。執事手袋に仕込まれた、ラピーヌの獲物である。
特殊鋼糸というその名の通り、この糸の強度は普通の糸などとは比べ物にならない物がある。それだけの強度の糸に、ユーベルコードの力を乗せて振るえば……如何に硬く靭やかな蔓であっても、切り裂く事はそう難しい事では無い。
「チッ……!」
一本、二本、三本と。立て続けに蔓を断ち切る。
だがしかし、ラピーヌの表情には隠しきれない苛立ちが浮かんでいた。
南瓜の蔓を千切るのは、そう難しい作業ではない。
だが、千切ったその側から再生されて生えてくるとなれば……。
「──あぁ、面倒くせぇなぁ!!」
苛立ちを吐き出す様に、再びその掌を振るって生え伸びる蔓を千切って捨てる。
「……成程。狙っているのは、『蔓』か」
「おっと、失敬。正確には、『養分を吸い取ってる蔓』だがね」
そんなラピーヌの行動に目的を察したアネットが問えば、補足する様にラピーヌが答える。
ラピーヌのその言葉の通り、彼女が狙っていたのは南瓜の蔓。大樹の養分を吸い上げているソレであった。
しかし、それを狙うには無数に蠢く蔓が邪魔になる。排除しようにも即座に再生されて……ラピーヌが思わず声を荒げて素を出したのも宜なるかな、と言った所である。
「そうか。ならば……」
そんなラピーヌの目論見を理解すれば、アネットも動く。
携えた剣を引き抜き振るえば。剣の鋼がその姿を変えて、創り出されるのは無数の鋼糸。その鋼糸を振るい……本体と蔓に絡ませ、拘束する。
「今の内に──!」
「成程、助かるよ」
糸から通じる激しい抵抗を力任せに捻じ伏せながらのアネットの言葉に、頷くラピーヌ。
成程、無限に再生されるのであれば無理に千切る必要はない。拘束し動きを制限すれば、敵の弱点となる点をゆっくり狙う余裕も作れるという物だ。
蠢き抵抗する化物南瓜の様子をじっくりと観察する。鋼が絡まる触手と本体の中で、狙うべきは唯一つ……『大樹に刺さる蔓』だ。
(──視えた!)
その蔓を、ラピーヌの目は見逃さない。そうして見つけてしまえば、後にするべき事はあとひとつ。
「バラバラにしてやるよっ!」
その掌を再び動かし、狙うその点を引き千切る。それだけだ。
振るわれた糸は、狙い違わず養分を吸い上げるその蔓に巻き付いて……一息に、切断する!
──~~~~~~~~~!!
その瞬間、場の空気が大きく振るえる。
見れば、お化けカボチャの実が大きく振るえている。声を発する事こそ無いがその仕草は、まるで断末魔のそれである。
そんな敵の仕草に、確かな手応えを感じる中……動いたのは、アネットだった。
「フッ!」
鋼糸はそのままに、持ち替えたのは炎の波紋が刀身に揺らぐ剣。
異常なまでの切れ味を誇るその剣を、呼気も鋭く居合で放てば……音もなく南瓜の外皮が斬り飛ばされて、鮮やかなその身が鮮明になる。
再生される様子は、無い。ならば、勝負を決めるのは今しかない。
「無式──」
振り抜いた手に握る剣が消え、また新たな刃が現れる。紫水晶が刻まれた、儀礼剣だ。
その剣に闘気を込めれば……剣に浮かぶのは、時間すら凍らせる絶対零度の氷の力。
そんな力を乗せた剣を。
「──氷凛止水(ヒョウリンシスイ)」
剥き出しとなった南瓜のその身に、突き立てた。
瞬間、南瓜の実と言わず残る蔓と言わずに霜が浮かぶ。氷の闘気がお化けカボチャを一瞬で凍りつかせ、その生命活動すらも停止させたのだ。
いっそあっけなさ過ぎる勝負の幕切れと言える結末。だが厄介な根本さえ断ってしまえばこんな物である。むしろ、お化けカボチャが今まで良くも粘った物だと言えるだろう。
……数多の激戦を越え、猟兵という存在の力はそこまで大きく成長してきているのだ。
「さて。後は新芽を確保して……あぁそうだ。ついでに冒険者達の落とし物もあれば届けてやろうか」
凍りついた南瓜が地に転がり、霜の浮かんだ蔓が萎れて崩れる。
そんな光景を横目に見つつ、呟くアネットの意識は次の目的へと移っていた。
即ち、麓の町……『遺跡都市ヴェルニス』の収穫祭で使われる神具の素材、この大樹で最も生命力に溢れた新芽の回収である。
かくして、猟兵達は大樹に巣食った厄介者を見事に排除する事に成功した。
神具の素材となる新芽も無事に回収し、収穫祭も無事に行われる事だろう。
この世界の日々を生きる人々。その心の安寧を、猟兵達は見事に守り抜いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵