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カボチャ祭りと変化猫

#サムライエンパイア #お祭り2021 #ハロウィン

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●猫が化けてやってくる
 グリモアの力を借りることで渡り歩ける様々な世界。10月ともなれば、それぞれの世界で、それぞれのハロウィンが催されるわけなのだが……中には『ハロウィン』という呼称での祭が行われていない世界もある。
 神楽・鈴音(歩く賽銭箱ハンマー・f11259)の故郷でもある、サムライエンパイアも、そのひとつ。まあ、確かにUDCアースの江戸時代に該当する世界には、異国の祭は馴染みが薄いのかもしれないが……それでも、この季節になると日本各地で、豊穣を祝う秋祭りが行われている。
「……と、いうわけで、あなた達には今から秋祭りに参加してもらうから」
 そう言って、鈴音は猟兵達に、サムライエンパイアにある神社で行われる祭についての説明を始めた。
「場所は摂津……UDCアースなんかで言うところの大阪ね。そこにある神社で秋祭りが行われるんだけど、その中にオブリビオンが紛れ込んで悪さをしようとしているみたいなの」
 鈴音の話では、敵は『猫魈(ねこしょう)』と呼ばれる魑魅魍魎で、化け猫や猫又といった者達の上位種であるとのこと。猫又といえば、食欲と色気に忠実な半人半獣の女の子が多かった気がするが……この猫魈を同じように甘く見てはいけないと、鈴音は猟兵達に釘を刺した。
「猫魈っていうのは、タヌキやキツネなんかと同じ、変化術を使うことで有名なの。当然、祭に乗じて現れる猫魈も、人間の姿に化けて人混みに紛れ込んでいるわ」
 そうやって、人混みに紛れて狙いを定めた相手を攫い、食い殺す。狙われ易いのは小さな子どもや力の弱い老人だ。祭を中止すれば猫魈も現れなくなるが、それでは別の場所、別の時間に猫魈が人を襲う事件が発生してしまうので、この機会に倒しておかねば後の憂いになってしまう。
「猫魈は、とにかく警戒心が強くて、おまけに慎重な正確をしているわ。正体を見破って攻撃を仕掛けたところで、こっちが攻撃を当てられるのは、せいぜい一瞬がいいところね」
 攻撃を受けた猫魈は、再び何かに化けて人混みの中に紛れ込んでしまうだろう。ただでさえ、周りに一般人がいる祭りの場。騒ぎが大きくなればなるほど、それに便乗して猫魈は狡猾に立ち回る。
「騒動を大きくしないように、上手いこと誘き出して一発食らわせるか、相手が獲物を狙って動いたところへ強引に割り込んで、一発食らわせるか……。これを繰り返して行けば、いずれは力尽きて倒れると思うわ」
 そうして、猫魈を退治したら、帰りには秋祭りを存分に楽しんでもらって構わない。奇しくも、この神社の祭はカボチャを使ったものだという。屋台ではカボチャと小豆を煮込んだカボチャ汁粉が振舞われ、この地方の特産品である固有のカボチャも売られているという。
「他の世界のハロウィンとは違うけれど、同じカボチャを使ったお祭りだし、似たようなものでしょ? 折角だから、思う存分にお汁粉食べてきてもいいんじゃない?」
 これから寒くなる季節、カボチャは無病息災を促す効果があるとされている。そう言って、鈴音は猟兵達を、秋祭りが行われているサムライエンパイアの地へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 サムライエンパイアでのハロウィンシナリオです。
 え? カボチャしか共通点ないって? いえいえ……今回は我々が仮装するのではなく、オブリビオンが化けて来るのですよ!

●第一章:ボス戦(猫魈)
 秋祭りの人混みに紛れ込んだオブリビオンを退治します。
 一般人に化けているので、外見だけで見破るのは困難を極めます。
 他の場所へ誘導する、何らかの方法で正体を暴く、獲物を狙っているところに割り込んでカウンターを食らわせるなどして、撃退してください。
 こちらの攻撃を食らった猫魈は、再び何かに化けて逃走しますが、何度も攻撃を食らっていると最後は力尽きて倒れます。

●第二章:日常
 カボチャ祭りを楽しんで下さい。
 一般的な屋台料理の他に、カボチャと小豆を煮たお汁粉が楽しめ、この地の特産品である珍しいカボチャを買うこともできます(現代日本では大阪の一部地域でしか流通していません)。
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第1章 ボス戦 『猫魈』

POW   :    進化の術
【自身の霊力を増幅し、より強靭な肉体】に変身する。変身の度に自身の【尻尾】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    分身の術
自身の【生命力と霊力の一部】を代償に、【3体の分身を作り出し、それ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【爪や牙、鬼火など】で戦う。
WIZ   :    変化の術
【対象と同じ姿に変身し、同じ武器や能力】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠上崎・真鶴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フレミア・レイブラッド
猫又の眷属の子は何人かいるけど、上位でも可愛らしさは劣るみたいね。

【創造支配の紅い霧】を発動。

祭り会場全体で発動し、囮として小さな女の子姿の自身の実体分身(全て容姿バラバラ)を『創造』し、祭の各所に散会。
逆に本物の女子供や老人等の近くにはそれとなく自身や霧で『創造』した浪人や武士等を護衛配置。
警戒心が強くて慎重な性格なら、近くに不確定要素がいる方より、間違いなく囮の方を狙って来るでしょうしね。
万一本物を狙っても、創造物やわたし自身で割り込みを掛けれるし。
囮を狙ってくれば、そのままわたしの分身がカウンターを仕掛け、本体と連携して強烈な一撃【怪力、早業、串刺し、力溜め、切断】を喰らわせてあげるわ!



●猫と姫の化かし合い
 祭りの会場に紛れ込んだオブリビオン。それは狡猾な猫であり、人込みに紛れて弱い者の命を狙う。
 まったくもって、厄介なやつが現れたものだとフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は溜息を吐いた。聞けば、この猫魈とかいう化け物は、猫又や化け猫の親玉だというではないか。
(「猫又の眷属の子は何人かいるけど、上位でも可愛らしさは劣るみたいね」)
 人間を餌としてしか認識していない以上、愛でる要素はどこにもなさそうだ。もっとも、猫魈は猫又とは違い、どんな存在にも化けられる。それこそ、可憐な少女から妖艶な女性、果ては純粋無垢な子供から、女性と見紛うような美男子まで、必要に応じてどんな姿にでもなることができる。
 この魑魅魍魎にとって、姿形というものは、仮初の器程度の代物なのだろう。だからこそ厄介な相手なのだが、そちらが姿を変えるのであれば、こちらも幻影で対抗だ。
(「全てを満たせ、紅い霧……。夢も現実も、全てはわたしの思うまま。ようこそ、わたしの世界へ」)
 誰にも気づかれないよう、フレミアはこっそりとユーベルコードを発動させた。紅い霧が足元に充満すると同時に、祭の場に現れるのは何の変哲もない少女達。
 それらは全て、フレミアの創造した分身だった。その一方で、本物の女子供や老人の周りには、屈強な武士の幻影をそれとなく配置しておく。護衛の意味合いだけでなく、敵の目を欺き、すこしでも分身の方へと注意を引かせるための布石だ。
 果たして、そんなフレミアの読みは正しく、猫魈は囮として放たれた分身を狙って姿を現した。だが、いざ反撃で仕留めようとしたフレミアは、現れた猫魈と思しき存在の姿を見て、思わず目を丸くした。
(「あれは……もしかして、わたしに化けたの!?」)
 なんと、そこに現れたのは他でもない、フレミア自身の姿であった。紅き神槍を持った猫魈は、そのまま分身の背後に回ると、一気に距離を詰めて背後から一突きにしたのだが。
「……んにゃっ!?」
 何の手応えもなく少女の身体が消えてしまったことに、猫魈は思わず生の声で叫んでしまった。
 奇襲を受けた少女が消えたのは当たり前だ。なぜなら、彼女はフレミアの創造した分身であり、本体ではないのだから。そして、分身を攻撃したことで生まれた隙を、本体である本物のフレミアが見逃すはずもなく。
「見つけたわよ! そこね!!」
「……っ!? にゃぎゃぁぁぁぁっ!!」
 渾身の力を込めた本物の神槍の一撃が、隙だらけの猫魈を背中から貫く。二人のフレミアは、姿も能力も全く同じ。だが、隙を突いて死角から攻撃を仕掛けられれば、当然のことながら奇襲を食らった方が不利になる。
 予期せぬ反撃を食らった猫魈は、慌てて元の化け猫の姿に戻ると、そのまま様々な生き物に変身しながら逃げ出した。
 猫からネズミに。ネズミからトカゲに。そうして、最後は祭りの場にいる人間と同じ姿になりながら、人込みの中へ消えて行く。
「逃げたわね……。でも、あの傷じゃ、そう遠くまでは逃げられないはずだわ」
 槍に残る確かな手応えを感じながら、フレミアは点々と続く血痕を目で追いつつ呟いた。これだけの深手を負わせたのだから、後は他の猟兵達が、しっかり始末をつけてくれるだろうと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル
むむむっ、悪いにゃんこはにゃんこでもやっつけちゃうぞ!
ボクがお仕置きだ!

でも、この人混みの中から猫魈を探すのは難しそうだね……
子どもが狙われやすいって話だし、一緒に遊びながらボクがぼでぃーがーどだ☆
ボクも仲間に加えてーと「コミュ力」で話かけてあっという間に子ども達と仲良くなっちゃうね♪

子ども達と遊びながらも周りを警戒して、猫魈が襲い掛かって来たら【妖精姫の括り罠】で罠にはめちゃうよ♪
足を取られて身動きができなくなったところに風をまとわせたレイピアの「属性攻撃」でがつーんとやっちゃうぞ☆

そのまま猫魈が逃げ出したら、念のため子ども達のぼでぃーがーどを続けるね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


上野・イオナ(サポート)
『英雄イオナ 希望を描きにただいま参上!』
ヒーローの類いに憧れてる系男子です。悪いやつ許せないです。困っている人を助けます。
でもカッコイイものや面白そうな事が好きで直接助ける対象が見えてない場合はそちらを優先することがあります
具体的にはとあるシナリオで崩れる遺跡の中、巻き込まれてる人が居ないか探さずに、カッコイイ剣をあつめてました
正統派英雄を目指してますが
クールなダークヒーローやイラズラ好きのややひねくれた主人公とかも好きなのでそういう悪い系統の人とも喜んで協力します

年齢に比べて行動や喋り方が少し幼い気がします
※アレンジ・連携 歓迎



●悪い猫さんにおしおきだ!
 祭の人混みに紛れる形で、悪い猫の妖怪が人々の命を狙っている。猟兵としては、そんな話を耳にしたら、放っておけないのが常だろう。
 ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)にとっても、それは同じことだった。小柄な彼女にとって、こういった人混みは身を隠すのに丁度良い場所。だが、サイズも姿も自在に変えられる猫魈にとっても、人混みは絶好の狩り場である。
(「う~ん……この人混みの中から猫魈を探すのは難しそうだね……」)
 普段であれば機動力を生かして偵察をするところだが、この状況では却って敵を見失い兼ねない。最悪、ニアミスすることも考えて、ティエルは敢えて自ら探さず、敵に狙われそうな者達を集めることにした。
「みんな~、こっちに来て~! ボクと一緒に遊ぼうよ!」
 猫魈が狙いそうな子ども達に声をかけ、ティエルは祭りの行われている境内の真ん中へと彼らを誘導した。ここならば、周りに大人の目も多く、なにより目立つので迂闊な行動は取れないはず。
 果たして、猫魈はそんな子ども達を狙って来るのだろうか。警戒だけは緩めずに遊び相手となるティエルだったが、そんな彼女の下へ、新たな子どもが現れた。
「あの……わたしも、仲間に入れてくれる?」
「ん? だ~れだ、おめぇ。この変じゃ、見ねぇ顔だな」
 毬を持って現れた少女、他の子ども達が訝しげな視線を向けた。その態度に思わず俯いた少女だったが……その口元が微かに笑みの形に歪んでいることを、ティエルは見逃さなかった。
(「え……? あれって、もしかして……!!」)
 少女の着ている服の裾から覗く手が、いつの間にか鋭い爪を持った獣のものに変わっている。この間合いでは、間に合わない。せめて、自分が盾になることで子ども達を逃がそうとするティエルだったが……彼女が覚悟を決めた瞬間、なにやら社の屋根の上で声がした。
「ふっ……英雄イオナ! 希望を描きにただいま参上!」
 なんと、そこに立っていたのは、煌びやかな後光を背に纏った上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)だった。
 ちなみに、彼の後ろで輝いている後光は、彼のユーベルコードによるものだ。自然現象の偽物を作れば、それは本物と遜色ないものになるというわけで……恐らく、日の出か何かを創造したのだろう。
 いったい、そんなことをして何の意味があるのかといえば、それは単にカッコイイから! 当然、攻撃にも防御にも、一般人を守るのにも役に立たないが、それはあくまで後光で直接何かしようとすればの話。
「さあ、ここから先は、僕が相手をしてあげるよ」
 颯爽と屋根から飛び降りるイオナの姿に、祭を楽しんでいた者達だけでなく、子ども達や猫魈までが、思わず呆気に取られていた。
 いったい、この男は何がしたいのだろう。誰もがそんな風に思っていたことだろうが、それは裏を返せば、猫魈に攻撃を仕掛ける絶好のチャンスでもあるわけで。
「そこだー! 引っかかっちゃえー☆」
「……っ! にゃぎゃっ!?」
 いつの間にか、ティエルが足下に罠を仕掛けており、猫魈はそれに躓いて転んでしまった。
 途端に、変化の術が解かれ、猫魈は少女の姿から本来の妖怪としての姿へと戻ってしまう。慌ててティエルに変身しようとするも、罠によってユーベルコードを封じられているので、妖怪の姿から変身することもできない。
「正体を表したね、怪物め! さあ、もう逃げられないよ」
 虹色の剣で、イオナが猫魈を正面から斬り付ける。だが、それだけでは終わらず、今度はティエルが後ろから、猫魈の尻をレイピアで突いた。
「にゃぎゃぁぁぁぁっ!!」
 悲鳴を上げて、堪らず猫魈は逃げ出した。目の前の獲物に夢中になるあまり、謎のヒーロー登場シーンに思わずペースを乱されてしまったことが、何よりの敗因だったようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイカ・ヴァンスタイン(サポート)
フェアリーの聖者×プリンセス、8歳の女です。

戦闘は苦手で援護や救助、支援など中心です。
武器は人間大の人形(銃火器持)ですので、運搬作業も可能です。
普段は悪戯(許せる範囲)で遊ぶ※戦闘とは別です。

普段の口調は「マイペース(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」
苦しい時は「愛想笑い(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」です
幼いので殆どひらがなで喋ってます。

・ユーベルコードは必要に応じて、多少の怪我は厭わず積極的に行動(支援中心)します。
・他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
・あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ連携大歓迎

…はぁ
化け猫と呼ぶには狡猾にも程があるな

姿を変えるなら私自身が囮になっておびき寄せるしかないか
【もふもふさんの励まし】で呼んだもふもふさんを抱えながら
背後を警戒しつつ猫魈と思しき血痕を追跡しよう
できれば人気がない林の中に誘い込みたいところだ

猫魈が同じ武器、能力で攻撃してくるなら
ツッコミ用の鋼鉄製のハリセンは武器扱いされないかも(※装飾品のホビーグッズ)
そもそも、私は殺傷武器を持っていないのだ

まあ、仮にハリセンごと変身されたとしても
果てしないどつき合戦になるだけか
その場合、お互いハリセンで相手を張り倒すことになるが
もふもふさん抱えて強化しているなら何とかなる…?



●もふもふは正義なり?
 獲物を食らうどころか、反対に手痛い反撃を食らってしまった猫魈は、傷を押さえながら神社の裏手にある林の中へと逃げ込んでいた。
「ひぃ……ひぃ……。ひ、酷い目に遭ったぞ……」
 背中と腹、そして尻にも傷を負い、そこから溢れ出す鮮血が、地面を赤く染めている。腐っても上級妖怪であるため、この程度では死なないものの、しかし力を大幅に削がれることに変わりはない。
「おのれ、人間どもめ……。こうなれば、獅子か虎にでも変化して、誰彼構わず食らってくれる!!」
 このままでは、傷を癒すだけで精一杯だと考え、猫魈はついに無差別に大量の人々を襲って食おうと考え始めた。だが、そんな猫魈が巨大な肉食獣に変化しようとした矢先、背後から繰り出された鋼鉄製のハリセンが、凄まじい勢いで猫魈のことを張り倒した。
「にゃぎぃっ! こ、今度は何が……」
 近くの木に叩きつけられ、猫魈は頭を振るいながら立ち上がる。目の前にいたのは、ハリセンを持った藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)。血痕を辿って猫魈に追い付き、問答無用でハリセンによる突っ込みを叩き込んだのだ。
「うぐぐ……そのような玩具で我を甚振るとは……下等な人間の雌の分際で……」
 完全にブチ切れた猫魈は、術を使って美雪と同じ姿に変身した。これで互いの力量は互角。否、特定の能力だけを特化して強化できる分、ある一点においてはオリジナルよりも猫魈の方が上だ。
「己と同じ姿の者に、存分に屠られるがいい! 覚悟ぉ!!」
 ハリセンとハリセンが空中で交錯するが、パワーだけなら猫魈の方が強い。どうやら猫魈は攻撃力を増強させることで、一方的に美雪のことを押し切る策に出たようだ。
「これで終わりだ、俗物め! ニャヒヒヒ……まずは、貴様の肉をいただいてくれる!」
 調子に乗った猫魈は、力任せにハリセンを振るい、美雪の手から弾き飛ばした。その上で、更に攻撃を加えようとするものの……それよりも早く、美雪の方が動いた。
「もふもふさんもふもふさん、存分に励ましてあげてくれ」
 謎の詠唱と共に、出現したのはもふもふした小動物。どう考えても戦いの役には立ちそうにないが……数だけはやたら多い上に、それらがスクラムを組んで立ちはだかり、果ては美雪の身体を覆い始めたではないか!
「……んにゃっ!? な、なんということ……これでは攻撃が通らぬ!!」
 ハリセンの強烈な一撃も、もふもふ生物の毛に弾かれて効果がない。ならば、自分も同じ姿に変身しようとする猫魈だったが、それを阻止するかの如く、今度は無数の弾丸が飛来した。
「はろはろ、けが人居ませんか~? それとも、えんごが必要ですか~?」
 それは、多数の人形を引き連れて現れた、レイカ・ヴァンスタイン(銀光精・f00419)の仕業だった。彼女は楽しい事が好きな悪戯妖精に過ぎないが、しかし操る自動人形達は、その全てが様々な戦闘のプロである。
「そ~れ、まずはいっせいしゃげきー!」
 レイカが指先の糸を軽く動かせば、それに合わせて人形達もまた踊る。彼女達は手にした重火器を構えると、猫魈目掛けて情け容赦なく乱射する。
「にゃぎゃぎゃぎゃ! し、しまった! ここでは、盾にできる人間がいない!?」
 なまじ、林の中などに逃げ込んでしまったため、猫魈の周りには弾避けに仕えるような人間が誰もいなかった。轟音と共に、炸裂する火砲。それは猫魈だけでなく、近くで戦っていた美雪まで巻き込んでしまったが……不思議なもふもふに包まれて、彼女は全くの無傷だった。
「ふぅ……もふもふがいなければ、死んでいたな」
 爆風の中から、何事もなかったかのようにして美雪が顔を覗かせる。レイカも恐らくは、美雪の纏っているもふもふ生物の力を信じているからこそ、先の一斉射撃を人形達へ行わせたのだろう。
「それじゃ、次はこれ! ホルスちゃんやっちゃいなさい」
 続けてレイカは猫魈に向け、召喚したドラゴンにレーザーブレスを発射させた。咄嗟に霊力を増幅し、巨大な身体にならんとする猫魈だったが、その程度ではレイカも怯まない。
「おお、まとが大きくなったね!」
「まったくだ。わざわざ、狙い易くなるよう巨大化してくれるとは手間が省けたぞ」
 狙い易くなったとばかりに、再び猫魈目掛けて人形達による銃の乱射。もはや、息も絶え絶えになった猫魈に、最後は美雪がハリセンによるフルスイング!
「ぎにゃぁぁぁぁっ!!」
 天高くカチ上げられ、そして地面に落下したところで、何かの潰れるような音がした。哀れ、猫魈はもふもふの毛並みを持っていなかったので、落下の衝撃に耐えられずに死んでしまったのである……合掌。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 日常 『とあるお祭りの縁日にて』

POW   :    次から次へと屋台を巡り歩き、食べ歩いたり遊び歩いたりする。

SPD   :    近くの神社で奉納されている巫女の舞等を体験してみる。

WIZ   :    屋台で巧みに値切り交渉をして、気に入った品や掘り出し物を入手する。

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●南瓜づくしの秋祭り
 秋祭りの喧騒に誘われて現れた猫魈は、猟兵達の手によって成敗された。一人の犠牲も出さず、殆ど秘密裏に事が進められた故、秋祭りに参加している大半の者達は、何が起きたかも知らないままだろう。
 まあ、世の中には知らない方が良いこともあるので、彼らには何も伝えない方が良さそうだ。それに、折角の秋祭りなのだから、ここで楽しまないのは損でもある。
 屋台では主に、カボチャと小豆を煮込んだカボチャ汁粉を扱っている。また、特産品でもある固有のカボチャは、この地方でしか採れない貴重なもの。かつてはUDCアースなどの関西地方でも栽培されていたようだが、江戸の終わりに栽培が止まってしまったらしく、今では本当に一部の農家でしか取り扱っていない希少な品種だ。
 村の者に混ざってカボチャを楽しむもよし、あるいは異国の祭りに疎いサムライエンパイアの人々に別世界のハロウィンについて教えるもよし。楽しみ方は、正に人それぞれである。さあ、君はこの秋祭りで、何をする?
藤崎・美雪
【一応POW】
アドリブ他者絡み大歓迎

郷に入れば郷に従えと言うではないか
ここは素直に秋祭りを楽しむよ
紫陽花柄の浴衣(※今年の浴衣コンイラスト)に着替えて参加だ

オブリビオン相手にあれだけハリセンを振り回すと
さすがに甘いものがほしくなるな
ここはひとつ、カボチャ汁粉を味わうとしよう

…ふむ
甘さは控えめのようだが
カボチャと小豆、両方の甘みが引き立って美味しいな
作り方を教わりたいものだ

ほう…これがこの地特産のカボチャか
普段UDCアースで目にするカボチャより小ぶりのようだ
日本かぼちゃの一種なら煮物にしても良いし
このサイズなら中身をくり抜いて詰め物をして蒸しても美味しくいただけそうだ
帰ったら探してみるとしよう



●幻の南瓜を求めて
 秋祭りに便乗して人の命を食らわんとする妖怪は退治され、神社の境内は変わらぬ祭囃子が響いていた。
 サムライエンパイアに在りながら、南瓜の祭りとは珍しい。だが、郷に入れば郷に従えの言葉通り、折角の祭りなのだから楽しまないのは勿体ない。
 紫陽花柄の浴衣に身を包み、藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)は境内の屋台を見て回っていた。
「オブリビオン相手にあれだけハリセンを振り回すと、さすがに甘いものがほしくなるな。ここはひとつ、カボチャ汁粉を味わうとしよう」
 肩を軽く回しながら、美雪は近くにあった屋台の南瓜汁粉を頼んでみた。南瓜と小豆を煮て作った簡素なものだったが、疲れた身体には、むしろ自然で程良い甘さの方が心地よかった。
「……ふむ。甘さは控えめのようだが、カボチャと小豆、両方の甘みが引き立って美味しいな」
 これは是非とも作り方を教わらねば。ダメ元で店主に尋ねてみると、向こうの屋台で売られている南瓜を買って帰るように指南された。
 どうやら、この南瓜汁粉を作るには、この地で採れる特別な南瓜を使わなければなならい模様。試しに屋台の店先で売られている南瓜を手に取ってみると、なるほど西洋南瓜とは異なり、小ぶりで縦方向の深い溝がクッキリと出ている。
「ほう……これがこの地特産のカボチャか。普段、UDCアースで目にするカボチャより小ぶりのようだ」
 日本を原産とする、日本南瓜の一種なのだろう。西洋のものと比べて水分量が多く皮まで柔らかい。甘みがあっさりしており、様々な料理に合うのが特徴だ。
 惜しむらくは、病害虫に極端に弱い事。広大な農地で大量に生産するのは向かず、故に希少性がどうしても高くなる。
「このサイズなら、中身をくり抜いて詰め物をして蒸しても美味しくいただけそうだ。帰ったら探してみるとしよう」
 同じ日本南瓜ならば、UDCアースの大阪にも存在しているはず。あちらの世界では、今となっては幻とも言われている南瓜を探すのも、それはそれで面白い。
 祭りが終わった後にも、また一つ美雪の楽しみが増えたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

森宮・陽太
【一応POW】
アドリブ他者絡み大歓迎

そういえばサムライエンパイアの祭に足運んだことねぇな
つーわけでちょっくらお邪魔するぜ
ひとりで奇をてらう仮装をする意味はねぇから
浴衣姿で出歩こう

俺はサクラミラージュの住民なんだが
この祭、田舎の祭の雰囲気とどこか似ている気がするぜ
というより、これが古式ゆかしい秋祭りなんだろうな
はろうぃんとは一切関係ない
神に今年の豊作を感謝し、来年の豊穣を祈願する祭
この祭りが素朴だが温かく感じるのは
神への感謝と祈りに満ちているからか

おっ、カボチャ汁粉いっただき!
汁粉と聞いたから甘いイメージがあったんだが
小豆とカボチャの自然な甘みがむしろ優しく感じるぜ
美味かったぜ、ごちそうさま!



●古き良き秋祭り
 オブリビオンの脅威が去ってしまえば、そこに広がっているのは、それぞれの世界で暮らす者達の日常だ。
 秋祭りが開かれているサムライエンパイアの地。森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)にとって、そこは初めて訪れる場所だった。猟兵になって久しいものの、サムライエンパイアの地へ足を運ぶ機会に、今まで恵まれていなかったのだ。
「つーわけで、ちょっくらお邪魔するぜ。ハロウィンは関係ねぇから、仮装しなくていいのは楽だな」
 浴衣姿で境内を見て回れば、時代は違えど、そこはどこにでもある日本の片田舎の祭だった。サクラミラージュ出身の陽太からすれば、どこか親しみを覚える風景でもある。故郷の世界ではハイカラが好まれるが、こういった古式ゆかしい秋祭りも良いものだ。
 神に今年の豊作を感謝し、来年の豊穣を祈願する祭。素朴だが、どこか暖かく感じるのは、この祭りが神への感謝と祈りに満ちているからなのかもしれない。
「おっ、カボチャ汁粉! いっただき!」
 屋台で売られている汁粉を買って、陽太は試しに一口食べてみた。汁粉といえば小豆を砂糖で煮た甘い食べ物というイメージがあったが、この汁粉は砂糖の代わりに南瓜を使い、素材の味だけで甘みを引き出しているものだ。
 小豆と南瓜の織り成す自然な甘みは、癖がなく誰にとっても優しく感じられる味だった。ハイカラに走るのも良いが、たまにはこういった気取らない味を、じっくりと楽しむのも良いものだ。
「美味かったぜ、ごちそうさま!」
 椀を返し、陽太は軽く口元を手で拭った。
 様々な世界がハロウィンで賑わう中、サムライエンパイアは今年も平常運転の秋祭り。だが、それを楽しめるのも、猟兵達が信長を討ち、この世界に平穏を取り戻したからこそである。
 平和とは、勝ち取るよりも維持する方が難しい。今宵、秋祭りに紛れ込んだオブリビオンを討伐したように、これから先も猟兵達は、世界の均衡を乱す存在と戦い続けて行くのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月31日


挿絵イラスト