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前夜祭！　パンプキンオブリビオン！

作者：波多野志郎

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　ヒーローズアース――夜のマンハッタン、摩天楼。ビルの屋上に立っていたのは、ゴッドパンプキンヘルムを被った緑色の肌を持つ巨体だった。

「ふしゅるううううううう……！」

　巨体が、その手から無数の種をバラまく。落下した種はアスファルトを貫く――そして、地面から黄金色に輝く南瓜のつるが伸びていった。
　すぐに巨大な南瓜が無数に実り、巨大南瓜が割れると、中から中身をくりぬいた南瓜をかぶった「パンプキンオブリビオン」が現れる。それは漆黒の騎士鎧に、南瓜を被ったパンプキンオブリビオンの群れだ。

　その瞬間、人々が悲鳴を上げて逃げ出す。構うことなく、漆黒騎士鎧のパンプキンオブリビオンが襲い出した。

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「いや、これはハロウィンというのは違うと思うのじゃが……」

　ガングラン・ガーフィールド（ドワーフのパラディン・f00859）は呆れたように、そう切り出した。

「何でもの、知られざる文明のひとつ「センターオブジアース」から、太古の時代、神が地上の環境を整えた際に使われた環境調整植物の一種「ゴッドオブパンプキンズ」の種子がオブリビオンによって盗み出されたらしいのじゃ」

　オブリビオンはこの種を使い、地上に混乱をもたらそうとしている――それを放置は決してできない。

「まずは盗み出したオールドスパーキーの前に、人々を救うべくデュランダル騎士のパンプキンオブリビオンを退治する必要あるじゃろう」

　このパンプキンオブリビオンを倒せば、ゴッドパンプキンヘルムを被ったオールドスパーキーが襲ってくるだろう――まずは人命を守るのを第一に動いてほしい。

「ハロウィン間近じゃからな。その前に終わらせたいところじゃ。どうか、よろしく頼むぞい」

第1章 集団戦 『デュランダル騎士』

POW   :    デストロイブレイド 単純で重い【量産型魔剣デュランダル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。 SPD   :    ケイオスランサー 【魔槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【仲間のデュランダル騎士との怒濤の連携攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 WIZ   :    不滅の刃 【量産型魔剣から放たれる光】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

●同胞を悼むため、今夜は懐かしき戦いに身を投じよう――

「我が同胞……我が騎士達よ。尚操られるものがいたか……」

　夜のマンハッタン、摩天楼に現れたデュランダル騎士の成れの果て――パンプキンオブリビオンを憐れみの目で見やり、バーン・マーディ（ヴィランのリバースクルセイダー・f16517）はこぼす。
　バーンはその南瓜頭の姿に、同情を隠せず――。

「………懐かしいな。この時期はこうして兜を南瓜に変え祝ったものだ」

　……そんなでもなかった。むしろ、懐かしささえ抱く光景らしい。ただ、かつての同胞が守るべき人々を傷つけることをバーンも許す訳にはいかない。

「死して尚共に在りし忠臣たる騎士達よ。我が声に呼応せよ。今が戦いの時だ」

　魔剣「Durandal　MardyLord」を構え、バーンは呼びかける。デュランダル騎士団招来――心半ばに倒れたデュランダル騎士団の精鋭の霊をバーンは召喚した。

「騎士団招来……ってお前達もか！？」

　バーンは自ら召喚したデュランダル騎士団もまた、南瓜頭であることに驚いた。しかし、そのくり抜かれた奥の瞳にバーンは悟る。

「……成程……奴らに真のハロウィンを思い出させたいという事か」

　ハロウィンとは死者が帰る夜――そして、その死を悼むためであり、新たな死を生むためのものではない。そのことを示さんとしているのだ……バーンは、そう悟った。

「紅炎の姫よ……その力を貸せ」

　オーラの防御と騎士達と己の武器に炎属性を付与し、バーンは陣形を組む。カボチャヘッド対カボチャヘッド――過去の騎士団の同胞たちが、今ここに激突した。

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ！！』

　量産型魔剣デュランダル達が唸りを上げて、激突する。しかし、バーン側のデュランダル騎士団の方が付与による強化がある分、大きく有利だ。パンブキンオブリビオンたちの陣形が最初の激突で崩れたのを見ると、バーンは魔剣「Durandal　MardyLord」を薙ぎ払い、大きく切り崩していった。

　天から見れば、それは黒と黒の激突に見えただろう――元い、黒と南瓜色だ。特に三体に一体が集中したり、バーンの猛攻によって数は瞬く間に変わっていく。倒れたパンブキンオブリビオンもデュランダル騎士も、分け隔てることなく回収されていった。

「さぁ、奴らに見せてやれ！　これこそが、死を悼むハロウィンだと！」

　いくらゴッドオブパンプキンズがかつての同胞を生み出そうと、怯むことはない。大義は我らにあり、バーンの気炎に今宵デュランダル騎士団は一騎当千の南瓜頭となって獅子奮迅の槍働きを見せた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●南瓜の葬列

　夜のマンハッタン、摩天楼をデュランダル騎士の成れの果て――パンプキンオブリビオン達が更新していく。その姿はまさに、死者の葬列。死を運ぶ南瓜の群れだ。

　その死者の葬列に、水心子・真峰（ヤドリガミの剣豪・f05970）がその場に降り立ち立ち塞がった。

「水心子真峰、推参。さて、真剣勝負といこうか」

　ガシャン！　と先頭の騎士がランスを構え突進してくる――それを真峰は錬成カミヤドリで生み出した一振りを手に取ると抜く事なく鞘の一撃で横一閃に薙ぎ払った。
　漆黒の巨体が、軽々と吹き飛ばされ後列に叩きつけられる！

『――――！』
「……それはさせない」

　量産型魔剣を抜き放ち、味方を回復させようとした一体を満月・双葉（時に紡がれた人喰星・f01681）は死角に回り込み桜姫の大鎌で抜いた腕の肘を切り飛ばし防いだ。仲間の邪魔はさせない、双葉の作り出した一瞬の間隙にアトシュ・スカーレット（狭間を歩く放浪者・f00811）が陣形が崩れた葬列へと挑んだ。

「風よ、空へと導け」

　摩天楼を、アトシュが虚空を蹴って駆ける。Krarvint（クラールヴィント）による加速を得たアトシュが、片手剣形態のJoyeuseを薙ぎ払い、銃形態の村雨で止めを刺していった。

「地の神よ……私たちをお救いください……！」

　そして、杉崎・まなみ（村娘・f00136）の祈りに答えるように岩石の津波が周囲を囲む――人々を守るように気づかれたまなみの大地の奇跡（ダイチノキセキ）による『壁』が南瓜の葬列を囲んだ。

「後は真っ直ぐに刈り取るだけですね」

　まなみの言葉に、仲間達が身構える。まるで、大地の恵みというようなまなみの軽い言い方だが、間違いではない――だから、真峰は告げる。

「間引きだ、覚悟しろ」

●大地の恵みというにはあまりにも危険が過ぎて――

　それは空から見れば、目に見えないトラクターが無料品となった南瓜を押し潰すような光景だったかもしれない。

「正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな」

　真峰は身を低くその場に滑り込み、複製された太刀を振り払う。それは雑草を駆る鎌のように、漆黒の騎士達の脚を払い宙へと舞わせる――そもそもが、南瓜のヘルムとデュランダル騎士の鎧は、相性が良いとは言えなかった……『足元』が見にくいのだ。

　だからこそ生まれた死角、そこで宙を舞ったパンプキンオブリビオン達を虚空を蹴ったアトシュがJoyeuseと村雨の両方を銃形態に変え、二丁拳銃の要領で銃弾を撃ち込んでいった。ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ！　と散る無数の火花、そのまま凹まされ穿たれ、地に叩きつけられる！

　その仲間を踏み砕いて先へ向かおうとする前列を、双葉が桜姫の剣による一撃を大上段に振り下ろした。

「……今です」

　片膝立ちの体勢で身を低くした双葉へ、パンプキンオブリビオンが襲いかかろうとする――自らを囮とした双葉の『誘導』に、まなみが動いた。

「地の神よ……そのお力を私たちにお貸しください……」

　ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ！　とまなみが繰り出す光属性の魔法の矢が、群れとなって双葉の頭上を通り過ぎ、漆黒の南瓜騎士達に突き刺さり、吹き飛ばしていった。

　――真峰とアトシュを主力に、双葉とまなみがフォローに専念する。この即席のパーティは上手く機能していた。真峰とアトシュが蹴散らし、それを双葉が遊撃し繋ぎ、まなみがサポートする――それが機能した時、南瓜の葬列に対抗する術はなかった。

「もうちょっと可愛い方が……」

　ボソリ、と呟きながらまなみは杖を掲げて唱えた。

「地神よ……我が祈りに応え光を放て……ホーリーフラッシュ！」
『――ッ！？』

　夜の闇が、昼間のよりも強く照らされる――まなみの聖なる光（ホーリーフラッシュ）に視界を焼かれたパンプキンオブリビオン達に、すかさず双葉が迫った。

「……こっち」

　視界は必要ない、読心術で読み取った敵の動きに対応して双葉は大鎌状態の桜姫を振り切った。刈り取る形の刃は、大きく切り裂くのではなく薙ぎ払って吹き飛ばす動きにとどめる――ドォ！　と吹き飛ばされてぶつかった南瓜騎士達を、アトシュがJoyeuseと村雨を刃に変えて切り裂いていく！

「後は頼む」
「任された」

　そして、残ったパンプキンオブリビオン達の前へ真峰が踏み込んだ。唸りを上げる鞘に収められた太刀――その複製の殴打に、完全に南瓜頭が破壊されていった。

　それと同時に、大地の壁が崩れていく。完全に処理が終わった南瓜の葬列に、マンハッタンの人々が拍手喝采を送った……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

第2章 ボス戦 『オールドスパーキー』

POW   :    ハンマースパーク 【身体】から【発電された高圧電流を纏った一撃】を放ち、【感電】により対象の動きを一時的に封じる。 SPD   :    ボルカニッカー 【全身から火山の噴火のような激しい空中放電】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。 WIZ   :    イートタイム 戦闘中に食べた【引きちぎった電線から取り込む電気】の量と質に応じて【全身の細胞に電力が充電され】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●オールドスパーキー＝ゴールデンパンブキンヘッド

　その歓声を黙らせるように、黄金色の南瓜頭のヘルムを被ったオールドスパーキーがマンハッタンの大通りへと降り立った。

　着地と同時、クレーターが生まれる。砕け散るアスファルトと地面、その瓦礫の中オールドスパーキーは歯を剥いて笑った。

「ふしゅるううううううう……！」

　本番はこれからだ――白い吐息をこぼしながら、黄金の南瓜から盛大な殺意が放たれた……。












●夜のマンハッタン、摩天楼――

　きらびやかなマンハッタンの摩天楼に、緑の肌にゴッドパンプキンヘルムを被った巨漢がその電撃を放った。

「ふしゅるううううううう……！」

　放たれ、荒れ狂う電撃。それは無数の蛇のように周囲の摩天楼に絡みついていく――その光景の直後、周囲ニ十メートルが真っ暗となった。オールドスパーキーの電撃に、照明が耐えきれなかったのだ。

「っと、危ないね」

　その一角、人命優先でグンヒルド・メリーン（たけのこ医者・f12254）が電撃を防いだ場所以外は、だ。あんな電撃、くらえば普通の人間では一撃で終わりだだ。

「ぼんやりと暗闇に光っているのは綺麗ですが、可愛くはないですね」
「強さだけはかなりのものだがな」

　藍原・蒼夜（蒼き宝刀・f23131）のおっとりとした感想に、東海林・馨（探索する者・f33122）がそう言い捨てる。確かに暗闇に放電光で輝く巨体かつ黄金のジャック・オー・ランタンは奇抜だし、あの一撃の電流を操れるというのならかなりの使い手だ。

「せっかくのハロウィンの夜です。悪いことはさせませんよ！」

　ニノン・トラゲット（ケットシーの精霊術士・f02473）がオールドスパーキーへそう告げた瞬間だ、再び緑の巨体が動いた。

「ふしゅる！！」

　ダン！　とアスファルトを蹴ったオールドスパーキー、その発電された高圧電流を纏った体当たりが炸裂した。

●その光、瞬いて

　バチン！　と暗闇に一条の電光がきらめく――そのハンマースパークの一撃を受け止めたのは、上から割り込んだ轟木・黒夢（モノクローム・f18038）だ。

「私の出番？　それじゃ全力で行くわよ」

　そこへ黒夢と一緒に立ち塞がったのは、バトルキャラクターズだ。その一体一体がオールドスパーキーの体当たりを止めていく――それに構わず突進する黄金の南瓜だったが、数が数だ。突進の威力が落ちたその瞬間を狙って、黒夢のナックルウェポンに包まれた右ストレートがパンプキンヘルムを強打した。

「隙有りなのだ！」

　そこへ大豪傑・麗刃（23歳児・f01156）が右手サムライブレイド＋フライングシャドウ、左手バスタードソード＋ヒーローソードの変則四刀流で斬りかかる！　唸る刃、せっかくなのでそこらで拾ったパンブキンヘッドなどを被って見たが――視界不良だと投げ捨てて見た。

「ええい、ネタで相手するにはちと――あ」
「ふしゅるうううううううううううううううううううううう！！」

　投げ捨てた瞬間、麗刃を理由のある真っ当なオールドスパーキーの前蹴りが襲う！　それを麗刃は咄嗟に受け止め、距離を開けるのに利用して自ら後方へ跳んだ。

「――ぶっ飛ばします！」

　その蹴りを繰り出した直後のオールドスパーキーへ、ニノンのジャッジメント・クルセイドの光が降り注いだ。ドン！　という衝撃が吹き荒れる中、ニノンの宣言通りオールドスパーキーがその威力に吹き飛ばされる。

　それを追ったのは、蒼夜だ。蒼い月の意匠が凝らされた刀を手に、鋭い一閃をオールドスパーキーへと薙ぎ払った。

「今です」

　ザン！　とオールドスパーキーの脇腹を刀で捉え、蒼夜が言う。そこへ続いたのは馨だ。

「奇襲も立派な武の技だ――！」

　繰り出されれる宿星剣の鋭い一撃、馨の一撃を背に受けてオールドスパーキーが叫んだ。

「ふしゅるううううううううううううううううううううううう！！」

　ズドン！　と雷鳴がごとき音を轟かせ、オールドスパーキーの電撃が吹き荒れる。それをグンヒルドがガジェットショータイムで生み出した機械の壁で受け止めた。

「街中で気安く発電しないでほしいねっ」
「ふしゅるうううううううううううううううううううううう！！」

　正気など、そこにはない。もはや己から生み出す電気を暴走させたかのように、オールドスパーキーが暴れ回った……。

●それはまさしく、最後の輝き

　夜のマンハッタンが、暗闇に包まれていく。それをなすのは、その闇の中で輝くオールドスパーキーだ。その身から溢れる電撃が、縦横無尽かつ無差別に放たれる――逃げ遅れた人々を守りながら、グンヒルドが言い捨てた。

「厄介だね、本当に」

　オールドスパーキーにとっは、目につく全てが破壊すべき対象だ。しかし、猟兵はその逆――視界の全てが、守るべきものなのだ。その差は大きい、が――。

「お祭りごとって言うのは、もっと楽しいものですから！」
「そうね」

　ニノンの意見に、蒼夜も賛同する――少なくとも、コレは違う。ハロウィンにふさわし存在などではない！

「ふしゅるううううううううううううううううううううううう！！」
「そろそろ、幕引きですよ！」

　全身に電撃をまとい大通りへとオールドスパーキーが踏み込んだ刹那、ニノンのエレメンタル・ファンタジアが凍りつく旋風を巻き起こした。それはまさに摩天楼に生まれた新たな光の塔だ――その光景に、思わず周囲の人々が見とれた。

「ふしゅる――！？」
「――狼は深く深く追い詰める」

　思わず足を止めるオールドスパーキー、その死角から馨の九陰（スレッド・オブ・フェイト）の一撃が放たれる！　体内の霊力を指先に圧縮して撃ち出し、霊力が命中した瞬間に爆発――透明な糸で互いを繋ぐと、オールドスパーキーの電撃を己の内側へと取り込んでいった。

「これは、なかなかに堪えるぜ……！　長くは続かないぞ！」
「ええ」

　馨の声に答えたのは、蒼夜だ。蒼霊刀を手に一気にオールドスパーキーへと駆け込む。電気のアースのように馨へ電撃の霊気が逃された、そのわずかな間隙。そのあまりにも短い時間に――蒼夜はポジティブ・マインドで間に合わせる！

「大丈夫、間に合う！」

　蒼夜の横薙ぎ切り裂かれたオールドスパーキーが、膝から崩れ落ちそうになる。しかし、アスファルトを踏み砕きながら、オールドスパーキーは倒れる事を拒んだ。

「ふしゅるううううううううううううううううううううううう！！」

　全身全霊のボルカニッカー、全身から火山の噴火のような激しい空中放電を放ったオールドスパーキーだったが、その電撃はガシャガシャガシャン！！　と組み上がったガジェットの筒に覆われ、受け流された――グリンヒルドだ。

「もうそれは何度か見たからね！」

　ガジャットの内側は、電撃を防ぐ絶縁体で組み上がっている。逃げ場を失った電気が荒れ狂い、しかし、拡散して消えていく――やがて訪れた暗闇の中、そこに一人の男が現れた。

「さぁ、執行の時間なのだ」

　そこに現れたのは、死刑執行の刑務官の格好をした麗刃だった。分厚いサングラスをかけ、ガムをクチャクチャと噛みながら手の中でブラックジャックをパシパシと弄ぶその姿はこそが、麗刃がイメージするこの国の刑務官なのだが――実際は不明である。

　だが、電気椅子の死刑を体験済みのオールドスパーキーには効果てきめんだった。

「ふしゅ！？　ふしゅうううううううううううううううううう！！？」

　黄金色のパンプキンヘルムを抱え、オールドスパーキーが恐れる。麗刃の誰にでも苦手なものはあるは、いま戦っている対象に有効な関係者の複製を作るのだから有効だ。そういうユーベルコードだから有効に決まっている――！

「さぁ、この黒桜の餌食となるが良いわ」

　黒夢のナックルウェポンによる拳打が、オールドスパーキーへ打ち込まれた。その瞬間、触れたものを腐食させる黒い桜へと散ったナックルウェポンがオールドスパーキーが飲み込んでいく！

「ふしゅう！！？」

　その一撃が、ついに止めとなったズドン！　と最後の電撃を天へと駆け昇る電撃に変えて、オールドスパーキーがその場へと崩れ落ちた。

　すると、その断末魔のごとき電気が消えたはずのマンハッタンの摩天楼にイルミネーションを呼び戻した。祭りの夜にふさわしいイルミネーション、その中に猟兵というヒーローたちを称える拍手喝采が鳴り響いた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2021年11月04日