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真珠と共に異種族体験!?

#グリードオーシャン #お祭り2021 #ハロウィン

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 ねぇ、知ってる? ユチタス島の話。
 ハロウィンの前後に中央の大きな骨にひっかかってる大っきな風船って、実はメガリスなんだって。
 それを目当てに、毎年周囲の島々にいる人達が色んな仮装をして集まってくるんだって。
 その人達を私達の手でぜーんぶ真珠に出来たら……とってもステキじゃない?
 そうだね、とってもキラキラでキレイな島になるね!
 ハロウィンって……もうすぐじゃん!
 じゃあ、さっそくやっちゃおうか?
 さんせーい! いこういこう!

「色んな世界が継ぎ接ぎとなって出来上がったグリードオーシャンには『ハロウィン島』と呼ばれる特殊な性質を持つ島が存在するそうです」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)はそう言ってハロウィン島の説明を始めた。
 ハロウィン島、とその島々が呼ばれるようになったのは、ハロウィンの時期になると巨大な南瓜が島中に生えることからだ。
 そしてこの巨大南瓜は、同じ時期にしか現れないメガリスが効果を発揮する前兆なのだという。
 その内容はいずれも「周囲含めて9個の島の気候を春にする」など、ド派手で凄まじいもの。
「ただあまりに大きいのと、1年に1回しか効果を発揮しないこと、どのようにして動くのかが不明なため持ち帰って使うには不向きです。……何よりその島の観光資源でもあることが多いので、持ち帰って来たりとかは絶対にしないでください」
 そんな世にも珍しいハロウィン島のうちの1つ、ユチタス島。
 元はおそらくアックス&ウィザーズの一部であっただろうこの島は巨大な竜の骨が陸地のほとんどを占めており、それに寄り添う形で地下洞窟や木漏れ日射し込む秘密の空間などが存在している。
 そんな竜の肋骨辺りに問題のメガリス「モンスターバルーン」は出現する。
 このメガリスはハロウィンの夜になると突然現れて膨張を始め、割れると周囲にいた人々の種族を朝日が昇ってくるまで仮装に合わせた物に変えてしまう……というこれまたド派手で凄まじい物であった。
「そんなわけで、モンスターバルーンが現れた数日は各地から集まった様々な仮装をした観光客で賑わうそうです。……そんなユチタス島に招かざる客がいらっしゃってるそうで……」
 その名はパールマーメイド。
 巨大な二枚貝の中に住むこのコンキスタドールは乳白色に輝く自分の肉体と歌を使って相手を近づくように誘惑し、誘い込まれた者を貝の中に一緒に閉じ込める。
 そして内部の粘液の中に溺れさせることで歪な真珠像へ加工し、それを外に出して眺め、愛でる習性がある。
 そんな彼らがコレクションを増やすためにユチタス島へ迫っているのだという。
「襲われればそのまま連れ去られて一生を真珠の中で終えてしまう……なんてことも十二分にあり得ます。これを阻止すべく、皆様にも現地に向かっていただきたいと思います」
 ちなみに万が一返り討ちにあったとしても、そのパールマーメイドから取り返せられればしっかり真珠の層を壊す準備は出来ている。
「パールマーメイド達を一掃したら、その後どうするかは皆様にお任せいたします。……せっかくの機会ですし、自分じゃない自分を楽しむのもまた一興かと?」


平岡祐樹
 今年こそ期日までに完結させたい系MS、平岡祐樹です。よろしくお願いします。

 第二章では、なってみたい物の仮装とその姿になって何をしたいか……というプレイングをいただけると非常に嬉しいです。ただし規約に違反する内容(18禁の物など)は無言で流しますのでご注意ください。

 たった一夜の幻、あなたは何を望みますか?
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第1章 集団戦 『海のコレクター『パールマーメイド』』

POW   :    真珠の鉄壁
全身を【巨大貝に引きこもりモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    真珠の誘惑
【巨大貝への閉じ込め】が命中した対象に対し、高威力高命中の【真珠化粘液】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    真珠の歌声
【真珠のように透き通った歌】を披露した指定の全対象に【巨大貝へ入りたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミニョン・サフィール
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
まずは【怪盗参上】で下半身を人魚に変えて近づきます。
そして【怪盗捕縛劇】で魔法少女婦警軍団を召喚して乱戦にもちこみますけど……
歌を受けて、みんな丸呑みされて真珠化されながらお持ち帰りされて愛でられそうです



「いたぞ、あっちだ!」
「逃げるな、大人しくお縄につきなさーい!」
 ユチタス島の海岸線に物々しい雰囲気が漂う。ただそれはパールマーメイドとは別の要因だった。
「ほらほら、捕まえられるなら捕まえてみてください!」
 その原因であるミニョン・サフィール(魔法怪盗サファイア・f32433)が発達した尾鰭を使って海上から飛び出し、宙を舞う。その様を魔法少女婦警軍団は歯噛みしながら追いかけていた。
 そんな大捕物の現場へ偶然押し寄せる形となってしまったパールマーメイド達は流れ弾を食らってしまわないように貝をきっちり閉じる。しかし婦警のうちの何人かが貝の中にいた存在を見逃さなかった。
「ん? なんだあれは」
「先輩、あの中に人魚がいました! ひょっとしたらサファイアの仲間かもしれません!」
「何! ならば奴らも逮捕せねばならぬな!」
 だがそこから導き出された予想は的外れな物だった。しかし婦警達は何の疑問も抱かず、パールマーメイドへ警棒や手錠、魔法の弾が立て続けに叩き込んだ。
「あら、わたしたちと遊ぶつもりなんだ?」
 その表面に一切傷がつかない。ただ中の人魚達に何が起きているのかは筒抜けであった。
「いいよ、遊んであげよ。面白い格好してるしー?」
「こらっ、開け———」
 間近で叩いていた婦警の前で貝が突然開き、人魚がその体を中に引き摺り込んで閉じる。
「さあ、あたしの新しいコレクションになってよ」
 捕らえられた婦警は逃げ出そうとしたがこの貝は外だけでなく内側も硬く、そう簡単には壊れない。完全に自分の間合いに獲物を捉えた人魚は笑顔を浮かべながら婦警の頭を真珠化させる粘液に突っ込んだ。
 すると抵抗はあっという間に弱まっていき、大人しくなったところで人魚はその全身に残りの粘液を塗りたくっていった。
 そんなことがあちこちで展開される中、サフィールは1人ポツンと蚊帳の外にされていた。
「あのー……ボクは襲わないんですか?」
 他のパールマーメイド達も婦警を積極的に狙って襲いかかっている状況に、サフィールは恐る恐る近くにあった貝を叩く。すると貝が僅かに開き、中の人魚は睨みつけてきた。
「え? 何が楽しくて人魚の像をもっと増やさないといけないの? もう見飽きたわ」
 辛辣な答えと共に再び閉じられた貝を前にして、サフィールは喜んでいいのか悲しいのか、何とも言えない複雑な感情に囚われるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
《兎狐》

真珠相手ってフラグ立ってね?
運命に勝とうぜ

勇み足でメデューサのコスプレをしてるよ
動きにくい蛇の下半身は作戦なのだ

黒曜石の杖を振って黒曜石化の呪詛ガスで攻撃する
黒真珠にしてやるぜ

歌声に誘われても、不慣れな蛇下半身故に巨大貝に到達するまで時間がかかる寸法さ
その僅かな時間で狂気耐性全開にして歌声に抗う…ってテフラー!

蛇身を脱皮して大理石の剣も構えて救助に向かうが、焦ってテフラごと巨大貝を大理石化&黒曜石化に晒します
やべ、やっちゃった?

取り合えず拾式の炎で回復、そして改造も施せば…大理石・黒曜石・真珠に冷凍妖精も混ざった動く氷結テフラ像の爆誕かも
ア、アタシ悪くないもん!

テフラがんばっ(≧◇≦)


テフラ・カルデラ
《兎狐》

海から襲撃する巨大貝…異種族体験…確実にフラグですね…
避けられない運命ですが…最後まで抵抗しますよっ!

【全てを凍てつかせる小さな妖精】を召喚!巨大貝ごと凍らせちゃいましょう♪
とはいえ相手の歌声…兎耳のせいで直で聞いてしまい、虚ろな目のまま巨大貝の中にいる真珠の人魚に誘われて…
気づけば既に遅く…巨大貝の内部で人魚に抱擁されながら、抵抗すべき所が真珠の粘液に包まれていくことに身を任せてしまい…
(その後はドロドロ歪な真珠のオブジェにされるが救助…どころか大理石化&黒曜石化、さらに巨大貝を凍らせ続けていた召喚妖精達が悪戯でテフラを凍らせ、トドメに燦の手によって動く石像になってしまう…!?)



「……真珠相手ってフラグ立ってね?」
「海から襲撃する巨大貝……異種族体験……確実にフラグですね……」
 話を聞いた四王天・燦(月夜の翼・f04448)とテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は互いの顔を見合わせた。
 こうした手合いとの邂逅が多いどころか、別の場所ですでにパールマーメイドと対峙したことのある2人は大体どうなるかの予測がついてしまっているのだ。
「避けられない運命ですが……最後まで抵抗しますよっ!」
「おう、運命に勝とうぜ」
 そう言って2人は互いに握り拳を合わせ、互いの健闘を誓うのであった。

 そして場面は乱戦の現場へと移り変わる。
『オブリビオンはみーんな凍らせてきてください!妖精さん…頼みましたよ♪』
 テフラのお願いに応えて太陽が燦々と照らす砂浜に現れた氷の妖精が貝の上に着地する。すると貝ごと人魚は凍りつき、1つの氷像と化した。
「さあさあ、黒真珠にしてやるぜ!」
 その一方で口を開いて飛びかかってきた人魚にむけて、勇み足で自身と縁のあるメデューサの仮装をしてきた燦は蛇の装飾が成された杖を振るった。すると蛇の口から黒いガスが吐き出される。
 それを真正面から受けてしまった人魚は咳き込みながら硬直していき、黒曜石の像と化した。
「咳き込む人魚の像、完成っと。さあ評価はいかほどかな?」
 燦は採点を求めるが、求められた方はそれどころではない。婦警達とは比べ物にもならない戦闘力に顔を曇らせた人魚は反撃の一手として歌を紡ぎ始めた。
「あっ……この歌は……!」
 真珠のように透き通った声は、もっと近くで、特等席たるあの2枚貝の上で聴きたいという欲求を心に呼び起こさせる。だがその先に待っているのは粘液に包まれて真珠と化し、永遠に像として晒しあげられる未来だ。
 そうなりかけた経験があるというのに、燦の足は歌う人魚の元へ動き始めた。だがその動きは鈍い。なぜなら蛇の体を模した麻袋が脚の動きを制限していたからだ。
 【妖魔覚醒】で蛇姫と交わっていれば、同じ蛇の仮装でももっと速い動きが出来ていただろう。しかし相手がこういう手を使ってくることが分かっていた故に、燦はあえて自らの身を拘束する方を選んだ。
「今度のモチーフは歌う人魚か! 合点承知!」
 ほんの少しでも辿り着くまでの時間がかかれば狂気を克服し、無防備な人魚を一方的に叩けるのだから。
 新たに出来た黒曜石の像が自重で海に沈んでいく様に燦はしたり顔になる。
 しかしかつて着地狩りで討ち取られた1名は何の対策を組んでこなかった。
「あ……ふぁ……」
 大きな兎耳で歌を満遍なく聞き逃さなかったテフラは虚な目を浮かべ、抵抗することもなく人魚に抱擁されながら2枚貝の中に入ってしまう。
「テフラー!?」
 その様を目撃してしまった燦は慌てて仮装を大理石の剣で切り裂いて飛び出し、先に飛んできた妖精の手によって凍り始めている、きつく口を閉じた2枚貝に駆け寄った。
 テフラの加工に注力するためか、凍りつくの避けるためか、人魚は貝の口を一切開けようとしない。その僅かな接着部分に燦は大理石の剣の切っ先を突っ込んでテコの原理で強引にこじ開けにかかった。
 僅かに開いた隙間に黒曜石の杖を突っ込み、ガスを注入することで人魚の意識を奪う。そして抵抗が無くなったことで硬く閉ざされていた2枚貝は全開となった。
 その先にいたのは真珠と大理石と黒曜石がまるでマーブル模様のように混ざった像と化した人魚とテフラの姿だった。
「あ゛っ、やべ、やっちゃった?」
 迅速に駆けつけられたことにより、完全に真珠になる前に石化ガスが入ってしまったのだろう。冷や汗をかき始めた燦は炎を自らの手に浮かび上がらせた。
『御狐・燦の狐火をもって癒しとなせ。炎宿りてその身に更なる力を与えよ!』
 妖精が興味津々で周りを飛び交う中、テフラの体のあちこちから炎が噴き出す。すると冷たい石で覆われた指や胸が動き出した。
「テフラ、だいじょう……ぶ……?」
 燦の呼びかけに答えず起き上がったテフラは石像のままどんどん突き進み、他の人魚に右ストレートを食らわせる。
 すると人魚は殴られた直後の姿で凍りつき、2枚貝の中に転がった。その戦果に何のリアクションも起こさず、テフラは次の標的に歩み寄る。
「え、援軍か、たすかっ!?」
 それはサフィールを追っていた婦警だった。訳もわからず殴られた婦警は氷像になりながら海水の中に沈んでいく。
 歌が効かない寡黙な無差別殺戮マシーンと化したテフラの被害が大きくなり出したところで、あちこちから悲鳴があがり始めた。
「そ、そこの妖狐、あんた何したの!?」
「ア、アタシ悪くないもん! テフラがんばっ」
 引き攣った笑みを浮かべながら燦は片手を上げると、水飛沫をあげつつ早足で陸地へ逃げ出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジード・フラミア(サポート)
『2つで2人』12歳 男

ジード 内気 一般人の安全が優先
セリフは「」でぼく、~さん、です、ます
独り言やメリアに対してはですます無し
例「……よろしくお願いします。」
スクラップビルダーの力をよく使う

メリア 元気 どちらかと言えば撃破が優先 ジードに合わせることが多い
セリフは『』でワタシ(ごく稀にボク)、~さん、デス、マス
例『よろしくお願いシマス!』
人形遣いの力をよく使う

メリアの方が行動力があり、普段はジードを振り回してる

メリアはアイコン右の人形、及びその人形を動かす人格の仮の名前
ジードの人格が表でも、まるで自分の体の様に人形を動かす。


UCを使っていない時、メリアの五感はジードの体or遮断している。


マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。



『うわぁ、なんかすっごく大騒ぎデス!』
「……言ってる場合なのかな、これ」
 氷漬けになった人魚が宙を舞う姿に歓声をあげるメリアの後ろでジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)は目を細めていた。
 様々な材質を厚塗りされたテフラは目が見えてないのか、手当たり次第に襲い掛かっており、あまりの火力を前にこれは争っている場合じゃないと両者共に撤退を始めている。
 しかし貝の中には未だ十何人もの婦警が飲み込まれてしまっている。彼女達を救出しなければ解決とは言えない。
『さて、どうやって止めまショウカ』
 その時、空から一筋の光が降り注いだ。
「人魚さん方、何かお忘れではありませんか?」
 白い翼をはためかせ、マルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)が波打ち際に舞い降りる。
「あなた方が持ち帰ろうとしている婦警さん方は返していただきますわよ?」
「ああ、私のコレクションがー!」
 まるで檻のように沖合を封鎖した光の柱は無理矢理通り抜けようとした硬い貝を削り、出来た隙間から大量の海水を入り込ませた。
 このまま強引に通ろうとしたら自分達が三枚おろしにされてしまう、と人魚達は逃げ出す鰭を止め、貝の口をきつく閉ざして防御の姿勢を取った。
『おや、これはチャンスなのデワ?』
「そうだね……『大切な人から離され、壊された者達よ。さぁ、反撃だ!』」
 ジードの声に合わせ、波打ち際に打ち上げられていた服の残骸や漂泊物がメリアの体に吸い付き、巨大化させる。
 そしてメリアは海の中に入ると、底に沈んで息を潜める貝を掴み上げ、海岸に投げ飛ばした。
「くぅ……好き勝手やってくれちゃって……! でも、あなた達だって真珠になっちゃえばもう何も出来ないはずよ……!」
 地面に転がされた人魚は顔を出し、苦々しい表情を浮かべながら歌を紡ぎ出す。その綺麗な声にマルコはつい誘われてしまった。
「いらっしゃいませ、天使さん。私の同胞を穴だらけにした罪は高くつくわよ」
 そう言って人魚は間近に迫ったマルコの頬を真珠化させる液に塗れた手で撫でる。
 ひんやりとした感覚を覚えながらマルコは真っ直ぐに人魚を見つめ、問いかけた。
「ねぇ人魚さん、仮装したマネキンを真珠にするのではダメなのですか?」
「え、ダメに決まってるじゃない。苦しそうな顔になってないと、コレクションのしがいがないわ」
「……そうですか」
 その瞬間、降り注いできた光の柱が人魚を貝ごと飲み込んだ。
「できればあなた方とも戦わず、穏便に事件を解決したかったところですが……無辜の人々を苦しめ続ける気ならば心を鬼にさせていただきます」
 砂浜に開いた穴の底には極限まで日焼けして気絶した人魚と、婦警で作られた真珠の像が残されていた。
『アハーハ! 綺麗な歌声デスネ! ですが人形のワタシには聞きませんヨー!』
「ヒッ……!」
 一方でジードを誘惑し、捕らえようとした人魚もその後ろから追い込んで抜き去ったメリアが振りかぶった拳を食らって砂浜に転がった。
『マッタク! フラフラ相手の思惑にまんまと乗っちゃダメですヨー!』
「ごめんね……」
 ジードからの謝罪を受けたメリアは振り返り、この島にやってきた全ての人魚達に向かって宣告した。
『さて、人魚の皆さん。もう分かっているデショウ? その貝殻の中にしまっている警察の皆さん全員を解放しなケレバ……』
「分かった、諦める! 諦めて解放するから、逃してよー!」
 涙ながらに婦警達を解放した人魚達は光の檻が無くなるや否や大急ぎで大海原へ帰っていった。
「モンスターバルーンが破れるにもまだ時間があるでしょうし……こちらで夕食をいただいてから戻るといたしましょうか」
 ハロウィンで賑わう街からは屋台で作られた軽食の香ばしい匂いが香ってくる。何が出ているのかワクワクしながら想像しつつ、人魚達の後ろ姿を見送ったマルコは足を向けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『見た目のインパクトが一番。化石島!』

POW   :    地下洞窟を探検

SPD   :    この島を隠し場所にした海賊の財宝探し

WIZ   :    島が生んだ秘密の空間で寛ぎタイム

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 島を覆うように転がる竜の肋骨に引っかかるように、紫と黒の縞々模様が描かれた巨大な風船が限界まで膨らんでいる。
 あれこそがハロウィンの時期にしか現れないユチタス島に伝わるメガリス、「モンスターバルーン」である。
 その炸裂……一夜だけ自分が自分でなくなるその時を観光客は固唾を飲んで待っていた。
 そしてモンスターバルーンが割れると同時に、島中の人々の姿は歓声と共に変わり始めた。
テフラ・カルデラ
《兎狐》

混合オブジェから戻りつつ、急いで妖狐の和装コスプレ姿に!妖狐というより妖兎…?
直後にはモンスターバルーンが弾けて本当にかわいらしい妖狐(♂)の姿に…!

はわわっ…何だか新鮮なのですよ~!尻尾ももふもふ~♪
そして燦さんはメデューサなおで同様に種族の姿に見とれていたら視線合わせてしまい…妖狐(♂)の石像へ
…となりましたが、直ぐ元に戻してくれました(ちょっと残念そうに)

何だかノリノリな燦さんがまた視線を向けますが咄嗟にそれっぽく作った鏡を盾にしたら視線を反射させて石化してしま…った後に慢心していたのか鏡から顔を覗かせたら燦さんの視線が光って…お互い物言わぬ石像に…
あれ?これ誰が戻すのですか…?


四王天・燦
《兎狐》

祓い給えー
破魔の符でテフラの動く石像化を解きましょ

バルーン爆発する前に蛇の麻布を履いてメデューサのコスプレで決めるぜ
テフラは妖狐かー、幻術でも使うのかな

変身後、蛇姫を意識したのに胸はペッタンコのままだ…
哀しみのあまりノリでテフラを睨んで石化させるのでした
祭りを楽しむ間もなく石化エンドは何なので慌てて封印を解くぜ

しかし面白い能力だ
テフラよ、ハロウィンだし遊びに行こうぜー
お菓子をくれない島民は一晩石にしちゃえ♪

悪戯心でまたテフラを石にしたりもするけど…遂に反射されるのでした
死なば諸共、リミッター解除で鏡ごとテフラを石にして相打ちだー!

何やってんだろ…
変身と能力が消えるまでこのままかな
とほほ



「祓い給えー清め給えー」
 能天気な声と共に貼り付けられた札によってテフラの身を覆っていた石と真珠と氷の膜が溶けていく。
「ふあっ……お、終わりましたか……」
 尻餅をついたテフラの手を取った燦は強引に立たせた。
「ほら、早くしないとバルーンが割れるぞ!」
「え、あ、そ、そうですね!」
 そうして2人はこの日のために特設された更衣室の中に慌ただしく消えていった。
「よっと……テフラはまだか」
 念のためスペアとして持ってきていた蛇の麻布を履き直した燦が待ち合わせの場所に近づいていると、後ろからテフラの声が聞こえてきた。
「燦さんお待たせしましたー」
 後ろを振り返ると、和装のコスプレ姿に身を包んだテフラが出てきた更衣室のカーテンを閉めていた。その尻には長くて触り心地が良さそうな狐の尻尾がぶら下がっている。
「いや、アタシも今出てきたところだ。……テフラは妖狐かー、幻術でも使うのかな」
「今のままだと妖狐というより妖兎ですけどね?」
 そう言って顔を見合わせて笑っていると、微かに弾ける音がした。
「う、あ?」
 心臓の鼓動が早まり出し、胸を押さえてその場に跪く。周りにいた他の人々も同じ症状を訴えているようで同じようなポーズを取っている。しかしその表情は明るいままだ。
「あ、はぁっ……!」
 燦の体と麻布の境目が失われ、胸と下腹部にしか生えていなかった鱗が一気に全身を覆い尽くしていく。
 テフラの頭の長い耳がどんどん縮み、曲線がとんがって三角形を作り出す。
「うあ……」
 スカスカだった麻布の中に入っていた空気が脂肪と筋肉によって追い出され、元々あった脚と混ざり合う。そして違和感がなくなった頃には燦の下半身は完全な蛇と化していた。
 力無くだらんと垂れ下がっていた作り物の尻尾が突然伸び、ゆらゆらと左右に揺れ出す。
「ああああああっ!」
 燦の獣耳から短い毛が抜け落ち、側頭部に移った頃には白い髪は結合して、自分の意思で動かせる存在へと変わっていた。
 黒い肉球が生えた自分の手を見たテフラは目を輝かせて、血が通い出した自分の尻尾を掴んで頭を埋める。
「はわわっ……何だか新鮮なのですよ~! 尻尾ももふもふ~♪」
 喜ぶテフラをよそに、燦は自分の胸元にそっと手をやって呟いた。
「……蛇姫を意識したのに」
「燦さんもメデューサなお姿に……お美しいですね!」
「あ?」
 八つ当たり混じりで睨みつけた瞬間に、テフラは石となって固まった。
「うわ、こんなの蛇姫には無かったぞ!」
 慌てて燦は札を取り出してテフラの額に貼り付ける。するとすぐにテフラは自由を取り戻した。
「いやあ驚いた。こんなの蛇姫にはなかったから」
 固まることが大好きなテフラはあまりに早い治癒に残念そうにしながらも、燦の体の推察をし出す。
「蛇姫さんよりもメデューサの色が濃く出てる感じがしますね。今の睨み、すっごく怖かったですもん」
「あー、元々怖がった人を石にする怪物だったっけメデューサって。……しかし面白い能力だ。テフラよ、ハロウィンだし遊びに行こうぜー」
「いきましょー!」
 意気揚々と出立した2人は石化する魔眼を出汁に、島民達を揺すり始めた。
「トリックオアトリート、お菓子をくれない島民は一晩石にしちゃうぞ♪」
「それは勘弁だ、好きなだけ持ってきな!」
 しかし長年このお祭りに接してきた島民達は全く怖がらずに気前良く料理やお菓子、おもちゃを提供してきた。おそらく似たようなことをやった観光客が過去にもいたのだろう。
「あー、楽しっ! でも全く石にできないってのも何だかなー」
 満喫しつつもスリルが足りなくなった燦は不意に振り返ってテフラを見ようとする。しかしテフラは素早く、島民から貰った鏡を盾のようにして自分の顔を覆った。
「させません、鏡ガード!」
「うえっ!?」
 突然見せられた自分の姿に驚いた燦の体が石となって固まる。
「や、やりましたか……?」
 おずおずと鏡の影からテフラが顔を覗かせた瞬間、まだ石になりきって無かった燦の太い髪全ての先端が赤く光り輝いてテフラを再び石化させた。
(お、結局テフラも石になったか)
 どうやら固められた物同士はテレパシーのような物で意思の疎通が出来るらしい。面白がる燦の声にテフラは歯噛みした。
(うう、跳ね返せた所で一本取れたと思ったんですけど……あれ? そういえばこれ誰が戻すのですか……?)
(あっ)
 あげられた燦の声に嫌な予感を覚えたテフラは無言で待つ。その末に紡がれたのは震え、掠れた声だった。
(何やってんだろ……変身と能力が消えるまでこのままかな……)
(そ、そんなぁー!)
 予想しているのと宣告されるのとでは同じ内容でも大きな差である。
 2人の長い夜は青色吐息で話しながら互いの姿を見続ける、という形で淡々と過ぎていくかに思われた。
「えーっと、さっきの姉ちゃん上ポケットから石化解く札出してたよな?」
「確か。あれで打ち止めだったら詰みだけど」
 しかし街の中央で起こしてしまったことが幸いした。更衣室前でのやり取りを目撃していた観光客の助け船がやってきたのだ。
 無事自由を取り戻した2人は救いの神に抱きつき、思いつく限りの感謝の言葉を言い連ねていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジード・フラミア
メリア『フッフ〜、それぞれでご飯を食べるナンテ、人形の体じゃ出来ないデスカラネ!』
ジード「こんなときも食い意地か……まあ、変身なんて面白い体験も出来て、僕も満足かな……」

UC【2つで2人 分けても1人】を使用して、2人に別れつつ、ジードは山羊の角が生えたキマイラ、メリアは桜の花が生えたオラトリオになります。
やることは食べ歩き!普段は体がひとつなので、同じものを食べてますが、今回は2人が別々のものを買ってシェアしつつ食べ歩き、9つの島を観光します。
他のキャラとの絡み歓迎です。



『アババババ……』
 地面に崩れ落ちたメリアが痙攣する中、ジードは頭を抱えてうずくまる。
 その頭につけられていた山羊の角は皮膚や肉を貫き、その奥にある骨とくっついた。
 さらに足が突然ピンと伸びてつま先立ちになったかと思えばどんどん縮み出し、銀色の短い毛に覆われていく。そして指も黒ずみながら一つとなって蹄と変わっていった。
 一方でメリアの頭にも簪の要領で差された桜の枝があったが、ジードと同じように頭に根付いて、引っ張っても抜けなくなる。
 球体関節は腕や脚と一体となり、硬く冷たい木が温もりのある脂肪と筋肉で覆われていく。そして体の下敷きになっていた翼に神経が繋がったことで痛みを覚え、「自力」で起き上がった。
「め、メリア……?」
 長く伸びた耳が重力に負けて垂れたところでジードが声をかけると、メリアはレバーと連動する物ではない、筋肉によって動く口を開けた。
「見てくださいジード、コレ、すごいデス! ほらほら、腕が引っ張っても外れマセン! 羽が、動く! ウワ、うわぁ……!」
 楽しげにクルクル回りながらメリアはジードから離れていく。脱げてしまった靴と靴下を拾い上げたジードは蹄の感触を確かめながら、その後を追った。
「フッフ〜、それぞれでご飯を食べるナンテ、人形の体じゃ出来ないデスカラネ!」
「こんなときも食い意地か……」
 桜の精とオラトリオが混ざり合ったような体を手に入れたメリアが真っ先に向かったのは食べ物の屋台だった。
 普段は胃袋が一つしかないため、吟味した物のみを買って食べていた。しかし今回は2人分、別々の物を買ってシェアすることが出来る。
「イツモは後ろ髪を引かれながら満腹になったジードのお腹を摩るだけデシタが……今日は違いマス!思う存分片っ端から食べてやりますヨー!」
 その分、お金が財布から飛んでいくのだが……心底嬉しそうに頬張っているメリアの姿を見ていたら止めることなんて出来なかった。
「まあ、変身なんて面白い体験も出来て、僕も満足かな……」
 独りごちながら南瓜の形にかたどられたオレンジ味の棒付きキャンディーを舐めていると、自分のお腹を摩りながらメリアが背中に生えた翼をはためかせた。
「フー、結構食べましたネ。ですが、まだまだやりたいことは残ってマス!」
 そしてジードの手を取ると空へ飛び出した。
「ちょっと、どこに行くつもり!?」
「ハロウィンのメガリスって、周囲の島にも影響を及ぼす、って言ってたじゃないデスか。それが本当か見て回りまショウ!」
 それだけ動けばまたお腹も空くデショウ……と飛びながらメリアは笑う。まだまだ食う気なのか、と呆れつつもジードは苦笑いを浮かべながら応じた。
「やるのはいいけど……イカロスみたいにならないでよ?」
「モチロンデス! ワタシだって海の藻屑は嫌ですカラ!」
 そうして1人と1体……もとい2人は島中のハロウィングルメと空中散歩を心ゆくまで楽しんだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月01日


挿絵イラスト