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トリック・オア・ぶとうかい(踊らないほう)

#キマイラフューチャー #お祭り2021 #ハロウィン

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【猟兵同士の模擬戦シナリオです。勝敗はサイコロで決まるので、負けるのが嫌な人は参加しないでください】


「期間限定コンコンコンってのがあるらしくてさ」
 と、少年姿のグリモア猟兵、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は右手に持ったドーナツを一口、ぱくり。
「うん。チョコの風味がしっかり出てておいしい。これ? 期間限定のひとつ、『きのこドーナツ』」
 チョコがたっぷりかかった傘のような形状のドーナツに、一ヵ所だけチョコをかけていない細長い軸のような部分がある。その名の通りきのこを模したドーナツだからきのこドーナツであるらしい。
「で、こっちが『たけのこクレープ』」
 同じように、左手に持ったクレープをぱくり。
「巻いたクレープってそもそもたけのこ逆さにしたような形してる気もするけど……でもこっちもおいしいな。クリームに砕いたビスケットがかかってて、サクサクした食感がいいね」
 きのこドーナツ。たけのこクレープ。
 どちらもこの時期だけコンコンコンできる大人気スイーツだ。
 システムの悪戯心か。新しいものや限定品に弱いキマイラたちの願望が実を結んだのか。
 一体全体どういう仕組みなのかは未だサッパリわからないが、とにかく今だけの味わいにキマイラたちは殺到し、甘美な味わいにほっぺたを落とし合い、今日もキマイラフューチャーは平和なのである。
「……って、云いたいとこなんだけどさ」
 口の端についたクリームをぺろりと舐めとりながら、ジャスパーは表情を引き締める。

「起こっちゃうんだよね。戦争が」


 戦争。
 今は平和そのものに見えるこの世界もかつてコンコンコンが狙われたり、なんかよくわかんない勢力も加勢したり、対抗する為に世界が真っ二つになったり、要するに色々あったのである。
 そんなハチャメチャバトルがまた起こるというのか。
「というか、あまりに限定スイーツが美味しすぎるせいで、キマイラたちが『きのこ派』と『たけのこ派』に分かれちゃってさ、毎年この時期にはタイマンバトルが繰り広げられてるんだって。その名も『きのこたけのこ武闘会』」
 ……なんて。
「毎年激戦なんだけど、去年はあと一歩のとこできのこ派が惜しくも敗れてね。追いつめられたきのこ派が猟兵を招致しようとして、『それはズルいだろう』って憤慨したたけのこ派も猟兵に声をかけて……って流れで、今年から新たに猟兵部門が出来たから、皆にも参加して欲しいってワケ」
 いかにもキマイラフューチャーらしいゆるーい導入だが、ようするに猟兵同士がタイマンバトルするわけである。
 オブリビオンのドンまで討ち取った猟兵達のガチンコバトル。もちろんユーベルコードとかいう超常の力も使いたい放題。キマイラたちの期待も最高潮、会場は超満員、サーバーダウンを恐れてチケット制になったオンライン配信も三分で完売したという。

「まあ前提はお菓子の流派によるバトルなんだけどさ、そういうわけだから日頃仲間として肩を並べてるヤツとバトってみたいって動機でもアリアリだよね。会場を沸かせてナンボだし、せいぜい派手にお願いね」
 食べ終わった包装紙をたたんでゴミ箱に投げ入れる少年に、素朴な疑問が投げられる。
 ――どっちがおいしかった?
「え? オレはただの案内人だし。ここでどっちかに加担するような事は云えないなァ」
 どっちもおいしかったらしいです。


ion
●お世話になっております。たけのこ派です。
 でも心からたけのこを愛しているから判定はフェアにやるよ。ほんとだよ!!

 いつもよりプレイングの注意事項が多いので、下記コメントをよーく読んで頂ければと思います。

(1)「きのこ派かたけのこ派か」と「対戦相手の猟兵と、一対一で戦うプレイング」を書いてください。
 合わせプレイングで対戦希望してもOKです。四人グループで二体二などもありですが、仕組み上ソロ以外の奇数参加は受けられません。あとグループ内でのきのこ派・たけのこ派の数は同数でお願いします。フェアにいきましょう。

(2)猟兵同士のバトルという形式上、「負けた相手を貶める内容」が書かれたプレイングは採用できません。(合わせプレイングは除く)

(3)冒頭にもある通り、勝敗はダイスによって「のみ」決定します。たとえ誰が見ても非の打ち所がない素晴らしいプレイングだったとしても、対戦相手のダイスの方が出目が良ければ負けます。ご了承ください。

(4)「必ず猟兵同士のタイマンバトル」という形式の都合上、普段のシナリオより不採用が出やすいです。特にきのこたけのこの派閥数がどちらかに偏っていた場合、多い方の陣営に不採用が複数出てしまう可能性があります。
「バトルがしたいだけなので派閥にこだわりはない」という人は、そう書いてくだされば少ない方の陣営に加えさせていただきます。
 一章で不採用だった方は二章で優先採用する予定です(絶対ではありません)。

(5)最終的に、リプレイ執筆終了時点で勝利数の多かった派閥の勝ちです。
 一応、一章が予選、二章が決勝戦という枠組みになってはいますが、あまり気にせずに両方参加・どちらかだけ参加して頂いても構いません。
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第1章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(予選)』

POW   :    パワーと体力で押しまくる

SPD   :    スピードとテクニックで翻弄する

WIZ   :    賢く策を弄して立ち回る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ここはキマイラフューチャーのとあるいなかまち。
 実際にはすみずみまで都市リゾート化が進んだこの惑星では「いなかまちっぽさが売りのリゾート地」というのが正確なところであるが、秋の実りをいっぱい抱えた田園風景は人々の旅愁をかきたててくれる。
 当然あちこちにきのこもたけのこも生えている。日頃コンコンコンに慣れ親しんだキマイラたちにとっては、それら自生している植物を採って食べるというのも新鮮なアクティビティのひとつであるらしい。
 そしてそれらをモチーフにした限定スイーツもコンコンコンし放題である。
 観客たちはそれぞれの愛するスイーツ片手に、猟兵達の勝負を今か今かと待ちわびているのだ。
 そんな彼らが向かう先は――明らかにいなかまちの中で異彩を放っている巨大なリング。多少のユーベルコードではビクともしない、堅牢でゴージャスな闘技場だ。
 辺りには高機能カメラを携えたドローンが飛び交い、猟兵達の一挙手一投足を追いかける。
 レフェリー? そんなのいないよ。最後まで立ってた方の勝ち。

 プレイング受付:10月20日 朝8時31分~
御園・桜花
キノコ派

「対人戦…不得手ですけれど、キノコのために頑張ります」
両手握る

「キノコは分離してチョコとクラッカーに別れても美味しく食べられるのです!タケノコのさくさくクッキーも美味しいですけれど!」
「最近は全国的にタケノコ優勢とか、若年層に圧倒的に人気なのはタケノコでお年寄りほどキノコ大好きとか言われますけれど!キノコだってキノコだって良いところはあるのです、うわーん!」
UC「精霊覚醒・扇」
まっすぐ突っ込んでいってひたすら桜鋼扇でぺちぺち殴る
対戦相手の攻撃は第六感や見切りで躱す

※PLはどちらも好きで大体両方まとめて購入し2つ同時に開けて交互に摘まむのが1番好きです(笑
ただ、選べと言われれば茸かなあ…


セフィリカ・ランブレイ
私はそも、アルフォー派だしなあ…
チョコとビスケットを均等に食べられて満足度高いんだ
きのたけ戦争には不干渉の立場といえよう
なので今回は、数の少ない方に加勢かな


でも、こういうのは心が躍るね
格下を薙ぎ払うことや格上の隙を突く事は多いけど、同格と競い合う機会はあまりないものね

最近は真面目に第一王女やっててストレスも溜まってるし、ちょうどいいや

シェル姉も嫌いじゃないでしょ、こういうの
『ま、有象無象を相手にするよりはね』

相棒の魔剣も、満更ではなさそう

【神薙の導】
相手の事をリサーチできない以上シンプルに
一気に剣の間合いに持ち込んで、相手の動きのクセを理解し生かして勝負

私の剣捌きと脚力での対応力が問われるね




 のどかな田園風景に、けばけばしいネオンが灯る。
 きのこネオンの下の入り口から現れたのは、桜色の髪を持つ女性、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。
「対人戦……不得手ですけれど、キノコのために頑張ります」
 両手をぐっと握って、前方を見遣る。
 桜花の視線の先、たけのこネオンの下から現れたのは、蒼い刀身の魔剣を携えた女性。
「あなたがたけのこ派ですね」
「いやあ、その……私はそも、アルフォー派なんだけど」
 おっといきなり第三の派閥“船派”が現れた。ぴくっ、と桜花が肩を揺らす。
「美味しいですよね、アルフォー」
「うん。チョコとビスケットを均等に食べられて満足度高いんだ」
「キノコもチョコとクラッカーの配分が絶妙ですよ。その二つを分けても美味しく食べられるのです! タケノコのサクサククッキーも美味しいですけれど」
 熱く語る桜花に耳を傾けつつ、セフィリカは魔剣に手をかける。
「ま、私はきのたけ戦争には不干渉の立場。なので今回は、こっちに加勢かな」
「不干渉ならきのこ派でもいいじゃないですか」
「今の所こっちの方が少ないみたいだし……」
「そんな。最近は全国的にタケノコ優勢という話ですのに」
「いや、たまたまかもしれないけど」
 ――ひょっとして勧誘されてる? セフィリカは訝しむ。
 でも一度たけのこの門をくぐった以上、派閥をころころ変えるというのも主義に反する。
「しかも、若年層に圧倒的に人気なのはタケノコでお年寄りほどキノコ大好きとか言われてますけど!」
「そうなの?」
 船派的には初耳だった。そんなリサーチまで進んでいるとは、きのたけ戦争は思いのほか根が深いのかもしれない。
「キノコだって……キノコだって、良い所はあるのです。うわーん!!」
 桜花が叫ぶと同時、彼女が纏う雰囲気が変わっていく。威厳溢れる佇まいは、帝都に堂々と聳え立つ幻朧桜の如く。桜花精として覚醒した桜花は、全身から光り輝く花吹雪を散らしながら、
「お覚悟ー!!」
「わっ」
 ……ぺちぺちと殴り掛かってきた。セフィリカの持つ魔剣が鉄扇を受け止めるが、腕にじわりと痺れるような感覚が広がる。
(「すごい力。ううん、力だけじゃない」)
 返す刃が桜花を薙ぎ払う。一旦後ろに吹き飛ばされながらも、桜花はすぐさま距離を詰めてきた。舞うような連撃が、セフィリカの反撃を塞ぐように叩き込まれる。
(「八つ当たりの大振りに見せかけて、でたらめに速い。この子、強い!」)
 吹きすさぶ桜吹雪を掻い潜るように、セフィリカが剣閃を走らせる。金属と金属がぶつかり合う男が会場に響き渡る。
(「キノコの為にも負けられません!」)
 敵にさえ手を差し伸べ、転生を説き、魂を救おうとする桜花。その力は今は一切の遠慮もなく、同じ猟兵へと向かっている。きのこ派にとって、打倒たけのことはそれほどまでの悲願なのである。恐るべし、きのたけ戦争!
 桜花の気迫が、じわじわとセフィリカを追いつめていく。僅かな隙をついて放たれる剣捌きが、桜花を下がらせる。一進一退の攻防を、さすがのキマイラ達も一言も発さず真剣に見守っていた。
(「こういうのって、なんだか新鮮」)
 一方のセフィリカは扇の動きを冷静に見定めながらも、そんな想いがよぎるのを感じていた。
 猟兵として事件に赴く時は、予知者の力もあってある程度相手の能力を把握した状態で挑むのが常だ。だからこそこちらより遥かに格上の相手の隙を突いて戦う事も出来るし、その配下である無数の格下たちを薙ぎ払うような戦いにも慣れている。
 だが今回は、実力が拮抗する相手の戦術を知らない状態で、一対一で戦う――最もシンプルな戦闘であるが、猟兵の戦いとしては稀なパターンともいえる。
『なんだか楽しそうじゃない』
 セフィリカの魔剣が語り掛けてきた。
「シェル姉も嫌いじゃないでしょ、こういうの」
『ま、有象無象を相手にするよりはね』
 返事はそっけないが、幼い頃からの付き合いであるセフィリカにしてみれば、彼女の満更でもない様子がそれこそ手に取るように伝わってくるようだった。
 国内に波乱が満ちる中、未だ目覚めぬ王に変わって第一王女として政務に奔走する日々。積りゆくストレスを発散させるのには、やっぱりこういう場が相応しい。
「そっちのキノコ愛は伝わったよ。でも、私も負けたくない!」
 セフィリカが大きく一歩を踏み出した。虚を突かれた形になりながらも、桜花も臆さず鉄扇を振り下ろす。
「今日だけは譲れないんです!!」
 正面からぶつかり合う剣と扇。すさぶ花吹雪を、魔剣の蒼白い光が覆い尽くしていく――。
「!!」
 目を見開く桜花。愛と気迫も、王女と魔剣のコンビネーションにあと一歩届かず。
「……お見事、でした」
 力を使い果たした桜花が、ぱたり、と斃れた。

 ――【現在の結果。きのこ0:たけのこ1】
 去年に引き続ききのこは破れてしまうのか!?
 そんなはずはない! きのこは何度だって蘇る!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

加々見・久慈彦
きのこドーナツとたけのこクレープ……いわば、最強の龍と無敵の虎。私ごときに優劣を談じることなど、できるはずもありません。(本当はどっちも食べたことない)
よって、少数派につきます。

(対戦相手のことはお世辞とも本気ともつかぬ調子で褒めまくる)
いやあ、実にお強い。最強の龍や無敵の虎という例えはあなたにこそ相応しいようですなあ。
正攻法ではとても敵いませんから、搦め手を使わせていただきましょう。龍を倒すには龍の爪、虎を倒すには虎の牙……。(まねっこUC発動)

負けた時→所詮は一夜漬けならぬ一秒漬けの模倣技。本物には通用しませんでしたね。
勝った時→なあに。まぐれですよ。


※似るな焼くなとご自由に扱ってください


ビスマス・テルマール
事情は聞きましたが、派閥にも悩みますよね、キノコとタケノコどちらも美味ですし……なめろうの素材にもなって

……ここはロマンになる方を選びましょうか(たけのこ派)。

●戦法
低空『空中戦』で『推力移動&ダッシュ』で駆け『第六感』で『瞬間思考力&見切り&空中機動』で『残像』回避ながら『属性攻撃(デコイ)』込め『弾幕&一斉発射』

デコイを『念動力』で本物っぽく遠隔操作しつつ【ウルシ】さんに『レーザー射撃&制圧射撃』任せ

隙見て『早業』でUC攻撃力重視発動【タケノコとめかぶのなめろう・ビームドリルミサイルポット】生成

地面に撃ち
地中から対戦相手に
『誘導弾&貫通攻撃』込めた『一斉発射』を

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は悩んでいた。
「事情は聞きましたが……どちらの派閥にしましょう」
 だってきのこもたけのこも美味しいのだ。それに。
「どちらも、なめろうの素材としても活躍しますし」
 ビスマス的に一番重要なのはそこである。どちらも細かく叩いても食感が残るから、メイン食材に混ぜてもよいアクセントになってくれる上、大きめに刻んでお野菜なめろうとしてメインを張ってもらうポテンシャルもある。
 なめろうにしても美味しい二つを、どちらか切り捨てなければならない。ビスマスは悩みに悩んで結論を出した。
「……ここはロマンになる方を選びましょうか」
 ロマンとは。
「すなわち、たけのこ派です」
「ほう。お若いのに浪漫をよくご存じでいらっしゃる。あの形には浪漫がたっぷりと詰まっておりますからなあ」
 うんうんと大仰に頷いてみせるのは加々見・久慈彦(クレイジーエイト・f23516)。二人の会話に、ギャラリーのキマイラたちが首をかしげていた。――「たけのこってロマンなの?」「さあ?」
「しかしきのこドーナツとたけのこクレープ……いわば、最強の龍と無敵の虎。私ごときに優劣を談じることなど、できるはずもありません」
 嘘である。つい先ほどキマフューに降り立ったばかりの久慈彦は、そのどちらも食べてはいない。しかしハッタリが商売道具のひとつであるこの男、まさか食べたことがないなどとこの場で云えるはずもない。
「よって、私はビスマスさんが選ばなかった方……すなわちきのこ派につきましょう」
「お互い、手加減なしでいきましょうね」
 ビスマスの言葉に、久慈彦も包帯から覗く口元をにこりとほころばせる。


 最初に仕掛けたのはビスマスだ。低空飛行で飛翔しながら、フィールドのあちこちに残像を出現させる。
「おや、これは……」
 久慈彦が残像に気を取られているうちに、漆塗りのお椀のようにもスッポンにも見える小型メカ『ウルシ』からのレーザー射撃が逃げ場を塞ぐように放たれる。
 実体持つ残像と、制圧射撃からの必殺技。ビスマスが最も得意とする戦法のひとつだ。
 連撃の最後を飾るのは勿論、彼女が愛してやまないなめろうによる力。タケノコとめかぶのなめろうの気を帯びた今日のビームウェポンは、破壊力を極限まで研ぎ澄ませたドリルミサイル。
「これで、決めます!!」
 反動で身体が軋むほどの巨大なミサイルが放たれる。ウルシの射撃に追いつめられ絶体絶命の久慈彦は、懐から一枚のカードを翳す。
 直後、ビスマスの放ったミサイルが空中で爆ぜた。少女が大きく目を見張った。
「そんな……まさかっ!」
 圧倒的な力で必殺技を捻じ伏せられるのであれば、今までにも経験がなかったわけではないだろう。そんな事でビスマスは驚かない。けれどそんなものではなかったのだ。久慈彦の力は――あれは。
「わたしと、同じ……?」
「いやあ、実にお強い」
 煤と、ミサイルの破片で汚れた白いスーツ。やれやれと肩を竦めながら、久慈彦は相変わらず胡散臭い笑みを浮かべていた。
「最強の龍や無敵の虎という例えはあなたにこそ相応しいようですなあ。正攻法ではとても敵いませんから、搦め手を使わせて頂きましたよ。……即ち」
 先程のトランプを、改めてビスマスに見えるように翳してみせた。ダイヤの9。
「龍を倒すには龍の爪、虎を倒すには虎の牙」
「なるほど。コピー能力ですね」
 そういえば、会場にふんわりとまいたけのような芳醇な残り香が漂っているような気もする。所属する派閥に合わせて咄嗟にそこをアレンジしてくるなんて。
「なかなかやりますね。いろんな意味で」
「しかし私がコピー出来るのはユーベルコードのみ。色々な武装を使いこなす貴女に通用するかは難しいところですなあ」
 久慈彦の語り口は相変わらずお世辞とも本気ともつかぬ様子で。けれどこれだけは確かだ。
(「油断できない相手には間違いありませんね」)
 互角の必殺技を持つのならば、後は相手が云うようにその他の要因にかかっている。
 デコイたちにも偽のドリルミサイルポットを出現させ、まるで本物のように動き回らせる事で撹乱を諮る。
 だがビスマスがミサイルを発射する瞬間、久慈彦の燃える眼窩がこちらを真っ直ぐに見据えてくるのがはっきりと見えた。
(「! 見切られて……」)
 僅かに早く射出されたきのこドリル。ビスマスのたけのこがぶつかり直撃は免れたが、爆風で少女の身体は大きく吹き飛ばされた。

「私のなめろうビームウェポンが負けるとは……」
「なあに。まぐれですよ。私のは一夜漬けならぬ一秒漬けの模範技ですからね」
「いえ。負けは負けです。これはもっと研究する必要がありますね」
 戦術についても、そして大好きななめろうについても。
「敗けてもそれをバネにより強くなる。なるほど、それをヒーローと人は呼ぶんでしょうなあ」

  ――【現在の結果。きのこ1:たけのこ1】
 追い上げるきのこ! 勝負の行方はいかに!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

硲・葎
ユアさん(f19326)と!
きのこ派です!よろしくお願いします!
「きのこの方が分離ができて1粒で2度美味しい!たけのこは一体型だもんね!お得感が無いもん!これはバイクさんも加勢してもらうからね!」
嫌がるバイクさんをリングに引っ張ってこよう。
え、バイクじゃだめ?仕方ない……
「ええ!?手伝ってもくれないの!?……サボるな!!」
ベリーロリポップを舐めてUC発動しよう。
「いざ!尋常に勝負!こっちは寿命かけてるからね!いくよたけのこ派!いつかの勝負に決着をつけてやる!なんの勝負か分かんないけど!」相手の攻撃は見切りと残像で回避しよう。
勝てたらいい……なあ……。


月守・ユア
葎さん(f01013)と一緒

はぁい!たけのこ派だぞっと
よろしくね~♪

「はっはっ
わかってないなぁ
一体型ではないと表現できないこのスイーツのボリュームをみよ!
たけのこだからこそできるこの素晴らしき味わいはきのこにも劣らない!」

バイクさんを引っ張ってこようとする葎さんに愉快気に笑みを向け
「あっは
バイクさん今回は観戦だなぁ」

ふー…と日常的に吸っている煙草を
携帯灰皿に突っ込んでニヤッと笑う

ならこっちもタマ賭けさせてもらおうか

ほうら、いくよ
たけのこ派!何が勝ちかはしらないけど
どうせやるなら勝つぜ!

勢い押しの演技で味方を盛り上げて
敵方の攻撃は受け流しとカウンター
攻撃する時はなぎ払いで豪快にいこうじゃないか!




「きのこ派です! よろしくお願いします!」
「はぁい! たけのこ派だぞっと、よろしくね~♪」
 息の合った様子で、二人の女性が手を上げて宣言。
 きのこ派こと硲・葎(流星の旋律・f01013)は、緑のポニーテールとヘッドフォンがトレードマーク。
 たけのこ派こと月守・ユア(月影ノ彼岸花・f19326)は、白の髪と月のような眸持つ女性。
 日頃は気さくに声をかけあうような仲でも、今日ばかりは敵対勢力。好敵手と書いてともと読む――かはさておき、早速互いの主張を掲げ合う。
「きのこの方が分離ができて1粒で2度美味しい! たけのこは一体型だもんね! お得感が無いもん!」
「はっはっ、わかってないなぁ。一体型ではないと表現できないこのスイーツのボリュームをみよ! 
たけのこだからこそできるこの素晴らしき味わいはきのこにも劣らない!」
 多分二人はドーナツでもクレープでもないアレの話をしているが、それぞれの派閥のキマイラ達もそうだそうだと囃し立てている。さすがきのたけ戦争、どうやら発端はコンコンコンよりも遥か以前から存在しているらしい。
「これはバイクさんも加勢してもらうからね!」
 葎は相棒のAI搭載超大型バイク、その名もそのままバイクさんをリングに引っ張ってこようとするが、バイクさんはそれを頑なに拒んでいる。
「なんで? え、バイクじゃだめ?」
「あっは、バイクさん今回は観戦だなぁ」
「仕方ない……」
 愉快気に笑むユアの視線の先、不服そうな葎の手から逃れたバイクさんは、サングラス型のライトを正面にどかりと観客席に鎮座する。
「ええ!? 手伝ってもくれないの!?」
『葎なら問題ない。あとは任せた』
「サボるな!!」
 一応この場所にいるだけ、まだマシな方なのかもしれない。このバイク、本気でサボりたい時は戦場にすらいない。この世界にはバイクさん好みのゲーセンも沢山あるだろうし。
「相変わらずだねえ」
 ユアが紫煙をくゆらせる。すっかり馴染みのフレーバーが身体を満たしていくのを感じながら、にやにやと二人を眺めていた。
「バイクさんがこの調子なら、私が身体を張るしかないか」
 舌先で転がすのはベリーのロリポップ。その瞬間、普通の人間にしか見えなかった葎の姿が変わっていく。人工皮膚で覆い隠した機械の四肢が顕現し、変形し――その姿があっという間にバイクさんそのものへと変化する。
「いざ! 尋常に勝負!! こっちは寿命かけてるからね!」
「「きのたけ戦争に!?」」
 これにはギャラリーのキマイラ達もびっくりである。いくらガチバトルといっても根っこの部分が楽しい事しか考えていないキマイラ達のこと、さすがに寿命まで削るガチなやつは存在していなかった。
 どよめくスタジアムの中、葎の言葉にユアだけがニヤリと不敵な笑みを返していた。
「ならこっちもタマ賭けさせてもらおうか」
「「タマを!?」」
 携帯灰皿に吸殻を突っ込んだユアの手に、いつの間にか握られているのは呪われし刃。カッケーと囃し立てるキマイラ達は知らない。月と死を司るユアは、力の行使そのものが命を蝕む危険を孕んでいる。
 つまり二人とも文字通り命を削ってここに立っているのだ! やっぱ猟兵ってスゲー!!
「いっくよー!!」
 最初からアクセル全開、流星の如きスピードで葎が突っ込んでいく。
「望むところ!」
 金の双眸がグラサン印のバイクを見据え、刃を振り上げる。鉄馬と刃が交錯する寸前、葎が大きく弧を描いて軌道を変えた。がら空きになったユアの背面めがけて突撃する。
 ひらり、ユアの身体が宙を舞った。華麗な宙返りで葎の体当たりを躱し、命喰らう刃を振るう。だが、その時にはもうバイクは遥か後方へと離れている。
「やるじゃん」
「そっちこそ」
「今日こそいつかの勝負に決着をつけてやる! ……何の勝負か分かんないけど!」
「ほうら、いくよたけのこ派! どうせやるなら勝つぜ! ……何が勝ちかはしらないけど!」
 勢い任せのそれっぽいセリフにだって、会場は大盛り上がり。よく分からないけど皆も二人も楽しいからオッケー!
「これで決めてやるっ!!」
 葎が宙へと身を躍らせる。その重量でもってユアを踏み潰すつもりだ。
「あは、そんな見え見えの攻撃、届かせないよ!」
 ユアの刃が、まるで牙剥く獣のようにぎらりと光り、落下するバイクを豪快に薙ぎ払う。
 ――だが真っ二つに切断される筈のバイクがその瞬間、ふっと掻き消えた。
「なっ……」
「ざーんねん、それは残像だよ」
 背後からの声。振り向いた時にはもう遅く、ユアの身体は撥ね飛ばされて大きく宙を舞った。

 ――【現在の結果。きのこ2:たけのこ1】
 追い上げるきのこ! 追いつけるかたけのこ!
 勝負の行方はまだまだわからないぞ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
たけのこ派です
魔法も使って大丈夫ですか
飛んでいいですか
自分で言うのもなんだけどそれ封印されたら完全戦力外なので
よろしくお願いします

【派閥理由】
全体的な味のバランス
単純な見た目の好み
あと僕クレープ大好き
アレンジもいっぱいできそうだし、料理人心がとても疼きます

まぁ結論から言えば
どっちも美味しいしどっちも好きだし人の好みは十人十色
食べることで幸せな気分になれる、それだけでいいと思うけどね

【戦法】
空中戦で飛行しながら、あらゆる属性を切り替えながらの遠距離魔法主体
催眠術を乗せた歌唱で撹乱
接近されたら杖を伸縮させて牽制
UCは追尾式なのでわざと回避させたりして油断を誘い命中狙い

その他戦い方のアドリブお任せ


エミリロット・エカルネージュ
キノコとタケノコ、どちらも美味しいよねっ!どちらに加勢するかも、そう言う意味でも迷っちゃうし……足りない所に加勢かな

●戦法
『早業』でUC発動
丸餃子怪人の自分(分身)を召喚し
※(キノコかタケノコかによって中身が違う)

『集団戦術&団体行動』で分身と連携『推力移動&ダッシュ』で低空『空中戦』駆け

攻撃を『第六感』で『瞬間思考力&見切り』『オーラ防御&武器受け&ジャストガード』で『受け流し』

ボクと分身で
『グラップル&功夫』挟撃

締めは分身担いで『属性攻撃(揚げ)』加え、分身の頭を揚げ丸餃子にして『オーラ防御』込め『怪力』でブン投げ『念動力』で勢いつけて餃子怪人『頭突き』魚雷だよっ!

※アドリブ掛け合い大歓迎




 参戦を決定する前に、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)にはどうしても確かめておかねばならない事があった。
「魔法も使って大丈夫ですか。飛んでいいですか」
 相手は日頃志を同じくする猟兵であるわけで、“それはやりすぎ”といわれたら従わざるを得ない訳で。
「でも自分で言うのもなんだけどそれ封印されたら完全戦力外なので」
 どちらかというと身体は丈夫な方ではなく、身体能力だけで戦えと言われたらだいぶ、いやめちゃめちゃに苦しい。
「いいよー!!」
「ド派手なの頼むぜ、姉ちゃん!!」
「ありがとー! でも姉ちゃんじゃないからねー!!」
 ギャラリーたちに律儀に返しつつ、魔法も飛翔もオッケー! な何でもありルールに胸を撫でおろす。
「よかった。じゃあボクも遠慮なく色々やらせてもらうね」
 緋色のファードラゴニアン、エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)がにぱっと笑んだ。
「ちなみに澪くんはどっち派? ボク決めかねてて」
 だってどっちも美味しいもんね。エミリロットの言葉に澪もわかるーと頷く。
「でも今日はたけのこ派でいくつもり」
 試食したドーナツとクレープ。どちらもとっても美味しかったけれど、全体な味のバランス、見た目の好み、そして何より澪自身がクレープ好きなのもあって、どちらかを選べといわれたらたけのこに軍配が上がる。
「それにアレンジもいっぱいできそうだし、料理人心がとても疼くっていうか」
「うんうん。餃子に入れても美味しいよね」
「クレープを!?」
「いやいや、タケノコを」
「ああ、なるほど」
「でもクレープに合うものは餃子にも合うよ、スイーツ餃子っていって」
「へええ」
 甘い物好きと餃子好き。話はどんどんと盛り上がり。
「まあ結論から言えば、どっちも美味しいしどっちも好きだし人の好みは十人十色。食べることで幸せな気分になれる、それだけでいいと思うけどね」
「そうなんだよね。餃子だって具は絶対にこれじゃなきゃって決めつけるのは勿体ないよね」
 うっかりきのたけ的和平条約が結ばれそうな流れに、なりはしたものの。
「でも」
「うん」
「それはそれ! 一度受けた勝負は最後までやり遂げる!」
 澪が純白の翼をはためかせて空へと舞い上がる。
「ボクだって、今日は美味しくて強い怪人としてお相手するよ!」
 エミリロットが召喚する“もう一人の自分”は、肉だねに各種きのこをたっぷり入れた特製キノコ丸餃子怪人。空駆ける澪に続くように、“二人”も宙へと身を躍らせた。
 燃える拳が澪へと振り翳される。間一髪、躱した澪が放つのは氷魔法。氷柱のように鋭い氷の刃が二人へと襲い掛かる。
 すう、と深く息を吸い込んだエミリロットと丸餃子怪人が、猛烈な勢いで拳を、蹴りを繰り出し、無数の氷を尽く粉砕していく。
 距離を詰めようとしてくる二人を伸縮自在の杖で牽制しつつ、澪は指を真っ直ぐに伸ばす。指し示す方向へと、眼が眩むほどの花吹雪が吹き荒れた。狙いは一人――エミリロットだ。
「こういうのは本体からってセオリーだよね」
「このくらいの花吹雪なら――!」
 エミリロットが紅の翼を羽搏かせ、大きく跳びあがる。だが完全に回避したはずの花嵐は、エミリロットめがけて竜巻のように迫ってきた。
「! 追尾式……!!」
 花嵐に巻き込まれながら、エミリロットは怪人へとアイコンタクトを飛ばす。花嵐を止めさせるべく、怪人は澪目掛けて鋭い蹴りを浴びせかける。
「っ……!」
 吹き飛ばされながらも、澪は催眠効果を宿した歌を歌いあげる。澪を追撃しようとしていた怪人の動きが止まる。
「このまま、畳みかけ――!」
 光魔法を放とうとしていた澪の視界。花嵐に全身を刻まれながらも、エミリロットが飛び掛かってくる。
 真っ直ぐに突っ込んでくると踏んで、澪はそのまま魔法を放つ。だがエミリロットは澪ではなく、丸餃子怪人を掴み、ありったけの力を注ぎ込んだ。
 丸餃子怪人の頭が熱を持ち、漂う香ばしさが増していく。なんと丸餃子怪人は揚げ丸餃子怪人に進化した!
「いっ、けぇー!!!!!」
 攻撃を撥ね飛ばすオーラ防御を乗せて、渾身の力でブン投げられる餃子怪人。いろんな意味でのインパクトに澪は目を見開いた。
 まさしく餃子魚雷。回避が間に合う速さではない。杖を翳し、少しでも頭突きの勢いを殺すのがやっとだった。
 吹き飛ばされながらも、澪は光の雨がエミリロット本体へと届くのを確かに見た。お互い傷は決して浅くない。あとは立ち上がれるかどうかだが――。
(「う、もう、ダメ……」)
 薄れゆく意識を、つなぎとめる事叶わず。
 くずおれる澪の隣、ふらふらになりながらも、エミリロットが勝利のVサインを掲げていた。

 ――【現在の結果。きのこ3:たけのこ1】
 きのこの快進撃が続くのか、ここからたけのこが追い上げるのか!
 勝負の行方はまだまだ分からない!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マクベス・メインクーン
【猫派】
きのこ派

んー、俺きのこドーナツのが好き
今日はこっちの気分
兄ちゃんたちはたけのこクレープなのか…?
ちぇー…一緒に戦いたかったのになぁ
(やや悲しげに2人を見て)
ま、戦うなら全力で戦うけどなっ。ね、グラナトさん!

なんとなく、ゆー兄ちゃんは絶対面白がってるんだろうけど
望にーちゃん…めっちゃグラナトさん狙ってね?
いくら兄ちゃんたちでもあんまグラナトさんに怪我させるなら
俺だって考えがあるからなっ!
UC『猫のお願い』を使用してグラナトさんの戦力を上げる
「グラナトさん…勝って一緒にドーナツ食べよ?」
(上目遣いでおねだりポーズ)
ん?(兄ちゃんたちにかかってるのを見て)

えーと……て、てへぺろ☆


グラナト・ラガルティハ
【猫派】
きのこ派

菓子の好みで諍いが起きるとは何とも言いがたいがマクベスが望むなら。勝利を捧げよう。
俺は戦の神でもあるからな。この諍いを戦争と呼ぶのなら戦うしかあるまい。

兄貴分と出かけられるとマクベスの機嫌が良かったのだがこのように争いになるとは…
(あちらはとても楽しそうだが)
(何となく自分が狙われてるのを察して)
ルールがあるのだから公平に行かねばならんだろうまぁ、それを破るのがお前達かもしれんが。

ッ、あぁ、勝ってドーナツを一緒に食べよう
と言うかあっちにも効いてないかマクベス!?
 
…マクベスの兄貴分だから我慢はしているが…本当はマクベスとの時間を取られるのは許し難いのだぞ…!
【指定ユベコ】


月待・楪
【猫派】
たけのこ派
理由:美味かったから

ひづ、口の端にクリームついる
どっちも美味かったが
今の気分はたけのこが気に入った
…猫助と遊ぶ絶好の機会を逃すわけねーだろ?

くはは、ひづは完全におっさん狙いだな
なら俺は猫助と遊ぶか

ルールなんざごみ屑だろ
戦の神を轢くってのもおもしろそーだなァ?
ひづのバイクの後ろに乗って
【Cat'stail】でおっさんの妨害&ひづの露払い
ガランサスとカルタの乱れ撃ちで猫助の牽制

は、可愛すぎんだろアレ
俺達が勝ったら俺達とドーナツ食うぞ猫助

OK,darling
スマホでマクベスのUC発動の瞬間を撮影
よし、バッチリ

あ゛?
テメェが俺らの弟分を誑かしてんだろうがおっさん!
監禁で訴えてやろーか


氷月・望
【猫派】
たけのこ派
理由:ゆーくんがそう言ってるから

んー、どっちもイケるケドねぇ
ゆーくん、どっちが美味かった?
おし、それじゃあ……俺もたけのこ派で(ニヤリと)
グラナトを殴る良い口実になりそうだと思ったのは、ヒミツで

そうだなァ、マクベス
正々堂々全力で戦おうぜ、なんつって?
ヴィランに正々堂々もへったくれもねぇしな

愛用バイクの『Shadow.Rem』に跨って
ゆーくん乗せてから、UC発動
グラナトを狙って、全力で轢きにかかるわ

あ、ゆーくん!
マクベスがデレてる!写真、写真頼むわ!
俺は動画撮ってるから、後で交換で!

ハッ、戦の神様は案外器が小さいのかァ?
ちったァ、俺達にも可愛い弟分との時間を寄越せっつーの




 遥か昔より存在する神は、人々の争う様を飽くほどに見続けてきた。
 争いは時に生存の為であり、時に権力者の富や名誉の為であり、時にくだらぬ維持や見栄の為であった。
 だが火炎と戦を司る神でも、知らない戦というものはある。
「菓子の好みで諍いが起きるとは何とも言いがたいが、マクベスが望むなら。勝利を捧げよう」
 生真面目なグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)は、俺は戦の神でもあるからなと付け加える。
「この諍いを戦争と呼ぶのなら戦うしかあるまい」
 観客席のキマイラ達を見遣れば、みなドーナツやクレープを手に楽しそうな様子だ。戦争という言葉をこのような催しに気軽に使う文化はグラナトにとって馴染みの薄いものだったが、ある意味では平和である証拠なのかもしれないと結論付けた。
「グラナトさんがついてるなら百人力だな」
 そんな神の隣、マクベス・メインクーン(ツッコミを宿命づけられた少年・f15930)が最近は隠さなくなってきた猫耳を嬉しそうにぴこぴこさせている。
 試食にと貰ったきのこドーナツとたけのこクレープを交互に口に運んでは、目を細めてご機嫌な様子。
「んー、どっちも捨てがたいけど……俺、きのこドーナツのが好きかな」
 今日はこっちの気分と云えば、グラナトも静かに頷いてきのこ派についてくれるのもまた嬉しくて。
 そして、マクベスの心を弾ませている理由はもうひとつある。
 視線の先には男性が二人、マクベスと同じようにきのたけスイーツを堪能している。二人とも、マクベスが兄のように慕う存在だ。最愛のグラナトだけでなく二人も一緒なのだから、嬉しくないわけがないはずで。
「んー、どっちもイケるケドねぇ」
 なやましーねぇ、と氷月・望(Villain Carminus・f16824)は思案する。
「ひづ、口の端にクリームついてる」
「ん」
 月待・楪(Villan・Twilight・f16731)の手がごく自然に望の口元に伸びて、望もごく自然な様子でそれを受け容れる。
「ゆーくん、どっちが美味かった?」
「どっちも美味かったが、今の気分はたけのこが気に入った」
 そう云って楪はニヤリと不敵に笑う。視線の先にはきょとんと首をかしげるマクベス。
「あー、“今の気分”ね」
 そういって望もニヤリ、怪訝そうなグラナトを見遣る。
「おし、それじゃあ……俺もたけのこ派で」
「えっ、兄ちゃんたちはたけのこクレープなのか……?」
 一緒に戦いたかったのになあ、としょげるマクベス。
「まさかこのような争いになるとは……」
 兄貴分と出かけられると聞いてマクベスが嬉しそうだったのにと、グラナトも少しばかり肩を落としている。が。
(「あちらは何だかとても楽しそうだな」)
 ヴィランとしての一面も持つ二人組は、なんだか悪い笑顔でニヤニヤと意気投合している。
(「猫助と遊ぶ絶好の機会を逃すわけねーだろ?」)
(「グラナトを殴る良い口実になりそう!」)
「……」
 何となく色々察したグラナトは、それとなくマクベスを庇うように一歩前に出る。
「ま、戦うなら全力で戦うけどなっ。ね、グラナトさん!」
 背後からの弾む声。まあマクベスが楽しめるのならばそれでいいだろう。
「ルールがあるのだから公平に行かねばならんが――」
 その言葉が釘差しにすらならない事は、発したグラナト自身がよーくわかっていた。


「そうだなァ、マクベス。正々堂々全力で戦おうぜ」
 赤雷迸らせ、望がきのこチームへと笑みを向ける。
「ん。たとえ兄ちゃんたちでも負けねぇぞ」
 金と銀の小刀構え、マクベスが望を迎え撃つ。
「――なんつって」
「え?」
 サイキックの雷をそのままマクベスにぶつけることはせず、どこからか呼び出したのは愛用バイク“Shadow.Rem”。楪を後部座席に乗せたクラシックアメリカンな大型機は、そのままクレイジーすぎるスピードでマクベスへと突っ込んできた。
「わわわっ!」
 慌てて身を翻すマクベスを深追いすることはなく、そのままグラナトへと迫る。炎の槍を放って応戦するグラナトだが、元々各種改造を施されている上ユーベルコードによる強化まで完備のモンスターバイクはそんな事では止まらなかった。
 槍が赤雷を引き裂き、望の膚を焦がしても、鉄の巨体の勢いは少しも衰えない。
「くっ」
「ほらほらァ、轢かれたくなけりゃソコどきなァ!」
「くはは、どいても追いかけるつもりだろ、ひづは」
「グラナトさんっ!」
 マクベスも加勢しようとするが、小刀も魔装銃もバイクのスピードに振りほどかれてしまう。
「ずるいぞ兄ちゃんたち! 正々堂々って云ったじゃんか!」
「ヴィランに正々堂々もへったくれもねぇし!」
「そういう事。ルールなんざごみ屑だろ」
「……どうせ、そのような事だろうと思っていたが」
 諦めたようにグラナトが零す。
「戦の神を轢くってのもおもしろそーだなァ?」
「だろ?」
 炎の槍に燃やされながらも、鉄馬は唸りをあげて神を追いつめる。
「おっと」
 楪がサイキックを行使した。瓦礫が宙に浮かび上がり、マクベスの弾丸を弾き飛ばす。
「やるじゃねェか、猫助」
 望の右腕目掛け放たれていた属性弾。命中していればバイクは大きくコントロールを失っていただろう。
「くぅっ……! もう少しだったのに!」
「まだ俺には敵わねえな。少し遊んでやるよ」
 二丁拳銃が火を噴き、マクベスの足元へと降り注ぐ。狙いをつけることもままならぬマクベスは大きく引き離されてしまった。
「っていうか、ゆー兄ちゃんは絶対面白がってるんだろうけど、望にーちゃん、めっちゃグラナトさん狙ってね!?」
「そりゃーもう」
 だって楽しいしィ、と舌を見せる望に、マクベスはむっとしてみせる。
「いくら兄ちゃんたちでもあんまグラナトさんに怪我させるなら、俺だって考えがあるからなっ!!」
「ほー、やってみろよ」
 面白がる兄ちゃんズは無視。マクベスは真っ直ぐにグラナトを見上げ、両手を組んでお願いポーズ。
「グラナトさん……勝って一緒にドーナツ食べよ?」
「っっっ……!」
 上目遣いで、目を潤ませて一生懸命におねだりをする恋人。可愛くない訳がない。
 マクベスの背後には加護を齎してくれる白竜の精霊が出現していたが、多分今のグラナトには龍の羽が天使の羽に見えていた。だってマクベスが天使みたいに可愛いから。
「……あ、ああ、そうだな。勝ってドーナツを一緒に食べよう」
 あまりの愛らしさに意識が数秒間吹き飛んでいたグラナトが、ようやくいつもの様子に戻って云った。精霊の加護と可愛い恋人のエールに、全身に力がみなぎって来るのを感じる。
(「今なら猛スピードでぶつかって来るバイク如き、回避せずとも撥ね飛ばせそうだ」)
 ――だというのに。
「ゆーくん撮れた!?」
「そりゃもうバッチリ」
 ヴィラン二人はスマホ片手に相変わらず悪い顔。
「何やってんだ、兄ちゃんたち」
 望がスマホをタップすると、録画データが再生される。
『グラナトさん……勝って一緒にドーナツ食べよ?』
『あ、ゆーくん! マクベスがデレてる! 写真頼むわ!』
『OK, darling……よし、バッチリ』
『俺は動画撮ってるから、後で交換で!』
「……え」
「何、だと」
「見ろよこれ、可愛すぎんだろ」
 笑いを押し殺した楪のスマホの画面、小首をかしげて懇願する猫少年と、必死で理性を保とうと額に手を当てる神がバッチリ激写されていた。
「待て。今お前達、“可愛い”と云わなかったか」
「え、だって可愛いだろ、なァひづ」
「うんうん、何てったって俺らの弟分だもんな……ん? なんか力がみなぎってきたな」
 そう。マクベスの力は、“可愛い”という感情を与えた者を大幅に強化させる作用。
 ――つまり。
「今なら神だろうがワンパン出来る気がするな」
「俺のバイクもいつも以上にスピード出せそう!」
「……あっちにも効いてないかマクベス!?」
「えっ、えーと……て、てへぺろ☆」
 あざとさしか詰まっていないポーズに、グラナトが再び顔を覆って天を仰ぐ。
「おー、可愛い」
「可愛い可愛い」
「くっ、またしても……!」
 何たることだとグラナトは歯噛みする。マクベスが可愛すぎるばかりに敵までもが強化されてしまうなど!
「本来であれば俺だけに向けられる表情であった筈であるのに」
「うわー、おっさん心の声駄々洩れ」
「中年の独占欲みっともなー」
「っ、マクベスの兄貴分だから我慢はしているが、本来はマクベスとの時間を取られるのは許し難いのだぞ……!」
「ハッ」
「あ゛?」
 これを笑い飛ばしたのは望、表情を凍り付かせたのは楪だった。
「戦の神様は案外器が小さいのかァ? ちったァ、俺達にも可愛い弟分との時間を寄越せっつーの」
「テメェが俺らの弟分を誑かしてんだろうがおっさん! 監禁で訴えてやろーか」
「かんッ……監禁だと!?」
 もう我慢ならぬとグラナトがありったけの炎槍を飛ばす。やっぱ全力で轢いてやるわと望がバイクを駆る。
「え、えーと、一応バトルだけどその……オレ、グラナトさんも兄ちゃん達も大好きだし。ケンカじゃなくて楽しくやろうぜ、なっ、お願い☆」
 マクベスが一生懸命お願いすればするほど、三人はドツボに嵌っていく。
 ――戦況は泥沼化したが、最終的には燃え広がる炎に包まれながらも決死の体当たりを決め込んだたけのこペアが勝利を収めたという。
 惜しくも勝利を逃したきのこペアも、ちゃあんと二人できのこドーナツを満喫したとか。

 ――【現在の結果。きのこ3:たけのこ3】
 2対2なのでポイントも2倍! よって現在、きのことたけのこがまさかの同点!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
■たけのこ派
某菓子戦争でタケノコ派の俺としては当たり前の様に
宵、お前も勿論たけのこ派だろう?
とそう声を投げてみる…が…
き…きのこ派…だと…?
宵、本心から言って居るのか…?
あの詰まったクリーム!ほろっとしたビスケットに口の中に満ちる甘味が絶妙なのではないか…!
きのこも美味そうだが…タケノコが至高だと説得させて貰おうかと勝負へ

勝ったなら
「宵、共にタケノコクレープを食すぞ」と嬉しげに
負けたなら
「くっ…タケノコの魅力をいつか、分かって貰うぞ…!」と声を
…まあ、どちらも美味いのだが…と
ああ、両方買って分けながら過ごすか
お前と食うならばきのこでもタケノコでもどちらでも美味いだろうゆえに、な


逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
◆きのこ派

噂の甘味スイーツのバトルですか
これは負けられませんねと喜び勇んで参戦します

これは某お菓子の代理戦争のようなもの
え?
僕はもちろんきのこ派ですが

豆鉄砲をつつかれたハトのような顔でかれを見
あのきのこドーナツをご覧ください!
ふわっとしたあのフォルム、かじりやすい曲線美!
みんな大好きチョコレートをたっぷりとかけて、さらに忠実に再現したきのこの軸!
芸術品でありましょう!
これは譲りませんよ……!

勝ったなら「はい、きのこドーナツを一口、どうぞ」
負けたなら「……美味しくは、ありますが……」と悔しさ滲ませ
今日は両方買って帰り、家でゆっくり分け合いましょう




(「……ふむ。悪くないな」)
 そんな思案に浸る男が一人。ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)だ。
 未だ猟書家達はいるもの、フォーミュラから解き放たれたこの世界は比較的平和で。
 猟兵としての戦闘能力も、今日はキマイラ達を楽しませる為にのみ用いられる。
 会場には甘い物を堪能する人々の笑顔が溢れ、しかもザッフィーロの隣には最愛の伴侶、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)がいる。
 つかの間の平穏を享受するように、ザッフィーロは目を細めた。
「噂の甘味スイーツのバトルですか。これは負けられませんね」
 キマフューたけのこバトルを小耳に挟んでいたらしき宵もすっかりやる気で、これから始まるバトルに胸を高鳴らせている。
 彼と一緒なら、どんな強敵にだって負けるはずがない。改めてそう感じたザッフィーロは、今更聞くまでもないことを一応聞いてみた。
「宵、お前も勿論たけのこ派だろう?」
「え? 僕はもちろんきのこ派ですが」
 沈黙。
「……き、きのこ派、だと……? 宵、冗談も大概に」
「冗談?」
 豆鉄砲をつつかれたハトのような顔で宵が答える。そんな、とザッフィーロの顔が絶望に染まった。
「本心から……云っているのか……?」
「勿論です。僕ははじめてあの二つを食べた時から、きのこの方が美味しいと確信しています」
 交わし合う視線。
 交わらぬ想い。
「……本当に、戦わねばならぬのだな」
「ええ。決着はリングの上でつけましょう」
 最高の相棒にして最愛の伴侶が、まさかの最強の敵として立ちはだかるとは。
 平穏は脆くも崩れ去った。きのたけ戦争、おそるべし!


「改めて問おう。立場を変えるつもりはないのだな?」
「そちらこそ。和解の道を選ぶつもりはないんですね?」
 両者にらみ合い、そして――動いた。
 宵の星を宿したような杖がザッフィーロへと翳され、空からの隕石が飛来する。決して狙いを違えることのない恐ろしい術であると同時、その美しさにザッフィーロは目を奪われそうになる。
 咄嗟に張ったオーラの障壁が隕石を受け止め、直撃は免れても、無数に分かれた破片がザッフィーロへと降り注ぐ。宵の本気を改めて全身で感じながら、ザッフィーロもまた脚元より漆黒の影を召喚する。
 五百年分の穢れは使えども使えども尽きる事無く、蒼き宝石から無限の如く噴きあがっては仇名す者の動きを封じる。あれに捉えられたら最後だと、常に肩を並べてきた宵は誰よりもよく知っている。
(「かれの頼もしさが、今は恐ろしいですね」)
 或いは今まで斃してきた敵たちも、このような想いを抱いたのだろうか。背筋をぞくりと駆け巡るものは恐怖か――それとも。
「判っていませんね、きみは」
 それでも新たな隕石を降り注がせながら、宵は思いの丈を吐露する。
「あのきのこドーナツをご覧ください! ふわっとしたあのフォルム、かじりやすい曲線美! みんな大好きチョコレートをたっぷりとかけて、さらに忠実に再現したきのこの軸! 芸術品でありましょう! これは譲りませんよ……!」
 む、とザッフィーロが眉間の皺を深める。
「何を云うか宵! あの詰まったクリーム! ほろっとしたビスケットに口の中に満ちる甘味が絶妙なのではないか……!」
 とはいえ、実に一生懸命にきのこ愛を語る伴侶に、心絆されない事がないとも云いきれず。
「まぁ、確かに、きのこも美味そうだが……」
「そうでしょう?」
「しかしかくいう宵も、たけのこクレープの事も気になっているのではないか?」
「それは、……。いいえ。ぼくは負けませんよ」
 確かにそっちも美味しそう。禁断の重いが二人を駆け巡るが、それはそれ!
 飛び交う術に遠慮は欠片もなく、光と影が目まぐるしく入れ替わるフィールド。
 宵が隕石を呼ぶ僅かな隙を縫うように、ザッフィーロの影が宵の全身を包み込んだ。
「――!」
 絶体絶命。だがザッフィーロのメイスの切っ先は、宵の喉元へとぴたりと向けられたまま動かない。
(「ふふ、このまま術が切れるのを待って、僕が隕石を呼べば形勢逆転されてしまうかもしれないのに」)
 譲れぬ勝負だと豪語しつつ、やはりかれは僕に甘い。
「参りました。降参ですよ」
 改めてそんな事を思いながら、宵は微笑んだ。

 試合後。
「では宵、共にタケノコクレープを食すぞ」
 うきうきとクレープを手に取るザッフィーロと。
「……美味しくは、ありますが……」
 悔しさを隠し切れない宵とが、コンコンコンの前にいたという。
「ああ、両方買って分けながら過ごすか」
「そうですね。家でゆっくり分け合いましょう」
 ――二人なら。結局キノコだってタケノコだって、とっても美味しいに違いないのだから。

――【現在の結果。きのこ3:たけのこ4】
 ここにきてまさかのたけのこ逆転!
 決着はこの先の決勝戦にて!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『きのこたけのこ武闘会(決勝戦)』

POW   :    パワーで相手をねじ伏せる!

SPD   :    スピードで相手を突破する!

WIZ   :    賢さで相手の裏をかく!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 きのたけ戦争は決勝戦へともつれ込む!
 ――といってもルールや得点配分に変化があるわけではないらしい。そもそもトーナメント式とかではないし。
 なんか決勝戦とかいっとけばより盛り上がるだろう的キマイラお気楽命名センスかもしれないが、当のキマイラ達もその理由はよく知らない、らしい。
 よって、予選に参加していない人も、勝った人も敗けた人も、自由に決勝戦に参加することができる。
 派閥を変えても大丈夫。相手の熱いきのたけ語りにうっかりほだされても良し、自分の美学を貫くでもよし。
 さあ、今こそ雌雄を決する時!

==================
・プレイング受付:今から受付中(締め切りタイミングのみタグやMSページでお知らせします)
・マッチングの関係で一章不採用になってしまった方は優先採用致します
==================
馬飼家・ヤング
キノコでもタケノコでも菓子に貴賤はあらへん
みんな美味くてみんないい。スイーツだもの
てなわけで少数派に加勢するで!

この手のおもしろイベントは参加することに意義がある
対戦相手や観客の意表を突いて笑かしたるでー
(むしろ笑かす方が本命な感)

【バ美肉】パワーでオネェ馬飼家に変身よ~ん♪
今日のアタシは「馬飼家キノ子」!(タケノコ派なら「馬飼家タケノ子」)
クネクネした奇妙な動きで相手を翻弄しちゃうわん♪
鍛え上げた腹筋&背筋力で某サイバー映画みたいに
背中をぐにょんと反らして攻撃避けちゃう♪

相手がアタシのふつくしさ(笑)に見とれた隙に
漢女(ヲトメ)ビンタをお見舞いしちゃうわん♪

※アドリブ勝敗マッチング全てお任せ


加々見・久慈彦
たけのこ派に宗旨換えします。先の対戦相手のたけのこ愛に胸を打たれましたので。
裏切り者の謗りを受けようとも、たけのこ道を邁進し、たけのこ道に殉じる所存!
……あ? でも、人数が足りないようでしたら、きのこ派に戻りまーす。

(またもや対戦相手を褒めまくる)
いやはや、実に強力なユーベルコードですな。ほぼ完璧な技と言って差し支えないでしょう。
ただし、あくまでも『ほぼ』であり、本当の意味の完璧ではありません。その証拠に……(UCの弱点を指摘。弱点が見当たらなくても適当にでっちあげて【言いくるめ】る)。
浮浪猫が演奏でUCを封じている間にカードで攻撃しましょう。


※煮るな焼くなとご自由に扱ってください




「先程は人数の関係できのこ派を選びましたが、たけのこ派に趣旨換えします」
 加々見・久慈彦(クレイジーエイト・f23516)の言葉に会場がどよめいた。
「この、裏切り者ー!! クレープに簀巻きにされて流されちまえー!!」
 野次を飛ばすきのこ派キマイラ。
「いいぞいいぞー! やっぱりたけのこが最強だー!!」
 称賛するたけのこ派キマイラ。
「様々な意見がおありでしょう。しかし私は、先の対戦相手のたけのこ愛に胸を打たれましたので」
 浪漫とまで言い放つ彼女の姿を思い浮かべるように、久慈彦は胸に手を当てる。
「裏切り者の謗りを受けようとも、たけのこ道を邁進し、たけのこ道に殉じる所存! ……あ? でも、人数が足りないようでしたら、きのこ派に戻りまーす」
「「ええ!?」」
 これにはきのこ派もたけのこ派も仲良くハモってビックリ仰天。
「いやぁー、あんさんの立場もわかるで」
 うんうんと頷くテレビウムが一匹。ミナミだかニシだかの方で見た事があるようなファッションの彼は馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)である。
「キノコでもタケノコでも菓子に貴賤はあらへん。みんな美味くてみんないい。スイーツだもの」
 食とゲームを愛するプリチーゆるキャラ(自称)としては、どちらに肩入れするのも苦汁の決断。
「よってわいはあんさんが選ばなかった方、つまりきのこ派につくで! この手のおもしろイベントは参加することに意義がある。対戦相手や観客の意表を突いて笑かしたるでー」
 ぴょんぴょん跳ねてアピールするヤングに、楽しいことが大好きなキマイラ達も大盛り上がり。その中には当然ピチピチギャル(死語)もいたのだから、ヤングのやる気も五割増しだ。
「いやはや、ヤングさんは素晴らしい方ですなぁ。勝負の行く末だけでなく、場を沸かせる事にまで気を配っていらっしゃるとは」
「せやろせやろ?」
 元詐欺師の口の巧さに、簡単に鼻を高くするヤング。鼻ないけど。
「ちゅーわけで、わいの……いやアタシの華麗なバ美肉パワーを見せてあ・げ・る★」
 説明しよう! この場合のバ美肉とは、バカウケ・ビューティホー・マッスルの略である!
 ヤングの身体はたちまちセクシーなオネェ様……の動きをする筋骨隆々マッスルちゃんに変化する!
「人呼んで馬飼家キノ子ちゃんよぉ~」
 くねくねと身体をしならせるヤング改めキノ子。セクシーポーズなのかマッスルポーズなのかいまいち判別がつかない。
「おお、これが動画界隈を賑わせているというバ美肉ですか。まるで手品か魔法のようではありませんか」
 久慈彦は試しにと刃の仕込まれたトランプを投げつけるが、
「ふんッ!!!」
 乙女らしからぬ気迫と共に、キノ子が背中をぐにょんとしならせてそれをすべて躱してみせた。
「前に動画で見た奴だ!!」
「古典サイバーアクションでしょ!? 三部作のやつ!」
 華麗なアクションにキャッキャとはしゃぐキマイラたち。
「ふむふむ、成程。凄まじい体幹ですな。バ美肉といっても見せかけだけではないようです」
「そうよぉ~ん? 今のアタシはふつくしいだけじゃなくて、とっても強いんだからぁ」
「いやはや、実に強力なユーベルコードですな。ほぼ完璧な技と言って差し支えないでしょう」
 キノ子が身体をぐりんと元に戻し、久慈彦を見た。
「今、“ほぼ”と云ったかしらん?」
「ええ」
 くつくつと喉を鳴らす胡散臭い男に、キノ子は眉根を寄せる。
「アタシに弱点があるとでも?」
「本当の意味で完璧、欠点のない技などありませんよ。その証拠に……」
 勿体ぶるような沈黙。
「……証拠に?」
「そんなに美しかったら、戦場では目立ちすぎて逆効果ではないですかな?」
「アラヤダ!! お上手なんだからぁ!!」
 キャー! と頬に手を当て大袈裟に赤面してみせるキノ子。なんかよくわからないけれど効いてる!
「今のうちに頼みましたよ、浮浪猫」
『誰が浮浪猫だって? 全く、猫使いが荒いんだからなー』
 どこからか現れたケットシーが猫の手で器用にツィター奏で、紡ぎ出す小夜曲がキノ子の変身を引きはがしていく。
「いやぁ~ん、えっちぃ~」
 たちまち元のナントカ人形似の姿に戻されたヤングに、カードの雨が降り注ぐ。今度は小柄な体躯を活かして逃げ回り続けた。
 力を封じられた百八十秒。ひたすらすたこら逃げ回り、傷だらけになりながらも再び得たマッスルボディ。
「同じ手は二度と喰らわないわよぉん! 漢女(ヲトメ)ビンタぁ~★」
 丸太の如き腕がケットシーを蹴散らし、翻って久慈彦に迫る。
「いやはや」
 少しでも勢いを殺すようにと、久慈彦のトランプが投げつけられた。

「――あんさん、やりますなぁ」
「キノ子さん……いいえ、ヤングさんこそ」
 戦士は互いに相手の雄姿をたたえ合い、そして。
 どさりと倒れる音は寸分の狂いもなく、同時に起こった。
「……引き分け?」
「引き分けだ」
「スゲェ……!」
 これにはきのこ派もたけのこ派も、互いに拍手を送り合った。

 ――【現在の結果。きのこ3:たけのこ4:引き分け1】
 決勝戦、初戦はまさかの引き分けでのスタート!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

1回戦後二人で再び食べた甘味に想いを馳せつつ決勝会場へ
宵の言うようきのこドーナツも美味かった…
今回に限りきのこ派になってもよいやもしれんとそう深く頷きつつ宵へ視線を
宵もそう思うだろ…う…と
…宵、お前先程はきのこドーナツこそ芸術品と言って居たではないか…!?
くっ…またお前と勝負をする事になるとは…!
勝ってきのこドーナツの魅力の説得をさせて貰おう…!

勝ったならば「宵!ちょこれぃとたっぷりのドーナツを食うぞ!」と再び購入しに行こう
負けたならば「くりぃむは美味いが…俺はちょこれいぉとも食したいのだ…っ」と声を
まあ、最後にはお前と食すならばどちらも美味いという話になるのだろうが、な!


逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
◆たけのこ派

二人で半分こして食べたスイーツの味を思い返しつつ、それを愛しい相手と食べた幸せにも浸りつつ会場へと向かいましょう
あのほろほろとしたビスケットも絶品でしたね……
どうりで食べた方々みな虜になるわけですとしみじみしながら
僕も魅せられてしまいました、タケノコ派に入門を……、……

ザッフィーロ、きみこそタケノコのクリームに首っ丈になっていたのではありませんか!?
くっ……
最大の敵は身内と言いますが、やはりきみは僕の前に立ちはだかるのですね……!

そして勝敗が決したら お互いに健闘を称え合いつつきのことたけのこを買いに行きましょう
やはりきみと食べるものが、一番美味しい




 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は、先程食べたスイーツの味わいを思い起こして目を細める。
(「なるほど、たけのこも好いものでした」)
 きのこ派を貫くと心に誓っていたはずなのに、愛しいかれと食べたたけのこはそれはそれは美味しくて。
(「ほろほろとしたビスケット。確かに無二の味わいです。どうりで食べた方々みな虜になるわけです」)
 そして宵は改めて気づかされたのだ。基本にして王道に。すなわち、美味しいものはそのままでも美味しいが、大好きな人と食べるとますます美味しいのだと。
 一方、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)も同じように口元をほころばせていた。
(「宵の言うようきのこドーナツも美味かった……」)
 成程確かに、最愛の恋人と敵対してまで信念を貫かせるほどの味わいだった。そして何よりザッフィーロ自身、心が揺らぐほどの美味だった。
(「甲乙つけがたい……ならば、より楽しめる選択肢を選ぶというのもいいのではないか」)
 より楽しめる。つまり、伴侶と共に同じ信念を掲げ、肩を並べて戦うのだと。そんな決心を胸に、ザッフィーロは宵へと向き直る。

「宵」
「ザッフィーロ」
 互いを呼び合う声は同時。
「なんだ?」
「そちらが先でいいですよ」
「宵こそ」
 譲り合いながらも二人は、相手が同じような事を考えているのだろうと互いに察していた。嬉しさに笑みを漏らせば相手も同じように微笑んでいる。
「……ふふ、僕たち考えることは一緒みたいですね」
「ああ。やはりお前と一緒がいい」
「ええ。ですから僕もタケノコ派に入門しようと思います」
「うむ。今回に限りきのこ派になってもよいやもしれん」
 沈黙。
「ん?」
「……んん??」
 交わし合う視線がどんどん険しくなっていく。デジャブだろうか。多分違う。さっきもこんな光景があった。
「何故だ宵! あそこまで情熱的にキノコ愛を説いていたというのに!」
「ザッフィーロ、きみこそタケノコのクリームに首っ丈になっていたのではありませんか!?」
 そう。仲睦まじい二人の考えることは一緒。一緒過ぎて、完全にすれ違っていた。
「きのこ派に“なってもよいやもしれん”と云いましたね? その程度の想いなら、タケノコ派のままでもいいのではないですか?」
「宵こそ、きのこへの愛が途絶えたわけではないのだろう? そのまま貫き通せばいいのではないか?」
 仲睦まじい二人は相手の事をよーく知っていた。
 頑固なのだ、彼は。自分の事を棚に上げて噛みしめる似た者同士の二人だった。


「最大の敵は身内と言いますが、やはりきみは僕の前に立ちはだかるのですね……!」
「またお前と勝負をする事になるとは……! 勝ってきのこドーナツの魅力の説得をさせて貰おう……!」
 愛が軋轢を生み、想いの強さが反発力の強さになる。溶けたチョコレートのようにドロドロな抗争は、宵が放つ無数の隕石によって幕開けを迎える。
 貴石の指輪が本体であるザッフィーロの頑丈さを、宵は誰よりも知っている。生半可な攻撃では歩みを止めることさえ出来ないだろう。一切の容赦なく流星群を降り注がせ続ける。
 影を纏いながら、ザッフィーロは思案する。これほどまでに鮮やかな空の下、逃げ続ける事など不可能に近い。だが動きを止める戦法は先程も披露した。宵も当然警戒しているだろう。
(「ならば」)
 突如ザッフィーロが一切の防御を解き、その場に立ち尽くす。彼目掛けて降り注ぐ隕石に、他ならぬ宵が目を見開いた。
「ザッフィーロ……!?」
 何十もの隕石が地に落ち、光が彼の姿を掻き消していく。――そんな、まさか。
 慌てて辺りを見回す宵の頸に、背後から冷たいものが触れた。暁の空を閉じ込めたような小刀を握っているのは、当然ザッフィーロだ。
 一切の物理法則を無視した、テレポートとしか思えぬ力。すぐさま宵は合点がいった。
「――“影渡り”ですね」
 人の姿を得てから今日にいたるまで、誰よりも傍に居た彼の事だ。その力の事も、当然よく知っている。
 影を纏いながら、“味方”の元に瞬間移動する力だ。同じ世界にさえいればどこからでも駆けつけてくれる、頼もしい力。
 敵対しても尚、その根本が揺らいでいないというのを示されたようにも感じられて。
「今回も俺の勝ちだな」
 どことなく得意げな言葉に、ふっと笑みを漏らす。
「ええ。そのようですね」
 全く、いろんな意味で――完敗ですよ。


 と、いうわけで。
「宵! ちょこれぃとたっぷりのドーナツを食うぞ!」
「ええ。もちろんクレープも忘れずにね」
 勝負は真剣に。でもあとくされなく。互いの健闘をたたえ合い、仲良く繰り出すコンコンコンスポット。
 だってここまで激しくぶつかり合った二人、結局想いはひとつなのだから。
 ――やっぱり、お前/きみと一緒に食べるのが、一番おいしい。

 ――【現在の結果。きのこ4:たけのこ4:引き分け1】
 並ぶきのこ! 逃げきれたけのこ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジュニパー・ベリータルト
甘い香りにつられてやってきたわたくしも参戦(ゲートイン)いたします!!

きのこは秋の味覚、たけのこは春の味覚と存じております。
ん?スイーツ?なるほど!
たまに心配されますけど、チョコレートも喫食可な愉快な仲間でございますので頂きますよ!

私は劣勢の方に助太刀いたします。
【喝采と共に駆けよ】で観客の方に推しスイーツの魅力を助言していただきましょう。
ふむふむー甘いものは美味しいですよね!
戦いは、脚力を活かして体当たりや噛みつきを……。それでは絵的に!って場合は虹色オーラでなんかぽわぽわっと戦います!!
相手が可憐な少女だったら勝ちを譲りそうになるかもですが、観客に注意されて我に返ります。

※騎乗可です


姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!




 軽快な蹄の音響かせて。虹のように色の移り変わる鬣靡かせて。
「甘い香りにつられてやってきたわたくしも参戦(ゲートイン)いたします!!」
 現れたのは絵本の世界から飛び出してきた王子様――が騎乗していそうな白馬。なんのなんの、彼は正真正銘、白馬の王子様なのである。名をジュニパー・ベリータルト(白馬の王子様・f19718)という。
「馬だ」
「馬だ……」
 ざわつく会場。キマイラフューチャーはキマイラフューチャーというだけあってキマイラ、つまり動物っぽい特徴を持つ人間型生物はわんさかいるけれど、動物そのものが人間のように喋っているのは珍しいらしい。
「きのこもたけのこもチョコのお菓子だけど」
「馬ってチョコ食べていいんだっけ?」
「たまに心配されますけど、チョコレートも喫食可な愉快な仲間でございますので頂きますよ!」
 百聞は一見にしかず。話題のきのこドーナツもたけのこクレープも美味しく試食するジュニパー。
「して、対戦相手というのは?」
「ええと、私でしょうか?」
 きょろきょろと辺りを見回すジュニパーに、声をかける猟兵がひとり。桜色の瞳に、満開の桜角を持つ桜大樹の精霊、姫神・咲夜(静桜・f24808)だ。
「人数が足りないから急ぎ向かって欲しいと言われたのですが……どうやら今回は、オブリビオンが相手というわけではないようですね」
 どうやら助っ人として駆けつけてきてくれたらしい咲夜に、ジュニパーはかいつまんで事のあらましを説明する。
「この辺りでは毎年、きのことたけのこの美味しいスイーツが手に入るんですよ。どっちが好きかの流派でキマイラ達が楽しく毎年武闘会を繰り広げていたらしいんですが、今年は猟兵も招待されてるんです。動画で中継されたり、結構盛り上がってるみたいですよー!」
「まあ。そんな催しがあるんですね」
 目を丸くして咲夜は辺りを見回した。彼女が今いるのはどうやら闘技場のリングらしい。周りの観客席は満員御礼だ。
「なるほど。争いごとは不得意ですが、皆さんの余興のためなら誠意を尽くしましょう」
 咲夜の足元に落ちる影から、這い出てくるのは死霊の騎士と蛇竜。まるで桜の下に屍が眠るという怪奇譚のように現れて、咲夜を護るように立ちはだかる。
「きのこは秋の味覚、たけのこは春の味覚でしたっけ……咲夜さんはどちらがいいとかってありますか?」
「私は……そうですね。この世界では、桜は春のものでしょうし、春のたけのこにつきましょうか」
「では、わたくしがきのこですね!」
 ジュニパーのいななきと共に、戦いの火蓋が切られた。


 咲夜目掛けて駆けるジュニパーに、立ちはだかり剣を振り翳す死霊騎士。ジュニパーは脚力を活かし太刀筋を掻い潜り、騎士をタックルで撥ね飛ばす。
 開けた視界。だがジュニパーの頸に鈍い痛みが走る。死霊蛇竜が頸に食らいついていた。
(「少しでも私が傷を負えば、彼らも消えてしまう。慎重に参りましょう」)
「すごい……!」
 固唾を飲んで勝負の行方を見守るキマイラ達。繰り広げられる激戦に、いつの間にか会場は静まり返っていた。
「おっと! 皆さん表情が固いですよー! ここは楽しんでいきましょう!」
 ジュニパーは決して浅くない傷を刻まれながらも朗らかに笑って見せる。
「みなさんのきのこ愛、たくさん聞かせてください!」
 たっぷり分厚いチョコレート、軸の部分のサクサクした食感――観客たちの声が会場を盛り上げる。
「うんうん、甘いものは美味しいですよね! やっぱり負けていられません!」
 気合と共に、ジュニパーが邪竜を振り払う。体制を整え直した騎士の剣が振り下ろされるのを、鬣から放たれた虹色のオーラが食い止めた。
「お強いですね。それだけでなく、皆様を楽しませる方法をよくご存じのようでいらっしゃいます」
 死霊たちへと巧みに指示を飛ばしながらも、朗らかに咲夜は微笑んでみせた。穏やかで品の良い笑みに、つられてジュニパーも笑みを向ける。
(「少しお姉さんではありますが、こんなきれいな人を背に乗せて走れたらさぞ気持ちいいでしょうねえ」)
 若くて美しいアリスを乗せて走る事を夢見る白馬である。理想は可憐な少女だけれど、それはそれ。
 ついつい突進の勢いが緩むジュニパーに、観客のキマイラ達は目ざとく気づいていた。
「しっかりしろー! 真剣勝負だぞー!!」
「はっ! そうでした!」
 騎士の剣を間一髪で躱し、背後から迫る邪竜を後ろ足で蹴り飛ばす。
 会場は大盛り上がり。劣勢になりながらも、楽しそうなキマイラ達の様子に咲夜は笑みを零した。
「大層賑やかになってまいりましたね。少しでもお役に立てていれば幸いです」
 文字通り死力を尽くすように、死者たちを操る。
 だがきのこ派の声援を受けたジュニパーが騎士と邪竜を蹴散らし、咲夜へと虹色のぽわぽわオーラを放った。
 騎士へ向けたそれよりも明らかに手加減されていたが、咲夜の手に微かな傷を齎す。そこから生じた綻びが、二体の死霊を跡形もなく消し去ってしまう。
「あら、敗けてしまいました」
 護りを失った咲夜の言葉により、きのこ派ジュニパーの勝利が決定となった。

 ――【現在の結果。きのこ5:たけのこ4:引き分け1】
 決戦の時は近い!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月守・ユア
葎さん(f01013)と
アドリブ歓迎

継続たけのこ派!

くっ…葎さんってば!やるじゃないか…
こんなに強いだなんて思わなかったよ!!
大げさに演技かかって言うのは場の盛り上がりのため
わざと、膝をついて口元拭う
ああ。ノリノリですとも

ふふふ、ここで諦めるボクじゃァないんだぜ
…まぁ、どっちが勝つかなんて正直どっちでもいいんだけどさ!

ここで素直に「ハイ負けましたー!」じゃつまんないから、もうひと勝負といこうじゃんか
――いいだろ?

ニヒルに笑って
状況を楽しむように月鬼を構える

楽しいことは全力で
遊びであっても手は抜かない
”戦う”と名の付くものに――ああ、もちろん。酷い怪我はさせないよ!


硲・葎
引き続きユアさん(f19326)と!
はっはっはー!
私じゃなくバイクさんが強いんだよ!
アーユーオーライ?
バイクさんサボってるけど。
ん?決勝も私がやんなきゃだめな感じ?こうなればきのこのスイーツな魅力を徹底的に寿命尽きるまで語る的な?
よーし、じゃあまずは優勝しないとね!

「踊れ、彼岸花!!」
UC発動して衝撃波を打ちまくろう!ダッシュと見切りで敵の攻撃は避けていこうかな。
「ユア、覚悟!たけのこの命もらいうけるよ!」
ユアとの距離を詰めて捨て身の一撃を!




「くっ……葎さんってば! やるじゃないか……」
 膝をついて口元を拭う月守・ユア(月影ノ彼岸花・f19326)は、いかにも苦しそうに肩で息をしてみせる。
「こんなに強いだなんて思わなかったよ!!」
 実際は激戦を戦い抜いて来た彼女にしてみれば今回のそれなど大した負傷では無かったし、それにもし傷が深かったとしてもユア自身はそれを苦痛と認識することは出来ない。
 それでもこうして大袈裟に演技をしてみせるのは――それはもう、場を盛り上げる為という理由ただひとつである!
「はっはっはー! 私じゃなくバイクさんが強いんだよ! アーユーオーライ?」
 ユアに合わせてこちらもノリノリの硲・葎(流星の旋律・f01013)は背を反らせて高笑い。その仕草は彼女がついているきのこ派にしてみればその余裕が頼もしく映るだろうし、ユアと同じたけのこ派にしてみればさぞ憎々しく映る事だろう。
「いいぞーきのこの姉ちゃん! このまま駆け抜けろー!」
「たけのこのお姉さん、負けないでー!!」
 二人の思惑通り、会場は大いに盛り上がっている。不敵に交錯する視線の裏で、二人は密かに互いの健闘を労いあった。
「ふふふ、ここで諦めるボクじゃァないんだぜ……まぁ、どっちが勝つかなんて正直どっちでもいいんだけどさ!」
 拳を握り、立ち上がりながら。敢えて散々盛り上げた観客たちの意表をつくような事をユアは云う。
「ここで素直に「ハイ負けましたー!」じゃつまんないから、もうひと勝負といこうじゃんか――いいだろ?」
 一瞬きょとんとしていた観客たちは、ユアの好戦的な言葉に、仕草に、熱狂的な声援を送り始めた。
「やっちまえ、たけのこー!」
「逃げきれ、きのこー!!」
「それは勿論いいけど……」
 葎は観客席へと目を向ける。先程たっぷりサボっていたバイクさんを今度こそ連行しようとしたのだけれど――いない。
「まーたサボってる」
 しかもいつの間にか観客席からすら姿を消していた。我慢できずにどこぞのゲーセンにでもくりだしたに違いない。
「これ決勝も私がやんなきゃだめな感じ? こうなればきのこのスイーツな魅力を徹底的に寿命尽きるまで語る的な?」
「また削んの!?」
 ギャラリーがどよめいていた。だって仕方ない。相棒がいないと、取れる戦法も必然的に限られてくるわけで。
「まさかここに来て怖気づいたりしないよな?」
「あったりまえじゃん。よーし、じゃあまずはかるーく……優勝しないとね!」
 ベッタベタな売り言葉と買い言葉。月並みなセリフだって、観客とそれに自分自身を鼓舞するには十分すぎる効果を発揮する。
 ニヤリ笑み交わし、二人はそれぞれの武器を構えた。
 ユアは魂喰らう悪鬼が如き刃物を。
 葎は彼岸花の如き紅い妖刀を。


『哀しみを捨て、想いを黒に染め……この身はキミを奪う死となろう』
 響き渡る歌声はユアのもの。満ちる歌は呪いの波紋となり、死の斬撃という形で葎に襲い掛かる。
「踊れ、彼岸花!!」
 魂ごと食い破るかのような呪詛を蹴散らすのは、葎の放つ衝撃波。流れるような動作から繰り出される斬撃が波紋音とぶつかり合う。
 衝撃に吹き荒れる風の中を、二人は駆ける。止まぬ歌は絶え間なく死の斬撃を放ち続ける事を可能としているが、対峙する葎もまた、命を燃やしての高速移動で直撃を免れている。
 もちろん二人とも酷い怪我はさせないように注意は払っているが、繰り出される攻撃の熾烈さに外野がそうと感じ取ることは困難だろう。
 少しでも気を抜けば、斬撃が己を撥ね飛ばす。無防備になったところを見逃してくれる相手ではない。それを改めて全身で感じながら、二人の顔には演技ではない笑みが刻まれていた。
 自分自身の高揚は勿論の事、同じくらい相手の“楽しい”が伝わって来る。元より戦好きの性分であるユアはもちろんのこと、葎の顔にもいつも以上に深い笑顔が刻まれていた。
 遊びであっても、手は抜かない。全力でぶつかり合って、受け止めてくれる人とこうして戦っているのだから。
「代償がなければ、いつまでもこうしててもいいくらい――かもね!」
「あはは、本気でスイーツ愛語りながら力尽きちゃう感じ? ある意味伝説になれそうだけど!」
 言葉と斬撃の応酬。斬撃を凌ぎ合い、躱し合い――とうとう二人自身が肉薄した。刃と刃が真っ向からぶつかり、火花が散る。鋭い金属音が何度も何度も会場に響き渡った。
「ユア、覚悟! たけのこの命もらいうけるよ!」
「それはこっちの台詞! きのこの栄冠はここまでだよ!」
 裂帛と共に振るわれる、最後の剣戟。二人の斬撃が、スイーツ愛が、交錯し――。
「っ、おみ、ごと……!!」
 血を吐きながら(あるいは負けても華々しく散れるようにと血糊を仕込んでいたのかもしれない)葎が地面にどうと倒れ伏す。
「ふふ、さっきの借りは返したよ」
 ユアの刃が会場の照明を受け、ぎらりと瞬いていた。

 ――【現在の結果。きのこ5:たけのこ5:引き分け1】
 再び並ぶ両者!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セフィリカ・ランブレイ
私、きのこ派になる!
『また唐突ね…戦争には関与しないんじゃ?』
相棒の魔剣はどうでも良さそうだが突っ込んでくれた
たけのこ派には悪いがこんな場なら裏切りも娯楽の一環と捉えていただこう

さっきの戦いでおススメされたポイントを意識しながら改めて食べるとね

美味しかったの、キノコ
『絆されてる…さっきの実質負けでしょこれ』
実際紙一重だったしね!
楽しかったし、次も全力でやりたいな

今日から私はキノコ派の戦士!
決勝戦って名目だし、派手に行こうか!

【精霊の加護】

魔剣による武器攻撃を主軸に、出の早い魔法の矢を織り混ぜて戦うよ

擦れば影響を受ける色とりどりの魔法を使いつつ、本命の魔剣で勝負をかけよう


ジャスパー・ジャンブルジョルト
(きのことたけのこを交互にもしゃもしゃ食べてる)
どっちもうまーい。でも、俺はフジツボ型のアポ○も好きだなー。え? あれってフジツボ型じゃないの?

まあ、とにかく、人数が少ないほうに加勢しようっと。あ、食べ終わるまで待って。(もしゃもしゃ)
……と、油断させて、相手の背後に瞬間移動! 
これは味方の傍にしか瞬間移動できない技だけど、対戦相手とはいえ同じ猟兵なんだから「味方」のはず。(強引な理屈)
ひゃっはー! 背中ががら空きだぜぇー!
食らえ! JJスマッシュ!(肉球ぺたぺた)
アーンド、JJスラッシュ!(尻尾ぺしぺし)
……あー。よく考えたら、俺、肉弾戦は苦手だったわ。


※煮るな焼くなとご自由に扱ってください




「私、きのこ派になる!」
 セフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)の宣言に、ええ、と魔剣シェルファが声を漏らす。
『また唐突ね……戦争には関与しないんじゃ?』
 どうでも良さそうながらに突っ込んでくれる律義さ。何だかんだ優しい彼女に笑顔を向けつつ。
「たけのこ派には悪いがこんな場なら裏切りも娯楽の一環と捉えていただこう……」
 既に観客からの声援はセフィリカの“寝返り”に対して絶賛とブーイングが入り交っている。野次を飛ばしている方も何だか楽しそうなのでそれはそれでありのようだ。
『でも、どうして急に?』
「さっきの戦いでおススメされたポイントを意識しながら改めて食べるとね。美味しかったの、キノコ」
『絆されてる……さっきの実質負けでしょこれ』
 試合に勝って勝負に負けたというやつかしら。人間姿であれば肩を竦めていただろうシェルファ。
「実際紙一重だったしね! 楽しかったし、次も全力でやりたいな」
「んー全力でな。まあまずはそのキノコとタケノコってやつをばっちり味わわないとな」
 そんなセフィリカの対戦相手であるケットシー、JJことジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)は、両手に持ったきのことたけのこを交互にもしゃもしゃ食べている。セフィリカの背丈の半分よりずっとずっと小さいJJにしてみれば、ドーナツもクレープもめちゃくちゃに大きいはずのだが、それがあっという間にふかふかの腹の中に収まっていくのだから不思議な光景だ。
「どっちもうまーい。いやー、さっきいきなり呼び出されて、せっかくのグルメをまだ食べられてなくってさー」
 予知のたびにご当地グルメを欠かさない食道楽としては、その味を知らずして戦いに赴くなどあってはならない事である。
「まあ、そっちのお嬢さんがきのこ派なら俺はたけのこ派になるけど。でも、俺はフジツボ型のアポ〇も好きだなー」
「あれってフジツボなの?」
 元アルフォー派の冷静なツッコミ。
「え? あれってフジツボ型じゃないの?」
「アポ〇っていうからには、やっぱり宇宙関係なんじゃない?」
 どうやら同名の宇宙船の司令船がモチーフであるらしい。きのたけとアルフォーを合わせれば宙・陸・海が揃い踏みの豪華セットである。
「はー、なるほどねー。あ、食べ終わるまで待ってて」
 もうちょっとだから、とドーナツを咀嚼するJJ。
「……と、見せかけて!!」
 突如舞い散る紙吹雪と共に、JJがセフィリカの背後へと回り込む!
 本来ならば味方の元にしか瞬間移動できない技だが、今日の敵は敵であって敵ではない。同じ猟兵なのだから、味方でもあるのだ!
「ひゃっはー!! 背中ががら空きだぜェーッ!! JJスマーッシュ!!」
 だがセフィリカは振り返らず、そのまま精霊の加護を乗せた魔力の矢を放つ。七つの属性を宿した七つの矢が、JJの毛皮を焦がしたり切り刻んだり。
「に゛ゃー!!」
 慌てて飛び退き距離を置くJJ。余裕綽々、振り返ったセフィリカが剣を構えていた。
「な、なんで俺がいる場所がわかったんだ!?」
「なんでって、だってめちゃくちゃ紙吹雪が舞ってたもん。前向いてても飛んでくるくらいに」
「しまったー!! 演出部分が仇になったー!!」
 JJの側ではどこかで見たような焦げ茶ボブの女性が無言で紙吹雪を散らし続けていた。ハートに星型、カラフルなそれらをひとしきり撒き終えると、満足そうな様子で消えていった。
「でも、その派手なやつ悪くないね。決勝戦って名目だし、こっちも派手に行こうか!」
 七色の矢を雨のように降らせながら、セフィリカが魔剣を握りしめる。
「かーっ、瞬間移動を封じてくるなんて、とんでもない強敵に当たっちまったもんだ」
「いや、別に封じてないけど」
 大袈裟に眉間に前脚をあててやれやれとして見せるJJに、セフィリカが魔剣さながらの冷静なツッコミ。
「だが! たとえ技の一つや二つや百八つを封じられても、遅れを取る俺ではなーい!!」
 毛並みを逆立て、JJが猫さながらのしなやかな動きで飛び掛かる!
「再び食らえ! JJスラッシュ!!」
 ――と、肉球ぺたぺた。
「アーンド、JJフラッシュ!!」
 ――と、尻尾ぺしぺし。
「……あー」
 申し訳ないけど、全然痛くない。しかもセフィリカが光の矢を空中でくるくると動かしてみせると、本能が疼くのか何なのかそっちに気を取られててしてしキャッチしようとしはじめた。これあれだ。レーザーポインターで遊ばれてる猫だ。
「はっ、いかんいかん、ついタフでクールでダンディな放浪剣士にあるまじき行為を」
「覚悟ー!」
「ぎにゃー!!」
 横薙ぎの一閃が綺麗にはまり、JJが吹っ飛ばされた。
「あー……よく考えたら俺、肉弾戦は苦手だったわ」
 自称剣士はそう漏らし、がくっと崩れ落ちた。

 ――【現在の結果。きのこ6:たけのこ5:引き分け1】
 この時点でたけのこの勝利は潰える。
 けれど、まだ試合はひとつ残っている。きのこが勝利をものにするのか、たけのこが耐えるか!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
わたしはこのまま、タケノコ派で参戦し続けますが、ハロウィンですからどうせなら。

地獄の料理長の悪魔『ニスロク』(和風)な格好で、因みにウルシさんはニスロクの主のハエの王(和風ならぬハエの殿様)の仮装(今年の南瓜行列SD)で

●戦法
事前に『料理』したタケノコとめかぶのなめろうを【ウルシ】さんに『大食い&早業』で食べさせUC発動

ハエの殿様姿のまま巨大化
【ウルシ】さんと『集団戦術&団体行動』連携

【ウルシ】さんが【タケノコとめかぶのビーム蛇腹刀】で『怪力&なぎ払い&切り込み』で『貫通攻撃&鎧無視攻撃』込め対戦相手斬り刻みつつ

わたしは『空中戦&推力移動』で駆け回り『第六感』で『瞬間思考力&見切り』『空中機動&残像』で対戦相手の攻撃やウルシさんのビーム蛇腹刀の巻き添え回避

【全遠距離武装】で『オーラ防御&誘導弾』込めた『弾幕&一斉発射』し弾幕を『念動力』遠隔操作し『盾受け』サポートと相手の妨害を

oO(ハロウィンなら南瓜が一番だったのでしょうが、此処はタケノコ対キノコですからね)

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


エミリロット・エカルネージュ
ボクも、引き続きキノコ派のままで
エカルドライバーセット、決勝戦と言うからには……オーバーロード!

真の姿ギョウザライダー・エカルドに
変身して……さっきのも本気だったけど、今回は尚全力でお相手するよっ!

●戦法
『早業』UC発動、餃心拳の奥義を持ってボクは全力で行く!

『空中戦&推力移動』で飛び回り
『属性攻撃(デコイ)』の『弾幕』を『オーラ防御』込め『乱れ撃ち』し『念動力』操作しながら

『第六感』で『瞬間思考力&見切り』『空中機動&残像』回避しながら
【シャオロン(麺棒モード)】に【キノコの丸餃子のオーラの乱気流】を纏わせ被弾する相手の攻撃は『武器受け&ジャストガード&受け流し』してやり過ごし

【尻尾&健脚&発勁】に【緋色の龍の炎】を纏わせ『グラップル&功夫』を『早業』コンボで叩き込んで

仕上げは『ダッシュ&ジャンプ』して
【健脚】に【緋色の龍の炎&キノコね丸餃子のオーラの乱気流】纏わせ『属性攻撃(炎)&覇気&衝撃波』を込め

ギョウザライダー……キックッ!
これで決めて見せるんだから


※アドリブ絡み掛け合い大歓迎




 白熱した戦いは、いよいよラストスパートを迎える。
 互いの信念をぶつけ合い、熾烈な戦いを繰り広げてきた誇り高き戦士たち。強い想いはチョコレートのように人の心を溶かし、新たなる美味を呼ぶ。
 時にそれは感動のヒューマンドラマを生み、時にそれは非情なる裏切りを成就させる。
 数多の勝利と敗北を積み重ね、頂点に立つのは、果たして――!!

「まさか、最後にビスちゃんが相手とはね」
「相手にとって不足なし、というやつですね、エミリさん」
 笑みを交わし合う少女二人。ファードラゴニアンのエミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)と、蒼鉛クリスタリアンのビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。
 時に相棒として肩を並べ、時に友人として食を楽しみ研鑽してきた友が、今は最大のライバルとして立ちはだかっている。
「陣営はそのまんまだよね?」
「ええ、わたしはこのままタケノコ派です」
「ボクもキノコ派のままだよ。……そういえばビスちゃん、着替えてきたの?」
「ええ、折角のハロウィンですしちょっと趣向を変えてみました」
 えっへんと胸を張るビスマスの服装は、ビスマス結晶のような模様の着物に割烹着を合わせたスタイル。一見素朴な家庭料理店のおかみさんといった感じだが、その背には悪魔の羽があしらわれている。
「美味と誘惑の悪魔、ニスロクです」
 彼女の頭の上ではお椀型支援機の『ウルシ』も決めポーズ。扇子を構えたお殿様の背に生えているのは、蠅の羽。料理人と蠅は一見すると相性が悪そうにも見えるけれど、ビスマスのモチーフがニスロクならば話は別。ニスロクは地獄の料理長。それも、蠅の王ことベルゼブブに仕えているのだ。
「二人とも、よく似合ってる!」
 エミリロットの方は、仮装は用意してこなかったけれど。
「ボクも折角なら“ボクらしい”姿でお相手しようかな。折角の決勝戦だしね……エカルドライバーセット、オーバーロード!!」
 ドライバーから発される電子音声。エフェクトが広がりエミリロットを包み、少女の姿が重厚な金の鎧装を纏っていく。ヒーロー物らしい熱い演出に、観客の熱狂も最高潮だ。
 ギョウザライダー・エカルド。少女の“真の姿”。
「なるほど、これは一筋縄ではいきませんね」
「さっきのも本気だったけど、今回は尚全力でお相手するよっ!」
 出来立ての餃子が放つ湯気の如く、オーラを漂わせながらエミリロットが拳を掲げる。
 会場中が美味しそうな香りに包まれる中、ウルシは餃子ではなく、ビスマスが作ったタケノコとめかぶのなめろうをあっという間に平らげていた。
「腕によりをかけて作ったんですが、気に入って貰えてよかったです」
 甲羅にも見えるお椀部分に入りきらないほどのなめろうを食べ尽くしたウルシは、あっという間に三メートルほどに巨大化し、ビーム蛇腹刀を構える。


「行きますよ、ウルシさん!」
 ビスマスとウルシは数の利を活かし立ち回る。圧倒的な巨体でウルシが切り込んでいく中、小回りの利くビスマスが飛翔しながら誘導弾をばら撒いていく。
(「今のエミリさんは、射撃だけで止められる相手ではないでしょうけれど」)
 それでも微かながらにダメージは入るだろうし、オーラも乗せた弾幕は相手からの攻撃を和らげる役目も果たしてくれる。
 対するエミリロットは、自身の分身を打ち出す事で誘導弾を惹きつけていく。肩を並べ切磋琢磨し合い、互いの能力を知り尽くした戦友ならではの攻防戦だ。
「シャオロン!」
 麺棒姿の小竜の名を呼べば、呼応するようにキノコ丸餃子の乱気流が巻きあがる。
 ウルシの蛇腹刀と、麺棒が真っ向からぶつかり合う。衝撃波が会場中に巻きあがった。
 最終戦に相応しい迫力と気迫。だが会場のキマイラ達の中には、ちょっと違う反応を見せる者もあった。
「……なんだかお腹空いてきちゃうね」
「さっきからめちゃくちゃいい匂いしてるもんね」
 そう。彼女たちが力を使えば使う程、キノコ餃子やタケノコなめろうの贅沢な香りが漂ってくるのだ。
「甘い物のあとに食べる食事って、なんか妙においしいんだよね」
「僕はダントツタケノコ派なんだけど、あの餃子美味しそうだなー」
「裏切るつもり!? ああでもでも、あたしもキノコ派だけどタケノコなめろう気になる~! ドーナツでお腹いっぱいになってても食べられそうだし!」
 香りの誘惑的には熱々の餃子が圧倒的有利と思いきや、タケノコなめろうも目新しさや優しい味わいが受けているようだ。
「これは、バトルが終わったら皆さんにも振る舞いたいところですね」
「いいんじゃない? この辺の新しい人気メニューになるかも!」
 会場の盛り上がりに微笑み合いながらも、剣戟は留まる事を知らない。ビスマスの弾幕がエミリロットの隙を生みだし、ウルシの蛇腹刀が切りかかる。真っ向から受け止めたエミリロットが、ウルシの巨体を逆に利用して薙ぎ払う。
(「ハロウィンですし、南瓜を取り入れても良かったでしょうか……でも今回はタケノコ対キノコですからね」)
 ふとそんな事を思うビスマス。なめろうとしてタケノコを美味しく仕上げるには、めかぶが一番だったのだ。
(「でも、やり様はあるかも。また後日色々試してみましょうか」)
 なめろうへの探求心は人一倍。思い付きを心に刻み込みながら、全遠距離武装の誘導弾を叩き込み続ける。無尽蔵にすら思える弾幕は、パワーアップしたエミリロットにもいつしか決して浅くない傷を刻み付けていた。
 だが、しかし。
「これで、決めるっ!!」
 振り下ろされたシャオロンの一撃が、ウルシの巨体を薙ぎ払った。
「ウルシさんっ!」
 地面に叩きつけられ、行動不能になったウルシの身体は、みるみる元の姿に戻っていく。
「あとは……ビスちゃん、だけだよ」
 肩で息をしながら、エミリロットがシャオロンを地面にそっと置いた。それと同時、エミリロットを包む緋色の炎がますます囂々と燃え滾っていく。
(「今のわたしと、力を解放したエミリさんでは戦力差は歴然――ですが」)
 ぐ、とビスマスは拳を握る。ウルシを主軸に動いていたビスマスは殆ど無傷だが、エミリロットは蛇腹刀と誘導弾を何度も浴びた事により満身創痍だ。
(「あと少しで、押し切れるかも知れません」)
「ビスちゃんの考えてること、わかるよ」
 エミリロットが微笑む気配。
「でも、ボクも――次の一撃で決めて見せるんだから!!」
 緋色と黄金の身体が地を蹴り、大きく跳躍した。自重を活かし、放たれる必殺技。
 いつの世も、ファンを熱狂させてきた色あせないヒーローの奥義。どんなに戦術が多様化し、技が豪華になっても、受け継がれてきた伝統。
「ギョウザライダー……キック!!!」
 燃える健脚めがけ、ビスマスがありったけの砲撃を浴びせかける。
「たとえわたし一人でも……止めて、見せます!!」
 鎧装に罅が刻まれ、黄金の破片が飛び散る。熱暴走を起こしたかのようにドライバーが火花を散らし――限界を突破され、変身が解けていく。
「そんな……!」
 悪魔の放つ光は、まるで裁きのように会場中を青白く照らし。弾き飛ばされたエミリロットはなんとか立ち上がろうとするが、力の入らない身体はずるずると崩れ落ちていった。

「たけのこ派の、勝ち、だよな……?」
「と、いうことは……?」
 ざわつく会場。
「ええと、今ので――引き分けが1つに、きのこ6勝、たけのこ6勝」
 キマイラ達は会場のゲートに、そして待機席に目を向けるが、新たなる猟兵はついぞ現れなかった。
 つまり。
「えー、第256回きのこVSたけのこ戦争の最終結果は、引き分け――ですッ!!」
 なんと。


 勝敗は決まらなかったが、試合が終わればキマイラ達は今までの仲間割れが嘘のようににこやかに会場を後にする。
 家族へのおみやげにとぶら下げた袋の中には、きのこドーナツもたけのこクレープも一緒に入っていたりして。
 楽しい事や真新しい事が大好きな彼ら。戦争は戦争でイベントとして楽しみつつ、やっぱり今日の敵は明日のマブダチなのだ。
 ――来年になったらきっと、また熱いバトルが繰り広げられるのだろうけれど、それはそれ、である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月08日


挿絵イラスト