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吸血南瓜達を救えハロウィントンカラトン事件

#カクリヨファンタズム #お祭り2021 #ハロウィン

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●宴会場にて。
「トリックオアトリート!」
「「トリックオアトリート!!」」
 全体が南瓜で彩られた村の宴会場。
 無数に並べられたパンプキンパイやパンプキンタルト、南瓜プリン、南瓜のジェラード、南瓜をくりぬいた南瓜リゾットに南瓜コロッケ等々、南瓜尽くしの料理や菓子を愉し気に食べ、南瓜ワインや南瓜リキュール、パンプキンミルク等を飲んでワイワイ過ごす妖怪達。
 そして、そんな妖怪達に南瓜の料理や菓子を振る舞い続ける丸っぽい何かがいたのであった。
「ふふふ、流石ハロウィン!今日のお前は大人気だな兄弟!」
「夏の俺も中々人気は或る方だがハロウィンのお前には叶わないぜ」
 其れは集まった妖怪達に菓子や料理を配り続けているメロンやスイカ、其れに柿と……。
「おう、ありがとな!
 ハロウィンは俺達、南瓜妖怪にとって一年に一度の正念場。
 盛り上げていかないとな!」
「俺達カブも負けちゃいないぜ!スコットランドでは俺達が未だ未だ使われてるんだ!」
 料理を作り続ける南瓜とカブであった。
(因みに今日は南瓜尽くしだが明日はカブ尽くし、その次の日は又南瓜尽くしとハロウィン迄交互に開催する予定との事)
 収穫されなかった果物や野菜が変じる吸血作物(但し血は吸わない)である彼等にとって自分達が育てた作物に誰かが舌鼓を打つ姿はとても嬉しい物なのだろう。
 其れにハロウィンの為に皆、頑張って準備を続けても来たのだろう。
 南瓜だけでなくメロンやスイカも楽しそうな表情(目や口の形に繰りぬかれた空洞が何故か感情に合わせて動いている)を浮かべている。
 この時の彼らはそんなハロウィンを台無しにする様な事態が起きるとは全く思っていなかったのだ。

●グリモアベースにて。
「という訳で今から南瓜尽くしの宴会場へ行ってきて楽しんできてほしいんだなー」
 そんな、少し呑気な事をグリモア猟兵は集まった猟兵達に言ってきた。
「まあ、其処で終わらずに事件が起きちゃう訳なんだけどね」
 何でも「連日連夜お祭り騒ぎをしている奴」を好んで飲み込む骸魂が出現し妖怪達に憑りつき事件を起こすのだという。
「だからと言って宴会を止めても予測不能になるだけで意味はないんだなー。
 寧ろ宴会を凄く盛り上げた方が躯魂が他所に行く率も低くなるし良い事なんだなー」
 なので宴会の時は全力で盛り上がって楽しんできてほしいとグリモア猟兵は言う。
「それと今回躯魂に憑りつかれるのは宴会場で料理を作ったり給仕を頑張ってる吸血南瓜や吸血西瓜、吸血メロン、後、たんころりん(柿の妖怪)と大きなカブなんだなー」
 因みに吸血というが彼らは血は吸わない。
 収穫されなかった事を怒り、周囲をゴロゴロと転がり続けるだけの妖怪である。
「憑りついてくるのはトンカラトンって近代妖怪の躯魂。
 ミイラ男みたいに包帯を全身に巻いて日本刀で切りかかってきて切った相手を自分と同じトンカラトンにするって妖怪だね」
 なので憑りつかれた後は包帯を全身に巻いて刀が添えられたメロンやスイカみたいな姿になるのだという。
「攻撃手段は三つ。
 切った物を自分と同じトンカラトンにする。
 吸血西瓜やメロン、南瓜やたんころりん、カブと言った仲間たちをトンカラトン状態にした上で召喚する。
 敵の周りを高速回転して竜巻を巻き起こす。
 この三つなんだなー」
 数が多く其の辺は厄介ではあるが、まあ猟兵達ならば勝てない相手ではないだろうとはグリモア猟兵の言。
「因みに宴会に参加してた他の妖怪達は事件が起きたら戦闘の邪魔にならない所に避難して料理に舌鼓を打ちながら見学してるんで妖怪達の避難とか流れ弾とかは余り気にしなくても大丈夫なんだなー」
 割りと呑気な妖怪が多いようで事件が終わったら又、吸血南瓜達と一緒に宴会を楽しんだりするだろう。
「まあ、皆なら事件も無事解決できるだろうし頑張ってきてほしいんだなー」
 そういってグリモア猟兵は猟兵達を戦場へと送り出すのであった。


久渓洞
 初めまして、或いはお久しぶりです久渓洞です。
 今回の依頼はハロウィン依頼。
 吸血南瓜達が料理を振る舞う宴会を楽しみ(なお未成年は酒は飲めませんのでソフトドリンクを飲んでください)、その後は躯魂に憑りつかれた吸血南瓜達を打ち倒し助け出すという依頼になっております。
 皆さんのプレイング楽しみにお待ちしております。
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第1章 日常 『朝までハロウィン大宴会』

POW   :    飲んで食べて大騒ぎする

SPD   :    歌って踊って盛り上げる

WIZ   :    スゴい仮装で注目を集める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
POWで挑む
アドリブや協力も大歓迎だ

「楽しそうな声がするな。
よければ、オレも混ぜてくれないか?」
そんな風に声をかけてハロウィンの宴に混ぜてもらう。
こんな楽しそうな宴を台無しにさせるわけにはいかないし、
今回の事件については村長?とかの偉い人に伝えて
みんなにそれとなく共有してもらうことにする。

「うーん、旨そうな匂い。いただきます!」
たくさんの南瓜料理に手を出す。
メチャクチャ美味い!
料理人の腕も良いんだけど、何より素材が最高だ!
何?デザートまであるのか!
こりゃ喰い尽くすしかねえな!
…う。
の、のどに詰まった…。
ごくごく…パンプキンミルクもウメえ!
「食い物は逃げねえんだから、
もう少し落ち着いて食うか。」



●先ずは宴を楽しんで。
「はっはっは、相変わらず美味ぇなあ吸血南瓜の南瓜料理はよぅ」
「そりゃあそうよ。
 吸血南瓜も大きなカブも今日の此の日の為に全力で腕を磨いてきたのよ?
 一昨年の料理よりは去年の料理が、去年の料理よりは今年の料理がより美味しくなってるに決まってるじゃない」
 豪快に器にされてる南瓜の皮ごと南瓜カレードリアをバリバリと喰らうビッグフットに魔女の女性が南瓜プリンをつまみに南瓜ワインに舌鼓を打ちながらそう答える。
 他にもヴォジャノーイが南瓜の天ぷらを食べて恍惚とした表情を浮かべたりサシペレレが南瓜アイスを大量に食べ過ぎて頭を痛めたり……西洋妖怪たちが思い思いに楽しむ姿が其処にはあった。
(この光景、台無しにさせる訳にはいかないな)
 そんな光景を見た空桐・清導(ブレイザイン・f28542)は絶対に此の光景を喪わせたりはしないと決意を新たにしていた。
「楽しそうな声がするな。
 よければオレも混ぜてくれないか?」
「お!何だ、あんた猟兵かい?」
「誰であれ参加は歓迎さ!吸血南瓜の奴も食ってくれたら喜ぶぜ?」
 そして、そんな清導を陽気な西洋妖怪達は拒む事等有る訳もなく、空いたスペースを作って彼を案内。
「ふむ、又事件ですか……彼等も運がないというか何というか……ええ事件が起きた時は邪魔にならない様に誘導しますので安心してください」
 その際に案内してくれたルサールカに其れとなく事件の事を伝えると彼女は吸血南瓜達に同情し嘆息する。
「まあ、其れは其れとして美味しいですよ?
 彼らの作った此の南瓜料理は♪」
「お、おう!そんなに美味いのか……?」
 そう言って皆が思い思いの料理や菓子を清導に差し出してくるが流石の清導も其の勢いに思わずたじたじに……。
 とはいえ清導が差し出された料理を拒む事等有る訳もない。
「メチャクチャ美味い!
 料理人の腕も良いんだけど、何より素材が最高だ!」
 先ずは料理からと手に取った南瓜料理は全て非常に美味しく、比較的平和で多彩な料理が食べられる世界のヒーローズアース出身の清導を以てしても初めて食べる様な料理ばかり。
「はっはっは!そりゃあそうじゃよ。
 何せ吸血南瓜が自分の様に畑の隅でほったらかしにされない様に、と品種改良に品種改良を重ねて生み出した南瓜じゃからなあ」
「へえ。そりゃ此れだけ美味しい南瓜なら収穫しないなんて有り得ないが……って品種改良?!
 随分と凝り性だな?!」
 驚嘆する清導に西洋妖怪達は自分が褒められたかの様に嬉しそうな表情を浮かべていく。
 其れは彼等と吸血南瓜達の仲の良さが伺えて、清導に改めて此の宴を台無しにさせる訳にはいかないという思いを抱かせるものであった。
 其の為にも先ずは宴を楽しみ盛り上げるのが大事。
 なので清導は残しておいた楽しみに着手する。
「へえ、こんなに南瓜のデザートがあるのか!
 こりゃ食い尽くすしかねえな!」
 そして、西洋妖怪達が渡してくる南瓜のタルトや南瓜プリンを食べ始めるが……。
「……う。の、のどに詰まった……」
 勢いよく食べ始めたからか清導は此れをのどに詰まらせてしまう。
「ああもう、ほらパンプキンミルクです」
「わ、悪ぃ……。
 お、このパンプキンミルクもウメえ!」
 西洋妖怪から差し出されたパンプキンミルクをゴクゴクと音を立てて飲み清導は一息つける。
「ふぅ……食い物は逃げねえんだから、もう少し落ち着いて食うか」
「おう、そうしろそうしろ。
 さっきの食いっぷりも美味そうで悪くねえけどな」
 そして、清導は食事を再開。
 事件が起きる迄、宴を楽しみ続けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コイスル・スズリズム
仲良しのオーナーさん(f03848)と同行

衣装はせっかくだしすずはオレンジ色の南瓜カラーの妖精姿で参加
村の宴会場についたら、かぼちゃ~!とオーナーさんと声を揃えて
すずはかぼちゃ大好きなんだよね!
オーナーさんもかぼちゃ好き~?と二人で盛り上がる

ハロウィンといえばかぼちゃのイメージだったけど
カブもそうなんだね!
カブって、ファンタジーの絵本とかによくでてくるよね。
スイカもメロンも大好き。
いろんな種類の野菜を興味津々にきょろきょろ眺める。

ひとしきりその珍しい景色を楽しんだら、宴会へ。
お酒はもうのめるようになったけど
オーナーさんに合わせて、パンプキンミルクにしよっかな
すずは甘いものはいくらでもいけちゃうから
かぼちゃの甘い料理をたくさんもらっちゃうー!
かぼちゃって辛い料理もいいし甘い料理も出来るし
年中ハロウィン続いて欲しくなっちゃうよ。

オーナーさんに全力で頷く
お客としても、ホテルのレストランにカボチャ料理が出たら最高だよ!

可愛い妖怪さんたちと一緒にすごす宴会
少し不思議でファンタジーなハロウィンだね!


小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。
POWで参加。アドリブ連携歓迎です。
仮装はせず、普段着のディアンドルで参加します。

南瓜~~っ!
到着してすぐ目に入る南瓜だらけの村に、思わず歓声がこぼれちゃう。
写真、沢山取っていいですか? あとでSNSに上げたいなぁ。

明日はカブなんですね。
私、ラディッシュ、大好きです!
バーニャカウダーソースに付けて食べると美味しいんですよね。
あっ、ラディッシュって大根の種類なの…? 紫カブとは別種!?
カブって奥深いんだなぁ。

すずちゃんは成人したけれど、私はまだ未成年。
パンプキンミルクを片手に色んな料理をいただきましょう。
甘い物はそんなに食べれないので、料理を中心にいただきます!

南瓜のコロッケ。南瓜だけの甘味のはずなのに、ほくほくで甘い~~!
リゾットは、実がゴロゴロ入ってるだけじゃなく、ペーストもしっかりしてる~!
これ、特に美味しい。作り方教えて貰えませんか?
私、これでもホテル経営者でして、是非うちのレストランで……!

まんまる可愛い妖怪さん達を見ながら、楽しく過ごします。



●何時もと違うハロウィン。
 圧倒的な迄に南瓜色に満ちた空間。
 オレンジ色、いや南瓜色の妖精姿に身を包んだ少女、コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)とディアンドルに身を包んだ女性、小宮・あき(人間の聖者・f03848)が其処を訪れて最初に感じたのは概ねそんな感想だった。
「かぼちゃ~!」「南瓜~~っ!」
 其れは余りにも南瓜に満ちた光景過ぎて二人は思わず声を揃えてそう漏らしてしまう程。
「すごいすごい!
 すずはかぼちゃ大好きなんだよね!オーナーさんもかぼちゃ好き~?」
「すずちゃん程じゃないかもしれないけど嫌いじゃないよ?
 ああ、でも本当に凄い光景だよね!」
 二人のテンションは大盛り上がり。
 楽しく会話も弾んでいた所、給仕をしていた吸血メロンが通りがかる。
「あ、写真、沢山撮っていいですか?
 あとでSNSに上げたいなぁ」
『んー、写真は構わないけど、そもそもカクリヨで撮った写真ってSNSにのせれるのかい?』
 写真は寧ろ思い出作りに思う存分取って貰って大丈夫なんだけどねえ等と吸血メロンは僅かに苦笑い。
「あ、そういえばハロウィンと言えばかぼちゃのイメージだったけどカブもそうなんだね!」
『おう、よく勉強してるな嬢ちゃん。
 元々はジャックって悪霊が干乾びたカブをランタンにしたって伝承から来てるんだがアメリカじゃあカブは余り縁がない様でね。
 んで南瓜で代用したってのが起源らしいぜ?』
 先ずは一杯どうだい、とパンプキンミルクを二人に渡しつつ吸血メロンは説明する。
「へえ、そうなんだ~!
 カブってファンタジーの絵本とかによく出てくるよね。
 あ、スイカもメロンも大好きだよ?」
『おう、ありがとな嬢ちゃん!明日はカブをするんで時間があれば宜しくな?』
 周囲で給仕している色々な種類の野菜or果物を興味津々にきょろきょろ眺めるすずの言葉に吸血メロンは嬉しそう。
「あ、明日はカブなんですね。
 私、ラディッシュ大好きです!
 バーニャカウダソースにつけて食べると美味しいんですよね」
『ははは嬢ちゃん、ラディッシュはカブじゃねえんだぜ?
 カブに見えるが実はあれは大根の仲間なのさ』
 あきの言葉に対し、ま、誰だって間違える、というか大きなカブの奴も仲間と間違えかけたしな等とフォローしつつも吸血メロンは笑って返す。
「え?ラディッシュって大根の種類なの……?
 紫カブとは別種?!
 ……カブって奥深いんんだなぁ」
『メロンも奥深いぜ?
 実は日本ではメロンは今のメロンとは全く別のもんをさしてた、とかな?』
 それじゃあ楽しんでいってくれよ?と言葉を残し吸血メロンは妖怪達にパンプキンミルクを配りに戻っていく。
 すずもひとしきり南瓜飾りが周囲を満たし妖怪達が南瓜料理に舌鼓を打つ珍しい景色を楽しんだようで二人は宴会に本格的に参加。
 すずの方はお酒はもう飲める年齢なのだがまだ成人してないあきに合わせて飲み物はパンプキンミルクを選択。
 先程、飲ませて貰ったが菓子と料理、両方ともに楽しむのを邪魔しない程よい甘さで飲みやすかった、というのも選んだ理由の一つである。
「それじゃあすずは甘い物はいくらでもいけちゃうからかぼちゃの甘い料理をたくさんもらっちゃうー!」
「私は甘い物はそんなに食べられないので料理を中心に頂こうかな?」
 二人其々に目当ての物を探しつつ料理と菓子を選んでいく。
「この南瓜のコロッケ。南瓜だけの甘味のはずなのに、ほくほくで甘い~~!」
「このパンプキンタルトもだけどかぼちゃ餡の和菓子もおいしいよ~~!
 甘さ控えめだしオーナーさんにもおすすめだって!」
 二人は目を付けた料理や菓子を楽しんだり、美味しかった料理を勧めあったりと宴会を全力で楽しんでいく。
「かぼちゃって辛い料理もいいし甘い料理も出来るし年中ハロウィン続いて欲しくなっちゃうよ」
『はは、判る判る。
 俺達もハロウィンの時はいつもそう思っちまうからなあ』
 かぼちゃの器のカレーの南瓜の甘味が引き立たせる絶妙な辛さに舌鼓を打つすずにビッグフットが笑いながら同意する。
「本当にそうですね。
 ああ、此のリゾット実がゴロゴロ入ってるだけじゃなく、ペーストもしっかりしてる~!
 これ特に美味しいかも!」
『お、それじゃあ南瓜の奴に伝えておくぜ?』
 あきの反応の良さに給仕をしていた吸血西瓜が嬉しそうに声をかける。
「あの、これの作り方教えて貰えませんか?
 私、これでもホテル経営者でして是非うちのレストランで……!」
「うん!お客としてもホテルのレストランにカボチャ料理が出たら最高だよ!」
『いや、近い近い?!それだけ味を買ってくれるのは嬉しいけど一旦落ち着こうや?!』
 凄い勢いで近づいてきたあきに吸血西瓜は困惑仕切り。
 其れでもレシピを教えるのは南瓜料理普及の為に寧ろ歓迎だと吸血南瓜から貰っていたレシピを吸血西瓜はあきに差し出す。
「外の品種で作る場合の調整差分迄……ありがとうございます!」
『本当なら品種改良した奴の種も渡せればよかったんだが……流石に外への悪影響も考えるとなあ』
 ま、頑張って南瓜のおいしさを他の奴等に教えてやってくれよ。
 そうすりゃ吸血南瓜も喜ぶからな、と言って吸血西瓜は給仕に戻っていく。
 その後はあきとすずはのんびりと再び宴会を楽しむ事に。
 給仕にいそしむ吸血果物や吸血野菜、角ウサギのジャックロープに偶々こっちにきていたすねこすり、まんまる可愛い妖怪達を見ながら二人はのんびりと南瓜料理を満喫。
「偶にはこういうハロウィンも悪くないですね」
「うん!可愛い妖怪さんたちと一緒にすごす宴会。
 少し不思議でファンタジーなハロウィンだよね!」
 こんなハロウィンも悪くないなと思いながら二人はゆっくり過ごしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『吸血トリオトンカラトン』

POW   :    トンカラトンと呼べえええええ!!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【主な対象に斬った者をトンカラトン 】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
SPD   :    吸血果実(西瓜や🍈)と野菜(🎃)+αな包囲網
召喚したレベル×1体の【吸血西瓜や🍈と南瓜、後友達の柿や蕪 】に【トンカラトンの包帯を纏わせ複数の刀】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    しろよ、収穫!!!
自身の【肉体を敵の周りで超高速回転し平衡感覚を】を代償に、【凄まじい竜巻に収穫せず放置した怒り】を籠めた一撃を放つ。自分にとって肉体を敵の周りで超高速回転し平衡感覚をを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空桐・清導
POWで挑む
アドリブや協力も大歓迎だ

「来やがったな、トンカラトン!
みんなは下がっていてくれ!
こいつ等は、猟兵が相手する!」
両手に光焔を纏い、無数のトンカラトンと相対する
躯魂をやっつければ解放されるって言っても、
さっきまで料理を振舞ってくれた彼らを傷つけるのは好みじゃねえ
だからこそ、煌めけ光焔!
躯魂のみを討つために!
光焔が清導の意思を受け、轟々と全身を覆う
性質反転、救うための焔は際限なく燃え上がる

「―行くぞォオオオ!」
なぎ払うように光焔をトンカラトンに叩き込む
躯魂のみを浄化、憑りつかれている妖怪たちを解放する
数は無数、ならば照準不要
遠近関係なく、光焔を振るい続ける
「1人だって、取りこぼさねえ!」



●太陽の如く燃え盛り。
「……こいつは」
『うん、どうしたんだ兄ちゃん?』
 宴もたけなわ、皆が思い思いに盛り上がっていたハロウィンパーティーの会場。
 空桐・清導(ブレイザイン・f28542)自身も南瓜の煮物に舌鼓を打っていたのだが、何かを感じ手を止めると隣にいた吸血鬼へと皿を手渡す。
『トンカラトンになれぇええええええ!!!』
『……どうしたんだ南瓜っ!』
『躯魂だ!躯魂に乗っ取られてる!!』
 そして、一瞬の間を置いて周囲に響き渡るは雄たけびと悲鳴。
 清導の眼前でも包帯に身を包んだ吸血西瓜が刀を一振り、魔女に斬りかかろうとしていたが光の焔が其れを打ち払う。
「来やがったなトンカラトン!
 吸血西瓜達に西洋妖怪達、どちらも傷付けさせ派しない!」
 其れを為したのは一瞬の内に全身に装甲を纏った清導であった。
 そして清導は顕れたトンカラトン達を睨みつけ構えを取る。
「皆は下がっていてくれ!
 こいつ等は俺達が空いてする!」
『お、おう!無理はしないでくれよ兄ちゃん?!』
 清導へと声を返すと其の侭彼らは安全な場所へと避難。
『トンカラトンと……』
『うわああああ?!!』
 時には逃れる彼らを自分達と『同じ』な様にする為にトンカラトンと化した果実達は襲い掛かりもするが……。
『……な「俺の目の前で誰も犠牲にはさせはしない!!」…れ?』
『っと、すまねえ猟兵!』
「礼は良い!それよりも早く安全な処へ!!」
 清導は其れを許さず、刃は清導によって防がれ妖怪達は安全な場所に。
(躯魂をやっつければ解放されるとは言っていたが……)
 そして、本格的な戦いに移ると清導の脳裏に浮かぶのは料理に精を出す南瓜やカブ、其れに給仕をやっていたメロンやスイカ、柿達の姿。
 助ける事は出来ても彼らを傷付けてしまうのではないかという不安が清導の脳裏に過っていく。
「さっきまで料理を振る舞ってくれた彼らを傷付けるのは好みじゃねえ。
 だからこそ……!」
 だからこそ彼らを傷付ける事なく止めて見せる!
 そんな想いに応えるかの様に肩のサンライザーは熱く燃え盛る。
「煌めけ光焔!
 躯魂のみを討つために!」
 そして、炎は清導の不屈の意思に応え轟々と燃え盛り彼の全身を覆っていく。
 其れは最早、地上にもう一つの太陽が現れたと思わせる程で……。
「――――行くぞォオオオオオオオオ!!」
『―――――――?!!』
 焔は清導を中心に戦場を包み込む様にトンカラトンを薙ぎ払う様に放たれたのであった―――。
『……あぁ、俺が消えて……』
『トンカラ……ト…ンと……』
 性質を転換させた其の焔は敵を討つ焔ではなく誰かを救う為の焔。
 憑りつかれた吸血南瓜達を傷付ける事無く……ただ躯魂のみを浄化する!
 敵は無数、照準を絞る余裕等ありはしない。
 ならば遠近関係なく戦場全てを包み込めば……。
「一人だって取りこぼさねえ!」
 そんな決意と共に清導は太陽の如く光焔を放ち続けたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コイスル・スズリズム
引き続きオーナーさん(f03848)と同行だよ!

おいしい料理のハロウィンを提供してもらったからには
すずもおもいっきり、お返ししなくっちゃね!

こんなハロウィンはどうかな?
と、妖精の衣装で、くるりと回って、UCを起動する。
UCで、かごの中からハロウィンカラーのキャンディや、お菓子をばらまくよ
ほら!そんなに慌てないで、怒らない
ハロウィンを楽しまなくっちゃ損だよね?
と彼らの収穫されなかった怒りを逆手にとった罠使い。

ハロウィンのお祭り!
さっき仲良くなった見学している妖怪さんに手を振ったりして
周囲の雰囲気を楽しいムードに
戦闘でもこちらはぞんぶんに楽しんじゃうよ
すずが楽しくはしゃげばはしゃぐほど
UCの効果で怒っている敵さんの動きが遅くなるように仕掛けてみるね

すずは相手の動きを拘束していく役割
攻撃は聖者であるオーナーさんにお任せ
オーナーさん、聖者様の衣装を着てなくっても聖女様だね?
ウインクを飛ばして、彼女に攻撃をお願いする

きっと派手な彼女の攻撃は、周囲の妖怪さんたちにも、うけるはずだね

宴会はまだ続くよ!


小宮・あき
すずちゃん(f02317)と。

明日のカブはどんな感じかなぁ、なんてぽやっと南瓜料理を食べていたら。
すずちゃん、始まったみたいだよ。お仕事がんばろっか。

事前に戦闘方法と相談済み。
すずちゃんが足止めで、私が攻撃。攻撃方法は任せると言われています。
うーん、なるべく距離を取って、一斉に範囲射撃で倒してしまうのが早いかな。
UCでマスケット銃100本量産して撃ち抜こう…、と、心の中で思っていた矢先。

離れた場所から「さっきまで料理を振る舞ってくれた彼らを傷付けるのは好みじゃねえ」って聞こえて。
ハタッと止まります。

……そ、そうだね! だめだよね!
さ、さっきまで一緒に居た仲間ですもの!
ええ、ええ、皆さんを傷つける事はしませんよ~。
よかったすずちゃんこっち向いてなくて!

冷や汗をかきながら、UC発動。
祈りを媒体にした、スポットライトのような光の柱を展開します。
地面から湧き上がる光は、対象を選択後、その魂を浄化します。
範囲は半径100m超え。逃げ出す事は無いでしょう。

終わったら、また和やかな宴会を。



●楽し気に舞う妖精
「明日のカブはどんな感じかなぁ?」
 食べている南瓜のリゾットが美味しい事もあって明日出るというカブ料理に思いを馳せながらぽやっとしていた小宮・あき(人間の聖者・f03848)であったが……。
『トンカラトンと言ええええええ!!!』
『こいつは骸魂かっ!』
『猟兵の兄ちゃんが言ってた通り避難するぞ!
 こいつらが自分を責めたらいけねえからな!!』
 賑やかで楽しい祭りは無粋な乱入者によって終わりを告げてしまう。
「すずちゃん、始まったみたいだよ。
 お仕事がんばろっか」
「おいしい料理のハロウィンを提供してもらったからには、すずもおもいっきり、お返ししなくっちゃね!」
 あきは食べていたリゾットの最後の一口を食べ終わると共に祭りを楽しんでいたコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)へ声をかける。
 そして、其の侭二人は叫び声がする方向へと一直線。
『トンカラトンと呼べええええ!』
『たんころりんでも良いぞオオオオオ!!』
「うわぁ……何だか凄い事になってるね」
「でも妖怪さん達の避難が素早かったから被害は余り出てないよ」
 二人が見つめる其の先には南瓜や西瓜、メロン、巨大なカブや顔のついた巨大柿が包帯を纏い、刀を振るい暴れる姿であった。
 その光景はユーモラスでもありシュールでもあった。
「それじゃ、すずちゃん。相談通り」
「うん、足止めは任せて!」
 とは言え、どんな絵面でもやるべき事は変わらない。
 あきの言葉に頷くとすずはトンカラトン達の元へと一歩足を踏み出していく。
『トンカラ……?』
「感謝祭の翌日。先週から鳴り描いてるマスカラ。
 でもそうじゃなくったっていいんでしょ?」
 戦闘態勢を取るでもなしに自分達に近づいてきたすずをトンカラトンは訝し気に見る。
 其れ対しすずは妖精の衣装でくるりと回り、かごの中からハロウィンカラーのキャンディ、南瓜のクッキー、南瓜プリン、南瓜飴に南瓜羊羹、多種多様なハロウィン仕様のお菓子を取り出しては見守っている妖怪達やトンカラトン達に振る舞っていく。
『トンカラトンと呼べ……え?』
「ほら!そんなに慌てないで怒らない。
 ハロウィンを楽しまなくっちゃ損だよね?」
 最初は戸惑っていたトンカラトン達であったが攻撃する訳でもなく只御菓子を振る舞うだけのすずに対し襲い掛かろうとするが……其の動きは余りにも遅く、すずにスルっと躱されてしまう。
 そう此れはすずのユーベルコード。
 キャンディを楽しまない者の動きを五分の一程に鈍らせるという業。
『トンカラトンと……呼べえええ?!』
『呼べええええ?!』
 だがトンカラトンは其れに気付けず、只ひたすらにすずに襲い掛かり、スルっと躱されるというのを繰り返すだけ。
『ひゅー!頑張れ、妖精の恰好してる嬢ちゃんー!』
「応援、ありがとー!キャンディのお裾分けだよー♪」
『トンカラトンと……!』
『呼べええええええ!!!』
 それ所かすずを応援する妖怪達に愉し気に手を振ったりキャンディをポイっと投げ渡したりで周囲の雰囲気を愉し気な物に変えていく程。
 そして、そんな風にすずが楽し気にはしゃげばはしゃぐ程、トンカラトン達の苛立ちは更に増し、そうすればトンカラトンの動きは更に鈍くなる。
(すずは相手の動きを拘束していく役割。
 攻撃は聖女であるオーナーさんにお任せ)
「オーナーさん、聖者様の衣装を着てなくっても聖女様だね?」
 そして其れはすずの狙い通りの事態であり、彼女は頼れる仲間へ向けて攻撃の合図にとウインク一つ。
「神罰を与えましょう」
 そして、荘厳な光の柱が辺りを包み込み……。

●聖女側から見た光景。
「すずちゃんが足止めで私が攻撃。
 攻撃方法は任せると言われてますし……」
 すずがトンカラトンを惹きつけてる間にあきは敵を倒す準備を行っていた。
(うーん、なるべく距離を取って一斉に範囲射撃で倒してしまうのが早いかな?
 ユーベルコードでマスケット銃100本量産して撃ち抜くのが一番かも……)
 そんな風に効率的に敵を打ち倒す方法を構築、準備を開始しようとしていた矢先……。
「さっきまで料理を振る舞って……た彼らを傷付けるのは好みじゃ……!」
「……え?」
 そんな言葉があきの耳に入り、彼女はハタッと止まる事となる。
「……そ、そうだね!だめだよね!
 さ、さっきまで一緒に居た仲間ですもの!
 ええ、ええ、皆さんを傷付ける事はしませんよ~」
(よかったすずちゃんこっち向いてなくて!)
 彼女のことを聖女様の衣装を着てなくても聖女らしいと宣う、知ってた道の知らなかった横顔を教え、教えられ合う大切な人のイメージを崩すのはあきとしても避けたい事なのだろう。
 誰も聞いてないのに言い訳をしつつ別の攻撃手段を其の場で手早く判断。
「神罰を与えましょう―――」
 内心で冷や汗をかきながら、其れでも其れを見守る妖怪達、そして自分を見るであろう友人には其れを気取られない様にユーベルコードを発動する。
『と、トンカラ……?!』
『トン……ッっ?!』
(範囲は半径100m超え。
 逃げ出すことはないでしょう)
 其れは祈りを媒介にした、スポットライトの様で、とても荘厳で巨大な光の柱であった。
 地面から湧き上がる其れは見る者が目を離す事が出来ない程に美しい輝きを放ちながらトンカラトン達を浄化していき……。
『トンカラ……って、解放された……のか?』
『うわぁ……せっかくのハロウィンだってのに皆に迷惑をかけてしまったな……』
「悪いのはトンカラトンの骸魂です。
 皆さんは被害者なんですから気にしちゃ駄目ですよ」
 解放された吸血南瓜達に話しかける姿は正しく聖女というしかないものであった。
『いやー!すげえな、あの光の柱!』
『おう、長い人生だが今迄見た事ないぜ!!』
「そうでしょ、オーナーさん凄いでしょ!
 うん、やっぱりオーナーさんの派手な攻撃は妖怪さん達にも受けるよね」
 妖怪達は頼もし気にあきを見つめており、其れを見守るすずも嬉し気な表情で、そんな妖怪達に話しかける。
(……銃で殲滅しなくて本当に良かった!)
 ……まあ、皆から凄い凄いと見られているあき自身の内心はバクバクものではあったのだが。
 とは言え、どうやら他所で戦っている他の猟兵達も戦いを終えている様だし、ならば此れからする行動は一つしかない。
『よーし、其れじゃあ!』
「うん、宴会はまだ続くよ!」
「ええ、また和やかな宴会を」
 そう言いながら二人は妖怪達と共に再び宴へと戻っていくのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」

神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!



●薙ぎ払う水。
「やれやれ、こんな楽しい宴のひと時を邪魔するなんて無粋じゃないかい?
 僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従え、と」
 郷に従い、ただ共に宴を楽しむなら妖怪達も受け入れてくれたかもしれないのにねえ等と微かに苦笑いを浮かべながら少女、カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)は妖怪達とトンカラトンに憑かれた吸血南瓜達の間に立ち塞がる。
 其の手に握るは清浄なる水の力を秘めた蛇腹刀。
『収穫し……へぶっ?!』
「悪いけど此の刀は見た目通りの射程じゃないんだ」
 先ずは一振りとばかりに少し距離を保ちながらカツミの周囲を回りだそうとした一体を蛇腹刀の刀身を伸ばして切り刻む。
『……っ!こいつ離れても対応してくるか……!』
『なら距離を近くになり過ぎない様に……ッ!』
「成程、数十人がかりで其々が一定の距離を保ちながら回転してくるか。
 少しは考えて来たようだね。
 けど……」
 薙ぎ払われない様に互いに一定の距離を保ちながらカツミの周囲を回転していくトンカラトンであったがカツミは冷静に此れを見据えつつ、懐から波濤が描かれた王笏を取り出す。
(野菜や果物だし憑りつかれてる人達にも悪影響出るかもしれないけど……其処は解放されたら速攻で治してあげて、と)
「えーと、こうして、こう!」
『なっ?!』
『何だ?!空から大量の……っ?!』
 そして、其の侭、王笏を所定の手順で動かし彼女の神様によって齎された力を発動。
 まるで強力な水鉄砲の様にすさまじい勢いでカツミの周囲に海水が降り注ぎ、トンカラトン達を打ち据える!
 勿論、其れでも近づきすぎずにいたので喰らわなかったトンカラトンもいるにはいるが……。
「其処は燕刃刀で……っ!」
『ぐっ……っ!』
『距離を離した分、回り切れてないのが仇になったか……!』
 カツミは蛇腹刀の刀身を伸ばし自分に近い、つまり、より早く彼女の周囲を周り込み竜巻を発生させ得る相手から確実に仕留めていく。
 周囲に一体しかいなければ斬り裂き、近くに二体以上いれば共に薙ぎ払い……的確に敵を仕留めていく。
 時にはカツミの攻撃から逃れ高速回転によって竜巻を発生させた敵もいるが……。
『ぐぁ……っ!?』
『こいつ、自分が攻撃されても全く動じていないぞ?!』
「加護で治るから怪我は其処迄気にしないよ。
 其れに戦いは僕に出来ることだからね」
 なら全力を尽くさないと僕の神様に申し訳が立たないだろう?
 そう嘯きながらカツミは敵を仕留めていく。
 己が目に付く範囲内に敵が存在しなくなる迄、ずっと―――。

●そして、全てが終わり。
『いやー!本当に助かったぜ!
 此れ、俺が作った明日の試作品、カブを器にしたカレーなんだが辛いのが嫌じゃなければどうだ?!』
『おっとずるいぜ大きなカブ!ほら甘いのが好きならパンプキンパイなんてどうだい?』
「う、うん、ありがとう。
 とりあえず塩害は……その、大丈夫かい?」
 カツミは彼女が助けた吸血南瓜や大きなかぶに取り囲まれお礼の大攻勢にあっていた。
『いやー!流石猟兵!見事な戦い方だったぜ!』
『酒はダメそうだしパンプキンミルク飲むかい?美味いぜ?』
 更に言えば戦いの最中には距離を取っていた妖怪達に迄囲まれる始末。
 周囲を見渡せば他の猟兵達も同じ様に囲まれて賑やか極まる状態だ。
「やれやれ、感謝の気持ちを伝えられるのは嬉しいが少しばかり勢いが強すぎないかい」
 まあけど……此れは此れで悪くないね。
 そう思いながらカツミはほのかに笑みを浮かべるのであった―――。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年11月24日


挿絵イラスト