1
コラパン式装魔封災戦だみゃ! ハロウィンは楽しいにゃ。

#アルダワ魔法学園 #お祭り2021 #ハロウィン #装魔封災戦 #コラパン兄弟シリーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園
🔒
#お祭り2021
🔒
#ハロウィン
🔒
#装魔封災戦
#コラパン兄弟シリーズ


0




●今日も今日とてコラパンは。
「みゃっはー!! 今日は待ちに待った装魔封災戦、用意はいいかみゃー!?」
「にゃっほい!! みんなでハロウィンなのにゃ、パーティーするのにゃー!」
 アルダワ魔法学園のとある一室、生徒運営の購買として知られる『コラパン商店』にて。
 賑やかさ溢れるケットシーが二人、オレンジ色の兄ラパンと、真っ黒な弟コパンは張り切ってパーティ開幕の音頭を取っていた。
 10月末日といえばハロウィンである、アルダワ魔法学園のあるこの世界ではかつて『装魔封災戦』と呼ばれる、人類が災魔に対して大規模な奇襲を仕掛け、結果として大勝利を納めた記念すべき日という側面もあったりもする。
 そんなわけでパーティーに集う生徒の多くは災魔に扮した仮装や、色とりどりの甘いお菓子を楽しんでの大にぎわいを見せている……主宰であるコラパン兄弟の衣裳といえば。
「モッフゥ、今日のオイラはモフィンクスだみゃ!」
「とんちんかんとんちんかーん! ぼくはグレムリンなのにゃー!」
「むむ、ガジェッティアの天敵め! けどま、今日はパーティーだから許してやるみゃ!」
「にゃふふー、グレムリンさんとも仲良くなれたらいいのにゃー」
 と、まぁ、アルダワ魔法学園の生徒視点で見れば楽しいお祭りの日である。
 が、視点を変えれば見方は大きく変わる……ところ変わって迷宮アルダワでは。
「なーにが『許してやる』だ、あんのチビネコどもめ!」
「オレ達を騙してボッコボコにしやがった日を記念日にして楽しんでんじゃねーやい!」
 賑やかな商店の裏口に耳を押し当てていた災魔……グレムリンの群れが、今にも扉を蹴破りそうな程にご立腹だった。

●ハロウィンパーティーなんですよ
「世界各地ではハロウィンの賑わいがありますが、当然我等がアルダワでもハロウィンパーティが催されています」
 コンラッド・アレグリアス(ケットシーの精霊術士・f01460)はモノクルをきちっとかけ直しながら、パーティーの楽しげな映像を振り返る。
 アルダワ魔法学園で行われているハロウィンパーティーには、かつてあった『装魔封災戦』……人類が災魔の仮装をして災魔の拠点に侵入、大規模な奇襲によって多くの災魔を封印した記念すべき勝利の日を祝う目的もあるのだという。
 そんなわけで勝利の地でもあるアルダワ魔法学園では毎年、学園内の至るところでパーティーが行われる……映像にある『コラパン商店でのパーティー』もそのうちの1つだ。
 それがグリモアの予知に引っ掛かったとなれば……この後に発生する事件は当然のように災魔の迷宮逆侵攻である、これも毎年恒例だ。
 災魔からしてみれば、人類サイドの仮装に盛大に騙され、驚いている隙に大量封印させられてしまった敗北の日である……それを自分達の頭上でお祭り騒ぎで祝われたらたまったもんじゃないってところだ。
 コラパン商店のパーティーに怒り心頭な災魔ご一行はグレムリン達である、ガジェッティアの天敵とも言われる彼等が蒸気機械満載の商店で悪さをしたら、パーティは瞬く間に台無しとなることは想像に容易い。
「ま、予知出来たからには皆さんに阻止してもらいますとも」
 事前情報はこれでいいですね、とコンラッドは手元の本を開いた。

 まず猟兵達に求められるのは……コラパン商店のパーティー参加し、盛大に楽しむことだ。
 ハロウィンの災魔は「パーティーを楽しむ人類」へ特に敵視を向ける傾向にある、加えて学園生徒達より強いユーベルコードの高鳴りを持つ猟兵は格好の的となるのだ。
 パーティーもそうだが、特に現地の生徒を守るため猟兵達には的役を買って出てもらうことになる……お洒落な仮装をしたり、お菓子を食べたりして、とにかく楽しめばそれでいい。
 特に【仮装は重要である】。
 そうして敵の注意を引き付けておいて……やがて商店の裏口から災魔グレムリンの苛立った声が聞こえてくるだろう、逆侵攻の阻止はそこからだ。
「災魔はハロウィンに対する怒りで理性が低下しているので、とにかく【スゴい仮装してる人を優先して狙ってきます】。 加えて戦闘中でも【引き続きパーティーを楽しみながら戦う】ことによって、災魔は更に冷静さを欠くことでしょう」
 スゴい仮装をした学園の英雄達が、パーティーのお菓子を食べながら愉快に戦うとなれば、災魔は怒りのあまり隙だらけの状態となる……こうなれば退治するのは簡単だ。
 ユーベルコードの発動もままならぬ状態にして、イタズラ妖精達には早々に立ち退いて頂きましょうと、コンラッドは転移の扉を出現させる。
 そしてチラッとパーティーの映像……グレムリンの仮装をしたコパンを見て、ため息をついた。
「コパンは災魔と仲良くしたいそうですが……今回はちょっと状況が悪いですからね。 パーティーを無事に終えられるよう、皆さんの力を貸して下さい」
 よろしくお願いします、とコンラッドは寮の仲間の無事を祈ってぺこりと頭を下げた。


四季臣
 六十六度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPをご覧いただき、ありがとうございます。

 ハロウィンの時期がやってきましたね。
 アルダワ魔法学園でも毎年恒例のお祝いと、それに関する逆侵攻が発生するようです。

 第1章は、日常『ハロウィンを楽しみまくれ!』です。
 仮装やお菓子はもちろんのこと、音楽を奏でたり踊ったりと、とにかく楽しんで下さい。
 猟兵は一般の学園生徒より多くの注目を得るので、災魔を特に引き付けやすいです。
 特に目が惹くのは仮装です。
 プレイングには『どんな仮装をしているのか』の記入をお願いします。

 第2章は、集団戦です。
 ハロウィンパーティーに怒った災魔の群れ『グレムリン』が襲撃してきます。
 怒りによって理性を失った彼等は『スゴい仮装をしている人』を優先して狙い、尚且つ『それでもなおパーティーを楽しむ人』に対しては更に怒って冷静さを欠きます。
 どれくらい怒るかと言うなら、ユーベルコードがうっかり不発するくらいには怒ります。
 そんな不調に陥ったグレムリン達には、ぱっぱと退散して頂いて下さい。

●現地NPC
 パーティー会場となる教室には、モフィンクスの仮装をしたケットシー『ラパン・コラパン』、グレムリンの仮装をしたケットシー『コパン・コラパン』を始めとする多くの生徒がいます。
 第1章では猟兵にも劣らないくらいパーティーを楽しんでいます、話し相手にもなってくれるかと思います。
 過去の四季臣シナリオに登場した生徒も名を呼んで頂ければ、その場にいることでしょう。
 ただしコンラッドはいませんのでご注意下さい。
 第2章では、グレムリンを裏口前で足止め出来ていれば、ダンジョンに出てくることはありません。
 が、災魔と仲良くなりたい真っ黒ケットシーは……もしかしたらひょっこり現れちゃうかもしれません。

 それでは、よろしくお願いいたします。
76




第1章 日常 『ハロウィンを楽しみまくれ!』

POW   :    お菓子や料理を食べて楽しむ

SPD   :    イタズラ合戦に参加して楽しむ

WIZ   :    素敵な仮装を楽しむ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バロン・ゴウト
今日は楽しいハロウィンパーティー!ラパンさんとコパンさんにお会いするのも久し振りだし、グレムリンが出てくるまでは目一杯楽しむのにゃ♪

ボクの仮装は『ヴァンパイア』、だからいつもよりちょっぴり気取ってるのにゃ。
血のように赤いワイン……はまだ飲めないから、赤ぶどうのジュースを片手にバラの形のクッキーを周りの生徒さんへ配り歩くのにゃ。
「ハッピーハロウィン!素敵な夜を祝して、バラのクッキーをプレゼントなのにゃ。」

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

ハロウィン…か…
仮装しながら敵を倒してハロウィンを楽しめばいいのか…
久しぶりにあれになろうか…さぁ行くぞ…
ワタシは…魔法少女プルティアだッ!

魔法少女プルティアよりティアゲヘナ(非公式)の衣装に着替え
鉄塊剣をぶんぶん振るう[パフォーマンスと悪目立ちで存在感]を
アピールしよう

そして魔法少女には付き物の愉快な使い魔【十二匹の怒れる悪魔】共を
召喚して学生達を[おどろかして]あげ…

生徒達に手を出すんじゃあない獄卒共ッ!!!
次に手を出したらその目を潰すぞッ!!!

鎖の鞭を振るい悪魔共を強かに打ち据えて[威厳と恐怖を与えて]
お灸を据えて無理矢理黙らせよう…

私は処刑人…だが…今の私はプルティアだ…!



●れっつぱーてぃー! なのみゃ!
「やーやーもふもふ! コラパン商店のハロウィンパーティーにようこそなのみゃ!」
「とんてんぱふぱふなのにゃー!」
 モフィンクスなラパンとグレムリンなコパンに盛大に出迎えられたのは、お久しぶりなご来店となるバロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)である。
 お久しぶりの挨拶として優雅に一礼するバロンなのだが、いつもよりゆったりとした上品な動きを見たラパンはほほぅと声を上げる。
 編み込みのかごバッグにオシャレなワインボトルとバラの花を詰め込んで、普段よりもちょっぴり凛々しさがアップした子猫騎士の仮装とは……。
「ボクの仮装はヴァンパイアなのにゃ!」
 にぱ、と笑う口から覗くは少し大きめな鋭い牙、黒と赤を基調にした上品でありながら、どこか血の香りを予感させる佇まい。
 確かに伝説の魔物である吸血鬼を彷彿とさせるモノがある……賑やかさ溢れる兄弟からはぽふぽふと鳴らない拍手でヴァンパイアなバロンはパーティーへと招待された。
「みゃはは、思ってたより気合い入った仮装だったから驚いたみゃ! ところでそのかごの中身……」
「にゃっと、これは血のように赤いワイン……って言いたかったけど、ボクはまだ飲めないから、実はジュースなのにゃ」
 ラパンがほんのり心配そうにかごへと目をやるのを感じて、バロンはすぐさまワインボトルを一本取り出して見せる。
 確かにボトルの中身は『血のような赤』だったが、貼り付けられた愛らしい赤ぶどうのラベルが『ワインじゃないよ』と物語っていた。
 持参したワイングラスにぶどうジュースを注ぎ、気取ったポーズを決めてやれば、見た目も気分もまさにヴァンパイアである。
 ちなみにジュースと一緒に入っていたバラの花は、その形を象ったクッキーである……ある紳士が淑女へ一輪の花を差し出すかのような所作で、バロンはバラのクッキーをコラパン兄弟へと手渡した。
「ハッピーハロウィン! 素敵な夜を祝して、バラのクッキーをプレゼントなのにゃ!」
「おーおー、ありがとなのみゃ!」
「はふーん、ぶどうとお花の香りがするのにゃ~……」
 ほくほくにゃーと受け取った兄弟と挨拶を交わし、バロンはパーティーに参加している生徒達へクッキーを渡して回る。
 その途中、バロンが出会ったのは……青い炎を身に纏わせる女性。
「ワタシは……魔法少女プルティアだッ!」
 思わず『カッ』とカットイン差し掛かる勢いで自己紹介を入れた彼女こそ魔法少女プルティアのティアゲヘナ(非公式)……に扮した
仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)である。
 今宵はハロウィン、楽しめばいいよと参加したならば、アンナは全力でその役目を全うする……料理人も魔法少女でもやり遂げるのだ。
 ちなみに『ゲヘナ』は別の言い方をするなら『地獄』とも言う……地獄感たっぷりの衣裳を纏う魔法少女は、鉄塊剣をブン回して存在感を大々的にアピールしていた。
 尚、注釈としてブン回してる剣は当たっても痛くないパフォーマンス用のモノであると明記しておく……ラパンからの借り物である。
 と、まぁ思わず猟兵仲間であるバロンもびっくりするほどの仮装をしてきたアンナなのだが、これで終わりじゃーなかった……魔法少女に付き物であるマスコットも込みである。
 それは十二匹の怒れる悪魔、マレブランケである……鋭い猛毒の牙と鉄の爪を備えた、なんて愛らしい(?)使い魔の嵐だろうか。
 そんな愉快な使い魔達は陽気でやんちゃだ、近くにいた生徒達へ軽くちょっかいをかけ始めーー、

「生徒達に手を出すんじゃあない獄卒共ッ!!!」

 キュアゲヘナ、怒りの一喝。
 これには十二匹の悪魔もビクゥゥッと飛び退いて生徒達から距離を置く……恐る恐ると主人の方を見やれば、それはそれはおっかない表情で鉄の鞭を引き伸ばしていた。
「次に手を出したらその目を潰すぞッ!!!」
 わーお宴に呼び出しといてそりゃないぜ姉御ォ。
 悪魔達の頭領である『マラコーダ』が抗議しかけたのを、アンナは一睨みで黙らせる……仮装しててもやっぱりアンナは“処刑人”だ。
「確かに私は処刑人……だが……今の私はプルティアだ……!」
 オーケーだ姉御、今のアンタは魔法少女だ、間違いねェ。
 マラコーダ含む悪魔達が大人しくなったところで……ふと、バロンがあることに気が付いた。
 陽気でやんちゃな悪魔の群れ……その姿形はどことなくグレムリンを彷彿とさせるものではないか、と。
 そんなアンナご一行圧巻のパフォーマンスの最中にもパーティーは進んでいる、ふと耳を澄ましたバロンが聞いたのは……裏口で僅かに震えた災魔の声だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『グレムリン』

POW   :    スパナスマッシュ
【巨大なスパナ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ツールボックス
いま戦っている対象に有効な【分解用の工具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ハイドアンドシーク
自身と自身の装備、【アイコンタクトをとった】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


グレムリンは ビビっている!
「えー……なんだアレ……」
 所変わって、というか裏口の扉を出てすぐのダンジョンにて。
 今にもオラオラ攻め込んだらァと集まっていた怒れる災魔達、グレムリンの群れが、一瞬冷静さを取り戻す程度にビビっていた。
「なぁ、やっぱ攻め込むの止めとかねェ? ヤベェってアレ、オレら纏めて処刑されるって」
「な、なにビビってんだよお前! あ、アイツらハロウィンで浮かれてやがんだぞ、それを見過ごせってのかよ!」
「そーだそーだ! ハロウィン許せん滅ぶべしだ!」
 一匹が臆病風に吹かれるのに、他の災魔が鼓舞するように再び怒りのボルテージを上げていく……流石にビビってご退場とはならないようだ。
 それでも覚悟を決める必要はあると踏んだか、ドアノブに手をかけたグレムリンがゴクリと喉を鳴らす……突撃までもはや秒読みと言ったところ。
 その扉は、そんな緊張感溢れる災魔達の心境を裏切って、あっさりとオープンされた。
 コラパン商店の真っ黒い弟の方、コパンがキラッキラァとした笑顔で、しかめっ面をしたグレムリン達を出迎えてしまったのだ。

●コパンは、地雷を 踏み抜いた!
「にゃー! グレムリンさんなのにゃ! 僕達と一緒にパーティーするのにゃー!」
 それはコパンの、災魔と仲良くなりたい子猫のささやかな申し出だったのだが……敗北の歴史を知るグレムリン達の燻る怒りの炎に油を投げ込む禁断の言葉であった。
 わなわなと、小刻みに震え出す災魔達を前にして、そんな彼等に仮装したちびくろケットシーは小首を傾げている。
「ふ、ふ、ふ……」
「ふにゃ? どうしたのにゃ? お外寒かったにゃ?」


「ふ、ざ、け、ん、なァァァァアアアアッ!!!!!!」
「にゃーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?」


 ……と、こうしてコパンは怒り狂ったグレムリン達に追いかけ回されることとなる。
 生徒にとっては勝利の日だと言うが、歴史というのは風化するもの……『装魔封災戦』の真相を知らぬ生徒だって中にはいる、コパンもどうやらその一人だったようだ。
 とはいえコパンがグレムリン達にコテンパンにされるのを見過ごす訳にはいかない……ここで、猟兵達の出番である。
 追われるコパンを救出し、怒れるハロウィンの災魔達にはご退場頂こう。
バロン・ゴウト
【ダッシュ】でコパンさんの傍に駆けつけ、コパンさんをグレムリン達から守るのにゃ。

引き続きヴァンパイアらしく気取って振舞うのにゃ。
「今宵は楽しいハロウィンパーティー。皆が楽しくなるイタズラなら歓迎だけど、パーティー会場で暴れ回るならお引き取り願うのにゃ!」

【WIZ】
敵が透明になろうと【聞き耳】で気配を探り、【アイリスの嵐】で攻撃にゃ!
花弁は【パフォーマンス】のように華やかに、かつ会場を荒らさないように繊細に操作するのにゃ。

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。



●藤色のお花の吸血鬼さんなのにゃ!
「オラオラ待てやゴラァーッ!」
「ボコるわー、こりゃぜってーボコるわわー!」
「にゃーーーっ! おたすけなのにゃーーー!」
 さてさてそんなわけで、パーティーの賑わいからちょっと外れた裏口の先で、真っ黒い者同士のおいかけっこが勃発していた。
 真っ黒い弟ことコパンは訳もわからず大声で呼び掛けるも、ダンジョンの深い闇の中に吸い込まれてしまって、パーティー会場にはなかなか届かない。
 このままコテンパンかといった状況の中、ふと彼等の視界に割り込んだのは、ひらひらと舞い散る藤色の花びらだ。
「ん? な、なんだ??」
 グレムリン達がそれらに気を取られている最中、颯爽と彼等の前に現れたるは黒い外套を靡かせた吸血鬼……に扮したバロンである。
 ちょうどコパンを庇うような立ち位置で割り込んだバロンは、お菓子のバラから藤色の……アイリスの花に持ち変えて、優雅に一礼をしてみせた。
 高貴なる貴族として闇の世界に君臨するモノとして描かれやすいヴァンパイア……そのイメージ通りに気取って振る舞う子猫の姿は、災魔の敵視を思いっきり惹き付ける。
「今宵は楽しいハロウィンパーティー。 皆が楽しくなるイタズラなら歓迎だけど、パーティー会場で暴れ回るならお引き取り願うのにゃ!」
「チィッ、どいつもこいつも浮かれやがって!」
「上等だァッ! おめーからフルボッコにしてやる!」
 いつもの子猫騎士よりもテンション高めで迎え撃たんとするバロンに対し、グレムリン達はやいのやいのと騒ぎ立てながら巨大なスパナを振り回している。
 そうして災魔同士で目配せをして、その姿を透明へと変えていく……はずだったのだが、どういうわけか姿が消えたり現れたりと、点滅を繰り返していた。
「ん? あれ? なんでだ、透明になれない!?」
 怒りながらも戸惑うグレムリン達……成る程、怒りすぎてユーベルコード……ハイドアンドシークの透明化が乱調を起こしてしまったらしい。
 そこへ差し掛かるはヴァンパイアなバロンの軽やかなステップだ、アイリスの嵐を周囲に纏わせてパーティーを更に盛り上げるような立ち回りである。
「怒りすぎて透明化も出来てないのにゃ、ケガをする前に出直してもらった方がいいと思うけれど……どうかにゃ?」
「む、むぐぐぐぐ……!」
 えっへんと胸を張りながら撤退を促すバロンに対し、グレムリン達は怒りのボルテージを上げていきながらも、アイリスの花びらに阻まれて攻め入れない。
 グレムリン達はもうコパンどころではない、バロンのパフォーマンスは敵の注目を一挙に集めることに成功していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高階・茉莉(サポート)
『貴方も読書、いかがですか?』
 スペースノイドのウィザード×フォースナイトの女性です。
 普段の口調は「司書さん(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「眠い(私、キミ、ですぅ、ますぅ、でしょ~、でしょお?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

読書と掃除が趣味で、おっとりとした性格の女性です。
戦闘では主に魔導書やロッドなど、魔法を使って戦う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●秘密の魔女さんなのにゃ
「災魔にとっては聞くに堪えない嫌な話なのかもしれません、けれど生徒の皆さんを傷つけるわけにはいかないですね」
 アイリスの花びらが舞うダンジョンへと、裏口からひょこっと現れたのはカボチャのアクセントが愛らしい魔女さんこと高階・茉莉(秘密の司書さん・f01985)である。
 パーティーの最中ではハロウィンの時期に関するお話の本を持ち込んで、お子様な生徒達に物語の読み聞かせをしていた茉莉だったが、話の続きを待つ彼等を守るべくしていざ参戦となった。
「げっ、猟兵のやつ増えてやがる!」
「しかもアイツもノリノリでカボチャデコってるし! むきーっ!」
 収穫祭としても知られるハロウィンを象徴するカボチャの飾りを見た途端、また怒り出したグレムリン達はツールボックスを豪快に開いて工具を握り締める。
 カボチャをべっこり叩き潰すのに適したハンマーを掲げ、数体が茉莉へと飛び込んで襲い掛かるが……その大振りな攻撃はいとも容易く避けられていった。
「んなっ、全ッ然当たんねぇ!」
「悪戯妖精のグレムリン……貴方達の行動パターンは、全て把握済みです!」
 ユーベルコード……叡智の分析を発動させ、敵の行動パターンを分析した茉莉に単純な攻撃を当てるのは容易いことではない、怒り任せの攻撃であれば尚更だ。
 キーキーと喚きながら工具を振り回すグレムリンの攻撃を避けつつ、ちらっと周囲を見渡した茉莉は……先ほど逃げ回っていたコパンの姿を見つけ、ほっと一息ついていた。
 吸血鬼に扮した子猫騎士に守られてからその後、コパンはなんとか裏口にたどり着いたようで……そこで別の猟兵にきちんと保護されていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

三上・桧
アドリブ歓迎

いけない、遅刻遅刻~!(棒読み)
火車さんのドレス選びに悩んでいたら、すっかり遅くなってしまいました
もうパーティー始まってますよね
遅刻確定です
『余裕を持って行動しろとあれほど……』
すみませんお母さん
『お前の母親になった覚えはない』

現在、【慈救咒砲】で愛用のロケットランチャーを移動力5倍、装甲半分の自走式ロケランに変形して会場へ爆走中
ちなみに仮装は王子様とお姫様です

なんか災魔が渋滞していてパーティー会場に入れないんですけど
『ここ裏口ではないか?』
どいて下さい、ついでにお菓子下さい
さもなくば吹き飛ばしますよ
砲撃 or トリート


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

いよいよ来たか…
ハロウィンを楽しむ為にも学生達を守る為にも…
さぁ…行くぞ…私は魔法少女プルティアだ…!

おい…その子の仮装より私の仮装を見ろ…こっちを見ろ…!

敵群を[挑発]し自身の下に[おびき寄せ]て
敵群から生徒達を[かばおう]

そしてさらに愉快な使い魔達【地獄の百鬼隊】を召喚
雄叫び上げる悪魔兵士共の[殺気と存在感]で
敵群に[恐怖を与えよう]

逃げ惑う敵群を悪魔兵士共に[追跡]させて
悪魔兵士共のあらん限りの[暴力と怪力で蹂躙]してやろう…!

さ…彼らはほっといてお菓子を食べよう…
…プルティアって何かって?
…実は私もよく分からないんだ…魔法少女らしいんだけどね……



●いっけなーい、地獄地獄ぅーなのにゃ。
 所変わって、ダンジョンのどこか。
「いけない、遅刻遅刻~!」
 それなりの声量がありながら棒読みに聞こえるという、なんとも不思議なトーンで宣うは王子様こと三上・桧(虫捕り王子・f19736)。
 何かの童話からぽんと出てくるような人より可愛らしさが際立つ桧は、王子様が持ってそうなサーベルをどっかに忘れて、移動力5倍の自走式ロケットランチャーに乗ってパーティー会場に急いでいた。
 何でももう災魔との戦闘が始まっているため裏口は閉鎖されたので、ダンジョン側から会場に向かってくれと言われたらしい、遅刻確定である。
「火車さんのドレス選びに悩んでいたら、すっかり遅くなってしまいました」
『余裕を持って行動しろとあれほど……』
 残念そう(棒読み)な桧王子様の背中に捕まったお姫様こと、猫又の火車さんのまったくお前といつもいつもって感じのお説教もまた、毎度お馴染みである。
「すみませんお母さん」
『お前の母親になった覚えはない』
 もうええわ急げとお母さんじゃないお姫様に前足で肩をばしばしされつつ、王子様は舞踏会へと愛馬を5倍速で走らせる。
 ちなみにお城の裏口では、ちょっとした地獄が展開されていた。

 そうして会場の裏口前では、コパンを抱えた漆黒の魔法少女が悪戯妖精達に睨みを効かせている。
 パフォーマンス用の大剣で自分のマスコット達をボコってた時より、表情が2割増しでおっかないことになってるティアゲヘナ(非公式)……に扮したアンナである。
「私は……魔法少女プルティアだ……!!」
 集中線がびっしりと、『くわっ』なんて効果音が低音で響きそうな迫力である、裏口越しの時点でビビってたグレムリン達に苛烈な衝撃が駆け巡っていた。
「さあ……私の仮装を見ろ……こっちを見ろ……!」
「なんなんださっきから殺気ヤバすぎじゃねぇかあの死神!?」
「ギャグ言ってる場合じゃねーだろ!?」
 挑発というより殺気で敵視を無理やり惹き付けたティアゲヘナなアンナへ、グレムリン達は震える手でスパナ構えて応戦姿勢を取る。
 それに対してアンナが取ったユーベルコードは……更なる悪魔軍勢をこの地に呼び寄せるモノだった。
「出でよ、地獄の兵士共! 武器を構え……進めッ!!!」
 招かれたのは地獄の百鬼兵……獄炎の属性を持つ悪魔の武装兵団は、炎に包まれた剣やら槍やらを掲げて一斉に雄叫びを上げる。
 さっき呼んでたマスコット(?)より殺気も存在感も倍プッシュだ、マスコット頭領マラコーダもこれにはちょっと不満気であるが、んなこたアンナが気にする様子もない。
 まぁ、最も哀れなのはこの場に攻め込んじゃった災魔の方だと言えるだろう……パーティーを潰しにきたつもりが、なんで地獄の軍勢と戦う羽目になっているのだろうか、最早グレムリン達は混乱しきっていた。
「もうこれハロウィン関係なくなってね??」
 唯一のハロウィン要素は、そんな軍勢を指揮しているのがティアゲヘナなる魔法少女だと言うことぐらいだろうが、その衣装もなかなか地獄染みてて最早救いがない。
「さあ行け兵士共ッ! 戦え……敵を討てッ!!」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃこっち来んなぁァァァァッ!?!?」
 戦乱の慟哭と恐怖の叫びが響き渡り、悪魔兵士が悪戯妖精をボコる無慈悲な時間が始まった。
 辺りがすっかり青白い炎まみれになり、もう地獄の片隅かなにかといった光景が展開される中……もうやだ逃げようってなったグレムリン達。

「なんか災魔が渋滞していてパーティー会場に入れないんですけど」
『ここ裏口では……ん、ここホントに裏口か? 魔界ではなく?』

 その退路で立ち塞がるように現れたのは、桧王子様と火車お姫様であった。
 さっきまでなにもなかったはずの所にいきなり現れたもんだから、これには逃げたいグレムリン達はびっくり仰天である……なんせ5倍速だから。
「ななななんだよお前、そこどけって!」
「それこっちの台詞です、どいて下さいついでにお菓子下さいさもなくば吹き飛ばしますよ」
 そして災魔は知るよしもないが、桧が乗っていたそれはロケットランチャー『慈救砲』である……自走式だった愛用の兵器を担ぎ直して、
「え、ちょっと待って」
「砲撃 or トリート」
 あっさりと引き金は引かれて、渋滞してた災魔ご一行はどかーんと浄化されていった。

●パーティーの続きなのにゃ!
 さて、コラパン商店でのハロウィンパーティーはまだまだ続いている。
 コパンが裏口の先でうっかりトラブルに巻き込まれた以外は、至って平和な進行を保って大にぎわいだ。
「災魔からはお菓子貰えませんでしたけど、パーティー間に合って良かったですね」
『そうじゃなあ』
 会場にあるカボチャのお菓子や、バラのクッキーなどを頂いている桧……マイペースながらも結構なフレーバーを堪能しているようで、足取りも軽やかだ。
「いくつかお土産に頂けたらいいですね、あとあちらの蜘蛛や百足の飾りとかも」
『ここでも虫捕りするんかい』
 片付けついでとお礼の意味として、虫の飾りもいくつかお持ち帰りキープ出来た桧はここでも虫ガチ勢だった。

「えっと……皆さんお助けいただいてありがのなのにゃー」
 そしてコパンはぺこぺこと、助けてくれたアンナを始めとする猟兵達にお礼をしていた。
 おっかない形相から普段の無表情に戻ったアンナは、今もなおぷるぷるしてるコパンを撫でながら一緒にお菓子を食べている。
 バロンが配っていたバラのクッキーは、味はさるごとながら香りも程よく楽しめる代物だったと言う。
「ところで……プルティアって何なのにゃ? 魔王さんなのにゃ?」
「……実は私もよく分からないんだ……魔法少女らしいんだけどね……」
「魔法少女さんなのにゃー、魔法少女さんは悪魔さんとも仲良しで羨ましいのにゃー」
 へぇ、これ“仲良し”に見えるってか猫の坊主。
 ……と、頭領マラコーダが言いたげにコパンを見ていたが、魔法少女にギロリと睨まれてはさっと目線を逸らしていた。

 こうして人知れずにハロウィンパーティーを守りきった猟兵達。
 今もなお賑わう祭りの一時を楽しんだ後……グリモアベースに帰還した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月28日


挿絵イラスト