メルティー・パンプキンの誘惑
●真夜中に水飴南瓜をつついたのはだあれ?
甘い蜜に蕩けてしまえ――。ハロウィンの季節になると実るその南瓜はアリスラビリンスの中の国の一つ、キャンディの国の名産品だった。体が枝葉で南瓜頭の愉快な仲間たちはハロウィンに備えて繁忙期の真っ最中。ぱたぱたと葉の手を動かし、枝を伸ばして抱えて工場へと運んでいく。
「生産を急げ!」
「収穫を急げ!」
「けして落とすな!」
「中身が出ても啜るな! 畑の養分となってまた生まれてくるから……だから啜るな!」
リーダー南瓜頭の指示に従って今日も繁忙期の真っ最中。その甘い誘惑にも負けずに……? 今日も頑張っておりました。
「よーし今日の出荷は此処まで!」
「お疲れ様でした!」
「南瓜の案山子の準備をして今日は帰っていいぞー」
「はーい」
お疲れ様でしたーと声を掛けていく南瓜頭たちは畑に案山子を刺して帰って行く。項垂れる南瓜頭案山子の夜勤の番。
――しかし、そんな夜勤の南瓜頭の案山子も気にせず。その甘い匂いに誘われる不届き物はいるわけで。
ちゅんちゅん。ちゅん。ちゅちゅん、……ガツン。
つばくらさまたちです。
丸みを帯びた嘴なれど、鳥の嘴は硬いのだ。南瓜の固い皮なんてガツガツガツン。穴を開けるためにキツツキの様に一点集中、ガツガツガツン。目掛けて突いてしまえば、ほうら中身が出てきた。
それは甘い誘惑。液状の水飴を目の当たりにして逃さないわけがなかろう。ちゅうちゅうと吸う姿はハチドリの様に。
仮装をした案山子なんて怖くない! なんてたってこの冬毛に生え変わったもふもふふわふわボディがあるのだから! 案山子なんて……いや目を合わせるとちょっと怖いかも。でもへっちゃらさ!
お腹いっぱい食べていったら。さあて帰ろう僕らのお家に、僕らの寝床に。なあにちょっとの食べ零しならぬ南瓜の器の食べ残しはご愛嬌。
目覚めのアラームは南瓜頭の悲鳴で夜明けが来た事を遠くで知るのです。
●グリモアベースにて
「水飴南瓜ってお目に掛かったことありますか?」
自分の頭と同じかそれよりも少し大きいぐらいの南瓜を両腕に抱えた琴平・琴子(まえむきのあし・f27172)は真面目な顔をしてそれを軽く傾ける。それは何も変哲のない南瓜で、何の反応も無かった。
「アリスラビリンス、キャンディの国の名産品なのですけども……南瓜の中には実ではなく、液状の蜜が入っているそうなんです。中身は蓋を開けてみて、かき混ぜて見ないと分からないのですけども、様々な色や味があったり、中には混ぜれば色や味が変わったりするみたいで」
一体どうなっているのでしょうと呟いて、抱えていた南瓜を叩けど軽い音が鳴るだけで何も反応は無い。
「水飴南瓜の畑の近くで工場があるのですけども、その中でご試食をしたり、水飴を練って作ったりができるそうですよ。トッピングもご用意してるらしく、オリジナルの水飴が作れるのではないでしょうか。大人の方はアルコール入りのができたりしますが……未成年の方はできませんよ」
当たり前ですけれど、という琴子の眼差しは目を細めて真剣なもので。ああそうだ、と軽く伏せていた目を開いた琴子は抱えていた南瓜を足元に置き、拳を口元に置いてこほんと咳払いをひとつ払いその声を響かせた。
「甘い蜜は何もかも夢中になってしまう程に甘く、蕩けてしまうものだとか。もし、もしもですよ? お隣にいる方よりも夢中になってしまわぬようお気をつけて」
琴子の掌の上、新緑の木の葉がくるりと回って猟兵たちを導いていく。
さけもり
OPをご覧下さって有難うございます。
さけもりです。
プレイングの受付日時はMSページ・タグ及びTwitterをご確認下さい。
●1章
水飴南瓜を練ったりして色が変わったり、トッピングを入れて味変や色変したりするのを楽しんでみましょう。その場で食べても食べずにお持ち帰りしても大丈夫です。
水飴南瓜の器のフタは工場で切り込みが入れてあるので簡単に開きます。
南瓜の器の中でぐるぐる回すと色が変わったりします。お一人でも誰かと回すのでも大丈夫です。
水飴南瓜の初期状態は大体透明です。ご指定有る場合のみプレイングに記載をお願いします。
変化のお任せ承っております。プレイングの文字数節約に下記の記号をご利用下さいませ。
お任せマーク→「🎃」
●2章
つばくらさまとの戦いになります。断章を追加予定しております。
戦いの際、意志を持った衣装が飛んで来て猟兵たちをパワーアップしてくれます。
但し、飛んで来る衣装はランダムですのでひょっとしたらご本人様が望まない衣装が飛んで来る場合がございます。
これじゃないと絶対に嫌だ! こういうのがいい!みたいなのがありましたらプレイングにてご指定をお願いします。但し版権ものは申し訳ございませんが承っておりません。
一章のみの参加もお待ちしております。
皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『ハロウィン・マーチ』
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POW : 全力でパフォーマンスをする
SPD : 可愛くオシャレな仮装をみんなに見せる
WIZ : 怪しい妖しいお話を始めよう
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●硝子越しの水飴南瓜生産工場内
いっちに。いっちに。
今日も南瓜頭の愉快な仲間たちは働きます。キャンディの国のため。自分達のため。家族の為。お賃金のため。
せっせと運びます。せっせと包装します。せっせと出荷します。
軽い工場見学を潜り抜けた先に、待っていたのは飴南瓜が鎮座している大きなテーブル。大きさは人間の頭より一回り大きいぐらいだろうか。
各々席に着いた事を確認した南瓜頭の愉快な仲間のリーダーはマイク越しに喋り出した。
「お集まりの皆さんようこそキャンディの国へ! ココでは水飴南瓜を練ったり、食べたりできます! 味や色は開けてのお楽しみ! 混ぜても色や味が変わったりしますよ! トッピングも各種ご用意しておりますので各自お好みなのを使って下さい!」
但し! 強くびしいと枝の指を強く押し出してリーダーは念押しする。
「食べ物を無駄にしてはいけませんよう……落としたりでもしたら奴らが匂いを嗅ぎつけてきてしまいますからねえ」
食べ物を無駄にするのはご法度。気を付けてくださいねえと言葉と共に、手元に置いてあった水飴南瓜の蓋をぱかり、甘い匂いが辺りに漂う。
「このように、水飴南瓜はとても甘い匂いを発します。偶にいるんですよねえ、それに蕩けてしまいそうな方が」
敢えて蕩けてしまう……そういうのもありかもしれませんが、という小さな呟きは僅かにマイクに通ってしまった。ハッとしたリーダーは気にしないで下さいねえとにこにこと笑うだけ。
「お一人で練り練りしても、お二人で練り練りしても大丈夫ですよ~。お二人で練り練りするとお手々がぶつかって……おっとこれ以上は言えません」
ふふふり笑うリーダーの声はマイクを通さずに呟かれた。
水飴南瓜よりも甘くなってしまうかもしれませんねえ?
練れば練る程甘い飴。どうやって作ろう?
夜鳥・藍
🎃
飴づくりというより水飴作りなのかしら?
そっと南瓜のふたを開けて覗き込んでみるけどやっぱり透明なのね。
練り始めるけどどんな色や味に変わるのかしら?
キャンディにできるのかしら?あと持ち帰れるのかな?
美味しくできたら水飴状態でも小分けにして家に置いておきたいわね。だって下手に大きな瓶に入れて置いたら、いつの間にか一人で食べつくしてなくなってそうだもの。
好奇心でかき混ぜながらそれでも心を律して。甘さには決して蕩けないように。
自分が蕩けてしまったら甘さを感じる事なんてできなくなるような気がするし。
それに……人生は甘いだけじゃないから。
●メルティー・ボトル
「飴づくりというより水飴作りなのかしら?」
「それはできてからのお楽しみですねえ」
南瓜頭の愉快な仲間のリーダーは笑うだけで夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)の問いには内緒ですようと答えはしなかった。
そうっと南瓜頭の蓋を取り、中身は透明な水飴がたっぷりと入っていた。
「どんな色や味に変わるのかしら?」
銀のスプーンをそうっと入れて、ねり、ねり。心で律しながらも好奇心で瞳は輝く。鼻腔を掠める甘さは確かに甘い。けれど残り香は不思議と甘ったるくなく、爽やかでミントの様な爽やかさも感じる。
練り始めたその水飴は練り込む度に艶が増し、藍の視界の端に小さな星がぱちりと瞬く。その輝きは銀色の箔が小さな星を模っていた。
「これ、キャンディにできますか?」
「ウーン、工場ではキャンディを作ってないんですけど、ご自身で冷やして固めればキャンディにできますよ!」
「それなら……持ち帰っても?」
「勿論! 南瓜ごとお持ち帰りして頂いても大丈夫ですよ!」
でもお一人だと南瓜は重たいかな? 透明な瓶を大、中、小。サイズの違うものが藍の前に運ばれてくる。
「それなら……」
小さな小瓶をいくつか手に取り、水飴を流し込んでいく。とろとろとろり。大きな瓶に入れなくてもいいのですか? そう尋ねられた藍はええ、と頷いた。
「だって大きな瓶に入れて置いたら、いつの間にか一人で食べつくしてなくなってそうだもの」
「それは確かに」
一理あると南瓜頭も頷いて揺れる。透明な水飴の中に瞬く銀箔の星のボトルが数本。丸みを帯びたクリアボディーのために空に翳せば様々な場所で星が瞬くだろう。蕩けそうになる程甘いものも、魅力ではあるけれど。自分が蕩けてしまったら甘さを感じる事なんてできなくなるような気がする。
「ああそうだ、しょっぱさがあると甘さって引き立ちますよねぇ」
人生は甘いだけではない。時に苦いし、塩辛いし、美味しくない時だってある。
「それはとても美味しそうですね」
そういうスパイスがあるからこそ、甘く蕩ける。
大成功
🔵🔵🔵
終夜・嵐吾
【雅嵐】🎃
水飴南瓜をねりねり!
不思議な南瓜じゃね
せーちゃんひとりいっこでするかの?それとも二人でねりねりするか?
うむ、ではふたりで……いや、ふたりですると激甘になるのでは?ならん?
わしは普通甘でよい…普通甘でたのむ(水飴南瓜においのり)
さてぱかっとふたを開けてみれば透明
これが変わるとは不思議じゃな~何色になるんじゃろ~
こういうねりねり作業は好きじゃ(尻尾ゆらしながらせっせとねりねり
トッピングなどもあるんじゃな…せーちゃんは何いれる?
わしは酒をいれたい!甘すぎないやつじゃ!
!? どばっとはいったが大丈夫かの…
えっ、酔わんじゃろ…飴じゃし(ねりねり
そろそろできてきたかの?
では、味見といこう!
筧・清史郎
【雅嵐】🎃
俺は甘いものが好きだ
とても大好きだ(大事なことなので2回
蕩ける様に甘い水飴南瓜か、楽しみだ
折角なので、二人で共同作業といこう(きり
好みの甘さになるようにわくわく期待しつつ(半端ない超甘党)
二人でねりねりしよう
俺達ふたりでねりねりしたら、何色になるのだろうか
ねりねりしているらんらんのもふもふ尻尾も、楽し気に揺れているな
もふもふ大好き故に友の尻尾をガン見するのも忘れない
酒か、それは良い
…おっと、手が滑って大量に入ってしまったが
まぁ問題ないだろう(微笑み
らんらんがべろべろに酔っても、俺がいつも通り介抱すればいいだけだ(楽しくねりねり~
ふふ、とても甘くて美味しそうな水飴になったな、らんらん
●メルティー・メルト
南瓜の中に水飴が詰まっている。――なんて言われたら甘い物が好き。とても大好きな筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)の笑顔も眩しくなる。
「蕩ける様に甘い水飴南瓜か、楽しみだ」
「不思議な南瓜じゃね」
これでねりねり! 手にした銀のスプーンを揺らして終夜・嵐吾(灰青・f05366)の尾も揺れた。
「せーちゃんひとりいっこでするかの? それとも二人でねりねりするか?」
どうする? と首を傾げるも二人の前には南瓜が二個、どんと鎮座しているものの清史郎の目は一個で二つ分ありそうな水飴南瓜へと向かった。
「折角なので、二人で共同作業といこう」
「うむ、ではふたりで……いや、ふたりですると激甘になるのでは? ならん?」
南瓜頭の愉快なリーダーがそれでは南瓜を交換しますねー。ごろごろ台車を鳴らして二個の南瓜を回収し、二人の前にドン、と大きな南瓜を置いた。目の前の大きな南瓜に清史郎はほう、と微笑むが嵐吾は目を丸くした。
「いやこれは……この量は激甘になりそうじゃが……」
「ねりねりしてみないと分からないぞ?」
「そうじゃな……」
「二人でねりねりしよう」
確かに。練らないと分からないそれに怖じ気ていても致し方ない。だけれども。できたら。激甘を待ち構えている隣の清史郎のにこにことした笑顔を裏切る形になってしまうかもしれないけれど。それでも。
「わしは普通甘でよい……普通甘でたのむ……」
水飴南瓜様、お願いじゃ……。そう思わずにはいられない嵐吾だった。
ぱかり、と二人で蓋を開けてみれば透明の水飴がたっぷりと入っているだけ。何も入っていないただの水飴に見えた。
「これが変わるとは不思議じゃな~何色になるんじゃろ~」
「俺たちふたりでねりねりしたら、何色になるのだろうか」
スプーンをそれぞれ入れて、ねりねり。ねりねり。練れば練る程艶が増して、透明な水飴も薄ら青色に染まっていく。
「こういうねりねり作業は好きじゃ」
せっせとねりねりしながら嵐吾の尻尾も楽しげに揺れているのを清史郎は見逃さない。
「ああそうだな」
「何がじゃ?」
「いや俺も楽しいなって」
そうじゃろそうじゃろ、友とすれば楽しいと二人はねりねりする手を止めた。水飴がピンクと紫のビビッドなマーブルカラーになったところ。
「せーちゃんは何いれる?」
ずらりならんだトッピングの方へと顔を向ける。この水飴、見た目は甘そうではあるものの香りはほぼない。嵐吾はアマレットの酒瓶を掴み、清史郎へと見せる。
「わしはこれ! これならきっとそこまで甘くないじゃろうし、香りづけにいいと思うんじゃ」
「酒か、それは良い」
俺が入れてやろうと嵐吾から酒瓶を受け取り、蓋を開けて流し入れ――どころかかなりの量の酒がどばり、どばりと入っていく。
「!? どばっといったが大丈夫かの……」
「……おっと、手が滑って大量に入ってしまったがまぁ問題ないだろう」
冷や汗を流す嵐吾に対し、清史郎は涼しげな微笑みを携えてスプーンでねりねりし始める。
「らんらんがべろべろに酔っても、俺がいつも通り介抱すればいいだけだ」
それはいつもの事だし、慣れっこだと清史郎も表情は崩さずぐるぐる、ねりねり。
「えっ、酔わんじゃろ……飴じゃし」
「本当だな~?」
――南瓜頭の愉快なリーダーは言おうか言わまいか迷っていた。この水飴、非加熱。つまり、お酒を入れてもアルコール成分は飛ばないのである……! まあアルコールよりは甘さが勝るでしょうと聞かなかった事にした。
ねりねり。ねりねり。スプーンが重たくなったところで仕上がったのはアーモンドの香りが漂うピンクと紫のビビッドカラーの水飴。
「そろそろできたかの?」
「ふふ、とても甘くて美味しそうな水飴になったな、らんらん」
「では、味見といこう!」
かき混ぜていたスプーンはテーブルに置いて。試食用のスプーンへと切り替えてぱくりお口に含めば。
ミルクの様な柔らかな甘さ。そして奥の方に砂糖の塊のような甘さが襲い掛かってくるものの、それをアーモンドの苦いが掻き消していって不思議な味が口の中に広がって行く。
「食べれる甘さじゃ!」
「らんらん、結構酒入れたけど大丈夫か?」
「だーいじょうぶじゃってえ!」
顔が真っ赤だけれども大丈夫じゃなさそうだな。今日も介抱コースだなと清史郎は甘い水飴に舌鼓をうちながら隣の嵐吾の楽しそうな横顔を見つめていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
クロム・エルフェルト
【🦊🐰】
🎃
ん、南瓜は確かに甘くて美味しいものだけれど
……水飴? 南瓜の、中身が?(宇宙狐の顔)
澪くんちゃんの様子を見よう見まねで、混ぜ混ぜ
――!! い、色が、変わった……?(狐に化かされた顔)
お酒を混ぜても良しと聞いたけど
大人しか楽しめなくなっちゃうから、甘酒を入れてみる
飾り付けは、この色鮮やかな粒々(カラースプレーチョコ)を散らして
サクサクの棒(ワッフルスティック)を幾つか刺して
木苺なんかも控えめに添えれば
澪くんちゃんの声に振り返った瞬間
可愛い盛り付けを見て敗北を悟る
女子力勝負、どう頑張っても勝てる気がしない
お互いの力作を半分ずつ交換
果物と水飴の甘さが溶け合って、凄く美味しいね……!
栗花落・澪
【🦊🐰】🎃
南瓜の中に水飴なんて面白いね
クロムさんとは別々に制作
水飴南瓜の中を混ぜ混ぜ
僕のは何色になるかなー
※牛乳系の風味だけ不得意
トッピングは無難だけどフルーツを
どうせなら見栄えも意識したいよね
普段から【料理】するから見た目や味のバランスも考え
愛情込めてデコレーション
※特技フルーツアート
完成したらクロムさんの方をチラリ見て
クロムさんは何か入れてみたりした?
へぇ、甘酒かぁ…それも面白いね
どんな味になるんだろ、ちょっと興味あるかも
お互い完成したら試食会
自分で食べるのもいいけど、半分ずつ交換してみたいな
クロムさんの、とっても優しい味で美味しいよ
きっとクロムさんの気持ちがこもってるからだね(微笑
●メルティー・カラーズ
「ん、南瓜は確かに甘くて美味しいものだけれど……水飴? 南瓜の、中身が?」
「南瓜の中に水飴なんて面白いね」
南瓜の蓋をぱかりと開けて、その中に詰まった透明な水飴に妖狐であるクロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)の瞳は見開かれて背景に宇宙を背負う。――いやだって、南瓜と言ったら種と橙色の果肉が詰まっているものではないか。
そんなクロムの隣で栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はアリスラビリンスだもの、そういう事もあるって気にせず自分の前にある南瓜の蓋を開けて銀のスプーンを入れて混ぜはじめる。
「僕のは何色になるかなー」
「なるほどそういう風に……」
戸惑いながらもクロムも澪と南瓜を交互に見ながら自分の前に置かれた南瓜の中の水飴を混ぜはじめた。まぜまぜ、まぜまぜ。かき混ぜていくうちに2個の南瓜は色が変わり始めていく。澪の南瓜は透明な水飴から薄らと茶色に色づき、琥珀色へと変わっていった。一方、クロムの方も透明な山吹色にゆっくりと変わっていく。
「――!! い、色が、変わった……?」
「あはは、クロムさんったら面白い顔してる」
妖狐であるのに狐に化かされた様な、そんな感じのクロムの表情に澪は隣でくすくすと笑う。
「トッピングとかどうする? 僕はね、無難だけどこれにしようかなって」
「フルーツ?」
「どうせなら見栄えも意識したいし」
そう言いながら澪は手にしたナイフでライムは串切りにし、りんごはウサギに、いちごを薔薇の花の形にしていく。普段から料理をしているから手馴れている澪の手つきにクロムはほう、と感嘆の声を漏らす。ライムとりんごを器の淵に飾り、小ぶりないちごを集めてブーケの様にすれば――。
「ハロウィンフルーツのできあがり!」
隣にいる彼女はどうかな、とちらり横目でクロムを見ればまだ迷っているようだった。
「迷うな……」
お酒を混ぜても良しと聞いたけれど、大人しか楽しめなくなってしまうし何より隣にいる澪が食べられなくなってしまう――それならば、と手にした酒瓶は甘酒で。飾り付けはカラースプレーチョコを散らして、ワッフルスティックを幾つか突き刺して。木苺をそうっと添えたのならば。
「ううん、難しいな」
「クロムさんは何か入れてみたりした?」
澪の声の方を向ければ自分よりも華やかで見た目や味のバランスが考えられた可愛らしい飾り。そして自分の質素な飾りの違いっぷりに愕然とする。女子力勝負、どう頑張っても勝てる気がしない……!
「甘酒をいれてみたよ。この色鮮やかな粒々を散らしてみたり、サクサクの棒を刺してみたりもしたが……なかなか」
「へぇ、甘酒かぁ……それも面白いね。どんな味になるんだろ、ちょっと興味あるかも」
「ん、じゃあ交換してみる?」
恐れ多い様な気もするけれど、しかし自分だって澪が作ってみた物を食べてみたい。
「良いよ!」
自分で食べるのもいいけれど、半分ずつ交換しよう。そう快く了承してくれた澪はクロムのために半分ほどの量を改めてデコレーションしていく。愛情を込めたものを小さな南瓜のお皿に果物を乗せて、水飴をシロップやソース代わりにして飾り立ててクロムに差し出す。
クロムもまた小さな南瓜のお皿の上に甘酒を混ぜてカラフルなチョコで彩った水飴を乗せ、ワッフルスティックも添えて澪に差し出した。
お互いの水飴を交換し合って、試食用のスプーンとフォークでそれぞれ口にすれば――口に広がるのは甘い時間。
「果物と水飴の甘さが溶け合って、凄く美味しいね……! 水飴が蜂蜜みたいな甘さになってて、合ってる……!」
「クロムさんの、とっても優しい味で美味しいよ。甘酒ってものによっては癖があるけど、水飴とチョコの甘さが一緒に溶けあって、優しい甘さになってるよ。きっとクロムさんの気持ちがこもってるからだね」
舌鼓を打ちながら澪が微笑めばクロムはそうかな、と困った様に笑って、フォークを進めた。彩り豊かな一時は、目も口も、楽しいものに。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
🎃
南瓜の形の容器に入れてるわけじゃなく、元々そういうものなのか
流石はアリスラビリンスと言うべきか
ともあれ試してみないと始まらない、と練っていく
軽く練って一口。なるほど、こいつは甘い
そういえば、水飴を毒と偽って独り占めするなんて物語があったっけ
まあ、この甘さなら無理もないかもしれない……等と考えながら更に練る
色が変わってきたところでもう一口
おや、微かに苦味がするような……だが、それが逆に甘さを引き立てる感じもある
甘味に限った話じゃないが、ずっと同じ味だと分からなくなってくる。時には違う味も必要って訳だ
ちなみにトッピングは何がオススメなんだ?
まだ量も結構あるし、もっと味を変えつつ挑むとしよう
●メルティー・チャレンジ
「元々そういうものなのか」
工場の見学を終えて気づいた事がある。南瓜の形の容器に水飴を入れているわけではなく、畑から収穫したものを加工しているだけであの水飴の中身は南瓜の中で生成されているのかと夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は感心した。
「流石はアリスラビリンスと言うべきか」
不思議な世界でできた不思議なもの。目の前に鎮座している南瓜の蓋をぱかりと開けて、銀の匙を入れてぐるり練ってみる。少し重たいものの、日々鍛錬を行っている鏡介にとっては苦でも無い。
「ともあれ試してみないと始まらないな」
確か水飴って練れば練る程、艶が出るものだろう? 練り、練り。軽く混ぜて、まだ透明な色味に近い水飴を一口含んだ。
「なるほど、こいつは甘い。そういえば、水飴を毒と偽って独り占めする物語があったっけ」
これだけ甘ければ無理もないかもしれないな……。特別甘い物が得意というわけではないが、この甘さなら独り占めしたくなる気持ちも分からなくもないなと鏡介は笑いながら水飴を再び練り始めた。
ぐるりぐるりと淵をなぞる様に練り始めた水飴は徐々に重たさを増して、緑色に変わっていく。色が変わった事に気付いて一口掬って口元へと流し込んだら。口の中には抹茶の味が広がって行った。
「おや、微かに苦みがするような……」
しかしそれが逆に甘さを引き立てる感じもある。確か甘味に塩味やら香辛料やらを入れたりすると甘さが引き立つ、なんていう話も聞いた事がある。甘味に限った話ではないがずっと同じ味だと分からなくなってくるし――。
「時には違う味も必要ってわけだな」
うん、と頷けば練り上げた水飴は抹茶の緑になっていて。これに合うものと言えば、そうトッピングの並んだ台車を見るも量が多過ぎて何を選べばいいのか分からない。南瓜頭の愉快なリーダーに話し掛ければ何でしょう、と鏡介の方へと立ち寄ってくれた。
「水飴がこうなったんだがトッピングは何がオススメなんだ?」
「そうですねえ……香りからして抹茶、でしょうか。あずきなんていかがでしょう? こしあん、つぶあん。どちらもご用意できておりますよ。バターなんて入れても美味しいかもしれませんねえ」
「それはいいな。まだ量も結構あるし……」
もっと味を変えて、挑むとしよう。腕まくりをし直して、鏡介の甘い挑戦は続いて行く。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『つばくらさま』
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POW : するどいつばさ
【翼】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : スワローテイル
【尾羽】が命中した対象を切断する。
WIZ : きりっ
【きりりとした瞳】を向けた対象に、【翼】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●そこのけそこのけ、つばくらさまが通るぞ
「ちゅちゅん。ちゅん?」
「ちゅん! ちゅん……?」
「ちゅん!」
つばくらさまの襟元には青い蝶ネクタイ。冬毛になったボディーに紐が食い込んでいるような気がしますがこれでいいのか? 気になるところですが、他のつばくらさまが翼の先っちょで微調整します。冬毛の中に紐が隠れて丁度良くなりました。グッド! と親指ならぬ親翼を立てて準備は万端!
「ちゅんちゅん、ちゅん」
「ちゅちゅん! ちゅ……」
女の子のつばくらさまはヘッドドレスに付け襟、袖無しワンピースで着飾れば立派なレディーのできあがり。他の女の子のつばくらさまは素敵! と溜め息をついてあれも良かったかしらと言っているような気がします。
「ちゅちゅん、ちゅん」
けれども貴女のも素敵よとお互いに励まし合います。大丈夫です、どちらもよくお似合いです。
ふるふる体を震わせ、中途半端な抜け毛は抜いて、身嗜みを整えて。
こんなにも張り切る理由は? なんてったって今日は水飴南瓜のビュッフェと聞いたのですから張り切らなくては! つばくらさまの瞳もキラキラ輝いて、今日はたらふく食べる準備です。
今日も警備の南瓜頭の案山子たちを潜り抜ければ……。おや、何か透明な赤い線に引っ掛かってしまったみたいです。
工場内。赤いセンサーランプがぐるぐると回って、ビーッビーッと危険信号の音が鳴り響く。
監視カメラで異常があったところを映し出せば何度対策に追われ、何度涙を流したことか。奴らの姿――つばくらさまたちの姿に慄いた。
「リーダー! 奴らです! 奴らが来ました!」
バン! 大きな音を立てて白衣を着た南瓜頭の愉快な仲間が飛び入ってきた。
「何だと! 案山子も駄目か!」
「素通りでした! むしろ南瓜を食べてます!」
「何だと……」
「仲間たちの南瓜頭にも襲い掛かってきて……もう駄目かもしれないです」
ウッと涙ぐむ南瓜頭は蔦葉の腕で顔を覆うもののその涙は零れ落ちようとしていたところ。
ふわり、揺蕩う布――否、衣装の袖が零れ落ちそうな涙を拭っていた。ふわり揺れて動く衣装は何かの意志を持っているようで猟兵たちの方へと向かって行く。
「聞いた事があります……アリスラビリンスには、意志を持った服があると……それを着た人は、とても強くなれると!」
「なるほど! じゃあ俺たちが着れば……!」
「ギャーッ!」
「チュチュチュン!」
「チューン!」
会場内に涙目で飛び込んできたのは恐らく、その意志を持った服を着たであろう南瓜頭の愉快な仲間と――つばくらさまたち。南瓜頭を狙って、突いていた。
「――一斉、退避!」
南瓜頭の愉快なリーダーの掛け声一つが会場内に響き渡って、用意していた南瓜も、テーブルも急いで端に寄せられ、その下に彼らは隠れる。広くなった会場には猟兵と各々が作った水飴南瓜が取り残された。
「チュン……チュン……」
「チュチュ……」
着飾ったつばくらさま達の顔は南瓜を狙って涎を垂らして猟兵たちにその南瓜を、水飴を寄越せと襲い掛かって来た。
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<補足情報>
・南瓜頭の愉快な仲間たちはテーブル下に隠れています
敵は猟兵たちの持っている水飴南瓜の方に夢中なので襲われません
・意志を持った衣服が飛んできます
それを着ると猟兵たちがパワーアップ、プレイングボーナスが付きます
・衣服については「お任せ(異性装、過度な露出、過激なものは含みません)」の場合には下記のマークを記載してください
「👕」←お任せマーク
尚、異性装が良い場合には「異👕」と記載して下さい。性別の判断はステータスシートにて判断致します。
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夜鳥・藍
👕
意思を持つ……?(一反木綿の様な生地かしら?)
そういうものがアリスラビリンスにあるんですね。
とにかく愉快な仲間の皆さんにあの……羽毛団子が向かわないのは幸いですね。
せっかく頑張って作った水飴南瓜、横からかっさらっていくのではただの泥棒と同じです。
瓶詰した水飴をテーブル下に隠して、飛んできた衣装をまとってもふ団子を撃退しましょう。過度に派手でなければ、動きにくければ問題ありませんが。
神器鳴神を複製しUC雷鳴で攻撃します。場所が場所ですので召喚系はやめておきたいですし……正直申しますとここで戦うのも避けたい所ですが。
尾羽で相殺されても数で押し切ってしまいましょう。
●余はもふもふであるぞ
意志を持つ布と言えば夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)の中では一反木綿がふと浮かんだ。あれは確か妖怪だし、人を襲うとは言うけれど……。このアリスラビリンスにあるものは襲わずにいるという。
「そういうものがアリスラビリンスにあるんですね」
「そうなんです! なんてったって不思議の国ですからね!」
テーブルの下から声を出す南瓜頭の愉快な仲間の一人はつばくらさまの姿を見てひゃあと悲鳴を上げて机とテーブルクロスの下にその頭を隠した。それもあってか、つばくらさまたちは狙いを藍と瓶詰めの水飴に定める。
南瓜頭の愉快な仲間たちにつばくらさまが向かわないのは幸い。けれども、狙いは此方に向かっている。その姿をよく見れば……丸い団子に見える。冬毛でふっくら。もっふりとしたボディーはもふもふとしていて魅力的ではあるし、つばくらさまたちも「どうした? 余はもふもふであるぞ?」そう言わんばかりに胸毛をビルドアップさせる。う、と藍は言葉を詰まらせるけれども折角頑張って作った水飴南瓜を横から掻っ攫っていく泥棒団子なのだ。
「それでも、容赦はしません。これ、預かってて下さい」
机の下に隠れた南瓜頭の愉快な仲間に瓶詰め水飴を預けて、藍の元へふより飛んできたのはぴょこんと生えた兎耳に似たリボンカチューシャに半袖パフスリーブの膝丈ワンピース。その下には履かれるドロワーズも縞模様タイツも黒のストラップシューズも駆けつけて藍の衣服へと変わっていく。
「わ。これなら動きやすくて良いかも」
「ピッ! チーィチチ!」
「チィーチチ!」
変身したからなんだって言うんだ! そうだそうだ! 尾羽でも喰らえ! つばくらさま達が藍に手を振り翳そうとすると、彼女の手にした鳴神はその尾羽を弾いて行く。
「ピ!?」
「できたらこんな所で戦うのも避けたい所ですが、仕方がありません。襲ってきたあなた方が悪いのですから」
つばくらさまの尾羽に狙いを定め、複製された鳴神はその羽を壁に突き刺して射止めていった。
尾羽は一匹につき二枚。けれど藍の鳴神は刃は一つなれど、柄の左右にある爪を含めれば三つ。
「数で、押しきります」
ぴょこん、と跳ねるカチューシャのリボンはつばくらさま達には獲物を追い掛ける兎に見えたのだとか。
「逃がしません」
二兎を追う者は一兎も得ずとは言うものの、数羽追う者は数羽撃ち落としていく。
大成功
🔵🔵🔵
筧・清史郎
【雅嵐】👕
ああ、美味だな、らんらん(酒超強い
ふにゃふにゃ愉快になっているな、と微笑みつつ
あーんとされれば、喜んで頂こう
ふふ、流石はらんらんの力作、とても美味だ(おだてておく
つばくらさま、愛らしい上に洒落ているな
負けじと俺達も着飾ろうか(纏って雅な笑顔
らんらんもよく似合っていて可愛いぞ(おだてておく
つばくらさまにも分けてあげたいところだが
俺達の力作なのでな
きりっとされても、奪われるわけにはいかない
水飴奪う敵達へ容赦なく数多の桜花弁の刃を
らんらん、取り返したぞ
先程の礼だ、あーんしてやろう
にこにこ、大量の水飴を友の口へ
ああ、きっと美味だからだ(微笑み
酔っ払いを介抱するのは慣れているからな(にこにこ
終夜・嵐吾
【雅嵐】異👕
みずあめおいしの~、ふふ~(よっぱらい)
せぇちゃ、あ~ん!おいしいじゃろ~わしのりきさくじゃ~!(よっぱらい)
つばくらさまも~たべるかの~?
んあっ、おしゃれさんなつばくらさまじゃな
わしらもおしゃれせんと!
お、洋服の方からこっちにきたんじゃよ
わしらもお洒落するぞい!
つばくらさまもいっしょにみずあめたべ…
はっ、涎だらだら…まざってしまうのはいかん!
ふぁ~すごいいきおいでこっちに!
わ、わしのみずあめ!!
せーちゃ、わしのみずあめがっ!!
おいしくいただいておったのに~
おしおきのきつねびじゃ!
おお、くれるんか?たべるたべる!
んぁ~なんかふらふらするんじゃけど~みずあめがおいしすぎるせいかの!
●ほろ酔いですか? いいえがち酔いです
「みずあめおいしの~、ふふ~」
「ああ、美味だな、らんらん」
お顔はにこにこ。足元はふわふわ。終夜・嵐吾(灰青・f05366)の顔は紅く、酒気を帯びて上機嫌だった。それを隣で見つめていた筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)の顔は全く変わらず。しかし酔った友の姿を見てふにゃふにゃ愉快になっている……と微笑んだ。
「せぇちゃ、あ~ん!」
ねりねり。ねりねり。木の棒で練りに練った水飴南瓜を嵐吾は清史郎の口へと差し出す。それを喜んで清史郎は口を開いて受け止めた。ぱくり、と口に含んだ水飴は清史郎好みのとても甘いもの。
「おいしいじゃろ~わしのりきさくじゃ~!」
「ふふ、流石はらんらんの力作、とても美味だ」
きっとこれを嵐吾が口にしたら喉が焼ける甘さだなんだの言いそうではあるが今回はお酒の力でそれさえも気にしないのだろうか。酔うって恐ろしいと思うものの、面白いから良いかと隣にいる友の姿を見て思う清史郎だった。
「チュッ……」
「チュチュ……」
何やら良い匂いはするけれど何かお口に含んではいけない様な危ないものなのでは? いやしかしとても甘い匂いがするから美味しいに違いないと遠くから見つめるつばくらさま達はテーブルに足掛け、ジッと見つめている。それはおねだりなんていう可愛い物ではなく、狙いを定める様に。
「んあっ、おしゃれさんなつばくらさまじゃな」
「つばくらさま、愛らしい上に洒落ているな」
ふふん。そうでしょう、とつばくらさまたちが胸を張れば胸元を彩る蝶ネクタイ、ボンネットのリボンも誇らしげに高々と掲げられた。
――御洒落だって私達も! そう二人の前にふわり降りてきたのは二着の衣裳。
「お、洋服の方からこっちにきたんじゃよ。わしらもお洒落をするぞい!」
「ああ。俺達も着飾ろうか」
ばさり、嵐吾が身に纏うのは半袖パフスリーブの足首まであるドレスに二の腕まであるアーム・ロング手袋。胸元には半分にカットされた林檎のブローチつき。スノーホワイトこと、プリン
セス嵐吾は異性装である事を気にせずその衣裳を着た。
一方、清史郎が優雅な笑みで身に纏ったのは首元が詰まった黒の神父服。その上には帯の様に靡く青色のストラ。首から提げたロザリオはレプリカであるものの銀色に輝いていた。微笑み携えれば、心優しき神父の出来上がり。
「つばくらさまもいっしょにみずあめたべ……」
じいっと見つめていたつばくらさまたちの嘴からだらだらと流れる涎。きらり、瞳を輝かせて二人の元へと飛び出した。
「はっ、涎だらだら……まざってしまうのはいかん!」
「つばくらさまにも分けてあげたいところだが、俺達の力作なのでな」
数多の桜の花弁の刃がつばくらさまたちに襲い掛かり、その翼を切り裂いていく。何匹かは地面へと落ち、壁に叩きつけられるも残ったつばくらさまたちはきりり。何が何でもその水飴を寄越してもらうぞという強い意志の元、水飴南瓜を持っていた嵐吾の手を翼ではたき落とし、強奪しようとその翼で持ち帰ろうとした。
「あいたっ! わ、わしのみずあめ!! せーちゃ、わしのみずあめがっ!!」
「俺達の水飴が……!」
「おいしくいただいておったのに!」
だんだん、とスカートを手で抱えてその場で地団太を踏むものの、むうと頬を膨らませた嵐吾は掌で炎の球を作りだし、それをつばくらさま達へと投げていく。
「おしおきのきつねびじゃ!」
「ピピーッ!」
炎に驚いたつばくらさまたちは二人の水飴南瓜をそのまま落とし、地面に衝突する――筈だった。
「よ、っと。らんらん、取り返したぞ」
地面に落ちる手前。清史郎が水飴南瓜を腕に抱え、受け止めた。
「先程の礼だ、あーんしてやろう」
ねりねり。にこにこ。これを食べた友はどんな表情をするのだろうと清史郎の顔も綻んでいく。
「おお、くれるんか? たべるたべる!」
ぱくり。嵐吾の喉元を通り過ぎる水飴はとても甘い。甘い筈なのだけれども……。
「んぁ~なんかふらふらするんじゃけど~みずあめがおいしすぎるせいかの!」
「ああ、きっと美味だからだ」
激甘は嫌だと言っていたのに。お酒が入ればこの様にべろんべろんに酔ってしまってなんとも可愛らしいことか。酔っ払いを介抱するのは慣れているし、楽しいひと時を過ごせたのだからいいかなと清史郎の表情は終始にこやかであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
👕
実際に食べてみて分かったが、確かに美味い。食べたくなるのも分かる
分かるが、だからこそ襲撃を見過ごすわけにはいかない
働かざるもの食うべからず、なんてのが通じるとも思えないが、厄介なお客様にはお帰り願うとしようか
そして、意志を持つ服ときたか。使えるものは使わせてもらうとしよう。と着替える……男物だしな、ある程度は我慢するさ
さて、敵が南瓜を狙ってくるなら話が早いし、囮に使わせてもらうとしようか
片手で刀を持ち、もう一方の手で小脇に南瓜を抱えて動きつつ、ここぞのタイミングで南瓜を軽く空に投げる
南瓜を優先して狙う。なら、対処は容易い――伍の型【赤雷】
飛んできた奴らを貫いたら、即座に南瓜をキャッチしよう
●レッツゴーときめきのひとときへ
抹茶に餡子にバター。はいからな組み合わせの水飴も実際に食べてみて分かった事がある。これは確かに美味い。食べたくなる気持ちも分かる。分かるのだが、だからこそ襲撃を見逃すわけにはいかない。夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は腰に携えた刃を抜いた。
「働かざるもの食うべからず、なんてのが通じるとも思えないが、厄介なお客様にはお帰り願うとしようか」
お客様。その言葉に反応して鏡介の元に飛んで来たのは“私を着て"のタグ付きの赤いマント、ジャボ付きの白いブラウスに黒のベスト。これは――。
「吸血鬼、か。男物だしな、ある程度は……」
我慢できると思うものの、少しの気恥ずかしさが邪魔をする。普段身に着けている上着だって長いけれど鍛錬で慣れたものだ。今身に着けているマントはサテン生地で触り心地は滑らかだけれども軽くてどこか落ち着かない。試しにマントを翻せばレディーのつばくらさまたちはちゅん……とときめきながらもぶんぶんと首を横に振るって見惚れている場合ではない! と改めて気合いを入れ直す。狙うは、南瓜の水飴でスイーツビュッフェ!
「何やら視線を感じるが……俺の方か?」
いや、違うだろうと首を横に振るう。きっと小脇に抱えた水飴南瓜の方だろう。つばくらさまたちの熱い視線は、どちらにも注がれていた。
「南瓜には申し訳ないが、囮に使わせてもらうとしようか」
「チュチュン!」
「チューン!」
つばくらさま達はきりりとしたその視線を向けるも、その視線はひらりと舞うマントに遮られて届かない。
「ピエーッ!」
マント! 邪魔! もだもだとしている最中、ようやく抜け出せたつばくらさま達は一直線に連なる。その瞬間を鏡介は見逃さなかった。――彼らが南瓜を優先して狙う。ならば。
「南瓜は此処だ!」
小脇に抱えた南瓜を空中へと軽く放てば、つばくらさま達の視線は空中へと向かう。
「五の型――【赤雷】!」
その刃が一直線に並んだ鳥に向かい、稲妻が如く、走り、貫けば。地に落ちる鳥達の羽根が空に舞う。そして地に落ちる寸前の水飴南瓜は鏡介の手に因って受け止められた。●レッツゴーときめきのひとときへ
抹茶に餡子にバター。はいからな組み合わせの水飴も実際に食べてみて分かった事がある。これは確かに美味い。食べたくなる気持ちも分かる。分かるのだが、だからこそ襲撃を見逃すわけにはいかない。夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は腰に携えた刃を抜いた。
「働かざるもの食うべからず、なんてのが通じるとも思えないが、厄介なお客様にはお帰り願うとしようか」
お客様。その言葉に反応して鏡介の元に飛んで来たのは“私を着て"のタグ付きの赤いマント、ジャボ付きの白いブラウスに黒のベスト。これは――。
「吸血鬼、か。男物だしな、ある程度は……」
我慢できると思うものの、少しの気恥ずかしさが邪魔をする。普段身に着けている上着だって長いけれど鍛錬で慣れたものだ。今身に着けているマントはサテン生地で触り心地は滑らかだけれども軽くてどこか落ち着かない。試しにマントを翻せばレディーのつばくらさまたちはちゅん……とときめきながらもぶんぶんと首を横に振るって見惚れている場合ではない! と改めて気合いを入れ直す。狙うは、南瓜の水飴でスイーツビュッフェ!
「何やら視線を感じるが……俺の方か?」
いや、違うだろうと首を横に振るう。きっと小脇に抱えた水飴南瓜の方だろう。つばくらさまたちの熱い視線は、どちらにも注がれていた。
「南瓜には申し訳ないが、囮に使わせてもらうとしようか」
「チュチュン!」
「チューン!」
つばくらさま達はきりりとしたその視線を向けるも、その視線はひらりと舞うマントに遮られて届かない。
「ピエーッ!」
マント! 邪魔! もだもだとしている最中、ようやく抜け出せたつばくらさま達は一直線に連なる。その瞬間を鏡介は見逃さなかった。――彼らが南瓜を優先して狙う。ならば。
「南瓜は此処だ!」
小脇に抱えた南瓜を空中へと軽く放てば、つばくらさま達の視線は空中へと向かう。
「五の型――【赤雷】!」
その刃が一直線に並んだ鳥に向かい、稲妻が如く、走り、貫けば。地に落ちる鳥達の羽根が空に舞う。そして地に落ちる寸前の水飴南瓜は鏡介の手に因って受け止められた。
「よ……っと。ふう、食べ物を無駄にはしたくはないからな」
テーブル下から小さく湧き上がった拍手に、南瓜頭の愉快な仲間たちは「曲芸をする吸血鬼さんがいた」と喋っていたのだとか。
「よ……っと。ふう、食べ物を無駄にはしたくはないからな」
テーブル下から小さく湧き上がった拍手に、南瓜頭の愉快な仲間たちは「曲芸をする吸血鬼さんがいた」と喋っていたのだとか。
大成功
🔵🔵🔵
クロム・エルフェルト
【🦊🐰】
んっ、もがもご
"意思有る服"の面妖さに虚を突かれ
なされるがまま仮装させられる
漆黒の燕尾服に、ばさりと重厚な闇色の外套
此れは――吸血鬼。格好良いやつ(きらきらする)
麗しの澪くんちゃんの格好は……
お姫様……というより、花嫁さん?
とっても似合う。流石は美少女、だよ。
お婿さんが羨ましい。ね。
脂の乗ったトリ肉、実に善し
欲するならば、汝差し出すべし
此の美味な水飴の対価に何を出す?
水飴を囮にUCで迎撃、飛行の癖を盗み取る
――御覧に入れよう、"つばくら返し"
鍔鳴りに乗せた▲催眠術で空間認識を歪ませ目を回させて
▲早業の捕獲術でもふもふを鷲掴み
悪い吸血鬼から、素敵な淑女に贈り物。だよ。(差出す)
栗花落・澪
【🦊🐰】
服:前短後長なフィッシュテールウエディングドレス(紅地に黒、ブーケ付き)
強制着せ替えが落ち着いた頃
自分の衣装と持たされたブーケを見て
あらまぁ素敵なお花……ってちがーう!
性別逆では!?慣れたけど!
自分で歩くのは不得意なので
照れてドレスの裾抑えつつ【空中戦】
飴ならあげる
僕からのハロウィン祝いだよ
自前の★飴をつばくら様達にばら撒く
寄越せしなければ水飴もあげてもいいけどね
美味しいものは分けっこした方が楽しいし
ついでにもふらせていただけると嬉しいんですけども(本音
可愛い子には優しくしたいので
【オーラ防御】で身を護り
無邪気な素振りで戯れてあげつつ
【破魔】の光を乗せた【指定UC】で【浄化】攻撃
●キャンディもふもふパーティータイム!
――まあまあ可愛らしいお方がお二人! あんな方に着てもらえたらどんなに素敵なのでしょう! “私たちを着て! "
「わっ!」
「わあ!?」
クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の二人の元に飛び込んできた服は闇夜の色と夕暮れの色だった。
「んっ、もがもご……」
「えっ、えっちょっとー!?」
早く着てと囃し立てる衣装に袖を通されたクロムが身に纏ったのは闇夜を思わせる漆黒の燕尾服にばさりと銃口な闇色の外套。
「此れは――吸血鬼」
ぴょこん、とクロムの狐の耳も立って瞳が輝く。ばさり、外套を翻せば今にも蝙蝠が出てきたり、蝙蝠に変化して霧散できたりしてしまいそうな格好良さだもの。心はわくわくとしてしまう。
一方、澪の方を見れば。赤い薔薇で構成された花のブーケを手にしてわあ、と感嘆の声を漏らした。
「あらまぁ素敵なお花……ってちがーう!」
前は膝丈の長さで、後ろはふくらはぎまである魚の尾鰭を思わせる光を晒せば紅色に光る、黒の別珍ウェディングドレスに澪は叫ぶ。
「性別逆では!? 慣れたけど!」
「お姫様……というより、花嫁さん?」
「そ、そうだね……はあ、なんでこんな風になったんだか……」
「とっても似合う。流石は美少女、だよ」
「そう言われるのは嬉しいけど……」
褒められるのは嬉しいけれど、気恥ずかしさの方が勝ってしまう澪にふふ、とクロムは笑みを零す。
「お婿さんが羨ましい。ね」
澪の隣を歩くのは誰なのだろう。自分は知らないけれど、きっと彼を幸せにしてくれる人だったら良いなと思う。
「チュ……」
「チュチュ……」
たらあり。涎を垂らして狙うは二人の水飴南瓜。衣裳なんてこっちだって着飾っているし、こっちだって負けていないとつばくらさま達も尾羽を羽ばたかせて二人の元へと飛び出す。
「脂の乗ったトリ肉、実に善し」
けれどタダで頂くのは頂けない。欲するのであれば、その対価を差し出せとクロムは鞘から刀を抜いて刃をつばくらさまたちへと向けた。
「此の美味な水飴の対価に何を出す?」
「ピーィ!」
労働力。金銭。対価は様々であれどもそれを差し出す気は無いと代わりに差し出した尾羽をひらりクロムは水飴を囮に地に置き、高速で詰め寄り、三つの斬撃が彼らを撃ち落とす。他の彼らの動きも盗み見るも、南瓜に一直線。単純な動きであるならば――。
「――ご覧に入れよう、“つばくら返し"」
カチリ。鍔鳴りの音に空間認識を歪ませ、くらりとつばくらさま達の動きが地に落ち鈍る。
「ピ、ぴぃ……」
まずい。つばくらさまたちはこれは逃げなければと思うものの目が回って動かない。素早い動きでクロムがその冬毛で覆われたボディーをむんずと掴むとピ!? と短い悲鳴が聞こえた。あ、これもう食べられてしまうのではとクロムの掌の中でカタカタと震えていたつばくらさまの上から降り注ぐのは、飴の雨。
「飴ならあげる。僕からのハロウィン祝いだよ」
照れながらドレスの裾を抑えつつ、ふわり、浮かんでいる澪の手からころん、ころんと転がされる飴は丸く、小さいもの。つばくらさまの口でも食べられるものだった。カラフルな飴に瞳を輝かせるも、でも水飴……とその目は水飴から離れなかった。美味しいものは分けっこした方がいいし、寄越せと襲い掛かって来なければ水飴を上げてもいいけれど――。
「水飴をあげてもいいよその代わり――もふらせてほしい」
だって冬毛に覆われたボディーなんてそりゃ絶好のもふもふじゃないか! きりりと真面目な顔をした澪はうう、と唸り、良い人たちなのではないかとつばくらさまも首を傾げる。
「ぴ、ぴ……」
「ぴぴ……」
水飴。本当にくれる? 恐る恐る、翼を広げるつばくらさまたちにクロムは掌に掴んだつばくらさまを解放する。
「ぴぃ、ぴ!」
すり、とクロムの手に、頬に刷り寄れば彼女はおお……! と感嘆の声を上げる。嬉しそうなその顔に他のつばくらさまたちも澪の元へと飛び立つ。
「あははっ、くすぐったいよう」
頬にすり。手で撫でてと催促をし、澪の周りをぐるぐると飛んでもっふりとした羽とボディーをもふもふと触らせた。それらが一段落すれば、つばくらさまたちはちら、ちらと水飴南瓜を様子見て。ああ、とクロムは水飴南瓜を差し出す。澪も抱えていた水飴南瓜を差し出した。
「はい、どうぞ。詰まらせない様に、皆仲よくね」
「悪い吸血鬼から、素敵な淑女に贈り物。だよ」
――だって楽しいのは、皆で楽しんだ方が良いでしょう?
ビュッフェとはいかなかったし、パーティーと言って良いのか分からなかったけれども。ひとしきり楽しんだ後で。
「ぴ!」
つばくらさまたちによる一斉の敬礼がお披露目されたという。
その後、つばくらさま達による狐ならぬ、燕の恩返しがあったといいます。
つばくらさまたちは水飴南瓜を食べたい。しかし差し出せるものは労力しかありません。
「そうだ!」
南瓜頭の愉快な仲間のリーダーは考えます。
水飴南瓜は素っ気無いパッケージ……いいえ素朴な南瓜の形ではあります。
「君たちその嘴で南瓜を掘ることはできるかい?」
『水飴南瓜ならぬ、名前を変えて新登場! メルティー・パンプキン! 中身はそのまま、開けてのお楽しみ! 変わったのはパッケージだけ!』
素朴な南瓜はつばくらさまたちの協力を得て、嘴で薄く掘って、ジャック・オ・ランタン風にして売り上げがあがったとかなんとか。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵