おーちょーのハロウィン!
●まりかおーちょーにて
「おおっ!? なんじゃこれは!?」
いつものように目が覚めて、国民であるどうぶつ幼女たちに挨拶しに行こうとした姫様こと有珠川・茉莉花は、いつもと様子の違うおーちょーの光景を見て目を丸くしていた。
普段はチョコの花が咲き、マカロンの実が成る、お菓子の国といった感じのこの国『まりかおーちょー』なのだが、今はそれに加えて、しゃべる南瓜ランタンやコスプレ衣装の飛び出す森、食材が完備されたキッチン、なんかめちゃくちゃ長い行列をするためだけに作られた道などがいつの間にか出来上がっていたりするのだ。
「あ、姫様ー!」
「姫様やっと起きたのー!」
「姫様待ってたのー!」
「もうすぐはろうぃんなのー!」
「おーちょーもはろうぃん仕様になるのー!」
茉莉花の周りに次々と集まってくるどうぶつ幼女達。
どうやらこの国の姫である茉莉花も知らなかったようだが、この時期のおーちょーはハロウィン仕様に変わってしまうらしい。
なんとか大臣とか呼ばれているおーちょーの臣民たるどうぶつ幼女、身長50㎝程度のケモ耳ケモ尻尾を持つ幼女たちも、まるでコスプレをしているかのようにいつもと違う格好になっている。それこそハロウィン用のコスプレのように。
例えば、赤ずきんのような格好の猫幼女がいたり、吸血鬼のような格好をした鼬幼女がいたり、などなど。
「……はて、昨年はこんなんじゃったかの?」
「細かい事を気にしてたら、姫様はげるのー」
「はげんわっ!?」
●グリモアベースにて
「……とまぁ、これで終わってくれれば、実に平和ないつものまりかおーちょーなのだけれども」
集まった猟兵達を前に、湯上・アリカ(こいのか荘のアリカさん・f00440)は、苦笑しながら語りかけた。
アリカがこのまりかおーちょーに関する予知をするのももう5回目。
初めては、アリスラビリンスに迷い込んだ直後の茉莉花の救出依頼だった。
その後しばらくして、平和な国にて自らの王朝を立ち上げた茉莉花。
2回目と3回目は共に、その平和な国『まりかおーちょー』を襲ってきたオウガとの戦いで、4回目は襲ってきた猟書家との戦いだった。
そして今回もやっぱり、またもおーちょーにオウガが現れるのだ。
「今回は、おーちょーがハロウィンの国仕様に様変わりしたわけなんだけど、そこでハロウィンの国を自分色に染めようとするオウガの群れが現れてしまうのよ」
だから、それを退治して、平和なまりかおーちょーを守ってほしいというのが今回の依頼なわけだ。
もっとも、そのオウガの集団が現れるのにはまだ時間があるので、まずはハロウィン仕様のおーちょーへと先んじて赴いて、茉莉花やおーちょー民であるどうぶつ幼女たちとハロウィンパーティーを楽しみつつ、オウガが現れた所を迎え撃ってほしいとのこと。
「おーちょー民の幼女たちもコスプレとかしてるし、みんなもコスプレしたり、トリックオアトリートしたりと、茉莉花やおーちょー民たちと一緒に少し早めのハロウィンを楽しむといいのよ」
順番が逆なら自分も行きたかったのにと少し残念そうなアリカである。
「そうしておーちょーでハロウィンを楽しんでると、敵のオウガが現れるから、それを撃退してほしいの」
現れるオウガは『ただ塗りたい人たち』という見た目は人間っぽいオウガらしい。
その名の通り、辺りの景観とか全く無視して、ただただ絵の具をばらまいて国中の地面に色を塗ることで『ナワバリ』を広げることが目的なのだそうな。
「きっと人間に見えるけど、正体はイカだと思うのよ」
……それはどうだろう?
「まぁ、逆に塗り返されてナワバリが小さくなったら逃げ帰るみたいだから、茉莉花やおーちょー民と協力してナワバリバトルすればいいと思うのよ」
どこかで聞いたような話ですね?
と、それはともかく、アリカの話にはまだ続きがあった。
「それと、戦いになると、ハロウィンの国となったおーちょー自体もみんなに協力してくれるの。コスプレ衣装の森から、みんな用のギア……じゃなかった衣装が飛んでくるから、それを着て戦えば、かなり有利に戦えると思うのよ。まぁ、どんな衣装がくるかはわからないから、まったく似合わないコスプレが飛んできても、勝利のためにそれを来なければならない事もあるかもだけどね」
予知では、異性の衣装が飛んでくるように見えたの……なんて不吉なことを呟くアリカだった。
「というわけで、説明は以上なの。みんなでおーちょーのハロウィンを守ってきてほしいのよ!」
最後にそういって、アリカは猟兵達を送り出すのだった。
雅瑠璃
このシナリオはハロウィンシナリオです。
全2章での運営となります。
というわけでこんにちは。またはこんばんは。
雅です。
今回もまた幼女たちの国からお届けします。
今回登場する有珠川・茉莉花(ありすがわ・まりか)は、以前別のシナリオにも登場した幼女アリスです。
『#まりかおーちょー』のタグをたどれば過去のシナリオは見ることができますが、特に読まなくても大丈夫です。前に参加していた人がまた来たなら、茉莉花も顔見知りと思ってくれるくらいですかね。
改めて解説すると、茉莉花は、赤いロングヘアに、黄金の剣を持ち、エプロンドレスを着た6~7歳の童女です。
元の世界の記憶はありませんが、どこかの良家の子女だったのか、言葉遣いが姫っぽいという事で、この国の愉快な仲間に『姫様』と呼ばれて持ち上げられ、その気になって自分の王朝を建ててます。
おーちょーの大臣である愉快な仲間たちは、身長50センチくらいの小人の幼女で、動物の耳と尻尾が生えてます。
主要メンバーは、栗鼠幼女の“おやつ大臣”、狸幼女の“侍女”、兎幼女“けんせつ大臣”、猫幼女“おようふく大臣”、鼬幼女“おそうじ大臣”といった幼女達です。
他にもいるかもしれません。
1章は日常です。
オープニングで説明したとおり、茉莉花やおーちょ民と一緒にハロウィンパーティーを楽しみましょう。
基本的には、コスプレをしての仮想行列といった感じですが、あまりこだわらず、茉莉花や幼女達を愛でて一緒に遊んでくれればいいかなと思います。
2章は襲ってくるオウガ『ただ塗りたい人たち』との集団戦です。
この章になると、どこからともなく『意志を持つコスプレ衣装』が現れ、着用した猟兵達をパワーアップしてくれようとします。
しかし、アリカの予知通りなら、必ず、男性には女物の、女性には男物の衣装が飛んできてしまいます。
イヤイヤでも、喜んででも、とにかく自分に飛んできたコスプレ衣装を着用して戦えば、大きなプレイングボーナスを得ることができます。
それと、オープニングでアリカも語った通り、この章の戦いは基本的には、絵の具で地面の塗りあいによるナワバリバトルというどこかで見たゲームのような戦いになります。
まぁ、そんなの無視してオウガを直接叩いてもいいわけですがっ(笑)
1章はOP公開直後から、2章は断章投稿後に募集開始します。
それではプレイングお待ちしてます。
第1章 日常
『ハロウィン・マーチ』
|
POW : 全力でパフォーマンスをする
SPD : 可愛くオシャレな仮装をみんなに見せる
WIZ : 怪しい妖しいお話を始めよう
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鍋島・小百合子
POW
絡み・アドリブ可
茉莉花殿や、久しいのう
国を尋ねてみればはろうぃんの祭りの勢いに彩られておるのう
わらわも混ぜてもらおうぞ!
此度の祭りでのわらわの装いは狐面を着け、藤紫の刺繍に彩られた黒き着物姿ぞ
少し前に別な場に蔓延っておった悪を懲らしめんと着こなしたものじゃな
どうじゃ?
ぬ?よく見れば大臣らに狐の幼子が居らぬのかえ?
ではわらわは狐の近衛大臣を拝命させてもろうてもよいかの?
祭りの間だけじゃがの♪
はろうぃんなれば皆で臣民の家へお菓子をもらうのが掟らしいのう
これより押しかけに参ろうぞ
便乗する者あらば付いて参れ!
●ハロウィンパーティーその1
「茉莉花殿や、久しいのう」
「おお、小百合子ではないかっ。久しぶりじゃな!」
狐面を着け、藤紫の刺繍に彩られた黒き着物姿となった鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)がまりかおーちょーにやってきた。
小百合子がおーちょーを訪れるのは4回目。茉莉花とは最初からの付き合いだ。
もちろん茉莉花の方でも、何度も助けられた恩人という事で、小百合子の来訪を心から歓迎している。
「国を尋ねてみればはろうぃんの祭りの勢いに彩られておるのう。わらわも混ぜてもらおうぞ!」
「大歓迎じゃよ! 小百合子も一緒に楽しんでほしいのじゃ♪」
「茉莉花殿の装いもいつもと変わっておるな。はろうぃんのこすぷれというやつか?」
「そうなのー!」
ふと茉莉花の格好を見て尋ねた小百合子に、答えたのは茉莉花本人ではなく、赤い猫耳頭巾をかぶった猫幼女の“おようふく大臣”だった。おようふく大臣の名の通り、おしゃれ大好きなこの子が、姫様のコーディネートをしたらしい。今の茉莉花は、巫女のような格好をしていた。
「皆が勧めるから、妾も着てみたわけじゃが……なんだか気恥ずかしいのう。それより、小百合子もそれは仮装かや?」
「うむ。少し前に別な場に蔓延っておった悪を懲らしめんと着こなしたものじゃな。どうじゃ?」
そう言って小百合子は、茉莉花に見せるようにくるんとその場で回ってみせる。
茉莉花もその元ネタはわからなかったようだが、小百合子の格好をかっこいいと憧れのような目で見つめるのだった。
そうして仲良く行列をしているうちに、小百合子はあることに気が付く。
「ぬ? よく見れば大臣らに狐の幼子が居らぬのかえ?」
「ふむ? まぁ、こ奴らは確かに栗鼠と狸と兎と猫と鼬じゃが……」
茉莉花とその周りにいる大臣という名のおーちょー民の中心メンバーたちの中には狐幼女はいない。もちろんこの5人の大臣たち以外にもおーちょー民のどうぶつ幼女はいるので、たまたま大臣の中にいないという事ではあるのだが。
「ではわらわは狐の近衛大臣を拝命させてもろうてもよいかの? 祭りの間だけじゃがの♪」
「このえ大臣!」
「大臣仲間なのー!」
狐の面を指さしながらそう言って笑う小百合子に、茉莉花以上に大臣の幼女たちの方がむしろ反応して大騒ぎになるのだった。
「では、近衛大臣の初仕事じゃ。はろうぃんなれば皆で臣民の家へお菓子をもらうのが掟らしいのう?」
「そうなの?」
「なのかや?」
茉莉花や大臣たちの先頭に立ちびしっとポーズを決める小百合子の宣言に、幼女たちは群がって首をかしげている。
おーちょーがハロウィン仕様になったとはいえ、ハロウィンをコスプレお菓子パーティー程度にしか理解していないらしい幼女達なので、作法的なことはよくわかっていないようだ。
だから、小百合子はそんな幼女たちに教えるように高らかに宣言するのだった。
「とりっくおあとりーとというやつじゃ。これより押しかけに参ろうぞ。便乗する者あらば付いて参れ!」
「「わーーい!!」」
そして茉莉花と大臣たちは、小百合子の号令のもと、その他のどうぶつ幼女たちのところへとトリック・オア・トリートの大合唱で向かっていくのだった。
どうやらここからが、本格的なおーちょーのハロウィンの開幕らしい。
賑やかなパーティーになりそうである。
大成功
🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
こ、これは…何てことなの…!?
か、可愛すぎるわ…!!
ハロウィンカラーのドレスにウィッチハット姿で参上
来て早々、コスプレして可愛さが極まったおーちょー民達(特に以前愛で愛でして仲良くなった鼬幼女と猫幼女)へハートを飛ばしまくりながら、真の姿を解放する勢いでみんなを抱きしめて愛で愛で
茉莉花にみんな、お久しぶりね♪
ハロウィンパーティーって事で、遊びに来たわよ♪
しかし、みんな可愛すぎるわ!
特におそうじ大臣(鼬幼女)なんて、吸血鬼の格好でわたしとピッタリね♪(ギュッと愛で愛でして、お土産のパンプキンパイをあーん)
そういえば、以前はあまり見なかった子達も増えてるのかしら?
みんなまとめて可愛がってあげるわ♪
●ハロウィンパーティーその2
「こ、これは……何てことなの……!?」
ハロウィンカラーのドレスにウィッチハット姿のフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、久しぶりのまりかおーちょーにやってきた途端、そこで見た光景に絶句して言葉を失ってしまう。
もちろんそれは、おーちょーがハロウィン仕様になっているから、ではない。
「か、可愛すぎるわ……!!」
フレミアが言葉を失ったのは、ハロウィン仕様のコスプレをしているどうぶつ幼女たちを見たからだ。
茉莉花とも最初からの付き合いで、このおーちょーでの事件の時も毎回やってきていたフレミアだ。当然、茉莉花ともどうぶつ幼女達とも顔見知りだ。
特にそのうちの2人、鼬幼女の“おそうじ大臣”と猫幼女の“おようふく大臣”の2人は、以前やってきた時にとても可愛がり仲良くなっていたので……。
「あ! ふれみあ様なのー!」
「ふれみあ様、とりっくおあとりーと、なのー!」
てててててっと、フレミアの来訪に気が付くや否や、おーちょーの主である茉莉花よりも先に駆け寄ってくるのだった。
「みんな、お久しぶりね♪」
駆け寄ってくる2人のどうぶつ幼女に、真の姿を解放するのではないかというくらいの勢いで駆け寄ったフレミアは、2人を受け止めるとぎゅっと抱きしめる。
「ふれみあ様、くすぐったいのー!」
「でもいっぱい嬉しいのー!」
「あー、もう、ほんとに可愛いんだから♪」
そして両手で抱えた2人を、ハートマークが乱舞する様が目に浮かぶほどに頬ずりして撫でまわして愛で愛でしまくるフレミアだった。
「……なんというか、相変わらずじゃなぁ、フレミアは」
「ふふっ♪ 茉莉花もお久しぶり。元気そうで何よりだわ。ハロウィンパーティーって事で、遊びに来たわよ♪」
両手に抱えた2人を愛で愛でしながら、にこやかに挨拶をするフレミアの姿に、多少慣れてはいるとはいえやっぱり少しだけ苦笑してしまう茉莉花である。
「ふふっ。それにしても、みんな可愛すぎるわ♪」
挨拶や愛で愛でも少し落ち着いた後、フレミアはお土産にともってきたパンプキンパイをおーちょー民たちに差し出し、皆で仲良くお茶会という名のおやつタイム。
もちろんフレミアのお気に入りの2人は小脇に抱っこして、自らの手であーんと食べさせていたりする。
「おそうじ大臣は、それ吸血鬼の格好ね? わたしとピッタリね♪」
「そうなのー! ふれみあ様とお揃いなのー!」
おそうじ大臣の吸血鬼のコスプレはフレミアがモチーフなのだと聞いて、フレミアは嬉しくてのあまりますます愛で愛でしまくるのだった。
「……ねぇ、ほんとこの子連れて帰っちゃダメかしら?」
「駄目に決まっとるじゃろう!? 妾の臣民じゃぞ!?」
もしかしたら自分よりもフレミアに懐いているのではという疑惑に、ちょっとだけ焦ったりもする茉莉花であった。
そんなフレミアと茉莉花たちのお茶会に、そのほかのどうぶつ幼女達も興味を引かれたのか、遠巻きに見ていたのが少しずつ近付いてくる。
「あら? そういえば、以前はあまり見なかった子達も増えてるのかしら?」
「うむ。妾の臣民も少しずつ増えてるのじゃ」
茉莉花の新しい臣民たちもやはり、それぞれの動物の耳や尻尾は異なるが、同じような体格の可愛らしいどうぶつ幼女達。
それがそれぞれに思い思いの仮装をしていた。
そんな彼女らが、フレミアの琴線に触れないわけもなく、なのでフレミアはさらに大量のパンプキンパイを取り出して、新しい幼女達も手招きする。
「いらっしゃい。みんなまとめて可愛がってあげるわ♪」
フレミアと茉莉花とどうぶつ幼女たちのお茶会、あるいは至福の愛で愛でタイムは、どうやらここからが本番らしい。
フレミアはとびっきりの笑顔で、新たなどうぶつ幼女達も抱きしめるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
※お菓子大好き紅茶大好き、連携アドリブ大歓迎
有珠川さん…姫様とお呼びした方がいいかな
とは初めましてだよね
僕は栗花落澪。以後お見知りおきを
アリスの白兎をモチーフにした
シャツ&ベストに短パン、ボーダー柄に―ソックスとうさ耳うさ尻尾で
そっと有栖川さんの片手を取り跪いて微笑みを
僕もパーティーに参加させていただいても?
と…その前に、ハロウィンといえば合言葉が必要かな
さぁ皆、僕にハロウィンの合言葉、言ってみて
皆でトリックオアトリート
上手に言えたらご褒美に、★Candy popをプレゼント
この飴無限湧きできるので、欲しいだけ持って行ってどうぞ
あぁでも食べ過ぎはダメだからね?
危ないからちゃんと座って食べてね
●ハロウィンパーティーその3
ハロウィンらしい南瓜のランタンと、メルヘンなチョコの花が同時に咲き乱れるハロウィン仕様のまりかおーちょー。
そこに訪れるのは姫様の顔見知りばかりではない。
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、今回がおーちょーへの初訪問だった。
「あっ、誰か来たのー!」
「知らない人なのー!」
アリスの白兎をモチーフとした、シャツ&ベストに短パン、ボーダー柄ニーソックスとうさ耳うさ尻尾といった格好の澪の姿を見て、茉莉花の周りのおーちょー民たちも騒ぎ始める。
巫女装束姿の茉莉花もそれに気が付いて、てくてくと近付いて行った。
「おお、ようこそじゃ。其方は初めましてじゃな?」
「初めまして、姫様」
白兎な澪は、そういうと茉莉花の前に片膝をついて跪く。
そして茉莉花の手をそっと手に取って、軽く口付けをするようなふりを見せて。
「僕は栗花落澪。以後お見知りおきを」
「お、おう……よ、よろしくなのじゃ」
まるで騎士のような澪の仕草に、茉莉花も真っ赤になってしまった。
もちろんこの様子を見たおーちょー民たちは大はしゃぎで、姫様真っ赤なのー!とはしゃぎたてるのだった。
「さて、姫様。僕もパーティーに参加させていただいても?」
「も、もちろん大歓迎なのじゃ!」
澪の紳士的な物言いに、まだ顔の少し赤い茉莉花が答える。
周りには赤くなった茉莉花を揶揄うかのように秋なのに春なのー!と賑やかなおーちょー民たち。
ふと澪はそんなおーちょー民たるどうぶつ幼女たちの方に顔を向けて、女性とも見間違うその綺麗な顔でにっこりと微笑むと、優しく言葉をかけるのだった。
「……その前に、ハロウィンといえば合言葉が必要かな?
さぁ皆、僕にハロウィンの合言葉、言ってみて」
「「「「とりっくおあとりーと!なのー!!」」」」
問いかけに応え、声を揃えて大きな声で元気よく宣言するおーちょー民たち。
そんな彼女たちに満足そうに微笑むと、澪は綺麗でかわいい飴玉がいっぱい詰まった瓶を取り出した。
「うん。皆、上手に言えたね。それじゃ、ご褒美にキャンディーをプレゼント♪」
澪の用意した『Candy pop』は、魔力を込めて蓋をたたけば無限に飴玉が湧き出るという瓶だ。カラフルで可愛らしい飴玉が無限に湧き出てくるので、欲しいだけ持っていっていいと澪は言う。
茉莉花の周りにいた大臣たちばかりでなく、おーちょー民の他のどうぶつ幼女達もわらわらと集まってきては、口々にとりっくおあとりーと!と元気よく叫んで飴玉を両手いっぱいに持っていく。
「ああ、こら、皆そんなにたくさん持っていっては……」
「大丈夫だよ、姫様。飴がなくなることはないから。あぁ、でも食べ過ぎはダメだからね?」
「「「はーーい!!!」」」
「危ないからちゃんと座って食べてね」
「「「はーーい!!!」」」
貰い過ぎて申し訳なさそうな茉莉花に対し、澪はそう言って微笑んだ。
と同時にどうぶつ幼女たちも、澪の注意を聞いて元気よく答える。
そんな賑やかなおーちょー民たちを見て、澪はとても楽しそうな笑顔を浮かべたのだった。
「さて、姫様も特製の飴をどうぞ?」
「あ、ありがたくいただくのじゃ……!」
そして茉莉花も、今まで出会う事のなかったタイプの澪の接し方に、照れているのか戸惑っているのか、ペースは乱されっぱなしだったとか何とか。
大成功
🔵🔵🔵
アイリス・レコード
◎
「前もそうでしたけれど、茉莉花さんも毎回大変ですね……」
基本的に皆さんのやり取りを少し遠くから見ています
(今は戦闘中じゃありませんし)
ただ強くはねのける訳でもなく、誘われたり巻き込まれた場合抵抗できず流されますし、ハロウィン知識が所々欠けているため「この国ではこう」といわれると納得するしかありません(余程の事がない限りは)
「イタズラ」を要求された場合、大真面目にUC【断章「箱の中で嗤うチェシャ猫」】を使ってしまい、不可視で皮肉屋な性格の「チェシャ猫」を呼び出します。
「チェシャ猫」はハロウィン知識がありますが、面白そうなら間違った知識でも黙っておき、普通に悪乗りしつつイタズラをします。
菫宮・理緒
『まりかおーちょー』のハロウィン!?
って、ことは、茉莉花さんを筆頭に、
みんながあんなことやこんなことになっているってことだよね!
うん。これは行かないと。いや、行かない選択肢なんてあるだろうか。いやない!(反語)
さ、みんな、お菓子だよー! こっちおいで? おいでってば。
何もしないから。ほんとだから。ちょっと愛でたいだけだから!(はぁはぁ)
え? 誘い方がおかしい? それなら……。
お菓子ないのー。トリートしてー♩ ほらこっちきてわたしにイタズラして♩
これも違う? みんな引いてるから大人しくしててほしい?
わかったよー。お菓子は自由に持って行っていいからね。
その代わり……写真だけは撮らせてほしいんだよ!
●ハロウィンパーティーその4
「まりかおーちょーのハロウィン!?」
この話を聞いた瞬間、前のめりに瞳を輝かせた女がいた。
「って、ことは、茉莉花さんを筆頭に、みんながあんなことやこんなことになっているってことだよね!」
あんなこととかこんなこととか、いったい何の事なのでしょうね?
いや、普通に考えたらハロウィンのコスプレってことなんですけどね?
しかし鼻息荒く目を血走らせて興奮しているこの女の様子からすると、なんかとんでもなく危ないモノのような気がしてならない……。もちろんそんな事実はないが。
「うん。これは行かないと。いや、行かない選択肢なんてあるだろうか。いやない!」
というわけで、反語表現まで使って気合を入れまくった菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)という名の危険人物が、おーちょーに解き放たれてしまうのだった。
「おーちょーの、みんなー!」
「おお、理緒じゃな。久しぶりなのじゃ!」
やってきた理緒に真っ先に気付いたのは、この国の姫である茉莉花だ。今回は巫女装束のコスプレをしている茉莉花は、朗らかに理緒を出迎えた。そして茉莉花に続くように、様々な仮装をしているどうぶつ幼女達もわらわらと寄ってくる。危険が迫っている事には気づかずに。
「さ、みんな、お菓子だよー!」
「わーい! とりっくおあとりーと、なのー!」
ニコニコと笑顔でお菓子を差し出す理緒に、口々に合言葉を奏でながら駆け寄っていくおーちょー民たち。
だが、その足はピタッと止まる。
理緒がはぁはぁと息も荒いからだ。
「どうしたの? こっちおいで? おいでってば?」
「お、おい、理緒……おぬし……」
「姫様、なんだかこの人怖いのー……」
ふるふると怯えて茉莉花の背中にササッと隠れる幼女たち。見方によっては、茉莉花を盾にしているような気がしないでもない。
背中に臣民を抱えているため逃げられないが、茉莉花も何やら言葉にできない恐怖を感じてじりじりと後ずさっている。
「何もしないから。ほんとだから。ちょっと愛でたいだけだから!」
お菓子を手にそんな幼女たちにじりじり迫る女、理緒。
はぁはぁと息も荒く、完全に危険人物なのであった。
さて、そんな危険人物はさておき、おーちょーにやってきたのは、他にもいる。
「前もそうでしたけれど、茉莉花さんも毎回大変ですね……今回は戦闘ではありませんけれど……」
アイリス・レコード(記憶の国の継ぎ接ぎアリス・f26787)は、そんなことを呟きながら、理緒に襲われている茉莉花たちの様子をじっと眺めていた。
というか、正確には理緒が来る前からいて、茉莉花やどうぶつ幼女たちが、他にもやってきていた猟兵達と仲良くトリックオアトリートしているのを遠目で眺めていたわけなのだが。
「先程から見ていて、この国ではこういうものだと思っていましたが……」
記憶喪失であるアイリスは、ハロウィンの知識も所々欠けているため、おーちょーでのハロウィンのやり方が正しいのかどうかはわからない。ただ、今まではそういうものだと納得して見ていたのだが……さすがにこれはどうなのかと思い、理緒や茉莉花たちへと近付いていくのだった。
「お、おお、アイリスかや? 良い所に来たのじゃ!」
近付いてきたアイリスに気が付いた茉莉花は、この窮地を脱する手立てをアイリスに求めた。アイリスももちろん、これまで何度か茉莉花の危機を救ってきた顔見知りなので、ここでも助けてほしいと視線で訴えている。
「……理緒さん、おそらくですが、ハロウィンの誘い方がおかしいのではないかと思います」
「え? 誘い方がおかしい?」
おーちょーで何度か顔を合わせているので、アイリスと理緒も一応は互いに顔見知りではある。なので、はぁはぁと危険人物と化していた理緒に声をかけて止めに来たわけだが。
「それなら……お菓子ないのー。トリートしてー♥ ほらこっちきてわたしにイタズラして♥」
危険人物はやはり思考もぶっ飛んでいるらしい。
さっきまでもっていたお菓子をささッと背中に隠して、持っていないふりをする理緒に、さすがに茉莉花もどうぶつ幼女達も引き気味だ。
「ええと……イタズラをすればいいのですね?」
そしてアイリスは、そういうものなのかと首をひねりながらも、イタズラを要求されたので、大真面目に【断章「箱の中で嗤うチェシャ猫」】を使ってしまい、不可視で皮肉屋な性格の「チェシャ猫」を呼び出してしまうのだった。
「それでは茉莉花さんも、皆さんも、チェシャ猫と一緒に、理緒さんにイタズラをすればいいのではないでしょうか?」
「あははははっ、くすぐった……いやっ、そこだめぇ!?」
笑い声だけは聞こえながらも姿の見えないチェシャ猫は、理緒に見えない身体で纏わりついて、どうやら理緒の身体を撫でまわすとか舐め回すとかして全身を弄ってくすぐらせているようだ。
ハロウィンの知識に乏しいアイリスは、ハロウィンのことをちゃんとわかっている(はずの)チェシャ猫のすることだからと、そのままやらせているが……明らかにチェシャ猫は悪乗りして悪戯をしている。
「い、いや、さすがにそのイタズラは、やり過ぎなのではなかろうか……?」
「だめぇ……やだっ、そこはぁっ……あああっっ……あはははははっっ」
幼女たちの教育に悪そうな声をあげる理緒を見て、茉莉花もおーちょー民達もドン引きなのであった。
「みんな引いてるから大人しくしててほしいとか言われたぁ……」
チェシャ猫の悪戯のくすぐりから解放された理緒は、茉莉花から、臣民たちが怯えているからそのくらいにしてくれと諭されて、ぐったりとしていた。
アイリスもそんな様子を見て、ようやくチェシャ猫のやり過ぎに気付いたが、もう後の祭りだろう。
「これも違いましたか。ハロウィンはなかなか難しいですね」
「いや、アイリスもそこまで難しく考える事もないじゃろう……。普通にお菓子食べて一緒にパーティー楽しめばいいと思うのじゃ!」
首をひねるアイリスに苦笑しつつ、茉莉花やおーちょー民たちはアイリスの手を引いて、一緒にお菓子パーティーをしようと誘ってくる。
「そうだねー。あ、わたしの持ってきたお菓子は自由に持って行っていいからね!」
ようやく落ち着いた理緒も、そう言って茉莉花たちにお菓子の提供をして、ようやくまともなハロウィンパーティーの続きとなったのだった。
「あ、私も食べていいのですか?」
「もちろんなのー! 一緒にお菓子食べるのー!」
誘われるまま、流されるように幼女たちと一緒にお菓子を食べるアイリス。
「写真だけは撮らせてほしいんだよ!」
「ま、まぁ、それくらいならよいが……」
その一方でカメラを手にずずいっと迫る勢いで茉莉花やどうぶつ幼女たちのコスプレ写真を撮ろうとする理緒に、少し引き気味ながらも茉莉花は押されるままにOKを出してしまった。
かくして、アイリスや幼女たちが和やかなパーティーをしている様子を、鼻血でも出しそうな蕩けた表情でパシャパシャと写真を撮っている理緒の姿があったそうな。
なお、このあと理緒は、おーちょーの幼女たちに危険人物と認識されることになる、かもしれないのだが、それはまた別の話。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ただ塗りたい人たち』
|
POW : あっちもこっちも塗りたくる
【パレットナイフから放たれる油絵具】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や地形の上にあるものを染色し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : 自分色に塗るためなら手段なんて
自身の【何もかもを自分の色で染めたい欲望】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : 塗るのを邪魔するなんてひどい!
自身が【思い通りにいかない不満】を感じると、レベル×1体の【油絵具製のねばついた化け物】が召喚される。油絵具製のねばついた化け物は思い通りにいかない不満を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
※2章は断章投稿後から受付します。25日(月)の夜に投稿予定です。
●どこかで見たようなゲームです?
茉莉花やおーちょー民たるどうぶつ幼女たち、そして訪れた猟兵達がハロウィンパーティーを楽しんでいる最中、オウガは出現した。
現れたオウガの名は『ただ塗りたい人たち』という。
彼らは出現するなり、手に持ったブキ……パレットナイフからおーちょー中にペンキをまき散らしていく。
「ヒャッハー! 塗れ塗れ塗りつぶせ―! ここを俺らのナワバリにするぜー!」
彼らの武器が巻き散らす真っ青なインクが、賑やかでカラフルなまりかおーちょーを、どんどんと青く染めていった。
「妾の国がーっ!?」
「姫様真っ青なのーーっ!?」
ペンキはおーちょーの土地や建物ばかりでなく、おーちょー民のどうぶつ幼女達も青く塗りつぶしていって……。
だが、その状況に対抗すべく、ハロウィン仕様のおーちょーが力を貸してくれた。
コスプレ衣装の森から、ふわふわと猟兵の元へとやってきたギア、もといコスプレ衣装。そして様々なブキ!
ペンキを撃ちだす水鉄砲。
ペンキがいっぱい詰まったバケツ。
ペンキがたっぷりと塗られたローラー。
ペンキがたっぷりと塗られた刷毛。
などなど多種多様のブキが、衣装と共に猟兵達の元へとやってきた。
……何故か女性の元には男性用の、男性の元には女性用の衣装がやってきているのはご愛敬だが、その衣装を着ることで、これらのブキを使うことができるのだ!
ナワバリバトルの性質なのか、ハロウィンの国の性質なのかはわからないが、大人数を召喚する系統の能力はどうやら使えないらしい。
ブキも猟兵の人数分しかないしね!
だが、それならそれでオウガと人数は互角。
ブキを巧みに使って、青く染められていくおーちょーを、ハロウィンカラーのオレンジのペンキで塗り返して、『ただ塗りたい人たち』とのナワバリバトルを制してほしい!
鍋島・小百合子
WIZ
他の猟兵との絡み連携可
アドリブOK!
変わった戦に興じれば良いのか!
なれば自ら拝命せし狐面の近衛大臣の今宵限りの戦ぶり、とくとご覧あれ!
「染料の塗り合いなれど戦は戦。侵略者共に手加減はせぬぞ!」
UC「戦場迷宮陣」発動にて薔薇の意匠と罠に彩られた迷路を生成し、敵を封じ込め
森から飛んできた戦衣(男物)を纏い、鉄砲と大型刷毛で武装すれば迷路に迷い込んだ侵略者達を迎撃
迷宮の罠に嵌めつつ、怯んだり隙を見せた敵には日頃薙刀を扱うが如く刷毛で斬りかかり染料ぶちまけ、もしくは隠密(忍び足、目立たない、闇に紛れる併用)で動きつつ不意から長弓で射抜くが如く染料入りの水鉄砲で狙撃していく
言うたはずじゃ、戦じゃと
栗花落・澪
衣装:お任せします、なんでもどうぞ
ペンキの塗り合いっこ、なんか懐かしい気がする―
こういうゲームっぽいのは大好きですよ
この衣装を除いてね…!
わかってたけど、わかってたけども…!
実際に着るとやっぱり恥ずかしいんだよぅわかって
とりあえず自力で走る体力は無いので
翼を使って【空中戦】
自在に飛び回りながら水鉄砲を使ってペンキ塗ります
銃器の扱いは慣れないけど
狙いの付け方だけで言えば魔法と大差無いし
あとは召喚物にどこまで効果及ぶかはわかんないけど
【指定UC】で敵の動きが鈍るように戦場掌握させていただきましょうかね
追いかけられても追いつかれなければいいって事で
青は好きだけど寒色ばっかりは寂しいので!
ごめんね!
フレミア・レイブラッド
…許し難い暴虐ね。
茉莉花やみんなにした仕打ち、万死に値するわ。
みんな安心して。わたし達がアイツにオシオキしてくるから♪
幼女達を愛で愛でして至福の時を過ごしてたのに、邪魔された挙げ句、大切な茉莉花とおーちょー民達にペンキをかけられて、内心ブチギレ
幼女達を安心させる様に笑顔で優しく撫でて出陣
敵のペンキを【念動力】の壁で受け止め、逆に敵の顔面に掛かるようベシャリ
自身は執事服に槍の代わりに刷毛を持ち、【吸血姫の覚醒】を発動。
超高速で接近し、敵の顔面や尻に上位竜種並の【怪力】でペンキたっぷりの刷毛を振り抜き、撒き散らすと同時にぶちかましたり、飛び回りながらペンキを撒いたり
さぁ、片付けたらまた愛でるわよ!
アイリス・レコード
◎
……あまり、見たことのないタイプのオウガですね……けれど
あなた達が茉莉花さんたちを傷つけようというのなら
私が相手になります……!
(いつものように【救世の国のアリス】が自動発動……なのですけどこれ
「無敵の【この戦闘に適した自分自身】を想像から創造し、戦闘に利用する」UCなので……)
……?どうか、したんですか?
(当人、ほぼ無自覚のまま姿も武器も変わる。
「アリスを護る騎士」として振舞い、そうであることが「騎士たるアイリス」の存在理由なので、その為ならば些細な差異は意識する事すらない)
(……けど慣れてないので普通に“武器”として使います。
え?振ればペンキは飛ぶし、相手キルしても周囲は塗れますよね?)
菫宮・理緒
ああっ、みんなが青くなっていっちゃう!
このままじゃ茉莉花さんたち、ピクトグラムさせられちゃうよ!
それはそれで見たいけど、そこはぐっと抑えて、
そういうルールなら、わたしはもちろん執事服を選ぶよ。
そして……
さぁ、姫さま。わたしにお命じください。『見敵必塗』と。(手の甲にキス、無駄にイケメンオーラ)
御下命、仰せつかります(一礼)
という感じで【マスターズ・オーダー】を発動したら、
大型ガトリングタイプの水鉄砲を携えて戦場へ。
マスターズ・オーダーの身体強化と、圧倒的なガトリングの塗り潰し力で、圧倒していくよ。
アブないだけの人じゃないって解ってもらって、
おーちょーを救ったご褒美、もらいたい、なー♩(でへへ)
●げきとつ!ナワバリバトル!
突如現れ、パレットナイフから青いペンキをばらまき、おーちょーを青く染めていくオウガ……『ただ塗りたい人たち』。
「ヒャッハー! 俺らのナワバリを広げていけー!」
おーちょーの土地を青く塗りつぶしながら広がっていくオウガのナワバリ。
そのペンキはやがて、逃げ惑うおーちょー民のどうぶつ幼女達にもかかっていく。青いペンキをぶっかけられ、力なく意識を失っていく幼女達。
何をする!とオウガに立ち向かおうとしたおーちょーの姫、茉莉花も、頭から青いペンキをぶっかけられてしまった。
そんな様子を見て、おーちょーでのハロウィンを楽しんでいた猟兵達も激高する。
「ああっ、みんなが青くなっていっちゃう!」
菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)は、青く塗られた茉莉花たちを見て悲鳴をあげた。
もっとも、そのあとで「茉莉花さんたちがピクトグラムになっちゃう……それはそれで見たいけど」などと呟いているあたり、どことなく暢気な気配は漂ってはいたが。
そんなまだ余裕のありそうな理緒と違い、こちらは怒りを隠さない。
「……許し難い暴虐ね。茉莉花やみんなにした仕打ち、万死に値するわ」
フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、可愛がっている茉莉花やおーちょー民たちにペンキをぶっかけられたことと、彼女たちを愛で愛でする至福の時間を邪魔されたこともあって怒り心頭、内心ブチギレている。
もっとも、おーちょー民を怖がらせないため、安心させるために、そんなブチギレていても表面上は笑顔のままのフレミアだ。
そんな2人の元に、ハロウィン仕様のおーちょーの森から、対抗するための武器とセットになった衣装が飛んでくる。2人がそれを手にすると、一瞬で姿が変わった。お揃いの執事服に。
「みんな安心して。わたし達がアイツにオシオキしてくるから♪」
フレミアは、茉莉花たちを安心させるように笑顔を見せ、それぞれの頭を軽く撫でる。撫でられた鼬幼女の“おそうじ大臣”と猫幼女の“おようふく大臣”は、フレミアを頼もしそうに見上げて、がんばってなのー!と笑顔を浮かべて送り出した。
「さぁ、姫さま。わたしたちにお命じください。『見敵必塗』と」
一方で、服装のせいか無駄にイケメンオーラを出しつつ、理緒は茉莉花の手を取り、手の甲に軽くキスをする。そんな理緒に若干ひきつった笑みを浮かべつつも、茉莉花は頼むぞと命じて送り出す。
2人はそれぞれのブキを手に、オウガを片付けたらまた幼女たちを愛でるぞと気合を入れて飛び出していくのだった。
……同じように茉莉花や幼女たちを愛でて、同じ執事の格好をしているというのに、なんとなく幼女たちの反応に差があるのは気のせいだろうか? いや、言うまい。
「アブないだけの人じゃないって解ってもらって、おーちょーを救ったご褒美、もらいたい、なー♪」
なんていいながらでへへと締まりのない顔で笑っているのだから、さもありなん。
それはさておき。
オウガの所業に怒っているのは2人だけではない。
「……あまり、見たことのないタイプのオウガですね……けれど、あなた達が茉莉花さんたちを傷つけようというのなら、私が相手になります……!」
アリスを守る騎士を自認するアイリス・レコード(記憶の国の継ぎ接ぎアリス・f26787)も、静かに闘志を燃やしていた。
そんな騎士たるアイリスに相応しく、アイリスの元へと届いた衣装はフルプレートの騎士鎧だ。
「……? どうか、したんですか?」
フルフェイスのヘルメットで顔の見えなくなったアイリスの姿に驚く茉莉花たち。
だが、アリスを守る騎士であることが存在理由であるアイリスは、多少の見た目の差異にはこだわらない。この姿は、いつものように自動発動した【救世の国のアリス】の効果も相まって、アリスを守る騎士としての姿が具現化したものだと言えよう。
掲げているブキが、騎士剣ではなく、巨大な刷毛であることにさえ目をつぶればではあるが。
「狐面の近衛大臣の今宵限りの戦ぶり、とくとご覧あれ!」
その傍らでは、こちらも異性装とはいえ普段と違和感のない男の武者姿になっている鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)が、薙刀の代わりの巨大な刷毛と、火縄銃の代わりのペンキ入り水鉄砲を構えて堂々と立っている。和風の武者姿だからなのか、狐面自体はそのままで、おーちょーのこのえ大臣らしさも出ている。
もっとも内心では小百合子は、変わった戦に興じれば良いのか!と、この一風変わったオウガとの戦いに心躍っていたりする。
「では、まずは奴らを分断するとするかの?」
最後にもう1人、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、というと……オラトリオの翼をはためかせて上空にいた。
「ペンキの塗り合いっこ、なんか懐かしい気がするー。こういうゲームっぽいのは大好きですよ……この衣装を除いてね……!」
これから始まるゲームのような戦いにわくわくした心は隠せていないものの、それ以上に今の自らの格好を恥じらう気持ちの方が強い。
「わかってたけど、わかってたけども……!」
女性のような見た目でも澪は男だ。だから、飛んでくる衣装は女物になるわけなのだが……よりにもよってそれ?という代物だった。
おそらくは、背中が大きく開いている衣装なので、オラトリオの羽根の邪魔をしないようにと森が気を使ってくれたのだろうが……余計なお世話というものだ。
自らの身体を隠すようにしながら赤面して唸る澪。頭の上ではウサミミカチューシャが、恥ずかしそうにふるふると揺れている。
いくら女性のような容姿で、女装の経験も多いとは言っても、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「実際に着るとやっぱり恥ずかしいんだよぅわかって!!」
澪の姿は、いわゆるバニーガールだ。
身体のラインがぴったりわかる大胆な衣装で、特にハイレグになっている股のあたりは、手で何とか隠そうとしているが、男の子の部分がいろいろ危ない。
だから澪は、飛んできた衣装に触れてこの格好に変わってしまった時、間髪入れずに上空に飛びあがった。この場にいる唯一の男性として、この姿を他の人にはなるべく晒したくはないから。
もっとも、上空に飛びあがったのは何も恥ずかしさからだけではない。
おーちょーを走って駆けまわるよりは、飛んだ方が、体力的にも負担は軽いとの判断でもある。
手に取ったブキは水鉄砲型だったので、上空から狙いをつけて撃つつもりだ。
「……銃器の扱いは慣れないけど、狙いの付け方だけで言えば魔法と大差無いし」
あとは……。
「あいつらのナワバリの中でどこまで効果及ぶかはわかんないけど……」
オウガの動きが鈍るようにと【心に灯す希望の輝き】で、上空から光を照らし始めたのだった。
「ひゃはっ!? な、なんだぁ!?」
気分よく青いペンキをぶちまけていたオウガたちが、突然の状況変化に戸惑いの声をあげた。
青く塗られた自分たちのナワバリの上では、その力がどんどん強化されるはずなのが……上空から降り注いだ澪の光の中ではナワバリの効果があまり感じられない。
さらに、戸惑っていると周りの地形が変化し、まるで迷路のように細かな道で区切られて、オウガたちも分断されていく。小百合子の【戦場迷宮陣】により作り出された迷路の効果だ。
澪と小百合子の合わせ技によって変化した戦場で、猟兵達の反撃が始まる。
「染料の塗り合いなれど戦は戦。侵略者共に手加減はせぬぞ!」
「ひゃはっ!?」
迷宮の罠にはまったオウガに向けて、小百合子は、長弓で狙うように水鉄砲で狙撃してペンキをぶち当てた。
更に小百合子は、そのオウガに駆け寄っていくと、大きく振りかぶって刷毛を振り下ろす。刷毛にたっぷりと塗られたハロウィンカラーのオレンジのペンキがぶちまけられ、青く染まった地面をオレンジに塗り返されていった。
地面の青……オウガのナワバリが減ることが、オウガ自身のダメージにもなるようで、オレンジのペンキをぶちまけられたオウガはふらふらとよろけだす。
そこに飛び込んできたフルプレートのアイリスが、大剣を振るうようにペンキの塗られた刷毛を振るい……オウガを一刀両断にするように叩き付けて吹き飛ばした。
「……振ればペンキは飛びますし、相手キルしても周囲は塗れますよね?」
ブキをブキではなく普通に武器として使い、直接攻撃でオウガを仕留めていくアイリス。もちろんそれも十分ありです。
騎士と武者の2人は、そのまま刷毛を振るい、オウガを追い詰めていく。
「言うたはずじゃ、戦じゃと」
「青は好きだけど寒色ばっかりは寂しいので! ごめんね!」
上空を飛び回りながら、水鉄砲でオレンジのペンキをぶちまけていく澪。
直接オウガを狙うよりはむしろ、オウガによって蒼く染まってしまったナワバリをオレンジに塗り返していく方をメインにした動きだ。
当然、それに気づいたオウガは、ナワバリを再び青く染めるべく澪を追いかけてくるが、上空を行く澪には追い付けない。
代わりに、そんなオウガの横から、高速で連射されたペンキのつぶてが襲い掛かってきた。
「圧倒的なガトリングの塗り潰し力で、圧倒していくよ!」
茉莉花の命を受けて【マスターズ・オーダー】を発動させている理緒だ。
強化された力で、ガトリングガンのようなブキを構え、辺り全てをオレンジのハロウィンカラーで塗りつぶすかのように連射をし続ける。
「させるかー! 塗り返せーーー!」
「……させるかは、こっちの台詞よ?」
そしてさらに青く塗り返そうとしているオウガの前に、フレミアは音もなく現れて念動の盾を張る。オウガが飛ばした青いペンキは、フレミアの念動の壁で受け止められ、逆に送り返されて、オウガ自身の顔を青く染め上げた。
そこに高速で一気に懐に入り込んだフレミアの、いつもの朱槍の代わりに大きく振りかぶった巨大な刷毛が襲い掛かる。【吸血姫の覚醒】によって竜種並みの怪力を発揮するフレミアによる一撃だ。オウガもたまらず吹き飛ばされ、迷路の壁へと叩き付けられた。
もちろん、その際には刷毛から飛び散ったオレンジのペンキを全身に浴びてだ。
上空から澪が。地上では理緒のガトリングが。それぞれにオレンジのペンキの領域を広げていく。
青ペンキのナワバリを広げようとするオウガたちだったが、小百合子に狙われ、フレミアに吹き飛ばされ、アイリスに叩き斬られと直接攻撃も受けながらどんどんとオレンジに染められていく。
やがて、青のナワバリが完全にオレンジに塗り替えられ、それと同時に力を失ったオウガたちは、骸の海へと落ちていった。
そして、オウガが消えた後、おーちょー中を染め上げたオレンジのペンキは光となって消え、元のハロウィン仕様のおーちょーの姿が取り戻される。
「片付いたわね! さぁ、パーティーの続きをしましょ!」
また愛でるわよ、というフレミアの力強い宣言に、復活した茉莉花やどうぶつ幼女たちが駆け寄ってきたのだった。
こうして再開されたおーちょーのハロウィンパーティー。
茉莉花やおーちょー民のどうぶつ幼女たちの明るく賑やかな声が、いつまでも響きわたっていたそうな。
めでたしめでたし。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵