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銀河帝国攻略戦⑪~最凶の守護兵機を倒せ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●「戦争はまだ終わらねぇ!本番はこっからだ」
 グリモアベースのブリーフィングルームにて。ヘクター・ラファーガ(加速するデュランダル・f10966)は演壇をバンッと叩き集まった猟兵たちの注目を自身へ集める。
「帝国大要塞『エンペラーズマインド』への侵入が可能になった。なので……コイツを叩きたい」
 背後にあるモニターに映し出されたのは、エンペラーズマインドの立体図。そこから内部の展開図へと切り替わり、赤いラインで突入ルートが表示される。
 赤いラインがたどり着いた場所はその中心、コアマシンルームだ。
「侵入ができるようになったとはいえ、変わらずコイツは自慢の防御力と修復力でスペースシップワールドの艦隊の道を塞いでる。だから心臓をぶっ壊して道を開くって算段だ。ただし」
 コアマシンルームの前。そこにポインターが当てられると、展開図が拡大し線で描かれたシルエットを猟兵たちに見せる。
 それは一見フクロウを思わせる、赤いロボット。だがコアマシンルームへ繋がる廊下を塞ぐほど巨大で、換装された武装はどれも凶悪なものばかり。
 銀河帝国に忠誠を誓う殺戮型ウォーマシン『デストロイ・ウォーマシン』。機能の全てを戦闘力に回した、無慈悲な兵器の一機。
「コイツを倒さないとコアマシンルームには入れない。そして」
 次に映し出されたのは、コアマシンルームの内部。エンペラーズマインドを稼働させるコアが剥き出しになったこの部屋だが、それ以外に何もないように見える。
「この中はオロチが放った殺人ウィルスにまみれてて、俺たち猟兵でも数秒しか動けん。だから突破しても一発コアにユーベルコードを当ててトンボ帰り、になるわけだ」
 突破すればそれで終わり、なわけがない。帝国も二重三重の対策を施している。
 たった一発、されどその一発のために何度も命を張らねばならない。だがそれで突破口ができるのなら、やらない理由はない。
「コアマシンルームに入ってユーベルコードが発動したのを確認したら、強制帰還を発動させる。だから死ぬことはねぇ。だから安心して──命張ってコアに一撃お見舞いしてやれ」


天味
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 天味です。
 戦争シナリオへレッツトライ。今回は11番、エンペラーズマインドのコア破壊作戦になります。
 目標である『デストロイ・ウォーマシン』を撃破した後の行動は、トドメを刺した猟兵に委ねられます。タッグや集団行動を要望の場合は、プレイングに記入してくださると助かりました。

 それでは、皆様のカッコいいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デストロイウォーマシン』

POW   :    デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アトシュ・スカーレット
ここの装置、壊させてもらおうじゃねぇか!
…ま、その前にあんたを壊すけど

【戦闘】
ルルディを槍に変身させ、威力重視の戦い方(戦闘知識)を行う
戦闘前に自身の平均やや上しか無い身体能力を強化する魔法をかけ、ルルディに腐敗の【呪詛】を付与
鉄を腐らせ、装甲を壊しやすくするのが目的(鎧砕き)

強化して得た【怪力】に物を言わせ、仲間が与えた【傷口をえぐ】り、最後には【串刺し】を狙っていく

回避は【絶望の福音】で予知した攻撃を強化した脚力による【残像】が発生する速度でその場を【ダッシュ】で回避

コアには【捨て身の一撃】として、全力の力押しの【破壊工作】として槍を突き立てようかな?

共闘、アドリブ大歓迎


緋月・透乃
宇宙を翔る巡洋艦の次は大要塞の破壊に挑むなんて、でかい戦いをしているって実感するね。
こんなことができるなんて、猟兵になれてよかったよ!

敵はでかい殺戮兵器だね。見た目と名前に違わぬ強さで楽しませてもらいたいね!

武装は遠近両方見えるけれど、遠距離用武装のほうが多そうだし私は近接攻撃ばかり、気合いで攻撃をかいくぐりながら接近するよ!一度接近したら極力敵からは離れずに攻撃を続けて脆そうな部位を探し、罷迅滅追昇をたたきこみたいね!
敵がデストロイトリガーを使ったら、手斧やスプーンを適当な方向に投げて狙わせて、その間に攻撃をするよ。

なんとか倒してコアマシンに 一撃叩き込みたいね。


劉・涼鈴
むむー、長く留まったら風邪ひいちゃうのかー
とにかく一発ブチ当てればいいんだね!
最強無敵の一撃をお見舞いしてやるよ!

【怪力】【鎧砕き】を乗せた【灰燼拳】だ!
迎撃されても【勇気】を持って恐れず、至近距離まで突っ込んで【捨て身の一撃】を叩き込む!
ちょっとぐらい被弾したって【気合い】で耐える!
全身全霊、全力全開、フルパワーだ!
すべての力を拳に集めて、どんな装甲でもブチ抜いてやる!
どりゃああああッ!!


荒谷・ひかる
うぉーましん、かぁ。
機械の一種なら、多分……強力な電磁波をぶつけてあげれば不具合起こすかなっ!
ようし、やってみようっ!

【エレメンタル・ファンタジア】発動!
大地の精霊さんの出した「鉄」と雷の精霊さんの「電気」の力を組み合わせて「磁力」を産み出して、
それに「嵐」を組み合わせて「磁気嵐」を敵に放射するよ!

精霊さんの力を借りて、今ひっさつの~!
超・電・磁っ、はりけーんっ!

もし完全には壊せなくてもあれだけの重装甲、そこそこ鉄とかの磁力に影響受ける部品はあるはず。
強烈に磁力を帯びさせて、動きを封じられればっ!
具体的には腕同士でくっついたとかミサイルのハッチがくっついて開かないで自爆とかっ!


テラ・ウィンディア
さて、これだけ進んでるけど…相応に策略を巡らされる頃合いだろうけど大丈夫かな?

まぁ…まずはあの脅威の排除か

戦闘知識で敵の構造と動きの性質を分析

属性攻撃
炎を剣と槍と脚に付与

空中戦で飛び回りながら猛攻を仕掛ける
串刺しで突き刺し内側から焼いて焼きtyクス
後はメテオブラストは防御させないように他の仲間を攻撃している時に発動して叩き込む
同時に踏み付けも発動して破壊力を増強

殺戮モード時は張り付いてゆっくりと串刺しにし続けてダメージを蓄積させる

絶大な力の果てに理想を失う
理性って凄く大事だな
…それでも…あこがれるよなあ……

でも串刺し串刺し串刺し

戦闘後
そのままコアには我が全霊の踏み付けを付与したメテオブラストだ


アネット・レインフォール
◆心情
まさに殺戮の為だけに作られた兵器、と言った所か。
ダメ元だがマスクの上にマフラーで口元を覆い臨んでみるとしよう。
可能なら金糸雀を入手し近くまで持っていき毒性を後ほど報告

◆行動
【POW】霽刀を主軸

突入前に周囲の石や不用品を入手しておく。
二撃目が難しそうなので突入時に石等を投擲し、敵の動作を可能な限り把握する。

フェイントを織り交ぜた高速移動で砲撃の類を見切りながら接近を。
間合いに入ったら【霽月一刀】で両断を試みる。
余力があれば2回攻撃で【武人覚醒】も事前に使用。
狙う優先は「センサー>兵装(遠>近)>足」がいいだろう。

撤退時は突入と同様にあらぬ方角に投擲し注意を逸らす

◆他
連携を重視、アドリブ歓迎


マユラ・エリアル
さてと、ただでさえ厄介なコア攻略の上に強力なウォーマシン…か
ふふん、困難な事ほど血が滾るじゃあないか
まずは体を暖めてからという訳だ

●戦闘
まずはウォーマシンからだ
『全力魔法』『属性攻撃』で【氷塊召喚】をブースト
『2回攻撃』で2発放とう
一発はウォーマシンに一発は床を狙って此方の戦闘力をアップだ
その後は向上した戦闘能力で近接戦闘を仕掛ける
『力溜め』でしっかり威力を上げて鉤爪で攻撃!

敵の攻撃は『フェイント』で回避を試みて、無理そうなら『武器受け』でガード
さあ、氷上のダンス大会と行こうか!

ウォーマシンを撃破したらコアに対して『全力魔法』『属性攻撃』で強めた【氷塊召喚】を使用

●アドリブ等歓迎


ユナ・アンダーソン
全力で行きます!
でも私は非力だから……
誰かを長く戦えるようにした方が良いかもしれない

優しさ11、手をつなぐ11、激痛耐性6、鼓舞12を用いて傷奪う星痕を使用
あなたの傷を私にちょうだい?

さぁ、私を見ろ!
コミュ力11、言いくるめ6、誘惑6、おびき寄せ5でデストロイウォーマシンの視線を私のユーベルコードに向ける
ユーベルアナライザーを使われたら
私のユーベルコードを使う?
でもね、それは自分を癒やすことは出来ないの
自分の傷を奪っても意味はないから……ごめんね?
……今です!

火炎耐性3、電撃耐性2、武器受け3、第六感5で敵の攻撃を予測し防御

毒耐性3だから少しは保つはず

アドリブで他の方との絡み歓迎



 帝国大要塞『エンペラーズマインド』、その一画。コアマシンルーム付近。
 心臓ともいえるエンペラーズマインド・コアが眠る部屋の前。そこに佇むのは、フクロウを思わせる形状の赤いウォーマシン。
「──動体反応、確認」
 待機状態を解除し、蒸気を噴かせながら格納していたパーツを露出させる。それぞれ形状の違うビーム兵器が換装された四つある腕を伸ばし、頭部にあるカメラを展開しコアマシンルームへ向かって走って来る動体反応を分析する。
「解析、8体──8体全テ猟兵(Jaeger)ト断定。」
 全ての兵装の安全装置が外れ、完全起動する。眠りから覚めるのは、予想よりも早かった。

 コアマシンルームへの道は、不思議なことに横道のない一本の広い通路だった。横道や扉といったものが一切なく、ただただ広い道が続く。
 コアへの直接攻撃を託された八人の猟兵はその道をひたすら走る。
「本当に、この先がコアマシンルームなのか!?」
 先頭を走るアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は辺りを見渡しながら走る。
 先は見えず、逃げ場のない一本道。この先がここ『エンペラーズマインド』の心臓部なのだから、防衛システムや守護兵がうじゃうじゃ存在するものだと思っていた。実際はこのようになにもない。
 イメージと全く違う。選択問題の試験で三番目ばかりを選択してしまったかのような、言いようのない不安感が湧きだす。
「間違いない!作戦会議で地図みただろ?その通り走ってるからな!」
 アトシュの不安を払うように、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は叫ぶ。彼女の言う通り、この真っすぐな道の先こそがコアマシンルーム。何一つ間違いはない。
「……そうだね。テラさんの言う通り──全員散開しろッッ!!」
 『絶望の福音』が、警鐘を鳴らした。
 アトシュの叫びにより、猟兵たちは通路の真ん中を開けるようにバラバラに別れる。
 その一秒後、青白い極太の光が猟兵たちの間を縫った。
「はぁ!?なにあれ!」
「もうじきわかりますよ、ほら!」
 極太のレーザーに驚愕する緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)。その隣で、荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)は前方を指さす。
 淡い光の先にいたのは、一体の巨大なロボット。あれこそが、今回のコア直接攻撃作戦において討伐対象となった無慈悲なウォーマシン。『デストロイウォーマシン』だ。
 デストロイウォーマシンは右腕のレーザーを向け、エメラルドグリーンに光る単眼を点滅させる。
「先手必勝『エレメンタル・ファンタジア』!!」
 ひかるの行動は早かった。デストロイウォーマシンを視認するや否や、大地の精霊を召喚。鉄と電気のエネルギーが手のひらで渦を巻き、それは二色の液体が封じ込められた宝玉となった。
 環境改竄系ユーベルコード、最強の秘技をぶつける。
「──EMP現象ヲ視認」
 周囲に生じる磁力の流れを察知したデストロイウォーマシンは、即座に自身の兵装を畳み、身に纏う赤い装甲を防御形態へと移行させ卵のような形状に変化する。
 宝玉が投擲される。空中でひび割れ、そこから紫電を纏う灰色の竜巻が生み出された。竜巻は通路を塞ぐように直進し、防御形態となったデストロイウォーマシンを巻き込んでゆく。
「超・電・磁っ、はりけーんっ!」
 行き先は灰色に覆われた。辺りは電磁波でビリビリと何もない場所からノイズが発生し、デストロイウォーマシンがいた場所からは金属同士が連続でぶつかり合う異音が響く。
「不協和音のオーケストラか。良い音色だ──磁気流の中で凍てつけ!」
 ひかると交代するように、マユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)が前へ出る。
 マユラに宿る魔力が活性化し、それは氷属性のエネルギーへ変換され、鉤爪"in vitro world"の上で巨大な氷の塊となる。
 『氷塊召喚(コール・アイスブロック)』。磁気が晴れ灰色の嵐が薄れ始めた時、彼女はそれをデストロイウォーマシンへ向けて放った。
「EMP減衰──!?」
 氷の塊はデストロイウォーマシンの前で二つに分裂し、足となる場所に着弾。下半身を氷で覆い固めた。

「解析開始。中断、接近反応」
 灰色の磁気流の次に訪れたのは、白い靄(もや)。冷気とデストロイウォーマシンからの排熱が合わさり、蒸気となり辺りを包む。
 そこから、三人の猟兵がデストロイウォーマシンへ飛び込んだ。
「ルルディ、行こうか!」
「くたばれ、消え去れ、あの世の果てまで飛んでいけぇぇぇ!!」
「一発ブチ当ててあげるよ──」
 アトシュは服の中に潜む少女"ルルディ"を槍に怪力を纏わせ、透乃は"重戦斧【緋月】"を左手に持ちショルダータックルを、そして劉・涼鈴(豪拳猛蹴・f08865)は呼吸を止め拳を構え、三方向からデストロイウォーマシンに奇襲をしかけた。
 アトシュの一撃はデストロイウォーマシンの関節部に直撃。矛先が装甲部の間を貫通する。
 透乃のショルダータックルはスカート装甲に直撃し、体に重く響く衝撃をそのまま両腕に長し、"重戦斧【緋月】"を両手で持って突き上げ。『罷迅滅追昇』はスカート装甲を裏返すように抉る。
 涼鈴の放った『灰燼拳』はデストロイウォーマシンの胸部装甲に着弾する。拳から放たれた一撃は胸部装甲全体に衝撃を行き渡らせ、内部から損傷。バキバキとヒビを入れ砕く。
 デストロイウォーマシンは計算する間もなく、大きく防御体勢を崩された。
「再計算開始」
「させるかァッ!!」
 透乃は湧き出した殺意を持ち替えた"万能手斧"に乗せ、 追撃を行う。
 しかし、デストロイウォーマシンは右副腕にある兵器、レーザーブレードを起動しそれを受け止めた。
「ユーベルコード解析完了」
 それは死刑宣告に等しかった。
 左腕が出現する。そこには四つの腕のうちもっとも大きなレーザー兵器が換装されていたはずの腕だ。だがそこに嵌められていたのは、シンプルな金属の球体。
「あれ、え?」
 涼鈴はすぐに気づいた。解析完了と宣言されたユーベルコードは何か、その球体の手は何をするための手なのか。
 気づいた時には、腹部に重い一撃が放たれていた。
「う゛ッッッッッ!!!!」
 内部炸裂、人体を衝撃の伝導により内部から破壊することこそ、『灰燼拳』の強みだ。
「──!!涼り、ッ!」
 ユーベルコードのコピー。それが涼鈴に返された瞬間を透乃は見ていた。助けに向かおうとした時、右副腕のレーザーブレードが振るわれ道を塞がれる。
「取れない、なんでっ!」
 一方、アトシュは槍となった"ルルディ"をデストロイウォーマシンから抜けず膠着状態になっていた。左副腕の関節、そこを貫通したのは大きな成果だ。しかし、そこに腐敗の呪詛をかけたのが失敗だった。
 腐り落ちた人工筋肉繊維は槍に絡みつき、獲物を離さない。そして、旅のお供である"ルルディ"を彼は手放すことができなかった。
 やられる。奇襲は失敗だった。
 三人が同時に思う。デストロイウォーマシンはそう簡単に倒せる相手ではないということを。
「コード発動。『クリムゾンバースト』」
 思い知らされる。
 デストロイウォーマシンの持つ兵装の門が開き、蹂躙される。

 その時だった。
「我が身、一筋の流星とならん──受けてみろおおおぉぉぉぉ!!!!」
 デストロイウォーマシンの真上。
 炎を纏い降ってくるのは一つの流星。否、"紅龍槍『廣利王』"を手に高く片足を上げた状態で飛来するテラだ。
 怒りを燃料とし燃え上がる右足、そして天井を蹴り重力と共に加速した勢いをつけて行われる踵落とし。
 『メテオ・ブラスト』がデストロイウォーマシンの頭部を粉砕した。
「──メインカメラ接続不能。『クリムゾンバースト』ヲ中断」
「うぅぅうぅぅううううらぁぁぁァッ!!」
 テラは"紅龍槍『廣利王』"を振るいさらに畳みかける。
 デストロイウォーマシンはレーザーブレードを伸ばしバーサーカーの如く振るわれる槍と対峙し、互いに剣戟を行う。
「見えねぇくせにおれの槍をいなしてんじゃねぇっ!!」
「ということは、まだセンサー系は生きてるのだろう」
 ゆっくりと、アネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)は"霽刀【月祈滄溟】"を携え近づく。
 レーザー兵器の砲門が全てアネットへ。剣戟が行われている中でも、残りの三つの腕が動く。
「其は一にして始まりの剣──」
 柄に手をあてがい、腰を低く構える。抜刀術の構えを取ったアネットは、静かに砲門から放たれるレーザーを待つ。
「アホか!?逃げろ!」
「何してんの!?」
「うぶ、ぐ……ぷ!」
 レーザーと剣舞するテラと、腹部を抑え悶える涼鈴を抱える透乃は叫んだ。
 だが、
「──いいや、勝った」
 ようやく槍を引き抜いたアトシュは、これから行われる出来事を視認した。
 三つの砲門から放たれたレーザー。アネットが光を見た時、デストロイウォーマシンもまた光を見ていた。
 抜刀された"霽刀【月祈滄溟】"の刀身にレーザーが収束する。刀身は鏡面となって死の閃光を一つにし、デストロイウォーマシンの胸部へはじき返された。
「『【壱式】霽月一刀』」
 目をやられてもなお視認できる部分へ。デストロイウォーマシンの胸部から"視線"を感じたアネットは、カウンターでデストロイウォーマシンのレーザーをセンサー系が集中する胸部へ当てたのだ。

 デストロイウォーマシンの近くにいた皆が後退する。ダメージは多く与えられ、既に瀕死。装甲も大半が剥がれ、氷によって一切の身動きが取れない。
「──緊急コード『デストロイトリガー』起動」
 だが、まだ沈黙には至らない。潰れていた頭部から生えたのは、小さな赤色の目。
 あまりにも小さなサブカメラ。それでもいい。見ることさえできれば、あとはどうにでもなる。
 足元の氷が崩れる。装甲は全てパージされ、背部にあるミサイルポッドの砲門も開いた。
「まだ動くの!?」
「油断するな、もう一度『氷塊召喚』を当てる!!」
 ひかるとマユラは、すぐさまユーベルコードを起動させる。もう一度磁気嵐と氷塊によって行動を封じようとした。
 そこに、ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)が飛び出た。
「──今です!」
 ユナの右手の甲が輝きを放ち、光は全身にいきわたり星空のような淡く温かいものとなる。
 光は、ユナ自身へ当てられた。
「……『生まれながらの光』!?なんで見せるの!」
「いえ、これは──」
 ひかるは聖者の心得があるため、その光についてよく知っていた。『生まれながらの光』は回復系のユーベルコード。それをユーベルコードをコピーできる敵に見せつけるなど、敵に塩を送る以前の問題。ましてやそれが討伐目標ならなおさらだ。
 デストロイウォーマシンもまた、その光がユーベルコードだと気づく。回復系のユーベルコード、今の自身の状況を分析すれば、使わない手はない。
「解析完了──!?」
「逆なのよ」
 しかし、その光は傷を奪うもの。癒すことはなく、自身に使えばただ疲労感が襲い掛かるだけ。
 『傷奪う星痕(ペインテイカースティグマ)』。回復系のユーベルコードと誤認したデストロイウォーマシンは『デストロイトリガー』を使うことなくダウンする。
 エネルギーを浪費し、治ることのない損傷にまみれたまま無慈悲な守護兵機は崩れ落ちた。感情を捨てた彼らが残す言葉は何もない。兵器として命を全うし死ぬ。
 『デストロイウォーマシン』、沈黙──。

 討伐目標は倒した。
 そして、本来の目的であるコアへの直接攻撃。それは誰がやるのか。
 手を上げたのは、全員だった。
『…………』
 数秒の沈黙。そして全員が頷くと、コアマシンルームの扉の前に立ち、開いた。
 そこにあるのは、胎動するかのように周期的に光を放つコア。これこそがエンペラーズマインドを動かすエネルギー源にして、心臓。
 コアマシンルーム内部はオロチによって撒かれた殺人ウィルスにより、加護をもつ猟兵であっても数秒しか耐えられない。アネットが持参した金糸雀は扉が開かれた瞬間血を噴いて即死し、毒性検査の意味など最初からないことが証明された。
 この数秒のために命を張った。今度はその価値が証明される。
 八人の猟兵は各々の武器を構え叫ぶ。ユーベルコードを、己の意思を、感情を力に変えて。
 ただ一発、されど一発。コアに攻撃を命中させ、一秒でも早くエンペラーズマインドを陥落させるために。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト