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聖女の名は

#ダークセイヴァー #お祭り2021 #ハロウィン

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●ダークセイヴァー・「闇の救済者」領土付近
 明けぬ夜と闇に覆われ、人類がヴァンパイアの支配下にある世界・ダークセイヴァー。しかし両者のパワーバランスは多数の猟兵により、既に絶対的な差ではなくなっていた。闇に灯る松明が規則的な間隔で取り付けられた石壁は、猟兵に救われ、自らも人類を救う闘いに身を投じ、ついにヴァンパイアから自由を奪い取った者達――闇の救済者(ダークセイヴァー)の自治領を囲うものだ。
「聖女の匂いだぁ……! 見つけたぞぉ……! 俺様の聖女ぉ!」
 石壁と松明の遥か向こうで男は呟き、ヴァンパイア――吸血鬼と呼ばれる所以の血を吸うための牙が、聖女が声を上げる間もなく橙色の肌に突き立てられる。程なく男は聖女の肉を食い千切り、咀嚼し呑み込んだ。
「やっぱ聖女は美味いなぁ……! しかも選り取り見取りだぁ……! 次は誰にしようかなぁ!」
 男は足元で「群生」する聖女を恍惚として見下ろしていた。

●グリモアベース
「皆様、お集まりいただきありがとうございます。これから私が予知した事件についてお話しします」
 からくり人形にボウアンドスクレープの礼をさせ、エリカ・タイラー(騎士遣い・f25110)はグリモアベースに集った猟兵達に語り始めた。
「ダークセイヴァーは皆様のおかげで、『闇の救済者』の方のダークセイヴァーがヴァンパイアの干渉を容易くはない程度にまで自治出来る地域も現れ始めました。その地域で、近隣に『異端の神』……自らを殺したヴァンパイアの魂と肉体を奪い取った神が現れますので、それが人類の自治領を嗅ぎ付ける前に殺して下さい」

 エリカのからくり人形の掌にグリモアが浮かび上がり、男の姿を映し出す。
「異端の神が乗っ取ったのは『聖女殺し』の二つ名で知られていた、乗っ取られる前から聖女なら人も同族も見境なく嬲り吸血し喰らっていたヴァンパイアです。特に銀髪・蒼眼・白翼・儚げな少女の聖女を好むらしいですが、聖女の基準は容姿や自己申告を鵜呑みにするどころか、男性も無機物も変わった味の聖女として喰らっていたそうです。乗っ取られ『異端の神』となったことでその傾向に拍車が掛かり、今回の事件では自治領の側に群生している南瓜を聖女として喰らっています。恐らく皆様も種族や性別に関わらず聖女と見做されることでしょう」
 グリモアに映る聖女殺しは南瓜にかぶり付いていた。

「ヴァンパイアに殺された神ではありますが、最早理性はなく説得は通じません。ユーベルコードも加虐欲に応じ身体と戦闘力が膨れ上がったり、体外体内問わず入り込む血を吸う霧となったり、種族も性別も問わず先に申し上げた容姿の聖女に変化させる鎖で捕縛する磔台を召喚したりと、自治領に凄惨な末路を齎すのは想像に難くありません。確実に殺し切って下さい」

 グリモアは群生する南瓜を映す。
「それと、なのですが……UDCアース等の人類の文明が栄えている世界では今ハロウィンを迎える準備をしている時期ですが、ダークセイヴァーにおいて、ハロウィンは『伝承上の存在』……その伝承すら失伝している地域も少なくないお祭りです。皆様がご存じのように、ヴァンパイアは人類に盛大な祭りなど行なわせませんでしたし、人類にも南瓜を食用以外に用いるような余裕はありませんでしたから。私もハロウィンを知ったのは猟兵となって他の世界を訪れてからです。
 ですが、皆様のおかげでダークセイヴァーの人類はここまで来ました。人類の自治もまだまだ予断を許さない状況ではありますが、この時期に『異端の神』が南瓜の群生地に現れた今こそ、『闇の救済者』の皆様に一時の癒やしを与えるため、ハロウィンを行なうべき時なのかもしれません。『異端の神』を殺した後はその南瓜を自治領に差し入れてハロウィンを行ないませんか?」
 エリカの提案に、今年も既にハロウィンパレードを画策している猟兵達が賛同するのは必然だった。

「とは言え『異端の神』の排除がこの予知による事件の要です。よろしくお願い致します。それを確認次第、自治領でハロウィンを行ないましょう。必要であれば私も現地でお手伝い致しますので、何なりとお申し付け下さい。それでは『聖女殺し』に気付かれない近辺に皆様をお送り致します」
 エリカのからくり人形からグリモアが無数の光の線となって弾け空間に扉を描くと、からくり人形がドアノブを引き、扉を開けて礼をする。

 異端の神に「トリック」を下すパレードが扉の向こうに進み始めた。


鷹橋高希
 21日の木曜日(20日32時30分までを除く)からのプレイングがリプレイになり易いと思われます。

 2021年のハロウィン限定シナリオフレームによるシナリオで、全2章となります。
 31日の朝までに、全世界のハロウィンシナリオが「最低1本づつ成功」していれば、無事に「全世界を巡るハロウィンパーティ」が開催されます。

 第1章:ボス戦 Vs. 『聖女殺し』
 人工の南瓜畑並みに南瓜しかない場所での闘いです。
 勝利することで、ハロウィンで使えるような南瓜を大量に入手できます。もちろん食料としても使えます。
 闘い方は第2章の南瓜の入手数等に何も影響しないので思い思いのやり方で倒して下さい。

 第2章:日常 『猟兵楽団』
 POW「肉体を使ったパフォーマンス! 炊き出しで皆の肉体を健康にするのもいいよね」
 SPD「洗練された技術を使ったパフォーマンス! 皆の服を作ったりするのもいいよね」
 WIZ「心躍る冒険譚や楽しいお話をする。皆の心に潤いを。」
 という行動例が提示されます。つまりハロウィンの祭りを行ないます。自治領の人々にハロウィンの楽しみ方を伝えてあげましょう。
 ダークセイヴァーの初シナリオにつき、自治領や名前のあるNPCの設定はありませんので思い思いに楽しんで下さい。
 本章のみ、お客様のプレイングに本シナリオのグリモア猟兵・エリカ(f25110)へのお誘いがあれば、プレイングの内容次第で登場可能とします。

 私のリプレイ執筆に割ける時間は金~日曜日に多くなります。
 そのため、プレイングの有効期限のシステム上、お客様のご都合が良ければ木曜日(水曜日32時30分までを除く)~土曜日くらいのプレイングがリプレイになり易いと思われます。
 また、必要に応じてプレイングを採用せずリプレイ文章を提出する可能性(断章等)があります。
 リプレイの進捗(特に、完成させられずの不受理)はマスターページで随時更新します。

 皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『聖女殺し』

POW   :    「俺様の崇高な食事を邪魔する奴は皆殺しだ!!!」
【聖女の泣き叫ぶ顔を見ながら吸血したい欲望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    「俺様からは逃げられないんだよーーー!!!」
肉体の一部もしくは全部を【熱源を感知でき、触れた者の血を吸血する霧】に変異させ、熱源を感知でき、触れた者の血を吸血する霧の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ   :    「お前も!俺様好みの聖女にしてやろう!!!」
【召喚した、対象に死の誘惑を感じさせる磔台】から【対象を捕縛し引き寄せ、磔台に括り付ける鎖】を放ち、【外見を術者好みの聖女(美少女)に変える事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシホ・エーデルワイスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●聖女の名は猟兵
「美味いなぁ! 聖女、聖女、俺様の聖女!」
 一心不乱に聖女――に見えている南瓜にかぶり付く聖女殺しだが、猟兵達の気配を感じ、南瓜を食い千切りながら振り返った。
「ほう……猟兵の聖女か。喰われに来たのは良い心掛けだ。だが、俺様にも食事のポリシーがあるんだよ。聖女は怯えて泣き叫ぶ間が血も肉も一番美味いんだ。だから――」
 聖女殺しの身体が、美形に属するプロポーションを保ったまま拡大していく。
「俺様の崇高な食事を邪魔する奴は皆殺しだ! 俺様が嬲って泣き叫ばせてやる!」
 身の丈五メートル程はあろうかという巨躯と化した聖女殺しが猟兵達を見下ろすと、拡大した身体から溢れ出るような加虐心のオーラが猟兵達にプレッシャーとして襲い掛かる。
 だが、猟兵達は人類に覆い被さる闇を撃ち払う「闇の救済者(ダークセイヴァー)」として、見下ろす真紅の双眸を睨み返していた。
ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
 人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
 普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●聖女の空は夕焼け
「それほどの自信家なのですから、楽しませて下さいますわよね」
 少女の声が響くと同時に、闇の中でオレンジ色の光が弾けた。ダークセイヴァーに発生し得ない夕焼けを思わせる陽光の中心には「夕暮れの陽光を纏いて」――自身のユーベルコードと共に――ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が剣を構えていた。
「眩しい聖女だなぁ! 曇らせたらさぞかし美味いだろうなぁ!」
 聖女殺しの巨躯が同じく巨大化していた大鎌を光源に振り下ろすと、光源であるローズは地面を蹴る。大鎌は地面に突き刺さり南瓜を跳ね上げ、夕焼けに照らされ一層オレンジ色に輝いた。夕陽色のドレスが靡いて聖女殺しの脇腹を斬り上げながら空へ昇ると、闇色の霧を噴き出して聖女殺しの身体が僅かに縮む。それに構わず振るわれた大鎌をローズは剣で受け、さらに空へと退がった。
「曇りませんわ。私は『夕焼け』なのですから」
 ローズの夕焼け色のオーラがダークセイヴァーを照らし出すと、南瓜の群生する地表には複数の長く伸びる人影――猟兵達の姿があった。

成功 🔵​🔵​🔴​


●聖女の虹はえれえれ
 猟兵のユーベルコードによって広がったダークセイヴァーの夕焼け空の下、目隠しを着けたメイド――隣・人(🌈・f13161)が動いた。
「隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくだ」
「隣人ちゃんの聖女か! だがその目隠しは退かせてもらう! 泣き顔を見せろよ!」
 聖女殺しが大鎌を薙ぐが、人はわざわざ大鎌の向かう方向へと、聖女殺しの周囲を廻るように躱す。
「隣人ちゃんの目は見せられないですよ見せられませんが『外々大祭と生きましょうか――胎蹴って魅せろやこの狂気!!!』」
 人の口角が一層引き上がると、目隠しに目が描き出され、目に貼り付いたまま布だけが伸びる。伸びる布地にも無数の目が浮かび聖女殺しを見るが、聖女殺しは意に介さず人の目を見ようと布を掴んで引いた。
「聖女の目を、目、目がぁ!?」
 聖女殺しは突然ふらふらと明後日の方向に足を縺れさせた。人の布はユーベルコード「六六六番外・隣人知案留殺人技芸変幻自在堂々眩愚理」によって触れた者を眩ませる布と化していた。目を回した聖女殺しは大鎌を取り落とし、南瓜に躓いて倒れ伏す。
「隣人ちゃんはメイドさんなのでご主人様の食べ過ぎを心配してですねねねねねね」
 その布である目隠しを予め身に着けていた人も、隠された目を眩ませていた。三半規管内のリンパ液の移動力が五倍となった人もまた、聖女殺しとは違う方向へふらふらと。そして何かが半分になれば決壊はすぐに訪れ、くずおれた人はえれえれと「虹」を架けていた。
 聖女殺しもまた「虹」を架けており、夕陽に伸びる人影は徐々に縮んでいった。
隣・人(サポート)
『隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくd』
バーチャルキャラクターの殺人鬼 × 冒涜王の花嫁
年齢 22歳 女
外見 158.4cm 赤い瞳 茶色の髪 色白の肌
特徴 囚われていた 実は奴隷だった ハイテンション! いつも笑顔 刺激に敏感
口調 ビハインド(自分の名前+ちゃん、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)
本音で話す時は 収容違反(私、アンタ、ね、よ、なの、かしら?)
人型のオブリビオンが相手だと三半規管を狙います
それはもう執拗に狙います
相手が『見せられなく』なるまで

真の姿の際は『殺人』特化
普段とは違い、シリアスな感じでお願い致します



●聖女の虹はえれえれ
 猟兵のユーベルコードによって広がったダークセイヴァーの夕焼け空の下、目隠しを着けたメイド――隣・人(🌈・f13161)が動いた。
「隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくだ」
「隣人ちゃんの聖女か! だがその目隠しは退かせてもらう! 泣き顔を見せろよ!」
 聖女殺しが大鎌を薙ぐが、人はわざわざ大鎌の向かう方向へと、聖女殺しの周囲を廻るように躱す。
「隣人ちゃんの目は見せられないですよ見せられませんが『外々大祭と生きましょうか――胎蹴って魅せろやこの狂気!!!』」
 人の口角が一層引き上がると、目隠しに目が描き出され、目に貼り付いたまま布だけが伸びる。伸びる布地にも無数の目が浮かび聖女殺しを見るが、聖女殺しは意に介さず人の目を見ようと布を掴んで引いた。
「聖女の目を、目、目がぁ!?」
 聖女殺しは突然ふらふらと明後日の方向に足を縺れさせた。人の布はユーベルコード「六六六番外・隣人知案留殺人技芸変幻自在堂々眩愚理」によって触れた者を眩ませる布と化していた。目を回した聖女殺しは大鎌を取り落とし、南瓜に躓いて倒れ伏す。
「隣人ちゃんはメイドさんなのでご主人様の食べ過ぎを心配してですねねねねねね」
 その布である目隠しを予め身に着けていた人も、隠された目を眩ませていた。三半規管内のリンパ液の移動力が五倍となった人もまた、聖女殺しとは違う方向へふらふらと。そして何かが半分になれば決壊はすぐに訪れ、くずおれた人はえれえれと「虹」を架けていた。
 聖女殺しもまた「虹」を架けており、夕陽に伸びる人影は徐々に縮んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

架空・春沙(サポート)
『断罪します』
人狼の女性
ピンク掛かった銀髪と同色の狼耳・狼尻尾、緋色の瞳
スタイルが良い
服装:ぴっちりスーツ
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
罪有る者には「冷徹(私、あなた、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。

・性格
通常は明るく人懐っこい女性ですが
罪有る者に対しては冷徹に、処刑人として断罪しようとします

・戦闘
大鎌「断罪の緋鎌」を振るって戦います

ユーベルコードはどれでもいい感じで使います


あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●聖女の身体は妖艶
 膝から崩れ落ちて闇色の虹を吐き出していた聖女殺しだが、その体勢から横に飛んだ。その直後、緋色の大鎌が聖女殺しのいた地点に突き立つ。聖女殺しが袖で口元を拭いながら振り向けば、夕焼けの中に黒く細いシルエット――架空・春沙(緋の断罪・f03663)。
「断罪します」
 春沙が飛び掛かり大鎌を振るえば、聖女殺しも大鎌を取り刃が火花を散らす。
「これは随分と妖艶な聖女だなぁ! その服の中身はどんな味だろうなぁ!」
 未だ身体が拡大された巨躯の聖女殺しが見下ろすのは、春沙のスタイルの良い身体をぴったりと包む黒いボディスーツ。視線が夕焼けに輝いて立体感を際立たせる黒色と、ピンク掛かった銀色の狼の尻尾、髪と狼の耳を嘗め回す。
「品定めは……死んでからどうぞ」
 春沙は大鎌を撥ね上げて人狼の脚力で宙に舞う。しなやかなシルエットは逆光に溶けて、夕焼けよりも緋い衝撃波――ユーベルコード「緋鎌殲波」が逆光の中から聖女殺しの腕を斬り飛ばした。
「ぐわっ……! い、良いなぁ! 艶めかしい聖女も俺様はイケるぞ!」
 聖女殺しの腕は再び生えるが、腕の再生のために身体はまた一段と縮んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



●聖女の御年は三桁
 聖女殺しが逆光の中に消えた黒いボディスーツを目で追っている間に、その懐には別の黒い影が踏み込んでいた。大鎌とぶつかるのは赤い光の剣。
「これは老いてますます盛んな聖女だなぁ!」
「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ」
 赤い光の剣――フォースセイバーを握るその腕は枯れ木のように細く、その腕に連なる顔もまた皺だらけ。グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)、御年三桁の老婆である。
 グレナディンは果敢に聖女殺しと切り結ぶ。見た目だけなら孫程の若者である聖女殺しを老練な剣捌きで圧倒し、時にハンドガン型の熱線銃を抜いて変化を織り交ぜた。しかし、グレナディンの勢いは徐々に弱まっていく。そして、聖女殺しがそれを見逃すはずもない。
「枯れかけだろうと遠慮なく頂くからなぁ!」
 グレナディンの細く皺だらけの首に聖女殺しが牙を立て――ようとしたままの口を開けて地面に顔から倒れた。
「楽しかったけど、実は『ほんの指先一本分。それだけで十分さ』」
 グレナディンは空いた手の人差し指だけを立てていた。ユーベルコード「老練のサイコキネシス」。熟達した演技とサイキックエナジーの前には、聖女殺しなど赤子同然だったのだ。
「これだけ南瓜があれば少しは酒造りに回せるかもしれないね。尤も、『乳呑み児』に酒は解らんと思うがね」
 聖女殺しを指一本で向こうに追いやり、グレナディンは酒にするための南瓜の吟味を始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
 人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
 普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●聖女の夕焼けは天気雨
 ダークセイヴァーの昼夜を問わず暗い空を夕焼け色のオーラで染め上げていた夕陽――ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は、猟兵達と聖女殺しの闘いに加勢するため、再び地表に舞い降りる。
「そうだ! お前だ、眩しい聖女! お前の顔を曇らせたいんだ!」
 三半規管、腕、顔と猟兵達にいいようにされ、その度に身体を縮めながらも聖女を喰らうのを諦めない聖女殺しは、オーラを纏い飛翔しつつ斬り掛かるローズの魔法剣を大鎌で受ける。まだそのための力は残っているようだった。
「そんなに曇りや雨がお好きなら、特別に降らせてあげますわ」
 大鎌を弾くとすぐさま刃が返ってくるが、ドレスの裾さえ掠らない。夕陽は再び昇り、ローズの手に握られるのはプリンセス・ローズの名を持つ薔薇――の彫刻浮かぶ精霊銃。常闇の世界・ダークセイヴァーにおいて陽光とは人類への祝福だ。この闘いにおいても地表の猟兵達を照らし、視界を与えていたそれは巡り、銃身に宿る薔薇の精霊の魔法力を高めていく。
「行きますわよ……『立ち上がる感情を我が手に宿して放ちたる弾の雨!』」
 ローズの細い指が軽々と引き金を引くと、温かみのある光の弾が撃ち出された。それが地表で王冠状に弾ける前に撃鉄は次の弾を撃ち出し、口にした通りの光の弾の雨――ユーベルコード「円光炸砲谷」が降り注ぐ。
 聖女殺しは大鎌を傘代わりに雨を凌ぐが、「聖女達」の想いを乗せた天気雨は聖女殺しを次々と貫く。雨が上がれば聖女殺しは大鎌を支えに辛うじて立っており、聖女殺しと同じく降られた南瓜には傷一つ付いていなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
えっ、今聖女って言いました?
確かに私はサブ職聖者ですけどそんな面と向かって聖女なんて言われた事・・・それに俺様の、だなんて(赤面)
って、かぼちゃぁぁあ!?
もうなんなんでしょうか。南瓜に男女とか聖邪とかあるの!?
マイスターにしかわからないとか(真剣)

ま、まあいいでしょう。(こほん)
汝邪悪なる者よ!皆の愛する南瓜を束縛し独り占めとは、聖女をも束縛し喰らおうとは悪行赦し難し、覚悟なさい!
筆で南瓜に美少女の泣き顔を描き投げつけます。敵が欲求を満たし(南瓜をかじっ)ている間にUC(全力魔法)ソードでツッコミを。
このド変態、骸の海から帰って来るな!!

・・・聖女って南瓜の臭いなんでしょうか(手を嗅いでみる)



●聖女の名はミリアリア
 猟兵達の猛攻を受けたオブリビオン――聖女殺しは満身創痍となっていた。巨大化した体躯も大柄な人間程度まで縮んでいたが、それでも聖女の泣き叫ぶ顔を――その怯えた血の味を求めてやまなかった。
「そこの聖女ぉ! 今すぐ喰らわれて俺様のものになれぇ!」
 その聖女殺しが血のように真っ赤な双眸を向けた先に立っていたのはミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)。
「えっ、今聖女って言いました? 確かに私は聖なる力も宿していますけどそんな面と向かって聖女なんて言われた事……それに俺様の、だなんて」
 俺様ヴァンパイア・聖女殺しの獲物を射貫くような眼差しはミリアリアの乙女心を揺さぶった。ミリアリアの頬がほんのり赤く染まり、とくん、と胸が鳴るのと聖女殺しが跳び掛かるのは同時だった。ミリアリアの細い首に聖女殺しの牙が突き立つ――事はなかった。傍を跳び抜けた聖女殺しへとミリアリアが振り返れば……。
「……って、かぼちゃぁぁあ!?」
 聖女殺しの牙は南瓜を噛み砕いていた。
(もうなんなんでしょうか。かぼちゃに男女とか聖邪とかあるの!?)
 これほどまでに南瓜に執着する聖女殺しに、最早マイスターか何かではないか、それとも南瓜にあって自身にない魅力があるのか――等と真剣に考え始めるミリアリア。
「……ま、まあいいでしょう」
 だが、馬鹿馬鹿しく感じるのに時間は掛からなかった。こほんと咳払い一つでオブリビオンを討つ猟兵の顔を取り戻したミリアリアは、細筆と墨を取り出して手頃な南瓜に何かを記すと、自身の真の姿――ユーベルコード「解放の誓い」による――神としての姿とオーラを放った。

「汝邪悪なる者よ! 皆の愛する南瓜を束縛し独り占めとは、聖女をも束縛し喰らおうとは悪行赦し難し、覚悟なさい!」
 ミリアリアは束縛を赦さぬ神。故にこの聖女殺しは捨て置けぬ悪だ。ここで討ち滅ぼし、束縛からの自由を勝ち取った者達――闇の救済者を真なる束縛なき自由へと導くと誓ったのだ。
「ほう、その力は美味そうだなぁ! 頂くぞ聖女ぉ!」
 神の恩寵を受けた、あるいは神のような女性が聖女であるならば、神そのもののミリアリアは聖女殺しにとって喰らい甲斐のある聖女だろう。しかしミリアリアが南瓜を放れば、聖女殺しはそれに飛び付いた。
 ――先程、ミリアリアが細筆で美少女の泣き顔を描いた南瓜だ。
「と思ったが先にこっちの聖女だぁ! いいぞぉその顔だぁ! その泣き顔ぉ!」
 墨で描かれた泣き顔は南瓜の果皮を伝い落ちていき、その様は涙を流しているようにも見えた。聖女殺しにもそう見えているらしく、顔の部分を残したまま周囲から南瓜を喰らっている。こうまで見事に釣られること、そしてオブリビオンの視点ではあるものの南瓜よりも聖女として――女性として見られていないことにミリアリアの呆れとも怒りともつかない感情は最高潮に達した。
「……このド変態、骸の海から帰って来るなー!!」
 ミリアリアの手に黄金の魔法剣が握られ、南瓜に夢中で無防備な聖女殺しを縦一文字に叩き斬った。
「俺様の聖女ォォォォォォ……!」
 聖女殺しは断末魔を上げながら闇色の霧と化していき、その霧をもミリアリアは斬り払って消し去った。「聖女」達は、束縛から解放されたのだ。
「……聖女って南瓜の臭いなんでしょうか」
 元の姿に戻ったミリアリアは手を嗅いでみるが、それは当然ながら自身の香りであり、群生している「聖女」とは違っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 日常 『猟兵楽団』

POW   :    肉体を使ったパフォーマンス! 炊き出しで皆の肉体を健康にするのもいいよね

SPD   :    洗練された技術を使ったパフォーマンス! 皆の服を作ったりするのもいいよね

WIZ   :    心躍る冒険譚や楽しいお話をする。皆の心に潤いを。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●聖女の催し
 聖女殺しを討ち果たした猟兵達がそれぞれの方法で南瓜を自治領へと運んでいくと、光飛び交う猟兵達の闘いは自治領から確認されていたからか、とても豪勢とは呼べないものの歓待の席が設けられていた。
 そこに猟兵達の持ち込んだ大量の南瓜と、猟兵達の持ち寄った調理や服飾の技術、そして異世界のハロウィンのお話とそれを模倣した催しがあれば、闇の救済者(ダークセイヴァー)の守り人や生き抜いていく子供達に希望の光を見せられるだろう。

 人類に「トリート」を施すパーティが行なわれようとしていた。
シャーロット・ゴッドチャイルド(サポート)
ダークセイヴァ―の貧しい農村に生まれた聖なる力を宿した女の子です。暗い過去を背負った子ですが、いつも周りに気を使っていて笑顔を絶やしません。

ホーリー・ボルト~光の精霊の力で、光属性の魔法の矢を放ちます。
エレメンタル・ファンタジア~炎の精霊を呼び出し、炎の竜巻を巻き起こす。予想以上の威力のため、制御するのがやっと。
絶望の福音~10秒後の未来を予測する。
生まれながらの光~左の手のひらにある聖痕から他者を癒す。

「私は笑うって決めたの・・・じゃなきゃ、前に進めないもん!」

エロやグロに巻き込まれなければ大体のことは大丈夫です。


八上・偲(サポート)
『わたしは偲っていうの。あなたはなんていうの?』
普段の口調は「わたし、~くん、~ちゃん、ね、よ、なの、なの?(天真爛漫な女の子な感じ)」です。

冒険や日常ではややおとなしめで明るい子ですが、
戦闘となると血気盛んです。

炎使い。自分の【火炎耐性】程度までなら自分ごとも厭わず相手を燃やします。(味方や状況には配慮します)

好きなもの:チョコレート、動物、かわいらしいもの
嫌いなもの:ダークセイヴァーの悪徳、女子供と見くびる相手

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●聖女の癒し
 自治領の中には成人した闇の救済者(ダークセイヴァー)だけでなく、僅かだが子供もいた。子供達の体格は一目見て他の世界より痩せ細って見える。しかし、生かさず殺さずを強いられている人類の貴重な未来を紡ぐ――少なくない死別を越えた――何とか生き抜いている命達だ。猟兵達の中にはその子供達と同年代の子供もいる。
「シャーロットだよ。みんな、よろしくね」
 シャーロット・ゴッドチャイルド(絶望の福音・f23202)は、眩い笑顔で挨拶する。
「わたしは偲っていうの。あなたはなんていうの?」
 八上・偲(灰かぶり・f00203)は、子供達の中で最年長に見える少女に挨拶し、青く輝く瞳で見つめながら名前を訊いた。
「ナターリエ……」
 名乗った少女――ナターリエにシャーロットが抱きついた。
「ナターリエさん、素敵な名前だね。だから、あなたの笑顔が見たいな」
 ナターリエを抱きしめるシャーロットの左手が淡く輝き始める。シャーロットの身体に宿る聖なる光――ユーベルコード「生まれながらの光」が、掌の聖痕から溢れ出していた。その光はナターリエを包み込み、絶えず生死の境に立たされていた少女の緊張と疲弊を癒し、笑顔を灯した。
「ひかりだー」
「おねえちゃん、あったかそー」
 ナターリエを包む光に、幼児と呼べる子供達が興味を示した。
「わたしも光の力を使えるんだよ」
 幼児達を抱きしめたのはオラトリオである偲。灰色の髪に咲いている薔薇の花が輝いて、偲にも宿る「生まれながらの光」が幼児達を包んでいく。
 二人の幼き聖女の光は自治領の子供達を癒し、聖女達自身が負う疲労も互いに癒し合っていた。

「ハロウィンっていうのは、子供達がお菓子をもらえるお祭りなんだよ」
「「お菓子……!」」
 シャーロットの言葉に子供達の瞳が輝く。
「怖いものの仮装をして、お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、って大人達を驚かせるの。そうやって楽しんで、本当の怖いものから身を守るの」
「そうなんだ……」
 偲はナターリエに他の世界でのハロウィンも教える。仮装して迷宮のイチゴ畑に行ったことなど、冒険の記憶を伝えて想像を促し、笑顔を引き出していた。
 ハロウィンという未来をこれから体験する子供達の期待は、輝く笑顔に表れていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
じゃ、やってみましょう。
「おやつをよこせ〜、食べ物よこせ〜、くれなきゃお前を食べちゃうぞ!」
美味しいものに釣られて悪い者も来ますから、小さい子は食べられちゃわないようにオバケのふりをするんです。
そう、上手ですね!クッキーをどうぞ。

南瓜ランタンを作りましょう。
(それにしても、変に南瓜に固執するオブリビオンでしたね・・・はっ!無意識に美少女を描いていました)
でも、南瓜が身代わりになって人々を守ったので、これでいいのかも・・・?

みんなは美少女を描かなくていいんですよ!?
魔除けのジャックでね。

美味と収量を約束した「聖なる南瓜」を作成
この先ずっとこの地に豊かな実りと護りの加護がありますように。



●聖女の施し
「おやつをよこせ〜、食べ物よこせ〜、くれなきゃお前を食べちゃうぞ!」
 その言葉と共に継ぎ接ぎだらけの襤褸切れが子供達に襲い掛かるようにうごめいた。だが子供達は笑って喜んでいる。正体を知っているからだ。その正体――襤褸切れの中から顔を出したのはミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)。
「ハロウィンでは美味しいものに釣られて悪い者も来ますから、小さい子は食べられちゃわないようにオバケのふりをするんです。じゃ、やってみましょう」
 ばさっ、とミリアリアは襤褸切れを正面の子供に被せると、子供はすぐにお化けになり切った。
「そう、上手ですね!」
 ミリアリアは拍手してクッキーを差し出す。クッキーを頬張る子供の笑顔は順番に広がっていった。

「――では、この南瓜に顔を描いて、中身をくりぬいたら皮の顔を切り抜きましょう。こんな風に」
 お化けごっことクッキーを堪能した子供達は、次に南瓜のランタン作りを始めていた。慣れた手つきでランタンを完成させたのはミリアリアだ。くりぬいた中身も貴重な食糧として、成年の闇の救済者に渡す。
「みんなでやってみましょう。まずはこのように顔を描きます」
 子供達は見様見真似で南瓜に顔を描き始め、ミリアリアも次の南瓜に取り掛かった。
(それにしても、変に南瓜に固執するオブリビオンでしたね……)
 先刻までの「聖女殺し」との闘いがミリアリアの胸中を過る。
「お姉ちゃん、絵、上手……」
「あっ、ありがとうございま――はっ!」
 ミリアリアは自身の画力を最年長に見える少女に褒められ礼を返すと同時にはっとした。描いていたのは聖女殺しが好みそうな美少女の顔だった。
(無意識に描いていました……)
 これはこれでアートではあるが教えたいことではないため、ミリアリアは真裏の面を使おうと南瓜を回した。
「みんなは美少女を描かなくていいんですよ!? 魔除けのジャックで――」
「わたしにも描けるかな……」
 最年長の少女が新たな南瓜に筆を走らせると、意外な――日の目を見ることのなかった――筋の良さにミリアリアは感嘆した。
「……上手いですね。あなたのお名前、教えてもらえますか?」
「ナターリエ……」
「ナターリエさん、これからも描いてみてください」
 ナターリエの――子供達の笑顔が、ランタンと共に輝いていた。

 子供達が寝静まって、ミリアリアは闇の救済者達へも施しを用意した。それは今までランタンと夕餉の席を賑わせたものとは別の南瓜。ユーベルコード「ゴッド・クリエイション」により生み出した、美味と収量が優れた生命――「聖なる南瓜」だ。
「歓待の席まで設けていただき、ありがとうございました。こちらはささやかなお礼です。この先ずっとこの地に豊かな実りと護りの加護がありますように」

 猟兵達が去り自治領が冬へと時を移す中、子供達の中で最年長の少女は南瓜ランタンの灯りの中で襤褸切れに「南瓜を齎す守護聖女達」を描き始めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年12月19日
宿敵 『聖女殺し』 を撃破!


挿絵イラスト