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可笑しお菓子いパーティ、リターンウサ!

#アリスラビリンス #お祭り2021 #ハロウィン

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「我が世の春が来たぁウサァ!!」
「今は秋ウサけど!!」
 もうじきハロウィンを迎えるこの時期。オウガ・オリジンの力によって生み出されたハロウィンの国、その一角ではもしかすれば聞き覚えのある様な声が聞こえていた。
「猟兵の嫌がる姿や仮装した姿を見てグフフしたい!という想いだけで!ボク達がカムバーック!ウサ!!」
 そう。見た目はバニーガールだが実はバニーボーイな彼等イタズラ好きなウサギさん達は、実は以前にハロウィンの国に住み着いていたイタズラ好きなウサギさん達だったのである!!

「だ、そうなので。皆頑張れ」
 こいつら根性あるなー、これが想いの力かー。等と呟き猟兵達をとっとと送り出そうとするシーネ・クガハラ(ただいまB級テンペストプレイヤー・f01094)だったが、流石にそれに納得する者はおらず、渋々といった様子でシーネは説明を再開する。
「知ってる人は知ってると思うけど、去年のハロウィンの時にハロウィンの国で対峙した、猟兵達の仮装を見たり、嫌々着替えたりする所を見て感情が高まっちゃう系のイタズラ好きなウサギさんがまた現れたのでもう一度戦ってきてほしい訳よ」
 その言葉に覚えがある者もいるようで、放っておけばいいのではないかと言う声も上がるがそれをシーネは首を横に振って否定する。
「いやまあ、あんなのでもちゃんとしたオブリビオンだからさ。存在してるだけでも世界が滅亡に近づいちゃう訳ですよ。さらに放っておいたらハロウィンの国を支配されて、さらに今よりも恥ずかしい目に遭ったりしないと倒せなくなったりするかもしれない訳よ。つまり今の内にやっちゃった方が楽なのよ。まあそういう訳で、先にハロウィンの国に行ってオブリビオン達が来るのを待ちつつ、この前と同じように飛んでくるランダムなコスプレ衣装を身に纏って戦ってくれい。飛んできたコスプレ衣装を着ないとほぼ絶対勝てないって位強いけど、コスプレ衣装さえ着ちゃえば、そいつらの性格とかも合わさって絶対勝てるってぐらいの強さになるから。そいつ等の目的が目的だけに、コスプレ衣装を着る事を邪魔されたりもしないのでどんな衣装が来ても絶対に着るという覚悟だけ持っていってくれい。ああ、そうそう。ハロウィンの国だけど愉快な仲間達が頑張ったおかげでお菓子の森が出来上がってるから、そこのお菓子を食べたりハロウィン用に持ち帰る物を決めたりしながら時間を潰すといいんじゃないですかね?……よし、もう話すことはないので皆頑張れ。幸運を祈る!」
 かなり早口でざっくりした説明を終えたシーネは、とてもやり切った顔で手を振り、猟兵達をテレポートで送り出すのであった。


風狼フー太
 注意:このシナリオは二章完結のシナリオとなっております。

 実は初めて過去に書いたシナリオに関連したシナリオを書く風狼フー太でございます。

 このシナリオは可笑しお菓子いラビリンスパーティ!(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=29296)で出てきた集団敵の、少なくとも姿と性格とある程度の記憶を受け継いだ存在となっております。一読いただければ、この敵を深く理解できるかもしれませんが、知らなくても特に戦闘で不利になる要素はございません。

 一章の日常フラグメントでお菓子の森で思い思いの時間を過ごしていただいた後、二章でやってくるイタズラ好きなウサギさんを倒す事が目的となります。
 なお二章で飛んでくる衣装は完全にランダムとなっております。ですので、キャラクターごとの好みの衣装の傾向とそれが飛んできた時の反応、および苦手な衣装の傾向とそれが飛んできた時の反応、それぞれ二つを二章のプレイングに書いていただきますと、非常に助かります。イタズラ好きなウサギさんはコスプレ衣装さえ着てしまえばとりあえずユーベルコードを使えば倒せる位の強さになりますし、コスプレ衣装を着る時に邪魔しません。むしろ着替えを見て楽しむタイプです。

 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
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第1章 日常 『お菓子の森のピクニック』

POW   :    お菓子のなる木々の間を巡り、食べ放題を楽しむ

SPD   :    お菓子の森の手入れを手伝いつつ、好みのお菓子を見つける

WIZ   :    日持ちするお菓子を見つけ、持ち帰る

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 この国に存在したオブリビオンと言う脅威がなくなり、現在のハロウィンの国はこの世界らしい変貌を遂げていた。飴細工の花々が咲き誇る森の木はビスケットで出来ており、その中を流れる川の水はチョコレート。兎にも角にも見渡す限り、猟兵達の周りにはすべての物がお菓子で出来たおかしな世界が広がっている。この国のお菓子は自由に食べて持ち帰ってもいいそうなので、好きなお菓子を食べるなり、持ち帰るお菓子を見定めたりしながら時間を過ごし、そして来るべきオブリビオンとの戦いに備えるのがいいだろう。
ケルシュ・カルハリアス
※ アドリブ・連携OK
※ WIZ判定

家族への贈り物用に持ち帰れそうなのを探そうかな。あとお菓子と鮫をテーマに絵のネタでも考えてみようっと。

あ、動物ビスケットだ。動物の形をしたお菓子を見るとつい鮫があるか探しちゃうんだよね。ちょっと探してみるかな。…小さい頃、お母さんと鮫型のお菓子を作ったのを思い出したよ。

イタズラ好きなウサギさんか…前に戦った時は鮫を騙したからってやり過ぎたなぁ…。でも今回も倒さないとね。



「イタズラ好きなウサギさんか……前に戦った時は鮫を騙したからってやり過ぎたなぁ」
 デフォルメなサメを模した服を全身に纏うケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)は、すっかりおかしなお菓子の国となったハロウィンの国を歩きながら、家族に持って帰れる様な日持ちのするお菓子を探していた。
 かつてこの不思議な国で、何とも言い表しにくいイタズラ好きなウサギさんと対峙したケルシュ。その時に、兎は鮫を騙したという説がある、とある神話の鮫の無念を晴らすべく、無数の鮫を召喚し徹底的にウサギさんに攻撃を仕掛けた事がある。
 その時の事を思い出し、少し可愛そうな気持ちにもなったが、あれでもオブリビオン、世界を崩壊させる存在なのだと割り切り、ケルシュはうんうんと首を縦に振る。
「今回も、ちゃんと倒さないとね。……おっと、この森の葉っぱは動物ビスケットなんだ?」
 辺りを見渡し、以前来た時との違いを見て周りながら、鮫とお菓子を題材にした絵のネタを探していたケルシュが辿り着いたのは木々がビスケットで出来たお菓子の森。木の葉の代わりに生えた小さなビスケットの中には、動物を模した物もある。
 それはつまり、ケルシュが愛してやまないサメの形をしたビスケットも有るかもしれないという事だ。
「こういう動物の形をしたお菓子を見ると、つい鮫があるか探しちゃうんだよね」
 時間もある事だし探してみようと、森の中に入り再び辺りを見渡す。その道中で思い出したのは、母親と一緒にお菓子を作った、幼い頃の記憶。
 代々続く鮫絵師の家系に産まれたケルシュは、幼い時から鮫の虜であり、鮫型にくり抜き形を作った手作りのお菓子は今でも忘れる事の無い思い出である。
「なんだか思い出しちゃった。懐かしいなぁ」
 そんな思い出に浸りながら、此処で絵を描いてみるのも悪くないかと、ケルシュは地面に埋まったちょうどいい大きさの岩に腰かけて紙とペンを手に取る。
 メルヘンな森の中に、どうしたら鮫を上手く取り入れる事が出来るだろうか。色々とデザインを考えてペンを奔らせたケルシュが、鮫のビスケットを見つけ、それを家族のお土産にしたのは、ほんの少し後の事であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
POWで判定

あのウサギたちまた出たんだ……
まあもう一回倒すだけなんだけどさ。
さて、とりあえずは出てくるまでお菓子食べて待ってようか。

ビスケットの木とチョコレートの川かー。
溶けたチョコがあるんだったら、ビスケットをチョコレートに漬けて食べようかな。
他にも何か適当にチョコに漬けたら美味しいものでも探して時間をつぶそうか。

そういえば、前にウサギたちを相手したときはお菓子を作る側だったなあ。
別に作るのも嫌いじゃないけれど、やっぱり食べる側の方が楽でいいね。



「あのウサギたちまた出たんだ……」
 チョコレートがとめどなく流れる川辺に寝ころび、流れてくるチョコレートを眺め、以前にも戦った事のある何とも言い難いオブリビオンの事を思い浮かべて、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は溜息代わりの言葉を吐いていた。
「まあ、もう一回倒すだけなんだけどさ。あいつ等が来るまで時間があるみたいだし、お菓子食べて待ってようか」
 川の中に、人差し指を入れて、その指先を舐めるペトニアロトゥシカ。甘すぎず、さりとて苦い訳でもないコクのあるミルクチョコレートは実に美味と言う他なく、それを時間が来るまで食べられるだけ、好きな様に食べる事が出来る。
 思わず笑顔で頬が緩むが、それを咎める者も理由もない。楽しんでいいというのなら、楽しまなければ損だろう。
 まず、彼女が試したのは、ビスケットの森に生えていたビスケットの木だ。サクサクと音を立てる香ばしいビスケットの木を切り倒し、食べやすい大きさに割ったそれを、チョコレートの川に漬けるとたっぷりとチョコレートをビスケットへと絡める。
「それじゃあ、いただきまーす」 
 零れない様に指でつまんで、一口で食べきるペトニアロトゥシカ。そこまで甘くなく、香ばしさの方が際立っていたビスケットに、たっぷりと絡まったとろけるチョコレートとの相性は抜群であり、幾らでも食べれるのではないかと言う錯覚すら覚えてしまう。
「チョコレートの甘さがー、ビスケットの香ばしさを邪魔せず、お互いがお互いを尊重してる、そんな感じの美味しさなのー」
 これだけでも満足という物だが、それだけでは終わらない。彼女の周りには、花の代わりに生えた飴細工の花が咲き誇っているのだ。
「あまーい飴を、あまーいチョコレートと一緒に食べる……なんていうか、罪だよね」
 口の中に入れた瞬間に溶けてしまいそうな砂糖の塊であるそれを一つ摘まんで、チョコレートを掬って一緒に食べてみる。。
「んーこれはダメ。偶に食べる位にしないと駄目な奴」
 当然。甘さと甘さの相乗によって甘ったるいと言ってしまえる、毎日食べていれば、どうにかなってしまいそうな砂糖の暴力。カロリーと言う悪魔が囁くそれを堪能してほっと、一息を突く。
「別に作るのも嫌いじゃないけれど……やっぱり食べる側の方が楽で、甘くて、幸せだよねぇ」
 生物が持つ食べるという本能のままに、不思議な国の不思議なお菓子達の組み合わせをペトニアロトゥシカ。オブリビオンが来るまで、彼女はだらだらと、のんびりとした時間を楽しんだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『イタズラ好きなウサギさん』

POW   :    大怪獣ウサゴンだウサ~ッ!!
【自身の身体】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    逃げるが勝ちウサッ♪
技能名「【逃げ足】【ダッシュ】【ジャンプ】【残像】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    子供からやり直しちゃえウサッ♪
【首から下げた懐中時計】から【周囲の時間を巻き戻すサイキックウェーブ】を放ち、【対象の肉体、精神年齢を急速退行させること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「アイムバックヒアー!ウサァー!!」
 そしてその時は来た。歓声と共にハロウィンの国に再びイタズラ好きなウサギさんが戻ってきたのだ。
「やってきましたハロウィンウサ!」
「今年もイェーガーのムフフやあられもない姿をこの目で拝んでやるウサ!」
「例えその先に破滅しかなくても、一瞬を閃光の様に生きてやるウサ!」
 以前、この国に来た時に一部でひどい目にあったはずであるし、何があったのかと言う記憶はある筈なのだが、そんな事お構いなしにわいわいがやがや、と。同じ顔をしたオブリビオン達は同じ様な欲望を喧しく、口早に紡いでゆく。
「今年はどんな衣装で出迎えてくれるかウサね!」
「吾輩!ちょっとスケベな衣装を希望するですウサ!」
「いやぁ着こんでても再現度と言うか完成度が高ければボクは満足ウサ!」
 果たして、彼等はこの地で再び何を見る事になるのであろうか。そして、彼等の心は無事に骸の海へと還る事が出来るのだろうか。
 オブリビオンと共にハロウィンの国でのハロウィンが、今始まったのであった。
キョウジ・コケーシ
あぁ、一年を過ぎてもまだこのような悲しき声が上がるとは……。
彼らの願いを叶える為に、私も全力を尽くしましょう。
いえ、私達が!(空から降りしきる大量の守護神)

好みの衣装は特になく、露出の多いものだと流石に気恥ずかしさを感じますが、どんな衣装であろうが堂々と着て戦います。
私は。

守護神達もそれぞれ好みや思いがありますし、みんなばらばらの衣装かもしれませんので、どのようなリアクションになるかは私にもわかりませんね。
さぁ、思う存分我らの姿を見て頂きましょう。至近距離で!(理想的なフォームで追う守護神)

巨大化した時にはキャバリアを召喚してサイズを合わせておもてなし致しましょう。
「さぁ、願いを叶えましょう」



 さて。先程まで張り切って猟兵達をウッサウサにしてやるウサ!等と言っていた様な言っていないような勢いだったというのに。彼等はビスケットの森の中で生い茂る草の様な綿菓子の中に隠れていた。
「こんなの只のホラーゲームウサ……ピザでも食ってた方がましウサ」
「それ駄目ウサ・配達を届けに家に入った瞬間、襲われるウサ」
「嫌ウサ、そんな最後迎えるのは嫌ウサ!!」
 あーだこーだとひそひそ声で言い合い、彼らが揃って震えて隠れている理由。それは彼等の頭上を浮かぶ物の所為であった。
 時は少し遡る。
「あぁ、一年を過ぎてもまだこのような悲しき声が上がるとは……」
 再びこの地に降り立ったキョウジ・コケーシ(コケーシの後継者・f30177)は悲哀に満ちた声と共に頭を横に振る。
 かつてウサギさん達の欲望を叶えた筈だというのに、再びこの様な結果となった、自らの力不足を、そして人ならざる者の満たされない業に彼は涙を流す。
「再び彼らの願いを叶える為に、私も全力を尽くしましょう」
 コケーシの固い決意と共に、何処からともなく飛んでくる幾つもの衣装。その一着に袖を通したコケーシは空へと飛ぶ。
「さぁ、願いを叶えましょう。私が……いえ、いえ、私達が!」

 そんな決意を胸に抱いたコケーシと、空から降りてきていそいそと衣装を着こむコケーシの召喚したこけし守護神達を目の辺りにして、ウサギさん達は直ぐに隠れる事を決意したのであった。
「地獄への道が善意で舗装されてるウサ……」
「何でまた来たウサ……何が悲しくて無表情で不気味な人形のコスプレをもう一度見なくてはいけないウサ」
「っていうか、あれ何の衣装ウサ」
「あれは道着ウサ。武道や武術を行う際に着る衣装ウサ」
「つまり。オッス、オラコケシ!って奴ウサ?」
「それ以上色々といけないウサ」
 本人は本気でイタズラ好きなウサギさん達の願いをかなえようとしているし、その為にこけし守護神達を召喚したのであろうが、当のウサギさん達からすればありがた迷惑この上ないし、何より全く表情を変えないこけしが色とりどりかつ様々な道着を着て空中に浮かび、ウサギさん達を探しているのだ。
 それは傍目から見てもホラーのジャンルなのである。
「兎も角、暫く身を潜めるウサ。じっとしていれば見つからな」
「ああ、此処にいたのですね?」
 ドキリ、と心臓が飛び出すようなショックと共に上を向けば、そこにいるのはコケーシと彼に付き従うこけし守護神達の姿。
「何でバレたウサ!?」
「汗で飴が溶けたのでしょう。思いっきりお尻が丸見えでしたよ」
「マジウサ!体に雨が付いて気持ち悪いウサ!」
「隠れるとは意外と恥ずかしがり屋なのですね。しかしもう安心してください」
 体に付いた飴を気持ち悪がるウサギさん達。その彼等の前にコケーシとこけし守護神達がずらりと並ぶ。
「さぁ、思う存分我らの姿を見て頂きましょう。至近距離で!」
 様々なポーズを取って、ずずい。とウサギさん達へと近づくコケーシとこけし大明神達。
 それを見たウサギさん達が救われたかどうかはともかく、まず救われてはいないだろうがコケーシ達の前から逃げ出し、それをコケーシとこけし大明神達が追いかける事となったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケルシュ・カルハリアス
※ アドリブ・連携OK
※衣装は際どくなければなんでもOK

できることなら鮫系の衣装が良いんだけどなあ。鮫のお化けとか、鮫の妖怪とか、それ以外でも鮫らしさがあれば…お願い!

鮫要素あり→そうこないと!鮫絵師たるもの衣装だって鮫にこだわってるからね!(凄くテンションが上がります)

鮫要素なし→…鮫…ほしかったです…。せめて、せめてミリ単位でも鮫要素が…。(凄く落ち込みます)

どちらにせよコスプレ衣装はしっかり着ます。パワーアップするからね。
そして最後は【サメジャックフィールド】に落としてからの【イカリノサメビーム】でフィニッシュです。毛皮?今回は引っぺがさないですよ。



「……サメ……サメ」
 ハロウィンの国の何処から飛んできた全身を赤く染めた武者甲冑を纏うケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)は、うわ言の様に何度もそう呟いている。
「去年に続いて今年も鮫要素が無い。……せめて、せめてミリ単位でも鮫要素が……欲しかったです」
 鮫絵師を自負するケルシュにとって鮫に関係のない物を身に纏うと言うのは、例え戦闘が有利になるとはいえ耐え難い物なのだ。
 その為、何とか身につけたまではよかったのだが、ケルシュの心は鮫成分不足により、深刻なまでにやる気が無くなってしまっていたのである。
「……とりあえず、あれどうするウサ」
 そして去年の出来事が出来事だけに、先ずは遠くからケルシュの姿を見ていたウサギさん達は、その一部始終を目撃し頭を唸らせていた。
「あそこまで落ち込むと弄りにくいウサ。反応が無い奴を弄っても面白くないウサ」
「でも衣装は着てるからもう僕らじゃ倒せないウサ」
「放っておいたらまた毛皮を取られるかもしれないウサ!」
「じゃあやる事は一つしかないウサ。またボク達の心に被害が出ない様にしながら、立ち直らせるしかないウサ」
 こうして兎さん達の心は一つになった。自分達の心に傷を負う様な事を避ける為、そして何より上手くすれば弄りがいのあるテンションになるかもしれないが為。
「これを見るウサ、イェーガー!」
 意を決してケルシュの前に出た兎さん一人。その彼が両手に持っていた物を見てケルシュは目を丸くする。
 それは大きく金色の素材で創り上げた『鮫』という漢字一文字を象った物であった。
「この『鮫』の一字が目に入らぬかーウサ!」
「これを兜に付ければキミも鮫武者の仲間入りウサ!」
「んー、何処かで聞いた事あるフレーズウサ」
「って言うか、これで本当に元気が出るウサ?今の内に毛皮が剥がされる事を辞世の句で読んでおいた方が」
「……鮫、武者!!」
「物すっごく目をキラキラさせて食いついてるウサ!鮫だけに!!」
 その後の行動は早かった。ハロウィンの国の魔法的な力によってケルシュの被る兜の頂点には『鮫』の一字が光り輝き、只の鎧武者から鮫武者へと転じたケルシュに鮫成分が全身にいきわたり、ケルシュのテンションはうなぎ登りで上昇してゆく。
「やっぱりこうじゃないと!鮫絵師たるもの衣装だって鮫にこだわってるからね!今の僕は鮫武者……いや鮫絵師武者だよ!!」
「なんていうかお前それでいいのか?って思う所はあるけど、人の趣味にあれこれ言うと藪蛇をつつくので自重ウサ」
「よし!今年は毛皮なんて取らずサクッと終わらせよう!こうやって水辺を描いて、鮫を描けば破壊光線を出せる鮫の完成だよ!」
「やっぱりツッコミ入れるウサ!どうして鮫がビームを出すウサ!」
「いいでしょ別に!鮫がビームを出しても!!」
 いやそれはどうかとおもうウサ!だとかそんなの絶対おかしいウサ!等と言った声が上がるがお構いなしである。
 実際ケルシュの描いた鮫達はビームを一斉に放ったのだから、これが現実なのだ。
「理不尽ウサ!横暴ウサ!」
「やはりそういうことウサね。戦国時代は鮫を描いてビームを出せないと一人前の武者には成れないウサ」
「そんな戦国時代あってたまるかウサ!絶対それはSENGOKUだとか言われてるそういう奴ウサ!!」
「天下無双のつわものなりとかって奴ウサー!」
 かくしてビームによって空高く舞い上がったウサギさん達は空の彼方まで吹っ飛ぶ事となったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
相変わらずだなあ……
まあ、やること変わらないから楽と言えば楽だけど。

好みの衣装:飾り気の無い服・汚れが目立たない服
苦手な衣装:綺麗な服・汚したら駄目そうな服

好みの衣装の反応
うん、これならまあ着ても大丈夫かな。
あたしの戦い方だと服が汚れたり破けたりしやすいからねえ。
こういうのだと気兼ねなく動けていいね。

苦手な衣装の反応
うーん、嫌いとかそういうのじゃないんだけど……
前着たから動きの邪魔にならない事は分かってても、
気持ち的に綺麗な服は汚すの良くない気がするから、
結局動きにくいんだよねえ。
あたしにはあんまり似合わないだろうし。

あ、敵は【飛衝放撃】で適当に掴んでぶん投げとくよ。



「来た!女神来たウサ!」
「メイン女神来たウサ!」
「これで勝つる!って言うかもう勝ったウサ!」
「これからボク達負けるけどなウサ!」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)の周りで飛び跳ねはしゃぐ、以前出会った時とまったく変わらない姿と性格のウサギさん達に、ペトニアロトゥシカは呆れた溜息を吐く。
「あー、うん。相変わらずだなあ……」
 ずっと見ていてもしょうがなく、とっとと終わらせたいとは思っている。……思ってはいるが、飛んできた衣装を見て苦虫を噛みつぶした様な顔をするペトニアロトゥシカ。そしてそれを見たウサギさん達のテンションは、彼女の沈む心と比例してどんどん高くなっていく。
「……色んな意味で汚したくないなーこれ」
 裾が地面に当たらない様、装飾等が潰れない様、上手く両手で掴んで持ち上げ、服の全体像を見る。
 彼女曰く、純白の生地に可憐な装飾が施された物。綺麗すぎて、汚してはいけない気がして、とてもじゃないけど着づらいと言わしめる物。
 すなわち。
「ウェディングドレスウサ!ボクの夢がかなったウサ!」
「異形系女の子がこんな衣装を着てくれるとか……オブリビオンにも神はいる。そう思ったウサ」
「最早、此処に教会を立てるしかないウサ!!」
 彼女が手にしているのは、女の子のいくばかが夢見て止まない様なウェディングドレス。銀色のティアラや顔を覆うベール、靴からブーケの細部に至るまで念入りに装飾が施された、創作上のお姫様が身につけているような純白の一品であった。
「……」
 騒がれれば騒がれる程に、手に持っている物を意識してしまい、つい人の姿を取ろうとするペトニアロトゥシカ。それを見て、ウサギさん達は世界の終わりを止めんが如く、彼女に飛び掛かり止めようとする。
「止めるウサ!早まっちゃダメウサ!」
「だってぇ、こういうのって普通の女の人が着る物じゃない?」
「そんなこと考えなくていいウサ!持ち味を生かすウサ!ありのままの自分を見せるウサ!」
「どんな体でも着れる魔法の衣装ウサ!身につけないとボク達を倒せないウサ!オブリビオンを倒すというイェーガーの基本を思い出すウサ!!」
「うー……分かったから離れてよ。ちゃんと着るからさ」
 複雑な心境ではあるが、これもオブリビオンを倒す為と、ドレスに袖を通す決心を固めたペトニアロトゥシカ。一人で着れる様な物では無かったが、ペトニアロトゥシカの姿を間近で見る為にウサギさん達が着付けを手伝い、暫くしてそこに立っていたのは、すらりと長いドレスで足元を隠し、両手でブーケを持つペトニアロトゥシカの姿。
「おおお……お義父さん嬉しいウサ!娘がこんな立派に成長してウサ!」
「そこをどけウサ!ボクが新郎ウサ!」
「貴様の様な馬の骨に娘を渡すわけないウサ!」
「何か物すっごい特大ブーメランを見た気がするウサ」
 此処にきてウサギさん達のテンションも有頂天。猟兵の恥ずかしがる姿だとか嫌がる姿だとか、何より可憐な衣装を身に纏う姿を存分に楽しむ事が出来たのだ。
「……もういいよねぇ」
 それとは対照的に、抑揚のない声でそう告げるペトニアロトゥシカ。衣装を身に纏った事で、目の前のウサギさん達を直ぐに倒せる事は分かっている。ブーケを片手に持ち直し、もう一方の手で首元のリボンをがっつりと掴み、力を込める。
「ここでお別れって事でぇ」
「待て!後、1ターンだけウサ!」
「話せばわかるウサ!人間皆兄妹ウサ!」
「もう時間ですよーって言われて引き下がったら駄目なんじゃないかって今だけは思うんだウサ!」
「じゃあ、バイバーイ」
 答えの有無は聞いていないと、力任せにウサギさん達を一人ずつ空に放り投げれば、慟哭に似た彼等の叫び声が空に響き渡る。
 最後の一人を投げ終えて漸く静かになり、冷静に自分の身につけている物を見て、ペトニアロトゥシカは独り言ちる。
「……やっぱり、こういう服は苦手だなぁ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

クレア・フォースフェンサー
ふむ、仮装か。
わしはこう見えて、結構多くの主人に仕えた経験があるのじゃよ。
主人の嗜好はそれこそ千差万別でな。一通りの衣装は昼も夜も経験済みじゃ。
この衣装自体、最後の主人の趣味によるものじゃしな。

軍服など端整なものならば、得意とするところじゃ。
どのようなものでも見事に着こなしてみせよう。
見惚れているうちに骸の海に還ることになるやもしれぬぞ?

しかし、おぬし達が着ているような官能的な衣装や、はたまた着ぐるみについては……。
いや、着ることはやぶさかではないのじゃが、思考統制が機能不全を起こしておるのでな。
見た目に合った色っぽさや可愛らしさは提供できぬかもしれぬ。
そこは容赦願いたいところじゃ。



「ふむ、仮装か。軍服等であれば得意とするところじゃが……成程な」
 先程身にまとった衣装へ視線を落としたクレア・フォースフェンサー(認識番号・f09175)の目に映るのは、何かしらの研究者、或いはマッドサイレンティストが着る様な白衣である。ハロウィンの国の奥から飛んできたそれは、そうとわかる様に試験管やフラスコを収納してある、腰や太ももに巻く革のベルトまで用意されている。
「可もなく不可もなし、と言った所か。軍服等の着こなしであればいささかの自信があったのじゃがなぁ。であれば見惚れる間に、一太刀で骸の海に還そうかとも思ったが」
「なんだか物騒な事を言ってるウサ」
「ふっ、残念だったウサね!その程度の属性力にやられるようなボクじゃないウサそれはそれとしてこういう研究者の白衣とはいい物だと思うウサ露出度は低めながらちらりと見える肌が実に良し脚を隠さないので脚がヨシの」
「どうした急にウサ」
「完全に心と脳がやられてるウサ。何とか特有的な、ものすごい早口ウサ」
 特にクレアが衣装に対して嫌がる訳でもなし、更に剣吞な事を言ってる事もあってかそこまでウサギさん達の気持ちは上がらない様ではあるが、彼等にとってそれはそれなのだろう。
 いつの間にやら話が盛り上がる彼等を遠巻きに見て、つい顎に手を当て声を押し殺した笑い声を上げたクレア。
「思考統制が機能不全を起こしておる老いぼれだと思っておったが、わしもまだまだ捨てた物ではないらしいのう」
「ど、どういう事ウサ?」
「このボディは若く見えるかもしれんが、これでも結構多くの主人に仕えた経験のある経年品じゃ。一応は一通りの衣装は昼も夜も経験済みじゃが思考が上手くまとまらず、これでよいのかと思っておったが……そうかそうか、喜んでくれるか」
「昼のプレイや夜のプレイも……経験済みウサ!?」
「なん……だと……ウサ。一見若いが中身は機械化済みで酸いも甘いも知り尽くした御年輩が、往年のメモリーを頼りにご奉仕してたシチュだったウサ!?」
「ご、ゴクリ……ウサ」
「生々しいウサ!表現の改正を求めるウサ!」
「まあ。そこまで奉仕等しているつもりはないが、こんないくさばよ。刃の前に言葉を交わすのもいい物じゃろ?」
 突然明かされたクレアの過去を聞き、心に火が付いた様子のウサギさん達。だが、その続きは骸の海でやるといいという事であろう。機械的な棒の様な物から光り輝く刀身を伸ばして抜いたクレアはその切っ先を彼等へと向ける。
「楽しかったが、そろそろ終いにするか。せっかくじゃから切られて往け、な?」
「ふ、ならば仕方ないウサ……最後に一つだけウサ。今回のボク達は此処で滅びるがこれが終わりではないと多分思うウサメイビー。いずれまた何処かの地で会える事を楽しみに待ってるウサ!」
「潔し。ではさらばじゃ」
「で、出たーウサ!武人系特有の手の速さウサ!さ、サラダバーウサー!」
「それを言うならサラバだーウサ!!」
 クレアの放った一撃を受け、声だけを残してあっさりと消滅したウサギさん達。
 骸の海へと還るその時まで騒がしかった彼等が、果たしていずれまた現れる事になるのか。それが分かるのは、またいずれという事なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月20日


挿絵イラスト