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常闇の先にあるものは

#ダークセイヴァー #常闇の燎原

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#ダークセイヴァー
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#常闇の燎原


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●グリモアベース
「みんな! ダークセイヴァーの調査依頼だよ!」
 ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が集まった猟兵達に元気に声をかける。
「今まで地上だと思ってたのが地下第4層だったなんて驚きだよね! だったら上の層があるはず! その第3層に繋がる場所を探してもらいたいんだ!」
 だがそれを知るものは限られ、支配階級であるヴァンパイアの多くにすら「この世界が階層状の構造をしており、今まで地上と思っていた場所が地下である」ことは知られていない。
「今のところ何もわかってないんだけど、つまり今まで行ったところには何もないってことだよね」
 今まで探索した場所には上層に繋がる場所はなかった。つまり新たな地域へと足を運ばねば新発見はない。
「辺境を越えて人が住む場所のもっと先。真っ暗な世界「常闇の燎原」に何かが隠されてるかもしれないよね。だからそこを目指してほしいんだ!」
 今だ誰も足を踏み入れたことのない未踏の地。そこに新たな道があるかもしれない。
「そこに辿り着くには、まずは辺境地帯を越えないといけないんだ。辺境地帯をテリトリーにしている「狂えるオブリビオン」。それに過酷な環境にも適応して住み着いてる「吸血コウモリ」。最後に辺境地帯の果てにいる「黒い炎」をまとうオブリビオンまで倒さないと到達できないんだよ」
 3つの関門を乗り越えなくては常闇の燎原へと辿り着けない。

「まずは狂えるオブリビオンだけど、理性がないけどパワーアップしてる強敵で、テリトリーに入るものを問答無用で攻撃してくるみたい。『滅亡卿』ヴォルフガングって名前のスゴイ老兵なんだけど、強引に突っ込んで来るようになってるから、そこが弱点になるかも!」
 狂戦士と化した滅亡卿は、ただただ視界に入る者を滅亡しようとする。それを逆手に取れば有利に戦えるかもしれない。

「次は辺境地帯に住んでる吸血コウモリの群れを突破しないといけないんだ。生き物が入り込むと血を吸いに襲ってくるよ! やっつけるか逃げるかして、先に進まないといけないんだけど、暗いし素早いから見つけにくいかも。コウモリは超音波でみんなを探してるみたいだから、それをどうにかできれば簡単に通れるかな?」
 吸血コウモリの群れは数が多くあちこちに巣食っている。オブリビオンではなく普通のコウモリなので、対処法を考えれば血を吸われずに通れるだろう。

「ここまでくれば残るは辺境地帯の果てにいるオブリビオンだけだよ。だけどこのオブリビオン『深淵に沈みし騎士』は黒い炎に覆われてて、「あらゆる防護を侵食し、黒い炎に変えて吸収してしまう能力」を持ってるんだ! だから攻撃を受けちゃうと敵が回復しちゃうんだ。なんとか攻撃を避けて戦わないとダメだよ」
 攻撃を受けず、見切って回避しない限り、攻撃を受けた防具・服・肉体は黒い炎に変えられ、敵の体力を回復してしまう。

「この3つの関門を乗り越えたら常闇の燎原に到着できるよ! その先に何があるのかはまだわからないけど、きっとこの世界の本当の姿に一歩近づけるはず! みんなならきっと辿りつけるよ!」
 ラフィロワはキラキラと輝く道を辺境地帯に繋げた。
「第3層を目指して、冒険の始まりだよ!」


天木一
 こんにちは天木一です。
 ダークセイヴァーの第3層への道を探し、辺境地帯を越えて常闇の燎原を目指しましょう!

 第1章は狂えるオブリビオンとなった『滅亡卿』ヴォルフガングとの戦闘となります。理性を失っており会話は成り立ちません。

 第2章は道中に巣食う吸血コウモリの群れを突破します。

 第3章では吸収能力のある黒い炎を纏う深淵に沈みし騎士との戦いとなります。
 黒い炎による吸収攻撃への対処法を実行するとプレイングボーナスを得られます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは辺境地帯を越え、人類未踏の地『常闇の燎原』へと向かってください!
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第1章 ボス戦 『『滅亡卿』ヴォルフガング』

POW   :    滅び歌え轟砲連打の葬送曲
【処刑斧による大地割り砕く全霊の一撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を敵対者を自律砲撃する攻城兵器群に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    怒りの日
【世界焼き払い死者蘇らせる忌まわしき呪炎】を降らせる事で、戦場全体が【滅亡卿の操る屍兵が溢れる死者の帝国】と同じ環境に変化する。[滅亡卿の操る屍兵が溢れる死者の帝国]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    常闇の信徒
自身の【生身と相手の記憶の“自身に関する情報”】を捨て【影という影を瞬時に渡る闇そのもの】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレナ・ヴァレンタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

風魔・昴
麻生・竜星(f07360)と共闘
彼を『竜』と呼んでいる
アドリブ、絡み歓迎


この世界は…地下だったんだね
でもだからって絶望ではないわ
だって上層に行けば陽光はあるっていうことよね?
それなら、前に進まなくっちゃ!

「私達はこの世界のために上層に行かなきゃいけないの。ここを通させてもらうわ」

まずは『属性攻撃』『マヒ攻撃』で『斬撃波』『呪殺弾』『衝撃波』を使いながら攻撃を
回避の時は『第六感』『見切り』『オーラ防御』『早業』を使用

敵のダメージが多くなってきたら竜星にアイコンタクト
竜星の合図に合わせて時間差で【星屑の剣戟】を
「OK、準備はいいわ」


さぁ、先に行こう!竜。
未知の世界だけど必ずきっかけを見つけるわよ


麻生・竜星
風魔・昴(f06477)と共闘
彼女を『スー』と呼んでいる
アドリブ、絡み歓迎

ダ―クセイバ―は地下の世界だったのか……
地下なら『本当の地上』があるというわけだ
この世界の希望を増やすためにも先へ進もう

「すまないがここを通させてもらう。この世界の希望を探すために……」

『貫通攻撃』『2回攻撃』で『衝撃波』『部位破壊』『鎧砕き』『斬撃波』『鎧砕き』を使用しながら攻撃
回避のときは『見切り』『オーラ防御』『第六感』を使用

昴から合図があったら【月光剣】を
「了解、スー。時間差で仕掛ける、準備はいいか?」


あぁ、行こう!
少しでも可能性があるのなら……
必ずきっかけはあるはずだから



●辺境の地
「ダ―クセイバ―は地下の世界だったのか……」
「この世界は……地下だったんだね」
 麻生・竜星(銀月の力を受け継いで・f07360)と風魔・昴(父の心と星の力を受け継いで・f06477)の二人は薄暗い世界の空を見上げる。目に見えはしないがそこには空ではなく天井があるはずなのだ。
「でもだからって絶望ではないわ。だって上層に行けば陽光はあるっていうことよね?」
 その事実に絶望ではなく希望を見出し、昴は笑顔を浮かべて振り返る。
「それなら、前に進まなくっちゃ!」
 どこまでも前向きに、人々を救う為に進もうとする意志は太陽のように輝いて見えた。
「スーの言う通りだ。地下なら『本当の地上』があるというわけだ。この世界の希望を増やすためにも先へ進もう」
 眩しそうに昴を見た竜星は大きく頷き、共に行こうと辺境へと足を踏み入れた。
 人の住まう場所から離れ、どんどんと険しい道なき道を歩むと、景色も変わり荒野のように生命の気配が少なくなってく。そこは命あるものが住むには困難な場所なのだ……。

 そんな荒れ果てた場所に一人の戦士が立っている。それは人を殺めるようになってしまった堕ちた老戦士『『滅亡卿』ヴォルフガング』。
「カカカカカカカッ!!」
 滅亡卿が嗤う。それは狂ったように生きとし生けるものを殺そうとする殺意の哄笑。異端の神々に憑依され理性を失った末路。
「死ィィィイイイ!!」
 全ての人間、否――全ての生命を殺そうと滅亡卿が突進すると処刑斧を振り下ろす。それに反応して昴と竜星は飛び退いた。すると斧が地面に叩き込まれ爆発したように大地が隆起し、攻城兵器群となって二人に狙いをつけ大砲による砲撃が始まった。
「私達はこの世界のために上層に行かなきゃいけないの。ここを通させてもらうわ」
 昴は銀杖【†Bellatrix†】を構え、精霊の力を借りて風の衝撃波を放つ。それが砲弾の軌道を逸らして攻撃を外させ、周囲で爆発が起きた。
「すまないがここを通させてもらう。この世界の希望を探すために……」
 その間に竜星は銀月の如く輝く剣【φ月影φ】を振るい、斬撃波を飛ばして滅亡卿を狙うと、大きな盾でそれを受け止める。しかし衝撃に一歩後退した。
「滅ェェエエエエエエッ!!!」
 それが挑発となり滅亡卿は目を青く輝かせて竜星を睨みつける。そして一気に間合いを詰めると処刑斧を振り抜く。
「正気を失っていてもこの踏み込みか!」
 竜星が剣で斬撃を受け流すが、強烈な衝撃に手が痺れた。
「竜! 隙を作るわ!」
 攻撃を続けようとする滅亡卿に、昴が風を圧縮して砲弾のように放ち、盾にぶつけて衝撃で持つ左腕を泳がせ隙を作った。

 昴が竜星にアイコンタクトを送ると竜星が頷く。
「了解、スー。時間差で仕掛ける、準備はいいか?」
「OK、準備はいいわ」
 二人はユーベルコードの準備に入る。
「夜空を輝く沢山の小さな星達よ。我が剣に集まりその力を発揮せよ!」
 昴がユーベルコード『星屑の剣戟』を使い、満天の星空を弾むようなステップで接近し、スターダストを放ちながら星の如く輝く剣【☆星影☆】を振るい流星のように斬りつける。一撃目が右腕を切り裂き、二撃目が脇腹を、三撃目が右太腿を、そして敵を崩したところに止めの一撃が首に入る。だがその一撃は肉を裂いたところで止められた。顔の前に盾が割り込んで受け止めていた。
「愛刀『月影』よ! ルーンと女神ルナの力を借りて汝の力、解放させよ!」
 続けて回り込んだ竜星がユーベルコード『月光剣』を発動し、光を呼ぶルーンと月光の力を纏わせた剣を振り抜く。その斬撃が背中へ袈裟掛けに入り、右肩から鎧が断たれ肉が深く裂け血が噴き出てよろめく。
「殺ォオオオゥオオオオオ!!!」
 滅亡卿が踏み込んで昴に大盾を叩きつける。それを竜星が背後から脚に剣を当てて攻撃を逸らした。
「大丈夫かスー」
「ええ、ありがとう竜。こんな辺境に住んでるだけあって一筋縄ではいかないわね」
「それでも押し通ってみせよう。世界の希望を見つけねばならないのだから」
 昴と竜星は連携して斬撃を浴びせ防戦に追い込む。
「爆ゥゥウウウアッ!!」
 滅亡卿は盾で受け止めながら後退すると、処刑斧を地面に叩きつけ、新たに砲台を呼び出して爆撃によって迎撃し、二人が回避して逃れるとそれを追撃し荒地をさらにでこぼこにしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ・絡みOK
キャバリアは未搭乗

ダークセイヴァーは、住んでるぼくたちにも分からないこと、いっぱいなの
どうにか、手掛かりを、掴みたいね
ここが、辺境ってところなんだね

すごい格好の人が居るね
わわ、襲いかかってきたの!

狼の脚力(【ダッシュ・残像・地形の利用】)で、一旦距離を稼ぐの
【オーラ防御】の【結界術】で、保険もかけておくね
魔力探知(【聞き耳・索敵・追跡・情報収集】)して、動きを分析【学習力】するの

ちょっと、本気でいくよ?
【高速詠唱】しながら魔力を練って、【限界突破】の【全力魔術】のUC発動なの
ヒュッテンブレナー式結界魔術の奥義の【封印を解く】の
【浄化】の【祈り】でできた光の結界、受けてみて



●闇を退ける光
「ダークセイヴァーは、住んでるぼくたちにも分からないこと、いっぱいなの」
 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は謎に包まれた世界の真実に一歩近づこうと、人が誰も入ろうとしない恐ろしい辺境へと足を運ぶ。
「どうにか、手掛かりを、掴みたいね」
 その胸に未来への希望を宿し、上の階層への手掛かりがある筈だと辺境を見渡した。
「ここが、辺境ってところなんだね」
 自分たち猟兵以外には人の気配がしない。それどころか生き物も殆ど住めなさそうな荒れ果てた大地だった。だがそんな大地であっても例外はいる。それが狂ったオブリビオンの老戦士、『滅亡卿』ヴォルフガングだった。他の猟兵を狙い砲撃を行っている姿が目に入る。

「すごい格好の人が居るね」
 禍々しい姿にロランは少し恐怖を感じる。すると自らのテリトリーに入った者を殺そうと滅亡卿が駆け出し襲い掛かった。
「死ィィォオオオオ!!」
「わわ、襲いかかってきたの!」
 獣耳をピンと立てたロランは、慌てて狼の脚力で飛び退き一旦距離を取った。
「待ァアアアアッ!」
 滅亡卿は闇そのものに変身し、影を渡り一瞬にしてロランの足元に伸びる影に移動し、ぬるりと真っ黒な人影となって現れた。
「突然現れたの!」
 警戒し尻尾の毛を逆立てながら、ロランは屈んで振り抜かれる影の斧の横薙ぎの一撃を躱した。
「あ、危なかったの!」
 立っていたら首が飛んでいただろうと想像して顔を青くする。

「守りに入ると危ないの。ちょっと、本気でいくよ?」
 影を移動する相手に守勢に回っては危険だと、ロランは高速詠唱で素早く魔力を練って限界を超えた全力でユーベルコード『破邪結界【Luce a spirale】』を発動する。
「ヒュッテンブレナー式結界魔術の奥義の封印を解くの。浄化の祈りでできた光の結界、受けてみて」
 自身を中心に結界が張られ、破邪の聖光が周囲に満ち溢れる。
「光ィイイイイッ!! ヴゥヴアアアアアアア!!!」
 眩い輝きに闇が掻き消され滅亡卿の存在が薄れていく。獣の悲鳴のように叫びながら滅亡卿は光から少しでも離れようと、闇を消し去る結界を貫き飛び出して逃げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レプリカ・レグナント
成る程此処がダークセイヴァーか思っていたより落ち着く場所ですわね
さあこの辺境の地にオレ様の足跡を刻みますわよ
滅びの果てより来たれ忘却の軍勢よ
ああ成る程、先程の攻撃思ったより簡単にかわせたのは布石だったのですわね、しかしオレ様の召喚した軍勢も少なくなくてよ?
自律砲台で軍勢と共に召喚した火竜を相手にしていてはオレには攻撃を集中できなくてよ
さあ駈けなさい我が愛馬よ、操作能力に気を割いていてはオレの攻撃は防ぎきれませんわね
しかしこちらに集中しては軍勢と火竜が砲台を破壊して参戦して敗北は確定してしまう
まぁ、今の貴様の精神状態では正確な判断は難しいか、しかし容赦しない狂気の檻に囚われたまま死ぬがよい!



●軍勢と狂える戦士
「成る程此処がダークセイヴァーか、思っていたより落ち着く場所ですわね」
 レプリカ・レグナント(反抗と圧政の竜・f32620)は薄暗い世界を見渡し、人里離れた辺境の冷たい静けさに満ちた空気を感じていた。
「さあこの辺境の地にオレ様の足跡を刻みますわよ」
 まるでこの地を支配しに来たとばかりに、王の威厳を以ってレプリカはその力を高める。
「滅びの果てより来たれ忘却の軍勢よ」
 発動するユーベルコード『忘却の軍勢』によって、黒紫の軍馬・亡国の軍勢・灼熱を吐く火竜を呼び出した。
「オレ様率いる王の軍勢の進軍ですわよ」
 レプリカが軍勢を率いて辺境を歩み出す。するとその行く手を塞ぐように『滅亡卿』ヴォルフガングが立ち塞がる。
「死ィ……滅滅滅ェエエエエエエッ!!!」
 狂った滅亡卿は傷ついていても構わず、軍勢全てを滅ぼさんと飛び掛かり、軍勢の中で最も目立つレプリカに処刑斧を振り下ろした。
「オレ様を狙ってきましたわね。頭がおかしくなっていてもオレ様の偉大さがお分かりになるようですわね」
 真っ二つにしようとする凶刃からレプリカが横に飛び退き、空振った処刑斧が地面を粉砕する。すると地面が変形し大砲などの攻城兵器が作り上げられた。
「ああ成る程、先程の攻撃思ったより簡単にかわせたのは布石だったのですわね、しかしオレ様の召喚した軍勢も少なくなくてよ?」
 レプリカが行けと手を振り下ろすと、軍勢が一斉に攻撃を開始した。軍勢と火竜が大砲を恐れずに突進し、兵士は吹き飛ばされても恐れを知らずに兵器に取りつき破壊していく。
「雄雄雄ォオオオ!!!」
 そんな軍勢を蹴散らそうと滅亡卿が駆け出した。
「さあ駈けなさい我が愛馬よ、操作能力に気を割いていてはオレの攻撃は防ぎきれませんわね」
 そうして兵器を封じると、黒紫の軍馬が突進して駆ける滅亡卿を横から撥ね飛ばした。
「ぐがっ! 殺殺殺アアアア!!」
 地面を転がった滅亡卿が咆えながら起き上がり、レプリカを青く輝く目で睨みつける。
「どうした? こちらに集中してはご自慢の攻城兵器が破壊されてしまいますわよ?」
 レプリカが微笑み揶揄うように声をかける。
「まぁ、今の貴様の精神状態では正確な判断は難しいか、しかし容赦はしない。狂気の檻に囚われたまま死ぬがよい!」
 軍勢が包み込み押し潰すように攻撃を仕掛け、滅亡卿は傷だらけになりながらも暴風のように暴れ回った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
遂に、此の世界の構造が暴かれた。だが、其れと同時に此れ迄の
推測が根底から覆され、救済の戦いは振り出しへ戻った。
『常闇の燎原』、『上層』……この常闇の先に、『真の敵』へ
繋がる道標はあるのだろうか?
■闘
敵が強引に突っ込んでくるなら、此方も【ダッシュ】で
ぶつかるように突進せん。
敵が斧を振り下ろすような動作を見せたら更に速度を上げて
懐に潜り込み、斧を持つ腕を【怪力】全開で【武器受け】し、
力づくで受け止める。

止めた直後は間髪入れずに左手を瞬時に武器から放し、髪留めを
【早業】の手つきで手に取る。
そこから敵に逃れられる前に首元に狙いを定め、【真爪・剛】で
鎧をも貫く一撃を繰り出すのだ!

※アドリブ歓迎・不採用可


霧島・絶奈
◆心情
存分に愉しみましょう
この『逢瀬』を

◆行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を【衝撃波】に乗せて周囲一帯に散布

確かに猪突猛進で敵を屠れるだけ能力はお持ちなのでしょうけれど…
聊か環境に適合し過ぎましたね
…ユーベルコードとは時に不条理さえ成し得る存在です
例えば一時的でこそあれ、この地下世界に陽光を齎す事も不可能ではありません

『涅槃寂静』にて「浄化」属性の「炎天」を行使し【範囲攻撃】
天敵の日光です
加えて移る先の影が無くなれば離脱も不可能でしょう?

弱った所を【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●手負いの獣
「遂に、此の世界の構造が暴かれた。だが、其れと同時に此れ迄の推測が根底から覆され、救済の戦いは振り出しへ戻った」
 愛久山・清綱(鬼獣の巫・f16956)は真実に近づいたが、それ故にまだまだ救済には遠い事に気付いた。
「『常闇の燎原』、『上層』……この常闇の先に、『真の敵』へ繋がる道標はあるのだろうか?」
 それを知るためにもこの辺境を突破しなくてはならないと、最初の障害である滅亡卿へと視線を向けた。するとその闘志を感じ取ったように滅亡卿が振り向き突っ込んで来る。
「破ァアアアアアアッ!!」
 全身が泥に塗れ傷つきながらも、滅亡卿の狂気は衰える事無く、それどころか手負いの獣が如く気迫を増していた。
「正面突破か。ならば受けて立とう」
 対して清綱も正面からぶつかるように突撃を始め、両者の距離が一気に縮まった。
「斬ァアアアアッ!!!」
 滅亡卿が大きく振り上げた処刑斧を勢いを乗せて叩き込まんとする。
「……此処か」
 そのタイミングを見計らい、清綱は速度を上げて踏み込み懐に潜り込んだ。そして振り下ろそうとする右腕を下から押し上げ、力尽くで攻撃を止めた。
「……もらったり」
 敵が腕を振り上げた中途半端な体勢となった隙に、間髪入れずに清綱が髪留めを手に取り、首元に狙い定めてユーベルコード『真爪・剛』を使い突き刺す。その鋭い一撃は鎧に穴を穿ち喉笛を破った。
「がぼっ!」
 空気が喉から漏れ出てひゅーと笛のような音が鳴り、髪留めを抜くと血が噴き出す。

「げっ、げはっ……死ャアアアアアア!」
 鎧を血で染めた滅亡卿が血を吐き出し、凄まじい生命力で無理矢理傷を塞ぐと、全身を影のような暗闇に変えて足元の影に入り込んだ。
「確かに猪突猛進で敵を屠れるだけ能力はお持ちなのでしょうけれど……聊か環境に適合し過ぎましたね」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は狂ったオブリビオンを見て、戦闘力は高いが全く理性を残していないところに付け入る隙を見つける。
「……ユーベルコードとは時に不条理さえ成し得る存在です。例えば一時的でこそあれ、この地下世界に陽光を齎す事も不可能ではありません」
 絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、森羅万象に干渉し太陽の如き輝きを地下世界に生み出した。浄化の光によって暗闇が照らされ暗闇が晴れる。
「天敵の日光です。加えて移る先の影が無くなれば離脱も不可能でしょう?」
 眩い光に照らされ影が薄くなっていく。すると移動できる先を失った滅亡卿の影のような姿が炙り出された。
「太陽ゥウウウアアアアッ!!!!!」
 光を浴びた滅亡卿の身体が焼けつき、光の届かぬ物陰に隠れようと岩場に向かって駆け出す。だが行く手で爆発が起こり吹き飛ばされる。よく見れば周囲にはサーメートがばら撒かれていた。
「貴方の周辺には既に罠を仕掛けてあります。さあ、存分に愉しみましょう。この『逢瀬』を」
 絶奈は微笑み、黒剣と白槍を振るって衝撃波を飛ばし薙ぎ払った。地面を転がる滅亡卿が罠に触れてまた爆炎が起こる。
「熱ィイイイイッ!」
 影が失われ元の姿に戻った滅亡卿は燃えながらも駆け出し、真っ直ぐ絶奈に向かって突進する。途中で巻き起こる爆発を大盾で防ぎながら足を止めずに間合いを詰めた。

「弱っているはずですが、それでもまだ此れだけ動けますか。ですが……」
 絶奈が迎え討たんと滅亡卿の正面で剣と槍を構える。しかしその刃がぶつかる前に、滅亡卿の後方から翼を広げた清綱が背後に迫っていた。
「此れだけ負傷してもまだ戦意が衰えぬか。だが血が戻らぬように、回復してる訳でもあるまい」
 フルプレートを真っ赤に染めた敵を目にして、清綱は消える前に燃え上がる蝋燭を思い浮かべる。
「では血の一滴も残さず絞り取るまで」
 清綱が背後に近付くと同時に、絶奈が衝撃波を足元に飛ばして滅亡卿の態勢を崩す。そこへ清綱が首筋に髪留めを深々と突き立てた。そして捻じって傷を大きくしながら引き抜き、大量の血を噴出させる。
「血ィイイイイ!!」
 振り返りながら滅亡卿が背後に処刑斧を振り抜くが、既に清綱は間合いから離れていた。
「一撃で倒せぬなら削り切るまで」
 そこへ絶奈がもう一度衝撃波を、今度は胴体にぶつけて吹き飛ばした。
「轟ォオオオオオオオオ!!」
 よろけながらも起き上がった滅亡卿が獣のように咆え、地面に斧を叩き込む。すると地面が隆起し攻城兵器群に変わると一斉に砲撃を開始して、轟音を響かせた。
 これは拙いと清綱と絶奈は嵐が静まるのを待つように、距離を取って砲撃の外に逃れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ連携絡み歓迎
※【ナインス・ライン】搭乗

階層型世界なのは別にいいんだけど
ディストピア地下都市は実家を思い出すねえ…

認識阻害なら広範にヤッておくべきだったね
両肩の【シリウス・マイン】から照明弾を発射
突撃誘発と同時に愛機AIを自動迎撃モードに移行
これでアタシの記憶に関わらず迫る敵は倒せるさ

◆戦闘
DA22号【タワー】を展開
回避能力・飛行能力を駆使して上空を取ったら
【マトリクス・メモリ】による『白夜の発生源』で常闇を炙り出し
【ユーディット】の重力弾連射で目標地点を圧潰・足止め後
【疑似太陽光照射砲】の太陽光で焼き払う

ふぅ…やっぱり電脳は便利だねえ♪
※戦闘後にバックアップから記憶のみ復元



●太陽の輝き
「階層型世界なのは別にいいんだけど、ディストピア地下都市は実家を思い出すねえ……」
 重量級キャバリア【ナインス・ライン】に搭乗したリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は、地下と云われると飛び出した故郷の事を思い出す。
「以前のアタシみたいに、この世界の人々も上に行ってみたいと思うよね。なら道はアタシたちで見つけてあげるよッ♪」
 窮屈な閉ざされた世界。そこから解放されたいと思うのは自然なことだ。地下に閉じ込められた人々の気持ちに共感したリーゼロッテは上層への道を探そうと、暴れる狂ったオブリビオンへと視線を向けた。
「認識阻害なら広範にヤッておくべきだったね」
 先手を打ってリーゼロッテは両肩の小型多弾頭ミサイル【シリウス・マイン】から照明弾を発射し、愛機AIを自動迎撃モードに移行してオートで動かす。
「これでアタシの記憶に関わらず迫る敵は倒せるさ。後は待つだけってね」
 仕掛けを済ますとリーゼロッテはじっと敵影を見つめる。
「闇ィィイイイイイイ!!」
 すると滅亡卿が自身に関する情報をリーゼロッテと自分から消し去り、闇そのものへと変身して影から影へと渡ってナインス・ラインの照明によって強調された足元の影に移動しようとする。
 それに反応してナインス・ラインが自動で動き、ユーベルコード『DA-22:TOWER』を展開し上空に飛び上がる。そして影が振るう斧の一撃を躱すと、頭上から【マトリクス・メモリ】による『白夜の発生源』で常闇を炙り出す。移動する為の影が掻き消え、人型の黒い影が丸裸となって光の中に映し出される。
 そこへ二挺のキャバリア用重力砲【ユーディット】から重力弾を連射し、敵の居る場所を纏めて圧潰し足止めを行う。その間にジェネレータ出力を限界を越えて高め、【疑似太陽光照射砲】の地上を眩く照らす太陽光を放った。
「光ィイイイイイイッ!!!」
 巨大な熱線が暗闇を貫き、影が消し飛ぶとぼろぼろになった滅亡卿が吹き飛んで地面に倒れた。
「ふぅ……やっぱり電脳は便利だねえ♪」
 常闇の効果が消えると、リーゼロッテはバックアップから記憶のみを復元して状況を把握した。そして追撃に小型多弾頭ミサイルを発射して爆撃し滅亡卿の体が衝撃で吹き飛び地面を転がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシル・バーナード
第三層を目指して、か。ダークセイヴァーにしては浪漫溢れる話じゃないか。面白い。

真っ向勝負か。だけど、受けてやる義理はないね。
その単純な斧の振り降ろしを「見切り」、かわして背後へ回り込む。
出現した攻城兵器群ごと「全力魔法」「範囲攻撃」で空間裁断を発動する。全てのものを、その強度に関係無く切り裂くよ。
そうだね、その斧も空間断裂で切り落としちゃおうか。
死人を何とかする必要があれば、まとめて空間裁断でズタズタにしようか。

ただ暴れ狂うだけなら、慎重に動けば何とかなる。
終わりが近くなったら、空間断裂で「暗殺」しよう。

彼がどこから来たかをぼくらは知らない。だけど、行くべき先は骸の海と決まっている――。



●狂戦士
「第三層を目指して、か」
 セシル・バーナード(サイレーン・f01207)は薄暗い太陽の存在しない空を見上げる。
「ダークセイヴァーにしては浪漫溢れる話じゃないか。面白い」
 見上げた先に上の層がある。そんな浪漫のある冒険なら喜んで参加しようと辺境に足を踏み入れ、暴れている血塗れの老戦士に視線を向けた。
「死ィイイイッ!!」
 滅亡卿がセシルを視界に収めると、負傷など関係なく裂帛の気合と共に駆け出してくる。
「真っ向勝負か。だけど、受けてやる義理はないね」
 セシルは対照的に冷たく言い放ち、振り下ろされる処刑斧を見切って躱し、するりと背後に回り込む。すると斧は地面に叩き込まれ、爆発したように大地が隆起し、攻城兵器群が作り出された。大砲が動きセシルへ砲門を向けた。
「そんなものでぼくを倒せるとでも?」
 セシルはユーベルコード『空間裁断』を発動し、見えもせず音も無く、ただその場にあるものを空間ごと切り裂く。強固な砲身もバラバラに切り裂かれてただの鉄屑となって転がった。

「絶ェエエエエエ!!!!」
 止まらずに跳躍した滅亡卿が処刑斧でセシルを両断しようと振り下ろす。
「そうだね、その斧も空間断裂で切り落としちゃおうか」
 セシルが空間を断つと、斧の柄が半ばで切断され、勢いよく斧の先端が飛んで行った。
「無ァアアア!?」
 短くなった柄だけを振り下し、空振った滅亡卿が驚きの目を斧に向ける。
「打ァウウウウッ!!」
 だがそれも一瞬。すぐに左に持った大盾を叩きつけるように突進を始めた。
「ただ暴れ狂うだけなら、慎重に動けば何とかなる」
 セシルはその猪突猛進な動きを見切り、シールドバッシュを横に跳んで躱した。
「どこから来たのか知らないけど、行くべき先は骸の海と決まっている――」
 勢いのまま通り過ぎる滅亡卿の背中に向け、セシルは手を横に振って空間を断ち、ばっさりと横一閃に切り裂いた。鎧が断たれ胴が上下に別れて血が噴き出す。
「喝ァッッッッ!!!」
 致命傷といえる一撃。だが胴体が断ち切られるまえに狂い強化された生命力が肉を繋げ、そのまま駆け出すと滅亡卿は地面に突き立っていた短くなった斧を拾い上げ、セシルを最大限警戒するように間合いを測って新たに生み出した大砲の砲撃で足止めをした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クオン・キマヴィス
(アドリブ・連携歓迎)

……今この場所が地上じゃなくて地下。…スケールが大きくなり過ぎて頭が混乱しそうだから、とりあえず目の前のオブリビオンを何とかすることを第一に考える。今回は刀と銃を使う。

……目に映る相手に攻撃してくるのなら、それを逆手に取る。
「ステルス迷彩搭載ロングコート」で身を潜めつつ右眼のバイザーで弱点を探る。見つけたら即座に背後からUCを発動して奇襲を仕掛ける。
……この攻撃で致命傷になればいいけど。

仕留め損なったら他の猟兵と一緒に行動しつつ銃の一斉発射でトドメを刺す。

……こんなところで立ち止まってる暇は無いの。速攻で突破する。


ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
上の層へと繋がる道ですか、これまで未踏の地を踏むのは危険が伴うでしょうけど
危険を冒さなければ、何も始まらないでしょうから頑張りましょうね。

■行動
ヴォルフガングと戦いますわね。
闇雲に突撃してくるみたいですので、
【罠使い】で仕掛けたトラバサミみたいな物の所まで誘い込み、
動きを封じますわね。

その後、『プリンセス・ローズ』で【スナイパー】を駆使し狙い撃ちし
『薔薇の刻印』による継続ダメージを加えますわね。

敵の常闇の信徒に対しては
防御力が上がった状態でも【鎧無視攻撃】でダメージを与えて行きますわね。

「さぁ、このまま第3層へと向かいましょうね」



●突破
「……今この場所が地上じゃなくて地下」
 クオン・キマヴィス(黒絢の機巧少女・f33062)は辺りを見渡し、空を見上げる。そこには見えないが天井があるのだろうと思うと、頭がくらくらしてきた。
「……スケールが大きくなり過ぎて頭が混乱しそうだから、とりあえず目の前のオブリビオンを何とかすることを第一に考えよう」
 表情には出ていないが、目を回しそうな気分になるので、今は戦いに集中しようと視線を大砲を他の猟兵に撃ちまくる滅亡卿に向け、【高周波ブレード】と【対UDC専用自動小銃『エクウェス』】を左右の手に構えた。
「上の層へと繋がる道ですか、これまで未踏の地を踏むのは危険が伴うでしょうけど。危険を冒さなければ、何も始まらないでしょうから頑張りましょうね」
 その隣で罠を仕掛け終えたローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)が、美しい薔薇の彫刻が施された銃【プリンセス・ローズ】を構える。
「……目に映る相手に攻撃してくるのなら、それを逆手に取る」
 クオンが【ステルス迷彩搭載ロングコート】の機能を使って透明化して身を潜め、【索敵・情報分析用バイザー『REALIZE』】で弱点を探ろうとする。

「では始めますわ」
 準備が整ったのを見てローズが射程外から引金を引いて銃声を鳴らす。
「殺ァアアアアアッ!!!」
 すると滅亡卿の目がローズを捉え、一気に駆け出して短くなった斧を掲げて襲い掛かる。
「こっちですわ!」
 ローズが仕掛けた罠の後ろに逃げると、それを追って真っすぐに滅亡卿が迫り、足を踏み出した瞬間、ガチンッと金属音が響き足がトラバサミに挟まれた。
「我アアアアアアッ!!」
 獣のように咆えた滅亡卿が脚を引っ張り、無理矢理罠を引き千切ろうとする。
(……胴体への致命傷の跡が幾つもある……だけど敵はまだ動いている。それならまだ無傷な頭部を狙う)
 クオンはローズに気を取られている敵の背後に回り、大上段にブレードを構えユーベルコード『鏖殺閃』を使い、刀身に蒼炎を纏わせ最大出力で振り下ろす。脳天に叩き込まれた一撃は兜を割り頭に食い込んだ。
「具、グギィァァァアアアアア!!!」
 滅亡卿が絶叫しぐらぐらと身体が揺れ、倒れそうになるのを大盾を地面について耐えていた。
「効果があった……けれどまだ致命傷には足りない」
「頭ですわね。追撃しますわ!」
 そこへローズも畳みかけるように銃口を向け、銃弾を割れた兜の隙間から頭部に叩き込む。
「我ァッ!」
 滅亡卿が仰け反りながらも、全身に巡る力を使って傷を塞ごうとする。しかし傷は癒えずどくどくと血が流れ続けた。
「その傷は治りませんわよ。薔薇の刻印は貴方が死ぬまで苦しみを与えますわ」
 ローズの放ったユーベルコード『薔薇の刻印』による弾丸は、癒えぬ傷を与え植物が浸蝕するように体内を破壊していく。

「滅ェエエエエエエエエ」
 滅亡卿がその身を闇そのものに変えてトラバサミから逃れようとする。しかしその動きを読んでいたクオンが先んじて炎弾を連射して叩き込んだ。
「……影には逃げ込ませない」
 炎の明かりが影の向きを変え、潜るまでの僅かな時間を稼いだ。
「影で身を守ろうとも、薔薇の抱擁からは逃れられませんわ」
 ローズがさらに弾丸を撃ち込み、茨の刻印が体を蝕んで激痛を与え、影の状態を維持できなくなり滅亡卿が傷ついた元の姿を晒す。
「……こんなところで立ち止まってる暇は無いの。速攻で突破する」
 そこへクオンが蒼炎宿すブレードをもう一度頭に叩き込み、今度は頭から体まで唐竹割に真っ二つにした。
「死……ヲ………善き……闘争………」
 死の間際に僅かに正気に戻ったように、滅亡卿が猟兵達に視線を向けると、灰となって跡形もなく消え去った。
「さぁ、このまま第3層へと向かいましょうね」
「……辺境を抜けよう」
 ローズとクオンが頷き合い、辺境の果てへ向かおうと足を踏み出した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『吸血コウモリ迎撃』

POW   :    俺の血を吸えるものなら吸ってみろ! 敢えて自らの身を囮にし、引き寄せた蝙蝠を一網打尽にする!

SPD   :    数に対抗するには、こちらも手数だ! 攻撃の手数を増やす工夫をして、素早く確実に殲滅してやる!

WIZ   :    蝙蝠といえば、超音波で周囲の様子を探っているはず! 何らかの方法で音波を撹乱・遮断し、混乱させる!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●吸血コウモリの領域
 全く人の手の入っていない荒れた辺境を進んでいくと、枯れ果てた動物の死骸が転がっている。その体には液体の一滴も残っていない。
 それを見ていると空が雨雲に覆われた。雨かと思って見上げてみれば、そこに浮いているのは雲ではない。それは小さな動物の集まり。黒い体で空を飛び回る無数のコウモリの群れだった。
 キィキィと鳴き目を輝かせたコウモリの群れは、獲物が自分達の狩場に入って来たと猟兵達に襲い掛かる。
 この転がっている干乾びた死骸は、全てコウモリの群れに襲われた犠牲者なのだ!

 このままでは自分達も犠牲者の仲間入りになってしまう。しかし辺境の果てを目指す限り退くという選択肢はない。何とかコウモリの群れを突破し、辺境の果てまで辿り着こうと猟兵達は力と知恵で辺境の脅威に立ち向かう――。
セシル・バーナード
ヴァイオリンを取り出しながら、ひとまず吸血コウモリたちと「動物と話す」を試してみよう。
どうだろう、ここを通してはくれないかな? 手荒なことはしたくないからね。

駄目なら、仕方ない。奏鳴楽団、Come On!
ぼくの「演奏」「歌唱」と楽団の生演奏で、エコーロケーションを潰させてもらうよ。
こんなしけたところだからこそ、明るい行進曲を奏でよう。

演奏しながら、奏鳴楽団と共にゆっくり前進する。オーケストラの音の波の中で、空間測位が出来るとは思わないでね。
さあ、クライマックスだ! 空飛ぶ小さな観客諸君。アンコールはいくらでも受け付けているよ。

コウモリのテリトリーを抜けたと判断出来れば、一礼して更なるその先へ。



●荒野のオーケストラ
 セシルはヴァイオリンを取り出しながら吸血コウモリの群れを見上げる。
「どうだろう、ここを通してはくれないかな? 手荒なことはしたくないからね」
 そしてオブリビオンではない生物を無益に殺めたくはないと優しく声をかけた。
(血だ! 新鮮な血だ!)
(吸い尽くせ! 一滴残さず腹を満たせ!)
 吸血コウモリはただただ食欲に突き動かされ、問答無用と超音波でタイミングを計って一斉に襲い掛かってくる。
「駄目なら、仕方ない。奏鳴楽団、Come On!」
 そんなコウモリの意思を感じ取り、説得を諦めユーベルコード『奏鳴楽団』を発動しヴァイオリンを奏でる。すると擬人化された楽器で構成された交響楽団が現れ、セシルは軽やかに演奏しながら楽しそうに歌い出す。それに合わせて楽団が生演奏を響かせ、コウモリの超音波を利用したエコーロケーションを潰した。
(どこだ? いなくなった?)
(わからない。どこを飛んでるのかもわからない)
 超音波が反射しなくなり、吸血コウモリは方向感覚が乱れて仲間同士でぶつかり合う。

「こんなしけたところだからこそ、明るい行進曲を奏でよう。陰鬱な世界は気分を暗くしてしまうからね」
 テンポアップしたセシルのリズムに合わせ、楽団もまた楽し気なメロディを奏でる。そして行進曲に乗ってコウモリの飛ぶ荒野をゆっくり進み始めた。
(獲物に逃げられる!)
(探せ探せ!!)
 吸血コウモリはセシルを探し出そうと、何度も超音波を放って居場所を確認しようとする。
「オーケストラの音の波の中で、空間測位が出来るとは思わないでね」
 セシルは笑って楽しそうに演奏を続け、ヴァイオリンを中心に繰り広げられる音楽はコウモリを惑わせ寄せ付けなかった。
 楽しいメロディと共に楽団の行進は続き、コウモリ達の群れは翻弄され何もできずにいた。
「さあ、クライマックスだ! 空飛ぶ小さな観客諸君。アンコールはいくらでも受け付けているよ」
 混乱するコウモリたちの翼がぶつかり合う音が拍手のように鳴り響き、セシルは雲のような群れのテリトリーを優雅に通り抜けると、演奏を止めて振り向き観客に一礼して辺境の果てへと向かった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

風魔・昴
麻生・竜星(f07360)と共闘
彼のことは『竜』と呼んでいる
アドリブ歓迎

「蝙蝠って厄介ね。やっぱり光か炎かしら?」

『第六感』を研ぎ澄まし気配を探しつつ
まずは超音波の錯乱を試すように『衝撃波』『斬撃波』を『先制攻撃』
反応した蝙蝠達を炎属性で攻撃

回避するときは『オーラ防御』『見切り』『第六感』を
彼が攻撃されそうな時は声をかけ、光属性攻撃で『かばう』

「まだ数が多いかしら?」
「えぇ、やってみるわ」
『おびき寄せ』を使い蝙蝠達が大きな群れになったら『全力魔法』でUCで攻撃
成功したら彼の誉め言葉に少しどや顔で微笑んで

突破できる数になったら突破します
「あなたたちの相手はこれでおしまい。先に急がせてもらうわよ」


麻生・竜星
風魔・昴(f06477)と共闘
彼女のことは『スー』と呼んでいる
アドリブ歓迎

「奴らは前からだけとは限らないからな」
「そうだなまずは大まかな数を確認しつつ突破しよう」

『第六感』を研ぎ澄ましつつ『暗視』を使い蝙蝠の群れの場所を確認
UCで呼び出した霊にその場所を炎で攻撃するように命じる
打ちもらした時は『衝撃波』『斬撃波』『なぎ払い』で攻撃

回避するときは『見切り』『暗視』『第六感』を
彼女が攻撃されそうになった時は声をかけながら『咄嗟の一撃』で『かばう』


「そうだな……スー、できるかい?」
数減らしに成功した彼女にふっと微笑んで
「流石だなスー、サンキュ」

突破できるようになったら先へ
「先へ行かせてもらうぜ?」



●星の煌き
「蝙蝠って厄介ね。やっぱり光か炎かしら?」
 昴は暗闇に目を凝らし、暗さや障害物も関係なく、器用に飛ぶ吸血コウモリの群れを見上げた。
 キィキィと鳴くコウモリたちは、こちらを獲物として認識し、そこらに転がる死骸同様、干乾びるまで血を吸い上げようと企んでいた。
「奴らは前からだけとは限らないからな」
 竜星は後ろにも闇を見通す視線を送り、素早く暗闇に紛れるように飛ぶコウモリを警戒した。
「視覚に頼ってもコウモリを全て捉えるのは難しそうね。ここは第六感で探してみるわ」
 目ではなく第六感を研ぎ澄まし、昴はコウモリの気配を探しつつ行動を開始する。
「そうだな。まずは大まかな数を確認しつつ突破しよう」
 竜星もまた同じように第六感を研ぎ澄まし、暗視も併用してコウモリの群れの動きを把握した。
 二人が警戒しながら少し前進すると、コウモリのキーキーという鳴き声が背後からも聞こる。群れは囲むように周囲を飛び、逃げ場を塞いで狩りを行おうとしていた。

「コウモリなら超音波を使って飛んでるはずよね。ならそれを妨害して錯乱させてみることにするわ」
 試すように昴は衝撃波と斬撃波を連続して放ち、飛び交う超音波を乱す。するとキィィと甲高い音を立ててコウモリの群れが反応し何事が起きたのかわからず、混乱して一定の場所に留まって飛んでいた。
「上手くいったわね。ここを叩くわよ」
「ああ、数を減らそう」
 昴が【自然総霊符】を手にして炎弾を放ち、竜星がユーベルコード『サモニング・ガイスト』を使い古代の戦士の霊を召喚して、炎による攻撃をさせる。
 炎の直撃を受け燃え上がったコウモリ達は右往左往して、他のコウモリにぶつかって炎が燃え移る。火の手から逃れようとコウモリが飛び回って騒乱が起こり、空は燃えるコウモリが飛び回って明るくなっていた。
 だがキィッと運良く火に巻かれたなかったコウモリが、低空を飛んで後方から襲い掛かってきた。
「スー、背後から近づいて来る」
「任せて竜、私が防ぐわ」
 いち早く竜星が気付いて警告すると、昴がオーラによる障壁を作り、突撃してきたコウモリは壁に正面衝突したように叩きつけられ落下していった。

「まだ数が多いかしら?」
 昴が少々叩いてもまだまだ数を減らさぬコウモリの群れを見た。仲間がやられてもコウモリ達は諦めずに飢えを満たそうと、警戒しながら二人を見下ろし攻めるタイミングを見計らっていた。
「そうだな……スー、できるかい?」
 ここは範囲攻撃を得意としている昴にお願いしようと竜星がちらりと視線を向けて尋ねた。
「えぇ、やってみるわ」
 はっきりと言わずとも以心伝心で考えを理解し、頷いた昴が一歩前に出て自らを囮におびき呼び寄せる。
 キィキィと火に群がる虫のように、コウモリ達が大きな群れになって近づいてくるところへ銀杖を向け、全力でユーベルコード『星光雨』を発動した。星空から眩い光が降り注ぎ逃げる間も与えずコウモリ達を貫いた。
 星の光によって一瞬にしてコウモリ達が消し飛び、助かったコウモリも何が起きたか分からずにただ怯えて散り散りとなって身を隠した。
「流石だなスー、サンキュ」
「ふふ……」
 竜星の誉め言葉に昴は少しどや顔をしてみせて微笑んだ。
 眩き光に襲われたコウモリ達が二人を恐れ、遠巻きにして離れると先に進む道が開けていた。
「群れが散ったな。先へ行かせてもらうぜ?」
「あなたたちの相手はこれでおしまい。先を急がせてもらうわよ」
 コウモリを退け、竜星と昴は共に辺境の果てを目指し先へ進んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レプリカ・レグナント
ほう、成る程な随分と干からびた亡骸が多いと思えば、畜生風情がオレ様の進む道を阻むと?
恐れ多いと云う言葉も解りませんわね、では害獣退治と参りましょうか
鳴け反抗超振動
コウモリは確か超音波を発して周りを確認し襲いくると聞いたことがありますわね、ならばその小賢しい超音波もその小さくか弱い体ごと吹き飛ばして差し上げますわ・・・この超振動でね
か弱い畜生が集まって撃ち出した音ごときでオレ様の強大な超振動を凌駕出来るとでも?これだから畜生は・・・身の程を知るが良い!
木っ端微塵になってしまいましたか、畜生の血でオレの道を汚す訳にも行きませんからね



●王の道
「ほう、成る程な。随分と干からびた亡骸が多いと思えば、畜生風情がオレ様の進む道を阻むと?」
 レプリカは空を覆い尽くさんとする吸血コウモリの群れを見上げ、嘲笑するように口の端を上げた。
「恐れ多いと云う言葉も解りませんわね、では害獣退治と参りましょうか」
 畜生に道理を説いたところで無益と、その力で以って理解させてやろうとレプリカは実力行使に出る。
「鳴け反抗超振動」
 ユーベルコード『反抗超振動』を使い、空気を震わせる超振動を周囲に放った。
「コウモリは確か超音波を発して周りを確認し襲いくると聞いたことがありますわね、ならばその小賢しい超音波もその小さくか弱い体ごと吹き飛ばして差し上げますわ……この超振動でね」
 超振動により空気がかき回され、コウモリ達は超音波が正常に跳ね返らなくなり、距離感が掴めなくなって仲間同士で衝突を始め、そこらの岩などにもぶつかって群れを乱し混乱していく。

 コウモリ達は何とか態勢を立て直そうと、合唱するようにキーキー鳴いて、超音波をばら撒き自分達の位置を確かめ、レプリカの居る場所を探る。
「か弱い畜生が集まって撃ち出した音ごときで、オレ様の強大な超振動を凌駕出来るとでも?」
 その行動を馬鹿にしたように鼻で笑い飛ばし、レプリカは見下すようにコウモリ達に冷たい視線を向けた。
「これだから畜生は……身の程を知るが良い!」
 腕を一振りしてさらに超振動を全方向に放って範囲を広げ、超音波など大波に呑み込まれたように消し飛び、コウモリの群れも超振動の範囲に入ったものが木っ端微塵になって吹き飛んだ。
 空間がビリビリと震える中、運良く巻き込まれなかったコウモリ達がキィキィと悲鳴を上げて逃げ出した。
「木っ端微塵になってしまいましたか、畜生の血でオレの道を汚す訳にも行きませんからね」
 誰も邪魔するものの居なくなった道なき道を、堂々とレプリカが歩き出した。それはまさに我が道を征く王が如く。レプリカは力で以って果てへの道を切り開いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クオン・キマヴィス
「……流石に気味が悪い…さっさと突破する。」

先陣を切って蝙蝠の群れに突っ込む。対策とかは深く考えてない。
元より、『この機械の身体には血は一滴たりとも流れてはいない』吸えるものなら吸ってみればいい。

刀を鞘に収めて、腰のホルスターから【マシンピストル】を抜いて【エクウェス】との二丁拳銃スタイルで戦う。UCで蒼炎の弾丸を蝙蝠の群れに向けて『一斉発射』、辺り一体に『乱れ打ち』する。実弾では無いから弾切れの心配もない。

……あ、勿論他の猟兵を巻き込むつもりはないから、そこは安心して。


ローズ・ベルシュタイン
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
コウモリの群れですか、厄介ですわね。
ですが私も簡単にここで倒れる訳には行きませんわ。

■行動
周囲の暗がりは【暗視】でカバーしつつ、コウモリの襲撃には
【第六感】で察知しておきますわ。

夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(UC)を使用して
コウモリの群れを追い払いますわね。
【高速詠唱】で素早くUCを詠唱し、【範囲攻撃】でUCを放って
纏めてコウモリを攻撃しますわ。
【気絶攻撃】も駆使して、コウモリを気絶させつつ追い払いますわね。

「コウモリごときは、私達の敵ではありませんわ。さぁ、先へ進みましょう」



●強行突破
「コウモリの群れですか、厄介ですわね。ですが私も簡単にここで倒れる訳には行きませんわ」
 ローズは周囲を見渡し、こちらを覆うように広がる雲のようなコウモリの群れの動きを見逃さぬよう警戒しながら荒野を進む。それに合わせてコウモリの群れも形を変え、襲撃するタイミングを計って前方に壁のように集まった。
「仕掛けて来るようですわ」
 コウモリの挙動を暗視でしっかりと確認し、ローズは夕焼け色の美麗なロングソード【夕の憩い】を抜いて構える。
「……流石に気味が悪い……さっさと突破する」
 その隣ではクオンが行く手を塞ぐ薄気味悪いコウモリの群れを見て、刀と銃を手にしたままの深く考えずに先陣を切って駆け出し、ローズが止める間もなく待ち構える群れの中へと突っ込んだ。
 キーキーと甲高い音を鳴らしすぐさま飢えた吸血コウモリが全身に群がる。
「……『この機械の身体には血は一滴たりとも流れてはいない』。吸えるものなら吸ってみればいい」
 構わず平然と前進を続けるクオンに牙を突き立て吸おうとしても、硬い機械の体にまず歯が立たなかった。なんとか頑張って腕に牙を刺しても血は全く吸い上げられず、キーッとコウモリは不満げな声を上げた。
「……諦めろ」
 そんなコウモリを無造作に高周波ブレードで斬り捨てる。するとクオンから一斉にコウモリが離れた。そしてブレードの届かぬ一定の距離を保ち、死角から襲い掛かって血を吸おうとする。
「……懲りない連中だな。これではきりがないか」
 呆れたように無駄な努力をするコウモリを見たクオンはブレードを鞘に納め、腰のホルスターからマシンピストル【対UDC用自動拳銃「レベリオー」】を抜いてエクウェスとの二丁拳銃スタイルになるとユーベルコード『煉獄の暴風』を発動し、自身の炎を中に装填し蒼炎の弾丸を一斉に発射した。連続して放たれる蒼炎が闇を駆け抜け、被弾したコウモリが燃え上がり松明のように辺りを照らした。

「クオンは心臓に悪い戦い方をしますわね」
 群れに突撃したクオンがコウモリを薙ぎ払う様を見てローズはほっとする。すると手強いクオンから標的を変えてコウモリ達がこちらに向かって来るのが見えた。
「こちらも負けてはいられませんわ!」
 ローズが剣を掲げ、ユーベルコード『夕暮れ時に薔薇は踊り咲く』を発動した。すると剣がオレンジ色の薔薇に変わり、それを振るうと無数の花びらが舞うように辺りに散った。そこへ無防備にコウモリが触れた瞬間、体がズダズダに切り裂かれて墜落していく。
「どれだけ数が多くとも、近づけなくては意味がありませんわ」
 ひらひらと舞う花びらを潜り抜けようとするが、その動きに影響され花びらが揺れ動き、コウモリの進路を塞いで切りつける。美しいオレンジの花びらはコウモリにとっての天敵となって襲い掛かった。
 キィキィとコウモリ達が騒がしく鳴いて、花びらに触れぬように離れる。しかし未練がましく距離を保って隙を窺っていた。
「弾切れを待っても無駄、実弾では無いから弾切れの心配はない……あ、勿論他の猟兵を巻き込むつもりはないから、そこは安心して」
 流れ弾には気を付けてクオンはコウモリを撃ち落としていった。コウモリ達が散開すると、クオンは両腕を広げて全方向へと弾を乱れ撃ち、コウモリを燃やす蒼炎が暗い大地を明るく照らした。
「……これで少しは明るくなった」
 進みながらコウモリを撃ち落とし、クオンは蒼い炎で荒野に道を築いた。
「しつこいですわね。これ以上粘っても数を減らすだけですわよ」
 忠告しながらローズがプリンセス・ローズの銃口を向け空砲を放った。激しい音と閃光それに衝撃波が飛び出し、驚いたコウモリ達が混乱してぶつかり合うと、とうとう諦めて飛び去っていった。
「コウモリごときは、私達の敵ではありませんわ。さぁ、先へ進みましょう」
「……行こう。もう少しで果てに辿り着く」
 ローズとクオンはコウモリの群れを退け、蒼く燃える炎が描く道を駆け抜けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※アドリブ連携絡み大歓迎

吸血するコウモリってだけで、他に異能を持ってるわけじゃ無し
アタシ自身はこのまま【ナインス・ライン】で進軍すればOK
装甲を貫く事も内部への侵入も、ただのコウモリには不可能さ♪

…でも自分が安全なら、味方を護るに越した事もないかね
(進行方向の地形図を並行して作成しつつ)

【ゾディアック・プラス】で片手を特殊ARに没入
指パッチンで周辺大気の固有振動数に干渉して
コウモリに強めの超音波をブチかましてあげようか
※【ジュエル・インシュランス】で演算性能補助

後は墜落・混乱したヤツを両主腕の銃器で撃墜したり
【スケイプ・セル】で叩き落としつつ神経を焼いたり
他猟兵の踏み台や防壁も率先して担うよ♪


霧島・絶奈
◆心情
物量とは厄介なものです
特に自身よりも小型の群と言うものは存外対処が難しものです
…とは言え、それは物量を覆す術がない場合の話です
私の歩みを止めるには、聊か役不足であると言えましょう

◆行動
【環境耐性】を高めた【オーラ防御】を纏い進攻
暗闇は【暗視】で見通し、加えて【聞き耳】を立てる事でも索敵

オーラの護りを易々と突破できるとは思えませんが…
仮に突破したとて、【生命力吸収】で命を奪い返す事で対応

とは言え、面倒ではあります
『涅槃寂静』にて「死」属性の「濃霧」を行使し【範囲攻撃】
更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で敵を蹴散らしましょう

超音波で私を捕捉出来てしまうが故に、死地へと飛び込むのです


愛久山・清綱
うむ。当然ではあるが、歓迎されていないな。
他の者の住処を荒らすマネはしたくはなかったが……
今は足を止めてはならぬ。
■防
俺の身体には硬い鱗があるが、顔と首には存在しない……
噛まれぬように【オーラ防御】を貼って防護しよう。
(少々不格好だが)

■行
【POW】
こうなれば一気におびき寄せてやろうか。
【動物と話す】力でコウモリ語を用いて叫び、周囲にいる
コウモリ達に自分の存在を知らせ、此方に向かわせる。

声と羽の音が聞こえてきた時が勝負処。瞬時に刀を構えつつ、
コウモリの群れに【薙鎌・荒】による【範囲攻撃】を仕掛け
猛スピードで突き抜けてやるのだ。
我等も此の路の先に用があるのだ……御免ッ!!

※アドリブ歓迎・不採用可



●逃げ惑う蝙蝠
「吸血するコウモリってだけで、他に異能を持ってるわけじゃ無し。アタシ自身はこのまま【ナインス・ライン】で進軍すればOK」
 リーゼロッテは分厚い黒い雲のようなコウモリの群れを気にせずにナインス・ラインを前進させた。キィキィと鳴くコウモリが巨大な獲物だと喜び勇んで次々と群がるが、キャバリアの装甲を牙で傷つけられるわけもなく、ズシンと重々しく歩く振動で取りついたものが追い払われる。
「装甲を貫く事も内部への侵入も、ただのコウモリには不可能さ♪」
 重厚な装甲を持つキャバリアの前では、ただの動物など脅威でもなんでもないとリーゼロッテは笑う。
「……でも自分が安全なら、味方を護るに越した事もないかね」
 進行方向の地形図を並行して作成しつつ、ユーベルコード『Op.NULL:ZODIAC PLUS』を使い片手を特殊ARに没入する。
「これで対コウモリ装置のできあがり♪」
 早速試してみようと指パッチンで音を鳴らすと、周辺大気の固有振動数に干渉して超音波を生み出す。【ジュエル・インシュランス】で演算性能補助を行い強めの超音波を周囲にブチかますと、電気ショックを受けたようにコウモリ達はビクッと震え、バタバタと落下して地面を転がった。
「動けなくしてしまえば後は処理するだけの簡単なお仕事さ♪」
 地面で痙攣するコウモリが立ち直る前に、大型対物ライフルとビームマシンガンを発射して跡形もなく吹き飛ばした。

「物量とは厄介なものです。特に自身よりも小型の群と言うものは存外対処が難しものです」
 絶奈は数え切れぬコウモリの群れを見上げた。群れが一つの生き物のように纏まり獲物を覆い尽くそうと迫って来る。
「……とは言え、それは物量を覆す術がない場合の話です。私の歩みを止めるには、聊か力不足であると言えましょう」
 物量は武器になるが、それだけでは覆せない圧倒的差を教えようと、絶奈は歩みを変えずに堂々と荒野を行く。
 それを見下ろしたコウモリがキィキィと鳴き、獲物だと一斉に襲い掛かる。だが球状に張られたオーラのバリアに阻まれ、勢いよく衝突したコウモリは痛みに鳴き声を上げた。
「オーラの護りを突破できなければ、血を吸うどころか私の体に傷一つ付けられません」
 悠々と絶奈は歩を進め、群れの中にぽっかり空間が空いたように歩き続ける。

「うむ。当然ではあるが、歓迎されていないな」
 清綱は威嚇するようにキィーと鳴いて行く手を阻むコウモリの群れを見た。
「他の者の住処を荒らすマネはしたくはなかったが……今は足を止めてはならぬ」
 このような場所で足止めを受けている暇はないと、コウモリのテリトリーへと足を踏み入れた。「俺の身体には硬い鱗があるが、顔と首には存在しない……噛まれぬようにオーラを貼って防護しよう」
 少々不格好ではあるがと、オーラの膜で露出した部分を覆った。ちょうどそこへコウモリが飛び掛かり牙を突き立てようとするが、オーラに阻まれて肌に届かなかった。だがコウモリは諦めず次々と襲い掛かり、鱗やオーラに防がれては舞い戻っていった。
「我等を襲うは無益な行為と理解してくれればいいのだが……」
 身を守りながら清綱はコウモリの群れを押し退けるように前に進んだ。

 コウモリの群れは諦め悪く、猟兵達への襲撃を繰り返す。
「脅威とは成り得ない……とは言え、面倒ではあります」
 群がるコウモリにいちいち視界を塞がれ、邪魔に感じて一掃しようと絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動した。周辺の自然へと干渉し、死を宿す黒い濃霧を発生させる。それにコウモリが飛び込むと、力を失いどんどん高度を落し、やがて地面に落ちると泡を吹いて息絶えた。
 仲間が死んだのに気付いたコウモリ達は警戒するようにキィッと鳴いて飛び回る。だが霧が原因とは考えず、絶奈を襲おうとして黒い霧の中に入り同じ末路を辿る。
「超音波で私を捕捉出来てしまうが故に、死地へと飛び込むのです」
 餌である絶奈を狙うと容易く罠に掛かり、コウモリ達の死体が地面を埋め尽くしていった。
「やはり数が多くとも、其れだけでは脅威とは云えません。知恵と力を備えなくては勝利は得られないのです」
 絶奈はただ本能で動くコウモリの死骸を見下ろし、腕を一振りして衝撃波で薙ぎ払い道を開けた。

 撃退されたコウモリの群れは反撃してこない清綱を狙い定め、執拗に襲撃を繰り返す。
「これを繰り返すのは少々面倒だな」
 清綱はこのままではコウモリが諦めるまで長く付き合うことになりそうだと顔をしかめる。
「こうなれば一気におびき寄せてやろうか」
 動物と話す力でコウモリ語を用いて叫ぶ。そして警戒させぬように棒立ちとなった。
『ここに血の旨そうな獲物がいるぞ!』
 その声を聞き取ったコウモリ達が一斉に無防備に立ち尽くす清綱の元へ集まって来る。
(獲物獲物!)
(干乾びるまで飲み干す!)
 コウモリ達の声と羽の音が響き渡る。対してここが勝負処と、清綱は瞬時に大太刀【空薙・剛】を構えコウモリに向かってユーベルコード『薙鎌・荒』を発動し、飛翔しながら神速の剣閃を放ち、嵐の如き真空波がコウモリの群れを呑み込み、薙ぎ払って隙間を抉じ開けると清綱は猛スピードで群れを突破した。
「我等も此の路の先に用があるのだ……御免ッ!!」
 そのまま清綱は追いつけぬ速度で飛び去り、コウモリのテリトリーを抜けた。

 まだ諦めきれぬコウモリは、往生際悪く巨大なキャバリアに乗るリーゼロッテの元に集まる。
「ほらほら、逃げないと全滅しちゃうよ」
 リーゼロッテは邪魔をするコウモリを全て薙ぎ払う勢いで攻撃し、後方に回り込んだものは【スケイプ・セル】で防壁を張って叩き落とし神経を焼いて動けなくしてしまった。
 キーキーとコウモリが悲鳴を上げ、戦力の差にようやく気付いて猟兵の元から逃げて行く。
「これで諦めてくれたかな。今のうちにさっさと進むとするよ♪」
 数を減らし穴だらけの雲のようになって遠巻きにこちらを見るコウモリの群れを見上げ、リーゼロッテはナインス・ラインを堂々と前進させた。
「此のまま辺境の果てへと向かいましょう」
 コウモリが蹴散らされて道が開け、絶奈は仲間と共に辺境の果てを目指した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『深淵に沈みし騎士』

POW   :    蝕まれし聖光の剣
【聖剣の力を解放し、極光放つ聖剣のなぎ払い】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を崩壊させながら深淵が広がり】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    闇に翳る残光
レベル×5本の【破魔の光】属性と【深淵の闇】属性の【朽ちた聖剣から剣閃】を放つ。
WIZ   :    今は歪みし聖裁
【触れたすべてを蝕む深淵の闇】が命中した対象に対し、高威力高命中の【闇に蝕まれた者を滅する聖なる光】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルトリンデ・エーデルシュタインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●辺境の果てを護る騎士
 辺境を進むと、どんどんと周囲が暗くなり松明やランタンで辺りを照らす。
「このようなところまで人がやってくるとはな……」
 声が聞こえそちらに光を向けると照らされ人影が見える。目を凝らせばそこには辺境の果てを護る『深淵に沈みし騎士』が行く手を塞いでいた。その奥には何もかもを飲み込むような闇が広がっている。そここそが辺境の果てにあるという『常闇の燎原』に違いない。
「この先へと進みたいなら、私を倒していくのだな」
 折れた剣を手にした騎士が黒い炎を纏うと鋭い殺気が放たれ空気が震える。騎士を無視して横を抜けようとすれば、その背中を問答無用で切り捨てられるビジョンが浮かぶ。
 身体能力も高いが、防護を侵食し吸収する黒い炎による特殊能力を持っている。明らかに先に戦った狂えるオブリビオン『滅亡卿』よりも強いと感じた。だがこの騎士を倒さなければ目的地である常闇の燎原に到達できない。

 猟兵達は相手は強敵でこちらは連戦で疲労していて不利だと思いながらも、この世界の謎に迫る為には勝たねばならないと、果てを護る騎士に戦いを挑む――!
セシル・バーナード
最後の試練の刻だね。君を打ち倒し、先へと進ませてもらうよ。

騎士の剣閃を「見切り」かわし、鎧の継ぎ目に「鎧無視攻撃」「貫通攻撃」で貫手を撃ち込もう。
細かなステップで剣閃をかわしながら、タイミングを見計らって空間転移。
死角からの「鎧砕き」の「暗殺」を仕掛ける。

流石に、これくらいは読まれるか。
じゃあ、剣閃を避けながら、満遍なく「鎧無視攻撃」と「鎧砕き」を繰り出させてもらうよ。空間転移を繰り返しながら、鎧を壊していく。出来るようなら、中身を「暗殺」したい。
兜が砕けたら、どんな素顔か見せてもらおう。

ヴァンパイアか狂える異端の神かは知らないけれど、そろそろ眠る時間だ。
君があるべき、深淵の闇へ堕ちるんだね。


レプリカ・レグナント
成る程アナタがここの守人と云うわけですわね?しかしオレ様の行く道を邪魔するならば再び深淵に沈んでもらいますわ
これよりここはオレの国オレの領域
その黒き炎まともにぶつかっては厄介、ならばこちらもそれ相応の対処はさせてもらうぞ!
この黒き鋼の涙の雨は辺り一体を鋼鉄の砂で出来た黒き砂漠を造り出す
剣技とは技もさることながら体を支える足が何より大事だ、しかし足を取られ安い砂漠は慣れた者でなければまともに剣を振るえず防御にも力が入らない、その状態では放射する黒き炎も狙いがぶれて簡単には当てれぬだろう?私はこの世界で高速で動くことも可能
狙いのつかぬ黒炎をかわして接近強烈な一撃を叩き込む、その兜を叩き割ってやる!



●騎士に挑む者
「最後の試練の刻だね。君を打ち倒し、先へと進ませてもらうよ」
 いち早く吸血コウモリの棲み処を突破したセシルが先陣を切って仕掛ける。
「来るか、だが我が刃に間合いはない」
 上段に構えた朽ちた聖剣に光と闇が宿り、振り下ろすと白と黒の螺旋の剣閃が飛ぶ。その飛ぶ斬撃をセシルは横に跳んで躱した。
「鎧は強固でも、その継ぎ目を狙えば――」
 敵が剣を振り下ろした隙を狙い、間合いを詰めたセシルが肩の関節部を狙って貫手を放つ。だが指が深く入る前に騎士は身を引いた。
「私を相手に無手とは、その蛮勇を命で贖え」
 騎士が下から剣を斬り上げる。セシルはそれを躱し、さらに続く斬撃も細かなステップで紙一重で避けた。
「蛮勇かどうか、試してみなよ」
 胸に突き入れられる刺突を、セシルはタイミングを見計らってユーベルコード『空間転移』で避ける。そして一瞬にして騎士の背後に回り、次元断層をまとった手刀で首を狙う必殺の一撃を放つ。
「甘い」
 しかしその手刀は背を向けたままの騎士が割り込ませた朽ちた聖剣によって阻まれる。ギシリと空間ごと剣を裂こうとしているが、朽ちても聖剣はその不可思議な力を発揮して防ぐ。そして振り返りながら黒い炎を纏う斬撃が放たれ、セシルは再度空間転移を使って間合いを開ける。
「流石に、これくらいは読まれるか」
 セシルは違和感に自身を見下ろせば、躱したはずの剣圧によって服の胸元が裂けていた。

「成る程アナタがここの守人と云うわけですわね? しかしオレ様の行く道を邪魔するならば再び深淵に沈んでもらいますわ」
 続いて辺境の果てに辿り着いたレプリカが、門番のように道を阻む騎士へと向かい合う。
「何人居ようとも変わらぬ。私が守るこの地を通ろうとするものは聖剣で斬り伏せるのみ」
 騎士が触れたすべてを蝕む深淵の闇を放つ。その闇は黒き炎に覆われていた。
「これよりここはオレの国オレの領域」
 対してレプリカがユーベルコード『反抗領域「鋼鉄の黒き砂漠」』を発動し、黒き鋼の涙を降らせて戦場を反抗領域「鋼鉄の黒き砂漠」へと塗り替える。
「その黒き炎まともにぶつかっては厄介、ならばこちらもそれ相応の対処はさせてもらうぞ!」
 鋼鉄の砂で出来た黒き砂漠を造り出す。その砂を深淵の闇が蝕んでいくが、砂漠の圧倒的質量に負けて一部分を闇に覆っただけで消え去った。
「結界の類か? ならば術者を屠ればよいだけのこと」
 騎士はレプリカを狙い踏み出す。だが砂に足を取られ鋭い踏み込みが鈍っていた。
「剣技とは技もさることながら体を支える足が何より大事だ。しかし足を取られ安い砂漠は慣れた者でなければまともに剣を振るえず防御にも力が入らない」
 砂漠を知り尽くすレプリカは、逆にその砂の足場を利用して高速移動する。
「その状態では放射する黒き炎も狙いがぶれて簡単には当てれぬだろう? 私はこの世界で高速で動くことも可能!」
 レプリカが側面に回り込み、【反抗大斧】を振り下ろす。
「なんと!」
 その一撃を騎士は聖剣で受け止めるが、態勢を崩して後退した。

「私を後ろに退かせるとは、侮っていたのは私の方か!」
 騎士は黒い炎を猛らせ、本気になったように殺気を強める。
「一撃で仕留めるのが難しいなら、手数を増やすよ」
 セシルは剣閃を避けながら、手傷を負わすように砂の足場も関係なく空間転移を繰り返して手刀による斬撃を浴びせる。そして動きの鈍った騎士の鎧や隙間を縫う斬撃によって中身を傷つけた。
「猪口才な!」
 騎士がぐっと腰を落として砂を踏み込み斬撃を放つと、セシルは空間を跳んで逃れた。
「諦めろ、ここはもうアナタの守護する地ではありませんわ。オレ様のモノだ!」
 大振りで体勢を崩したところにレプリカが背後から斬り掛かり、斧が騎士の背中を切り裂いた。
「どれだけ傷を受けようとも、我が一撃が入れば全て癒える。お前達が幾ら私に傷を付けようとも全てが無駄になる!」
 騎士は黒い炎を滾らせ、生命力を奪おうとレプリカに深淵の闇を放つ。だが砂に足を取られ僅かに軌道が逸れていた。
「一撃が入るのならアナタが有利でしょう。だがこの地で簡単に一撃が入ると思うな!」
 レプリカは砂漠に身を投げて転がり闇を躱した。
「ヴァンパイアか狂える異端の神かは知らないけれど、そろそろ眠る時間だ」
 空間転移したセシルが目の前に現れて手刀を振り下ろす。
「君があるべき、深淵の闇へ堕ちるんだね」
 斬撃が頭から浴びせられる。だが咄嗟に聖剣を掲げ騎士は致命傷を免れた。しかし兜に切れ目が入る。
「その兜を叩き割ってやる!」
 さらに続けてレプリカが斧を頭に叩き込み、兜の傷が広がってそこからまだ若く凛々しい顔が覗いた。だが闇に呑まれた瞳は何も映さず、ただ破壊せんと衝動によって剣を振るうまで堕ちていた。
「よくもやってくれたな!」
 頭から血が流れ、兜の隙間から血が垂れ落ちる。騎士は聖剣を薙ぎ払い光と闇の衝撃波で猟兵達を吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ連携絡み歓迎
※愛機搭乗

ま、コレもヒトの生き汚さ
悪いけど通してもらうよ

オペ19番【レイヤード・アヴァロン】開始
ココには仲間の五感もアンタの認識もある
その観測情報で黒炎や剣閃の軌道は読めるさ

【アダマンタイト】の推力で避けた隙に
【デンジャー・バレット】の『侵蝕プログラム』で
騎士の攻撃能力を殺いだら本番だよ

【シリウス・マイン】【インパクト・ボルト】のミサイルと
【ドミナント・バレル】【スカベンジャー】の一斉射撃で
立て直す前にボロ雑巾の出来上がりさっ

戦闘後はソナーや内蔵投光器で燎原探索だよ
にしても階層上がって地表に近づくならいいんだけどね…
地球空洞説みたく「太陽=惑星コア」ってオチも?


霧島・絶奈
◆心情
黒い炎ですか
アポカリプスヘルでも見かけた様な気がしますね
関連性が気になる処ですが、今はこの『逢瀬』を愉しむとしましょう

◆行動
【罠使い】として持ち込んだ「白燐発煙弾」と「魔法で敵を識別するサーメート」を【衝撃波】に乗せて戦場に散布
自身の視界は赤外線センサで補い、【聞き耳】を立てる事で索敵

煙幕で視界が利かぬ故に正確性に欠け、[触れたすべてを蝕む]故に攻撃も遮られる
そして煙幕に気を取られればサーメートの餌食です

『涅槃寂静』にて「死」属性の「ハブーブ」を行使し【範囲攻撃】

更に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


愛久山・清綱
応!元よりそのつもりだ。
拙者、愛久山清綱……其の路、押し通る!

■闘
『心切』に【破魔】の力を宿し、名乗りを上げて戦闘へ突入。

して、黒い炎の力は『触れずに躱す』以外に逃れる術はないか。
【暗視】能力で目を凝らし、次々現れる剣閃を躱しつつ接近しよう。
それらしきものが少しでも目に入ったら【見切る】ように刃から
逃れつつ、【残像】を伴う素早い動きで退避する。

ある程度近づけたら【奇刀・烈】を発動し、懐へ潜り込む。
そこから【フェイント】を絡めた動きで惑わし、無防備な箇所
目掛けて一瞬の四連斬りを仕掛けるのだ。

臆さず引かず、只々前に進むのみ。
如何なる艱難辛苦が待ち受けようとも、だ……

※アドリブ歓迎・不採用可



●希望と絶望
「私に手傷を負わせるとは、この辺境の果てまで辿り着けただけのことはある」
 騎士は頭から流れる血で兜を赤く染め、油断できぬ相手と殺気を込めて黒い炎を滾らせる。
「ま、コレもヒトの生き汚さ。悪いけど通してもらうよ。オペ19番【レイヤード・アヴァロン】開始」
 リーゼロッテはキャバリア【ナインス・ライン】を前進させ、ユーベルコード『Op.XIX:LAYERED AVALON』を使い、擬似『観測者効果』による限定的事象演算で敵の動きを予測する。
「巨人か? だが大きかろうと斬ってしまえばいいだけのこと」
 キャバリアを巨人と思った騎士は、朽ちた聖剣を上段に構え光と闇を螺旋に纏わせる。
「巨人をも一太刀で両断してみせよう!」
 光と闇の剣閃が放たれる。当たれば頭から唐竹割にされるだろう強烈な斬撃。
「ココには仲間の五感もアンタの認識もある。その観測情報で黒炎や剣閃の軌道は読めるさ」
 だがリーゼロッテは完全にタイミングを計り振り下ろされる初動と同時に、【アダマンタイト】の推力で方向を変え剣閃の射線から逃れていた。しかし掠めた衝撃が左肩の装甲を深々と抉る。
「避けただと? その巨体で俊敏さも兼ね揃えているというのか?」
 驚きながらも、騎士は次の斬撃を放とうと構える。
「完全には躱せなかったか、だけど戦闘には問題ないよ」
 対してリーゼロッテもすぐに次の手を打ち、特殊弾薬【デンジャー・バレット】を撃ち込み『侵蝕プログラム』によって騎士の攻撃能力を殺ぐ。
「ここからが本番だよ」
 そしてナインス・ラインの両肩の小型多弾頭ミサイル【シリウス・マイン】とヘリドローン【インパクト・ボルト】からのミサイル。右手の大型対物ライフル【ドミナント・バレル】と左手のビームマシンガン【スカベンジャー】の一斉射撃で蜂の巣にする。
「立て直す前にボロ雑巾の出来上がりさっ」
 攻撃を受けた騎士の鎧が変形し圧迫した中から血が溢れ出す。そのまま鉄屑にせんと弾幕が浴びせられた。
「……この程度、黒き炎を使えば燃え尽きる」
 聖剣に黒い炎を燃やし、被弾も構わず一閃すると弾幕が吹き飛びリーゼロッテとの間に空白が出来る。そして騎士は飛び出し剣閃を薙いでナインス・ラインの右脚を切り裂き故障させた。

「黒い炎ですか。アポカリプスヘルでも見かけた様な気がしますね」
 絶奈は騎士の纏う黒い炎を見て、アポカリプスヘルで見たものを連想する。
「関連性が気になる処ですが、今はこの『逢瀬』を愉しむとしましょう」
 疑問は心の片隅に留め、今は強敵との戦いを存分に愉しもうと笑みを浮かべて白燐発煙弾とサーメートを衝撃波に乗せて飛ばした。発煙弾が煙を上げて視界を塞ぐ。
「煙幕か。無駄な事を」
 騎士は聖剣を振るって衝撃波を放ち、煙を纏めて吹き飛ばしながら踏み出す。するとサーメートが爆炎を起こして足を止めさせた。
「罠か。ならば突破するまで」
 騎士が力を集め深淵の闇を放つ、すると地面に当たり聖なる光が放たれ周辺のサーメートが爆散し煙も呑み込まれていった。
「見えた!」
「強引に突破してきましたか」
 絶奈は突っ込んで来る騎士に対して白槍と黒剣を構えて迎撃態勢を取る。放たれる聖剣の斬撃を槍で受け止め、剣を突き入れる。だがそれを騎士は身を逸らして躱し、両手に力を込めて聖剣を振り抜いて槍を押し込み絶奈の体を吹き飛ばした。
「槍ごと胴を断ち切るつもりだったが、聖剣で切れぬほどの名槍のようだな」
 騎士は仕留め損ねたとふわりと浮かんで衝撃を殺し着地する絶奈に視線を向けた。
「流石は此のような辺境の地を独り守る騎士。歴戦の強者のようです」
 絶奈は手強い敵に武器を握る手を強くし笑みを深くした。

「強い……が、通さぬ。通りたくば私を打倒してみせよ!」
 傷つきながらも力衰えぬ騎士が裂帛の気合を以って立ち塞がる。
「応! 元よりそのつもりだ。拙者、愛久山清綱……其の路、押し通る!」
 清綱が名乗りを上げ、正々堂々と正面から刀【心切】を抜き、刀身に破魔の力を宿らせながら間合いを詰める。
「剣士か、よかろう。通りたくばその力存分に示せ!」
 騎士もまた正面から折れた聖剣を構え、その刀身に光と闇の力を纏わせる。
「して、黒い炎の力は『触れずに躱す』以外に逃れる術はないか」
 対面すれば相手の技量が分かる。その剣技はこちらと同等か上と清綱は見て取った。逃げに徹すれば容易く避けられようが、こちらの必殺の間合いに入ることは叶わない。
「いくぞ!」
 騎士が聖剣を振るい剣閃を飛ばす。それを清綱はしっかりと目で追い踏み出しながら体を傾けて躱す。
「今のを避けるか、だが一太刀で終わりではないぞ!」
 今度は連続して聖剣から剣閃を放つ。縦横斜めと襲い来る刃を清綱は残像を伴う素早い動きで敵を惑わしながら躱していった。
「残像を残すほどの速さか、何か仕掛けるつもりか?」
 こちらを殺す必殺の技を持っていると騎士は察し、慎重になって距離を詰めさせぬように剣閃を飛ばす。
「む、間合いを保つ手に出たか」
 清綱は一進一退の状況になり、じりじりと間合いを詰める。

「脚部損傷……機動力は低下したけど攻撃に支障はないよ」
 機体の損傷をチェックしたリーゼロッテはナインス・ラインを動かし、砲台のようにその場から一気に銃撃を開始して弾幕を浴びせる。
「足の腱を切ったがまだ動くか」
 その銃撃を騎士は飛び退いて躱す。しかしミサイルの爆発が身体を煽って態勢を崩した。
「隙を作れば後はこっちのものさ♪」
 リーゼロッテは仲間が動くのを確認して攻撃を止める。

「如何に強き騎士であろうとも、自然には敵いません」
 絶奈がユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、死を内包する黒砂のハブーブを巻き起こした。砂嵐が騎士を飲み込み、視界を塞ぎ鎧の隙間から中を侵食していく。
「これは――!」
 地上で溺れるように騎士がもがき始める。
「砂嵐に飲み込まれては、どれほど強固な鎧も意味を成さないでしょう」
 砂の山に埋もれるように騎士の姿が消え去る。……だが黒い砂よりもさらに深き闇が浮かび上がる。砂の中にぽっかりと暗闇が生まれ、その中に騎士の姿が現れた。
「我が剣は天を裂き地を割る。砂嵐ごときに負けはしない!」
 騎士が聖剣を振り下ろし、砂嵐を聖なる光が切り裂いた。
「惜しいですね。堕ちる前は名のある騎士だったのでしょう」
 今は名もなき深淵の騎士に向かい絶奈は憐れむ視線を向ける。それと同時に煙幕を起爆させ剣と槍を振るって衝撃波を飛ばした。
「無駄な事を!」
 それを騎士は剣を大きく一振りして掻き消した。

「好機――」
 斬り掛かるには少し遠い間合い、しかしここだと清綱はユーベルコード『奇刀・烈』を使い、瞬間移動によって残りの間合いを一瞬にして懐へ潜り込んだ。
「なにっ」
 それに気付き騎士が剣を構えるよりも速く、清綱は一瞬の四連斬りによって右膝、左腰、右脇、頭部を斬り裂いた。
「がぁっ!!」
 鎧の関節部や兜の割れ目を狙われ、それぞれの刃が肉を裂き血を撒き散らす。だが最後の一太刀のみ聖剣によって阻まれた。
「見事……だが私の命を絶つにはまだ足りぬ!」
 鎧を血に染め上げながらも、騎士は聖剣を構えた。
「お前達はこの先に何があるのか分かっているのか? あるのはさらなる絶望だけだぞ!」
 暗い闇に吞み込まれるような絶望があるだけだと騎士が警告する。
「臆さず引かず、只々前に進むのみ。如何なる艱難辛苦が待ち受けようとも、だ……」
 どれほどの絶望が待ち構えようとも、一歩も引かぬと清綱も刀を構えた。
 両者が全力で刃を振り抜き、火花が散ってぶつかり合う。衝撃に互いが吹き飛ばされて大地を転がった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ローズ・ベルシュタイン
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
此処は随分と暗いですわね、ともあれここを突破しないと
常闇の燎原へは到達できませんわね。
どんな強敵でも負けませんわよ。

■行動
周囲の暗がりは【暗視】でカバーしつつ
私も『白銀勇霊装』を使って戦いますわね。
主に『夕の憩い』による接近戦を行いますわ。
自身を甲冑で覆い、敵に対して【生命力吸収】能力を活用しつつ
敵に【マヒ攻撃】や【気絶攻撃】等で
動きを封じる様にしながら戦いますわね。
敵の鎧も【鎧無視攻撃】でダメージを通して行きますわ。

敵の『今は歪みし聖裁』に対しては
深淵の闇に触れない様に【見切り】で避けつつ
避けきれない時は、次の聖なる光も【オーラ防御】で身を守りますわ。


クオン・キマヴィス
……攻撃を避けながら戦えって言っていたっけ…あんまり得意な戦闘の仕方では無いけれど、やるしかない。

UCで強化された銃で牽制射撃をしつつ、少しでも付け入る隙が出来たら刀で懐に【切り込む】……といっても私達も消耗してるから、上手く行くかは分からないけど…それに、これだけじゃあきっと決定打にはならない。

……やっぱり無理でこじ開ける方が、私には合ってる…後でラフィロワに謝っておこう…

隙を晒した瞬間に敵の身体を【怪力】で押さえつけて、炎を纏った刀で心臓を貫く。……黒い炎で身体を回復するというのなら、私自身の青い炎で内側から焼き尽くしてあげる。

……どっちが先に限界を迎えるか、競走ね?



●黒と蒼の炎
「此処は随分と暗いですわね、ともあれここを突破しないと常闇の燎原へは到達できませんわね」
 ローズは暗闇を見通すように騎士を視界に収める。
「どんな強敵でも負けませんわよ」
 鎧を血に染めても、黒い炎を燃えがらせて戦意を高める騎士に挑まんと、ユーベルコード『白銀勇霊装』を使い自らの体をアルヌワブランの薔薇で彩られた甲冑で覆う。
「勝負ですわ!」
「来い!!」
 ローズが闇に映える鮮やかな夕焼け色のロングソード【夕の憩い】を振り抜くと、闇に溶け込むような黒い炎を宿す折れた聖剣を騎士が振るって交差し火花を散らす。

「……攻撃を避けながら戦えって言っていたっけ……あんまり得意な戦闘の仕方では無いけれど、やるしかない」
 ローズと剣を交える騎士を見ながら、クオンはラフィロワが教えてくれた敵の情報を思い出しながら攻撃を仕掛ける。
「攻撃を受けないようにするなら……遠距離から攻撃すればいいか」
 近づかなければ攻撃を食らわずにすむだろうと単純に考え、クオンはユーベルコード『終焉の火焔』を発動し、【対UDC専用自動小銃『エクウェス』】に炎を装填し、蒼炎の弾丸を連射して援護する。
「邪魔が入ったか」
 騎士は弾丸を聖剣で切り払う。しかしその隙にローズが剣を振り抜き脇腹を斬りつけた。
「浅いですわね」
 すれ違いローズがすぐに振り向いて剣を構えると、騎士もまた反転して聖剣を薙ぎ払う。それをローズが飛び退いて躱す。騎士が後を追おうとしたところにクオンが足元に弾丸を撃ち込み出足を挫いた。

「厄介な。ならば先に射手から仕留める」
 騎士は漆黒の闇をローズに放ち、それをローズが躱している間に狙いを変えクオンに向かって駆け出す。そして撃ち出される炎の弾丸に被弾しながらも勢いを弱めずに間合いに踏み込んだ。
「その首を貰う!」
「……やはり銃弾では決定打にならない」
 首を刎ねようとする聖剣の一撃を、クオンは【高周波ブレード】で受け止めた。だが勢いに押されて態勢が崩れる。そこへ騎士は追撃しようとするが、背後にローズが追いつき剣を背中に斬りつける。
「させませんわ!」
「もう追いつかれたか」
 それを躱す為に騎士は攻撃の手を止めて横に跳んだ。そこへクオンが銃弾を浴びせ、蒼炎が燃え移り肉を焼くが黒い炎によって相殺されていった。
「……これだけじゃあ勝負を決められない」
 クオンは銃撃だけでは倒し切れないと、ブレードを握る手に力を込めた。
「厄介な連携だ」
 クオンの牽制射撃とローズの斬撃による連携に、騎士はペースを乱される。
「どれほど強くとも、独りでは限界がありますわ」
 ローズが舞うように剣を振るい騎士の腕を切りつけ、騎士も反撃するがクオンに足を銃撃で狙われて思うように動けず苛立っていた。
「私がこれほど剣の勝負に苦戦するとは……これは?」
 騎士は自分の攻撃が少しずつ鈍っている事に気付く。
「黒い炎の力を過信しましたわね。私の剣は薔薇の棘のように少しずつその身を蝕んでいるのですわ」
 ローズの斬撃が傷つける度に身体を僅かに麻痺させていた。
「くっ、一撃を叩き込めばすぐに治る程度のものだ!」
 無理をして騎士が踏み込み斬撃を浴びせるが、ローズは剣で受け流し上体を泳がせ態勢を崩した。

「……やっぱり無理でこじ開ける方が、私には合ってる……後でラフィロワに謝っておこう……」
 チャンスとクオンが突っ込み、体当たりするように敵を押し倒し怪力で押さえつけ、蒼炎を纏ったブレードで胸を貫いた。
「ごふっ、どけ!」
 血を吐いた騎士が暴れて上に乗ったクオンを振り落とそうとするが、クオンは踏ん張って体の内側から蒼い炎で焼き続ける。
「ならばお前も焼いてくれる!」
 騎士から立ち昇る黒い炎がクオンの体を焼き始めた。
「……黒い炎で身体を回復するというのなら、私自身の青い炎で内側から焼き尽くしてあげる」
 それでも怯まずにクオンはぐりぐりと刃で胸を抉って炎を内部に広げる。
「……どっちが先に限界を迎えるか、競走ね?」
「死兵か! だがこの黒き炎に耐えられると思わぬことだ!」
 騎士は黒い炎によるダメージを吸収し己が傷を癒す。どちらが先に力尽きるかという消耗戦の様相になっていた。
「クオンは本当に無茶をしますわね」
 その拮抗を崩すようにローズが黒い炎を突き破り剣を騎士の顔に突き入れ、切っ先が左目を潰した。
「がっぐぁっ!!」
 苦悶の声を上げて騎士は残る右目で睨みつける。
「聖剣よ!」
 騎士の持つ聖剣の力が解放され、極光放ちクオンとローズを飲み込む。咄嗟にローズが前に出て庇い、白銀の鎧で受け止める。しかし二人は薙ぎ払われ吹き飛ばされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

麻生・竜星
風魔昴(f06477)と共闘
彼女のことは『スー』と呼んでいる
アドリブ歓迎

声の方向に顔を向ける
心を容赦なく壊すような殺気と威圧だ
ふと昴の様子を見て、大丈夫だというようにポンと肩を
(なるほど、流石番人というところか…)
少し心を落ち着けるために月女神にそっと祈りを
「番人よ、俺達はこの世界の為にこの先に進ませてもらう」

黒い炎に対しては『見切り』『第六感』『残像』で回避
【トリニティ・エンハランス】で攻撃力を最大限に強化
全力で『呪詛』『衝撃波』『斬撃波』『念動力』『鎧砕き』『だまし討ち』で属性攻撃
「俺たちは諦めない。生きる者の希望の為に」

昴からの合図で最後のダメージを与えた後後ろへ
「了解。スー、頼んだ!」


風魔・昴
麻生・竜星(f07360)と共闘
彼のことは『竜』と呼んでいる
アドリブ歓迎

半端ない殺気と威圧
思わず息をのむと気付いたのか竜星から気合入れが
呪縛が解けた様に我に返ると苦笑した
(流石ね、思わず取り込まれそうになったわ)
「この世界の真実と命ある者の希望の為に…退いてもらうわ」


対黒い炎には『第六感』『見切り』『残像』『早業』で回避

≪自然総霊符≫を使い、炎と光属性の式神を複数呼び出し攻撃を指示
自身では『斬撃波』『衝撃波』『呪殺弾』『呪詛』を使い『全力魔法』で攻撃
ダメージが最大になってきたら竜星に合図
『集中力』を使いUCで『属性攻撃』『鎧無視攻撃』を
「竜、一気に行くわ!」
「闇に返って永遠の眠りにつきなさい」



●闇の中へ
「私をここまで追い込むとは……かつてない恐るべき敵だ。だが負けぬ。もう二度と我が剣は折れぬ!」
 どくどくと胸から血を流す騎士は満身創痍で立ち上がる。黒い炎に全身が包まれ、闇そのものが燃えているように殺気を放った。
「心を容赦なく壊すような殺気と威圧だ……」
「…………」
 空気を震わせる殺気を感じた竜星は、ふと隣の昴の様子を窺う。すると昴は思わず息をのみ、騎士の威圧を受けて体がすくんでいた。そんな昴に竜星は大丈夫とポンと肩を軽く叩く。
(なるほど、流石番人というところか……)
 そして少し心を落ち着けるために月女神にそっと祈りを捧げる。
 呪縛が解けたように昴は我に返って、苦笑すると竜星に視線を向けた。
(流石ね、思わず取り込まれそうになったわ)
 一人では勝てないだろう。だがここには頼もしいパートナーや他の猟兵達もいる。力を合わせれば決して勝てない相手ではないと勇気を胸に宿す。
「この世界の真実と命ある者の希望の為に……退いてもらうわ」
「番人よ、俺達はこの世界の為にこの先に進ませてもらう」
 昴と竜星が共に騎士の前に出て、この世界に希望を与える為に戦いを挑む。

「世界に希望などない。あるのは果てしない闇だけだ」
 絶望を纏う騎士は折れた聖剣を振るい、全てを飲み込むような深淵の闇を放つ。
 二人は左右に散り、闇の範囲から逃れながら反撃する。
「騎士ならばかつては希望を胸に宿していたはずだ」
 竜星が銀月の如く輝く剣【φ月影φ】を振り抜き銀月の輝きを放つ。ユーベルコード『トリニティ・エンハンス』によって炎・水・風の魔力によって強化された一撃は、闇を裂くように飛んで斬撃波が騎士の脚を切りつけた。
「希望など失われる。世界を覆うのは闇。そして絶望だけだ!」
 反撃に騎士は聖剣を振るって黒い炎の斬撃波を飛ばすが、咄嗟に竜星は飛び退いて躱し、残した残像を切り裂いた。
「自分が絶望に飲まれたからって、私たちもそうなるとは思わないでほしいわ」
 昴は【自然総霊符】を使い、炎と光属性の式神を複数呼び出して攻撃させる。黒い炎に対抗するように、闇を照らす白い炎がぶつかり合う。
「無駄だ。お前達は絶望し、私と同じ道を歩むことになる」
 騎士は白い炎を吹き飛ばし、聖剣は黒い炎に包まれ辺りを燃え上がらせた。

「俺たちは諦めない。生きる者の希望の為に」
「そうよ、私たちは人々の未来の為に決っして諦めない」
 竜星が言い返し、闇を切り裂くように剣を振るい、銀杖【†Bellatrix†】を手にした昴が呪殺弾を放ってその隙間から通し騎士に撃ち込んだ。
「ぐぉおおおおおお!!」
 激痛に騎士が咆え、黒き炎をさらに猛らせる。
「光など、世界を覆う闇に呑み込まれるしかないのだ!」
 聖剣が眩く輝き、刀身を覆う黒い炎が周囲を薙ぎ払った。それを昴と竜星は見切って躱し、荒野に地獄のような黒い炎の柱が立つ。
 命を吸い上げる黒い炎を相手にこれ以上時間を掛けるのは危険だと、二人はちらりと視線を合わせ頷き合う。
 立ち止まった昴が銀杖を掲げ集中を始め、先んじて竜星が残る力を振り絞って仕掛け全身全霊での斬撃を放つ。
「これが希望の光だ」
「黒く塗りつぶしてくれる!」
 銀月の剣より飛ぶ輝きが騎士の放つ黒い炎を破り、右脚を断ち骨が見えるほどの深い傷を刻んだ。
「ぐぅぉおっ」
 体を支え切れなくなった騎士が右膝を突き動きを止めた。
「竜、一気に行くわ!」
「了解。スー、頼んだ!」
 準備ができた昴が声をかけると、竜星が素早く後ろに下がる。
「夜空に輝く数多の星達よ。不浄なるかのモノを浄化せよ」
 昴はユーベルコード『星光雨』を発動し、空に現れた夜空より輝く光が降り注ぐ。それが次々と騎士に直撃した。
「ぐっ、があぁ!!」
 脚が負傷した騎士は逃れられず、落ちて来る光に耐える。しかし鎧は砕け、身体に穴が穿たれていく。
「また、私が負けるというのか! 今度は光に!」
 聖剣で光を切り払うが、すぐに次の光が落下し体を打ち据える。
「闇に還って永遠の眠りにつきなさい」
 最後に大きな光が流星の如く降り、見上げた騎士の体を貫いた。
「闇が光に負ける……そんな未来が――」
 力尽きた騎士が崩れ落ち、黒い炎に呑まれて跡形もなく消滅した……。
「やったなスー」
「ええ、これで目的地にたどり着けたわね」
 二人は騎士が守っていた深い闇に包まれた、辺境の果てにある常闇の燎原へと視線を向けた。

 辺境のさまざまな苦難を乗り越え、猟兵達の目の前には目的地である暗闇に包まれた未踏の地がある。
 猟兵達はダークセイヴァー世界の真実に近づこうと、深淵の如き常闇へと足を踏み入れる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月02日


挿絵イラスト