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千客退散、食の邑に危機迫る

#封神武侠界

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#封神武侠界


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●風水、狂えば客足途絶え
 封神武侠界の人界のとある邑、豊邑は食の邑として三界に名が響くほど、と人は言う。西には街道、東には河、北には山あり、南には海。山海の幸が集まり富も集まり活気も溢れ、善政を敷く領主のもと民も邑も栄え、神仙もこっそり訪れるほどに気の安定した土地であった。
 しかし、ある日のこと。突然領主が妙な像や篝火を邑のあちこちに置くようお触れを出した。また、昔からある像や祠を移動させた。更には街道を封鎖しようとしたり、河を水門でせき止めようとしている。ゆくゆくは山を崩して海を埋めようと計画もしているらしい。
 そうすると人の往来も品の流通も滞り出し、活気は薄れて陽気、良い気は減っていく。変わりに立ち込めるのは良くない気だ。それが集まれば人はイライラしたり暗くなって、邑にますます陰気が募るというものだ。
 日に日に諍いの増える邑を見て、領主を操る邪仙が笑う。
「いい気味。そうやって争って、陰気を溜め込めばいいんだわ」

●猟兵、出陣を願われる
「というわけですのでー……この事態を、解決していただきたいのです」
 寧宮・澪がグリモアベースで猟兵達に助力を請う。封神武侠界の人界にて、邪仙――オブリビオンが暗躍するのを予知したのだ。
 人界の豊邑という都市で、今まで善政を敷いていた領主が急に妙な統治を始めたのだ。それにより都市は廃れ始め、陰気がたまり始めている。これを主導する邪仙を排除して事態を解決してほしいというのが、澪の依頼だった。
 ただ、邪仙を排除するにも一筋縄ではいかないのだ。邪仙は風水を狂わせて集めた良くない気、陰気を使って自分のいる領主の館に辿り着けないよう、館に向かっていたはずなのにいつの間にか邑に戻る術を施している。
「なので、まずは、この邑を巡ってください、なー……」
 食の街であるこの邑は食べ歩きには最適だ。屋台に茶楼、酒場に食堂と美味しいものが溢れている。旅行客や神仙の訪れも減った場所だから、客人は歓迎される。目立たないように風水を乱す物を探してほしい。妙な像や怪しい篝火、五行や風水にそぐわない品々があちらこちらにありそうだ。
「チェックしたら、次は改善作業、ですねー」
 夜も更ければ店も閉じ、人通りもなくなる。その間に風水を乱す品々を取り除いたり、逆に運気を招く物を正しく配置したりしてほしい。移動した像や祠をもとに戻したり、溜まった悪い気を祓ってしまってもいいだろう。そうすれば邪仙がいる領主の館に辿り着くことができる。
「辿り着いたら、邪仙を倒し……領主を助けてあげて、ください……」
 邪仙の名は『悪殊拳伝承者『相道・佳窈斎』』。かつては人知れず世の悪を断ってきた高潔な人物だが、災魔に変じたことで顧みられず生涯を終えたことで抱いたわだかまりが表出し、変性した力で人心を掌握し天下を乱す邪仙と化したのだ。彼女を倒せば領主はきちんと元に戻る。
「ぜひ、助けてあげてくださいー……よろしく、お願いします」
 澪は頭を下げて、封神武侠界への道を開くのだった。


霧野
 美味しく整えましょう。霧野です。

●シナリオについて
 美味しいものを食べて、都市の風水を整えて、ボスを倒す。そんなシナリオです。

 一章:美味しい料理や土産を楽しんでください。特にこの章で怪しいものを探したり、風水を改善できそうな場所を見出したりしなくても大丈夫です、次の章でちゃんと見つけられます。日常です。
 二章:風水を整えてください。方法はおまかせします。冒険です。
 三章:領主を操っていた邪仙を倒してください。ボス戦です。

●複数人で参加される方へ
 どなたかとご一緒に参加される場合や、グループ参加を希望の場合は【グループ名】もしくは【お相手の呼び方(ID)】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。

●アドリブ・絡みの有無について
 以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。なければできるだけ忠実に作成します。
 良ければ文字数節約に使ってください。
 ◎:アドリブ歓迎。
 ○:他のグループや猟兵とも絡み歓迎。
 〆:負傷OK。 (血や傷の表現が出ます)
 ♪:これがあるとシリアスよりはギャグっぽかったりコミカルな感じになるかもしれません。
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第1章 日常 『好好美食天国』

POW   :    多種多様な料理を食べ比べる

SPD   :    気に入った料理をお土産に貰う

WIZ   :    料理のレシピを教えて貰う

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●猟兵、美味を堪能す
 ほかほかと蒸し上がる点心の湯気、強火と油の共演でできる料理、素朴においしい土産物。ここは食の邑、豊邑。あちらこちらに店が立ち並び、お手頃なものから高級料理まで手広く揃っているのだ。
 監視しているかもしれない邪仙に怪しまれることのないように旅人を装い、この都市を巡るなら。やはり美味しいものを食べに行くのが最善だ。
鳴上・冬季
◎○♪

「久しぶりの仙界です。ついでに師への土産を買いましょうか」
まず普通の宿を取り、そこそこ荷物を運び入れることを店員に伝え外出

「栄える都を作るなら。北に山、東に湖沼、南に平野、西に街道」
「季は既に陰。時は夜、北と西にて水行と金行を生ぜしめ、南と東にて火行と木行に勝ぜしめれば自ずと陰気が実するはずですが…さて」

「ふむ。その酒とそちらの酒は気に入りました。宿に届けてもらえますか」
「この菓子もなかなか。宿に届ける手間賃込みで、売れるだけ売ってください」
祠位置や篝火位置を確認しつつ茶楼や食堂巡り
甘味や酒を試し、気に入ったら箱買い壷買いして泊まる宿屋に届けさせる
夕刻宿に戻り全て土産として壺中天にしまう




 鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は懐かしい世界に目を細めた。
「久しぶりの封神武侠界です。ついでに師への土産を買いましょうか」
 さて酒がいいか、甘味がいいか。この地であれば乾物なども手に入るかもしれない。土産に頭を少し悩ませたのち、ひとまず冬季は今日の拠点の宿をとる。部屋に手荷物をおいたふりをして、早速探索へ赴くことにした。
「少々出てまいります。ここに土産物を届けてもらいますので、置いておいてもらっても?」
「へえ、問題ねぇです」
「よろしくお願いますね」

 賑わう街を歩く中、冬季は小さく風水の理論を呟き確かめる。
「栄える都を作るなら。北に山、東に湖沼、南に平野、西に街道」
 海は平野と見ることもできるだろうか。東は流れる水、青龍に通じなくもない。あとの2つはまあ満たしている言えよう。この地は四神相応の地と見れる。
「季は既に陰。時は夜、北と西にて水行と金行を生ぜしめ、南と東にて火行と木行に勝ぜしめれば自ずと陰気が実するはずですが……さて」
 邪仙はそうなるよう風水を乱しているのだろうか。急に設置された像や篝火が怪しく思える。他にも結界を張ったり、仕掛けを施した陣で気の偏りを起こしているかもしれない。邪仙の仕掛けを考えながらも、冬季は街を行く。
 まず目についたのは酒を売る店。陶器の瓶やかめ壺にいれた酒を売っている。試飲にいくらか飲ませてもらうと、果物や穀物を発酵させた酒だった。水も良く、発酵した品自体も酒に向いた良い品で、すっきりと飲みやすい。
「ふむ。その酒とそちらの酒は気に入りました。宿に届けてもらえますか」
「へぇ、承知しました」
 隣では酒のつまみと甘味を売っていた。珍味から定番の甘味まで広く取りそりえているようだ。試食に、と出された干した果物や甘い餡を包んだ焼き菓子などがまたうまい。果物は甘み香りが凝縮されているし、焼き菓子は素朴な味ながらも、香ばしい胡桃がアクセントになって手が止まらなくなる味だ。
「この菓子もなかなか。宿に届ける手間賃込みで、売れるだけ売ってください」
「あいよっ」
 冬季はちらりちらりと街の各所の祠や、奇妙な像、篝火などを確認しておく。なぜこの位置に置いたかわからないような、奇妙な場所にあるものを意識しつつ、夕刻まで茶楼や食堂を巡り、甘味や料理、酒に舌鼓を打っていく。
 一日巡って戻った宿では、山のように積み上がる届けられた品々があった。冬季は満足げな顔でそれらを壺中天へしまいこむのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
◎○

件の邪仙は悠長な事をやるもんだと思うが、滅ぼすのが目的じゃなく陰気を集めるのが目的と考えれば理に適っているのか
尤も、その計画は邪魔させてもらう訳だが

まあ、それはそれとして……色々と美味いものがあるって話だし、息抜きと腹ごしらえ、ついでに下見を兼ねて色々と歩き回ることにしよう

歩き回りつつ、気になったものがあれば適当に購入。折角だから色々と試していこう
なるほど、これが本場の味って奴か。流石は食の街と言われるだけの事はある

それと買い物ついでに風水などに関する噂話を集めておこう。そもそも、あんまり詳しくないからな
なるほど、ちゃんと話を聞いてみればそれなりに面白いな
参考になったと礼を言いつつ次の店へ




 少々陰りが見え始めたとはいえ、未だ活気ある邑の中を夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は巡る。
(件の邪仙は悠長な事をやるもんだと思うが、滅ぼすのが目的じゃなく陰気を集めるのが目的と考えれば理に適っているのか)
 直接手を下すのではなく風水を乱し、人の気も乱して陰気を集める。そのためならば確かにこの計画も悪くはない。
(尤も、その計画は邪魔させてもらう訳だが)
 しかしそれはそれ。まずはこの邑を巡って見てほしいという話であったし、あたりからもいい香りが漂ってくる。
(色々と美味いものがあるって話だし、息抜きと腹ごしらえ、ついでに下見を兼ねて色々と歩き回ることにしよう)
 鏡介が最初に目指したのは表に店を並べた立ち食い可能な店や、路上に展開する屋台が多く集まる大きな通りだ。呼び込みの声、商品の入り混じった香り、それに向かう人々で賑わう場所だ。
 鏡介がゆっくりと歩を進めると、早速呼び声がかけられる。
「あんちゃん、肉の煮物はどうだい? 万頭に挟んで食うとうんまいぞ」
 そう言って店主が示すのは蒸し上がったばかりの白い万頭達。ほかほか湯気をたてる生地の香りが食欲をそそる。側にある茶色の煮物は醤油のいい香りをさせている。
「じゃあもらおうかな」
「あいよ、熱いから気をつけてな!」
 手早く挟まれた万頭を受け取って鏡介は口に運ぶ。ほんのり甘い生地のあとに生姜と醤油のきいた肉がほろりと崩れて溶けてきた。確かに濃いめの肉とあっさりした万頭はいい取り合わせだ。
「なるほど、これが本場の味って奴か。流石は食の街と言われるだけの事はある」
 串にさした肉も香ばしい香りをしているし、貝や魚の煮付けも美味い。香ばしい香りのお茶が油っぽさを流してくれて幾つも食べられそうだ。
 色々気を惹かれたものをつまみつつ、ここに来た目的でもある風水を整えることについて、祠の軒先でのんびりと茶をすする老人に拱手して聞いてみることにする。
 曰く、風水とは場を整えるもの。簡単に整えるならば、方角に五行を合わせて、それに見合ったものやちなんだ品を配置して運気を呼び寄せるものということだ。北なら黒色、南なら火、西なら秋、東なら青など色々あるのだとか。
 理論がある体系だった思想に鏡介はなるほど、と頷いた。きちんと知ってみればそれなりに面白い。その知識を元にまた街を回れば新しい発見もありそうだ。鏡介は参考になったと頭を下げ、次の店へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

馬県・義透
【外邨家】
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
蛍嘉とは双子。こちらは兄

まあねー、たまにはこうして食べ歩きもいいでしょう?
今年は一緒に出掛けると約束もしてますしー。ね?

そう、我らが母の故郷である世界ですしねー?
ふふ、蛍嘉の料理も好きですよー?
また作ってみましょうか、こういう料理も。…何か中の三人(全員が武士)が申し訳なさそうにしてますが、気にすることないのにねー?私は好きでやってますしー。

あ、お土産買っていきましょう。そう、影にいる彼らのためのね。


念のため、影にいる陰海月と霹靂。お土産とても楽しみ。


外邨・蛍嘉
【外邨家】
『疾き者』とは双子。こちらは妹。
基本は呼び捨て。

ふふ、義透と食べ歩きってのも初めてだね?
ああ、そうだね。今回は『食欲の秋』とかにできそうだ。

久方ぶりだよ、母上(羽衣人)の故郷たる世界に来たのは。
んー、やっぱりこういう料理は美味しいね。…義透に言われると照れるな。
そうだね、レパートリーにいれるのよさそうだ…って。ああ、基本、料理は私たち二人でやっちゃうからねぇ…。私も好きでやってるから、気にしなくていいのに。

あ、そうそう、私もお土産を買おう。陽凪もこういうの食べるだろうしね!


陽凪、影の中でゆらゆら泳いでいる。




「ふふ、義透と食べ歩きってのも初めてだね?」
「まあねー、たまにはこうして食べ歩きもいいでしょう? 今年は一緒に出掛けると約束もしてますしー。ね?」
「ああ、そうだね。今回は『食欲の秋』とかにできそうだ」
 外邨家の二人、正確には馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の中にいる四人と外邨・蛍嘉(雪待天泉・f29452)の中にいる二人、合わせて六人が豊邑の街並みを眺めている。
 沸き立つ点心を蒸した湯気、麺の店や土産の焼き菓子を売る店、賑わう茶楼や食堂、酒場。あちらこちらからいい香りが漂い、食欲を誘ってくるのだ。
 秋の風に乗ってやってくる香りを味わいながら、蛍嘉はにっこり笑っていた。
「久方ぶりだよ、母上の故郷たる世界に来たのは」
 双子である義紘と蛍嘉の母は羽衣人であった。封神武侠界特有の建物や、人の服装など、どことなく懐かしい風景に表に出ている二人の顔も綻ぶというものだ。
 懐かしい街を眺めながらも早速腹を満たそうかと、ちょうど近くでいい香りをさせている食堂へと入る。
 古くとも丁寧に補修され、小奇麗な店内で席につき、早速いくつか頼んで出てきた品はどれも食欲をそそる香りだった。ざっと強火で炒めたごま油の香る海鮮と野菜。出汁と小海老の香りが芳しい麺。滋味の染み込むような粥と、添えられた小麦を練って油で揚げたもの。
 義透と蛍嘉が手を合わせて口に運べば、普段自分達で作って食べる料理とは違う味が舌を楽しませる。炒め物の野菜は香りが食欲を誘いつつもしゃきしゃきと小気味いい歯ごたえを返し、海鮮は熱が通りすぎず程よい弾力でうま味をしっかり中に閉じ込めている。散らされた干し海老の香るスープの絡んだ細い麺は柔らかく美味いし、スープは濃くとろりと喉を通っていく。何も味のついていないかと思った粥は、口に含めば骨でとった出汁の味がきいている。熱々の品々をはふはふ楽しむ二人は笑顔で箸を進めるばかりだ。
「んー、やっぱりこういう料理は美味しいね」
「ふふ、蛍嘉の料理も好きですよー?」
 そう兄が言えば、妹は少し照れた顔をした。
「……義透に言われると照れるな」
「また作ってみましょうか、こういう料理も」
「そうだね、レパートリーにいれるのよさそうだ」
 普段は作らない料理に刺激され新たな境地の開拓を行おうと互いに笑いあっていると、義透が何かに気づいたように苦笑した。
「……何か中の三人が申し訳なさそうにしてますが、気にすることないのにねー? 私は好きでやってますしー」
「ああ、基本、料理は私たち二人でやっちゃうからねぇ……。私も好きでやってるから、気にしなくていいのに」
 義透の中にいる義紘以外の三人は武士である。料理ができないもののふであった。立場や身分、その生い立ちから料理が身についていないのは仕方がないと義紘と蛍嘉もわかっているのだ。なんだかしょんぼりしている義透の内側の三人は、義紘と蛍嘉二人の好きでやっているという言葉に、かたじけないと言うような気持ちになった。
 双子はそんな彼らに笑いながらも、箸を進めて最後の花の香りのお茶と甘いマンゴープリンまで堪能した。料理の濃い味をしつこく残さず、華やかな香りを残すお茶はマンゴープリンの濃厚さともよくあった。
 匙を軽快に進めながら、義透は言う。
「あ、お土産買っていきましょう。影にいる彼らのためのね」
「あ、そうそう、私もお土産を買おう。陽凪もこういうの食べるだろうしね!」
 何もないとは思うけれど、念の為に影に潜んでもらっている陰海月と霹靂のため、陽凪のため。楽しみにしているかわいい子達のためのお土産に、先程食べた品を包んでもらう。それ以外にも肉を煮たものや、餡をくるんだ点心、胡桃や胡麻が香ばしい焼き菓子など。あれもいい、これはどんな味か、と食堂の店主に聞いてみつつ、気になるものも頼んでくるんでもらい。家に帰るときが楽しみだ、と二人でよく似た笑顔を見せあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジョヴァンニ・カフカ
◎○♪

フカヒレ拉麺を食べたい(真顔)
…すみません。心の声が外に出てしまった様です
フカヒレ拉麺を食べるのだって仕事の内ですから。えぇ
この異国情緒ある雰囲気、テンション上がりますねぇ

しかし、風水とは面白いものです
置場所や水の流れが変わるだけで、調子が悪くなるなんて。
なかなか興味深い案件

店の方に、結構賑わってますね~。客足が多くて毎日お忙しいでしょう?など世間話程度の情報収集
注文はフカヒレ拉麺の他、お勧めの点心を2、3品お願いします
フカヒレの姿煮で大きな一口…夢だったんです

食べることも金運向上に繋がると聞きました。
これも風水的に一役買っているのでは…?
それに託つけて、美味しいお酒も頂いちゃいましょう




 芳しい香りの漂う食の邑、豊邑にてジョヴァンニ・カフカ(暁闇・f28965)は胸いっぱいに息を吸い込む。ひんやりと涼しい風を感じながら、彼は狐面ながらも真顔で呟いた。
「フカヒレ拉麺を食べたい」
 唐突な欲の声に、周囲はなんだろうと言う顔をする。
「あ、いえ……すみません。心の声が外に出てしまった様です。旅行者で、楽しみにしてたんで、つい」
 そう言えば周りの者は破顔し、こっちの楼がうまい、あっちの料理店がいい、などと自分のおすすめをジョヴァンニに伝えて散っていった。
 気のいい住民や美味しい香り、封神武侠界特有の建物。それらの光景はジョヴァンニの心を沸き立たせる。
(この異国情緒ある雰囲気、テンション上がりますねぇ)
 気持ちのままに足取り軽く、早速教えられたおすすめの店を見に行くことにした。そう、これは仕事なのだ。
「フカヒレ拉麺を食べるのだって仕事の内ですから。えぇ」
 ちらりちらりと邑のあちらこちらを見ながらジョヴァンニは進む。なぜここに置いたのか分からない篝火や、奇妙な像を確認しておく。
(しかし、風水とは面白いものです。置場所や水の流れが変わるだけで、調子が悪くなるなんて。なかなか興味深い案件)
 自然に合わせた配置によって気が変わる。魔術のようにも思える知識というべきか、呪術というべきか。摩訶不思議な風水に思いを巡らせて、ジョヴァンニは早速一つ目の楼閣へ足を踏み入れる。
「どうも〜」
「いらっしゃいませ」
 朱塗りの鮮やかな内装で、それなりに席が埋まった店内を案内されつつジョヴァンニは店員へと話しかける。
「結構賑わってますね~。客足が多くて毎日お忙しいでしょう?」
「お客様皆様方のご贔屓に感謝しております」
 にっこり笑う武侠界美人は、ただ、と続けた。
「領主様の、その、最近のご指示が……少々、変わっておりまして。少しずつ人が減っております」
 妙な像や祠の移動。人心も揺れ動き不安が滲む声にジョヴァンニは事前の話通りである、と確認しながらも席につく。
 早速フカヒレ拉麺の他、店お勧めの点心を二、三品頼み、出てきた大きな姿煮の乗った拉麺に手を合わす。僅かに狐面をずらし、大きな一口でかぶりつく。まずはねっとりしたコラーゲンの層がとろりととろけ、形が残る部分はぷるんとした食感。噛み締めれば、たっぷり染み込んだこっくりしたスープの味が口中に広がった。
「……夢だったんです」
 フカヒレを取り巻くスープは香辛料が加えられて別の味わいをもたらす。麺は小麦の味も良く、細い柔らかな食感が良い。付け合せに乗せられた緑の葉物がしゃきっとまた別の食感で楽しませてくれる。
 はふはふと熱い拉麺を啜り、店おすすめの蒸し餃子や焼売にも箸をのばし、ジョヴァンニは食を堪能する。
(食べることも金運向上に繋がると聞きました。これも風水的に一役買っているのでは……?)
 そう、これも任務のうちなのだ。
「すみません、お酒ください」
 頼んだ酒もまたうまく。ジョヴァンニは食を堪能し、満足な息をこぼすのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『運気を招く、猟兵風水』

POW   :    気の流れを悪くする物をどかし、気の流れをよくする

SPD   :    運気を招く物を適所に配置し、運気を招く

WIZ   :    魔術や結界術等も応用し悪い気を祓う

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●猟兵、風水を正す
 食を堪能し、邪仙に怪しまれることなく豊邑を巡った猟兵達。
 彼らとてただ食べていたわけではない。
 謎の妙な香を炊く香炉、ねじ曲がった奇妙な像、怪しい色の篝火。移動させられた魔除けの像や置物、土地神を祀った祠。奇妙な呪術や気を淀ませる結界の仕掛け。
 そういった風水を歪ませる物や事象によって、豊邑には陰気が溜まりやすくなっているのだ。
 深夜になれ店は閉まり、人はいなくなる。誰に目撃されることもなく、風水を正すことができるだろう。
ルドルフ・ヴァルザック
「たらふく飯を食わせてもらったのだ。恩は返さねばな、フゥーハハハ!」
・大言壮語を吐く割には風水の事などさっぱりわからぬ。それどころか旨い飯と酒にありつけるとだけ聞いて村に駆け付けたにすぎず、任務のことさえ覚束ない(それを悟られてしまうとマズイとは思っている)
・しかしながら、無限の自信がある(根拠はない)。自分だけは、どういうわけか、必ず生還するという自信が……
・虚栄心と無限の自己肯定感がユーベルコードを発動。想像で創造された無敵の鎧を身にまといズンズンと道中を練り歩けば、「幸運」なことに結界の仕掛けが踏み荒らされ、意図せず呪術を妨害できよう
「ン? 変な壺だな。よく分からんが蹴散らすか」




 ルドルフ・ヴァルザック(自称・竜を屠る者・f35115)は満ち満ちた気分で夜の豊邑を闊歩する。
 先程食べた肉の煮物はほろりと箸を入れればほぐれ、口に運べばするりと脂が溶けた。噛み締めれば肉の旨味と煮込んだ汁の味がたいそう美味。魚を蒸して油かけたものは香りで食欲をそそられ、竹の器の香りが移った身の淡白な旨味と薬味の風味がまた良い。蒸した味付きの米も、点心も、菓子も美味かった。合わせて飲んだ酒の数々も強いものも弱いものもそれぞれ違った味があった。
「たらふく飯を食わせてもらったのだ。恩は返さねばな、フゥーハハハ!」
 満足感に溢れて胸を張り、いかにも己が参ろうぞ、解決してみせよう、と自信満々のルドルフだが、風水のことはさっぱりわからない。何せ彼は、旨い飯と酒にありつけると聞いて駆けつけただけなのだ。実際旨いものをたっぷり楽しみ、満足な気分と腹を抱えているが任務については覚束ない。他者に悟られてはならない、と冷や汗が一筋背を伝う。
 しかし、彼には自身があった。根拠はない。しかしわかっているのだ、ルドルフだけは必ず生還するという自身が溢れている。
「ふん、簡単なことよ」
 根のない虚栄心でもそれはルドルフを支える。溢れる自己肯定感はルドルフを囲む。決して倒れず帰るための無敵の戦闘鎧を身にまとい、ルドルフは邑を行く。
 風水は何もわからないけれど、きっと大丈夫。生きて帰るということは無事に任務を解決し帰るということだ。
 ずんずんとルドルフは迷い無く豊邑の道を征く。
「おっと、妙な模様を踏んだな……まあよかろう。……こんなところに像を置くとは、邪魔ではないか」
 あちらこちらを踏み固め、怪しげな模様を踏みけした。うっかりぶつかり、奇妙な像を動かしてしまった。
「ン? 変な壺だな。よく分からんが蹴散らすか」
 何故か道の真ん中に置かれた壺、壺、壺も蹴散らした。
 彼を支えるもう一つの要素、豪運。それらがルドルフの道を支えてゆく。いくつもある呪術の要素を蹴散らして、ルドルフが無事に帰るための道作り、風水の場を整える導き手となるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜刀神・鏡介
昼間は賑やかだったが、今は静かだな……。まあ、夜になっても眠らない街なんてそう数は多くないか
街巡りの間に聞いた風水に関するあれこれを思い出しながら、夜の街を巡って怪しい物品を探していこう

こいつは……確かに聞いていた話と合致する
町中の風景に溶け込んでいるから、そういうものがあると知った上で見ないと見つけられない
件の邪仙は中々上手くやったものだ……と少し感心

下手に破壊しては溜まった邪気が変な所に流れていって、別の問題が起きる可能性があるしな
魔除けの性質を持つ銀の羽根を悪しき物品に突き立てて、邪気を無力化した上で破壊する

これで一つ片付いたが……まだ数は残されているか。急いで次を片付けるとしよう




 たっぷり食を楽しみ、気づけばすでに日も暮れて。篝火が所々に炊かれているが、その灯りは邑中を照らすとは言えず、闇を含んだ姿だった。
「昼間は賑やかだったが、今は静かだな……。まあ、夜になっても眠らない街なんてそう数は多くないか」
 鏡介が小さく呟く声すら響きそうなほどの静けさだ。昼間の賑やかさも眠りについたような邑の中を、風水に関する聴き込んだ知識を思い返しつつ巡る。
 風水における自然界の要素のうち、木行と火行が強まれば陽に傾き、金行と水行が強まれば陰気に傾く。例えば木を金で切り倒し、火を水で消せば弱まる。土から金属は生まれ、金属に水は結露する。
 東は木行、けれどそれを打ち消すように金行の真っ白な壺を東の木の壁を埋め尽くすばかりに積み重ねられていた。
「こいつは……確かに聞いていた話と合致する」
 どれもこれも周囲の様式に合わせてあったり、見えにくい場所に隠されていたりと、そういうものがある、と意識した上でなければ見つけられない。更に邪仙に目くらましの術を施されて意識しにくくなっている。
(件の邪仙は中々上手くやったものだ……)
 鏡介は敵ながらも少し感心してしまう。随分と謀が上手な質らしい。
 じっくり積まれた金属の壺を観察すると、下手に破壊すれば呪物が溜め込んだ邪気が邑に流れ出て、他の場所に溜まって更に悪循環を生み出しかねないバランスに設えられていた。別の問題を起こさないよう、鏡介は一度邪気を祓うことにする。
 すっと取り出したのは銀で出来た一片の羽。浄化の力を込めて陰気を貯める術の中心へと突き立てれば、邪気は払われ壺が清められる。あとは適当に壺を潰せば、ここは完了だ。
 心なしか清浄な空気に変わった塀に背を向けて、鏡介はまた歩き出す。邑には未だ陰気が漂っているのだ。
「これで一つ片付いたが……まだ数は残されているか。急いで次を片付けるとしよう」
 南へ、西へ、北へ。鏡介は街中を巡って場にそぐわないもの、力を溜め込みすぎたものを破壊して、風水を整えて回るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

馬県・義透
【外邨家】◎
引き続き『疾き者』
買ったものは、影にいる彼らに渡した。

さてー、では参りましょうか。
ふふ、確かにそうですねー。

風水ってのは詳しくはありませんが、その方面に親しい家(透視系)と繋がりはありますしね、内部三人も。
手伝ってもらいつつ、仙術で探っていけば妙な物もよくわかりましょう。ん?ええまあ、かなり慣れましたよー。
あ、遠かったり高かったりするところのは、私に任せてくださいねー。指定UC使えば砕けますから。

しかし、回りくどいやり方ですよねー。だからこそ、気づかれにくいともいいますがー…。
厄介ですよねー。


外邨・蛍嘉
【外邨家】◎
引き続き蛍嘉。
買ったものは、影にいる陽凪に渡した。

そうだね、仕事の時間だ。
忍としても悪霊としても、とても似合う時間だよね。

クルワはまさにその一家…六出の出身だけどね。こちらも少し手伝ってもらおう。
…それにしてもさ、義透。仙術、かなり上達して手慣れてるね?いや、たしかにキミには長年(生まれてから死ぬまで)、母の命がけの加護があったけどさ…。私も修行途中だけれど。
ああ、任せたよ。逆に近場で壊していいものは、私に任せなよ。

そうなんだよね、陰気溜まるにも時間がかかるだろうし。わりと地道に仕掛けて来てるんだね、これは…。
厄介なのも同意さ。




 店から店をいろいろ回り、たっぷり美味を堪能して土産も買い込んだ外邨家の二人は、荷物を影に潜んだ彼らに渡し、喜んでいるのを感じながら暗く闇に沈んだ邑を歩く。
「さてー、では参りましょうか」
「そうだね、仕事の時間だ」
 静まった夜の邑は近代とは違う密やかに満ちている。そこかしこの暗がりからあやかしや幽霊が覗いてきてもおかしくない、不思議と神秘が混じったような雰囲気だ。それは義透と蛍嘉にはよく馴染んだものだった。
「忍としても悪霊としても、とても似合う時間だよね」
「ふふ、確かにそうですねー」
 互いに顔を見合わせ笑い、義透と蛍嘉は早速任務をこなそうとあちらこちらを探り出す。
「風水ってのは詳しくはありませんが、その方面に親しい家と繋がりはありますしね、内部三人も。彼らにも手伝ってもらいつつ、探っていけば妙な物もよくわかりましょう」
 見通す力、透視の力に縁深い義透は目に力を入れて邑を見通した。
「クルワはまさにその一家……六出の出身だけどね。こちらも少し手伝ってもらおう」
 蛍嘉も気の流れを探り、呪詛めいた滞りや逆に清すぎる場所を感じようと念を凝らす。
 互いに仙術を練って繰り出していると、不思議なことに蛍嘉は気づく。
「……それにしてもさ、義透。仙術、かなり上達して手慣れてるね?」
「ん? ええまあ、かなり慣れましたよー」
「いや、たしかにキミには長年、母の命がけの加護があったけどさ……。私も修行途中だけれど」
 未だ道半ばの蛍嘉から見れば、随分と熟れた術に感心しきりだ。軽く慣れたなどと義透は言うが、そこに至るまでに経験も重要だろうに。生まれてから命尽きるまで、二人の母の加護があったとはいえ、大したものだと蛍嘉は言う。
 かく言う蛍嘉も早速異物を見つけだした。気の流れを滞らせ、特に陰気を溜め込む呪いのかけられた壺をさらりと浄化して、妖影刀『甚雨』の一閃で縦に断ち切る妹に笑いながら、義透は言う。
「あ、遠かったり高かったりするところのは、私に任せてくださいねー。簡単に砕けますから」
 言葉通り、義透は軽く漆黒風を投げてみせ、屋根の上に置かれた奇妙な像を砕いてみせた。
「ああ、任せたよ。逆に近場で壊していいものは、私に任せなよ」
「お願いしますねー」
 そうして二人で邑を回れば、そこかしこに妙な呪いのかかった品が時に堂々と、時に隠されるようにして置かれているのを見つけ出す。即破壊できるものはその通りに、浄化が必要なものは祓ってから破壊していく最中、義透はぽつりと呟いた。
「しかし、回りくどいやり方ですよねー。だからこそ、気づかれにくいともいいますがー……」
「そうなんだよね、陰気溜まるにも時間がかかるだろうし。わりと地道に仕掛けて来てるんだね、これは……」
 派手に動いてくれれば目立つ。介入もすぐにできよう。しかしこうも目立たぬように、ひっそりと少しずつ崩されると気づく前にすでに手遅れになることもある。目立つように置かれた品にはさほど陰気も溜まっておらず、逆に隠された品に溜まっていることすらあった。
「厄介ですよねー」
「本当にね」
 それでも放っておけばますます陰気はたまり、邪仙の望みどおりになるだろう。それを防ぐためにも、二人は一つ一つ確実に呪物を潰し、溜まりすぎた陰気を祓っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
◎○♪

「この場で壊して片付けるのも面倒くさい、全部後で廃すとしましょう」

式神に命じ香炉・奇妙な像・篝火は全て、壺中天内の時のない部屋に分けて放り込ませる

自分は風火輪
黄巾力士は飛来椅で空中から邑を俯瞰
動かせる重量の像や祠は黄巾力士に持ち上げさせて元の場所と思われる位置へ移動

「…ふむ。今時分に出歩いている女性がいれば家まで送らねばならないところですが、それもなさそうです。今回参加した猟兵も男性が多いようですし、ならば歩き回れば歩き回るだけ陽気でかき乱すことになる。後は、北に水行がたまりすぎないよう、水門の様子を見て場合によっては開けてしまいましょうか」

「さて、そろそろ道も見える頃合いですね」
嗤う




 冬季が邑の上空へと風火輪で飛んで見渡せば、そこかしこに風水の配置にそぐわないものが見え隠れする。首を傾げ、少し思案して、冬季は一つ頷いた。
「この場で壊して片付けるのも面倒くさい、全部後で廃すとしましょう」
 ひとまずすべて貯め込んでしまおう。冬季は式神を呼び出して、怪しげな煙をはく香炉や奇妙にねじれた像、薬を混ぜたか色のついた篝火を集めて壺中天へと放り込む。時の流れない部屋の中に入れて、適当に仕分けさせておいた。
 その間も冬季は邑を空から巡って見下ろした。それから黄巾力士に命じ、動かされた土地神の祠や、運気を招くはずの呪いの施された像や飾りを、おそらく元あった場所へと移動させる。力士はか
彼の意のままに、ひょいひょい持ち上げては戻していく。
 あちらにこちらに、力士と一緒に飛びながら、冬季は整っていく邑を観察する。
「……ふむ。今時分に出歩いている女性がいれば家まで送らねばならないところですが、それもなさそうです」
 この夜、地を動き、気の滞る場所で作業しているのは同じ猟兵だろう。彼らの行動により気の調和が整っていくのがわかる。
「今回参加した猟兵も男性が多いようですし、ならば歩き回れば歩き回るだけ陽気でかき乱すことになる」
 女性は陰、男性は陽に属する。ならば仲間が動けば動くだけ陽の気が発散され、バランスを取り戻していくだろう。
「後は、北に水行がたまりすぎないよう、水門の様子を見て場合によっては開けてしまいましょうか」
 そうすれば東に川が流れ、四神相応の地にまた一つ近づいていく。街道も関所を開けてしまえばいいだろう。
 夜が明ける前に、と冬季は一つ空を駆ける。邑の東の川を堰き止めた水門を開け放ち、取って返して西の街道の関所を番人に仙術を持って実力を示し、領主の命を一時無視するよう約させた。
 東の空が白む頃には邑の陰気は流れだし、陰陽の調和が取れ始めていた。
「さて、そろそろ道も見える頃合いですね」
 町の中央、領主の館。そこにいるだろう邪仙への道がもう見えている。
 冬季は嗤い、館へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『悪殊拳伝承者『相道・佳窈斎』』

POW   :    悪殊拳奥義「蜿縵賚舞」
自身が【竜脈の力を引き出す演舞をしながら戦って】いる間、レベルm半径内の対象全てに【竜脈より迸る無数の光彩の矛(彩竜矛)】によるダメージか【安らかなる霊光の奔流(安光流)】による治癒を与え続ける。
SPD   :    詩魂型宝貝「相道想擅炬」
自身が装備する【長棍「魔燠朱鍛銅」】から【胸を焦がす魔力が宿る歌声を増幅して音撃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【魅了と熱狂】の状態異常を与える。
WIZ   :    外法仙術「莫羅影御」
【地を這い自在に形を変え対象を覆う羽衣の影】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は源波・善老斎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●猟兵、邪仙を撃退せんとす
 惑わしの術が解け、邑の中心の領主の館へと向かう猟兵達。
 一本道を駆けゆけば、領主の館の前に立つ女性の姿があった。彼女はきらめく矛を振るい、猟兵達を睨めつける。
「どこの名のある神仙かと思えば、有象無象の集まりか。しかし私の術を解いたのは事実」
 佳窈斎は自分の邪魔をした猟兵を敵と認め、矛を構えた。
鳴上・冬季
◎○♪

風火輪使い空中から
「貴様程度の小物に、師父達が出てくるはずもない。封神され虚海に沈むがよろしかろう」
嗤う

「庇え、黄巾力士」
同じく飛来椅で空中に居る黄巾力士にオーラ防御で自分庇わせ地を這う影ごと敵が黒炭になるまでUCで雷を豪雨のごとく叩きつける

「仙同士の戦いで地を這うなどありえなかろう。邪仙以前に愚物が過ぎる。まして邑人に紛れ事をなさそうなど小物過ぎてかける言葉もない。さっさと消えるがいい」
嗤う

「さて、たまには師のご機嫌伺いに向かわねば。もう1泊して酒とつまみを買いそろえるといたしましょう。酒宴を開くには、いささか酒とつまみが不足です」
店が開き次第、酒樽と師の好む肴を買いに走った


夜刀神・鏡介
◎○〆
ようやく邪仙の元に辿り着いたか
ひとまず邪気は払ったとはいえ、奴を放っておけばまた同じ事態が引き起こされるのは想像に難くない
きっちり倒して、街の平穏を取り戻させてもらうぞ

神刀を抜き、神気を纏う事で自身の能力を強化しつつ、捌の型【水鏡】の構え
まずは彩竜矛の攻撃受け流す事に集中し、反撃は我慢。演舞の動きや癖を掴んでいく

十分に見切ったならば反撃開始。演舞に割り込む形で斬撃をねじ込んでいく
一度、無理にでも動きを阻害すれば力を十分には引き出せなくなるだろうし、そうなれば再度演舞を始めるような隙は与えない

此方から積極的に切り込みつつも、要所で受け流しからのカウンター。戦いの流れをコントロールしていこう




 相対するは、矛を振るいし邪仙、相道・佳窈斎。彼女は己の楽しみを邪魔されたことが腹立たしく、それを成した者達を排除せんと気を練った。
「名のある神仙にあらぬ小物風情が」
 佳窈斎が息を吐き、術を行使する。彼女の纏う羽衣の影が伸び、敵と看做したこの場の猟兵へと襲い掛かってきた。うねり、伸び、広がる影が地に立つ猟兵を捕えようと動き回る。
 冬季は足元の風火輪に火をつけて、影から逃げる。地を豊かに覆う影なれど、空を素早くかける冬季には届かない。
「貴様程度の小物に、師父達が出てくるはずもない。封神され虚海に沈むがよろしかろう」
「は、戯言を影で穏やかに済ませてやろうと思ったが、遠慮も容赦もいらぬらしい」
 佳窈斎は影を収め、足を踏み出した。くるりくるりと地を動き、腕を矛をしなやかに振るう。動きにあわせて巾がふうわり浮かんで揺れた。演舞によって龍脈に干渉せしめて全てを砕こうと言うのだ。
「皆を庇え、黄巾力士」
 けれどそれは許されない。冬季に届くはずの破壊の光を遮る影が現れた。オーラをまとい強化された黄巾力士が主の盾となり守っている。そして同じ場に立つ鏡介も。彼はじっと佳窈斎の舞を観察していた。庇われた余裕も全てそちらに回し、彼女の演舞の動き、癖、型、全てを見取っていく。
(ひとまず邪気は払ったとはいえ、奴を放っておけばまた同じ事態が引き起こされるのは想像に難くない)
 そのために切りかかるのを我慢し、神刀を抜き放って耐えて自身を研ぎ澄ますのだ。
 見て、観て、察するうちに演舞の一連の流れが終わり、くり返し始めの一歩が踏み出される。次の一歩は――防がれる。
 一つの流れを見れば、鏡介には十分だった。決まった型を踏もうとした佳窈斎の体勢を、神刀をもって切りかかり、矛を払うことで崩して脚の位置を変えさせたのだ。そのまま演舞の型に戻れぬよう彼女の動きを阻害する。狙う位置に届かぬように体を割り入れ、避けなければいけないように刀を突き出す。無理に型を留めようとするならば刀で一閃切り払い、傷を負わせて集中を削ぐ。
「一度、無理にでも動きを阻害すれば力を十分には引き出せなくなるだろうと思っていた」
「邪魔をするな!」
 龍脈からの力は最初の斬撃で霧散していたのだ。佳窈斎の動きを見抜いた鏡介は、二度と再開させぬよう、隙を与えず切りかかり続ける。脚を切り、腕を切り、型を維持できぬように傷を負わせていく。
「きっちり倒して、街の平穏を取り戻させてもらうぞ」
 鏡介は上から振り下ろされる矛の勢いを受け流し、滑るように斬撃を加え、佳窈斎の体を切り裂いた。
「影よ、捕らえよ!」
 踊れぬならば封じてしまえと影が蠢き出す。それを縫いとめるように雷が一筋縫降り注いだ。
「仙同士の戦いで地を這うなどありえなかろう。邪仙以前に愚物が過ぎる。まして邑人に紛れ事をなさそうなど小物過ぎてかける言葉もない。さっさと消えるがいい」
 鏡介が離れるのに合わせ、影ごと佳窈斎を焼き尽くすべく冬季の操る雷が降り注ぐ。脚や体を切られた佳窈斎が簡単に避けれるはずもない。ましてや覆うように降り注ぐ光の奔流に焼かれて痺れて、影ごと消されそうな勢いで焼かれていくだけなのだ。
 雷を焼き尽くすまで維持しながら、冬季はにんまり笑っていた。もう任務も終わりだろう。
「さて、たまには師のご機嫌伺いに向かわねば。もう1泊して酒とつまみを買いそろえるといたしましょう。酒宴を開くには、いささか酒とつまみが不足です」
 店が開き次第、酒樽と師の好む肴を買いに走るために。冬季は雷をひときわ強く降り注がせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
【外邨家】◎〆
引き続き『疾き者』にて

小物と侮っていると、痛い目見ますよー?

さてー、参りましょうかー。
舞を途切れさせればよい、ということですよねー。
仙術による竜脈使いで、竜脈の力をこちら側に引き寄せつつ…UC効果つきの漆黒風を投擲していき、舞を邪魔するように。ついでに地面破壊しておきましょうかね?

まあ、私の方にも来ますよねー?
でも…ふふ、近接ができないとでも思いました?(四天刀鍵での見切り武器受け)
それと、蛍嘉にも注意を払わないと…ね?
私たちは双子、だからこそ、自然と息の合わせ方もわかっているのですよー。

さっさと帰って、お土産楽しみませんとねー?影の二匹が急かしてくるんですよー。


外邨・蛍嘉
【外邨家】◎〆

見た目だけで判断してるってことだよね、これは。
舐められたもんだねぇ。

さてと、義透の言うとおりさね。舞の邪魔をするように見切って立ち回り。
藤色蛇の目傘を刀にして、斬りかかっていこうか。うん、義透の武器が飛ぶ位置はわかってるし。

…うん、竜脈邪魔してる分、私より義透の方が厄介かもね?私を抜いて向かうかもだけれど…それも策なんだけど。
ふふ、私だって遠距離できるんだよ?と藤流し投擲。そう、近と遠の役割を交換しただけさ。

え?相談したように見えない?そんなの、双子だからわかるの当たり前だよ?

そうだね、陽凪も楽しみで仕方ないって気配させてるし。
終わったら、早く帰ろうか。




「見た目だけで判断してるってことだよね、これは。舐められたもんだねぇ」
「小物と侮っていると、痛い目見ますよー?」
 飄々と笑う双子も、くるりくるり舞い始める佳窈斎へと狙いを定め動き出す。
「さてー、参りましょうかー。舞を途切れさせればよい、ということですよねー」
「そうさ、義透の言うとおりさね」
 演舞を舞うことで龍脈から力を引き出しているならば、その舞をやめさせればいい。
「よいしょっ、とー」
 義透は暴れる龍脈の力を抑えるように、かつ自分達の追い風となるように引き寄せる。凪いだ龍脈の間を縫い、蛍嘉は前に出て藤色蛇の目傘を引き抜いた。
「はっ!」
 柄に傘の名残を残した刀が、演舞を行う佳窈斎の髪を切り払う。返す刀でひらりと回った彼女の脚を打ち払う。顔をしかめた佳窈斎が避ければ、揺らいだ体勢から避けれない位置へと漆黒風が飛び、受けた矛の先を砕く。演舞に戻ろうとすれば、漆黒風の合間から蛍嘉の刀が流れるように切りかかっては羽衣や服の裾を払って切っていく。更に漆黒風が刺さった地面が砕けて形を変えるから、どんどん舞いにくくなっていく状況に佳窈斎は舌打ちを一つこぼした。
「忌々しい、小物の邪魔がこれほどとは!」
 間近で切りかかってくる蛍嘉の剣舞も厄介だが、この局面で優先して気にすべきは佳窈斎を遮るように龍脈を支配する義透だ。そう判断した佳窈斎は獲物の長さを活かして蛍嘉から距離をとり、相手をすると見せかけてその隣を通り過ぎた。遠距離主体だった義透ならば与し易いとも思ったのだ。
 けれどそれは想定の範囲内。むしろ二人の策のうちでもある。
「まあ、私の方にも来ますよねー? でも……ふふ、近接ができないとでも思いました?」
 がきり、と突き出た矛を四天刀鍵が受け止める。ぎりぎりと佳窈斎が矛を押し込むが義透が揺るぐことはない。矛の軌道を見切り、一番義透がしっかり受け止めれる場所で絡めるように受け止めたのだ。
「それと、蛍嘉にも注意を払わないと……ね?」
 そう笑う声にあわせて、佳窈斎の後ろより飛来する棒手裏剣。慌てて引き抜こうにも絡められた矛は簡単には抜けはしない、崩した体勢の佳窈斎へと藤流しは吸い込まれて舞に欠かせない動きを取るための脚の経絡を砕いていた。
「ぐ、あ」
「ふふ、私だって遠距離できるんだよ?」
 近接と遠距離の役割を言葉もなく、互いの感覚だけで交代した双子の息のあった攻撃だ。
 佳窈斎にはわからなかった。蘇ってからも仲間を得ず、操り命令を下すだけの彼女には、何も言わずとも息の合う二人が理解できなかったのだ。
「馬鹿な、何も語らず指図もせず! 何故息を合わせられる!?」
「え? 相談したように見えない? そんなの、双子だからわかるの当たり前だよ?」
「私たちは双子、だからこそ、自然と息の合わせ方もわかっているのですよー」
 佳窈斎の叫びに双子は同じように首を傾げた。同じ母のもとで生まれる前から一緒だったのだ。互いの片割れとの意思疎通くらい容易いことでもあった。
 近くより握りこまれた漆黒風を義透が薙げばかすめた佳窈斎の腕を砕き、遠くから藤流しを蛍嘉が投げつければ刺さった佳窈斎の脚を砕く。
「さっさと帰って、お土産楽しみませんとねー? 影の二匹が急かしてくるんですよー」
「そうだね、陽凪も楽しみで仕方ないって気配させてるし。終わったら、早く帰ろうか」
 もうすでに弱った佳窈斎は眼中にない。それよりも影に潜んだ可愛い子たちが急かしてくる方に重みが傾いていく。お土産を我慢させすぎるのも忍びない。息を合わせた双子の息つく間のない攻勢が邪仙の体を砕いて、過去を骸の海へと還していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月31日


挿絵イラスト