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サラリーマンUDCをなんとかしてください!

#UDCアース

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#UDCアース


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●憩いの新宿中央公園
 新宿駅西口からどんどんどんどん歩く。どんどん歩くと都庁に出る。都庁を超えてどんどん歩くと新宿中央公園にたどり着く。春は桜、夏は噴水、秋は紅葉がオフィス街で働くサラリーマンたちを癒す、お昼休みにここでお昼ご飯を食べたい場所ナンバー1だ。ただし、根拠はない。
 今日も秋にしてはまだ暑いくらいの天気だった。あちこちから集まってきたサラリーマンの老若男女が屋台や移動カーで昼ご飯を買ったり、弁当の入った小さなトートバッグを抱えてこの公園に来る。
 そんな平和な光景が一変したのは、突然顔の上半分だけを仮面で覆ったサラリーマン達が都庁方面の横断歩道と渡って大挙してやってきたからだ。
「なになに?」
「これ、なんなの?」
「なんかのパフォーマンス?」
「撮影? どっきり、テレビ? 配信?」
「きゃー! あたしのお弁当が!」
「俺が買ってきたコーヒーがこぼされたぞ!」
「コンビニ弁当だからってスルーすんな!」
 仮面のサラリーマンたちが暴れまわる。手製のお弁当はぶちまけられたり、喰われたり、コーヒーはこぼされ、ペットボトルの水はいきなりラッパ飲みだ。それだけではない。万年筆型爆弾で無理やり契約を結ばされたり、所かまわず取り出したパソコンでガチャガチャと大音量の動画を視聴したり、キーを押す音が騒音になったり、花壇に乱入して花を踏みつけたり桜の枝を折ったりと、もうやりたい放題だ。
「なんなの、これ! もう、誰かなんとかしてぇえええ!」

 フィンブル・テュール(オラトリオの聖者・f01804)は新宿中央公園にUDCが大量発生したことを猟兵たちに伝えた。
「本当になんのきっかけもなく、突然新宿中央公園に仮面をつけたサラリーマンのUDC……いえ、それは正確ではありませんね。仮面のUDCにとり憑かれたサラリーマンが大量発生したのです」
 平和なお昼休みを満喫するはずの公園はパニック状態になっている。
「どうしてこんなことになったのかはわかりませんが、とにかく巻き込まれた人たちを助けて欲しいのです」
 人々を守り、仮面に支配されたサラリーマンたちをなんとかし、目撃者もなんとかする。とにかく、事態収拾のためになんとかしなければならないのだ。
「何をどうしたらいいのか、私にも方策はありませんが……なんとかしてください。よろしくおねがいします」
 フィンブルは困っていた。


霧原澪
 自分探し中のマスター霧原です。今回はUDCアースで発生した大量UDC事件を解決してください。
 場所は新宿中央公園で、時間は正午を少し過ぎた頃です。巻き込まれた人々を助けて、UDCを撃退し、この事件が明るみにでないよう、UDCの存在が人々に知られてしまわないようにして欲しいと思います。
 わらわら出現した仮面に支配されたサラリーマンを撃退すると、エリートサラリーマン『櫻井竜之助』が現れます。普段は人間社会に潜伏している忍者系オブリビオンです。目撃者は殲滅する主義です。
 敵を撃退した後は、今回の事件をメイド&執事喫茶のプロモーションになるのかなぁって感じです。参加してくださった猟兵の皆さんのアドリブにもよりますので、そうではない解決策でもUDC秘匿が出来れば問題ありません。よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『仮面型UDC・サラリーマン』

POW   :    契約成立
【投擲した万年筆】が命中した対象を爆破し、更に互いを【契約の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    凶化サラリーマン
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【事務用品による攻撃】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ   :    仕事をしなさい
【カバン】から、対象の【仕事を終わらせたい】という願いを叶える【パソコン】を創造する。[パソコン]をうまく使わないと願いは叶わない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

トゥルリラ・トゥラリラ(サポート)
 堕天使の四天王×殺人鬼、17歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、キミ、なの、よ、なのね、なのよね?)」、戦闘中は狂える殺人鬼「私、相手の名前、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?」です。

性格は明るく無邪気ですが、殺人や殺戮は遊びとして認識している危険人物です。
【地の魔王】と呼ばれる魔王に仕えていて、その魔王に心酔しています。
実は語尾がおかしい事を気にしています。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「なんだか楽しそうな所なのね。凄く、イイところみたいなのね」
 トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)は楽しそうに言った。現在地がどんなところなのかはよくわかっていないけれど、回りは広くて遮蔽物も少ない。木々や花、噴水はあるけれど、壊してもたぶん、怒られたりはしないだろう。ここにわらわらと出現している仮面の男たちを退治してやったならば。
「うん? むしろ仮面が本体なのね?」
 トゥルリラは小首を傾げる。金色の豪奢な髪がはらりと白い肌の肩にかかる。露出が多めの目のやり場に困る衣装だが、トゥルリラは気にしない。彼女の関心は戦闘中に動きやすいか、否か、だけだ。
「じゃ、さっそく楽しむのね。誰か、ううん、全員で私と踊ろうなのよね!」
 トゥルリラの青い瞳が喜色に染まる。いきなり改造重機関銃で全方位攻撃を敢行する。
「あははは、みんな、踊れ、踊れなのね!」
 ぐるぐると回転しながら適当に乱射する。不運にも当たったサラリーマン達は倒れ、近くの舗装された地面に当たると避けようとサラリーマンが不用意に動く。その様は不器用なダンスだといえなくもない。しかし、たった数発当たっただけでサラリーマンたちはすぐに倒れて動かなくなる。それがどうにも物足りない。トゥルリラは倒れた男の一人に近寄る。仮面が壊れて顔が露わになったサラリーマンはもうUDCの力がない。普通のサラリーマンになっているようだ。
「これじゃもう遊べないのね。もっと頑丈な人がいいのね。たくさんいるけど、弱すぎなのね」
 この状態でユーベルコードを使えば、遊びを通り越してジェノサイドになってしまう。新宿公園の噴水前広場を戦闘不能のサラリーマンだらけにしつつも、トゥルリラは欲求不満であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

和田町・いずみ
電脳魔術士×バトルゲーマーです。
大人しい18歳の女性で、何かに熱中すると猪突猛進します。
天然クールで少々ポンコツです。
基本的口調は一人称は私、相手に対しては~さん付け、です、ます、でしょう、でしょうか?と穏やかで丁寧な話し方。
電脳魔術でハッキングするのが得意。
酔うとふらついきます。
趣味は鉄道が好きな乗り鉄です。

アドリブ・連携は大歓迎。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「新宿ですか。ふふふ、西谷で直通となったからにはここも私にとっては庭のようなものです」
 和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)は暖かい日差しが降り注ぐ、お昼休みの新宿中央公園にいた。ここは西口方面にあり、相鉄線から乗り入れた電車は東口よりの1番線のホームに着く。しかも、ホームの端が他とは少しずれているので、西口には移動しにくい。しか~し、そんなことは些細なことだ。いずみの『海老名から横浜よりも』広い鉄道愛にかかれば、東口から西口踏破など容易いことだ。
「では、サクサクと倒していきますね」
 仮面のサラリーマン達がいずみに気が付き、砂糖に群がる蟻の様に殺到する。
「死にたくない方は白線の内側にお下がりくださーい!」
 突然、複数の線路が敷かれその上を電車が速度を下げずに通過してゆく。それが何本も続き、そのたびにサラリーマンを薙ぎ払い、吹き飛ばし、地面に投げ出す。戦闘不能になったそばから仮面がパリンと割れてゆく。しかしサラリーマンたちの数は多い。
「ちょっと敵の数が多いですね。これ以上の人身事故はなんとなく見ていられないものがありますし、ここは私の数を増やしましょう。えい!」
 サラリーマンたちよりは少ないけれど、分裂したように寸分たがわないいずみが目茶目茶たくさん出現する。
「じゃ、敵の殲滅をおねがいしま~す」
「わかりました」
「らじゃ」
「了解」
「出発進行!」
「あ、それ私が言いたかったのに」
「発車オーライ!」
「あ、それも言いたかった」
「ええぇい! とにかく働いでください」
「はーい!」
 なんとも統率の取れていないいずみズであったが、ひとたび攻撃に転じれば電車の運行のように滞りなく処理してゆく。あちこちでいずみズが召喚した小型の戦闘機械達がサラリーマンたちを攻撃し、倒してゆく。あっという間にあたりのサラリーマンが倒される。
「素晴らしいです、私たち!」
「安全確認、完了です!」
 いずみは前方も後方も確認し、コールした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネージュ・ローラン(サポート)
『舞でお相手しましょう』『皆さんはわたしが守ります!』

ヴェールを使って空中を舞いながら戦うエルフです。
戦闘では主に前に出て相手を引きつけながら戦います。
攻撃は空中からの足技や、氷の武器を作って行います。
精霊魔法も可能で、「氷の大狼」「炎の妖狐」「風の神鳥」と契約しており、氷属性を中心に使用します。
仲間も一般人も傷つけず守りたいと考え、そのことを最優先に動きます。

潜入や調査はあまり得意ではありませんが、事件解決の為であれば出来る限りの事をしようとします。
機動力を活かせる役割があれば率先して引き受けましょう。



 真昼の新宿中央公園はまだまだ仮面のサラリーマンに埋め尽くされている。
「わたしが舞でお相手しましょう」
 ネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)が颯爽とヴェールを靡かせ天女であるかのように空から舞い降りた。真昼とはいえ急激に気温が低くなった10月の戸外では寒そうにさえ見える装束だが、ネージュの動きに寒さゆえのぎこちなさはない。
「……」
「……」
 仮面に支配されたサラリーマン達は無言でネージュに殺到する。その動きには作戦も指揮もない。ただ、映画のキョンシーかゾンビのように視界に入る敵らしき存在に向かっていくだけだ。武器はなく攻撃手段は己の肉体だけなのも若干似ている。
「ふふっ」
 ネージュは動かない。ニコニコしながら自分に向かって両腕を伸ばし、掴みかかろうとするサラリーマン達を見つめている。
「ギリギリまで引きつけてからの、吹き下ろす北風の攻撃です!」
 ふわりと重力などないかのように飛んだネージュの連続キックに最前列のサラリーマン達があっさりと地面に沈む。まるでアイドルのライブ最前列で失神するファンの様だ。
「まだまだです。もっと戦いましょう」
 ヴェールを帆のようにして空中を跳ぶネージュを追うサラリーマン達。ふわりと地面に着地すると、バレリーナのように綺麗に半回転をして向き直った。
「氷よ舞え、灼炎と共に我らの敵を討て」
 氷の鴉達が喚び出され、群れになって飛んでサラリーマン達を圧倒する。その後から氷の大狼が出現し、身体のバネを使って地面に倒れジタバタしているサラリーマン達の仮面を噛み砕いてゆく。バタバタとサラリーマン達が倒れて昏倒する。
「やっぱりこの仮面が本体なのですね」
 ヒビが走って壊れかけの仮面の1つを拾い上げ、なんとなく気持ち悪くて放り出し足で入念に砕いて壊す。
「これは、よくないものです! もっと壊しましょう」
 ネージュは敵を求めて舞い上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

雫石・凛香(サポート)
アドリブ・MSの解釈による下記に沿わない動きも歓迎
貴方の書く雫石凛香が見たいです

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のため戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手にどんな事情があろうと容赦はなし

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣を持っており、形状変化による攻め手の多さとスピードと手数で勝負するタイプ。逆に相手の攻撃を剣で受けるような行為は(子供なので)パワー不足、ほぼできないです

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でまとめて敵を薙いでいくのが主な動き方

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用


レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

お祭りとかイベントとか友達と遊んだりとか、とにかく楽しい事大好き!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
(強敵相手だと少し怯えるが、表には出さないように努める)

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御でよけたり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチ&キックでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!



「まだまだいるわね」
 昼下がりの新宿中央公園にわらわらと出現した仮面のサラリーマン達は仮面が本体である。雫石・凛香(鞘の少女・f02364)は小柄な身体にはやや不釣りいな長い得物を手に自然体で立っている。数こそ多いけれど、目の前にいる敵から『圧』は感じない。
「始めるわよ」
 すらりと鞘から剣を抜けば、それは凛香に相応しい長さと重さの刀になる。
「妖刀解放……するまでもない敵ね」
 太陽の光に刀身が鈍い銀色に光、その度にサラリーマン達の顔に張り付いていた仮面が砕かれ、ボロボロの破片になって落ちてゆく。
「あ……」
 そして仮面から解放されたサラリーマン達は崩れ落ちるように力を失い倒れてしまう。
「でも、生きているみたいだわ」
 彼らがどんな理由で仮面に魅入られ、仮面の走狗となったのかはわからない。何か邪な理由があったのかもしれないし、全くの偶然だったかも知れない。しかし、今の凛香にはわからないし、わからなくても解放するだけなら出来ることだ。
「仕方がないわ。そんな義理はないけれど助けてあげる。生き残って幸せに生きるといいのよ」
 凛香の年齢にしては寂しく大人びた笑顔を浮かべ、またもノールックで凛香は自分の背後へと刀を振るう。凛香に掴みかかろうとしていたサラリーマンの仮面が割られて、凛香の方へと倒れてきた。
「危ない!」
 ダッシュで飛び込んできたレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)が気を失っているサラリーマンに真横から体当たりをして、一緒になってフッ飛んでゆく。
「あ、ありがとう」
「いいの、いいの。怪我はなかった? こんにちは! あたしはレパル! またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ! よろしくね!」
「ど、どうも。わたしは凛香よ」
 ちょっと早口のレパルの自己紹介に凛香も思わずペコリと礼をする。
「で、これってどういう状況か教えてくれる?」
 レパルは足の屈伸をしたり、腕のストレッチをしながらあたりを見回す。どうみても一般人のいない黒っぽいスーツのサラリーマンばかりの異様な公園風景だ。しかも、特撮映画のように変な仮面をつけている。
「サラリーマン達を支配している仮面のUDCを倒そうかなって感じよ。仮面を壊したらサラリーマンは無力化するし、死なないわ」
「わかりやすい説明をありがとう。じゃあたしもイッチョ戦ちゃうね!」
 言うなりレパルが走り出す。
「これで終わりよ! カミカゼキック!」
 とんでもなく高速で遥かな高度まで跳び上がったレパルが急降下をしてキックを放つ。爆風が当たりの仮面を飛ばし、ライオンの頭部に変化した足でのキックが仮面をことごとく壊してゆく。
「この辺は片付いたかな?」
「……素晴らしいわ」
「へへへっ」
 凛香に褒められてレパルは照れたように歯に噛んだように、小さく笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ケルシュ・カルハリアス
※ 連携・アドリブOK

昼休みくらいのんびりしたいですよね。邪魔されるのは嫌ですよ!

UDCは【ウイングサメ】で対処します。操られてる人に怪我のないようにまず仮面の方を絵の具鮫の舌でベロって剥がしてから攻撃させます。パソコンも使われる前に【ペイントフィールド】で絵の具にしちゃいます。

倒れたサラリーマンの皆さんはあとで【ウイングサメ】に安全なところへ運んでもらおう。

他に逃げ遅れた人がいたら…映画の撮影とでも言って【勇気】と【コミュ力】を駆使して避難してもらわないと。ダメそうなら絵の具鮫(ドローンって誤魔化します)に【存在感】と【威圧】させて驚かすしかないかな…。ごめんなさい、危ないんです。



 その頃、ケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)気の毒にも逃げ遅れた人を発見していた。木々と植え込みで見えにくくなっている場所にあるベンチで昼寝をしていた学生風の女の子だった。このあたりにはちょっとした学校や予備校もある。学生が昼休みに公園にいてもおかしくはない。
「すみません。映画の撮影をしていまして。申し訳ありませんけど、ここは移動していただけませんか?」
 ケルシュは必死に丁寧な言葉を使い、低姿勢にお願いする。実際、巻き込んでしまって怪我をさせたり死なれたりしたら、大変だ。
「えーきいてないんですけど? 映画ってなんの映画? 新宿で鮫の映画?」
 疑り深い女子なのか、寝起きのくせに色々と聞いてくる。
「そ、そうです。鮫を愛し、鮫に愛される映画です。だから、早く避難して〜」
「え、避難?」
 しまった! と、思ったけれどもう言葉は戻らない。
「そ、そうです! これからエキストラで怖い関係の方々が来るんです。だから、移動! してください!」
「はい」
 ケルシュの気迫が効いたのか、女子は素直に公園を出てゆく。
「よかった。じゃ心置きなく戦うよ。飛びつけ! ウイングサメ!」
 ケルシュが喚んだ翼のある鮫がサラリーマンたちの仮面をひっぺがす。
「後で安全な場所に運ぶからね」
 離れた仮面に攻撃能力はない。1つ1つケルシュに潰され、そしてとうとう公園の敵は掃討された。
「よかった。昼休みくらいのんびりしたいですよね。邪魔されるのは嫌ですよ!」
 うんうん、と、頷き、ケルシュは膨大な数のサラリーマンを救助すべく走り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『エリートサラリーマン『櫻井竜之助』』

POW   :    ビジネスマナーの基本は名刺交換からです
【手裏剣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【忍者刀による斬撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    一流のビジネスパーソンなら、気配など消せて当然
自身と自身の装備、【予めカモフラージュ布を被せておいた】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    情報は吐いて貰いますよ
対象への質問と共に、【自身の懐】から【拷問用の小動物や昆虫】を召喚する。満足な答えを得るまで、拷問用の小動物や昆虫は対象を【毒の牙などの様々な手段】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は塩崎・曲人です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ケルシュ・カルハリアス
※アドリブ・連携OK

せ、殲滅なんてさせません!関係ない人達を怪我させるわけにはいかないです。

質問には【コミュ力】【勇気】を駆使して(答えられそうなのは)答えるけどダメなら【野生の勘】で避けつつ【ウズシオゴーホーム】で動物達には帰ってもらおう。

そしたら本体を水の【属性攻撃】からの【チェイスサメ】で追い詰めますよ!

猟兵になった時を思い出したな。僕も巻き込まれたんだ。今度は僕が守ります!


和田町・いずみ
(前略)

アドリブ・連携は大歓迎。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

追記:もしいずみでクロージングするのであれば、帰りは新宿三丁目から副都心線・千代田線経由で小田急線で家路につく感じでお願いします。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です

でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください

技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル等の事情でばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です

武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です


火守・かこ(サポート)
被虐と加虐を愛する道化師
痛みを存分に味わう(味合わせる)のを生き甲斐にしており、それらを存分に楽しめるであろう強敵との戦いに強い興味を示します

一人称は俺。
「〜だぜ、〜だな?」などの男勝りな口調がデフォですが、奇術を操る時に限って「〜です☆、〜ですね☆?」といった丁寧口調ながら戯けたような感じに変化します(ショーを意識してるような感じ)

UCは指定のものを自由に使ってください
猪突猛進な性格なため、探索や戦闘を問わず、考えるより先に行動するタイプです
思いついたことを行き当たりばったりで試し、それで成功するなら良し、失敗しても何とかなる、くらいの軽いノリ

特にNGはありませんのでよろしくお願いします


アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください


真城・美衣子(サポート)
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女

喋るペンダント『マキさん』

・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命

・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!

☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』

「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』

『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』



●挨拶はサラリーマンの基本です
「こんにちは、エリートサラリーマン『櫻井竜之助』です。お見知りおきください」
 ダークスーツに眼鏡、前髪を軽く後ろに流して整髪したしゅっとした姿でその男はいった。ビジネスマンの多い新宿中央公園なら、すぐに人に紛れてしまいそうな外見だが、身のこなしと鋭すぎる目つきが、内偵中の警察官にも間違われそうだ。だが、彼は名乗りとは裏腹に本業はサラリーマンではない。もちろん、治安維持系の公務員でもない。UDCである。
「こんなに大事なクライアントを倒すなんて、大損害ですよ」
「にゃ」
『みーこさんは「遺憾ではあるが仕方がない」という意味の事を言っています』
 真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)の人語とはほど遠い言語をペンダントから発声される『まきさん』の言葉がフォローする。
「それはこちらとしても遺憾の意!」
 自称、櫻井龍之介が声を発するとスールの内ポケットから毛虫やなめくじ、ヒル、ムカデなんかを美衣子に向かって投げつけた。
「にゃ、にゃにゃ? にゃおにゃお」
 様々な猫語を駆使した美衣子の呼びかけに、公園内のあちこちから自由を謳歌する猫たちが集まってきた。そして、龍之介の虫たちを遊びながら駆逐してゆく。
「にゃん!」
「にゃーご」
「にゃにゃ」
『さすがみーこさん、猫に関するチョイスは的確です』
「にゃ」
 ペンダントから発する『まきさん』に褒められて、美衣子は嬉しそうだ。しかし、嬉しくないのが龍之介だ。
「私の攻撃を無効化するとは、猫召喚に長けていますね」
「どうも、アトです」
アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)が真顔で龍之介の側にいた。
「私の間合いに!?」
 驚いた龍之介が飛び下がる。ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携えたアトからは殺気も、実を言えば人間らしい気配も感じられない。それで龍之介はアトの存在に気づかなかったのだ。
「新手の……手練れですね」
「アトです。こんにちは」
「龍之介です。こんにちは」
 社会人に挨拶は基本です。思わず礼儀正しい挨拶を交わす大人で社会性のあるアトと龍之介。
「それはそうと、UDCさんには攻撃です。あしからず」
 アトは手にした笛を吹く。その音に誘われたかのように古代の戦士が喚びだされた。戦士は装飾された立派な槍を手に龍之介へと突き技を繰り出す。その鋭い攻撃はかろうじてかわした龍之介だが、腹のあたりが燃え上がる。槍には炎の力が備わっていたのだ。
「コストパフォーマンスの良い攻撃ですね。でしたらこちらも」
 ふたたび龍之介は懐からたくさんの虫たちを放出する。
「にゃ」
『「これはこちらで処理してもいいです」と、みーこさんは言っています』
 猫まみれの美衣子のペンダントから『マキさん』の声がする。
「あ、じゃ、お願いします」
 あっさりとアトは頼み、虫たちが猫の遊び道具になってゆく。
「く、て、手ごわいな」
 龍之介は攻撃が効かず額に嫌な汗をかく。
「なら俺とやりあおうぜ!」
 火守・かこ(妖狐の魔女・f15141)が目をキラキラさせながら飛び込んできた。
「なるほど、あなたなら良いビジネスパートナーになりそうですね」
 龍之介も汗をぬぐってかこを見る。
「私はこういうものです!」
 小さな白いカード状のものがかこの腕に命中する。それは龍之介の名刺だ。続けて短い刃渡りの直刀を抜いて斬りかかってくる。血が公園のアスファルトにぼたぼた落ち、かこが負傷する。しかし、それはかこの戦意をくじくことにはならない。
「ショータイムってな☆」
 血の匂いをかき消すほどの美しい演出の爆発があちこちで起こり、かこの姿が煙に消える。
「煙幕か?」
 龍之介があたりを見回す。
「にゃ?」
「ここだね」
「こっちだよ☆」
 美衣子と猫とアトの間に出現したかこは龍之介の死角からナイフを投げつける。
「うっ」
 ナイフは龍之介の脚に命中する。機動力を狙われたと龍之介が思ったその時、背後に殺気を感じて飛び退く。それでも背中に大きな傷を負う。
「仕留められなかったか」
 偉丈夫が発するような威風堂々の声は鎧姿の妖精さん、フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)からだ。その手には鎧にふさわしい鈍色の光るバトルアックスがあり、血に濡れている。
「フェアリーですか。さすがにそれは想定外でした」
 背中の傷、脚の傷を負った龍之介にはもう余裕がない。猟兵たち4人を目でしっかりととらえている。しかし、美衣子は猫と遊んでいるし、アトも猫に触りたそうにしているので、実質戦いになりそうなのはかこと目の前のフェアリーの戦士、フルトだけだ。いや、そうではない。
「せ、殲滅なんてさせません! 関係ない人達を怪我させるわけにはいかないです」
 ようやく一般人の完全避難を終えたケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)が公園に戻ってきた。学生さん風の女子もコクーンタワーの方へ『もうすぐお昼休みも終わっちゃうから』と、戻ってくれている。
「素敵な外見を持つ君! 君も僕と一緒にこの人類の敵に鉄槌を下さないかい?」
 フルトは自分よりも少しだけ大きなケルシュに共闘を持ちかける。
「はい! このエセエリートサラリーマンっぽい敵を一緒に倒そうね!」
 そこへ轟音とともに和田町・いずみ(人間の電脳魔術士・f07456)が再び戦場に帰ってきた。実際は公園の中で倒れたサラリーマンさんたちの避難をしていた。常々、泥酔したサラリーマン客をさばいているいずみには正体をなくして倒れて人を介抱したり、移動させるのはそれほど難しいことではない。そして、全てを終えて戻ってきたのだ。本当の敵を倒すために。
「死にたくない方は白線の内側にお下がりくださーい!」
 音を立てて線路が幾重にも敷かれ、その交わる場所に龍之介がいる。特急電車なみの高速であちこちから迫りくる電車の多重衝突は機動力を削がれた龍之介では回避できない。
「今です、ケルシュさん! そこに敵がいます」
 いずみがボロボロになった龍之介をびしっと白い手袋で指さし確認する。
「わ、わかったよ。僕も戦うよ! とことん追いかけるぞ!」
敗戦濃厚の龍之介がボロボロの身体でよろよろと動いている。そこへデフォルメされた鮫の絵がくっつき、大量の身体が絵の具でできた鮫が殺到する。触ればサメ肌で傷がつく。次々と龍之介に突撃し、そしてとうとう動かなくなった。そ~っとフルトとかこが敵を確かめる。
「確かにやり遂げたよ、素敵な外見の君!」
「死んでるぜ」
 二人の言葉にケルシュははぁと息を吐いてぺたんと座った。
「これで公園の平和はまもられたのかな?」
「もちろんです。では、私はこのへんで。ちょっと遠回りで帰りますので」
 新宿三丁目までここから歩いてから副都心線に乗り、千代田線経由で代々木上原から小田急線で家路につくのだ。やや時間が多めにかかるが乗ることに意義がある。
「お、おつかれさまでした」
 ケルシュは座ったまま手を振った。お昼休みはそろそろ終わりそうな時間であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『ようこそ、メイド&執事喫茶へ!』

POW   :    メイドや執事からの行き届いたサーブで食事と紅茶を心ゆくまで満喫する

SPD   :    メイドや執事に気さくに話しかけご主人様気分を味わう

WIZ   :    メイドや執事を傅かせてラグジュアリーな気分に浸る

👑7
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 UDCとの戦闘は終了し、戦いの後もあらかた消しはしたけれど、それでも花壇はあらされているし、アスファルトは変な筋や凸凹があるし、木々も枝が折れている。なにより雰囲気が殺伐しているではないか。
 折しも今はハロウィン間近。メイドさんも執事さんもハロウィンのコスプレをして、出張喫茶です。運営側でもお客役でも、この場の空気を換えるために人材が急募です。
ニケ・ブレジニィ(サポート)
技能を、フル活用します。

 桜の精の王子様×プリンセス、30歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 その日、突然現れた仮面のサラリーマンたちとサラリーマンのUCD により殺伐としたランチタイムが過ぎ、そうしてひょっこり出現したのが移動喫茶であった。給仕してくれるのが、紳士な執事と淑女なメイドさん達なので、時節柄ハロウィン関連の何かだと行き交う人々には思われていそうである。
「こんなところに喫茶店? 公園の中なのに?」
 ニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)は不思議そうに首を傾げた。見たところ、なんとなく公園の雰囲気は荒れている。ついさっきまで何か殺伐したことが起こっていたかのように、癒しを与える公演ならではのゆったりとした感じがない。ただ、この移動喫茶店の周囲をだけは空気がトゲトゲしくはない。
「そういえば、ちょっと休憩してもいい気分だわ。紅葉には少し早いけど寒くはないし、外でお茶をするのもいいかもしれないわね」
「いらっしゃいませ」
 白と黒のスッキリとしたお仕着せに身を包んだ男性がニケに近づいてきた。
「一人でもいいかしら」
「もちろんです。どうぞこちらに」
 男性は手近にあったメニューを手にすると、ニケを道路からは直接見えない席へと案内する。移動喫茶にしては立派なテーブルと椅子だ。ニケが座ろうとすると、男性はそっと背後に周り椅子をひく。
「ありがとう」
「どういたしまして。こちらがメニューです」
「はい」
 メニューにはたくさんの紅茶の品種とたくさんのケーキの名前が写真つきで書かれている。どれも美味しそうだ。
「迷ってしまうわね」
 ダージリンもアッサムもいいし、オーソドックスなショートケーキも秋に食べたいモンブランも捨てがたい。
「ここは……おまかせします。何か美味しいお茶とケーキを出してください」
「わかりました。お待ちください」
 男性は一礼して去ってゆく。静かな時間がゆっくりと過ぎてゆく。
「なんか、いいな。こういうの」
 戦闘もない、人助けもない。のんびりとしたニケだけの時間だ。勝利の女神にもたまにはそんな時間があってもいい。
「お待たせいたしました」
 男性が運んできたのは、セイロンミルクティーとリンゴのタルトだった。
「ありがとう」
 ニケは微笑んで午後のお茶を楽しむことにした。

成功 🔵​🔵​🔴​

東海林・馨(サポート)
日常は主に武術の鍛錬を主として行動しています。
次に多いのは冒険で採取した食材をもとにしたレポート整理です。アルダワ迷宮で活動することが多かったため、地形を利用した武術の考案や動植物にまつわるレポートをまとめて論文作成に勤しんでいます。
その他はお任せです。
最近書いた論文は「キノコとは何か?」です。
武術の探求とフィールドワークに勤しみすぎて朴念仁と呼ばれることは多いです。
酒はワインだけ飲めます。それ以外は下戸です。
子供は嫌いではないです。



「これはに何が入っているのだ」
 東海林・馨(探索する者・f33122)が尋ねると淑女は一礼した。
「栗です。正確に言えば丹波の和栗でございます」
「わぐり……アルダワの迷宮には生えていなかったな。これは植物の実なのだろう?」
「はい、その通りです。栗の木になる実です」
 馨の問いに淑女は静かに返事をする。今、馨の座ったテーブルには薄い白磁のカップに温かい湯気のたつダージリンとモンブランケーキが並んでいる。フードファイターでもあった馨の能力からすれば、これらを平らげるのは造作もない。しかし、一瞬で喰らってしまては勿体無いような美しい食べ物であり、飲み物だ。
「これは時間をかけてゆっくりと賞味すべきものだろう」
 小さな銀のスプーンで紅茶を掻き回し、小さな銀のフォークで栗を掬う。口に入れると甘くコーティングされた栗のまろやかな舌触りが心地よい。噛めば栗本来のホクホクした食感と自然な甘さが身に染みる。紅茶は少し渋みがあるが、芳醇な香りとともに喉を潤す。
「お美味しいな」
 いつの間にか淑女はいなくなっていて、この場には馨とお茶とケーキと、秋の午後の日差しと風、そして穏やかな時間が流れてゆく。
「鍛錬もいいが、たまにはこんな美味を楽しむのもいいな」
 鍛錬も食材などのレポートも誰に強制されたわけでもない馨が好きでやっていることだ。それはとてもやりがいがあって楽しい。しかし、ごくごくたまには……こんな時間が合ってもいいと、馨は思った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ケルシュ・カルハリアス
※ アドリブ・連携OK

とりあえず雰囲気を変えていこう。という事で僕は出張喫茶を裏からサポートします。

ハロウィンらしいレイアウトを作るために【ゴッドオブアート】で周囲に【アート】の装飾を施します。その方が雰囲気ももっと良くなるはず!

あ、そういえばさっきは映画の撮影だって誤魔化したなぁ。『サラリーマン忍者軍団VSフライングシャーク軍団〜新宿大戦争〜』って感じの映像も作って流したら隠蔽工作にもなるかな…?だったら【ブームの仕掛け人】も駆使しますよ!



 殺伐とした戦闘の余波をこの場から払拭するには雰囲気を変えてしまうしかない。折しも時期はハロウィンだ。先ほどまでUDC排除に尽力していたケルシュ・カルハリアス(鮫絵師・f29842)は出張喫茶を裏からサポートしようと決めた。
「どうしようかな。周囲との協調も必要だし、ある程度目立つことも必要だよね」
 その兼ね合いが難しい。師匠ならば『塩梅』なんて古い言い方をするだろうか。
「でも、見てもらわないと、だよね」
 ケルシュは小さなオレンジ色のカボチャのオブジェクトを配置する。あえてくりぬいた顔は作らない。それからランタンを置いた。これも黒い金具のおとなしいものだ。それでも硝子の中で揺れるろうそくの光が宵闇には映えるだろう。
「今はまだ明るいからそうでもないけどね。夜はすごいよ、きっと」
 想像するだけでケルシュはニコニコしてしまう。きっとよい雰囲気のカフェになるだろう。なんなら自分が仮装して……と、思ってやめた。何事も120%が良いというわけではない。やりすぎないこともプロモーションでは大事なのだとケルシュは知っている。
「こんな感じかな? 喫茶のお茶やケーキは美味しいし、店員さんは洗練されているし、これなら喫茶は成功間違いなしだね。もう、常設でお願いします、なんて頼まれちゃうかもしれないよ」
 それも楽しいかもしれないけれど、一夜限りの儚さもまたいい、と、ケルシュは思う。
「あ、そういえばさっきは映画の撮影だって誤魔化したなぁ。『サラリーマン忍者軍団VSフライングシャーク軍団〜新宿大戦争〜』って感じの映像も作って流したら隠蔽工作にもなるかな……? だったらちょっとこっちのラインも考えてみるのもいいかな?」
 使える手はまだまだある。ケルシュの顔はちょっとだけ大人びて見えた。
 そして、空は少しずつ暗くなり、夜が、ハロウィンの夜が訪れようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月01日


挿絵イラスト