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第二階層は工事中?〜竜の遺跡踏破録〜

#アックス&ウィザーズ #戦後 #龍の遺跡

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 アックス&ウィザーズには「遺跡都市ヴェルニス」以外の街にもダンジョンが確認されており、一攫千金を狙う者達が毎日のように挑戦している。
 そのうちの一つが「竜の遺跡」と呼ばれている地下に広がるダンジョンだ。
 入口の辺りに竜を模した意匠が確認されたから、という安易な理由で名付けられたそこはゴブリンやオークなどが生息していることは確認されているが、どれだけの深さなのかは不明、そもそも奥に何があるのかも不明……という冒険心がくすぐられる場所となっている。
 発見から数週間経った頃、複数名の猟兵達がルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)の誘いに乗り、現地に突入し、戦闘の副産物という形ではあるが第二階層へ続く穴を掘ってしまった。
 この発見に、第一階層の大体を把握してしまっていた冒険者達と商人達は大いに沸いた。
 未踏破のダンジョンには多くの財宝が眠っていることが多い上に、その内容を記録すれば「地図」として同業者に売ることが出来、当座の大金を稼ぐにはもってこい。また、それを目当てに訪れた多くの冒険者によって周囲にある宿屋や食事処が賑わい潤う。
 だが全容が解明されてしまうと、そこをそれ以上調査する必要はなくなってしまい、手持ち無沙汰になった冒険者達は次の稼ぎ所を求めて出て行ってしまう。
 すると街にはダンジョンからモンスターが溢れ出ないかどうか見張る衛兵と実戦経験を積みたい貧乏な若手パーティだけとなってしまい、商売は上がったりになってしまうのだ。
 故にこの発見は一つの救いであり、光明であった。
 ……これが大体半年前までの話である。
 にも関わらず、第三階層への入り口は未だに見つかってなかった。
「どうもあるモンスターのせいで、攻略が難航しているようなんですね」
 ルウはそう言うと、原因となっているという2種のモンスターの写真をテーブルの上に並べた。
 1体目が「宝石トカゲ」。光り物で巣を作る習性を持っており、宝石から子供の玩具まで関係なく奪い取る俊敏なトカゲだ。
「こいつはダンジョン外でも確認されているモンスターで、松明に反射した武器を長い舌で掠め取られたことで攻撃手段を失い、撤退せざるおえなくなるパーティもいるそうです」
 2体目が「竜牙兵」。その名の示す通り、竜の牙や骨で体を構成したスケルトンだ。
 竜が持っていた瘴気をそのまま纏っており、近くに居続けると身体に変調が発生してしまう厄介な敵だが、遠くから弓矢なり魔法なりで迎撃すれば問題がない。
「普通ならば複数体を一度に近くで相手にしたら大変だね、って程度のモンスターなんですが、このダンジョンで確認された者達はある特異点が確認されています」
 それは「穴を掘る」こと。
「下に掘ってくれる分には第三階層が見つかる可能性があるので良いんですが、彼らは横にしか掘ってくれていません。さらに厄介なのはその行為によって、新しい道が増えてたり、今まであった道が埋め立てられて塞がれたり、という事例が発生している点です」
 彼らが作った道や壁は子供の遊びで作られた物と違い、綺麗に舗装されてしまっている。じっくり見ても、どれがつい最近掘られた物なのか分からないレベルだ。
 彼らが掘り続ける限り、第二階層の地形は常に更新され、折角命を賭して仕入れてきた情報も意味を成さなくなっており、地図の発行量や売れ行きがものすごく渋いことになっているそうだ。
 また、その性質から第三階層に繋がる道も彼らによって塞がれてしまったのかもしれない、と予測した一部の冒険者達はスコップを持ち込んで探索を始めている。
「ただその肝心のスコップも宝石トカゲに盗まれているらしいです……そこで今回も皆様に突入していただいて、これら面倒くさいモンスター達を駆逐していただこうかな、と。……あ、もちろん皆様が第三階層を見つけてくださっても構いませんよ?」
 そう言ってルウは人差し指を自分の口に当てて、ウインクした。


平岡祐樹
 お疲れ様です、平岡祐樹です。

 今案件は「竜の遺跡を踏破せよ!」(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28683)にて登場した「竜の遺跡」が舞台となります。
 前作に参加されてなくても読んでなくても問題ありませんので、お気軽にどうぞ。

 今案件にはシナリオボーナス「冒険者っぽく振る舞う」がございます。
 これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。

 なお、今シナリオに参加したとしてもMSからアイテムが支給されることはございませんが、まつわる品を作ることは禁じておりません。その点をご了承した上でのご参加よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『手癖の悪い蒐集家』

POW   :    逃げる宝石トカゲをひたすら追いかける。

SPD   :    罠を仕掛けたり巣まで追跡する。

WIZ   :    宝石トカゲを誘き寄せる。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニクロム・チタノ(サポート)
 レプリカントのブレイズキャリバー×妖剣士、15歳の女です。
 口調はボクっ子です。
強い敵に反抗する主義です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我や危険厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
反抗者なので弱い者や苦戦する者に味方したいです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「光り物なら何でも奪う、かぁ……」
 話を聞き終わったニクロム・チタノ(蘇った反抗の翼・f32208)は複雑な心境になった。
 反抗者としてはダンジョンの攻略に苦戦する冒険者たちに味方したいし、そうするつもりだ。
 だがトカゲ達の方からしてみれば、彼らが光り物を集めるのはメスに自分の力をアピールするための巣を作るため、自分の子孫を後世に残していくため。
 彼らにとって冒険者達は自分達の縄張りに欲しい物を持って入ってきたカモでしかないのだ。冒険者達がそれを失ってどうなってしまうのか、なんてあの小さな頭の中にある脳みそでは想像すら出来ないはずだ。
 そんな悪意の無い、本能からくる妨害をどう断罪すべきか。
 ニクロムが持つ松明の火による明かりが届かない岩肌を、音もなく宝石トカゲが進む。
 そして粘着質な唾液のついた舌を勢いよく突き出し、ニクロムがはめていた半面を掠め取ろうとした。
 しかし舌が半面に触れた瞬間、肉が焼ける音が小さく響いた。
 宝石トカゲは天井から落ち、泡ぶくれする舌を口内にしまうことなく全速力でニクロムから離れていった。
「ごめんね、でも先に手を出した君に非があるからね」
 ニクロムが選んだ策は「手を出してきた相手には全力で相手をする」ことだった。
 ブレイズキャリバーであるニクロムは自分の体から発せられる火で火傷することはない、そしてそれで熱せられた仮面で皮膚が爛れることも。だが、炎を吐けない宝石トカゲは違う。
 少なくとも火傷が治るまで、あの宝石トカゲが物を盗ることは無くなるだろう。それは回り回って、冒険者達の捜査の助けになるはずだ。
「さて……ボクも下に続く道を探そうかな」
 先程の反動で地面に落ちてしまった半面を拾い上げたニクロムはついてしまった土を適当に払い、再び身につけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス、戦闘のみ
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技を使って、敵をしとめていこうか。

美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。



「半年も経っているのに、まだ下への行き方が分かってないのか……」
 第一階層の探索に行かされた猟兵のうちの一体であったシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は嘆息しながら第二階層に足を踏み入れる。
 分かっている範囲に限るが第二階層は第一階層よりも狭いそうで、すれ違う冒険者の数も多い。
 しかし半年という月日が過ぎ、これだけの量がいるにもかかわらず、攻略が一切進んでないことにシェーラは気が遠くなった。
 やはりそこら辺にいる十把一絡げの冒険者と百戦錬磨の猟兵とでは色々と違いがあるのだろうか。
「出たぞ、宝石トカゲだ!」
「お、俺のスコップがー!」
 にわかに騒がしくなった方から宝石のように煌めく鱗に覆われたトカゲと巨大なスコップが勢いよく突っ込んできた。
 シェーラは儚げな微笑から物憂げな溜息を吐き、上目遣いの視線をトカゲに向けた。
 するとトカゲは這っていた天井から飛び降り、まるで上納するようにおずおずとスコップを差し出してきた。
 おそらくスコップを盗まれたであろう少年が息を切ってやって来たところへシェーラは無愛想にスコップを押し付け返した。
「二度と油断するな。こいつの舌がスコップじゃなくて君の首を狙っていたら今頃死んでいたぞ」
「は、はい……ありがとうございます」
「す、すげぇ……宝石トカゲを一瞬で手懐けたぞ」
「あの兄ちゃんやるな……」
 周囲の人々から尊敬の眼差しが送られるが、当事者であるシェーラは何の反応も示さずその場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



「こらー、待たん……待ちなさいですわー!」
 地が出たのをすぐに言い直しながら納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)はダンジョンを全速力で駆け抜ける。
 ピンチンが追いかけているトカゲの舌には、花とリボンでデコレーションされた剣が巻き付いていた。
 光り物に反応するという宝石トカゲのお眼鏡に叶ったということ。つまり日頃からピンチンが剣のお手入れを欠かさず行なっていることが証明された訳である。
 だがだからといって、巣に持ち帰っても良いというわけではない。
「止まっ……止まらんかワレー!」
 布から覗く青い瞳に怒りの炎を宿しながら、ピンチンは布の下から新しい刃物を取り出す。
 それは剣と同じデコレーションがなされた、殺戮の為だけに鍛え抜かれた鋏だった。
「いい加減返さんかドロボー!」
 刃に集まる光の粒に気を取られた宝石トカゲの足が止まる。そこ目掛けて、ピンチンはこのダンジョン内にいる冒険者達の傷と比例した威力と攻撃範囲を持つ光の斬撃を放った。
 しかしその直前でピンチンは刃を返す。そうして放たれた一撃は鋭利ではなく、宝石トカゲを押し潰すに留まった。
「あくまでお仕置きをしに来ているから、あまり殺伐とした戦い方はしませんわ。命拾いしましたわね?」
 あまりの重圧に気絶した宝石トカゲから愛剣を取り戻したピンチンは元の調子に戻りつつ、声をかけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧崎・蛇駆(サポート)
『あーあーヤダヤダ、めんどくさいったらありゃしねぇ』
『やるからにはやるさ、給料分はな』
『いいじゃんいいじゃん!楽しくなってきた』
口では面倒くさいと言いつつも仕事はこなす猟兵で、戦闘だとやる気を最初から見せる戦闘バカです。
捜索系ではハッキングを駆使して情報を集めたり、演技で騙したり脅したりします。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使います。正面きって無数のテンタクルによる物量戦も好きですが、触手による立体的な移動からの相手の死角から攻撃も別格です。弱い相手だといたぶる傾向があります。
メインの武器は『テンタクル』です。
基本的な口調は『オレ』です。
あとはおまかせします。よろしくお願いいたします。



「物を奪うだけ奪って逃げ惑う奴を一方的にぶっ倒す……っていうのは性に合わねぇんだけどさ」
 霧崎・蛇駆(ヴィリジアンモンスター・f20261)は天井に貼り付く宝石トカゲを、フードの奥にある赤い瞳を細めながら見つめていた。
 口では面倒くさいと言いつつも押し付けられた仕事でもきちんとこなすこの男は、戦闘と聞けば掌を返してやる気を見せる戦闘バカだ。
 そして眼球を光らせているデバイスを狙って相手が舌を突き出してきたならば、それはもう立派な敵対行為である。
「オレに喧嘩を売ったらどうなるか、しっかりと教えてやるよ」
 目にも止まらぬ速さで出現して動いた触手が宝石トカゲの舌を串刺しにし、そのままスライドして二又に裂かせる。
 断面から血を噴き出させたトカゲは慌てて逃げ出そうと背を向けたが、その行く手は大量の触手によってすでに封鎖されていた。
「おいおい、どこに行く気だ? オレの目が欲しかったんだろ、奪ってみろや」
 声色を弾ませる蛇駆の背中で蠢く触手の束は、トカゲの行動できる範囲をどんどん狭めていく。
 血を垂らしたトカゲは辺りを忙しなく見回すだけで何の反抗もしてこなかった。
「チッ、つまんねーの。もうちょっと意地見せてくれよ」
 せっかく高揚した気分が盛り下がった蛇駆が肩を竦めると、触手達は一斉にトカゲの体を八つ裂きにした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『瘴気を纏う竜牙兵』

POW   :    皆で一緒にいざ掘らん!
【穴を掘る仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[穴を掘る仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    どんどんずんずんいざ掘らん!
自身が【穴を掘って】いる間、レベルm半径内の対象全てに【毒々しく変化した土塊】によるダメージか【清らかな輝きを持つ宝石と化した土塊】による治癒を与え続ける。
WIZ   :    縦横無尽にいざ掘らん!
戦場全体に、【掘った穴と掘り出した土塊】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カツン、カツン、と壁を砕く音が通路に響く。
 その音を頼りに進んでいった先には大量の土木工事で使う器材を持ったスケルトン達が作業をしていた。
 通路を掘る過程で出てきた土を猫車に乗せ、別の通路へぶち撒けるために振り返ったスケルトンが、部外者の出現に気づいて仲間達に知らせる。
 すると作業をしていた者はそのペースを上げ、周辺で待機していた者は思い思いの工具を構えて臨戦態勢を取り始めた。
タマ・ハンクス(サポート)
「もしかして、アレは・・・」と敵や味方の技の説明役をかって出たりする。

目潰し、2回攻撃は得意技。
地形の利用して、おびき寄せ、罠を張る
ほかの特技も利用して、絡め手で相手を翻弄する

アイテムの空飛ぶシャチに乗って現れる


城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

戦闘は確実性やオーバーキルより迎撃数を優先するので、全力魔法と範囲攻撃で少し広めに撃ってから時間差で仕留める。
もしくは単体攻撃にカウンターや鎧破壊攻撃を乗せつつ、連続して使って、一撃必殺を繰り返す。
「ここから先は行かせないよ、キリッ」
…ところで、なんでオブリビオン居るの?(前後の説明忘れた)

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)


音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。



自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
                      プロデューサーより



「今日の収録は、とあるダンジョンで違法建築を繰り返すモンスターの退治をやってもらいまーす」
「ねぇ……これ絶対アイドルがやる仕事じゃないでしょ……!」
 音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)はそう言って城田・紗希(人間の探索者・f01927)の持ってきた企画書をダンジョンに叩きつけた。
「そんなことないよ。UDCアースには牧場で働いてたり、毎年稲を育てたり、外来種を捕まえて料理したり、入り江を作って環境保全をしてたりするアイドルがいるんだよ。これくらいフツーフツー」
「いやそれほとんどあの方々だけじゃない!」
 ちなみに農業をやっているアイドルは鬱詐偽の想像しているアイドルバンド以外にもたくさんおり、紗希の言っていることは実はそこまで間違ってはいなかった。
「と言ってる間にも、あっちから来ちゃったみたいだよ。ほら」
 紗希が指差した先には、彼女達の姿に気づいて思い思いの工具をまるで剣や大槌のように構えるスケルトン達の姿があった。どうやらもう衝突は避けられないらしい。
「ああ、もう……分かったわよ!」
 鬱詐偽は涙目を擦って体裁を整えるとビシッといつものポーズを取り、決め台詞を放った。
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上」
 そんな中、まるで番組のテロップかのように背後の曲がり角からタマ・ハンクス(アルダワの銀虎・f04771)がひょっこり顔を出して、スケルトン達の説明を始めた。
「あれが今このダンジョンで問題視されているモンスターの一種、竜牙兵だよ。彼らはあの手に持ってる工具を用いてダンジョンの壁を掘って迷路を作って、ここの冒険者達を大混乱の坩堝に叩き落としてるんだ」
「わざわざのご説明ありがとうね!」
 やや怒りながら鬱詐偽が足を踏み出すと後方にいた竜牙兵達は最寄りの壁に工具を振り下ろし始める。
 すると鬱詐偽の上にあった天井がちょうど崩れ出し、大量の土砂が頭にかぶさった。
「へぶっ!?」
「あ、こら、逃げるな!」
 相手が逃げ出そうとしたと判断した紗希がすぐさま突っ込んで土石流を破壊したことで生き埋めになることは避けられたが、しっかりと口に入れてしまった鬱詐偽はひたすらにえずいていた。
「冒険者さん達の大事な武器を奪って、工具に再利用している報い、ここでしっかり受けてもらうよ!」
 宝石トカゲの悪業がおかしな形に変換され、自分達の罪になっているが、竜牙兵は骨をカタカタ鳴らすだけで反論はしてこなかった。声帯があったらしてたかもしれないが。
「さて、ボクも呼ばれたからには頑張ろうかな。モンスターの説明をしてるだけじゃなくってね」
 一方でタマはそう言って宙を舞うシャチに飛び乗り、一気に距離を詰めるとプニプニとした肉球を竜牙兵に押し付ける。
 その瞬間、凄まじい電流が竜牙兵の全身を駆け巡り、骨は散り散りになった。
「スケルトンは筋肉がない代わりに、生体電流を流して繋がってることが多いんだって。そこでこんな感じに高圧電流を外から流して電気の流れを狂わせると、あっという間にバラバラに出来ちゃうんだ。もしスケルトンに囲まれた時は試してみてね」
 普通に生活している限りでは絶対に使うことが無さそうな豆知識を披露するタマの足元では頭蓋骨は顎を震わせて身動いでいた。
 なぜなら竜牙兵は体を外されただけで意識自体は残っていたからだ。しかしそこへ紗希の強烈な踏み付けが入り、頭蓋骨は木っ端微塵になって今度こそ活動を停止した。
「……ねぇこれ、私が呼ばれる必要あった?」
 土だらけになった鬱詐偽は持ってきていた水で口を濯いで1人と1匹の奮闘を見つめるが、忘れてはならない。これはあくまで彼女がメインの番組の収録である。
 このまま紗希とタマに番組が食われないよう、何か一つお願いします、というスタッフからの懇願に鬱詐偽はマイクを取り出した。
「……じゃあ、城田さんとタマさんの応援ソングを今から歌います。見てる皆さんも楽しんでください」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ソフィア・エーデルシュタイン(サポート)
わたくしは愛され望まれたからこそ生まれてきましたのよ
だからこそ、わたくしはこの世の全てが愛しいのですわ

狂気的な博愛精神の持ち主
命あるものは救われるべき
蘇った過去はあるべき場所に還るべき
果たすためならば手を下すことに躊躇う必要などないと胸を張る

主に【煌矢】を使用し、牽制や攻撃を行います
勿論、他のユーベルコードも必要があれば使いますわ
わたくしの愛するきょうだいである水晶髑髏は、盾にも刃にもなってくれますのよ

怪我など恐れる必要はありませんわ
わたくしが役に立てるのであればこの身が砕かれようとも構いませぬ
他の方の迷惑や公序良俗に反する事は致しません
それは、わたくしを愛してくれる人達への裏切りですもの



 蘇った過去はあるべき場所に還るべき。
 果たすためならば手を下すことに躊躇う必要などない。
 だが相手はモンスター。オブリビオンではない。竜の死体で体を形成していたとしても、それは今を生きる物である。
 命あるものは救われるべき。そう信じるソフィア・エーデルシュタイン(煌珠・f14358)は姿を消した。
 カン、カン、と金属と土塊がぶつかる音が響く。そして再び振り上げられた鶴嘴は後方から強く引っ張られ、竜牙兵の手から取り上げられた。
 竜牙兵は口を大きく開けて怒りを表しながら振り返る。しかしそこに鶴嘴を持った者の姿は無く、それどころか仲間達も工具を失って慌てふためいていた。
「あなた方は急いで穴を掘らなくても生きていけるでしょう?」
 阿鼻叫喚に陥る竜牙兵を尻目に、腕一杯に竜牙兵から取り上げた工具を抱えながらソフィアと水晶髑髏の執事は入り口からここまで伸ばしてきた目印を頼りに戻っていく。
 どのようにしてこの工具の出処は定かではないが、骨ではなく鋳造された金属を使っているところを見ると恐らく宝石トカゲの巣か冒険者の遺体から盗んできた可能性が高い。
 これらが無ければ、作業速度は恐らく大きく落ちる。そうすれば冒険者達による探索も大分楽になるだろう。
「さて、この工具はどういたしましょう? ギルドの方に引き取っていただけるのでしょうか……?」
 取ってきたは良いものの、使い道が特に無い工具に目を落としつつ、ソフィアは首を傾げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

亞東・霧亥
「25人か、大きく出遅れたな。」
遺跡に残された真新しい足跡。
そして、個々で動く冒険者とは違い、集団で遺跡を貫く異形の気配に溜息を吐く。

気配を頼りに辿り着いた先には、スコップを巧みに操り一心不乱に穴を掘る骸骨達。
『忍び足』で近付き『闇に紛れる』こちらには気付いてないだろうが、隠形しても周囲の地盤が脆ければ不利。

【UC】
如何に掘削と埋立が神業でも、少なからず土煙は立つ。
高速の飛蚊に土煙は好都合。
掘削に邁進する奴等の目に映る前に斃してしまおう。

骨を『切断』し接目を『部位破壊』し『解体』する。
視認されそうになれば『殺気』を纏う『残像』で対応。
『目立たない』うちに『暗殺』するのは得意なのでな。



「25人か、大きく出遅れたな」
 洞窟の地面に残された、骨の形がくっきりとしている真新しい足跡を数え終えた亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)は立ち上がり、膝についた土を払う。
 基本靴を履いて行動する冒険者とは違い、集団で遺跡を貫く異形の気配に霧亥は思わず溜息を吐いた。
「だが奴等もきっと黒龍の骨から生み出た奴だろう。そうじゃなかったらこんなに残り香がするわけがない」
 その足取りと気配を頼りに向かった先には、スコップを巧みに操り一心不乱に穴を掘るスケルトン……竜牙兵達の姿があった。
 忍び足で近付き闇に紛れたことでこちらに竜牙兵達は気付いてない。
 しかし隠形してても周囲の地盤が脆ければ、彼らが掘り進めた瞬間に天井が崩れ落ち、潰されてしまうだろう。細心の注意は必要だ。
 息を大きく吸って止めた霧亥は服や武器ごと体を一気に縮ませていく。
 そして宙を舞いながら一目散に竜牙兵達の元へ向かい、掘削に邁進する視界に入る前に骨を切断し、接目を破壊し、解体していく。
「目立たないうちに暗殺するのは得意なのでな」
 如何に掘削と埋立が神業級でも少なからず土煙は立つ。高速の飛蚊に土煙は好都合だった。
 もし視認されそうになっても殺気を纏う残像を作ることで注意を逸らし、その間に更なる犠牲者を生み出していく。
 そして、二足で立っている者がいなくなった所で元の大きさに戻った霧亥は、瘴気を漂わせる骨を一本拾い上げた。
「飛んでいる時に分かっていたが……この量じゃ大した効果は出ないようだな。もう何十体ぐらい狩らないと……いや、この程度ならかき集める必要もないか」
 とはいえ、何かの役には立つかもしれないと特に瘴気が強い骨を回収した霧亥は残りを全て粉々にしてからその場を後にした。
 こうして冒険者を悩ます2種類のモンスターの勢いは削がれていった。この先第3階層が見つかるかどうかは……現地の冒険者達の働き次第である。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年11月09日


挿絵イラスト