【サポート優先】平穏は遠く
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●ご案内
アポカリプスヘル。
大戦の終結によってひとまず終焉を乗り越えた世界。
しかし、何もかもが解決した訳ではない。忽然と荒野に緑が溢れることもなければ、慎ましやかに暮らす人々から略奪を行うような荒くれ者たちが尽く改心することもないのだ。
「私の予知によれば、また一つの拠点(ベース)が襲撃を受けるようでございます」
一礼して説明を始めたルーリィ・アルバローズ(従者・f35033)は、さらに言葉を継ぐ。
「賊は大きく分けて二組。独自の神を信奉する狂信者の集団と、彼らに用心棒として雇われた卑劣な悪漢たちです。残念ながら現地に到着した頃には、既に事が始まっているかと」
どうやら狂信者の集団は拠点の住人たちに改宗を迫り、それを拒絶されるや否や、浄化の名のもとに殺戮を始めるようだ。
「彼らの興味はそれ以外になく、悪漢たちは此処ぞとばかりに食料などの強奪を行うようです。其方も当然止めなければなりませんが、まずはより直接的に人命を脅かす狂信者たちから対処していくべきでしょう」
猟兵たちもまた、彼らにとっては異端者に違いない。
戦闘を始めれば注意を引きつける事になり、結果として住人が逃れる猶予も生み出せる。
「拠点の建造物などの被害の抑制にも繋がるでしょう。御主人様の持てる力を存分に発揮して、不埒な賊を蹴散らして頂ければと思います」
ルーリィは「どうぞよろしく」とでも言うように、再び頭を下げた。
「……では、いってらっしゃいませ。御主人様」
天枷由良
あまかせです。
当シナリオはサポート優先の2章立てです。
●1章:集団戦『異端審問官』
独自の神を信奉するカルト教団の信者たち。
改宗しない者達を異端者、邪教徒と認定して殺戮に及ぶ。
拠点において略奪よりも殺戮を優先する彼らを真っ先に殲滅します。
●2章:集団戦『ダーティーギャング』
卑劣なギャングたち。カルト教団に雇われて略奪に及ぶ。
異端審問官の殲滅によって逃走する彼らを、拠点から借り受けたバギーで追撃します。
通常参加者向けのプレイング受付に関するお知らせ等々は、シナリオタグやマスターページにてご確認いただければ幸いです。
よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『異端審問官』
|
POW : 邪教徒は祝福の爪で切り裂きます
【強化筋肉化した右手に装備した超合金製の爪】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 邪教徒は聖なる炎で燃やします
【機械化した左手に内蔵の火炎放射器の炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 邪教徒に相応しい末路でしょう?
自身が【邪教徒に対する狂った憎しみ】を感じると、レベル×1体の【今まで殺した戦闘能力の高い異教徒】が召喚される。今まで殺した戦闘能力の高い異教徒は邪教徒に対する狂った憎しみを与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから
音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます
ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり
食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
シフォン・メルヴェイユ(サポート)
『楽しい世界が待っていたらいいなぁ。』
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
怒った時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
のんびりとして、無邪気な性格をしています。
基本的に常に笑顔で人に接して、
敵以外なら誰に対しても友好的な性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
大空・彼方(サポート)
《アドリブ、連携、苦戦描写、UC詠唱変更、その他何でも歓迎です》
「はじめまして。今回バックアップに回る舞姫です。未熟者ではありますがなんなりとご用命ください。」
UDC組織に所属する新人猟兵。戦闘経験は豊富。
一人称:私
口調:敬語で機械的
性格はクールでマイペース。そしてドがつく程の面倒くさがり。一見、常識人で冷静沈着に見えるが、どこか天然なところがある。獲物は日本刀。
前衛であれば未来視を用いて舞うように敵の攻撃を引き付けながら隙を伺う。
後衛では異界召喚により援護と回復役をこなす。
UCは指定した物をどれでも使用可能。基本的に情報を収集し、慎重に行動。命令や指示には忠実に従い他の猟兵をサポートします。
御園・桜花(サポート)
不得手なものはたくさんあります
直接的な攻撃も
火も
言葉と想いを交わせぬことも
そこに在る以上
望みを持つのはそこに在るものの権利で義務
それが互いに反する願いであるならば
戦って互いの妥協点を見い出すのもまた当然
同じく界を渡る者と言うのなら
私達とオブリビオンに何の違いがありましょう
私達の違いは
骸の海の意思に沿うか
今在る世界の意思に沿うか
それだけだと思うのです
滅びをそのまま受け入れられる者は多くなく
転生が叶う世界も限られる
それなのに貴方の転生を願いそれを囁く私は卑怯者なのでしょう
それでもいつか貴方の望みと私達の望みが寄り添えるよう
貴方の転生を望みます
そのために
誠心誠意今の私の全力を尽くさせていただきます
リーズ・リヴィエール(サポート)
時計ウサギの力持ち×ゴッドハンド、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「女性的(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。お嬢様口調だけどアグレッシブ
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】。ちょっぴり猟奇的かもしれないが、そこはご愛嬌
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
その他使えそうな技能があれば適宜使用する感じで
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
あと、虫が苦手
崇め奉るべき神に背いた報いは、その首と穢れた血で以て贖わせるしかない。
「邪教徒には相応しい末路でしょう?」
方々で火の手が上がる中、逃げ惑う無辜の住民たちを殺めようと鉄の爪が鈍く光り――。
「まずはお茶でも飲んで一息つきませんか?」
窮地に踏み込んだ猟兵の一人、リーズ・リヴィエール(時計ウサギの力持ち・f24468)が、クロスの敷かれたテーブルを手際よく用意しながら言った。
何とも呑気な提案にしか聞こえない――が、それは単なる誘いではなく。
リーズがティーポットへとお湯を注ぐや否や、戦場に存在する全てのものが忽然と動きを鈍らせる。
ユーベルコード、紅茶の時間。
その名の通りに紅茶を振る舞って、芳しい香りや長閑な一時を楽しまない者を正しい時間の流れから弾き出す術だ。
効果を解除するにはまず茶の席につかなければならないが、果たして狂信の徒が忽然と現れた猟兵のもてなしを受けるはずもない。
彼らはリーズへと緩やかに視線を向ける。鉄爪と同じように鋭い眼差しを浴びせかけられて、しかしリーズの給仕が滞ることはなく、5つのカップが鮮やかな色で満たされていく。
「ふふ、まるで血のように綺麗な紅ですわね……」
狙いを猟兵へと変えた敵を横目に、物騒な事を呟きながら器を取ったのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)――の別人格、シルヴァーナ。
白髪赤瞳の令嬢といった雰囲気のそれが大仰な仕草で一口含む傍ら、残る4つにも猟兵たちの手が伸びる。
「いただきます」
大空・彼方(眠れる神の巫女・f33087)が礼儀正しく告げれば、シフォン・メルヴェイユ(夢見る少女・f19704)も同じ言葉を繰り返して。
御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は拠点のあちこちで揺れる炎から目を逸らすように器を覗き込み、紫野崎・結名(歪な純白・f19420)は最後に残ったカップをおっかなびっくり掴み取る。
偶然が引き合わせた縁であるが故か、はたまた襲撃を受けた拠点の只中という環境のせいか。
お茶会と呼ぶには言葉少なの一時ではあるが、それでも温かな紅茶は幾らか心身の力みを解してくれたのだろう。
「……なんとなく、だけど……ここに必要な『音』……解った、と思う」
ぽつりと呟いた結名はまだ半分ほど残っているカップを置いて、握りこぶし程の小さなスピーカーを5つ周囲に浮かべる。
それから背負っていた楽器ケースを開けて、その中に収めていた肩掛けのキーボードを構えると――程なく響き始めたのは、和やかなアコースティックギターの音色。
楽器の見た目と異なるそれは、キーボードと接続したスマートフォンの音源設定アプリによって自由自在。
動物の鳴き声にだってすることも出来るが、ひとまず古典的な弦楽器を選んだのは、カフェで流れているようなしっとり緩やかなジャズを奏でるため。
「なんだかほっとしますねぇ」
シフォンが微笑みながらのんびりとした感想を述べる。
けれど、それも束の間。徐々にテンポを挙げていくギターの音色には電気的な歪みが混じりだして。
午後の一服を彩る優しい音色は、争いを予期させるような激しいものへと変わっていく。
その理由を言葉に出来るほど結名は雄弁ではないが、代わりにキーボードの上で踊る指と絶えず響く音が全てを語ってくれている。
ここいらで茶を嗜むのは一時中断だ。
「……貴方はどんな血を流すのかしら」
シルヴァーナが囁きながらカップを置いて、その手にナイフを握り締める。
刹那、優雅で軽やかなステップを踏んだ彼女は、己が幻影を残しながら狂信者へと迫り、その喉笛を刃で斬り裂いた。
鮮血が飛び散って白髮を汚す。
けれど、そんな事はまるで気にしていないのだろう。血よりも鮮やかな眼が敵を見据えれば、悍ましい刃はすぐに新たな首を捉えた。
紅茶の時間によって著しく鈍重になった相手は、もはや試斬の藁と等しい。
反撃など受ける事もなく、シルヴァーナは斃れた狂信者の血を足跡としながら、さらなる獲物へと襲い掛かる。
それに負けじと戦場で踊るのは、光を纏う高貴なる血によって華々しく輝く姫君へと覚醒めたシフォン。
紅茶を味わう最中に見せた笑みや穏やかさは何処かに消え失せて、閉じた口からは何一つ言葉を発さないまま、魔鍵で狂信者を突き刺せば。
「……あ、あああ……そんな、我らの神が……まさか……ああ!」
信徒は一人喚いて――間もなく、自ら喉を掻き切って果てた。
魔鍵の力によって、信仰の根源を揺るがす“悪夢”でも見てしまったらしい。
永遠に終わらないそれから逃れるには、自ら終焉へと飛び込む他にない。
見るも無残な末路である。だが、シフォンは果てた敵を歯牙にもかけず、積極果敢に狂信者たちへと仕掛けていく。
誰にでも朗らかな笑みを向ける彼女も、オブリビオンにだけは厳しい。やはり反攻など許さず、僅かに命削って高めた力で魔鍵を振れば、戦場には狂信の徒の悲鳴ばかりが轟いて。
他方、桜花は密やかな声で相対した敵に問う。
「同じく界を渡る者と言うのなら、私達と貴方達に何の違いがありましょう」
その意味するところを解せず、時の流れに取り残された口から微かな呻きだけを零す敵に、桜花は尚も語り続ける。
「私達の違いは、骸の海の意思に沿うか、今在る世界の意思に沿うか。それだけだと思うのです」
狂信者のお株を奪うような、宣教じみた語り口。
たとえ敵に正しい時間が流れていて、何某か意味のある言葉を吐き出せたとしても、二者の間に会話は成り立たなかっただろう。
そして反論を封じられた相手からは、桜花にとって何某か意味のある反応など当然得られるはずもなく。
「――誠心誠意、今の私の全力を尽くさせていただきます」
程なく思うところを語り終えた桜花は、おもむろに軽機関銃を構えた。
其処には僅かな躊躇いとでも言うべきか、攻撃するという行為そのものを厭うような気配があった。
だが、引き金に掛けた指は決してパフォーマンスではない。
不得手と不可能の間には天地ほどの差があるのだ。意を決して指に力を込めれば、撃ち出された弾丸は狂信者を手近な者から次々と蜂の巣にしていく。
その光景から、とうとう逃亡を決意したのだろうか。
幾人かの信徒たちが、拠点の外へと向かって動き出す。酷い鈍さだとはいえ、猟兵が他の者に攻撃を加えている間に離脱を図るのは、宗教狂いの頭にしては柔軟かつ打倒な判断ではある。
だが――。
「若しや、を想定しないはずがないでしょう」
行く手を阻むように現れた彼方が、敵群の合間を舞うように抜けながら神刀夜守を振るう。
未来視の力を用いれば……いや、そんなものに頼らずとも、この程度の事態は容易に想像がつく。
故に前線に立ちながらも突撃はせず、彼方は一歩引いたところから戦況を見つめていたのだ。
慎重を期すなど、戦いに於いては基本中の基本である。
もっとも、神が行動原理の狂信者たちには到底分からないかもしれないが。
「此処で果てるのであれば、今更理解したところで意味もないでしょう」
淡々と、ともすれば煩わしさを感じているような声音で呟き、彼方は最後の一人を斬り伏せた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『ダーティーギャング』
|
POW : お寝んねしな!
【鉄パイプや鎖】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 催涙スプレーの時間だぜぇ!
【催涙スプレー】から【目の痛くなる液体】を放ち、【目の痛み】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : おらおら、おとなしくしな!
【手錠】【スタンガン】【鎖】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「チッ、何だよアイツらクソ雑魚じゃねぇか!」
「ずらかるぞ! 獲るもん獲っちまえば、もうこんなところに用はねぇ!」
狂信者の集団を退けた猟兵の耳に届く粗暴な嘆き。
見るからに野蛮な男たちが、略奪した物資をバギーに詰め込んでいく。
逃げる気だ――と思う間もなく、それはエンジン全開で拠点を飛び出していった。
猟兵であればそのまま追いかける事も難しくないのだろうが……。
ふと、目に止まったのは拠点の住民たちのものらしき車両。
よく整備されている。音速で飛ぶような芸当は出来ない猟兵でも、これに乗ればまだ充分に追いつけるだろう。
物資の奪還を確約すれば、借り受けるのも難しくはない。
暴虐許すまじ、と。
猟兵たちは、荒くれ者の追撃に打って出た。
水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか
太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ
正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな
それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ
●水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)
「勝負をするつもりは……ないようだな」
敵を猛追する車両の席に平然とした顔で立って宣う。
腰には自らと同じ名の太刀。
水心子・真峰とは即ち、幾星霜を経て魂宿したヤドリガミ。
落ち着き払った態度はその年季ゆえ、などと表せば雷を落とされるだろうか。
しかし今日、罰を受けるのは先をゆくならず者たちだ。
「さて……」
既に役目を終えて久しい己の本体。その複製を作り上げながら敵を見据える。
僅かでも逃走を止め、手向かうなら尽く斬り捨ててやるところだが。
生憎と心変わりには期待できそうもない。ならず者たちのバギーからは延々とエンジンの爆音が響き続けて、少しでも早く、少しでも遠くへ向かおうと必死の様子しか窺えない。
先刻、猟兵の力を目の当たりにしているのであれば当然の事か。
ならば――まずは行く手を阻む。
複製を一振り掴み取るや否や、真峰はそれをさらに増殖させて周囲に漂わせた。
百を超える刃が展がった様は実に壮観。だが、真峰とて単に誇示するつもりでそうした訳でなく。
複製は矢のように次々と放たれて、敵が乗るバギーへと襲い掛かる。
「“たいや”を斬ってしまえば、もう走る逃げるどころではないだろう」
呟く真峰の目論見通り、四輪の爆ぜたバギーは勢い余って横転、荒野に騒々しい音を響かせた。
常人ならば間違いなくただでは済まない。というより、まず生きてはいまい。
けれど、相手はオブリビオン。常人の理で測れない過去の染みであれば、ひっくり返ったままの車両の下からは、煤けた金髪が這い出てくるのが見えた。
それを確かめて車両から飛び降り、真峰は手元に残した最後の複製を構える。
「……くそっ!」
迫る終焉を認められないのか、ならず者は缶のようなものから何かを噴射した。
反射的に目を瞑れば、途端に勝ち誇るような声が聞こえてきたが――。
「哀れな奴だな」
視界を奪ったくらいで形勢が逆転したと思うのならば、それは大きな誤りである。
猛然と襲い来る敵に、打ち込むのはただ一太刀。
それから目元を拭って振り返れば、其処には恨めしそうな顔をした骸が横たわっていた。
成功
🔵🔵🔴
ラハミーム・シャビィット(サポート)
シャーマンズゴーストのUDCメカニック×戦場傭兵、25歳の男です。
口調は、掴みどころの無い変わり者(ボク、キミ、デス、マス、デショウ、デスカ?)
人と少しずれた感性を持っていて、面白そうならどんな事にも首を突っ込む、明るく優しい変わり者です。
戦闘時にはクランケヴァッフェや銃火器の扱いは勿論、近接格闘術のクラヴ・マガなどでド派手に暴れ回ります。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●ラハミーム・シャビィット(黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964)
数多の戦地を渡り歩いてきたラハミームには、既視感を覚える光景であったかもしれない。
小さな村と呼ぶべき拠点(ベース)を襲撃するならず者たち。
彼らが行った略奪という他にない行為。
「何処の世界にモ似たような輩ハいるという訳デスカ」
面白みには些か欠けるが、しかし乗りかかった船という言葉もある。
まして、慎ましやかに暮らす人々を侵した賊の討伐など、内戦や紛争を収めるより遥かに容易い。
さらりと終わらせてみせようと思えば、ラハミームの片足はアクセルペダルを思い切り踏み込んだ。
エンジンが唸り、数度空転したタイヤが地を捉えて、バギーが走り出す。
ハンドルは余裕綽々とばかりに片腕で操って、空いた手にはフルオート射撃が可能な拳銃を握る。
賊の車両はすぐに見えてきた。
略奪した物資をこれでもかと乗せているのだ。本来のスピードなど出せるはずもない。
「欲は身ヲ失うという奴デスネ」
嘲るように言いながら、ラハミームは照準を合わせる。
――と、前方から何かが飛んできた。
慌てずにハンドルを切れば、一束の鎖が脇を過ぎていく。
ささやかな抵抗だろう。しかし、その後にも手錠やらスタンガンやら……とかく、手持ちの小道具を尽きるまで投げてやろうかと言わんばかりのそれに付き合っていては、いつまで経っても賊の討伐を成せそうにない。
「鉛弾の2、3発デ済むかと思ったんだけどネ」
全力逃走の情けない姿を晒していても、オブリビオンではある、という事か。
ならば、此方も少々本気を出すべきだろう。
「カーチェイスも飽きてきたしネ」
独言した途端、先をゆくならず者の前に忽然と現れたのは禍々しいオベリスク。
そこから噴きつけられる呪詛の炎に煽られて、ハンドル操作を誤った車両は一気に横転、拠点から奪った物資をあちこちにばら撒きながら尚も転がっていく。
「あーあー、これじゃ集めるの大変デスヨ」
ボヤきつつバギーを止めて、ひっくり返ったままの車両に近づいていけば、そこからは三人ほどのならず者が顔を出した。
大事故によって手酷い傷を負った彼らは、それでもこの場を切り抜けようと懐から小道具を取り出すが――。
「サヨナラバイバイデスネ」
退屈そうな台詞と共に、ラハミームはならず者たちの額の中心を的確に撃ち貫いて、彼らの略奪旅行を呆気なく終わらせた。
成功
🔵🔵🔴
ニクロム・ヘドロ(サポート)
嗚呼、アァこんにちは見ての通りの悪堕ちヘドロ怪人です
とは言えボクも猟兵ですのできちんとわきまえた行動をします
基本的に戦場へはさ迷い現れます、相手をヘドロの底に沈めることがボクの楽しみです
こんな見た目ですが理性は残っているので連携や防衛や護衛等は問題無く出来ます
基本温厚ですが改造や人道を無視した実験なんかは許して置けませんね
戦場では基本みんなと連携して指示にも従います
単独でやる時は周りにヘドロを撒き散らすかもしれません
どうぞよろしくお願いします
●ニクロム・ヘドロ(悪堕ちヘドロ怪人・f34633)
まあまあ何もかもがならず者たちには不運であったと言う他ない。
拠点の襲撃を猟兵に予知されてしまったこと。
雇い主の狂信者共が尽く倒されてしまったこと。
慌てて逃げ出した先に“それ”が待ち構えていたこと。
「――な、なんだよこいつッ!」
「嗚呼、アァ、こんにちは」
一度聞いたら耳にこびりついて離れないような声。
それ以上に強烈な、嗅覚を粉砕してしまう程の悪臭。
ならず者たちをバギーごと飲み干さんとする沼地の如き澱みは、それそのものがニクロムを構成するヘドロ。
「ダメじゃあないデスカ、人のものを持ち逃げしちゃア」
「う……うるせえ! 化け物の説教なんざ聞く義理ねぇんだよ!」
刺激が目にまで及んでいるのか、頻りに瞬きしながら吼えたならず者が、手持ちの道具を片っ端から投げつける。
手錠、スタンガン、鎖……全て命中したならば、幾らか時間稼ぎや妨害にはなるのだろうが、しかし。
相手が悪かった。ヘドロは手錠や鎖で捕らえられるものではないし、スタンガンなどヘドロの底に沈む間もなく故障して終わりだ。
そして意味を成さない小道具たちは腹ごなしの糧となり、悪食暴食を覚醒めさせる。
「化け物、化け物デスカ、そうデショウね」
悲しげというか、己を卑下するような声音で呟いたニクロムがじとりとならず者を見つめる。
「たしかにボクは“こんな”だから……ダカラ……」
化け物ではないあなたが羨ましい。
化け物ではないあなたが、欲しい。
「……う、うわぁああああ!?」
沈みゆくバギーから飛び降りたばかりのならず者たちが、一段と凄まじい悲鳴を轟かせる。
彼らの足元からぬるりどろりと湧き上がって来たのは、ヘドロの民。
百名に迫ろうかというそれは縋り付くように腕を伸ばして、ならず者たちの身体を掴み、決して離そうとしない。
「ふ、ふざけんなこいつ! はな、はなせ……ぐえ、うぇええ!!」
叫べば叫ぶほどに悪臭が鼻腔から肺を侵していく。
振り払おうにも数が多すぎてどうしようもない。
ずるりずるりとヘドロに引き込まれていく最中、ついには意識までも朦朧になってきて。
腕も足も力なく垂れ下げるしか出来なくなったならず者たちの姿は、程なくヘドロの底へと沈み、見えなくなってしまった。
成功
🔵🔵🔴
百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生
正義感が強く困っている人は見過ごせない
UCは業火の一撃や灼熱の束縛を中心に使用
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる
逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
みんな大丈夫?助けにきたよ!
そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!
技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態
アドリブ絡み歓迎
サクラミラージュの影朧などの場合は説得もしたい
●百地・モユル(ももも・f03218)
まるで小説の中に出てくる典型的な悪役だ。
慎ましく暮らす罪なき人々の村を襲い、ありとあらゆるものを奪い去っていく。
「そんなの許せない!」
噴き上がる正義感に声を荒らげたなら、モユルは漲る気合に任せて悪を追う。
煌々と燃える猛炎の如きその姿は、荒野に在って一際目を引く。
追撃されていると気づいたならず者たちはバギーのエンジンを一杯にまで吹かせた――が、しかし。
果敢に悪へと立ち向かおうとするモユルの前では、抵抗と呼ぶのも烏滸がましい程の些細な反抗。
彼我の距離は瞬く間に縮まって。それでも尚、必死に逃げるならず者たちへとモユルは叫ぶ。
「燃ゆる命の炎、見せてやるぜ!」
そうして一気に攻めかかる――のではなく。
並走する程にまで迫ったモユルは、ならず者たちがバギーに載せている物資の様子を確かめる。
勢いのままに攻撃すれば、取り返す前にそれをダメにしてしまうかもしれない。
どれほど強烈な戦意に満ちていても、モユルの行動原理に『困っている人を見過ごせない』とあるならば、拠点の人々を顧みずにただ敵を屠るだけで良いはずがない。
悪人は倒すが、物資は傷つけない。その為にはどうするべきか。
考える時間は……然程要らなかった。
戦い方を定めたモユルは、片腕突き出して宣言する。
「お前たちを倒すくらい、ボクの拳で充分だ!」
「……チッ、クソガキがナマ言ってんじゃねぇ!」
追手の正体が子供と知ったならず者たちは、未だ全力逃走という醜態を晒しているにも関わらず、強気な事を言って鎖や鉄パイプを取り出してみせた。
だが、モユルはただの子供ではない。
退屈な病室で物語の海に浸っていた頃とは違う。
今のモユルには物語の勇者たちと同じように、正義を為す力がある。
「燃ゆる炎は勇気のしるし!」
自らを鼓舞するように吼えれば、手甲に嵌め込まれた宝玉が光り輝く。
其処から燃え盛って溢れる紅蓮の炎はモユル自身よりも先に車両へと届いて、武器を構えていたならず者たちだけを器用に包み込んだ。
言葉にならない、獣の呻くような悲鳴が響く。
けれど、それは悪人にとって当然下されるべき裁き。あっという間に燃え尽きようかという敵を強靭な蹴りで蹴落として、操手のいなくなったバギーを制御しようとハンドルに手を伸ばした時には、もうモユルの腕に炎も失く。
略奪された物資の無事を確かめると、モユルはすぐさま拠点へ取って返す。
勇敢な少年が成した事を知れば、拠点の人々は安堵と共に惜しみない賞賛を贈るだろう。
成功
🔵🔵🔴
六島・風音(サポート)
ガレオノイドのスターライダーです。
スピードなら誰にも負けません。
基本的に人の話を聞かず、スピード勝負に持ち込みます。
そんなことより駆けっこです。
天使核ロケットエンジン搭載の宇宙バイクで駆けるか、ガレオン船形態で駆けるかは状況によります。
ユーベルコードは使えそうなものはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●六島・風音(スピードなら誰にも負けません・f34152)
「――かけっこの練習ですか?」
「へあっ!?」
厳つい顔のダーティーギャングたちから間抜けな声が漏れた。
無理もない。いつの間にやら、ならず者たちの車と並走していたのは兎の如き耳を生やした娘。
天真爛漫なその姿から少々視線を下げれば、疾うに限界一杯の四駆を嘲るように、宇宙バイク“ムゼカマシン”がまだまだ余裕たっぷりという雰囲気を醸している。
「うーん、ちょっと荷物が多すぎるんじゃないですか? 走るのに必要じゃないものは一度下ろした方が――」
「ふざけたこと抜かすな!」
拠点(ベース)から強奪して山のように積み上げた、その物資を持ち帰るのが悪漢たちの最大の目的。
猟兵に追われているからと簡単に放り捨てられるものではない。
「クソッ、もっとスピード出しやがれ!」
ギャングが苛立ちを露わにアクセルペダルを踏みつければ、絞り出すような音と共に車両が加速する。
それは今の彼らに出来る、数少ない抵抗の手段であるのだが――。
「……競争ですね!?」
全速力の相手に脳筋気味のスイッチが入ってしまったか。
笑みを浮かべた風音も負けじと天使核ロケットエンジンを唸らせて、僅かに開いたばかりの間合いは瞬きするほどの刹那に埋められてしまう。
「競争なら負けないよ!」
「知るか! レースがしたいなら一人で勝手にやってろ!」
「あの二つ並んだ大きな岩の間がゴールでいいかな!?」
「ダメだこいつ聞いてねェ!!」
速度を上げれば上げるほど余計なものが振り落とされていく兎耳の思考は、もはやかけっこの文字で一杯。
ならば実力行使で追い払おうと、助手席に乗るダーティーギャングが催涙スプレーを取り出してみせたが……ただでさえ高速で並走する相手にそれを浴びせかけるのは難しいところ、かけっこ中はそれ以外のあらゆる攻撃を跳ね除けてしまう風音にはまるで意味がなく、噴けども噴けども、催涙液は彼方へと流れていく。
その光景がならず者たちの焦燥や苛立ちをさらに煽り立てて。
そして間もなく、悲劇は起きた。
「――がああっ!?」
忽然と響く叫声。
最高速で爆走する車両が挙動を乱し、右に左にと頭を振った末に凄まじい勢いでひっくり返る。
強奪した物資をそこら中に撒き散らしながら尚も転がるそれは、風音がゴールと定めた岩場の片割れに勢いよく当たって――また一際派手な爆音を轟かせると、荒野に真っ赤な炎を咲かせて散った。
「あらら……」
大惨事を目の当たりにして、然しもの風音も落ち着きを取り戻しながらムカゼマシンを停める。
爆炎の中で呻くならず者たちは、程なく形を失っていった。
成功
🔵🔵🔴
ティー・セツナ(サポート)
「あ˝あ˝?悪ぃな、ちょっと…暴れさせてくれよ」
凶悪な顔の新米執事
顔と口調の割には戦いは好きではない
好きではないが、得意ではある
何より執事の仕事を全うするためにも、定期的に戦ってスッキリする必要がある
そのため戦いの場では率先して前に出る
誰かを庇っているとなおさら戦いやすい気がする
どちらにせよ、ただひたすら殴り、暴れるのみ
一通り暴れたら、無表情で感謝を
「すっきりした、ありがとう」
戦い以外の依頼では、執事として皆のサポートを。
色々な人に仕えるのも、よい経験になると手は抜かない。でも顔はチンピラ
●ティー・セツナ(オウガブラッドの闇執事・f36272)
好まざるとも必要な行為であれば、そこに勧善懲悪という大義名分が存在するのは好都合だ。
拠点(ベース)から物資を強奪したならず者たちを懲らしめるのに、実力行使を躊躇う必要はない。
「……」
口を真一文字に結んだ厳しい表情から、一際鋭い眼差しで討つべき敵の姿を見据えて、ティーは借り受けた四輪を駆る。
獲物たちも同類に乗り合わせているのだから、追走劇は間延びしたものになるかとも思われたが――迫る脅威に焦燥を拭えぬ逃亡者と、衝動を限界の間際で御して征く追跡者とでは諸々の操作にも精度の差が現れたか。
二者の距離は互いが思うよりも早く縮まって、程なく並走する形になると、悪漢たちの背に突き刺さるばかりだった冷酷な視線が、僅かに怯えを含む獲物のそれと交わる。
「チッ……クソがッ!!」
恐怖を払うように苛立ち混じりで吐き捨てて、ギャングの一人が固く握りしめたままのステアリングを勢いよく切った。
一か八か、捨て鉢の体当たりで追手の挙動を乱そうとしたのだろう。
如何にもならず者らしい、粗野で浅はかな動きだ。
「……」
未だ口を噤んだまま、執事は自身の操る四輪から跳び上がるとならず者たちの車両に取り付く。
その鬼気迫る様にギャングたちも一瞬ばかり怯んだが――。
「ヘッ、間抜けかよテメェ!」
ならず者の一人がすかさず取り出したのは催涙スプレー。
激痛もたらすそれを噴き付けてやれば、愚かな追手はもんどり打って転げ落ちて、荒野に置き去り、さよならバイバイだ。
「じゃあな!」
勝利を確信した賊の手元から液状の凶器が噴き出す。
それは見事、執事の顔面を捉えて。
「……これだけか? もう終わりか?」
目を真っ赤に腫らしながら、灰髪の執事は淡々と問う。
痛みはある。だが、耐えられないものではない。
物資を奪い返してほしい――否、奪い返せという拠点(ベース)の住人たちの命令を完遂するまでは、具現化した闇が催涙スプレー如きに屈する事を許さない。
「や、やべぇよコイツ……!」
「終わりならそれでいい。今度はオレが――」
暴れまわる番だ、とばかりに打ち込まれる拳。
覇気纏うそれはまず車両を砕き、続いて運転手を砕き、さらに同乗するギャングたちを砕く。
荒くれ者たちのお株を奪うような荒々しい拳打の嵐は凄まじく、しかし一瞬で過ぎ去って。
程なく静寂の訪れた荒野で、無表情になった執事は汚れた手袋を換えつつ宣う。
「すっきりした、ありがとう」
後は、取り戻した物資を拠点へと届けるだけだ。
成功
🔵🔵🔴