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銀河帝国攻略戦⑬~乗り越えろ、その悪夢

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「これまでのみなさんの奮闘の結果、ドクター・オロチが派遣した艦の残骸周辺に、『実験戦艦ガルベリオン』を秘匿する『ジャミング装置』が存在する事が判明しました」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、やや険しい表情で集まった猟兵達にそう告げた。
「宙域内に多数設置された『ジャミング装置』を破壊する事で、『実験戦艦ガルベリオン』を発見する事が可能となります。そこでみなさんには、ジャミング装置の防衛機構を突破し、ジャミング装置を破壊してもらいたいのですが……」
 エルシーはなぜかそこで一旦言い淀んでから、意を決したように先を続けた。
「このジャミング装置は、近づくと装置の防衛機能が発動するのですが、その防衛機能というのが『近づいた対象のトラウマとなる事件などを再現し、対象の心を怯ませる』というものなのです」
 心が怯んでしまうと、対象はその度合いに応じてジャミング装置のある場所から離れてしまうのだという。
「つまり、強い心で『過去のトラウマ』を克服しなければ、ジャミング装置を破壊できる距離まで近づく事はできないのです」
 ジャミング装置破壊のための最大の障害は、猟兵達自身のトラウマということだ。
「作戦の性質上、参加を強制はできません。自らのトラウマに立ち向かう意志のある方だけ、この作戦に参加してください。みなさんが自身のトラウマを克服し、作戦を成功させることを祈っています」
 そう言ってエルシーは、深々と頭を下げたのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。

 このシナリオでは、ドクター・オロチの精神攻撃を乗り越えて、ジャミング装置を破壊してもらうことになります。
 ⑪を制圧する前に、充分な数のジャミング装置を破壊できなかった場合、この戦争で『⑬⑱⑲㉒㉖』を制圧する事が不可能になります。
 プレイングでは『克服すべき過去』を説明した上で、それをどのように乗り越えるかを明記してください。
『克服すべき過去』の内容が、ドクター・オロチの精神攻撃に相応しい詳細で悪辣な内容である程、採用されやすくなります。
 勿論、乗り越える事が出来なければ失敗判定になるので、バランス良く配分してください。

 このシナリオには連携要素は無く、個別のリプレイとして返却されます(1人につき、ジャミング装置を1つ破壊できます)。
 『克服すべき過去』が共通する(兄弟姉妹恋人その他)場合に関しては、プレイング次第で、同時解決も可能かもしれません。

 特殊なシナリオになりますが、みなさんの挑戦をお待ちしています。
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第1章 冒険 『ジャミング装置を破壊せよ』

POW   :    強い意志で、精神攻撃に耐えきって、ジャミング装置を破壊する

SPD   :    精神攻撃から逃げきって脱出、ジャミング装置を破壊する

WIZ   :    精神攻撃に対する解決策を思いつき、ジャミング装置を破壊する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫谷・康行
冷たい冬だけの船
治らない病気の女の子を助けようとした子供の頃
魔法で治すと嘘をついてまで助けたかった
助ける方法など知らないのに
必死で努力して魔法は使えるようになったけど
あの子は助けられず俺は船を追われた

あの時嘘を言わなければ
あの時助けられたら

過去は変わらない
あの子は帰ってこない
誰かを助けて回っても
それが重いこともある

でも自分に負けないことはできる
俺の魔法で誰かを助けられるなら
何回だって立ち上がる
トラウマに勝たなくてもいい
負けるな
あの子はできるよって笑ってくれたからね

装置を見つけたらルウォルビルの炎で壊す

心に希望の炎を
誰かを勇気づける光を

「1番大事なものだけは救えないことになってるみたいだけどね」



●紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)の場合
 ――そこは、寒風吹きすさぶ冬だけが永遠に続くスペースシップ。
 その船で、病に苦しむ少女を前に、康行は告げる。
「大丈夫。絶対俺の魔法で直してあげるから」
 本当は、魔法なんて使えないのに。
 それでも、例え嘘をついてでも。彼女を助けられれば、それでよかった。
 果たして、奇跡は起きた。想像を絶する努力の末、康行は魔法を使えるようになったのだ。
 それでも。康行は、少女を助けることはできなかった。 
 ――あの時嘘を言わなければ。
 ――あの時助けられたら。
 その後悔が、ジャミング装置の防衛機能によって増幅され、康行を苛む。
 例え魔法で何人の人を助けようと、過去は変わらない。あの子は帰ってこない。
 それはとても重い現実。

「それでも」
 康行は、過去に押しつぶされそうになる自分自身に立ち向かう。
 トラウマに勝つことはとても難しいけれど。自分に負けないことはできる。
「俺の魔法で誰かを助けられるなら、俺は何回だって立ち上がってやる」
 それができる強さをくれたのは、他ならぬあの少女だったから。
 最期に「できるよ」と、そう言って笑ってくれたのだから。

 気づくと、康行はジャミング装置の前に立っていた。
「心に希望の炎を。誰かを勇気づける光を」
 康行が、信念を込めた言霊を右手に宿してジャミング装置に触れると、ルウォルビルの炎が燃え上がり、静かにジャミング装置を焼き尽くしていく。
「1番大事なものだけは救えないことになってるみたいだけどね」
 その呟きは、誰にも聞かれることはなく宙に消えていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ガイ・レックウ
【POW)で判定
『克服すべき過去』:オブリビオン共による様々な妖刀の呪詛に侵食させられたり、毒薬や劇薬などの薬品投与、電気ショックなどの人体実験。
確かに俺にとってこの過去は怖い…でも今の俺なら!!【勇気】を振り絞り、自身の周りに【オーラ防御】によるオーラを纏うぜ
俺はあのころとは違う…オブリビオン共に良いようされるだけの実験体じゃねぇ!!!オブリオンどもを焼き尽くす、炎の剣士だぁ!!(ユーベルコード紅蓮開放『ヴリトラ』の炎を纏い、叫ぶぜ!)



●ガイ・レックウ(流浪の剣士・f01997)の場合
 とある屋敷の中で繰り広げられていたのは、複数のオブリビオンによる凄絶な人体実験だった。
 複数の妖刀の呪詛が、拘束されたガイの体を侵食していく。常人ならばとっくに命を落とすか正気を手放しているところだろうが、ガイはそのどちらにもならず、耐えていた。
 ……いや、耐えてしまっていた。
 ゆえに、実験はさらに過激さを増す。
 毒薬や劇薬がその身に投与され、地獄のような苦しみがガイの心と体を蝕む。
 断続的に与えられる電気ショックが、ガイの神経を擦り減らす。
 その痛みと苦しみ、恐怖の記憶がジャミング装置の防衛機能によって増幅され、ガイを苛んだ。

 ――確かに俺にとってこの過去は怖い……。でも今の俺なら!!
 ガイは勇気を振り絞り、自身の周囲にオーラを展開しその身に纏った。
「俺はあのころとは違う……。オブリビオン共に良いようされるだけの実験体じゃねぇ!!!」
 妖刀ヴァジュラを抜き放ち、ガイは叫ぶ。
「オブリオンどもを焼き尽くす、炎の剣士だぁ!!」
 次の瞬間、妖刀ヴァジュラに封じられていた獄炎が渦となってジャミング装置に向けて放たれ、ジャミング装置を跡形もなく焼き尽くしていった。
 今のガイは、妖刀の呪詛に飲まれていた実験体ではない。妖刀の呪いすら自らの力に変える、歴戦の猟兵なのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

峰谷・恵
【克服すべき過去】
かつて「血を吸い尽くした人間の死体を調理させたものを捕まえ飢餓状態にさせた子供たちに材料を伏せて食べさせ、完食したところで材料の死体を見せてその反応を愉しみ、慣れた子供から血袋にして次の材料に変える吸血鬼」に捕まり、逃げるまで望まぬ食人と嘔吐を繰り返したこと。

【克服】
「確かに食べた。死にたくないと嘆きながら引きずられていった人の死体を。隣の牢に捕まり人を食べてしまったと泣いていた子の死体を。あの吸血ゾンビの下で。故に、だからこそ、ボクは止まれない」
【POW】で挑戦。覚悟を決めて精神への自傷行為のように突き進み、ヴァンパイア他オブリビオンへの憎悪、憤怒、殺意を刻み直し装置を破壊



●峰谷・恵(神葬騎・f03180)の場合
 食べた。それが何かも分からずに。まだ幼かった頃の恵は。
 飢えていたから。それが何か知らなかったから。
 そしてそれが、吸血鬼が血を吸いつくした人間の死体を調理したものだと知って、嘔吐した。その反応を見て吸血鬼が楽しんでいたとしても、どうしようもなかった。
 恵と同じ境遇の子供たちは大勢いたが、死体を食べることに拒否反応を示した者は飢えて死に、死体を食べることを受け入れた者はやがて吸血鬼の血袋となり、次の食材とされた。
 その、忌まわしき食人と嘔吐の記憶がジャミング装置の防衛機能によって増幅され、恵を苛んだ。

「……確かに食べた。死にたくないと嘆きながら引きずられていった人の死体を。隣の牢に捕まり人を食べてしまったと泣いていた子の死体を。あの吸血ゾンビの下で」
 恵はうわ言のように呟き続ける。まるで、自ら自身の心を抉るように。
 だがそれは、彼女の心が自らの過去に屈したからではない。覚悟を決めて精神への自傷行為のように突き進んだがゆえだ。
「……故に、だからこそ、ボクは止まれない」
 ヴァンパイアを始めとするオブリビオンへの憎悪、憤怒、殺意をその心の内に刻み直すことで、過去を乗り越える。それが恵の生き様だ。
「さあ、その身に刻め天の過ち」
 恵の内から膨れ上がった殺意が、神殺しの力となってジャミング装置を破壊したのは、その直後のことだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

當良邑・祈
トラウマ:人と機械の接続及び成長過程での影響の観察のため生後間もなく身体改造を受け実験施設で育った

現在の心境:猟兵になってから自分が人なのか機械なのか、意思持つ機械がいるならば命とは何か、広い世界で知的好奇心と自身の錬磨に努めているが、その行為の本質は技術と知識の探究という点で自身を実験体としたモノ達と変わりないのかもしれない

克服の方向性:自分がオブリビオンを倒して他者を助けたように、研究者たちも私を礎として救った世界・繫いだ命があるのやも知れぬ。あるいは彼らが結果を見出せなかったのだと、私がその先を引き継ごう、知は古代より連綿と続いて来たのだから、人の生きた証を人は繫いで来たのだから



●當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)の場合
 物心ついた時には、両足の大腿から下が機械に置き換えられていた。
 人と機械の接続及び成長過程での影響の観察のための実験体。それが、祈だ。
 だが、そのことが彼女のトラウマなのではなかった。
 猟兵になってから常に考え続けていること。
 ――自分が人なのか機械なのか、意思持つ機械がいるならば命とは何か。
 祈は広い世界を巡ることで知的好奇心と自身の錬磨に努めてきた。
 だがその行為の本質は、技術と知識の探究という点において、祈を実験体としたモノ達と変わりがないのかもしれないというその事実。
 もっとも忌み嫌うべきモノ達と自分が同類であるかもしれないという疑念が、ジャミング装置の防衛機能によって増幅され、祈を苛んだ。

 今となっては、祈を実験体としたモノ達が何を思って祈を改造したのかは分からない。
 分からないということは、事実として確定していないということ。
 であれば、研究者達が悪意や狂気をもって祈を実験体とした可能性と同じくらい、彼らが祈を礎として救った世界・繫いだ命があるという可能性もまた、存在するのだ。
 そう、祈がオブリビオンを倒して他者を助けてきたように。
 あるいはもし、彼らが結果を見出せなかったのだとしたら。
「ならば私がその先を引き継ごう。知は古代より連綿と続いて来たのだから、人の生きた証を人は繫いで来たのだから」
 気付けば、心の迷いはすっかり晴れていて。祈は羽手裏剣をジャミング装置に投げつけ、その機能を停止させたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

水島・可奈
●トラウマ
私が聖者として扱われていた故郷が、私の光につられた悪意に滅ぼされた時。
救いを求む声。でも動けない私。ただ、壊れていくのを見ていくしかなくて。私も慟哭した――救いはないのかって。おかしいのに。それは求めるものじゃなく、私が己が手で掴むべきものだというのに。例えるなら、そう。【闇堕ち】したくなる気分だった。

●克服
――でも今は違う。今はあの時とは違う力があり、そしてたくさんの人と世界と出来事に向き合って目にした数多の『在り方』があり、そして私には何より――立ち向かう勇気がある。

もう私は負けない。私は――そんな過去で、後悔するわけにはいかないんだ。
だから、お願い――私を、導いて!(選択UC)



●水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)の場合
 生まれながらに聖者としての光を扱えたから。可奈は故郷では現人神の如く崇め奉られていた。
 それが当たり前だと思っていて、そんな日々が永遠に続くと信じていた。
 その『光』が、悪意を呼び込むことがあるなんて、想像もしていなかった。
 彼女の力を狙った悪意が、ある日突然故郷の都市に現れて、街を破壊し人々を殺していった時、可奈は初めて自らの無力さに気付かされた。
 ただ、眺めているしかなかった。
 救いを求める声に応えることも出来ず。都市が壊れていくのを見ていることしかできない。
 可奈はただ慟哭した。
 ――救いはないのかって。
 それはおかしなことだった。なぜなら、彼女は聖者なのだから。
 だからそれは求めるものではなく、可奈が己が手で掴むべきものだったというのに。
 その時の、闇へと堕ちていきたくなるような気分が蘇り、さらにジャミング装置の防衛機能によって増幅され、可奈を苛んだ。

「――でも今は違う」
 可奈が見据えるのは、過去ではなく今。
 ――今はあの時とは違う力がある。そして、たくさんの人と世界と出来事に向き合って目にした数多の『在り方』があり、そして私には何より――立ち向かう勇気がある。
 だから。
「もう私は負けない。私は――そんな過去で、後悔するわけにはいかないんだ。だから、お願い――私を、導いて!」
 目を見開いた可奈は、両手で愛銃『パープルフォース』を構えると、高々と叫んだ。
「魔力解放……この一撃は、過去を浄化する私たちの輝き!!」
 そして放たれた光の輝きがジャミング装置を飲み込み、跡形もなく消し去っていく。
 あの日、誰一人助けられなかった聖者としての光。それは今、確実に多くの人々を助けることのできる力として、顕現していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

マスター・カオス
フハハハ…我が名は、グランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!!

克服すべき過去

それは彼が極度の「法螺吹き」であった
嘘が原因で過去の大戦で味方に犠牲を出した挙句に内輪揉めの切っ掛けを作ったことだった

…でも案外気にしてなかったり

しかし、ナンテコッタ!?
宿主さんの方が、良心の呵責で精神的に大ダメージ受けてるようだぞ?

塵も積もれば山となる!
法螺も重ね続ければ真実へと至る!
グランドフォースよ…全て「私」に任せるがいい!

根拠ない強い意志の導きの元、「法螺吹キハ全知全能」を発動し、自分は無敵だぞ?絶賛アピールで凌ぐ

ジャミング装置が弱まり次第、解除して一気に破壊



●マスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)の場合
 カオスは、極度の『法螺吹き』だった。
 その嘘が原因で、過去の銀河帝国との大戦で味方に犠牲を出した挙句に内輪揉めの切っ掛けを作ったこともあった。
 それが彼のトラウマ……かといえばそうでもない。案外気にしていなかったりするし。
「しかし、ナンテコッタ!? 宿主さんの方が、良心の呵責で精神的に大ダメージ受けてるようだぞ?」
 どうやら、ヒーローマスクであるカオス本体よりも、宿主である大総・統の方が、ジャミング装置の防衛機能によるダメージをより受けているようであった。

「塵も積もれば山となる! 法螺も重ね続ければ真実へと至る! グランドフォースよ……全て『私』に任せるがいい!」
 秘密結社オリュンポスの大総統たるグランドフォースにそう大見得を切ると、特に根拠ない強い意志の導きの元、ユーベルコード【法螺吹キハ全知全能】を発動させるカオス。
 そして『自分は無敵だぞ?』という絶賛アピールでジャミング装置の防衛機能を凌ぎきったカオスは、全く動けなくなる無敵状態を解除し、素早くフォースセイバーの一閃でジャミング装置を両断したのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヴェロニカ・ウィンター
【トラウマ】
暗い……真っ暗な場所…よく覚えてるわ…ここはベッドの下ね
まだ5歳だった私が母親に言われるがまま訳もわからずベッド下に隠れるよう言われた、あの日…
うちに侵入した"何者か"が両親を殺した日…
何が起こったか分からないままベッド下で目をつぶってただただ震えていた日のことね…
今でも月のない夜は…この日を思い出すし…怖くてたまらなくなるわ……
【克服】
でも……もう夜が怖くて震えるだけの"小ちゃなロニィ"はここにはいないの
私は夜を味方につけた
今の私は「アイビス」
暗き夜を白き翼で飛び、正義を為す者よ……!(マスクを手にかける
【SPD】



●ヴェロニカ・ウィンター(アイビス・f12756)の場合
 そこは暗い……真っ暗な場所。
「……よく覚えてるわ……ここはベッドの下ね」
 それは、まだ5歳だったヴェロニカが、母親に言われるがまま訳もわからずベッド下に隠れるよう言われた、あの日の記憶。
 家に侵入した“何者か”が、両親を殺したその日。ヴェロニカは何が起こったか分からないまま、ベッド下で目をつぶってただただ震えていた。
(「今でも月のない夜は……この日を思い出すし……怖くてたまらなくなるわ……」)
 その夜の恐怖の記憶がジャミング装置の防衛機能によって増幅され、ヴェロニカを苛んだ。

「でも……もう夜が怖くて震えるだけの"小ちゃなロニィ"はここにはいないの」
 ヴェロニカは恐怖を振り払い、声を上げる。
「私は夜を味方につけた」
 そして取り出したのは、朱色の仮面『アイビスマスク』。
「今の私は『アイビス』。暗き夜を白き翼で飛び、正義を為す者よ……!」
 『アイビスマスク』を装着した時、そこに恐怖におびえるヴェロニカはもういなかった。
 正義の戦士『アイビス』となったヴェロニカは、ジャッジメントロッドを構えると、ジャミング装置を滅多打ちに破壊したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

暗黒騎士・アングラング
フォースナイトとしての修行を積んだ私は1部隊を任された。数百人の軍を指揮する兄弟たちとは違って、部下はたった5人だった。
不満だった。昇進するために、危険な艦外任務に何度も赴いた。
初めて遭遇したオブリビオンは、帝国騎士だった。私はその脅威を十分に認識していなかった。部下達は私をかばい、私は……その場から逃げ出した。

私は部下に報いるため、名を捨て、家を捨て、猟兵となった。
私がもっと早く撤退を決めていれば、部下が死ぬことはなかった。今でも、彼らの怨嗟の声が聞こえる気がする。
……過去を断ち切るにはいい機会だ。
私は暗黒騎士アングラング。帝国よ、たった5人を殺したことで生まれた私が、貴様らを討ってやる。



●暗黒騎士・アングラング(光と闇の剣を自在に操る暗黒宇宙騎士・f08676)の場合
 その戦いの記憶は、今でもアングラングの心に深く刻まれている。
 かつて、フォースナイトとしての修行を積んだアングラングは、1部隊を任されることになった。
 数百人の軍を指揮する兄弟たちとは違って、部下はたったの5人だけ。アングラングにはそれが不満だった。昇進するために、危険な艦外任務に何度も赴いた。5人の部下達は、何も言わずにアングラングに付いてきてくれた。
 そしてある任務でのこと。アングラングは生まれて初めて、オブリビオンに遭遇した。
 そのオブリビオンは帝国騎士であり、当時のアングラングの力を遥かに凌駕していた。だが、その時のアングラングは、相手の脅威を十分に認識していなかった。
 結果、部隊は壊滅した。5人の部下達はアングラングをかばい、次々に命を落としていった。アングラングはただ、無様に逃げ延びることしか、できなかった。
「私がもっと早く撤退を決めていれば、部下が死ぬことはなかった……」
 死んでいった部下達への負い目がジャミング装置の防衛機能によって増幅され、怨嗟の声となってアングラングを苛んだ。

「これが、私への罰…………いや、過去を断ち切るにはいい機会だ」
 アングラングは、カッと目を見開いた。部下達の怨嗟の声を、無視することはできない。だからこそアングラングは、部下に報いるため、名を捨て、家を捨て、猟兵となったのだ。
「私は暗黒騎士アングラング。帝国よ、たった5人を殺したことで生まれた私が、貴様らを討ってやる」
 いつか部下達の怨嗟の声が聞こえなくなるその日まで、帝国を相手に剣を振るい続けるのがアングラングの宿命。
「それに……私が何度、失敗してきたと思っている!」
 そうして振るわれた黒剣が、ジャミング装置を一刀のもとに切り捨てたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神楽火・皇士朗
*過去
あの日、空の彼方から飛来したオブリビオンと戦い、おれは負けた。今も、嵐の空に響く奴の咆哮が記憶に焼きついている。
十二万七千八百十七人。
おれが負けたせいで死んだ人達だ。おれが奴を倒せていれば……いや、もう数分だけでも足止めできていれば……。
どうやって償えばいい? どうすれば赦される?
ああ、十二万七千八百十八人目になっていればよかったのか。
あの日、おれも死んでいればよかったんだ。

*現在
今さら死んだところで償えるものか。赦されるものか。
償いや赦しなど、おれは求めない。
「我が身は鋼にして、世界を守る盾なり」
父祖が遺した言葉のように、体が砕け、魂が燃え尽きるまで戦い続ける。
そんな風に、生きてやる。



●神楽火・皇士朗(アームズ・オブ・スティール・f03876)の場合
(「あの日、空の彼方から飛来したオブリビオンと戦い、おれは負けた」)
 ジャミング装置の効果か、皇士朗の脳裏に、その時の記憶が強制的に呼び覚まされる。
 あの日に聞いた、嵐の空に響くオブリビオンの咆哮は、今も皇士朗の記憶に焼きついて離れない。
 十二万七千八百十七人。
 それが、皇士朗が負けたせいで死んだ人達の数だ。
「おれが奴を倒せていれば……いや、もう数分だけでも足止めできていれば……」)
 その後悔が、いつまでも皇士朗に付きまとう。
「どうやって償えばいい? どうすれば赦される?」
 その答えを、皇士朗はあの日からずっと探し続けてきた。
 ――ああ、十二万七千八百十八人目になっていればよかったのか。
 ジャミング装置の防衛機能によって増幅された罪悪感が、そんな答えをアングラングに突きつけた。
 ――あの日、おれも死んでいればよかったんだ。

 だが、と心の奥底で、別の想いが湧き上がる。
「今さら死んだところで償えるものか。赦されるものか」
 十二万七千八百十七人の命は、皇士朗一人の命で償えるほど、軽いものではない。
 だからこそ、皇士朗は安易な償いや赦しなど、求めない。求めてはいけない。
『我が身は鋼にして、世界を守る盾なり』
 父祖が遺した言葉のように。体が砕け、魂が燃え尽きるまで戦い続ける。それが、皇士朗にできる唯一のことだ。そんな風に、生きてやる。
『イグナイトドライバー、ブレイズ・アップ! 過ぎ去りし刻の影よ、在るべき場所へ帰れ!!』
 皇士朗は宙高く跳び上がると、刻印(ドライバー)の力を乗せた飛び蹴りを、ジャミング装置目掛け炸裂させた。
「いつか、十二万七千八百十八人目になるその日まで、戦い続けるのがおれの宿命だ」
 爆発し、炎上するジャミング装置を背に、皇士朗は決意を新たにしたのだった。
 

 ある者は過去を乗り越え、ある者は過去を受け入れ、ある者は過去と正面から向き合って。猟兵達はトラウマを打ち破り、ジャミング装置を破壊することに成功した。
 彼らの活躍により、ドクター・オロチの乗る『実験戦艦ガルベリオン』は早晩発見されることだろう。
 決戦の時は、すぐそこまで迫っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト