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しぼうふらぐー? なにそれおいしー??

#アポカリプスヘル #戦後

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#アポカリプスヘル
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#戦後


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●かしこくないわんこたちのつどい
『なんかおなかすいたー』
『すいたー』
『くんくん……あっちからなんかいいにおいするよー』
『ほんとだー! いいにおいー!』
『ごはんごはんー!』
『でも、にんげんもいるみたいだよー』
『にんげんいるのー? なら、あそんでもらえるー?』
『そっかー! あそんでもらえるかもー!』
『わーい! じゃあ、いってみよーよー!』
『ごはんはー?』
『ごはんー? ……そーだ、おなかすいてたんだったー』
『すいたー』
『くんくん……あっちからなんかいいにおいするよー』

●まるでいみがわからない
「……って、いつまでも終わらないから置いといて」
 そう言って、海藤・ミモザ(水面の陽・f34789)は両手で空中の何かを掴み、そっと脇に置いた。涼しげな顔で続ける。
「今回は、ある拠点に物資を届けに来た輸送隊を護衛して欲しいの」

 ストレイト・ロードの一角にあるその拠点は、2階建ての木造家屋。
 元は酒場だったのだろうか。1階はカウンターのある広い店舗。2階はベッドの備え付けられた部屋が複数あるフロアになっている。
「やることは2つ。両方対処できればお仕事完了だよ」
 1つ目は、拠点内の物資を狙ったレイダーたちの排斥。
 彼らは拠点の周囲で突入タイミングを窺っているが、猟兵たちがいると分かれば勝手に逃げていくので、戦闘の必要はない。
 どちらかと言うと、その後の戦闘に巻き込まれないよう、拠点内にいる輸送隊の面々を避難させることが目的だ。
「輸送隊の人数は10人くらいかな。みんな1階に集まってるよ」
 誰かが囮として外に出てレイダーたちを引きつけている間に、別の者がどこかにあるであろう避難できそうな場所へと誘導すれば良いだろう。
 生憎、具体的な拠点の構図までは分からないため、現地で探してみて欲しい。
「そうそう。なんかそれっぽい雰囲気作り……んー、あぁ。
 『死亡フラグ』を立てると、みんなノってくれて話が早いみたい」
 意味が分からない。
 内心そう思った者もいるだろうが、猟兵たちはとりあえず聞きに徹した。
「みんなそういうドラマチック? な雰囲気が好きみたいでね。『こういうシーン、ドラマであるよね!』みたいな」
 だから、率先してじゃんじゃん死亡フラグを立てにいってね!
 そう努めて明るくミモザは言う。多分、考えることを放棄している。

「2つ目は、そのあと現れる敵の殲滅なんだけど……んー……なんて言ったらいいんだろ……」
 しばし言葉を迷いながら、腹をくくったかのようにミモザは人差し指を立てた。
「『かしこくない』ワンコたちなの」
 かしこくない。
 そう反芻する猟兵たちに向かって、娘は大きく頷く。
「そう。でも、油断しないでね? 攻撃を受けると、こっちまで『かしこくなくなっちゃう』から」
 こっちまでかしこくなくなる。
 これまたちょっと何を言っているのか良く分からないが、多分恐ろしいことになるのはなんとなく察せられよう。
「ワンコたちは空腹だから、食べ物で釣ったり……遊び足りてないみたいだから、一緒に遊んであげるといいかも」
 そうこうしている過程で、そっと倒してあげるのが優しさというものだろう。

「そうだ! この依頼が終わったら、みんなでどこか遊びに行こうよ。ふふ、楽しみー♪」


西宮チヒロ
こんにちは、西宮です。

ネタです。
――これ以上の説明は不要ですね?
おっけーおっけー。のーぷろぶれむ。

●補足
・当シナリオは「第1章:冒険」「第2章:ボス戦」の2章構成です。
・2章がクリアになると完結となります。
・各章とも送信可能になった時点よりプレイング受付開始。
 受付終了はタグにてご連絡します。
・1章は3名ほど、2章は4名ほどの、最小施行人数でさくっと完結させる予定です。
 それ以上のリプレイをいただいた場合、全員採用できない可能性もあります。
・1章のみ、2章のみの参加も構いません。
・リプレイの雰囲気はノリと勢いメインになります。

●第1章プレイング
・既に拠点内にいる前提とします(拠点に入るまでのプレイングは不要です)。
 既に輸送隊に顔見せ済みでも良いですし、登場方法を決めて登場してもOKです。
・戦闘はありませんが、戦闘っぽいことをする、自ら負傷するなどご自由にどうぞ。
 (いずれも演出として描写します)
 ※2章の戦闘判定には影響ありません。
・POW/SPD/WIZの内容はあくまでも一例です。
 これらに拘らず、自由に死亡フラグを立ててください(いくつでも)。
・拠点の構造は「地下がある」「隠し通路がある」など、
 自由に決めていただいて構いません。あるものとして扱います。

皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『デスフラグ・クラッシャーズ!』

POW   :    悪党が入ってきた!ここは俺に任せて別の部屋に逃げてくれ!…俺が死ぬワケないだろ?

SPD   :    この部屋じゃ閉じ籠ってもコロコロされちゃうだけ!私は別の部屋に逃げるわ、皆ついてきて!

WIZ   :    確かこの建物には地下倉庫や地下通路があったはず。私が様子を見よう。なあに、すぐに帰ってくるさ。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

九泉・伽
アドリブ歓迎
輸送隊に何があっても護ると励まし
胸のロケットをひらく
瓜二つの写真(分身
「親の離婚で生き別れた弟から二十年ぶりに手紙が届いてさ、明後日に逢う約束をしてんの」
「年甲斐もなくプレゼント交換しようって、何にするか悩んでて相談にのっ…ッ襲撃?!」

輸送隊を地下道抜ける隠し階段へ押し込み殿
囮いないなら俺がやる
「無茶するなって?弟と再会するんだよー?俺が死ぬわけないじゃない」
「そんなに心配?ならロケット持っててよ。これは俺にとって大事なものだから、必ず取りに行くから、ね」(えがお

UCで分身召喚
「あれ、逢っちゃったね」
死亡フラグ粉砕、やったー
まぁ弟じゃないんだけどね、むしろ俺既に死んでるし
棍でぼこる


菫宮・理緒
【セナさん(f03195)と】

そういうことなら、ここは思いっきりだね。

まずは【アイリス・ギア】を使いながら、セナさんと手を繋いで拠点に侵入。
輸送隊の人たちを見つけたら、脱出計画に協力してもらうね。

わたしがレイダーたちを引きつけている間に、
セナさんと安全なところまで逃げてもらうって感じかな。

ひとりで大丈夫かって?
もちろん! セナさんとまだまだ一緒にいたいからね!

「……この依頼が終わったら、2人でまたデートしようね」
でっかい旗をぶっ刺して、セナさんにアゴクイして、軽くキス。

そしたら【リオ・セレステ】で拠点から出て、レイダーたちを引きつけるよ。
みんなを逃がしたら、セナさんがきっときてくれるはず……!


セナ・レッドスピア
理緒さん(f06437)と一緒に

2人で一緒に拠点に潜入して、脱出計画の説明を
輸送隊の人たちにしていきます
…手を繋いでいるから、ついそちらを意識しちゃうかも!?

その後は私が輸送隊の人たちを誘導し、安全な所へ逃がしていきます

その前に、理緒さんにあごくい&キスされて
そわそわとドキドキがいっぱいに!?

逃がしている間にレイダーたちが!
錬血解放「融血浸獣形態」を起動させながら
『狩罰の血槍』を推盾形態にして、レイダーたちの行く手を遮ります!

ここは私に任せて、みなさんは全力で逃げて下さい!
と、懸命に守ります!

その後は、理緒さんの元へ駆けつけ、全力で支援!

一人で倒れさせるなんて、絶対にさせませんから…!


ヴィクトル・サリヴァン
さてさて、フラグをどう立てようかなー。
この世紀末な世の中だとほんとに死亡に繋がりかねないのは怖いけどもね!

輸送隊の人には気安くこんにちはーと挨拶。
旅は道連れ世は情け、上機嫌な様子で酒場にやってきてる感じ。
こんな世紀末にいい出会いがあるなんて最高でしょ?
…なーんかここ、隠し部屋ありそうな気がするなー…
いや何か噂でこの辺りにお宝隠した二階建ての家があるって聞いたんだけど。
もしくは宝を守る怪物が潜んでるとか…まあ噂だよね!とか伏線を。
ん-ここバーみたいだから地下室にお酒保管してるのかな。
ちょっと足りなくなってきたみたいだし取ってくるね、と一人で地下へと降りてみる。
…さーてと。

※アドリブ絡み等お任せ



●襲撃はドラマチックに
「いやぁ兄さん、面白い人だねぇ」
 こんにちはー、とフランクに挨拶したのが功を奏したのか、元酒場の1階の一角で、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は輸送隊のメンバーたちと秒で和んでいた。ちなみに、ヴィクトルは人というか見た目シャチだが、そこには誰も突っ込まない。
「いやあ、そう言ってもらえると嬉しいなー。こんな世紀末にいい出会いがあるなんて最高でしょ?」
「だなぁ。こんなご時世だろ? あんたみたいな人なら心強いよ」
 旅は道連れ世は情け、と上機嫌に言うヴィクトルに、戦っているシーンはまだ見ていないはずの輸送隊のメンバーはうんうんと頷いた。
 シャチが弱いわけない。恐らく理由はそんなところだろう。
「にしても、さっきの竜巻は酷かったな。あの様子じゃ、暫く移動は難しそうだし……」
「そうそう! ここに逃げ込むのが精一杯だったのよ」
 どこぞの洋館に隔離された面々よろしく、口々に嘆くメンバーたち。そのひとりが、急に窓へと振り向いた。
「どうした? ジェシカ」
「今、窓の外になにかが……ううん。やっぱり気のせいだわ、サム」
 死亡フラグを立てるにしても、この世紀末な世の中だとほんとに死亡に繋がりかねないのは怖いとも思っていたヴィクトルだったが、寧ろ自分より明らかに弱い面々がどんどんフラグを立てにいっている。ある意味強い。
 とはいえ、このままではまずジェシカが死ぬ。
 それを覆すほどのフラグを立てなければ。そう意を決したヴィクトルは、つぶらな瞳を光らせて意味深に呟いた。
「……なーんかここ、隠し部屋ありそうな気がするなー……」
「隠し部屋?」
 勿論、面々が美味しい単語を聞き逃すわけがない。トミーと呼ばれていた男の問いに、ヴィクトルはやはり意味深に頷く。
「いや、何か噂で、この辺りにお宝隠した二階建ての家があるって聞いたんだけど」
 もしくは宝を守る怪物が潜んでるとか。
 そんな伏線を張りつつ、「……まあ噂だよね!」とからりと笑うヴィクトルに対し、輸送隊の面々は俄に沸き立った。
「まさか……この拠点のことか……!?」
「でも、怪物だなんて怖いわ……」
「ねえ、私たちで探してみようよ! ジョン」
「そりゃ面白れぇ。流石オレの女だぜ、メアリー」

「……ああ、もう空になっちゃった」

 敢えて危険な場所を探索しようとする無謀カップルが爆誕しそうになるのを、ヴィクトルが努めて軽い口調で制した。軽く振った空き瓶をテーブルに置くと、立ち上がって奥の扉へと歩き出す。
「んー。ここバーみたいだから、地下室にお酒保管してるのかな。ちょっと足りなくなってきたみたいだし、取ってくるね」
「待って! 誰かと一緒に……!」
「大丈夫大丈夫。すぐ戻ってくるよー」
 ひらひらと手を振りながら、背中で答える。実際、まだ他の猟兵仲間はこの場にいるから、何かあっても大丈夫だろう。
 扉の先には廊下があり、突き当たりは確かに地下に降りる階段があった。
「……さーてと」
 どのみち、退路は確認しておく必要がある。暗く見えない廊下の先を見つめながら、ヴィクトルは小さく口端を上げた。

◇     ◇     ◇

「いずれにせよ、ここからは退去しないとね。
「ええ、どうやらここを襲撃しようと目論んでいる輩もいるようですから」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が言い、セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)が頷く。
「なんだって!? なら、一刻も早くここを出ないと……!」
 焦りを顕に立ち上がったマイケルを、落ち着いて、と理緒が止めた。このままひとりで出て行かれたら、それこそ死亡フラグが成り立ってしまいかねない。
「わたしがレイダーたちを引きつけているから、その間に、セナさんと安全なところまで逃げて欲しいんだ」
「あなたひとりで……!? そんなの無茶よ!」
 バーバラが悲壮な面持ちで叫ぶ。多分、半分くらい状況に酔っている。
「平気だよ! わたしはまだまだ、セナさんと一緒にいたいからね!」
「理緒さん……」
 繋いだままの掌から伝わる熱に、セナの胸がひとつ跳ねた。その様子を見ていた女性陣の胸も跳ねまくっている。ドラマで言えば前半の山場だ。
「まぁ、何があっても俺らが護るから」
 傍らで見守っていた九泉・伽(Pray to my God・f11786)が、そう言って煙草を一吹きした。胸から徐にロケットを取り出すと、そっと開く。周囲からも中が見える、絶妙な角度だ。
「兄さん、そいつは……?」
「親の離婚で生き別れた弟から二十年ぶりに手紙が届いてさ、明後日に逢う約束をしてんの」
「そりゃいいな」
 ロケットの写真には、伽と、彼に瓜二つの男が並んで映っていた。暖かい眼差しを向けるスティーブンの隣で、伽もどこか懐かしむかのように眦を緩める。
「だろ? でね、年甲斐もなくプレゼント交換しようって、何にするか悩んでて相談に乗っ――」
 乗って欲しい、という言葉が、突然の爆音に掻き消された。忽ち湧き上がる数多の悲鳴に、伽も立ち上がり音の方へ視線を向ける。
「……ッ襲撃?!」
 いつまでも動きのない状況に痺れを切らしたのだろうか。正面扉を蹴破ったレイダーのリーダーらしき男が叫ぶ。
「全員手を上げろ! 動いた奴は撃つ!!」
「な、なんだお前むぎゅう」
 動くなと言われいるのに動いたスティーブンの背中を押さえ、咄嗟に伽が伏せさせた。その頭上を弾丸が通過する。土壇場で死亡フラグを立ててくるモブほど、恐ろしいものはない。頼むから大人しくしていて欲しい。
「……この依頼が終わったら、2人でまたデートしようね」
「んっ……!」
 言いながら、セナの顎を持ち上げ軽くキスをする。無論、女性陣はそれを見逃さない。きゃああ! と場違いな黄色い声が沸き立った。
 どさくさに紛れて、ここぞとばかりに特大のフラグを立てた理緒は、そのまま空色の宇宙バイクでレイダーたちへと突っ込んでいく。
 みんなを逃がしたら、セナさんがきっときてくれるはず。だから――、
「あとは頼んだよ!」
「……はい!」

◇     ◇     ◇

「皆さん、私についてきてください!!」
 不意打ちのキスでざわつく胸を押さえながら応えると、セナは凛とした眼差しで動揺する輸送隊を誘導する。丁度――当たり前だが何事もなく――戻ってきたヴィクトルが後ろの扉を開け、手招きしていた。
「いつもと変わらない輸送だったはずなのに……」
「ま、まだ死にたくねぇ!!」
「病気の母さんを残して、こんな所で死ぬわけにはいかないわ!」
 動揺するパトリシア、泣き叫ぶポール、毅然と振る舞おうとするスーザンが連続で死亡フラグを立てていく。驚くほどに淀みがない。寧ろここは淀んでいいところだ。
「待てやコラァ!!!」
 多少は知恵があったのか、側面の窓から侵入したレイダーたちの声が通路に響いた。
「ここは私たちに任せて、みなさんは全力で逃げて下さい!」
「おい! あんたら、無茶するな!!」
「スティーブン、俺は明日には弟と再会するんだよー? 死ぬわけないじゃない」
「でもよ……!」
「そんなに心配? ならロケット持っててよ。これは俺にとって大事なものだから、必ず取りに行くから、ね」
 飄々と言いながらロケットを投げる。こんなときでも死亡フラグを立てるのを忘れない。九泉・伽、仕事はきっちりこなす男だ。
 ロケットを受け取ると、スティーブンは「死ぬんじゃねぇぞ」と視線で返しながら、地下への階段を降りていった。いい奴だが、そういう奴ほど放っておくと真っ先に死ぬだろう。知ってる。
「セナちゃんは理緒ちゃんの方へ行ってくれ。ここは俺たちが片付ける」
「俺『たち』?」
「そ」
 ひとつ笑んだ伽の傍らに、泣き黒子のない瓜二つの男が現れた。弟ならぬ分身だ。
「あれ、逢っちゃったね」
 死亡フラグ粉砕、やったー、と喜ぶ伽。粉砕も何も、当人は既に死んでいる。
 それを横目で見ながら、分身も無表情のまま棍を手にした。
「へへっ、そんな棒っきれでどうするっていうんだよ!」
「こうするの」
 向かい来る弾丸を躱しながら、ふたりが左右に展開する。野球のバットよろしく、一旦後ろに引いた棍を思い切り横に振り抜けば、勢いよくレイダーたちが吹っ飛んだ。そのまま、ばったばったと容赦なくレイダーたちを薙ぎ倒していく。
「分かりました、ここは頼みます!」
 そう残して、セナは拓かれた道を駆け出した。襲い来る敵を血槍で蹴散らしながら、拠点の外へと躍り出る。
「お待たせしました、理緒さん!」
「セナさん!」
「一人で倒れさせるなんて、絶対にさせませんから……!」
 笑顔を交し、並び立つ2人。
「いちゃついてんじゃねぇよ! ――みんな、やっちまえ!!」
「ひゃっはー!! てめぇら、ここのお宝いただいたら盛大に飲むぞ!」

 最後に盛大な死亡フラグを立てた男たち。
 ラストシーンは、それはそれは見事な散り様だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『かしこくないどうぶつたち』

POW   :    わーいたーのしー
【かしこくなくなるおーら】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    むずかしいことはよくわからないよ
【すごくかしこくないどうぶつ】に覚醒して【かしこそうなこうげきがきかないどうぶつ】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    みんなでいっしょにあそぼうよ
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【かしこくないどうぶつたち】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リュカ・ラス
困ってる方を助けるのは猟兵として当然です。
敵は倒します。

の、ですが、かしこくなくなる…うう、何だか嫌な予感です

ミモザ殿が食べ物で釣ると良いと言っていたので、パンを持って来ました。
いい香りの、美味しいパンです!(鞄から取出し)

キール、行くよ!(UC発動)
さあ、こっちに美味しいパンがありますよ!(と敵に向かって惹き付け)
敵が釣られたら全力で、飛んで逃げ…じゃない、翔けます!
オーラ防御と見切りで敵の攻撃は出来る限りは防御します!
これで、遊んでると思われれば良いのですが…。
最後は風の剣でとどめを。

かしこくなくなるのは嫌です。
だって自分がどうなるのか怖いです…。

※アドリブ絡み歓迎です



●かしこくないどうぶつたちとのしとう
 レイダーたちの排斥は成功した。
 そう安堵した瞬間、猟兵たちを得も言われぬ悪寒が襲った。
『わー! にんげんだー!!』
『にんげんがいるよー!』
『あそんでー! あそんでー!!』
『ぼくはおなかすいたー!』
『ごはんー! ごはんちょうだーい!』
 目を凝らさなくても分かる。
 それほどの大量の何か――いや、『かしこくない』何かが怒濤の勢いで迫ってくる様に、猟兵の誰しもが瞬時に察した。
 ある意味、本当の闘いはこれからなのだと。

「キール、行くよ!」
 その声に呼応するように、リュカ・ラス(ドラゴニアンの剣豪・f04228)の背に颯竜の翼が生えた。若草色のそれは、風を司る証だ。
「さあ、こっちにパンがありますよ! いい香りの、美味しいパンです!」
『わー! ごちそうだ――!!』
『おいしそうなにおいー!』
『ちょーだーい! それちょーだーい!!』
(ミモザ殿が食べ物で釣ると良いと言っていたので、パンを持って来ましたが……)
 これも野性の嗅覚なのだろうか。速攻食いついてきたどうぶつたちに、リュカは思わずドン引いた。
 困っている人を助けるのは猟兵として当然だし、敵は倒さねばならない。だが、『かしこくなくなる』という単語には嫌な予感しかしない。
「ほ、ほーら、こっちですよー!」
『とんでるー! すごーい!』
『かっこい――!』
『まてまてー!』
 思わず空へと逃げ……もとい翔けたリュカだったが、そこはさすがの『かしこくないどうぶつたち』。目先のパンと『あそんでくれるにんげん』しか目に入っていないようだ。
 あ、こいつ何も考えてないな、と言わんばかりに、口を半開きのまま楽しそうに追いかけてくる様子は、一見ほのぼのとした風景に見えるかもしれない。
 ――それが、とてつもなく高速の追いかけっこだということを除けば。
(お、思いのほか速いです……!)
 如何にかしこくなくても、さすがはどうぶつ。その脚力は健在だった。いや、むしろ頭を使わない分、全力で駆けてくるから質が悪い。
『ぼくもじゃんぷしちゃうよー!!』
『ごちそー、まて――!』
「わわっ……!」
 四方から飛びかかられそうになるのを見切りつつ、漏れた分はどうにかオーラで防御する。
(かしこくなくなるのは嫌です。だって、自分がどうなるのか怖いです……)
 それは、知能ある動物の本能とも言える恐怖だった。
 ふと脳裏に浮かびそうになった『かしこくないじぶん』を、リュカは咄嗟に振り払う。いけない。明確にイメージしてしまったら、きっと色々な意味で終わりだ。
 この闘いでは、負傷――それ即ち(精神的な)死。
 それを肝に銘じながら、竜の子は戯れの随に、風の剣でどうぶつたちを薙いでゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九泉・伽
共にばかになりたい
でも残念、俺はPOWのUCもってません!

※アドリブとネタ扱い大歓迎

何こいつら、和む
目の前にしゃがんで棍でつつく
猫いるかなぁ?
いたら愛でる
俺は御猫様絶対信教です
分身召喚したらすごくばかになってくれるんだよねぇ(わくわく
すごくかしこくないどうぶつの有様を満喫する
アニマルセラピーって奴で心がますます和む
でも噛まれたりする
あ、そっか、気絶したらかしこくないどうぶつに変えてもらえ…なんだろ、俺、疲れてんのかなぁ
名残惜しいけど棍で薙ぎ払う
ああやられ顔すら和みばか

さて俺はスティーブンと勝利の酒を飲みますか
あれ?何この胸の血…え、痛い?はは、はっ…(フラグ回収

仕事は分身がしてくれるよ、きっと



「――頼む。ひと思いにやってくれ」
 片膝をついた九泉・伽(Pray to my God・f11786)が、そう言って顔を上げた。対峙する己の分身へと、真っ直ぐな視線を向ける。
 瓜二つの男は、感情の籠もらぬ双眸に伽を映しながら、『ソレ』を持った手をゆっくりと上げた。
 狙いを眼前に定め、迷いなく――引き金を引く。

 しゅわわ~~~~~~~ん。

「よし! これで完璧」
 自身から煙草の匂いが消えたことを確認すると、伽は満足げに頷いた。かしこくないとはいえ、相手は小動物だ。嗅覚の鋭い彼らを前に、強い匂いは消しておくのがマナーというものだろう。
 対して消臭スプレーを持たされた分身からは気のせいか冷気を感じなくもないが、伽はそっと視線を逸らした。その流れで、かしこくない軍勢の中からお目当てを探す。
「……猫いたぁ!」
 御猫様絶対信教の男が探していたのは、勿論かしこくないにゃんこの群れ。ウェルカムと言わんばかりに両手を広げれば、にゃんこたちも迷わず『わーい』と伽へと飛びかかった。
『にんげんー! ぼくたちとあそべー!!』
『あそべあそべー!!』
「いいよー、いいよー。どんどんあそんじゃうよー」
 ――共にばかになりたい。
 POWのユーベルコードを持っていないから諦めていたその願いも、傍から見れば十分叶っていた。
 腕をぺろぺろ舐める仔、胸のうえで丸くなる仔、ひたすらに頬を肉球で叩いてくる仔。たくさんのもふもふに囲まれて、既に伽の顔は固形から逸脱しかけていた。アニマルセラピーの威力、恐るべし。
 むくりと起き上がり、1匹ずつ顔を見る。
『ねーねー、ごはんもってないのー?』
『もっとあそんでー!』
『なでなでしてー!』
『こっちみてー!』
 毛並みは色々だが、どの仔も目の焦点が合っていないうえに口も半開きだ。その割に要求の圧が凄い。けど、和む。
「あ。召喚したままなら、分身もすごくばかになってくれるんだよねぇ」
 目の前の1匹を棍で軽くつつきながら傍らを見上げれば、分身が絶対零度の瞳で見下ろしていた。なんということだ。冗談すら通じない。
「って、痛たたた」
 獲物に見立てた指先の動きを追って甘噛みしていたチビ助が、気づけば本気噛みになっていた。ひょいと捕まえてひとつ撫でながら、
「あ、そっか、気絶したらかしこくないどうぶつに変えてもらえ……」
『…………』
「……なんだろ、俺、疲れてんのかなぁ」
 分身から無言の圧を感じた伽は、そう言ってひとつ溜息を吐いた。
 当人は気づいていないかもしれないが、攻撃を受けたわけでもないのに、思考回路は大分かしこくなくなってきている。だが、かしこそうなこうげきがきかないどうぶつを相手にするなら、寧ろそれが正解だ。
 そうして得た膨大な戦闘能力の対価として毎秒寿命を削っていっている彼らは、自然と1匹、また1匹と砂塵に消えてゆく。その顔すら和みばかだ。
「さて、そろそろ終わらせて、スティーブンと勝利の酒を飲みますか」
『にんげーん! だっこしてー!!』
 瞬間、胸に刺すような痛みが走った。
「あれ? 何この胸の血……え、痛い? はは、はっ……」
 じわりと滲んだ赫が、シャツの色を染め変えていく。近距離からの特大ジャンプで伽の胸に飛び込んだサバトラの仔の一撃が、見事に胸を抉っていた。
 確りと先の戦闘でのフラグを回収した伽は、そのまま前のめりに地面へと伏した。霞む視界の中、傍らにいるであろう分身へと最後に託す。
「悪い……あとは、頼……」
 ざしゅ。
 言い終わらないうちに、伽の眼前スレスレの地面に棍が突き刺さった。
 そうして分身によって討たれたにゃんこも塵となっていったが、何故か彼の冷ややかなオーラはしばらく消えなかったとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



『にんげんー!! まってたー!!』
「って、こっちに向かって来るのかよ!」
 かしこくなくても視力は良いのだろうか。宇宙カブで向かってくる数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)を見つけたかしこくないどうぶつたちもまた、多喜目がけて突撃してきた。
 普通の動物なら、低速とはいえ見慣れないものが向かってきたら逃げるものだが、そこはさすがかしこくないどうぶつ。遊んで貰うことしか考えていない。
 慌ててブレーキをかけて宇宙カブから降りた途端、
『だっこしてー!!』
 と、多喜へと1匹がダイレクトアタックをしかけてきた。反射的に避けたら、そのまま顔から地面にスライディングさせてしまったが、これは知性ある生物の性なので赦して欲しい。
『なんだよー。あそんでくれないのー?』
『おなかすいたー! なんかちょーだーい!』
『なでなでしてー!!』
「…………」
 たとえ敵相手でも、まずは鍛え抜いたコミュ力を駆使し、相手の行動原理を理解する。そうすれば自ずと、自分の行動も見えてくるものだ。
 ――己のその信条が、今激しく揺らいでいた。全くもって、意思疎通ができそうにない。いや、できたらできたでそれは多喜自身もかしこくなくなってしまっている状況なので、寧ろできない方が望ましいのだが。
「……分かった。じゃあ、遊ぶか!」
 彼らの要求は至ってシンプルだ。遊ぶか、ごはんか、愛でる。これだけだ。
 ならばと気持ちを切り替えた多喜は、それらに全力を注ぐことにした。今回の場合、それがこの事件解決の最短かつ唯一の答えなのだろう。
『わーい、びりびりたのしー!』
『び、びりびりー!!』
 遊びながらさり気なく与える麻痺攻撃すら楽しみながら消えてゆく。ある意味、これが『かしこくないどうぶつ』の極みなのかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

上野・イオナ(サポート)
『英雄イオナ 希望を描きにただいま参上!』
ヒーローの類いに憧れてる系男子です。悪いやつ許せないです。困っている人を助けます。
でもカッコイイものや面白そうな事が好きで直接助ける対象が見えてない場合はそちらを優先することがあります
具体的にはとあるシナリオで崩れる遺跡の中、巻き込まれてる人が居ないか探さずに、カッコイイ剣をあつめてました
正統派英雄を目指してますが
クールなダークヒーローやイラズラ好きのややひねくれた主人公とかも好きなのでそういう悪い系統の人とも喜んで協力します

年齢に比べて行動や喋り方が少し幼い気がします
※アレンジ・連携 歓迎



「かしこくないどうぶつとはいえ、敵は敵! ――だけど、これはこれ!」
 争わずに済むのはいいことだ、と上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)は心中で頷きながら、一瞬手にした獲物をさっとしまった。
 代わりに、太めの紐で編まれたカラフルなロープのおもちゃを複数取り出すと、イオナを取り囲んでいたかしこくないワンコたちの瞳が煌めいた。
『それっ! それはっ!!』
『ロープ! ロープ! おもちゃだー!!』
『はやく! はやくあそぼ――!!』
「まぁ待て、逸るな。順番だからな? そ――――れ、取ってこ――――い!』
 ぶぅん。
 指の間に挟んで持っていたロープを一気に遠くへ投げれば、かしこくないわんこたちは忽ちそれを追っかけ駆け出した。
「って、あれ? なんかまだ残ってる!?」
 まだ足許に残っていた数匹に気づいた少年は、しゃがんで彼らを覗きこみ――瞬時に理解した。これは一際、何も考えていない顔だ。どこに飛んでいったのか目で追いきれなかった、いや、これがどういう遊びかすら分からなかったのだろう。
「……攻撃受けたら、僕もこうなるのか……」
 正統派の英雄を目指すイオナにとって、それは真逆の有様だ。絶対に阻止せねばならない。
 ひとまず足許の仔たちにはボールを与えて遊ばせながら、少年は顔を上げた。少し離れた場所で、かしこくないワンコたちはロープの引っ張りっこに夢中だ。引っ張り合いをしているならまだいい。中には、ノリで追いかけたものの、どう遊ぶのか分からず枕にして寝ている仔や、味はしないはずなのにぺろぺろ舐めまくっている仔もいる。
 なんにせよ、これだけ見れば、ほのぼのとした良い風景に違いなかった。
「そうか……! 今だよ、今描かなくてどうするんだ!」
 はたと思い出し、イオナは再び剣型のペイントブキを手に取った。宙に描かれる虹色の軌跡が、愛らしいワンコの姿を生み出してゆく。そうして群れの最後の1匹が塵となって消えていった後には、地上に壮大なワンコの絵が完成していた。――天晴れ。

成功 🔵​🔵​🔴​

アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください



『あっ! あっちにもにんげんがいるぞー!!』
『あそべあそべー!!』
「ふふ、可愛いですね。良いですよ、遊びましょう」
 アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)に誘われたかしこくないどうぶつたちは、嬉々として娘へと駆け寄った。
 動物たちと戯れる、落ち着いた雰囲気のおねーさん。なんとも和む景色だ。――普通ならば。
『(ぽかーん)』
 ……としか表現できない顔のかしこくないワンコは、明後日の方に焦点の行った瞳でアトを見つめ続ける。
「…………」
 対してアトは、一言で言うならば闇だった。
 眼に光が宿っていない。ずっと見つめていると底知れぬ恐怖に襲われそうになるほどのそれは、今回の作戦とかではなく彼女のデフォルトだった。

 ――そう、これはまさに、虚無と闇の闘い。より精神の強いものが、勝つ……!

『(ぽかーん)』
「…………」
『(ぽかーん)』
「………………」
『(ぽかー……ガクッ)』
 正常な精神の持ち主なら数秒も耐えきれなかったであろう状況を、その知能の低さ故にかしこくないワンコは数分耐えた。すごい。いや、ここはすごくない方が良いはずなのだが。
「私の視線に、ここまで耐えきれるとは……お見事です」
 アトも敵へ賞賛を送る。これが虚無に勝利した闇の余裕というものか。
 そうして視線を合わせただけなのにばったばったと倒れていくワンコたちを見守りながら、アトは静かに愛器を手に取った。
 奇妙にねじくれた魔笛が紡ぐのは、葬送曲。弾むような明るい音色は、彼らを送るにはむしろこれ以上ないほどに相応しかった。

 刻は夕暮れ。
 夜色に染まり始めた空に、あの愛くるしい顔が浮かび――きらり消えていったような気がした。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年10月16日


挿絵イラスト