キマイラフューチャー・クリテリウム
●奴を捕まえる為に
「ブレインバイシクル1号、というものをご存知でしょうか?」
一礼した後、ルーリィ・アルバローズ(従者・f35033)は問いかけた。
「実際に目撃された御主人様もいらっしゃるかもしれませんが……改めてご説明申し上げますと、ブレイン某とは猟書家『キング・ブレイン』が駆る自転車でございます」
なんだ自転車か、などと侮るなかれ。
それは超速度で次元を超え、自力でテレポート可能という恐るべき自転車なのだ。
「ブレイン某に追いつくことが出来なければ、たとえ数多の戦場を渡り歩いた一騎当千の御主人様であっても、キング・ブレインの完全なる打倒は不可能です。……そこで」
特訓のお時間です、と続けたルーリィは、一枚のチラシを取り出して見せる。それに個性的な書体で記されていたのは『キマイラフューチャー・クリテリウム』なる言葉。
「サイクルロードレースでございます。今回はキマイラの皆様に協力を仰ぎ、彼の世界の一角に特設コースを設置させて頂きました。カスタマイズ可能な自転車も多数ご用意いたしておりますので、猟兵同士で切磋琢磨、脚力を競い合ってみてはいかがでしょうか?」
●レース概要
「コンコンコンやバーチャル技術を駆使したコースは、さまざまな能力が求められる設計になっており、大まかに分類すると6つのエリアで構成されています」
エリア1は、スタートから殆ど真っ直ぐに平坦な道が伸びていく区画で、とにかくスピードが鍵になる。キマイラの有識者による実況解説ブースや、特大の中継モニター、観覧スタンドなどが設置されており、猟兵たちには熱い声援が送られるはずだ。
エリア2は、間に短い直線を挟んだコーナーが5つほど連なる。ここも平坦ではあるが、整備されたバーチャル森林のせいで先が見えにくい。スピードを出しすぎるとコースアウトしてしまうかもしれないから、充分に注意する必要がある。
エリア3は、U字型のコーナーで接続された直線2本。ここから周囲の風景はバーチャル山岳地帯となり、コースには厳しい上り勾配がつく。パワーが求められるエリアだが、坂の頂上を先頭で通過した者には、周回毎に3人まで特別ポイントが与えられる。
エリア4は、特設コースの名所として、キマイラたちが腕によりをかけて作成した、その名も『スパイラル』ゾーン。直前までの上りから一転、急降下しつつ右に左にとうねるようなカーブが連続しており、繊細なブレーキングとコーナリングが求められるだろう。
エリア5は、引き続き下り坂。勾配は大分緩やかになるが路面が荒れており、ハンドルにもサドルにも酷い振動が響いてくる。頑丈な自転車でなければ、乗り手の体力がゴリゴリ削られてしまうに違いない。
エリア6は、ゴール/スタートラインへと向かう最終直線。エリア入口の給水ポイントではキマイラたちが用意したドリンクが受け取れる。コースは再び平坦となり、景色もバーチャル山岳からキマイラフューチャーの街並みに戻る。全力で駆け抜けよう。
「……以上のようなコースを、御主人様には『20周』して頂きます」
見事1位でゴールインした猟兵と、エリア3での特別ポイント最多獲得者には、キマイラ謹製のサイクルジャージがプレゼントされる。
また完走者には賞状が、参加者全員にはエナジードリンク味の飴が配られるそうだ。
「ヒーローたる猟兵を間近で見るためと、キマイラの皆様方も気合をいれて準備してくださったようです。お返しに、白熱したレースをお届け出来れば良いですね」
ルーリィは微笑みながら語って、キマイラフューチャーへの扉を開く。
「……では、いってらっしゃいませ。御主人様のご健闘をお祈りしております」
天枷由良
あまかせです。よろしくお願いします。
当シナリオは2章立てです。
以下、シナリオの補足や注意点です。
●自転車のカスタマイズ
キマイラたちがオリジナル自転車を用意してくれます。
名前や外観は自由ですが、レース判定には独自の能力値を使用します。
プレイング一行目で下記の要素にポイントを割り振ってください。
個別の限界値は1~5、合計値は7です。
スピード(S)……漕ぐ力を速度に変換する効率。主にエリア1・6に関わる。
グリップ(G)……ブレーキやコーナリング性能。主にエリア2・4に関わる。
フレーム(F)……走破性や耐久性、乗り心地。主にエリア3・5に関わる。
(表記例:S3・G2・F2)
●プレイングについて
レース中の作戦のほか、自転車の性能や作戦に応じて『ここで勝負をかける!』とか『性能での不利を自身の能力で埋める!』というエリアを一つか二つ選び、プレイングをかけてください。
ユーベルコードは必要ありませんが、サイクルロードレースという競技から逸脱しない範囲(自転車を漕ぐという行動を遵守する)なら使用できます。
オーバーロードによる『真の姿』の解放も可。
チーム参加や仲間へのアシストもOKです。
(先頭の風除け役をローテーションすることで体力消耗を抑えるなど)
POW/SPD/WIZの例文は、作戦を立てる上で気にしなくて結構です。
●特別ポイント
各周のエリア3通過順に、1位:4点、2位:2点、3位:1点が与えられます。
こちらのポイント獲得数での順位付けは、レースでの着順とは異なります。
(特別ポイント獲得の為には『先頭集団で走り続ける』必要があるので、より体力の消耗が激しくなり、レースそのものでの上位入賞は難しくなります)
●違反行為
飛行、浮遊、脚力以外の推進力の利用。
キャバリア等の自転車以外の乗り物の利用。
コースのショートカット。その他、自転車レースから逸脱する行為全般。
キマイラたちの前では、ヒーローらしくありましょう。
●賞品
シナリオ参加によるアイテム配布はありません。ご注意ください。
プレイングの受付に関するお知らせ等々は、シナリオタグやマスターページにてご確認いただければ幸いです。
ご参加、お待ちしております。
第1章 冒険
『白熱の自転車レース!』
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POW : 力の限り漕ぎまくり、スタミナに任せて前を走る
SPD : 前半は体力を温存し、ここぞのタイミングで一気に仕掛ける
WIZ : 対戦相手を利用したコース取りを行い、風の抵抗を避ける
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
絶好のレース日和。晴れやかな空に乾いた号砲が響く。
観覧スタンドは満員御礼。溢れた観客たちはコース沿いを埋め尽くして、お手製の看板や大会記念タオルなどを掲げている。
「さあ、いよいよレース開始の時間が迫ってまいりました!」
スタート地点に設置されたブースから、実況のキマイラが興奮を抑えきれない声で言った。
コース作成に関わった者たちは、白熱したレースへの期待と無事の開催に至った安堵が入り混じった顔で中継モニターを見つめている。
整備係たちは、自らがカスタマイズした自転車に乗る猟兵の好走を祈っている。
……スターターが台上に立って、カウントダウンが始まる。
1位や特別賞を狙うか、無事の完走を目指すか。
作戦は? 仕掛けどころは?
なんて思っている間に、その時はやってきた。
「5、4、3、2、1……スタートです!」
猟兵よ、特設コースを走り抜けろ!
スピーリ・ウルプタス
S4・G2・F1
最初と最後が肝心でしょうかと、エリア1・6を見越したカスタムです!
ええ耐久性や乗り心地は悪くとも何も問題ございませんむしろそれでヨシ!と考えたらば、割り振りこうなった、とも申しますがっ
長時間痛みを満喫するには体力が必要だと悟ってから、ヒトの身は鍛えられるのだと学んだので、それなりには漕ぎ続けられるとは思いますがー…
ああっやはりキツイ、苦しいですね!
(中盤あたりでゼーゼーッ言いながら至福の表情)
全力で完走目指します!
(4あたり、スピードに乗って曲がり切れなくて転倒しても超笑顔。めげず復帰等)
(苦しくなればなるほど笑顔。6のラストスパートはもう輝いてる。渾身の漕ぎ)
●スピーリ・ウルプタス(柔和なヤドリ変態ガミ・f29171)
Well begun is half done.
物事は始め良ければ半ば良し、と言う。
All's Well That Ends Well.
物事は終わり良ければ全て良し、とも言う。
つまり肝心なのは最初と最後であって、それ以外は瑣末事。
「ええ、ええ! これで私には充分な乗り心地ですとも――!!」
キツい上り勾配を立ち漕ぎで進みながら宣う。
スピーリの自転車はスピード重視のカスタマイズだ。前面投影面積を小さくして空気抵抗を削減、細いタイヤで接地面にかかる重量と摩擦を抑え、各所に軽量化まで施したスペシャルチューンナップはまさにキマイラの匠の技。
しかしながら、レギュレーションによって総合性能に制限が掛けられているのが、今大会の難しいところ。
速さの代償に失われたのは乗り心地。クッション性に乏しい細いタイヤと「サスペンション? なにそれ?」状態のマシン構成は路面からの振動を直に腕やら足やらに与えてくる。
ブレーキや操縦性こそ標準値の範囲内であれば、エリア1の直線をかっ飛ばした後に現れるエリア2の5連コーナーは何とか乗り越えたが……山岳地帯となるエリア3の登り坂へと至った頃から、スピーリの肉体には明確な疲労が溜まり始めた。
「ああっ、やはりキツイ! 苦しいですね!」
ゼェゼェと気管支からSOSシグナルを放ちつつ、登坂に挑む穏和な青年風ヤドリガミ(四十路半ば)の表情は――実に晴れやか。
これぞスポーツに励む者の清々しさ、キマイラのヒーローたる猟兵のあるべき姿……と、褒め称えたいところであるが、しかし。
中継モニター越しに、或いはコース沿いから熱視線を送る観客たちはまだ知らない。
彼はスポーツマンシップの体現者などではなく、己の欲望に忠実かつ貪欲なだけの変わり者であることを。
その片鱗が垣間見えたのは、坂の頂上を越えた後から。
「あっ……あっ、ああっ、あああっ……ああーっ!!」
突如として響き渡る悲鳴。中継車のキマイラたちが必死にカメラで追えば、特設コース随一の難所であるスパイラルゾーンの急降下カーブに対応しきれず、ガードを派手に突き破ってコースアウトするスピーリの姿が映った。
「あーっと! 落車、落車です! スピーリ選手、落車! 大丈夫でしょうかー!」
手に汗もマイクも握る実況のキマイラが叫ぶ。
観客も不安げな視線を注ぎ、固唾を呑んで見守る中……スピーリは何とか自力でコースに上がってくると、これ以上ない笑顔でカメラに向かって親指を立てた。
「どうやら大事には至らなかったようです! さすがは猟兵、頑丈さも一味違うー!」
実況が煽り立てれば歓声が沸き起こる。
一部ではスピーリコールさえ起こって。それに片腕挙げて応じたヤドリガミは、レースに復帰しながら戦慄く。
(「……ああっ! これはもう、たまりません!!」
キマイラたちの応援が、ではない。
全身をくまなく侵す痛み。耐えながら進まなければならないという苦しみ。
それらを感じる度、スピーリは悦びに打ち震えてしまうのだ。
(「あ、ああっ、あああああああああああああああああっ!!」)
ともすれば小休止になりそうな下り坂のエリア5でさえ、荒れた路面から響く容赦のない振動が痛めつけられた身体中に染みて、スピーリを無限快楽地獄へと堕とす。
(「これは……これはいくら私でも……持たないかもしれませんが……いやしかし、苦痛の真なるところまで噛みしめる為、鍛えたヒトの身であれば……まだ……!」)
情熱、体力、根性。
三拍子揃っていなければ、変態変人は務まらない。
最終コーナーを回ってゴールまでの直線に向かうスピーリは、当然のごとく給水ポイントなどには目もくれない自主的断水の姿勢を見せつけながら、太陽のように輝かしい表情でペダルを回す。
そうして再びエリア1に突入しながら、思うのだ。
(「ああ……この苦しい時間が……まだ19周も残されているなんて!!」)
つくづく度し難い。
だが、スピーリ自身が幸せなのであればヨシ!
大成功
🔵🔵🔵
驚堂院・クリル
S2:G2:F3
売れないアイドルとしての売名目的じゃな。故に完走を目的としておるのじゃ。
カスタマイズは可愛らしいピンク色に塗られた自転車かの。
【ルミナス号】と呼ぶのじゃ。
スポンサーロゴとか背中に名前とかつけて覚えてもらうかの。
完走、そして元気よくじゃ。
キマイラが見ているコースでは余裕あるうちは手をふるなどのパフォーマンスもできよう。
エリア3山を登るときはキツイが厳しいトレーニングを思い出して歌うことで気合いいれて登っていく。ショウ・マスト・ゴー・オンじゃ♪
とにかく元気に完走するのみじゃ。疲労困憊ではアイドルとしてサマにならぬわ。(胸にハートマークしながら)
●驚堂院・クリル(アイドルグループ【九姉妹神】メンバー・f33676)
参加条件なし。観客は満員御礼。巨大モニターほか中継機材も万全。
己をキマイラフューチャーに知らしめようとするならば、絶好の舞台である。
「わらわの名を脳裏に刻み込み、この姿を確と目に焼き付けてもらうのじゃ」
それを成すに、必ずしも表彰台の頂点へと上がる必要はない。
まずはレースを走り切る。許される限り、舞台に留まり続ける。
その為に必要な自転車の性能は、長時間走行しても疲れを感じ難い乗り心地だろう。
しかし、そればかりを追求して他を疎かにするのも如何なものかと思えば、レース進行を妨げない程度の速度と、あまりデリケートすぎない操縦性も欲しい。
「そういう感じでお願いするのじゃ」
と気安く言ってみれば、大会公認整備士のキマイラはいとも容易くやってのけた。
キュートでチャーミングなピンク色に塗り上げられた愛車は『ルミナス号』と名付けられ、ハンドルからペダルに向かって伸びる一番太いフレームには、これまた可愛らしくもくっきりとした書体で『九姉妹神 驚堂院クリル』と記された。
勿論、それだけで充分だとは思わない。大会用ジャージの背にも大きく名前を印字して、胸元やら肩やらの空白には、スポンサーロゴや、整備士を始めとする裏方の名前なども連ねておく。
UDCアース辺りの中高生が作るクラスTシャツみたいな仕上がりになってきたが、関係者への配慮は観客に名を覚えてもらうのと同じくらい大切だ。そうしたところから意外な仕事が転がり込んでくるかもしれない。
「しかし、しかしじゃ。何よりも大切なのは……元気、笑顔、愛嬌じゃ♪」
内面を知るには意志と時間が必要だが、外見からの印象は一瞬で決まる。
猟兵をヒーローと思うキマイラたちにより良いイメージを持ってもらうなら、余裕のあるうちはアイドルらしいパフォーマンスに勤しむべきだろう。
かくして、心身と自転車を万全に整えたクリルは走り出す。
自転車のギア性能もそこそこであれば、漕ぎ出す力もそこそこ。先団からはすぐに離されてしまうが、それはそれで都合よし。
「わらわも一生懸命頑張るからのぅ、応援よろしくなのじゃ~♪」
沿道に向かって手を振れば、キマイラたちもにこやかに振り返してくれる。
其処から「かわいい!」とか「がんばってー!」とか聞こえてきたなら、しめたものだ。
まだレースも始まったばかりであれば、小石で起こした程度の波紋はすぐにメディア班へと伝わって。
「キマイラたちの声援を受けておりますのは……驚堂院・クリル、きょうどういん・くりる選手であります!」
名前を繰り返し呼ぶ実況者は、そのまま大会エントリーシートに記載されたプロフィールやルミナス号を紹介していく。宣伝効果大だ。
そうして注目を集めたのなら尚更、手は抜けない。
観覧席が設けられているエリア1を抜ける間は勿論のこと、森林の中を右に左にと走り抜けるエリア2、山岳地帯を上るエリア3と進む最中にも、常に視線を浴びていると思って元気よく、笑顔を保つ。
(「……それにしてもキツい坂じゃのぅ」)
まだまだ余裕はあるが、流石に最軽のギアで漕いでも疲労の蓄積を感じられる。
勿論、坂を上りながらでは手を振る余裕などなかった。四肢を前進以外の何かに使おうとすれば、たちまちバランスを崩してしまうに違いない。
だが、アイドルにはまだまだ披露していない武器がある。
すぅっと深く息を吸って、しっかりと前を見つめて、日々の厳しいトレーニングを思い出して。
この大会は自分だけのステージだと言わんばかりに――声を響かせるのだ。
それは己を奮い立たせる為でもあり、観客を魅了する為でもある。
玉の汗を流しつつ、歌いながら坂を上がっていく姿は、中継モニターで映すにも相応しい画だろう。キマイラのスタッフたちがカメラを向けながら並走すれば、程なく坂を越えたクリルは胸元にハートマークを作って。
「まだまだ、わらわの走りから目を離すでないぞ♪」
完璧なアピールを決めながら、緩やかに下りへと入っていく。
フレーム強化した自転車であれば、この後は最終直線まで少し楽に行けるはず。
その間に体力を回復して、さらなる周回に挑むのだ。
(「疲労困憊ではアイドルとしてサマにならぬからのぅ」)
正しく、ショウ・マスト・ゴー・オン。
大会が終わるまでは“らしく”在り続けなければならない。
それでも今日のクリルであれば、必ずや最後まで乗り切ってみせるだろう。
大成功
🔵🔵🔵
イヴェッタ・レチアーノ
S1・G3・F3
グァーネッツォ(f05124)と一緒に参加よ
ふざけた性格の癖にガチ性能の自転車を持っているなんてムカつく
絶対にキング・ブレインを引きずり出してバイシクル1号ぶっ壊してやる
自転車のカスタマイズはキング・ブレイン戦でどのユーベルコードを使えやすくするのを見越して、
私の得意分野の指先の器用さを活かすグリップと素で自転車を壊れにくくするフレームの強化しておくわ
私の素の脚力も自転車のスピード効率も低いのを補う為に
キング・ブレインが出てくるまではエリア1・6中は『オール・ワークス!』で獣化外皮の毛皮着てバーサーク状態になって走り抜けるわ
ガア!キング・ブレインニモ、グァーネッツォニモ、勝ツ!
グァーネッツォ・リトゥルスムィス
S3・G1・F3
イヴェッタ(f24458)と一緒に参加だ
怒り心頭なイヴェッタのお守しつつも優勝を目指すぞ
猟書家の弱体化も大事だが楽しんでこそのレースだぜ!
オレの自慢の脚力を活かす為にスピードを、
でも脚力強すぎで壊れちゃ意味ないからフレームを、
それぞれカスタマイズで自転車を強化しておくぜ
エリア2で減速しない為に、エリア4で上手くコーナリングする為に、
上記二つのエリアに入る度に背負ってる竜骨斧を『茨竜の戯れ』でちょこっとだけ竜の茨に変えて、
腕や指先を竜の茨の操作に身を任せて上位陣維持を目指すぞ
イテテ!へへ、こんなにスピード出ていると茨竜もテンションあがってるな、この調子でイヴェッタに着いていくぞ!
スタートの合図を待つ最中、髪も瞳も燃えるような色の女が憚りもなく「ムカつく」と吐き捨てた。
その矛先は脳裏に過る骸骨頭。凡そ悪の大首領とは思い難い――赤髪の女に言わせれば“ふざけた性格”の大敵は、次元跳躍すら果たす恐るべき自転車『ブレインバイシクル1号』によって数多の戦場から逃げ果せ、今も何処かで奇怪な笑い声を響かせているという。
想像すれば弥が上にも苛立ちが募り、全身に力が篭もる。
滲み出た闘志は今正しく己が跨る自転車のハンドルを軋ませて、猟兵のサイクルロードレースを観戦しようと詰めかけたキマイラフューチャーの住人たちすらも幾らか慄かせた。
「――楽しんでこそのレースだぜ!」
前のめりな赤髪を見かねてか、一列後ろから呼びかけたのは金髪の女。
浅黒い色の身体は幼児のように小さく、それに合わせて整備調整された自転車が補助輪を備えていない事に一抹の不安を覚えてしまうほどだが、しかし大胆不敵な面構えを見ていると不思議と気にならなくなるものか。
軽く握った片拳を見せつけるようにして、ニィと笑う金髪……グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)に、赤髪ことイヴェッタ・レチアーノ(囚人番号壱零零壱・f24458)は小さく頷いて応えたが――。
それも束の間。
号砲が鳴り響き、車列が緩やかに前進を始めたところで、イヴェッタは何ら躊躇いなく闘志へと身を委ねた。
目にも留まらぬ早さで獣化外皮を纏い、その力によって忘我の境に入った彼女は獣の咆哮の如き声を響かせながらペダルを踏み込む。
返ってくる感触は拍子抜けする程に軽い。安定性を限界まで高めた代わりにギア比が低く設定された自転車は、猛獣と化したイヴェッタの脚力を速度へと変換する能力に些か欠けているのだ。
――が、それが何だというのか。漕いだ力の半分しか伝わらないというのなら、2倍でも3倍でも漕いで漕いで漕ぎ倒してやればいいだけだ。
「ガア! キング・ブレインニモ、グァーネッツォニモ、勝ツ!」
イヴェッタは高らかに叫んで、ひたすらにペダルを回す。
驚異的な踏み込みによって性能以上の速さを引き出された二輪は、靡く赤髪をあっという間に平坦な直線の端まで運んでいく。
そんな猛獣に自前の脚力のみで追従するのだから、グァーネッツォも侮れない。
小さな身体の何処にそれほどのパワーが秘められているのか。元より理外の存在である猟兵相手に考える方が愚かなのかもしれないが、ともかく見た目からは想像し難い走破力には観衆のキマイラたちも大いに沸き立つ。
歓声を浴びるのは悪くないものだ。
もっとも、それに酔いしれるつもりはない。唸り声を上げて爆走するイヴェッタから目を離さないようにしつつ、考えるのは平坦な道を越えた先、次のエリアとして待ち受ける5連カーブへの対応――。
「ここは茨竜に頼らせて貰うぜ!」
ロードレースの範囲を逸脱しないのであれば、ユーベルコードの使用も許可されている。
拡張現実の森林に入るや否や、グァーネッツォは背負う竜骨斧から僅かに伸びた茨を両腕へと巻きつけて、それにハンドル操作を任せた。
チクリと痛みが走る度、反射的に動く手が車輪の向きを大きく変えていく。急激な操作にあわやと思うほど車体がぐらつくが、操作を預けている分、そこに集中していれば転倒することもない。
「イテテ! へへ、こんなにスピード出ているとお前もテンションあがってるな!」
背の斧へと呼びかけるように言いながら、グァーネッツォは連続コーナーを突破していく。
この分であれば、先に待ち受ける難所、スパイラルゾーンもどうにか越えられるだろう。
心配なのは猛獣と化したイヴェッタの方だが――未だ咆哮を轟かせつつも、それはカーブを突破していた。
素の器用さが発揮されたのだろう。
「この調子でイヴェッタに着いていくぞ!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『猟書家『キング・ブレイン』』
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POW : 侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD : 本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
特設コースを駆け抜けていく猟兵たち。
その姿に熱狂するキマイラの歓声を、大悪の親玉は何処で聞きつけたか。
「――ブレブレブレ!」
一度聞いたら忘れ難い、そんな特徴的な笑いが木霊するや否や、ホームストレートを疾走する猟兵たちの最後列にそれは現れた。
黒地に金の刺繍をあしらった衣装。
背負う巨大書架の重みなどまるで感じさせない膂力。
半透明の頭蓋で陽光をきらりと跳ね返して、突如乱入してきた彼奴こそが猟書家キング・ブレイン&愛車ブレインバイシクル1号。
「そこのけそこのけ猟兵共! 吾輩はキング・ブレイン! ……知ってる? では話が早い! このレースの1位の座と商品副賞キマイラの皆さんの喝采と称賛、諸々まとめて吾輩が貰っていくのである! ブレブレブレ!」
興奮気味に捲し立てた大首領は愛車のペダルを力一杯踏みつける。
途端、加速したそれは、さすが次元さえも超える超速度の持ち主というべきか。
とはいえ、感心しきりでもいられない。
猟兵たちはキマイラのヒーローだ。多くの観衆の前で、悪の大首領に頂点の座を掻っ攫われるわけにはいかない。
佳境に入るレースは続行しつつ、闖入者にはお帰り願おう。
赤星・緋色(サポート)
なんやかんやで事件を解決に導こうとします
フリーダムかつアグレッシブなアドリブも可
合わせ等も自由にどうぞ
●赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)
キマイラフューチャーの片隅で行われている自転車レース。
そこに忽然と悪の大首領が乱入してきたところで、何かが大きく揺らぐ訳ではない。
レースは変わらず続く。いずれ誰かが頂点の座を掴み取る。
その誰かが大首領でさえなければ、何も問題はない。
「ひゃっはー!」
この場に相応しい自転車形状のガジェットに跨ったまま、緋色は蒸気ガトリングガンの狙いを定める。
仕掛けどころはホームストレートを抜けた後。観客を巻き込む心配がなく、仄かに不意を突けそうなバーチャル森林の陰から。
照準を合わせるのはそれほど難しくない。なぜなら撃ち倒すべき相手は、その存在を誇示するように笑いながら迫ってくるのだから。
「ブレ! ブレ! ブレブレブレ!!」
「そこだー!」
蒸気機関が唸りを上げて、破壊の力を次々と撃ち放つ。
それが直撃する前に反応を示した辺りは、さすが大首領と褒めておくべきか。
キング・ブレインも負けじと背負い込んでいた本棚を(愛車ブレインバイシクル1号に乗ったままで)担ぎ上げ、力の限りに投げ飛ばす――!
が、本棚は本棚でしかなかった。
雨あられと降り注ぐ弾の勢いには勝てず、キング・ブレインの武器の一つであるそれは無残にも破片をばら撒きながら力尽き、緋色の遥か手前で朽ちる。
「スーパー怪人大全集(全687巻)を収めた本棚がー!?」
「ひっさーつ!」
悲痛な叫びを上げる大首領を余所に、気炎を吐く緋色の元からは弾丸が溢れ続ける。
それは次の獲物としてキング・ブレイン自身を捉え、愛車ブレインバイシクル1号共々、弄ぶのだった。
成功
🔵🔵🔴
陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)
※
キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。
●陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)
キマイラフューチャーの片隅で行われている自転車レース。
忽然と現れた猟書家キング・ブレインの参戦に、しかし黒髪の女は動揺するどころか、口の端を僅かに吊り上げてみせる。
「筋書き通りでは面白くないものね」
高性能スマートフォンの動作を確認しながら囁く。
かつてとあるゲームの悪女NPC(ラスボス)であった女は今、猟兵であると同時に、一介の動画配信者でもあった。ならば、その青い眼が現状を窮地でなく好機と捉えても不思議ではない。
「私(と視聴者)に悪の大首領“らしい”ところを見せてくださいまし」
「ブレブレブレ! そう期待されては応えるほかありませんな!」
素直なのか阿呆なのか、ともかくキング・ブレインは愛車ブレインバイシクル1号を漕ぎながら言って、何やら大仰なポーズを取るとゴニョゴニョ呟き始めた。
挨拶代わりに一発、仕掛けてくるつもりだろう。
そんな気配を察したのなら、概ね猟兵が取るべき行動は二つ。機先を制して攻撃を浴びせるか、或いは反撃を期して防御や回避に動くか、だが。
女は第三の選択肢を採った。
喚び出したるは動画撮影ドローン。攻防どちらにも直接寄与する事はないそれで、配信の山場の一つとなるであろう大首領戦を余すところなく捉えるのだ――!
「ブレブレブレ!」
難なく力を溜め終えた事に勝利を確信したのか、大首領がまた笑いを響かせた。
刹那、その頭蓋が煌めいたかと思えば、一直線に撃ち出されたのは脳ビーム。
特設コースを抉るように薙ぎ払っていくそれは、瞬く間に彼方まで伸びて――。
「……いまいちですわね」
「ファッ!?」
間抜けな声を漏らす大首領の傍ら、燐は訥々と炎纏う黒揚羽を放って宣う。
一介の動画配信者であるそれは猟兵であり、かつてはとあるゲームの悪女NPC(ラスボス)であった。
そう、物語を締める最後の場面で壁として立ちはだかる、強大な敵キャラクターだったのだ。その身に秘めた実力からして、大首領のビーム攻撃はあまりにも単純単調、脅威とは程遠いレベルのものでしかなかった。
「ぐぬぬ、吾輩を差し置いてチートめいたラスボスムーブとは……!」
大首領は愛車を漕ぎながら器用に地団駄を踏むが、そんな姿では撮れ高の足しにもならない。
「児戯に等しい行為で配信に水を差した責任、取ってくださいまし」
呟く燐の元を離れた黒揚羽が大炎と化す。
それはスマートフォンが読み上げる応援コメントを糧に膨れ上がって、あっという間にキング・ブレインを飲み込んでいった。
成功
🔵🔵🔴
七星・彩華(サポート)
羅刹の呪詛すらも従える剣士。
『呪詛で溢れた戦場は私の舞台さ!』
口調は我が道を行く姐さん、仲間にはフレンドリー。
支配する呪詛も武器として扱う戦闘狂だが、かなりの頭脳派。
武器は魔剣・妖刀とは似ても似つかぬ呪詛刀
戦闘狂だが考えた戦術や戦闘の流れが上手くハマる方が感情が溢れ出る。
闘う事を至高と考える一方で守る者や仲間との共闘も戦闘の重要な要因と考えている。
行動は天上天下唯我独尊を貫く。
猟兵の夫と二人の娘がいる家族4人共が猟兵。
ユーベルコードは指定した物を怪我は厭わず行動します。
迷惑をかける行為はしません。
依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません。
あとはお任せ。よろしくお願いします!
●七星・彩華(狂い咲く戦場の華・f32940)
キマイラフューチャーの片隅で行われている自転車レース。
そこに乱入してきた大首領の姿を見やって、野性味溢れる羅刹は笑みを溢れさせた。
二輪で競うのも一興だが、やはり大輪狂い咲くに相応しい舞台は戦場をおいて他にない。
「キング・ブレイン、少しは楽しませてくれるかい?」
「ブレブレブレ!」
言わずもがなとばかりに笑う大首領。
それに満足げな頷きを一つ返して、彩華は呪詛刀を抜き放つと――斬りかかるのでなく、其処から濃密な力の一端を溢れさせた。
「常闇の呪詛を髄まで味わいな!!」
「な、なんですと!?」
彩華の女戦士然とした風貌に真っ向からの殴り合いを想定していたのか、大首領が困惑の声を漏らす。
その僅かな時間で、溢れ出た呪詛の塊は特設コースの一角に檻とでも呼ぶべきものを作り上げた。
「さて、どのくらいで出てこれるかねぇ?」
或いはそのまま朽ち果ててしまうか。
物理的な破壊など不可能に等しい、この檻の如き迷路に出口は一つしかない。
そうしてキング・ブレインが呪詛の中を彷徨っている間にも、自転車レースは進む。
「周回遅れにしちまえば、ひとまず1位の座を盗られる心配はなくなるってわけだ」
出口の前にどっかと座り込んで、彩華はほくそ笑む。
その大胆不敵な有り様を、一部のキマイラたちもレースそっちのけで見守ること暫く。
「――ゴ、ゴールである!」
速度不足で次元跳躍能力も発揮出来なかったか。
這々の体で呪詛の迷宮を抜け出たキング・ブレインが、愛車と共に倒れ込む。
ぜひゅーぜひゅーと苦しげな呼吸を繰り返すその姿は悪の大首領という肩書に対して、実に哀れであるが――さりとて与えてやる慈悲などなし。
待ちくたびれたとばかりに、彩華の呪詛刀が閃く。
その鋭い一太刀に抗う力は、キング・ブレインに残されていなかった。
成功
🔵🔵🔴
アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、可能なら末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。
正直よくわかんにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ●すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。
基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれーりぃ(正統派なレディ?)』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ●おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」
●アイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)
キマイラフューチャーの片隅で行われている自転車レース。
その熱狂に当てられて、どこからともなく乱入してきたのは悪の大首領、猟書家キング・ブレイン。
彼に1位の座を奪われてはならない。
「――要するにぶっ●しちゃえばいいにゃ」
見敵必殺。力は全てを解決してくれる。
実に単純明快な思考の下、アイクルはドワーフサイズに仕立てられた自転車を駆って大首領撃退に挑む。
とはいえ、その姿は自転車レースを観戦中のキマイラたちが見守るところ。
(「ここはにゃるべくスマートに、れーりぃ(レディ)らしく戦うにゃ」)
自らへと言い聞かせるように決意して、アイクルは一つ小さく頷く。
それが虚しくも徒労に終わったのは、相手が大首領だったからに違いない。
断じて、断じてアイクルの沸点が低かったからではない。多分、恐らく、メイビー。
そういうことにしておくべきだろう。
「ブレブレブレ!」
「ぶっ●おおおおおおす!」
キング・ブレインと相対して暫く、そのおちょくるような笑い声に耐えかねたアイクルはお清楚のガワを脱ぎ捨てて吠えた。
ならばとキング・ブレインもスーパー怪人大全集の一冊を手に取り、3倍もの巨体へと変身を遂げたが――。
「●ぁぁぁぁぁぁっく!!」
猛るアイクルは自身より遥かに巨大な相手の足首をむんずと掴み、そのまま右へ左へと激しく振り回しては自転車レースの特設コース内に叩きつけた。
パワーイズジャスティス。如何に悪の大首領といえど、ドワーフの膂力の前に為す術はない。
そして程なく、アイクルが冷静さを欠片ほど取り戻してみれば。
そこにはいつの間にやら元の大きさへと戻ってしまったグロッキー状態のキング・ブレインと、レースの中継カメラ越しに見た壮絶な光景に言葉を失う幾らかのキマイラたちが在ったのだった。
成功
🔵🔵🔴
フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です
でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください
技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル等の事情でばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です
武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です
●フルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)
キマイラフューチャーの片隅で行われている自転車レース。
そこに乱入してきたのは、悪の大首領こと猟書家キング・ブレイン。
「君の好きにはさせないよ」
未だ余裕を保つ妖精の戦士は、穏やかに宣って武器を構える。
バールのようなものにも見えるその不思議な得物は、不思議な力(物理)で敵を無力化してしまうステッキ。
妖精の戦士にとっては立派な武器であり――しかし、その真価を知らないキング・ブレインにとっては一見して玩具のようにも映る。
「ブレブレブレ! そんなもので吾輩を止められるとでも?」
「やってみせようかい?」
「ぜひとも!」
挑発じみた言葉で応じて、キング・ブレインは背負っていた書架からスーパー怪人大全集を一冊取った。
途端、その身体は3倍にまで膨れ上がる。元より小さな妖精の戦士からすれば、もはや大首領は見上げる程の大きさ。
それでも怖気づく素振りさえ見せないのは、豪胆なのか命知らずなのか。
どちらであるかは語らずとも、すぐに明らかとなる。
「ブレブレブレ!」
また笑いを轟かせながらキング・ブレインが片腕を振るう。
大木で打ち下ろすかのようなそれを、しかし妖精の戦士はひらりと躱して。
余裕の表情は崩さないまま、まるで弾丸の如く迫る先は大首領の喉元。
杖握る腕にありったけの力を込めて振り上げれば、コツーンと軽やかな音が鳴った。
途端にぐらりと揺らいだ巨体が、腰の辺りから勢いよく崩れ落ちる。
「――――!」
悶絶するキング・ブレイン。
妖精の戦士に受けた一撃もさることながら、下敷きにしてしまった愛車ブレインバイシクル1号が思わぬ苦痛の一因となったか。
膨れ上がったばかりの巨体も瞬く間に元の大きさへと戻って。
その姿を見下ろしながら、妖精の戦士は得物を手にしたまま、どうだと言わんばかりの面を見せていた。
成功
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アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
●アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)
キマイラフューチャーの片隅に用意された特設コース。
そこで行われていた自転車レースは、悪の大首領こと猟書家キング・ブレインの乱入というアクシデントを受けながらも、着実にフィニッシュの瞬間へと近づきつつあった。
幾人もの猟兵と戦わざるを得なかったキング・ブレインは、もはや戴冠から程遠いところに居る。
悪の目論見は九分九厘防いだと言っていいだろうが、しかし――。
(「最後まで何をしでかすか分からんからな、ああいう輩は……」)
レースコースの一角に佇み、銀髪の騎士はサングラスの奥で目を細める。
彼方のモニターには、這々の体で愛車ブレインバイシクル1号を漕ぐ大首領の姿が映し出されていた。
事此処に至ってレースを滅茶苦茶にする訳でもなく、さりとて投げ出したり逃げ出したりするのでもなく、しかし猟兵の攻撃にも倒れず。
その不撓不屈の姿勢は、敵といえど称賛に値するものかもしれないが……しかし自転車レースを無事終わらせるようとするなら、最大の不確定要素であるキング・ブレインには完全退場していただくしかない。
悪く思うな――と、アスは胸中で独り言つ。
それから二丁で一組の蒼銃を抜いて、慎重に狙い定めると引き金を引いた。
そして撃ち放たれた熱線に、キング・ブレインが気付いたのは貫かれた後。
察知されていなければ百発百中。射手の符牒に相応しい一射は大首領から苦悶の声を引き出し、ひびだらけになっていたその心をついに砕き割った。
「ええい、かくなる上は……また会おう、猟兵の諸君! ブレブレブレ!!」
敗北するにしても格好だけはつけておきたかったのだろう。
中継カメラの位置も気にして完璧なポーズを決めたキング・ブレインは、猟兵の追撃をも振り切って愛車ブレインバイシクル1号を漕ぎ倒し、超速度で次元を飛び越えていく。
その見た目はさておき、やはり驚異的な能力であることは疑いの余地もない。
しかし、猟兵たちがキングブレインにレースで勝利した(ブレインバイシクル1号に1着の座を与えなかった)という事実は、彼の自転車が持つ次元跳躍能力をも、じわじわと蝕んでいく――はずだ。
かくして、キマイラフューチャーの一角で行われた自転車レースは幕を閉じた。
表彰台にはキング・ブレインの出現以前から見せ場を作っていた4人の猟兵が上がり、それぞれに賛辞を受ける。
また乱入者の対処に当たった者たちにも特別表彰が行われ、ヒーローの新たな勇姿を見守ったキマイラたちは、全ての猟兵たちに惜しみない賞賛を送り続けるのであった。
成功
🔵🔵🔴