4
KINOKOとTAKENOKOの仁義なき争い?

#アポカリプスヘル #戦後 #北関東荒野

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル
🔒
#戦後
🔒
#北関東荒野


0




 アポカリプスヘルの日本、北関東荒野のとある場所。
 大きな戦いが終わったにもかかわらず……いや、絶対的な存在であったフィールド・オブ・ナインが消え去った今だからと言うべきだろう。此処ではとあるオブリビオン二派による諍いが起きていた。
 片や、名をTAKENOKO組。
「今日こそ奴らの頭、その首を取るッ!!」
 もう片や、名をKINOKOマフィア。
「ミーを悩ませていたバットボーイズのインネーンもココでフィニッシュ、ネー!!」
 彼等、アウトレイジなオブリビオン達は自らの縄張りを主張し、そこに住む住人達を撒きこみ日夜抗争に明け暮れている。このままでは犠牲になるんは無辜の人達なので、なんとなく触れてはいけない所に触れないようにしつつ、彼等を打ち倒さなければならないのである。

「……うむ、そういう訳で今すぐアフタヌーンティーを決め込んで、見なかった事にしたい名前が出たような気がするが、その部分は置いておくとして、だ。このままでは、何の関係もない人々が犠牲になってしまうので、この二派が争ってる最中に横槍を入れて撲滅するぞ、カメラート」
 そう言いながらも、既に手に持っている紅茶を入れたカップを口につけて心を落ち着かせながら説明をするのはミーティア・シュヴァルベ(流星は燕が如く・f11420)。
「戦場は、オブリビオンストームによってアスファルトが吹き飛んで道路が土になり、建物も大体が崩落しているが、所々に2階から3階程の建物が立つ、一軒家の密集した住宅街だ。比較的無事な建物にはオブリビオンとは関係ない住人がいて、オブリビオンの抗争に巻き込まれない様に身を潜めている……と言う状況だな」
 決して居住するに適しているとは言い難いが、少なくとも野ざらしで寝るよりはマシであるのだろう。何かしらの理由で住み着いた住人達を守るのも猟兵達の仕事である。
「ふざけた名前だが、組織を名乗るだけあって手下の数は此方の戦力では対処しきれない程に多い。だが奴らは互いに何かしらの因縁がある様で、テレポートした直後に抗争を始める。その戦いを邪魔しない様に戦い数を減らし、かつその上で住人達を守るのが諸君らの任務だ。これより「アンタッチャブル」作戦開始とする。幸運を祈るぞ、カメラート!」


風狼フー太
 ※注意 このシナリオは二章完結のシナリオとなっております。

 一体、誰がこの不毛な戦いの火蓋を切ったんだ。風狼フー太でございます。

 なんとなーく触れてはいけないような名前のオブリビオン系組織二派の抗争によって、北関東荒野はいろんな意味で地獄の様なありさまとなっております。お互いがお互いを殺し合い、住人達は巻き込まれ、まだ住めそうな建物に被害が及び、KINOKO最高だとか、TAKENOKO最強だとかやりたい放題。
 そんな中、最早止められないこの戦いを最小限の被害で抑えるながら、撲滅しちゃおうというのが今回のシナリオとなっております。

 一章は集団戦で、オブリビオン組織の手下共が互いに争っている状況を利用し、その全てを倒してしまうという戦いになります。
 まともに戦うと勝ち目がないので、お互いが滅びるまで抗争を続ける様に仕向け、その上で住人達は巻き込まれない様にする事でこの章は有利に進める事が出来るでしょう。
 二章はボス戦で、手下達を全員失った組織のボスが、互いの確執を乗り越えて、とりあえず猟兵達を倒すまでの間は協力して戦おう!と、挑んでくる章になります。
 この章は今までのボス戦と違い、2体が相手と言う状況になります。強力なオブリビオン二人を捌き切る事が出来れば勝機が見えてくるはずです。

 なおリプレイの傾向ですが、皆様のプレイング次第で多少のネタ感が生まれると思われます。正直、あの名前からしてシリアスな雰囲気にはならないので、やる事はやりつつやりたい様に書いていただければと。

 では、素敵なプレイングをお待ちしております!
56




第1章 集団戦 『レイダー』

POW   :    レイダーズウェポン
【手に持ったチェーンソーや銃火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レイダーバイク
自身の身長の2倍の【全長を持つ大型武装バイク】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    レイダーズデザイア
【危険薬物によって身体機能】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「今日こそKINOKOの首、取るぞォ!!」
「トゥーデェーイがユー達のデッドデイというヤツネー!!」
 お互いのトップが戦いの始まりを宣言すると共に、狂乱に満ちた怒号が辺り一帯に響き渡り、血で血を洗う暴力的なその時を、今か今かと待っていた配下達は我先にと飛び出してゆく。
「KINOKOの奴らだ!やれぇ!!」
「時代遅れのTAKENOKOを根絶やしだぁ!!」
 なんだか名前はアレだが、彼等の暴力を振るう度に、その余波を受けて無辜の人々が住む家々が壊され、火が付き、彼らの住む場所が失われてゆく。このままでは、彼等の命にすら手がかかるのも時間の問題であろう。 
 敵の数は多く、戦いを止める事は出来ない。しかしながら、救える命があり、倒すべき敵がいる。
 であれば、猟兵としての使命を、或いは矜持を、或いはその他の何かしらを満たすには十分な理由だろう。
エリー・マイヤー
KINOKOとTAKENOKOですか。よくわかりませんね。
わかりませんが、こだわりがあるのはいいことです。

ということで、そのこだわり街への被害を抑えるために利用しましょう。
巻き込まれないようこそこそ移動しつつ、
【レプリカクラフト】ででっかいオブジェを作ります。
KINOKOとTAKENOKOの両方を。これ見よがしに。
町を巻き込んでの抗争から、KINOKOとTAKENOKOを守る防衛戦に早変わりです。
まぁ、そのオブジェ仕掛け罠なんで、
壊すと炸裂して破片で大ダメージなんですけどね。

さて、後は見える範囲の住民を【念動力】のバリアや衝撃波で守りつつ、
優雅にティータイムとしゃれ込みましょうか。



 舗装の剥がれ、崩れた瓦礫が散乱する道を抜けて、憎しみの連鎖を告げる怒号に次ぐ怒号が響き渡る。
 同じオブリビオンながら彼等は信ずる物の違いから、それ等二つが何故か相いれないからと言う理由で殺し合う。
 無論、オブリビオンが滅び合うのは世界の存亡からすれば都合の良い事ではある。だが争いの舞台となった此処の街は、その機能を失いながらも、力なき人々が身を寄せる拠り所なのだ。
 それを壊してはならないと水面下で活動を始める猟兵達。そんな事とは知らず、殺し合いを続ける騒乱の最中、一人のオブリビオンが狼狽した声を上げる。
「あ、あれは……まさか!!」
 彼の目に飛び込んできた物、それは天にその矛先を向ける巨大なKINOKO、そしてTAKENOKOの姿であった。
「KINOKO様だぁ!巨大なKINOKO様だぁ!!」
「何故こんな所にTAKENOKO様が!?」
「おい、お前らTAKENOKO様を守れ!ついでにKINOKOをやれ!!」
「押し返せ!TAKENOKOをぶっ壊せば俺達の勝ちだぁ!!」
 突然現れたKINOKOとTAKENOKOを前に、争いの場を二つの下へと移すオブリビオン達。
 その騒ぎを聞きつけ、事態に気が付いた他のオブリビオン達も合流し戦いの規模は徐々に大きくなる。
 そして戦いの規模が最高潮に達したかというその時。
 突然、KINOKOとTKENOKOに亀裂が奔り、大爆発を起こしたのだ。
「あ、あああぁぁ!!!」
 自らが信じていた象徴が崩れ去ったが故の声に、爆発に巻き込まれた悲鳴が合わさり、KINOKOとTKENOKOの下で戦っていたオブリビオン達は皆、悲痛な叫びを上げる。
 その様を、とある建物の屋上から見ている一人の人影の姿があった。
「KINOKOとTAKENOKOですか。よくわかりませんが、こだわりがあるのはいいことです」
 先程のKINOKOとTAKENOKOはエリー・マイヤー(被造物・f29376)が姿を似せて創り上げた仕掛け罠。彼女が何故KINOKOとTAKENOKOの姿を知っているのか?という疑問は置いておくとして、彼等が持つ一種の信仰心を利用しオブリビオンを一か所に集めて一網打尽にする作戦を立てたのである。
「後は離れて高みの見物という訳ですが、上手くいったようですね」
 あの場所に集まったオブリビオンの大体は戦闘不能。戦果として十分であろうと、エリーは上機嫌にカップの中のお茶を楽しむのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大宝寺・朱毘
甘味好きとしては、某終わりなき闘争は唾棄すべきモノでしかない(どっちも美味しく頂いてこそゆえに)
眼前の乱痴気騒ぎはそれとは趣が別かもだが、いずれにせよ見ていて腹の立つ代物であるには違いない。

本当なら戦場の真ん中に躍り込んで暴れたいがそれは無謀らしいので、【ソニック・ワーミー】の射程ギリギリのところに立つ。
両派閥が激突する最前線あたりを狙い、いずれの派閥の別もなく【全力魔法】の【衝撃波】で狙撃。距離的にも気付かれにくいだろうし、乱戦の中であればどこから攻撃されたのやらわかるまい。
万一気付いてこちらに突撃する者があるかも警戒し【視力】で捕捉、距離を駆けてくる間に【カウンター】で射殺してくれる。



「KINOKOの一党を見つけたぞ!野郎共やるぞぉ!」
「TAKENOKOだぁ!殺せぇ!!」
 戦いは混迷を極めていた。多数の軍勢によって大規模で行われている戦いは広範囲に及んでいる。
 一体何が彼等をそこまで駆り立てるのか?KINOKOとは、TAKENOKOとは一体何なのだろうか?
 答えは彼等のみが知る物の筈。知ったら知ったで何か面倒毎に巻き込まれそうなそんな予感にも満ち溢れている。
 だからこそ、それはそれとして、である。此処はとある戦場の一角。此処でもまたKINOKOとTAKENOKOの勢力は、狂気に満ちた暴力を振るう殺し合いを繰り広げていた。
 今まさに敵を骸の海へと送り返したオブリビオンの一人が、次の獲物を見つけるべく辺りを見渡していた時である。
「あべふっ!?」
 突然、目の前で味方の一人が体を何かに打ち付けられた様に、横へと吹っ飛んだのである。
「おい、どうしたぁ!?」
「……お、おと……」
 駆け寄ってくるオブリビオンにそう言い残して骸の海へと帰るオブリビオン。その隙だらけな背中を見逃す程、敵のオブリビオンも間抜けではない。
「あの世へ行きやがれ……へぶらぁ!?」
 手に持ったチェーンソーを振り下ろすその瞬間、先程見た光景と同じ様に敵たるオブリビオンもまた何かに打ち付けられた様に吹き飛んで行く。
「一体何が起こって、ふらばぁ!?」
 辺りを見回して警戒するオブリビオン。だが、その努力も空しく彼もまた二人と同じ様に吹き飛ばされ意識を失ってゆく。
 その彼が、最後に聞いたのは確かに、甲高く音を鳴らすギターの様な音であった。

「甘味好きとしては、某終わりなき闘争は唾棄すべきモノでしかない」
 所変わって、彼ら三人がいた場所から、視認できない程に遠く離れたビル。屋上から二階あたりまで壁が崩れ外を見渡せるそれの床の縁に立つ大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)は、誰にも聞かれる事の無い苛立ちを口から吐き出していた。
「眼前の乱痴気騒ぎはそれとは趣が別かもだが、いずれにせよ見ていて腹の立つ代物であるには違いない」
 きっとおそらく。単に名前が似ただけだろうがそれはそれとして、そもそもオブリビオン同士のいざこざ等好んで見る物ではないのは確かである。
「だから今のあたしはご機嫌ナナメだ」
 肩から掛けたギターのコードを左手で抑える。猟兵たる朱毘の目は、距離故に砂粒よりも小さなオブリビオンを見逃すことはない。
「あたしの音の弾丸、聴いて倒れろ!ソニック・ワーミー!」
 思いのままに右手でかき鳴らすギターから、文字通り音速の弾丸を発射する朱毘。彼女の演奏は、目につくオブリビオンが居なくなるまで終わる事はないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

田丸・多摩
では、おちょくるだけおちょくってみましょう。
まず用意するのはカゴ二つ。それぞれにキノコとタケノコを山盛りに。
それらを担いで【ゴッドスピードライド】で戦場へ。キノコ陣営に突入してはタケノコをべしべし投げつけ、反転してタケノコ陣営に突入してはキノコをべしべしと投げつけます。
それが痛いの何のということはないでしょうけど、とにかく馬鹿にされたと伝わればよろしい。
あとは逆上した彼らにチェイスされつつ逃走劇。人々の生活に影響の出ない、荒野あたりまで導きましょう。
十二分に人々の生活圏から引き離せたというところでスピードを数段上げ、レイダーらを仏恥義理ます。
「ふん。まるで気合いが足りねー……足りませんね♪」



「あのクソ女をぶっ殺せぇ!!」
 何という事であろうか。あれほどまでに、KINOKOとTAKENOKOに別れて争っていたオブリビオン達が纏まり一つの目標に向かっているではないか。
「なんだかよくわからねーが!馬鹿にされた事だけは伝わったぜェ!!」
 その目的が、KINOKO達にタケノコを、TAKENOKO達にキノコをぶつけてからかった田丸・多摩(謎の裏方お姐さん・f09034)を追い詰めて始末する事であるのは、何とも言い難いがともあれである。
 KINOKOとTAKENOKO達が争っている戦場を、バイクに跨り颯爽と横切りながら彼等を煽りに煽った多摩は両方から敵と見なされ、刺々しい装飾が施されたバイクに跨った無数のオブリビオン達から追われる身。
「まったく。少しふざけただけですのに堪え性の無いお方たちばかりですねぇ」
 くすくすと笑う多摩が跨るバイクが猛スピードが曲がり角をドリフトで抜け、舗装の剥げた道路からむき出した大地が土煙を上げる。それと同じ様に追いかけてくるオブリビオンの軍勢をちらり、と見た後に周りを確認する。
 いつの間にやら住宅街からかなり離れた場所まで来ており、辺りに広がるのは一面の荒野。此処ならば――。
「仏恥義理かましても、問題ないですわね」
 自分の後を追わせる為の枷はもう必要ない。さらに一段階上のギアへと入れ替え、アクセルを全開で吹かした多摩のバイクは先程までとは比べ物にならない程の加速を見せる。
「な、なんだあれ!」
「は、速えぇ!!」
「ふん!まるで気合いが足りねー……足りませんね♪」
 慌ててアクセルをふかすオブリビオン達だが、彼女のスピードについてこられる者はおらず、多摩の姿はみるみる内に豆粒よりも小さくなってゆく。
「逃がしたじゃねーか!てめぇらKINOKOの間抜け共のせいでよぉ!」
「あぁ!?TAKENOKOの分際が!テメェらがノロマだからだろうがぁ!」
 憎き彼女を逃がした事で募る苛立ちを発散させる矛先は、次第に元々敵であった者同士の方へ。多摩という存在によって纏まっていた連合軍は此処に崩壊し、荒野の中で、無関係な住人に被害を与える事のない、血みどろの戦いが再び勃発したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック(サポート)
『めんどーじゃけど引き籠る為に』

アメジストのクリスタリアンで、熟練の電脳魔術師
攻撃手段は電脳魔術・もしくは電脳魔術や現代技術を使ったトラップ
電脳魔術はミサイルや機銃、大型兵器も精製可能
トラップは地雷、機雷、ワイヤートラップなど様々
またハッキング技術も長けており、機械コンピュータはもちろん、電脳魔術を応用することにより、空間に直接ハッキングを仕掛け、情報を収集することもできる
正々堂々よりかは、搦手で弱点を的確に攻撃するタイプ
心理誘導をしたり、囮を使ってなどもする
仲間との連携は歓迎です

喋り口調は広島弁
「じゃけん→じゃけー」「じゃけえのう→じゃけーのー」と語尾を伸ばすのが特徴的



「へへへ。むかつく奴をぶっ殺した後ってのはションベンがしたくなるってもんよぉ」
 ズボンを下ろし、元は何かしらの建物だったであろう瓦礫の山に向けて用を足す一人のオブリビオン。
 引き締まった筋肉、それに羽織ったジャケット、瓦礫に立てかけた武器等、至る所に付いている返り血がKINOKOかTAKENBOKOの何方かを打ち倒した直後である事を示していた。
「さーって、またぶっ殺しに行くかねぇ」
 出す物は出したと、ズボンを上げて来た道を戻るオブリビオン。此処までの道のりに危険が無い事は解っており、土に残った自分の足跡を辿れば元の場所まで辿り着くのは容易である。
 だからこそ、次はどの様に敵を倒すかという事だけを考えていた彼が、避けられたかどうかはともかく足元で鳴ったカチり、と言う音に気が付かなかったのは無理もないだろう。
 ほんの小さな音のすぐ後に小さく、しかし人一人を倒すには十分な爆風が吹き荒れ、それに煽られて小さな鉄片が彼の全身を貫き、仲間の誰にも知られる事無く彼は骸の海へと還ったのであった。

「そがいな所で一人になれば、こうなるじゃけーの」
 空間に浮かぶ、実体のないカラフルに光るモニター越しにそれを見ていたメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は自らが仕掛けた事とはいえ、余りの不用心さに溜息を浮かべていた。
「まあ、楽できるのはいい事じゃけー、この調子で頼むのー」
 モニターを見ながら、誰かに向かって言葉を掛けたメイスン。オブリビオンに見つからない様に、と入り込んだ建物の中にいるのは、此処で雨風を凌いでいた子供の兄妹二人だけである。
 にもかかわらず、それに応えて幾つもの足音が響き、彼女の横から扉を開けて出て行く様に遠ざかってゆく。
「まともに戦うとか面倒じゃけん。トラップ作成は任せたけーのー」
 足音の正体は、メイスンのユーベルコードで召喚した不可視の工作兵達であった。今しがたオブリビオンの帰り道に爆破トラップを仕掛けたのも彼等であり、彼等をモニター越しに見たメイスンが戦況を把握し、指示を出す事で状況を好転させる。
 本人曰く楽がしたいと言う事でこの様な戦いをしているが、それは指揮官と兵士の関係と言い換えても良く、事実、彼女の兵士は着実に成果を上げていた。
「……」
 その様子を訝し気な視線で見ていた二人の視線に気が付いたメイスン。警戒する二人に、敵意が無い事を示す様にゆっくりと近づいた彼女はそっと腕を伸ばすと、頭を撫でる。
 子供二人の親がどうなっているのかを知る由はないが、少なくともオブリビオン達を倒す事が出来れば、この二人を彼らが傷つける事が出来ないのは確かな事だ。
「大丈夫じゃきー、お姉ちゃんの仲間は皆強いから、悪い奴らを懲らしめてやるからのー」

成功 🔵​🔵​🔴​

御鍔・睦心
ドクター・オロチの噂を聞いて異世界に来てみれば、妙な話になってやがる。
面倒だ、纏めてシメるぞ。

イグニッションして七支刀を取り出し【ヘヴンリィ・シルバー・ストーム】。
【天候操作】で銀の雨を降らせ、万色の稲妻による雷【属性攻撃】の【範囲攻撃】で両軍の敵を【蹂躙】。
屋内に逃げた敵も屋根の穴等から逃さず打ち据えつつ、この場から離れないとヤバいと吹き込み【恐怖を与える】事で敵を撤退させる。

「この襤褸屋共じゃ隠れ切れねぇ、遠くまで離れるしかねぇぞこれ!!」

また同時に優しい雨で一般人の現地人達に【元気】を与え、傷を癒す。

しかし、世界が違っても変わらねぇモンはあるんだな。
変わらねぇのそれかよ、って気もするが。



「ドクター・オロチの噂を聞いて異世界に来てみれば、妙な話になってやがる」
 どの世界であっても暴力の使われ方という物は変わらない。他者を拒絶し、支配し、虐げる。それに対抗できるのは力だけであり、その力が暴力であれば、その先にあるのは凄惨な殺し合いしかない。
 その地獄の最中に降り立った御鍔・睦心(人間の魔剣士・f35339)の周りには銀色の雨が降り注ぎ、その中を一歩、また一歩と歩みを進めてゆく。
「面倒だ……纏めてシメるぞ」
 オブリビオンなる有象無象の塵芥。平和が訪れた筈の自らの世界に再び降り注ぐ脅威。その全てを再び押し流さんと、彼女の周りに降り注ぐ雨は荒れ狂い、空には稲光が奔っていた。

「屋根だ!屋根を探せぇ!!」
 一方その頃。荒れ狂う雨の中を一心不乱に屋根を求めて走り回るオブリビオン達。KINOKOとTAKENOKO両派の諍いの最中、突然降り出した雨と共に鳴り響き落ちた落雷は、そこにいた者達へと無差別に降り注ぐ。
 まるで視界の利かない豪雨の中、落ちてくる落雷に怯えながら、漸く見つけたまともな建物の中へと必死に辿り着くオブリビオン達。
「ひっ……!?」
 突然、家の中へと押し入った彼等と共に小さな悲鳴が上がる。先客の正体は、運悪くその建物を寝床としていた子供、その母親の声だ。
 何の力を持たない彼女にとって今できる事は、ただひたすらに耐えて、何事もなく彼らが去る事を祈る事のみ。
「ママァ!ママァ!!」
「うるせぇ!ピーピー喚くんじゃねぇ!」
 だが。その事を子供の方は知る由もなく、彼にとって母親は今まで自分を守ってくれた英雄なのだ。
 助けを求める鳴き声に苛立ちを隠さず殴り飛ばそうとする手を、身を挺して母親が庇い地面へと倒れ伏す。
 そして。まるでそれを見ていたかの如く、先程よりも強く稲光が奔ったかと思えば、落雷は屋根の小さな穴を蛇の如く突き抜け、手を上げたオブリビオンを焼き尽く。
「雷が曲がりやがったぁ!」
「この襤褸屋共じゃ隠れ切れねぇ、遠くまで離れるしかねぇぞこれ!!」
 今度は彼等の側から悲鳴が上がり、何処からともなく上がる声に押されて、再び雨の中へと出てゆくオブリビオン達。
 だが、恐怖に駆られたオブリビオンも、恐怖に怯えていた母子も気が付かなかったが、先程の声は女性の物だ。彼等オブリビオンの中に女性はいなかったはず。
「……怪我した所、雨に濡らしてきな。少しは良くなるぜ」
 全てのオブリビオンが立ち去り、ただ一人そこに立っていたのは睦心。
 ユーベルコードの雷によって恐怖心を煽り、此処が安全ではないを吹き込む事でオブリビオン達を立ち去らせた睦心は、素っ気ない声と共に母親へと手を伸ばす。
 暴力が世界が変わろうと価値が変わらないならば、慈愛や献身と言った物の価値も変わらない。ならば、それを守り、施す事に彼女は躊躇わない。
 最も、である。
(その代わりに倒したはずのドクター・オロチだとか頭のイカれた悪党だとかが、異世界に変わらずいるってのもつり合い取れねぇがな)

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『サイバーレイダー』

POW   :    パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 イェーガーがTAKENOKO組、KINOKOマフィアの争いを利用し、両派のオブリビオンをほぼ一掃し終えた時、同じくして。
 一部の壁や天井の崩れた、何かしらの大きな施設であっただろう建造物の一室では、TAKENOKO組、KINOKOマフィアを纏めてる……いや、纏めていた二人が顔を合わせていた。
「よくもまあ、儂の前にその面ァ出せたもんよ」
「口は御立派ネー。弱いドッグ程良く吠える物デース」
 お互いがお互いを、殺し兼ねない雰囲気を纏わせながらも、因縁の仲である筈の二人は手を出さず言葉を交す。
「つまり、一時休戦っちゅうわけじゃ」
「オフコース。先ずはイェーガーをゴートゥーヘル。貴方との戦いはその後ネー」
 今ここで二人が争えば、イェーガーの思うつぼである。目の前の相手よりも、今だけはイェーガーに対する憎しみが上回ったが故に、二人は此処にいた。
「行くぞォ!こっちから出向いてブっ叩く!!」
「ミーに命令はノーセンキュー!でもその意見にはイエスって言ってやるマスネー!!」
 呉越同舟とはよく言った物。強大な外敵の存在を前に過去の因縁、恨みつらみを一先ず棚に上げた二人は、一先ず手を組みイェーガーとの決戦に挑むのであった。
エリー・マイヤー
強大な敵を前にライバル同士が手を取り合う。実に感動的な展開ですね。
でも滅ぼします。反社会的勢力に与える慈悲はありません。

とりあえず念動力でふわりと浮いて距離を離しつつ、
【念動ハンド】でいろんな角度からぶん殴ります。
ついでにパワーアシストアーマーの攻撃に備えて、
半分くらいの手は攻撃させずに浮かしておきましょう。

で、敵が充電を終えて攻撃してきたら浮かしておいた手の出番です。
攻撃中の敵の腕やら足やらを引っ張って角度を調整し、
更にもう片方の敵を突き飛ばして位置を調整して、同士討ちを誘発させます。
これで仲間割れしてくれたらラッキーですね。

…なんかこれ、私の方が悪者っぽいですね。
いや別にいいんですけども。


イツキ・サクラザキ
連携歓迎
「共通の敵が居れば団結する、と」
面倒な状況だが奴さんたちは急造のペア、しかも互いに憎み合ってるなら足並みを崩すのは難しくない筈。索敵で敵の位置を探し相手に気取られぬように狙撃。狙うのはKINOKOマフィアの方。
「悪いが俺はタケノコ派だ」
「さて、ここは撤収だ」
見つかればUCを用いて逃げの一手。オーラで身を守りつつ残像で惑わしながら距離を取りレイダー軍団を撒いて無事逃げ切れたら隠れて狙撃と言うパターンを繰り返す
基本的に狙撃はKINOKOの方が倒れるまでそちらのみに行うが、味方が危ない場合など牽制が必要な場合は別。
「一方だけが狙われ続けて手を組み続けられるものかね」
拝見させてもらうとしよう



「チクチクチクチクと、何か飛ばしやがって煩わしい!」
 苛立ちの見える声と共に、武器をしっかりと構えて防御を固めたTAKENOKO組のオブリビオンが、何かに叩かれた様に僅かに後ろへと下がる。
(強大な敵を前にライバル同士が手を取り合う。実に感動的な展開ですね)
 その様子を距離を取って空中から見下ろし、漫画か何か様な光景に一種の感動を覚えていたのはエリー・マイヤー(被造物・f29376)だ。透明な念動力で出来た手の上に乗り、空中にふわりと浮かんだエリーは、乗っている手を同じ様な手を幾つも作り、オブリビオンへと牽制を仕掛けていた。
「でも滅ぼします。反社会的勢力に与える慈悲はありません」
「反社会的勢力とはなんじゃぁ!TAKENOKOの何が悪いんじゃぁ!!」
「まったく。貴方の様な粗暴なTAKENOKOなぞがいるからKINOKOまで勘違いされていマース!」
 世界を滅ぼす存在であり、先程までアポカリプスヘルに住む人々の生活を脅かしていたオブリビオンを反社会的と評するエリーの言葉を、猟兵を倒す為に協力しているとはいえ、元は敵同士である当の二人は、お互いがお互いの所為でその様に言われたと信じて疑わない様子。
 何かにつけていがみ合う二人だが、実力だけは本物である。
「おいKINOKO!力を溜めるから儂を守れ!!」
「TAKENOKOの分際で生意気デスが、今回ばかりはいいでショウ!!」
 電撃を纏い、蒸気を吐き出す武器を真上に構えたTAKENOKOのオブリビオンを守る為、ユーベルコードで召喚した物言わぬ機械化レイダー軍団で円形に陣を組むKINOKOのオブリビオン。
 エリーの手に対抗する為に数と言う壁で周りを覆い、時間を掛ける程に強力になる一撃の時間を稼ぐ二人。そして十分な時間を費やしたTAKENOKO組のオブリビオンがエリーへと向かおうとする。
(悪いが俺はタケノコ派だ)
 そんな二人の内、KINOKO組のオブリビオンへ照準を合わせていた男が一人いた。何やら危なげな言葉を放つイツキ・サクラザキ(ウォーマシンのサバイバルガンナー・f30883)は、彼の体と繋がる銃の照準を膝に合わせ、放った銃弾は甲高い金属音を鳴らし、予想だにしない一撃はKINOKO組のオブリビオンの膝を折る。
「ワッツ!?」
「何じゃぁ!?」
 突然、TAKENOKO組のオブリビオンの前に倒れこんだKINOKO組のオブリビオン。それに驚いた隙を突き、エリーは透明な手でTAKENOKO組のオブリビオンの体を掴む。
(……なんかこれ、私の方が悪者っぽいですね。いや別にいいんですけども)
 手に力を入れてオブリビオンの体の向きをずらし、充電を重ねた一撃をKINOKO組のオブリビオンへと叩きつけるエリー。
 咄嗟に、彼の持つ武器と同じ様な武器で防いだKINOKO組のオブリビオンへ、TAKENOKO組のオブリビオンの怒鳴り声が響く。
「何やっとるんじゃぁテメェ!」
「ミーの所為ではありまセーン!あそこにスナイパーデス!」
「流石にバレるか。さて、ここは撤収だ」
 KINOKO組のオブリビオンが指を差した方向では、キャバリアに乗り込み距離を取るイツキの姿。再び狙撃をされてはなる物かと機械化レイダー達に後を追わせるKINOKO組のオブリビオン。
(……KINOKOの奴はやっぱり信用ならねぇ。この戦いが終わったらその首きっちり取らせてもらう)
(今はTAKENOKOに構っている暇はありまセーン……後で思い知らせてやりマース)
 渾身の一撃を凌がれた二人のダメージはさほどではない。だが、彼ら二人の間に早くも不信の種が撒かれたのは間違いない。
 今すぐにどうにかなる物ではないだろう。だが、猟兵を倒す為だけに繋がった絆は早くも綻びを見せ始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御鍔・睦心
両方の頭(ヘッド)がガン首揃えてお出ましとは、手間が省けたな。
ドクター・オロチの情報も得られそうもねぇし、茸も筍も纏めて刻んでやるぜ。

鞘の無い刀を取り出し、その【リミッター解除】した内蔵回転動力炉から【エネルギー充填】。
己の【闘争心】と【殺気】を増幅して闇のオーラに変え【黒影剣】。

「あの街で好き勝手暴れやがったオトシマエは、付けてもらうぜ!!」

視聴嗅覚で認識されない状態から、1人ずつ闇のオーラを乗せた【斬撃波】でパワーアシスト機能の配線を【切断】。
その後は闇のオーラを込めた斬撃で1人ずつ叩っ切り、【生命力吸収】しつつダメージを与えていく。
敵の攻撃は【野生の勘】で察知し、刀で【受け流し】て弾く。



「両方の頭(ヘッド)がガン首揃えてお出ましとはな」
 KINOKOのオブリビオンが放つ縦の一撃を、勘と共に体を捻り、TAKENOKOのオブリビオンが放った横薙ぎを横に構えて滑らせる様に受けながら、下をくぐり抜けて構えを戻す御鍔・睦心(人間の魔剣士・f35339)。
「ちょうどいい。ドクター・オロチの情報も得られそうもねぇし、茸も筍も纏めて刻んでやるぜ」
「やってみろやぁ小娘!おい、今度こそ、儂を守れよKINOKO!」
「シャラップ!TAKENOKOの分際で命令はノーサンキュー!!」
 最早ここで得られる宿敵の情報はなく、ならば後はこの二人を相手取るだけだと言う睦心。その言葉を挑発と受け取ったか、再びTAKENOKOのオブリビオンが持つ武器が電撃を纏い蒸気を吐き出す。
「最早、ミーに油断も隙もナッシング!」
 今度こそ猟兵達に一矢報いる為、彼女を通すまいと防御の構えを取るKINOKOのオブリビオン。
 先程は不発に終わったが、まともに喰らえばひとたまりもないであろう一撃を放つ為の準備。それを見て、睦心は腰よりも下に刀を構えて、姿勢を低く取る。
「起動(お)きろ。闇を纏え、裸一貫!」
 彼女の言葉と共に鞘無き刀、裸一貫に取り付けた、古びた回転動力炉が唸りを上げる。かつて世界を守り、そして今再び起動した兵器が吐き出した闇を纏って、一気にKINOKOのオブリビオンへ肉薄した睦心の体は、まるで初めからそこに誰もいなかったかの様に、一瞬にして消えて失せる。
「ば、バニシング!?ガッ!!」
 首を左右に振って、視界から消えた睦心の姿を探すKINOKOのオブリビオン。そんな彼の体を正面から斜めに切り上げ、膝を付き低くなった右腕に右足を乗せて上に駆けあがり、右肩で左足を踏み切って睦心は宙へと飛ぶ。 
「あの街で好き勝手暴れやがったオトシマエは、付けてもらうぜ!!」
 両手に持ち、大きく上に振りかぶった裸一貫の一撃は、KINOKOのオブリビオンが持つ武器の配線と共に、TAKENOKOのオブリビオンの体すらも切り裂いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリミネル・ルプス(サポート)
関西弁の元気な肉体武闘派人狼。
人狼の身体能力と鍛えた格闘技で戦う。
痛み等の耐性用いての潰し合い上等。
体内に蓄積させた糖原物質を使用した搦め手も使う。
周囲(空間、物質)の匂いからの状況把握推察も可能。

基本は『生き残る事』だが、オブリビオンは許さない姿勢。
特に命や尊厳を踏み躙る系統には本性(真の姿など)が出る。
【ネタ、絡み、合わせなど歓迎です】
【肌の露出やエッチな事には羞恥心はあまり無い。彼氏持ちで一線は超えさせない】

・真の姿時
身体能力の向上と体の変化。
戦闘思考が先立ち、やや、残忍(確実にトドメ刺す)



「認めねぇ……はらわたが煮えくり返るんを飲み込んで、KINOKOと手ェ組んだんだぞ……それが」
「ミートゥーですよ……TAKENOKOの力だけは認めてやってました……!なのに、ホワイ!!」
 いくばかの猟兵達との戦いに苦戦を強いられ、KINOKOとTAKENOKO双方のオブリビオンは体、武装共に傷が無い所は無いという程に疲弊している。
 猟兵を倒す為、憎き相手であろうと手を組む。その判断自体は間違いではないのだろう。だがしかし、だ。
「……いやーな匂いや」
 しかめっ面と共に彼等を睨みつけているクリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)。
 お互いを信頼せず、ただ目的の為に利用していると言う部分と、それ以前にこの世界に住む力ない人々と、彼等の配下達が流した血。
 その不快な匂いを嗅ぎ分けたルプスは、不愉快を隠さず彼等に拳と怒りを向けていた。
「不信やら不満やら、色んな悪い物が人の血と一緒にたっぷりしみついとる。そのKINOKOやらTAKENOKOやらで、随分暴れてくれたんやなぁ……覚悟はでき取るな?」
「うるせぇ!おい、此処を凌ぐぞKINOKO!!」
「シャラップTAKENOKO!次何か口を開いたらユーからキルしてやるデース!!」
 仮初の同盟も殆ど瓦解しているが、それでも目の前の危険だけは避けねばならない。ルプスに対して機械の軍団をけしかけるオブリビオンに、自身の体から糖分を両手に集めて砕き、握りつぶし固めたルプスは、彼等に向けて照準を合わせる。
「キノコもタケノコも、甘い奴だけでじゅーぶんや!」
 銃弾の思わせる程に圧縮し、硬化させた糖分。それを親指で、マシンガンの如く高速で弾き飛ばし、機械の軍団を、そして二人のオブリビオンを巻き込み掃射するルプス。
「チ、チキショウ!KINOKOなんぞと手を組んだのがやっぱり間違いじゃったわ……」
「その言葉そっくりお返ししマース!!TAKENOKOなんていうバッドガイと組んだのがミステイクでした……」
 無数の甘露の弾丸に撃ち抜かれて、骸の海に還るその時まで互いをいがみ合っていた二人は此処に消えた。
 それが、どれほど此処に住む人々の救いになるかはわからない。
「……それでも。生きてるって、大事やからなぁ」
 ただ。高速の連射で加熱した両手を体の前で振って冷やし、頭を掻いて呟いたルプスの言葉が、この世界の空に溶けて消えていったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年12月06日


挿絵イラスト