【サポート優先】強さを知らぬ海賊達
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●今日この日がついに来たけど
長かった。かつて七大海嘯に島周辺の海域を荒らされ続け、存在が忘れ去られたその島は、大戦の後も残党に苦しめられていた。
戦力が無い。すっかり縮こまってしまった島の海賊達には恐怖が深く根差しており、それは七大海嘯の脅威が去ったからと言って一朝一夕でどうにかなるものではない。コンキスタドールを前にすれば条件反射的に体が固まり、追い返されるか逃げ帰ってくるかのどちらかだった。
月日をかけ、島の者達で声を掛け合い、支え合ってようやく辿り着いた決起の日。しかしそれも確実な自信がついたからではない。それ以上は何をしても無意味、と島の雰囲気が認めてしまったからだった。
つまりこの日、島の海賊達が敗北を喫するならば、この島は未来永劫、コンキスタドールの恐怖の前に閉ざされた島となってしまうのだ――。
●グリードオーシャン・4thラウンド
「未来が危うい島の悪夢を見てしまいました! 皆さんの力が必要とされています! 行きましょう!」
大戦は無事に終わりを告げた。結果は言うまでもなく、集まった猟兵達の知るところだろう。ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は今日も力強く冒険の1ページをめくっていく。
「この島はこれまでずーっとコンキスタドールの脅威に怯えてきたのですが、今、力を振り絞って戦いを挑もうとしているわけです! ですが、負けてしまいます! 島の人達は頑張りましたが、やっぱり限界があったみたいです!」
強くはなった――と島民達は思っている。確かにその通りではあるのだが、彼らは井の中の蛙に過ぎない。彼らの尺度での強さとは、絶対的に見ればまだまだコンキスタドールには及ばないのだ。
「ですが、今ならまだ少しだけ時間があります! なので皆さんには、島に行って海賊さん達をもうちょっと鍛えてあげてほしいんです! 勉強でも『人に教えると自分自身の理解が深まる』ということがあるかと思います! それと同じで、海賊さん達を鍛えている内に皆さん自身も鍛えられる、ということがあるのではないでしょうか! そんな感じの、言わば『強化合宿』を期待したいところですね!」
もちろん、鍛えてそれで終わりではない。島の海賊達に必要なものはもう一つ。
「海賊さん達と訓練した後は、やっぱり『やってよかった』と思える成功体験が必要なのではないかと思います! ですからそのまま、海賊さん達と協力してコンキスタドールをやっつけてしまいましょう! ちなみに出てくるコンキスタドールは『オクトポッド』という、壺を持ったタコです! 海での戦いになりますが、海上では飛行や転移といった強力な移動行為が阻害されていますので、そこだけ注意が必要ですね! 色々な世界で新たな動きがありそうな気がしなくもないのですが、今救えるものは救っておきましょう! というわけでどうか、よろしくお願いします!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
やっぱり魚介は鮮度が命ですよ。
●フラグメント詳細
第1章:日常『強化合宿』
皆さんが「鍛えたいなー」と思う部分を島の海賊達にレクチャーしつつ、ちゃっかり自分自身も鍛えちゃいましょう。
頑張れば島の海賊達だって超必殺技の一つや二つ……出せるようになるかな……?
第2章:集団戦『オクトポッド』
船を出しての海戦になります。こいつらは海から襲ってくるので海上戦、船上戦どちらもありです。
海賊達は力こそまだまだな部分がありますが、海域の知識は豊富ですのでそこを頼るのもいいかもしれません。
とにかく何でもいいので「俺達はやったぞ!」と思ってもらえるような戦いができればいい気がしますよ。
第1章 日常
『強化合宿』
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POW : 体力を鍛錬する
SPD : 気力を鍛錬する
WIZ : 超必殺技を編み出す
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ノエル・フィッシャー(サポート)
『例え全ては救えずとも、誰一人として見捨てはしない』
・雑な扱いでもいいのでどんどん採用してくれると嬉しいな。
・【コミュ力】を有効活用出来そうな状況ならばそれを使うよ。なくても目的達成のために最善を尽くすよ。
・ユーベルコードは所持してるものからいい感じのを使うよ。
・他の猟兵との絡みも歓迎だよ。共闘するのなら、ボクは補助に回っても構わないよ。
・もし男なのか女なのか問われたら「見ての通り」と答えるよ。モニターの前のキミにも、ね。
・他の猟兵に迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動はしないよ。
あとはお任せ。好きに使ってね。
●鍛錬に近道はないが
「……なるほどね、何かしらの技を身に付けたい、と」
「えぇ、俺達に必要なのは相手をバッタバッタ倒せる凄い技だと思うんで……お願いしやす!」
今日も快晴の浜辺には、ノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)と十人の海賊達。波打ち際、日で焼けて熱いだろうに、海賊達は砂浜の上に土下座してノエルに教えを乞いている。
海賊達は熱意こそありそうだったが、思想は戦場に立つ者として些かの不安が残る。決戦までの数日という限られた時間の間に敵をなぎ倒せるほどの技など、猟兵でも編み出すのは容易ではないと言うのに。
しかし、誰かがこの熱意を買ってやらねば彼らは一生負け犬だ。それにノエルには掲げる信条がある。
誰一人見捨てはしない――それは目の前の彼らとて例外ではない。
「……頭を上げなよ。キミ達に必要なのはそんな身をやつす行為ではない。キミ達の期待に沿えるかどうかはわからないけど、このボクが、全身全霊をかけてキミ達を鍛えようじゃないか」
「あ……ありがとうございやす!」
「遠い国の武の鍛錬法でね、『百人組手』というのがあるそうだ。百人を相手取り連続で組手を行う――それには体力、精神力、そして技術が備わっていないといけない」
カトラスを手に整列する海賊達へ、ノエルは丁寧に説明する。流派は少々異なってしまうが、海賊達にも根性論的鍛錬法は効くと判断したのだ。
もちろん百人を一人が相手取るのは無謀の極みなので、十人全員で相手取る、と条件付けして。
「ですが、百人なんてどこにも……」
「それは今からボクが呼び出そう。ただし、注意しておいてほしいのは……現れた瞬間から組手は始まっているということだ。開始の合図を待っていると、あっという間に斬られてしまうからね」
「わかりやした……!」
場に緊張感が走る。ノエルはこれから大立ち回りを始めようという海賊達と距離を置くと、
(――――)
目を閉じ、意識を内に集中させる。そして感情を強引に揺り動かしていくと、浜辺にぼうっと火が灯るように、幻影の親衛隊が召喚され始めた。
その瞬間から百人組手は始まっているのだ。親衛隊達は現れるや否や海賊達に剣を向け、砂浜をざしざしと踏み鳴らす。
「おい、きっとあれだ! 行くぞ!」
ノエルは何も言わない。海賊達は自ら判断し、親衛隊達に立ち向かっていく。砂浜での立ち回りには自信があり、召喚される親衛隊達もまだ数が少なかった。カトラスを掲げる海賊達と幻影の親衛隊達の剣戟が演じられようとしていた。
海賊達のカトラスの扱いは独特だった。刃に刃をぶつけて引く。海戦ともなれば足場は不安定。踏み込むよりも反動の少ない動きを追求した結果だった。
一体の親衛隊に対し、一人が刃を引き受ける役目を果たす。親衛隊の左右から来る薙ぎ払いを受けて凌ぎ、その間に二人、三人がかりで後方からカトラスの先端を突き立て、討ち取っていく。
討ち取れば息つく暇もなく次の親衛隊がやって来る。何せ百体――とは名目上であり、実際は百九体となるのだが――を相手にしなければならないのだ。休んでいては日が暮れる。
海賊達は体力と気力を削りながら集団相手の立ち回りを体に叩き込まれていた。太刀筋がいくらか良くなっただろうか。一撃必殺の技とまではいかずとも、同時斬り、多段斬りといった連携の技術を高めていった。
その様子を、いつ頃からかノエルは目を開き、性格に似合わず睨みつけていた。
(良い連携――いいやダメだ、あれはダメだ、あんな剣捌きではコンキスタドールにやられるじゃないか!)
ノエルは人知れず己と戦っていた。それは何故か――かの親衛隊達はノエルが不興を感じることで召喚される。
つまりはノエル自身、この場に於いては海賊達の鍛錬相手を召喚するために「不興を感じ続けなければならない」のだ。
褒めてはいけない。粗探しに徹し、己の心を不興に晒す。誰がそんなことを望んでやれるというのか。海賊達を鍛錬する傍らで、ノエルもまた精神修行の身に在った。
加えて百九体の親衛隊達は同時召喚ではいけない。本来何の制約なく召喚される彼らを自ら律して動かすのは生半可でない精神状態の操作技術が必要だった。
海賊達は全身から汗を迸らせている。片やノエルも脂汗を流しながら、最後まで親衛隊を不自然なく連続的に召喚し、海賊達の期待に応える。
海賊の一人が体力の限界で倒れ、二人目が倒れ、三人、四人――最後は水増しされた親衛隊を残った三人の海賊達が仕留めると、同時に三人とも砂浜に崩れ落ちた。
「どう、だい……? 何か、掴めただろうか……」
「何となく……わかった気がしやす……ありがとう、ございやす、ノエルさん……」
何故ノエルまでもが満身創痍なのか、というところへ気が回らないほどにやはり満身創痍の海賊達は、各々が新しい剣の感覚を掴み、手応えを感じているようで。
その海賊風な口調を最初の粗にしなければならなかったノエルもまた、何物にも代えがたい精神力を手にしたような気がしていた。
成功
🔵🔵🔴
コノカ・ハギリガワ(サポート)
『やるわ。私に任せなさい!』
サイボーグの鎧装騎兵×戦巫女、18歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
出身世界:スペースシップワールド
性格:勇敢
戦場では積極的に前線に切り込み、敵の注意や攻撃を引き受けます
・戦闘
勇翠の薙刀を主に使って戦います
また、エメラルドアームから発生させた障壁で仲間を庇います
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●波との戦い
「なんとかもっと力をつけてぇんだ、お願ぇします!」
「いいわ、私に任せなさい!」
海賊達の懇願にコノカ・ハギリガワ(勇を示す翠・f06389)は二つ返事で了承すると、海賊達に人が立てるくらいの板切れを人数分用意させた。
波がゆったりと押して返す海上にコノカと海賊達はいた。サーフボードよろしく浮かぶ板切れの上に立ち、コノカを中心として海賊達が囲んでいる。
「海戦で必要なのはどんな状況にも耐えるバランス感覚よ。波に足元を掬われているようじゃやっていけないわ。今回の鍛錬内容は……私が放つ光の斬撃を、躱しても弾いてもいいから、とにかく板から落ちずに対処すること。いいわね?」
「はい!」
海賊達の返事は一丁前だ。だがこれからコノカが放とうとしているのは、威力を弱めているとはいえユーベルコード。海賊達がどこまで耐え凌げるか――体力と根性が試される。
「じゃあいくわよ!」
コノカは勇翠の薙刀を手に、一つ素振りをして板の上の感触を掴むと、
『刻み断つわ』
それぞれの海賊達に向け、斬り下ろし、薙ぎ払い、斬り上げといったバリエーションある翠色の光の斬撃を放っていった。どれもまずは命中率重視。斬撃もまず海賊達に届かなければ始まらない。
「うおっ!?」
カトラス片手に、斬撃を受け止めようとした海賊達がいた。体の中心に飛んでくる斬撃に対しカトラスを振るい相殺を狙う。しかし威力を最弱にしてもまだ海賊達の力に勝るようで、斬撃にカトラスを弾かれた海賊達はそのままつられて仰け反り、バランスを崩して板の上からどぽんと落ちてしまった。
「落ちたらすぐ戻ること! 受け止めることが無理だと感じたら躱すことも重要よ! じゃあ次!」
それからしばらくは命中率重視の斬撃を放ち、海賊達のバランス感覚を養っていった。だが円になる海賊達一人一人へ自らも板の上から斬撃を放つという所業はそう簡単にできることではない。
受けるほうと同じく、放つほうにもバランスが求められる。加えて海賊達は正面を見ていればいいのに対し、コノカは少しずつ角度を変えて海賊達に向き直らねばならなかった。
海賊達以上に繊細なバランス感覚と身体操作が求められる。教える側のほうがハードな鍛錬を行っている――とは海賊達は思っていないだろうが。
コノカが今回の事件の話を引き受けたのも、自らの鍛錬に繋がると思ったからだ。コノカの生まれ故郷は宇宙。足場どころか重力までも存在しない場所で繰り広げられるオブリビオンとの戦闘を制するには、おそらく今以上のバランス感覚、身体操作が求められることだろう。
「少し余裕が出てきたようね……なら次は、各々二連撃でいくわよ!」
海賊達にも、コノカ自身にも負荷をかける。斬撃の性質は命中率重視から攻撃回数重視に切り替え、海賊達を熾烈な攻撃に晒しながら、自らもいつ落下するかわからない危険な状況に身を置いた。
講師たる自分が板から落下してはいけない――プレッシャーもあった。重心を低く保ちながら、彼方より来る波の形を見極めて足腰に力を入れる。そして放たれる斬り下ろし、斬り上げの二連撃は海賊達を容赦なく海に突き落とす。
「まだまだ! コンキスタドールの攻撃はこんなもんじゃないわよ! 最後に……必殺の一撃を受け止めること!」
腰を落とし、水平に閃かせた斬撃はこの日最も攻撃力を高めた一撃だ。最後に輝くのはやっぱり受けの技術。武器受けは失敗すれば海の中へ一直線。成功してもカトラスを持つ手がじんと痺れた。
「ふぅ……このくらいでどうかしら?」
「はい! なんか……上手く戦えそうな気がしてきやした! ありがとうごぜぇやす!」
陸に戻ってきた海賊達は砂浜で軒並み大の字になって倒れていた。コノカはまだまだ余裕がありそうには見えたが、ずっと揺られっ放しだったため、足元が何だかふわふわする。
(どんな体勢からでも技を放ち、攻撃の手を緩めない……いい鍛錬になったわ)
しかし海賊達との鍛錬は海賊達ばかりの利ではなく。コノカも確かにステップアップした自分を感じているのだった。
成功
🔵🔵🔴
四壱六・豆花(サポート)
放浪癖のある人形妖怪、妖怪歴35年。
特殊警棒を把持。
口調は常に「中性的(ぼく、○○様、ですます調)」で丁寧。
ユーベルコード「サモニングガイスト」を多用し、自身の損壊は厭いません。
他の猟兵とのトラブルは好まず、一歩引いて周囲の雰囲気を見ます。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●戦場は異種格闘場
「皆様はきっと、剣同士で技術を高めてこられたのでしょう。それは素晴らしいことですが、敵も必ずしも同じように剣を持っているとは限りません。例えば、このぼくの特殊警棒のように」
四壱六・豆花(東方妖怪の神器遣い・f34750)は地に向けて特殊警棒を薙ぎ払い、遠心力で長く伸ばす。見た目は細いが強靭な耐久力を持つそれは海賊達が持つカトラスの刃にも匹敵する。
「ですから今回は、乱取り……つまりは実戦的な戦闘訓練ですね。それを行って、相手の武器への対処法を学びましょう。皆様は何人でかかってきても構いません」
一対多の戦いは、海賊達にとっては確実に敵を仕留める鍛錬になるし、豆花にとっては集団のオブリビオンを相手取るような格好となる。互いに技術を高め合うには持って来いの鍛錬方法だった。
海賊達の中で最も勇猛だった者が飛び出してくる。果敢に振り上げられたカトラスは、しかし豆花に見切られ最小限の動きで回避され、その手元を特殊警棒で強か打たれた。
「うぉっ……」
「筋は良いようですね。もう少し……ぎりぎりまで相手を見て剣を振るのが良いかと思いますよ」
技量は当然豆花が上。しかしただ打ちのめすだけでなく、ワンポイント、良かった点と改善点を伝え、海賊達の技術向上に役立ててもらおうとしていた。
「うおぉりゃああ!!」
次は一気に三人同時に襲い掛かってきた。だがそれも完全な同時とはいかず、少しずつタイムラグがある。真っ先に振り下ろされるカトラスから順に特殊警棒で受け流し、さらにバランスを崩したところへ胴の一撃を加え打ち倒す。
「各個撃破は強者を相手にする時の戦闘の基本、よく勉強されていますね。後は如何に周りと呼吸を合わせるか、そこに尽きると思います。戦闘の中で互いの動きを意識する癖をつけると良いですね――っと」
豆花がアドバイスを与えている途中、忍び足で背後に回っていた海賊の一人が不意打ちの斬撃を繰り出していた。しかしそれも気配を読んだ豆花が寸前のところで振り向き、特殊警棒を縦に振り出し受け止める。
「すいやせん! でも、戦場じゃあちんたら話をしてる間もないと思って……」
「いえ、素晴らしい行動力だと思います。その通り、戦場では一時の油断もできません。不意打ちを狙うという発想に辿り着いたのは見事です」
不意打ちを卑怯だなんだと喚くのは負け犬の遠吠えだ。戦場は勝った者が正義。豆花は受け止めた刃を払うと、砂を蹴って海賊達と距離を置く。
「ここからは本気といきましょう。ぼくに一撃でも与えることができたなら――皆様の勝ちですよ」
豆花と海賊達の乱取りは日が沈むまで続いた。結局、海賊達は豆花へ一撃加える前に体力負けして砂浜に倒れてしまっていた。
「いい鍛錬になりました。皆様も戦いの技術が身につき、体力もほんの少し、向上しているかもしれません」
「ありがとう……ごぜぇやす……」
疲れはしたが、同時に充実感ある一日だった、と海賊達は清々しい表情を見せる。豆花もまた、足場が不安定な中での集団相手の立ち回りのコツを会得して、この日の鍛錬を終えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『オクトポッド』
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POW : ポッドストライク
レベル×1tまでの対象の【頭を蛸壺の中へと押し込み、敵ごと蛸壺】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : テンタクルフット
【吸盤の付いた蛸足】から【絡みつき攻撃】を放ち、【すかさず体全体で覆いかぶさる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : ピッチタール
【強い粘性と麻痺毒】を籠めた【蛸墨】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【視力と行動力】のみを攻撃する。
イラスト:白狼印けい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●積んできた鍛錬を力に変えて
ついに決戦の日がやってきた。海賊達は猟兵達と共に船を出す。
目指すは大ダコのコンキスタドールが待ち構える海域。そこを突破しなければ島の未来は開けない。
「俺達は十分やってきた! それに猟兵の皆さんもついてるんだ! 勝って祝杯をあげようじゃねぇか!!」
一人が勇む声を上げ、他の者達が呼応するように叫ぶ。この姿は、きっとグリモア猟兵が視た予知とは少し違っていることだろう。
そうこうしているうちに、青い大ダコが壺を持ち海面上に現れる。敵とて必死。意地と意地とのぶつかり合いだ。
果たして、どちらが勝るのか――。
虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えて自爆活動さ
アドリブ連携等ご自由に
登場即自爆
自爆できれば台詞も活躍もいらぬ!
速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
そう、自爆だ
僕に自爆をさせるんだ!
僕もろとも鏖殺だ
これぞ鏖殺領域なり
ただ自爆するためだけに現れる存在
何かいきなり自爆する怪奇現象
もはや災害である
技能:捨て身の一撃を用いての
メッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆
射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
大事なのは自爆までのスピード
有無言わせぬスピードで自爆する
これ最重要だね
捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能
●とりあえず自爆
「君達! 敵の群れまで一直線に船を動かすんだ!」
「へ、へぃ!」
名は体を表す……というより体が名を表している虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は船の舳先で潮風を浴びながら、海賊達に指示を出し船をオクトポッドの群れに突っ込ませる。どの船よりも真っ先にオクトポッドの群れへと辿り着こうとしていた。
戦闘には不安が残るも、海賊達に船を操らせれば右に出るものはいない。伊達に海賊を名乗っていないのである。
「よーし、ここで僕は飛ぶ! 君達! 僕が船から降りたら全力で逃げるんだよ。後ろは振り返っちゃいけない。何があってもね」
そう宣言すると、うつろぎはタールの体をくねらせながらバネのように跳躍し、舳先から海へダイブした。突然降って湧いたうつろぎにオクトポッド達は当然群がり、吸盤のついた蛸足で絡みついてくる。
海賊達はうつろぎの言いつけ通り、船をUターンさせてその場を離れる。船が出せる最高速度で半周遅れの船たちとすれ違っていた。
しかし、振り返ってはいけない、と言われれば振り返りたくもなるもの。海賊の一人が船室の外に出てうつろぎのダイブした場所を見遣ると。
『うつろぎ式・切宮殺戮術『一爆鏖殺』――これが僕の鏖殺領域さ』
オクトポッドの群れに揉みくちゃにされるうつろぎが、海上でずどんとキノコ雲を上げて大爆発を起こしていた。絡みついていたオクトポッド達は軒並み宙に吹き飛ばされ、焼きタコ状態になりながら放物線を描いて海へと落下、消滅していく。
「うつろぎさん……いい人だったぜ……」
涙なしには語れぬ自爆特攻。気を遣わせまいとする配慮に男気を感じた海賊達は、きっとうつろぎの勇姿を語っていくことだろう。
成功
🔵🔵🔴
スフィア・レディアード(サポート)
『皆さん、頑張りましょう!』
ミレナリィドールの妖剣士×鎧装騎兵、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は元気で、楽しい祭りとかが好きな少女。
武器は剣と銃をメインに使う。
霊感が強く、霊を操って戦う事も出来る(ユーベルコード)
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●雅な蛸壺
海賊達は学んでいた。敵は必ずしも剣を持っているとは限らない。
此度、決戦を繰り広げるオクトポッドとはまさにその敵で、武器に壺を抱えている。
「海賊さん達! 今までの鍛錬を思い出すのよ!」
「タコ……うねうね……クロエが、囮になるから……」
スフィア・レディアード(魔封騎士・f15947)と禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)が乗り込んでいた船の船側にはべたりとオクトポッド達が貼り付き、今にも甲板に乗り込もうとしていた。
自分達で倒すだけなら乗り込まれることなく制圧することも可能だろう。だが、この海戦は海賊達の成長を見る場でもある。もちろん勝利へ導くだけの行動はするが、役回りとしては支援に近かった。
ついにオクトポッド達は甲板の手すりに腕を掛け、するべちゃっと船上への侵入を果たした。待ち構える海賊達と乗り込んできたオクトポッド達では、数に分こそあれ、それでようやく五分の戦いか。
オクトポッド達は壺を逆さまに振り上げ襲い掛かってきた。頭から壺の中に押し込んで振り回そうという算段だ。その狙いは前線に飛び出していた黒絵。二本の腕で支えられた壺が黒絵の頭に降りかかってくる。
『クロエを捕らえる事が、出来るかな?』
黒絵の頭がすっぽり入りそうな壺の口は黒絵を捕らえたか――否。黒絵は全身を呪いを纏った霧に変異させることで壺の中に封じられるのを逃れていた。オクトポッド達は霧を捕まえようと、まるで虫取り網のように壺を振り回していくが黒絵はするすると霧の体を活かして逃れていく。
「ぅおりゃっ!!」
黒絵に翻弄されているオクトポッドの一体を海賊達がカトラスで斬り付けていく。弾力のある腕だったが、オクトポッドの隙を突いて振り下ろされた斬撃は太い腕をぶつぶつと斬り飛ばしていった。
それで憤慨したオクトポッド達は掴みどころのない霧を放置して海賊達へと怒りの矛先を向けた。壺を鈍器のように振り回してきたのを海賊達はカトラスで受け流す。壺の立体的な曲面を利用して刃の上を滑らせていた。
「鍛錬の成果が活きたわね! 最後は私が……霊達よ、私に力を与えてね!」
スフィアは霊魔葬送弾を取り、霊的エネルギーを秘めたプラズマ弾を装填する。甲板の端へ逃げ込む海賊達を追うオクトポッド達には黒絵が霧となった体を纏わりつかせ、呪いの特性で動きを鈍化させていく。
「プラズマ弾――発射っ!」
バリバリと放たれた球体のプラズマが飛翔する。電磁的な揺らめきを持つ球体は極小のオクトポッドの頭部へと命中し、その体を針金でも突っ込んだかのように硬直させていた。
壺が腕の中からするりと抜けて、甲板の上で破砕した。硬くなったオクトポッドの体は甲板に横たわると、黒い煙を上げて溶けて跡形もなくなってしまう。
「連携も防御もばっちりね! この調子でガンガン倒していくわよ!」
スフィアの傍らでは、黒絵が霧の体を元の形に戻していく。
「クロエも……もっといっぱい、お手伝い、するから……」
「お願いしやす! 力を合わせて、やりやしょう!」
スフィアと黒絵、そして確かな戦果を勝ち取った海賊達の士気は上がるばかりだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。
その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
藤堂・こずゑ(サポート)
あまり見た目妖狐っぽくないけど、妖狐なの
右目を何とか見せない、見ない様に生きてるわ
妖狐な部分は出したくないから…
依頼に拘りは無いわ
誰とでも連携し、どんなのでも遂行してみせるわよ
日常パートはアンニュイな感じでクールに過ごすわ
一応喜怒哀楽はあるつもり
戦闘パートは古流剣術で挑むけど…
流派は忘れちゃった
マイナーだから廃れちゃったみたい
振るう刀は宵桜(ヨイザクラ)ね
可愛いでしょ
大気の流れを読んで攻撃したり避けたり、後の先を得意とするわ
UCはどれでも使用し、攻撃するUCばかりだけど…
他の猟兵との連携などで避けて敵を引き付ける必要がある時は『流水の動き』を使ってね
後はマスター様にお任せするわ
宜しくね
●蛸壺の闇は深い
「左舷方向に敵軍ありね。どうするの?」
「えっと……このまま、正面から……で、どうでしょう? 他の船も、どんどん倒していっているようですし……」
藤堂・こずゑ(一閃・f23510)が索敵でオクトポッドの群れを発見し、メイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)に尋ねる。メイリンは少し戸惑った風だったが、これは単に人と話し慣れていないだけであった。
この海戦には猟兵達の乗り込んだ船がいくつも出されている。すでに戦果を挙げているものも多く、少し遅れ気味であったこの船でも、交戦の機会を心待ちにしている海賊達が多い。
特に競っているわけではないのだが、とにかく猟兵達の鍛錬を受けて少しでも強くなった自分達を確かめたい、という血気盛んな者達の集まりだ。
メイリンがちらりと甲板に集まっている海賊達を見遣ると、戦闘準備は万端、といった風でカトラスをカチカチと当てて鳴らし、気合を高めている。
「なら、そのように伝えてくるわね」
こずゑが集まった海賊達に状況を説明する頃、船はいよいよ敵陣へと乗り込もうとしていた。
領域への侵入者。オクトポッド達は吸盤を器用に使って船に飛びつき、べたん、べたんと船体を叩きながら上ってくる。敵陣に飛び込んだのだから当然ではあったが、すでに船はオクトポッド達に包囲されていた。
「私が隙を作るわ。その間に海賊達と一緒に叩いてちょうだいね」
「は、はい……!」
オクトポッド達がついに船へと乗り込んでくる。壺を二本の腕で持ち上げて頭上で揺らしながら迫ってくるところへ、こずゑは飛び出し宵桜を抜く。
「邪なる心を……断つ」
オクトポッド達の腕の中でくるりと回されて向けられた壺の口。内部は恐怖が詰まっているかのように真っ暗だ。それを頭上に振り下ろしてくるのを、こずゑは刀をつっかえ棒代わりにして受け止める。壺と刀の押し合いになったが、オクトポッド達はこずゑの周囲に援軍を送り、壺の闇が左右同時に襲い掛かってきた。
二つの壺を如何に捌くか。こずゑは押さえていた壺の口を斬り付ける要領で押し返すと、燕が返すが如き早業で二連の斬撃を左右に間髪入れず放って壺を押し上げた。
残った腕が体を支えており、オクトポッド達は容易に崩れない。だが壺が一瞬浮ついたことで空いた胴体にこずゑは瞬時に斬り込んで、その邪心のみを断った。
邪心とはコンキスタドールの存在意義である。それを斬られてしまえば、そこにはもぬけの殻のような物体が残るだけ。
こずゑは甲板上を跳ねるように駆け回り、流星のように鮮やかに断つ。そうして動きを止めたところで、いよいよメイリンと海賊達の出番だ。
『私の中に眠る竜の力よ、槍に宿りて敵を貫きなさい!』
竜槍【シリウス】――それは直接的に闇を討つ。龍のオーラを纏わせてさらに神聖の力を増幅させた槍が閃くと、深海に染まったオクトポッド達の体は弾力を跳ね返しながらずぶりと貫かれていった。
メイリンが槍を抜くと、傷口には白い光が零れてシュウシュウとオクトポッド達の体が焼けていく。闇を滅する力は燃えカスを残すことなくオクトポッド達の体を焼き払い、胴から頭、そして足へと侵食して消滅させた。
こずゑが邪心を斬ったオクトポッドの半分をメイリンが受け持ち、残りの半分を海賊達が引き受ける。海賊達はメイリンのように一撃でオクトポッド達を屠るだけの力は持っていなかったが、鍛錬の中で積み重ねた連携攻撃が輝き、それなりの早さでオクトポッドを倒していく。
だが船の上には新たなオクトポッド達が供給されていた。こずゑが身軽に斬り回ってはいるが、それで間に合わないものが数体。
「お二人さん、あいつらはどうしたら!?」
「あの……私が、いきます!」
メイリンが立ち上がる時だった。向かう先には壺の闇が高々と聳える。オクトポッド達は常にメイリンの頭を狙っていた。頭から突っ込んでしまえば猟兵と言えど、もがけまい――と思っていたかは定かではないが、必殺の一撃をメイリンの頭に落とすべくオクトポッド達は壺を振り下ろしていた。
しかし――壺の闇にとって今のメイリンは天敵だった。闇を滅する力を上乗せした槍が壺目掛けて放たれる。刺突は壺の中に吸い込まれていくと、そのままバリンと壺の底を割り砕いていった。
底を抜かれた壺は自然と亀裂が広がって、砕け散り細かな破片となって散らばった。メイリンは槍を引いて突き、を繰り返しながらオクトポッド達の戦力を奪っていく。
壺がなくなってしまえばオクトポッド達の脅威も少なくなる。メイリンが追撃で放った偃月の薙ぎ払いがオクトポッド達の眼球のすぐ上をばっくり裂くと、光の粒子が血のように溢れ出してその体が呑み込まれていった。
「これで、終わり……でしょうか」
メイリンが周囲を見渡せば、そこには歓喜する海賊達とそれを遠巻きに見つめるこずゑがいるだけで、もうオクトポッドの影は無い。
また一つ、大きな戦果を挙げた船が現れて、海戦もいよいよ終幕が近い――。
成功
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土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他歓迎
「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します」
一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。
先ずは白揚羽で【結界術】と【オーラ防御】を展開。
敵の攻撃は【早業】【軽業】【地形の利用】等で回避。
それが通用しなければ薙刀で【武器受け】し、薙刀か式神の黒揚羽で【カウンター】攻撃。
UCは、戦況とその効果に合わせて発動。
可能なら【早業】で敵のUC発動前に発動を狙う。
指定したUCは何でも使用可。
後はお任せ。
●海賊達の元にもようやく光が
数を減らしたオクトポッド達に襲い掛かられている船が一隻。そこでは海賊達が中心になって応戦していた。
「ふふ、ご安心を。後ろはお任せください」
この船に乗り合わせた猟兵、土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)は最も支援色強く海賊達を支えていた。海賊達がカトラスを振り回して宙を動き回る蛸足を一本一本確実に斬り落としていくが、オクトポッド達も負けまいと蛸足による絡みつき攻撃を放ち海賊達の動きを封じようとする。そこへ泰花が白揚羽の式神を使って結界を割り込ませ、体全体を駆使した飛びつきを防いでいた。
結界に守られながら、しかし自分達の武器は通り抜け蛸足を斬り裂く。泰花の結界は実に都合よく作られていた。
安泰に見えた戦いだったが、オクトポッド達が俄かに増えてきた。分散していた群れが一致団結し、この船へと乗り込んできたのだ。泰花は結界を海賊達の周りに展開していくが、それをオクトポッド達は物量で乗り越えようとする。
何かもう一手が必要――泰花が取っていたのは治癒符だった。
「少々お疲れのことでしょう。治癒を差し上げるついでに……少々『おまけ』も差し上げますね」
泰花は弾丸を撃ち出したのではないかと思えるほどの凄まじい速度で符を撃ち出していく。それは結界に当たり、海賊達に当たり、海賊達が持つカトラスにまで当たった。疲労した結界は力を取り戻し、海賊達は体力を回復。そしてカトラスは切れ味を増していた。
海賊達を取り巻く環境がいっぺんに強化され、戦況が一気に傾いた。物量でも結界を押しきれなくなったオクトポッド達へ海賊達は我先にと斬り込んでいき、一撃で蛸足を斬り飛ばす。回復ついでに強化された攻撃力は海賊達を船上で躍動させていた。
「おらぁっ! こいつで……終わりだぁ!」
最後の斬撃は海賊がカトラスを両手持ちして思い切りオクトポッドの胴体に叩きつけた。ダン、と刃がデッキに突き刺さって、真っ二つに割られたオクトポッドはふにゃりと崩れ落ちて消滅する。
「皆さん、よく頑張られました。これでもう、皆さんの島がコンキスタドールに怯えることはないでしょう」
泰花の宣言で、長きに渡る戦いに終止符が打たれる。
帰ったら宴の準備だ、と海賊達は声を上げ、勝利の味を噛み締めていた。
成功
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