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銀河帝国攻略戦⑫~鎧袖一触もちぃ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●みんなあつまれ
 宙に光の尾を引いていくつもの白い人影が飛ぶ。一点を目指し飛ぶそれらはやがて均等に並んだ陣形を作り始める。今はまだ小さな方陣だが、飛来する兵が増えるたび、方陣は徐々に成長する。そう、残存兵の再集結が始まっているのだ。

「『エンペラーズマインド』防衛艦隊制圧お疲れさまもちぃ。これで先に進むことが可能となったもちぃね」
 しかし、『エンペラーズマインド』防衛艦隊とエンペライダーズの残存兵力が集結を行っている事が確認されているもちぃよとモティアナ・クロスウィート(ブラックタールのパラディン・f02000)は猟兵達に語る。
「このまま再編成を許せば、帝国大要塞『エンペラーズマインド』との激戦を繰り広げるスペースシップの艦隊が脇腹を突かれることになってしまうもちぃ」
 そうなっては少なくない被害が出てしまう事だろう。
「どう考えても放置することは出来ないもちぃよね」
 そこで再編成が行われる前に突入して、残存戦力を叩き潰して欲しいと言うのがモティアナの依頼であった。
「敵は敗残兵の集まりもちぃから、今襲撃すれば混乱したところを叩き放題もちぃ。再編成の為、集まっている兵種は統一されているからあなたたちに倒して欲しいのは、クローン重騎兵の集団になるもちぃね」
 相手は重装型アームドフォートを装備し、火力と宇宙空間での機動力を強化したクローン騎兵だが、混乱状態ではその機動力もどこまで活かせるものか。
「では、お手数をかけるけれどよろしくお願いするもちぃね」
 一糸まとわぬ姿のままモティアナは君たちに頭を下げたのだった。


聖山 葵
 さあ、戦争だ。

 今回は敵の混乱につけ込んでひたすらやっつけて再編成を防ぐお話です。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 では、ご参加お待ちしておりますね。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ドミニク・トインビー
私のUCなら速やかに陣形を取り襲撃することが出来る
再編成が出来ていない軍隊など格好の獲物だ
UC月の海賊艦隊を発動,船を複製し陣形を組む
密集陣形を組み,まずは【先制攻撃】で【範囲攻撃】を相手にお見舞いしてやろう
その後は陣形を散開し【空中戦】,他の猟兵が動きやすいように【援護射撃】を行う
海賊らしく蹂躙させてもらう.悪く思うなよ


悠久湛・虹輝
帝国の防衛ラインか…斬り裂こうか、何故ならば私は剣、一振りの剣、全てを斬り裂く無情の剣。
一人に固執する必要は無いだろう?周りの猟兵とも連携していこう。私は剣、元来誰かに振るわれるもの、王以外に従うつもりはさらさらないが、効率的意見ならば、協力しよう。…その位は王も許して下さるだろう。
帝国…肥大化し過ぎた斜陽の大国…かつての世界でいくらでも見てきたな。私は王の剣となり何時だって滅ぼす側に在った…此度もまた…

征くぞ、我は負けん、敗北など許されない。
【第六神剣・抜刀】!


ドロンゴン・コーフィー
よぉ〜し、宇宙にもドラゴン出るぞー!


でも、さすがにあんなの背負ったの相手じゃ機動力勝負は難しいかなー。……いや、いい装備してるよね。

【この身は夢幻、我が名は竜】防御型
ちょっと、借りてみちゃおうか?
相手の装備を引きちぎってバシバシ武装化してみよう。

「やあやあ、へっぽこ諸君! ドラゴンとやりあう度胸はあるかい?」あれ、聞こえてる?
『存在感』で相手の注意を引く。射撃してくるなら、僕の方からも狙いやすいぜ!
口の中のグレンくん(精霊銃)から熱線を放ち、デロリスさん(ドラゴンランス)を投擲し、プルリンくん(鉄塊剣)で薙ぎ払うよー!

「メイドの土産にドラゴンの戦い、よく見てってね!」

アドリブ連携OKです



「なるほど、あれが標的だな」
 髑髏マークが浮き出たヘルメットのバイザー越しにドミニク・トインビー(宇宙海賊のブラスターガンナー・f00622)の視界へ入っってきたのは、無秩序に雲霞のごとく方々から集まってきた白い人型が方陣を形成してゆく様だった。
「しかし、どこまで増えるものやら」
 エメラルドグリーンをしたスラスターの光を尾にクローン重騎兵の一体がドミニクたちに気づくことなく無防備な背中を晒し、仲間たちの元へと飛んでゆく。
「さすがにあんなの背負ったの相手じゃ機動力勝負は難しいかなー。……いや、いい装備してるよね」
 そんな重騎兵をうーんと唸ったドロンゴン・コーフィー(泥の竜頭・f04487)はどことなく感心した態で眺め。ドロンゴンに視線で追われていることなど気づかぬクローン重騎兵は、どんどん小さくなってやがて方陣を形成する光の一つとなる。終結は続いていた。
「もっとも――」
 今はまだ編成のさなかであり重騎兵にとって不運だったのは、ドミニクにとって再編成が出来ていない軍隊など格好の獲物だったことであろう。
「ダミー艦用意完了! 意識の同期を確認! さぁお前ら! 艦隊戦の始まりだ!」
 宇宙海賊船《バルディッシュ号》の上で号令を発せば、バルディッシュ号を複製することで誕生した海賊艦隊が密集陣形を組み、艦首を敵陣へと向けた。
「まずは挨拶と行こうか」
 そして、先制攻撃になる形の物騒な挨拶はクローン重騎兵たちへと見舞われることとなる。
「さて、気にいって貰えたか?」
 結果を言うなら、方陣に穴が作られた。不意打ちは無警戒だった不幸な重騎兵たちを一瞬で躯に変え、周囲の重騎兵たちにも混乱をもたらした。反射的に回避行動をとろうとして仲間とぶつかる者。狙撃用ビームライフルを構えとっさに反撃に出ようとするも、回避行動中の味方が射線に飛び込んできてあわや仲間を撃つところだった者。姿勢制御兼移動用のスラスターを先の攻撃で片方だけ損壊しまっすぐ飛ぶことすらままならなくなった者。
(「かくも脆く、そして乱れるとは」)
 本体でもある刀を鞘に納めたまま、悠久湛・虹輝(王の剣・異界の神剣・f14139)は襲撃に醜態をさらす敵陣を無言で見据え、柄へと手を伸ばす。
「……斬り裂こうか」
 あれに見るが帝国の防衛ラインを形成する一部であるならば。私は剣、と口には出さず虹輝はつぶやく。一振りの、全てを斬り裂く無情の剣は両断すべき対象を瞳に映したまま、宙を行く。
(「王以外に従うつもりはさらさらないが」)
 聞くべきところがあれば他者の意見に耳を傾けることとて吝かではなく、一人に固執する気は虹輝にない。むしろ、仲間が敵陣を混乱させてくれたこの機に乗じ、斬りこんだ。
「よぉ?し、宇宙にもドラゴン出るぞー!」
 この好機にドロンゴンも敵陣へ飛び込み。
「わぁ、ちょうどいいところに」
 漂う重騎兵の死体から武装をもぎ取る形で失敬すると、身に着けることで竜の姿を形作ると宣言する。
「この身に夢現の境なし。見ろ、聞け、覚えて刻め、僕の名は今より! ドラゴンだ!!」
 堂々たるものではあったと思う。問題があるとすれば、重騎兵たちの何割かはそれどころではないということか。
(「一つ」)
 斬り伏せられたクローン重騎兵がドロンゴンに一瞬注意を割いたことを後悔する間もなく、ただ宙に浮く屍に変わり。
「おっと」
 味方を斃した虹輝へライフルを向けようとした重騎兵は別方向から放たれた熱線に貫かれて動きを止める。
「援護射撃は任せて貰おう」
「忝い」
 ドミニクに礼を言うと、虹輝はアームドフォートを自身に向けようとしたクローン重騎兵へと距離を詰め、すれ違いざまに切り払う。
(「帝国……肥大化し過ぎた斜陽の大国……かつての世界でいくらでも見てきたな。私は王の剣となり何時だって滅ぼす側に在った……此度もまた……」)
 斬り駆けるさなか、口には出さぬ述懐は誰に聞かれることもなく。
「やあやあ、へっぽこ諸君! ドラゴンとやりあう度胸はあるかい?」
 逆に周囲を見回して投げたドロンゴンの問は存在感と相まって何体もの重騎兵の意識を引き付けることに成功していた。
「あれ、聞こえてる?」
 それでもドロンゴンが首をかしげたのは、重騎兵たちがただただ、無言であったからか。うち一体が手に持ったライフルの引き金に指をかけるも、竜の口の中から放たれた熱線に貫かれ。
「メイドの土産にドラゴンの戦い、よく見てってね!」
 仲間を屠られ身構えた別のクローン重騎兵は投げつけられたドラゴンランスに貫かれ、動きを止めた。だが、ドロンゴンは止まらず鉄塊剣で取り囲む重騎兵たちを薙ぎ払う。
「このまま蹂躙させてもらう。悪く思うなよ」
 猟兵たちは重騎兵たちにとってまさに災厄であった。
(「征くぞ、我は負けん、敗北など許されない」)
 海賊艦隊に方陣を食い破られ乱れた敵陣のなか、それでも銃口を自身に向けてくる兵たちを前に虹輝は構え。
「調律神イリアステラよ、我が王の名のもとに御身が敵を撃ち滅ぼさん、第六神剣・抜刀!」
 虹色の斬撃波がライフルをアームドフォートを重騎兵の身体を両断する。集い来たクローン重騎兵たちは再編成の筈がその数を大きく減らしつつあった。そして、混乱はまだおさまる兆しもない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

山梨・玄信
混乱している相手なら、近付くのも容易じゃな。
接近戦なら負けんぞい。あ、宇宙じゃから当然脱がんぞ。

【POWを使用】
追跡、忍び足でこっそり帝国兵に近付くぞい。
範囲攻撃が届く距離まで近付いたら、衝撃波で遠目の敵を攻撃してそちらに敵の目を向け、飛び込んで鎧無視攻撃付き範囲攻撃をお見舞いじゃ。

雑魚には範囲攻撃、強敵には灰燼拳を使うぞい。

特殊ワイヤー対策に、敵を盾にしつつ移動。
それでも撃って来たら、第六感と見切りで回避じゃ。

一斉射撃は見切りで被弾を最小限にしつつ、オーラ防御で弾くぞい。

「立て直す隙は与えんぞ。喰らえ!」
「少しは出来る奴が居るようじゃな」

アドリブ、絡み歓迎じゃ。


ミスタリア・ミスタニア
ハハッ!そうだよ、宇宙間戦争では鎧装騎兵同士の戦いが戦況を決めるもんだ!
とはいえ、敗残兵の集まりじゃ制宙権を逃げるとは思えないな。いいぜ、哀れな敗残兵共は此処で介錯してやるよ!

流石に連携されると厄介だからな、アームドビットとダガービット展開して『援護射撃、時間稼ぎ』で分断してやる!バラバラになればビットで他を牽制して拘束してる間に個別に撃破していくだけだ!
同じ鎧装騎兵でも重装のそっちと軽装のオレじゃ、オレのが『空中戦』ドッグファイトは上だろう!
『捨て身の一撃、ダッシュ』で突っ込んでパイルバンカーで『鎧砕き』だ。そしたら『2回攻撃、零距離射撃』の大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)をぶっ放すぜ!


フィロメーラ・アステール
「よーし、みんな頑張れー!」
いけー、そこだー、ファイトー!
勢いに乗せてじゃんじゃん一気に押し込むぞ!

【生まれいずる光へ】を発動だ!
踊って【鼓舞】しながら光の粒子をちりばめる【パフォーマンス】で、攻撃する味方をパワーアップさせるぞ!
この効果で戦闘力がすごいたくさん増える! はず!

敵の攻撃を【第六感】が察知したら【スライディング】回避だ!
余裕があったらあたし自身も突っ込んで、かく乱に一役買うぜ!
【空中戦】で鍛えた機動と【迷彩】魔法を駆使しつつ、【残像】が出るほどのスピードで、よくわからん光るモノが突っ込んできたら避けたくなるだろ!
コイツで反撃や立て直しを邪魔してやるぞー!


霧城・ちさ
大勢の帝国兵の再合流は阻止しないといけませんわね。ばらばらになっているうちに叩きますわっ
他の方とも協力して私は動き回って敵の動きを止めたりこちらに注意を向けさせるようにして他の方に狙ってもらいますの
私が倒せそうな時にはしっかり倒していきますわね
少し離れた敵も不意をつけそうならユーベルコードを使ったりしていきますわね



「ハハッ! そうだよ、宇宙間戦争では鎧装騎兵同士の戦いが戦況を決めるもんだ!」
 上機嫌で笑うミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)の視界をスラスターから光の尾をなびかせたクローン重騎兵たちが飛ぶ。逃げまどう兵。反撃すべく襲撃者をさがす兵。スラスターを片方だけ失った兵士は出鱈目に飛んだあげく味方と衝突しぶつかった弾みで進行方向が変わり、更に別の味方を巻き込んで被害を増やす。
「とは言え――」
 相手は敗残兵。しかも再編成中に襲撃を受けて混乱中だ。これでは制宙権がどうのとすら言ってはいられないだろう。敵を探す者も居たが、ミスタリアに気づいているかすら怪しい。
「こうも混乱している相手なら、近付くのも容易じゃな。接近戦なら負けんぞい」
 ポツリともらした山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)はぐっと拳を握り締め。
「あ、宇宙じゃから当然脱がんぞ」
 今思い出したかのように脱衣を否定する。まぁ、宇宙なら仕方のないことだろう。それに、今は脱衣より敵を蹴散らし再編成を阻止すべき時である。
「混乱しているとは言っても、かなりの数ですものね。大勢の帝国兵の再合流は阻止しないといけませんわ」
 叩くなら、重騎兵たちがてんでばらばらな行動をとっている今の内。
「いいぜ、哀れな敗残兵共は此処で介錯してやるよ!」
「御助勢しますわ」
 鎧装に収納されていた小型無線飛行兵装を展開しながら口の端をつり上げたミスタリアが飛び出せば、霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)も動き出す。
「よーし、みんな頑張れー!」
 そんな仲間たちへフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)はエールを送った。むろん、それだけではない。自身も戦場へ飛び込むと踊りだす。
「明日に繋ぐ物語のはじまりはじまり、ってなー!」
 一動作一動作ごとに散る光の粒子が戦場を彩り、猟兵たちを支援する。
「そらっ」
 玄信も入れれば三名の攻撃で出た最初の犠牲者は索敵中だったクローン重騎兵であった。動く人影に敵かと思えば逃げまどう味方と言うことが数度、漸く見つけた同胞以外は人の姿すらしていない小型無線飛行兵装であり、撃ち落とそうとライフルを向けようとした腕を別の方向から撃たれたのだ。この時、ただ腕を撃たれただけではなく、腕と一緒に損壊していたライフルが暴発、哀れな重騎兵にトドメを刺し。いまわの際、視界に入ったのは、二つ目の小型無線飛行兵装。それが、別の仲間に狙いを定めているところであり。
「流石に連携されると厄介だからな」
 このまま分断させて貰うぜと言う兵装の主の声まで知覚できたかはわからない。視界の端まで駆け抜けた光に味方が貫かれた所を最後にその重騎兵の意識は途絶え。
「ふむ、負けていられんの」
 仲間が重騎兵たちを屠る光景を一瞥し。玄信は衝撃波を放つ。ミスタリアの兵装に気をとられていた一体のクローン重騎兵が装甲の欠片をまき散らしながら吹き飛び。
「悪いの、本命はこっちじゃ」
 吹っ飛ぶ味方を思わず目で追う重騎兵たちが声に気付き、振り返った時にはもう遅い。
「立て直す隙は与えんぞ。喰らえ!」
 至近距離から拳の一撃を受けた重騎兵はただの一体であった。だが、あまりに強力な一撃は余波で即死したクローン重騎兵の装甲を砕き、即席の散弾に変えて周囲の重騎兵たちを貫いた。
「こんなところかの、ふむ」
 周囲を見回し、呟いた玄信は無造作にまだ息のある重騎兵の腕を掴むとその身体を引き寄せた。思わぬ攻撃で仲間たちを失い、方陣に生じた穴。その中心に元凶が居ると察しアームドフォートを向けたクローン重騎兵が居たのだ。
「少しは出来る奴が居るようじゃな……もっとも」
 玄信に武器を向けた重騎兵は特殊ワイヤーを射出する前に、頭上から降り注いだ光に焼かれ息絶える。
「ふぅ、何とか間に合いましたわね」
 消し炭になったクローン重騎兵だったモノを指さしていた腕をおろしたちさは魔法のピコピコハンマーを一振りすると狙撃ライフルを自身に向けようとする敵兵目掛け宙を駆ける。星屑のカーテンが飛んでくる光条をはじき散らし、横なぎにふるったハンマーの一撃に肉薄された重騎兵は身体をくの字に折って吹き飛んだ。
「いけー、そこだー、ファイトー!」
 こうして、重騎兵たちの被害が増え続ける中、フィロメーラは応援を続けていた。
「よっと」
 もちろん、声を発せば、気づく者もいる。ライフルによる狙撃を第六感で察知すると滑るようにくぐり抜け。射撃をかわし、残像を伴いながら敵と味方が交錯する戦場を突き進む。
「よくわからん光るモノが突っ込んできたら避けたくなるだろ!」
 ただの回避に止めずかく乱も狙うつもりらしい。
「お」
 そうして飛び続けていると、もう殆ど陣の形をなしていない敵の固まりの中を飛翔する小型兵装がフィロメーラの目に留まる。撃墜しようと全火器の砲門をむける重騎兵は、気づかない。
「相手が悪かったな! 同じ鎧装騎兵でも重装のそっちと軽装のオレじゃ――」
 言外にドッグファイトにおいてオレの方が上と言うミスタリア、つまり小型兵装の主が飛び込んできたことに気が付いたときには、その身をパイルバンカーに捕獲された後であった。
「バンカー、捉えた! ゼロ距離、これで! いっちまえよやぁぁぁぁ!」
 避けられるはずもない。極太の熱線に胴をのまれた鎧装騎兵は身体を両断され、スラスターの推進剤の誘爆の中に消え。
「よそ見は禁物ですわよ」
 そちらに目を奪われたクローン重騎兵へ、ちさが手にした武器を叩きつけた。
「この様子だと、もう再集結ってやつは無理そーだな」
 散発的な反撃も重騎兵が討ち減らされてどんどん弱くなりつつある中で、漂う重騎兵の躯の横を飛びぬけつつフィロメーラは漏らす。
「まだまだぁ!」
 ダガービットにスラスターの片方を両断されたクローン重騎兵が次の瞬間ミスタリアの放ったビームに貫かれ独楽の様に回りながら既に死者の列に加わり宙を漂っていた仲間と激突する。
「あらかた倒しましたわね」
 この時点で、再編成どころか集まってきた重騎兵たちには甚大な被害が出ており、重騎兵たちが再集結を断念せざるを得ない状況なのは誰の目にも明らかであった。
「これならば、依頼は果たしたと見てよさそうじゃの」
 玄信の視界の中に等間隔で並んでいたスラスターの光はほとんどなく、ただ静けさを取り戻した宙域から猟兵たちは帰還する。確かな戦果を残して。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト