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猟兵秘湯探訪――ブルーアルカディア編

#ブルーアルカディア

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#ブルーアルカディア


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「さあ! 目指せ秘湯、賭けろ生命! 今こそ腰にタオル巻く時やで!」
 ペルペペ・ペルルーペ(ペルペル・f31639)がなにやら口走る。
「俺、温泉好きやん?」
 知らんが。という言葉は無視した。
「そんでな、ブルーアルカディアに、めっちゃええ温泉があるらしいんよね」
 天使核の影響で、どんな頑固な腰痛や肩こり、寄る年波の衰える色々、疲れた内蔵だって治るかもしれないという噂の幻の秘湯――ならぬ、幻の秘島。
 島一つが風光明媚な温泉であるそこは、しかし、長年強大なオブリビオン、征竜前線バスタードが近くに出現したせいで、近づけないでいる。
「んでな、そこに突っ込もうゆう勇猛果敢な勇士の飛空艇がおるんや」
 だが、空の世界は厳しい。
 己に分不相応な行いの代償は、命だ。
「なんや、船長の腰痛のために、その温泉に辿り着こうっていう目的らしいんやけど、このままやったら、辿り着けずに全滅してまうんやー!」
 白い布の隙間から何やらおぞましい四肢の一部を覗かせながら、彼は嘆く。
「だから、勇士さんらを助けてあげてほしいんや」
 ぐ、っと力を込めているような仕草でペルペペは、今回の依頼を語る。
「そんで、ええ温泉やったら俺も行けるようになればええなって思うんよね」
 最後に、内心を漏らしながら。

◇◇◇

「うぉおおお!! 船長の腰の為だ!! ついでに俺の非モテにも効く可能性を求めて、野郎ども! いざ幻の温泉だ!!」
 まるで勝鬨の声が上がる。それは船長の腰を思いやってか、それとも己の日照りを嘆いてか。それは分からないが、血気は盛んなことだけは計り知れた。
「副船長!」
 その時、一人の観測員が切羽詰まる声を上げる。
「黒い塊が急接近してきてます!」
「んだと!? まさか、あれは……黒空藻か!」
 威勢を張り上げていた副船長は、その空に浮かぶ黒い靄めいたものを見つめると、真剣な眼差しを目に宿すと、即座に支持を出す。
 黒空藻。
 それは、数多の船を沈めてきた空の自然であり、建物だろうと、船だろうと、人だろうとひっついては、天使核のエネルギーや生気、気力といったものを根こそぎ奪っていく浮遊物。
 災害である。
「……く、デカブツの前に、とんだ腹ごしらえだぜ」
 避けられない。ならばどうにか風穴を開けて抜けなければ行けない。副船長は絶望的な状況に歯噛みをしながらも、徐々に近づくそれを睨みつけていた。


熱血漢
 温泉を目指します。
 いつもどおりな感じです。

 まさかまだ温泉についてないのに、タオル一枚になる猟兵はいないですよねえ?
 ということで、第1章、第2章は船の上です。

 第一章
  襲い来る黒空藻の大群を切り抜けます。ぺたぺたくっついてエネルギーを奪っていく厄介な藻です。

 第二章
  秘湯島の周囲を浮遊する征竜前線バスタードとの戦闘です。とても強い敵ですが、敵の攻撃を反射などしたりすれば、うまくダメージが与えられる、みたいな感じになると思います。

 第三章
  温泉に入ります。
  雲海や島々を眺めながらゆっくりします。
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第1章 冒険 『黒空藻、襲来』

POW   :    黒空藻をあらゆる手段で取り除く

SPD   :    黒空藻が絡みつくことを覚悟して強行突破を試みる

WIZ   :    黒空藻の進行を予測し極力接触しないルートへ進行する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バロ・ヴァッハ
アドリブ、連携○
「なんじゃありゃ!?」
突然襲いかかる黒空藻に驚きつつもバロは直ぐに臨戦態勢に入る
「あいつにくっつかれたら大変なことになりそうだね!…だったらこっちも攻撃だ!」
バロは「闘争心」を燃やして「指定UC」を発動させて黒空藻を攻撃しだす
「指定UC」の「属性攻撃」の猛攻撃を黒空藻を撃退しようとする



温泉に辿り着く為には、まずは、黒い藻を相手にするんだという。
「ふふーん、藻ってあれだろ? 水辺で如何にも『藻』ですって顔してるモジャモジャだろ?」
 バロ・ヴァッハ(「星」を司る小さな聖神・f34828)は、船室で余裕綽々に仮眠に勤しんでいた。
 藻にやられるなんて、勇士なんてのも案外弱っちい奴らなんだな。とさえ思いながら、そうしてくつろいでいると。
「でたぞ、黒空藻だ!!」
 そんな声が響き渡った。流石によく響く声だ。
 バロはようやく出番だ、と起き上がり、おどおどと走り回る勇士を抜けて、甲板に立った。そして、黒空藻程度、簡単に退けてやろうと勇士が見上げたそれを見て。

「な、なんじゃありゃ!?」

 前方を覆い尽くす黒い藻。黒い雲か、それとも黒い岩でできた島のようにみえるそれは、確かによくよく見れば藻なのだろう。
「黒空藻っすよ!」
 勇士の一人がバロに改めて説明する。
「船に引っ付かれたら、エネルギー全部持っていかれて沈んじまうんです! あと人とかからもエネルギー奪うんすよ」
「いや。聞いてたけど!! 聞いてたけど、でかくない!?」
 もぞもぞと蠢きながら、相乗以上の速さで接近する細かい藻の塊。普通の人間なら数十秒で全身の生気を吸い取られて干からびるらしいけれど、猟兵となれば別。何時間も吸い取られ続けてしまうだろう。藻の先端が体の至る所に吸い付いてあの手この手でエネルギーを摂取しようとするのだ。
「ああ、もう! 絶対くっつかれたら大変なことになりそうだ!」
 想像に身を震わせながらも、バロはしかし、船の縁に立ってはその尻尾を奮い立たせる。
「黒い綿菓子……なんて思えないよな、いいや。ともかくぶっ放す!!」
 バロが尾を振れば、光が滲み出し、星の形となる。そうして生まれた星々が夜空に広がるように一斉にその数を増していき、400を超える星の弾丸が一斉に放たれた!
「くらえーッ!!」
 膨大なエネルギーを込めた弾丸。黒空藻は、そのエネルギーに釣られるようにして自らその弾丸を取り込むように迎え入れると――内側で弾けた聖なる光が黒空藻を吹き飛ばす。流星とかした弾丸の全弾が命中しごっそりと欠けた黒空藻。
「全然足りない、けど、まだまだーっ!」
 空いた隙間を埋めるように黒空藻は膨れ上がる。だが、それよりも早くバロが次弾を準備していた。
 流星が駆ける。爆発が起こる。
 あれに飲まれたらバロの毛並みやら、何やらが大変なことになる。それは嫌だ、その一心でバロは次々と黒空藻を聖なる光で吹き散らかしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御堂・俊輔

なんでか回りの黒空藻が全部オレの所に集まって張り付かれて、最初は剥がそうとしたり抵抗するけど、次第に弱って動けなくなって為す術なく生気も気力も何もかも根こそぎ奪われちゃうかもー
黒空藻が晴れる頃には指一つ動かない状態になってるかなー
そしたら介抱って名目で船室かどこかに運ばれて、そこで(藻と同じように魅了してしまった)勇士さん達に服を剥ぎ取られて代わる代わる襲われちゃうかもだねー
勇士さん達は動けなくて成すがままのオレのことをベットの上だったり吊るしたり道具を使ったり、それぞれが思い思いの方法でモノの様に激しく使って、温泉の前に一汗も二汗もかいてく感じかなー?



「……あれ?」
 御堂・俊輔(妖狐のシフ・f31053)は船員の手伝いをしている間に、黒空藻の襲撃に騒ぐ船内から顔を覗かせる。ちょうど一人で作業していた時だったので、誰にも知らされなかったのだ。
 主戦場から離れたここに黒空藻が現れる確率は低いはずなのだが。
 唐突に何かに脚を掴まれたかと思えば、俊輔は一塊の黒空藻に襲われていた。
「はぐれ……っ? なんでオレのとこに……っ」
 船内に潜り込まれたら、黒空藻は天使核に取り付こうとするはずだと船員は言っていた。というのに、入り口がそこにあるのに、それは俊輔に取り付いている。
「……っ、ぁ、くそ」
 小さな吸盤が俊輔の脚の皮膚に吸い付いてくる感触。不意を突かれた俊輔は、その瞬間、完全な悪手を打ってしまった。絡みついた黒空藻を素手で引き剥がそうとしてしまったのだ。
 俊輔の小さな手のひらに、黒空藻が容赦なく張り付いた。
 それもそのはず、意図せぬ内に俊輔は魅了のフェロモンを放出していたのだ。その原動力となるエネルギーに惹かれた黒空藻が俊輔の抵抗など簡単に押しのけて、腕や足を伝いその体へと。
「あ、っ、来るなよ……」
 肩から胸へ。幼い体に張り付いてくる細かな吸盤。筋肉も薄いその未熟な胸、先端を吸い付かれる感覚に、徐々に抵抗ができなくなっていく。
 エネルギーを吸い取られている、それだけではない。その境遇から神経の発達した彼は、未熟だからこそ、その刺激を強烈に快感へと昇華させてしまっているのだ。震えるに膝を付けば、更に藻は俊輔を攻め立てる。太ももを伝って下着の中にさえ潜り込んでくる。
「はぅ、ぁ……だめ、だ」
 黒空藻に吸引される感覚に下着を押し上げながら濡らすその幼い漲りにすら、柔らかな双丘の奥にまで襲い来る。フェロモンを発する彼の体を黒空藻が容赦することはない。ともすればそのフェロモンが濃いその場所だ。
「ぁ……ッ、ん、はあ……」
 人の手でもない。慣れぬ強烈な感触に抵抗など許されず、俊輔はやがては唾液を零しながら、与えられる恭悦に囚われていく。
 彼が開放されたのは、黒空藻が撃退された後。船員の手によって引き剥がされた彼は、船員の手によって救護室へと運び込まれ。
 溢れ出るフェロモンによって、船員達を酔わせてしまった。
 その後、彼がどうなったかは誰も語らない。ただ、シャワーで汚れを流す俊輔の体には、大人の手の形をした痣がいくつも浮き上がっていたという。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ヤコ・ナゴ
☆あー…なんかこう、久々に羽を伸ばしたい気分ですよぉ…
(先日内なる狂気とか暴力性とかを発揮した逸般人、今日は温泉旅行の気分。別にタオル一枚ではないけどツナギの下はあの水着だったり)

そんな訳でですねえ。温泉旅行にーーー行こうと思うんですが、なーんかあの黒いの、すっごく邪魔臭くないですか?
やっぱり邪魔ですよねえ。

そんなに私の温泉旅行を邪魔しに来たんですかこのクソ藻やっぱり許しませんよ片っ端から焼き払ってどこにくっついてんですか失礼にも程があるんですよええそろそろいい加減にしてくださいよ(メチャクソ早口でストレスゲージ蓄積&恨み言高速詠唱)滅べええええええええええ!!!(いつもの物騒な破壊光線。)



「あー……なんか、こう。久々に羽を伸ばしたい気分ですよぉ……」
 ヤコ・ナゴ(チキンレッグ・f29509)は大空を前に、そう呟いた。
 なんだか最近忙しかった、というより、内容がハードな事があったせいで気分落ち込みがち、体も疲れがちなのだ。
 温泉と聞いて、ヤコは胸踊らせながら、この依頼に挑んでいた。準備もバッチリである。
 タオル一丁、というわけではないけれど、ツナギの下に中々魅力な感じの水着を着ていたりする。
 いやまあ、持っていた水着がそれだからですけどね。別に、自慢したいわけではないんですよ。こんなカッコいい水着が似合っている様を自慢したいとか、魅力的な雄としての顕示欲を満たしたいとか、むしろちょっと欲目で見られたい、などという俗物的な思惑があるわけではまったくなくですね、ええ、ええ、もちろん、そういうわけではないんでよ。当然やっぱり、まあ、温泉にゆっくり浸かりたいな。と考えているだけですとも。どちらかといえばこの水着ってちょっとい見惚れる感じがあって恥ずかしいですし、あんまり人に見せたいとは私自身は考えていないんですよね。考えてはいないんですけれど、まあ着る機会があれば着てもいいですかね。それでまあ、どうせ着るなら少し好意的な感想も聞きたいですし、なんならね、ちょっとね、疲れた心に優しい嬉しい事があっても、別にそれはそれでまあ受け入れることもやぶさかではないなくらいの軽い感じで考えているわけです。いや、別にそれが主目的では全く無いですよ。最近疲れることが多かったわけですから、時々は見知らぬ土地で体を休めてみるのもいいもんだなあ、というのがいちばん大事なところでしてね。なにかしら、療養以外の要望があるわけではないんです。ええ、そう、体を休めれたら何よりなんですから。ええ、羽を伸ばして休みたいんですよねえ、だから、別に私としては何もない方がありがたいまであるわけでありまして。
「……つまり、なんだ。兄ちゃんは欲求不満なわけか?」
「違いますけど!? なんですか、藪から棒に!!」
 急に向けられた声に思わず切り返すと、いつの間にか、ヤコの横に船員の一人が立っていた。どうやら黒空藻を発見したから伝えに来てくれたらしい。なんというか、憐憫交じる視線に嫌な予感がした。
「え、……まさか、声に出てましたとかないですよね?」
 目を逸らされた。沈黙とは、斯くも雄弁に言葉を語るのか。
「はわ……」
「疲れてんだよ、あとで湯に浸かりながら話聞いてやるからな」
 じゃあな、頼んだぜ。肩をぽんと叩いた船員は、そう言ってヤコに背を向けて去っていく。
「……」
 数秒固まっていたヤコは、船員が示した方向に見える黒いモヤを見て、ゆっくりと歩き出した。
「あー……なんか、こう。久々に羽を伸ばしたい気分ですよぉ……」
 ヤコ・ナゴ(チキンレッグ・f29509)は大空を前に、そう呟いた。
 無かったことにした。
「まあ最近疲れることが……多かったですし」疲れてるとさっきみたいな事もあるし「温泉旅行の気分で……して」恥ずかしい独白が聞かれたばかりで白々しいけれど「んー、邪魔ですよねえ、あの黒いの」
 微妙になかった事にできず、ふつふつと怒りが湧いてくる。
 今こそ何も考えず、温泉に浸かってリラックスをしたいというのに、それを邪魔する邪魔な邪魔物がそこにあるのだ。
「そんなに私が穏便に温泉旅行を満喫するのを邪魔したいんですか、クソ藻如きが。許せませんよね、ええ許しませんとも、片っ端から一欠片たりとも残さず焼き払って――ひゃ」
 ひゅう、と風が吹いたかと思えば、急速に接近した藻の一本がヤコの首に張り付いて、エネルギーを吸い上げた。その拍子に早口が少しだけ中断され、変な声が上がる。
 周りにいた先程の船員から気まずい視線が送られるのを感じていた。
「なに張り付いてるんですかね、失礼にも程があるってもんですよ、大体(中略)いい加減に……いい加減に……」
 上限にまで振り切れたストレスゲージがぷっつんするのをヤコは感じ、そして。
「滅べええええええええええ――ッ!!!!」
 破壊光線が空を貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
☆◇
POW

ババンババン! 温泉デース!
ワタシの機能にお風呂関連のデータは不足していることに気づいたので、現地で情報を得るべく参戦しマース!
これで三助技能も獲得しマース! レッツ銭湯!

と、勇士のエブリワンの行く手を阻む黒空藻でありますか。
お任せくだサーイ!
グレネードランチャーで邪魔をする黒空藻を爆撃で粉砕デース!

破壊しきれない藻は、触れずにどかせば良いデスネー!
「六式武装展開、風の番!」
掃除機から放出する風の見えざる手なら、ペタペタくっつくことはないデショー!
前からやって来た藻を右へ左へ受け流し、どかしマース!

進捗順調でありますかな? オーライ!
このまま安全運航をお願いしマース!



「お背中を島流しデース!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)には、微妙にお風呂関連のデータが不足していた。非常時でなければ「俺の背中をどこにやる気だ」と突っ込まれそうな三助っぽい(と考えている)台詞を声高に発しながら、バルタンはふんぞり返るように船の縁に立つ。
「というわけで温泉デース! 不足している三助技能もバッチリ学習してみせマース!」
 そのために。とバルタンは迫りくる黒い藻を見据えていた。
 温泉で三助を担うには、まずお客の存在が不可欠だ。今回で言えば、勇士達――猟兵ではなく、この船の乗組員達だ。
「勇士のエブリワンの行く手を阻む無頼の輩は、このバルタンが成敗してみせマース!」
 武装展開。
 どこからか取り出したグレネードランチャーを肩に構えたバルタンは、躊躇いなど欠片もないまま、引き金を引いた。
 ドウン、と砲音を放ちながら前方へと放たれる砲弾。が、まるで流星群のように次から次へと叩き込まれていく。
 爆発の雨あられである。
 唖然とする船員達の目前で、絶望的な脅威であった黒空藻が、見る見るうちに数を減らしていく。強烈な一撃を連発していけば、徐々に塊は小さな塊へ。そこから更に別れて小さく。
 だが、そうなっていけば、今度は纏まりの数が増えて、狙いが定まりにくくなる。
「イエース、そろそろ潮時デースねー!」
 別にあれはオブリビオンの類ではない。自然災害だ。
 故に猟兵達とて、それらを完全に撃墜する必要はない。要は無事に切り抜けられればいいのだ。
「まあ、これだけのデカブツがのさばっているのは、よくないデスから散らしましたけどネー」
 他の猟兵と合わせて、ドカドカと爆炎で藻を伐採したバルタンは、いつの間にかグレネードランチャーではなく掃除機を構えていた。
 メイドに掃除機。なるほど、なんとも平和な組み合わせではあるが――しかし、バルタンはバトルサイボーグメイドである。こんな状況で呑気に甲板の掃除をし始めるわけはない。
 いや、バルタンならし始めてもおかしくはないと思わせる凄みがあるが、ともかく、今は違った。
 散り散りになった黒空藻。まとめて屠るのは難しく、それでいて、脅威は残っているそれらに向けてバルタンは掃除機のスイッチを入れた。
 瞬間。ばっ、と前方に浮遊していた黒空藻が一斉に西へと流されたのだ。見えない手に払われるかのごとく。
「残りはこれで解決デース!」
 バルタンが、掃除機を握りながら次々に生きた残骸を払っていく。それは、比喩などではなく見えざる手の仕業だった。
 圧縮した空気で作り出した手による、巨大な見えざる手。それが、次々と黒空藻をはじき出しているのだ。元が空気だ。圧縮された空気に取り付こうとも、解除してしまえば霧散する。
「進捗順調でありますかな?」
 進む先の掃除をこなしながら、バルタンは舵を取る船員に振り返った。返ってくるのは親指を空に向けたジェスチャー。
「オーライ! このまま安全運行をお願いしマース!」
 同じジェスチャーを返したバルタンは、そうしてどんどんと道を拓いていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガルタ・フレア

救いを求める者を阻むというのなら、我輩はその障害となろう。

「力を求めてさまようか」
「良いだろう、我輩を望むのならくれてやろう」

「だが、心せよ。我が血肉は貴様らを蝕むぞ」

自分の身体に傷を付けて流した血と共に生命力を吸わせる。
エネルギーを吸い取るのなら、それも共有される。あとは根比べだ。炎に巻かれて死に絶えるか、我輩が精根尽き果てるか。

どのような報いをも受け入れよう。
それが望みとあらば。我が罪を食らうといい。

藻の攻撃にある程度覚悟はしている。予想を外れた攻撃であろうと耐えてみせるという覚悟。

アドリブなど歓迎。



 アガルタ・フレア(夜照らす闇・f35035)は、それを見つめていた。
 彷徨うもの。糧を奪い喰らうもの。そして、今、温泉に救いを求める者達を阻もうとするもの。
 宵闇の毛並みに浮かぶ灰色の鬣を風に戦がせて、アガルタは自らの腕に爪を立てた。
「力を求めて彷徨うか」
 血が滴る。
 アガルタの血は、ユーベルコードの引き金。そして、その力の源だ。故に、千切られた黒空藻はその力に吸い込まれるようにして、彼の元へと集まっていく。
「良いだろう」
 そういって血を払えば、血を浴びた周囲が一斉に黒い炎に包まれた。それは近くに接近していた黒空藻も同じく。アガルタの生命力を奪い燃える火炎は、アガルタを蝕みながらも黒空藻をも蝕んでいく。
 彼が受けたダメージを分配するそれは、炎に奪われる生命力もまた黒空藻にも負担させる。奪われるばかりの黒空藻は、アガルタへと体を伸ばす。彼はそれを拒みはしない。
「我輩を望むのならくれてやろう」
 だが、と藻に巻かれながらも、アガルタは続ける。
「心せよ。我が血肉は貴様らを蝕むぞ」
 言い切るやいなや、その生命力を求めた黒空藻が一斉に彼の体に襲いかかる。
「ぬ、ぐ」
 減った数とは言え、彼の体を覆い尽くすには十分な数。黒い炎をまとった数多の吸盤が彼の体に張り付いた。
 抵抗はしない。これは根比べだ。
 黒空藻が炎に巻かれて死に絶えるか。
 アガルタが精根尽き果てるか。
「ぅ、く……ぐ」
 くぐもった声が漏れる。
 覚悟はしている。黒空藻を滅ぼそうというのだ。故に、その罪を背負う。望みとあらば、その罪ごと喰らうといい、そう叩きつけるような覚悟。
 だが、予想外なことも起こっている。
(これ、は……、なん、とも)
 細かい吸盤に吸い付かれる感覚は初めてだ。だが、それは決して不快のみではなかった。服の下にまで潜り込み、貪欲にアガルタを求める藻。屈強な肉体を無数の口が這いずり回るような感覚に、アガルタは快すらえていたのだ。更に、アガルタの反応を示し始めた雄に多くの藻が絡みつく。
 なるほど、それも、一つの強いエネルギーということだ。猟兵の体、そしてその力の放出。それはエネルギーを求める彼らからすれば垂涎のものだろう。
「ふ、く……だが、屈せんぞ……」
 蟠る欲求。吐き出してしまいたいという野生の本能を押さえつけながら、アガルタは炎が燃え盛るのを感じていた。
 そうして、しばらく時間が過ぎ、甲板に立っているのはアガルタだった。黒空藻はすべて燃え去り、灰とかした。ギリギリだったアガルタは、その獣欲を握りながら、崩れ落ちる。
 そうして、吐き出した欲の迸りは、彼の黒い体毛を白く汚したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『征竜前線バスタード』

POW   :    『葬竜極光』グローリア・レイ
【エネルギー充填完了のサイレン】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【島を薙ぎ払う島底の砲門を開放。粒子加速器】で囲まれた内部に【エネルギーを収束、戦場に加速した荷電粒子】を落とし、極大ダメージを与える。
SPD   :    『無命天使』マキナ・エンゼルズ
【島内部の倉庫】から、戦場全体に「敵味方を識別する【複数の機械天使兵】」を放ち、ダメージと【物量により萎縮と束縛】の状態異常を与える。
WIZ   :    『撃竜嵐纏』ドラグバスター・テンペスト
【周囲を巨大低気圧の渦で覆う。外側を暴風、】【内部を稲妻で守り近づく物を粉砕する。】【粉砕した物を回収する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。

イラスト:みささぎ かなめ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 黒空藻の宙域を抜けた船の前に現れた巨大な影。
 それは島ひとつを丸まま兵器へと作り上げた要塞島。かつては屍人帝国への守護神であったそれは今や暴走し、世界の敵となっている。
「征竜前線バスタード……ッ」
 船員は、その存在に恐怖すら感じない。純粋な諦め――挑戦はここで潰えるのだという、確信。
 だが、例外がいた。
 船に乗る猟兵達は諦めてなどいない。かの暴島を排し、温泉へと至るのだ。という強い意思に燃える瞳が、バスタードを射抜いていた。

◇◇◇

 征竜前線バスタードとの戦闘です。
 強大な相手なので、中々打撃与えるのは難しいですが、敵の攻撃をうまく利用すれば、大打撃を与えられるでしょう。

 秘湯まで後少しです。
バロ・ヴァッハ
アドリブ・連携○

「大物の登場だー!こいつを倒せば温泉に入れるぞー!」

バロは「気合い」を入れて「闘争心」を燃やした
目の前の巨大な敵「征竜前線バスタード」へと「指定UC」を使ってアイテム「星神の剣」を構えて敵の猛攻を「受け流し」ながらかい潜ろうとした
かいくぐれたら「星神の剣」による「カウンター」を繰り出すつもりでいたバロ

「温泉に入るまで諦めないー!」

いつも以上の「気合い」を見せていた


バルタン・ノーヴェ
☆◇
POW

オー……島が丸ごとオブリビオンとは、剛毅デース!
なるほど、飛空艇にはあまりにも脅威でありますな。
しかし、大きいが故の弱点もありマース! そこを突きマース!

「六式武装展開、雷の番!」
気合十分、戦闘準備OK!
飛翔可能状態になってスタンバーイ!
グローリア・レイのサイレンが聞こえると同時に、スタートデース!
バスタードの底部へ突撃し、開かれようとしている砲門へ攻撃デース!
次々に粉砕! そして破壊!
オープンを邪魔しマース!
正常に開かれないまま荷電粒子砲を射出したら、どうなりマスカナー?

自爆に巻き込まれないよう(他の方が巻き込まれそうなら救助しつつ)飛翔して逃げ、バスタードの具合を見届けマショー!



「オー……」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、飛空島一つ要塞と化しているその威容を見上げて、感嘆の声を上げていた。
「なんとも剛毅デース」
「だなー! すごい大物だー!」
「おや、先程のシューティングスター様デスネー」
 バルタンは、己の声に同意を返してきた声に振り返ると、バロ・ヴァッハ(「星」を司る小さな聖神・f34828)
が、船の欄干に飛び乗って来るところだった。
「シューティング……? ああ、僕のことだな?」
「イエース、見事な働きでしたネー」
 星型のエネルギー弾を操っていたからからだろう、その呼称に少し遅れて反応したバロは、直後褒められて照れくさそうに耳をひょこひょこと動かしていた。
「ふふん、僕にかかれば軽いもんだ。お前も中々だったぞ」
 ところで、と、バロは相変わらず耳を動かしながら、島を見上げる。
「あいつを倒せば温泉に入れるんだけど、何かアイデアあるかー?」
「イエース! この飛空艇にはあまりに脅威でありますが――大きいが故の弱点もありマース!」
 そう言うや否や、バルタンは全身に電撃を纏わせた。その足先が僅かに床から浮かび上がる。
「つまり?」
「つまりデスねー」
 バロが続きを促すように小首を傾げた瞬間、島からサイレンが鳴り響く。島底の荷電粒子砲が稼働しはじめた合図だ。バルタンは素早く臨戦態勢に移り、言葉を残して飛び立つ!
「ビュっと行って、ドーン! デース!」
「わざと分かりにくく言ってないか!?」
 叫んだ声にバルタンは返すことなく、もはや空の点である。
「いや、うん、まあ、なんとなく分かったけどさー」
 これが終わったら温泉、という希望に気合と闘争心を燃やして翼に光をまとったバロは、バルタンの後を追い、空へと駆け出していく。

「……っ、険しいデースね!」
 一気に接近しようとしたバルタンは、しかし、立ちふさがる暴風に振り回されて思うように近づけないでいた。
 島を覆い尽くすほどの雲。低気圧、嵐、台風。人工的な災害の猛威がバルタンの体を押し流していく。
「どうしますかネー……ん?」
「ぬ、ぁああああ!!」
 攻めあぐねるバルタンの耳に、遠くから暴風を押しのけて迫る声。振り向けば、そこには台風の日のビニール袋のように舞うバロの姿があった。
「くああ! もう、許さないからなあ!!」
 アクロバティックにぐるぐると舞いながら叫ぶバロ。その抱え持つ光の剣が一際まばゆく輝いたかと思えば、その切っ先から膨れ上がった光の刃が、一瞬だけ風を吹き散らしていた。
「オー! グッジョブ!」
「たす、いや、温泉に入るまで諦めないー!!」
 一瞬助けを求めようとして「まだやれる」みたいなプライドに口をつぐんだらしきバロ。
 叫びながら、しかし再度吹き荒れる暴風に吹き飛ばされていったバロを見送り、バルタンは彼が切り裂いた風の切れ間へと急加速して暴風域を突破する。
「オーウ、これまたデンジャラス、デスネー」
 暴風を抜ければ、雷電迸る黒雲の世界。
「デスが」
 同じく雷撃を全身に纏うバルタンにとっては障害にはなりえない。彼女は一気に雷の帳をくぐり抜け、今まさに開き始めた砲門へと到達した。
 そして。
 ビュっと行った後は、ドーン! である。放った砲撃はその奥の展開途中の砲塔を撃ち抜いた。砲門の展開が止まる。だが、加速した粒子は止まることなく、発射シークエンスは既に最終段階へと移行していた。
「ジャムりは、怖いですネー」
 膨大なエネルギーが行き場を失い、砲塔から逆流する。バルタンは直前に全速力でその場を離れて、ついでに風に巻かれていたバロを救出。
 そして。
「たーまやー、デース!」
 盛大に爆発したバスタード下部に、快哉を叫ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アガルタ・フレア

 我欲に溺れていてはいけない。黒空藻に苛まれた体をそのままに、船員に頭を下げる。

「命じてほしい。我輩に盾となれと。あれを砕く矛を持てと」

 それがあれば我輩は忠実なる獣となれる

 命令を下されたなら、拒まない。即座に承諾してこの船を守る。
 UCによる陽光の盾を作り出そう。
【衝撃波】【カウンター】【多重詠唱】【レーザー射撃】【略奪】による射撃攻撃。
 バスタードに押し返した後に、熱線にて爆破させれば、あの島を削ることも敵うだろう。

 命令が、懇願があれば私は萎縮しない。願いを叶えるためならば全能の太陽さえも喰らってみせよう。
 たとえその報いが我輩に降りかかろうとも

 アドレス歓迎



 船員は膝を付いて、その絶望を見上げていた。
 立ち上がる勇気はなく、破滅の時をただ待つだけ。そんな彼に、アガルタ・フレア(夜照らす闇・f35035)は片膝を付いて、頭を垂れていた。
「……え?」
「命じて欲しい」
 困惑する船員に、アガルタは告げる。指示をするように懇願をする。
「我輩に盾になれと。我を砕く矛を持てと」
 黒空藻に苛まれた体は、どこかいたたまれなさを感じさせるが、その眼差しは強かった。その目に押さえれるように、船員は頷く。
 そして、その頭に手を触れて、彼は命令を下した。
 あれから船を守れと。
「拝領した」
 そうして、立ち上がるアガルタ。その瞬間。その胸から槍のような光が貫くように生まれいでた。さらに千切れた枷が彼を縛ると、アガルタの全身をその陽光が焼き付ける。
 夜の体を持つアガルタにとって陽光は毒にすら鳴りうる。だが、それでも彼は、全能たる太陽の力をも振るい立つ。
 バスタードから放たれた機械天使兵が彼へと殺到する。空を覆い尽くさんばかりの数に、先程の船員はもはや唖然と空を見上げるばかり。
 それでもアガルタは微塵も動揺を見せずに、巨大な光の盾でその猛攻を耐え抜いてみせる。
 命令を受けた彼は、忠実なる獣。その願いがあれば、彼は何をも恐れることはない。それが例え全能の太陽だとして、それすらも食らってみせるのが彼なのだ。
 全身を陽の光が苛む。願いを叶えるための代償。それを飲み込んで、アガルタは一気に盾で機械天使兵を押し返していく。
「ぐ、ぬぅ……ぁ、くッ……!!」
 バスタードの表面にまで群がる大群を押し返したアガルタは、盾を解除し、陽光をレーザー砲の方にうちは成っていた。
 ゴパ!! と空気を切り裂く熱線が瞬く間に空を駆け抜け、薙ぎ払うように機械天使兵を一直線に撃ち抜く。直後、レーザーに傷が付いたバスタードの表面に、機械天使兵の爆発が叩き込まれていく。
 射撃からの追撃カウンター。さしものバスタードも耐えきれる程の強度はない。次々と亀裂が入り、巨大な外郭が雲の海へと落ちていく。
「……っ、まだ、だ……ッ」
 だが、所詮は表面。依然として残る脅威に、アガルタは痛む体を奮い立たせ、バスタードへと更に攻撃を続けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御堂・俊輔

自滅させるにしても何にしても、飛び回る敵がいたら邪魔になるだろーし、オレは船上に放出される機械天使を抑えようかなー
相手が近付いてきた所で九尾になって、尻尾で叩き落としたり、掴んで敵同士をぶつけたりして破壊してくよー
一杯いればビリヤードみたいにぶつけて連鎖的に倒せたりしないかなー?
あとは島に向かって投げつけたら味方と判断して暴風とか稲妻とかちょっと収まったりするのかとか、放出するタイミングで侵入できそうなのか確かめてみたりー?
兎に角、限られた時間で相手への突破口を探して情報共有してみるよー
効果時間が終わったらオレは寝ちゃうし後よろしくー



 強いフェロモンに中てられた船員達は、記憶も曖昧なままに船室に転がっている。
 無自覚ながらに様子が変だった事には気づいていた御堂・俊輔(妖狐のシーフ・f31053)ではあるが、それはそれとして欲のはけ口とされた相手をそこまで気遣う気も起きなかった。自然そのままに放置することにした彼は、甲板に上がりその巨大な存在を見た。
「自滅させるにしても、何にしても――」
 だが、俊輔は呆然とそれを見上げる、というようなことはない。そういったものもあるだろう、と少し擦れたような感想を抱くのみ。
 敵が巨大だろうと、彼は注意深く敵を観察する。相手が小規模だろうとそれは変わらない。
「ふうん、見たままって感じかな」
 島全体を使用して大規模な戦法を可能としている。といったところか。つまりは、兵器であり。孤立して運用されるようなものではない、ということははっきりと分かった。
「飛び回る敵がいると邪魔になるだろーしな」
 ぞわり、と服の中で俊輔の体が膨れ上がる。起きる風に産毛ばかりのその柔肌がそよげば、瞬く間に黄金の毛並みに包まれていく。形がかわり、大きさが変わり、そして、小さな少年が立っていたそこには、九尾の狐が鎮座していた。
 狐は――俊輔は、その狐の体で空をにらみあげた。その目に映るは、迫る大群の機械天使兵。
「さて、あれを抑えようかな」
 迫りくる機械天使兵へと、俊輔は飛び跳ねた。
 人の身では不可能な力強い身のこなしで、機械天使兵へと肉薄した俊輔は、攻撃が来るよりも早く、その尻尾で雲の海へと機械天使兵を叩き落としていく。なにぶん数が多い。叩き落とす直前に足場にすれば、跳躍にこまることはないのだ。
「お、いい位置だなー?」
 真下に叩き落としていた機械天使兵だったが、ふと見上げると中々にいい塩梅の並びでこちらに迫ってくる一団に、思わず俊輔は舌なめずりをする。
 数に怖気づくことなく、一気に近づいた俊輔はすぐに叩き落とすようなことはせず、その先頭の一体を尻尾で掴んで、他の機械兵へと叩きつけた。さながら砲弾のように飛んでいった機械兵が衝撃にたまらず爆散すれば、それに連鎖するように数珠つなぎの爆発が連なっていく。
「……あ、ふうん」
 派手な爆発。その中でふと、バスタードの周囲を取り巻く嵐が揺るぐ瞬間が見えていた。
 恐らく、機械天使兵の周囲は動きが妨害されないようになっているらしい。いい情報が手に入った。俊輔は行き交う猟兵達にそれを共有しながら、攻撃を繰り返した後に船の上に反ってきていた。
 揺らめく足取り。狐の姿が徐々に萎んでいき、やがて俊輔は一糸まとわぬ姿に成って、甲板の上に倒れ込んでいた。
 傷を受けたわけではない。反動の強烈な眠気が彼を襲っている。代償に失った服はどうしようもない。汚れた下着だけ船室に置いていたと思うが、そこまで歩いていける気もしないまま、俊輔はゆっくりと眠りに落ちていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヤコ・ナゴ
☆温泉旅行に行きたいのに…有象無象が邪魔をするぅ…
しかも数多いし…ああもう、こういう、時は!エグい切り札を使うしかないですよお!
ブレス・オブ・モルペウス!
(機械兵器だろうとセンサーなどの知覚系に"幻覚"を見せる新たなユーベルコードだ。幻覚で同士討ちしてくれればしめたもの!)

しかしもう、なんだってこんなにヤバいのがうようよしてるんですかあ…
さっきの藻もそうですし…。



「有象無象が邪魔をするぅ……」
 ヤコ・ナゴ(チキンレッグ:f29509)は、嘆いていた。
 休暇にと思って来たのに、思ったより重い相手が出てきてヤコのストレスは増す一方である。
 さっき、藻を焼き払ったので少しだけスッキリしたけれど、回復量よりダメージのほうが断然大きいのである。
「その上、まだあれと戦えって言うんですかぁ……?」
 そう見上げる先には、さっきの黒い藻にも匹敵しそうな数の機械天使兵。いや一体の大きさが段違いなので、数で言えば圧倒的に先程の黒空藻の方が多いのだろうけれども、視覚的にはどっこいどっこいだ。
 正直を言うと。
 相手してられない、である。
「温泉でゆっくりしたいんですよ、私は……」
 深く、深く溜め息を付けば、尻尾の蛇に視線を向ける。うねうねと動くそれは、いつも協力的なのか非協力的なのか分からないのだけれど、今日はどうやら結構乗り気でいてくれるらしい。そういう感じのうねうねだ。
「あ、温泉楽しみなのは一緒なんですね」
 なんとなく分かった。ともかく、あれだけ数が多いのを全部対処していたら身が持たないのだ。せっかく尻尾も協力してくれる、というのなら。
「ええ、ええ、そうですよね! こういう時は! エグい切り札使うしか無いですよお!」
 正直、扱いを間違えると、あらゆる意味で悲惨な状況になりえる技。
 尾の蛇から猛烈な勢いで吐き出されたブレスが、まるで空気中で増殖するように膨れ上がり、僅かな屈折の違いを見せながら戦場全体を――つまりは、その空域全てを包み込む。
 効果は如実に現れていた。
 隊列を組んでいた機械天使兵、その統率が目に見えて崩れ始めたのだ。
「あー、やっぱりエグいですよね、これ」
 動揺が広がったかと思えば、轟音が響き渡る。それは数百の機械天使兵が、味方同士で殺し合いを始めた音が幾重にも重なって生まれる轟音だ。
「……ちゃんとオブリビオンにだけ効くようにしました?」
 少し不安になって蛇に問いかける。こくこくと頷く蛇に、ヤコは周りを恐る恐る観察するが、船員は同士討ちをはじめたりはしていない。
 安堵の息を吐く。
 忘れてた、みたいな反応をされたが最後、地獄絵図である。とはいえ、後は、他の猟兵や機械天使兵がバスタードを破壊してくれるのを待つだけである。既に半壊したバスタードを見る限り、その崩壊も遠くはないだろう。
「しかしもう、なんだってこんなにヤバイのがうようよしてるんですか……」
 オブリビオンの侵攻があるのは分かっているが、しかし、温泉に行こうと思ったらこれである。
 ヤコは、早く温泉島につかないかなと、遠い目をするのであった。
 風向きが怪しい。もうこれ以上変なことはおきないで、と嫌な予感が当たらない事を願いながら。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『空の湯でひと息』

POW   :    ゆっくりお湯に浸かり、身体を温める

SPD   :    打たせ湯で身体をほぐす

WIZ   :    雄大な景色を眺めて楽しむ

イラスト:真夜中二時過ぎ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「辿り着いたのか……」
 副船長が感慨深げに呟いた。
 夕方、というにも少し暗い時分。勇士達は、件の温泉島に辿り着いていた。
「これで俺の非モテが……じゃない、船長の腰も良くなるぜ!」
 彼の非モテがどうなるかは定かではないが、天使核の力を感じる湯は確かに、不思議と良い効能が見込めそうだ。
 猟兵達も彼らと同じく、思い思いに温泉島に足を踏み入れるのだった。

◇◇◇

 なんとか無事に温泉に辿り着きました。
 敵もいないので、日没の素晴らしい景色と、心地いい湯を楽しんでください。
 船員達が食料を持ってきているので、飲み食いもできます。
 船員も気さくながら感謝して、接してくれるでしょう。

 お好きにどうぞ。
バルタン・ノーヴェ
☆◇
POW

ヒャッハー! 温泉デース!
もちろん、当初の予定は忘れマセーン。
温泉島の、温泉データはちゃんと回収しマース!
船員のエブリワンは他の猟兵の皆様にも、温泉料理(温泉卵とか、冷たいドリンクとか)を提供して、好ましいメニューの調査デース!

それはそれとして。ワタシもじっくり満喫はしマース!
サイボーグデスガ、耐水性に問題はありマセーン!
コンプライアンスはコンテストで用意した水着があるのでセーフデース!

いろいろと現場で体験しなければわからないことがありマスカラ!
この機にたっぷり楽しんで、今後の奉仕活動の参考にしマショー!
という訳で、エブリワン!
お疲れ様デース! 乾杯デース!(未成年なのでノンアルで)



「ヒャッハー! 温泉デース!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は、我先にと船を飛び降り、準備を始めた。
 彼女がここに来た理由。それは勇士達を助けるためというのもあるが、しかし、当初の目的は、温泉関連のデータ収集である。
「温泉島の、温泉データはちゃんと回収しマース!」
 てきぱきと、岩場の上に寝転べるようマットを敷いたと思えば、温泉には定番だというドリンクや料理を準備する。フルーツ牛乳やコーヒー牛乳といったものから、卵を温泉につけるネット。
「これを暫く良い温度の温泉に浸けていれば、準備万端デース!」
 一通り準備を終えれば、しかし、勇士たちも今着いたばかり。船で少し身体を休めるか、もしくは温泉に向かうばかりで手持ち無沙汰である。
 さて、奉仕活動のデータ収集が出来ない。どうするべきかという所だが。
「それはそれとして……」
 だが、バルタンはそんな状況もばっちり対策済みである。
「ワタシもじっくり満喫はしマース!」
 言うやいなや、バルタンはメイド服を脱ぎ捨てる! 脱ぎ捨てた先で皺にならないよう、ラックに掛けられる高等技術を無駄に披露しながら、バルタンは仄かに良い香りのするお湯へと向かった。
 水着を着ているので問題ない。ついでにいうとメイド服モチーフなので、アイデンティティ的な意味でも問題なしである。
「ほお……、これは中々」
 バルタンは、温泉の効能を肌で感じていた。いや、肌での数値化という意味もあるが、それ以上に、成程心地いい、という感情による学習だった。
 と、一時の休息を挟んだのち、再びバルタンはメイド服を着ていた。
 そして、勇士達が期待の眼差しで見つめる中。その手にある輝かしい代物を掲げあげる。そう待望の、あれである。
「――乾杯デース!」
「いえーい!!」
 サイボーグとはいえ未成年。ばっちりノンアルコールの炭酸飲料を掲げて、勇士達の宴会が始まり、湯上がりの乗組員たちが酒と笑いに釣られて集まってくる。
 その度、バルタンが酌をしては、乾杯を捧げるのだが。
 果たして、本来三助は宴の音頭まで取るものなのか。少々特殊なデータになりつつあることを、酒の入った勇士達が訂正することなどあるはずもなく。
「イエーイ、お疲れ様デース!!」
「お疲れー! カンパーイ!」
「くう、うめえ!! この酒の為に生きてるぜー!!」
 ともかく、勇士の満足度を爆上げすることには大成功を収めたらしいバルタンであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヤコ・ナゴ
☆やっと…やっと温泉だあああああああああああああ!!
(ストレスからようやく解放されて、ツナギ脱ぎ捨てて温泉ダーイブ。温泉に飛び込みは危ないからやめた方がいい?今のヤコは言っても聞かないと思うよ。)

はー…いい湯ですねえ…
(尾の蛇と一緒に温泉を堪能。)
せっかくの機会ですし、あなたのお手入れもしちゃいましょうかね…
(ここぞとばかりに尾の蛇をお手入れする。…神経繋がってるから手入れするとヤコにも感覚が伝わる?だいじょうぶだいじょうぶ、たぶん…たぶんだいじょうぶ。)



「やっと……」
 ふらり。ニワトリ――もとい、コカトリスキマイラは全身に灰色のオーラを纏わせて、一つの温泉の側に立つと、ババッ! と着ていたツナギが宙を舞う。
 胸ぐらを掴んで引っ張っただけに見えるというのに、ズボン部分や中のシャツまで一緒に脱ぎ去る早業。
 実はこっそり――バレたけど、こっそり自慢したかった水着も、しかし、今のヤコには目の前の誘惑とは比べる事もできない。
 念願である。このときのために来たというのに、なんか大変だったのだ。
「やっと温泉だあああああああああああああ!!」
 ヤコ・ナゴ(チキンレッグ・f29509)はダイブする。
 恥も外聞も無い。あるのは、癒やされるのだという歓喜と開放感。大きな水しぶきを立てて全身が暖かな湯に解されるのを、ヤコは僅かに炭酸の混ざる湯が毛皮の隙間で弾ける心地よさの中に浮かびながら感じていた。
 ちなみに温泉に飛び込むのは、やってはいけない。絶対に。
 人がいるいない、ではない。急な温度変化だったり、温泉成分で床が滑りやすくなっていたりするから『ダメ、ゼッタイ』である。
「おい、温泉に飛び込むんじゃねえ!! あぶねえだろ!!」
「まあまあ……疲れてたみたいだしさ」
 猟兵であろうと絶対にダメなのだ。疲れているなら尚更。
 しかし、ヤコはそれ以上に精神的にやつれていた。一分一秒を争う事態だった為グレーゾーンというところだろうか。
 それを少し離れた湯から見ていた勇士も渋々看過することにした。
 そんな一幕があったとは知らず、ヤコは一気に回復したストレスゲージに、漸く落ち着いた。縁に寄り、岩に腰掛けると、ちょうど腰の上辺りにまで湯が浸かる。
「はあ……、いい湯ですねえ」
 独りごちると、しっぽの蛇も嬉しげに揺れている。
「せっかくの機会ですし、あなたのお手入れもしちゃいましょうかね」
 湯をかけながら、その表面を擦る。みるみる内に鱗のキューティクルが高まっていく。と、同時に。
「……ん、は、……んんっ」
 何か艶めかしい声が漏れていた。
 体の比率としては圧倒的にヤコが主体である。故に蛇の感覚はどちらかというと鈍い。痛みとかもヤコの方が強いのだが。いや、まあ、つまり、気持ちがいいという感覚も、蛇部分とは言え、ヤコに返ってくるのだ。
 蛇の胴体を擦れば、腰を伝ってくる快感が気の緩んだヤコを包むのだ。
 とはいえ、後ろめたい事をしているわけではない。疲労もあってか少し感じやすくなってしまっているだけなのだ。
「お、おい、温泉の中で――」
「ま、まあまあ……疲れてたみたいだし、さ」
 少し離れた湯の勇士達にも、その声が風にのって聞こえてくる。聞こえていないと思っているのか、艶めいていく声に注意しようとする声も徐々に静まっていき。
「ま、まあ……お礼がてら、話しにいくのもいいかもな……」
「そ、そうだな。それにまあ、やんわりと、注意するのも、いいかもだしな」
 少しのぼせたように顔を赤らめる勇士達のそんな一幕もヤコは知らず、蛇の世話を続けているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年10月16日


挿絵イラスト