●森の奥の月光の花
「ぱんぱかぱーん! フェアリーのユメノさんが作った渾身のフェアリーランドのお披露目です!」
フィーナ・ルリス(陽だまり・f04597)は、にっこりと微笑む。
「渾身のフェアリーランドなので、みんなをご招待したいんだって! 折角だから、お邪魔しようよ!」
フィーナはユメノの作ったフェアリーランドについて説明する。
「最初はね、森を冒険するの。最終目的地が森の奥だから、そこを目指して頑張ってね! まあ、渾身の作品なので、大樹を攻略したら森の奥に行けるみたいだよ。中々、難しい迷路になってる所もあるらしいので、是非、頑張って突破してね!」
そして、とフィーナはぐっと力を入れる。
「今回の目玉は日中に咲くことは無く、月光でのみその花を咲かす鈴蘭探しだよ。月光の光出ないと咲かない鈴蘭って、とても神秘的だよね。綺麗な月光の中、鈴蘭を探して、綺麗な月を眺めながら、花を愛でる……そんな時間もとっても素敵だと思うんだ」
ヒントとしては……と続ける。
「何かね、ユメノさん曰く、この鈴蘭の花は『銀鈴蘭』って言うんだって。満月の夜に銀色の花を探せば見つかるみたいだよ。お花を眺めながらのお月見って感じだね。群生地もあって、『二つの月が顔を合わせる場所』……つまり、水辺の近くみたいだね」
ちょっと遅いお月見だけど……そう言いつつフィーナは笑顔で笑う。
「満月の夜に咲く鈴蘭って、とっても幻想的じゃない? そして、満月と鈴蘭を愛でながらのお月見も良いと思うんだ。勿論、折角のお月見だから、お団子とかお菓子とか、成人している人なら月見酒も良いと思うよ。素敵なお月見の一時を過ごそう?」
白鳥美鳥
白鳥美鳥です。ちょっと遅れていますが、お月見です。今回は、満月の夜に咲く花を愛でながらのお月見になります。心休まる一時になると思いますので、是非、楽しんでください。
第一章は、満月の夜に咲く花の場所に行くために大樹を突破して下さい。
第二章は、満月の夜に咲く花を楽しみながらのお月見です。食べ物やお酒(未成年は禁止です)の持ち込みも歓迎です。心行くまでお月見を楽しんで頂ければと思います。
心休まるお月見かなーと思っております。
リプレイは、第一章はある程度集まってから、第二章は日常なので、プレイング募集期間を設ける可能性があります。
とはいえ、リプレイの返却はマチマチになりやすいので、Twitterとマスターページの確認も宜しくお願い致します。
皆様のプレイング、お待ちしております。
第1章 冒険
『大樹の迷路を突破せよ!』
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POW : 俺が道だ!壁を破壊して進攻する。
SPD : トライ&エラー。速さを活かして総当たり作戦。
WIZ : 己の直感を信じろ!勘の告げる方へ。
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
おい。何故わしなんじゃ!(迷路大の苦手)
『疾き者(唯一忍者。迷路得意)』と『静かなる者(武士。こちらも迷路得意)』いるじゃろ!
え?わしと組むと、陰海月がとても張り切って解いて楽しむから?
…………仕方ない(孫に甘い祖父モード)
というわけで、陰海月、それにこういう場所が初めてな霹靂と共に迷路探索。陰海月、本当に楽しんどる。
平和なフェアリーランドとは初めてじゃが、なかなか良いものだの。
※
陰海月、迷路大好きで得意。やったー、大きな迷路だー!とぷきゅぷきゅ張り切る。
霹靂、陰海月が楽しそうなのでクエッ!と鳴く。
二匹は友だち。
「おい。何故わしなんじゃ!」
揉めている様子の馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。だが、周りに人の姿は無く、彼の内部で揉めている様だ。
「『疾き者(唯一忍者。迷路得意)』と『静かなる者(武士。こちらも迷路得意)』いるじゃろ!」
……どうやら、今いる彼は迷路が苦手らしい。
「え? わしと組むと、陰海月がとても張り切って解いて楽しむから?」
義透の表情が変わる。そして、視線を陰海月に移すと、物凄く楽しそうにしているのが分かった。陰海月は迷路大好きで得意なのだ。大喜びしている姿を見ると、もう無理だ。孫に甘い祖父の様である。
「…………仕方ない。よし、行くとするか。陰海月、霹靂、余りわしから離れないようにするんじゃよ」
「ぷきゅぷきゅ!」
やったー、大きな迷路だー!、そんな声が聞こえそうな勢いの迷路大好きなジャイアントクラゲの陰海月はやる気満々で先頭を進んで行く。そして、こういう場所が初めてのヒポグリフ、霹靂は物珍しそうに周囲を見ている。
「陰海月、本当に楽しんどるな」
「クエッ!」
陰海月の大樹の道を見比べながらも進んで行く様子は凄く楽しそうで、それに義透も微笑む。霹靂も友達の陰海月が楽しそうにしているので、同意するように鳴いた。
のんびりと大樹の迷宮を進んで行く。敵もいない、穏やかな世界だ。
「平和なフェアリーランドとは初めてじゃが、なかなか良いものだの」
この世界を満喫しつつ、陰海月の後をついていっていると、急にぷきゅー! と大喜びしだした。
「どうしたんじゃ、陰海月」
「ぷきゅぷきゅー!!」
やり遂げたという声の陰海月の向こうには森が見える。無事に迷路を抜けた様だ。
「よく頑張ったの、陰海月」
「ぷきゅ!」
義透の労いに、胸を張る様に自慢げな陰海月なのだった。
大成功
🔵🔵🔵
喰代・掬月
■同行者
アテナ・アイリス(f16989)
フェアリーランド……実に心惹かれる響きだね。
夜までは時間もあることだし、森の迷路を堪能させてもらおうか。
木々に覆われた景色を、アテナ君と散策するように楽しみながら、
あっちは、こっちは、と手書きの地図にマッピングしながら進んでいく。
意見が分かれた時は木の棒を倒して、童心に帰って気ままに攻略しよう。
途中休憩がてらアテナ君のお弁当を堪能させてもらうよ。
屋外で食べるお弁当ってなんでこんなに美味しいのだろうね。
水辺が近づけば、その香りがもしかしたら私の嗅覚にも届くかも知れない。
そうしたらゴールは目前。
アテナ君の手を引いて走り出しそうな勢いでゴールまで一直線さ。
アテナ・アイリス
■同行者 喰代・掬月(f13570)
森は、エルフにとっては庭みたいなものよ。迷路になっていたって全然平気よ!
わたしについてくれば大丈夫よ!あれ、ところでさっきどっちから曲がってきたっけ?
まあいいわ、森の空気を満喫しながら、掬月とおしゃべりしつつ、ゆっくりとマッピングしながら進む。
どうしても分かれ道で迷ったら、「第六感」で行く方向を見定めた上で、木の棒を倒す方向を細工する。
休憩の時は、家から持ってきたピクニックランチを、切り株とかに腰かけて食べるわ。
水の精霊を感じてきたわ。もうすぐ着くわよ。
あ、ちょっと待ちなさいよ。急に走ると危ないわよ。
「森は、エルフにとっては庭みたいなものよ。迷路になっていたって全然平気よ! わたしについてくれば大丈夫よ! あれ、ところでさっきどっちから曲がってきたっけ?」
「うん、慌てる必要はないよ、アテナ君。夜までは時間がある事だし、森の迷路を堪能させて貰おうか」
張り切って先を進むアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)。しかし、早速、迷路で分からなくなったようで、喰代・掬月(プレイングキマイラ・f13570)は思わず微笑む。
「そ、そうね。ゆっくりで良いわね」
髪先をくるくるさせながら、アテナは照れ笑いを掬月に向けた。
「マッピングしながらゆっくり行こう」
「ええ、そうね。それと、ピクニックランチも持って来たのよ。後で、一緒に頂きましょう?」
「! それは楽しみだな」
ピクニックランチという言葉に、掬月は嬉しそうだ。
マッピングをしつつ、散策するように木々の間を進んで行く。
「こういう景色もフェアリーランドならではなのかな?」
「きっと、作った妖精の心が現れているのではないのかしら?」
他愛ない話を交わしながら進む二人の前に分かれ道が来た。
「うーん、ここの曲道は右じゃないかな?」
「いえ、左よ! エルフの勘がそうだと言っているの!」
早々に道が分からなくなったのは誰だろうと思いつつ、掬月は木の棒を見せる。
「これで倒れた方に行こう」
「あ、それはわたしにやらせて?」
ここはエルフの勘……というより第六感を信じよう。掬月には気付かれない様に、ちょこっと木の棒に細工をして、アテナは棒を倒す。それは、アテナの予定通り左に倒れた。
「何となくアテナ君が左に向けて倒したような気もしなくも無いけど、まあ、ゆっくり行こうか」
「ええ、そうね」
細工がばれたらと、ちょっとハラハラしたが、掬月の大らかさにアテナは胸を撫で下ろす。
暫くまた道を進んでいると休めそうな場所に出た。
「ここで一休みにする?」
「そうだね」
二人で一緒にピクニックランチを楽しむ。
「屋外で食べるお弁当ってなんでこんなに美味しいのだろうね」
「そうね、どうしてかしら」
外で食べるお弁当は美味しい。それはいつもと違う景色を一緒に楽しんでいるからなのだろうか。そんなやり取りをしながら、二人は再び、迷路の攻略に挑んでいく。
そして、暫く進んで行くと……。
「水の精霊を感じてきたわ。もうすぐ着くわよ」
「うん、確かに水辺の香りを感じるね。ゴールは目前か」
掬月は走り出しそうな勢いでアテナの手を引き、ゴールへ向かう。
「あ、ちょっと待ちなさいよ。急に走ると危ないわよ」
そう言いつつ、嬉しそうな掬月を見て、微笑むアテナなのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コークス・クレオソート
ここ……どこ?
迷ったようだけど
とりあえず、使い魔軍団召喚して、茂みを掻き分け隙間を抜けて……少しの高低差は空中浮遊で乗り越えて
枝の先とか進む必要があれば、使い魔を先行させて、先が行き止まりだったりしないか確認させよう
先が行き止まりでも、枝葉を伝って下や横の枝に移動できそうなら、使い魔を先行させて安全確認
安全なら自身も移動してみる
大きな段差も、枝や根を伝って行けば……その先に進めるかも
倒れた木々が邪魔なら、使い魔軍団総動員で動かし、道を確保しようかな
目的地は水辺で、月が綺麗に水面に写る場所みたいだし……流れが緩やかな川や泉、もしかしたら湖かな?
そんな水辺が近くに見えるようなら、目的地は近いかも
「ここ……どこ?」
早速、迷路に迷ってしまっているのは、コークス・クレオソート(ブラックタールのレトロウィザード・f34990)。
「とりあえず、使い魔を召喚しようかな」
2.5頭身程の自身の分身っぽい使い魔を複数召喚する。
「あそこの方、見てきてくれる?」
見通しが悪く、行き止まりの可能性のある道や、分かれ道では使い魔を先行させて、安全確認をしてもらう。茂みを抜け、高低差を抜けて……。
「うーん、ここは登った方が良いのよね?」
高い高低差の道に行きつき、コークスの足が止まる。
「上の方が安全か見て来てくれる?」
使い魔に様子を見て貰い、安全の確認は怠らない。暫くすると使い魔が戻って来た。
「安全なのね? そこの木を登ったら……辿り着きそうね」
近くにあった木を登って、上の道に出てから、また進んで行く。
(「目的地は水辺で、月が綺麗に水面に写る場所みたいだし……流れが緩やかな川や泉、もしかしたら湖かな?」)
木々の間を抜けつつ、水音がしないかと耳を澄ました。
「……!」
少しだが、水の流れる音がする。そちらに向けてコークスは道を抜けていく。
……そして、向こうに湖らしきものが見える場所に出た。障害物はもう無いようだ。
「無事到着、ね」
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『闇に咲く花』
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POW : 言い伝えを信じ、森中を踏破
SPD : 周囲の町や村から情報収集
WIZ : 自分の魔法や、夜の動物たちに協力してもらい情報収集
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
森の中の一角……満月が見渡せる場所がある。近くには湖が見える。
銀鈴蘭は、この近くにあるのだろうか?
馬県・義透
引き続き『侵す者』にて
水辺近くまで来た。ほう、銀色の花…あれが銀鈴蘭かの?
ふむ、満月も二つある。とてもよい風情である。
素団子持ち込んでいたのだが。
こういうとき、絵になるは『疾き者』であろう、交代を…生前(狼獣人)、団子が食べづらかったわしに譲ると?いや、そこまで気遣いは…(陰海月の義透を見る目(?)がきらきらしてる)わかったわかった。
わしは酒、陰海月は未成年(?)なのでぬるめの茶(熱いと火傷する)、霹靂は皿に入った牛乳(好物)と。
※
陰海月、ここの月見もいいなぁと、団子ぱくぱく(義透の二倍食べる。あとで運動する約束)。ぷきゅ。
霹靂、銀鈴蘭に一番近くてびっくり。小さめ団子をもぐもぐ。クエッ…!
馬県・義透は、迷路を制覇した嬉しい気持ちがまだ溢れて楽しそうな陰海月と霹靂と共に水辺近く……湖まで足を運んだ。
湖の近くでは銀色の花が集まって咲いている場所があった。湖には満月が美しく映えている。
「ほう、銀色の花……あれが銀鈴蘭かの? ふむ、満月も二つある。とてもよい風情である」
これだけ綺麗な景色。絵になるとすれば、やはり『疾き者』だと『侵す者』は思う。そこで交代を申し出たのだが……生前の『侵す者』は狼獣人であり、今回用意してきた素団子も生前であれば食べ辛かった彼に譲ると言われてしまった。
「いや、そこまで気遣いは……」
そんな押し問答をしている中、今、義透の姿をしている『侵す者』に対して、陰海月がきらきらした目で彼を見ている。
「ぷきゅぷきゅっ」
どうやら、陰海月もそのままでいて欲しいらしい。そんなにきらきらした目で見られてしまうと、これ以上は言えなくなってしまう。
「わかったわかった」
その答えを聞いて、陰海月はぷきゅぷきゅっと嬉しそうに回った。
義透は酒、陰海月はぬるめのお茶、霹靂には好物の牛乳をお皿にいれて、お団子と一緒に月見を楽しむ。
ここのお月様も綺麗だなあと、目をキラキラさせて月を見上げつつ、一方の手はせっせと動かしお団子をぱくぱくと頬張る陰海月。月見酒を楽しみながら義透が食べている団子の二倍は食べていそうだ。
「陰海月、沢山食べるのも良いが、運動をする約束も忘れるでないぞ?」
「ぷきゅ!」
分かってます! 陰海月はそんな声で返事をしつつ、その手はまた団子の方に伸びていた。
一方、霹靂は銀鈴蘭の一番近くにいて、その花の綺麗さにびっくりして目を丸くしている。それに気が付いた陰海月は、霹靂の傍に行って、銀鈴蘭を興味深そうに周囲をくるくる回りつつ見ている。目をキラキラさせているので、銀鈴蘭も気に入ったらしい。
「霹靂、団子もどうじゃ?」
霹靂も義透から小さ目なお団子を貰い、もぐもぐと嬉しそうに食べる。
「クエッ」
「ぷきゅ!」
月見酒を楽しむ義透の周りを陰海月と霹靂は楽しそうにはしゃいで遊んだり、月を見たり、花を眺めたり、お団子を食べたりと楽しそうに過ごしている。そんな姿を優しく見守る義透なのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アテナ・アイリス
■同行者
喰代・掬月(f13570)
迷路さえ抜けてしまえば、銀鈴蘭を見つけるのなんて簡単よね。
さあ、満月の夜に咲く花を愛でながら、お月見を楽しみましょうか。
バスケットから取り出した、お酒とおつまみをシートの上に並べていく。
今日は、つくねとお団子を持ってきたわよ。
グラスにお酒を注いだ後に、乾杯をする。
最初は軽く口を付けた後、会心の笑みを浮かべてゆっくりと飲み干す。
後は、掬月さんとおしゃべりをしながら、同じペースで飲んでいく。
これなら、いつもみたいに失態することはなさそうね。
ああこれこそ、まさに花鳥風月よね。
このゆっくりと流れる時間を十分に堪能させてもらうわよ。
喰代・掬月
■同行者
アテナ・アイリス(f16989)
迷路でははしゃいでしまったけど、ここからは大人の時間だよ。
この時のために自称美食家の僕がとっておきのお酒を用意したんだ。
アテナ君と、月と花を見ながらゆったりと楽しもうか。
透明な液体を波々と注いだ陶器のグラスに月を浮かべ、カランと小さく乾杯。
最初の一杯は月を丸呑みするようにゴクリと一気に飲み干して。
どうやら彼女も相当な「酒好き」みたいだけど、僕は僕のペースで飲ませてもらうよ。
彼女お手製のおつまみも食べながら、
酒の肴は月と花と隣の美女と……これ以上の贅沢はないね。
そんな冗談を交えて他愛のない話をしながら、
ボトルが空になるまでたっぷりと時間を使わせてもらおう。
「迷路さえ抜けてしまえば、銀鈴蘭を見つけるのなんて簡単よね」
アテナ・アイリスと喰代・掬月も、水辺を歩いている内に、満月が水面に移る湖に辿り着き、その近くで銀鈴蘭が群れての咲く場所に無事に出た。ここが銀鈴蘭の群生地だろう。
ここが目的の場所。月は空に輝き、湖面にも輝いている。そこに月光に照らされて美しく輝いて咲いている銀鈴蘭。それが、とても幻想的で美しいと二人は思った。
二人はゆっくり満月の夜に咲く銀鈴蘭を愛でながらお月見を楽しむ事にする。きっと最高のお月見になるだろう。
アテナが敷いたシートの上に、お酒とおつまみを並べていく。お酒は自称美食家の掬月が用意した、とっておきの逸品だ。
「ふふ、あなたのお酒、楽しみね。美食家のあなたの選んだお酒はきっと美味しいのでしょうね」
「そこまで期待されるとちょっと心配になるけど、僕にとってはとても美味しいお酒だから気に入って貰えると嬉しいな」
陶器のグラスに透明なお酒を波々と注いで、そこに月を浮かべた。月を飲むような、そんなお月見。アテナと掬月はカランと小さく乾杯する。
アテナは軽く口を付けた後、お酒の味を気に入ったらしく、会心の笑みを浮かべてゆっくりと飲み干した。
掬月も最初の一杯は月を丸呑みするようにゴクリと一気に飲み干す。
(「アテナ君も相当な『酒好き』みたいだね」)
そう思いつつ、掬月は自分のペースで飲んでいく。アテナもそれを見習い掬月にペース合わせた。
(「掬月さんのペースに合わせれば、いつもみたいに失態することはなさそうね」)
……つまり、いつもは……という話は内緒だ。
アテナお手製のおつまみを食べながら、二人は色々なお喋りを交わす。
「酒の肴は月と花と隣の美女と……これ以上の贅沢はないね」
「ふふ、お上手ね」
「はははっ」
冗談を交えながら、色々な話をする。先程の迷路での事とか、この月の綺麗さとか、銀鈴蘭の美しさとか、何気ない日常の話や、その他諸々。話す話題は尽きない。他愛ない話に笑いあいながら、楽しい時間を過ごす。
(「ああこれこそ、まさに花鳥風月よね」)
アテナは心からそう思う。満月に綺麗な花に囲まれたお月見。特別な時間だ。ゆっくりと流れる時間、十分に堪能したい。
月が優しく二人を照らす。花も優しい光で輝き、素敵な時間を演出してくれる。そう、本当に花鳥風月。美しく……そして優しく楽しい一時。
そう、このボトルが空になるまで、この素敵な景色の中、二人でたっぷりと楽しい時間を過ごすのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
コークス・クレオソート
言い伝えを信じて、『二つの月が顔を合わせる場所』を探してみよう
目的地の水辺が、この湖ならば……空の月と、水面に映る月が両方とも見える場所
そんな条件を満たすどこかに、銀鈴蘭の花がある筈
と言っても、まあ……カップルの邪魔するのも悪いし、異性とはどう接すればいいかわからなわからないし、銀鈴蘭が一、二株位生えてる場所見つけて、その辺に座って眺めてみよう
持ってきたウイスキーグラスに、ウイスキーをツーフィンガー注いで銀鈴蘭と月に乾杯
グラス越しの、琥珀色の月と花が……グラスを回すのにあわせて揺れて
揺れて揺れて……世界よ回れ
喉を灼くような刺激と、水面を渡る風が心地いい
つまみのナッツは、リスが持っていったみたい
コークス・クレオソートは、言い伝えを信じて『二つの月が顔を合わせる場所』を探してみる事にする。目的の水辺はどこだろうと、探していると湖に出た。
この湖ならば……空の月と、水面に映る月が両方とも見える場所だろう。
月明かりの中、銀鈴蘭の花を探す。群生地もある様だが、少しだけ咲いている場所もあるだろう。その位の方がコークスには丁度いい。
湖の近くを探していると、月光に照らされて輝く花を見つけた。
(「ぱっと見は鈴蘭みたいだけど、月の光に当たって、綺麗な色に光っているわ。これが、銀鈴蘭かしら」)
その花の幻想的な輝きは美しく、月光が当たっていれば当たっている程輝いているので、きっとこの花だろう。
近くに座って、銀鈴蘭を楽しむ。数株しか咲いていないが、月光に照らされてとても綺麗だ。
コークスは用意してきたウイスキーグラスに、ウイスキーをツーフィンガー注いで銀鈴蘭と月に乾杯する。
(「揺れて揺れて……世界よ回れ」)
グラス越しの、琥珀色の月と花が……グラスを回すのにあわせて揺れてとても綺麗だ。
そして、ウイスキーを楽しむ。喉を灼くような刺激と、水面を渡る風が心地良くて……ほんわりといい気分になる。この月光と銀鈴蘭、気持ちいい風が心地よい。
「あれ?」
おつまみに持って来た筈のナッツが消えている。見てみると、リスが去っていくのが見えた。
「リスのおやつ……いえ、食事なのかしら。それもまた良いわね」
そして、月を見上げながら、コークスはウイスキーを楽しむのだった。
大成功
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