銀河帝国攻略戦⑪ ―戦火の星の下に生まれて―
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「来るか解放軍、来るか猟兵、来るか……今を生きる同胞たちよ」
宇宙要塞『エンペラーズ・マインド』中枢、けたたましいアラーム音が響くコアマシンルーム内。
一体のデストロイ・ウォーマシンが猟兵たちの侵入経路から、迎撃の作戦を練り準備を整えていく。
「かつて我等は戦いの内にしか生きることが許されなかった。
同胞よ、戦いを捨てて生きることができるというなら……、それを証明してもらおう」
無数の重火器と光線銃を身に着けて、鋼鉄の戦鬼がコアマシンルームの扉の前で待ち構える。
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「状況を説明する。
現状、オレ達はスペースシップワールドにおける強大なオブリビオン、銀河皇帝との決戦を狙っている。
これから挑むのは、敵の要衝『エンペラーズ・マインド』。
ワープドライブやグリモアによる転移を妨害する機能を持つこの要塞を落とせば、
いよいよ帝国の重鎮の喉元に刃を突き付けることができよう。
もっとも、敵も一筋縄ではいかん。
コアマシンルーム内には『オロチウイルス』という謎の殺人ウイルスが充満している。
猟兵であってもおそらく一度ユーベルコードを放つのがやっとだ。
そしてコアマシンルームの守りにつく帝国の古代超兵器「デストロイ・ウォーマシン」。
連中には『デストロイマシン』と呼ばれる戦闘力増強機能が付与されている。
単純な能力では現存するウォーマシンたちよりも数段強力といっていいだろう。
だが、それでもオレは、お前たちの方が強いと確信している。
真っ向から迎え撃ち、撃破してやれ。」
そこでディスターブは言葉を切り、集まった猟兵たちの顔を見回す。
「知らしめてやるがいい。
ぽっと出の亡霊共に、数百年生き抜いてきたしたたかさというものをな」
雲鶴
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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というわけで戦争シナリオ、オサレバトル イン スペースワールド。
相手も強敵ですので猟兵への反撃やダメージ描写が少なからず発生します。
オサレ描写ポイントは以下の二つ。
①デストロイウォーマシン撃破後の、コアへの止めの必殺技。
②プレイング内に苦戦リアクションからの反撃など。
皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『デストロイウォーマシン』
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POW : デストロイトリガー
【一切殺戮モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : クリムゾンバースト
【全武装から全力砲撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ユーベルアナライザー
対象のユーベルコードを防御すると、それを【自身の戦闘プログラムで高速解析し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
遠呂智・景明
アドリブ、他の参加者との連携絡み歓迎
一撃に全てをかけるってのは得意分野だ。
だが、まずはこのデカブツだな。
狙いは敵の脚部。
【地形の利用】で周囲の環境を利用しつつ、UC【風林火陰山雷 火の如く】を発動し火を纏いながら可能な限り最短距離で敵の脚部を目指す。
たどり着いたら【鎧無視攻撃】で相手の装甲を無視し、かつ【見切り】で弱ってる部分の【傷口をえぐる】。んで、手を緩めず【2回攻撃】による連撃だ。
敵の攻撃、出来る限り回避して最低限の被弾は目を瞑るぞ。
侵略すること火の如くってな。派手に燃え盛れや絡繰野郎!!
んで、こあましんるぅむだ。
纏った炎はそのままに自分の依代【大蛇斬 景明】を叩きつける。
ぶっ壊れろ!!
竹城・落葉
いよいよ要塞を陥落させる時が来たか。しかして、それを守るはデストロイウォーマシンという奴か。更には、オロチウイルスが蔓延しているという……。いいだろう、その鉄壁の防衛を打ち破るべく、出陣しようではないか!
我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せるぞ。奴の砲撃は全て、【残像】で避けつつ【早業】で切り伏せてやろう。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃していくぞ。元武将の斬撃を見るがいい!
もしも苦戦する状況になったら、思わず苦々しい顔つきになり、相手を睨むだろうな。そして重症を負ったら、膝をついてしまうだろう。
我についてのオサレ描写は、マスター殿の自由にして構わない。
クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎
「ユーベル・コードが一度しか使えないですか、充分ですね」
「ウイルス対策にガスマスク(IC)も付けておきますか」
【SPD】
準備:サーチドローンで偵察
方針:敵SPD UC『●クリムゾンバースト』の範囲外から狙撃、狙いは『モノアイ(メインカメラ)」
技能:(UC)視力、スナイパー、援護射撃。(対機械)メカニック
「CODE:ARTEMIS。如何に強かろうと視界さえ奪えれば……」
(コアへの止め(出来れば))
「この液体火薬式パイルバンカーでも刺しておきますか。中の薬品が混ざって爆発する時間を調整すれば時限爆弾になります」
ゼイル・パックルード
戦いを捨てて、なんて俺には証明できないね。俺はお前を殺しにきたんだし...戦いの内でしか生きようと思えないんでね。
初めはサムライブレイドとルーンソードを抜いておいて、接近して攻撃する。なるべくトリガーとやらを使う前にできたらいいね。
相当な強さらしいし、それだけじゃ倒せないだろうけどな。
理性を失ったら、剣を捨てて背中に背負った鉄塊剣を使う。理性を失ってるなら大振りも当たるってこと、突っ込んで【捨て身の一撃】で思い切りぶった斬る。どんなに痛くても笑顔で反撃するさ、あんたと違ってこの生き方を選べたからね。
コアには最大限に【力溜め】してユーベルコードを。一撃しか撃てないならすべてを込めて
アーサー・ツヴァイク
※協力アドリブ大歓迎
ヤバイなこの空間…長居はできないみたいだな…
いいぜ、時間がないならやる事はシンプルに。俺は赤い奴を全力で叩きに行く。コアは仲間に任せるぜ!
ライドランに【騎乗】してフルスピードで突っ込む。なるべく他の猟兵に目がいかないように全速力だぜ! 相手の攻撃は回避したい所だが…どうしても避けられない時はバスターホーンの【盾受け】を使う。一発が限度ってところだろうな…
出来れば十分接近したい所だが、時間はない。
ある程度近づいた所でライドランを槍に変形させて【槍投げ】、槍に合わせて【シャイニングブレイク】を発動する! 槍は光の鎖を当てるためのデコイだ!
これが俺の…全力全開だ!!
エルス・クロウディス
●POW
「失敬っ!」
初手、<早業>で回針を投げ込んで<グラップル>
入ったのを確認したら<ジャンプ>、体制崩しを狙いつつ背面へ。
ま、これは体重関係であんま意味ないだろけど。
遠距離攻撃がくるなら、ウィルで<武器受け>しつつ弾く。
多少は当たっても<激痛耐性>で頑張ろう。
で、その武器受けに紛れて、骸装壊態を展開……味方を巻き込まないようにっと。
着地と同時に、今度は思いっきり両方引いて拘束、<時間稼ぎ>だ。
「こいつは、どうかな……!?」
……あれ、まーた野良連携頼りだ……(
俺はもう、色々してる余裕ないな。
単純に行こう。
闇套に切り替え、<ダッシュ>で一直線に。
「ぶっちっ抜っけぇっ!」
アドリブ・連携〇
リズ・ルシーズ
【全サ連】や他猟兵との連携、アドリブ歓迎だよ!
【SPD】
【迷彩】状態で重力制御装置で空を飛んで【空中戦】だね、上から【情報収集】して皆に情報を展開し【地形の利用】をして戦いやすいようにするよ。【先制攻撃】は【擬似刻印】のレーザーによる光【属性攻撃】、後は皆の【援護射撃】かな
まずは先制攻撃行くよ!
敵に狙われたら、【残像・見切り・逃げ足】で距離を取ると見せかけて、【フェイント】をかけて【零距離射撃】で【だまし討ち】かな
霊距離でもすぐにはやられてあげないよ!
コアへの突撃が可能になったら、ルシーズを使うよ!【変装】で他猟兵の姿にして【時間稼ぎ】しつつ、突撃させてコアで自爆させるつもり
行って、ルシーズ!
佐之上・権左衛門
【POW】(全サ連の面子や他の猟兵との絡みOK・アドリブも可)ようやくコアと御対面、ではないよな、やっぱり。
めんどくさいが、立ちはだかるモノがあるなら押し通すまで。
目標のウォーマシンを確認し次第、「なら先陣は斬らせてもらうぜ」と
「先制攻撃・早業・力溜め」を仕掛け、愛用の斧で「鎧砕き・鎧無視攻撃・2回攻撃・怪力・衝撃波・吹き飛ばし・気合い・破壊工作」を使ったフルスイングを。
後は他の面子と連携しながら立てなくなるまで戦いをやめない。
回避は「残像・第六感・武器受け・盾受け」で。
コアにはUC 【揺らめく人型の何か】で活動限界ギリギリまで殴らせる。
「ちっ、流石に頑丈だな」
ウィンディ・アストレイ
【SPD】戦いの為だけに生まれた殺戮マシン、ですか
ボクも、人の事は言えませんが…
各バーニア&スラスターを全開で噴かし
囮を兼ねて【クリムゾンバースト】のギリギリ射程外で
速力を活かした回避運動を取りつつ
(空中戦&ダッシュ&見切り&第六感&残像)
『メカニック&情報収集&世界知識&第六感』で動力部を探査
攻撃を無理矢理掻い潜り
『カウンター&スナイパー&怪力&鎧無視攻撃&鎧砕き』付
UC【Influx Burst】を動力部への最短部位へ叩き込みます
「貴方の知る戦場は、此処にはありません。もう、お眠りなさい」
コア破壊に参加可能なら再度【Influx Burst】を
※全サ連メンバーや他猟兵との絡み&アドリブ歓迎
「いよいよ要塞を陥落させる時が来たか。いいだろう、この鉄壁の防衛を打ち破ってやろうではないか!」
鋼鉄の通路に響き渡るアラーム音。目の前で閉じようとする隔壁を切り捨てて疾走するのは竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)。
幾度目かの隔壁を切り裂いた先、目に入ったのは巨大な扉と、その前に立つ真紅の巨体、そして彼女へと向けられた銃口。
射角から射線を見切り、身を翻した彼女の残像を鉛玉が貫いていく。
「お前がデストロイウォーマシンという奴か。その扉の向こうがコアマシンルームだな」
「答える義理は、無い」
言葉と共に放たれる誘導ミサイル。
そこへ落葉は真っ向から踏み込み、居合一閃!
砲弾を両断して疾走し、返す刃で真紅の機体へと袈裟掛けに振り下ろす。
響き渡る金属音。
落葉の刃は展開した真紅の装甲に受けとめてられていた。
「なるほど、なかなか硬いな。だが――」
「さすが猟兵。なかなか素早い。だが――」
苦々し気に漏らす落葉、無感情に分析するデストロイ・ウォーマシン。
「「やりようはある」」
同時に飛び退る一人と一体。
両断された誘導ミサイルが遠くで上げた爆音、それが次の一合の合図となった。
先に動いたのはデストロイ・ウォーマシン。
アームの一つ近接用のビームサーベルを輝かせ、落葉の頭上へと振り下ろす!
抜く手も見せず振り上げた名物竹城。
その刃はビームサーベルに触れることなく――アームを関節の軸部分から切り落としていた。
「見たか、これが元武将の斬撃というものだ!」
手首を返し、真っ向から竹城を振り下ろす落葉。
デストロイ・ウォーマシンは全ての装甲を閉じてその斬撃を防ぎ、彼女に向けて突進。
壁と挟み込んで彼女の体を押しつぶそうとし……。
「おっと、そうはさせねぇぜ?」
言葉と共に放たれる斬撃。デストロイ・ウォーマシンの脚部を燃える刃が貫き、その巨体が機体がガクリと傾く。
燃え盛る炎を身にまとい、すれ違いざまの一撃を放ったのは遠呂智・景明(さむらいおろち・f00220)。
彼の足元には切り落とされた真紅の装甲。
「――ッ! 刀で私の装甲を抜いてくるか!」
防御を無駄と知り、デストロイ・ウォーマシンは全ての装甲を展開、内蔵火器で景明へと狙いをつけ斉射!
無数の銃弾を景明は跳躍して回避、壁を足場に三角飛び、銃弾が襲い来る頃には壁に焼けた足跡を残すのみ。
「行っくぜぇ、侵略すること火の如くってな!」
天井を蹴ってウォーマシンに向けて跳躍、放たれる散弾。
点が面へと広がる前に景明は真紅の機体に肉薄し、自身の本体である『大蛇切 景明』を振るう。
差し出された真紅の装甲、火を纏った刃がそのアームに食い込み……。
「かかったな」
装甲内の火薬庫に着火し誘爆。
至近距離での爆発を受け景明の体が吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
とどめの一撃を放とうとするデストロイ・ウォーマシンの前で、景明が纏った炎が勢いを増した。
放たれた銃弾を躱し景明は再び跳躍。
通路内の壁と天井を縦横無尽に駆け回り、振るう刃が真紅の装甲の傷口を寸分たがわず切り裂いていく!
「同じ手は食わねぇ、派手に燃え盛れや絡繰野郎!!」
返答のように放たれる狙いを定めぬ無差別攻撃。
景明はその範囲から逃れようと後ろに跳躍。
追いすがろうとする真紅の機体に、投げ放ったナイフが突き立つ。
「失敬!」
入れ替わるようにデストロイ・ウォーマシンへ踏み込んだのはエルス・クロウディス(昔日の残響・f11252)。
自ら突き立てたナイフ『回針』のグリップを握って弾みをつけると、景明が引き裂いた脚部に重心をかけて――。
「ヤッ!」
気合一閃、真紅の巨体がぐるりと反転して宙を舞う!
反撃に放たれた銃弾は、エルスが差し伸べた左手の前で何かにさえぎられるかのように軌跡を変える。
そのうちの一つがエルスの頬をかすめたのと、ウォーマシンが通路に落ちたのとが同時。
即座に態勢を整えエルスへと銃口を向けるデストロイ・ウォーマシン、エルスが握ったナイフが弾けるように空気に溶け消える。
銃撃が放たれる寸前、ウォーマシンの銃口が何かに繰られたように跳ね上がった。
溶け消えた『回針』が彼の手から伸びる無数の糸となって、ウォーマシンの機体に絡みつきその動きを封じていく。
「こいつは、どうかな……!?」
「生憎、お前たち相手なら想定の範囲内だ。猟兵!」
機体の背後から突き出すミサイルポッド。
無数の誘導ミサイルが放たれぬようにエルスは糸を繰るが、ウォーマシンはそのままミサイルを発射。
機体内で爆発したミサイルがエルスの糸をこじ開け、拘束が緩んだ瞬間、放たれた熱線がエルスの左肩を焼いた。
「ぐっ! だが、生憎こっちも想定の範囲内だ!」
激痛に顔をゆがめながらも、アルスは再び糸を締め付け、デストロイ・ウォーマシンの動きを封じ込める。
そこへ切り込んだのはゼイル・パックルード(火裂・f02162)。
「戦いを捨てて、なんて俺には証明できないね。
俺はお前を殺しにきたんだし……戦いの内でしか生きようと思えないんでねっ!」
サムライソードとルーンソードの二刀を構え、真紅の装甲を刻み砕き取っていくゼイル。
彼の目の前で銃口が突き出され、射角を取らず真上に向けて鉛玉を吐き出す。
一瞬後、天井に跳ね返った銃弾が五月雨のようにゼイルに襲い掛かり、一発の跳弾がゼイルの左腕に撃ち込まれた。
その痛みにゼイルは笑って疾走、横なぎに振るったサムライソードでその銃口を切り捨てる。
「なぜ笑う、猟兵。何がおかしい」
反撃に放たれる装甲を使ったシールドバッシュ。
その一撃をゼイルはルーンソードで受け流し、すれ違うように側面からサムライソードで切り上げる。
「あんたと違って、俺はこの生き方を選べたからね。どんなに痛くても笑ってやるさ」
「……『選べた』か、そうだ。それが、その在り様がお前たちの強さであった。
今を生きる同胞たちも、きっと何かを『選んだ』のだろう」
デストロイ・ウォーマシンの動きが止まる。
「――私は私の任務を果たす。デストロイマシンの命ずるままに!」
その言葉と共に、真紅の機体が力任せにアルスの糸を引きちぎり、すべての内蔵火器を展開しゼイルへ向けて跳躍。
「理性を捨てたか、なら――大振りも当たるってことだ!」
ゼイルもまた手にした二刀を放ると巨大な鉄塊剣を抜き放ち、銃弾の雨の中をウォーマシンへと駆ける。
二度三度と銃弾を受けながらも放った捨て身の一撃!
真紅の機体に鉄塊剣を食い込み、デストロイ・ウォーマシンは勢いのままゼイルを跳ね飛ばす。
床に転がったゼイルが態勢を整える一瞬、ウォーマシンが跳び退り、飛来した銃弾が赤い残像を貫いた。
銃弾を放ったのはクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)。
自身に向けられた緑のモノアイへと、狙撃銃を模したアームドフォート『ゲオルギウス』を構え――。
「CODE:ARTEMIS、如何に強かろうと視界さえ奪えれば……」
第二射。放った銃弾を検知しウォーマシンはクネウスへと疾走!
背面のブースターからアフターファイアをたなびかせ、すれ違いざま銃弾をレーザーブレードで切断。
無数のミサイルと銃弾をまき散らしながら接近する殺戮兵器。
その軌跡に飛び込む1人の影。
振り下ろしたギガントアクスの刃が巨体の疾走を受け止めた。
「ちっ、流石に頑丈だな」
食い込んだ刃の浅さに舌打ちするのは佐之上・権左衛門(見た目はおっさん、中身もおっさん・f00239)。
デストロイウォーマシンは、移動するクネウスへ牽制するように誘導ミサイルを放ちながら、権左衛門へレーザーブレードを振り下ろす。
肉が焼かれる痛みに権左衛門の顔が歪み、斧の刃が真紅の装甲から抜け落ちる。
「まっだまだぁっ!」
気合一閃、薙ぎ払った斧が殺戮兵器の機体を薙ぎ切り、すれ違うように振るわれたポールハンマーが権左衛門の体を吹き飛ばした。
止めと放たれた一発の誘導ミサイルが動きを止めた権左衛門に迫る。
「させないよ!」
虚空から降り注ぐレーザーが誘導ミサイルを撃ち落とし、ウォーマシンを打ち貫く。
ミサイルから巻き上がる爆炎の中、迷彩によって空中に潜んでいた一人の少女、リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)の姿が浮かび上がった。
「あっやばっ!」
即座に狙いを定める殺戮兵器、放たれる銃弾の前でリズは重力制御装置のSWを切り替え天井へ向けて落下する。
差し伸べた右手の疑似刻印からウォーマシンへとレーザーを連射し、着地と共に身を翻して跳躍。
直後、リズが立っていた天井を銃弾が貫いていく。
そして彼女の行く先へ殺戮兵器の拡散レーザーの砲口が向けられ――。
発射寸前に方向転換、照射。
焼けただれる通路の先、飛来したブラスタービームがデストロイ・ウォーマシンの機体を貫いた。
高速軌道を繰り返しながらバスターライフルのカートリッジを切り替えるのはウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)。
「戦いの為だけに生まれた殺戮マシン、ですか。ボクも、人の事は言えませんが……」
言いながら次弾を装填するウィンディに狙いを定め殺戮兵器が走り出す。
「ボクが囮になります!」
理性を失ったデストロイ・ウォーマシンを引き付けるように、ウィンディは射程ギリギリの高速飛行を行い、時折、身を転じて反撃。
放ったブラスタービームを回避されながらも冷静に、デストロイ・ウォーマシンの動力部を計算していく。
そこへ放たれる無数のミサイルとレーザービームに劣化ウラン弾――多種多様の砲撃が彼女の思考リソースを奪い、メモリの負荷を上げてゆく。
跳ね上がった斧の一撃が殺戮兵器の機体を捉え、砲撃を中断させた。
「若いのにばっかり無理はさせらんなくってなぁ」
額から血を流しながら、斧を振るう権左衛門。
その一撃がデストロイ・ウォーマシンの装甲を越えて、内部の機関に食い込みスパーク。
立ち上る煙の中、軽い足音と共にリズがウォーマシンの頭上に着地。
装甲の裂け目へ右手を当て、零距離からのレーザー射撃を仕掛ける。
内部の爆薬に誘爆、装甲内の爆発に殺戮兵器の動きが鈍る、が止まらない。
全身を振り回して、権左衛門とリズを跳ね飛ばすと、2人の位置を確認しようと緑のモノアイを伸ばし――。
「そこです」
僅か10㎝ほどの小さなレンズ、そこに吸い込まれるようにクネウスの銃弾が命中。
レンズに入ったひびがデストロイ・ウォーマシンの視界をさえぎり、振るわれた一撃が狙いを逸らす。
それでもなお殺戮兵器はビームサーベルを振り回して権左衛門とリズを狙い、クネウスやウィンディに向けてライフルを乱射。
「コアの算出の状況はっ?」
「まだ……もう少し!」
「だったら、オレが行く!」
ウィンディの言葉に応えたのはアーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)。
アーサーは赤いマフラーを翻し、バイクにまたがってデストロイ・ウォーマシンへと全力疾走!
放たれるレーザーをバイク操作で回避、迫りくる誘導ミサイルを左手の楯で逸らし壁面へ向かわせる。
爆発にあおられよろめくバイク、そこへ降り注ぐ銃弾。その一発がアーサーの左肩を撃ち抜き、転倒させる。
再びウィンディへと向き直る殺戮兵器。
「行かせないぜぇ!」
アーサーはバイクを変形させて槍に変え、デストロイ・ウォーマシンへと投擲。
ポールハンマーで槍をはじき、反撃しようしたウォーマシンの動きが止まる。
槍を囮にしてアーサーが放った光の鎖がデストロイ・ウォーマシンの全身に絡みつき、アームの動きを封じる。
「見つけた――動力コアっ!」
スラスターを全開にしてウォーマシンへと高速飛行するウィンディ。
そして、アーサーの腰のベルトから響き渡る電子音声!
『Select!――Finaaaaaal、Action!!!』
「これが俺の……全力全開だっ!」
大きく飛び上がったアーサーが太陽の如き輝きと共に放った必殺キック!
そして同時に突撃したウォンディが勢いのまま放ったパイルバンカー!
それらがデストロイ・ウォーマシンに命中し内蔵火器へと誘爆するが、2人の勢いは止まらない。
小爆発を繰り返す機体ごとコアマシンルームの扉を打ち破り、アーサーとウィンディはコアマシンルーム内部に着地。
「貴方の知る戦場は、此処にはありません。もう、お眠りなさい」
呟いたウィンディの背後でカラリと槍が地面に落ちた。
コアマシン・ルームに入ったアーサーの背筋を悪寒が走る。
全身総毛立ちながら足を進めるが、グラグラと視界が揺れて足取りがおぼつかない。
「これがオロチウイルス……やばいな……長居はできないみたいだ」
アーサーの目に留まったのは、部屋の中央、透明な柱の中でゆっくりと回転する光り輝くキューブ。
「コアっていうのは、あれか?」
目の前でキューブの光が強くなり、回転が高速化。
同じ光が横たわるデストロイ・ウォーマシンを包み、その機体を修復させていく。
「まずい、急がないと!」
他の猟兵たちも続々とコアマシン・ルームへ駆け込み、すぐに状況を見て取る。
限られた時間の中で各々がコアマシンへと狙いを定める。
パイルバンカーを装填するウィンディの隣で、クネウスが爆薬を調合しパイルバンカ―に装填。
リズは自身と同型の戦闘用サイボーグ達を召喚、権左衛門が揺らめく人型の何かを呼び出す。
糸を十字槍に変えて構えるエルス、落葉は名物竹城を上段に振り上げる。
息を整えるアーサー、その隣で景明も全身に炎を纏って刃を構え、ゼイルが右手に地獄の炎をまとわせる。
そしてそれぞれの一打がコアマシンへ向けて放たれる。
コアマシンへ向けて突撃するウィンディ。
「この身の力は、力無き人達の為に――、一閃必倒!」
高められたサイキックエナジーに感応し、高速で射出されるパイルバンカー!
「ウイルス対策にガスマスクも付けておきましたが利きませんか。
これは絶対に放置するわけにはいきませんね!」
クネウスが放ったパイルバンカーの内部に入れられた液体爆薬、それらが着弾の衝撃でまじりあい高速で反応!
「ボク達の本質、見せてあげるよ!行って、ルシーズ! 」
リズは呼び出した20体程同型のサイボーグ達にコアへと向けて突撃させ自爆コードを起動!
「こいつが俺の奥の手だっ!」
権左衛門が呼び出した不可視のヒトガタ、それがコアへ向けて大きく拳を振り上げて、地響きと共に正拳突きを放つ!
「俺はもう、色々してる余裕ないな。ぶっちっ抜っけぇっ!」
十字槍を構え一直線に突撃するエルス。穂先がコアマシンへ触れる瞬間、全体重を込めて刺突を放つ!
「我が一撃をもって、この要塞を沈めて見せよう。一刀、両断!」
落葉が名物竹城を上段から真っ向唐竹割に振り下ろし、コアマシンを切り裂いていく。
「いいぜ、時間がないならやる事はシンプルに。これで決める!」
アーサーは助走から勢いをつけて跳躍、太陽の力をまとった必殺の跳び蹴りをコアマシンへ。
「一撃に全てをかけるってのは得意分野だ。ぶっこわれろ!」
景明は炎の軌跡を残しながら大きく跳躍、両手に持った自身の本体「大蛇斬 景明」を真っ向からコアマシンへと叩きつける!
「これで仕舞だ!」
流れる血と傷の痛みに、なお笑顔を浮かべるゼイル。
地獄の炎をまとった拳を握りしめて、全身の力を込めた右ストレートをコアマシンへ撃ち込む!
9人それぞれが放ったユーベルコードが、コアマシンの円柱を貫き内部のキューブを打ち砕く。
同時に響き渡る地鳴りと振動、コアマシンルームの壁が崩れ天井が落ち、強制転移が始まる。
全ての猟兵が帰還した後も、真紅の殺戮機械は打ち尽くした機銃のトリガーをむなしく引き続け、爆散するコアマシンと共に宇宙に消えた。
成功
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