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銀河帝国攻略戦⑫~道を拓く1歩

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 光が宙間を照らし、爆炎が宙を染める。
 時に銀河帝国の戦艦が沈み、喝采を。
 時に解放軍の宇宙船が沈み、怒声を。
 戦いは進み、繰り返されるそれらは数多。
 しかし、解放軍と猟兵達はそれでも『エンペラーズマインド』防衛艦隊を食い破り、確かにその足を銀河帝国の中枢へと向け、歩みを進めている。
 ――その歩みをただ良しとして放置する銀河帝国ではない。
 防衛艦隊を抜けた先、その先で解放軍の見たものは――。

「一難去ってまた一難とはこのことですねぇ」
 集った猟兵達への挨拶もそこそこに、ハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)は依頼の内容に触れていく。
 防衛艦隊を抜け、エンペラーズマインド・コアへの道を切り拓いた猟兵達であったが、そこには再編されつつある艦隊の姿があったのだと言う。
 それは、今は直接的にコアの攻略には影響を及ぼさないだろう。
 だが、時間を与えれば与える程に、その態勢を整えた銀河帝国が解放軍へ逆撃を行う可能性は高い。
 むしろ、かつての解放軍を苦しめたと言う存在も、この広い戦場のどこかに居ると聞く以上、それが行われることは必至であると言える。
「コアの攻略も大事ではありますがぁ、こちらもまた大事なことぉ。連戦続きではありますけれどぉ、お力を貸して貰えたらと思いますぅ」
 ぺこりと下げるハーバニーの頭に合わせ、兎の耳が揺れた。
 戦艦内部への転移は今は封じられている。
 そのため、出来ることは正面からそれへとぶつかることとなるだろう。
 相手は防衛艦隊で撃ち漏らされた相手。だが、油断は禁物。宙間での戦闘は1歩間違えれば、正しく宙の藻屑だ。
 それでも、やらねばならないのだ。やらねば、1つの世界が終わりかねないのだから。
 依頼された猟兵達の顔に浮かぶ感情は様々。
 そして、それぞれの想いを胸に抱き、猟兵達は戦いの場へと赴く。
「どうか、皆さんの旅路により良き未来が紡がれますように」
 その背中を、ハーバニーは見送るのであった。


ゆうそう
 オープニングへ目を通して頂き、ありがとうございます。
 ゆうそうと申します。
 連戦に続く連戦。疲労も溜まる中でしょうが、道を切り拓くのは猟兵の皆さんにしかできないことです。
 皆さんのプレイグ、心よりお待ちしております。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦 『デルタ・ファイター』

POW   :    増援要請
自身が戦闘で瀕死になると【増援飛行隊 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    帝国軍の栄光のために!
【制御不能の高速航行モード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    対宙銃撃
レベル×5本の【貫通 】属性の【機銃弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ドミニク・トインビー
直接のワープは無し,なるほど宇宙での戦闘になるな
ならば私の宇宙海賊船の出番だ
UC月の海賊艦隊を発動,船を複製し陣形を組む
密集陣形を組み,まずは【先制攻撃】で【範囲攻撃】を相手の飛行隊にお見舞いしてやろう
その後は弾幕を張りなるべく近づけにくいようにし,他の猟兵が動きやすいように【援護射撃】を行う
捨て身の高速航行モードに入ったら複製した船を囮にする



 態勢を整えつつある銀河帝国艦隊。それへ目掛け、宙を走る船が一隻。
 宇宙であるが故に旗のはためきはないが、それでもマストの帆へ描かれた髑髏マークはその威容を示す。
 ここが水満ちる海原であったなら、その船はきっと波を蹴立てていたことだろう。
 しかし、ここは宇宙。波の代わりにデブリを蹴散らし、その船――ドミニク・トインビー(宇宙海賊のブラスターガンナー・f00622)が海賊船《バルディッシュ号》は宙域を進む。
「直接のワープが出来ないなら、私の出番だ」
 端正な顔に浮かぶはニヒルな笑顔。
 操舵輪を握り、手足の如くにバルディッシュ号を操り動かす。
 敵艦隊への直接的な転移を封じられた今、大勢の猟兵達を一度に運ぶことも可能なそれは値千金の宝であると言える。
 しかし、それをみすみすと通らせてしまう程に、銀河帝国も手をこまねく訳ではない。
 艦隊からバルディッシュ号へ目掛け、光が迸る。
 それは射線上にあるデブリを蒸発させ、突き進む程の熱量。
「その程度の弾幕で追い払えると思うなよ」
 動かす手は忙しなく。
 しかし、その表情にあるのは余裕。
 面舵、取り舵、減速、加速。
 バルディッシュの機動性。そして、ドミニクの手腕。合わさったそれらが熱線の当たるを良しとする筈がないのだ。
「ここからが本番だ。ダミー艦隊用意――」
 ドミニクの言葉を汲み、まるで呼応するようにバルディッシュ号が輝きを放つ。
 そして、まるで陽炎のようにその身が揺れ、瞬く間に19隻――本体を含めたならば20隻――の海賊艦隊が出現する!
 それらは船体に付いた傷の1つまでも全く同じもの。
「――完了! 意識の同期を確認!」
 ドミニクの意識が広がる。
 それは1隻1隻の齎す情報が流れ込んでくるが為に。
「――さあ、お前ら! 艦隊戦の始まりだ!」
 船員に号令を掛けるが如くのドミニクの咆哮。
 そして、艦隊は――月の海賊艦隊は放たれた弓矢の如くに突き進んでいく!

 艦隊同士の殴り合い。
 しかし、敵もそれだけが攻撃の手段ではない。
 光の尾を残し、複数の機影が銀河帝国艦隊から射出され、海賊艦隊へと迫る。
 それはまさしく宙間戦闘用の機体。
 如何な機動性に優れるバルディッシュ号と言えど、サイズの差が故にフットワークの軽さには劣る。
 周囲に取りつかれたならば、1人だけでの応戦は難しい。
「弾幕用意! 近付けるなよっ!」
 それを理解するドミニクの号令の下、砲が弾け、弾幕を形成し、ただでは通さない。
 だが、敵はその被害すら気にもせず、まさに捨て身の一撃の如くに吶喊を仕掛けてくるではないか!
「チッ、ここまでか」
 盾とした船の1つが沈み、同期した意識が1つ途切れる。
 だが、稼いだ距離は確かなものだ。それは他の猟兵達が打って出るには十分なもの。
「私は援護に回る! こっからは任せたぜ!」
 そして、それへ応えるように、艦橋から複数の影が戦場へと踊りでる!

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・ハーシェル
まさか本当にこの形態を使う時が来るとは……研究所の技術者達には感謝しなければな。

【ヘール・ボップ:ファイターモード】で行く。変形しているが元は宇宙バイクだ。敵機の上空から【ゴッドスピードライド】の速度と【早業】、【騎乗】、【空中戦】で一撃離脱を狙い攻撃する。格闘戦に持ち込まれた場合は前述のユーベルコードと技能に加え【残像】、【フェイント】を交えた動きで翻弄しつつ、【見切り】で敵の攻撃、行動を見て回避、隙があれば【2回攻撃】で追撃を行う。一撃離脱に成功した場合も同じく【2回攻撃】でもう一度仕掛ける。



 高速で宙域へと躍り出る影。
 それは彗星のように尾を引き、黒の世界へと線を引く。
「まさか、本当にこの形態を使う時が来るとは」
 その正体はステラ・ハーシェル(星屑のサンダーボルト・f00960)の愛馬ヘール・ボップ。それが形を変え、戦闘機としての形態を得たものであった。
 宇宙バイクとしてではないその姿。初フライトがただの宙間飛行、星見の時間であったならば、どれ程良かったか。
 しかし、今、ステラの身体があるのは戦場だ。
 油断の一つが死へと繋がることもありうる場所だ。
「のんびりと星空を眺めると言う訳にはいかないな」
 キャノピー越しに見えるのは、自身と同じく、黒の世界に光の尾を引き、線を引く者達の姿。
 それを捉え、ステラは愛機のスロットルを開ける。
 加速していく世界。
 身体に掛かる重圧はGだけでなく、戦いへの緊張感もか。
「ならば、今は先駆けとなり、後から来る者へ道を示す星となろう」
 速度を示すメーターはその数字を上げていく。
 身体に掛かる重圧はより重く。
 しかし、加速する世界の中でも、ステラの瞳は全てをつぶさに把握しているのだ。
 もう目の前には敵機の姿。
 ――交差。
 すれ違いざまに叩き込んだ一撃の結果を見るより早く、ステラの姿は既に遠い。遅れて、敵機の姿が爆炎に包まれた。
 しかし、敵もさるもの。ステラの奇襲気味の一撃による動揺から即座に立て直し、追撃を防ぎ、逆襲すらを図る。
 だが、その姿は明らかに限界を超えての機動を試みていると分かるもの。
 スラスターから吹きあげる火は強く、悲鳴をあげたエンジンからはスパークが迸っている。
 例え、この戦闘を生き残ったとしても、無事には済まないことが分かるその姿。
 その敵の覚悟。それは正しいものだ。
 常の姿ではステラには届かない。それ故に、限界を超える必要性があることは自明。
 その決死をみて、ステラの瞳にも覚悟の光が灯る。
 先の一撃はもう通じないと見てもいい。機体性能の差もほぼ同じと言っていい。
 勝負を決めるのは、操縦手の腕と僅かな運。それだけだ。
 加速する互いの機体。
 ――再びの交差。
 機銃の1発がヘール・ボップを掠め、乱れたコントロールにぐらりとステラの身体を揺さぶる。だが、それだけだ。ヘール・ボップは速度をやや失ったものの、爆炎に包まれることもなくステラの腕でそのコントロールを取り戻す。
 その後方、敵機は速度を緩めることもなく機首を返そうと――
「……研究所の技術者達には感謝しなければな」
 零す言葉はヘール・ボップを仕上げてくれた所属している研究所職員への感謝の言葉。
 ――ステラの視線の先、三度の激突を試みようとしていた敵機が爆炎に包まれた。
 交差の瞬間、敵機の攻撃はステラを掠めたが、ステラの一撃は確かに敵機の芯を捉えていたのだ。
 その結果である爆炎を見つめ、そして、次なる目標目掛け、ステラは愛機を走らせるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリヴィア・ローゼンタール
あれは……「でるた・ふぁいたー」ですか
迎撃戦で相手取ったことがありますね

【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】で聖槍に炎の魔力を纏う
脚の裏から【衝撃波】を放って推進力とし、
宇宙空間を縦横無尽に駆け抜ける(【ダッシュ】)

【怪力】で聖槍を【なぎ払い】、でるた・ふぁいたーを破壊していく
金属で構成された堅牢な装甲も、炎を纏った超高熱の穂先で斬り裂く(【鎧砕き】)

先の闘いでその軌道は【見切り】ました(【学習力】)
高速移動に合わせて【カウンター】、正面から突きを繰り出し【串刺し】に
内側から超高熱の放出で焼き融かす
我が槍の輝きは太陽の如く
相対するならば太陽に飛び込む覚悟を


緋縅・善蔵
「レッツパーリィィィィィィィィィ!!」
要は敗残兵を殲滅して後々の進撃を少しでも楽にするのだな?
任されたし。
先ずはミサイルカーニバルらの「一斉発射2」多数ので敵を排除し、残ったヤツは「スナイパー」で確実に墜す。
基本的に敵が密集したら「一斉発射2」で撃ち落とし、個別の敵は「スナイパー」で排除。
防御は屠龍を盾として使い、必要であれば「空中戦」を行い「ダッシュ」で移動。
格闘戦を挑んでくる敵がとは思えないが、距離次第ではサバイバルナイフや屠龍で【斬鉄】を使い叩き落とす。
「これでパーティは終わりだ」
アドリブ:歓迎。



「あれは……『でるた・ふぁいたー』ですか」
 飛び出した宇宙空間。
 オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)の脳裏で、迫る機影と記憶の中のそれとの姿が合致する。
 その記憶は数刻前の銀河帝国艦船の迎撃に出た際のモノ。
 各機体がワンオフのものであることは考えにくいため、その情報は戦いをより有利とするにはうってつけの物であろう。
 学習するのは敵だけではない、猟兵達とて敵を知り、学び、力を高めていくのだから。
 オリヴィアの視界に迫る機影の動きが視える。
 どの位の威力で、どこを穿てばいいのか。それを身体が覚えている。
 ならば、かの敵がいくら来ようとも、敵などではない!
 黒の世界に闇を払う焔が生まれた。
 それは、オリヴィアの持つ聖なる槍。黄金の輝きが炎を宿し、闇を照らし輝くもの。
 敵機からの機銃も、その光に負けじと黒の世界に輝きを生み、光線を引いていく。
 だが、――
「それも既に知っています」
 ――振るう槍は的確に、己の身を貫くものを選び、薙ぎ払い、まるでオリヴィアの前方へ盾でもあるかのように、それを散らしていく。
 その結果を目の前としても、金の瞳に優劣を誇るものはない。ただ、当たり前を当たり前のようにこなしたという冷静な光のみ。
「では、今度はこちらから参りましょう」
 音響く空間であったならば、その衝撃音に耳を塞いだことだろう。それは、衝撃波を推進への力と転用しての急加速!
 人の身でありながら、まるで戦闘機の如くに身体は加速をしていく。
 槍に灯る焔は、まるでスラスターから吹き上げる火のように残光の尾を引く。
 瞬きの間だけを置いて、オリヴィアの身は敵機を己の槍が領域下へと!
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
 金の穂先に灯る焔が収束し、その輝きを増す。
 そして、収束されたそれは更なる高温に輝き、その穂先に捕らえた装甲すらも容易く融解し、その内部へと侵入を果たす!
 敵機の内部で熱が解き放たれ、部品の1つすら逃さずに暴れ回るそれ。
 機能を停止する直前、僅かに敵機のモニターが瞬く。しかし、それもすぐに消えた。
 ――我、強敵ト相対セリ。増援、求む……。繰リ返ス。増援……。
「我が槍の輝きは太陽の如く。相対するならば、太陽に飛び込む覚悟を」
 鉄屑となり果てた敵機を足場に、オリヴィアは堂々と宣言する。
 その視界、撃ち滅ぼした敵機が最後の悪あがき――増援要請に応えた複数のそれが接近するのを目にしながら。

「レッツパーリィィィィィィィィィ!!」
 響く声は雄々しく、宴の始まりを告げるもの。
 新たに近づくそれを目掛け、数多のミサイルが、銃弾が、雨霰と降り注ぐ!
 射撃の反動は、この地まで運んでくれた船が受け止めてくれている。
 ならば、遠慮など無用というものだ。
 ミサイルに、銃撃に、次々と盛大な花火と化す敵機の群れ。
 それはまさしく、宴の始まりの合図に相応しい。
「密集して集まってくるなんて、良い的にしてくれって言ってるようなもんだろう」
 鋭い眼光。目に負った傷は歴戦の勇たる証。
 緋縅・善蔵(893顔特別国家公務員・f06737)が、自身の生み出した数多の爆炎の先を見つめ、静かに零す。
 だが、その瞳には油断というものはない。
 それを証明するように、仲間の変じた爆炎を突き抜け、現れたのは煤けてはいるが未だ健在な敵機の姿。
「ははっ、まだ気概のあるやつもいるじゃないか」
 笑う声は楽し気に。
 しかし、手にした銃口は鈍い輝きを放ち、咆哮を放つ時を今か今かと待ち受ける。
「敗残の兵達に戦いのイロハってもんを教えてやろう!」
 身体に宿る力は十全。そして、それを動かすだけの知識は、経験は、もうその身に沁みついている。
 素早く銃口が動いた。
 明滅した光が薙ぐように右から左へ。
 ここが宇宙であるが故に、その射撃音は誰にも伝わらない。
 だが、その反動だけは善蔵に射撃の余韻を伝え来る。
 牽制射撃? いや、そのどれもが必殺だ。
 百科全般。その中には狙撃手としてのそれとて入っているのだ。
 撃たれたそれは的確に敵のコントロールを討ち貫き、物言わぬ鉄屑へと変えていく。
 ――強敵トハ、1人デハナカッタノカ!
 増援として到着してすぐの思わぬ横撃に、敵軍の意識は混乱の極みへと。
 そして、それが良くはなかった。
「所詮は烏合の衆か。指導の間もあったもんじゃなかったな」
 ――これでパーティは終わりだ。
 時折、飛来してくる流れ弾を巨大な剣を盾として過ごし、善蔵の瞳にプロフェッショナルとしての冷徹な光が灯る。
 それは開幕を報せたものと同じ。
 再び訪れた砲火の雨霰は、瞬く間に混乱の極みにある敵機を終幕に彩る花火へと変えていった。
 爆炎の消え去った余韻。今度こそ、それを突き抜けてくる者はない。そこにはただ、増えたデブリが新たに漂うだけの光景が広がるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
別世界から呼ばれた猟兵たちが、
命をかけて戦っているというのに、
スペースシップワールドの民である私が、
見てみぬふりなどできません

正面からぶつかれと言うのなら、
むしろ望むところです!
宇宙騎士の名誉にかけて、
帝国艦隊を蹴散らしてご覧にいれましょう

私の宇宙バイクは、
盾のカタチをした「反重力シールド」
これをボードのように乗って操ります

「騎乗」・「空中戦」・「ダッシュ」……
帝国軍とたたかうために、
幼いころから磨いてきた技能たち
これらを駆使して銃撃は回避、
飛行隊は迎撃しながら距離をつめていきます

私の間合いになったら、一気に加速
ユーベルコード「彗星の重力加速度」で
機関部などの急所を狙って吶喊します!


紫谷・康行
やっかいだな
このまま味方の船に被害が出るのは避けたい
憂いは断っておきたい
相手が態勢を整える前に無力化できればいい
どこかである程度集合してから味方の船を狙うだろうから集合するところを狙うのがいいか
向こうもゆっくりしてる暇はないだろうからある程度絞り込めるだろうからね

位置関係から敵が進行するルートを予想し事前にその付近に隠れておく

敵艦が近づいてきたら敵艦を行動不能にするため機関部を狙い【コード・ポテンシャル・ゼロ】を使う
「プログラムも言葉だからね、力は宿る。エネルギーを奪い冷たい星の海を彷徨わせろ。コード、ラン」

敵の動きを止めたら仲間に報告して次の船を狙いに行く
高重力場に落ちるだろうけど念のためね



 爆炎が彩る宇宙。
 協力し合い、支え合う猟兵達の姿。そこには生まれの世界など関係はない。
 だがしかし。
「別世界から呼ばれた猟兵達が命をかけて戦っているといのに、この世界の民である私が見て見ぬふりなどできません」
 やはり、己の世界の危機だからこそ、なおのこと気炎をあげる者も居る。
 ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)がそうであった。
 そして、一方では生まれの世界ではあっても気は昂らせず、、己を静かに律する者も居る。
「やっかいだな。このまま味方の船に被害が出るのは避けたいし、憂いは断っておきたいものだね」
 見据える瞳の茶色は漫然と戦場全体を見ているようで、その実、どこを穿つべきかと意識を巡らせている。
 紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)がそうである。 
 既に戦闘を始めている猟兵達の活躍により、敵機の数は減じ、敵艦隊の再構築は後れを見せて行っているといって良い。
 だからこそ、もう一押しが欲しくなる。
「相手が態勢を整える前に無力化出来ればいいんだけれど、出来るかい?」
「正面からのぶつかり合いなら、お任せください。むしろ、望むところです!」
 敵戦力の更なる掻き乱し。
 それを行うには十分な速度が必要であろう。
 そして、宇宙騎士たるユーイにはそれを為しえるだけの自負がある。
 そこに英雄譚としてのヒロイックさを求める精神がないとは言わない。
 だが、幼き頃から沁み込ませた技術に裏打ちされたものが、それを否と言わせない。
 今はまだ英雄譚に語られる者ではなくとも、いつかは必ず。
「例え、嘘であっても言い続ければ真実に」
 ユーイの姿を見、在りし日の自分を見つめた康行。
 ――なら、今回は私が導きの魔法使いにでもなってみようか。
 英雄譚であるならば、英雄とそれを導く魔法使いはセットであるものだ。
 少しだけ、康行は自分の中で苦笑を零し続けるのだ。
「なら、そこは君に任せよう。相手を掻き乱してくれれば、あとは俺がフォローする」
「はい、お願いします! 宇宙騎士の名誉にかけて、帝国艦隊を蹴散らして御覧にいれましょう!」
 そして、2人の宇宙の民は動き出す!

 先駆けとなったのは、宣告通りのユーイが姿。
 サーフボードか、スノーボードのように宇宙という海を滑る。
 正面から向い行くが故、敵の弾幕も当然のようにある。
 だが、自負した通りに、その姿を捉えられる弾幕は一つとしてない。
 右へ、左へ、時にはロールを。縦横無尽と、波のように迫りくる銃撃を乗りこなす。
 その動きにも身体がボードから離れないのは磁気を帯びたソールシートがお蔭か。
 そして、正面からの敵中突破。
 すれ違いざまに煌めく刃が1つ、2つと敵機のその身を断ち割っていく。
 まさに、幼き頃から身に着けてきた技術の躍動する時であった。
「討たれたい者から前に出なさい! 全て打ち倒してさしあげましょう!」

 数多の光が宙空を走り抜ける。
 康行の視界の先、黒のキャンパスへ出鱈目に線を引くそれは敵のモノか、味方のモノか。
 敵中に入り込んだユーイの行動は目論み通りに攪乱の結果を果たしている。
 であれば、次に敵が取る行動は――
「態勢の立て直し、だよね」
 牧羊犬に追い立てられる羊の如く、敵機が下がり、密集するように陣形を整えていく様が見て取れた。
 まさに、康行が術中。それこそが狙い。
「ゆっくりしてる暇はない。だからこそ、余計に慌てて、行動が単調に」
 ――そこから行動を、ルートを予測するなど、簡単なことだ。
 そして、その集団を目掛け、1つの術式が解き放たれる!

「電子の海に浮かぶ0と1が君のエネルギーをゼロにする」
 康行の持つ杖。そこに施された電脳チップが淡く輝く。
 その零れた燐光は康行の周囲を取り巻き、魔法陣となる。
 それを観察する者が居たならば、魔法陣を形成する線が0と1で構成されていることが見て取れただろう。
「――コードにも力は宿るよ。そして、プログラムコードも言葉だからね、力は宿る。エネルギーを奪い、冷たい星の海を彷徨わせろ」
 ――コード、ラン。
 そして、それは解き放たれる。
 その向かう先は群れなす敵機。その陣形の中央で弾けたそれは過たずに効果を発揮し――
「さあ、標は打ち込んだ。ここからが君の花道だよ」
 敵機のスラスターはその熱を全て停止させられ、鉄の棺桶が浮かぶのみ。
 そして、それを目掛け、一陣の箒星が宇宙の黒を切り裂き、迫りくる!
 手に持つ得物を槍と持ち替え、駆ける愛馬は鋼の身体。
 それこそ、宇宙の世界に生まれた騎士の姿なり!
「騎士の誇りは我が胸に。突撃ィー!!」
 その咆哮は宇宙空間を渡ることはない。
 だが、宿る気迫は確かに、それを見る全ての者へと伝わった。
 その一撃は鉄の棺桶と化した敵の全てを蹂躙し、破壊し、後には鉄屑が浮かぶのみ。
 まさしく、それは英雄譚に相応しき光景。
 時代が時代であったならば、詩人の口に乗り、数多の人へと口伝に広がっていたことだろう。
 芽吹いたばかりの小さな英雄の志。
 その姿は新たなる戦場を目掛けて走り、それを見守った康行もまた、次なる獲物を求め、足を進めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エリル・メアリアル
まだ戦う気力があるんですわね……再編成なんてさせませんわ!
「おーっほっほっほ!! わたくしが来たからには皆様の未来はありませんことよ!……あら、そういえばオブリビオンは最初から未来なんてありませんでしたわね?」

宇宙空間での戦闘なら、わたくしもこの世界出身の『女王』としては、ちゃーんとお手本を見せてあげないといけませんわね!
というわけで、わたくし自身は後方にて無駄に動くことはせず、【存在感】で【恐怖を与える】。つまり威圧ですわ!
そして攻守共に漂うデブリや敵の残骸を【念動力】で用いて戦闘を行いますわ。
攻撃のチャンスには、残骸を集めて拳の形にして、クイーンズ・パニッシュメント!

パーンチ!ですわ!!



「おーっほっほっほ!!」
 宇宙空間に響き渡るは、エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)の高らかな笑い声。
 既に敵の姿は這う這うの体たる姿。
 だが、まだ諦めてはいないのだろう。数を減らしながらも向かってくる姿が見える。
 それを見据え、エリルの笑い声はより一層に高らかに。
「まだ戦う気力があるんですわね。ですが、わたくしが来たからには皆様の未来はありませんことよ!」
 しかし、未だある敵の戦意を認めながらも、エリルは一向に動こうとはしない。する必要がない。
 玉座に座するが故に王。
 忙しなく動き回るは、王の役目ではないのだ。
 それは臣下の役目であり、王は裁決を下すもの也。
 だが、エリルの周囲にその姿はない――。
 その孤独の女王を撃ち抜かんと、敵機の機銃が光を帯び、雨とばかりにそれを穿ち撃つ!
「……あら、そういえばオブリビオンは最初から未来なんてありませんでしたわね?」
 それを前にしても未だ余裕は崩れない。
 その時、流れきた大きなデブリが盾の如く、偶然にもエリルの前へ姿を晒す。
 穿たれ、砕かれ、その身は削られ、しかし、背後に控えていた『女王』には傷一つない。
「――ご苦労様」
 まるで臣下を労うが如く、威厳に満ちた言葉。
 それが、その現象は偶然ではないとそれを目にしていた者達に感じさせる。
 ――横からの衝撃に機体のバランスが崩れる。
 敵機がモニターの目を向けたなら、小さなデブリ群がまるで隕石のように衝突してきているではないか!
 それはまるで、『女王』を守、号令に従い攻める兵の如く。
 そう、エリルの周囲にヒトの姿たる臣下はない。だが、その必要性もなかったのだ。何故なら、万の臣下は既にそこにあったのだから。
 この地は猟兵と解放軍と銀河帝国のぶつかる戦場。
 壊れ、漂う残骸はそれこそ星の数。いや、今この時も増え続けている。
 既に、この地は、領域は、エリルが『国』。もう1つの箱庭なのだ!
「だから言ったでしょう? ここへと足を踏み入れた時点で、アナタ達オブリビオンには、最初から未来なんてありませんでしたのよ?」
 もう1度、数瞬前と同じ言葉を紡ぐ。
 その仕草、表情には確かな存在感があり、忠誠心に溢れる銀河帝国の兵ですら気圧されるものがあった。
 だが、敵にとっては最早退くにも進むにも、既に四面楚歌。降伏の白旗をあげる算段などもない。
「右往左往ですわね。では、わたくしが裁決を――罰を与えてさしあげますわ」
 するりと白魚の指が持ち上げられる。
 それに物言わずとも従う、万を超える臣下達。
 次々とより集まり、拳を形作っていく。
「――ひれ伏しなさい」
 その宣告は、女王が齎した無常な死刑宣告。
 鉄屑の巨拳が唸り、次々と敵機を沈めていく。
 その姿はまるで冗談じみていて、見る者の目を疑わせ、次に士気を挫いていったのだ。
「ふふふっ! パーンチ! ですわ!!」

 ここに広大な戦場における1つの戦いの幕は下りる。
 それは果てなき道への1歩でしかないのかもしれないが、それでも確かな1歩であり、戦いを終結へと導く1歩となったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト