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アポカリプス・ランページ⑯〜デトロイトより愛を込めて

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●トータル・ウォー
「猟兵諸君。遂にデトロイト、つまりマザー・コンピュータへの道が拓けたわ。アカプルコのクライスト撃破から長旅だったけど遂にこの戦争にも終止符を打つ頃合いよ。」
 イザベラ・ラブレス(デカい銃を持つ女・f30419)は集まった猟兵達を前にブリーフィングを開始する。
「今回の撃破対象はフィールド・オブ・ナイン第2席『マザー・コンピュータ』。こいつの能力はあらゆる物質・概念の『機械化』…スーパー戦車や戦車獣みたいなのを作り出せるって能力よ。で、マザー・コンピュータの拠点であるデトロイトは都市丸ごとが機械化、『増殖無限戦闘機械都市』と化しているわ。つまり都市そのものが敵の戦力よ。」
 都市一つが戦力、それは今次戦争において猟兵達が対峙してきたヴォーテックス一族、オブリビオン・フォーミュラの中でも群を抜いた大規模である事を意味していた。
「まぁ規模の大小はこの際問題ないわ。唯一の問題は……私よ。」
 イザベラは自らを親指で刺しながら告げた。
「この予知が出た時ね、なぜか私の姿もデトロイトにあったのよ。つまり、本命はグリモア潰し。私ごとデトロイトに閉じ込めて仕留めよう……ってコトでしょうね。」
 なんと単純明快であろうか。
 「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」とはよく言うが、将を直接狙うのは阿呆かそれとも必殺する自信のあるものだけだ。そして今回はまず間違いなく後者であろう。
「だから今回は私も強制的に転移させられる事になる。一応持てる限りの自衛手段は持ち込んでいくけど戦力としてはアテにしないでね。こっちのメイン火力は貴方達よ。」
 とは言えグリモア猟兵がやられる事は猟兵達にとっても望まない事である。可能であれば彼女を守護るべきであろう。
「まぁ成り行きとは言えこの戦い、総力戦(トータル・ウォー)と言っても過言ではないわ。各々、悔いの残らない戦いができる事を期待しているわ。」
 Good luck(幸運を)!
 And Good hunting Jaeger(そして猟兵諸君、良い狩りを)!
 猟兵達を転移させるときの決まり文句に「幸運」を添えるのはイザベラなりのサービス精神。
 こうしてイザベラ含む猟兵達はマザー・コンピュータの本拠地、デトロイトへと出撃するのであった。


マーシャル後藤
 マザー・コンピュータを攻撃する、グリモア猟兵を守る。「両方」やらなくっちゃあならないってのが「猟兵」のつらいところだな。
 覚悟はいいか?うちのイザベラは(諸君に守護られる準備が)できているぞ!
 どうも、マーシャル後藤です。
 本シナリオではフィールド・オブ・ナイン第2席『マザー・コンピュータ』とのデトロイトを舞台としたバトルを描きます。

●戦場情報
 ミシガン州、増殖無限戦闘機械都市・デトロイト。
 かつて自動車産業で栄えた都市の面影は無く、所かしこがマザー・コンピュータの意のままに動く戦闘機械と化した重武装都市です。
 鉄球から光線兵器まで古今東西の武器兵器が待ち構えています。

●プレイングボーナス
 グリモア猟兵を守りつつ、増殖無限戦闘機械都市の攻撃を凌ぎつつ、マザーと戦う。
 「グリモア猟兵がどのような襲撃を受け」「どのように凌ぐか」の記載をお願いします。

●グリモア猟兵「イザベラ・ラブレス」について
 アポカリプスヘル出身のグリモア猟兵で、現地の傭兵一家の令嬢でもあります。
 今回デトロイトに転移するにあたって、砲戦型重装甲キャバリア「UT-コンバットバリオニクス『マイティー・バリー』」に搭乗しています。
 170mmガトリング砲や30mm重機関砲など高火力の武装を施していますが現地ではほとんど自衛に徹することになります。
 マザー・コンピュータのイザベラに対する襲撃を凌ぎきれば砲撃による火力支援を受ける事ができるようになります。

 プレイング募集はOP承認直後から開始となります。
 また、必要成功数に達した時点でシナリオ完結とさせていただきます。

 それでは皆さんの出し惜しみのないホットなプレイングをお待ちしております!
 グッドラック!
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第1章 ボス戦 『マザー・コンピュータ増殖無限戦闘機械都市』

POW   :    マシン・マザー
全長=年齢mの【巨大戦闘機械】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【出現し続ける機械兵器群】による攻撃を可能にする。
SPD   :    トランスフォーム・デトロイト
自身が装備する【デトロイト市(増殖無限戦闘機械都市)】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。
WIZ   :    マザーズ・コール
【増殖無限戦闘機械都市の地面】から、対象の【猟兵を撃破する】という願いを叶える【対猟兵戦闘機械】を創造する。[対猟兵戦闘機械]をうまく使わないと願いは叶わない。

イラスト:有坂U

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●バトル・オブ・デトロイト
「おーおー、戦闘機械都市とはよく言ったものね。どこもかしこも殺意の塊ばかりじゃないの。」
 デトロイトの地へと猟兵と共に降り立ったイザベラは、愛機「マイティー・バリー」のコックピットの中でつぶやいた。艦砲射撃の直撃すらモノともしないタフなキャバリアではあるが、これだけの火力に曝されたら「何分保つだろうか」。表情に出さずもイザベラは内心は冷や汗を垂らすばかりである。
「来ましたね猟兵。そしてグリモアを持つ者も。」
 するとイザベラ達は街全体から発せられているような女性の声を耳にした。
「マザー・コンピュータ、フィールド・オブ・ナインの一人ね……。」
「その通り、自己紹介の手間が省けて何よりです。まずはようこそ、私の体内(デトロイト)へ。」
 その言葉が発せられると街の至る所から武器兵器が飛び出し、その切っ先、砲口の全てが猟兵達へと向けられた。
「そしてこれこそが貴方達猟兵とグリモアを抹殺するための決戦兵器(デトロイト)。…これで準備は整いました。さあ、かかっていらっしゃい。」
 それは正に強者の言葉であった。
 そして遂に、マザー・コンピュータのその言葉をきっかけに「デトロイトの戦い」の幕が上がった。
御魂・神治
※御霊除霊事務所

うわでた大家のクソ鳥
あ?なんやて?
愉快なネットの大きなお友達と天将の電脳でマザーごと都市をオモチャにするやて?
悪趣味やな...まぁええわ
ワイは【破魔】の【オーラ防御・結界術】でグリモア猟兵守る事に徹するわ
爆龍符を【追尾弾】にして死角から近寄ってきた兵器を自動的に【爆撃】したる

天将『ネット上の大友ですか...彼らの無責任なカオスを【リミッター解除】で増幅』
『マザーのOSに偽造破壊データを大量に流し込み【クラッキング・ハッキング】、都市にネットのカオスを反映』

無防備なマザーには『八咫』をお見舞いしたる


榊・ポポ
※御霊除霊事務所

ここがあのマザーのハウスね!
上も下も右も左もメカばっかじゃねーか!
あんだって?マザーが好き勝手した結果がこれ?
これは...弄り甲斐があるね!

よーし!ネット上の暇なニキネキ!
「増殖無限戦闘機械都市をネタ系メカにしちゃえ☆」
グリモア猟兵を物量で呑み込もうとした其処のメカ!
てめーだよてめー!
クソコラガラクタにしてやっぞ!
デトロイト全体がコレジャナイ博覧会になるぞー!
お互い勝手に敵味方に分かれて同士打ちしたり、勝手に自爆したり、曲芸飛行して勝手に墜落してもしらねー!
マザー本体が殴られても責任取れないね!
スレの安価を採用した結果だし?
ネット上の大友のカオスから逃げられると思うなYO☆



●マッド・カオス・マックス

【安価】安価でマザコンをオモチャにするスレ【戦争なう】

1 :ななしのポポちゃん:Popokawa11
 fromデトロイト
 ボスケテ大友ニキネキ達

 とりあえず>>20

2 :ななしの猟兵:2GetJager
 ポポスレ2ゲッターの俺が通りますよ、っと

3 :ななしの猟兵:moBMob2o2I
 スレ建て乙

「これでよし、っと…。」
 絶賛戦闘兵器が飛び交うデトロイトの中心で榊・ポポ(デキる事務員(鳥)・f29942)
は恐ろしく手慣れた様子で安価スレを建てていた。
「……おう、クソ鳥。どうせロクな事考えてないやろけど聞いとくわ。何やってんねん。」
 そしてその様子を見た御魂・神治(除霊(物理)・f28925)はポポに訊ねる。
「あぁ?見りゃわかんでしょーが。ネットの大友の力を借りてマザコンやっつけんだってば。」
「大友…あぁ大きな友達か。やっぱロクでもない事しよるつもりかぁ……。」
『というかマザーにバレないの?ネット使ってんでしょ?』
 神治の展開した結界内へと転がり込んできたマイティー・バリーの外部スピーカーからイザベラの声が聞こえてくる。
「へーきへーき。どうせあのオバサン、イザベラちゃんのグリモアぶっ壊そうと全リソースブッこんでるからSNSなんて除いてる暇は無いって!」
『…そういうもんなの?』
「イザベラはん。気にしたら負けや。ほら、こいつは見ての通りの鳥やから……。そないな事よりマザコンの手下を処理せなアカンな!」
 そう言うが早いか神治は懐から取り出した爆龍苻を結界の外、マザー・コンピュータが絶え間なく繰り出す二足歩行型の戦闘機械目掛けて投げ放つ。放たれた苻は戦闘機械に張り付くと次々と爆発し、さらに内蔵していたであろう弾薬の誘爆で周囲を巻き込み自爆、次々と戦闘機械を殲滅していった。
『ヒューッ!中々派手にやるじゃないの!私そういうの好きよ!』
「べっぴんさんに褒められるとやる気が沸いてくるなぁ!ほぅれ、サービス代わりにもう一丁や!」
「鼻の下伸びてんぞ御魂ァ!」
 神治が続けざまに放った爆龍苻は先ほどの倍の数。戦闘機械は無反動砲などの高火力兵装を次々と発射するが神治の結界が直撃を拒み、一方的に爆龍苻の餌食となっていく。
『貴方ばっかに良い所見せられっぱなしじゃ「デカい銃」の名が廃るってものね!それじゃあこっちも手伝わせてもらうわ!』
「アンタがやられたらこっちは終わりや!無理はせんといてな!」
『合点招致!』
 目の前で繰り広げられる盛大な爆破ショーにテンションが上がってきたイザベラはマイティー・バリーの機首両側面に取り付けられた二連装30mm機銃を起動、計四門の砲身から高速で発射される徹甲弾が後続の戦闘機械の両脚を次々に破壊し、残存する個体を行動不能に陥れた。
「よっしゃあ、安価決定!」
 時を同じくしてポポの建てた安価スレも遂に目標の20レスに達したようだ。

17 :ななしの猟兵:Nic0tuVer
 愛犬て○

18 :ななしの大統領:1aMpRe5ident
 デトろ!開けロイト市警だ!

19 :ななしの提督:Ne1s0n_hol3y
 大正義パンジャンドラム

20 :ななしの猟兵:B1ncw0n
 某アニメ映画みたいに百鬼夜行させようずwww
 発狂待ったなしww

21 :ななしの猟兵:moBMob2o2I
 >>20
 こマ?ポポ氏発狂するのでは?

22 :ななしの猟兵:0TomoDa1Lok
 元からイカれてるのでセーフ

23:ななしのポポちゃん:Popokawa11
 >>22
 ポポちゃんイカれてねーし!


「クソ鳥……これマジでやるんか?」
『あ、私この映画知ってるかも……。』
「……安価は絶対、良いね?」
『「アッハイ。」』

「流石は猟兵。数的不利を抱えてもそれを補って有り余る戦闘力を有していますか。ですが戦争とは数。音を上げるまで攻め立てるまでです。」
 マザー・コンピュータは第一波の壊滅を淡々と受け止めていた。ここまでヴォーテックス一族とオブリビオン・フォーミュラを撃破しているのは伊達ではないと正しく評価し、ならばそれを上回る戦力を出せばいいと判断する。つまりはトライ・アンド・エラー、しかもその権能を使えば補給も無尽蔵なので無限コンテニュー付きだと言ってもいい。
「それでは第二波攻撃を開始……おや?」
 しかし世の中、そう簡単にトライ・アンド・エラーが許され無い場合が存在する。

『マザー・コンピュータの指揮系統系へのハッキング成功、デトロイト一帯の通信網へのスレッド住民のアクセスを許可。……通信量増幅、カオス情報の流入を開始しました。』
「もうどうなっても知らんでコレ……!」
 人工式神「天将」からの報告を聞いた神治はハラハラした様子で事の成り行きを見守り、
「ヒャッハー!物理演算大狂乱!狂瀾怒濤の百鬼夜行!天変地異も裸足で逃げ出すカオスの襲来じゃー!どうなっても知らねぇー!」
 ポポは来たるカオスにワクワクが止まらないと大騒ぎであった。

「……デトロイト全域へのハッキング!?馬鹿な、外部との通信は断たれているはず!……まさか猟兵が!?」
 ネットの住民によるハッキングに気が付いたマザー・コンピュータは選択を迫られた。猟兵の殲滅か、それともハッキングへの対処か。
 猟兵相手に二正面作戦は愚策、しかし後者も異常な速さでハッキングが進行している以上見過ごすわけにはいかなかった。
「ならば速攻で猟兵を仕留めるまで……第二攻撃隊、出…げ……へっ?」
 しかし、遅きに失していた。猟兵達を第一波で仕留められなかったが故に。
 マザー・コンピュータの戦闘機械は、デトロイトは、「ネット民のオモチャ」と化していた。
 空は怪しげなアフェリエイト広告と怪文書のテクスチャ、更には物理演算が狂ったかの如く建造物群が常時変形しながら空を飛び交う光景で埋め尽くされ、地上には招き猫や自由の女神、モナリザやナポレオンの肖像画など、デトロイトに関係ないどころか協調性のかけらもないクソコラみたいな練り歩きが繰り広げられ、とどめに尖兵たる二足歩行型の戦闘機械は砲塔がタコ型アニマトロニクスに置き換わった「タコ戦車」となり、砲弾の代わりにスミを吐き出し、中途半端な長さのタコ足をうねつかせるという常人には理解し難い世界が広がっていた。

『あー、何か私の知ってる映画と違っててホッとしたわ。』
 何やら安堵の声を出すイザベラ。そりゃね、あの描写を再現できる気がしないもん。あと著作権とか怖いし。
「そこホッとするところ違うと思うぞ!?……それよりも見てみ、マザコンめっちゃ動揺してるみたいや!」
 イザベラのずれた感想にツッコみを入れた神治の指差す方ではタコ戦車がマザー・コンピュータの培養槽に向けてスミを吐き続けていた。
「や、やめなさい…敵は向こうで、本当に、ホントやめて……やめろって言ってんでしょ!?ちょ、猟兵!貴方達の仕業でしょ!どうにかしなさい!」
 どうやらマザー・コンピュータは戦闘機械の指揮権すらも奪われ制御不能に陥り、こちらに助けを求めてきていた。
『…と、彼女は大変嘆いているみたいだけど。このカオスの主催者として何かコメントはある?』
「安価は絶対。この状況になったのはポポちゃんがきっかけです。マザコンさんに多大な被害を与えたという自覚もあります。……だが謝んないもんねーっ!そもそもこんな事しなけりゃ安価スレも建ててねーし!というか猟兵がオブリビオンに謝るとか普通なくね?」
「このクソ鳥……!ま、まぁ最後のは一理あるな。まぁマザコンさんには悪いけど、此処が年貢の納め時や。観念したってや。」
「ムキーッ!」
 遂にキャラ崩壊までするマザコン……もといマザー・コンピュータは見事隙だらけである。そしてこの中で唯一カオス状態に呑まれていない神治はそれを見逃してはいなかった。
「ご愁傷さま、これで終いや。」
 神治はそう呟くと神器銃『天誅』を構え、タコスミで真っ黒になったマザー・コンピュータの培養槽目掛けてレールガン弾『八咫』を撃ち込んむ。電磁力で撃ち出された弾丸はまっすぐに突き進み、マザー・コンピュータの培養槽を撃ち抜き、
「それとさっきからマザコンって連呼してるけど私はマザー・コン……ギャー!?」
 そしてちょうど何かを訴えていたマザー・コンピュータは『八咫』の直撃弾を受け、その言葉は途中から悲鳴に置き換わったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マキナ・エクス
アドリブ・他猟兵との連携歓迎

なるほど敵もこういった手段をとってきたか。
まあ確かに猟兵達の起点ともいうべきグリモア猟兵を無力化してしまえばこちらはかなりの打撃を受けるだろうね。
護衛しながらの戦闘は始めてだが全力を尽くそう。

幸い敵の攻撃は基本的には機械による攻撃のようだ、ならやりようはあるとも。
大量の戦闘機械による襲撃を、グリモア猟兵のキャバリアの上に乗っかってUC発動。効果範囲内に入ってきた戦闘機械を片っ端から矢に変えて攻撃する。敵が銃弾を放とうとも効果範囲内に入った瞬間変換して撃ち返す。
防御用からくり人形や【オーラ防御】、対物拳銃で処理しきれなかったものに対処する。


塩崎・曲人
悲報:どうみても護衛する側より護衛される側の方が強そう
こちとらキャバリア免許も持ってねぇぞ?

うん、泣き言言ってないで働こうね
お、マザコンの奴小型戦闘機械(1m弱)を差し向けてきたな
「なら近づけない様に引っ掻き回してやるぜオイ」

アナログなブービートラップを仕掛けて動きを止めてやる
電子的なあれこれはどうせマザーに察知される
やるならなるべく原始的な手で、だ
ワイヤーで瓦礫落としたりとかガソリン投げつけたりとかそういうの
あ、イザベラ先生トドメはお願いしまっす

で、襲撃が終わったら反撃タイムだ
さっきの襲撃の間に爆発物、可燃物を集めて街の各所に置いてきた
「後はそれを砲撃で吹っ飛ばして貰いやいい、と。あばよ!」


エインセル・ティアシュピス
【アドリブ連携歓迎】
にゃーん、いざべらにひどいことしないでよー!

【指定UC】と【式神使い】でしきがみさんたちといっしょにいざべらをまもるよ!
ぬのやりさん(【生命を守護せし聖布の霊槍】)はいざべらのうしろからこうげきしようとするきかいを【不意打ち】だよ!
にゃんげいざーはまんまえきかいに【属性攻撃(雷)】の【レーザー射撃】でこうげきして!
ぼくは【多重詠唱】で【結界術】と【オーラ防御】をかけていざべらをこうげきから【かばう】にゃーん!
ほかのいぇーがーのみんなもぼくがまもるよ!

みんなぶじにもどるまでがいぇーがーのおしごとだってかいぬしさんいってたもん!
ぜーったいみんなでいっしょにかえるんだからーっ!!



●トリプル・アサルト

「よくも…よくも私をコケにしてくれましたね、猟兵達……。決して許しませんよ……!」
 散々良いように弄ばれたマザー・コンピュータは肩を震わせ猟兵達を睨みつける。先の戦いは出方を伺っていたが故の惨敗。ならば今度は圧倒的な戦力で圧倒するまで。
『おっと……。向こうさん、相当『おかんむり』みたいよ。で、早速敵襲よ。敵戦力は……武装ドローン兵器を中核とした航空無人機同戦力。それと地上は高機動兵器、恐らく強襲部隊ね。……部隊後方には巨大目標……識別マザー・コンピュータ!大盤振る舞いね…!』
「おや、大将自ら前線に出るとは敵ながら天晴…と言いたいが事を急いているようだね?」
 マキナ・エクス(物語の観客にしてハッピーエンド主義者・f33726)はマイティー・バリーの頭部に陣取りイザベラの報告を聞いて呟く。
『全体の戦況で見れば敵軍の優勢、さらに自分の本拠地に踏み込まれた上に自信満々の所で出鼻を挫かれたってなれば冷静さを欠くのは必然でしょうね…。ましてや相手は単純明快なゴリ押しを好む手合い、これでダメなら更に倍の戦力を吹っ掛けてやろうって脳筋思考に陥っているに違いないわ。』
「マジかよイザベラ先生!?……というか俺要る?なんかどうみても護衛する側より護衛される側の方が強そうだけどさ?」
 今度は塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)がイザベラの言葉に反応した。その手に握られているのは使い慣れた鉄パイプやチェーンと言った得物であり、しきりに真横に立つマイティー・バリーのガトリング砲と見比べていた。
『フフッ、そいつは愚問ね曲人。今の私は言ってしまえば砦、動けない上に決して陥落することは許されない。しかも全方位から敵の攻撃に曝されるってアラモ砦よりも酷い役回りなのよ?』
「……アラモ砦ってなんすか?」
『あー…オーケイ。この作戦が終わったら教えてあげるわ。とにかく私が言いたかったのは身軽に戦場を駆けまわれる人、つまり貴方みたいな人がこの戦いのカギを握っているという事よ。ご理解いただけたかしら、ミスター・喧嘩小僧?』
 イザベラがそう言うと曲人はハッとした。確かにイザベラのマイティー・バリーは重武装であるし、頑丈さには相当な自信があるようだ。しかしそれは猟兵達の帰り道を護るための彼女にできる最大限の備えであった。つまり彼女が出張るというのは最悪の事態である。
「俺としたことが情けねぇ…!骸の海の向こうでプレジデントのオッサンに笑われちまうなこりゃ…。わかったぜ先生!引っ掻き回しなら朝飯前だ、オレ様の喧嘩殺法をお見舞いしてやるぜ!」
『期待しているわよ!』
「きたよ!たくさんのきかいがあっちからもこっちからも!」
 そしてエインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)が叫ぶ。
「かいぬしさんいってもたもん!みんなぶじにもどるまでがいぇーがーのおしごとだって!」
「その通りだ。護衛しながらの戦闘は始めてだが全力を尽くそう。」
「おう!しっかり暴れさせてもらうぜ!」
 エインセルの言葉に続きマキナが、そして曲人が応える。誰の目から見ても三人のやる気は十分に満ち溢れていた。
『敵の侵攻進路は適時モニターして伝えるわ!それじゃあ諸君、ロックンロール開始よ!』
 そしてイザベラも三人に後れを取らぬようにと気合いを入れ、戦闘は始まった。


「マザーより空中機動部隊、爆撃を開始しなさい。」
『敵ドローン、高度を落としながら急接近!8時、12時、4時方向からの三重攻撃よ!』
 風切り音を立てて無数のドローンが猟兵達に接近する。その腹にはロケット、無誘導爆弾など様々な兵装が取り付けられ、それら攻撃機の護衛と思われる個体か機銃を備えているものもあった。
「さぁ、フォートレス。私達の砦を護ろう。」
 マキナは鎧を纏った人形を呼び出し、周囲を護れと指示を出し、彼女自身もまた一冊の書を取り出しユーベルコードの発動準備に入る。
「偽典閲覧、伝承認識、神具構築――。」
『爆弾の投下を確認!着弾まで5,4,3――!』
 時を同じくして投下ポイントに到達したドローンが次々と兵装を発射し始め、イザベラが叫ぶ。そしてマイティー・バリーの頭上にいるマキナは迫りくる爆弾を睨みつけ詠唱を終えた。
「――汝月の女神の威光を見よ!」
 すると彼女の頭上から降って来た兵器の数々がその原型を失い、無数の銀の矢へと姿を変え、地面へと落ちていった。
「まぁざっとこんなとこかな?」
『結構ギリギリだったけどね。――所で肩関節あたりに矢が挟まったみたいなんだけど、取ってもらえるかしら?』
「あ、本当だ。すぐ取るね。」

「爆撃失敗…?あのタイミングで防いだとでも言うのですか?」
 デトロイト一帯に配置したカメラ、センサーから送られてきた情報に目を通したマザー・コンピュータは信じられないといった表情を浮かべる。現に戦場ではマキナが迫りくる爆弾、ミサイルを次々と自らの武器――銀の矢に変換し、後続を手当たり次第に撃ち落としていた。
「いいえ、いいえ。まだ私の攻勢は終わりません。反撃の隙など与えるものですか。増援機出撃、第一次攻撃隊は反転し攻撃続行。地上の強襲部隊は敵対空戦力を排除しなさい…!」

『敵航空戦力、増えた!さらに敵地上部隊の接近を確認!全方位からの襲撃よ、注意して!』
「流石に手が回らないか…なっ!」
 飛来する銃弾、爆弾を銀の矢に変換する以上の飽和攻撃が行われると知らされたマキナはフォートレスによる近接防御、さらに対物拳銃「フィニッシャー」による射撃で手数を補っていた。
「―!イザベラ、後ろ!」
『――ちぃっ!』
 マキナの悲鳴にも似た声を聞き、マイティー・バリーを旋回させるイザベラ。その機首の向いた先には杭打機、いわゆるパイルバンカーを搭載した四足歩行型戦闘機械の群れが迫っていた。
『こっちは私がやる!マキナは後ろの奴らをお願い!』
 イザベラはすぐさま30mm機関砲による迎撃を行うが、戦闘機械の小柄さ、そして数に任せた突撃は熾烈を極め、その死角への接近を許してしまう。
『マズっ……!』
 脚部をやられれば良い的になってしまう。イザベラが覚悟を決めたその時だった。
「そうは問屋が卸さねーっての!」
「いざべらはきずつけさせないよっ!ぬのやりさん、いざべらをたすけてあげて!」
 マイティー・バリーの死角に入り込んだ戦闘機械は次々と転倒し、エインセルの放った「ぬのやりさん」――霊布の聖槍が次々とその体躯を貫いていった。
『二人とも!助かったわ!』
「応よ!万が一に仕掛けといた甲斐があったぜ!」
 そう言って鼻高々になった曲人の手にはワイヤーの束が握られていた。曲人がその中の一本を引っ張ると、遠くのビルの谷間を通過中の戦闘機械群に瓦礫が降り注ぎ、また別の一本を引っ張ればヘリポート近くの燃料タンクが倒壊し、これまた側に展開していた戦闘機械を巻き込みガス爆発を起こしていた。
『ブービートラップ!?まさか、この短時間で!?』
「まぁこれも喧嘩テクって事で!」
 喧嘩って凄い。そう思うイザベラであった。

「馬鹿な、あんな小細工で地上戦力がやられるなんて……!」
 曲人のトラップは多彩かつ広範囲に仕掛けられており、しかもイザベラへと辿りつくルートは部隊壊滅必至レベルのえげつないトラップが待ち受けていた。そして増援までかけた航空戦力もマキナとエインセルが展開した防御陣地、さらにマキナの対空射撃により戦果を出せないだけでなく、戦力を浪費するのみとなっていた。
「斯くなる上は私自ら一撃必殺を狙うしかありませんね……!」
 イザベラの予測通り、マザー・コンピュータは脳筋思考に陥っていた。更に巨大な力を。二の太刀不要の強烈な一撃を。自らのデータベースに存在する兵器の中から一つの兵器を見つけ出した。
「……これです!」


『…!皆、マザー・コンピュータの反応が空中に移動したわ!これは空中戦艦?……いや、ちょっと待って。これまさか…。』
空中地上の連携攻撃を凌ぎきり、息を整えていた三人の猟兵はイザベラの報告に耳を傾けた。
『……ヤッバい!CSMよ!』
「しぃーえすえむぅ?」
「センセー!CSMってなんすか!?」
聞き慣れない言葉にエインセルと曲人は頭にクエスチョンを浮かべ、マキナは空中を進んでくる巨大物体を睨み付けた。
「多分…ミサイルの一種じゃないかな?」
『マキナ正解!簡単に言うと爆薬の代わりにその質量をぶつけるミサイル、もっとシンプルに言うなら隕石みたいなミサイルよ!』
CSM(コンベンショナル・ストライク・ミサイル)、それは核軍縮が求められる情勢において、核弾頭に代わる新たな長距離戦略兵器として考案されたロケット兵器の一つである。
 …まぁ「隕石みたいなミサイル」という例えはイザベラにしては語彙力に乏しいという他ないが危急の事態であるが故であろう。
『だけどあんな高度じゃ十分な速度を稼げるはずが……まさか!』
「そのまさかですよ、グリモアを持つ者。速度程度、世界の異端である貴方達が得意とするもので容易に解決できるじゃないですか。」
イザベラの疑問に答えるようにマザー・コンピュータの声が空から響き渡る。
「デトロイトという都市の質量をユーベルコードの力で加速させ、貴方達にぶつける…。何故これをもっと早くに気が付かなかったのかと自分でも不思議でなりませんでしたが、これもまたトライ・アンド・エラーの賜物としましょう。では、おさらばです猟兵達。」
「そんな物、落とさせるか!」
 マキナが加速を開始した巨大CSMに向けて銀の矢を絶え間なく発射する。大きい的ゆえに外す事はなかったが、相手は兵器と言えど大質量の塊である。機械としての弱点も無く、放たれた矢は尽くが弾かれた。
「まるで岩山か何かだ…全然手応えがない!」
「あははは!無駄!何もかもが無駄です猟兵!大人しく押し潰されなさい!」
 自らはCSMから離脱し空中へと退避したマザー・コンピュータの勝利を確信した声が響き渡る。
「ちぃっ!打つ手なしかよ!」
『……クソっ!』
 曲人もイザベラも、誰もが敗北を覚悟したときだった。
「みんなあきらめちゃダメえぇぇ!」

――戦場に、一騎の鉄巨人が降り立った。

【ゲイザアァァァアッッ!】
「な、なんだぁっ!?」
『あれってまさか…ニャンゲイザー!?』
「知っているのかいイザベラ!?」
 鋼鉄猫帝ニャンゲイザー。古代魔法帝国の遺産とされるスーパーロボットである。そしてその鉄巨人の保有者はエインセルその人なのだ。
「にゃんげいざー!あのみさいるをおしかえしてっ!」
【ゲイザアァァ!!】
 ニャンゲイザーはエインセルの願いに呼応するように跳躍、高速で接近する巨大CSMと対峙する。
【ゲイザアァァァア…レーザーッッ!!】
 するとニャンゲイザーの手足胴体が電撃を纏い、五体全てを用いた高出力レーザーを放つ!
『曲人、マキナ!マイティ・バリーの後ろへ!電撃に焼かれるわよ!?』
「「とっくに退避済み!」」
 空中でニャンゲイザーのレーザーとCSMが衝突する。その衝突面では熱量と質量が拮抗し、CSMの運動エネルギーが抑え込まれていた。
「無駄な悪あがきを…!ならば更にブーストするまで!」
「まけないで!にゃんげいざー!」
 マザー・コンピュータが遠隔でCSMにロケットエンジンを形成し推進力を高め、ニャンゲイザーもまた負けじとレーザー出力を高める。押して押されの鍔迫り合いめいた光景が繰り広げられる中、その様子をモニターしていたイザベラはあることに気がついた。
『CSMが自壊を始めてる…!』
 CSMは自らの推進力とニャンゲイザーのレーザーの抵抗力の間で板挟み――即ち、プレス機の間に挟まれているのと同じ状況にあった。
 現にCSM本体からパーツが脱落し始め、またその表面には幾つもの亀裂が走っていた。イザベラの見立てでは後もう一押し、何か横合いから殴りつけるような一撃があればCSMを破壊できる筈であった。
『何か…あとデカい一撃を横っ腹に撃ち込めれば…!』
「なぁイザベラ先生。その背中に背負ってるやつをぶつければいいんじゃね?」
『え、背中…あ!』
 曲人の言葉でイザベラは思い出した。
 そうだ、あったじゃないか。マイティ・バリーの背部コンテナには「皇帝(ツァーリ)」が宿っているのだ。
 イザベラはすぐさま長距離多目的巡航ミサイル「ツァーリ・ラケータ」の発射準備に取り掛かる。
『曲人!マキナ!発射ガスに巻き込まれないように「「とっくに退避済み!」」よし!ツァーリ・ラケータ、発射(サルボー)!』
 標的はCSMの表面にできた亀裂の中でも特に巨大な物。イザベラが発射レバーを引くと次々とコンテナからミサイルが垂直に飛び立ち、可動尾翼で軌道修正した後にCSMへと一直線に突っ込む。そして掩蔽壕の分厚いコンクリートをもぶち抜く強力な弾頭が食い込み、CSMは大規模な爆発を伴い粉々に砕けた。
『敵CSMの破壊を確認!…悪いわね、美味しい所を攫っていっちゃったみたいで。』
「いや、ここは適材適所だったと思うよ?現にイザベラのミサイルじゃなきゃ破壊は叶わなかったと思うし。」
「そうだよー!ね!にゃんげいざー!」
【ゲイザアァァァ!】
 エインセルに賛同するようにニャンゲイザーから雄叫びが上がり、一気に空気が緩んだところで一同の間に笑い声が溢れ始めた。
 ただ一人、その場から姿を消した曲人を除いて。


「そんなまさか……あんな馬鹿げた手段で防がれるとは…!」
 自信満々に送り出したCSMが破壊される一部始終を見たマザー・コンピュータは次なる手を打つために猟兵から距離を取るようにデトロイトの街中を培養槽に取り付けたスラスターで移動していた。その顔は青ざめており、相当焦っている様子がうかがえる。
「大体質量兵器を押し返す光学兵器って何ですか?原子力発電所が何基必要になると思ってるんですかそんなのを16フィート程度の二足歩行兵器がどうやって溜めこんでるんですか?頭おかしいとしか思えません。本当に頭おかしい…頭おかしいと言えばあのグリモア女、飛翔体に対して掩蔽壕破壊弾頭(バンカーバスター)撃ち込むとか正気じゃないですよあれ対地上兵器ですよね何で空中目標にぶつけられるんですか私のCSMよりも頭おかしい」ブツン「ブツン?」
 ぶつぶつと独り言に没頭するあまり視野が狭まったマザー・コンピュータの耳が「何かが切れる音」を聞いた。そして次の瞬間に彼女の目が捉えたのはロープに吊られた鉄骨が培養槽内の自分目掛けて突っ込んでくる光景だった。
「ひっ……うわあああ!」
 悲鳴を上げるマザー・コンピュータ。しかし培養槽は想像以上に頑丈で、鉄骨の衝突ではヒビ一つ入らなかった。代わりにピンボールの玉よろしく盛大に吹き飛んでいったのは言うまでもないが。
 ビルに、瓦礫の山に、戦闘機械の残骸に、至る所に突っ込み弾き返される事十数回。常人なら三半規管が臨終するレベルの絶叫マシンに乗った気分を味わったマザー・コンピュータが放り出されたのは戦闘機械都市と化したデトロイトにおいて、偶然にも出来上がった空き地であった。
「うぅ…一体何が…?」
「よぉ、なんか散々な目に遭ったみてぇな面してんじゃねぇか。」
「……貴方は!」
 マザー・コンピュータに声をかけたのは曲人であった。そこらへんに転がっていた木箱に座りスマホをいじりながら時間を潰していたのか、「マザー・コンピュータがこの空き地にやってくることを知っていた」かのような様子である。
 故に彼女は警戒した。ここまでの戦闘において罠を用いた戦闘を貫き続けた曲人が何を仕掛けるのかと。
「……あー、警戒してる所で悪いんだけどよ。ちょっとそう言う気分じゃねンだわ。」
「……は?」
「いやいや、ブラフとかでもなくマジなハナシ。なんかさぁ、ちょっと将来に不安を感じてんのよね。」
「え、あ、あの……本当に何なんですか?」
 曲人の唐突なカミングアウトに戸惑うマザー・コンピュータ。しかしそんなものはお構いなしと曲人の話しは続く。
 要するに曲人は今回の戦いを通して、自身のアイデンティティ、つまり喧嘩一筋なキャラで良いのだろうかと自己不信に陥ってしまったのだという。
「さっきだってあのミサイル。――あれアンタがポンと造ったんだろ?スゲェよな。――あれだって俺全然仕事できなかったしさ。ぐすっ、ちょっと気まずいかなって思い始めたらこの有様でさ……。」
「そうだったんですね……。」
 遂には曲人の話を親身になって聞いているマザー・コンピュータ。先ほどまで抱いていた警戒心は果たしてどこに行ったのだろうか。
「なんかゴメンなぁ。こんな話に付き合わせちまって。」
「私も何で付き合ってしまったんでしょうか…。まぁ言える事は個性はそう簡単に手放さない方が良いですよ。寧ろ無理を通してしまうくらいに突き抜けていってしまえばいいかと。」
「いいのか?オレ様の個性、手放さなくても?」
「はい。」
 その言葉を聞いた曲人の顔は憑き物が取れたかのように晴れやかであった。そしてその手には何故かチェーンが握られていた。
「ありがとな。お陰で決心ができたぜ。」
「どういたしまして。で、そのチェーンはなんですか?」
「ん?これか。これはな……こうすんだよオラァ!」
 突如豹変したかのような掛け声を上げ曲人がチェーンを引っ張るとその先には無数のワイヤーが繋がっていた。察しの言い方は気づいているであろう、曲人のトラップ=ジツだ!
「なっ……周囲から鎖が!くっ動けない!?」
「あとよく足元とかワイヤーとか見てみ?集めるのメッチャ大変だったかんな?」
「え、足も…とぉっ!?」
 マザー・コンピュータの足元にあったのは戦闘機械に積載していた爆発物の山。更に培養槽に絡まるワイヤーにはまた多種多様な不発弾、可燃物が吊るされていた。曲人のバクダン・トラップ=ジツだ!
「いやー、本当相談に乗ってくれてありがとな。お陰でオレ様、自信をもってルール無用の喧嘩ができるわ!」
「は、謀りましたね……!」
「エーナンノコトカナー?」
 曲人が口笛を吹きながらそっぽを向くその背後では、悔しさに肩を震わせるマザー・コンピュータの姿があった。

「あー!こっちにまがといたよー!」
「わぁ、見事なまでの雁字搦めだね。」
『喧嘩って凄いわね……。』
 そしてエインセルら3人が合流し、マザー・コンピュータは完全に詰んでしまった。
「で、何か言い残すことはあるかよ。」
「ぐぬぬ……はっ!そうだ、私を助けてくれるなら世界の半分を…!」
「まさかのド○クエかよ!?どうせ初代版だろ、その手には乗らんわ!御三方、やっちゃってください!」
「偽典神話・月の女神の矢!」
「にゃんげいざー!」
【ゲイザアァァァア…レーザーッッ!!】
『えぇーと……とりあえずOpen fire!!』
 マキナが、エインセルとニャンゲイザーが、イザベラが一斉に射撃を開始する。マザー・コンピュータ自体にも容赦なく命中するが、それ以上に周囲で発生する爆発の被害が甚大であった。
 そして最後は足元の爆弾が誘爆し、マザー・コンピュータは培養槽ごと天高くに吹き飛んだ。
「うわぁああん!なんで私がこんな目にいぃぃ!?」
 その後、マザー・コンピュータの悲鳴がデトロイト中に響き渡り、当の本人はやはりデトロイトのどこかに落下したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
騎士として護衛はお任せください、イザベラ様
…乗り物の関係でスカウト(随伴歩兵)と表現した方が妥当でしょうか

UCで大盾を花弁に変換
無数の花びらを制御し●操縦、それらを支点にドーム状のバリアを形成
全周から降り注ぐ、敵機械兵器の弾やビームにミサイルをバリアでの●盾受けでキャバリア●かばい防御

転移に力を割いているそちらより力不足では本末転倒というもの
マザーへの攻撃もお任せ、援護を願います

バリアを維持しつつ電脳剣の切っ先、そしてその遥か先へ余った花弁を並べ刃渡り100m以上の超巨大バリアレーザーで巨大剣を形成

●怪力で振り回し並み居る機械兵器軍団を両断し●蹂躙
マザーへの血路を切り拓いて行きます


カシム・ディーン
機神搭乗
都市全体が敵とか地獄じゃねーか!
「そんなご主人サマに朗報!こんな酷い戦略級相手にはあれだよ!」
くそが!こんな所でやれってか!
【情報収集・視力・戦闘知識・迷彩】
周辺の都市構造と攻撃手段の捕捉
回避手段の構築
そして死角となりえる安全地帯の捕捉かつ広い空間発見
即座に広い場所に移動すれば
UC発動
地獄の釜が開かれる…!
「「ヒャッハー☆」」
怒涛の幼女軍団出撃
10師団は主とイザベラを護衛
【弾幕・念動力・スナイパー・属性攻撃】
超高熱熱線で都市の攻撃を迎撃かつ破壊
念動障壁で防衛
絶対怪我はさせない!
残り
【二回攻撃・切断】
鎌剣持った幼女軍が怒涛の勢いで都市を破壊切断
マザーに群がりセクハラと蹂躙開始…!!



●バトル・オブ・デトロイト

「なぜ…なぜ勝てないの!何なんですか猟兵!?……いや、落ち着きなさい私…確かこういう時は素数を数えるのが良いんですよね…1,2,3,5,7……。」
 デトロイトという都市の質量を持ってしても猟兵を打ち倒すことが敵わないと嫌でも思い知らされたマザー・コンピュータは、「1」が素数ではない事に気が付かないくらいに焦り、そして猟兵と言う存在に対して明確な恐怖を抱いていた。
「ふふ…フフフフ!最早安全策とか、どうのこうのとしていられる状況ではありませんね。斯くなる上は……!」
 そして恐怖とは時として人を狂わせる。それはフラスコチャイルドだろうとオブリビオン・フォーミュラであろうと理性を持つ者であれば逃れられぬものであった。

『ヘイヘイヘイ……。あー、良いニュースと悪いニュースがあるんだけど…どっちから聞きたい?』
 イザベラはマイティ・バリーのコックピット内でトリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)とカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)に訊ねた。二人は顔を合わせて少し考え、トリテレイアが口を開く。
「……では良いニュースから。」
『オーケイ。さっき吹っ飛ばされたマザー・コンピュータ本体がこっちに向かって移動中。探す手間が省けたわね。あとデトロイト全域を覆っていた通信網の強度が弱まっているわ
。これはマザー・コンピュータの力が落ちてきていることの証左かも。仕留めるならこの機を逃すわけにはいかないわ。』
 イザベラの言う通り、度重なる戦闘での敗北によりマザー・コンピュータの個体としての戦闘力はほぼ無力化されたと言っても良かった。
「なるほどなぁ…。んで、悪いニュースってのは?」
 続けてカシムが訊ねる。
『まぁ、説明するよりも直接見てもらったほうが早いかもね。ゴホン……それでは皆様の右手左手正面背後をご覧ください、たくさんの戦闘機械と兵装ビル群が私達を取り囲んでおりまーす。……つまりそう言う事よ。』
 そしてイザベラはまるでバスガイドのような口調で全面包囲されている事を告げた。
『あと街の至る所から戦闘機械がうじゃうじゃ沸いてきているわ。戦術もクソもなく、文字通り質量で押しつぶそうって所でしょうね。』
「地獄かな?地獄よりもヒデェんじゃねぇか!?地獄に言った事ないけど!」
「わぁ、地獄の三段活用ですねご主人さま!」
「言うとる場合かぁ!」
 メルシーのズレたボケに突っ込みながらも状況の悪さを嘆くカシム。対してトリテレイアは落ち着き、そして普段通りの口調で告げた。
「どちらにせよイザベラ様を護りつつ、来たる敵将を討ち取る。これに変わりはありません。であればご安心を。騎士の本領、御覧に入れてみせましょう。」
「頼りにしてるわよ騎士様。それにカシムとメルシーも。何か秘密兵器とかあるんでしょ?」
「…っ!ご主人、これはもうヤれっていうGOサインとみてよろしいでしょうか!」
「くそが!こんな所でやれってか!……あぁわかったよやったるぜチクショウ!」
 ノリノリのメルシーに対してやけくそ感を出すカシムではあったが、腹は決まったようである。
『オーケイ!それじゃあこれが最後の戦いとなるように気合い入れていくわよ!』
「御意!」
「おうよ!」「いくぞー!」
 こうして、デトロイトにおける最終決戦の幕が開けた。

「さぁメルシー、地獄の窯の蓋を開けてやれ!」
「「ヒャッハァー!」」
 メルクリウスに搭乗したカシムがメルシーに命ずると、その周囲から無数の幼女が、正しくは幼女の姿をしたメルシーの群れが世紀末めいた掛け声とともに現れた。
「見た目はアレだけど実力はホンモノだからな!見た目はアレだけど!」
「「ヒャッハァー!!新鮮な敵だー!頭ねじ切ってオモチャにしちゃおー☆」」
 なんと世紀末レイダーめいた思考か!
『あらやだ意外にもアポカリプスヘル風味。』
「えぇ…そんな風味知らん。怖っ…。」
 次々と現れる幼女メルシーはイザベラとカシムの周囲へと展開、肉壁ならぬ幼女壁が形成され近付く戦闘機械の解体を始めていた。
『幼女部隊による敵白兵戦力の殲滅、および陣地の確保順調に進行中!……警報、兵装ビル群からの砲撃、来る!』
 幼女メルシー達が地上戦力を迎撃する一方、猟兵達を見下ろすビル群では形成された幾つもの砲台がその照準を一方向に合わせ火を噴く。実体、非実体を問わず、幾つもの殺意がイザベラとその側に陣取るカシム目掛けて殺到する。
『耐衝撃――!』
「やらせはしない…!」
 直撃を覚悟したイザベラであったがそれは無用に終わった。突如目の前を舞った幾つもの鋼の花弁が、即ちトリテレイアの護りがイザベラとカシムへと降り注ぐ砲撃を受け止めたのだ。
「ご無事ですかイザベラ様。」
『危うくステーキになる所だったわ、救援ありがとうね。』
「メルシー!ビルだ!あの厄介な砲撃を止ませてくれ!」
「「アイアイサー!」」
 カシムはすぐさま幼女メルシーに攻撃目標の変更を指示。幼女メルシー達はキャバリア用の光学兵器を構えると戦列歩兵の統制射撃の如き砲火で兵装ビル群を次々と沈黙させた。
「砲撃が止んだようですね。では私はこれにて!」
 同時にトリテレイアは未だにその数を減らさない敵地上戦力の掃討へと繰り出す。幼女の群れの上を、彼女たちを踏まないように一息に駆け跳ぶと同時に防御用に展開したものと同型の花弁を自身の電脳剣に、その刀身の長さを補う様に一直線に並べた。
「――消し飛べッ!」
 その刃渡り、優に10メートル超。剣や武器というカテゴリーに収めるには余りにも巨大に過ぎたる刃を担いだ騎士はそれを力任せに振り抜いた。
 その剣閃は立ち塞がる大小の区別なく、何もかもをぶった斬った。戦闘機械は跡形もなく砕け散り、兵装ビルは轟音とともに崩壊してゆく。
「おっと、こっちも負けてられないな!メルシー!10個師団を守備に残して他は全部攻勢に回してくれ!総攻撃だ!」
「「ヒャッハァー!マザコン狩りだぁー!」」
『……環境のせいかしら、随分血の気が多い…わね?』
「……えー、何というか、…ノーコメントで。」
 騎士の刃が暴風の如く全てを屠り、幼女の群れが喰らい尽くすが如く蹂躙す。
 それからこの最終決戦の勝敗が決するまでには、そう多くの時間は要さなかった。

「嘘でしょ…。いや、呆けている場合じゃありません。こうなったらデトロイトを放棄して…!」
「放棄して…どうするおつもりですか?」
 トリテレイアはデトロイトからの脱出を図ろうとしていたマザー・コンピュータの前に立ちはだかりその剣の切っ先を向けて訊ねた。
「……ここまでですか。」
「はい。ここまでです。」
 ――万策尽きる。もはや、これまで。
 その騎士の一刀を受ける覚悟で目を閉じていたマザー・コンピュータであったが、不意に彼女の耳はその培養槽に「ぺたり」と何かが張り付く音を聞いた。
「…ぺたり?」
 彼女は恐る恐る目を開き、その音のした方へと首を傾ける。
「あ…あぁ…」
 そこには無数の幼女の顔が。
 鼻息荒く培養槽のガラスを曇らせる幼女の群れが、そこにいた。
「あぁ!窓に!窓に!」
 彼女は驚き、思わず飛び退くが生憎培養槽の中である。すぐ後ろの強化ガラスに後頭部を打ち付け、痛みの余り蹲るマザー・コンピュータ。
『……なんか、あれね。締まらないわね。』
「なんかホントすんません……。」
 そしてその光景を死んだ魚のような目で見守るイザベラと、その横で顔を覆うカシムの姿があった。
「あ、あの…。そろそろ介錯を……。」
 そして突然の幼女の乱入でマザー・コンピュータにとどめを刺す機を逃してしまったトリテレイアは一人オロオロとしていた。

「ふええええええん!」
 幼女の山に埋もれるマザー・コンピュータはひとしきり泣いた後、「こんな頭おかしい連中と一緒で居られるか!私は骸の海に還る!」とこれまた締まらないセリフを吐いて自ら消滅を選んだ。
 そしてデトロイトに残されたのは「頭おかしい連中とは心外だ。」と憤る猟兵達のみであったとさ。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月23日


挿絵イラスト