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【サポート優先】夢見る少女と七色の島

#グリードオーシャン #戦後

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#グリードオーシャン
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#戦後


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 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●縁の下の少女
 グリモアを行使する――その役目は猟兵を無事に世界の先へ送り届けることであり、どちらかと言えば裏方に近い。
 故に人々の目に強く印象付けられるのはその場で活躍した猟兵達だが……裏方に徹し続けるというのもなんだか寂しいものだ。
「そういえば……あの島は今、どうなっているのでしょう」
 自室に積み上げられた手書きのノートはもう何十冊と。一つ一つに事件を解決した猟兵達、そして現地の住民達との絆が詰まっている。
 整理の途中でぱらっと捲れたページに目を留めたロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はふと考えた。日付を見れば、事件解決からもうすぐ1年になろうとしている。
「……ちょっと気晴らしをするくらい、いいですよね?」
 大変な戦いの最中だが少しくらいなら、と暇を得て島に向かったのが、運の尽き――。

●嘘か真か、風利辺島
 風利辺島とは、かつてゴボウとパンダに好き放題暴れられていた島であった。ひもじい思いを強いられた島だが、今はコンキスタドールの脅威もなくなり、人々もそれなりに裕福な暮らしを送れるまでになっていた。
「おぉぉ、猟兵の嬢ちゃんだ! 元気してたか!?」
「はい! お久し振りです! 私はいつも元気にやってますよー!」
 他の世界の惨状をありのままに伝えて島民の不安を煽ってはいけない。ロザリアは本来の目的を隠し、努めて明るく振舞った。そうかそうか、と気を良くした島民は、風利辺島も豊かになってなぁ、と積もる話をこんこんと語ろうとして――何かを思いついたようにぽんと手を叩いた。
「――んだ、嬢ちゃんに頼めば間違いねぇ! 一つ、頼みさ聞いてくれねか?」

●グリードオーシャン・3rdラウンド
「……というわけでして、急遽『七色に輝く氷の島』を探しに行くことになりました」
 ロザリアが島民から聞いたのは、島の海賊達に伝わる一種の戒め。海で悪さをすれば海底を支配する化け物がやって来る、だから海では誠実に生きよ――だがその話は少し違うと件の島民は言っていた。
「その方によると、本来の話は『海で略奪を働いた者がその夜怪物に襲われて船と共に海に沈み、気付いた時には七色に輝く氷の島に漂着していた』というものらしいのですが、島の人間が略奪を働いたなんて不名誉ですし、『気付いた時には』なんて曖昧過ぎて訳が分からない、とかいう理由で前半を勝手に作り変えたのが、今に伝わっている戒めなんだそうです。……で、そんな訳の分からない話ですが、『火のない所に煙は立たぬ』とも言いますよね。そんな島があるのなら是非とも交易を、とその方は考え、私に依頼してきたわけです」
 信じるか信じないかはロザリア次第だが――ロザリアは信じる方に賭けたのだ。
「どうして信じたか、というのは……なんというか、そんな夢みたいな場所が本当にあるのなら、見てみたいじゃないですか。普段は悪夢悪夢と言うばかりですが、たまには夢のあるお話もしたいので! 皆さんに夢をお届けできれば! そんな気持ちです!」
 ロザリアも、つい最近年を重ねたとは言え少女である。夢を見たいと願うのも不思議はないと言えよう。
「ちなみに、島が見つかった際の最初の交易は私達に託されていたりもします。島の皆さんから特産品や工芸品なんかをいっぱい預かっていますので、風利辺島の皆さんのお役に立てるよう頑張りましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 本依頼はサポート優先で進める予定ですが、お気に召しましたらご自由にどうぞ。

●風利辺島とは?
 拙作「笹食えど 腹は減るなり 風利辺島」にて登場した島となります。
 読まなくても本依頼参加に問題はありません。
 気になる方は「https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=28590」でどうぞ。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『伝説の島を目指せ』
 目的とする「七色に輝く氷の島」は何らかのオブリビオンの影響で「ものっすごい速さで流れる流氷に閉ざされている」状態になっています。
 普通に近づくと返り討ちにされるので、なんとかしましょう。

 第2章:日常『オーロラが彩る氷結の島』
 流氷を何とかしたらオーロラの島に辿り着けます。オーロラも楽しみつつ、島の住民との交流や交易なんかをして頂けるとよいかと。もしかしたらいいものが見つかるかもしれませんね。
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第1章 冒険 『伝説の島を目指せ』

POW   :    目の前の問題を力任せに解決します。満載された積荷が崩れそうな場合などは、全力で支えたりします

SPD   :    敵が想定しない速度で鉄甲船を操ったり、類まれな操船技術によって困難を乗り切ります

WIZ   :    伝説の島の謎を解いたり、策略を逆手にとって利用する事で、島を目指します

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スキアファール・イリャルギ(サポート)
"影人間"はどんな存在か?
ポルターガイストやシャドーピープルという怪奇現象はご存知ですか、その類です
いや、それらよりも悍ましい存在かもしれませんが

私自身のことですか?
歌が好きですね
よくイヤホンやヘッドフォンで音楽を聴いてます

目立つのは好きじゃないし俊敏さもあまりないので
存在感をがっつり消して闇に紛れてお手伝いしますね
UC以外でお手伝いできることと言えば
呪瘡包帯で捕縛
霊障で弾き飛ばす
呪詛を撒き散らす
属性攻撃で火と雷を――
え? 派手な行動ばかりじゃないかって?
怪奇現象ってそんなものです

迷う部分があればお好きにどうぞ
設定は生えるものですからね
ギャグやシリアスならいけますよ
官能的な物は一切ダメですがね



●影は七色に染まるのか?
 ざあざあ波音を立てながら船は進む。デッキには存在感を殊更消した影人間が一人。スキアファール・イリャルギ(抹月批風・f23882)は鼻腔をくすぐる潮風を身に浴びながら、軽快な音楽に包まれた自らの世界に浸っていた。
 乗り合わせた船は「七色に輝く氷の島」なる島を目指しているらしい。影とは対極にある七色の概念。何の気まぐれかほんの少しだけ興味の湧いたスキアファールは、他の気分を害さぬよう空気に溶け込む形でそこに存在しているのだ。
 手すりに両腕を預けてもたれかかりながら、遠ざかる水平線を見つめる。特段そこに気になるものがあるわけではない。外向きであればどこでもよく、たまたまデッキと船内を繋ぐ出入り口から一番遠かったのがそこだったというだけのこと。
 影に徹する――それは、怪奇なる者ができる最大限の配慮だった。
 耳に馴染む歌詞は何度だって回していられる。このまま件の島まで何事もなく辿り着き、何事もなく交易を終え、何事もなく帰還するのがスキアファールの望みだったが――それを許さじとする不届き者がこの世界には存在していた。
 巨大な渦潮を巻くかのような超高速流氷群が船の前方に現れる。スキアファールがそれに気付いたのは、がつがつと流氷が舳先に直撃した振動が両腕に響いてきたからだった。
(…………)
 進路を強引に曲げられた船は一旦旋回して流氷を避け、再び対立する。今度は連続的な振動を足元に感じてふと船の前方を覗くと、乗り合わせた者達がデッキに集まっているようだった。
 ヘッドフォンを片耳だけ外してスキアファールが聞くには――何か手を打たなければ進むことはできない。どうすれば流氷を乗り越えられるだろうか。その者達は思案し、各々ができることを提案する。
 スキアファールはその輪には加わらない。影人間は影に徹する――だが、困る者達を見て見ぬ振りしてその場に居座り続けるほど傲慢で冷徹なものでもない。その場を動かず何ができるか。スキアファールは怪奇である。見えぬまま不可思議を生じさせるのは得意分野であった。
 青天より霹靂が落ちた。領域をじわりと広げて更に船を押し返そうとしていた流氷群に雷が刺さり、砕き散らして海路を開く。集った者達は突然の閃光と雷鳴に体を竦ませていたようだったが、遠ざかりながら連なり落ちる雷に何かを悟ったのか、何名かは船内へと戻り、航行再開の知らせを出していた。
 その裏では雷の力を天に向けて放出するスキアファールの姿があったが、気付く者は誰もいない。
 誰もいなくても構わない。この冒険が無事に終わりを迎えるのならば。流氷の悲鳴は小気味好いメロディーがかき消してくれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

アドリブ・絡み・可


ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。

服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」

《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。

《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!

《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。

◆冒険
お空を飛んでも良いなら、ビビに任せて。
探し物は、精霊さんに助けてもらうの。
力仕事なら任せて!
嘘は上手につけないの。おクチむーーってしておくわ。
地図は上下にぐるぐるしたり、宝探しは第六感!


アーレ・イーナ(サポート)
 サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
 普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。



●流氷も言ってしまえばただの氷ですから
 雷が海路を開き、いよいよ船は文字通り超高速流氷群へと割って入っていく。だが突き進むにつれて当然流氷に晒される面積が大きくなり、あっという間に雷の加護は手数不足になってしまう。
 流氷は船側へ砲弾のようにボゴンボゴンと直撃し、その度に船体が揺れる。猟兵達は傾きすぎて転覆しないよう流氷が当たって持ち上げられる側の手すりにしがみつき、どうにかこうにか堪えていた。
「これがオブリビオンの仕業ならスパッと倒すだけなんだけどね……」
「可能性はありそうだが……現実問題として姿が見えていないのが厄介だ。今はこの流氷を何とかしていくしかあるまい」
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)が指摘する可能性、アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は否定しないが、見えない敵より見える脅威、流氷に対処すべきと助言する。
「何とかするって……今も鳴り響いている雷みたいに、ボク達も流氷を壊していけばいいのかい?」
「壊すなら……一撃ドーン? ビビ、そういうの得意!」
 だらんと伸びて手すりに掴まっていたアーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)の提案に、ヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)は無邪気にニコニコ賛同する。
「いやあ、役割分担って大事だよね……僕は直接殴るより術を飛ばしてのサポートのほうが有難いんだけど」
「俺もそのつもりだ。サイコキネシスで片っ端から流氷を持ち上げて、船上に運ぶ。アーレとヴィヴィには流氷の破壊と排出をお願いしたい。流氷群も木っ端微塵に砕いていけば脅威はおそらく減っていくだろう」
「オッケー! じゃあ早速やろう!」
「ビビ、頑張るね!」
 四人の役割が定まり、流氷破壊役のアーレとヴィヴィは手すりを離してずるずると滑りながらデッキ中央に陣取る。成美とアスは手すりを掴まえ体を支えたまま、今も迫り来る流氷を睨み下ろした。
「こういうのは風の神様に頼っておくって相場が決まってるんだ。なので神様、よろしくです」
 成美は海面へ向けて静かに祈る。風の神様はその祈りを聞き届けたか、海面上にひゅるりと渦巻くつむじ風が発生し、流れ迫ってくる流氷を掬い上げるように宙に運んだ。
「おっと、来た来た」
 成美の頭上を越えていった流氷が海水を滴らせながらアーレの正面へ飛んでくる。
「封じて……ドン、だよ!」
 勢いに負けて衝突せぬよう、アーレは手枷、猿轡、拘束ロープを放って流氷を捕縛する。手枷と猿轡はほとんど引っかかったり巻き付いたりしているだけだったが、ユーベルコードの加護があったらしい流氷は空中でぴたりと静止した。
 そこに向けられたのはアサルトウェポン。からららと薬莢を足元に撒き散らしながら放たれる弾丸は流氷の核を一気に貫き通し、全体に亀裂が走って破裂するように砕けていった。
「わぉ、神様も大張り切りだ。どんどん行くから、頼んだよ」
 成美が生じさせたつむじ風は1つが2つ、2つが4つとどんどん倍化し、流氷を掬い上げては宙に飛ばす。待ち構えるアーレはさながらクレー射撃のように飛来する流氷をガンガン撃ち抜き破壊していった。
 砕かれた氷片は未だ不安定なデッキ上を滑り、手すりの下から飛び出し落ちていく。掌大まで細かくしていれば、舞い戻ってきたところで船への衝撃は小さくなることだろう。
 一方、アスはやや遠い間合いにサイキックエナジーを飛ばし、流氷をあたかもUFOキャッチャーのように掴み上げて運んでくる。工場の製造ラインを思わせる等間隔のタイミングで、大小様々、形も不揃いな氷が宙を水平移動してヴィヴィの元へ送られてきていた。
「がぶっ、てするよー!」
 普段はゆったりとした袖の中に隠れているハーピーの腕を、今はライオンの頭部に変形させて飛び出させる。牙がギラリと並ぶ大口を開けて、顎の力で一撃粉砕。噛み砕かれた氷片は宝石屑のように輝き跳ねながらぽちゃんと海面に落ちていく。
 ヴィヴィは大物小物の別なく全て一撃で仕留めていった。アスが等間隔で流氷を送り出してくれるので、ヴィヴィは腕を引いて力を溜め、一気に噛み付き放出する、という作業を淡々とこなしていればよかった。
 デッキ上は何時しか水浸しになっていたが、四人はお構いなしで流氷の破壊を続けていく。次第に揺れる頻度が減ってきていることは誰しもが感じ、目指すべき島が近づいていることを予感していた。
 そんな中、潮風は俄かに冷えていく。流氷の影響なのか、それとも――。
「……あ! あれ!」
 ヴィヴィが腕にあるライオンの頭部を向けて指し示す先には、空よりカラフルなヴェールがかかった氷の島が。猟兵達はついに流氷地帯を抜けて、伝説とされる島へと辿り着いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 日常 『オーロラが彩る氷結の島』

POW   :    オーロラの織り成す光景を楽しむ

SPD   :    オーロラの織り成す光景を楽しむ

WIZ   :    オーロラの織り成す光景を楽しむ

イラスト:みささぎ かなめ

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●オーロラと島民の温かな心
「船だ! 船が来だで!」
「まさか……あんれまぁ本当だ!!」
 七色に輝く氷の島――現地住民はエウロリア島と呼んでいるその島に、猟兵達の船が傷つきながらもゆっくりと接近していく。
 謎の超高速流氷群に阻まれて島民達は一切外の世界に出ることを許されなかったが、猟兵達が流氷群をこじ開けてついに辿り着いたのだから、島民達は諸手を上げて大はしゃぎ。
 桟橋に船をつけ、縄梯子を下ろして上陸すると、もこもこの防寒着を身に付けた島民達が温かく出迎えてくれた。
「せっかく来でくれたんだ、ゆっくりしていってくれえ。腹は減ってねか? 何でも用意するさ、ささ、こっちへ」
 斯くして猟兵達は、島民達の歓待を受けることとなった。
ノエル・フィッシャー(サポート)
『例え全ては救えずとも、誰一人として見捨てはしない』

・雑な扱いでもいいのでどんどん採用してくれると嬉しいな。
・【コミュ力】を有効活用出来そうな状況ならばそれを使うよ。なくても目的達成のために最善を尽くすよ。
・ユーベルコードは所持してるものからいい感じのを使うよ。
・他の猟兵との絡みも歓迎だよ。共闘するのなら、ボクは補助に回っても構わないよ。
・もし男なのか女なのか問われたら「見ての通り」と答えるよ。モニターの前のキミにも、ね。
・他の猟兵に迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動はしないよ。

あとはお任せ。好きに使ってね。


サーシャ・ペンローズ(サポート)
 バーチャルキャラクターの電脳魔術士×バトルゲーマー、18歳の女です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


藤・美雨(サポート)
私は藤・美雨
デッドマンの猟兵さ
キョンシーじゃない、キョンシー擬きだよ

死んでいるから怪我にはあんまり執着しない
危なくなればヴォルテックエンジンで自分を叩き起こすからね
負傷は気にせず気力で突っ走るのが好きだよ
その方が楽しい!

でも死んでるからといって人生を楽しんでいない訳じゃない
飲食とかは出来るし好きだよ
綺麗なものや楽しいものに触れるのだって大好きさ
人と話すのも好きだし
お祭り騒ぎとかも大好き
つまり割と何でも大歓迎!楽しい場面なら好きにしてもらって構わないよ

他の猟兵に迷惑をかける行為はしない
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動もしない
気持ちよく帰りたいし!

あとはおまかせ
よろしくお願いするね!



●島が違えば文化も違う
 島民達の心は温かく――しかしエウロリア島はオーロラ輝く極寒の地。事前に聞いていた島の俗称から防寒具が必要になることは想像がついたが、それにしてもノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)とサーシャ・ペンローズ(バーチャルキャラクターの電脳魔術士・f26054)の想像を些か上回っていたようで、二人は防寒具の開口部をぴったりと肌に密着させて閉じ、体温を逃がさないようにしていた。
「……元気だね、キミは」
「私はデッドマンだからさー、寒い環境にも強いのだー」
 他方、ノエルが藤・美雨(健やか殭屍娘・f29345)を横目で見れば、防寒具こそ身に付けているものの、二人ほどの警戒はしていない。デッドマンとの言もあったが、美雨自身、環境や氷結への耐性をいくらか持っていた。
 オーロラの下、三人は雪を踏み固めて作られた道を島民達に連れられて歩いていく。サーシャは恐々足元を確認しながら歩いていたが、島は気温が低すぎるために雪は乾固し、しっかりとした道になっていた。
「ここだここだー!」
 宴席の準備が整えられていたそこには、雪を固めて作られた丸椅子に氷塊を切り出して作られたテーブルが置かれていた。
 屋外。屋外なのである。では屋内はどうなのかというと、雪を盛って固めたところから中身をくり抜いて作ったドーム型の構造物が周りにいくつも並んでいる。つまりどうあっても雪の中で過ごすわけであり、エウロリア島の過酷な環境を三人は垣間見ることになった。
 着席してみると、テーブルの下は掘りごたつのように抜けていて、三人は揃って足をぶらんと垂らす。重い冷気が溜まっており、冷凍庫の中へ足を踏み入れたような感覚に囚われた。
「さぁ、何でも好きな物を言ってくれえ」
「何でも、って言われても……どうしましょう?」
 真ん中の席に着いていたサーシャがノエルと美雨にひそひそと相談を持ち掛ける。何でも、とは当然島民達が準備できる範囲の話であり、例えばここで牛肉のステーキなんかを所望しても、出てくるとは到底思えない。
「ボク達はこの島のことをまだよく知らないんだ。正直に話すほうが、後々交易の話を持ち掛ける時も印象が良いだろう。ボクが言うよ」
 こほん、とノエルが一つ咳払いをすると、真っ白な吐息が添えた右手にふわっとかかる。
「申し訳ないけど、ボク達はまだこの島のことをほとんど知らなくてね。だから……そう、皆さんの島の伝統料理を1品、頂ければ」
「はぁ~、そだそだ。気が付かなくてほんとすまねぇ。待ってろ、すぐ作っから」
 島民の一人はぺしんと額を叩くと、雪のドームの家々を回りながらどこかへと消えていく。材料の調達でもしているのか、と思いきや、家々からひょっこりと子供達が顔を覗かせ、わっと一斉に駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん達、どこから来たんだー?」
「お姉ちゃん達はねえ、ここからずっとずーっと遠い島から来たんだよー」
 テーブルの向かい側に陣取った子供達は身を乗り出しながら、好奇心に任せて三人に質問をぶつけてくる。それに美雨は笑顔満点で答えて一時の交流を楽しんでいた。
「ずっとずーっと遠い島ってどういうとこ!?」
「そうですね……ここよりはずっと暖かくて、雪はほとんど見ないでしょうか」
「え!? じゃあどうやって家作ってるんだー!?」
「家は主に木材を使って……いや、植生を考えると、木材というものを知らないのではないか……ちょっと待っててくれたまえ」
 ノエルは担ぎ運んできていた麻袋をごそごそと弄る。そこには風利辺島の島民達から託された交易品が入っていた。
 その中の一つ――木彫りの熊の置物を取り出し、氷のテーブルの上に乗せた。
「なんだこれー! 熊だけど色が違う!」
「熊は通じるんだねー。こんなところだから、熊は真っ白なのかな?」
「そう! 真っ白い熊!」
 極寒の地では定番の白熊は、どうやらこの島にもいるらしい。共通項を見つけて美雨はなんだかウキウキ気分になってくる。
「キミ達、触ってみてごらん? こういう固い素材を使って、ボク達が旅立った島では家を作るんだ」
 子供達は初めて見る「木」という素材に興味津々で、熊の頭をぺたぺた叩いたり、背中をさすったりして、しきりに凄い凄いと叫んでいた。
 ノエルは畳みかけるように次々と預かった交易品を並べていく。暇を潰す意味もあったが、子供達の心を掴んでおけば、後々大人達とも交渉しやすいと踏んだのだ。
「これ、きれーい! お空と同じ色!」
「笹かごですか……なるほど、空と同じ色、とはつまり……」
 サーシャはまた一つ、この島の感性に触れた。空の色とは淡い青色が当然と思っていたが、ここは年中オーロラが空を彩る島。島民達にとっては明るい緑色こそが空なのだ。
「一年中こんな綺麗な空が見られるなんて、いいないいなー!」
「あぁ……改めて見ると、壮大な星の神秘が感じられるよ」
 三人は揃って空を見上げていた。オーロラのカーテンは生きているかのようにゆらゆらと動きながら、空の無限の可能性を表現している。
「あんれ、なんだなんだぁ?」
 そこへ氷の器を両手で抱えた島民が戻ってきた。テーブルに広げられていた品々は大人達でさえ初めて見る物がほとんどで、目を丸くしながら品々を覗き込んでいる。
「実はボク達は、風利辺島という島から派遣された交易の使者でもあってね。この島との交易を望んでいるよ」
「『こうえき』ってなんだー?」
「要は物々交換、ってこったろ……? でも、うちの島にあるものっていやぁ……あぁ、すまねぇな。先にこっちを出すべきだったか」
 島民が持ち続けていた氷の器は三人のために用意されたこの島の伝統料理だ。ごとっとテーブルに置かれた器の中には、色とりどりの赤身が揃った刺身が並べられていた。
「俺らは『氷製刺身』って呼んでっけど……漬けるタレの味が家によって違うから、とりあえず出せる分は全部持ってきたあ」
「単に冷凍したものとは違うのでしょうか……いただきます……」
 まずはサーシャが箸をつける。赤身同士がくっつくことなくぺらりと剥がれた一枚を、落としてしまわないよう空いた片手を下に添えながら口に運んだ。
 氷でがっちり締められた赤身はシャリッと音を立てながら、熱でとろけて程良い塩味が口の中に広がった。
「おいしーい! 歯ごたえが良くて、味もしっかり染みてて……」
「どれどれ、私達も頂かないとね」
「あぁ。風利辺島の島民は、おそらくこんなものは食べたことないだろうから……」
 美雨とノエルもまた、初めて体感するであろう歯ごたえに舌鼓を打つ。
「ん~♪ これ、島の皆に持って帰ったら大人気だろうね!」
「そうだね。というわけで……作って頂いたこれを、少し持ち帰らせてはくれないだろうか。もちろん、交易として……船には食料も積んである。ここではお目にかかれないものばかりだろうから、損はないと思うよ」
「こんなんでよければ、いくらでも……ははぁ、これが交易ってやつかぁ……」
 外界から閉ざされた時間が長かったこともあってか、島民はまだ実感が湧いていないようだった。半ば放心気味に、交易の第一歩を踏み出したことを噛み締める。

 斯くして交易を成功させた三人だが、名残惜しくも島を去る時間がやってくる。風利辺島への交易土産を積んだ船は、ゆっくりと陸を離れていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年09月25日


挿絵イラスト