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銀河帝国攻略戦⑫~英雄の意志を背負った漢達ッ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●宇宙バイク部隊『エンペライダーズ』
「俺達は偉大なる同志を失ったッ! 俺達にとって、アニキと呼べる存在をッ! 弟分であったアイツらを……! 解放軍のヤツらが卑怯な真似で、命を奪ったァ! だが、悲しむ事はない。アイツらの魂は、俺達の中で生きているッ! あの戦いの中、生き残った奴等も、恥じる事はねぇ! お前達は生かされたッ! 俺達に課せられた役目を果たすためッ! アニキ達の分まで、解放軍のヤツらにダメージを与えるために……! だから、何も恥じるなッ! 一隻でも多くの艦を墜とす事が俺達の使命ッ!」
 雷神(ライディーン)の新しいリーダーに就任したカミカゼ・カクゴは、宇宙バイク部隊を前にして、自らの想いをぶち撒けた。
 脳裏に浮かぶのは、ゼウス・兼定の凛々しい笑顔。
 隊員達も同じような気持ちになっているのか、みんなボロボロと涙を流していた。
 だが、彼らに迷いはない。
 一人でも多くの解放軍を倒し、一隻でも多くの艦を破壊するだけである。
 しかも、集められた隊員達は、前回の数十倍ッ!
 前回は少数精鋭で攻め込んだが、今回は数で勝負ッ!
 これならば、簡単に負ける事はない。
 一方、特攻部隊は確実に艦を沈めるため、みんなで士気を高めていた。
 ただ死ぬのではなく、意味のある死を……!
 前回のように無駄死にする事が無いように覚悟を決め……。
 そういった意味で、彼らは冷静だった。
 特攻を仕掛けるのは、確実にタイミングを見計らってから……。
 ただし、燃料は片道分しかない。
 それが彼らにとっての……覚悟であった。
 そんな中、一般隊員はピリピリしていた。
 前回の戦いでは、ほとんど無傷。
 相手にさえされなかった。
 それは屈辱的であり、恥ずべき事。
 故に、彼らは思った。
 解放軍の艦に奇襲を仕掛け、奴等に自分達の恐ろしさを刻み付けてやらねばならない、と……!

●ガジルからの依頼
「みんな忙しい中、集まってくれてありがとうね」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が、猟兵達を前にして今回の依頼を説明した。
 帝国最速ともいわれる宇宙バイク部隊『エンペライダーズ』が、『解放軍』艦隊を迎撃するため、再び攻撃を仕掛けてきたようだ。
 彼らの大半は、この戦いによって仲間を失っているため、解放軍に対して恨みを持っているようだ。
 そのため、自らの命を落としてでも、解放軍に打撃を与えようとしているため、注意をしておく必要があるだろう。


ゆうきつかさ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 今回のシナリオは、大まかに分けて、みっつの選択肢があります。
 【精鋭部隊】、【特攻部隊】、【奇襲部隊】のどれか。
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第1章 集団戦 『クローンライダー』

POW   :    スペーススタンピード
単純で重い【宇宙バイクによる超加速突撃】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    インペリアルライド
自身が装備する【帝国製宇宙バイク】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。
WIZ   :    サイキックバリアモード
対象の攻撃を軽減する【サイキックバリアモード】に変身しつつ、【宇宙バイク搭載の機銃】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

デナイル・ヒステリカル
仲間の悲嘆を受け継いで戦う彼らの意思には敬意を覚えます。
しかしそれは、彼らによる解放軍参加者の被害を見逃して良い理由にはなりません。
オブリビオンを倒すのは猟兵の意義であると、僕個人は考えます。
彼らの感情と僕の信念、両者ともに譲れないのならば、ぶつかり合うのは必然ですよ。

過去のために戦う彼らには負けられません。
僕は未来のために戦っているのですから。

軽減されたとしても、それは無効化ではありません。削り倒します。
僕はUC:シークレットウェポンを使用し、自身の周囲の空間に槍を走らせて盾や矛とし、戦います。
敵に先んじて攻撃を仕掛け、隙を見つけたのならば全ての槍を攻勢に使用して一斉発射し制圧しましょう。


ユーリ・ヴォルフ
アドリブ共闘大歓迎です

戦争は憎しみや悲しみを生み出してしまう。辛いものだな
だが私達も負けるわけには行かない
その矜持、正面から受け止めーそして跳ね除ける!

私に合うのは【特攻部隊】だな
派手に暴れる程に奇襲部隊の目くらましとなるだろう
遠方から『属性攻撃』『範囲攻撃』で敵陣を火の海する
兵器に動力部に火をつければ爆発するものらしいがバリアを抜けられるだろうか?

超加速の突進は軌道を読んで躱し
地点直撃と同時に『ドラゴニック・エンド』をぶつける
避けられぬ程敵数が多ければ走り回り翻弄しよう
死を覚悟した一撃が恐ろしくないわけがない…だからこそ。
僅かな油断ですら命取りとなるだろう。完膚なきまでに叩き潰す!


水貝・雁之助
WIZ

とりあえず僕は精鋭部隊に対処が一番良さそうかな?

宇宙空間ならスペースデブリがあるし其れを角度とか反射具合を計算して跳弾
敵に僕等が居る方向を誤解させた後、速攻で攻撃を仕掛けたりデブリに潜んで
隙を伺い逆に奇襲を仕掛けたり『地形を利用』して『拠点防御』する方法は
幾らでも思いつくね

後は数が居るなら敵の攻撃を誘導して他の敵の攻撃から身を守る為に『敵を
盾にする』とか其れを利用する手段は色々あるしね

悉平太郎との連携も攻撃のタイミングを合わせて挟撃したり僕がフェイントを
仕掛けて避けた所を攻撃して貰ったり僕の背中を駆けあがってのジャンプ攻撃で
不意を打ったり色々やり方は有るしね
一体ずつ確実に仕留めよっか


須藤・莉亜
「命を賭けて攻めてくるヤツはめんどうなんだよねぇ。」

僕は【奇襲部隊】の相手をしようかな。

眷属の腐蝕竜さんを召喚、彼に乗って戦う。

腐蝕竜さんには【蝕む吐息】、体当たり、爪での引っ掻き、尻尾でのなぎ払いなんかで攻撃してもらう。

僕は対物ライフルのLadyに血を上げつつ敵さんをちまちま撃ってとこう。

指揮官っぽいのが狙えそうなら【時喰らい】で時間を止めてからの狙撃も狙う。

「命を賭けるだけじゃまだ足らないんだよ。命を賭けることを楽しまないとね。」
味方の艦を殺りたいんなら僕らを超えてもらおう。


一駒・丈一
特攻部隊の対処を担当。

ふむ……。
つまるところ、
先日、ゼウス・兼定の部隊迎撃にあたった我々は、
奴らにとっての仇というわけか。

そういうことであれば、
前回は小細工で迎撃したが……今回は真っ正面から迎え撃とう。
せめてもの礼儀だ。


デブリやら相手の宇宙バイクやらを足蹴にしつつ跳躍し、敵陣にある程度まで踏み行っていこう。
敵の攻撃は『見切り』つつ進む。
兼定配下の特攻部隊を相手取った際、おおよその動きは見させて貰ったのでな。

これらの過程で、ある程度の数の敵を『おびき寄せ』、
その後に、ユーベルコードの『罪業罰下』を放ち、約400m範囲内に視認できる敵を全て一閃にて切り伏せる。

これで、多少の頭数は減らせるだろう。


吾門・里緒
初めましてモッチィ。

わたすは吾門というべさ。
帝国が暴挙に出たと聞いたべ。

これ 以上誰かが傷つくのは
許せねえべさ!

わたすは【冥土猟兵団】で
参加します。

【特攻部隊】の防衛に
当たりますべ。

【SPD】技術を使い

宇宙バイクに跨がり。

後方支援をする
イヴちゃんを乗せて
後ろから援護します。

敵の機動隊の進行阻止を
するため宇宙バイクにある
機銃に【目潰し】を乗せて
対抗しますべ。


ヒット&ウェイを狙い。
UC【 ゴッドスピードライド】
機動力を上げますモッチィ。


イヴ・ハルゼンヌ
ふぅ、帝国も
いよいよ本気になっているな。

手負いの獣は油断しては
いけない…返り討ちに合うからな。

腹を括って挑まないとな。

オレは【冥土猟兵団】で参加

【特攻部隊】の掃討に
参加するぞ。

吾門さんのバイクに
同席させて貰い。

⬛【SPD】
機動力重視で戦うぜ。

仲間と連携をとり。

敵の大部隊には
【援護 射撃】【範囲攻撃】で
弓をつがいながら足止めを。

撃ち漏らした特攻隊には
拳銃に変え。
【早業】【 クイックドロー】
【鎧無視攻撃】を併用し

UC【ジャックフロスト】で
確実に仕留める!

悪いがこっちも命懸けだ。
甘さは捨てさせて貰うぜ…


マリア・ハルゼンヌ
▼銀河戦争も
厳しさをましていますね…
 
ここで歩みを止める訳には
行きません。

⬛【冥土猟兵団】に参加

特攻部隊と交戦致します…

私はイヴを守りながら。
回復支援をします。

能力は【WiZ】使用。

一体ずつ【誘き寄せ】
敵には【2回攻撃】【気絶攻撃】を使い。メイスを奮い
敵の進行を食い止めます。

防御には片手に持つ
剣で【見切り】【武器受け】
ガードを固めます。

味方が疲弊してきたら
UC【精霊の賛歌】で
回復を行います。


有馬・ナオ
銀河帝国の進行が
激化してますぅ。


でも、負ける訳には
いかないでちゅ。
 桜さん頑張りますよ。
(無言に宿主は気合いたっぷりにラジオ体操をする)

「何でラジオ体操何でちゅか(涙)」


☆【冥土猟兵団】に参加。
【特攻部隊】の動きを
阻止しまちゅ。

私はユーディ先生の
宇宙バイクに同伴

先生…目付きが怖いでしゅ。

◾能力【Pow】を使用

現場に 急行したら。

敵を惹き付ける為に桜さんの
無気力ぶりで【挑発】【時間稼ぎ】をします。

敵の攻撃を凌ぐため【盾受け】
【かばう】体勢を整え

UC【アルティメットボディ】
使い前線を維持しまちゅ。

出来る限り猟兵さん達が
進行しやすくなるように防衛をしないと。

敵が固まれば
【一斉発射】【カウンター】
攻撃


華上・ユーディ
銀河帝国にも漢はいたのか…!
ならば迎え撃ちましょう。

同じバイク乗りとして
砕拳の冥土長参る…

☆特攻部隊を迎え撃ちます。
【冥土猟兵団】で参加。

前衛に立ち。
宇宙バイクに騎乗。

有馬さんを後ろに乗せます。


⚫戦闘は【pow】の
能力で 勝負

銀河帝国のバイク隊と
対峙したら。

バイクをフルスロット全開。宇宙バイクの【騎乗】で突撃します。

戦闘→集団戦では
バイクの格闘戦【空中戦】【グラップラー】併用し ウィリーをしながら敵の進路を妨害。

機体を旋回させ【範囲攻撃】【 衝撃波】で迎え撃つ。

強敵いた場合、味方と連携し。
【全力魔法】【高速詠唱】【2回攻撃】のUCブレイズフレイムで攻撃

後続の猟兵が
有利に展開出来るように
務めます


モリ・ダニー
【奇襲部隊】
無視したわけでは無かったんだがな
だが仲間に先立たれる辛さはよく分かる、本当に分かる
お前たちの事、嫌いではなかったが俺達は猟兵でそちらはオブリビオンだ
共に天を戴く、いや同じ天に立つ事は叶わんのだ
それに市民の人たちに「貴方達の前には俺達が常にいる」と啖呵を切ってしまったからな。

【SPD】
速さ比べはそこまで得意じゃないが、なにせ相手の数が数だ
こちらも数を用意せにゃならん
犬法百一式!弾幕ならぬ犬幕だ、艦隊の前に陣取り盾になる
覚悟を決めているのはお前たちだけではない
争いは同じレベルの者同士で行われるのだからな!

連携、アドリブ歓迎


有澤・頼
「……その覚悟に敬意を表して全力で受けて立とう……!」

「奇襲部隊」と戦うよ。奇襲が得意な彼らを驚かせる為に「忍び足」で近づいて攻撃。そのあとはスパスパと「剣刃一閃」で敵を斬っていくよ。敵の攻撃に対しては「残像」で避ける。敵は多いし、こちらを倒す気満々だから油断は禁物だね。

「仲間を思う君たちの気持ちはわかるし、失った時の悲しみも私は知ってるよ。今の君たちに言っても通じないのかもしれないけど」


キャスリーン・ジョイス
おーっほっほっほっ!
宇宙空間はワタクシのお庭でしてよ?
銀河帝国だか何だか存じ上げませんが、ワタクシの目が黒いうちは好き勝手になどさせはしませんわ!!

【奇襲部隊】
予知で奇襲が割れているなんて、これ以上ブザマな事はありませんわ!
最大限の警戒を持って当たれば良いだけですもの!

宇宙では火線が厚いほど有利でしてよ。
つまり……【トリガーハッピー】でこちらは圧倒的に有利、と言うことですわ!!
敵が見えましたら、まずは『催眠音波銃』の一斉掃射ですわ!
「ワタクシの催眠術で同士討ちなさいませ!おーっほっほっほっ!」

催眠術を乗り切った相手には『熱線銃』から『冷凍光線銃』ですわ!
「さあ、蜂の巣にして差し上げますわよ!」


レイチェル・ケイトリン
【精鋭部隊】

はやく、もっとはやく

わたしの得意な念動力技能でユーベルコード「サイコドライブ」を発動するよ。

吹き飛ばし技能もつかって敵精鋭部隊に突撃してふっとばすの。

いつものわたしはほかの猟兵さんをたすけることもかんがえるよ。
わたしのはやさはそのためにもあるとかんがえるもの。

でも、いまはちがう。

突破や離脱に専念することでさらに加速できるサイコドライブ。
そのはやさで敵精鋭部隊をつらぬき蹂躙するよ。

帝国最速ともいわれる宇宙バイク部隊『エンペライダーズ』のなかの精鋭たち。
かれらをとめるため、わたしがはやさで勝たなきゃいけない。

それでみんなをまもりぬくの。

それがいまのわたしの心、わたしの力は心の力だから。


イヴ・クロノサージュ
奇襲部隊
共闘◎
アドリブ◎

▼お願い
宇宙船アストラの皆さんと協力できたら嬉しいです!

――

▼後詰め艦隊

連合艦隊・第二戦闘区域に到着
ガルダさん支援準備は大丈夫でしょうか…?

▼補給

猟兵の皆さま!ご活躍お見事で御座いました…!
帰還の際には当艦をご利用下さい

ご休憩の後の再出撃の準備も整っております

当戦艦の乗組員271人が
全力で皆様の武装や食料の提供・支援を行いたいです

技能:鼓舞、料理、救助活動、手をつなぐ

▼戦艦バリア

なっ…!こんな後方まで突撃するなんて!
総員、衝撃に備えて下さい…!

技能:オーラ防御、拠点防御

▼支援砲撃

連合艦隊と支援砲撃を行うよ

台詞⇒UC参照

技能:援護射撃、全力魔法、属性攻撃⇒重力、吹き飛ばし



●奇襲部隊:不意打ちのゾル
「ヒャッハー! まさか俺様達がスペースデブリに紛れながら、解放軍の艦に近づいているなんて、誰も考えちゃいねーだろうなァ!」
 奇襲部隊を指揮する不意打ちのゾルが、スペースデブリに身を隠しつつ、ハイテンションで叫び声を響かせた。
 そのせいか、一緒に行動している隊員達が、妙にソワソワ。
 『なんで、こんなヤツがリーダーなんだろ』と言わんばかりに不安げであった。
「まあ、俺と一緒にいる時点で、お前等の勝利は約束されたようなモノ! ほら、見ろ! あそこに敵に一団が……って、どうしてお前らが、ここにいるゥ!」
 ゾルが慌てた様子で、悲鳴を上げる。
 しかも、有澤・頼(人間の剣豪・f02198)が忍び足で近づき、容赦のない不意打ち攻撃を仕掛けてきた。
 それ故にゾルは考えた。
 何故、自分達の作戦が、バレたのか。
 ここまでスペースデブリに隠れつつ、ナイスなフォーメーションで移動を続けていたため、絶対に気づかれていない……はず。
 確かに、少し声が大きかったかもしれない。
 多少は、オーバーアクションだったかもしれない。
 だが、その程度で……気づかれるものなのか、ゾル自身は疑問のようだ。
「おーっほっほっほっ! 宇宙空間はワタクシのお庭でしてよ? 銀河帝国だか何だか存じ上げませんが、ワタクシの目が黒いうちは好き勝手になどさせはしませんわ!! 予知で奇襲が割れているなんて、これ以上ブザマな事はありませんわ!」
 その途端、キャスリーン・ジョイス(はぐれお嬢様純情派・f12803)が妙に上から目線で、高笑いを響かせた。
 そして、ゾル達は見た。
 キャスリーンが高笑いを響かせた瞬間、後ろで花が咲いていた事を……。
「よ、予知だと!? 何の事か分からねーが、こっちは命を懸けて居るんだ! 例え、邪魔が入ったとしても、止まるつもりはねえ!」
 ゾルが身の危険を感じつつ、必要以上に吠えた。
 作戦が筒抜けと言う時点で、隊員達の中に内通者がいるのではないかと思ったりもしたが、今はそんな事を考えている場合ではない。
 目の前の障害を、ぶっ倒す。
 ただ……それだけであるッ!
「……と言うか、命を賭けて攻めてくるヤツは、めんどうなんだよねぇ」
 須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)が召喚した腐蝕竜に乗り、やれやれと言わんばかりに首を振る。
「……って、お前ッ! それマジモンか!? マジモンのドラゴンに乗っているのか!? カ、カッケェ!」
 ゾルが瞳をランランと輝かせ、腐蝕竜の身体にペタペタ触る。
 他の隊員達も、興味津々。
 『ドラゴン、マジ、バネェ!』と言わんばかりに、ウズウズしていた。
「……!」
 それに腐蝕竜がイラッとしたのか、ドラゴンゾンビブレスで、ゾル達を一斉威嚇ッ!
「うぎゃああああああああああ! 何をしやがるんだ、こん畜生ッ! やっぱり、敵だ! お前等、敵だ! お前達を倒して、アニキ達の仇を取ってやる!」
 これにはゾルも逆切れ気味に、傭兵達を指差した。
 とにかく、倒すッ!
 ……ぶっ倒すッ!
 そんな気持ちがあからさまに伝わってくるほど、ゾル達は殺気立っていた。
「まあ、仲間に先立たれる辛さはよく分かる、本当に分かる。それに、お前たちの事、嫌いではなかったが、俺達は猟兵で、そちらはオブリビオンだ。共に天を戴く、いや同じ天に立つ事は叶わんのだ。それに市民の人たちに『貴方達の前には俺達が常にいる』と啖呵を切ってしまったからな」
 モリ・ダニー(ワンワンウォー・f10971)が色々と察した様子で、自分達の事情を説明した。
「だから、俺達を殺るって訳か」
 ゾルが苛立った気持ちを抑えるようにして、ダニーをもふる。
 ダニーはオスのサモエド犬。
 それに妙な親近感を覚えたのか、気がついた時には、もふっていた。
 そのせいか、他の隊員達も、もふりたくてウズウズしているものの、相手が敵であると言う自覚があるため、誰も近づこうとはしなかった。
「……ああ、その通りだ。それが戦争と言うものだからな。そのせいで、憎しみや悲しみを生み出してしまうのも事実だが、私達もここで負ける訳にはいかない。その矜持、正面から受け止め……そして、跳ね除ける!」
 ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)が、ゾル達の前に陣取った。
「おおっ! その態度……嫌いじゃないぜ! やっぱ、男はそうでなくっちゃ! ひょっとして、兄ちゃん。好きな女でもいるのか? そう言う覚悟を感じるぜ! お前の言葉からさッ!」
 ゾルが思わせぶりな態度で、ユーリにジリジリと迫っていく。
「そ、それは、今……関係ない!」
 ユーリがあからさまに動揺した様子で、そっぽを向いた。
「まっ、いいかッ! だったら、俺も本気で行かせてもらう! だから、お互い恨みっこなしだぜ!」
 ゾルが自らの髪を掻きあげるようにして、ヘルメットを撫でる。
「……その覚悟に敬意を表して全力で受けて立とう……!」
 すぐさま、頼が間合いを詰め、【剣刃一閃】で、ゾルを攻撃ッ!
「つーか、お前は最初に不意打ちを仕掛けてきたやつだなっ!? ひょっとして、ビビッているのか? 俺達が怖くて、あんな事をしたのか!」
 間一髪でゾルが頼の攻撃をかわし、自らの焦りを誤魔化すようにして叫ぶ。
「死を覚悟した一撃が恐ろしくないわけがない……だからこそ。僅かな油断ですら命取りとなるだろう。完膚なきまでに叩き潰す!」
 ユーリがキリリとした表情を浮かべ、【ドラゴニック・エンド】を発動させ、ゾルがめがけて槍を投げる。
 それと同時に、その場にドラゴンが召喚され、強烈なブレス攻撃を仕掛けた。
「ぐがああああああああああ! やっぱドラゴンばねぇな! 半端ねぇ! だから、俺も気を抜けねぇ! おい、お前等ッ! 俺に構うなッ! 俺に構わず、コイツらをやっちまえええええええええ」
 ゾルが宇宙バイクから転がり落ちそうになれながら、まわりにいた隊員達を嗾けた。
 その指示に従って、隊員達が限界バリバリな勢いで、次々と猟兵達に攻撃を仕掛けていった。
「仲間を思う君たちの気持ちはわかるし、失った時の悲しみも私は知ってるよ。まあ、今の君たちに言っても通じないのかもしれないけど……。でも、その気持ちに実力が伴っていないようだね」
 頼が残像を駆使して、隊員達の攻撃を避けていく。
「ば、馬鹿にしやがって! 正々堂々、戦いやがれッ!」
 ゾルが殺気立った様子で、再び攻撃を仕掛けてきた。
 まわりにいた隊員達も、一斉特攻ッ!
 全開バリバリ俺様モードで、猟兵達に突っ込んできた。
「これは、こちらも数を用意せにゃならんようだな。覚悟を決めているのはお前たちだけではない。争いは同じレベルの者同士で行われるのだからな!」
 それを迎え撃つようにして、モリが【犬法百一式(ワン・オー・ワン)】を発動させ、ゴーグルに1と刻印された戦闘用のモリ・ダニーの分身を出現させた。
「も、もふもふだとおおおおおおおおおおおおおお!」
 これにはゾル達も、低速走行で、もふっ!
 釣られて、隊員達も、もふっ!
 『動物虐待、駄目ゼッタイ!』と言わんばかりに、みんなで一斉に、もふもふし始めた。
「うがあああああああああああああ! テ、テメェ! 俺達が無類のワンコ好きと知りながら、こんな事をしていやがるのかッ! ゆ、許さねぇ! 絶対に許さねぇ! そもそも、なんでワンコが戦場にいるんだッ! それ自体、あり得ねぇ! ワンコは俺達の心を癒す存在であって、戦いの道具じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
 ゾルが何となく正論を吐きつつ、他の隊員達を引き連れ、突っ込んできた。
「それなら、ワタクシの催眠術で同士討ちなさいませ!おーっほっほっほっ!」
 だが、キャスリーンは躊躇わない。
 銃と名の付くもの全て複製し、念力で全てバラバラに操作し、ゾル達に攻撃を仕掛けていった。
 しかも、複製された銃の中には、催眠音波銃が含まれていたため、隊員達が一斉に同士討ちをし始めた。
「な、なんだ、これは……。一体、何が起こってやがるッ!」
 それはゾルにとって、まさに地獄絵図。
 何が起こったのか分からず、パニック状態。
 ただ、ひとつ理解する事が出来たのは、目の前にいる猟兵達が、倒すべき敵……と言う事だけだった。
「許さねぇ! お前達、絶対に許さねぇ!」
 仲間達が次々と同士討ちで爆死を遂げる中、ゾルが覚悟を決めた様子で猟兵達をジロリと睨む。
 その間も隊員達も断末魔が響き、ゾルの心を締めつけた。
「命を賭けるだけじゃ、まだ足らないんだよ。命を賭けることを楽しまないとね。それでも、味方の艦を殺りたいんなら、僕らを超えてもらおうか」
 次の瞬間、莉亜が腐蝕竜に合図を送り、蝕む吐息でゾルを攻撃させた。
「だから、どうしたァァァァァァァァァァァァァ!」
 しかし、ゾルは怯まない。
 自らの身体が蝕まれているにもかかわらず、捨て身の覚悟で突っ込んできた。
「俺には果たすべき役目があるッ! 確かに、お前達は強ぇ! 泣きたくなるほど強ぇ! だが、俺は負けねぇ! 絶対に負ける訳にはいかねぇんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 ゾルがゼウス・兼定の笑顔を思い浮かべ、人生最後の特攻を果たそうとした。
 既に燃料も尽きかけているため、チャンスはたったの一度きり。
 それ故に、腐蝕竜の体当たりを食らっても、爪で引っ掻かれても、尻尾で薙ぎ払われても、途中で止まる事はない。
「それなら、蜂の巣にして差し上げますわよ!」
 すぐさま、キャスリーンがゾルの前に陣取り、熱線銃(ブラスター)を撃ち込んだ。
「ち、畜生ッ!」
 その一撃を食らった宇宙バイクが、滑るようにしてバランスを崩し、ゾルもろともスペースデブリにぶつかり、大爆発を起こして宇宙の塵と化した。

●はぐれ者
「まさか、こんなところで、解放軍の奴に会うとは、な。これも運命か」
 クローンライダーのハヤトが、デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)に遭遇したのは、単なる偶然であった。
 そもそも、ハヤトが混乱の中、隊列から外れ、宇宙を彷徨っていたのでさえ、単なる偶然であるのだから……。
 だが、これはある意味で、運命。
 運命の女神によって、課せられた試練と言えた。
「仲間の悲嘆を受け継いで戦う、あなた達の意思には敬意を覚えます。だからと言って、このままあなたを見逃す理由にはなりません。そんな事をすれば、間違いなく解放軍に被害が及びますからね」
 デナイルが落ち着いた様子で、ハヤトの行く手を阻む。
 彼らの感情と自らの信念、両者ともに譲れないのならば、ぶつかり合うのは必然……。
 故に、どちらかが倒れるまで戦うのが、宿命とも言えた。
「おうおう、イイ度胸をしているじゃねぇか。お前、気に入ったぜ! 敵じゃなければ、酒でも飲みてぇところだが……」
 ハヤトは心底残念そうに溜息を漏らす。
 運命とは、実に皮肉……。
 出会い方さえ違っていれば、良いダチになっていたかも知れない相手と戦わなければならないのだから……。
 もちろん、それは単なるハヤトの思い込みでしかない。
 だが、少し話しただけで、デナイルの感情と思いが伝わり、危うく気持ちがグラつきそうになった。
 だからこそ、ここで気は抜けない。手も抜けない。情けなど掛けられないッ!
 全身全霊を込めた一撃を放たねば、次の攻撃を間違いなく躊躇ってしまう。
 そんな迷いを振り払う勢いで、ハヤトがデナイルに突っ込んでいく。
「あいにく、未成年なので……」
 次の瞬間、デナイルが【シミュレート・シークレットウェポン】を使い、電子精霊で構築された虚空属性の槍を複数出現させて、ハヤトの身体を貫いた。
「……たくっ! 未成年かよ。ツレねえな」
 そう言ってハヤトが血反吐を吐き、眠るようにして息絶えた。

●冥土猟兵団
「銀河帝国にも漢はいたのか……! ならば迎え撃ちましょう。同じバイク乗りとして、砕拳の冥土長参る……!」
 一方、華上・ユーディ(冥土贈り・f02310)は冥土猟兵団の仲間達と共に宇宙バイクに走らせ、特攻部隊に攻撃を仕掛けていた。
「……って、誰が漢だッ! アタイらは宇宙最高の天反音守(アマゾネス)ッ! ゼウス・兼定の子を産むべき運命にあった存在ッ! だからこそ、テメエらだけは許せねぇッ! アタイらの希望を奪ったテメエらだけはッ!」
 天反音守(アマゾネス)のリーダー・ヘラ石井が、恨めしそうに叫ぶ。
 他の隊員達もゼウス・兼定のヘブンズシードをゲットできなかったせいか、怒り心頭、絶対殺すモードになっていた。
「負ける訳には、いかないでちゅ。桜さん頑張りますよ」
 ユーディが操る宇宙バイクの後部座席に乗った有馬・ナオ(チョコファイター・f10768)が、自分自身に気合を入れる。
 そんな気持ちに反して、宿主である桜しおんが、無言でラジオ体操をし始めた。
「何でラジオ体操なんでちゅか」
 ナオが思わずツッコミを入れる。
 だが、しおんは礼儀正しく、第二、第三のラジオ体操を続けていく。
 そのせいか、何処からか音楽が流れているような錯覚を覚え、天反音守(アマゾネス)達が殺気立った。
「ず、随分と余裕じゃねぇか!」
 天反音守(アマゾネス)一のブチ切れ女王サラマンダー・須崎が、ヘルメット越しにこめかみを激しくピクつかせた。
 まわりにいた隊員達も『コイツ、ヤッちゃいましょうよ! ブチ殺してやりましょうよ!』と言わんばかりに殺気立っていた。
「相手は手負いの獣とは言え、油断は出来ない……。最悪、返り討ちに遭うからなッ! 腹を括って挑まないと……」
 イヴ・ハルゼンヌ(エルフのスナイパー・f06540)が、吾門・里緒(ブラックタールのスターライダー・f13121)の宇宙バイクの後部座席に跨り、天反音守(アマゾネス)達を睨む。
 天反音守(アマゾネス)達は殺気立っており、『コイツら、殺すッ! マジ殺すッ!』と言わんばかりの雰囲気だ。
「これ以上、誰かが傷つくのは、許せねえべさ!」
 里緒が宇宙バイクに跨ったまま、天反音守(アマゾネス)達に突っ込んでいった。
「おうおう、イイ度胸をしているじゃねえか! 殺すッ! ブッ殺すッ!」
 サラマンダー・須崎が凄まじい殺気を身に纏い、里緒の宇宙バイクに体当たりを仕掛けてきた。
 互いの宇宙バイクがぶつかり合うたび、まるで鍔迫り合いをしているかの如く、大量の火花が辺りに散った。
「銀河戦争も、厳しさを増していますね。ここで歩みを止める訳には行きません。やりましょう、私達の手で……!」
 マリア・ハルゼンヌ(エルフのクレリック・f06545)がイヴを守りながら、仲間達の回復支援を行った。
 その間も天反音守(アマゾネス)達が限界バリバリアタック達を、猟兵達に繰り出していた。
「……なかなか、やるわね」
 マリアが一体ずつおびき寄せるようにして、隊員の攻撃をギリギリのところで避け、勢いよくメイスを振り下ろして、相手の意識を跡形もなく奪い去った。
「……ぐがっ!」
 その一撃を食らって隊員が間の抜けた声を上げ、宇宙バイクもろともスペースデブリに突っ込んだ。
「アイラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!」
 それを目の当たりにした女王サラマンダー・須崎が吠えた。
「うぐ……ぐっ! テメエらだけは……テメエらだけは……許せねぇ!」
 女王サラマンダー・須崎が全身を震わせ、宇宙バイクのリミッターをぶっ飛ばした。
 それは彼女が自らの力を抑えるために、施した封印ッ!
 リミッターを外したら、最後。
 最悪、宇宙バイクもろとも、爆炎に包まれてしまう程の危険を孕んでいた。
 だが、サラマンダー・須崎は怯まない。
 弾丸の如く勢いで、迷わず猟兵達に突っ込んできた。
「絶対に負けないべ!」
 すぐさま、里緒が宇宙バイクにある機銃に目潰しを乗せ、サラマンダー・須崎に攻撃を仕掛けていった。
「ぐおっ! 目がッ! だが、負けねぇ! 心の目だァ!」
 サラマンダー・須崎が吠える。
 今にも火を吐きそうな勢いで……!
「……確実に仕留める! 悪いが、こっちも命懸けだ。甘さは捨てさせて貰うぜ……!」
 それを迎え撃つようにして、イヴが【ジャックフロスト】を仕掛け、相手の熱を奪う凍結光線を撃ち込んだ。
「ば、馬鹿なッ! アタシの燃え上がるソウルがッ! ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 その一撃を食らったサラマンダー・須崎が断末魔を響かせ、宇宙バイクもろとも爆散した。
「テメェ! よくもサラマンダーを! テメエらだけは……絶対に許さねぇ!」
 ヘラ石井が隊員達に合図を送り、一斉に爆音を響かせた。
 それは全力特攻のサインッ!
 死ぬ事を恐れる事無く、敵に突っ込む天反音守(アマゾネス)流の覚悟であったッ!
「その勝負……受けて立ちますッ!」
 ユーディが宇宙バイクをフルスロットル全開で、天反音守(アマゾネス)達をジロリと睨む。
「……先生。目付きが怖いでしゅ」
 その気迫に圧倒され、ナオがしおんと一緒に、ぶるっと身体を震わせた。
「テメエら、怯むなああああああああああああああああああああああああ!」
 ヘラ石井が吠える。
 ユーディ達……冥土猟兵団の気迫に圧倒された隊員達に気合を入れるように……!
 それを迎え撃つ冥土猟兵団の面々も、まったく気を向く事なく、天反音守(アマゾネス)達とぶつかり合った。
「そこを退けッ! 退きやがれええええええええええええええええええ!」
 ヘラ石井が宇宙バイクを走らせ、自分の限界を超える勢いで突っ込んできた。
 対するユーディも爆音を響かせながら、真正面からヘラ石井の宇宙バイクにぶつかった。
「うぐ……こんな時にッ!」
 その途端、ヘラ石井の宇宙バイクが悲鳴をあげるようにして黒煙を上げた。
「アタイは負けねぇッ! ここで負ける訳にはいかねぇんだよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
 それでも、ヘラ石井は両目を血走らせ、歯を食いしばり、恨めしそうにユーディを睨みつけた。
「ぐわああああああああああああああああああああ!」
 次の瞬間、宇宙バイクがヘラ石井を乗せたまま爆発音を響かせ、きりもみ回転しながら吹っ飛び、スペースデブリもろとも爆炎に包まれた。
「姐御ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
 それを目の当たりにした天反音守(アマゾネス)の隊員も、ヘラ石井の追うようにして次々と無謀な特攻を仕掛けて爆死ッ!
(「これが天反音守(アマゾネス)の覚悟……」)
 ユーディが複雑な気持ちになりつつ、悲しげな表情を浮かべた。
 天反音守(アマゾネス)にも意地があり、果たすべき役目があった。
 だが、それでも……ここで防がなければ、多くの艦が宇宙の塵になっていた事だろう。
「全ての者に加護を……」
 そんな空気を察したマリアが【精霊の讃歌(セイレイノサンカ)】を使い、歌声を聞いて共感した猟兵達を治療した。
 マリアの力では、肉体の傷は治す事が出来たとしても、心の傷までは治せない。
 それ故に、心を込めて、歌う事にした。
 少しでも仲間達の心に傷が残らないように、祈りを込めて……。

●特攻部隊:爆煙のサジ
「見つけたァ! 見つけたぞォ! お前か! 俺達の仲間を卑怯な真似でブチ殺したヤツは!」
 爆煙のサジは殺気立っていた。
 目の前にするのは、憎き解放軍のひとり。
 しかも、その特徴から、仲間の命を奪ったヤツに、間違いなかった。
「……ふむ、つまるところ、先日、ゼウス・兼定の部隊迎撃にあたった我々は、奴らにとっての仇というわけか」
 一駒・丈一(金眼の・f01005)が納得した様子で、爆煙のサジに視線を送る。
 確かに、前回の戦いでは小細工を使ったが、爆煙のサジの反応を見る限り、だいぶ話が大きくなっているような感じであった。
 だからと言って、やっていなかった訳ではない。
 それを否定するつもりもなければ、開き直るつもりもない。
 それ故に、今回は真正面から、爆煙のサジを迎え撃つ事にした。
「な、何のつもりだッ!」
 爆煙のサジが、警戒心をあらわにした。
「……せめてもの礼儀だ」
 丈一がスペースデブリやら、宇宙バイクやらを足蹴にしつつ跳躍し、爆煙のサジの傍まで踏み込んでいった。
「ん、んあっ! 速ぇ!」
 爆煙のサジが、唖然とした。
 これでは……避けられないッ!
 それでも、半ばヤケになって、丈一に攻撃を仕掛けたものの、軽く見切られ、空を切った。
「これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ」
 次の瞬間、丈一が【罪業罰下(ザイゴウバッカ)】を仕掛け、己に課せられた因果を一時的に逆転させる事により、刀剣による一閃で爆煙のサジを切り裂いた。
「先に、あの世で待っているぜぇ!」
 そう言って爆煙のサジが断末魔を響かせ、華々しく爆死した。

●精鋭部隊
「まさか、僕だけしかいなかったなんて……」
 水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は絶体絶命のピンチに陥っていた。
 数百の精鋭部隊に対して、その相手をするのは、雁之助たったひとり。
 この時点で死亡フラグが立ち並んでいるものの、だからと言って逃げる訳には行かなかった。
(「とにかく、やれるだけの事は、やっておかないと……」)
 雁之助にも、意地がある。
 例え、勝ち目のない戦いだったとしても、ここで逃げれば解放軍の艦にも危険が及ぶ。
 それが分かっているため、絶対に退く訳には行かない。
「まさか、たったひとりで俺達に挑むとは……。よほどの命知らずもいたようだなァ! だが、その覚悟ッ! 気に入ったッ! 俺達も本気でやらせてもらうッ!」
 精鋭部隊のリーダー、カミカゼ・カクゴが隊員達を引き連れ、雁之助に攻撃を仕掛けていく。
「うくっ……」
 それに気づいた雁之助がスペースデブリを隠れ蓑にしつつ、角度や反射具合を計算しながら、跳弾で自分の居場所を誤解させた。
 しかし、精鋭部隊の数が圧倒的に多いため、攻撃を仕掛けてきた隊員を盾代わりにしながら、【降臨悉平太郎(コウリンシッペイタロウ)】を使い、猿神殺しの柴犬を召喚した。
 その上で、悉平太郎とタイミングを合わせて、隊員達を蹴散らしていったものの、多勢に無勢。
 あっと言う間に、まわりを囲まれ、死を覚悟しなければいけない状況まで追い込まれた。
「そろそろ、死ぬ覚悟が出来たかァ? 残念だったら、奇跡を起こす事が出来なくてッ! だが、落ち込む事はねぇ! お前の姿……俺達の心に刻んでおくぜ!」
 カミカゼが勝ち誇った様子で、自分の胸をドンと叩く。
『……何とか間に合ったようだね』
 次の瞬間、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)が搭乗した宇宙船を念動力で加速し、精鋭部隊めがけて突っ込んだ。
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
 その一撃を食らった精鋭部隊が吹っ飛び、あちらこちらで爆音を響かせた。
『奇跡とまでは行かなくても、これで希望になったでしょ?』
 レイチェルが搭乗した宇宙船で、雁之助達を守りつつ、精鋭部隊の行く手を阻む。
「か、壁にでもなったつもりか! そんなモノ、俺達が束で掛かれば、一撃で……」
 カミカゼが隊員達を呼び集め、レイチェルが搭乗した宇宙船めがけて、特攻を仕掛けようとした。
『わたしは、ここで負けられない。なかま達を守るため……。それがいまのわたしの心、わたしの力は心の力だから。だから、はやく……少しでも、はやく……!』
 すぐさま、レイチェルが【サイコドライブ】を仕掛け、再び搭乗した宇宙船で素早い一撃を放つ。
「テ、テメエら、怯むなッ! たった一隻で、何が出来るッ! 俺達が本気になれば、こんな船……楽勝だッ!」
 カミカゼが激しく動揺しつつ、隊員達を勇気づけた。
 隊員達も『たった一隻なら、俺達の手で!』と言う気持ちになっているのか、間合いを取りつつレイチェルが搭乗している宇宙船を取り囲む。
「ヒャッハー! いくぜ、テメエら! コイツらの希望を絶望に塗り替えてやれ!」
 カミカゼが吠えたッ!
 それに合わせて、隊員達も吠えるッ!
 レイチェルのせいで沢山の隊員が命を落としてしまったものの、これで仇を討つ事が……出来るッ!
 そう思った矢先……!
『希望を絶望……ですか。ならば、わたしがそれを『奇跡』に変えておきますね』
 カミカゼ達の前に現れたのは、イヴ・クロノサージュ(《機械天使》花と自然を愛する機械人形・f02113)が搭乗している《宇宙戦艦》クロノトロン=ユニットであった。
 しかも、宇宙船アストラも支援に来ており、カミカゼ率いる精鋭部隊めがけて、一斉に攻撃を仕掛けていた。
「ひ、怯むなッ! こんな事、あってたまるかッ! あり得ねぇ!」
 カミカゼは泣きたい気分になった。
 何故、こんな事に……ッ!
 こんなはずでは……ッ!
 あり得ねぇ……!
 そう叫びたい気持ちをゴクッと飲み込み、カミカゼが覚悟を決める。
「こ、これは逆に好都合だッ! 俺達の恐ろしさを思い知らせてやれッ! あの艦さえ沈めれば、俺達の勝ちだああああああああああああああああ!」
 カミカゼが半ばヤケになりつつ、残っていた隊員達を引き連れ、《宇宙戦艦》クロノトロン=ユニットに特攻を仕掛けた。
『なっ……! まさか、この状況で特攻とは……! 総員、衝撃に備えて下さい……!』
 それと同時に、イヴが危機感を覚え、艦内の乗組員達に対して、注意を促した。
「行くぜぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
 そして、カミカゼが爆音を響かせながら、《宇宙戦艦》クロノトロン=ユニットに次々と特攻を仕掛けていく。
「み、認めねぇ! 俺は絶対に認めねえぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 カクゴが吠えた。
 自らの生き様を示すために……!
 それが、いかに無謀で、無茶で、馬鹿げた事であったとしても、ここで気を抜く訳には行けない。
 例え、宇宙戦艦に強力なバリアが張ってあったとしても、ここで退くような隊員はいなかった。
 それ故に、彼らもまた奇跡を信じていた。
 解放軍に出来て、自分達に出来ない訳が無いッ!
 絶対に出来るッ!
 あのバリアを破壊し、必ず戦艦を沈める事が……出来るはずッ!
「バリバリだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
 そして、彼らは自らの目的を果たす事が出来ぬまま、次々と……光になった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月11日


挿絵イラスト