アポカリプス・ランページ⑱〜邪悪か、狂気か。
●邪悪に堕ちるか、狂気に堕ちるか。
「お疲れさまです皆さん。ポーシュボス・フェノメノンへの道が開けましたので、向かってほしいところ……なんですがー……」
言いよどむ様子の金宮・燦斗(《夕焼けの殺人鬼》[MorderAbendrot]・f29268)。
予知で確認できた光景はあまりにも衝撃的で、これをどう討伐するかの選択肢がかなり絞り込まれているからこそ、少々言い出しにくいのだとか。
フィールド・オブ・ナインの1体、ポーシュボス・フェノメノン。今回露見したかの者は、生命が持つ善の心に寄生し、少しでも善の心を持つ生物を『ポーシュボス』へと変えてしまう能力を持っている。
これを倒すには『純粋な悪の存在』でなければ倒すことが出来ない。ポーシュボスはどんなに悪だと言い張っていても僅かな善性を見出して攻撃を弾いてしまうのだ。
「皆さんには邪悪なる者へとなってもらうか、ポーシュボス化してでも戦ってもらうかの選択肢があるのですが……もう1つ、我々にはあるものがあります」
そう言って燦斗が取り出したのは……ヒューストン宇宙センターで獲得した宝石『宇宙の幼生』。その中を見た者に対して宇宙の超神秘を見せつけ、狂気を植え付けるという代物だ。
燦斗が言うには、この宝石に眠る力をどうにかして引き出して使うことが出来れば、ポーシュボスへダメージを通すことが出来るかもしれないという。
しかしこれを使うには相応の覚悟が必要。数秒以上見続ければ例え猟兵といえども発狂状態に陥るため、扱いには十分な注意が必要になるという。
「相手はまさに狂気的な存在ですから、こちらも相応の覚悟が必要になります。……準備ができましたら、私に声を。必要な方にはこの宝石を配りますから」
そう言って彼は猟兵達に声をかけて、承諾した者達から戦場へと送り届ける。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
ポーシュボス・フェノメノンのシナリオになります。
こちらは手段多めな方。
初めての方はMSページを読んで頂ければと思います。
オーバーロードの実装に際し、MSページにも記載がありますので一読いただければ幸いです。
簡潔に申しますと『御影さんのは0.5でも1でもそんなに変わらん』です。
●採用について
「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
採用については最少人数がメインですが、全員採用も目指します。
内容によっては採用の確約が出来ません。
また採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。
●場所:オブリビオン・ストームの内部
ポーシュボス本体がストーム内部にあるため、自動的にそこから開始になります。
プレイングに書かれてない限りはどうにか吹き飛ばされないように戦っている状況です。
ポーシュボスはめちゃくちゃでかいです。それそのものが遮蔽物。
●プレイングボーナス:『邪悪ナる者』になるorポーシュボス化してでも戦うor敵の巨体や「宇宙の幼生」を利用する。
邪悪ナる者になる場合とポーシュボス化は記載があるだけでもOKです。
敵の巨体や宇宙の幼生を利用する場合はどのように利用するかの記載をお願いします。
宇宙の幼生に関しては数秒見続けた場合狂気に陥ることをお忘れなく。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『ポーシュボス・フェノメノン』
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POW : ポーシュボス・モンストライズ・フェノメノン
自身の【体積】を代償に、【生物をポーシュボス化する現象】を籠めた一撃を放つ。自分にとって体積を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : ポーシュボス・ウェポナイズ・フェノメノン
いま戦っている対象に有効な【武器形態ポーシュボス】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : ポーシュボス・シンパシー・フェノメノン
【ポーシュボスの威容】を披露した指定の全対象に【ポーシュボス化したいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レイ・アイオライト
気付けばポーシュボスになってる?で、善を持つものは全部その現象に巻き込まれる?
正直に言いましょうか。耳元で煩いのよ。死んだ肉塊が、嵐の中で囁きながら自分の不幸を他人の耳元で囀るとかアンタら厚顔無恥にも程はあるでしょ。さっさと殺すわ。全部。全て。その形がなくなるまで磨り潰す。
邪悪なる者なら、あたしの内、その力に潜んでる。
起きなさい、クラミツハ。出番よ。
『クハハハハ!!殺すのか!そうか!!喚き嘆く者の声!!成ればこそ、殺し甲斐があるというものよ!』
クラミツハに体を預けて、眼前を飛び交うポーシュポスの群れを殺し尽くすわ。
『暗殺・範囲攻撃・蹂躙』で影を自在に操ってね。
●邪悪ナる者、影より出ル
「気づけばポーシュボスになってる? ……で、善を持つものは全部その現象に巻き込まれる?」
オブリビオン・ストームの中に存在するポーシュボス・フェノメノン。それを見上げるレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は、耳に流れてくる様々な言葉を軽く聞き流す。
――こコは何処なノ!? 誰カ助けテ!!
――なンだ、こいツ……!? 寄ルな! 近ヅクな!!
――ああ、やッぱリ駄目なノか……。何ヲやっテモ、コイつには……!!
――どウやッテこイつを倒セバ良いンダ……! 世界ヲ救うたメの悪なンて……
苦しみ、嘆き、哀しみ、痛み。様々な声がレイの耳元で重なり続ける。
「……耳元で煩いのよ。死んだ肉塊が、嵐の中で囁きながら自分の不幸を他人の耳元で囀るとか……アンタら、厚顔無恥にも程があるでしょ」
イライラとした様子のレイは小さく舌打ちすると、ポーシュボス・フェノメノンへの対処にユーベルコード『影憑・闇御津羽神』を使って、己の中に眠る《邪悪なる者》を呼び起こす。
ポーシュボスは生命の持つ善の性質を奪いその身体を変質させ成長する『現象《フェノメノン》』。その身体は善の性質を通さず、悪の性質のみしか通さないものだ。だからこそレイは己ではなく、邪悪なる存在闇黒の操者『クラミツハ』の封印を解除する。
「起きなさい、クラミツハ。出番よ」
『クハハハハ! そうか、殺すか! 殺すのか! 喚き、嘆く者の声を!』
「ええ。あたしの身体を使いなさいな」
ずるりとレイの影から現れたクラミツハはそのまま身体を借りて、眼前を飛び交うポーシュボスの群れを魔刀・篠突ク雨を振り回し、一気に惨殺する。
苦しみ、嘆き、哀しみ、痛み。様々な声が聞こえてこようとも、クラミツハの刀は全てを切り刻む。伸びてくるあらゆる武器が襲いかかってきても、容赦なく、無慈悲に、叩き折る。
『ああ、ああ! 殺し甲斐があるな!! こだまする嘆きの声を気にする必要もなく、全てを殺しても良いという心地よさ!! 主殿よ、一時的な降臨ではあるが感謝するぞ!!』
邪悪に笑うクラミツハ――もといレイ。善の心なんて何処にもない、純粋な悪がポーシュボスを蹂躙し続けた。
成功
🔵🔵🔴
ニクロム・チタノ
アハハ邪悪ナる者ですかならボクがぴったりですね~?
だってボクはもう醜い悪堕ち怪人ヘドロのように薄汚い心なんですから
しかしボクみたいな猟兵のクズがお役に立てるとは世も末とても素晴らしいですねぇ~アハハハ
さあボクを見て醜いボクの姿を
ヨダレを撒き散らしてオブリビオンストームの中にヘドロの海を作りましょうか、ボクに相応しい戦場です猛毒とヘドロにまみれて戦いましょう
もはや反抗の加護がない妖刀でも敵を切り裂くことは出来ますさあズタズタにしてあげましょう
●崩れ落ちた悪の心
「アハハ、邪悪ナる者ですか。ならボクがぴったりですね~?」
笑顔を崩さず、超巨大なオブリビオン・ストームの中に存在するポーシュボスへ目を向けるニクロム・チタノ(反抗を忘れた悪堕ちヘドロ・f32208)。カラカラと笑ったその笑顔は、ヘドロのようにグズグズに崩れていた。
ユーベルコード『ニクロムの成れの果て』。身体を悪臭と猛毒ヘドロで覆い尽くし、その口からは毒素を含むヨダレがぼたぼたと流れる。頭の中はぐるぐるぐるぐる、善性とは程遠いものに支配されて真っ黒に狂う。
「しかし……ボクみたいな猟兵のクズがお役に立てるとは世も末、とても素晴らしいですねぇ~!」
アハハハハ! と、狂った笑い声があたりに響く。ポーシュボスはそんなニクロムに対し、ずるりと触手を伸ばして一撃を叩き込む。
ぐしゃ、と液体が飛び散る音が聞こえたが、ニクロムの身体が少々崩れた程度で特に痛みは無い。代わりに多くのヨダレを撒き散らしているせいで、その周りが猛毒を含んだヘドロの海へと変貌していた。
黒い嵐に巻き上げられるヘドロの海は、やがては空へと飛び散ってポーシュボスの肉を毒で灼く。痛みにのたうつ触手がいくつも見受けられる中で、ニクロムの耳に声が届いた。
――痛イ、痛い、痛イ痛い痛いいたいイタイいたいイタイ!!
――なんデ、私たチが何をシたと言ウノ!?
――誰カ助けテ! ああ、苦シい!
――いやダ、イヤだ、ここニハいたクないよ!!
その耳に届いた嘆きの声も、哀しみの声も、怒りの声も、痛みの声も、助けを希う声も、懇願する声も、特に気にする必要のないBGM。今から行う醜い戦いを彩るだけの些末な音だ。
「アハハハハ! さあ、ボクを見て! ボクの姿を、醜くなったボクの姿を!」
濁った猛毒の雨が降る中で、ニクロムは反抗の妖刀を振るってポーシュボスの触手をいくつも削ぎ取る。ヘドロの雨だけでのたうち回るな、本当の戦いはこれからなのだと叫ぶように。
崩れ落ちるニクロムの笑顔と、それを見つめる無数の黄金の瞳。
どちらが悪なのかは、もはや誰にも判断することは出来ない。
ただただ言えるとしたら、そこに居たのは――純粋な"悪"そのもの。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
(私とレイリさんは意識の奥底に逃げていますので。任せましたよ)
ロキもいねーしオレの好きにさせてもらうぜ。善悪なんざ知ったこっちゃねェ。オレは殺したいから殺して喰いてェから喰うだけだ
んでこの幼生とやらは……見てたら喰いたくなったから喰う
「あ……ア、アァ」
喰うことしか考えられねェ。目の前のポーシュボスを喰って無意識にUC発動。狼と宇宙の幼生とポーシュボスが混ざった不定形の獣になって目の前の物を喰らい続ける
「あ、ハ、ヒャハハハハ!!!」
笑ってるのか。オレは。笑うって何だっけか。喰うことだっけ。何かスゲー久々に楽しい。楽しいって何だっけ。あぁ、そうか。オレは――オレ、だ
●折り重なった狂気
「ロキもいねーし、好き勝手にやっていいんだよなぁ……」
ニヤリと口元を緩める水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)――その内に眠る人格《アノン》。悪を倒すためには悪が必要と言われるポーシュボスを見て、ただただ、殺したいという感情だけが重ねられていった。
普段であれば別人格のロキが表立って戦闘を行うのだが、今回だけは、悪の感情が必要。善性の強いロキやもう1つの人格レイリではポーシュボスに攻撃を通すことは出来ない。
だから、アノンが出た。善も悪も関係なく、悪になれと言われれば悪になることが出来る彼にしか出来ない任務だから。
「……そういやコレ食っていいんだっけ?」
オブリビオン・ストームの中に存在するポーシュボスを前に、アノンは貰った宇宙の幼生を見続ける。数秒見続ければ危険だと言われていたのに、アノンは全くそのあたりを気にすること無く、1分ほどは見続けていた。
すると、どうだろう。彼は急に喉を鳴らしたかと思えば、ぱくりと一口で食べてしまった。あれだけ念を押されていたというのに、どうやら宇宙の幼生の中に広がった超宇宙を覗き込んでしまって、『食べたい』という欲だけが膨れ上がったようだ。
「あ……ア、アァ……!!」
狂い狂ったその瞳は、気づけば空をも覆い尽くすポーシュボスの触手を噛みちぎっていた。その発作に呼応するようにユーベルコード『不可知の獣』が発動し、喰らい取った触手から得た情報を使い、その身体を変化させた。
ポーシュボスはこれを危険だと察知したのか、己の体積を代償にアノンをポーシュボスへと変質させてやろうと生物をポーシュボス化する現象を籠めた一撃を放つ。これを存在させてはならない、これを生かしておいってはならないという焦りが見いだされていた。
「あは、ハハ、ハハハ、ヒャハハハハハ!!」
狼、宇宙の幼生、ポーシュボス。それら全てが混ざった不定形の獣は大きく笑う。
ぐしゃり、ぐしゃりと飛び交う触手を喰らい続けて、悪も何もかもを飲み込もうとしていた。
アノンはそんな中で、だんだん意識が薄れていた。
獣の、宇宙の幼生の、ポーシュボスのいろいろなものが混ざってしまっていて、今何をしているのか、楽しいということさえもよくわからない。
それでも、彼は1つだけ頭の中で理解していた。
「オレは――オレ、だ」
成功
🔵🔵🔴
黒木・摩那
これだけ大きなオブリビオンというと、SSWでのクエーサービーストを思い出します。しかし、あちらはまだ普通に戦えましたが、こちらは完全にヤバいですね。
ここは一か八か、大宇宙の神秘に頼ります。
狂気には狂気を。
宝石『宇宙の幼生』をヘッドランプ的に頭に縛って固定します。これで相手は見るけど、自分は目にはしません。
これで狂気は拮抗?。ポーシュボス化するまでの時間がわずかばかりでも稼げるかもしれません。
あとは戦える時間中、UC【超重新星】で殴る蹴るして、手当り次第でポーシュボスを削っていきます。
●イチかバチかの大博打
「これだけ大きなオブリビオンというと……クエーサービーストを思い出しますね」
超巨大なオブリビオン・ストームの中、何倍、何千倍という大きさを誇るポーシュボスを前に黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は首を上に向けていた。……その額に包帯でぐるぐる巻きに固定した宇宙の幼生をぺっとり貼り付けて。
というのも、彼女は自分の善性は失いたくないし、かといって悪に堕ちるのはちょっと違うなと思ったため、一か八かで大宇宙の神秘である宇宙の幼生を頼ることにした。
しかしこの宇宙の幼生、数秒見続けるだけで狂気に落とし込まれる代物。どうしたものかと考えた末にひらめいたのが、ヘッドライト式に頭に貼り付ければ自分は見えないから勝ちじゃん、だった。
「うん、これなら相手は見るけど自分は目にしない。我ながら冴えてます」
どやぁ、と胸を張ってドヤ顔をポーシュボスに披露する摩那。
そのドヤ顔を叩き潰してやりたくなったのか、それとも宇宙の幼生を使われたことによる怒りが差し迫っているのか、あるいは早くポーシュポス化させないとヤバイと思ったのか、摩那に向けて触手が伸びてきた。
「これで狂気は拮抗……ですかね? 少しばかり、ポーシュポス化までの時間が稼げればいいのですが……」
走って、跳んで、ポーシュボスの攻撃をスレスレで回避する摩那。たまに皮膚をかする攻撃もあったが、どれも大きな怪我には至ることはなく、逆に反撃の手を撃ち込んだ。
ユーベルコード『超重新星』によって飛んできた触手を念動力で一撃の威力を増した拳で叩きつけ、ぐしゃぐしゃに潰して使えなくしておいて。出来る限り自分から攻撃するのではなく、カウンターの方式でポーシュボスへの一撃を与え続けていた。
「これでダメージが入っているのかと聞かれたら、全然わかりません……けど!」
宇宙の幼生の力なのか、摩那の一撃を食らったポーシュボスの動きが少々鈍り始めている。痛み、苦しみといったものが宇宙の幼生の光を通して伝わっているのだろうか、やがてポーシュボスから摩那を攻撃する手が少なくなっていった。
「おや、誰が終わりだと言いましたか?」
にっこりと、額に光る宇宙の幼生を外すこと無く笑みを浮かべた摩那。
――その日、狂気が博打に負けた瞬間が見受けられたそうな……。
成功
🔵🔵🔴
シノギ・リンダリンダリンダ
宝石?
これは、コイツを倒した時にまだ持っていたら持って帰ってもいいんですよね?
善性も、狂気も、強欲の大海賊に期待するなら無駄だ
全ての世界の財宝を自分の手元に『取り戻す』ために作られ、その為に新しい世界を手に入れるためにオブリビオンを殺し、財宝を手に入れるのを邪魔をするオブリビオンを殺し、邪魔をするのなら一般人も関係ない大海賊からしたら
造り産み落とされた時から狂気と強欲さと傲慢さは持ち合わせている
宇宙の神秘が私を狂気に苛むのなら、それもまた素晴らしい財宝だ
さ、ではさっさとお前を殺して持ち帰りましょうか
【我が腹】を解放
己の全ての呪詛毒で蝕み、腐らせ、殺し、黄金像にする
あ、この宝石も黄金にしましょう
●傲慢と強欲の大海賊
「宝石? これは、コイツを倒した時にまだ持ってたら持って帰ってもいいんですよね?」
宇宙の幼生を手に握ったシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は、基礎中の基礎、自分の手元に残るかどうかを尋ねる。
数秒見続ければ狂気を落とし込められてしまう宝石、宇宙の幼生。ポーシュボスへの特攻に必要かもしれないと渡されたものだが、宝石と名がついては大海賊としては、ひいては宝石が大好きなので持ち帰りたくて仕方がない。
残っていれば、と念は押されるが……果たして、宇宙の幼生の今後や如何に。
超巨大なオブリビオン・ストームの中をびちびちと触手で叩きまわるポーシュボス。シノギはそんな相手を前にして、牙を向いて笑っていた。
「善性も、狂気も、強欲の大海賊に期待するなら無駄ですよぉ! 何故なら私、全ての世界の財宝を自分の手元に"取り戻す"ために作られてますので!!」
どんな財宝でも、全て持ち帰る。それが『大海賊』たるものだと、シノギは宣言する。
肉体を造られ、精神を生み出されたその日から、強欲と、傲慢と、全ての狂気を兼ね備えた海賊。"強欲のシノギ"とはまさに彼女のことである。
その威圧は、ポーシュボス・フェノメノンにとってどれだけ危険な威圧か。急いで彼女を奪わなければ、急いで彼女をポーシュボスへと変化させなければ、『ポーシュボスという存在が危険だ』。そんな意志がはっきりと伝わってくる。
「さっさとお前を殺して、持ち帰りましょうか! ――我が財宝の呪い、その一端をおすそ分けしますね?」
にぃ、と笑みを浮かべたシノギの身体から、じわりじわりと黒い霧が溢れ出す。
ユーベルコード『我が腹』によって作られた呪詛毒の霧は戦場全体を包み込み、腐食と神経毒と黄金化が絶えず襲いかかる呪詛の海へと変貌する。
伸びてきた触手も、睨みつけてくるその目も、全てを黄金へと変えて持ち帰り、部屋へと飾ってあげようという傲慢さがポーシュボスを包み込んでゆくのが、よくわかる。
その威容を披露した相手はポーシュボスとなりたいという感情が植え付けられるはずなのに、何故か、逆に黄金化の呪詛がじわじわと現象《フェノメノン》を飲み込んでいった。
「あ、ついでにこの宝石も黄金にしちゃいましょう。えいっ」
手に握られていた宇宙の幼生も、そのまま一緒に黄金にされた。
飾るのなら、こっちのほうがいいよね。そんな一言を携えて。
成功
🔵🔵🔴
ヴィリー・フランツ
「宇宙の幼生」を利用する
WIZ 心情:‥‥ブラックタールも相当だが、コイツは群を抜いてるな。
こんな奴がこの世にいちゃいけねぇ、早々に叩きのめすぞ!
手段:幼生を差し出せば奴は群がり、個体が合流する、後はそこへ全火力を投射するだけだ、先ずは500機以上召還出来る【スーサイダードローン】による飽和攻撃、次に[ブルパップ式狙撃銃]による射撃、狙わんでも何処かしら当たるな。
弾が切れたら[予備弾薬]を使用して再装填、それを繰り返す。
それすら無くなったら[迷彩ベスト]に括り着けてる[プラズマグレネード]を投擲。
[紙巻タバコ+オイルライター]を吸ってある程度は落ち着いてると思うが…シラフじゃこんな事出来んよ
●銃撃、乱撃、また銃撃。
「……ブラックタールも相当だが、コイツは群を抜いてるな……」
超巨大なオブリビオン・ストームの中、天を貫くほどの大きさを誇るポーシュボスを見上げながらヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は呟く。これまでに戦ってきた者達に比べ、今目の前に存在する現象《フェノメノン》はここで食い止めなければまずいと、本能的に感じ取っていた。
「こんなやつがこの世にいちゃいけねぇな。早々に叩きのめす!!」
借りた宇宙の幼生を強く握りしめ、彼は一歩足を前へ進める。
「まずはこいつを返しておくぜ!!」
そう言って彼は宇宙の幼生を空高くぶん投げて、ポーシュボスの視線を集める。荒ぶっていた個体が気味が悪いほどに多く集まったところで、ユーベルコード『スーサイダードローン』を発動。535体の小型戦闘用自爆型ドローンを召集、群がったポーシュボス目掛けて連続爆撃をぶちかました。
「ドローン展開、行ってこい! このまま一気に押し切る!!」
爆撃の大嵐の中、ぼたぼたと落ちるポーシュボスの肉。そんな中でもまだ触手は蠢き続け、ヴィリーを狙い続けていた。
やがてポーシュボスはその威容を見せつけるように、触手でドローンを振り払う。一瞬だけ、爆発の煙に紛れてヴィリーの視界に映り込んだポーシュボスは、そのまま彼の脳内にポーシュボス化したいという感情を植え付ける。
「チッ……!」
咥えていた紙巻タバコを新しく取り替え、新たに火をつけて大きく煙を吸い込み……その手に握ったプルパップ式狙撃銃で何も考えずに真っ直ぐ打ち込む。煙のせいで何も見えなかったが、大きくのたうつ音で攻撃が成功したことを自覚する。
紫煙を吸って、引き金を引いて、また紫煙を吸って、引き金を引く。同じ繰り返しだったが、タバコが無ければおそらくヴィリーは正気じゃなかっただろう。補充しておいてよかったと、心のそこから思っていた。
「……しかし、多すぎるだろ、コレ」
ドローンの爆撃の煙に隠れ予備弾薬を再装填しながら、迷彩ベストのプラズマグレネードまで使用して攻撃を繰り返すヴィリー。
今自分にできることは、全ての火力をこのデカブツに投射すること。終わりが見えずとも、自分ができることは全てやり遂げるつもりだ。
「あー、くそっ。シラフでこんな事出来ねぇっつの!」
もう1本、新たなタバコに火をつけて。
もう1発、巨大な触手をぶち抜いた。
成功
🔵🔵🔴
マオ・ブロークン
……ひどく、やっかいな、性質。
丸鋸を、全力で、走らせて。敵の生んだ、武器と、打ち合って、いても。
これっぽっちも。攻撃の、通る気配、ないや。
やっぱり。こっちも、傷つく、覚悟じゃ、ないと。
……身体の中、エンジンの奥底に封じられた魂を引きずりだす。
これがあたしの本性、悪霊。『邪悪ナる者』。
人に殺された、その恨みの念だけが現世に凝り固まった……
生ある者を恨んで、とり殺すしかできない存在。
物理存在じゃないから。先に呼ばれた武器には、もう傷つけられない。
もはや理性がないから。善性に揺れることは、ない。
ここにあるのは怨念だけ。生きているものを、恨んで、睨んで…
死者の側へと、引きずり下ろしてやる。
●邪悪とは生あるものだけでなく。
「……ひどく、やっかいな、性質……」
ポーシュボスに向けて何度も何度も電動丸ノコ・バズソーを振りかざしていたマオ・ブロークン(涙の海に沈む・f24917)。善の性質を持つ者の攻撃は通さないというポーシュボス・フェノメノンは、例え簡単に相手を挽き斬ることが出来るバズソーを持ってしても千切れることはなく。
逆にポーシュボスはマオに向けて様々な刃を作り出して、彼女の身体を引き裂こうと何度も何度も何度も何度も振りかざしては叩き潰す。その攻撃は効かない、その性質は効かない、早くお前もポーシュボスへと成れと言わんばかりに。
「……やっぱり。こっちも、傷つく、覚悟じゃ、ないと……」
バズソーの振りかざしを終えたマオは、一度深呼吸。悪を倒すための悪になるということがどういうことなのか、彼女は魂の奥底からよくわかっている。だからこそ、己の全てを引きずり出すために……己に埋め込まれたヴォルテックエンジンの奥底、封じていた魂を引きずり出した。
「――――」
ユーベルコード『虚』により、朽ちた肉体という枷を脱いだマオは、その姿を浮遊する実態なき悪霊へと変身。元になっていた身体はぐらりと崩れ落ち、一時的に大地の一部へと溶け込んだ。
「……これがあたしの本性、悪霊。お前たちを倒すための、『邪悪ナる者』」
人に殺され、奪われ、その怨みの念だけが現世に凝り固まった存在。
生ある者を怨み取り殺すしか出来ない存在。それが、マオという邪悪なる者。
本当ならこの姿は最終手段で使うもの。強力な力を得る代わりに理性を毎秒失うため、早い段階での決着をつけなければ理性なき邪悪へと変貌してしまうのだ。
ポーシュボスは、本能か、あるいは惰性なのか、再び作り出した武器を振りかざしたが……実体を持たない幽霊となったマオには、もはや傷はつけられない。
「ここにあるのは、生者への怨念だけ。それはあなたも例外ではなくて……」
『生きている限りは怨み続ける』。現象《フェノメノン》と言えども、生を謳歌するのであればマオの視線から逃げることは許されない。
恨んで、恨んで、睨んで、睨んで、恨んで、睨んで――……。
最後の最後に残されるのは、ただ1つ。それを、マオは暗く深い声で言い放った。
「死者の側へと、引きずり下ろしてやる」
成功
🔵🔵🔴